IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エンバイロメンタル リソーシズ マネージメント リミテッドの特許一覧

特許7273958大規模水素製造のための洋上風力タービンシステム
<>
  • 特許-大規模水素製造のための洋上風力タービンシステム 図1
  • 特許-大規模水素製造のための洋上風力タービンシステム 図2
  • 特許-大規模水素製造のための洋上風力タービンシステム 図3
  • 特許-大規模水素製造のための洋上風力タービンシステム 図4
  • 特許-大規模水素製造のための洋上風力タービンシステム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】大規模水素製造のための洋上風力タービンシステム
(51)【国際特許分類】
   F03D 9/19 20160101AFI20230508BHJP
   F03D 13/25 20160101ALI20230508BHJP
   C01B 3/02 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
F03D9/19
F03D13/25
C01B3/02 H
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021525294
(86)(22)【出願日】2018-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 GB2018053251
(87)【国際公開番号】W WO2020095012
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】521198848
【氏名又は名称】エンバイロメンタル リソーシズ マネージメント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】キンセラ ケヴィン ゲイリー
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-520088(JP,A)
【文献】国際公開第2014/083684(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 9/19
F03D 13/25
C01B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水から水素を大規模に製造するための洋上風力タービンシステムであって、
風力発電機を支持する浮遊式タワー構造と、
海水吸上げポンプと、
脱塩ユニットと、
前記浮遊式タワー構造の高所タワー部分の外部上に配置された電気分解ユニットと、
送出ライザーと、
を備え、
前記海水吸上げポンプ、前記脱塩ユニット、及び前記電気分解ユニットは、前記風力発電機から給電され、前記海水吸上げポンプは、海水を前記脱塩ユニットに供給するように構成され、前記脱塩ユニットは、脱塩された海水を前記電気分解ユニットに供給するように構成され、
前記電気分解ユニットは、脱塩された海水の電気分解で生成された水素をマニホールド又はパイプラインに送出するために前記送出ライザーに供給するように構成される、システム。
【請求項2】
浮遊式タワーは、サクションアンカーと、前記浮遊式タワー構造を前記サクションアンカーに接続する係留ケーブルとによって海底にしっかり固定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
浮遊式タワー構造は、スパー下部構造を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記電気分解ユニットは、所定の閾値波高の上に配置される、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記電気分解ユニットは、前記高所タワー部分の外部に同様に配置され複数の電気分解ユニットのうちの1つである、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記海水吸上げポンプ及び前記脱塩ユニットは、前記高所タワー部分の内部に配置される、請求項1、4及び5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記海水吸上げポンプ及び前記脱塩ユニットは、前記高所タワー部分の外部に配置される、請求項1、4及び5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
浮遊式タワー構造は、近位フレームによって相互結合された少なくとも3つの柱と、反対側の水平板とを備える半潜水型下部構造を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項9】
前記風力発電機は、前記柱のうちの1つの上で浮遊式タワー上に取り付けられ、前記海水吸上げポンプ及び前記脱塩ユニットは、前記柱のうちの別の1つの上に配置される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記脱塩ユニットは、前記柱のそれぞれの上部にしっかり固定されたコンテナ又は予め包装されたユニットである、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記電気分解ユニットは、前記柱のうちのさらに別の1つの上に配置される、請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記電気分解ユニットは、前記柱のそれぞれの上部にしっかり固定されたコンテナ又は予め包装されたユニットである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記浮遊式タワー構造、前記風力発電機、前記海水吸上げポンプ、前記脱塩ユニット、前記電気分解ユニット、及び前記送出ライザーは、システムユニットを備え、複数の前記システムユニットは、それぞれの送出ライザーによって海底上に配備されたマニホールドに相互接続される、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記マニホールドは、パイプラインに接続され、前記パイプラインは、前記パイプラインの中で複数のシステムユニッによって生成された前記水素のための「ラインパック」貯蔵能力を提供するために選択的に又は管理可能に動作可能となるように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記浮遊式タワー構造及び風力発電機は、局所電気ケーブル網を介して浮遊式又は直接係留式プラットホームに接続され、前記海水吸上げポンプ、前記脱塩ユニット、前記電気分解ユニット、及び前記送出ライザーは、前記浮遊式又は直接係留式プラットホーム上に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
海水から水素を大規模に製造するための方法であって、
海底上に海水から水素を製造するためのシステムを位置決めするステップであって、前記システムが、
風力発電機を支持する浮遊式タワー構造と、
海水吸上げポンプと、
脱塩ユニットと、
前記浮遊式タワー構造の高所タワー部分の外部上に配置された電気分解ユニットと、
送出ライザーと、
を備える、ステップと、
前記海水吸上げポンプ、前記脱塩ユニット、及び電気分解ユニットに前記風力発電機から給電するステップであって、前記海水吸上げポンプは、前記脱塩ユニットに海水を供給し、前記脱塩ユニットは、脱塩された海水を前記電気分解ユニットに供給する、ステップと、
前記電気分解ユニット内で脱塩された海水の電気分解から水素を生成するステップと、
前記水素を前記電気分解ユニットから前記送出ライザーを介して前記海底上のマニホールド又はパイプラインへ送出するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、風力タービンシステムに関し、より詳細には、大規模水素製造及び送出のための海水電気分解を組み込んだモジュール式洋上風力タービンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球的気候変動の結果として、国家及び産業界は、商用、家庭用、及び他の経済セクター用に利用するための「脱炭素化された」熱源及び輸送燃料を探し求めている。現在、相当な研究開発努力がバイオ燃料の製造に向けられており、ここでは、特殊農作物、貯蔵牧草、又は木質系廃棄材料は、処理されてエタノールなどの「環境に優しい」燃料に変換される。また、相当な研究開発努力がシンガス及び所謂「ブルー水素」などの「還元炭素(reduced carbon)」化石燃料の製造に向けられており、ここでは、石炭、石油、最近の場合、メタンガスが炭素捕捉技術と組み合わせて改質され、改善されたガス供給網及び増大する圧縮ガス燃料車両で使用するために、メタンガス又は水素などの軽質の低炭素含有燃料を生成するようになっている。また、研究開発努力は、「グリーン水素」を製造するための様々な方法を検討することであり、グリーン水素とは、風力エネルギー、ソーラーエネルギー、潮力エネルギーなどの無炭素エネルギーを用いて水を電気分解することで製造された水素であり、グリーン水素は、もちろんアップグレードされたガス供給網及び圧縮ガス燃料車両にも使用することができる。グリーン水素製造は、他の多くのカーボンニュートラル燃料の製造に必要な農業材料及び有機性廃棄物の収集、管理、及びその後の廃棄を必要とすることなくカーボンニュートラルであるという利点をもつ。また、グリーン水素製造は、化石燃料が含有する炭素を有用な材料に変換するための、又はプロセスから取り出した炭素を埋蔵のために地下貯留槽の中に集めるための炭素捕捉技術を必要とすることなくカーボンニュートラルであるという利点をもつ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、大規模なグリーン水素燃料製造のための経済的に実行可能なシステムに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
海水から水素を大規模に製造するための洋上風力タービンシステムが開示される。システムは、浮遊式タワー構造、風力発電機、吸上げポンプ、脱塩ユニット、電気分解ユニット、及び送出ライザーを含む。浮遊式タワー構造は、深海開発用のサクションアンカーによって海底にしっかり固定される。吸上げポンプ、脱塩ユニット、及び電気分解ユニットは、風力発電機から給電され、それぞれ、海水をポンプ送給、脱塩、及び電気分解するように構成される。電気分解ユニットで生成された水素は、海底上に配備することができるマニホールド又はパイプラインに送出するために送出ライザーに供給される。システムは、システムが実質的に自己充足型(送出ライザーのマニホールド又はパイプラインへの接続を除いて)であり、自己完結型(見込まれる保守管理を除いて)であり、システムの個々のユニットが、システムの拡張性を高めるために1又は2以上のこのようなマニホールドに相互接続されたフィールドに結合することができるという意味でモジュール式である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示システムの例示的な態様を示す。
図2図1に示すシステムの概略図である。
図3】代替のタワー基礎構造及びシステム要素の構成を示す。
図4】海底パイプラインに相互接続した図1に示すシステムの概略図である。
図5】海底の局所的電気ケーブルネットワーク及び海底パイプラインに相互接続したシステムの代替構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1に示すように、本システムは、海水から水素を製造するための洋上風力タービンシステムである。システム100は、風力発電機120を支持する浮遊式タワー構造110を含む。浮遊式タワー構造110は、以下に詳細に説明する複数の形態のうちの1つの形態を取ることができる。浮遊式タワー構造110は、係留ケーブル130及びサクションアンカー132によって、又はこのような係留ケーブル及びサクションアンカーの深海開発用のシステムによって、海底にしっかり固定することができるが、浮遊式タワー構造110は、ブロックアンカー、重力アンカー、スクリューアンカーなどの何れかによって係留できることを理解されたい。風力発電機120は、浮遊式タワー構造110上の一般的に近位端で高い位置に取り付けられるが、風力発電機120は、浮遊式タワーの高くされた長さに沿って分散配置された複数の風力発電機のうちの1つとすること、及び/又は航海警報ビーコン、テレメトリアンテナ、及び他のタワー支持機器を支持することができるタワー構造のより近接する部位にあることができることを理解されたい。風力発電機120は、5から15MW、例えば10MWの公称発電量を目指して構成され、対応する浮遊式タワーは100から250メートルのローター直径を支持するように構成され、ローター直径は、一般に、発電量の増大に応じて大きくなる。浮遊式タワー構造110は、所定の設計水線を超える風力発電機120のローター直径の1.2から1.4倍の高さである。
【0007】
図2に他の方法で示すように、システム100は、風力発電機120により駆動される吸上げポンプ140、脱塩ユニット150、及び電気分解ユニット160を備え、第1の実施形態において、これらは浮遊式タワー構造110の高所タワー部分に配置される。吸上げポンプ140は、海水を脱塩ユニット150に供給するように構成され、脱塩ユニットは、脱塩された海水を電気分解ユニット160に供給するように構成される。一部の態様において、図1に示すように、タワー構造110は、スパー下部構造112を含むことができ、吸上げポンプ140及び脱塩ユニット150は、高所タワー部分113の内部に配置することができる。他の態様において、吸上げポンプ140及び脱塩ユニット150は、高所タワー部分113の外部に配置することができる。吸上げポンプ140及び脱塩ユニット150を高所タワー部分113の内部に位置決めすると、これらのユニットの保守管理を比較的保護された環境下で行うことが可能になるが、吸上げポンプ140及び脱塩ユニット150を高所タワー部分113の外部に位置決めすると、現場での保守管理の代わりに、これらのユニットの比較的単純な交換が可能になる。
【0008】
脱塩ユニット150は、熱脱塩ユニットとすることができるが、代替的に、これは逆浸透脱塩ユニット、電気透析脱塩ユニット、膜蒸留脱塩ユニットなどとすることができる。吸上げポンプ140及び脱塩ユニット150の電力需要は、電気分解ユニット160の電力需要に比べて比較的低いことになるので、脱塩ユニット150のタイプは、本質的にエネルギー効率ではなく信頼性及び保守管理期間に基づいて選択することができる。例えば、10MWのユニット100(公称10MWの風力発電機120及び3x3MWの電気分解ユニット160)において、水の需要量は、時間当たり約2m3であり、ポンプ及び熱脱塩の電力需要は最大有効電力の約1%であろう。
【0009】
電気分解ユニット160は、好ましくは、「飛沫ゾーン」上の、すなわち従来システムが配備されている海上構造物に利用される所定の閾値波高上の高所タワー部分113の外部に配置される。例えば、設計水線の上の20mの閾値高さは、北海の中に配備された海上構造物に関して使用することができる。電気分解ユニット160を高所タワー部分113の外部に位置決めすると、電気分解ユニット160又は送出ライザー170からの漏洩が生じた場合に、高所タワー部分113の内部に比べて、水素ガスの蓄積が爆発的に集中するのを防ぐことができる。他の態様において、電気分解ユニット160は、高所タワー部分113の内部に配置することができるが、このような配置は、少なくともこの内部の周辺部の通気、並びにこのような通気によって水の進入を排除又は管理する設備を必要とするであろうことを理解されたい。
【0010】
電気分解ユニット160は、図1に示すような、1から5MW、例えば3MWの電力需要の高分子膜電気分解ユニットとすることができるが、他のタイプの電気分解ユニットをシステム100に使用することができることを理解されたい。電気分解ユニット160は、複数の電気分解ユニット160、例えば、図示のように3つのユニット160のうちの1つとすることができ、このユニットは、電気分解ユニットの電力需要を風力発電機120が実際に発生した電力にスケール調整するのを可能にするために及び/又はシステム100の水素生成能力の冗長性をもたらすために、同様に浮遊式タワー構造110に配置される。
【0011】
電気分解ユニット160自体は、最大40barの圧力で水素を発生するように構成することができる。もしくは、システムは、水素を電気分解ユニット160から引き込んで水素を送出ライザー170に送給する増圧ポンプ(図示せず)を含むことができる。送出ライザー170は、浮遊式タワー110と海底上に配備されたマニホールド200との間の相対運動を許容するように、可撓性複合材料から製造することができる。マニホールド200は、海上又は陸上貯蔵設備、例えば岩塩空洞貯蔵設備に達する、又は陸上ガス供給網に達するパイプラインなどの、水素供給網用の収集パイプラインを含むパイプライン210(図4に示す)に接続することができる。システムユニット100、パイプライン210、及び陸上ガス供給網への入口点が同じ団体又は協同組合によって管理されるシステムにおいて、パイプラインは、パイプライン210自体の中でシステムユニット100によって生成された水素のための相当な「ラインパック」貯蔵能力を提供するために選択的に又は管理可能に動作可能とすることができる。送出ライザー170は、マニホールドなしでパイプライン210に接続することができるが、図1に示すシステムユニット100は、水素製造の規模を拡大するために1又は2以上のこのようなマニホールドに相互接続されたフィールドに統合された、複数のユニット100のうちの1つであるで、マニホールド200が好ましいことを理解されたい。
【0012】
他の実施形態において、図3に示すように、浮遊式タワー110は、近位フレーム118で相互結合された少なくとも3つの柱116を備える半潜水型下部構造114と、反対側の水面下の水平板(図示せず)とを含むことができる。風力発電機120は、各柱116のうちの1つの上で浮遊式タワー110に取り付けることができる。吸上げポンプ140及び脱塩ユニット150は、各柱116のうちの別の1つの上に配置することができ、一部の態様では、脱塩ユニット140は、それぞれの柱116の上部にしっかり固定されたコンテナ又は予め包装されたユニットとして設けることができ、これは、現場での保守管理の代わりに脱塩ユニット150を交換することを可能にすることを理解されたい。電気分解ユニット160は、各柱116のうちのさらに別の1つの上に配置することができ、同様に、一部の実施形態において、電気分解ユニット160は、それぞれの柱116の上部にしっかり固定されたコンテナ又は予め包装されたユニットとして設けることができ、これは、現場での保守管理の代わりに電気分解ユニット160を交換することを可能にすることを理解されたい。
【0013】
図5に示す別の構成において、浮遊式タワー構造110及び風力発電機120は、別個の浮遊式又は直接係留式プラットホーム300に接続された、局所の(全国又は地方電力供給網に接続されていない)、比較的短距離の海底電気ケーブル220に電力を供給することができる。プラットホーム300は、船舶、はしけ、又は所謂「浮遊式製造システム」又は海上プラットホーム施設とすることができる。浮遊式タワー構造110ではないプラットホームは、吸上げポンプ140、脱塩ユニット150、及び電気分解ユニット160を含む。また、プラットホーム300は、浮遊式又は直接係留式の場合には送出ライザー170を含み、直接係留式の場合にはパイプライン210への他の従来式の結合部を含む。この別の構成は、複数の浮遊式タワー構造110及び風力発電機120の発電能力を水素生成のためにプラットホーム300に集中する特定の規模の利益をもたらすことができるが、この利益は、図1及び4に示すシステムのモジュール性及び他の関連する利益に対するトレードオフである。
【0014】
詳細には、図1及び図4を参照すると、システム100は、高圧スイッチギヤ/トランスの費用、及び海底ケーブル、特に陸上施設への長距離ケーブルを用いる送電に関連したエネルギー損失なしで大規模な深海開発を増加的に構築するために利用することができる、拡張性のある解決策を提供する。また、浮遊式タワー構造110の使用は、陸上からは見えない強風エリアの海岸から遠くでの風力エネルギー生成の拡大を可能にする。浮遊式タワー構造110上での電気分解ユニット160の分散配置は、少数の海上プラットホーム上又は陸上施設の中に集中することに比べて、資産リスク及びコストを低減させ、また、潜在的な環境影響を最小限するために、付随する脱塩ユニット150からの海水を広域にわたって排出するのを可能にする。
【符号の説明】
【0015】
100 システム
110 浮遊式タワー構造
120 風力発電機
140 吸上げポンプ
150 脱塩ユニット
160 電気分解ユニット
170 送出ライザー
図1
図2
図3
図4
図5