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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/41 20060101AFI20230508BHJP
   H01L 29/43 20060101ALI20230508BHJP
   H01L 21/301 20060101ALN20230508BHJP
【FI】
H01L29/44 P
H01L29/44 S
H01L29/46
H01L21/78 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020047277
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2021150419
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】隠塚 信次
(72)【発明者】
【氏名】江崎 朗
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-021786(JP,A)
【文献】特開平05-166926(JP,A)
【文献】国際公開第2018/190271(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/41
H01L 29/43
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体材料を含む基板と、
前記基板の基板面の上に設けられた、金属材料を含む電極と、
前記基板面の上において、前記電極に接して設けられた、前記半導体材料および前記金属材料を含む混合部材と、
を備え、
前記基板の端部において前記基板面の一部は露出し、
前記基板面に垂直な面内において、前記電極の上面の端部は面取り部を有する半導体装置。
【請求項2】
半導体材料を含む基板と、
前記基板の基板面の上に設けられた、金属材料を含む電極と、
前記基板面の上において、前記電極に接して設けられた、前記半導体材料および前記金属材料を含む混合部材と、
を備え、
前記基板の端部において前記基板面の一部は露出し、
前記基板面に垂直な面内において、前記混合部材は、前記電極の側面に接した辺及び前記基板面に接した辺を有する三角形状を有する半導体装置。
【請求項3】
半導体材料を含む基板と、
前記基板の基板面の上に設けられた、金属材料を含む電極と、
前記基板面の上において、前記電極に接して設けられた、前記半導体材料および前記金属材料を含む混合部材と、
を備え、
前記基板の端部において前記基板面の一部は露出し、
前記電極及び前記混合部材は、前記混合部材の上面又は前記電極の上面に設けられた階段形状を有する半導体装置。
【請求項4】
前記混合部材は、前記基板面上で、前記電極の周囲に設けられている請求項1乃至請求項いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体材料はシリコンである請求項1乃至請求項いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項6】
前記混合部材はシリサイドを含まない請求項1乃至請求項5いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項7】
半導体材料を含む基板と、
前記基板の基板面の上に設けられた、金属材料を含む電極と、
前記基板面の上において、前記電極に接して設けられた、前記半導体材料および前記金属材料を含む混合部材と、
を備え、
前記基板の端部において前記基板面の一部は露出し、
前記半導体材料はシリコンであり、
前記混合部材はシリサイドを含まない半導体装置。
【請求項8】
前記基板面に垂直な面内において、前記電極は矩形形状を有し、
前記基板面に垂直な面内において、前記混合部材は矩形形状を有し、
前記混合部材の高さは前記電極の高さより低く、
前記基板面に平行な前記電極の長さは、前記基板面に平行な前記混合部材の長さより長い、
請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
半導体材料を含み、第1面と、第2面と、を有する基板であって、前記第1面上に金属材料を含む電極と、前記電極上に第1保護膜と、を備える前記基板を用意する工程と、
前記第1保護膜に、第1レーザーの第1照射をおこない、前記第1保護膜の一部、前記電極の一部、及び前記第1面側の前記基板の一部を消失させて第1方向に延伸する第1溝を前記基板に形成する工程であって、前記電極及び前記基板に接し、前記半導体材料及び前記金属材料を含む混合部材を前記第1溝の前記第1方向と直交する第2方向の両端に形成する、前記第1溝を前記基板に形成する前記工程と、
前記第1保護膜を除去する工程と、
前記第1溝において前記基板をダイシングして切断するダイシング工程と、
を備え
前記ダイシング工程で前記基板のダイシングにより削られる部分の幅は、前記両端に形成された前記混合部材の前記第2方向における間隔より狭い半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2面に第2保護膜を形成する工程と、
前記第2保護膜に第2レーザーの第2照射を行い、前記第2保護膜の一部及び前記第2面側の前記基板の一部を消失させて前記基板に前記第1方向に延伸する第2溝を形成する工程と、をさらに含む、
請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記基板は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において前記第1溝と前記第2溝とが重なっている部分を有し、前記ダイシング工程では前記部分をダイシングする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記ダイシング工程では、前記第2面から前記第1面に向かって前記基板をダイシングする請求項9乃至11のいずれかひとつに記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの半導体装置は、電力変換等の用途に用いられる。このような半導体装置は、例えば基板の片方の面(裏面)に電極を有する。ここで、オン抵抗を低くするため、この電極と基板の密着性は、高いことが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-166926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、信頼性の高い半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体装置は、半導体材料を含む基板と、基板の基板面の上に設けられた、金属材料を含む電極と、基板面の上において、電極に接して設けられた、半導体材料および金属材料を含む混合部材と、を備え、基板の端部において基板面の一部は露出し、基板面に垂直な面内において、電極の上面の端部は面取り部を有する半導体装置である。また、実施形態の半導体装置の製造方法は、半導体材料を含み、第1面と、第2面と、を有する基板であって、第1面上に金属材料を含む電極と、電極上に第1保護膜と、を備える基板を用意する工程と、第1保護膜に、第1レーザーの第1照射をおこない、第1保護膜の一部、電極の一部、及び第1面側の基板の一部を消失させて第1方向に延伸する第1溝を基板に形成する工程であって、電極及び基板に接し、半導体材料及び金属材料を含む混合部材を第1溝の第1方向と直交する第2方向の両端に形成する、第1溝を基板に形成する工程と、第1保護膜を除去する工程と、第1溝において基板をダイシングして切断するダイシング工程と、を備え、ダイシング工程で基板のダイシングにより削られる部分の幅は、両端に形成された混合部材の第2方向における間隔より狭い半導体装置の製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の半導体装置の模式図である。
図2】第1実施形態の半導体装置の製造工程を示す模式断面図である。
図3】第1実施形態の半導体装置の他の製造工程を示す模式断面図である。
図4】第2実施形態の半導体装置の模式断面図である。
図5】第3実施形態の半導体装置の模式断面図である。
図6】第4実施形態の半導体装置の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一の部材等には同一の符号を付し、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する。
【0008】
本明細書中、部品等の位置関係を示すために、図面の上方向を「上」、図面の下方向を「下」と記述する。本明細書中、「上」、「下」の概念は、必ずしも重力の向きとの関係を示す用語ではない。
【0009】
(第1実施形態)
本実施形態の半導体装置は、半導体材料を含む基板と、基板の基板面の上に設けられた、金属材料を含む電極と、基板面の上において、電極に接して設けられた、半導体材料および金属材料を含む混合部材と、を備え、基板の端部において基板面の一部は露出した半導体装置である。
【0010】
図1は、本実施形態の半導体装置100の模式図である。本実施形態の半導体装置100は、例えばMOSFETである。図1(a)は、本実施形態の半導体装置100の、基板面12に垂直な面内における模式断面図である。図1(b)は、本実施形態の半導体装置100の模式上面図である。
【0011】
半導体装置100は、基板10と、電極20と、混合部材30と、を備える。
【0012】
基板10は、半導体材料を含む。ここで半導体材料は、例えばSi(シリコン)、SiC(炭化珪素)、GaAs(ヒ化ガリウム)、又はGaN(窒化ガリウム)等であるが、これに限定されるものではない。
【0013】
電極20は、基板10の基板面12の上に設けられ、基板面12と接している。電極20は、例えば、MOSFETのドレイン電極として機能する。電極20は、金属材料を含む。ここで金属材料は、例えばCu(銅)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Ag(銀)又はAu(金)等であるが、これに限定されるものではない。
【0014】
基板面12に垂直な面内において、電極20の上面22の端部には、面取り部24が設けられている。
【0015】
混合部材30は、基板面12の上において、電極の側面26に接して設けられている。混合部材30は、基板10に含まれた半導体材料および電極20に含まれた金属材料を含む。混合部材30は、図1(b)に示すように、電極20の周囲に設けられている。また、基板10の端部において、基板面の露出した部分16が、混合部材30の周囲に設けられている。言い換えると、基板10の端部において、混合部材30の周囲の基板面12の一部は露出している。基板面の露出した部分16、混合部材30及び面取り部24が、後述するレーザーによって加工される範囲である。なお、基板面の露出した部分16においては、後述するレーザー加工により、基板10の一部が除去されていてもかまわない。
【0016】
基板10がSiを含むSi基板である場合、例えば混合部材30は、シリサイドを含まない。ここで「シリサイドを含まない」とは、分析装置の検出下限以下でシリサイドが混合部材30において含まれているが、分析装置において検出されないためにシリサイドを含まないと考えられる場合も、包含するものとする。なお、シリサイドが含まれているかどうかは、例えば、透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)を用いた電子回折法(ED:Electron Diffraction)により、好ましく検出することができる。また、シリサイドが分析装置の検出下限を上回って含まれている混合部材30であっても、半導体装置100には好ましく適用可能である。
【0017】
基板面12に垂直な面内において、混合部材30は、電極の側面26に接した辺32及び基板面12に接した辺34を有する、三角形状を有している。ここで図1においては、混合部材30の形状は、電極の側面26に接した辺32と基板面12に接した辺34が垂直に交わる直角三角形の形状となっている。しかし混合部材30の形状はこれに限定されるものではなく、他の三角形の形状でもかまわない。また、混合部材30の三角形状は、三角形状の一辺が直線状でない曲線状のものも含むものとする。さらに、混合部材30の三角形状は、凸部や凹部をさらに含むものであってもかまわない。このように、混合部材30の形状は、特に限定されるものではない。
【0018】
基板面12に垂直な面内における混合部材30の高さhは、例えば50nm程度である。基板面12に垂直な面内における電極20の高さhは、例えば1μm程度である。基板面12に平行な方向における、基板の露出された部分16の長さLは、例えば10μm程度である。基板面12に平行な方向における、混合部材30の長さLは、例えば500nm程度である。
【0019】
図2は、本実施形態の半導体装置の製造工程を示す模式断面図である。なお、電極20の形状及び混合部材30の形状は、図1に示したものと一致していない。
【0020】
まず、基板10の、基板面12の反対側に設けられた面18に、絶縁物66、絶縁物62、及び絶縁物62の上に設けられた金属膜64を形成する。絶縁物66は例えばポリイミド樹脂を含むが、これに限定されるものではない。絶縁物62及び金属膜64は、例えば、MOSFETの層間絶縁膜及びソース電極であるが、これに限定されるものではない。絶縁物66の間には基板面12の反対側に設けられた面18が露出しており、この露出した部分がダイシングされる。次に、半導体材料を含む基板10の、基板面12の上に、金属材料を含む電極20を、例えばPVD(Physical Vapor Deposition)法により形成する。電極20は公知のダイシングテープ60により固定される(図2(a))。
【0021】
次に、基板10の上下をひっくり返し、基板面12の反対側に設けられた面18の側をダイシングテープ60により固定する(図2(b))。
【0022】
次に、電極20の上に、保護膜68を形成する。保護膜68は、後述するレーザーの照射から電極20を保護するために用いられる。ここで保護膜68は、例えば水溶性樹脂を含む保護膜である。水溶性樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール又はポリグリセリンであるが、これに限定されるものではない。次に、保護膜68の上からレーザーを照射し、レーザーグルービング加工を行う。レーザーが照射された部分の保護膜68及び電極20は消失し、基板10の一部が露出する。そして、基板10の一部が露出した部分の端部の、基板10と電極20が接する部分の周囲に、基板10に含まれた半導体材料および電極20に含まれた金属材料を含む混合部材30が形成される。なお、消失した保護膜68及び電極20の幅は、例えば100μm以下である。また、消失した基板10の一部の深さは、例えば5μm未満である(図2(c))。図2(d)に示すように、図2(c)を用いて説明したレーザーの強度は、基板面12に平行な方向において、レーザー中央部において高く、レーザー端部において低いような分布を有する。そして、上記の中央部においては保護膜68及び電極20が消失し、基板10の一部が露出する。一方、上記の端部においては、電極20の一部が消失せずに残留して混合部材30が形成される。
【0023】
次に、例えば水洗により、保護膜68を除去する。次に、基板10の上下をひっくり返し、電極20をダイシングテープ60により固定する(図2(e))。
【0024】
次に、金属膜64及び絶縁物66の上に、保護膜70を塗布する。ここで保護膜70は、例えば保護膜68と同じ種類の保護膜であっても良いが、これに限定されるものではない。次に、保護膜70の上から、レーザーを照射する。レーザーが照射された部分の保護膜70の一部及び基板10の一部は消失する。ここで、消失した基板10の深さは、例えば10μm未満である。また、消失した基板10の幅は、例えば100μm未満である(図2(f))。
【0025】
次に、例えばプラズマダイシング法を用いて、上述の、レーザーが照射されて保護膜70及び基板10の一部が消失した部分のダイシングを行う。ここで、かかるプラズマダイシング法により削られる基板10の部分の幅dは、混合部材30同士の距離dより狭くなるようにする。これにより、プラズマダイシングが行われた後、混合部材30の除去は抑制される。また、これにより、混合部材30に隣接する部分において、基板面の露出した部分16が形成される(図2(g))。
【0026】
次に、例えば水洗により保護膜70を除去し(図2(h))、基板10をダイシングテープ60から剥離し、本実施形態の半導体装置100を得る。
【0027】
図3は、本実施形態の半導体装置の他の製造工程を示す模式断面図である。図3(a)ないし図3(d)は、図2(a)ないし図2(d)と同じである。図3(e)において、ブレードBを用いてブレードダイシングを行う点が、図2に示した製造工程と異なっている。なおブレードの幅dは、混合部材30同士の距離dより狭くなるようにする。これにより、ブレードダイシングが行われた後、混合部材30の除去は抑制される。また、これにより、混合部材30に隣接する部分において、基板面の露出した部分16が形成される。
【0028】
次に、本実施形態の半導体装置の作用効果を記載する。
【0029】
従前は、電極20を基板面12の上に形成する際に、基板面12を例えばウェットエッチングにより処理していた。しかし、電極20と基板面12の密着性が悪く、電極20が基板面12から剥離してしまうという問題があった。この剥離は、特に電極20の外周部から発生していた。この問題を解決するために、基板面12を研削して凹凸をつけることにより、電極20と基板面12の密着性をあげることが考えられる。しかし、研削される際に、基板10の一部が破砕し、破砕層が形成されてしまう。この場合、基板10に破砕層が形成されているため、半導体装置100の強度が弱く、後続工程において半導体装置100が破壊しやすいという問題があった。
【0030】
本実施形態の半導体装置100は、基板面12の上において、電極20に接して設けられた、半導体材料及び金属材料を含む混合部材30を備え、基板の端部において基板面12の一部は露出している。
【0031】
混合部材30が基板面12と電極20の密着性を向上させる。よって、信頼性の高い半導体装置の提供が可能となる。
【0032】
また、図2(f)に示した工程においても、図3(e)に示した工程においても、プラズマダイシング及びブレードダイシングによる電極20及び混合部材30の除去は抑制される。言い換えると、電極20及び混合部材30は、プラズマダイシング及びブレードダイシングにより削られにくくなる。そのために、プラズマダイシング及びブレードダイシングに伴う、電極20の剥離が発生しにくくなる。よって、信頼性の高い半導体装置の提供が可能となる。
【0033】
なお、上述のレーザー加工により、電極20の上面の端部は面取り部24を有することとなる。また、上述のレーザー加工により、基板面12に垂直な面内において、混合部材30は、電極の側面に接した辺32及び基板面12に接した辺34を有する三角形状を有することとなる。
【0034】
本実施形態の半導体装置によれば、信頼性の高い半導体装置の提供が可能となる。
【0035】
(第2実施形態)
本実施形態の半導体装置は、半導体材料を含む基板と、基板の基板面の上に設けられた、金属材料を含む電極と、基板面の上において、電極に接して設けられた、半導体材料および金属材料を含む混合部材と、を備え、電極の上面の端部は面取りがされた部分を有し、基板面に垂直な面内において、混合部材は、電極の側面に接した辺及び基板面に接した辺を有する三角形状を有する。ここで、第1実施形態と重複する内容の記載は省略する。
【0036】
図4は、本実施形態の半導体装置110の模式断面図である。本実施形態の半導体装置110は、基板10の端部において基板面12の一部は露出していない点で、第1実施形態の半導体装置と異なっている。本実施形態の半導体装置110は、例えば、上述の図2(g)に示した製造工程で、d=dとした場合に相当している。また、本実施形態の半導体装置110は、例えば、上述の図3(e)に示した製造工程で、d=dとした場合に相当している。これらの場合においても、プラズマダイシング及びブレードダイシングによる電極20の剥離は抑制される。
【0037】
本実施形態の半導体装置によっても、信頼性の高い半導体装置の提供が可能となる。
【0038】
(第3実施形態)
本実施形態の半導体装置は、基板面に垂直な面内において、電極は矩形形状を有し、基板面に垂直な面内において、混合部材は矩形形状を有し、混合部材の高さは電極の高さより低く、基板面に平行な前記電極の長さは、前記基板面に平行な前記混合部材の長さより長い点で、第1及び第2実施形態と異なっている。ここで、第1及び第2実施形態と重複する内容の記載は省略する。
【0039】
図5は、本実施形態の半導体装置120の模式断面図である。
【0040】
本実施形態の半導体装置によっても、信頼性の高い半導体装置の提供が可能となる。
【0041】
(第4実施形態)
本実施形態の半導体装置は、電極及び混合部材は、混合部材の上面又は電極の上面に設けられた階段形状を有する点で、第1乃至第3実施形態の半導体装置と異なっている。ここで、第1乃至第3実施形態と重複する内容の記載は省略する。
【0042】
図6は、本実施形態の半導体装置130の模式断面図である。
【0043】
混合部材30の上面には、第1階段形状38が設けられている。電極20の上面には、第2階段形状28が設けられている。第1階段形状38及び第2階段形状28は、階段形状の一例である。第1階段形状38及び第2階段形状28は、上述のレーザー加工により形成される。
【0044】
例えば、第1階段形状38及び第2階段形状28は、基板面の露出した部分16から電極20の上面に連続的に連なる階段形状となっていても良い。
【0045】
本実施形態の半導体装置によっても、信頼性の高い半導体装置の提供が可能となる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態及び実施例を説明したが、これらの実施形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
10 基板
12 基板面
16 基板面の露出した部分
20 電極
22 電極の上面
24 面取り部
26 電極の側面
28 第2階段形状
30 混合部材
32 電極の側面に接した辺
34 基板面に接した辺
38 第1階段形状
100 半導体装置
110 半導体装置
120 半導体装置
130 半導体装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6