(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】駐車オブジェクト検出システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20230508BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230508BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019566904
(86)(22)【出願日】2018-06-04
(86)【国際出願番号】 US2018035890
(87)【国際公開番号】W WO2018226600
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-04-19
(32)【優先日】2017-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518194383
【氏名又は名称】シティファイド インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CITIFYD, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】ソフラブ ヴォスギー
(72)【発明者】
【氏名】デーヴ コール
(72)【発明者】
【氏名】マッソウド モッラガファリ
(72)【発明者】
【氏名】アブディ ナッシブ
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-162069(JP,A)
【文献】特開2017-045460(JP,A)
【文献】特開2016-134061(JP,A)
【文献】特開2003-150989(JP,A)
【文献】特開2016-085656(JP,A)
【文献】特開2017-045384(JP,A)
【文献】特開平11-296797(JP,A)
【文献】特開2016-080523(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0335897(US,A1)
【文献】特開2013-097408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06Q 10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車車両検出システムであって、
車両駐車場所のアクセス領域と関連付けられている
位置に存在し、前記位置から短射程無線ラジオ信号を送出することによって自機の正体をブロードキャストするように構成されたソースビーコンであって、
前記位置は、固有の信号対ノイズ特性の環境を示し、前記位置の前記ソースビーコンは、前記固有の信号対ノイズ特性に一致するように信号強度接続閾値で較正され、そして、該ソースビーコンは
短射程無線通信リンク上でスマート装置との接続性を確立するように構成されており、該スマート装置は該スマート装置の付近にある
ビーコンラジオ信号についてスキャンして位置ベースの情報コンテンツを提供するためのラジオ周波数無線技術で実装されたもので
ある、ソースビーコンと、
前記スマート装置
上で車両駐車セッションを開始及び終了
させるように動作している、モバイルアプリケーションと、
長射程無線通信リンクを介して前記スマート装置と通信するバックエンドサーバであって、該バックエンドサーバは前記モバイルアプリケーションへの配信のために前記スマート装置の付近の車両駐車場所の正体を格納しており、前記モバイルアプリケーションは、前記スマート装置を帯同しているユーザを搬送しておりかつ
前記ソースビーコンと動作的に関連付けられているアクセス領域の近くにある車両が入場局面又は退場局面に臨んでいるかを決定し、距離見極め手順を行って、前記スマート装置と
前記ソースビーコン若しくは
前記ソースビーコンと動作的に関連付けられている前記アクセス領域との間の距離が
、前記較正された信号強度接続閾値に対応する指定された量以内となっているかを決定し、かつ、前記距離が前記指定された量以内であると決定された場合に、前記スマート装置と前記ソースビーコンとの間で
接続ハンドシェイクを確立して車両駐車トランザクションセッションのアクティベーションを
開始する、バックエンドサーバとを備える、駐車車両検出システム。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車車両検出システムにおいて、前記バックエンドサーバ内にて動作しているライブ在庫管理エージェントが、前記モバイルアプリケーションに対して、前記スマート装置を帯同している前記ユーザを搬送している前記車両の付近にある車両駐車場所の少なくとも1つについてのライブ駐車スポット在庫情報を、提供する、駐車車両検出システム。
【請求項3】
請求項2に記載の駐車車両検出システムにおいて、前記バックエンドサーバにて動作している駐車場ナビゲータプログラムが、前記ライブ在庫管理エージェントと協働して、前記車両を操作するユーザを車両駐車場所における空室駐車スポットへと誘導する、駐車車両検出システム。
【請求項4】
請求項1に記載の駐車車両検出システムにおいて、前記スマート装置及び前記ソースビーコンと協働する磁気
検出器を更に備え、互いに
接続ハンドシェイクにあるとき前記車両を検出して車両駐車トランザクションセッションの不測のアクティベーションを防止する、駐車車両検出システム。
【請求項5】
請求項1に記載の駐車車両検出システムにおいて、前記スマート装置は、前記スマート装置を
帯同している前記ユーザ
が、前記スマート装置が関連付けられている前記車両を運転しているか否かを決定するためのモーション
センサを含み、車両駐車トランザクションセッションの不測のアクティベーションを防止する、駐車車両検出システム。
【請求項6】
請求項1に記載の駐車車両検出システムにおいて、前記ソースビーコンと協働して前記車両駐車場所において検出エリアを形成する視覚システムセンサを更に備え、前記視覚システムセンサ及び前記ソースビーコンは車両駐車トランザクションセッションに関与している車両及び車両の航行方向を識別する、駐車車両検出システム。
【請求項7】
請求項6に記載の駐車車両検出システムにおいて、前記視覚システムセンサは、赤外線(IR)センサ、カメラ、熱センサ、磁気探知器、圧力感応バー、音響センサ、光検出及びレンジング(LIDAR、light detection and ranging)センサ、レーザ型深度センサ、モーションセンサ
、ビームブレーク技術型センサ、又は、それらの組み合わせを含む、駐車車両検出システム。
【請求項8】
請求項1に記載の駐車車両検出システムにおいて、前記ソースビーコンと協働して車両駐車場所において検出エリアを形成する複数の視覚システムセンサと、前記検出エリア内に所在する車両に識別属性を割り当てて前記車両駐車場所における駐車スポットについてライブ在庫管理を可能にするオブジェクト検出
モジュールとを更に備える、駐車車両検出システム。
【請求項9】
請求項8に記載の駐車車両検出システムにおいて、前記バックエンドサーバにて動作しており前記検出エリア内での環境的相違について補償して前記検出エリア内に所在している前記車両の前記識別属性について強化を行うAIエンジンを更に備える、駐車車両検出システム。
【請求項10】
請求項8に記載の駐車車両検出システムにおいて、前記複数の視覚システムセンサは前記車両駐車場所の駐車スペース状態を定義するために、ライブ在庫管理エージェント内に格納されたバックグラウンド画像内に存在している車両との関係での変化を表す車両画像情報を提供して、前記車両駐車場所における駐車スポットの在庫変化について報告し、前記ライブ在庫管理エージェントは前記バックエンドサーバ内にて動作しておりかつ駐車スペース状態における変化が伝達される駐車場ナビゲータアプリケーションを含んでおり、前記駐車場ナビゲータアプリケーションは
、ユーザが帯同する前記スマート装置に対して、前記スマート装置上で動作しているアプリケーションが前記ユーザを空室駐車スポットへと誘導するために使用する情報を提供する、駐車車両検出システム。
【請求項11】
請求項1に記載の駐車車両検出システムにおいて、
前記車両駐車場所の前記アクセス領域内に配置されたアクセスゲートを更に備え、車両駐車トランザクションセッションの前記アクティベーションは前記アクセスゲートの動作を有効化することを伴う、駐車車両検出システム。
【請求項12】
請求項11に記載の駐車車両検出システムにおいて、
前記車両は車両走行レーンに沿っている車列内の複数の車両のうちの1つであり、前記ソースビーコンはゲートソース
ビーコン短射程信号を送出するゲートソースビーコンを有しており、前記車両は
前記車両走行レーンに沿って前記アクセスゲートに向かって動くように配置されており、該駐車車両検出システムはレーン
ビーコンを更に備え、該
レーンビーコンは前記車両走行レーンに沿って前記ゲートソースビーコンから既知の距離に配置されておりかつレーン
ビーコン短射程信号を送出しており、前記ゲートソース
ビーコン短射程信号及び前記レーン
ビーコン短射程信号は前記モバイルアプリケーションによって測定されるために送信されており、これによって前記アクセスゲートに対しての前記車両の近接度を表す信号比が決定される、駐車車両検出システム。
【請求項13】
請求項12に記載の駐車車両検出システムにおいて
、前記複数の車両の各々はスマート装置を帯同するユーザを搬送しており、該スマート装置上で前記モバイルアプリケーションが動作しており、前記ゲートソース
ビーコン短射程信号及び前記レーン
ビーコン短射程信号は前記モバイルアプリケーションによって測定されるために送信されており、これによって前記車列内の前記複数の車両の位置を表す各々の信号比が決定される、駐車車両検出システム。
【請求項14】
請求項12に記載の駐車車両検出システムにおいて
、前記複数の車両の1つはスマート装置を帯同する
前記ユーザを搬送しており、該スマート装置上で前記モバイルアプリケーションが動作しており、前記ゲートソース
ビーコン短射程信号及び前記レーン
ビーコン短射程信号は前記モバイルアプリケーションによって測定されるために送信されており、これによって前記車列内の前記複数の車両のうち1つの位置を表す信号比が決定される、駐車車両検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
著作権に関する表示
2018年Citifyd, Inc. この特許文献の開示内容の一部は著作権保護に服する題材を含む。著作権者は、特許商標庁の特許包袋又は記録に含まれる態様での特許文献又は特許開示の複写的複製については何人の該行為にも異論はないものの、その他についてはあらゆる著作権を留保する。37CFR§1.71(d)。
【0002】
本願は、ビーコン識別子(ID)を有するオブジェクトを識別するためにブルートゥース(登録商標)低エネルギー(BLE、Bluetooth Low-Energy)無線パーソナルエリアネットワーク近接センシング(BLE wireless personal area network proximity sensing)を用いることに関連し、特に、BLE搭載スマート装置を携帯する個人を搬送する車両が車両駐車場所へのアクセスゲートから近距離に存在するかを検出することに関する。
【発明の概要】
【0003】
開示の駐車オブジェクト検出システム又は駐車車両検出システムは、BLE近接センシングを用いて、車両駐車用の平面駐車場又は車庫のアクセスゲートから1車体長さ分程の範囲でビーコンIDを有する車両を識別する。システムは、現在進行形で車両の入退場トラフィックを監視してまた車両駐車イベントのインスタンスの変化についてバックエンドサーバへと伝達することによって視覚ベースの駐車在庫管理をなす。
【0004】
追加の特徴及び利点は、添付図面を参照して進められる好ましい実施形態についての、以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明のソースビーコンの簡略絵図、コンポーネントブロック図、及びソフトウェア/ハードウェアスタック図である。
【
図2A】本発明のソースビーコンの簡略絵図、コンポーネントブロック図、及びソフトウェア/ハードウェアスタック図である。
【
図2B】本発明のソースビーコンの簡略絵図、コンポーネントブロック図、及びソフトウェア/ハードウェアスタック図である。
【
図3A-1】ソースビーコンとユーザスマート装置とが協力して実行する、車両駐車又は公共輸送トラベルトランザクションのセッションの開始及び終了を起動するプロセスステップの概要を示すフロー図である。
【
図3A-2】ソースビーコンとユーザスマート装置とが協力して実行する、車両駐車又は公共輸送トラベルトランザクションのセッションの開始及び終了を起動するプロセスステップの概要を示すフロー図である。
【
図3B-1】ソースビーコンとユーザスマート装置とが協力して実行する、車両駐車又は公共輸送トラベルトランザクションのセッションの開始及び終了を起動するプロセスステップの概要を示すフロー図である。
【
図3B-2】ソースビーコンとユーザスマート装置とが協力して実行する、車両駐車又は公共輸送トラベルトランザクションのセッションの開始及び終了を起動するプロセスステップの概要を示すフロー図である。
【
図3C】ソースビーコンとユーザスマート装置とが協力して実行する、車両駐車又は公共輸送トラベルトランザクションのセッションの開始及び終了を起動するプロセスステップの概要を示すフロー図である。
【
図4】本発明の駐車及び公共輸送ビーコンシステムの主コンポーネントの群に含まれる様々なコンポーネントの配置及びそれらの間の通信リンクを示すブロック図であり、
図1、2A及び2Bのソースビーコンは省略されている。
【
図5】開示の駐車及び公共輸送ビーコンシステムの運用中にカスタマが選択し得る駐車又は輸送手段アクティビティのオンスクリーンスマートフォンメニュー表示を示す図である。
【
図6】開示の駐車及び公共輸送ビーコンシステムの運用中の様々な段階中に様々なコンポーネントの間でアクティブになる様々な通信リンクを示す図である。
【
図7】開示の駐車及び公共輸送ビーコンシステムの運用中の様々な段階中に様々なコンポーネントの間でアクティブになる様々な通信リンクを示す図である。
【
図8】開示の駐車及び公共輸送ビーコンシステムの運用中の様々な段階中に様々なコンポーネントの間でアクティブになる様々な通信リンクを示す図である。
【
図9】車両駐車を制御及び処理するための、統合型視覚装置と協調してスマートビーコンが動作するシステムの、主要コンポーネントを示すブロック図である。
【
図10】ライブ在庫管理エンジン(LIME、Live Inventory Management Engine)の動作について説明するブロック図であって、複数の車両駐車区画を含む駐車場についての検出エリアに関する、図である。
【
図11】視覚センサによって監視されたゲート無し平面駐車場のアクセス領域における車両入退場経路を示す図である。
【
図12】3両の車両が列に配されている様子を示す図であって、三角測量型車両検出手法を示す図である。
【
図13】開示された駐車オブジェクト検出システムによってなされる車両検出のために用いられる運用プロセス及びアルゴリズムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
開示された駐車オブジェクト検出システムはアルゴリズムが動作するアプリケーションプログラムを含み、それはBLEを用いた近接検出(proximity detection)を実装し、ビーコンIDを伴うオブジェクトをアクセスゲートから1車体長さ分程の範囲に識別する。以下の説明においては、シティファイドアプリ(Citifyd App、アプリとも称する)とは、ユーザスマート装置上のユーザビーコンを伴って動作しているモバイルアプリケーションプログラムに与えられる名称であり、スマートビーコン(SmartBeacon)装置とは、車両駐車場所のアクセスゲートと関連付けられているソースビーコン10(
図1、2A、及び2B)に与えられる名称である。シティファイドアプリ及びスマートビーコンは車両駐車及び公共輸送ビーコンシステム内において協調しシティファイドシステム(Citifyd system)と称する。国際特許出願第PCT/US2016/064829号(出願日:2016年12月2日、発明の名称:車両駐車及び公共輸送ビーコンシステム)の諸部分を
図1~8との関係で参照し、シティファイドシステムの主要コンポーネント及び該システムの異なるコンポーネント間の通信リンクを説明する。シティファイドシステムは1つ以上のバックエンドサーバ(バックエンドサーバ)を含み、駐車及び輸送サービスプロバイダはこのサーバに駐車場及び輸送機関乗車カスタマのアカウント情報及びトランザクション情報を格納する。
【0007】
図1、2A、及び2Bは、本発明のソースビーコン10の簡略絵図、コンポーネントブロック図、及びソフトウェア/ハードウェアスタック図である。
【0008】
図1を参照するに、ビーコン10は、電源12、発光ダイオード(LED)インジケータ灯14、及び耐久性防水筐体18内に格納された電子コンポーネント16を有する小型の内臓デバイスである。
【0009】
図2A及び
図2Bを参照するに、ビーコン10は電力管理モジュール20に接続される電源12としてリチウムポリマー(LiPo)再充電可能電池を含む。電力管理モジュール20は印加に適したな電圧を筐体18内に内蔵されたいくつかの電子コンポーネント16に供給する。電源ジャンクション22はビーコン10への外部電源アクセスを提供する。マイクロプロセッサ30は無線接続インタフェースモジュール32の動作を制御する。無線接続インタフェースモジュール32は、短距離無線高周波信号(short-range wireless radio signal)を生成する無線通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、又は近距離無線通信(NFC)無線通信技術)を用いる無線通信回路である。記載の実施形態では、マルチプロトコルシステム・オン・チップ(SoC)、例えばnRF51822 Bluetooth(登録商標)Smart(Bluetooth(登録商標)low energy又はBLE)及び組み込みBLE信号対応トランシーバを有するSoCが、スマートフォン(
図4)等のカスタマスマート装置36との短距離通信のためのBluetooth(登録商標)プロトコルスタック34からのプログラム命令を受信するBluetooth(登録商標)信号インタフェースモジュール32を構成する。マイクロプロセッサ30はモバイルデバイス及びデータ端末用の高速データ転送の無線通信規格を実行するロングタームエボリューション(LTE)モジュール38の動作も制御する。LEDドライバ40は、LEDコントローラ42に応答して、赤、緑、青(RGB)LEDインジケータライトに電圧を印加し、ビーコン10の動作に関する視覚的な状態情報を提供する。組み込みLinuxオペレーティングシステムソフトウェアモジュール44は、マイクロプロセッサ30にプログラム命令を供給し、LEDコントローラ42及びBluetooth(登録商標)プロトコルスタック34を含むビーコン10の動作を制御する。
【0010】
ビーコン10は駐車場又は公共輸送施設の様々な表面や場所に設置できる。ビーコン10は、床ベース上に支持されている棒のトップ部にマウント可能であり、これによって屋外使用も可能となる。ビーコン10は壁や他の固定構造物にマウント可能とされることもできる。
【0011】
図3A-1及び
図3A-2(以後、
図3A)と、
図3B-1及び
図3B-2(以後、
図3B)と、
図3Cとは、車両駐車又は公共輸送トラベルトランザクションセッションの開始及び終了を起動するためにビーコン10とスマートフォン36とが協力して実行するプロセスステップの概要を示すフロー図である。
図3A及び
図3Bは、スマートフォン36によるビーコン10の検出に応答して実行される、駐車場又はガレージ施設へのカスタマ入場(即ち、イングレス)及びそれらからのカスタマ退場(即ち、エグレス)のプロセス中のそれらの間の相互作用を示す。
図3Aは、フロー図の決定ブロック59eで示されるように、カスタマがカスタマ入口に近づくとき、スマートフォン36上で動作するアプリにより発生される駐車プロンプトの表示がスマートフォン36の表示スクリーンに現れることも示す。「シティファイドApp」はユーザスマートフォン36上で動作するアプリに与えられた名前である。
図3Bは、フロー図の決定ブロック59xで示されるように、カスタマがカスタマ出口に近づくとき、シティファイドアプリにより発生される駐車終了プロンプトの表示がスマートフォン36の表示スクリーンに現れることも示す。
図3Cは、ビーコン10によるスマートフォン36のカスタマビーコンの検出に応答して、駐車施設のアクセスゲートの開閉を制御するビーコン10の動作を示す。
【0012】
上記の好ましい実施形態において起こるすべてのデバイスツーデバイス相互作用において、スマートフォン36は、すべての二次又はスレーブデバイスにカスタマの意思を通知する一次又はマスタデバイスとして作用する。スマートフォン36がビーコン10から1mの距離(例えば1m)内にあるとき、スマートフォン36上で動作するシティファイドアプリはカスタマにカスタマが取り得る行動を通知する。カスタマがアクティブな駐車セッションに入っていない場合、シティファイドアプリはセッションを開始したいか否かを尋ねるメッセージをプロンプトする。カスタマが現在アクティブセッション中である場合、シティファイドアプリはカスタマにセッションの終了をプロンプトする。
【0013】
ビーコン10は、ブロードキャスト時に、45ft(13.7m)から230ft(70m)離れた位置でかなりの精度で識別され得る。スマートフォン36がビーコン10に近いほど、精度が上がる。スマートフォン36がビーコン10を検出すると、カスタマの許可なしに、機能データが、ビーコン10から自動的に送信されまたビーコン10へと自動的に送信される。シティファイドアプリはビーコン10からの距離を追跡し計算し、1.0m又はそれ以下の範囲に到達したとき、それをスマートフォン36にプロンプトする。シティファイドAPPは、ビーコン10とスマートフォン36との距離が1.0mを超えるまで、自分のアドバタイズメント(advertisement)データのブロードキャストを開始する。ビーコン10がインターネットコネクティビティを有する唯一のデバイスである場合には、ビーコン10はバックエンドサーバからセルラ通信ネットワークプロトコルによる無線通信リンク(
図4)でスマートフォン36に更なるアクション許可を求めるプッシュ通知を送信するように構成できる。カスタマが許可を与えることで応答する場合、シティファイドAppは、ビーコン10とスマートフォン36との距離が1.0mを超えるまで自分のアドバタイズメントデータのブロードキャスティングを開始する。
【0014】
図4、
図5、
図6、
図7及び
図8は、ビーコン10で実施される車両駐車ビーコンシステム60の動作の以下の説明の理解を容易にするために提示されるシステムブロック図である。
【0015】
図4及び
図6-
図8は、車両駐車ビーコンシステム60内の主コンポーネント及び主コンポーネントの異なるコンポーネント間の通信リンクを示す。
図4は、ビーコン10が動作状態になる前に確立されるインフラストラクチャ及び通信リンクを示すためにシステム60からビーコン10が省略されている。
【0016】
図4を参照するに、システム60は1つ以上のバックエンドサーバ70を含み(以下、バックエンドサーバ70という。)、駐車サービスプロバイダはこれに駐車場カスタマのアカウント情報及びトランザクション情報を格納する。望ましい駐車サービスプロバイダとしては、バックエンドサーバ70を利用して車両ドライバの確定駐車料金支払いアカウントと関連するトランザクションを処理する、自冶体、民間駐車プロバイダ、又はその他の企業がある。(駐車サービスプロバイダは、勿論、駐車料金支払いアカウントと関連するトランザクションを処理するために別の主体と契約を締結することができる。)バックエンドサーバ70には、例えば全地球測位システム(GPS)、宇宙ベース衛星ネットワーク等の、ナビゲーションシステム74との無線高周波信号通信リンク72と、例えばカスタマが携帯するスマートフォン36等の、スマートで、無線接続対応モバイル通信デバイスとセルラ通信ネットワークプロトコルによる無線通信リンク76と、を確立する、通信信号インタフェースが実装される。スマートフォン36には、通信リンク76を確立し、GPSナビゲーションシステム74と無線高周波信号通信リンク78を確立する、通信信号インタフェースが実装される。GPSナビゲーションシステム74と確立される通信リンク72及び78は、カスタマが携帯するスマートフォン36の位置及び移動に関する情報を決定し、バックエンドサーバ70に提供する。GPSナビゲーションシステム74はカスタマを追跡してカスタマの正確な位置(例えば、アクセスゲート、バス停、街角等)を決定する。
【0017】
図4では、バックエンドサーバ70において、バスサービスプロバイダ88、列車/地下鉄サービスプロバイダ90、及びタクシーサービスプロバイダ92の輸送機関乗車カスタマのアカウント及び駐車サービスプロバイダ94の駐車カスタマのアカウントと、無線グローバルアクセス可能情報ネットワーク(例えば、インターネットプロトコルネットワーク)により通信リンク80、82、84、及び86がそれぞれ確立されている様が示されている。通信リンク80、82、及び84によってバスサービスプロバイダ88、列車/地下鉄サービスプロバイダ90、及びタクシーサービスプロバイダ92はそれぞれの輸送機関利用カスタマのアカウントと関連するトラベルアクティビティ及び支払情報にアクセスすることができる。通信リンク86によって駐車サービスプロバイダ94はその駐車カスタマのアカウントと関連する駐車アクティビティ及び支払い情報にアクセスすることができる。
【0018】
図6、
図7及び
図8はビーコン10を含むシステム60を示す。
図6、
図7及び
図8を参照するに、ビーコン10とスマートフォン36との間に無線通信リンク100(
図7)を確立するにはBluetooth(登録商標)信号インタフェースモジュール32により発生される無線高周波信号が使用される。ビーコン10は、GPSナビゲーションシステム74と無線通信リンク102を確立し、ビーコン10の位置及び移動に関する情報を決定しバックエンドサーバ70に供給するために、LTE通信信号インタフェースモジュール38が実装される。
【0019】
以下に車両駐車ビーコンシステム60の動作を説明する。
図6を参照するに、カスタマのスマートフォン36はシステム10のオペレータにより提供されるシティファイドAppがロードされており、バックエンドサーバ70はカスタマにより設定されたトランザクションアカウントのためのアカウント情報を格納している。駐車アクセスゲートに入場するために、カスタマはスマートフォン36のスクリーン上の駐車又は輸送アクティビティのモードのオンスクリーンメニューディスプレイ(
図5に提示されるメニュースクリーンショットの図に示される)から目的のアクティビティをタップして選択する。カスタマが表示された被選択アクティビティをタップした後、GPSナビゲーションシステム74はカスタマスマートフォン36の位置(必然的にそれを携帯するカスタマの位置)を認識する。同時に、バックエンドサーバ70は、真正性、利用可能資金、及びクレジットに関してカスタマアカウントをチェックし、その後そのアカウントを開く。アカウントが適式である場合、バックエンドサーバ70は「スタートセッション」識別コードを発行し、カスタマスマートフォン36内にカスタマのアクセス及び視界から隠された承認(authorization)スクリーン/チケットが作成される。(用語「駐車パス」及び「駐車チケット」は本稿を通して互換可能に使用される。)この手順により、カスタマが承認スクリーン画像を写真撮影して他者と共有することによって承認スクリーンを複製することができないため、詐欺の可能性を低める。これにより、顧客は、システム60の一部である任意のゲート付き又は係員付き駐車場所に駐車する準備が整ったことになる。
【0020】
カスタマが輸送機関車両又は駐車アクセスゲート又は係員に向かって移動すると、入場ビーコン10eが約30-45ft(10.7-13.7m)位からカスタマスマートフォン36を検出して、接続ハンドシェイク104を準備する。
図7を参照するに、プリセット距離(例えば、2フィート(0.6m))にて、入場ビーコン10eとカスタマスマートフォン36との間の接続ハンドシェイクがBluetoothプロトコルによる通信リンク100上で瞬時に行われる。識別(ID)/共有コードが一致する場合、認証(authentication)が完了し、承認(authorization)がスマートフォン36のスクリーンに提示され、入場ビーコン10e上のインジケータライト14が点灯し、車両運転者又はゲート係員にカスタマの入場許可又は搭乗許可を知らせる。アクセスゲートの場合には、入場ビーコン10eのインジケータライト14を点灯させる代わりに、入場ビーコン10eはバリヤに上昇するよう信号によって命じ、カスタマの車両の通過が許可される。この時、識別コードは「ストップセッション」識別コードに変わる。
【0021】
次の表は、ビーコン及びカスタマスマートフォンの駐車イングレスに関する論理状態フローの概略を示し、ここではカスタマスマートフォンにインターネット機能が存在する。
【0022】
シティファイドビーコン仕様1.0、駐車入場(イングレス)イベント
【表1】
【0023】
次の表は、ビーコン及びカスタマスマートフォンの駐車イングレスに関する論理状態フローの概略を示し、ここではカスタマスマートフォンにおいてインターネット機能は欠けている。
【0024】
シティファイドビーコン仕様2.0、駐車入場(イングレス)イベント、
携帯においてインターネット無し
【表2】
【0025】
図6、7、及び8を参照するに、移動又は車両駐車セッションの完了後に、顧客がビークルから降りる際又は平面駐車場若しくは施設から出発する際に、退場ビーコン10x(該ビーコンは、下車又は出発が入場ドア(entry door)若しくはアクセスゲート(access gate)を介してなされている場合には、入場ビーコン10eと同じとされ得る)が顧客の接近を検知して、接続ハンドシェイク104(
図6)及び接続リンク100上での接続について準備を整える(
図7)。この際の距離(present distance)で、ハンドシェイク104がなされる(
図6)。識別/共有コードが一致する場合、通信リンク100上の接続ハンドシェイクが遮断され、GPSナビゲーションシステム74がビーコン10xの離脱を検出すると同時に(
図8)、システムは駐車セッションを終了し(即ち、アクセスゲートが開かれ)、アカウント精算がなされ、適切に課金される。トランザクションの詳細を示す確認画面がカスタマスマートフォン36に提示される。
【0026】
代わりに、GPSナビゲーションシステム74がカスタマスマートフォン36からのビーコン10xの離脱を「ストップセッション」識別コードで検出すると同時に、システムは駐車セッションを終了し、アカウント精算がなされ、適切に課金される。そして、トランザクションの詳細を示す確認スクリーンが顧客に対して提示される。
【0027】
次の表は駐車エグレスに関するビーコンとカスタマスマートフォンの論理状態フローの概要を示す。
【0028】
シティファイドビーコン仕様1.0、駐車退場(エグレス)イベント
【表3】
切断済み
【0029】
このプロセスは当日の間に、1週間の間に、又は他の設定期間の間に複数回反復することができ、カスタマアカウントは勘定を記録する。その期間の終了時にカスタマクレジットカードに対して1度だけ課金される。
【0030】
認証時のセルラ又はWi-Fi通信接続へのシステムの依存は除去又は低減され、セルラ又はWi-Fi接続の遅延の問題は、(1)乗車又は駐車アクセスゲート/係員への接近前に事前承認(pre-authorization)及びアカウント検証(account verification)を実行し、且つシティファイドApp内でカスタマから隠された識別コード及び承認画面の1つ又は両方を生成することによって、並びに、(2)入場又は乗車時にビーコン10との接続ハンドシェイクのみでカスタマ/承認を検証することによって、取り払われる。
【0031】
以下の実施形態においては、シティファイドApp及びスマートビーコン装置はiBeacon無線パーソナルエリアネットワーク技術標準準拠機材をもって実装されており、ソースビーコンは規則正しくブロードキャストを行っているものとする。
【0032】
顧客又はユーザのスマート装置36(好適にはスマートフォンとされ、時折以下においてそう呼び得る)上で動作しているシティファイドAppは、スマートビーコン装置についてスキャン及び監視を行っている。スキャン処理はユーザのスマートフォン36のGPS座標に基づいており、ユーザ位置の近傍についてスマートビーコンが存するかについてスキャンし始める。アプリはユーザの近辺で利用可能な車両駐車場所をユーザに対して提示し、各駐車場所について実際のライブ駐車スポット(parking spot)在庫はライブ在庫管理エンジン(LIME、Live Inventory Management Engine)を介して提示され、また、各駐車場所について価格付けエンジン(Pricing Engine)を介して価格を特定する。(駐車場所との用語は、平面若しくは青空駐車場、駐車ガレージ、又は他の車両駐車施設の場所を一般に示す。)LIME及び格付けエンジンはバックエンドサーバ上で稼働する。ユーザが、次の手法の一方又は両方によって駐車場所を選択した場合に、アプリはその駐車場位置についてのスマートビーコン装置に接続する:駐車スポットの事前購入;及び/又はスマートビーコン装置を伴うシティファイドシステム利用可能化された駐車場に収まること。この時点で、アプリは、監視モードからアクセス制御についての距離見極めモードに切り替わる。
【0033】
スマートビーコン装置は固有ビーコンIDフィルタリング及び4段近接度評価(即ち、距離見極め)のシステムを適用して、スマートフォン36が接続されるべき適切なスマートビーコン装置を決定する。
【0034】
バックエンドサーバ70は、先ずアプリに対して、固有なスマートビーコン装置IDのリストと、車両を運転するユーザが入場/退場することになる駐車ガレージ若しくは駐車場の近辺の入口及び出口と関連付けられている情報とを、与える。該情報は次の事項を含む:各入口及び各出口の経度及び緯度;スマートビーコン装置が入場専用であるか退場専用であるかについての指示;固有識別番号;並びにスマートビーコン装置のハードウェアセンシング機能についての指示(具体的には、或る構成が(例えば、アクセスゲートの前にて)地中に敷設された起動ループ上に車両が配されていることを検知可能であるか、或いは、或る構成がスマートビーコン装置に結線されているアクセスゲートが物理的に開放されているか否かを検知可能であるか)。
【0035】
アプリは、車両を運転するユーザが入場又は退場シナリオにあるかを判別し、ユーザの位置について覚知していることに基づいて現状況について望まれざる任意のスマートビーコン装置をフィルタして除去して、望まれるスマートビーコン装置についてのみスキャンする。さらに、予期されるよりも少数のビーコンが検出された場合、アプリは別のシティファイドシステムユーザがスマートビーコン装置の1つに現在接続しているものと仮定し、スキャン処理を完了する前に他のユーザの接続が切断されたものと決定される迄待つ。
【0036】
当該フィルタリング処理の後の4段距離見極め手順は試験A、試験B、試験C、及び試験Dを含み、次の通りである。
【0037】
試験A及び試験BはiBeacon近接度測定値を用いるものであり、スマートビーコン装置からの距離について「直ぐそこ」、「近い」、「遠い」、又は「不明」とされ、それとともにiBeaconはマイナー値を特定し、0~65535の間の整数でありそのiBeaconの固有識別番号をブロードキャストする。
【0038】
試験A:iBeaconが、測定の瞬間的時点(instantaneous moment)においてスマートビーコン装置の距離が「直ぐそこ」(<~0.5m)又は「近い」(<~3.0m)であると報告しているか?
【0039】
試験B:N秒に亘る間隔においてM回以上の「直ぐそこ」又は「近い」が測定されたか?N及びMの値は(手動又は機械学習で)調整可能であり、それによって試験Bを微調整できる。
【0040】
試験A及び試験Bについて合格した場合に、iBeaconは距離見極めを継続してその結果の有効性を維持するのであるが、BLE通信が有効化された装置についての発見をも開始し、それにおいては、接続可能なBLE装置に関してスキャンを行う。具体的には、iBeaconは、装置接続をどのようになすかについての追加情報を与えるような製造者データ及びBLE装置名がブロードキャストされる装置についてスキャンをなす。スマートビーコン装置の装置命名規則は「C2<00300」の様な外見を呈し、この名称に内包される有用なデータを求めてこれが構文解析される。第1の文字は、装置がシティファイドシステムスマートビーコン装置であることを特定し、追加識別情報に関して用いられ得る。第2の文字は、スマートビーコンのファームウェアバージョン番号を表し、さらなる通信に関しての詳細事項の決定に関して支援材料として用いられ得る。第3の文字(third character)は、試験C及び試験Dに合格するために必要な受信信号強度指示値(RSSI、received signal strength indicator)の信号強度閾値に関してのASCII符号表現である。このキャラクタについては、フィルタリング処理にて受信されたバックエンドサーバ70側での提供情報によって更に調整でき、フィールド内に無い場合について調整を促進できる。最後の5桁は、再び言及するに、スマートビーコン装置の固有識別番号である。
【0041】
試験C:N秒に亘る間隔において、RSSI値であって装置名にて定義されるRSSI閾値内に含まれるRSSI値がM回以上測定されたか?これらN及びMの値は、試験Bのそれらとは独立しているものとすることができ、これらを調整可能として試験Cを微調整できる。
【0042】
試験D:N秒に亘る間隔において、全RSSI測定値の平均化された値(averaged values of all RSSI measurements)からとられたモード(Mode)は、装置上のRSSI閾値内に留まっていたのか?(モードを取るためには、N秒間のウインドウ内のRSSI測定値のアレイ内の最大及び最小のRSSI測定値を無視する。)このN値も、先述の試験との関係で独立に調整可能である。
【0043】
これらの試験を組み合わすことによって、BLE装置のRSSI無線信号強度における瞬間的な変動の一部を平準化するのに役立ち、これによってユーザの近接度により高い確度を付し、これはユーザがスマートビーコン装置の0~3メートル以内にあるか否かに関するものであり即ちスマートビーコン装置の横や背後ではなくその前に存していることがかなり確かであるか否かに関するものである(スマートビーコン装置のアンテナは幾ばくかの指向性を有している)。
【0044】
試験A、B、C、及びDの全ての4つの試験について合格となった場合、アプリは、ユーザ車両がアクセスゲート又はスマートビーコン装置から数フィート以内に近接しているものと仮定する。この際、ユーザのスマートフォンとスマートビーコン装置との間で接続が確立され、セキュリティハンドシェイク(パスワード又は共有秘密鍵の交換)がなされる。そして、アプリとスマートビーコン装置との間でコマンドを送信することができる。
【0045】
スマートビーコン装置は、シティファイドシステムApp利用可能モバイル機器を探知する機能をも有しており、該探知によってユーザのモバイル機器の信号強度の検出をなす。このような機能によって、モバイル機器が自機に最も近いと信じるスマートビーコン装置へとスマートビーコン装置がブロードキャストすることを可能とし、これによって実効的には試験Eが追加されていることとなる。
【0046】
ユーザのスマートフォン36とスマートビーコン装置とが接続され、スマートビーコン/ゲートウェイによって提供された情報が、アクセスゲートゲートの前の車両移動レーンと関連付けられている磁気ループ検出器490(
図12)上にユーザ車両が配置されているか否かを駐車アクセスゲート及びスマートビーコン装置が決定できるものと示している場合、アプリは、磁気ループ検出器から到来している信号についてポーリングするようにスマートビーコン装置に命じて、その信号が肯定的である場合のみにユーザがアクセスゲートを開けることを許すことができる。スマートビーコン/ゲートウェイは駐車場所に所在するコンテナ内に格納されているか、又は、駐車場所にて設けられている場合には拡張視覚システムセンサユニットの一部としてもたらされている。この際、アプリはユーザのスマートフォン36内にあるモーション検出ハードウェアをも用いてユーザが実際に車両を運転しているのか否かを決定し、その条件もが充足されている場合にのみユーザがアクセスゲートを開くことを許す。磁気ループ検出器信号条件及び車両モーション条件のいずれも不充足である場合、アクセスゲート開放用のボタンをスマートフォン画面上に提示する代わりに、アプリは、ユーザに次のことを命じるオンスクリーン訓令をもたらす:磁気ループ上にまで車両を前進させよとの命令事項;又はユーザの車両へと戻れとの命令事項。磁気ループ検出器及びモーション検出ハードウェアの一方又は双方を用いることによって、車両駐車トランザクションセッションが意図せずにしてアクティベートされることを予防できる。アプリによって提供されたオンスクリーンボタンをアクセスゲート開放のためにユーザが押下した場合に、アプリは信号のポーリングを開始し、アクセスゲートが開かれたか否かを検出し(ここでもそうであるが、スマートビーコン/ゲートウェイがこの機能が利用可能であることを示している場合のこと)、また、アクセスゲートの成功裏な開放が検出された場合にユーザの駐車セッションをバックエンドサーバ70上で開始若しくは終了する。この信号が発生しなという失敗が生じた場合、この失敗についてスマートビーコン/ゲートウェイは通知を受け、状況を打破するためのさらなるトラブルシューティング用のオンスクリーン指導がユーザに与えられる。
【0047】
アプリは、スマートビーコン装置を設置場所に合わせてカスタマイズする機能をも有している。各駐車場ガレージは本来的に様々な信号対ノイズ特性を有している故に、設置先の環境に合わせてスマートビーコン装置を設定することができ、このためには各設置サイトの相違について補償する近接度較正セットポイントのセット(set of proximity calibration set points)を通して設定がされる。
【0048】
統合型視覚装置と協調して動作しているスマートビーコン装置は、既検出オブジェクトを入場ポイントにてオブジェクト検出モジュール内のオブジェクトテーブルに割り当て可能であり、オブジェクトのサイズやタイプについて(例えば、トラック、セダン、オートバイ等)の価格付けレンジ付与を可能とする。オブジェクトについては車両の進行レーンにおけるスマートビーコン装置の「視野(FoV)」内にて検討がなされ、オブジェクト相互間の画像的近接度(pictorial proximity)並びにオブジェクトと(入退場が混在する複数レーン内における)スマートビーコン装置との間の画像的近接度が決定される。
【0049】
図9は、統合型視覚装置と協働するスマートビーコン装置を示しており、これらは検出エリア502に入場するオブジェクトに対して、種別、価格、及び他の属性を表す値を割り当てるシステム500をなす。スマートビーコン装置510はスマートビーコン/ゲートウェイ512を含み、これについては一般的な言及を上記において既にしている。システム500並びにそのソースビーコンコンポーネントであるスマートビーコン装置510は、それぞれ、システム60及びソースビーコン10についての開示事項にあるように構成されておりそのように動作し、後述のように機能強化も受ける。スマートビーコン/ゲートウェイ512は、CPU制御センタ、WiFi(登録商標)無線接続機能、BLE、イーサネット(登録商標)システムプロトコル、LTEネットワーク、及びUSB標準インタフェース機能を有するコンピューティングプラットフォームであり、以下の機能を担う:全てのセンサ及び他のスマート装置をシティファイドシステム仮想ネットワークに接続するセキュアネットワークルータとして機能すること;LIME視覚エージェント514を実行すること;全てのスマートビーコン/ゲートウェイ510機能を行うこと;任意の存在するアクセスゲート516への通信を管理すること;シティファイドシステム固有の位置決め手法に基づいて屋内位置決めを行うことであって、該手法は
図12を参照して後述するように1つの車両走行レーン内にて指定距離で離隔配置された2つのインラインビーコンを用いる手法を含む、位置決めを行うこと;スマートビーコン装置510やコンピューティングプラットフォームのコンポーネントやシティファイドシステム全体の動作的健全性等に関する管理機能を行うこと;並びにリモートでのソフトウェア更新を可能とすること。
【0050】
拡張視覚システムセンサ518を伴うスマートビーコン装置510は、(車両として参照されかつ示される)オブジェクト520及び駐車用構造物へのアクセスを要求するオブジェクト520の走行方向を、識別する。検出エリア502の周りに配置された視覚システムセンサ518は、オブジェクト520のタイプをも識別する。サイトの用途に応じて、視覚システムセンサ518は、例えば次の1つ以上を含み得る:赤外線(IR)センサ、カメラ、熱センサ、磁気探知器、圧力感応バー、音響センサ、光検出及びレンジング(LIDAR、light detection and ranging)センサ、レーザ型深度センサ、モーションセンサ、並びに、ビームブレーク技術型センサ。視覚システムセンサ518は、オブジェクト検出モジュール522をLIMEエージェント514視覚システムソフトウェアコンポーネントの一部として用いて、検出エリア502内にある現在オブジェクト520に適切な識別項を割り当てる。
【0051】
視覚処理は、オープンソースコンピュータビジョンライブラリ(OpenCV Library)をそれに伴うディープニューラルネットワーク(DNN)実行環境と共に用いることを伴う。OpenCV Libraryとは、主としてリアルタイムコンピュータビジョンに関するプログラミング関数についてのクロスプラットフォーム型のライブラリである。LIMEエージェント514は、モバイルネット-SSD(Mobile Net-SSD)と関連付けられているDNNを用いるものであり、サイト固有の訓練が伴っている。モバイルネットとはモバイル及び埋め込み型ビジョン用途向けであり、深度方向の分離可能畳み込み(depthwise separable convolutions)を用いて軽量DNNを構築するアーキテクチャに基づいている。OpenCV 3.4.1とは、モバイルネット-SSDを伴うディープラーニングモジュールでありそれはオブジェクト検出用である。そのソースコードはhttps://opencv.orgからダウンロード可能である。
【0052】
この比較は、バックエンドサーバ70にて動作するAIエンジン524によって経時的に補強されていき、環境的変化について補償がなされる。AIエンジン524は周囲環境における経時的変化を認識する。このような変化には次のものが含まれる:気象が背景照明に与える影響;日中及び夜間条件;2つの駐車区画を跨ぐサイズ超過車両。AIエンジン524は視覚システムセンサ518に関してパラメータ変更を行うことができ、それによってそのような環境変化に関して補償できる。
【0053】
ユーザがスマートビーコン装置510と対話可能なソフトウェアへのアクセスを有している場合、それはNFC/RFID通信機526をアクティベートしてアクセスゲートコントローラ528にアクセスゲート516を開けさせることができ、それによって車両が駐車用構造物に入場することを許し得る。スマートビーコン装置510及びNFC/RFID通信機526がユーザにアクセスを付与したか否かに関わらず、バックエンドサーバ70にて動作中でありかつスマートビーコン/ゲートウェイ512上で命令実行中のLIMEエージェント514に対しては、オブジェクト520がアクセスゲート516を通過して駐車用構造物内へと入った場合に、オブジェクト520のタイプ、在庫カウント、及び検出エリア502内にて収集された他のメトリックについての更新情報が与えられる。
【0054】
視覚ベースのスマートビーコン装置510は、ラスタ/ベクタ系アルゴリズムを活用しかつオブジェクト520と移動方向とを判別できる。センサ518及びオブジェクト520は、オブジェクト検出モジュール522を介して相関付けられる。例えば
図11に示される平面駐車場環境に関しては、アクセサリ型の柱にマウントされた視覚システムが想定され、該システムは、ソースにて画像を処理し(末端部処理型視覚システム)、補間された関連する結果のセットのみをスマートビーコン/ゲートウェイ512へと送信し、該送信はセルラタワー又は完全補間データをスマートビーコン/ゲートウェイ512へと送信するための他の方法(アプリを含む)を介してなされ得る。この視覚システムは、ゲート付き駐車場や私的な駐車場についても設置できる。
【0055】
LIMEエージェント514は、視覚システムセンサ518からのビデオストリームを処理する能力を有しており、それが処理する各ビデオフレーム内の興味対象車両を検出する能力を有している。LIMEエージェント514はDNNシステム等のAI手法を実装し、例えば自動車、トラック、SUV、バス、トレーラ、オートバイ、配送トラック、及び自転車等の興味対象オブジェクトについて予め訓練された検出ライブラリを伴い得る。該エージェントは、ビデオフレーム差分方法を用いて動的オブジェクトを識別できる。LIMEエージェント514の検出システムは、車両タイプ、サイズ、位置、ナンバープレート、及び型式やモデルや色やビーコンID等の他の固有識別子を解読する機能を有している。LIMEエージェント514は、次のものを含む:カーネル化相関付けフィルタ(KCF、kernelized correlation filter)追跡フレームワーク;ターゲットと周囲環境とを判別する差別的分類器であるコアコンポーネント。ソースコードはhttps://github.com/joaofaro/KCF/cppからダウンロード可能である。KCF追跡フレームワークが実装されたLIMEエージェント514は、予め定義されたローカライズ領域内において複数の検出済み車両を追跡し、また、各車両について相対的な運動ベクトルを算定する機能を有している。LIMEエージェント514の追跡モジュールは、追跡に関しては、運動予測及び各車両の実際の画像特性の組み合わせを用いる。システムは、興味対象領域内の停滞車両を見いだすことができ、また、部分的に遮蔽された物体について追跡もできる。システムは、興味対象領域内の各車両にロックオンすることによって車両処理をアクティベートし、その後は総移動量を算定して入場か又は車両が興味対象領域を脱した退場かをみる。LIMEエージェント514は車両の入退場移動に関する情報を、セキュアな代表的状態トランスファ(REST、representational state transfer)アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して、バックエンドサーバ70へと伝達する。LIMEエージェント514は、視覚システムセンサ設定を変更して環境的変化について補償することができる。LIMEエージェント514においては、冗長処理及び協働する熱センサも実装されており、典型的なRGBカメラが苦戦し得る環境条件(例えば、降雪が絡む時、極低照度の時、又は霧発生時等)について補うことができ、所与の環境に適切な異なるセンサに切り替える(例えば、LIDAR、熱センサ、又はIRセンサ等に切り替える)ことによってそうすることができる。このことは次のことを伴い得る:例えば熱センサに切り替えること及び熱画像用の関連するニューラルネットワーク訓練ファイルを読み込むこと。
【0056】
図10には3つの視覚システムセンサ518及び4つのスマートビーコン装置510が示されており、検出エリア540内の6つの車両駐車スペース又はスポット540
1,540
2,540
3,540
4,540
5,540
6の周りの異なる位置に設けられており、それによってLIMEエージェント514が実装される。平面駐車場及びゲート付き駐車場にも柱にマウントした視覚システムを設けておくことができ、それによってローカルスポット誘導/ナビゲーションのために利用可能駐車スポット(spot)を識別できる。
図11は、視覚システムセンサ518を示しており、これは好適にはカメラであり、ゲート無し平面駐車場532を監視するために設置されて該駐車場内の利用可能駐車スポットを識別するものとされる。ゲート無し平面駐車場532を監視するためにカメラを用いると、アクセス領域534を通じての車両520の入退場事象の検出が可能となり、それによって車輌駐車トランザクションセッションの記録が支援される。オブジェクト/スペース検出(detection)アルゴリズムにおいてはより大きなエリアの画像を継続的に比較して、駐車スポットの「状態」についての変容を決定し、「オブジェクト/スペース比較(comparison)アルゴリズム」を介してそれはなされる。方法では、迅速処理のためにラスタライズ手法と対比してのベクトル化手法を用いられ、占拠中駐車スポット(即ち、駐車スポット540
1,540
2,540
4,540
6)と比較しての利用可能駐車スポット(即ち、駐車スポット540
3,540
5)を特定する。占拠中駐車スポットを背景(占拠無し基準状態)との関係で比較すると、視覚システムセンサにて補間された視覚システムを介してのオープン駐車スポットナビゲーションが可能となり、結果として生じたデータのうち関連を有するものだけがネットワークを通じて送信される。
【0057】
LIMEエージェント514は、シティファイドシステム内の全駐車場についてのライブ在庫データを特定するための公的及び私的な接続性を提供し、また、シティファイドシステム外の主体のためのLIMEエージェント514のための独立チャンネルも提供される。アルゴリズムは気象変化や他の環境的要因について補い、参照ポイントの再較正によってこれをなし、これはAIエンジン524を介してなされ、様々なライブフィードやセンサ入力を伴う。背景の参照ポイントは、センサ入力データの結果として時折比較され、他のライブフィードも絡む(例えば、気象パターン)。ランダムな参照用比較ポイント及び時刻が自己学習型AIエンジン524(視覚システムセンサ518のクラスタ)を介して決定される。これらの視覚システムセンサ518を用いて自己学習型環境パラメータ及びパターンをアクティベート及び解き放つ(activate and unleash)ことで、参照ポイントの較正を向上させることができる。AIエンジン524用の入力を収集する視覚システムセンサ518は、次のものを含み得る:深度センシング視覚システムを伴うRF熱検出器やインスタレーション毎に可変な被写界深度調整を伴うステレオカメラクラスタやRGBカメラシステム。RGBカメラシステムはシティファイドスマートビーコンシステムに接続されており、これについてはエッジプロセッサが有効化されており、より大きなエリアにおけるオブジェクト運動及び静止オブジェクトの一方又は双方について外挿及び補間できる。
【0058】
複数のスマートビーコンセンサ及びRGBリモートカメラシステムの組み合わせが、オブジェクトの判別やオブジェクトの熱パターンの判別やオブジェクトの深度についても判別し、それによって、具体的な設置場所及びサイト固有のデータについてAIエンジン524を継続的に強化する。AIエンジン524は、他の付近の(ゾーン)場所向けの参照用地理的データを統制/フィードする機能を有していることができる。
【0059】
センサとして動作するステレオカメラシステムは、入場及び退場用の車両走行レーンにおけるオブジェクトの移動パターンを検出できる。ステレオカメラセンサは、RGBとRFの組み合わせることができ、他の深度センシング信号をも伴い得る。
【0060】
スマートビーコン装置510にてRFID(アクティブ)通信機が有効化され、これはアクセスゲート機構へ直結配線なくしてアクセスゲートコントロールをもたらすためになされる。これによって直接接続が回避され、随意的には、ゲート付き駐車場についての視覚システム及びLIMEエージェント514を介しての在庫カウントが統制される。
【0061】
バックエンドサーバ70内にてLIMEエージェント514の一部として動作する駐車場ナビゲータアプリケーションは、到着するユーザを駐車ガレージの利用可能な空室スペースへと誘導することが必要となるより大きめな駐車ガレージのための局所的ナビゲーション用選択肢たり得る。駐車場ナビゲータ選択肢は車両内ユーザを特定の利用可能スポットへと誘導し、駐車場ナビゲータ内にて駐車場のマップオーバレイによってこれをなす。駐車場ナビゲータのための通信はスマートビーコン装置510の複数のクラスタの間で協調制御され、スレッド通信プロトコルを介してスマートビーコン/ゲートウェイ512及びバックエンドサーバ70へと接続するGPS座標を伴う。プロトコルを例示するに、WiFiネットワーク又はIEEE 802.15.4系プロトコルを用いるクラスタ化ビーコンネットワークを諸兄は想起されたい。複数の柱にマウントされた視覚システムセンサを用いると、空車スポット発見の目的との関連での駐車場全体コンポジット画像をバックエンドサーバ70へと伝達する機能が得られる。駐車場ナビゲータは、参照用背景画像を元に、柱にマウントされた視覚システムセンサ518からの比較用画像を使用及び参照して、LIMEエージェント514を介して利用可能スポットを識別する。LIMEエージェント514は、全ての通信に関してローカルでバックエンドサーバ70へとログ付けする機能を有しており、これらには偽陽性画像(false positive image)及び陰性画像(negative image)が含まれ、必要に応じてローカルでそうするか又はバックエンドサーバ70へとそうすることができる。偽陽性画像とは、車両として誤認されたオブジェクトにまつわるものである。陰性画像とは、オブジェクト検出モジュール522によって看過されてしまった車両にまつわるものである。ベクトル化演算及び比較は定期的にAIエンジン524によって改良されて環境的変化について補償がなされる。
【0062】
駐車場ナビゲータは、以下の機材を用いて到着ユーザを利用可能駐車スペースへと誘導する。柱にマウントされた視覚システムセンサ518は在庫変化について報告し、参照用背景画像に対して変化をもたらすオブジェクトについて報告することによってこれをなす。この比較は、AIエンジン524によって経時的に強化されて環境的変化について補償される。視覚システムセンサ518とオブジェクト検出モジュール522との間の通信は、駐車構造物の周りクラスタされているスマートビーコン装置510を介してなされる。スマートビーコン装置510は、視覚システムセンサ518とスマートビーコン/ゲートウェイ512とバックエンドサーバ70との間の通信経路として機能し、スレッド通信プロトコル(例えば、WiFi、IEEE 802.15.4系プロトコル、及びLTE)を用いてそれがなされる。駐車スペース状態における変化、即ち占拠中であるか空車であるかは、LIMEエージェント514を介して駐車場ナビゲータへと伝達され、駐車構造物のマップオーバレイを更新することによってこれがなされる。この情報は、空車で割り当てられた駐車スペースへとユーザを誘導するアプリケーションを通じて、ユーザへと渡される。
【0063】
視覚センサが実装されていないシステムの入場ゲート又は退場ゲートでの車両検出に特に有用な随意的三角測量法について説明をするために
図12に言及し、該図は、車両570
1,570
2,570
3を示しており、これらは車両走行レーン571上で列として配置されており、アクセスゲート516の動作によって選択的にブロックされている。開示される三角測量法は、駐車場入退場のためにアクセスゲート516に接近する車両内の乗客数が異なることによって変化するBLE信号吸収率によって惹起される不確実な車両検出性能を克服する。目的は、車両内の超局所的環境条件(例えば、乗客の多寡)によるRSSI値の変化に関わらずに、通路アクセスゲートビーコン付近で車列を確立しつつも、アクセスゲート516に最近の車両をアクセスゲート516の開放によって通過させることである。
【0064】
アクセスゲート516付近に配置されたスマートビーコン装置510(ゲートビーコン(GB、gate beacon)と称する)は、走行レーン上に配置された基準のBLE信号送出ソースビーコン(レーンビーコン(LB、lane beacon)と称する)から既知の距離だけ離されている。GB及びLBは好適には14フィート(約4.3メートル)離されており、これは約2車両長分にあたる。GB及びLBは実質的に同じ強度の無線信号を送出する。GB及びLBは、協働して、車列内車両の乗員多寡に関わらずに信号吸収の影響を排除し、これはスマート装置によって測定されるRSSI無線信号強度に影響を及ぼし得る。
【0065】
図12では、ボックス572
1,572
2,572
3は、各々、車両570
1,570
2,570
3についてGB及びLBによって送出された信号の測定強度についてのGB-RSSI及びLB-RSSIの比を表している。ボックス572
3は、車両570
3に関するものであり、RSSI比<1となっている。何故ならば、車両570
3はLBに至近であるもGBからは相対的に遠い距離にあるからである。ボックス572
2は、車両570
2に関するものであり、RSSI比は約1となっている。何故ならば、車両570
2はLB及びGBのそれぞれの至近にあるからである。ボックス572
1は、車両570
1に関するものであり、RSSI比>1となっている。何故ならば、車両570
1はGBに至近であるもLBからは相対的に遠い距離にあるからである。
【0066】
RSSI比は車列における車両5701,5702,5703の順序を表し、RSSI比=1が臨界点であり、アクセスゲート516に最近の車両及びアクセスゲート516から最遠の車両がそれぞれ最大の部分(>1)及び最小の部分(<1)を呈する。スマート装置上で動作するアプリはRSSI比情報をGBへと送信し、車両5701内の乗員によって携帯されるアプリにゲート制御用のオンスクリーンボタンを表示させるか、又は、車両5701が通過できるようにアクセスゲート516を開くようにアクセスゲートコントローラ528に仕向けることができる。
【0067】
車両検出用三角測量手法は複数レーン車両駐車施設用にも構成されており、多くの場合に共通レーンディバイダ上にアクセスゲート構造が設置されている。この手法によれば、アクセスゲートの隣に配置されておりかつアクセスゲートと関連付けられているレーン内にて走行中の車両のために正しいアクセスゲートであってGBと関連付けられているアクセスゲートを開くことが、可能となる。
【0068】
図13はシステム500によってなされる車両検出のために用いられる運用プロセス及びアルゴリズムを示す流れ
図700である。初めの4つの処理ブロックは、視覚システムセンサ518、LIMEエージェント514、及び通信リンクをセットアップするために行われる機能を表している。処理ブロック702は、視覚パラメータを定義し、また、視覚システムセンサ518のカメラ及びセンサをセットアップする。処理ブロック704は、観測用の興味対象領域(ROI、regions of interest)を検出エリア502内に定義する。処理ブロック706は、LIMEエージェント514内において既ローカライズ訓練済みニューラルネットワーク(localized trained neural network)を、RGBカメラ、LIDAR、及び熱センサに関して読み込むことを表している。処理ブロック708は、バックエンドサーバ70への通信リンクをLIMEエージェント514のために確立するためのセットアップ行為を表している。
【0069】
通信リンクのセットアップが完了した場合に、次の手順にて行えるように車両検出が準備される。処理ブロック710は、全ての構成済み視覚システムセンサ518についての連続的読み出し行為を表しており、処理ブロック712はそれらの入力に関してのクロッピング、フィルタリング、及びスケーリング行為を表している。処理ブロック714は、定義済み興味対象領域における車両の検出を表している。興味対象領域について、ストリームビデオが受信及び処理される。処理ブロック702によって表されているセットアップにおいて、分析対象であるビデオセグメントの限定化が表されている。 Restricting the segment of the video to be analyzed is defined in the setup represented by process block 702. 可変選択可能フレームレート(variable selectable frame rate)の使用によって、効率的な処理が可能となる。車両が検出された場合に、オブジェクト検出モジュール522が次のことについて検証する:該車両が興味対象オブジェクト(OoI、objects of interest)についての初期条件を充足していること。ディープニューラルネットワーク(DNN、deep neural network)を用いてオブジェクト検出モジュール522を用いて、結果として得られた車両に関して検証及び分類がなされる。ディープニューラルネットワークは初期訓練ファイルを用いるものであり、サイト固有型訓練パラメータをもって増補される。処理ブロック716は、新規検出車両を追跡リストに追加することを表している。一旦検証された場合に、車両はLIMEエージェント514内の追跡モジュールへと渡され、既定の又はランダムな間隔においてディープニューラルネットワークが同一性について検証する。車両についてはカスタマイズした興味対象エリア(customized areas of interest)を用いて追跡され、その追跡態様について述べるに、仮に車両が遮蔽された場合に、興味対象領域(region of interest)内の予測進路を介して追跡され続け、ディープニューラルネットワークを介してそれについて再検証がなされる。決定ブロック718は、興味対象領域からいずれかの車両が離脱したか否かについての照会行為を表している。回答がいいえである場合、決定ブロック718は処理ブロック710の車両検出動作への復帰を表しており、該処理ブロックにては全ての構成済み視覚システムセンサ518が読み出される。興味対象領域内での移動性運動(travel movement)はベクトル化されて、興味対象領域の境界との関係での移動(travel)の距離及び方向が決定される。回答がはいである場合、決定ブロック718は処理を処理ブロック720へと進め、興味対象領域から離脱していった各車両について移動の距離及び方向が算定される。処理ブロック722は、各車両について運動(movement)が入場性運動か退場性運動かについての決定を表している。処理ブロック724は、バックエンドサーバ70にて動作しているLIMEエージェント514への入退場データの送信行為を表している。車両が興味対象エリア(area of interest)から離脱した場合に、車両は追跡モジュールから除かれ、ローカル車両の画像は格納され、これは駐車場所(例えば、駐車場)に関しての訓練ファイルを更新するために使用され、該使用について計画が立てられる。決定ブロック724は、処理ブロック710の車両検出処理動作への復帰を表しており、該処理では全ての構成済み視覚システムセンサ518が読み出される。
【0070】
多くの変更を本開示の基本原理から逸脱することなく上述した実施形態の細部に加えることができることは当業者に明らかである。したがって、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ決定されるべきである。