(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】食品製品のための梱包
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20230508BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20230508BHJP
B32B 23/02 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
B65D81/34 Z
B65D65/40 D
B32B23/02
(21)【出願番号】P 2019566752
(86)(22)【出願日】2018-05-31
(86)【国際出願番号】 IB2018053873
(87)【国際公開番号】W WO2018220568
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2021-05-31
(32)【優先日】2017-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519425419
【氏名又は名称】シェフ パック,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジュスティ,アルトゥーロ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス,バートン ジュニア
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-231920(JP,A)
【文献】国際公開第2015/189130(WO,A1)
【文献】特表2017-510472(JP,A)
【文献】特表2004-537480(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0084011(US,A1)
【文献】特表2013-503089(JP,A)
【文献】米国特許第03983256(US,A)
【文献】特表2001-509113(JP,A)
【文献】特表平09-508422(JP,A)
【文献】米国特許第04387551(US,A)
【文献】特開2007-009399(JP,A)
【文献】特表2002-528660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/34
B65D 65/40
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品製品のための梱包であって、
- 前記食品製品を受ける
ための空間を画定する成形主部分であって、前記主部分が少なくとも主として繊維状セルロース材料でできているとともに
、20~1000mNの範囲に含まれる、均質な区画領域において測定されたテーバー剛性15°ISO2493-73と、30~1500g/m
2/24hの範囲に含まれる、38℃及び90%R.H.の制御された条件において測定された透湿性を有する成形主部分と、
- シート形状のカバー部分であって、少なくとも主として繊維状セルロース材料でできているとともに、38℃及び90%R.H.の制御された条件において100g/m
2/24h以上の透湿性を有し、前記カバー部分が前記成形主部分の周縁部に密封接続される、カバー部分と
を含み、
前記梱包の構成が、オーブンであって、中に受入れられた前記食品製品を加熱又は焼成するためのオーブン内に前記梱包が配置されることを可能にするためのものである、梱包。
【請求項2】
前記成形主部分及び/又は前記カバー部分が少なくとも主としてセルロース繊維でできている、請求項1に記載の梱包。
【請求項3】
前記成形主部分が、皿、グラス、カップ又はとして構成される、請求項1又は2に記載の梱包。
【請求項4】
前記成形主部分が多区画構造を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の梱包。
【請求項5】
前記成形主部分が、前記カバー部分が除去された後で重ねて閉鎖される
ための2つのハーフシェルにより形成される、請求項4に記載の梱包。
【請求項6】
前記カバー部分が、40~200μmの範囲に含まれる厚さを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の梱包。
【請求項7】
前記成形主部分が多層構造を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の梱包。
【請求項8】
前記多層構造の各層が、100~2100μmの範囲に含まれる厚さを有するとともに、20~1000mNの範囲に含まれる、均質な区画領域において測定されたテーバー剛性15°ISO2493-73を有する、請求項7に記載の梱包。
【請求項9】
前記成形主部分が、耐熱及び/又は断熱材料でできている中間層を有する、請求項7又は8に記載の梱包。
【請求項10】
前記成形主部分及び/又は前記カバー部分が、水を通さない層であって、シリカ、SiO
4、セラック、アクリル樹脂、熱硬化性粉体のうち1つ又は複数でできているか、又はこれを含む水を通さない層を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の梱包。
【請求項11】
前記水を通さない層が0.1~40μmに含まれる厚さを有する、請求項10に記載の梱包。
【請求項12】
前記成形主部分及び/又は前記カバー部分が臭気防止特性を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の梱包。
【請求項13】
前記成形主部分及び/又は前記カバー部分が加工されたセルロース繊維、キトサン、グラフェン、ゼオライト及び/又は活性炭を含む、請求項12に記載の梱包。
【請求項14】
前記成形主部分及び/又は前記カバー部分が、内側若しくは外側層の形の、及び/又は、前記部分の構造に一体化された臭気抑制特性を備えた物質を含む、請求項12又は13に記載の梱包。
【請求項15】
水及び/又はガスに対して不透過性であるシート状外側包装紙を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の梱包。
【請求項16】
前記カバー部分が、150g/m
2以下の範囲に含まれる重量を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の梱包。
【請求項17】
前記カバー部分が前記成形主部分に熱的に接合される、請求項1~16のいずれか一項に記載の梱包。
【請求項18】
前記成形主部分が、使用の際、前記食品製品と接触するように構成された内面を有し、前記内面が、液体及び/又は油脂に対して不透過性となるように処理又はコーティングされている、請求項1~17のいずれか一項に記載の梱包。
【請求項19】
前記内面が、耐水性シリカ、及び/又は、粉体の熱硬化性ポリエステルと組み合わされたアクリル樹脂でできているコーティングを有する、請求項18に記載の梱包。
【請求項20】
前記カバー部分が、ポリマー組成物により前記成形主部分へ接合されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の梱包。
【請求項21】
前記成形主部分が、前記器具の焼成又は加熱平面に面するために底部を有し、前記底部が、空気循環を生じるために、前記料理焼成又は加熱平面からの間隔要素を提供する、請求項1~20のいずれか一項に記載の梱包。
【請求項22】
前記成形主部分が、前記梱包の縦断面の各センチメートルにつき0~4℃に含まれるばらつきを有する前記食品製品の縦断面に沿った温度分布を得るように構成される、請求項1~21のいずれか一項に記載の梱包。
【請求項23】
請求項1に記載の梱包と、それらに囲まれる食品製品とを含む食品アイテム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、梱包であって、食品製品を包含するのに好適であるとともに製品の加熱又は焼成のためにオーブン又は他の装置に入れられるのに好適な繊維状セルロース材料、特に、セルロース繊維で主に又はもっぱらできている梱包に関する。
【0002】
本開示は特に、調理済みの食料を梱包する分野に関する。
【背景技術】
【0003】
調理済みの食料の分野においては、梱包及びその中に含まれる食品製品の温度を高くすることが多い装置、特に、オーブンに入れるのに好適な既知の梱包がいくつかある。
【0004】
そのような既知の梱包は、主に、特定のタイプの装置(電子レンジ、従来のオーブン、加速焼成のためのオーブンなど)における熱処理に対するそれらの適合性について互いに異なっている。
【0005】
上で説明された使用のためのものである先行技術の梱包は、一般に、少なくとも部分的にプラスチック材料でできているか、又はそれらは食品製品に接触している部分において、セロファン又は再生セルロースなどの材料で完全にラミネート加工が施されている。これらのセロファン又は再生セルロースなどの材料には、実際、油脂、液体及び蒸気に対する不透過性を達成する熱可塑性ポリマー、例えば、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、アクリルポリマーなどのコーティングを介して、耐熱性及び不透過性の特性が付与されている。このようにして、梱包は構造上の観点から好適に堅いままとなり、同時に、輸送、流通及び保存期間中の食品製品の官能特性を保存する。
【0006】
上で説明されたプラスチック及びセルロース材料の使用は、水蒸気に対する固有の遮蔽をもたらし、このため、通気性、特に、加熱プロセス中の水蒸気の必要な排出は梱包において形成された微小な又は大きい孔を介して得られる。少数の既知の梱包において、焼成プロセス中にのみガス交換のためにそのような孔が機能している。
【0007】
しかしながら、孔を設けることは、製品の完全性を危険にさらし、外部物質による汚染のリスクに製品をさらすことになる。
【0008】
さらに、梱包された製品が、特に、それが全体的又は部分的に液体状態にあるときに、そのような孔から出ることもあり、その結果、加熱/焼成のために使用される器具が汚される可能性がある。
【0009】
また、これらの孔は、食品加熱/焼成プロセスに由来する臭気の全てを周囲環境に放出させる。
【0010】
温度上昇により引き起こされた、孔を通じた水蒸気の直接的な放出は、気化した油脂など他の物質を不可避的に運ぶことにも留意されたい。これらの後者の物質は、加熱器具の壁に堆積することにより、汚さをもたらすとともに、油脂物質の炭化の結果として、(さらなる)望ましくない臭気を周囲環境において生じる。
【0011】
さらに、多くの既存の梱包は、本質的に包装として構成される。したがって、それらは、固体/剛性食品製品の梱包にのみ好適であり、いずれの場合も、それらの固有で必要な可撓性を原因として、それらは、調理済み食料を入れるものとして着想されているにも関わらず、最終ユーザによる製品消費を円滑にするものではない。
【0012】
他方、通気性のある材料である繊維状材料、特に、紙で完全にできている先行技術のケーシングは、本質的に熱可塑性である接着剤によりそれらの周辺部を密封することを必要とする。一般的に言えば、食品製品の加熱中、梱包において確立される温度及び圧力条件は、そのような接着剤をそれらの軟化点又はその付近に至らせる。結果として、ケーシングはオーブンにおいて開く傾向があり、このことは、当然のことながら、加熱/焼成プロセス中に当該梱包内に含まれる食品製品がさらされ得る潜在的汚染、及び上で言及されたとおり、結果として生じる器具の可能な汚染を考慮すると、極めて望ましくない。これに加えて、この場合においても、シールの完全性の不良は、周囲環境における望ましくない臭気の分散及び既に言及された油脂物質の流出を招き得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本開示の基礎をなす技術的問題は、したがって、現況技術を参照して上で言及された欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上の問題は、請求項1に記載の食品容器又は梱包により解決される。
【0015】
本開示はまた、請求項27に記載の食品包装に関する。
【0016】
本発明の好ましい特徴は、以下の説明及び/又は従属請求項の対象である。
【0017】
本開示の容器又は梱包は、梱包内部に含まれる食品製品を加熱又は焼成するための器具、特にオーブンにおいて配置されることが多い。好ましくは、容器は、最大で280℃の温度に、有利には少なくとも2分間耐えることが多い。有利には、容器は、容器の縦断面の各センチメートルについて0~4℃に含まれるばらつきを有する、含まれた製品の縦断面に沿った温度分布を得ることができる。
【0018】
容器又は梱包は、グラス、カップ、ボウル又は皿形主部分を有し、好ましくは剛性である。そのような主部分は、主として繊維状セルロース材料でできていることができ、特に、例えば藁、バガス、竹、トウ、リネン、麻、カラムシなど成長の速い一年生植物に由来する繊維からなる。代替物として、主部分は完全に、又は先のエキスと成長が遅い材木用樹木、例えば、針葉樹、広葉樹などに由来するものとの間の混合物として作られ得る。一般的に言って、そのような繊維状セルロース材料は、製紙用パルプを得るよう適合された繊維状構造を利用可能にすることを可能にする物質から得ることができる。
【0019】
繊維状セルロースパルプに加えて、主部分の材料は、有利には無機充填剤及び/又は化学的添加剤を含み得る。そのようなさらなるコンポーネントは、梱包される製品の必要に応じて容器の好適な成形、耐性及び/又は剛性を可能にすることが多いタイプのものである。
【0020】
さらに、望ましくない臭気発生物質を放出し得る製品の梱包要件により必要とされる場合は、そのようなさらなるコンポーネントは、臭気発生物質制御特性を備えた容器を提供するのに好適である。
【0021】
特に、本明細書において説明された梱包は、加熱又は焼成中に放出される臭気発生物質の-方法UNI EN13725-2003に従って評価された-放出を制御することができ、これは、遮蔽として機能するか分子ふるいの機能を実行する物質又は材料を使用することによりできる。特に、セルロース繊維、キトサン、グラフェン、ゼオライト、活性炭などを含むコーティング又は混合物。
【0022】
前記物質は、必要な場合、容器又はその一部を形成する繊維状混合物に追加され得るか、外側層、中間層又はコーティングの形で施され得る。
【0023】
容器の主部分は、その実質的に平らな縁部、特に、上縁部で、カバー、又は閉鎖具、特に層又は箔の形の部分により密封され、後者は有利には可撓性タイプである。
【0024】
閉鎖部分は、それが閉鎖する主部分セクションと同じ形状を有することも異なる形状を有することもできる。例えば、主部分が円形の形状を有する場合、カバー部分は円形であることも、基本的な円形状の範囲を定める及び/又は基本的な円形状を取り囲む多角形状を有することもできる。同様に、カバー部分は、繊維状セルロース材料、例えば、セルロース繊維、特に、主部分に関連して上で言及された材料のうちの1つ又は当該材料の組合せでできていることができる。
【0025】
食品製品の異なるコンポーネントをそれを組み立てる前に個々に加熱又は焼成することを可能にするために、異なるタイプの食品を格納するための、容器の主部分は場合により複数の区画に細分化され得るか複数の区画を含み得る。例えば、サンドイッチが梱包される場合、頂部パン部分は容器の、内側を加熱するために上下逆さまに配置された区画内に配置され得、充填物-例えば、ミートパティ、卵、又は他の材料-は別の区画に配置され得る。
【0026】
好ましい実施形態において、容器の主部分は複数の区画を提供するとともに、加熱又は焼成機能が実施され、上閉鎖層が除去されると、それ自体再閉鎖可能、特に折り畳み可能であるように構成される。換言すると、容器の主部分は、閉鎖及び再閉鎖可能な容器に役立つように構成される。
【0027】
好ましくは、容器の主部分は、約20~1000mNに含まれる、均質な区画領域において測定されたテーバー剛性(15°ISO2493-73)を有する。
【0028】
加えて、前記主部分は、約30~1500g/m2/24hに含まれる、38℃及び90%R.H.の標準的な条件において測定された透湿性を好ましくは有する。
【0029】
好ましい実施形態によると、容器の主部分は多層構造を有し、各層について厚さは約100~3000MYに含まれる。少なくとも1つの層が、少なくとも主として、繊維状セルロース材料でできている。
【0030】
さらなる好ましい実施形態によると、容器の主部分は、加熱又は焼成器具の接触平面と接触するための不連続的な表面を作り出す異なった平面で展開する底部を有する。特に、1つ又は複数の脚部、隆起部又は突起部が、焼成又は加熱表面に面する容器壁から、したがって典型的には容器の底部から、焼成表面から当該壁を引き離すとともに器具接触表面と前記容器壁との間の空気循環を促進するために突出してもよい。
【0031】
有利には、容器の主部分は耐熱性である。
【0032】
加えて、必要な場合は、特定の使用に依存して、これは同様に又は代替的に断熱性であり得る。
【0033】
この耐熱及び/又は断熱特性は、耐熱及び/又は断熱材料でできている中間層とセルロース繊維でできている外側層とを備えた多層構造、特にサンドイッチ構造を使用することにより得られ得る。中間層は、例えば、100℃~300℃に含まれる温度で加熱され、及び/又はマイクロ波に露出された、場合によりさらにはセルロース繊維と混合されているアルカリ金属シリケートを出発原料として得られたエアロゲルからなり得るかこれを含み得る。
【0034】
有利には、容器又は梱包を形成する部分の一方又は両方は、水蒸気に対して通気性及び/又は透過性のある材料、例えば、特に、上で言及された繊維状セルロース材料でできている。
【0035】
したがって、有利には、本発明の容器は、梱包を開く必要もその中に孔を提供する必要も無しに、加熱又は焼成プロセス中の、特に、水蒸気に関する限り、ガス蒸散/通気性を可能にする。
【0036】
好ましくは、そのような蒸散/通気性は、梱包の表面全体又は少なくともその主部分に影響を及ぼす。
【0037】
さらに、食品を受ける主部分の形状は、焼成/加熱後にカバー上部分が剥がされるとユーザが製品を容易に及びきれいなやり方でその容器から直接的に消費することを可能にする。
【0038】
好ましくは、カバー上部分は下主部分に熱的に密封される。特に、主部分の、その上縁に対応する外周縁部は対応するカバー部分の外周表面に接合される。好ましくは、典型的には剛性の主部分と一般に可撓性のカバーとの間の接触線形延在部は、剛性及び可撓性部分の間の接触領域の外周全体を含み、横方向に、これは、有利には2mm~40mmに含まれる。
【0039】
この配置構成は理想的な接続及び締まりを確実にするとともに、焼成又は加熱プロセス中に容器全体が開くことを防ぐ。
【0040】
上述の容器はまた、液体食品製品を梱包するために使用され得る。その場合、食品製品に接触する表面は、既知の技術の孔に頼ることなく、製品の加熱又は焼成を実施する際に必要に応じて、透湿性を維持するが水又は他の液体又は油脂の透過に抵抗するように処理され得る。この目的のために、耐水性の、及び、必要な場合は、-例えばオルトケイ酸塩の形の-シリカから主に成っている焦げ付かない層が使用され得る。この層は、主繊維状セルロース材料が湿るのを防ぐために、容器と食品製品との間の接触領域にのみ施され得る。表面処理は、加熱に基づくプロセス後に、自由水又は脂の攻撃に対して有効な遮蔽を生じることができるが、オーブン加熱又は焼成中に生じた水蒸気の必要な通過は可能にする。
【0041】
本開示の異なる態様によると、梱包は、典型的には可撓性材料でできている包装の形で提供される。梱包は、好ましくは薄くて実質的に膜の形の、セルロース材料の連続的なシート、特に紙から得られ得る。これは例えば、約40MY~200MYに含まれる厚さを有し得る。
【0042】
連続的なシートの一部が包装を形成するために切断及び折り曲げられ得る。折り曲げプロセス中又は後に、各部分の選択された周辺部又は側エッジが、包まれるべき食品製品の周りで包装を閉じるために、例えば熱による密封により互いに接続され得る。
【0043】
セルロース材料の連続的なシートから得られる可撓性包装は、本開示の第1態様に関連して上述の容器の主部分又は閉鎖部分のように、熱による密封、耐熱性、耐水性及び耐脂性といった特性を有することができ、前記特性は同じ技術の使用を通じて得られる。
【0044】
同様に、本開示の第1態様による前述の容器のカバー部分もまた、本開示の第2態様と同様に、セルロース材料の連続的なシートから切り出され得る。
【0045】
最も好ましくは、上で言及された両タイプの梱包が、特別なポリマー接着剤組成物又は物質により、-それぞれ、食品受け入れ部分の上のカバー部分又は包装の縁の-梱包の密封を達成する。特別なポリマー接着剤組成物又は物質は、本開示の第1態様の2つの梱包部分間の接触領域にのみ、又は本開示の第2態様の可撓性梱包のエッジ部分にのみ施され得る。
【0046】
そのようなポリマー接着剤組成物は、
ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂の1つ又は複数を好ましくは含む、セルロース材料に付着するよう適合された熱的に活性化可能な液体(特に、水性)接着剤相と、
カルボキシレートポリエステル樹脂、ポリ乳酸粉体、カプロラクタムエポキシ樹脂粉体の1つ又は複数を好ましくは含む、熱硬化性ポリエステルの粉体又は樹脂と
を含む、好ましくはこれらからなる。
【0047】
有利には、液相は、合計の重量の10%~70%の範囲に含まれる固形分を含み、量又は粉体又は樹脂、場合により熱硬化性のものは、前記用いられたキャリア液体の乾物含有量に対して1:0.05~1:5の範囲に含まれる。例えば、必要な処方に基づき、キャリア液体が30%の乾燥量を有する場合、乾物の300gが1kgのキャリア液体に存在し、1:1の比率の場合、300gの粉体のポリマーがこのとき存在するなどである。
【0048】
この特別な組成物は2つの主な特性、すなわち、その接着機能を提供するために熱的に(再)活性化可能である、及び約100℃~280℃に含まれる耐熱性範囲で耐熱であるという特性を有する。そのような耐熱性は、樹脂、特に、アクリル及びビニル樹脂、変性ポリビニルアセテート及び熱硬化性のもの、例えば、ポリエステルなどを含む特定のタイプの材料を使用することにより得られ得る。
【0049】
組成物は、接続される表面へ予め施され、次いで乾燥させられ、上で言及された液相の蒸発を引き起こす。
【0050】
梱包が閉鎖/密封されなければならない場合、組成物の接着特性の活性化を決定し、したがって、関連する表面を接合/接続するために、熱が供給され得る。同時に、依然として熱供給を原因として、組成物を耐熱にするために粉体の重合が活性化される。組成物のこの硬化は、梱包の密封に寄与する。
【0051】
さらに、梱包の密封は、開くことも劣化することも無く100℃~280℃の温度に直面し得る。
【0052】
使用の際、梱包は、最終的に食品製品に関する印刷された情報を担持する外側の包装紙又は包みに含まれ得る。この外側包装紙又は包みは、保存期間又は保管中に水蒸気の損失を減らすこと又は内部の調整雰囲気を保存することに寄与し得る。そのような外側の包装紙又は包みがいったん除去されると、梱包は、内部の、製品受け入れ梱包を閉じ込める必要無しに、焼成又は加熱目的で器具に入れることができる。
【0053】
同様に製品の保管/保存期間中の水蒸気の損失を減らすために、外側包装紙との組合せにおいて、又はその代替物として、様々な性質のコーティングが容器又は包装の一部の外側に施され得る(したがって食品製品と接触しない)。これらのコーティングは、例えば、セラック、アクリル樹脂、タルクタイプフィラー、キトサン グラフェンを含んでもよく、そうでなければ、場合により上記の接着性ポリマー組成物のために使用される同じキャリア液体と混合されてもよい。
【0054】
加熱又は焼成中、食品製品と直接接触している梱包のセルロース材料の透湿性が、組成物の密封性が損なわれること無しに、利用され得る。
【0055】
本開示は、したがって、その好ましい実施形態に基づき、梱包であって、当該梱包内部の食品製品の温度を上げるよう適合されるとともに、梱包自体の内部を外側環境と連通している孔無しに、温度上昇を原因として梱包内部の水蒸気により生じた過度の圧力を除去し得る梱包を提供する。本梱包はまた、梱包が無い場合又は孔が設けられた場合に生じることに対して、梱包された食品製品の加熱又は焼成中に生じた臭気発生物質の放出を抑制/低減することができる。
【0056】
本開示の他の利点、特徴及び使用モードは、限定する目的ではなく一例として提供されたその実施形態の以下の詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】第1の好ましい実施形態による皿又はトレーの形の食品容器の側面図を示す。
【
図2A】第2の好ましい実施形態によるグラス又はカップの形の食品容器の側面図である。
【
図3A】第3の好ましい実施形態による多区画平鍋の形の食品容器の側面図を示す。
【
図3C】開いた構成にある
図3Aの容器を指し、上からの平面図を示す。
【
図3D】中に受け入れられた食品の加熱又は焼成の後の、異なる、再閉鎖された構成にある
図3Aの容器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
上の図面を参照すると、いくつかの好ましい実施形態がここで説明され、これは、前述の主部分及び閉鎖部分の構造に主に関する。
【0059】
梱包が作られる材料、及びカバー要素を主部分へ接合するやり方は既に上で示されている。
【0060】
最初に
図1を参照すると、第1好ましい実施形態に従って作られた梱包又は容器が全体として1で示されている。これは、剛性主部分11であって、食品を受けることを意図されているとともに、特に平面図において円形プロファイルを有する、平鍋又は皿のように成形された剛性主部分11と、平鍋又は皿の周縁部10に施されたカバー部分12とを含む。
【0061】
図1はまた、オーブンへの導入の前に除去される梱包1の外側ケーシング100を示す。
【0062】
図2A及び2Bを参照すると、別の好ましい実施形態に従って作られた梱包又は容器が全体として2により示されている。これは、剛性主部分21であって、食品を受け入れるためのものであるとともに、特に平面図において円形のプロファイルを有するカップ又はカップとして成形された剛性主部分21と、グラス又はカップの周縁部20に施された覆い部分22とを含む。
【0063】
図3A~3Cを参照すると、さらなる好ましい実施形態に従って作られた梱包又は容器が全体として3により示されている。これは、剛性主部分31であって、食品を受け入れるためのものであるとともに、特に平面図において多角形状、例えば四角形を有する多区画平鍋として成形された剛性主部分31を含む。主部分31は、中間隔壁35により分離された第1区画33と第2区画34とに細分化された内部空間を画定する。本発明の例において、第1区画33は第2区画34の容量未満の容量を有する。
【0064】
梱包3はまた、カバー部分32であって、主部分31の周縁部30に施されるとともに接着され、及び好ましくはまた隔壁35の上縁に施されたカバー部分32を含む
【0065】
図3に示されるとおり、梱包3がオーブンにおいて配置され、中に受け入れられた製品の焼成が実施された後で、蓋部分又はカバー32は剥がされ、主部分31は、上下に配置された2つのハーフシェル31’及び31’ ’からなる二枚貝の貝殻を形成するために、第1区画33の角度の付いた周辺部で、反対側部分へ折り畳まれる。
【0066】
梱包3は、2つのハーフシェル31’及び31’ ’を重ねて係止するために、例えば突起部/突出部の形の係止要素と対応する座部とを有し得る。
【0067】
この実施形態は、ミートパティ又は別の熱い詰め物を有するサンドイッチを最適に加熱するために特に有利である。
【0068】
実際、加熱が重なり合った2つのサンドイッチ部分及び中心のミートパティで起きた場合、カリッとしたパンの効果を中心でも得ることは可能ではなくなり、その理由は肉から放出された水蒸気がそれを乾燥させないからである。対照的に、内側を上向きしたパンのスライスを一方側に、特に、第1区画33に置き、他方の部分には、特に第2区画34には、上サンドイッチ部分と接触しない肉を置くことにより、製品の完璧な褐色化が得られる。焼成後、トレー部分31を折り畳むことにより、サンドイッチはその標準的な形状において構成される。この状況は
図3に例示されており、ここではサンドイッチの2つの部分はP1及びP2により表されている。
【0069】
主部分31は、液体及び獣脂に対して不透過性となるように処理又はコーティングされ得る食品製品と接触する内面36を有する。
【0070】
主部分31は、オーブン焼成又は加熱平面に面する部分で不連続な平面に従って延在し得る食品製品と接触する表面36を有する。
【0071】
本開示はここまで好ましい実施形態を参照して示されてきた。以下のクレームの範囲により定義される同じ発明性のある概念に言及するそれらは他の実施形態であってもよいことが意図されている。