(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】タッチパネルに適用可能なノブデバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0362 20130101AFI20230508BHJP
G06F 3/03 20060101ALI20230508BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230508BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20230508BHJP
H01H 19/60 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
G06F3/0362
G06F3/03 400F
G06F3/041
G06F3/044 Z
G06F3/041 600
H01H19/60
(21)【出願番号】P 2021144526
(22)【出願日】2021-09-06
【審査請求日】2021-09-06
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502429109
【氏名又は名称】奇景光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】蘇 俊仁
(72)【発明者】
【氏名】莊 竣凱
(72)【発明者】
【氏名】蔡 政宏
(72)【発明者】
【氏名】胡 維賓
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/109833(WO,A1)
【文献】特開2016-218682(JP,A)
【文献】特許第6403921(JP,B1)
【文献】国際公開第2016/166793(WO,A1)
【文献】特開2020-126384(JP,A)
【文献】特開2020-087174(JP,A)
【文献】国際公開第2020/008584(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
G06F 3/041
G06F 3/044
H01H 19/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルに適用可能なノブデバイスであって、当該ノブデバイスは、
ノブカバー;及び
ベース及び、前記ノブカバー及び前記ベースのうちの少なくとも1つの上に配置された複数のセンシングパッドを含む、回転センシング素子、ここで、前記回転センシング素子は、前記タッチパネルと前記ノブカバーとの間に配置され、前記ベースは、前記ノブカバーに接続されている回転センシング素子;
を含み、
ここで、ユーザが当該ノブデバイスに触れるとき、前記タッチパネルは、前記複数のセンシングパッドの位置に応答して回転センシング信号を生成し;
ここで、前記タッチパネル上の前記ノブカバーの正投影は、複数の部分に分割され、前記複数の部分は、前記ノブカバーの前記正投影の中心から放射状に分布しており、各センシングパッドは部分内に位置決めされ、且つ前記部分に隣接する別の部分内に位置決めされた別のセンシングパッドに接続されている;
ノブデバイス。
【請求項2】
ここで、前記ノブカバーの前記正投影の各部分は、扇形の領域である、請求項1に記載のノブデバイス。
【請求項3】
ここで、各センシングパッドは、前記複数の部分の1つの扇形の領域で完全に満たされたセクターである、請求項2に記載のノブデバイス。
【請求項4】
ここで、各センシングパッドは、第1の部分と、前記第1の部分に接続された第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記複数の部分のうちの1つに位置決めされ、前記第2の部分は、前記ノブカバーの前記正投影の外側に位置決めされる、請求項1に記載のノブデバイス。
【請求項5】
前記ノブカバーと前記タッチパネルとの間に配置され、且つ前記ノブカバー及び前記ベースのうちの少なくとも1つに接続された、押圧センシング素子をさらに含む、請求項1に記載のノブデバイスであって、ここで、前記押圧センシング素子は、前記タッチパネルの上に位置決めされ、前記ユーザが当該ノブデバイスに触れて押すとき、前記タッチパネルが前記押圧センシング素子に応答して押圧センシング信号を生成するように、前記押圧センシング素子は、タッチパネルに隣接又は接近する、ノブデバイス。
【請求項6】
ここで、前記タッチパネル上の前記押圧センシング素子の正投影は、前記タッチパネル上の前記複数のセンシングパッドのうちの1つの正投影よりも大きい、請求項5に記載のノブデバイス。
【請求項7】
前記押圧センシング素子と前記複数のセンシングパッドとが互いに重なり合わない、請求項5に記載のノブデバイス。
【請求項8】
タッチパネルに適用可能なノブデバイスであって、当該ノブデバイスは、
ノブカバー;及び
ベース及び、前記ノブカバー及び前記ベースのうちの少なくとも1つに接続された複数のセンシングパッドを含む、回転センシング素子、ここで、前記回転センシング素子は、前記タッチパネルと前記ノブカバーとの間に配置され、前記ベースは、前記ノブカバーに接続されている回転センシング素子;
を含み、
ここで、ユーザが当該ノブデバイスに触れるとき、前記タッチパネルは、前記複数のセンシングパッドの位置に応答して回転センシング信号を生成し;
ここで、前記タッチパネル上の前記ノブカバーの正投影は、複数の部分に分割され、前記複数の部分は、前記ノブカバーの前記正投影の中心から放射状に分布しており、各センシングパッドは部分内に位置決めされ且つ別のセンシングパッドに接続されおらず、前記ノブカバーの前記正投影の前記複数の部分のうちのギャップ部分は、前記複数のセンシングパッドのうちの2つの間に位置決めされている;
ノブデバイス。
【請求項9】
ここで、前記ノブカバーの前記正投影の各部分は、扇形の領域である、請求項8に記載のノブデバイス。
【請求項10】
ここで、前記各センシングパッドは、前記複数の部分の1つの扇形の領域で完全に満たされたセクターである、請求項9に記載のノブデバイス。
【請求項11】
ここで、各センシングパッドは、第1の部分と、前記第1の部分に接続された第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記複数の部分のうちの1つに位置決めされ、前記第2の部分は、前記ノブカバーの前記正投影の外側に位置決めされる、請求項8に記載のノブデバイス。
【請求項12】
前記ノブカバーと前記タッチパネルとの間に配置され、且つ前記ノブカバー及び前記ベースのうちの少なくとも1つに接続された、押圧センシング素子をさらに含む、請求項8に記載のノブデバイスであって、ここで、前記押圧センシング素子は、前記タッチパネルの上に位置決めされ、前記ユーザが当該ノブデバイスに触れて押すとき、前記タッチパネルが前記押圧センシング素子に応答して押圧センシング信号を生成するように、前記押圧センシング素子は、タッチパネルに隣接又は接近する、ノブデバイス。
【請求項13】
ここで、前記タッチパネル上の前記押圧センシング素子の正投影は、前記タッチパネル上の前記複数のセンシングパッドのうちの1つの正投影よりも大きい、請求項12に記載のノブデバイス。
【請求項14】
前記押圧センシング素子と前記複数のセンシングパッドとが互いに重なり合わない、請求項12に記載のノブデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザインターフェース(UI)機構の設計に、及びより具体的には、タッチパネルに適用可能であるノブデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ノブデバイスは、オーディオプレーヤの音量(volume)調整用のノブ、ラジオの周波数調整用のノブ、及びカーコンソールの空調/音量調整用のノブなど、一般的な電子機器で、これらの電子機器の多くがタッチパネルを備えている場合に、よく使用される。したがって、ノブデバイスとタッチパネルを統合して、ユーザの制御を支援する方法が問題になっている。いくつかの伝統的な方法では、タッチパネルのガラスにはノブが取り付けられる穴がある。しかし、ガラスに穴を掘るには、複雑なステップ、高コスト、ガラス強度の低下などの欠点がある。いくつかの他の従来の方法では、タッチパッドはノブに設置されてからタッチパネルに直接取り付けられ、ノブの機能はタッチパネル上のタッチパッドのタッチ効果によって達成される。例えば、ユーザがノブを回すと、指とタッチパッドが、タッチパネルとのループ、タッチパッドが触れたタッチパネルのセルがタッチ信号を送信するようなループ、を形成する。タッチパネルの異なるセルのタッチ信号に応じて、ノブの回転角を捉える(captured)ことができる。ただし、特定の問題が発生する場合がある。例えば、ノブが小さいとタッチパネルの分解能(resolution)が足りない場合がある。別の例として、ノブのタッチパッドが2つのタッチパネルセルの間にある場合、その位置を特定することは困難である。したがって、副作用を発生させずに、又は副作用を発生させにくい方法で問題を解決するため、タッチパネルのノブの回転の分解能を改善するための新しい方法及び関連するアーキテクチャが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記の問題を解決するために、タッチパネルに適用可能であるノブデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によれば、ノブデバイスはタッチパネルに適用可能である。ノブデバイスは、ノブカバー、及び回転センシング素子を含む。回転センシング素子は、ベースと、前記ノブカバー及び前記ベースのうちの少なくとも1つに配置された複数のセンシングパッドとを含む。回転センシング素子は、タッチパネルとノブカバーとの間に配置されている。ベースは、ノブカバーに接続されている。ユーザがノブデバイスに触れると、タッチパネルは、複数のセンシングパッドの位置に応答して回転センシング信号を生成する。タッチパネル上のノブカバーの正投影は、複数の部分に分割され、前記複数の部分は、前記ノブカバーの前記正投影の中心から放射状に分布しており、各センシングパッドは1つの部分内に位置決めされ、且つ前記部分に隣接する別の部分に位置決めされた別のセンシングパッドに接続されている。
【0005】
本発明の別の実施形態によれば、ノブデバイスはタッチパネルに適用可能である。ノブデバイスは、ノブカバー、及び回転センシング素子を含む。回転センシング素子は、ベースと、前記ノブカバー及び前記ベースのうちの少なくとも1つに配置された複数のセンシングパッドとを含む。回転センシング素子は、タッチパネルとノブカバーとの間に配置され、ベースは、ノブカバーに接続されている。ユーザがノブデバイスに触れると、タッチパネルは、複数のセンシングパッドの位置に応答して回転センシング信号を生成する。タッチパネル上のノブカバーの正投影は、複数の部分に分割され、前記複数の部分は、前記ノブカバーの前記正投影の中心から放射状に分布している。各センシングパッドは1つの部分内に位置決めされ、且つ別のセンシングパッドには接続されていない。前記ノブカバーの前記正投影の前記複数の部分のギャップ部分は、前記複数のセンシングパッドのうちの2つの間に位置決めされている。
【0006】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後、当業者には間違いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態によるタッチパネル上に配置されたノブデバイスの図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施形態によるタッチパネル上に配置されたノブデバイスを示す分解図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施形態によるタッチパネル上に配置されたノブデバイスを示す断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施形態によるタッチパネルに配置されたノブデバイスを示す上面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態による、ノブカバーの正投影の単一の扇形領域に従って配置された単一のセンシングパッドを示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1の実施形態による、ノブカバーの正投影の2つの隣接する扇形の領域に従って配置された2つのセンシングパッドを示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態による、ノブカバーの正投影の扇形領域に従って別々に配置された複数のセンシングパッドを示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態による、ノブカバーの正投影の2つの扇形の領域に従って別々に配置された2つのセンシングパッドを示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2の実施形態によるタッチパネル上に配置されたノブデバイスを示す断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の第2の実施形態によるタッチパネル上に配置されたノブデバイスを示す上面図である。
【
図11】
図11は、本発明の第2の実施形態による、ノブカバーの正投影の2つの隣接する扇形の領域に従って配置された2つのセンシングパッドを示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態による、ノブカバーの正投影の2つの隣接する扇形の領域に従って配置された2つのセンシングパッドを示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態による、ノブカバーの正投影の複数の扇形領域に従って配置された2セットのセンシングパッドを示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態による、ノブカバーの正投影の複数の扇形領域に従って別々に配置された2セットのセンシングパッドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図2と併せて
図1を参照されたい。
図1は、本発明の実施形態によるタッチパネル300上に配置されたノブデバイス100の図である。
図2は、本発明の第1の実施形態によるタッチパネル300上に配置されたノブデバイス100を示す分解図である。
図1に示すように、ノブデバイス100は、タッチパネル300上に配置されたノブカバー110を含む。ユーザがノブカバー110に接触することによってノブデバイス100を操作するとき、ノブカバー110及びセンシングパッドは、互いに電気的に接続されて、導電性経路を形成する。この経路は、ノブデバイス100に触れるユーザの指が、導電性経路を介してタッチパネル300に接続されることを可能にし、これは、ユーザがタッチパネル300を間接的に制御することを可能にすることと同等である。換言すれば、ユーザがノブデバイス100のノブカバー110に触れると、タッチパネル300は、タッチパネル300、ノブデバイス100、及びユーザによって形成されるループに応答して、センシング信号を生成する。さらに、ユーザがノブデバイス100のノブカバー110を回転又は押すと、タッチパネル300は、ノブデバイス100の動き及び位置に応答して、異なるセンシング信号を生成する。
図2に示すように、ノブデバイス100は、タッチパネル300とノブカバー110との間に配置された回転センシング素子130及び押圧センシング素子150を含む。本実施形態では、回転センシング素子130は2つの隣接するセンシングパッド134を有するが、本発明はそれに限定されない。ベース132は、ノブカバー110に接続されている。複数のセンシングパッド134は、ベース132及び/又はノブカバー110上に配置され得る。第1の実施形態では、本発明の技術的特徴をよりよく理解するために、ベース132上に配置された複数のセンシングパッド134が示されている。加えて、タッチパネル300は、マトリックス形式で配置された複数のタッチパネルセル301を有する。ユーザがノブカバー110に触れると、複数のセンシングパッド134の下のタッチパネルセル(複数可)301は、複数のセンシングパッド134の位置に応答してセンシング信号(複数可)を生成する。例えば、タッチパネルセル301(複数可)から出力されたセンシング信号(複数可)に基づいて、タッチパネル300は、ユーザがノブデバイス100のノブカバー110に触れて回転することに応答して、回転センシング信号を生成する
【0009】
図3を参照されたい。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル300上に配置されたノブデバイス100を示す断面図である。
図3に示すように、複数のセンシングパッド134は、タッチパネル300の上に配置され、且つタッチパネル300に隣接又は接近する。本実施形態では、複数のセンシングパッド134がタッチパネル300に隣接しているが、本発明はそれに限定されない。押圧センシング素子150は、ノブカバー110及び/又はベース300に接続することができる。本実施形態では、本発明の技術的特徴をよりよく理解するために、ノブカバー110に接続された押圧センシング素子150が示されている。ユーザがノブデバイス100のノブカバー110に触れて押すと、押圧センシング素子150の下のタッチパネルセル302が、押圧センシング素子150に応答して押圧センシング信号を生成するように、押圧センシング素子150は、タッチパネル300に隣接するか、それに近づく。例えば、タッチパネルセル(複数可)302から出力される押圧センシング信号(複数可)に基づいて、タッチパネル300は、ユーザがノブデバイス100のノブカバー110に触れて押すことに応答して、押圧センシング信号を生成する。
【0010】
さらに、ユーザがノブデバイス100のノブカバー110に触れて回転させると、複数のセンシングパッド134の下のタッチパネルセル(複数可)302は、複数のセンシングパッド134の位置に応答してセンシング信号(複数可)を生成する。ノブカバー110は、ノブカバー110を押し下げること、及び押されていないときにノブカバー110が跳ね返ることを可能にする機構(例えば、ばね)を有することに留意する。このメカニズムは当業者に知られているので、メカニズムは図に示されておらず、簡単にするためにここではさらなる説明を省略している。
【0011】
例えば、
図4を参照されたい。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル300上に配置されたノブデバイス100を示す上面図である。ユーザがノブデバイス100のノブカバー110に触れて押すと、2つのタッチパネルセル302a及び302bが、押圧センシング素子150の下にあると仮定する。
図4に示すように、2つのタッチパネルセル302a及び302bは、タッチパネルセル302a及び302bの真上にある押圧センシング素子150を押すことにより、2つのセンシング信号を生成する。2つのタッチパネルセル(例えば、この実施形態ではタッチパネルセル302a及び302b)から生成された2つのセンシング信号を受信するとき、タッチパネル300(特に、タッチパネル300のコントローラ)は、押圧センシング信号を生成するように事前にプログラムすることができる。同様に、ユーザがノブデバイス100のノブカバー110に触れると、タッチパネルセル302cが、ノブデバイス100がタッチされたことを表すセンシング信号を生成するように、タッチパネルセル302cは、複数のセンシングパッド134の下にある。ユーザがノブデバイス100のノブカバー110を時計回りに回転させる場合、タッチパネルセル302dが複数のセンシングパッド134の下にあり、センシング信号を生成するように、複数のセンシングパッド134は、タッチパネルセル302dの上の位置に移動される。最初に1つのタッチパネルセル(例えば、この実施形態ではタッチパネルセル301c)から生成されたセンシング信号を受信し、次に別のタッチパネルセル(例えば、この実施形態ではタッチパネルセル302d)から生成されたセンシング信号を受信するとき、タッチパネル300(特に、タッチパネル300のコントローラ)は、ノブデバイス100が回転していることを表す回転センシング信号を生成するように事前にプログラムすることができる。複数のセンシングパッド134がより多くのタッチパネルセル301を覆う場合、小さな回転角を首尾よく得ることができるように、ノブデバイス100の回転角が小さくても、異なるタッチパネルセル302に触れることができることに留意する。換言すれば、複数のセンシングパッド134がより多くのタッチパネルセル301を覆うとき、ノブデバイス100の回転角の分解能は、より高くすることができる。
【0012】
図6と併せて
図5を参照されたい。
図5は、本発明の第1の実施形態によるノブカバー110の正投影の単一の扇形領域に従って配置された単一のセンシングパッド134を示す図である。
図6は、本発明の第1の実施形態による、ノブカバー110の正投影の2つの隣接する扇形領域に従って配置された2つのセンシングパッド134を示す図である。
図5に示すように、タッチパネル300上のノブカバー110の正投影は、ノブカバー110の正投影の中心から放射状に分布する複数の部分111に分割されている。複数の部分111の数は、ノブデバイス100の回転角の分解能に依存する。各センシングパッド134は、複数の部分111のうちのセクターが完全に満たされた1つの扇形の領域である。例えば、本実施形態では、タッチパネル300上のノブカバー110の正投影は、それぞれが扇形の領域である28個の部分111に均等に分割され、複数のセンシングパッド134のうちの1つは扇形であり、且つ1つの部分111に従って形成されている。しかしながら、これは例示のみを目的としており、本発明を限定することを意味するものではない。あるいは、タッチパネル300上のノブカバー110の正投影は、設計上の考慮事項に応じて、不均等に分割され得る。
【0013】
図6に示されるように、本実施形態では、回転センシング素子130は、2つ以上のセンシングパッド(例えば、2つのセンシングパッド134)を含み、且つ各センシングパッド134は、部分111に位置決めされ、部分111に隣接する別の部分111に位置決めされた別のセンシングパッド134に接続されている。2つのセンシングパッド134が2つの隣接する部分111上に配置されているとき、ノブデバイス100の回転角の分解能が改善されるように、より多くのタッチパネルセル301は、より多くのセンシングパッド134を有するセンシングパッド設計によって覆われる。例えば、ノブデバイス100が少し回転された場合、
図5の単一のセンシングパッド134によって覆われたタッチパネルセル302は、依然として同じであり得る。そして、センシングパッド134は、他のタッチパネルセル302の上の位置まで回転されていない。単一のセンシングパッド134のみを有するセンシングパッド設計とは対照的に、
図6の複数のセンシングパッド134を有するセンシングパッド設計は、より多くのタッチパネルセル301をカバーする。したがって、ノブデバイス100を少し回転させると、複数のセンシングパッド134は、タッチパネル300がわずかな回転の回転センシング信号を得ることができるように、他のタッチパネルセル302を覆うことができる。
【0014】
複数のセンシングパッド134を使用するセンシングパッド設計は、異なる要件を満たすためにいくつかのバリエーションを有し得る。いくつかの実施形態では、ノブカバー110の正投影のギャップ部分112は、2つのセンシングパッド134の間に形成されて、1つのセンシングパッド134が別のセンシングパッド134から確実に分離されるようにすることができる。
図7を参照されたい。
図7は、本発明の実施形態による、ノブカバー110の正投影の扇形領域に従って別々に配置された複数のセンシングパッド134を示す図である。
図7に示されるように、各センシングパッド134は、部分111に位置決めされ、別のセンシングパッド134に接続されていない。ノブカバー110の正投影の複数の部分111のギャップ部分112は、複数のセンシングパッド134のうちの2つの間に位置決めされている。換言すれば、
図7の回転センシング素子は、別々に位置決めされた4つのセンシングパッド134を有する。3つのギャップ部分112は、センシングパッド134を分離するために4つのセンシングパッド134の間に位置決めされている。分離されたセンシングパッド134は、ノブデバイスの回転角の分解能が改善されるように、より多くのタッチパネルセル302を覆うことができる。さらに
図8を参照されたい。
図8は、本発明の実施形態による、ノブカバー110の正投影の2つの扇形の領域に従って別々に配置された2つのセンシングパッド134を示す図である。
図8に示されるように、いくつかの実施形態では、ギャップ部分112は、別のギャップ部分112に接続されている。例えば、
図8の回転センシング素子は、別々に位置決めされた2つのセンシングパッド134を有する。3つのギャップ部分112が接続され、且つ2つのセンシングパッド134の間に位置決めされて、2つのセンシングパッド134を分離する。分離されたセンシングパッド134は、タッチパネル300がわずかな回転の回転センシング信号を得ることができるように、より多くのタッチパネルセル302を覆うことができる。
【0015】
上記の配置によれば、各センシングパッドは、可能な限りより多くのタッチパネルセルをカバーするために、ノブカバーの正投影の扇形の領域の1つに従って形成される。さらに、隣接するセンシングパッド及び/又は分離されたセンシングパッドはまた、複数のセンシングパッドの下のタッチパネルセルの数を増加させるように配置され得る。小さな回転角で複数のセンシングパッドが異なるタッチパネルセルを覆うことができるとき、ノブデバイス100の回転角の分解能が向上する。
【0016】
図9を参照されたい。
図9は、本発明の第2の実施形態によるタッチパネル300上に配置されたノブデバイス200を示す断面図である。本発明の第1の実施形態のノブデバイス100と同様に、本発明の第2の実施形態のノブデバイス200は、ノブカバー210、回転センシング素子230、及び押圧センシング素子250を含む。
図9に示すように、両方ともタッチパネル300とノブカバー210との間に配置されている。回転センシング素子230は、複数のセンシングパッド234及びベース232を含む。第2の実施形態と第1の実施形態との違いは、複数のセンシングパッド234がノブカバー210上に配置され、押圧センシング素子250がベース232に接続されていることである。ノブデバイス200がユーザによって回転されるとき、複数のセンシングパッド234及び押圧センシング素子250は、ノブデバイス200と同時に回転される。同様に、ユーザが第2の実施形態のノブデバイス200のノブカバー210に触れて押すとき、押圧センシング素子250の下のタッチパネルセル(複数可)302は、押圧センシング素子250に応答して押圧センシング信号(複数可)を生成するように、押圧センシング素子250は、タッチパネル300に隣接するか、又はタッチパネル300に接近する。例えば、タッチパネルセル(複数可)302から出力されたセンシング信号(複数可)に基づいて、タッチパネル300は、ユーザがノブデバイス200のノブカバー210に触れて押すことに応答して、押圧センシング信号を生成する。さらに、ユーザが第2の実施形態のノブデバイス200のノブカバー210に触れて回転させるとき、複数のセンシングパッド234の下のタッチパネルセル(複数可)302は、複数のセンシングパッド234の位置に応答してセンシング信号(複数可)を生成する。例えば、タッチパネルセル(複数可)302から出力されたセンシング信号(複数可)に基づいて、タッチパネル300は、ユーザがノブデバイス200のノブカバー210に触れて回転することに応答して、回転センシング信号を生成する。
【0017】
図10を参照されたい。
図10は、本発明の第2の実施形態によるタッチパネル300上に配置されたノブデバイス200を示す上面図である。
図10に示されるように、複数のセンシングパッド234は、ノブカバー210上に配置され、ノブカバー210の正投影の中心の周りの領域を欠いている。ユーザがノブデバイス200のノブカバー210に触れて押すとき、3つのタッチパネルセル302e、302f、及び301gが3つのセンシング信号を生成するように、3つのタッチパネルセル302e、302f、及び302gが、押圧センシング素子250の下にあると仮定する。タッチパネル300(特に、タッチパネル300のコントローラ)は、3つの隣接するタッチパネルセルから生成された3つのセンシング信号を受信するときに、押圧センシング信号を生成するように事前にプログラムすることができる。同様に、ユーザがノブデバイス200のノブカバー210に触れるとき、タッチパネルセル302hが、ノブデバイス200がタッチされたことを表すセンシング信号を生成するように、タッチパネルセル302hは、複数のセンシングパッド234の下にある。ユーザがノブデバイス200のノブカバー210を時計回りに回転させる場合、タッチパネルセル302iが複数のセンシングパッド234の下にあり、センシング信号を生成するように、複数のセンシングパッド234は、タッチパネルセル302iの上の位置に移動される。タッチパネル300(特に、タッチパネル300のコントローラ)は、最初に1つのタッチパネルセル(例えば、この実施形態ではタッチパネルセル302h)から生成されたセンシング信号を受信し、次に別のタッチパネルセル(例えば、この実施形態ではタッチパネルセル302i)から生成されたセンシング信号を受信するとき、ノブデバイス200が回転していることを表す回転センシング信号を生成するように事前にプログラムすることができる。3つのタッチパネルセル302e、302f、及び301gは、おそらく、複数のセンシングパッド234によって覆われていることに留意する。したがって、押すことと回すことの間の誤判断が少なくなるように、押圧センシング素子250の領域(area)と複数のセンシングパッド234の領域との間の差は、より大きくなる。さらに、ユーザがノブデバイス200のノブカバー210を時計回りに回転させるとき、ノブカバー210の正投影の中心から最も遠いセンシングパッド234の一部は、最初にタッチパネルセル302iを覆う。したがって、ノブカバー210の正投影の中心から遠く離れたセンシングパッド234の領域は、ノブデバイス200の回転角の分解能を効果的に高めることができる。
【0018】
本実施形態では、複数のセンシングパッド234がノブカバー110上に配置されている。複数のセンシングパッド234を使用するセンシングパッド設計は、異なる要件を満たすためにいくつかのバリエーションを有し得る。
図11を参照されたい。
図11は、本発明の実施形態による、ノブカバー210の正投影の2つの隣接する扇形領域に従って配置された2つのセンシングパッド234を示す図である。同様に、タッチパネル300上のノブカバー210の正投影は、ノブカバー210の正投影の中心から放射状に分布する複数の部分211に分割される。複数の部分211の数は、ノブデバイス200の回転角の分解能に依存する。ノブカバー210上に配置された複数のセンシングパッド234について、中心から遠いセンシングパッド234の部分を増やすことができる。いくつかの実施形態では、複数のセンシングパッド234は、ノブカバー210から延在し得る。
図11に示すように、
図11のセンシングパッド234のセットは、ノブカバー210の正投影の1つの扇形領域の中心から遠い領域に位置決めされた2つのセンシングパッド234によって形成され、且つより多くのタッチパネルセル301をカバーするために、ノブカバー210の正投影からさらに延長される。換言すれば、複数のセンシングパッド234は、第1の部分と、第1の部分と接続された第2の部分とを有する。ここで、第1の部分は、複数の部分のうちの1つに位置決めされ、且つ第2の部分は、ノブカバー211の正投影の外側に位置決めされる。ノブカバー210から延在するセンシングパッド234の部分は、ユーザによって見ることができ、画面(screen)の一部をブロックすることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、各センシングパッド234は、ノブカバー210の正投影の複数の扇形領域の中心から遠く離れた領域上に形成される。
図12を参照されたい。
図12は、本発明の実施形態による、ノブカバー210の正投影の2つの隣接する扇形領域に従って配置された2つのセンシングパッド234を示す図である。例えば、
図12に示すように、
図12のセンシングパッド234のセットは、3つの部分211の中心から遠い領域に位置決めされた3つの部分211に従って形成された扇形であり、中心から遠く離れたセンシングパッド234のセットの領域(area)が拡大され、且つ中心に近いセンシングパッド234のセットの領域が減少する。センシングパッド234のさらに別のセットは、別の3つの部分111に位置決めされ、且つ別の3つの部分211に隣接する3つの部分211に位置決めされたセンシングパッドのセットに接続されている。このようにして、中心から遠く離れたセンシングパッド234の領域が増加して、より多くのタッチパネルセル301をカバーし、且つ、中心の周りのセンシングパッド234の領域は、回転センシング素子230と押圧センシング素子250とが十分な差を持たせるために、回転センシング素子230によって検出された回転と、押圧センシング素子250によって検出された押圧(pressing)との間の誤判定を防ぐため、縮小される。
【0020】
いくつかの実施形態では、ノブカバー210の正投影のギャップ部分212は、2セットのセンシングパッド234の間に形成され、センシングパッド234の1つのセットをセンシングパッド234の別のセットから分離させる。
図13を参照されたい。
図13は、本発明の実施形態による、ノブカバー210の正投影の複数の扇形領域に従って配置された2セットのセンシングパッド234を示す図である。
図13に示すように、
図13の1セットのセンシングパッド234は、ノブカバー210の正投影の1つの扇形領域の中心から遠く離れた領域に位置決めされた2つのセンシングパッド234によって形成され、ノブカバー110の正投影の複数の部分111のギャップ部分112は、2セットのセンシングパッド234の間に位置決めされている。換言すれば、1つのギャップ部分212は、2セットのセンシングパッド234の間に位置決めされて、複数のセンシングパッド134を分離する。ノブデバイスの回転角の分解能が改善されるように、分離されたセンシングパッド234は、より多くのタッチパネルセル301をカバーすることができる。さらに
図14を参照されたい。
図14は、本発明の第2の実施形態による、ノブカバー211の正投影の複数の扇形領域に従って別々に配置された2セットのセンシングパッド234を示す図である。
図14に示すように、いくつかの実施形態では、ギャップ部分212は、別のギャップ部分212に接続されている。例えば、
図14の1セットのセンシングパッド234は、3つの部分211の中心から遠い領域に位置決めされる3つの部分211に従って形成された扇形であり、中心から遠く離れた1セットのセンシングパッド234の領域が拡大され、且つ中心に近い1セットのセンシングパッド234の領域が減少する。2つのギャップ部分212が接続され、且つ2つのセットのセンシングパッド134の間に位置決めされて、複数のセンシングパッド234を分離する。タッチパネル300がわずかな回転の回転センシング信号を得ることができるように、分離されたセンシングパッド234は、より多くのタッチパネルセル301をカバーすることができる。
【0021】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、デバイス及び方法の多数の修正及び変更を行うことができることを容易に観察するであろう。したがって、上記の開示は、添付の請求項の境界によってのみ制限されると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0022】
100 ノブデバイス
110 ノブカバー
111 部分
112 ギャップ部分
130 回転センシング素子
132 ベース
134 センシングパッド
150 押圧センシング素子
200 ノブデバイス
210 ノブカバー
230 回転センシング素子
232 ベース
234 センシングパッド
250 押圧センシング素子
300 タッチパネル
301、301a,301b,301c,301d,301e,301f,301g,301i タッチパネルセル