(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】喫煙物品の包装バンドに接着剤を塗布するための方法
(51)【国際特許分類】
A24C 5/24 20060101AFI20230508BHJP
A24C 5/01 20200101ALI20230508BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20230508BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20230508BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20230508BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
A24C5/24
A24C5/01
B05D7/00 A
B05D7/00 K
B05D1/26 Z
B05D7/24 301P
B05D3/00 B
B05D3/00 D
(21)【出願番号】P 2019569708
(86)(22)【出願日】2018-06-12
(86)【国際出願番号】 IB2018054228
(87)【国際公開番号】W WO2018229642
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-05-18
(31)【優先権主張番号】102017000065691
(32)【優先日】2017-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】パストーレ,フルヴィオ
(72)【発明者】
【氏名】ガンベリーニ,ジュリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァンニーニ,エマヌエレ
(72)【発明者】
【氏名】フェリオーリ,ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】サルトーニ,マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】フェデリーチ,ルーカ
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-037073(JP,A)
【文献】特開2005-052821(JP,A)
【文献】特開2009-226284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 5/24
A24C 5/01
B05D 7/00
B05D 1/26
B05D 7/24
B05D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品の包装バンド(2)に接着剤を塗布するための方法であって、前記喫煙物品は、特に、フィルタ材料のセグメントと喫煙可能材料のセグメントとを含み、前記方法は、
供給方向(Y)に沿って前記包装バンド(2)を移動させるステップであって、前記包装バンド(2)は、長手方向の延長方向(X)、第1の表面(2a)および前記第1の表面(2a)に対向する第2の表面(2b)を有し、前記包装バンド(2)は、第1の厚さ(h1)を有する複数の第1部分(20)と、前記第1の厚さ(h1)より大きい第2の厚さ(h2)を有する複数の第2部分(21)とを備え、前記複数の第1部分(20)と前記複数の第2部分(21)は、前記延長方向(X)に沿って互いに交互に配置される、ステップと、
供給端(30)を有する少なくとも1つのノズル(3)および前記包装バンド(2)を、前記ノズル(3)の前記供給端(30)と前記包装バンド(2)の前記第2の表面(2b)とが前記第2の厚さ(h2)以下の第1の距離(d1)にある第1の位置(A)と、前記ノズル(3)の前記供給端(30)と前記包装バンド(2)の前記第2の表面(2b)とが前記第2の厚さ(h2)よりも大きい第2の距離(d2)にある第2の位置(B)との間で互いに近づいたり離れたりさせるステップと、
前記ノズル(3)と前記包装バンド(2)が前記第1の位置(A)にあり、前記ノズル(3)の前記供給端(30)が前記複数の第1部分(20)の一つに面しているときに、少なくとも1つのノズル(3)を介して前記包装バンド(2)の前記第1の表面(2a)に接着剤を供給するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記ノズル(3)および前記包装バンド(2)が前記第1の位置(A)にあるとき、前記ノズル(3)に接続された制御ユニットが前記ノズル(3)を介して前記接着剤の供給を許可し、前記ノズル(3)と前記包装バンド(2)が前記第2の位置(B)にあるとき、前記ノズル(3)を介した前記接着剤の供給を防ぐステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
センサを使用して前記複数の第1部分(20)を検出するステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ノズル(3)および/または前記包装バンド(2)を動かす前記ステップは、前記包装バンド(2)に向かって/前記包装バンド(2)から離れるよう前記ノズル(3)を動かすステップを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ノズル(3)および/または前記包装バンド(2)を動かす前記ステップが、前記包装バンド(2)を前記ノズル(3)に向かって/前記ノズル(3)から遠ざけるよう動かすステップを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
移動させる前記ステップは、前記包装バンド(2)の平面を横断する方向に前記包装バンド(2)の前記第2の表面(2b)に面する支持要素(6)を移動させるステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記包装バンド(2)を前記支持要素(6)と接触させて保持するために、前記支持要素(6)の開口部から空気を取り入れるステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
相対移動を行う前記ステップは、前記ノズル(3)の
前記供給端(30)が前記複数の第1部分(20)の一つに面するとき、前記供給端
(30)が前記第1の位置にあり且つ前記ノズル(3)から
前記接着剤が放出されるように、前記ノズル(3)の前記
供給端(30)が前記複数の第2部分(21)の一つに面するとき、前記
供給端(30)が前記第2の位置にあるように、
前記供給方向(Y)に沿った前記包装バンド(2)の移動と同期して行われる、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の第2部分(21)は、接着剤のストリップ(21a)であり、前記接着剤のストリップ(21a)は、前記長手方向の延長方向(X)に対して実質的に横方向である、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の第1部分(20)は、前記長手方向の延長方向(X)に沿って一定の長さを有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙物品の包装バンドへの接着剤の塗布に関する技術分野に係る。より具体的には、本発明は、喫煙物品の包装バンドに接着剤を不連続的に塗布するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、喫煙物品は、フィルタ材料のセグメント、喫煙可能材料(例えばタバコ)のセグメント、喫煙可能材料を加熱する加熱要素をこの順序で含むことができる。また、フィルタ材料のセグメント、喫煙可能材料のセグメント、および加熱要素は、包装材料で包まれる。
【0003】
喫煙物品の各セグメントを包装材料で包むために、その後に切断される包装バンドにのりを塗布することが一般的な慣行である。
【0004】
したがって、包装バンドは、のりのストリップで覆われた包装バンドの部分からなる第2部分と交互になった、包装バンドの部分からなる第1部分を含む。これらののりのストリップは、喫煙物品の各セグメントを包むために、包装材料をそれ自体に接着するために使用される。したがって、包装バンドの第2部分は、包装バンドの第1部分よりも厚い。
【0005】
前述の喫煙物品の加熱要素は、喫煙物品の一端に配置されている。喫煙材料のセグメントから分離するのを防ぐために、加熱要素は包装材料に接着される必要がある。この目的のために、包装バンドの第1部分に(包装バンドの延長方向に実質的に平行な)接着剤のストリップを塗布する必要があり、これらの接着剤のストリップは包装バンドの第2部分に既に存在するのりのストリップと干渉してはならない。
【0006】
喫煙物品の包装バンドに接着剤を塗布するための方法は、イタリア特許文献BO2000A000035に記載されている装置から知られている。この従来技術の装置は、その延長方向に平行な供給方向に沿って包装バンドを移動させるための供給手段と、包装バンドに接着剤を供給する少なくとも1つのノズルとを備える。
【0007】
しかしながら、この従来技術の装置では、接着剤を包装バンドに連続的に塗布することはできない。詳細には、連続的な塗布は定期的にノズルをクリーニングするためだけに中断される。
【0008】
接着剤が(第1部分が第2部分と交互になっている)上記の包装バンドに供給されたと仮定すると、ノズルは包装バンドの第1部分と接触して配置される可能性がある。しかしながら、このような場合、包装バンドの第2部分ののりのストリップと干渉することになる。あるいは、ノズルは、包装バンドの第2部分ののりのストリップと接触しないように、包装バンドから十分に離れて配置される場合がある。しかしながら、このような場合、ノズルは、適切な精度で接着剤を供給できるためには、包装バンドから離れ過ぎることになる。
【0009】
結果として、喫煙物品の形成中に、接着剤が喫煙可能材料のセグメントと接触する可能性もあり、それによってその風味が悪い方向に変化する可能性がある。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、上記の欠点を克服するために喫煙物品の包装バンドに不連続的に接着剤を塗布するための方法を提供することを目的とする。より具体的には、本発明の目的は、異なる厚さの部分で構成される包装バンドに接着剤を精密かつ正確に塗布することを可能にする方法を提供することである。
【0011】
上記の目的は、添付の特許請求の範囲による方法によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、本発明の非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照して以下に説明される。
【
図1-2】喫煙物品の包装バンドの一部の上面図であり、それぞれ接着剤が塗布される前後の図である。
【
図1A-2A】それぞれ
図1および2の側面図である。
【
図4A-4C】本発明による方法を実施することができる装置の実施形態の側面図、および接着剤を塗布するそれぞれのステップ中の
図1の包装バンドの側面図である。
【
図8】本発明による方法を実施することができる装置の別の実施形態の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照すると、参照番号1は、一般的に、喫煙物品の包装バンド2上に不連続的に接着剤を塗布し、本発明による方法を実施することができる装置を示す。
【0014】
「喫煙物品」という用語は、シガレットまたはより一般的に言えば、長手方向の延長軸を有する円筒形要素などのタバコ産業の物品を意味するために使用される。例えば、喫煙物品は、フィルタ材料のセグメント、喫煙可能材料(例えばタバコベース)のセグメント、および加熱要素をこの順番で含むことができる。喫煙物品は、喫煙物品を構成する各セグメントの周りに完全にまたは部分的に巻き付けられた包装も含む。包装は、包装バンドから得られる包装材料のストリップから得られる。
【0015】
包装バンド2(または包装材料のシート)は、長手方向の延長方向Xを有し、ロールフィード(roll-fed)され得る。包装バンド2は、互いに対向する第1の表面2aおよび第2の表面2bを有する。
【0016】
特に
図1、1Aおよび3を参照すると、包装バンド2は、第1の厚さh1を有する複数の第1部分20と、第1の厚さh1よりも大きい第2の厚さh2を有する複数の第2部分21とを含む。複数の第1部分20と複数の第2部分21は、包装バンド2の延長方向Xに沿って互いに交互に配置される。
【0017】
特に
図1を参照すると、複数の第1部分20は包装バンドの一部からなり、複数の第2部分21は第1の表面2aにのり(または接着剤)のストリップ21aが配置された包装バンドの一部からなる。詳細には、包装材料の各ストリップは、のりのストリップ21aの少なくとも一部を含む。そのように、包装が喫煙物品の周りに配置されると、その上ののりのストリップ21aは、喫煙物品の延長軸に実質的に平行になる。
【0018】
さらに、図示されていない包装バンドの一実施形態では、複数の第1部分20のそれぞれは、第1の表面2aに固定され、且つ包装バンド2の延長方向に実質的に平行に配置された少なくとも1つのアルミニウムストリップを備えてもよい。そのような場合、包装材料の各ストリップはアルミニウムストリップを含む。喫煙物品の周りに配置された包装状態では、アルミニウムストリップは喫煙物品の加熱要素の周りに巻き付けられる。
【0019】
包装バンド2は、延長方向Xに沿った長さ、長さに直角で且つ包装バンド2の全長に沿った一定の幅、および上述のように包装バンド2に沿って変化する厚さを有する。例えば、複数の第1部分20のそれぞれの長さは19-21ミリメートルの範囲に含まれてもよく、複数の第2部分21のそれぞれの長さは100分の6-8ミリメートルの範囲に含まれてもよい。
【0020】
包装バンド2の上述の各実施形態は、装置1で使用できる包装バンド2の好ましい実施形態である。しかしながら、装置1は、上述のものとは異なる包装バンド2にも有利に使用できることが理解される。
【0021】
図4A-7を参照して、本発明の方法を実施することができる装置1の第1の好ましい実施形態を以下に説明する。
【0022】
装置1は、延長方向Xに平行な供給方向Yに沿って包装バンド(2)を移動させるための供給手段と、一対のノズル3、8(
図7)とを備え、各ノズルは、接着剤(例えば、のり)を包装バンド2の第1の表面2aに供給するための供給端30を有する。
【0023】
特に
図7を参照すると、第1のノズル3および第2のノズル8は、包装バンド2の第1の表面2a上に接着剤の平行なストリップ23を供給できるように、供給方向Yに直角の方向に並んで配置される。そのような場合、包装バンド2から得られる各包装ストリップは、後に切断により分離されることになる一対の喫煙物品を包むのに十分な大きさである。
【0024】
一対のノズル3、8に関して以下に説明することはすべて、装置がノズル3、8のうちの1つのみを含む場合にも当てはまることが理解される。そのような場合、包装バンド2から得られる各包装ストリップは、単一の喫煙物品を包むのに十分な大きさである。
【0025】
ノズル3、8および包装バンド2は、ノズル3、8の供給端30と包装バンド2の第2の表面2bとが第2の厚さh2以下である第1の距離d1にある第1の位置Aと、ノズル3、8の供給端30と包装バンド2の第2の表面2bとが第2の厚さh2よりも大きい第2の距離d2にある第2の位置Bとの間で互いに近づいたり遠ざかったりすることができる。
【0026】
「距離」という用語は、包装バンド2の第2の表面2bからのノズル3、8の供給端30の距離を意味する。
【0027】
装置1は、ノズル3、8および包装バンド2を第1の位置Aと第2の位置Bとの間で移動させる移動手段4であって、ノズル3、8の供給端30が複数の第1部分20の一つに対向するときに第1の位置Aにあるように(
図5)、ノズル3、8の供給端30が複数の第2部分21の一つに対向するときに第2の位置Bにあるようにする(
図6)移動手段4を備える。
【0028】
言い換えると、ノズル3、8の供給端30が複数の第1部分20の一つに対向するとき、移動手段4は、ノズル3、8と包装バンド2を、それらが第1の距離d1(好ましくは、第1の距離d1は第1の厚さh1に等しい、すなわち、ノズル3、8の供給端30と包装バンド2の第1の表面2aとが互いに接触して配置される)になるまで互いに近づける。他方、ノズル3、8の供給端30が複数の第2部分21の一つに対向するとき、移動手段4は、ノズル3、8と包装バンド2を、それらが第2の距離d2(第2の距離d2は、ノズル3、8の供給端30が複数の第2部分21のいずれとも接触して配置されない、すなわち干渉しないことを保証するようなものである)になるまで互いに遠ざける。したがって、ノズル3、8の供給端30は、複数の第2部分21ののりのストリップ21aと接触して配置されることはない。
【0029】
有利には、提案された装置1は、複数の第1部分20と複数の第2部分21の厚さが異なる包装バンド2に接着剤を精密かつ正確に塗布することを可能にする。
【0030】
包装バンド2を供給するための供給手段は、当業者に一般的に知られているため(例えば、供給手段は、供給ローラおよび/または供給ベルトを備えていてもよい)、図面には示されていない。
【0031】
好ましくは、装置1は、ノズル3、8による接着剤の供給を制御するためにノズル3、8に接続された制御ユニット(図示せず)を備える。
【0032】
詳細には、制御ユニットは、ノズル3、8および包装バンド2が第1の位置Aにあるときにノズル3、8を介して接着剤の供給を可能にし、ノズル3、8および包装バンド2が第2の位置Bにあるときにノズル3、8を介した接着剤の供給を防止するように構成される。
【0033】
したがって、ノズル3、8の供給端30が包装バンド2の複数の第1部分20の一つに面するとき、それらは第1の位置Aにあり、ノズル3、8からの接着剤の放出が許容される。他方、ノズル3、8の供給端30が包装バンド2の複数の第2部分21の一つに面するとき、それらは第2の位置Bにあり、ノズル3、8からの接着剤の放出が防止される。有利には、したがって、接着剤は、包装バンド2の複数の第1部分20に精密かつ正確に塗布される。
【0034】
上述のように、包装バンド2の特定の一実施形態では、複数の第1部分20はそれぞれ、包装バンド2の延長方向に平行な2つのアルミニウムストリップ(またはノズルが1つのみの場合は1つ)を含んでもよい。そのような場合、ノズル3、8および包装バンド2は相互に配置されて2つのアルミニウムストリップに接着剤を供給する。有利には、2つの喫煙物品の加熱要素は、各アルミニウムストリップで包装に接着されている。
【0035】
装置1は、ノズル3、8が制御ユニットによって周期的に制御されるように動作することができる。言い換えると、ノズル3、8からの接着剤の供給は、一定の時間間隔で且つ所定の時間だけ許可される。すなわち、ノズル3、8からの接着剤の供給は、ノズル3、8および包装バンド2が第1の位置Aにあるときにのみ許可される。これは、複数の第1部分20の長さおよび複数の第2部分21の長さがそうであるように、包装バンド2の供給速度が一定であるために可能である。
【0036】
あるいは、装置1は、複数の第1部分20を検出するための、より正確には、アルミニウムストリップの開始および終了を検出するためのセンサ(例えば、光学センサ)を備えてもよい。センサは制御ユニットに接続されているため、センサがアルミニウムストリップの開始と終了を検出すると、制御ユニットはノズル3、8からの接着剤の供給を許可または防止する。
【0037】
有利には、複数の第1部分20に接着剤を塗布する際の精度がさらに改善される。
【0038】
第1の実施形態(
図4A-
図7)では、移動手段4は、ノズル3を包装バンド2に向かって/包装バンド2から離れるように移動させるためのアクチュエータ5を含む。同様に、移動手段4は、ノズル8を包装バンド2に向かって/包装バンド2から離れるように移動させるための別のアクチュエータ15を含む。アクチュエータ5、15は互いに同期して駆動される。
【0039】
言い換えると、包装バンド2が供給方向Yに沿って移動される一方、ノズル3は包装バンド2に向かって/包装バンド2から離れるように、すなわち包装バンド2が位置する平面に向かって/当該平面から離れるように移動される。
【0040】
好ましくは、ノズル3および包装バンド2は、包装バンド2が位置する平面に対して直角の移動方向に沿って互いに向かって/互いから離れるように移動可能である。
【0041】
アクチュエータ5(および/またはアクチュエータ15)は、例えば圧電性であってもよい。有利には、このタイプのアクチュエータ5、15は、ノズル3、8が適切な速度で駆動されることを保証する。あるいは、アクチュエータ5(および/またはアクチュエータ15)は、リニアモータであってもよい。
【0042】
図8は、装置1の第2の実施形態を示す。上述の実施形態と比較して、第2の実施形態は、異なる移動手段を備え、単一のノズル3を備える。ただし、この場合も2つ以上のノズルが存在する場合があることが理解される。
【0043】
特に、
図8を参照すると、移動手段4は、包装バンド2の第2の表面2bに面し、包装バンド2の平面を横断する方向(好ましくは直角)Zに移動可能な支持要素6であって、包装バンド2をノズル3に近づけたり、ノズル3から離したりする支持要素6を備える。
【0044】
言い換えれば、第2の実施形態では、ノズル3は包装バンド2に対して静止したままである。一方、包装バンド2は、供給方向Yに沿っておよび包装バンド2の供給面を横断する方向Zの両方に移動される。
【0045】
一方、包装バンド2は、支持要素6を上下させることにより包装バンド2の供給面を横断する方向Zに移動される。詳細には、支持要素6は、ノズル3の供給端30が複数の第1部分20の一つに面するときにノズル3に向かって持ち上げられる(
図8)。同様に、ノズル3の供給端30が複数の第2部分21の一つに面するとき、支持要素6はノズル3から離れるように下降される(位置は不図示)。
【0046】
支持要素6は、包装バンドの全幅と接触できるようなサイズのプレートのような形状をしている。
【0047】
また、支持要素6には、少なくとも1つの開口部を設けることができる。開口部は、例えば供給方向Yに直角のスロットであってもよい。あるいは、支持要素6は、1つ以上の穴を備えてもよい。
【0048】
装置1は、支持要素6の開口部から空気を取り入れて、包装バンド2を支持要素6と接触させて保持するように配置された空気吸引手段を備える。
【0049】
したがって、第2の実施形態では、包装バンド2は、常に支持要素6と接触したままであり、支持要素6は、ノズル3に近づいたり離れたりするように昇降される。その結果、支持要素6は、包装バンド2をノズル3に近づけたり、ノズル3から遠ざけたりする。
【0050】
好ましくは、移動手段4は、包装バンド2をノズル3に向かって/ノズル3から遠ざけるように包装バンド2の平面を横断する方向に支持要素6を移動させるためのカム7を備える。
【0051】
有利には、支持要素6は、接着剤が複数の第1部分20上に正確に供給されることを確実にするために十分に迅速かつ正確に動かされる。
【0052】
支持要素6の動きは、当業者に知られている様々な手段によって得ることができることが理解される。
【0053】
図示されていない実施形態では、移動手段4は、ノズル3と包装バンド2の両方を互いに近づけたり離したりすることができる。そのような場合、例えば、装置1は、ノズル3を動かすアクチュエータ5と、包装バンド2の第2の表面2bに面する支持要素6とを備えてもよい。
【0054】
本発明によれば、装置1の上述の実施形態のいずれか1つを使用して喫煙物品のための包装バンド2に接着剤を塗布するための方法は、包装バンド2を供給方向Yに沿って動かすステップを含み、その後に、
ノズル3と包装バンド2を第1の位置Aに配置する(好ましくは、ノズル3の供給端30を複数の第1部分20の一つと接触させて配置する)ステップであって、ノズル3の供給端30が複数の第2部分21の一つに面するときにノズル3から接着剤が供給されるステップと、
ノズル3と包装バンド2を第2の位置Bに配置するステップであって、ノズル3の供給端30が複数の第2部分の一つに面するときにノズル3から接着剤が供給されるのを防ぐステップと、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】