(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】燃焼せずに基体を加熱するシーシャ装置
(51)【国際特許分類】
A24F 1/30 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
A24F1/30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021127997
(22)【出願日】2021-08-04
(62)【分割の表示】P 2018552210の分割
【原出願日】2017-04-05
【審査請求日】2021-09-02
(32)【優先日】2016-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー セドリック
(72)【発明者】
【氏名】ボヌリー サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】コリリス アンゲロス
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ スチュアート マイケル ルアン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンソン ジョン アントニー
(72)【発明者】
【氏名】キナリー ヤーン トマス
(72)【発明者】
【氏名】ペイトン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クロス デイヴィッド
【審査官】八木 敬太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0186060(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0305456(US,A1)
【文献】国際公開第2015/172224(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生基体(302)を含有するカートリッジ(20)と共に使用するシーシャ装置(100)であって、該シーシャ装置(100)が、
液体(19)を包含するよう構成される内部を画定する容器(17)であって、該容器(17)の前記内部と連通する流出口(18)を画定する容器(17)と、
前記カートリッジ(20)を受容するよう構成されるレセプタクル(5)と、
前記カートリッジ(20)が前記レセプタクル(5)に受容されるとき、前記カートリッジ(20)内の前記エアロゾル発生基体(302)を加熱して、エアロゾルを発生するよう構成される電気発熱体(4)と、
起動するとき、前記レセプタクル(5)に受容された前記カートリッジ(20)に穴を開けて、前記カートリッジを貫通する気流用の開口を前記カートリッジ(20)内に生成する作動可能な要素(310)と、を備え
、
前記作動可能な要素(310)は、
(a)前記装置のスイッチを入れること、
(b)前記カートリッジを貫通する気流用の開口を生成するため前記カートリッジに穴をあけること、および
(c)発熱体に、前記カートリッジを穿孔して前記カートリッジ内に含有されるエアロゾル発生基体内に貫通させること
のうちの少なくとも2つを実行する、シーシャ装置。
【請求項2】
前記発熱体(
4)が、前記エアロゾル発生基体(302)を燃焼することなくエアロゾルを発生するのに十分な程度まで前記エアロゾル発生基体(302)を加熱するよう構成される、請求項1に記載のシーシャ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の前記シーシャ装置(100)と前記カートリッジ(20)とを備える、システム。
【請求項4】
前記カートリッジ(20)内に含有される前記エアロゾル発生基体(302)がたばこを含む、請求項3に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シーシャ装置に関し、より詳細には、たばこを燃焼することなくたばこを加熱するよう構成されるシーシャ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シーシャ装置は、たばこを吸うために使用され、消費者が吸引する前に蒸気および煙が水盤を通過するように構成される。シーシャ装置は、1つの流出口または2人以上の消費者が同時に装置を使用できるように2つ以上の流出口を含んでもよい。多くの人に、シーシャ装置の使用は余暇活動および社会経験であると考えられている。
【0003】
シーシャ装置に使用されるたばこは、例えば、生成される蒸気および煙の量を増やすため、風味を変えるため、またはその両方のため、その他の成分と混ぜ合わされてもよい。通常、シーシャ装置では木炭のペレットがたばこを加熱するため使用され、木炭のペレットは、たばこまたはその他の成分を完全にまたは部分的に燃焼させることができる。
【0004】
シーシャ装置によっては、例えば、木炭を燃焼することによる副産物を回避する、またはたばこを燃焼することに伴う濃度を向上させるため、電気熱源を使用してたばこを燃焼することが提案されてきた。シーシャ装置によっては、たばこよりeリキッドを使用することが提案されてきた。eリキッドを使用するシーシャ装置は、燃焼による副産物を出さないが、シーシャ消耗品にたばこ由来の体験はなくなる。
【0005】
燃焼による副産物をもたらさない基体を使用するシーシャ装置を提供することが望ましい。
【0006】
また、便利な消耗品の形態のたばこ基体などのエアロゾル発生基体と共に使用するように構成されたシーシャ装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明の様々な態様では、エアロゾル発生基体を含有する1つ以上のカートリッジと共に使用するためのシーシャ装置が提供される。そのカートリッジは、エアロゾル発生基体を囲繞するハウジングを備える。そのシーシャ装置は、容器、1つ以上のレセプタクルおよび1つ以上の電気発熱体を備える。その容器は、液体を包含するよう構成される内部を画定し、容器の内部と連通する流出口を画定する。少なくとも第1のレセプタクルは、カートリッジを受容するよう構成される。少なくとも1つの電気発熱体は、カートリッジが第1のレセプタクルに受容されるとき、カートリッジ内のエアロゾル発生基体を加熱して、エアロゾルを発生するよう構成される。その発熱体は、エアロゾル発生基体を燃焼することなくエアロゾルを発生するのに十分な程度までたばこ基体を加熱するように構成されることが好ましい。
【0008】
シーシャ装置は、エアロゾル発生基体を囲繞するハウジングを備える第2のカートリッジを受容するよう構成される少なくとも第2のレセプタクルを備え、第2のカートリッジが第2のレセプタクルに受容されるとき、第2のカートリッジ内でエアロゾル発生基体を加熱してエアロゾルを発生するよう構成される第2の発熱体を備えることが好ましい。第2の発熱体は、エアロゾル発生基体を燃焼することなくエアロゾルを発生するのに十分な程度までエアロゾル発生基体を加熱するように構成されることが好ましい。第1および第2の発熱体は、別々に起動可能であることが好ましい。シーシャ装置は、第1の発熱体を起動する時間の終わりに近づくことに反応して、第2の発熱体を起動するよう構成されることが好ましい。
【0009】
例えば、本発明によるシーシャ装置は、エアロゾル発生基体を囲繞するハウジングを備えるカートリッジを受容するようそれぞれが構成される、3つ以上のレセプタクルを備えることができる。装置はまた、カートリッジがレセプタクルに受容されるとき、それぞれのカートリッジ内のエアロゾル発生基体を加熱して、エアロゾルを発生するようそれぞれが構成される、エアロゾル発生基体を燃焼することなくエアロゾルを発生するのに十分な程度までカートリッジ内のエアロゾル発生基体を加熱するよう構成される3つ以上の電気発熱体を備える。シーシャ装置は、第1のカートリッジ内のエアロゾル発生基体の寿命に基づく期間の間、第1の発熱体を起動し、既に加熱したカートリッジ内のエアロゾル発生基体の寿命の終わりに近づくことに反応して順次各電気発熱体を起動するよう構成されることが好ましい。
【0010】
実施例によっては、その装置は、使用中、エアロゾルを容器内に配備された液体に搬送し、消費者へ送達するため流出口を通すよう構成されるエアロゾル流路を形成する。
【0011】
実施例によっては、カートリッジがレセプタクル内に挿入されるとき、発熱体はレセプタクル内に延在し、カートリッジを穿孔するよう構成される。実施例によっては、その発熱体は、レセプタクル内に延在しない第1の位置から、レセプタクル内に延在する第2の位置まで作動可能である。カートリッジがレセプタクルに受容されるとき、第1の位置から第2の位置までの発熱体の作動により、発熱体はカートリッジを穿孔することができる。レセプタクル内へのカートリッジの挿入により、発熱体を第1の位置から第2の位置まで移動させることができる。さらに実施例によっては、カートリッジがレセプタクルに受容されるとき、発熱体は、カートリッジの少なくとも一部を囲繞する。
【0012】
実施例によっては、発熱体は、カートリッジ内のエアロゾル発生基体の個別の部分を加熱するよう構成される複数の別々に起動可能な区域を備える。例えば、発熱体は、別々に起動可能な1つ以上の加熱ピンまたは加熱ブレードを備えてもよい。別々に起動可能な区域は、順次起動可能であってもよい。
【0013】
実施例によっては、本発明のシーシャ装置は、発熱体に動作可能に結合され、消費者が流出口を通して空気を吸い込むとき、発熱体を起動するよう構成される吸煙センサを備える。
【0014】
実施例によっては、本発明のシーシャ装置は、1つの空気吸込み口を備える。使用中、その装置は、空気が流出口を通って引き出されるとき、吸込み口を通って装置に入る空気が、エアロゾル発生基体を横切って流れるように構成される流路を備えてもよい。
【0015】
実施例によっては、本発明のシーシャ装置は、第1のカートリッジとは異なる第2のカートリッジを受容するよう構成されるレセプタクルを備える。第2のカートリッジは風味剤を含んでもよい。使用中、その装置は、空気が容器内に配備された液体に引き込まれることなく風味剤を越えて流出口に引き込まれるように、空気流路を形成してもよい。風味剤を越えて引き込まれた空気は、消費者に送達する前に、エアロゾル発生基体を加熱することから生じるエアロゾル成分を含有する空気と混合してもよい。例えば、その空気は流出口で混合してもよい。
【0016】
任意の適切なエアロゾル発生基体は、本発明のシーシャ装置と併用されうる。エアロゾル発生基体は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出する能力を持つ基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル発生基体の加熱により放出される。エアロゾル発生基体は固体でも液体でもよく、固体および液体の両方の成分を含んでもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体は固体である。
【0017】
エアロゾル発生基体はニコチンを含んでもよい。ニコチンを含有するエアロゾル発生基体はニコチン塩マトリクスを含んでもよい。エアロゾル発生基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル発生基体はたばこを含んでもよく、たばこ含有材料は加熱に応じてエアロゾル発生基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有することが好ましい。
【0018】
エアロゾル発生基体は均質化したたばこ材料を含みうる。均質化したたばこ材料は、粒子状のたばこを凝集することによって形成されうる。存在する場合、均質化したたばこ材料のエアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5%以上であり、乾燥質量基準で5重量%より高く30重量%までの間であることが好ましい。
【0019】
代替的にまたは追加で、エアロゾル発生基体は、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル発生基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0020】
エアロゾル発生基体は例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの一つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち一つ以上を含みうる。
【0021】
エアロゾル発生基体は、少なくとも1つのエアロゾル形成体を備えうる。エアロゾル形成体は、使用時に密度が高く安定したエアロゾルの形成を促進し、エアロゾル発生装置の使用温度で熱分解に対して実質的に耐性のある任意の適切な既知の化合物または化合物の混合物であってもよい。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオールなど)であり、グリセリンが最も好ましい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル発生基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成体はグリセリンである。
【0022】
エアロゾル発生基体は、約30重量%以下、約25重量%以下または約20重量%以下など、約40重量%以下の水を含むのが好ましい。例えば、エアロゾル発生基体は、5重量%~約30重量%の水を含んでもよい。
【0023】
エアロゾル発生基体は、流体形状よりも固体形状であるのが好ましい。固体のエアロゾル発生基体は、形態を保持するのが好ましい。固体エアロゾル発生基体は、容器に入っていない形態にしてもよく、または容器またはカートリッジなどの適切な消耗品で提供してもよい。
【0024】
固体のエアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもまたはその中に包埋されてもよい。好ましい実施形態では、担体は、その内部表面上、またはその外部表面上、またはその内部および外部の表面上の両方に配置された固体基体の薄い層を有する、管状の担体である。こうした管状の担体は、例えば、紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穴あきの金属箔またはその他の任意の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。代替的に、担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートなどの形態をとってもよい。
【0025】
担体は、たばこ成分が組み込まれた不織布繊維または繊維の束としうる。不織布繊維または繊維の束は、例えば、炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含みうる。
【0026】
任意の適切なカートリッジは、エアロゾル発生基体を含有してもよい。カートリッジは、エアロゾル発生基体が配置可能なハウジングを備えてもよい。発熱体がカートリッジを穿孔するよう構成される実施形態では、ハウジングは、発熱体が突出可能な開口を画定してもよい。その開口は、箔または穿孔可能な高分子材料で覆われてもよい。発熱体が、カートリッジの少なくとも一部を囲繞するよう構成される実施形態では、ハウジングは、発熱体からの熱がハウジング内に配置されるエアロゾル発生基体を効率良く加熱できるように熱伝導性材料で形成されることが好ましい。
【0027】
カートリッジは、空気が貫通することができる開口または穴を含むことが好ましい。代替的に、開口または穴は、装置のレセプタクル内にカートリッジを挿入する間またはその後で、カートリッジに形成されてもよい。例えば、シーシャ装置は、カートリッジに穴を開け、開口を形成するよう構成される構成要素を備えてもよい。カートリッジを貫通する空気は、基体が過熱されるとき、エアロゾル発生基体から放出されたエアロゾル化された成分を混入してもよい。
【0028】
カートリッジは、エアロゾル発生物品の周りを包む紙を含んでもよい。例えば、カートリッジおよびエアロゾル発生物品は、細長い、円筒状のヒートスティックまたはヒートスティックの束を含んでもよい。
【0029】
シーシャ装置は、電源に動作可能に結合される制御ユニットを含んでもよい。制御アセンブリは、1つ以上の発熱体に動作可能に結合されて、カートリッジがレセプタクル内に受容されるとき、発熱体がカートリッジ内のエアロゾル発生基体を加熱する時間および程度を制御することができる。例えば、制御ユニットにより、カートリッジ内のエアロゾル発生基体に、エアロゾル発生基体を燃焼することなくエアロゾルを形成するのに十分な度合いまで加熱させる程度まで、発熱体にエアロゾル発生基体を加熱させることができる。装置が、エアロゾル発生基体を備える2つ以上のカートリッジを受容するための2つ以上のレセプタクルを備える場合、制御ユニットは、第1のレセプタクル内の第1のカートリッジ内のエアロゾル発生基体が、第2のレセプタクル内の第2のカートリッジ内のエアロゾル発生基体とは異なる時間に、異なる温度で、または異なる時間の異なる温度で加熱されるように各発熱体を独立して制御することができる。
【0030】
制御ユニットは任意の適した形状で提供され得、かつ、例えば、コントローラまたはメモリおよびコントローラを含み得る。コントローラは特定用途向け集積回路(ASIC)状態マシン、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または同等の分離または一体化された論理回路のうちの1つ以上を含み得る。制御ユニットは、制御ユニットまたはシーシャ装置の1つ以上の構成要素に制御ユニットの機能または態様を実行させる命令を含むメモリを含み得る。本開示における制御ユニットに起因する機能は、ソフトウエア、ファームウエア、およびハードウエアのうちの1つ以上として体現され得る。
【0031】
シーシャ装置は、制御ユニットおよび電源に動作可能に結合される警報装置を含んでもよい。制御ユニットは、警報装置を起動して、カートリッジ内のエアロゾル発生基体が消耗したとき、またはほとんど消耗したときを知らせるため、消費者に合図をすることができる。こうした合図は、装置内の1つ以上のカートリッジを交換する準備をするよう消費者に警告する。装置が、2つ以上のカートリッジを保持する場合、制御ユニットは、最後の被加熱カートリッジが消耗したときまたはほとんど消耗したとき、警報装置に合図を出させるよう構成されるのが好ましい。任意の好適な警報装置を使用してもよい。例えば、警報装置は、例えば、音響発生装置およびスピーカ、LEDなどの光、エアロゾル発生基体の消耗まで残されている時間を示すディスプレイなどを含んでもよい。
【0032】
エアロゾル発生基体の文脈において本明細書で使用される「消耗する」は、基体の継続した加熱により基体からエアロゾルをさらには生成しないことを意味する。「ほとんど消耗する」は、継続した加熱を伴うエアロゾルの生成が、ピーク時のエアロゾルの生成に対して実質的に減少したことを意味する。例えば、エアロゾルの生成は、50%以上、70%以上、または90%以上減少しうる。
【0033】
シーシャ装置は、レセプタクル内に挿入されたカートリッジのタイプを識別するための装置を含んでもよい。カートリッジの識別に関する情報は、制御ユニットによって使用されて、(i)カートリッジ内のエアロゾル発生基体のエアロゾル発生寿命、および(ii)発熱体がカートリッジ内のエアロゾル発生基体を十分加熱して、基体を燃焼することなくエアロゾルを生成するよう加熱されるべき温度、温度傾斜情報などのうちの1つまたは両方を決定することができる。特定のカートリッジの寿命は、例えば、シーシャ装置の通常の使用法に基づいてメモリ内のルックアップテーブルに保存されてもよく、または、レセプタクル内に挿入された特定のカートリッジの使用中に利用された加熱プロファイルに基づいて制御ユニットによって算出されてもよい。カートリッジは、識別要素を含んでもよい。例えば、カートリッジは、RFIDタグを含んでもよく、制御ユニットは、RFIDリーダーを含んでも、それに動作可能に結合されてもよい。別の実施例として、カートリッジをレセプタクルに挿入するとき、カートリッジは、レセプタクルに関連付けられる読み取り素子に電気的に結合する電子識別素子を含んでもよい。
【0034】
シーシャ装置は、制御ユニットに動作可能に結合されるエアロゾル検出装置を含んでもよい。エアロゾル検出装置および制御ユニットは、エアロゾルの生成の減少を検出するよう構成することができる。エアロゾルの生成の減少を検出すると、装置が2つ以上のレセプタクルを含む場合、制御ユニットは、次のレセプタクル内の次の発熱体が次のレセプタクルに受容されたカートリッジ内のエアロゾル発生基体を加熱するようにする、警報装置がレセプタクル内のエアロゾル発生基体がほとんど消耗していると消費者に合図を送るようにする、またはこれに類することなどができる。
【0035】
任意の好適なエアロゾル検出器を使用してもよい。例えば、エアロゾル検出器は、装置の空気流路中のエアロゾルを検出するよう構成される光電検出器を備えてもよい。光電検出器は、LEDなどの発光源および光源から発光された光を検出するよう配置される光電セルを備えてもよい。光電セルが検出する光の増加は、発生するエアロゾルの減少を示すことができる。
【0036】
本開示で説明される1つ以上の態様を図示する図面をこれから参照する。ただし、図面に図示されていないその他の態様が本開示の範囲および精神に含まれることが理解されるであろう。図内で使用されている類似した番号は、類似した構成要素、工程、およびこれに類するものに言及する。ただし、所定の図で一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図で同じ番号が付けられたその構成要素を制限するものではないことが理解される。さらに、異なる図面において構成要素を指すために異なる番号を使用することは、その異なる番号の付いた構成要素が他の番号の付いた構成要素と同一または類似したものであり得ないことを示すことを意図したものではない。図面は、例示の目的で提示され、制限のために提示されるものではない。図面に提示される概略図は、必ずしも縮尺通りではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】ここで、
図1~2を参照すると、シーシャ装置100の一例の概略図が示される。装置100は、液体19を包含するよう構成される内部容積を画定し、流出口18を画定する容器17を含む。液体19は、水を含むのが好ましく、1つ以上の着色剤、風味剤または着色剤もしくは風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には、煎じた植物または煎じた薬草のうちの1つまたは両方が注入されてもよい。装置100はまた、エアロゾル発生基体302を含有するカートリッジ20を受容するためのレセプタクル5を備える。装置100はまた、発熱および制御アセンブリ2ならびに電源3を備える。発熱および制御アセンブリ2は、カートリッジ20内のエアロゾル発生基体302を加熱するよう構成される発熱体4を含んで、基体の成分をエアロゾル化する。図示の実施形態では、発熱体4はレセプタクル5内に延在する。装置100はまた、エアロゾル発生基体302から容器17内の液体19に放出されるエアロゾル化された成分を搬送する導管15を備える。
【
図2】
図2では、エアロゾル発生基体302を含有するカートリッジ20は、装置100のレセプタクル5内に受容される。発熱体4はカートリッジ20を穿孔し、エアロゾル発生基体302内に突出する。装置100を使用中、装置100を貫通する空気流路が、
図2に矢印で示される。ユーザが、流出口18または流出口18に結合されたホースで吸い込むとき、空気は吸込み口7から入り、カートリッジ20内の開口を通ってエアロゾル発生基体302を横切って流れて、エアロゾル発生基体302の加熱によりエアロゾル化された揮発性化合物を混入する。空気の流れは、エアロゾル化された成分を導管15を通って搬送し、液体19に入り、流出口18から出て、ユーザに送達される。
【
図3】ここで
図3を参照すると、シーシャ装置の一例の概略図が示される。装置は、エアロゾル発生基体を含有するカートリッジ20を受容するためのレセプタクル5を備える。装置はまた、装置
のスイッチを入れること、カートリッジを貫通する気流用の開口を生成するためカートリッジ20に穴をあけること、および発熱体にカートリッジ20を穿孔してカートリッジ内に含有されるエアロゾル発生基体内に貫通させることのうちの1つ以上のために作動可能な要素310を備える。図示の装置は、基部要素の周りを旋回して、複数のユーザに使い易くすることができる。装置の他の部分が旋回して(図示せず)、複数のユーザに使い易くすることができる。図示の装置はまた、2つの異なる流出口に結合される2本のホース21A、21Bを含んで、複数のユーザに使い易くすることができる。
【
図4】ここで、
図4~8を参照すると、シーシャ装置の概略図が図示されて、装置の使用を例示する。
図4では、装置の一部の構成要素が、分解されている。例えば、カートリッジ20は、レセプタクル内に挿入されておらず、ホース21は、流出口18に連結されておらず、容器17は、シーシャ装置の本体から取り外されている。
【
図5】
図5は、例えば、ねじって、本体に再取り付けすることができる外された容器17内に、液体を分注可能なことを示す。容器17は、バヨネット式結合または螺合結合を介するなどの任意の適切な方法で、本体に連結することができる。
【
図6】
図6は、ホース21の流出口18への結合を示す。任意の好適な結合が、ホースを流出口に連結するために使用されてもよい。例えば、クイックリリース結合が、使用されてもよい。結合は、スプリングカラー、バヨネット式コネクタ、螺合コネクタ、磁力コネクタまたは任意の他の適切な結合機構を含んでもよい。
【
図7】
図7は、カートリッジ20のレセプタクル内への挿入を示す。
【
図8】
図8は、使用中の装置を示し、その中では、ユーザがホースまたはホースに連結されたマウスピースの端部で吸い込むとき、泡350が液体内で形成される。図示の装置は、リングライト表示器340を含んで、装置が起動していて、使用中または仕様準備ができているという合図を消費者に伝える。
【
図9】ここで
図9を参照すると、シーシャ装置の一例の概略図が示される。装置は、カートリッジ20を受容するためのレセプタクルを形成するカバー16を含む。カートリッジ20がカバー16のレセプタクル内に挿入されると、カバーを装置に取り付けることができる。
【
図10】ここで
図10を参照すると、シーシャ装置の一例の概略図が示される。装置は、ホース21に取り付けられるマウスピース22を含む。マウスピースは、作動可能な要素24を含んで、消費者が手動で装置を起動することができる。作動可能な要素24は、制御電子回路と無線通信可能で、要素24の起動により制御電子回路に発熱体を起動させることができる。こうした手動起動は、ユーザが、マウスピースで吸煙する間のみ、消耗品中のエアロゾル発生基体の過熱または不要な発熱を回避できることが好ましい。
【
図11】ここで
図11を参照すると、シーシャ装置の一例の概略図が示される。装置は、エアロゾル発生基体を含有するカートリッジ20を受容するための第1のレセプタクルおよび風味剤を含有する第2のカートリッジを受容するよう構成される第2のレセプタクルを含む。装置は、エアロゾル化された成分を第1のカートリッジ20から液体19を通って、流出口から出てホース21へ搬送する第1の流路を含むよう構成される。装置はまた、第2のカートリッジから流出口までの第2の流路およびホース21を画定する。第2の流路は、液体19を通らない。2つの流路からの空気は、流出口でまたは消費者への送達の前にホース21内で混合することができる。
【
図12】ここで
図12を参照すると、シーシャ装置の一例の概略図が示される。装置は、レセプタクル内に延在しない第1の位置からレセプタクル内に延在する第2の位置まで移動することができる、作動可能な発熱体4を含む。図示のカートリッジ20は、箔などの第1の穿孔可能な外被298および第2の穿孔可能な外被299を含む。カートリッジ20がレセプタクル内に挿入されるとき、発熱体は、外被298、299を穿孔し、カートリッジ20内に貫通することができ、そのとき、発熱体4が起動する。実施例によっては、カートリッジのレセプタクル内への挿入により、発熱体が起動される。
【
図13】ここで
図13を参照すると、シーシャ装置の空気流路および制御電子回路の一例の概略図が示される。制御電子回路は、電源(図示せず)に動作可能に結合される。図示の実施形態は、吸煙センサを含み、それは、制御電子回路による1つ以上の発熱体の起動を引き起こす。発熱体は、ずらりと配列された発熱体を含む。実施例によっては、配列された発熱体はそれぞれ、制御電子回路によって個別に起動することができる。これにより、異なる時間に、カートリッジ内に含有されるエアロゾル発生基体の異なる部分の加熱が可能になりうる。こうしたスキームにより、エアロゾル発生基体がシーシャセッションの間、より効果的に使用される、またはより長持ちするようになりうる。実施例によっては、カートリッジは、複数のエアロゾル発生基体を含み、カートリッジがシーシャ装置のレセプタクルに受容されるとき、それぞれが、別々の発熱体と相互作用するよう構成される。例えば、カートリッジは、フィリップモリス アイコス ヒートスティック(Philip Morris IQOS heat stick)などの包装されたずらりと並んだヒートスティックを含んでもよい。
【
図14】
図14は、カートリッジ内の7本のヒートスティックの制御された連続する加熱の例を示す。各ヒートスティックは、約7分30秒(1回の吸煙で約30秒)継続するよう構成することができる。しかし、カートリッジ内の個々のヒートスティックの連続する加熱で、カートリッジを用いたシーシャ体験は、約52分30秒継続することができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
シーシャ装置の電源ユニットは、電池または電池のセットでであってもよい。主として円筒形の実施形態である実施形態では、陰極素子および陽極素子が、様々な図面に示されるように、巻かれて組み立てられて、中空のハウジングを使用するこうした形状に一致することができる。電源ユニットの電池は、充電式であってもよく、同様に着脱可能かつ交換可能であってもよい。任意の適切な電池が、使用されてもよい。例えば、産業用耐久電力ツールに使用されるなどの耐久型または市販の標準電池である。代替的に、電源ユニットは、スーパーコンデンサまたはハイパーコンデンサを含む任意のタイプの電源であってもよい。代替的に、装置は、外部電源に接続されて給電されてもよく、電気的におよび電子的にこうした目的のために設計されていてもよい。
【0039】
使用される電源のタイプに関わらず、電源は、再充電または外部電源への接続を必要とする前に、約70分の装置の連続動作の間、装置の規定の機能に十分なエネルギーを提供することが好ましい。
【0040】
本発明のシーシャ装置の全ての主要部品を組み立てることにより、装置の密封機能が確保されることが好ましい。密封機能は、適切な気流の管理が起きていることを確保する必要がある。密封機能は、任意の好適な方法で達成することができる。例えば、封止リングおよびワッシャなどのシールが、気密封止を確保するため使用されてもよい。
【0041】
本発明のシーシャ装置の制御電子回路は任意の適した形状で提供され得、かつ、例えば、コントローラまたはメモリおよびコントローラを含み得る。コントローラは特定用途向け集積回路(ASIC)状態マシン、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または同等の分離または一体化された論理回路のうちの1つ以上を含み得る。制御電子回路は、回路の1つ以上の構成要素に制御電子回路の機能または態様を実行させる命令を含むメモリを含み得る。本開示における制御電子回路に起因する機能は、ソフトウエア、ファームウエア、およびハードウエアのうちの1つ以上として体現され得る。
【0042】
制御電子回路は、発熱体の電気抵抗を監視し、発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への電力供給を制御するように構成されうる。
【0043】
電子回路はマイクロプロセッサを備えうるが、これはプログラム可能マイクロプロセッサでもよい。電子回路は電力供給を調節するよう構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーター要素に供給されてもよい。
【0044】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般に使用される意味を持つ。本明細書で提供した定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0045】
単数形(「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」)は本明細書で使用される場合、複数形の対象を有する実施形態を含蓄するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0046】
「または」は一般的に、本明細書で使用される場合、「および/または」を含めた意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の1つまたはすべて、または列挙された要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
【0047】
「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含まれる(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは本明細書で使用される場合、制約のない意味で使用され、一般的に「含むが、これに限定されない」を意味する。「から本質的に成る」、「から成る」、およびこれに類するものは、「含む」およびこれに類するものに包摂されることが理解されるであろう。
【0048】
「好ましい」および「好ましくは」という語は、ある特定の状況下で、ある特定のメリットをもたらし得る本発明の実施形態を指す。ただし、同一またはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものでありうる。その上、1つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗に意味するものではなく、請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外するものではない。
【0049】
従って、シーシャ装置のための、方法、システム、装置、アセンブリおよび物品が説明される。本発明の様々な修正および変形が、本発明の範囲および主旨を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本発明は特定の好ましい実施形態に関連して記述してきたが、当然のことながら、本発明は主張の通り、こうした特定の実施形態に不当に限定されるべきではない。実際に、機械製作技術、電子製造技術およびエアロゾル発生物品製造または関連分野の当業者にとって明らかである、本発明を実施するための記述された方法の様々な改良は、以下の特許請求の範囲内に収まるものであることが意図される。