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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/57 20200101AFI20230508BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20230508BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20230508BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/20
A24F40/53
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021548619
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 KR2020018778
(87)【国際公開番号】W WO2021157857
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2021-08-18
(31)【優先権主張番号】10-2020-0015168
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(72)【発明者】
【氏名】イム,ハンイル
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0387795(US,A1)
【文献】特開2002-223591(JP,A)
【文献】国際公開第2015/159725(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
エアロゾル生成物質を加熱するヒータと、
前記ヒータに電力を供給するバッテリと、
前記ヒータを制御するMCU(Micro Controller Unit)と、
前記MCUと電気的に連結する保護回路と、を含み、
前記保護回路は、少なくとも1つのパラメータに基づいて前記ヒータの異常動作を検知及び制御するために、前記ヒータの動作に係わる前記少なくとも1つのパラメータを獲得する保護回路制御部を含み、
前記保護回路は、前記ヒータの動作に係わる前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記ヒータへの電力供給を中断するエアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記保護回路制御部は、
前記ヒータの動作持続時間を測定し、
前記動作持続時間と第1しきい値とを比較するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記保護回路制御部は、
タイマー(timer)をさらに含み、
前記タイマーは、
前記ヒータの動作が開始されれば、時間測定を開始し、
前記ヒータの動作が中断されれば、前記時間測定を中断するように構成される、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
エアロゾル生成装置において、
エアロゾル生成物質を加熱するヒータと、
前記ヒータに電力を供給するバッテリと、
前記ヒータを制御するMCU(Micro Controller Unit)と、
少なくとも1つのパラメータに基づいて前記ヒータの異常動作を検知及び制御するために、前記ヒータの動作に係わる前記少なくとも1つのパラメータを獲得する保護回路制御部と、を含み、
前記保護回路制御部は、
前記MCUから前記ヒータに供給される電力のデューティー比(duty ratio)を受信し、
既設定の時間の間、同一値に保持される前記デューティー比に基づいて、前記ヒータへの電力供給を中断するように構成される、エアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記保護回路制御部は、
比較器(comparator)をさらに含み、
前記比較器は、
前記デューティー比が前記既設定の時間の間、同一値に保持されるか否かを決定する、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記エアロゾル生成装置は、
前記バッテリから前記電力を供給され、前記供給された電力を前記ヒータに伝達するロードスイッチ(Load Switch)をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記ロードスイッチは、前記ヒータに伝達される前記電力が既設定の範囲を外れる場合、エラー信号を前記保護回路制御部に伝達し、
前記保護回路制御部は、前記エラー信号の受信に基づいて、前記ロードスイッチを制御して前記ヒータへの電力供給を中断するように構成される、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記エアロゾル生成装置は、
前記バッテリから前記電力を供給され、前記供給された電力を前記ヒータに伝達するロードスイッチ(Load Switch)をさらに含み、
前記保護回路制御部は、
前記第1しきい値を超える前記動作持続時間に基づいて、前記ロードスイッチを制御して前記ヒータへの電力供給を中断するように構成される、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記バッテリから前記電力を供給され、前記供給された電力を前記ヒータに伝達するロードスイッチ(Load Switch)をさらに含み、
前記保護回路制御部は、
前記既設定の時間の間、同一値に保持される前記デューティー比に基づいて、前記ロードスイッチを制御して前記ヒータへの電力供給を中断するように構成される、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記MCUは、PID(Proportional-Integral-Differential)アルゴリズムに基づいて前記ヒータに供給される前記電力を制御するように構成される、請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
エアロゾル生成装置を制御する方法において、
ヒータの動作に係わる少なくとも1つのパラメータを獲得する段階と、
前記少なくとも1つのパラメータに基づいて前記ヒータの異常動作を制御する段階と、を含み、
前記獲得する段階は、
前記ヒータに供給される電力のデューティー比を受信する段階を含み、
前記制御する段階は、
既設定の時間の間、同一値に保持される前記デューティー比に基づいて前記ヒータへの電力供給を中断する段階を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な非一時的記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル生成装置及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではないエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成される方法に係わる需要が増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾル生成装置では、エアロゾル生成物質を加熱するためにヒータを使用するが、ヒータが誤作動する場合、ユーザの喫煙満足感が減少し、デバイスの安全性が弱化してしまう問題がある。これにより、ヒータの誤作動を防止する必要がある。
【0004】
本開示が解決しようとする課題は、エアロゾル生成装置及びその動作方法を提供することである。また、エアロゾル生成装置周辺の気圧を考慮してパフの発生如何を正確に決定することができる装置及び方法を提供する。また、前記エアロゾル生成装置の動作方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0005】
本開示が解決しようとする技術的課題は、前述したような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が解決されうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を加熱するヒータ;前記ヒータに電力を供給するバッテリ;前記ヒータを制御するMCU(Micro Controller Unit);及び少なくとも1つのパラメータに基づいて前記ヒータの異常動作を検知及び制御するために、前記ヒータの動作に係わる前記少なくとも1つのパラメータを獲得する保護回路制御部;を含んでもよい。
【0007】
前記保護回路制御部は、前記ヒータの動作持続時間を測定し、前記動作持続時間と第1しきい値とを比較することができる。
【0008】
前記保護回路制御部は、タイマー(timer)をさらに含み、前記ヒータの動作が開始されれば、前記タイマーは、時間測定を開始し、前記ヒータの動作が中断されれば、前記タイマーは、前記時間測定を中断することができる。
【0009】
前記保護回路制御部は、前記MCUから前記ヒータに供給される電力のデューティー比(duty ratio)を受信し、既設定の時間の間、同一値に保持される前記デューティー比に基づいて、前記ヒータに電力供給を中断することができる。
【0010】
前記保護回路制御部は、比較器(comparator)をさらに含み、前記比較器は、前記デューティー比が前記既設定の時間の間、同一値に保持されるか否かを決定することができる。
【0011】
前記エアロゾル生成装置は、前記バッテリから前記電力を供給され、前記供給された電力を前記ヒータに伝達するロードスイッチ(Load Switch)をさらに含んでもよい。
【0012】
前記ロードスイッチは、前記ヒータに伝達される前記電力が既設定の範囲を外れる場合、エラー信号を前記保護回路制御部に伝達し、前記保護回路制御部は、前記エラー信号の受信に基づいて、前記ロードスイッチを制御して前記ヒータへの電力供給を中断することができる。
【0013】
また、前記エアロゾル生成装置は、前記バッテリから前記電力を供給され、前記供給された電力を前記ヒータに伝達するロードスイッチ(Load Switch);をさらに含み、前記保護回路制御部は、前記第1しきい値を超える前記動作持続時間に基づいて、前記ロードスイッチを制御して前記ヒータへの電力供給を中断することができる。
【0014】
前記エアロゾル生成装置は、前記バッテリから前記電力を供給され、前記供給された電力を前記ヒータに伝達するロードスイッチ(Load Switch)をさらに含み、前記保護回路制御部は、前記既設定の時間の間、同一値に保持される前記デューティー比に基づいて、前記ロードスイッチを制御して前記ヒータへの電力供給を中断することができる。
【0015】
前記MCUは、PID(Proportional-Integral-Differential)アルゴリズムに基づいて前記ヒータに供給される前記電力を制御することができる。
【0016】
また、本開示によるエアロゾル生成装置を制御する方法は、ヒータの動作に係わる少なくとも1つのパラメータを獲得する段階;及び前記少なくとも1つのパラメータに基づいて前記ヒータの異常動作を制御する段階;を含んでもよい。
【0017】
前記獲得する段階は、前記ヒータの動作持続時間を測定する段階を含み、前記制御する段階は、前記動作持続時間と第1しきい値とを比較する段階を含んでもよい。
【0018】
また、前記獲得する段階は、前記ヒータに供給される電力のデューティー比を受信する段階を含み、前記制御する段階は、既設定の時間の間、同一値に保持される前記デューティー比に基づいて前記ヒータへの電力供給を中断する段階を含んでもよい。
【0019】
前記獲得する段階は、前記ヒータに伝達される電力が既設定の範囲を外れたことについてのエラー信号を受信する段階を含み、前記制御する段階は、前記エラー信号に応答して前記ヒータへの電力供給を中断する段階を含んでもよい。
【0020】
また、本開示によれば、前述した方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な非一時的記録媒体が提供されうる。
【発明の効果】
【0021】
本開示の一側面によれば、保護回路制御部は、加熱部の動作持続時間が既設定の時間を超過して動作することを防止することで、火災など事故を防止することができる。また、保護回路制御部は、MCUと独立したハードウェアによって具現されることで、MCUにエラーが発生しても、保護回路制御部は、正常に動作して加熱部が既設定の時間を超過して動作することを防止することができる。
【0022】
また、本開示の一側面によれば、保護回路制御部は、加熱部に供給される電力のデューティー比が所定時間の間、同一値に保持されるか否かを決定することで、ユーザの喫煙満足度が減少せず、火災など事故を防止することができる。また、保護回路制御部は、MCUと独立したハードウェアによって具現されることで、MCUにエラーが発生しても保護回路制御部は、正常に動作して加熱部に供給される電力のデューティー比を持続的にモニタリングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図4】シガレットの例を示す図面である。
図5】シガレットの例を示す図面である。
図6】一実施例による保護回路を含むエアロゾル生成装置のブロック図である。
図7】一実施例による保護回路の動作を説明するためのブロック図である。
図8】一実施例による保護回路を含むエアロゾル生成装置のブロック図である。
図9】一実施例によるエアロゾル生成装置を制御する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで使用されるように、要素のリストに先行する「~のうち、少なくとも1つ」のような表現は、要素の全体リストを修飾するものであり、そのリストの個別要素を修飾するものではない。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくとも1つ」のような表現は、a単独、b単独、c単独、a及びb、a及びc、b及びc、またはa、b、及びcを含むものと理解されねばならない。
【0025】
ある要素や層が「上方に」、「上に」、「連結される」または「結合される」と言及されるとき、その要素や層は、他の要素や層に直接(または直ぐ)上方に、上に、連結または結合されるか、あるいは介入する要素または層が存在していると理解されうる。逆に、ある要素が異なる要素または層に「直ぐ上に」、「直上に」、「直接連結されて」または「直接結合されて」いると記載された場合、他の要素や層の介入がないということを意味する。
【0026】
実施例で使用される用語は、本開示での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本開示で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本開示の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0027】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアの結合に具現されうる。
【0028】
以下、添付図面に基づいて本開示の実施例について本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に理解して実施するように詳細に説明する。しかし、本開示は、様々な異なる形態によって具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0029】
以下、図面に基づいて本開示の実施例について詳細に説明する。
【0030】
図1ないし図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0031】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12及びヒータ13を含む。図2及び図3を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、蒸気化器14をさらに含む。また、エアロゾル生成装置1の内部空間には、シガレット2が挿入されうる。
【0032】
図1ないし図3に図示されるエアロゾル生成装置1には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。図1ないし図3に図示される構成要素以外に他の構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに含まれるということを、本開示に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0033】
また、図2及び図3には、エアロゾル生成装置1にヒータ13が含まれていると図示されているが、必要によって、ヒータ13は、省略されうる。
【0034】
図1には、バッテリ11、制御部12及びヒータ13が一列に配置されていると図示されている。また、図2には、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14及びヒータ13が一列に配置されていると図示されている。また、図3には、蒸気化器14及びヒータ13が並列に配置されていると図示されている。しかし、エアロゾル生成装置1の内部構造は、図1ないし図3に図示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置1の設計によって、バッテリ11、制御部12、ヒータ13及び蒸気化器14の配置は変更されうる。
【0035】
シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13及び/または蒸気化器14を作動させ、エアロゾルを発生させうる。ヒータ13及び/または蒸気化器14によって発生したエアロゾルは、シガレット2を通じてユーザに伝達される。
【0036】
必要によって、シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されていない場合にもエアロゾル生成装置1は、ヒータ13を加熱することができる。
【0037】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒータ13または蒸気化器14が加熱されるように電力を供給し、制御部12の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に含まれるディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0038】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の全般的な動作を制御する。具体的に、制御部12は、バッテリ11、ヒータ13及び蒸気化器14の動作だけではなくエアロゾル生成装置1に含まれる他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるか否かを判断する。
【0039】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、マイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサによって実行されうるプログラムが保存されるメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されることを、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0040】
ヒータ13は、バッテリ11から供給される電力によって加熱されうる。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置1に挿入されれば、ヒータ13は、シガレットの外部に位置することができる。したがって、加熱されたヒータ13は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0041】
ヒータ13は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13には、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13が加熱されうる。しかし、ヒータ13は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱可能なものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置1に既に設定されていてもよく、ユーザによって入力された温度に設定されうる。
【0042】
一方、他の例として、ヒータ13は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ13には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタを含んでもよい。
【0043】
例えば、ヒータ13は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレット2の内部または外部を加熱することができる。
【0044】
また、エアロゾル生成装置1には、ヒータ13が複数個配置されうる。この際、複数個のヒータ13は、シガレット2の内部に挿入されるように配置され、シガレット2の外部に配置されうる。また、複数個のヒータ13のうち、一部は、シガレット2の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット2の外部に配置されうる。また、ヒータ13の形状は、図1ないし図3に図示された形状に限定されず、多様な形状に作製されうる。
【0045】
蒸気化器14は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置1の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるようにも構成される。
【0046】
例えば、蒸気化器14は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含んでもよいが、その限りではない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置1に含まれてもよい。
【0047】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器14に対して脱着/付着するように作製され、蒸気化器14と一体として作製されうる。
【0048】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0049】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されない。
【0050】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達して、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0051】
また、蒸気化器14は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されない。
【0052】
一方、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒータ13、及び蒸気化器14以外に他の構成を含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、少なくとも1つのセンサ(パフ検知センサ、温度検知センサ、シガレット挿入検知センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、シガレット2が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出されうる構造によっても作製される。
【0053】
図1ないし図3には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1のバッテリ11の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル生成装置1が結合された状態でヒータ13が加熱されうる。
【0054】
シガレット2は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分とに区分されうる。または、シガレット2の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれる。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られるエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されうる。
【0055】
エアロゾル生成装置1の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置1の内部に第1部分の一部だけ挿入され、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されうる。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込む。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0056】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置1に形成される少なくとも1つの空気通路を通じて流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置1に形成される空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、シガレット2の表面に形成される少なくとも1つの孔(hole)を通じてシガレット2の内部に流入されうる。
【0057】
以下、図4及び図5を参照して、シガレット2の例を説明する。
【0058】
図4及び図5は、シガレットの例を示す図面である。
【0059】
図4を参照すれば、シガレット2は、タバコロッド21及びフィルタロッド22を含む。図1ないし図3を参照して上述した第1部分は、タバコロッド21を含み、第2部分は、フィルタロッド22を含む。
【0060】
図4には、フィルタロッド22が単一セグメントに図示されているが、ここに限定されず、フィルタロッド22は、複数のセグメントで構成されうる。例えば、フィルタロッド22は、エアロゾルを冷却するセグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングするセグメントを含んでもよい。また、必要によって、フィルタロッド22には、他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0061】
シガレット2は、少なくとも1枚のラッパ24によって包装されうる。ラッパ24には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。一例として、シガレット2は、1枚のラッパ24によって包装されうる。他の例として、シガレット2は、2以上のラッパ24によって重畳して包装されうる。例えば、第1ラッパ241によってタバコロッド21が包装され、ラッパ242、243及び244によってフィルタロッド22が包装されうる。そして、単一ラッパ245によってシガレット2全体が再包装されうる。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成されているならば、それぞれのセグメントがラッパ242、243及び244によって包装されうる。
【0062】
タバコロッド21は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それらに限定されない。また、タバコロッド21は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド21には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド21に噴射されることによって添加される。
【0063】
タバコロッド21は、多様にも作製される。例えば、タバコロッド21は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド21は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド21は、熱伝導物質によっても覆い包まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド21を覆い包む熱伝導物質は、タバコロッド21に伝達される熱を押し並べて分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ風味を向上させうる。また、タバコロッド21を覆い包む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が行える。この際、図面に示されていないが、タバコロッド21は、外部を覆い包む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0064】
フィルタロッド22は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド22の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド22は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド22は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成される場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0065】
また、フィルタロッド22には、少なくとも1つのカプセル23が含まれる。ここで、カプセル23は、香味を発生させる機能を行い、エアロゾルを発生させる機能を行うこともできる。例えば、カプセル23は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル23は、 球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0066】
図5を参照すれば、シガレット3は、前端プラグ33をさらに含んでもよい。前端プラグ33は、タバコロッド31において、フィルタロッド32に対向する一側に位置する。前端プラグ33は、タバコロッド31の外部への離脱を防止し、喫煙中にタバコロッド31から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(図1ないし図3の参照符号1)に流れて行くことを防止することができる。
【0067】
フィルタロッド32は、第1セグメント321及び第2セグメント322を含んでもよい。ここで、第1セグメント321は、図4のフィルタロッド22の第1セグメントに対応し、第2セグメント322は、図4のフィルタロッド22の第3セグメントに対応する。
【0068】
シガレット3の直径及び全長は、図4のシガレット2の直径及び全長に対応する。例えば、前端プラグ33の長さは、約7mm、タバコロッド31の長さは、約15mm、第1セグメント321の長さは、約12mm、第2セグメント322の長さは、約14mmでもあるが、それに限定されない。
【0069】
シガレット3は、少なくとも1枚のラッパ35によって包装される。ラッパ35には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成される。例えば、第1ラッパ351によって前端プラグ33が包装され、第2ラッパ352によってタバコロッド31が包装され、第3ラッパ353によって第1セグメント321が包装され、第4ラッパ354によって第2セグメント322が包装される。そし、第5ラッパ355によってシガレット3全体が再包装される。
【0070】
また、第5ラッパ355には、少なくとも1つの穿孔36が形成される。例えば、穿孔36は、タバコロッド31を覆い包む領域に形成されるが、それに制限されない。穿孔36は、図2及び図3に示されたヒータ13によって形成された熱をタバコロッド31の内部に伝達する役割を行うことができる。
【0071】
また、第2セグメント322には、少なくとも1つのカプセル34が含まれる。ここで、カプセル34は、香味を発生させる機能を行い、エアロゾルを発生させる機能を行うこともできる。例えば、カプセル34は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル34は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0072】
図6は、一実施例による保護回路を含むエアロゾル生成装置のブロック図である。
【0073】
エアロゾル生成装置600は、MCU610、保護回路620及び加熱部630を含んでもよい。加熱部630は、図3のヒータ13及び蒸気化器14のうち、少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0074】
MCU610は、エアロゾル生成装置600の全般的な動作を制御するハードウェアである。MCU610は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、マイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサによって実行されうるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということを、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0075】
MCU610は、加熱部630の全般的な動作を制御することができる。一実施例において、MCU610は、少なくとも1つのセンサによってセンシングされた結果に基づいて、加熱部630の動作が開始または終了するように加熱部630に供給される電力を制御する。また、MCU610は、少なくとも1つのセンサによってセンシングされた結果に基づいて、加熱部630が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するように加熱部630に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0076】
MCU610は、加熱部630に供給される電力量を調節する。一実施例において、MCU610は、PID(Proportional Integral Derivation)制御方式を用いて加熱部630に供給される電力のデューティー比(duty ratio)を調節することができる。PID制御方式は、比例制御(P制御)、積分制御(I制御)及び微分制御(D制御)を組合わせた制御方式である。
【0077】
P制御は、目標値との差に定数である利得(gain)を乗じてフィードバックする制御方式である。P制御は、目標値との偏差によって揺れる信号の形態に制御される。P制御を用いて利得を乗じる方式で制御動作を遂行すれば、早く目標値に近接することができる。但し、2次以上のシステムのようにP制御だけでは、目標値に適切に追従することができない場合には、I制御及び/またはD制御方法を追加することができる。
【0078】
I制御は、エラーを積分してフィードバックする制御方式である。すなわち、I制御は、エラーを累積し、次回に反映する制御方式である。P制御では大きく揺れる形態の値がPI制御を遂行すれば、漸進的にオーバーシュート(overshoot)が減少し、目標値を獲得することができる。一方、PI制御だけ遂行すれば、算術的に微細に揺れる値が残留偏差として存在し、残留偏差によって測定値が相当時間、振動してしまう。
【0079】
D制御は、エラーを微分して制御システムにフィードバックする制御方式である。PI制御にD制御を追加すれば、比例して積分されたグラフ形態において微分を適用して残留偏差を消去することで、振動していたシステムが適切な時間内にエラーなしに目標値を獲得するように制御することができる。
【0080】
他の実施例において、MCU610は、PWM(pulse width modulation)制御方式を用いて加熱部630に供給される電力のデューティー比(duty ratio)を調節することができる。例えば、パフシリーズの進行経過別にデューティー比が互い異なって設定されうる。パフシリーズの進行経過によって、MCU610は、既設定のデューティー比に基づいて加熱部630に電力を供給することができる。
【0081】
一方、加熱部630の異常動作を防止するための少なくとも1つのアルゴリズムがMCU610に適用されうる。例えば、加熱部630が既設定の時間を超えて動作することを検知するためのアルゴリズムがMCU610に適用されうる。また、加熱部630に供給される電力のデューティー比が所定時間の間、同一値に保持されることを検知するためのアルゴリズムがMCU610に適用されうる。また、加熱部630に過電流及び/または短絡電流が流れることを検知するためのアルゴリズムがMCU610に適用されうる。
【0082】
但し、加熱部630の異常動作を防止するための少なくとも1つのアルゴリズムがMCU610に適用されても、MCU610にエラーが発生すれば、これ以上加熱部630の異常動作を防止することができなくなる。
【0083】
一実施例において、エアロゾル生成装置600は、上述したMCU610に適用されたアルゴリズムを具現可能な保護回路620を提供することができる。保護回路620は、MCU610と独立したハードウェアによって具現されうる。
【0084】
保護回路620は、加熱部630の動作に係わるパラメータを獲得し、獲得されたパラメータに基づいて加熱部630の異常動作を防止することができる。
【0085】
例えば、保護回路620は、加熱部630の動作持続時間をパラメータとして獲得することができる。保護回路620は、加熱部630の動作持続時間を測定し、動作持続時間と第1しきい値とを比較して加熱部630への電力供給を中断することができる。
【0086】
また、保護回路620は、加熱部630に供給される電力のデューティー比(duty ratio)をパラメータとして獲得することができる。保護回路620は、MCU610から加熱部630に供給される電力のデューティー比を受信し、デューティー比が所定時間の間、同一値に保持される場合、加熱部630への電力供給を中断することができる。
【0087】
また、保護回路620は、加熱部630に供給される電力をパラメータとして獲得することができる。加熱部630に供給される電力が既設定の範囲を外れる場合、保護回路620は、加熱部630への電力供給を中断することができる。
【0088】
一方、エアロゾル生成装置600は、メモリをさらに含んでもよい。メモリは、エアロゾル生成装置600内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリは、MCU610及び保護回路620で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリは、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によっても具現される。
【0089】
例えば、メモリには、加熱部630の動作持続時間に係わるデータ、加熱部630に供給される電力のデューティー比に係わるデータ、加熱部630に供給される電力に係わるデータなどが保存されうる。
【0090】
図7は、一実施例による保護回路の動作を説明するためのブロック図である。
【0091】
図7を参照すれば、バッテリ740は、エアロゾル生成装置700の動作に必要な電力を供給する。バッテリ740は、充電が可能なバッテリでも、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ740は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0092】
バッテリ740は、MCU710、保護回路制御部722及びロードスイッチ721に電力を供給することができる。図7に図示された構成要素以外に他の構成要素がバッテリ740から電力を供給されるということを、本開示に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0093】
MCU710は、加熱部730の動作を制御することができる。MCU710は、加熱部730に電力を供給するか、電力供給を中断することができる。MCU710は、保護回路720を通じて加熱部730の異常動作を検知して加熱部730への電力供給を中断することができる。
【0094】
また、MCU710は、加熱部730に供給される電力量を調節することができる。一実施例において、MCU710は、PID制御方式を用いて加熱部730に供給される電力のデューティー比を調節することができる。PID制御方式は、比例制御(P制御)、積分制御(I制御)及び微分制御(D制御)を組合わせた制御方式である。
【0095】
MCU710は、保護回路720と電気的に連結されうる。保護回路720は、保護回路制御部722及びロードスイッチ721を含んでもよい。保護回路制御部722は、バッテリ740から電力を受信することができる。保護回路制御部722は、MCU710から制御信号を受信することができる。
【0096】
保護回路制御部722は、MCU710と独立したハードウェアによっても具現される。例えば、保護回路制御部722は、FPGA(Field Programmable Gate Array)によって具現されるが、それに制限されない。
【0097】
保護回路制御部722は、加熱部730の動作に係わる少なくとも1つのパラメータを獲得することができる。また、保護回路制御部722は、パラメータに基づいて加熱部730の異常動作を防止することができる。
【0098】
一実施例において、保護回路制御部722は、加熱部730の動作持続時間をパラメータとして獲得することができる。保護回路制御部722は、加熱部730の動作持続時間を測定し、動作持続時間と第1しきい値とを比較して、加熱部730に電力供給を中断することができる。
【0099】
MCU710は、PID制御方式を用いて加熱部730に供給される電力量を調節するために、デューティー比制御信号をデューティー比制御スイッチ725に伝送することができる。一実施例において、保護回路制御部722は、デューティー比制御スイッチ725に伝送されるデューティー比制御信号(または、デューティー比)をパラメータとして獲得することができる。保護回路制御部722は、MCU710から加熱部730に供給される電力のデューティー比を受信し、デューティー比が所定時間の間、同一値に保持される場合、加熱部730に電力供給を中断することができる。
【0100】
一実施例において、保護回路制御部722は、加熱部730に伝達される電力をパラメータとして獲得することができる。加熱部730に伝達される電力が既設定の範囲を外れる場合、保護回路制御部722は、加熱部730に電力供給を中断することができる。
【0101】
図8は、一実施例による保護回路を含むエアロゾル生成装置のブロック図である。
【0102】
図8を参照すれば、エアロゾル生成装置800は、コネクタ801を通じて外部電源850から電力を受信することができる。例えば、コネクタ801は、USBコネクタでもあるが、それに制限されない。
【0103】
コネクタ801は、バッテリ保護回路802と電気的に連結されうる。バッテリ保護回路802は、エアロゾル生成装置800の性能低下または焼損を防止するための多様な機能のうち、1つ以上を行うことができる。例えば、バッテリ保護回路802は、OVP(over voltage protection)回路を含んでもよい。
【0104】
バッテリ保護回路802は、充電IC(Integrated Chip)803と電気的に連結されうる。充電IC803は、外部電源850から電力を受信するか否かに基づいて、バッテリ840を充電するか、バッテリ840を放電させうる。
【0105】
一実施例において、コネクタ801が外部電源850から電力を受信する場合、充電IC803は、受信された電力でバッテリ840を充電し、コネクタ801が外部電源850から電力を受信しない場合、充電IC803は、バッテリ840を放電させてエアロゾル生成装置800の他の構成に電力が供給されうる。
【0106】
充電IC803は、バッテリ840と電気的に連結されうる。充電IC803は、バッテリ840から電力を受信し、エアロゾル生成装置800内に含まれた他のハードウェア構成の動作に必要な電力を供給することができる。図8を参照すれば、充電IC803は、MCU810、保護回路制御部822及びロードスイッチ821に電力を供給することができる。
【0107】
MCU810は、加熱部830の動作を制御することができる。また、MCU810は、加熱部830に供給される電力量を調節することができる。
【0108】
MCU810は、保護回路820と電気的に連結されうる。保護回路820は、保護回路制御部822及びロードスイッチ821を含んでもよい。保護回路制御部822は、充電IC803から電力を受信することができる。保護回路制御部822は、MCU810から制御信号を受信することができる。
【0109】
保護回路制御部822は、加熱部830の動作に係わる少なくとも1つのパラメータを獲得することができる。また、保護回路制御部822は、少なくとも1つのパラメータに基づいて加熱部830の異常動作を防止することができる。
【0110】
一実施例において、保護回路制御部822は、タイマー823を含んでもよい。保護回路制御部822は、タイマー823を用いて加熱部830の動作持続時間をパラメータとして獲得することができる。
【0111】
加熱部830の動作が開始されれば、タイマー823で測定を開始し、加熱部830の動作が中断されれば、タイマー823で測定を中断する。具体的に、加熱部830への電力供給が開始されれば、保護回路制御部822は、タイマー823の動作を開始する。また、加熱部830に対する電力供給が中断されれば、保護回路制御部822は、タイマー823の動作を中断する。すなわち、タイマー823は、加熱部830に対する電力供給如何に基づいて動作が開始または中断されることで、加熱部830の動作持続時間が正確に測定されうる。
【0112】
保護回路制御部822は、加熱部830の動作持続時間に基づいて加熱部830の異常動作を防止することができる。
【0113】
具体的に、保護回路制御部822は、タイマー823から受信した加熱部830の動作持続時間に基づいて加熱部830の異常動作を防止することができる。保護回路制御部822は、受信された動作持続時間が第1しきい値を超える場合、保護回路制御部822は、加熱部830が異常動作していると決定し、加熱部830への電力供給を中断することができる。例えば、第1しきい値は、10秒、15秒、20秒、30秒、60秒などでもあるが、それらに制限されない。
【0114】
加熱部830が既設定の時間を超えて動作することは、火災など事故の原因となる。本開示の保護回路制御部822は、タイマー823を用いて加熱部830の動作持続時間を測定することで、加熱部830が既設定の時間を超えて動作することを防止することができる。
【0115】
また、一実施例による保護回路制御部822は、MCU810と独立したハードウェアによって具現されうる。すなわち、一実施例による保護回路制御部822は、MCU810の制御とは関係なく、加熱部830に対する電力供給如何のみに基づいてタイマー823の測定を開始または中断させうる。これにより、MCU810にエラーが発生してMCU810において、加熱部830が既設定の時間を超えて動作することが検知できない場合にも、一実施例による保護回路制御部822を用いて加熱部830が既設定の時間を超えて動作することを防止することができる。
【0116】
一実施例において、保護回路制御部822は、比較器824を含んでもよい。保護回路制御部822は、比較器824を用いて加熱部830に供給される電力のデューティー比をパラメータとして獲得することができる。
【0117】
MCU810は、PID制御方式を用いて加熱部830に供給される電力量を調節することができる。MCU810は、PID制御方式によって加熱部830に供給される電力のデューティー比を調節するために、デューティー比制御信号をデューティー比制御スイッチ825に伝送することができる。この際、MCU810は、デューティー比制御スイッチ825に伝送されるデューティー比制御信号を保護回路制御部822にも伝送することができる。
【0118】
保護回路制御部822は、加熱部830に供給される電力のデューティー比に基づいて加熱部830の異常動作を防止することができる。
【0119】
具体的に、保護回路制御部822の比較器824では、加熱部830に供給される電力のデューティー比が所定時間の間、同一値に保持されるか否かを決定することができる。例えば、所定の時間は、5秒、10秒、15秒などでもあるが、それらに制限されない。
【0120】
MCU810においてPID制御方式を用いて加熱部830に供給される電力量を調節する場合、デューティー比は持続的に異なる。すなわち、加熱部830に供給される電力のデューティー比が所定時間の間、同一値に保持されるということは、MCU810のデューティー比制御アルゴリズムにエラーが発生した場合である。
【0121】
PID制御方式によって加熱部830に供給される電力量が調節されず、所定の時間の間、加熱部830に同じデューティー比が供給される場合、ユーザの喫煙満足度が減少してしまう。また、火災など事故の原因にもなる。
【0122】
一実施例による保護回路制御部822は、比較器824を用いて加熱部830に供給される電力のデューティー比をモニタリングすることで、加熱部830に供給される電力のデューティー比が所定時間の間、同一値に保持されるか否かを決定する。これを通じて、ユーザの喫煙満足度が減少することを防止して、火災など事故を防止することができる。
【0123】
また、一実施例による保護回路制御部822は、MCU810と独立したハードウェアによっても具現される。すなわち、MCU810にエラーが発生してMCU810がデューティー比制御を正しく行えない場合にも、保護回路制御部822によって加熱部830の異常動作が防止されうる。
【0124】
一実施例において、保護回路820は、ロードスイッチ821を含んでもよい。ロードスイッチ821は、充電IC803から電力を受信する。ロードスイッチ821は、保護回路制御部822から制御信号を受信することができる。また、ロードスイッチ821は、充電IC803から受信した電力を加熱部830に伝達することができる。
【0125】
ロードスイッチ821は、保護回路制御部822の制御信号によってon/offが制御され、ロードスイッチ821がonになれば、加熱部830に電力が供給され、ロードスイッチ821がoffになれば、加熱部830への電力供給が中断される。
【0126】
ロードスイッチ821は、ACL(Active Current Limit)機能及びSCL(Short Circuit Limit)機能を行うことができる。ACL機能は、過電流が流れることを検知して回路を遮断する機能を行い、SCL機能は、短絡電流が流れることを検知して回路を遮断する機能を行う。但し、ロードスイッチ821は、上述した機能以外に他の機能をさらに含んでもよい。
【0127】
ロードスイッチ821は、加熱部830に伝達される電力が既設定の範囲を外れる場合、エラー信号を保護回路制御部822に伝達することができる。または、加熱部830に伝達される電力が既設定の範囲を外れる場合、ロードスイッチ821は、エラー信号をMCU810に伝達し、MCU810は、エラー信号を保護回路制御部822に伝達することができる。保護回路制御部822は、エラー信号を受信した後、ロードスイッチ821を制御して加熱部830への電力供給を中断することができる。
【0128】
例えば、ロードスイッチ821から加熱部830に伝達される電力が臨界上限値を超過した場合、ロードスイッチ821は、加熱部830に過電流が流れると決定し、保護回路制御部822に第1エラー信号を伝送することができる。
【0129】
また、ロードスイッチ821から加熱部830に伝達される電力が臨界下限値以下である場合、ロードスイッチ821は、加熱部830に短絡電流が流れると決定し、保護回路制御部822に第2エラー信号を伝送することができる。
【0130】
保護回路制御部822は、第1エラー信号または第2エラー信号を受信した後、ロードスイッチ821を制御して加熱部830への電力供給を中断することができる。
【0131】
加熱部830に過電流または短絡電流が流れることは、火災など事故の原因になる。一実施例による保護回路820は、ロードスイッチ821を含み、加熱部830に伝達する電力が既設定の範囲を外れる場合、ロードスイッチ821は、エラー信号を保護回路制御部822に伝達することで、火災など事故を防止することができる。
【0132】
また、一実施例によるロードスイッチ821及び保護回路制御部822は、MCU810と独立したハードウェアによっても具現される。MCU810に過電流及び/または短絡電流を検出するアルゴリズムが適用されても、MCU810にエラーが発生した場合、過電流及び/または短絡電流を検出することができない。一実施例によれば、MCU810にエラーが発生しても、ロードスイッチ821及び保護回路制御部822を用いて過電流及び/または短絡電流を検出することで、加熱部830の異常動作を防止することができる。
【0133】
一方、タイマー823で測定した加熱部830の動作持続時間が第1しきい値を超える場合、保護回路制御部822は、ロードスイッチ821を制御して加熱部830への電力供給を中断することができる。
【0134】
また、比較器824で、加熱部830に供給される電力のデューティー比が所定時間の間、同一値に保持されると決定した場合、保護回路制御部822は、ロードスイッチ821を制御して加熱部830への電力供給を中断することができる。
【0135】
図9は、一実施例によるエアロゾル生成装置を制御する方法を示すフローチャートである。
【0136】
図9を参照すれば、段階910において、保護回路制御部は、加熱部の動作に係わるパラメータを獲得することができる。
【0137】
保護回路制御部は、MCUと独立したハードウェアによっても具現される。
【0138】
一実施例において、保護回路制御部は、加熱部の動作持続時間をパラメータとして獲得する。具体的に、保護回路制御部は、タイマーをさらに含んでもよい。加熱部の動作が開始されれば、タイマーで測定を開始し、加熱部の動作が中断されれば、タイマーで測定を中断する。タイマーは、加熱部に対する電力供給如何に基づいて動作が開始または中断されることで、加熱部の動作持続時間が正確に測定されうる。
【0139】
また、保護回路制御部は、加熱部に供給される電力のデューティー比をパラメータとして獲得する。MCUは、PID制御方式を用いて加熱部に供給される電力量を調節することができる。保護回路制御部は、MCUからデューティー比制御信号を受信することができる。
【0140】
また、保護回路制御部は、加熱部に供給される電力をパラメータとして獲得する。
【0141】
段階920において、保護回路制御部は、少なくとも1つのパラメータに基づいて加熱部の異常動作を検知及び制御する。
【0142】
一実施例において、保護回路制御部は、加熱部の動作持続時間を測定し、動作持続時間と第1しきい値とを比較して、加熱部に電力供給を中断する。すなわち、保護回路制御部は、タイマーから受信した加熱部の動作持続時間が第1しきい値を超える場合、保護回路制御部は、加熱部が異常動作していると決定し、加熱部への電力供給を中断する。
【0143】
また、保護回路制御部は、MCUから加熱部に供給される電力のデューティー比を受信し、デューティー比が所定時間の間、同一値に保持される場合、加熱部への電力供給を中断する。MCUでPID制御方式を用いて加熱部に供給される電力量を調節する場合、デューティー比は持続的に異なる。すなわち、加熱部に供給される電力のデューティー比が所定時間の間、同一値に保持されるということは、MCUのデューティー比制御アルゴリズムにエラーが発生した場合でもある。
【0144】
また、加熱部に供給される電力が既設定の範囲を外れる場合、保護回路制御部は、加熱部への電力供給を中断することができる。
【0145】
具体的に、加熱部に伝達される電力が臨界上限値を超過した場合、保護回路制御部は、加熱部に電力供給を中断することができる。また、加熱部に伝達される電力が臨界下限値以下である場合、保護回路制御部は、加熱部に電力供給を中断することができる。
【0146】
本開示の多様な実施例は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態によっても具現される。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含んでもよい。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュール、またはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0147】
図6ないし図8のMCUのように、図面においてブロック図で表現される構成要素、エレメント、モジュールまたはユニット(この段落では、総じて「構成要素」と称する)のうち、少なくとも1つは、一実施例によって、前述した個別的な機能を行う多様な数のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウエア構造によっても具現される。例えば、そのような構成要素のうち、少なくとも1つは、1つ以上のマイクロプロセッサ、または他の制御装置の制御を通じてそれぞれの機能を行うメモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップデーブル(look-up table)のような、直接回路構造(a direct circuit structure)を利用してもよい。また、そのような構成要素のうち、少なくとも1つは、特定論理機能を行うための少なくとも1つの実行可能な命令語を含むモジュール、プログラム、またはコードの一部によって具体的に具現され、少なくとも1つのマイクロプロセッサまたは他の制御装置によっても実行される。また、そのような構成要素のうち、少なくとも1つは、個別的な機能を行う中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサのようなプロセッサを含むか、それによっても具現される。このような構成のうち、2つ以上は、結合された2つ以上の構成要素の全動作または機能を行う1つの単一構成によって結合される。また、そのような構成のうち、少なくとも1つの機能の少なくとも一部は、前記構成の他の1つによっても遂行される。また、前述したブロック図では、バスが図示されていないが、構成間の通信は、バスを通じて遂行される。前述した例示的な実施例の機能的側面は、1つ以上のプロセッサで行われるアルゴリズムによっても具現される。さらに、ブロックまたは処理段階によって表現される構成は、電子構成、信号処理及び/または制御、データ処理に係わる任意の数の関連技術を利用してもよい。
【0148】
上述した実施例は、例示に過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、本開示の範囲を外れず、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解することができるであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、請求の範囲によって決定されねばならず、いかなる修正、代替、改善及び均等物であっても、請求範囲によって決定される本開示及び保護範囲内に含まれると解釈されねばならない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9