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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】流体の送達および/または受け取り
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/151 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
A61B5/151
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021131886
(22)【出願日】2021-08-13
(62)【分割の表示】P 2019113623の分割
【原出願日】2012-04-26
(65)【公開番号】P2021180912
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】61/480,977
(32)【優先日】2011-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509202868
【氏名又は名称】ユアバイオ ヘルス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ハビエル ゴンザレス-スガスティ
(72)【発明者】
【氏名】エー. デイビッド ボックーティ
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド イー. チッカーリング ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】マーク マイケルマン
(72)【発明者】
【氏名】ラミン ハグーイ
(72)【発明者】
【氏名】ショーン デイビス
(72)【発明者】
【氏名】スコット ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】マイソム ダッガー
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード エル. ミラー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイ. モース
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-314394(JP,A)
【文献】米国特許第06322574(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0256465(US,A1)
【文献】特開平08-317918(JP,A)
【文献】国際公開第2007/088905(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06 - 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体から流体を受け取るためのデバイスであって、前記デバイスは、
デバイスアクチュエータと、
ハウジングであって、前記ハウジングは、前記ハウジングの中に流体を受け取るための開口部を含む、ハウジングと、
少なくとも1つの針を含む流動活性化体と、
前記ハウジング内に配置された真空源であって、前記真空源からの真空は、手動で作成される、真空源と、
前記デバイスアクチュエータの作動に応答して展開方向に前記流動活性化体を移動させるように構成されている展開アクチュエータと、
エフェクタおよびエフェクタガイドであって、前記エフェクタは、前記展開方向および後退方向において前記エフェクタガイドを介して運動を誘導され、前記展開アクチュエータは、前記エフェクタによって保持される、エフェクタおよびエフェクタガイドと、
前記エフェクタを前記後退方向に移動させるように構成されている後退アクチュエータと
を含む、デバイス。
【請求項2】
前記展開アクチュエータの一部分は、前記エフェクタに対して変位可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの針は、複数の極微針を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記真空源は、バルブを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記展開アクチュエータを前記流動活性化体に機械的に連結する柱をさらに含み、前記柱は、前記展開アクチュエータから前記流動活性化体まで移動を伝達するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記流動活性化体は、前記開口部までの最終的な後退後距離とは異なる前記開口部までの初期展開前距離に位置する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記開口部までの最終的な後退後距離は、前記開口部までの初期展開前距離よりも短い、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記開口部の中に受け取られる流体を受け取るように構成されている貯蔵チャンバをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記展開アクチュエータは、バネを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
被検体の皮膚上で前記被検体から流体を受け取るためのデバイスであって、前記デバイスは、
ハウジング内に配置された真空源であって、前記真空源からの真空は、手動で作成される、真空源と、
展開アクチュエータと、
ガイドと、
流動活性化体と、
デバイスアクチュエータと
を含み、
前記デバイスアクチュエータは、前記展開アクチュエータを展開方向および後退方向に移動させるように構成されており、前記展開アクチュエータの移動は、前記ガイドを介して運動を誘導され、
前記展開アクチュエータは、前記展開方向に前記流動活性化体を移動させるように構成されており、前記流動活性化体は、少なくとも1つの針を含む、デバイス。
【請求項11】
前記展開アクチュエータは、前記ガイドによって受け取られるエフェクタによって保持され、
前記展開アクチュエータは、前記エフェクタが前記ガイドに沿って前記展開方向および前記後退方向において移動するにつれて前記エフェクタととともに移動する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記展開アクチュエータの一部分は、前記エフェクタに対して変位可能である、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの針は、複数の極微針を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項14】
真空を手動で作成するための真空源をさらに含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項15】
前記真空源は、バルブを含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記展開アクチュエータは、前記流動活性化体が前記展開方向において移動させられた後に後退させられるように構成されている、請求項10に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、例えば、皮膚および/または皮膚下へ、またはそこから、被検体からの血液または間質液等の流体または他の物質を運搬および/または受け取るためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
静脈切開術または静脈穿刺は、静脈内療法の目的のために、静脈内アクセスを得るプロセス、または静脈血液の試料を得るプロセスである。このプロセスは、典型的には、救急救命士、瀉血専門医、医師、看護士等を含む、医療施術者によって実践される。大体の機器は、例えば、VacutainerTM(Becton, Dickinson and compamy)およびVacuetteTM(Greiner Bio-One GmBH)システム等、真空排気された(真空)管の使用を含め、被検体から血液を得ることが必要とされる。他の機器は、皮下注射針、注射器等を含む。しかしながら、そのような手技は、複雑であり、施術者の高度な訓練を要求し、多くの場合、非医療環境において行うことができない。故に、皮膚から、または皮膚を通して血液または他の流体を得る方法の改良が、依然として、必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかの実施形態では、本発明は、概して、血漿または血清を形成するための血液の受け取りおよび分離等の、被検体から流体を受け取るためのデバイスおよび方法に関する。本発明の主題は、場合によっては、相関生成物、特定の問題の代替的解決法、および/または1つ以上のシステムおよび/または部品の複数の異なる用途を伴う。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一側面では、デバイスは、被検体から流体が放出されるようにするために配列されている、流体輸送体を含む。流動活性化体は、展開アクチュエータによって展開方向に移動させられ得る。流動活性化体はまた、後退アクチュエータによって後退方向に移動させられ得る。一側面では、流動活性化体は、後退後の開口部からのその距離とは異なる、展開前位の開口部からの距離にあり得る。
【0005】
本発明の別の側面では、機械構成要素のみを含むエフェクタが、展開および後退のために流動活性化体を移動させる。展開移動は、後退移動よりも実質的に高速で起こり得る。
【0006】
本発明の別の側面では、デバイスは、開口部および流動活性化体であって、被検体から流体が放出されるようにするために配列されている流動活性化体を含む流体輸送体、ならびに周囲圧力より低い圧力を提供する真空源を含み得る。デバイスはまた、開口部と真空源との間で流体的に連結される、チャネルを含み得る。本発明の一側面では、流動活性化体は、チャネルに沿った開口部と真空源との間の流体連通が可能になった後、作動させられる。本発明の一側面では、チャネルに沿った開口部と真空源との間の流体連通は、流動活性化体が後退方向に移動させられる前に可能にされる。別の側面では、流動活性化体を作動させるデバイスアクチュエータもまた、チャネルに沿った開口部と真空源との間の流体連通を可能にする。
【0007】
本発明の別の側面では、エフェクタは、流動活性化体の任意の展開移動前に、最初の貯蔵されたポテンシャルエネルギーを有し得る。エフェクタは、貯蔵されたポテンシャルエネルギーを放出して流動活性化体を後退させるように配列され得る。
【0008】
本発明の別の側面では、流動活性化体、後退アクチュエータ、および展開アクチュエータは、互に同心円状に整列させられ得る。加えて、デバイスは、同様に流動活性化体、後退アクチュエータ、および展開アクチュエータと同心円状に整列させられる、スペーサ要素を含み得る。
【0009】
別の側面では、本発明は、本明細書で説明される実施形態のうちの1つ以上、例えば、流体を受け取るためのデバイスを作製する方法を包含する。なおも別の側面では、本発明は、本明細書で説明される実施形態のうちの1つ以上、例えば、流体を受け取るためのデバイスを使用する方法を包含する。
【0010】
本発明の他の利点および新規の特徴は、添付図面と併せて考慮されることによって、本発明の種々の非限定的実施形態の以下の詳細な説明から明白となるであろう。本明細書および参照することにより組み込まれる文書が、相反する、および/または矛盾する開示を含む場合、本明細書が優先するものとする。参照することにより組み込まれる2つ以上の文書が、互に対して相反する、および/または矛盾する開示を含む場合には、より最近の発効日を有する文書が優先するものとする。
【0011】
概略的であり、必ずしも一定の縮尺で描かれることを目的としていない、添付図面を参照して、本発明の1つ以上の側面を組み込む、非限定的実施形態を一例として説明する。図中、図示されるそれぞれの同一またはほぼ同一の構成要素は、典型的には、単一の数字によって表される。明確にするために、全ての構成要素が全ての図で標識されるわけでも、当業者が本発明を理解することを可能にするために図示が必要ではない、示される本発明の各実施形態の全ての構成要素が標識されるわけでもない。
例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
被検体から流体を受け取るためのデバイスであって、上記デバイスは、
開口部および流動活性化体を含む流体輸送体であって、上記流動活性化体は、上記被検体から流体が放出されるようにするために配列されている、流体輸送体と、
展開方向に上記流動活性化体を移動させるために構築および配列されている展開アクチュエータと、
後退方向に上記流動活性化体を移動させるために構築および配列されている後退アクチュエータと
を備えている、デバイス。
(項目2)
上記展開アクチュエータは、上記後退アクチュエータに取り付けられている、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
上記展開アクチュエータおよび後退アクチュエータは、エフェクタ本体を介して接続されている、項目2に記載のデバイス。
(項目4)
上記展開アクチュエータは、展開および後退方向に可逆的に移動可能である、項目1に記載のデバイス。
(項目5)
上記展開アクチュエータは、上記展開方向への移動前、上記開口部に対面する凹状部分を有し、上記展開方向への移動後、上記開口部に対面する凸状部分を有する、項目1に記載のデバイス。
(項目6)
上記展開アクチュエータは、スナップドームを備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目7)
上記展開アクチュエータは、複数のローブを備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
上記展開アクチュエータは、作動させられると、上記展開アクチュエータへの少なくとも0.1Nまたは少なくとも0.3Nの力の適用に応じて、展開方向に移動する、項目1に記載のデバイス。
(項目9)
上記展開アクチュエータは、ポリマーまたは金属を含む、項目1に記載のデバイス。
(項目10)
上記展開アクチュエータは、4cm以下の最大直径を有する、項目1に記載のデバイス。
(項目11)
上記展開アクチュエータは、作動させられると、少なくとも1cm/秒または少なくとも10cm/秒の平均速度で展開方向に移動する、項目1に記載のデバイス。
(項目12)
上記展開アクチュエータは、作動させられると、約0.002秒未満の期間で展開前位置から展開後位置まで移動する、項目1に記載のデバイス。
(項目13)
上記展開アクチュエータは、作動させられると、少なくとも100,000メートル/秒のピーク加速度で展開前位置から展開後位置まで移動する、項目1に記載のデバイス。
(項目14)
上記展開アクチュエータは、作動させられると、展開方向に移動するとき、上記展開アクチュエータのいずれの部分も約5mmより大きく移動しない、項目1に記載のデバイス。
(項目15)
上記流動活性化体は、1本以上の針または極微針を備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目16)
上記針または極微針のうちの少なくともいくつかは、中実または中空である、項目15に記載のデバイス。
(項目17)
上記針または極微針のうちの少なくともいくつかは、約5ミリメートル未満の長さを有する、項目15に記載のデバイス。
(項目18)
上記針または極微針のうちの少なくともいくつかは、約1mm以下の上記被検体の皮膚への最大穿通を有する、項目15に記載のデバイス。
(項目19)
上記針または極微針のうちの少なくともいくつかは、少なくとも約500マイクロメートルの上記被検体の皮膚への最小穿通を有する、項目15に記載のデバイス。
(項目20)
上記流動活性化体は、上記展開アクチュエータに固定されている、項目1に記載のデバイス。
(項目21)
上記流動活性化体は、変換構造または膜を介して上記展開アクチュエータに固定されている、項目20に記載のデバイス。
(項目22)
上記展開アクチュエータを展開方向に移動させることが可能なデバイスアクチュエータをさらに備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目23)
上記デバイスアクチュエータは、ボタンまたはスライダを備えている、項目22に記載のデバイス。
(項目24)
上記デバイスアクチュエータは、少なくとも、ユーザによって操作可能な第1の部分と、展開方向に上記展開アクチュエータを移動させるために配列されている第2の部分とを備えている、項目22に記載のデバイス。
(項目25)
上記デバイスアクチュエータの少なくとも一部分は、展開方向に上記展開アクチュエータを移動させるために、上記展開アクチュエータの上で横方向に摺動することが可能である、項目22に記載のデバイス。
(項目26)
上記デバイスアクチュエータの少なくとも一部分は、展開方向に上記展開アクチュエータを移動させるために、上記展開アクチュエータの中へ下向きに押し進められることが可能である、項目22に記載のデバイス。
(項目27)
上記後退アクチュエータを後退方向に移動させることが可能なデバイスアクチュエータをさらに備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目28)
上記後退アクチュエータは、バネを備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目29)
上記バネは、展開前、比較的高いエネルギー状態にあり、展開後、比較的低いエネルギー状態にある、項目28に記載のデバイス。
(項目30)
上記後退アクチュエータは、コイルバネまたは板バネを備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目31)
上記後退アクチュエータは、多足板バネを備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目32)
上記後退アクチュエータは、弾性部材を備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目33)
上記後退アクチュエータは、後退方向に上記開口部から離れるほうに上記展開アクチュエータを移動させる、項目1に記載のデバイス。
(項目34)
上記展開アクチュエータのいずれの部分も、上記後退アクチュエータが後退方向に移動するときに、10mmより大きく移動しない、項目1に記載のデバイス。
(項目35)
上記後退アクチュエータは、後退後に定位置で係止される、項目1に記載のデバイス。
(項目36)
上記展開アクチュエータは、後退方向に上記後退アクチュエータを移動させることによって作動させられる、項目1に記載のデバイス。
(項目37)
基部およびカバーを含む筐体をさらに備え、上記基部およびカバーは、上記展開および後退アクチュエータを封入し、上記筐体の一部分は、上記開口部を画定する、項目1に記載のデバイス。
(項目38)
上記筐体は、上記開口部から上記筐体の中への流体の流動を引き起こすために配列されている真空源を画定する、項目37に記載のデバイス。
(項目39)
上記真空源と上記開口部との間に流体連結を作成するチャネルをさらに備え、上記真空源によって引き起こされる流動は、少なくとも部分的に上記チャネルを通る、項目38に記載のデバイス。
(項目40)
上記チャネルへの流体連結を有する貯蔵チャンバをさらに備え、上記チャネルの中の流体は、上記貯蔵チャンバに進入する、項目39に記載のデバイス。
(項目41)
上記真空源と上記開口部との間の流動を制御するために配列されているシールをさらに備えている、項目38に記載のデバイス。
(項目42)
デバイスアクチュエータが、上記シールに作用して上記真空源と上記開口部との間の流動を可能にするために配列されている、項目41に記載のデバイス。
(項目43)
上記デバイスは、流体の受け取りを示す指標を含む、項目1に記載のデバイス。
(項目44)
被検体から流体を受け取るためのデバイスであって、上記デバイスは、
流体を受け取るように配列されている開口部と、
展開前、上記開口部から第1の距離にあり、展開後、上記開口部から第2の距離にある流動活性化体であって、上記第1の距離は、上記第2の距離とは異なる、流動活性化体と
を備えている、デバイス。
(項目45)
上記第1の距離は、上記第2の距離よりも小さい、項目44に記載のデバイス。
(項目46)
上記流動活性化体は、1本以上の針を含む、項目44に記載のデバイス。
(項目47)
展開方向および後退方向に上記流動活性化体を移動させるために配列されているエフェクタをさらに備えている、項目44に記載のデバイス。
(項目48)
上記エフェクタは、一緒に取り付けられている展開アクチュエータおよび後退アクチュエータを含み、上記展開アクチュエータは、上記展開方向に上記流動活性化体を少なくとも上記第1の距離移動させるために配列され、上記後退アクチュエータは、上記後退方向に上記流動活性化体を少なくとも上記第2の距離移動させるために配列されている、項目47に記載のデバイス。
(項目49)
上記展開アクチュエータは、上記後退アクチュエータが上記後退方向に上記流動活性化体を移動させるよりも高い速度で、上記展開方向に上記流動活性化体を移動させる、項目48に記載のデバイス。
(項目50)
基部およびカバーを含む筐体をさらに備え、上記基部およびカバーは、上記流動活性化体を封入し、上記筐体の一部分は、上記開口部を画定する、項目44に記載のデバイス。
(項目51)
上記筐体は、上記開口部から上記筐体の中への流体の流動を引き起こすために配列されている真空源を画定する、項目50に記載のデバイス。
(項目52)
上記真空源と上記開口部との間に流体連結を有するチャネルをさらに備え、上記真空源によって引き起こされる流動は、少なくとも部分的に上記チャネルを通る、項目51に記載のデバイス。
(項目53)
上記チャネルへの流体連結を有する貯蔵チャンバをさらに備え、上記チャネルの中の流体は、上記貯蔵チャンバに進入する、項目52に記載のデバイス。
(項目54)
上記真空源と上記開口部との間の流動を制御するために配列されているシールをさらに備えている、項目51に記載のデバイス。
(項目55)
展開方向および後退方向に上記流動活性化体を移動させるために配列されているエフェクタをさらに備え、上記エフェクタは、上記真空源と上記開口部との間の流動を可能にするように配列されている、項目50に記載のデバイス。
(項目56)
上記展開方向に上記流動活性化体を少なくとも上記第1の距離移動させるために配列されているバネ要素を含む展開アクチュエータと、上記後退方向に上記流動活性化体を少なくとも上記第2の距離移動させるために配列されているバネ要素を含む後退アクチュエータとをさらに備えている、項目44に記載のデバイス。
(項目57)
上記デバイスは、流体の受け取りを示す指標を含む、項目44に記載のデバイス。
(項目58)
被検体から流体を受け取るためのデバイスであって、上記デバイスは、
開口部および流動活性化体を含む流体輸送体であって、上記流動活性化体は、上記被検体から流体が放出されるようにするための展開のために移動可能であり、上記被検体から離れるほうへの後退のために移動可能である、流体輸送体と、
機械構成要素のみを含み、電子制御がないエフェクタであって、上記エフェクタは、展開および後退のために上記流動活性化体を移動させ、上記流動活性化体の展開移動は、上記流動活性化体の後退移動よりも実質的に高速で起きる、エフェクタと
を備えている、デバイス。
(項目59)
上記エフェクタは、展開アクチュエータと後退アクチュエータとを含み、上記展開アクチュエータは、展開方向に上記流動活性化体を移動させるために配列され、後退アクチュエータは、後退方向に上記流動活性化体を移動させるために配列されている、項目58に記載のデバイス。
(項目60)
上記展開アクチュエータは、上記展開方向に上記流動活性化体を移動させるために配列されているバネ要素を含み、後退アクチュエータは、上記後退方向に上記流動活性化体を移動させるために配列されているバネ要素を含む、項目59に記載のデバイス。
(項目61)
上記展開アクチュエータおよび上記後退アクチュエータは、一緒に取り付けられている、項目59に記載のデバイス。
(項目62)
上記流動活性化体は、1本以上の針を含む、項目58に記載のデバイス。
(項目63)
基部およびカバーを含む筐体をさらに備え、上記基部およびカバーは、上記流動活性化体および上記エフェクタを封入し、上記筐体の一部分は、上記開口部を画定する、項目58に記載のデバイス。
(項目64)
上記筐体は、上記開口部から上記筐体の中への流体の流動を引き起こすために配列されている真空源を画定する、項目63に記載のデバイス。
(項目65)
上記真空源と上記開口部との間に流体連結を有するチャネルをさらに備え、上記真空源によって引き起こされる流動は、少なくとも部分的に上記チャネルを通る、項目64に記載のデバイス。
(項目66)
上記チャネルへの流体連結を有する貯蔵チャンバをさらに備え、上記チャネルの中の流体は、上記貯蔵チャンバに進入する、項目65に記載のデバイス。
(項目67)
上記真空源と上記開口部との間の流動を制御するために配列されているシールをさらに備えている、項目64に記載のデバイス。
(項目68)
デバイスアクチュエータが、上記真空源と上記開口部との間の流動を可能にするために配列されている、項目67に記載のデバイス。
(項目69)
上記デバイスアクチュエータは、穿刺部材を含み、上記穿刺部材は、上記シールを穿刺して上記真空源と上記開口部との間の流動を可能にするように配列されている、項目68に記載のデバイス。
(項目70)
上記デバイスは、流体の受け取りを示す指標を含む、項目58に記載のデバイス。
(項目71)
被検体から流体を受け取るためのデバイスであって、上記デバイスは、
開口部および流動活性化体を含む流体輸送体であって、上記流動活性化体は、上記被検体から流体が放出されるようにするために配列されている、流体輸送体と、
周囲圧力より低い圧力を提供する真空源と、
上記開口部と上記真空源との間に流体連結を作成するチャネルと
を備え、
上記流動活性化体は、上記チャネルに沿った上記開口部と上記真空源との間の流体連通が可能になった後、作動させられる、デバイス。
(項目72)
上記流動活性化体は、上記流体連通が可能になった後、後退させられる、項目71に記載のデバイス。
(項目73)
上記流動活性化体は、上記流体連通が可能になった後、展開される、項目71に記載のデバイス。
(項目74)
上記真空源は、上記被検体からの体液の導入前、大気圧より約300mmHg以上低い圧力を有する、項目71に記載のデバイス。
(項目75)
上記真空源は、約10mlより小さい容積を有する、項目71に記載のデバイス。
(項目76)
展開方向および後退方向に上記流動活性化体を移動させるために配列されているエフェクタをさらに備えている、項目71に記載のデバイス。
(項目77)
上記エフェクタは、一緒に取り付けられている展開アクチュエータおよび後退アクチュエータを含み、上記展開アクチュエータは、上記展開方向に上記流動活性化体を移動させるために配列され、上記後退アクチュエータは、上記後退方向に上記流動活性化体を移動させるために配列されている、項目76に記載のデバイス。
(項目78)
上記展開アクチュエータは、上記後退アクチュエータが上記後退方向に上記流動活性化体を移動させるよりも高い速度で、上記展開方向に上記流動活性化体を移動させる、項目77に記載のデバイス。
(項目79)
基部およびカバーを含む筐体をさらに備え、上記基部およびカバーは、上記流動活性化体および上記エフェクタを封入し、上記筐体の一部分は、上記開口部を画定する、項目76に記載のデバイス。
(項目80)
上記真空源は、上記筐体によって画定され、上記開口部から上記筐体の中への流体の流動を引き起こすように配列されている、項目79に記載のデバイス。
(項目81)
上記デバイスの表面上に位置付けられた接着剤をさらに備え、上記デバイスの表面は、上記被検体の皮膚に適用される、項目71に記載のデバイス。
(項目82)
上記チャネルへの流体連結を有する上記貯蔵チャンバをさらに備え、上記チャネルの中の流体は、貯蔵チャンバに進入する、項目71に記載のデバイス。
(項目83)
上記真空源と上記開口部との間の流動を制御するために配列されているシールをさらに備えている、項目71に記載のデバイス。
(項目84)
展開方向および後退方向に上記流動活性化体を移動させるために配列されているエフェクタをさらに備えている、項目83に記載のデバイス。
(項目85)
デバイスアクチュエータをさらに備え、デバイスアクチュエータの作動は、流体連通が可能になること、および上記流動活性化体の作動が起きるようにする、項目71に記載のデバイス。
(項目86)
上記チャネルに沿った上記開口部と上記真空源との間の流体連通は、上記穿刺部材によって可能にされ、上記穿刺部材は、上記デバイスアクチュエータが作動させられたときに上記穿刺部材が移動することができるように、上記デバイスアクチュエータに機械的に連結されている、項目85に記載のデバイス。
(項目87)
上記デバイスアクチュエータの作動後、流体連通が可能になることおよび上記流動活性化体の作動は、上記デバイスアクチュエータに適用される任意の後続の力とは無関係である、項目85に記載のデバイス。
(項目88)
後退方向に上記流動活性化体を移動させる後退アクチュエータをさらに備えている、項目87に記載のデバイス。
(項目89)
上記後退アクチュエータは、ねじりバネを備えている、項目88に記載のデバイス。
(項目90)
上記流動活性化体は、圧力差によって作動させられる、項目71に記載のデバイス。
(項目91)
上記デバイスは、流体の受け取りを示す指標を含む、項目71に記載のデバイス。
(項目92)
被検体から流体を受け取るためのデバイスであって、上記デバイスは、
周囲圧力より低い圧力を提供する真空源と、
開口部、および上記被検体から流体が放出されるようにするために配列されている流動活性化体を含む流体輸送体であって、上記流動活性化体は、展開方向および後退方向に移動可能である、流体輸送体と、
上記開口部と上記真空源との間に流体連結を作成するチャネルと
を備え、
上記チャネルを通る上記開口部と上記真空源との間の流体連通は、上記流動活性化体が上記後退方向に移動させられる前に可能にされる、デバイス。
(項目93)
上記チャネルを通る上記開口部と上記真空源との間の流体連通は、上記流動活性化体が上記展開方向に移動させられる前に可能にされる、項目92に記載のデバイス。
(項目94)
被検体から流体を受け取るためのデバイスであって、上記デバイスは、
開口部および流動活性化体を含む流体輸送体であって、上記流動活性化体は、上記被検体から流体が放出されるようにするために配列されている、流体輸送体と、
周囲圧力より低い圧力を提供する真空源と、
上記開口部と上記真空源との間に流体連結を作成するチャネルと、
上記流動活性化体を作動させ、上記チャネルを通る上記開口部と上記真空源との間の流体連通を可能にするデバイスアクチュエータと
を備えている、デバイス。
(項目95)
被検体から流体を受け取るためのデバイスであって、上記デバイスは、
流動活性化体を含む流体輸送体であって、上記流動活性化体は、上記被検体から流体が放出されるようにするために配列されている、流体輸送体と、
上記流動活性化体の任意の展開移動前に、最初の貯蔵されたポテンシャルエネルギーを有するエフェクタであって、上記エフェクタは、上記貯蔵されたポテンシャルエネルギーを放出して上記流動活性化体を後退させるように配列されている、エフェクタと
を備えている、デバイス。
(項目96)
被検体から流体を受け取るためのデバイスであって、上記デバイスは、
流動活性化体を含む筐体であって、上記流動活性化体は、上記被検体から流体が放出されるようにするために配列され、上記筐体に対して移動可能である、筐体と、
展開方向に上記流動活性化体を移動させるために配列されている展開アクチュエータと、
後退方向に上記流動活性化体を移動させるために配列されている後退アクチュエータと、
を備え
上記流動活性化体、上記展開アクチュエータ、および上記後退アクチュエータは、実質的に同心円状に整列させられている、デバイス。
(項目97)
上記展開アクチュエータと上記後退アクチュエータとの間に位置するスペーサ要素をさらに備え、上記スペーサ要素は、上記展開アクチュエータと同心円状に整列させられている、項目96に記載のデバイス。
(項目98)
上記展開アクチュエータは、上記流動活性化体に連結されている、項目96に記載のデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の側面による、流体受け取りデバイスの斜視図である。
図2図2は、図1に示されるデバイスの裏面の斜視図である。
図3図3は、カバーが除去された、図1に示されるデバイスの斜視図である。
図4図4は、図1に示されるデバイスの断面図である。
図5図5は、図1に示されるデバイスの分解図である。
図6図6A-6Cは、図1のデバイスの流動活性化体の一連の3つの状態を示す。
図7A図7Aは、特定の配列で後退アクチュエータおよび展開アクチュエータを含む、エフェクタの拡大図である。
図7B図7Bは、図7Aに示される配列の裏面図である。
図8図8は、図1に示されるデバイスの後退アクチュエータ用の解放要素の接近図である。
図9図9は、図1に示されるデバイスの後退アクチュエータの一部分の拡大図である。
図10図10は、貯蔵容器と真空源との間の関係を図示する、図1に示されるデバイスの領域の拡大図である。
図11図11は、別個のリトラクタおよびシールアクチュエータ部分を有する、本発明の別の実施形態におけるデバイスの斜視図である。
図12図12は、図11に示されるデバイスの中のリトラクタ部分およびシールアクチュエータ部分の拡大図である。
図13図13は、図11に示されるデバイスの分解図である。
図14図14は、図11に示されるデバイスの断面図である。
図15図15は、カバーが除去され、回転可能な解放要素を有する、本発明のさらに別の実施形態におけるデバイスの斜視図である。
図16図16は、図15に示されるデバイスの中の傾斜係合領域の拡大である。
図17図17は、図15に示されるデバイスの分解図である。
図18図18は、図15に示されるデバイスの断面図である。
図19図19は、摺動トリガ先端を有する、本発明のさらに別の実施形態におけるデバイスの斜視図である。
図20図20は、図19に示されるデバイスの裏面の斜視図である。
図21図21は、カバーが除去された、図19に示されるデバイスの斜視図である。
図22図22は、カバーが除去され、図21に示される図とは異なる角度における、図19に示されるデバイスの斜視図である。
図23A図23Aは、図22に示されるデバイスからのトリガブリッジの拡大である。
図23B図23Bは、図23Aに示される拡大の裏面の斜視図である。
図24図24は、図19に示されるデバイスの分解図である。
図25図25は、図19に示されるデバイスの断面図である。
図26A図26A-26Dは、流動活性化体を展開アクチュエータに接続するための種々の配列を示す。
図26B図26A-26Dは、流動活性化体を展開アクチュエータに接続するための種々の配列を示す。
図26C図26A-26Dは、流動活性化体を展開アクチュエータに接続するための種々の配列を示す。
図26D図26A-26Dは、流動活性化体を展開アクチュエータに接続するための種々の配列を示す。
図27図27は、真空放出用の中空スパイクを有する、本発明のさらに別の実施形態におけるデバイスの断面図である。
図28図28は、カバーが除去された、図27に示されるデバイスの斜視図である。
図29図29は、抵抗アームを含む解放要素の拡大図である。
図30図30は、解放要素の屈曲を描写する、図27に示されるものに類似するデバイスの別の断面図である。
図31図31は、先細の脚部を有する、解放要素の作動リングの拡大図である。
図32A図32Aは、解放要素とエフェクタとの間の初期接触を描写する。
図32B図32Bは、作動リングが展開アクチュエータに接触し始めたときの解放要素の作動リングとエフェクタとの間の干渉係合を描写する。
図33図33は、指標を有する、デバイスの俯瞰図である。
図34図34は、カバーが除去された、図33に示されるデバイスの斜視図である。
図35図35は、アクセスポートを有する、本発明のさらに別の実施形態におけるデバイスの裏面の斜視図である。
図36A図36Aは、図35に示されるものに類似するアクセスポートの拡大図である。
図36B図36Bは、図35に示されるものに類似するアクセスポートと相互作用する、ピペットの拡大図である。
図37図37は、アクセスポートおよび貯蔵チャンバと相互作用するピペットの拡大図である。
図38図38は、アクセスポートを覆うシールを伴うデバイスの裏面図である。
図39図39は、デバイスカバーと相互作用する回転可能な解放要素を有する、本発明のさらに別の実施形態におけるデバイスの斜視図である。
図40A図40Aは、カバーが除去された、図39に示されるデバイスの接近図である。
図40B図40Bは、後退アクチュエータおよびエフェクタが図から隠されている、図40Aに示される斜視図である。
図41図41は、デバイスカバーが透視で示された、図40Aに示される接近図である。
図42図42は、図39に示されるデバイスからのデバイスカバーの一部分の拡大図である。
図43図43は、デバイスカバーが透視で示される、デバイスカバーと相互作用する、図39に示されるデバイスのスピナランプの斜視図である。
図44図44は、解放要素およびねじりバネを有する、本発明のさらに別の実施形態におけるカバーが除去されたデバイスの斜視図である。
図45図45は、図44に示されるデバイスからのエフェクタおよび展開アクチュエータの拡大図である。
図46A図46Aは、図44に示されるデバイスからの解放要素の底面斜視図である。
図46B図46Bは、基部が隠され、ねじりバネおよびエフェクタが透視で示された、図44に示されるデバイスの側面図である。
図47図47は、保護キャップを有する、本発明のさらに別の実施形態におけるデバイスの断面図である。
図48図48A-Gは、種々のスパイク幾何学形状の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の側面は、用途において、以下の説明で記載される、または図面で図示される、構造および構成要素の配列の詳細に限定されない。例えば、皮膚を穿刺し、穿刺された皮膚から放出される血液を受け取ることに関する例証的実施形態が、以下で論議されるが、本発明の側面は、皮膚を穿刺する、および/または血液を受け取るデバイスを用いた使用に限定されない。穿刺することなく他の体液を受け取るデバイス等の、他の実施形態が採用され得、本発明の側面は、種々の方法で実践または実行され得る。また、本明細書で使用される表現および用語は、説明の目的のためであり、限定的と見なされるべきではない。
【0014】
図1は、本発明の種々の側面を組み込む、流体受け取りデバイス1を示す。図1は、本発明の側面の多くを組み込むが、本発明の任意の好適な数の側面が、流体受け取りデバイスに組み込まれ得る。したがって、本発明の側面は、単独で、または互の任意の好適な組み合わせで使用され得る。この例証的実施形態は、カバー20および基部100を含み、それらは、一緒に接合され、デバイス1の種々の部品を封入し、デバイス1に被検体から流体を受け取らせるために使用されるデバイスアクチュエータ10等の1つ以上の外部特徴を支持するように協働し得る。基部100およびカバー20は、ポリエステル(PCTAまたはPETG)または低いガス透過率を伴う他のポリマーから形成され得、または別様にそれらを含み得る。この実施形態におけるデバイスアクチュエータ10は、ユーザによって(例えば、指で押すことによって)作動させられるように配列されるが、デバイスアクチュエータ10は、他の方法で、例えば、流体受け取りデバイス1に被検体から流体を受け取らせるように、機械、電気信号、または他の好適な配列による作動のために配列され得る。デバイスアクチュエータ10の作動は、自動的に、例えば、経過タイマまたは他の刺激あるいは条件に応答して、または手動で起こり得る。いくつかの実施形態では、デバイスアクチュエータ10は、示されるような押しボタン、以下でさらに論議される摺動ボタン、タッチスクリーンインターフェース、スイッチ、または他のユーザ作動可能配列等を含み得る。場合によっては、デバイスアクチュエータ10は、デバイス1の作動を1回だけ可能にし、例えば、デバイスアクチュエータ10は、さらなる作動を防止する位置に係止され得、またはデバイス1が複数回作動させられることを可能にし得る。
【0015】
本発明の一側面によれば、デバイス1は、被検体から流体を受け取る流体輸送体を含み得る。流体輸送体は、身体からの体液が蓄積し得るアプリケータ領域を含み得る。いくつかの実施形態では、アプリケータ領域は、皮膚の表面から流体を受け取ることができる、デバイスの基部内の陥凹またはへこみであり得る。アプリケータ領域は、任意の好適な形状を有し得る。例えば、アプリケータ領域は、略半球形、半卵形、長方形、不整形等であり得る。アプリケータ領域に関するさらなる詳細は、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、本明細書と同日付に出願された、それぞれ「Systems and Methods for Collecting a Fluid from a Subject」と題された、米国および国際特許出願で見出すことができる。また、2011年4月29日に出願された、Haghgooieらによる「Systems and Methods for Collecting a Fluid from a Subject」と題された米国仮特許出願第61/480,960号も、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0016】
流体輸送体は、デバイス内に流体を受け取るように構成される、任意のサイズおよび/または幾何学形状の開口部を含み得る。例えば、開口部は、2次元平面にあり得、または開口部は、3次元空洞、孔、溝、細隙等を含み得る。いくつかの実施形態では、流体輸送体はまた、例えば、被検体の皮膚を穿刺することによって、被検体から流体が放出されるようにするために配列されている、1つ以上の極微針等の流動活性化体を含み得る。いくつかの実施形態では、流体が、流動活性化体を包囲するエンクロージャを部分的または完全に充填し得る場合には、エンクロージャは、流体輸送体の少なくとも一部を画定することができる。
【0017】
デバイスは、必ずしも被検体から流体放出を引き起こすための機構を採用しないことがあるので、流動活性化体が、全ての実施形態で含まれる必要はないことに留意されたい。例えば、デバイスは、切断または摩耗等の別の原因、別個のランセット等の別個かつ独立したデバイスによる流体放出、外科手術中等の開放流体アクセス等により、すでに放出されている流体を受け取り得る。加えて、流体は、排尿、吐出、デバイスに流体を注ぐこと等を介して、デバイスに導入され得る。含まれる場合、流動活性化体は、物理的に貫通し、穿刺し、および/または摩耗させ、化学的に剥離し、腐食し、および/または刺激し、電磁、音響、または他の波を放出および/または産生し、被検体から流体を放出させるように別様に動作し得る。流動活性化体は、例えば、針を移動させる可動機構を含んでもよく、または機能するために移動を要求しなくてもよい。例えば、流動活性化体は、圧力を受けて流体を被検体に運搬するジェット式注射器または「ハイポスプレー」、流体を運搬および/または受け取る空気圧システム、流体を吸着または吸収する吸湿剤、逆イオンフォトレシスシステム、超音波、あるいは熱、無線周波数、および/またはレーザエネルギーを放出する変換器等を含み得、それらのうちのいずれも、必ずしも被検体から流体を放出させるために流動活性化体の移動を要求する必要がない。
【0018】
図2は、開口部130、アプリケータ領域131、および流動活性化体90を含む流体輸送体120を伴う図1の流体受け取りデバイス1の裏面を示す。この実施形態では、流動活性化体90は、1本以上の針を含む。以下でさらに詳細に説明されるように、針は、被検体の皮膚を穿刺するように開口部130から拡張され、次いで、血液または他の流体が開口部130に進入することを可能にするように、開口部の中へ後退させられ得る。つまり、被検体から血液を受け取るようにデバイス1を使用するために、開口部130が皮膚に隣接するように、基部100が皮膚上に配置され得る。その後、デバイスアクチュエータ10は、針を展開させるように押下され得、皮膚を穿刺し、血液を放出させる。血液は、開口部に進入し、貯蔵チャンバ140において収集され得る。一実施形態では、血液は、開口部130から貯蔵チャンバ140の中へ血液を引き込む、デバイス1における比較的低い圧力(真空)の結果として、貯蔵チャンバ140に流入する(図4参照)。
【0019】
針は、任意の好適な幅、長さ、および/または他のサイズであり得、針は各々、中実または中空であり得る。針は、円形、正方形、卵形、楕円形、長方形、丸みを帯びた長方形、三角形、多角形、六角形、不整形等の(例えば、貫通の方向と垂直である)任意の好適な断面を有し得る。いくつかの実施形態では、針は、約5mm以下の長さを有し得る。代替的な針配列に関する追加の情報が、以下で提供される。
【0020】
この実施形態(図4)では、デバイスアクチュエータ10の起動が、流動活性化体90に被検体から血液または他の流体を放出させ、それは次いで、開口部130で受け取られる。次いで、血液または他の流体は、1つ以上のチャンバ140において収集され得る。血液または他の流体の収集は、吸収、毛細管作用、吸引、または他の手段によって等、任意の好適な方法で行われ得る。この例証的実施形態では、デバイスアクチュエータ10の起動は、血液または他の流体が、開口部130から、チャネル(図4参照、要素110)を通ってチャンバ140まで流れ得るように、シール76を開かせる。以下でさらに説明されるように、デバイス1は、シール76が開くと、開口部130からチャンバ140の中へ血液または他の流体を引き込む、真空源を含み得る。つまり、シール76の開放は、開口部130からチャンバ140の中へ血液または他の流体を引き込ませる、比較的低い圧力をチャンバ140に導入し得る。
【0021】
本発明の一側面では、流動活性化体は、展開アクチュエータおよび後退アクチュエータによって作動させられ得る。例えば、流動活性化体は、移動可能であり得、流動活性化体の移動は、展開アクチュエータおよび後退アクチュエータによって引き起こされ得る。展開アクチュエータは、被検体の皮膚および/または他の表面に向かって、流動活性化体を展開方向に移動させ得、後退アクチュエータは、被検体の皮膚および/または身体から離して、流動活性化体を後退方向に移動させ得る。以下でさらに詳細に論議されるように、展開および後退移動のために別個のアクチュエータを提供することは、場合によっては、流動活性化体が展開および後退のために異なる速度で移動させることを可能にすること、アクチュエータが血液または他の流体のための流体流路を開くこと等の他の追加の機能を果たすことを可能にすること、展開前および展開後、流動活性化体がデバイス内の異なる位置で始動または終了することを可能にすること等の利点を提供し得る。展開アクチュエータおよび後退アクチュエータは各々、ボタン、スイッチ、レバー、スライダ、ダイヤル、圧縮バネ、ベルビルバネ、サーボ、回転または線形電気モータ、および/または空気圧装置、あるいは他の好適なデバイス等の任意の数の好適な構成要素を含み得る。また、展開アクチュエータおよび後退アクチュエータは、同一の種類であり得、または異なる種類のデバイスであり得る。各アクチュエータは、手動で、機械的に、電気的に、空気圧で、電磁的に、または他の好適な動作モードで動作し得、起動のためにユーザ入力を必要としても、しなくてもよい。
【0022】
本発明の側面によれば、エフェクタが、流動活性化体の展開および/または後退移動を引き起こすように配列され得る。例えば、エフェクタは、展開アクチュエータおよび後退アクチュエータの両方を含み得る。エフェクタは、ポリエステル(PETGまたはPCTA)、アセタール樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)等から形成され得、または別様にそれらを含み得る。図3、4、および5は、それぞれ、カバー20が基部100から除去された、図1のデバイス1の斜視図、デバイス1の部分断面図、およびデバイス1の分解図を図示する。この実施形態では、デバイス1は、後退アクチュエータ40および展開アクチュエータ60を含み、エフェクタガイド104に沿って基部100に対して上下方向に移動可能であるエフェクタ50を含む。展開アクチュエータ60の下向きの移動が、流動活性化体90を開口部130から少なくとも部分的に拡張させ得るように、展開アクチュエータ60が、膜72(図4参照)を介して流動活性化体90に取り付けられる。(以下でさらに論議されるように、貯蔵チャンバ140の中への流動を引き起こすように制御可能に開かれるまで、比較的低い圧力が真空源156で維持されるように、膜72は、開口部130からデバイス1の中の真空源156を分離し得る。真空源156は、密閉真空チャンバの形態であり得る)。この実施形態では、展開アクチュエータ60は、展開アクチュエータ60を流動活性化体90に取り付ける膜72の一部を受け取る中心孔を有する略ドーム形状を有する(たとえば、ベルビルバネの場合のように)。(この実施形態では、流動活性化体90は、膜72を介して展開アクチュエータ60に取り付けられるが、流動活性化体90は、例えば、流動活性化体90から展開アクチュエータ60まで延在する垂直柱または他の構造を介して、展開アクチュエータ60に直接接続され得る。)展開アクチュエータ60は、最初に、図4に示される下向き凹状構成に配列され、例えば、解放要素30に展開アクチュエータ60の中心部分を下向きに押させるように、デバイスアクチュエータ10をユーザが押すことによって、上向き凹状構成に移動させられ得る。展開アクチュエータ60は、開口部130から流動活性化体90を急速に拡張し、被検体の皮膚または他の表面を穿刺するよう、下向き凹状構成から上向き凹状構成まで急速に移動する好適な材料および構成で作製され得る。この実施形態における展開アクチュエータ60は、ドーム形状を伴う可撓性バネとして配列されるが、展開アクチュエータ60は、任意の好適な形状および/またはサイズであり得る。例えば、展開アクチュエータ60は、円形(図5に示される4本の脚部と違って「脚部」を持たない)、長円形、三角形(3本の脚部を有する)、正方形(各脚部の間に真っ直ぐな側面を伴う4本の脚部)、五角形(5本の脚部)、六角形(6本の脚部)、クモ脚型、星状、クローバ形状(例えば、2、3、4、5等の任意の数のローブを伴う)、鋸歯状円盤または波形等であり得る。展開アクチュエータ60は、いくつかの実施形態では、中央または他の場所に、示されるよう中心孔、あるいはくぼみまたはボタン等の別の特徴を有し得る。展開アクチュエータ60は、任意の好適な材料、例えば、ステンレス鋼(例えば、301、301LN、304、304L、304LN、304H、305、312、321、321H、316、316L、316LN、316Ti、317L、409、410、430、440A、440B、440C、440F、904L)、炭素鋼、バネ鋼、バネ黄銅、リン青銅、ベリリウム銅、チタン、チタン合金鋼、クロムバナジウム、ニッケル合金鋼(例えば、Monel 400、Monel K 500、Inconel 600、Inconel 718、Inconel x 750等)等の金属、ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート等)、複合物または積層(例えば、繊維ガラス、炭素繊維、竹、Kevlar等を含む)等から形成され得、または別様にそれらを含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、展開アクチュエータの全ての部分は、展開アクチュエータが開口部130に向かって展開方向に移動するときに、ある距離未満を移動し得る。いくつかの実施形態では、展開アクチュエータの全ての部分は、約10mm未満、約5mm未満、約3mm未満、約2mm未満、または約1mm未満を移動し得る。
【0024】
この実施形態における後退アクチュエータ40は、板バネの形態の可逆的に変形可能な構造を含むが、展開アクチュエータ60のように、コイルバネ、発泡体、弾性ブラダ等の他の配列が可能である。後退アクチュエータは、任意の好適な材料、例えば、1095バネ鋼または301ステンレス鋼、あるいは1074/1075、5160、9255バネ鋼等の他のバネ材料から形成され得、または別様にそれらを含み得る。後退アクチュエータ40がデバイスアクチュエータ10の作動に応じて解放されたとき、後退アクチュエータ40(およびエフェクタ50の他の部分)がエフェクタガイド104に沿って開口部130から離れて移動することができるように、後退アクチュエータ40は、エフェクタ本体50を介して展開アクチュエータ60に取り付けられる。この後退運動は、開口部から流動活性化体90および展開アクチュエータ60も引き離す。具体的には、少なくとも部分的に図4および5で示されるように、デバイス1の作動前、後退アクチュエータ40は、ポテンシャルエネルギーを貯蔵する圧縮状態にある。つまり、後退アクチュエータ40の中心は、後退アクチュエータ40の4本アームが弾性的に変形させられるように、組立中に下向きに押される。後退アクチュエータ40は、デバイス1が作動させられるまで基部100と係合している後退アクチュエータ40の耳部分103(図8および9参照)によって、この押下状態で保持される。しかしながら、デバイスアクチュエータ10がデバイス作動中に押し下げられたとき、解放要素30のアーム31が、基部100から耳部分103を解放するようにタブ41と係合し、後退アクチュエータ40の中心部分が開口部130から離れて後退方向に移動することを可能にする。展開アクチュエータ60および流動活性化体90が後退アクチュエータ40に取り付けられているので、開口部13から離れた上向きの後退アクチュエータ40の移動が、開口部130から流動活性化体90を後退させる。加えて、開口部130から離れた上向きの後退アクチュエータ40の移動はまた、開口部130から離して後退方向に展開アクチュエータ60を移動させ得る。いくつかの実施形態では、展開アクチュエータ60の全ての部分は、展開アクチュエータ60が開口部130から離れて後退方向に移動するときに、ある距離未満を移動し得る。いくつかの実施形態では、展開アクチュエータの全ての部分は、約10mm未満、約5mm未満、約3mm未満、約2mm未満、または約1mm未満を移動し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、図4に示されるように、スペーサ要素32が、展開アクチュエータ60と後退アクチュエータ40との間に位置する。スペーサ要素32は、展開アクチュエータ60と解放要素30との間の間隙を排除するのに役立ち得る。デバイスアクチュエータ10の作動は、解放要素30にスペーサ要素32を押し下げさせ得、それがひいては、展開アクチュエータ60を押し進め、展開アクチュエータ60に流動活性化体90を展開方向に移動させ得る。いくつかの実施形態では、流動活性化体90、展開アクチュエータ60、後退アクチュエータ40、およびスペーサ要素32は、実質的に同心円状に整列させられる。
【0026】
流動活性化体90のために展開アクチュエータ60および後退アクチュエータ40の両方を提供することによって、流動活性化体90は、展開および後退の両方のために任意の好適な移動を有するように制御され得る。例えば、流動活性化体90は、後退方向よりも展開方向に急速に移動させられ得、それは、血液を放出するように皮膚を穿刺するときに疼痛を潜在的に低減させることが分かっている。つまり、展開アクチュエータ60は、下向き凹状から上向き凹状構成まで比較的急速に移動し、流動活性化体90を皮膚または別の表面に迅速に挿入するように配列され得る。その後、流動活性化体90は、例えば、後退アクチュエータ40の減衰運動または他の好適な配列によって、展開アクチュエータ60よりも後退アクチュエータ40によって流動活性化体90に及ぼされる比較的低い力によって制御されるように、後退アクチュエータ40によって、よりゆっくりと皮膚から引き出され得る。他の実施形態では、別個の展開および後退アクチュエータを有することにより、後退方向等の別の方向よりも展開方向等の1つの方向で、より短い可動域を可能にし得る。例えば、展開のために比較的短い距離を流動活性化体90に移動させることによって、展開アクチュエータ60は、比較的小型に作製され得るが、流動活性化体90を皮膚に挿入するように好適に高い力を生成し得る。対照的に、後退中に流動活性化体90によって移動される比較的長い距離は、血液のプールまたは他の集まりが、デバイス1による受け取りのための空洞または他の空間に進入することを可能にするように、好適に活性化体90を引き出し得る。加えて、短い展開距離が、長い移動距離に固有の整列誤差を最小限化し得る。
【0027】
故に、本発明の一側面では、流動活性化体は、流動活性化体と皮膚または他の表面との間の最終的な後退後距離とは異なる、皮膚または別の表面からの最初の展開前距離に位置し得る。この側面は、エフェクタの一部としてのモータ、サーボ、または自動デバイスによって等、多くの異なる方法で提供することができるが、図1-5の実施形態のエフェクタ50は、流動活性化体90が展開前に開口部130に比較的近く、展開後に開口部130から比較的遠く離れて位置する、配列を提供し得る。図6A-6Cは、それぞれ、流動活性化体90の展開前の初期状態、標的皮膚または他の表面から流体の放出を引き起こすように、流動活性化体が開口部130から拡張されているか、または別様に位置付けられている中間状態、および流動活性化体90が後退させられている最終状態を含む、図1-5のデバイス1の3つの状態の一連の概略図を示す。
【0028】
図6Aで見ることができるように、開口部130と流動活性化体90との間の展開前距離181は、1mm以下等、比較的小さい。この状態で、後退アクチュエータ40は、圧縮され、展開アクチュエータ60は、下向き凹状配列にある。図6Bに示されるように、展開アクチュエータ60は、流動活性化体90が展開されるように、上向き凹状構成に反転される。後退アクチュエータ40はまた、例えば、ユーザが解放要素30を押し下げることによって、さらに圧縮され得るが、他の実施形態では、後退アクチュエータ40は、さらに圧縮、または変形させられる必要はない。図6Cに示されるように、開口部130と流動活性化体90との間の後退後距離183は、展開前距離181よりも大きく、場合によっては有意に大きくあり得る。例えば、流動活性化体90が開口部130から完全に後退させられる後退後距離183は、2~3mm以上であり得る。開口部130からの流動活性化体90の後退は、被検体から放出された血液または他の流体が集合し、および/またはデバイス1によって受け取られ得る空間を提供し得る。しかしながら、後退後距離が、展開前距離よりも小さい、または展開前距離と同一である、他の配列が可能であり、本発明の全ての側面は、この点に関して必ずしも限定されない。
【0029】
図7Aおよび7Bは、図1-5の実施形態のエフェクタ50の上面斜視図および底面斜視図を示し、エフェクタ50の運動が制御される方法をより良く図示するのに役立つ。図7Aに示されるように、後退アクチュエータ40は、中心孔を有する中心本体から放射状に広がる、8本の脚部を有する。より短い脚部のうちの2本が、後退アクチュエータ40の孔46を通って延在する2本の柱52を介して、後退アクチュエータ40をエフェクタ本体50に取り付ける。柱頭部52の直径は、孔46よりも大きく作製され、したがって、後退アクチュエータ40をエフェクタ本体50に固定し得る。後退アクチュエータ40は、代替として、接着剤(例えば、テープ、液体)、機械的締結(例えば、締り嵌め、スロット/溝、ネジ)、または熱的方法(例えば、熱かしめ)によって、エフェクタ本体50に取り付けられ得、この点に関して限定されない。後退アクチュエータ40の他の脚部48は、例えば、エフェクタ50の後退移動を提供するように、エフェクタ本体50に対して屈曲するように自由なままであり得る。脚部48のうちの2本は、基部100と係合し、流動活性化体90の展開前に圧縮された初期位置で後退アクチュエータ40を保持する働きをする、耳部分103を含む。耳部分103が基部100と係合するために本体に向かって移動することを可能にするように、空間または間隙43が、耳部分103とエフェクタ本体50との間に提供される。上記で説明され、図7Bに示されるように、展開アクチュエータ60は、中心孔66と、エフェクタ本体50の溝56内で保持されるローブ62とを含む。展開アクチュエータ60は、エフェクタ本体50に取り付けられるが、展開アクチュエータ60の中心部分64は、展開アクチュエータ60が移動して流動活性化体90を展開し得るように、エフェクタ本体50に対して変位可能なままである。
【0030】
上記で論議されるように、エフェクタ50は、基部100に載置され、基部100から突出するエフェクタガイド104を介して、運動を誘導され得る。図8は、後退アクチュエータ40が圧縮された初期状態で基部100と係合する方法を図示する、後退アクチュエータ40の接近図を示す一方で、図9は、圧縮された初期状態で後退アクチュエータ40を保持するように基部100と係合する、後退アクチュエータ40の脚部48のうちの2本の脚部上の耳部分103の接近図を示す。エフェクタ50がエフェクタガイド104によって好適に保持されると、基部100上の対応する突出101の下にタブ41の耳部分103を位置付けることができるように、エフェクタ50が下向きに押される。耳部分103が突出101と係合されると、脚部48のバネ力がエフェクタ50を付勢して後退方向に上向きに移動させるように、エフェクタ50が解放され得る。しかしながら、耳部分103が突出101と係合されることにより、エフェクタ50は、圧縮状態で保持される。この展開前配列では、流動活性化体90は、開口部130からの初期展開前距離181(図6参照)にあり得る。いくつかの実施形態では、この展開前距離181は、展開アクチュエータ60の作動が、流動活性化体90を被検体の皮膚に到達させ、流動活性化体90が皮膚を貫通および/または穿刺して流体流動を引き起こすことを可能にするように、配列され得る。したがって、初期半圧縮状態で後退アクチュエータ40を事前装填させることにより、デバイスアクチュエータ10の作動時に流動活性化体90が展開の準備ができた状態になることを可能にする、展開前距離181で流動活性化体90を保持し得る。
【0031】
図8はまた、後退アクチュエータ40が流動活性化体90を後退させるように解放され得る方法も図示する。デバイスアクチュエータ10および解放要素30が下向きに移動させられたときに、アーム31の傾斜部分が、タブ41を外向きに、かつエフェクタ本体50から離して押すように、解放要素30のアーム31が、タブ41と係合し得る。これは、突出101から耳部分103を解放し、後退アクチュエータ40の変形した脚部の付勢を受けて、エフェクタ50が上向きに移動することを可能にする。解放要素30は、ポリエステル(PETGまたはPCTA)、アセタール樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)等から形成され得、または別様にそれらを含み得る。この実施形態では、後退アクチュエータ40は、耳部分103および突出101を含む解放可能なラッチ配列を介して、基部100と係合することが示されているが、本発明は、この点に関して限定されないので、解放可能なレバー、摺動解放、戻り止め、楔を使用して、または極性を反転させることによって分離可能である磁石等の他の配列が可能である。
【0032】
本発明の別の側面では、エフェクタは、流動活性化体の任意の展開移動前、最初の貯蔵されたポテンシャルエネルギーを有し得る。つまり、エフェクタは、流動活性化体を展開および/または後退させ、あるいは流体受け取りデバイスの他の部品の他の運動を引き起こすために使用される、貯蔵されたバネエネルギー、または例えば、弾性的に変形させられた要素に貯蔵された他の機械エネルギー、貯蔵された化学エネルギー、貯蔵された電気エネルギー等を有し得る。上記で説明されるように、流動活性化体90の展開前、後退アクチュエータ40は、基部100上の突出要素101との脚部48の耳部分103の係合によって、圧縮状態で保持され得る。後退アクチュエータ40の圧縮は、流動活性化体90を後退させること等の異なる動作に使用することができるポテンシャルエネルギーを後退アクチュエータ40に貯蔵する。したがって、初期圧縮状態で後退アクチュエータ40を有することにより、デバイスの作動時にエネルギーがシステムに入力されることを要求することなく、後退アクチュエータ40がポテンシャルエネルギーを貯蔵し、作動の準備ができた状態になることを可能にする。
【0033】
本発明の別の側面では、流動活性化体は、後退方向よりも展開方向に速く移動し得る。上記で論議される実施形態では、展開アクチュエータ60は、急速に、例えば、双安定的に、初期展開前位置から展開位置に移動するように配列され得る。対照的に、後退アクチュエータ40は、例えば、比較的低いバネ定数または他の特性を有し、後退運動の少なくとも一部の間に、より遅い速度で流動活性化体90を移動させるように配列され得る。一組の実施形態では、流動活性化体90は、流動活性化体90が最初に皮膚に接触する点で、少なくとも約0.1cm/秒、少なくとも約0.3cm/秒、約1cm/秒、少なくとも約3cm/秒、少なくとも約10cm/秒、少なくとも約30cm/秒、少なくとも約1m/秒、少なくとも約2m/秒、少なくとも約3m/秒、少なくとも約4m/秒、少なくとも約5m/秒、少なくとも約6m/秒、少なくとも約7m/秒、少なくとも約8m/秒、少なくとも約9m/秒、少なくとも約10m/秒、少なくとも約12m/秒等の速度で、展開することができる。いずれの理論によっても拘束されるわけではないが、比較的速い展開速度は、(皮膚を変形させること、または応答して皮膚を移動させることなく)皮膚を貫通する流動活性化体の能力を増加させ、および/または皮膚への流動活性化体の適用によって感じられる疼痛の量を減少させ得ることが考えられる。本明細書で説明されるものを含む、皮膚への貫通速度を制御する任意の好適な方法が使用され得る。
【0034】
流動活性化体90の後退は、例えば、流動活性化体90の引き出しと関連付けられる任意の疼痛を低減させるのに役立つように、展開よりも遅い速度で起こり得る。後退アクチュエータ40が、例えば、バネ、弾性部材、折り畳み式発泡体等の場合のように、電気的に制御されない機械要素のみを含む場合、バネまたは他の要素は、所望の後退速度を提供するように設計され、または別様に配列され得る。代替として、1つ以上のダンパ等の他の機械要素が、引き出し速度を制御するように提供され得る。いくつかのサーボ、空気圧システム等の他の電気的に制御されたシステムは、所望の後退速度を提供するように、開または閉ループ制御を組み込み得る。手動操作型後退アクチュエータの場合、ユーザは、後退の速度を制御することが可能であり得る。例えば、バネの形態の後退アクチュエータは、力がデバイスアクチュエータから徐々に排除された場合、よりゆっくりと後退し得る。しかしながら、力が急激に除去された(例えば、ユーザがデバイスアクチュエータを突然解放した)場合、後退は、より迅速に起こり得るが、可能な限り速い後退速度は、展開速度よりも依然として遅くあり得る。
【0035】
いくつかの側面では、流体受け取りデバイスは、被検体から受け取られた流体を保持するための1つ以上のチャンバまたは容器140を含み得る。場合によっては、チャンバは、1つ以上の流体輸送体および/または1つ以上の流体チャネルと流体連通し得る。例えば、流体受け取りデバイスは、(例えば、貯蔵および/または以降の分析のために)被検体から引き出された流体を収集するためのチャンバ、被検体に運搬するための流体(例えば、血液、生理食塩水、薬剤、ホルモン、ビタミン、医薬品等を随意的に含む)を含むためのチャンバ等を含み得る。
【0036】
本発明の一側面では、デバイスは、真空源を含み得る。真空(周囲以下の圧力)は、デバイスの開口部130の中への流体流動を促進するのに役立ち得、および/または流動活性化体90と接触するために開口部130の中へ皮膚を引き込むのに役立ち得、および/または開口部130からチャンバ140までの流体流動を促進するのに役立ち得る。場合によっては、真空源は、デバイス内で内蔵型であるものであり得、すなわち、デバイスは、皮膚から、および/または皮膚下から、血液または間質液を引き出すために、デバイスの使用中に外部真空源(例えば、家庭用真空)に接続される必要がない。例えば、図4に示されるように、一組の実施形態では、真空源は、血液(または他の流体)がデバイスの中へ引き込まれる前に周囲圧力より低い圧力を有する、真空源156を含み得、すなわち、真空源156は、「陰圧」(つまり、周囲圧力に対して負である)または「減圧」(または単に「真空」を有する)にあり得る。例えば、周囲圧力が大気圧にある場合、真空源の中の真空は、少なくとも約50mmHg、少なくとも約100mmHg、少なくとも約150mmHg、少なくとも約200mmHg、少なくとも約250mmHg、少なくとも約300mmHg、少なくとも約350mmHg、少なくとも約400mmHg、少なくとも約450mmHg、少なくとも約500mmHg、少なくとも550mmHg、少なくとも600mmHg、少なくとも650mmHg、少なくとも約700mmHg、または少なくとも約750mmHgであり得、すなわち、周囲大気圧より低い。しかしながら、他の実施形態では、他の圧力が使用され得ること、および/または異なる方法が(大気圧より大きい、または大気圧未満の)他の圧力を産生するために使用され得ることを理解されたい。非限定的実施例として、外部真空または機械デバイスが、真空源として使用され得る。例えば、デバイスは、内部真空源を備え得、および/または真空ポンプあるいは外部(ライン)真空源等のデバイスの外部にある真空源に接続可能であり得る。場合によっては、真空は、手動で、例えば、シリンジポンプ、プランジャ等を操作することによって作成され得、または低い圧力は、機械的または自動的に、例えば、ピストンポンプ、シリンジ、バルブ、ベンチュリ管、手動(口)吸引等を使用して作成され得る。
【0037】
したがって、場合によっては、デバイスは、好適な真空源(例えば、事前に真空排気された真空源156)とともに「事前包装」され得、例えば、一実施形態では、デバイスは、皮膚に適用され、真空源を作成し、および/またはそれにアクセスするように、何らかの様式で起動され得る。いくつかの実施形態では、内蔵型真空源が、デバイス内で真空を作成するように、何らかの様式で作動させられ得る。例えば、内蔵型真空源は、ピストン、シリンジ、デバイス内で真空を作成することが可能な真空ポンプ等の機械デバイス、および/または、反応によって駆動される機械または他の手段の助けを借りて、圧力調節器と関連付けられる圧力差を形成することができる、圧力を上昇または低下させるように反応することができる化学物質あるいは他の反応物質を含み得る。化学反応はまた、化学反応自体に基づく圧力の変化を伴って、または伴わずに、機械的作動を駆動することもできる。内蔵型真空源はまた、膨張性発泡体、形状記憶材料等を含むこともできる。
【0038】
場合によっては、デバイスは、デバイスが皮膚および/または開口部130に真空を印加するのに役立つことができる界面105(図2、4、および5参照)を含む。界面105は、例えば、吸引カップ、Katecho 10Gまたは他の好適なヒドロゲル等のヒドロゲル材料の層、あるいは皮膚の表面上に配置される円形のボウルであり得、真空は、界面105によってデバイス1にさらされる皮膚の部分に印加され得る。一組の実施形態では、界面は、支持構造、例えば、基部100の一部である。界面105は、任意の好適な材料、例えば、ガラス、ゴム、シリコーン、ポリウレタン、ニトリルゴム、EPDMゴム、ネオプレン等のポリマーから形成され得る。場合によっては、界面105と皮膚との間のシールは、例えば、真空グリース、ワセリン、ゲル、接着剤等を使用して、強化され得る(例えば、漏出を低減させる)。場合によっては、界面105は、比較的小さく、例えば、約5cm未満、約4cm未満、約3cm未満、約2cm未満、約1cm未満、約5mm未満、約4mm未満、約3mm未満、約2mm未満、または約1mm未満の直径を有し得る。界面105は、円形であり得るが、他の形状、例えば、正方形、星形(5、6、7、8、9、10、11個等の先端を有する)、涙滴状、卵形、長方形等も可能である。
【0039】
いくつかの実施形態では、真空源からの真空は、流体輸送体の開口部から貯蔵容器までの血液または他の流体の移動を促進し得る。図1-5の実施形態では、真空が、真空源156(例えば、デバイスカバー20、基部100、および膜72の間に封入される空間)の大部分に貯蔵され得る。真空源156の中の真空は、開口部130における流体をチャネル110の中に、およびチャンバ140へ引き込ませるよう、貯蔵チャンバ140に選択的に連結され得る。例えば、図5で見ることができるように、1つ以上のチャネル110が、基部100の中に形成され、または別様に開口部130と貯蔵チャンバ140との間に提供され得る。チャネル110は、チャネル板80の下面によって上側で覆われ得る。いくつかの実施形態では、チャネル板80、膜72、およびシール76は、単一の部品を形成することができる。(チャネル110に対する追加の構成オプションが以下で論議される。)チャネル板80は、チャネル110を画定するのに役立つだけでなく、流体輸送体120における空洞の少なくとも一部分、貯蔵チャンバ140の一部、真空源156と貯蔵チャンバ140との間の流動の制御に使用される真空入口154および流路150、ならびにチャネル110と貯蔵チャンバ140との間の流路を画定し得る。つまり、図4および10に示されるように、チャネル板80は、開口部130からの流動が、チャネル110および貯蔵チャンバ140を接続するチャネル板80内の開口部144までチャネル110を通過し得るように、開口部130と真空源156との間の流路を画定するのに役立つ。開口部144は、フィルタ、(例えば、貯蔵チャンバ140の中の水性流体が後にチャンバ140から退出することを防止するのに役立つ)疎水性要素、一方向弁を含み得、または完全に遮るものがなくてもよい。図10で見ることができるように、流動はまた、貯蔵チャンバ140から、チャネル板80の中の通路150を通って、真空入口154まで起こり得る。真空入口154は、通常、開口部130および真空源156の中の低い圧力に対する他の潜在的出口から真空源156を隔離するのにも役立つ、膜72の一部であり得る、シール76によって閉鎖される。図4で見ることができるように、後退アクチュエータ40が圧縮された初期状態にあるとき、通路150を閉鎖し、真空源156と貯蔵チャンバ140との間の連通を防止するよう、シール脚部49がシール76を押して真空入口154と接触させるように、シール76は、後退アクチュエータ40の脚部48のうちの1本(シール脚部49)と係合される。しかしながら、いったん後退アクチュエータ40が解放されると、シール脚部49は、上向きに移動し得、および/またはシール76へのシール脚部49の力は、貯蔵チャンバ140から真空源156までの流動のために真空入口154が開く点まで、低減させられ得る。したがって、いったんシール76が真空入口154を開くと、真空源156は、チャネル110の中の流体が貯蔵チャンバ140の中に引き込まれるように、貯蔵チャンバ140から流体(例えば、空気および/または液体)を引き込み得る。示されていないが、液体が貯蔵チャンバ140から真空源156の中へ流れることを防止するように、疎水性膜または他の好適な要素が、真空入口154または他の好適な場所(通路150の中等)で提供され得る。
【0040】
本発明の一側面によれば、流体輸送体の開口部と真空源との間の流体連通は、流動活性化体の作動に応答して、または流動活性化体の作動の前に、可能にされ得る。例えば、デバイスアクチュエータ10の押下が、真空源156と貯蔵チャンバ140/開口部130との間の連通を可能にし得る。他の配列が可能であるが、図1-10の例証的実施形態では、いったん流動活性化体90が作動させられると(例えば、展開および後退が開始されると)、真空源156と貯蔵チャンバ140との間の流体連通を可能にするよう、シール76が真空入口154から解放され得るように、シール76は、後退アクチュエータ40のシール脚部49に連結され得る。この実施形態では、流動活性化体90が後退させられるにつれて、後退アクチュエータ40のシール脚部49が、真空入口154から離れて移動する(または少なくともシール76への圧力を低減させる)が、流動活性化体90の展開時に、または流動活性化体90の移動における任意の他の時点で、ならびに移動が始まる前、または移動が完了した後に、シール76の開放を配列することが可能である。例えば、真空源156と貯蔵チャンバ140との間の流動は、例えば、流動活性化体90の展開に伴って、または流動活性化体90の完全後退時に、膜または箔を穿刺することによって可能にされ得る。一実施形態では、膜シールが、開口部130に位置することができ、流動活性化体90自体は、膜を穿孔する働きをし、開口部130から真空源156までの流動を可能にすることができる。したがって、この穿孔は、貯蔵チャンバ140の中へ流体を引き込むように、開口部130における流体を真空にさらす働きをすることができる。当然ながら、膜シールは、真空入口154等の開口部130以外の場所に位置し得、膜を穿孔するために、解放要素30上のスパイク等の別個の穿刺要素を使用することができる。流動活性化体の作動に応答して、(化学真空源または真空ポンプ等の)真空源を作動させること等の他の配列も可能である。例えば、後退アクチュエータ40が後退方向に移動するにつれて、貯蔵チャンバ140において吸引を生成するようピストンが移動させられるように、後退アクチュエータ40は、シリンジに連結され得る。
【0041】
上記の説明から理解されるように、本発明の別の側面では、流動活性化体は、流動活性化体を展開するように展開方向に移動させられ、流動活性化体を後退させるとともに、真空源と流体輸送体の開口部との間の流体連通を可能にするように後退方向に移動させられ得る。上記で説明される例証的実施形態では、流動活性化体90が後退させられるにつれて、シール76は、真空入口154から解放され得る。シール76における流路の開放は、後退の開始時に、後退中に、および/または後退が完了した後に起こり得る。いくつかの実施形態では、シール76および流動活性化体90は、両方とも、後退アクチュエータによって同じ後退方向に移動させられ得る。つまり、後退中、チャネル110を通る真空源156とデバイス開口部130との間の流体連通を可能にするように、流動活性化体90は、後退させられ得、シール76は、持ち上げられ得る。シール76は、ラテックス、または熱可塑性エラストマー(TPE)あるいはポリウレタン等の他の可撓性材料から形成され得、または別様にそれらを含み得る。他の実施形態では、シール76への力は、真空源156の中の比較的低い圧力に貯蔵チャンバ140から真空源156までの流動を発生させるように、十分に解放され得る。したがって、シール76は、必ずしも真空入口154から持ち上げられる必要はないが、代わりに、好適な圧力差がシール76をわたって存在し、貯蔵チャンバ140から真空源156までの流動を可能にするが、入口154を通る流動を別様に阻止する、所望のクラック圧を有する一種の逆止め弁の役割を果たし得る。流体連通を開くように膜を穿刺する後退アクチュエータ40上のスパイク等の、流動活性化体の後退中に流体連通を開くための他の配列が可能である。別の実施形態では、電気スイッチが、後退アクチュエータによって開かれ、または閉じられ得、(ポンプ等の)真空源を起動させる。別の実施形態では、後退アクチュエータの移動は、ラッチまたは他のデバイスを解放し得、それは、バネ荷重シリンジピストンまたは他のデバイスが移動することを可能にし、所望の真空を作成する。別の実施形態では、後退アクチュエータ40自体の後退移動が、所望の真空を提供するようにシリンジピストンまたは他のデバイスを移動させ得る。したがって、真空源と流体輸送体の開口部との間の流体連通を可能にすることは、流動を遮断する弁または他のデバイスの開放を必ずしも伴う必要はないが、代わりに、流動を引き起こすための好適な真空の作成を伴い得る。他の配列も、可能である。
【0042】
本発明の別の側面では、流動活性化体を展開および/または後退させるエフェクタもまた、流体輸送体の開口部と真空源との間の流体連通を可能にし得る。流動活性化体を展開および/または後退させるとともに、流体輸送体と真空源との間の流体連通を開くための単一の構成要素またはアセンブリを提供することにより、いくつかの実施形態では、動作または構造がより単純である流体受け取りデバイスを提供し得る。例えば、図1-10の実施形態における後退アクチュエータ40等の単一のデバイスは、後退させるとともに、流路を開く働きをし得る。これは、流体受け取りデバイスの構築に必要とされる部品を低減させ、費用および/または組立の複雑性を低減させ得る。当然ながら、エフェクタは、必ずしも展開および後退機能の両方を果たす必要はないが、代わりに、流体連通を可能にするとともに、展開のみまたは後退のみを提供し得る。例えば、流動活性化体が、展開後に後退させられず、代わりに、真空が流動活性化体に印加されるとき、流体を引き出すために皮膚に埋め込まれたままとなることが許される実施形態において、例えば、エフェクタは、流動活性化体を展開し、流体輸送体の開口部と真空源との間の流体連通を可能にすることのみの働きをし得る。上記で論議されるように、流体輸送体の開口部と真空源との間の流体連通を可能にすることは、弁または類似構造(シール76等)を開くこと、膜を穿刺すること、真空源を作動させること(シリンジプランジャまたは類似要素を移動させること等)、化学操作型真空源を起動すること等によるなど、異なる方法で提供され得る。
【0043】
本発明の別の側面では、流動活性化体および真空シールは、例えば、単一の一体構造または構成要素の一部として、一緒に取り付けられ得る。例えば、図4および5に示されるように、流動活性化体90が、例えば、流動活性化体90を膜と共同成形すること、流動活性化体90を膜に接着すること等によって、膜72に取り付けられ得る一方で、シール76は、膜72自体の一部から形成される。そのような配列は、組立を容易にし、流体受け取りデバイス1の中の構成要素の数を削減し得る。
【0044】
上記で論議されるように、シール76の移動によって可能にされる流動は、チャネル110に沿って貯蔵チャンバ140への流動を引き起こし得る。チャネル110は、少なくとも部分的に、単一の構成要素、例えば、基部100等のエッチングされた基材または成形ユニットによって、形成され得る。チャネルは、任意の断面形状、例えば、円形、卵形、三角形、不整形、正方形、または長方形(任意の縦横比を有する)等を有することができ、かつ覆うこと、または覆いを取ることができる(すなわち、チャネルを包囲する外部環境に開いている)。チャネル110は、任意の長さであり得る。場合によっては、チャネル110は、開口部130と真空源または貯蔵容器等の別の容器との間に流体連結を作成する、単純な2次元開口部であり得る。これらの場合において、チャネルは、(例えば、2次元開口部の場合のように)いかなる長さも全く持たなくてもよい。チャネルが完全に覆われる実施形態では、チャネルの少なくとも一部分が、完全に封入される断面を有することができ、および/またはチャネル全体が、その入口および出口を除いて、その全長に沿って完全に封入され得る。
【0045】
チャネルは、任意の縦横比(長さ対平均断面寸法)、例えば、少なくとも約2:1、より典型的には、少なくとも約3:1、少なくとも約5:1、少なくとも約10:1等の縦横比を有し得る。本明細書で使用される場合、流体またはマイクロ流体チャネルを参照した、「断面寸法」は、チャネル内の流体流動に対して略垂直な方向で測定される。チャネルは、概して、流体輸送に対する制御を促進する特性、例えば、構造的特性および/または物理的あるいは化学的特性(疎水性対親水性)、および/または流体に力(例えば、抑制力)を及ぼすことができる他の特性を含むであろう。チャネル内の流体は、部分的または完全にチャネルを充填し得る。場合によっては、流体は、例えば、表面張力を使用して(例えば、流体が、凹状または凸状メニスカス等のメニスカス内のチャネル内で保持されるように)、何らかの様式でチャネルまたはチャネルの一部分内に保持または拘束され得る。部品または基材では、チャネルのいくらか(または全体)が、特定のサイズ以下であり得、例えば、場合によっては、約5mm未満、約2mm未満、約1mm未満、約500ミクロン未満、約200ミクロン未満、約100ミクロン未満、約60ミクロン未満、約50ミクロン未満、約40ミクロン未満、約30ミクロン未満、約25ミクロン未満、約10ミクロン未満、約3ミクロン未満、約1ミクロン未満、約300nm未満、約100nm未満、約30nm未満、または約10nm未満、あるいはそれ以下の流体流動に対して垂直な最大寸法を有する。一実施形態では、チャネルは、毛細管である。
【0046】
一組の実施形態では、デバイスは、マイクロ流体チャネルを含み得る。本明細書で使用される場合、「マイクロ流体」、「顕微鏡的」、「マイクロスケール」、「マイクロ」という接頭辞(例えば、「マイクロチャネル」の場合のような)等は、概して、約1mm未満、場合によっては約100ミクロン(マイクロメートル)未満の幅または直径を有する要素または部品を指す。いくつかの実施形態では、より大きいチャネルが、本明細書で論議される実施形態のうちのいずれかのためのマイクロ流体チャネルの代わりに、またはそれと併せて使用され得る。例えば、約10mm未満、約9mm未満、約8mm未満、約7mm未満、約6mm未満、約5mm未満、約4mm未満、約3mm未満、または約2mm未満の幅または直径を有するチャネルが、ある場合において使用され得る。場合によっては、要素または部品は、それを通って流体が流れることができる、チャネルを含む。全ての実施形態では、特定された幅は、最小幅(すなわち、その場所で、部品が異なる寸法においてより大きい幅を有することができる場合に特定されるような幅)、または最大幅(その場所で、部品が、特定されるものより広くない幅を有するが、より大きい長さを有することができる場合)であり得る。したがって、例えば、マイクロ流体チャネルは、約1mm未満、約500ミクロン未満、約300ミクロン未満、または約100ミクロン未満の平均断面寸法(例えば、マイクロ流体チャネルの中の流体の流動方向に対して垂直である)を有し得る。場合によっては、マイクロ流体チャネルは、約60ミクロン未満、約50ミクロン未満、約40ミクロン未満、約30ミクロン未満、約25ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、約3ミクロン未満、または約1ミクロン未満の平均直径を有し得る。
【0047】
被検体の皮膚から、および/または皮膚下から受け取られる流体は、しばしば、診断目的で重要である、体内の種々の被分析物、例えば、(例えば、糖尿病に対する)グルコース等の種々の病状に対するマーカーを含むであろう。他の被分析物例は、(例えば、脱水症を決定するための)ナトリウム、カリウム、塩化物、カルシウム、マグネシウム、および/または重炭酸塩等のイオン、二酸化炭素または酸素等のガス、H(すなわち、pH)、尿素、血中尿素窒素、またはクレアチニン等の代謝産物、(例えば、妊娠、違法薬物使用等を決定するための)エストラジオール、エストロン、プロゲステロン、プロゲスチン、テストステロン、アンドロステンジオン等のホルモン、またはコレステロールを含む。他の例は、インスリン、またはホルモンレベルを含む。なおも他の被分析物は、(例えば、肝機能検査のための)高密度リポタンパク質(「HDL」)、低密度リポタンパク質(「LDL」)、アルブミン、アラニンアミノ基転移酵素(「ALT」)、アスパラギン酸アミノ基転移酵素(「AST」)、アルカリホスファターゼ(「ALP」)、ビリルビン、乳酸脱水素酵素等、(例えば、受胎能検査のための)黄体形成ホルモンまたはベータヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、(例えば、凝固検査のための)プロトロンビン、(例えば、心臓マーカーとしての)トロポニン、BNT、またはB型ナトリウム利尿ペプチド等、インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、またはRSV等に対する感染症マーカー等を含むが、それらに限定されない。
【0048】
流体受け取りデバイス1は、被検体から受け取られる流体の1つ以上の特性を検出するための1つ以上のセンサを含み得る。センサは、貯蔵チャンバ140において、チャネル110において、カバー20の上等で、デバイスに対して任意の好適な方法または場所で位置し得る。例えば、デバイス1は、pHセンサ、光センサ、酸素センサ、物質の濃度を検出することが可能なセンサ等を含み得る。本発明で有用であるセンサの非限定的例は、染料ベースの検出システム、親和性ベースの検出システム、微細加工重量分析器、CCDカメラ、光検出器、光学顕微鏡システム、電気システム、熱電対およびサーミスタ、圧力センサ等を含む。当業者であれば、他の好適なセンサを識別することができるであろう。センサは、場合によっては、デバイスの外部にあり得る、またはある場合においてはデバイスに微細加工され得る、比色検出システムを含むことができる。比色検出システムの例として、染料または蛍光実体が(例えば、粒子で)使用される場合、比色検出システムは、染料または蛍光実体の周波数および/または強度の変化または偏移を検出することが可能であり得る。
【0049】
一組の実施形態では、センサは、試験紙片、例えば、商業的に入手することができる試験紙片であり得る。試験紙片の例は、グルコース試験紙片、尿試験紙片、妊娠試験紙片等を含むが、それらに限定されない。試験紙片は、典型的には、紙または他の材料の帯、断片、または細片を含み、例えば、被分析物と相互作用および/または関連することが可能な診断薬または反応実体への被分析物の結合を介して、被分析物を決定することが可能な1つ以上の領域を含むであろう。例えば、試験紙片は、種々の酵素または抗体、ブドウ糖酸化酵素、および/またはヘキサシアノ鉄酸塩等を含み得る。試験紙片は、試験紙片の種類に応じて、例えば、グルコース、コレステロール、クレアチニン、ケトン、血液、タンパク質、亜硝酸塩、pH、ウロビリノーゲン、ビリルビン、白血球、黄体形成ホルモン等を決定することが可能であり得る。試験紙片は、任意の数の異なる方法で使用され得る。場合によっては、試験紙片は、商業的に入手され、例えば、被検体から血液、間質液、または他の流体を受け取る前または後に、デバイスに挿入され得る。例えば、デバイス自体が被分析物を決定するように、デバイスがセンサとして試験紙片を使用する実施形態では、血液または他の流体の少なくとも一部分が、被分析物を決定するように試験紙片に暴露され得る。場合によっては、デバイスは、事前装填された試験紙片とともに販売され得、またはユーザが、試験紙片をデバイスに挿入する(および随意で、使用間に試験紙片を交換する)必要があり得る。ある場合において、試験紙片は、ユーザによって除去可能ではないデバイスの一体部分を形成し得る。いくつかの実施形態では、被検体から引き出された血液または他の流体への暴露後、試験紙片は、デバイスから除去され、例えば、試験紙片を決定することが可能な他の装置、例えば、市販の試験紙片読取機を使用して、外部で決定され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、デバイスは、血球および他の物質に対して不透過性である分離膜を含み得る。被検体から受け取られる流体は、分離膜を通って流れ、受け取られた流体は、種々のサイズの成分を含み得る。例えば、デバイスは、いくつかある成分の中でも、血球、凝固因子、タンパク質、および血漿を含む、血液を受け取り得る。血球等のより大きい成分および他のより大きい物質が、分離膜を通過することができない場合がある一方で、血漿は、自由に通過することができる。いくつかの実施形態では、この血漿は、貯蔵チャンバの中へ収集される。抗凝固剤が血漿に導入されない場合、フィブリノゲン等の凝固因子を含む血漿は、凝固し、それにより、固体血栓成分および液体成分をもたらし得る。この液体成分は、フィブリノゲンまたは他の凝固因子がない血漿である、血清として知られている。この血清は、貯蔵チャンバの中に血栓を残して、貯蔵チャンバからの分離または他の好適な方法を介して収集することができる。抗凝固剤が血漿に導入された場合、血漿は凝固せず、代わりに、血漿を貯蔵チャンバから収集することができる。したがって、本明細書の全体を通して説明される実施形態は、血漿または血清を産生するために使用され得る。血漿および血清の産生に関するさらなる詳細は、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、本明細書と同日付に出願された、それぞれ「Plasma or Serum Production and Removal of Fluids Under Reduced Pressure」と題された米国および国際特許出願で見出すことができる。また、2011年4月29日に出願された、Haghgooieらによる「Plasma or Serum Production and Removal of Fluids Under Reduced Pressure」と題された米国仮特許出願第61/480,941号も、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0051】
いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスの少なくとも一部分、デバイスから除去される流体、流体内に存在する疑いがある被分析物等を決定するための外部装置に接続され得る。例えば、デバイスは、外部分析装置に接続され得、流体は、後に分析するためにデバイスから除去され得るか、または流体は、例えば、1つ以上の反応実体を、デバイスに、例えば、貯蔵チャンバに、またはデバイス内の分析チャンバに追加することによって、原位置においてデバイス内で分析され得る。いくつかの実施形態では、検定ディスク200または膜が、図4に示されるように、貯蔵チャンバ140に含まれ得る。一実施形態では、外部装置は、デバイス上のポートまたは他の好適な表面と嵌合するためのポートまたは他の好適な表面を有し得、任意の好適な技法を使用して、例えば、真空または圧力等を使用して、血液、間質液、または他の流体を、デバイスから除去することができる。血液または他の流体は、外部装置によって除去され、随意で、何らかの様式で貯蔵および/または分析され得る。例えば、一組の実施形態では、デバイスは、デバイスから流体(例えば、血液)を除去するための出口ポートを含み得る。いくつかの実施形態では、デバイスの中の貯蔵チャンバ内に含まれる流体は、デバイスから除去され、後に使用するために貯蔵され、またはデバイスの外側で分析され得る。場合によっては、出口ポートは、流体輸送体から分離し得る。場合によっては、出口ポートは、場合によっては流体貯留部としての機能も果たすことができる、真空源と流体連通することができる。デバイスから血液、間質液、または他の流体を除去するための他の方法は、真空ラインを使用した除去、ピペット、出口ポートの代わりに隔壁を通した抽出等を含むが、それらに限定されない。場合によっては、デバイスはまた、例えば、デバイス内の流体内の細胞または他の物質の分離を発生させるように、遠心分離機の中に位置付けられ、種々の重力(例えば、少なくとも50gの求心力)を受け得る。
【0052】
デバイスは、抗凝固剤、あるいは、皮膚から、および/または皮膚下から引き出された流体を安定させるための安定剤を含み得る。具体的な非限定的実施例として、抗凝固剤は、皮膚から引き出された血液に使用され得る。抗凝固剤の例は、ヘパリン、クエン酸塩、トロンビン、シュウ酸塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ポリアネトールスルホン酸ナトリウム、クエン酸デキストロースを含むが、それらに限定されない。例えば、溶剤、希釈材、緩衝剤、キレート剤、酵素阻害薬(例えば、プロテアーゼまたはヌクレアーゼ阻害薬)、酸化防止剤、結合剤、防腐剤、抗菌剤等の安定剤といった、他の薬剤が、抗凝固剤と併せて、またはその代わりに使用され得る。防腐剤の例は、例えば、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、パラベン、またはチメロサールを含む。酸化防止剤の非限定的例は、アスコルビン酸、グルタチオン、リポ酸、尿酸、カロチン、アルファ・トコフェロール、ユビキノール、またはカタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、あるいはペルオキシダーゼ等の酵素を含む。抗菌剤の例は、エタノールまたはイソプロピルアルコール、アジド等を含むが、それらに限定されない。キレート剤の例は、エチレングリコール四酢酸またはエチレンジアミン四酢酸を含むが、それらに限定されない。緩衝剤の例は、当業者に公知であるもの等のリン酸緩衝剤を含む。
【0053】
一組の実施形態では、デバイスの少なくとも一部分が、デバイス内に含まれる抗凝固剤を示すように着色され得る。場合によっては、使用される色は、VacutainersTM、VacuettesTM、または他の市販の静脈切開機器のために商業的に使用されるものと同一または同等であり得る。例えば、薄紫および/または紫色が、エチレンジアミン四酢酸を示し得、明るい青色が、クエン酸塩を示し得、紺青色が、エチレンジアミン四酢酸を示し得、緑色が、ヘパリンを示し得、灰色が、フッ化物および/またはシュウ酸塩を示し得、橙色が、トロンビンを示し得、黄色が、ポリアネトールスルホン酸ナトリウムおよび/またはクエン酸デキストロースを示し得、黒色が、クエン酸塩を示し得、茶色が、ヘパリンを示し得る等である。しかしながら、他の実施形態では、他の着色システムが使用され得る。
【0054】
必ずしも抗凝固剤を示すわけではない、他の着色システムが、本発明の他の実施形態で使用され得る。例えば、一組の実施形態では、デバイスは、デバイスの推奨身体使用部位を示す色、例えば、背部上の配置のために好適なデバイスを示す第1の色、脚の上の配置のために好適なデバイスを示す第2の色、腕の上の配置のために好適なデバイスを示す第3の色等を付けている。
【0055】
既述のように、一組の実施形態では、本明細書で論議されるような本発明のデバイスは、分析のために別の場所に発送され得る。場合によっては、デバイスは、デバイス内、例えば、流体のための貯蔵チャンバ内に含まれる抗凝固剤または安定剤を含み得る。したがって、例えば、皮膚および/または皮膚下から引き出された血液または間質液等の流体が、デバイス内のチャンバ(例えば、貯蔵チャンバ)に運搬され得、次いで、デバイスまたはデバイスの一部分(例えば、モジュール)が、分析のために別の場所に発送され得る。例えば、郵便を介した、任意の形態の発送が使用され得る。
【0056】
(代替的実施形態)
本発明の1つ以上の側面を組み込み得る代替的実施形態が、以下でさらに論議される。
【0057】
流体受け取りデバイスの種々の構成要素が、異なる方法で修正され得、図1-10に関して論議される実施形態は、本発明の側面を限定するために使用されるべきではないことを理解されたい。例えば、1つの代替的実施形態では、デバイス1の後退アクチュエータ40は、2つの別個の要素を含み得る。図11-14は、後退アクチュエータ40が、リトラクタ部分42と、シールアクチュエータ部分44とを含む実施形態を示す。図11および12に示されるように、リトラクタ部分42およびシールアクチュエータ部分44は、積み重ねられ、5本の柱52を介してエフェクタ本体50に連結される。任意の数の柱が、使用され得る。柱52は、ポリエステル(PETGまたはPCTA)またはABS、アセタール樹脂、ポリスチレン等の他のポリマーから形成され得、または別様にそれらを含み得る。代替として、リトラクタ部分42およびシールアクチュエータ部分44は、単一の柱、糊、テープ、または他の接着剤等を介して、エフェクタ本体50に連結され得る。図12は、リトラクタ部分42がエフェクタ50に対して自由に屈曲することができる脚部48を含むことを示す。シールアクチュエータ部分44は、タブ41と、シール76に連結されるシール脚部49とを含む。リトラクタ部分42およびシールアクチュエータ部分44の両方は、別様に、上記で説明される後退アクチュエータ40と本質的に同一の特徴を有する。後退アクチュエータ40を2つの部分に分離することによって、各々は、所望の特徴を有するように設計および構築され得る。例えば、いくつかの実施形態では、高度に弾性の材料でできた脚部48を有することが望ましくあり得る一方で、タブ41およびシール脚部49は、例えば、後退アクチュエータ40が上向きに移動するにつれてシール76を解放するのに役立つように、あまり弾性ではない材料で作製され得る。加えて、図13に示されるように、膜72は、シール76から独立して作製され得、例えば、シール76は、アクチュエータ40のシール脚部49の一部として形成され得る。いくつかの実施形態では、流動活性化体90は、柱、ロッド、またはその他等の伝達構造94を介して、展開アクチュエータ60に機械的に連結され得る。図13に示されるように、柱94は、膜72、流動活性化体90、および展開アクチュエータ60に連結され、例えば、損失をほとんど伴わずに、展開アクチュエータ60から流動活性化体90まで移動を伝達するのに役立つように、比較的剛にまたは非柔軟に作製され得る。図15-18は、図1-10の実施形態に非常に類似するが、初期圧縮状態で後退アクチュエータ40を保持するために使用されるラッチ配列が修正されるさらに別の実施形態を示す。この例証的実施形態では、デバイス1は、デバイスの動作中に基部100に対して回転する、回転可能な解放要素170を含む。(回転可能な解放要素170および基部100の対応する部分は、図1-10の実施形態の解放要素30および後退アクチュエータ40のタブ41に取って代わる。)解放要素170のスピナランプ174は、最初に、エフェクタガイド104のロックアウトランプ161と係合し、デバイス1の作動前、回転可能な解放要素170を定位置で保持する。図16は、デバイス1の作動前の初期係合の接近図を示す。しかしながら、回転可能な解放要素170がデバイス作動(例えば、デバイスアクチュエータ10の押下)中に基部100に向かって移動させられるとき、解放要素170が基部100に向かって移動するにつれて、スピナランプ174が摺動し、ロックアウトランプ161を通過するように、解放要素170は、わずかに回転する。(デバイスアクチュエータ10の作動時の解放要素170の下向き移動が、所望の回転を引き起こすように、解放要素170のわずかな回転が、基部100の対応する傾斜または他の表面に接触する、要素170上の傾斜または他の角度付き表面によって引き起こされ得る。)その後、解放要素170への圧力がユーザによって解放されると、スピナ解放ランプ175が基礎解放ランプ160を通過するように回転可能な解放要素170が回転するように、解放要素170が上向きに移動するにつれて、スピナ解放ランプ175は、基礎解放ランプ160に係合する。これは、後退アクチュエータ40が後退すること、例えば、流動活性化体90を後退させることを可能にし得る。さらに他の実施形態では、流体受け取りデバイス10は、上記で提案されるように、他の方法で配列され得る。例えば、図19-25に示される一実施形態では、流体受け取りデバイス1は、ユーザによって、または別様に指で押下することによって、作動させることができる、水平摺動トリガ304を含む。上記で説明され、図19および20に示されるような実施形態と同様に、デバイス1は、カバー20と、基部100とを含み、流体輸送体120の開口部130で受け取られる流体は、チャネル110によって貯蔵チャンバ140に伝導され得る(図示せず)。図21および22は、デバイス1の内部構成要素を示す。Oリングシール340が、トリガ304のトリガシャフト306上に位置し得る。別の実施形態では、変形可能な膜が、シールを形成することができる。使用中、基部100の後縁102に向かって後方にトリガ304を摺動させることは、トリガシャフト306にトリガピンカバー334とともにトリガピン332を押させる(図22参照)。この運動は、基部100の後縁102に向かって、基部100上のガイド360(図21参照)に沿って後方にキャリッジ330を摺動させる。ガイド360は、基部100にエッチングされ得、基部100から突出され得、または任意の他の好適な配列を有する。
【0058】
キャリッジ330が後方に移動するにつれて、キャリッジ330に接続されたトリガブリッジ336が、エフェクタ本体50に対して後方に移動する。トリガブリッジ336の裏面は、図23Aおよび23Bで見ることができるように、トリガタブ338を含む。トリガブリッジ336が後方に移動するにつれて、トリガタブ338が、上記で説明される実施形態におけるもののような構成を有する展開アクチュエータ60を作動させるのに十分な量で、エフェクタ本体50を下向きに移動させるように、トリガタブ338は、エフェクタ本体50の上の突出339(図24参照)と係合する。これは、例えば、開口部130から針を拡張するように、展開アクチュエータ60に流動活性化体90を展開させる。後方方向でのキャリッジ330の継続的移動は、(楔350の形態の)トリガの後退アクチュエータを、エフェクタ本体50上の持上支柱370の下で摺動させる。楔350が持上支柱370の下で摺動するにつれて、エフェクタ50は、基部100から離して上向きに持ち上げられ、それにより、上記の実施形態に類似する方法で、展開アクチュエータ60を介してエフェクタ本体50に取り付けられる流動活性化体90、および膜72を後退させる。トリガタブ338は、エフェクタ本体50内の開口部380の中で受け取られ得、エフェクタ本体50の中心部分が上向きに屈曲することを可能にし、かつ流動活性化体90のさらなる後退を可能にする。
【0059】
一側面によれば、展開アクチュエータへの流動アクチュエータの接続は、上記で提案されるように、種々の異なる方法で行われ得る。例えば、図26Aは、流動活性化体(図示せず)を膜72および/または展開アクチュエータ60に接続するために使用される柱94が、接着剤400によって作製され得る、概略的配列を示す。図26Bに示される別の実施形態では、柱94は、膜72内の空洞(または孔)ならびに展開アクチュエータ60内の孔の中へ受け取られ得る。それぞれの孔または空洞との柱94の係合は、締り嵌めまたは摩擦嵌合、接着剤、リベット打ち等によって等、任意の好適な方法で行われ得る。この実施形態では、柱94は、接着剤400によって膜72の空洞と係合され、展開アクチュエータ60内の孔と係合するリベット型頭部を有する。柱94のリベット頭は、柱94の塑性的に変形する部分によって形成され得るか、または柱94は、リベット頭の上部分が弾力的に変形させられ、アクチュエータ60の孔を通して押し進められ得るように配列される可撓性材料を含み得る。図26Cは、アクチュエータ60内の開口部を通して膜72の一部分を拡張し、開口部を通って延在する膜72の部分を縮らすか、または別様に変形させることによって、膜72が展開アクチュエータに接合される、さらに別の実施形態を示す。代替として、クリップ、バンド、または他の要素が、膜およびアクチュエータ60の係合を維持するように膜部分上に締め付けられ得る。柱94は、同一プロセスの一部として、膜およびアクチュエータの両方に取り付けられ得、例えば、柱の一部が、クリップまたはバンドとして機能し得る。図26Dは、膜72が柱の2つの部分の間で捕われる、2部品柱94を伴う実施形態を示す。柱の最上部は、展開アクチュエータ60内の孔を通って延在し、または柱と展開アクチュエータ60との間に締り嵌めを作成するように熱かしめされる。柱94の一部分が、接続点において開口部を通して押し進められ、それにより、展開アクチュエータ60と係合させられ得る。
【0060】
一側面によれば、流動活性化体の展開および後退、真空放出、および流体の受け取りに関する動作の順番は、種々の順序で配列され得る。いくつかの実施形態では、流動活性化体の展開前の真空放出が、展開アクチュエータをまたぐ圧力差を減少させ、それにより、流動活性化体の挿入深度を増加させるのに役立ち得る。例えば、いくつかの実施形態では、動作の順番は、以下のように配列され得、真空が最初に発生し、次いで、流動活性化体の展開、最終的に、流動活性化体の後退である。場合によっては、流体受け取りは、この側面がこの点に関して限定されないので、後退の前または後に起こり得る。場合によっては、流体受け取りは、後退前に始まり得るが、後退中または後退後まで完了しないであろう。場合によっては、流体受け取りは、後退中または後退後まで始まらないであろう。真空放出は、以前の実施形態で説明されるように、種々の異なる方法で達成され得る。例えば、一実施形態では、図27-30に示されるように、スパイク510が、解放要素30のアーム33の端部に取り付けられる。真空は、真空源156、例えば、カバー20、基部100、および膜72によって封入される空間の大部分に貯蔵され得る。最初に、シール512が、真空源156と開口部130との間の連通を防止し得る。デバイスアクチュエータ10の下向き移動時に、スパイク510も、下向き方向に移動し、シール512を穿刺し、死容積514に進入する。スパイク510は、部分的に中空であり得、真空源156と死容積514との間で流動を確保するのに役立ち得る真空入口チャネル511を含み得る。結果として、スパイク510でシール512を穿孔することにより、真空源156と開口部130との間の連通を効果的に開く。開口部130付近の領域における真空または他の比較的低い圧力のこの最初の印加は、開口部の中へ、または開口部のより付近に皮膚を引き込ませ得る。後に、デバイスアクチュエータ10のさらなる下向き移動が、作動リング540を展開アクチュエータ60に接触させ、それを作動させる。以前の実施形態で説明されるように、展開アクチュエータ60の作動は、被検体の皮膚を穿刺するように、流動活性化体90を開口部130から少なくとも部分的に拡張させ、または別様に移動させて、流体を放出させ得る。流体は、開口部130に進入し得、真空源156から放出される真空は、貯蔵チャンバ140に向かって、および/または貯蔵チャンバ140の中へ流体を引き込み得る。空気の通過を可能にするが、液体(水を含む液体等)の通過を防止する疎水性停止膜516が、貯蔵チャンバ140と死容積514との間に位置付けられ得る。結果として、疎水性停止膜516は、貯蔵チャンバ140の中の液体が死容積514および真空源156に進入することを防止し得る。貯蔵チャンバ140が液体で充填されたとき、疎水性停止膜516は、真空源156と開口部130との間の連通を密封するように、充填された貯蔵チャンバ140と効果的に協働し得る。流動活性化体90の展開後、エフェクタ50および後退アクチュエータ(ここでは係止部分45およびリトラクタ42から成る、図28参照)は、以前の実施形態で説明されるように、流動活性化体90を後退させるように協働し得る。以前に論議された図12の実施形態と同様に、ここでは、後退アクチュエータは、係止部分45およびリトラクタ42といった、2つの分離された構成要素を備え得る。しかしながら、この実施形態では、係止部分45が、真空源156と開口部130との間の連通を閉じるために使用される追加のシール脚部49を持たないため、係止部分45は、図12のシールアクチュエータ部分44とは異なる。一側面によれば、流動活性化体の展開前、展開アクチュエータをまたぐ圧力平衡を可能にするために、真空放出と流動活性化体の展開との間に時間遅延があり得る。一実施形態では、解放要素が、下向きの垂直移動に対する増加した抵抗を示し、それにより、真空放出と流動活性化体の展開との間に時間遅延を生成するように配列され得る。例えば、図29に示されるように、解放要素30は、解放アーム31に加えて、抵抗アーム33を含み得る。抵抗アーム33は、脚部34を含み得る。図30に示されるように、解放要素30が下向きの展開方向に移動するにつれて、脚部34が基部100に接触し得、ラッチ解放30を半径方向外向きに屈曲させ、それにより、真空放出のためにシール512を引き裂くことを促進するようにスパイク510の側方移動を生成し得る。真空放出後、脚部34と基部100との間の接触はまた、作動リング540と展開アクチュエータ60との間の接触を遅延させることによって、流動活性化体90の展開を遅延させ得る、下向きの垂直移動に対する増加した抵抗を提供し得る。
【0061】
一側面によれば、デバイスの基部にデバイスエフェクタを堅く保持することは、展開アクチュエータが作動させられたときにエネルギー損失を低減させるのに役立ち得る。場合によっては、エフェクタへの応力または構成要素間の不良な嵌合が、基部に対してしっかりと押し下げられる代わりに、エフェクタを不正確に位置付けさせ得る。ある状況では、エフェクタの不正確な位置付けが、デバイスの作動中に展開アクチュエータおよび流動活性化体へのエネルギーの移動を低減させ得る。一実施形態では、解放要素とエフェクタとの間の締り嵌めは、デバイスの基部に対して同一平面にエフェクタを押し下げ、それにより、エフェクタの適正な位置付けを確保する働きをし得る。一実施例では、図30に示されるように、デバイスアクチュエータ10は、解放要素30に直接取り付けられ、または別様に連結され得る。作動リング540が、解放要素30の基部に存在し得る。解放要素30の基部は、作動リング540とエフェクタ50との間の締り嵌めを用いて、エフェクタ50に係合し得る。図31に示されるように、作動リング540は、増加した側方可撓性のために先細にされている脚部542を含み得る。図32Aは、作動リング540が展開アクチュエータ60にまだ接触していない、流動活性化体の展開前の解放要素30とエフェクタ50との間の初期接触を描写する。解放要素30がさらに下向きに移動するにつれて、解放要素30は、図32Bに示されるように、エフェクタ50と締り嵌めで係合される。図32Bは、作動リング540が展開アクチュエータ60との初期接触を達成した、流動活性化体の展開の直前の解放要素30およびエフェクタ50を描写する。締り嵌めは、エフェクタが基部に対してしっかりと保持されることを確実にするために、展開アクチュエータ60の作動前に、エフェクタ50への圧力の直接印加を可能にする。そのような配列は、エフェクタの正しい位置付けを確保するのに役立ち、エネルギーがデバイスアクチュエータ10および解放要素30から展開アクチュエータ60へ直接平行移動することを可能にし得る。当然ながら、この側面がこの点に関して限定されないため、他の配列が可能である。例えば、エフェクタは、解放要素の下に位置する波形バネまたはコイルバネによって、板バネ、コイルバネ、発泡体、弾性ブラダ、または解放要素の裏面上で成形される他の好適な特徴によって、デバイス基部に対してしっかりと保持され得る。
【0062】
一側面によれば、デバイスは、流体の受け取りが完了したときに指示を有効にし得る。そのような指示は、デバイスを皮膚から除去できることをユーザに通知し得る。一実施形態では、図27、33、および34に示されるように、視覚的指示が、指標520によって提供され得る。指標520は、流体の受け取りが完了したときに色を変化させ得る。一実施例では、指標520は、透明から受け取られた流体の色に変化し得る。図27および34に示されるように、指標520は、流体を受け取って保持することができる、空間の平坦な円盤を含み得る。指標520は、貯蔵チャンバ140と開放連通し得る。流体の受け取り中、流体が貯蔵チャンバ140の最上部に到達したとき、流体は、貯蔵チャンバ140を指標520に接続する通路522に進入し得る。流体は、毛細管作用、吸い上げ、圧力差により、または任意の他の好適な力を介して、通路522に進入し、それを通って指標520の中へ進行し得る。場合によっては、指標520は、受け取られた流体と接触すると色を変化させる、固体または液体物質を含み得る。このようにして、ユーザは、受け取られた流体を実際に見ることなく、流体の受け取りが完了したという指示を受信し得る。例えば、指標520は、実際の収集された流体とは異なる色に変わってもよい。いくつかの実施形態では、デバイスは、ユーザが指標520を視認することを可能にするように透明または半透明であり得る、指標カバー521を含み得る。いくつかの実施形態では、指標カバー521は、流体の色の外観を変化させる色を付けられ得る。場合によっては、指標カバー521は、除去可能であり得る。当然ながら、この側面がこの点に関して限定されないので、指示は、視覚的、可聴、または触覚であり得ることを理解されたい。例えば、貯蔵チャンバ140の充填は、流体の受け取りが完了したことを示す可聴音を発するようにデバイスをトリガし得る。場合によっては、可聴音は、デバイスアクチュエータ、解放要素、エフェクタ、後退アクチュエータ、展開アクチュエータ、および/または流動活性化体の間の相互作用による、機械的クリック音であり得る。場合によっては、可聴音は、流体が貯蔵チャンバ140の最上部に到達することによりトリガされる、アラームであり得る。代替として、または加えて、ユーザは、流体の受け取りが完了したことを示す触覚フィードバックを受信し得る。例えば、ユーザ作動デバイスアクチュエータが、デバイスアクチュエータからの物理抵抗の突然の増加または減少を被るように、デバイスアクチュエータ、解放要素、エフェクタ、後退アクチュエータ、展開アクチュエータ、および/または流動活性化体は、相互作用するように配列され得る。別の実施例として、デバイスの構成要素は、触覚フィードバックをユーザに提供する、戻り止め型相互作用を含み得る。さらに、指示が流体の受け取りの完了に限定されないので、指示、フィードバック、および/またはアラームは、デバイス作動プロセスにおける任意の点で生じ得る。例えば、デバイスは、真空が放出されたとき、流動活性化体が展開および/または後退させられたとき、流体の受け取りが開始したとき等に指示を有効にし得る。デバイスはまた、不十分な量の流体が受け取られたとき、または受け取られた流体の種類が不適切である場合に、指示またはアラームを有効にし得る。
【0063】
一側面によれば、デバイスは、ユーザがデバイスの貯蔵チャンバの中で受け取られる流体にアクセスすることを可能にし得る。いくつかの実施形態では、貯蔵チャンバに接続されたアクセスポートは、ユーザが貯蔵チャンバの中の流体に直接アクセスすることを可能にし得る。一実施形態では、図35に示されるように、アクセスポート530が、デバイスの基部に位置し得る。当然ながら、この側面がこの点に関して限定されないので、アクセスポート530は、デバイスの任意の場所に位置し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、ユーザは、ピペット、毛細管、または他の好適なツール等の種々のツールを使用して流体を除去し得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、チャンバから流体を除去することなく、貯蔵チャンバの中の流体にアクセスし得る。例えば、ユーザは、pH紙片を流体と接触させることによって、流体のpHを測定し得る。別の実施例では、ユーザは、流体が貯蔵チャンバの中で保持されている間に、物質または化学物質を流体に添加するために、収集された流体へのアクセスを要求し得る。いくつかの実施形態では、アクセスポート530は、細片ならびにピペットまたは毛細管等の異なる形状の物体の挿入を可能にするように成形され得る。一実施例では、図36A-Bに示されるように、アクセスポート530は、ピペットおよび毛細管等の円筒形物体を受け取るように孔532を含み得、細片等の長方形または幅が広い物体を受け取るようにスロット534を含み得る。当然ながら、この側面がこの点に関して限定されないので、単純な孔、スロット、角孔、または複数の孔等のアクセスポートの他の形状および幾何学形状が可能である。いくつかの実施形態では、アクセスポートは、貯蔵チャンバからの流体除去の容易性を増加させるように位置付けられ得る。一実施例では、図37に示されるように、アクセスポート530は、貯蔵チャンバ140の側壁531付近に位置付けられ得る。貯蔵チャンバ140の中心から離してアクセスポート530を位置付けることにより、流体を貯蔵チャンバからの除去に抵抗させ得る毛細管作用等の力を減少させるのに役立ち得る。代替として、または加えて、貯蔵チャンバの底部は、流体がアクセスポートに向かって下向きに傾斜させられるように、傾斜して配列され得る。貯蔵チャンバ140はさらに、貯蔵チャンバの底部が側壁531に接触する、貯蔵チャンバの底部周囲535の周辺に及ぶ、円形溝を含み得る。そのような溝は、吸い上げ、毛細管作用、または他の好適な力を介して、アクセスポート530に向かって流体を押勢し得る。いくつかの実施形態では、シールは、流体がアクセスポートを通って流れることを防止し得る。一実施例では、シールは、貯蔵チャンバの内側に位置し得、その場合、ユーザが、ピペットまたは他の好適なツールでシールを穿孔する。別の実施例では、図38に示されるように、シール536は、基部100上の貯蔵チャンバの外側に位置し得、その場合、ユーザは、貯蔵チャンバの中の流体にアクセスするように、シールを剥離または穿孔し得る。当然ながら、この側面がこの点に関して限定されないため、アクセスポートを密閉する他の方法が可能であることを理解されたい。
【0064】
1つの代替的実施形態では、回転可能な解放要素が、流動活性化体の展開の前に真空放出を可能にするように配列され得る。図39-43は、回転可能な解放要素を伴うデバイスの一実施例を示す。これらの図では、デバイスは、展開後の後退状態で描写される。デバイスは、デバイスアクチュエータ10に対して自由に回転することができる、回転可能な解放要素170を含む(図40A-B参照)。デバイスアクチュエータ10は、デバイスアクチュエータ10の下向きの移動がスパイク510の下向きの移動を引き起こし、それが次いで、真空放出のためにシール512を穿刺するように、スパイク510に取り付けられる。以前に論議されたように、シール512を穿刺することにより、真空源とデバイス開口部との間の連通を開き、真空がデバイス開口部に印加されることを可能にする。デバイスアクチュエータ10はまた、デバイスアクチュエータ10の移動を垂直方向に制約するように、デバイスカバー20上に形成される摺動溝554と相互作用するタブ566(図41および42参照)も含む。回転可能な解放要素170は、展開前ロックアウト556およびカバー20上に形成されるカバーランプ552(図41および42参照)と相互作用する、スピナランプ562を含む。図40Bに示されるように、後退アクチュエータ40およびエフェクタ50は、図から隠され、回転可能な解放要素170がまた、展開アクチュエータ60の頂面との接触時に展開アクチュエータ60を作動させる、作動リング540も含むことを示す。(図40Bでは、展開アクチュエータ60は、その展開後状態で示され、したがって、作動リング540から離れて下向きに凹状に配列される。)展開前に、スピナランプ562は、解放要素170上の作動リング540が展開アクチュエータ60の頂面に近い距離で保持されるように、展開前ロックアウト556内で保持される。スピナランプ562と展開前ロックアウト556との間の係合はまた、圧縮された高エネルギー状態で後退アクチュエータ40を係止する。下向き方向でのデバイスアクチュエータ10の押下は、最初に、真空放出のために、スパイク510にシール512を穿刺させ、次いで、解放要素170上の作動リング540を展開アクチュエータ60に接触させて、それを作動させ、それにより、以前の実施形態で論議されるように流動活性化体を展開し得る。同時に、下向き方向でのデバイスアクチュエータ10の押下はまた、スピナランプ562に展開前ロックアウト556を通過させ、その圧縮された高エネルギー状態から後退アクチュエータ40を開放する。後退アクチュエータ40は、上向きの後退方向に移動することによって減圧するにつれて、その貯蔵されたポテンシャルエネルギーを放出する。上向き方向でカバーランプ552に対してスピナランプ562を摺動させる。結果として、回転可能な要素170全体が、同様に後退方向に上向きに移動するにつれて、時計回りに回転する。後退アクチュエータ40の上向き移動は、以前の実施形態で説明されるように、流動活性化体を後退させる。最終的に、図43に示されるように、スピナランプ562がカバーランプ552の端部に到達するとき、スピナランプ562の係合縁560は、後退状態でデバイスを係止するように、展開後ロックアウト550と係合する。
【0065】
一側面によれば、流動活性化体の作動は、追加の外部作動を要求することなく、真空放出に直接応答して起こり得る。一実施形態では、展開アクチュエータをまたぐ圧力差が、展開アクチュエータに流動活性化体を展開させ得る。図1-5の実施形態等で、以前に論議された実施形態では、真空が、真空源156、例えば、デバイスカバー20、基部100、および膜シール72によって封入される空間の大部分に貯蔵され得る。しかしながら、本側面によれば、一実施例では、大気圧または周囲圧力が、真空源よりもむしろ、カバー、基部、および膜シールによって封入される空間に貯蔵される。真空源は、展開アクチュエータの上側よりもむしろ、デバイス内またはデバイスの外部のいずれかで、別の場所に貯蔵される。結果として、デバイスの作動前に、展開アクチュエータの頂面における圧力は、真空圧の代わりに大気圧または周囲圧力にある。真空源とデバイス開口部との間の連通を開くことにより、展開アクチュエータの底面を真空圧に暴露し、それにより、展開アクチュエータより上側で大気圧または周囲圧力、および下側で真空圧といった、圧力差を展開アクチュエータをまたいで生成し得る。展開アクチュエータをまたぐ圧力差は、展開アクチュエータを作動させ、後に、流動活性化体の展開を引き起こし得る。そのような配列は、流動活性化体の展開の前に真空がデバイス開口部に到達することを可能にし得る。
【0066】
一側面によれば、デバイスの初期作動から開始して流体の受け取りの終了までの一連の事象は、ユーザ独立型であり得、初期トリガ後、トリガ後にデバイスアクチュエータに印加される後続の圧力、トルク、速度、衝撃、または他の力の大きさにかかわらず、一連の事象全体が自動的に起こることを意味する。一実施形態では、デバイスは、ユーザ独立型の一連の作動事象を可能にする、ねじりバネを含み得る。例えば、図44に示されるように、デバイス1は、後退アクチュエータとしての機能を果たし得る、ねじりバネ570を含む。図44では、デバイス1は、カム571に取り付けられたコイルねじりバネ570を伴って、その展開前の高エネルギー状態で描写される。ポテンシャルエネルギーが、コイルねじりバネ570に貯蔵され得、バネが反時計回り方向にカム571を回転させるよう付勢されるように、バネは、カム571に取り付けられ得る。アクチュエータアーム574の端部とカム571に取り付けられたロックアウト突出572との間の係合は、カム571の回転を防止し、それにより、ねじりバネ570が解れることを防止する。デバイスアクチュエータ10は、下向きの力によって作動させられ得、アクチュエータアーム574の端部を、ロックアウト突出572に対して垂直に下向きに摺動させる。いったんアクチュエータアーム574の端部が下に摺動し、ロックアウト突出572の下面を通過すると、カム571は自由に回転することができ、ねじりバネ570が解れ、その貯蔵されたポテンシャルエネルギーを放出することを可能にする。ねじりバネ570の解放は、全ての後続のユーザ独立型事象が従う、トリガとしての機能を果たし得る。ねじりバネ57が解れることは、反時計回り方向にカム571を回転させる。カム571は、死容積514を覆うシール(図示せず)を引き裂くスパイク510に取り付けられ得、真空源とデバイスの開口部との間の連通を開く。図45に示されるように、エフェクタ50は、ホルダ580および溝56を介して展開アクチュエータ60に取り付けられ得る。加えて、エフェクタ50は、エフェクタタブ578を含み得る。図46A-Bに示されるように、解放要素30は、作動リング540と、解放要素タブ576とを含み得る。図44に示されるように、エフェクタタブ578は、下進路588と協働し得る。反時計回り方向でのカム571の回転中、タブ578は、下進路588の外形と相互作用する。下進路588が、その外形の端部で上向きに傾斜しているので、タブ578は、下進路588によって上向きに押される。結果として、エフェクタ50が、垂直に上向きの後退方向に上昇させられる。同様に、解放要素30の解放要素タブ576は、上進路586と協働する。カム571の反時計回りの回転中に、タブ576は、上進路586の外形と相互作用する。上進路586の外形が下向きに落ちているので、タブ576は、上進路586によって下向きに押される。結果として、解放要素30は、展開方向へ垂直に下向きに降下され、解放要素30の作動リング540を展開アクチュエータ60に接触させ、それを作動させ(図46A-B参照)、それにより、以前の実施形態で説明される方式で流動活性化体(図示せず)を作動させる。進路586が外形の端部で上向きに傾斜しているので、解放要素30は、垂直に上向きの後退方向に上昇させられる。展開アクチュエータ60の作動後、解放要素30およびエフェクタ50の両方が、上進路586および下進路588の両方の上向き傾斜により、後退方向に持ち上げられ、それにより、展開アクチュエータ60およびエフェクタ50に接続される流動活性化体(図示せず)の後退を引き起こす。当然ながら、この側面がこの点に関して限定されないので、ユーザ独立型の一連の事象を達成するための他の好適な配列が可能であることを理解されたい。
【0067】
一側面によれば、デバイスは、不慮または時期尚早の作動を回避するために使用される保護特徴または機構を含み得る。一実施形態では、保護特徴は、デバイスアクチュエータの作動を防止する物理的障壁または覆いを含み得る。例えば、図47に示されるように、デバイスは、デバイスアクチュエータ10の圧縮を防止するスペーサリング602を有するキャップ600を含み得る。キャップ600は、デバイスが作動される準備ができているときに、ユーザによって除去され得る。一実施形態では、保護特徴は、デバイスアクチュエータまたはデバイスの他の構成要素に組み込まれ得る。例えば、デバイスアクチュエータは、展開アクチュエータの展開がトリガされる前に、デバイスアクチュエータが所定の距離を移動しなければならない、ロストモーション型配列を含み得る。別の実施例では、デバイスアクチュエータは、作動が起こる前に、最小圧力またはトルクの印加を要求し得る。さらに別の実施例では、デバイスアクチュエータは、ユーザがデバイスアクチュエータを押し下げる前に、最初にそれをねじらなければならない、安全ロック型配列を含み得る。当然ながら、この側面がこの点に関して限定されないため、不慮の作動を回避する他の方法が可能であることを理解されたい。加えて、上述の安全特徴を、単一のデバイス内で任意の方式で組み合わせることができる。
【0068】
以前に説明された実施形態のうちのいくつかは、真空源とデバイス開口部との間の連通を開くために、シールを穿刺するために使用されるスパイクを含む。一側面によれば、多種多様のスパイク幾何学形状が可能である。例えば、図48A-Gは、端部にポインタを伴う円筒(図48A)、傾斜端部を伴う円筒(図48B)、分岐配列(図48C)、勾配付き先端を伴う中空円筒(図48D)、中実または中空であり得る単純な円筒(図48E)、圧入部分を伴う尖ったスパイク(図48F)、および縦溝を伴うV字形スパイク溝(図48G)等の種々の可能なスパイク幾何学形状を描写する。当然ながら、この側面がこの点に関して限定されないので、シール穿刺または引裂に好適な任意の幾何学形状が、スパイク幾何学形状に使用され得ることを理解されたい。
【0069】
流動活性化体の一部として含まれ得る、針の随意的な配列に関するさらなる詳細が、以下で提供される。
【0070】
上述のように、流動活性化体で含まれる針は、意図された用途に応じて、種々の異なる方法で配列され得る。例えば、針は、約5mm未満、約4mm未満、約3mm未満、約2mm未満、約1mm未満、約800マイクロメートル未満、600マイクロメートル未満、500マイクロメートル未満、400マイクロメートル未満、約300マイクロメートル未満、約200マイクロメートル未満、約175マイクロメートル未満、約150マイクロメートル未満、約125マイクロメートル未満、約100マイクロメートル未満、約75マイクロメートル未満、約50マイクロメートル未満、約10マイクロメートル未満等の長さを有し得る。針はまた、約5mm未満、約4mm未満、約3mm未満、約2mm未満、約1mm未満、約800マイクロメートル未満、600マイクロメートル未満、500マイクロメートル未満、400マイクロメートル未満、約300マイクロメートル未満、約200マイクロメートル未満、約175マイクロメートル未満、約150マイクロメートル未満、約125マイクロメートル未満、約100マイクロメートル未満、約75マイクロメートル未満、約50マイクロメートル未満、約10マイクロメートル未満等の最大断面寸法を有し得る。例えば、一実施形態では、針は、175マイクロメートル×50マイクロメートルの寸法を有する長方形断面を有し得る。一組の実施形態では、針は、少なくとも約2:1、少なくとも約3:1、少なくとも約4:1、少なくとも5:1、少なくとも約7:1、少なくとも約10:1、少なくとも約15:1、少なくとも約20:1、少なくとも約25:1、少なくとも約30:1等の長さ対最大断面寸法の縦横比を有し得る。
【0071】
一実施形態では、針は、極微針である。典型的には、極微針は、約1ミリメートル未満の平均断面寸法(例えば、直径)を有するであろう。本明細書で論議されるような「針」または「極微針」という言及は、一例として、提示を容易にするのみであり、他の実施形態では、1本よりも多くの針および/または極微針が、本明細書の説明のうちのいずれかで存在し得ることを理解されたい。実施例として、Allenらによる、2002年1月1日発行の米国特許第6,334,856号「Microneedle Devices and Methods of Manufacture and Use Thereof」で開示されているもの等の極微針は、流体(または他の物質)を被検体に運搬し、および/または被検体から引き出すために使用され得る。極微針は、中空または中実であり得、任意の好適な物質、例えば、金属、セラミック、半導体、有機物、ポリマーおよび/または複合物から形成され得る。実施例は、医療グレードステンレス鋼、チタン、ニッケル、鉄、金、スズ、クロム、銅、これらの金属または他の金属の合金、シリコン、二酸化ケイ素、ならびに、乳酸およびグリコール酸等のヒドロキシ酸のポリマー、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチド-コ-グリコリドを含むポリマー、およびポリエチレングリコール、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリウレタン、ポリ酪酸、ポリ吉草酸、ポリラクチド-コ-カプロラクトン、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、またはポリエステルを伴う共重合体を含むが、それらに限定されない。
【0072】
場合によっては、2本以上の針または極微針が使用され得る。例えば、針または極微針のアレイが使用され得、針または極微針は、任意の好適な構成、例えば、周期的、ランダム構成等において、アレイに配列され得る。場合によっては、アレイは、3本以上、4本以上、5本以上、6本以上、10本以上、15本以上、20本以上、35本以上、50本以上、100本以上、または任意の他の好適な数の針または極微針を有し得る。典型的には、極微針は、約1ミクロン未満の平均断面寸法(例えば、直径)を有するであろう。
【0073】
当業者であれば、一実施形態では、皮膚の表面に対して90°以外の角度で皮膚に針を導入すること、すなわち、穿通の深度を制限するよう、傾斜して皮膚に1本または複数の針を導入することを含んで、これらの目的で皮膚または他の表面に対して針を配列することができる。しかしながら、別の実施形態では、針は、約90°で皮膚または他の表面に進入し得る。
【0074】
場合によっては、針(または極微針)は、アレイ内の針の密度が、約0.5本/mmから10本/mmの間であり、場合によっては、密度が、約0.6本/mmから約5本/mmの間、約0.8本/mmから約3本/mmの間、約1本/mmから約2.5本/mmの間等であるように選択される、アレイに存在し得る。場合によっては、針は、2本の針が、約1mm、約0.9mm、約0.8mm、約0.7mm、約0.6mm、約0.5mm、約0.4mm、約0.3mm、約0.2mm、約0.1mm、約0.05mm、約0.03mm、約0.01mm等よりも近くないように、アレイ内に位置付けられ得る。
【0075】
別の一組の実施形態では、針(または極微針)は、針の面積(針による被検体の皮膚の表面上の穿通または穿孔の面積を決定することによって決定される)が、被検体の皮膚および/または皮膚下を往復する流体の十分な流量を可能にするように選択され得る。針は、皮膚への針の接触面積が、被検体の皮膚からデバイスへの十分な血流を可能にする限り、より小さいまたは大きい面積(あるいは、より小さいまたは大きい直径)を有するように選択され得る。例えば、ある実施形態では、針は、用途に応じて、少なくとも約500nm、少なくとも約1,000nm、少なくとも約3,000nm、少なくとも約10,000nm、少なくとも約30,000nm、少なくとも約100,000nm、少なくとも約300,000nm、少なくとも約1ミクロン、少なくとも約3ミクロン、少なくとも約10ミクロン、少なくとも約30ミクロン、少なくとも約100ミクロン、少なくとも約300ミクロン、少なくとも約500ミクロン、少なくとも約1,000ミクロン、少なくとも約2,000ミクロン、少なくとも約2,500ミクロン、少なくとも約3,000ミクロン、少なくとも約5,000ミクロン、少なくとも約8,000ミクロン、少なくとも約10,000ミクロン、少なくとも約35,000ミクロン、少なくとも約100,000ミクロン少なくとも約300,000ミクロン、少なくとも約500,000ミクロン、少なくとも約800,000ミクロン、少なくとも約8,000,000ミクロン等の複合皮膚穿通面積を有するように選択され得る。
【0076】
針または極微針は、任意の好適な長さを有し得、長さは、場合によっては、用途に依存し得る。例えば、表皮のみを穿通するように設計されている針は、真皮も穿通するように、あるいは真皮または皮膚下に延在するように設計されている針より短くてもよい。ある実施形態では、針または極微針は、約3mm以下、約2mm以下、約1.75mm以下、約1.5mm以下、約1.25mm以下、約1mm以下、約900ミクロン以下、約800ミクロン以下、約750ミクロン以下、約600ミクロン以下、約500ミクロン以下、約400ミクロン以下、約300ミクロン以下、約200ミクロン以下、約175マイクロメートル以下、約150マイクロメートル以下、約125マイクロメートル以下、約100マイクロメートル以下、約75マイクロメートル以下、約50マイクロメートル以下等の皮膚への最大穿通度を有し得る。ある実施形態では、針または極微針は、少なくとも約50マイクロメートル、少なくとも約100マイクロメートル、少なくとも約300マイクロメートル、少なくとも約500マイクロメートル、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、少なくとも約3mm等の皮膚への最大穿通度を有するよう選択され得る。
【0077】
一組の実施形態では、針(または極微針)は、被覆され得る。例えば、針は、針が皮膚に挿入されたときに運搬される物質で被覆され得る。例えば、被覆は、被検体の皮膚からの血流を支援するように、ヘパリン、抗凝固剤、抗炎症化合物、鎮痛剤、高ヒスタミン化合物等を含み得、または被覆は、本明細書で説明されるもの等の薬剤または他の治療薬を含み得る。薬剤または他の治療薬は、(例えば、被覆された針または極微針が適用される領域の、またはそれに近接した)局所的運搬に使用されるものであり得、および/または薬剤または他の治療薬は、被検体内の全身運搬のために意図されたものであり得る。
【0078】
本発明の側面が、種々の例証的実施形態を参照して説明されているが、そのような側面は、説明される実施形態に限定されない。したがって、説明される実施形態の多くの代替案、修正、および変形例が、当業者に明白となるであろうことが明確である。故に、本明細書に記載されるような実施形態は、限定的ではなく例証的となることを目的としている。本発明の側面の精神から逸脱することなく、種々の変更が行われ得る。
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