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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-02
(45)【発行日】2023-05-15
(54)【発明の名称】土壌作業機器用摩耗部品
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/40 20060101AFI20230508BHJP
   E02F 9/28 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
E02F3/40 B
E02F9/28 B
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022004988
(22)【出願日】2022-01-17
(62)【分割の表示】P 2018555977の分割
【原出願日】2017-05-05
(65)【公開番号】P2022043353
(43)【公開日】2022-03-15
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】62/332,286
(32)【優先日】2016-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518269669
【氏名又は名称】エスコ・グループ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ゼニアー,スコット・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ロスカ,マイケル・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ハンクランド,ジョエル・エス
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0013134(US,A1)
【文献】特表2009-532597(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0259807(US,A1)
【文献】国際公開第2008/021376(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/153361(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/00-3/96
E02F 9/00-9/28
F16B 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌作業機器用摩耗部材であって、
地面との関わりによって摩耗を被る外装面と、
前記摩耗部材を前記土壌作業機器に装着するための内装面と、
前記内装面及び前記外装面に開口している穴とを備え、前記穴が、対向壁を有し、該対向壁の各々は互いに離れている外方の保持具及び内方の保持具を有し、該外方及び内方の保持具は、解放位置と保持位置を有する2つの別個の位置において、ロックを前記摩耗部材に固定できるようになっており、
前記解放位置では、前記ロックは、前記土壌作業機器への前記摩耗部材の取付を容易にするように前記内装面から外側で前記ロックを保持するため前記外方の保持具により前記摩耗部材に固定され、
前記保持位置では、前記ロックは、前記土壌作業機器へ前記摩耗部材を固定するべく前記ロックが前記土壌作業機器の軸受け面と向かい合わせになるように前記解放位置の内側で前記ロックを保持するため前記内方の保持具により前記摩耗部材に固定される、摩耗部材。
【請求項2】
前記保持具が、前記対向壁のそれぞれに内突起及び外突起を含み、前記内突起が、前記外突起よりも前記内装面に近い、請求項1に記載の摩耗部材。
【請求項3】
前記内突起が、前記内装面から離間している、請求項2に記載の摩耗部材。
【請求項4】
一方の対向壁上の前記内突起及び外突起が、他方の対向壁上の前記内突起及び外突起と対称である、請求項2又は3に記載の摩耗部材。
【請求項5】
前記内突起及び外突起のそれぞれが、前記ロックの相補的な端壁に係合するための凸状湾曲構成を有する少なくとも一部を含む、請求項2~4のいずれかに記載の摩耗部材。
【請求項6】
前記土壌作業機器の一部を受容するために、前記内装面とともに、後方に開口する空洞を画定する2つの離間した後方に延在する脚部を含む、請求項1~5のいずれかに記載の摩耗部材。
【請求項7】
前記保持具は、前記穴内での前記ロックの向きにほぼ平行に対応して、前記ロックを前記解放位置及び保持位置に固定するようになっている、請求項1~6のいずれかに記載の摩耗部材。
【請求項8】
前記ロックはヒンジ式ロックである、請求項1~7のいずれかに記載の摩耗部材。
【請求項9】
土壌作業機器用摩耗組立体であって、
請求項1~8のいずれかに記載の摩耗部材と、
前記開口において、前記ロックを保持するための前記対向壁に係合する前記ロックであって、前記解放位置では、前記保持具構造体が前記ロックを内面から外方へ保持して前記摩耗部材が前記土壌作業機器に取り付けられることを可能にし、また前記保持位置では、前記保持具構造体が前記ロック前記解放位置から内方へ保持して前記摩耗部材を前記土壌作業機器に固定することができ、
前記ロックが、前記ロックが前記対向壁に係合するロック状態と、前記ロックが前記解放位置から前記保持位置への再位置付けのために前記対向壁を係脱するロック解除状態との間で調整可能である、土壌作業機器用摩耗組立体。
【請求項10】
前記保持具構造が、前記対応壁のそれぞれに一対の突起を含む、請求項9に記載の摩耗組立体。
【請求項11】
前記突起のそれぞれが、前記ロックの前記端壁に係合するための凸状湾曲構成を有する少なくとも一部を含む、請求項10に記載の摩耗組立体。
【請求項12】
前記ロックが、後退位置に折り畳まれて、前記保持具組立体を係脱し、伸長位置に広がって、前記開口内の前記保持具組立体に係合する、請求項9~11のいずれかに記載の摩耗組立体。
【請求項13】
前記解放位置が、前記開口内の外位置であり、前記保持位置が、前記開口内の内位置である、請求項9~12のいずれかに記載の摩耗組立体。
【請求項14】
前記ロックが、前記保持具組立体から係脱するための折り畳まれた後退位置と、前記保持具組立体に係合するための広がった伸長位置との間の枢軸を中心とした枢軸移動のために相互接続された一対の本体を含み、前記本体のそれぞれが、タブ及びスロットを有し、一方の前記本体の前記タブが、前記本体の分離を制限するように、他方の前記本体の前記スロットに受容されている、請求項9~13のいずれかに記載の摩耗組立体。
【請求項15】
前記ロックが、前記広がり位置から前記折り畳み位置への移動を防止するように、前記本体に嵌入され得るインサートを含む、請求項14に記載の摩耗組立体。
【請求項16】
前記本体のそれぞれが、前記インサートを受容するために、前記広がり位置において開口を集合的に画定するように整列するようなチャネルを含む、請求項15に記載の摩耗組立体。
【請求項17】
前記本体のそれぞれが、前記枢軸にほぼ直角に延在する内面を含み、前記チャネルのそれぞれが、前記内面のうちの1つに形成されている、請求項16に記載の摩耗組立体。
【請求項18】
前記インサートが、前記開口に螺入されている、請求項17に記載の摩耗組立体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[01]
本出願は、「A Wear Part for Earth Working Equipment」と題され、2016年5月5日に出願された、米国特許仮出願第62/332286号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、それの一部を成している。
【技術分野】
【0002】
[02]
本発明は、摩耗部材を土壌作業機器に固定するための摩耗部材及びロックに関する。
【背景技術】
【0003】
[03]
摩耗部品は、普通、掘削バケットなどの土壌作業機器に取り付けられる。例えば、歯及びシュラウドは、一般的に、バケットを摩耗から保護し、採掘作業を向上させるために、掘削バケットの採掘刃に沿って装着される。このような摩耗組立体は、通常、基部と、摩耗部材と、摩耗部材を基部に解放可能に保持するためのロックとを含む。基部は、機器の不可欠部品として、又は、溶接若しくは機械的取り付けによって機器に固定されている1つ又は複数の構成要素として、機器に固定されている。摩耗部材は、基部全体にわたって嵌っている。組み立てられた基部及び摩耗部材は、摩耗部材を基部に開放可能に保持するようにロックが受容される、空洞を共同して画定する。
【0004】
[04]
土壌作業機器用摩耗部材は、普通、過酷な条件及び/又は重負荷を受ける。したがって、ロックが、摩耗部材を機器に効果的に保持するのに必要な強度を有し、使用中には放出に抵抗し、摩耗部品の交換が必要な場合には、現場での取り付け、及び取り外しが容易であることが望ましい。多くの様々なロック構成が、成功の度合いにバラツキがある、これらの目的を満たすように努力して設計されている。
【発明の概要】
【0005】
[05]
本発明は、土壌作業機器用摩耗部品に関し、具体的には、強く耐久性があり放出に耐性があり、少ない費用で製造が容易で、在庫及び出荷に都合がよく、使用するのに簡単かつ安全な、係止装置に関する。
【0006】
[06]
1つの実施形態において、摩耗部材は、解放位置及び保持位置を含む2つの異なる位置において、ヒンジ式ロックを受容しかつ保持するように構成されている。
【0007】
[07]
別の実施形態において、摩耗部材には、エラストマなどの弾性要素を使用せずに、保持及び解放の両方の位置において摩耗部材に保持されたロックが備えられている。
【0008】
[08]
別の実施形態において、土壌作業機器用摩耗部材は、地面との関わりによって摩耗を被る外装面と、内装面を含む後部取り付け部と、内装面及び外装面に開口しいている穴とを有する。穴は、土壌作業機器への摩耗部材の取り付けを可能にする第1の位置と、ロック
が摩耗部材を土壌作業機器に固定することができる第2の位置とに、ロックが固定され得るような2つの別個の位置にロックを摩耗部材に固定するための一対の保持具をそれぞれが有する対向面を含む。1つの好ましい構造において、解放位置におけるロックの配向は、保持位置におけるロックの配向にほぼ平行である。
【0009】
[09]
別の実施形態において、土壌作業機器用摩耗部材は、摩耗部材が土壌作業機器に取り付けられ得る解放位置において、また摩耗部材が土壌作業機器に固定され得る保持位置において、ヒンジ式ロックに係合しそれを保持するための保持特徴を有する穴を含む。
【0010】
[10]
別の実施形態において、土壌作業機器用摩耗組立体は、保持具組立体をそれぞれが有する対向壁を有する開口と、摩耗部材が土壌作業機器に取り付けられることを可能にする解放位置において、また、摩耗部材を土壌作業機器に固定することができる保持位置において、開口にロックを保持するように対向壁に係合するためのロックとを有する、摩耗部材を含む。ロックは、ロックが対向壁に係合するロック状態と、解放位置から保持位置へ再位置決めするためにロックが対向壁を係脱するロック解除状態との間で調整可能である。
【0011】
[11]
別の実施形態において、摩耗部材を土壌作業機器に固定するための関節式ロックは、本体が整列した状態の伸長配向と、本体が折り畳まれた状態の後退配向との間の枢軸移動のために相互接続された複数の本体を含む。伸長配向におけるロックは、摩耗部材を土壌作業機器に固定するための維持位置で摩耗部材に係合することができ、また、折り畳み配向におけるロックは、摩耗部材を係脱することができる。各本体は、スロット及びタブを有し、伸長配向では、各本体のタブは、本体の分離を制限するように、他の本体のスロットに受容されている。
【0012】
[12]
別の実施形態において、摩耗部材を土壌作業機器に固定するためのロックは、伸長位置と後退位置との間の移動のために一緒に枢動可能に結合されたヒンジ式部材と、インサートとを含む。ヒンジ式部材は、ヒンジ式部材の枢軸に沿った部材の分離を制限するように、少なくとも1つの舌及び溝構成によって相互係止され、ヒンジ式部材の枢動移動は、摩耗部材を土壌作業機器に固定するためのロック位置にあるとき、部材間へのインサートの取り付けによって防止される。
【0013】
[13]
別の実施形態において、摩耗部材を土壌作業機器に固定するためのロックは、内面をそれぞれが有するヒンジ式部材であって、伸長位置と後退位置との間の内面に沿った移動のために一緒に枢動可能に結合された、ヒンジ式部材と、インサートとを含む。第1のヒンジ式部材は、内面における陥凹部と、陥凹部に隣接する第1の軸受け面とを含む。第2のヒンジ式部材は、穴を有するカラーと、カラーに隣接する第2の軸受け面とを含む。カラーは、陥凹部に受容され、また、インサートは、穴に取り付けられ、軸受け面に係合して、ヒンジ式部材の枢軸移動を制限し、かつ摩耗部材を土壌作業機器に固定する。
【0014】
[14]
別の実施形態において、摩耗部材を土壌作業機器に固定するためのロックは、内面をそれぞれが有するヒンジ式部材と、内面における陥凹部と、陥凹部、カラー及びにインサートに隣接する軸受け面とを備える。ヒンジ式部材は、伸長位置と後退位置との間の内面に沿った移動のために枢動可能に結合されている。カラーは、穴を含み、陥凹部に受容されている。インサートは、穴に取り付けられ、軸受け面に係合して、ヒンジ式部材の枢軸移
動を制限し、かつ摩耗部材を土壌作業機器に固定する。
【0015】
[15]
別の実施形態において、摩耗部材を土壌作業機器に固定する方法は、ロックが、前記摩耗部材の開口において、解放位置に固定された状態で、摩耗部材を土工機器に取り付けることと、開口を画定している壁からロックを係脱することと、解放位置とは異なる保持位置において、ロックを、開口を画定している壁と係合させて、摩耗部材を土壌作業機器に保持することとを含む。
【0016】
[16]
別の実施形態において、ロックは、摩耗部品において開口の側面と組み合い、それにより、使用中にロックの放出に抵抗するように形作られている端壁を含む。端壁のそれぞれは、解放位置及び保持位置において摩耗部材を固定するように、2つの別個の場所に係合され得る。
【0017】
[17]
別の実施形態において、インターロックが、2つのロック構成要素のそれぞれに設けられている。ロック構成要素が延長位置にあるとき、インターロックは、互いに対してロック構成要素の横移動に抵抗することができ、それによりロックの安定性を向上させる。
【0018】
[18]
別の実施形態において、2ピースロックの各ピースは、互いに対してピースの移動に抵抗するように相互係止されているロックの2ピース間にインサートを取り付けることによって、横方向に予圧され得る。このような力の印加は、所定位置にインサートを保つ傾向にあり、使用中にロックが失われる危険性を低減する。
【0019】
[19]
別の実施形態において、ほぼ切頭円錐形のボア部は、ロック構成要素を分離している分割線に沿って画定され、切頭円錐形ボアの第1の部分が1つのロック構成要素に画定され、また、切頭円錐形ボアの第2の部分が第2のロック構成要素に画定されている。切頭円錐形インサートは、互いに対する2つの構成要素の移動(すなわち、後退)を防止するように、切頭円錐形ボア内で位置決め可能である。1つの実施形態において、1つのボア部は、インサートとのロック構成要素の3点係合又は線係合を実質的に画定するように、受容されたインサートよりも小さい。
【0020】
[20]
別の実施形態において、長手方向に組み合わされた2つのチャネルの切頭円錐形ボアへの選択された挿入深さの半径を有する、切頭円錐形インサートは、第1のチャネルの曲率半径よりも大きく、第2のチャネルの曲率半径よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】[21] 摩耗部材が、ロックで掘削バケットのリップ(リップは部分的にしか図示されない)に固定されたシュラウドである、摩耗組立体の斜視図である。
図2】[22] 図1の摩耗組立体の分解斜視図である。
図3】[23] 図1の線3-3に沿って取られた断面図である。
図4】[24] 摩耗部材の上面斜視図である。
図5】[25] 摩耗部材の底面斜視図である。
図6】[26] ロック構成におけるロックの斜視図である。
図7】[27] インサートなしのロック構成におけるロックの上面図である。
図8】[28] インサートを有するロック構成におけるロックの上面図である。
図9】[29] ロックの分解斜視図である。
図10】[30] 図9に示された、ロックの逆角度分解斜視図である。
図11】[31] ロックが解放位置に取り付けられた状態のシュラウドの斜視図である。
図12】[32] 図11の線12-12に沿って取られた断面図である。
図13】[33] ロックが保持位置に取り付けられた状態のシュラウドの斜視図である。
図14A】[34] ロック解除構成におけるロックが保持位置に位置付けられていることを示す、図13の14-14に位置する線に沿って取られた断面図である。
図14B】[35] ロックがロック構成及び保持位置にあることを示す、図13の14-14に位置する線に沿って取られた断面図である。
図15】[36] ロックが受けることがある力プロファイル、及び反力の例を示す、図14Bの線15-15に沿って取られたオフセット断面図である。
図16】[37] ロック構成における代替ロックの斜視図である。
図17】[38] 図16に示された代替ロックの分解斜視図である。
図18】[39] 第2の代替ロックの第1の部材の斜視図である。
図19】[40] 図18の部材に組み立てられるべき、第2の代替ロックの第2の部材の斜視図である。
図20】[41] 第2の代替ロックの分解図である。
図21】[42] 第3の代替ロックの分解図である。
図22】[43] 第4の代替ロックの場合のロックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[44]
本願発明は、土壌作業機器14用摩耗部品9に関する。1つの実施形態において、摩耗部品9は、摩耗部材12と、摩耗部材12を土壌作業機器14に解放可能に固定するためのロック10とを含む。この例では、摩耗部材12は、ロック10によって掘削バケットのリップ16に固定されたシュラウドである(図1~22)。とは言え、摩耗部材は、他の形態を有してもよい(例えば、他の種類のシュラウド、掘削歯、ランナ、ライナ、ブレードなど)。また、摩耗部材は、他の種類の土壌作業機器(例えば、はつ土板、浚渫カッターヘッド、鉱石シュート、トラック車体など)に固定されてもよい。この「発明を実施するための形態」では、前、後、上、又は下などの相対語は、図に関連した解説の便宜上、使用される。他の配向が考えられる。
【0023】
[45]
図1~3は、掘削点(図示せず)を支持する2つのノーズ18間のリップ16に嵌合するシュラウド12を示す。基部は、リップの一部として鋳造されてもよいが、この1つの実施形態では、リップ16は、溶接加工32(図3)を経て所定位置に固定され得る基部25を含む。基部25は、リップ16の前縁27に沿ってボス26を含む。基部25は、ボス26の後側に後軸受け面40、及びボス26の後方に後方面60を含む。軸受け面40及び後面60は、ロックを受容するための段又は陥凹部64を画定する。ボス26は、摩耗部材における空洞30内の対応する前軸受け面29に当接するための前向きの前スラスト面28をさらに含む。ボス26は、前スラスト面28から後軸受け面40まで軸方向に延在するのが好ましい、側軸受け面31も含む。もちろん、基部は、様々な摩耗部材と組み合うための多くの異なる構造を有してもよい。
【0024】
[46]
この例では、摩耗部材12は、リップ16にまたがる一対の脚部20、22、及び装着型外装面24を含む。上脚部20の内面36は、シュラウド12をボス26全体にわたす際に間隔を提供し、かつ陥凹部34における前方位置にボス26を受容する、陥凹部34
を含む。陥凹部34は、側軸受け面31及び前軸受け面29に対して、向かい合いかつ当接するように、側壁33によって境界付けられている。陥凹部34は、脚部20内の穴であってもよいか、又は、前方部でボスの周りのオフセット面としてあってもよい(図4及び5)。穴38は、ロック10を受容するように脚部20に貫設されている。図示の例では、穴38は、シュラウド12の中心軸44に直交して配置された長手方向軸42を有する。穴38は、後壁48、前壁50、及び対向端壁52を含む。穴38及び陥凹部64は、ロック10が保持位置において受容されている、開口39を集合的に画定する。
【0025】
[47]
端壁52のそれぞれは、ロック10と相互作用し、解放及び保持位置にロックを支持するための保持具54、56を含む。ロックが解放位置にある場合、摩耗部材12は、基部25(すなわち、土壌作業機器)に取り付けられ得るか、又はそこから取り外され得る。ロック10が保持位置にある場合、摩耗部材は、基部25に固定され得る。図示の実施形態において、保持具54、56は、端壁52から内方に延在する突起である。とは言え、保持具54、56は、例えばロック上に相補的な突起を受容する1つ又は複数の陥凹部として形成されているなどの他の構造を有してもよいか、又は例えば、前壁48及び後壁50上に形成されてもよい。
【0026】
[48]
さらに、保持具は、解放位置及び保持位置の両方においてロックの載置を可能にする、単一の保持形態として形成されてもよい。例えば、ロックの端は、2つの位置にロックを固定するために、穴に単一の保持具を受容するための2つの異なる形態を有してもよい。したがって、本開示は、概して、各端壁上の2つの保持具54、56に関するにも関わらず、保持具の個数は、重要ではない。解放位置及び保持位置にロックを固定するために、1つ又は2つ以上の保持具が提供されてもよい。
【0027】
[49]
第1の保持具すなわち外保持具54は、この実施形態では、外方位置にあり、すなわち、摩耗部材12の外面57に近接している(図11及び12)。第2保持具すなわち内保持具56は、この実施形態では、内方位置にあり、すなわち、摩耗部材12の内面36に近接している(図13及び14B)。この実施形態では、ロック10は、保持具54、56の両方が、解放位置にロック10を固定するように機能するような隙間66に受容されている。図示の例では、第2の保持具56は、実質的に半円筒状の面を有する。第1の保持具54は、上脚部20のその上方延長及び厚みを縮小するために、曲線部分53と、実質的に直線の部分55とを含む(図14A)。第2の保持具56は、掘削作業時などの使用時にかけられる、予測されるより大きな負荷に抵抗するために、ロックとより完全に接触するのが好ましい。保持具は、しかし、同じ形状を有してもよい(例えば、両方とも、保持具56に対して示されるように、半円筒状突起として形成されていてもよい)か、又は、いずれか一方が、示されるのと異なる形状を有してもよい。第1の保持具54は、連続しているか、又は図示のように(図4及び5)、すなわち、細粒が開口39からより容易に取り除かれることを可能にするためのアクセスを提供するための中央隙間58を有して、不連続であってもよい。ここでは図示されていないが、第2の保持具56も、又はその代わりに、不連続であってもよい。
【0028】
[50]
第1の保持具54は、この例では、穴38中に第2の突起56よりも短い距離で突き出すが、これは、必要ではない。第1又は中間のポケット若しくは隙間66は、保持具54と56との間に位置する。第2又は内方のポケット又は隙間68は、保持具56の内方に位置する(すなわち、保持具56と内面36との間)。ポケット66、68は、直線、曲線、又は他の面を含んでもよい(図12、14A、及び14B)。図示されるように、第
2の突起56は、外方と内方の両方向において、ロック10に接触するための頑丈な接触面を提供するために、実質的に半円筒状の輪郭を含むように作られていてもよい。
【0029】
[51]
ロック10は、摩耗部材12を土壌作業機器14に保持するために、開口39内に嵌め込まれ得る。通常、摩耗部材12がリップ16上にある状態で、ロック10は、穴38においてボス26の軸受け面40と軸受け面48とを向い合せに置いて、摩耗部材12を所定位置に保持するように、第2の保持具56に固定されている。すなわち、ロック10が、開口39内で保持位置にある状態では、摩耗部材は、リップ16から引き抜かれ得ない(図3)。
【0030】
[52]
図示の実施形態において、ロック10は、摩耗部材12上の異なる2か所に保持され得る。この2か所は、解除位置(例えば、そこでは、ロックが、出荷、保管、及び/又は取り付けのために置かれる)(図12)として、また保持位置(例えば、そこでは、ロックが摩耗部材を基部に固定することができる)(図14B)として定義されてもよい。解放位置は、ロック10の底部ローブ107が、内保持具56と外保持具54との間に位置付けられている位置である。解放位置は、内ローブ107が、相補的に大きさが決められ、形作られたポケット66に嵌め込まれている位置としても定義されてもよい。ポケット66が、内ローブ107を「把持」する傾向であってもよい。他の構造も考えられる。
【0031】
[53]
ロックが、2つの異なる構成、すなわち、ロックが穴38及び保持具54、56に取り付けられ得、又はそれらから取り外され得るロック解除又は折り畳み構成、ロックが穴38内で保持具54、56に係合することができるロック又は広がり構成、も有してもよい。ロックは、製造時に穴の解放位置に、すなわち、出荷、保管、及び/又は取り付けのために、1つのロックが1つの摩耗部材としっかり噛み合わされる、位置に取り付けられてもよい。現場では、解放位置において依然としてロック解除構成にある間に、シュラウドが基部25に取り付けられ得、すなわち、ロックを多少なりとも改造することもなく、土壌作業機械に取り付けられ得る。次に、ロックが、ロック解除状態に調整され、解放位置から係脱され、摩耗部材への保持位置において保持具56に係合するロック構成に取り付けられてもよい。1つの例において、ロックが、単一の実質的に剛性のインサート100でロック構成に固定されてもよい。インサート100は、例えば、鋼製の金属インサート100であってもよい。次に、ロックが、ラッチ、又はエラストマなどの追加の要素を必要とすることなく、所定位置に保持され得る。他のロック構造が考えられる。
【0032】
[54]
図示の実施形態では、ロック10は、ロック状態(図14B)とロック解除状態(図14A)との間で横軸74を中心とした移動のために一緒に枢動可能に結合されている2つの本体すなわち構成要素70、72を含む(図6~10)。2つの本体すなわち構成要素70、72は、それぞれ第1の内面、第2の内面、すなわち第1の接触面76、第1の接触面78において、互いに接触するように位置付けられてもよい(図9及び10)。接触面76、78の接合部が、ロック10が2つのロック本体70、72に分離可能である分割線80を画定してもよい(図7及び8)。面76、78が互いに接触するのが好ましいが(この及び他の開示された実施形態において)、それらは、離間されていてもよく、すなわち、この場合、2つの本体間の接触が、他の所、例えばインターロックにある。
【0033】
[55]
2つの本体70、72の相対的な枢動又は蝶着が、ヒンジ機構82によって実現されてもよい。図示例では、ヒンジ機構82は、第1の本体70の第1の接触面76から突き出
た一体型支柱84を含む。第2の接触面78は、支柱84を受容するように大きさが決められ、置かれ、それにより、軸74を中心とした限られた移動のために、組立体99において第1の本体70と第2の本体72とを一緒に枢動可能に結合する、相補的な穴86を含む(図6~10)。この実施形態では、枢軸74は、摩耗部材12の長手方向軸44にほぼ平行であり、接触面76、78にほぼ直角である。ピボット接続が、他の構造を有してもよい。例えば、ヒンジ機構82が、例えば、リングなどを保持することによってピボットピンを所定位置に受容するための穴を有する各本体を形成することを含む、他の構造を有してもよい。
【0034】
[56]
各本体すなわち構成要素70、72が、面76、78に溝90、92を画定してもよい(図9及び10)。1つのチャネル90が、インサート100内の1つ又は複数の溝96に係合するために、螺旋状の隆起セグメント94を含んでもよい。本体70、72が、ロック位置に一緒に組み付けられると、チャネル90、92は、互いに整列して、インサート100を噛合して受容するように適合された、先細の部分的にねじ山付きの通路102を集合的に形成する(図6~10)。別の形状の通路及びインサートが考えられる。螺合の他に、通路にインサートを固定する他の方法も考えられる。
【0035】
[57]
図示の実施形態において、それぞれの又は1つのチャネルに対して完全よりも小さな半円が考えられるが、2つのチャネルが完璧な円形通路を集合的に形成するように、各チャネル90、92が、横断面において、半円を画定する。1つの実施形態において、両方のチャネルが、ねじ山が付けられていてもよいが、1つのみのチャネル90が、ねじ山セグメント94とともに形成されている。チャネルは、部分的にねじ山が付けられていても、又は不連続にねじ山が付けられていてもよい。各チャネル90、92は、集合的に、それらが、ほぼ切頭円錐形のボアすなわち通路102を形成するように、徐々に狭くなっている。とは言え、通路及びインサートが円筒状であってもよい。
【0036】
[58]
インサート100は、ねじ山付き切頭円錐形ロッドの形態において、2つの構成要素70、72間の相対移動を防止するために、ロック位置で、ロック10により通路102に螺入されていてもよい。インサート100を回すために、六角ソケット104又は他の工具係合形態が、インサート100の上面に設けられている。インサート100が通路102に取り付けられている場合、本体70、72は、軸74を中心として枢動され得ない。結果として、ロックは、重負荷に抵抗し、リップ16からの摩耗部材12の解放を防止するように、強力な一体型ピンを呈する。枢軸74に直角に延在する接触面76、78に形成されている相補的なチャネル90、92へのインサート100の嵌め込みは、本体の枢動に対する強い抵抗、またインサートが放出又は壊されることの低リスク、をもたらす。インサート100が取り外されると、本体70、72は、ロック構成からロック解除構成に、軸74を中心として枢動することができる(図14A)。インサート100は、多くの異なる形態を有し、1つ又は両方の構成要素に設けられた他の開口に受容され得る。例えば、それは、ねじ山が付けられず、他の手段によって固定されてもよく、それは、他の形状を有してもよく、かつ/又は他の位置及び/又は他の場所に挿入されてもよい。インサート100は、そのロック構成において、ロック構成要素70、72を固定するだけで済む。
【0037】
[59]
インサート100が通路102を下降するのにつれて、インサート100は、両チャネル90、92内で、徐々に小さくなる内周に接触する。1つの実施形態において、完全着座位置におけるインサート100とチャネル90、92との半径は、ほぼ同じである。別
の実施形態において、一方のチャネルについての曲率半径は、完全に着座したときの対応する位置におけるインサートの半径よりも小さい一方、他方のチャネルについての曲率は、インサートにほぼ一致するか、又はそれよりも大きい。1つの実施形態において、半径の小さい方のチャネルが、ねじ山が付けられていない。それにより、ねじ山付きチャネルは、単一線接触を維持する一方、非ねじ山付きチャネルは、二重線接触を維持する。このようにして、三線接触は、実質的に均衡した力160、162をもたらすことができ、それぞれの力は、実質的に、中央平面の1つの側における単一線接触と、反対側における二重線接触とを有するインサート100の中心軸101へ向けられる。代替方法として、小さい方のチャネルが、ねじ山付きチャネルであってもよく、又は、両方ともねじ山が付けられていても、いなくてもよい。非ねじ山付き通路では、インサートは、保持用リング又はラッチなどの他の手段によって固定される可能性がある。
【0038】
[60]
実施形態は、全周よりも短いチャネル周に延長する、すなわち、ボアの周りの半分よりも短い周りに延在するねじ山も通路102に設けてもよい。例えば、ねじ山は、わずか数度~175度以上の周のみに、延在してもよい。図7において、矢印166は、踏板94の円周領域の一例を示す。場合によっては、ねじ山は、ねじ山の円周範囲を縮小することがある滑り面に最も近いねじ山側面の各端において、面取り面、又は隅肉を含んでもよい。二重線負荷が、遅延、又は回避されてもよく、インサート100が、ボアに深く螺入されてもよい。このようにして、インサート100は、締め付け作業中に相当程度回されてもよい。これは、インサート100を締め付ける際に、より快適な自信に満ちた感覚を操作者に与える傾向にあってもよい。
【0039】
[61]
また、本体70、72は、同じ又は同様の長さを有し、ロック10の両端を形成するとして開示されているが、他の構成が使用されてもよい。例えば、本体が、異なる長さを有してもよく、又は、それぞれが、ロックの全長に延在してもよい。また、ロックが、折り畳み可能要素を備えてもよいが、ピボットピンによって接合される2つの構成要素から成っていなくてもよい。堅固でしっかりしたロックをその保持位置において呈するのに、他の構成が使用されてもよいが、それは、解放位置へのロックの折り畳みを可能にする。例えば、ロック10は、3つ以上の構成要素によって形成された複数のヒンジを有してもよい。別の例として、ロック10は、弾性ヒンジ部によって折り畳み可能であってもよい。さらに、ロック10は、ヒンジ又は折り畳み可能部なしで形成されていてもよい。ロック10は、むしろ、保持具54、56に解放可能に固定されるための様々な手段を有してもよい。1つの例では、ロックは、内方、外方に伸縮して、保持具54、56に係合、又はそれらを解放する端を有してもよい。
【0040】
[62]
ロック10は、摩耗部品にある穴38内で端壁52に係合する端壁87、88を含む。例えば、摩耗部材9からロック10を取り外すことなく、摩耗部材9が取り付けられ、取り外されるのを可能にする解放位置にロックがあるときに、端壁87、88が保持具54、56に係合してもよい。ロックが、出荷、保管、及び取り付けのために、組立体の製造中に、一体型ユニットとして取り付けられるのが好ましいが、摩耗部材が摩耗作業機器に取り付けられるとき、またそれからの取り外しの際、ロックが、摩耗部材から完全に取り外されてもよい。ロックが、製造及び出荷、保管、並びに取り付け時に、ロックがこの解放位置において保持具54に係合された状態で、摩耗部材12の中に取り付けられるのが好ましい。端壁87、88が、ロックが保持位置に取り付けられると、保持具56に係合し、摩耗部材を土壌作業機器14に固定してもよい。ロック10は、保持具54、56に固定されているときは、ロック構成にあり、保持具54、56に取り付けられる、又はそれらから取り外されているときは、ロック解除構成にある。代替方法として、摩耗部材が
基部25に取り付けられた後にロックが挿入されるように、保持具54が省かれてもよい。この例では、ロック10は、ロックが保持具56に係合した状態で出荷、保管されるか、又は摩耗部材とは別に出荷、保管されてもよい。
【0041】
[63]
図示の実施形態において、端壁87、88は、ほぼ凹状の湾曲構成を有して、保持具54、56における湾曲面を補完するが、端壁、及び/又は保持具において、他の形状が使用されてもよい。この例では、凹状湾曲面103は、一対の離間したローブ105、107を画定する。内ローブすなわち底ローブ107は、端壁87、88が解放位置保持具54に係合すると、中間ポケット66に嵌り込む。内ローブ107は、端壁87、88が保持具56に係合すると、内ポケット68に嵌る。外ローブ105は、ポケット66に嵌り込むことができるか、又はポケット66から離れていることができる。ロックによる保持具のこの種の係合すなわち「把持」は、インサート100が通路102にあるときに、ロックの欠落又は放出に対する抵抗を向上させる。この構成は、負荷下のロックの回動に対する抵抗をより一層高める。とは言え、他の種の端壁が使用されてもよい。単に例として、ロックの端壁は、段付きであってもよく、突起を含んでもよく、あるいは、ロックを所定位置に固定するように形作られていてもよい。
【0042】
[64]
使用中、保持位置にあるとき、第2の保持具56の外側は、外側ローブ105の内側に接触し、保持具56の内側は、内側ローブ107の外側に接触する。このようにして、上向き方向及び下向き方向の両方において、抵抗力又は矯正力がロックに作用され得る。これらの力は、ローブに沿った任意の場所に沿って、すなわち、ロックの中心軸112からロック10の側面114までの任意の離間距離において作用され得る。このようにして、これらの力は、そうでなければ、ロックに、例えば、何か、滴、放出、転がり、又は長手方向捩れを受けるようにさせる可能性がある、いずれかの組の保持具54、56に係合しているロックの端によって抵抗され得る。
【0043】
[65]
例えば、使用中、矢印49で示された、摩耗部材12の軸受け面48により1つの側において、また矢印41で示された、軸受け面40のボス26により反対側において、これらの力がロック10にかけられることになる(図15)。面が互いにずれる傾向にあることから、相反する力は、ロックに開口39内で「転がる」ように強いる傾向にある。しかし、図示の実施形態によれば、ロックの外ローブ105は、摩耗部材12の第2の突起56の外面に接触し(矢印106)、ロックの内側ローブ107は、第2の突起56の内面に接触する(矢印108)。このようにして、ロック10は、開口内39で転がらないようにされる。
【0044】
[66]
図示の実施形態では、ロックは、均一な長さを有していない。伸長ロック構成から後退ロック解除構成へのロックの枢動に適合するように、すなわち、ロック10がロック解除構成に枢動されるときの、ローブ105がポケット66にさらに入るのに十分な間隔のために、ローブ105に沿った長さは、ローブ107に沿った長さよりも短い(図16A)。代替方法が考えられる。例えば、中間ポケット66が、ローブ105、107が同じ長さを有しているとき(すなわち、ロック10の内長さと外長さとが同じであるとき)、枢動に適合するのに十分な深さを有してもよい。
【0045】
[67]
摩耗した摩耗部材を取り替えるには、最初にロック10が取り外される必要がある。それを行うには、インサート100が通路102から取り外され、本体70、72が、ロッ
ク解除構成へ軸74を中心として枢動される(図14A)。この位置では、外ローブ105は、図示のように、中間ポケット66に入ることができる。外ローブ105のレベルに、ロック10の長さが短くなることによって、ロック10が非保持又はラッチ解除状態に枢動されると、上部ローブ105は、中間ポケット66に嵌り込むことができる。ロック端壁87、88の凹状面103の輪郭は、各それぞれのロック本体70、72の円滑な枢動をもたらすように、保持具56の輪郭に従うことができる。
【0046】
[68]
保持位置では、ロック10の内面109は、空洞64の底に接触してもしなくてもよい。小さな間隔が許されても、又は設けられてもよい。
【0047】
ロック10が、2つのロック本体70、72のそれぞれに横方向インターロック140を含んでもよい(図6)。ロック本体70、72が伸長ロック位置にあるとき、インターロック140は、ロック本体70、72が横方向に分離しないようにすることができる。ロック本体70、72が端で固定されている場合、各本体70、72は、インサート100がロックの中間部において、通路102に押し込まれるときに生じる応力下でわずかに頭を下げることがある。他のインターロック構造が考えられるが、インターロック140は、それぞれ、相補的なタブ142と保持スロット144との対を含んでもよく、すなわち、各本体70、72が、1つの端にタブ142を有し、反対端に保持スロット144を有してもよい(図7)。本明細書に説明されている、ロック本体70、72の蝶着運動と同じ枢軸74を中心とした蝶着運動、蝶着解除運動、又は歪み取り運動時に、タブ142がスロット144の中に摺動可能であってもよい。各タブ142が、枢軸74から実質的に半径方向に延在してもよく、各保持スロット144の内両壁146が(閉伸長位置にあるとき)、タブ142の外側両面に近接して、閉同一平面上に延在してもよい。タブ142面及び保持壁は、ロック本体70、72が枢動されて開くときに、半径方向の引きをもたらして、隣り合う面の素早い妨げのない分離をもたらすように、平行からわずかに角度が付けられてもよい。スロット144の端及び/又は端壁も、加えて、又は代わりに、ロック本体70、72が枢動されて開くときに、隣り合う面の素早い妨げのない分離をもたらすように、半径方向の引きを画定してもよい。各ロック本体70、72は、インサート100によって、ロック10の長手方向軸112から離れて横方向に屈曲され得、ロック10に予圧を付与する。予圧されたロック本体70、72が、今度は、滑り平面80の両側からの横保持力150をもたらし、インサート100の放出に抵抗する。合力成分は、滑り平面80にほぼ直角であり、かつ長手方向軸にほぼ直交する(図6~8)。
【0048】
[69]
図示の実施形態において、様々な面、例えば、インターロック140及びピボットピン84は、組み付けられたロック構成要素70、72の安定性を、インサート100が所定位置になくても高める。インターロック140及びピボットピン84は、ロック構成要素70、72間の相対的な移動、例えば相対的な枢動移動、又は蝶着移動の自由度を制限する拘束面を提供する。考察されたように、インターロック140は、ロック構成要素の相対的な横方向の移動に抵抗する。ピボットピン84は、横方向に、接触面76、78にわたって延在し、したがって、ロック構成要素70、72間の相対的な長手方向移動に抵抗するように配置されている。したがって、インサート100が所定位置になくても、ロック10は、取り扱う、動かす、あるいは巧みに操ることが容易である。これは、操作者にとって特に有用であり得る。インサート100は、ロック構成要素70、72間の相対的な枢動又は蝶着を防ぐように配置されていてもよい。結果として、インサートに作用する力は、相対的な枢動に抵抗するように相対的に制限され、インサートを変形、及び/又は放出から保護する傾向にある。
【0049】
[70]
インターロック140及びピボットピン84は、ロックを所定位置に保持する傾向にあり、その上に置かれる可能性がある様々な負荷に抵抗する。例えば、曲げ力170(図7)が、中心軸112の一方の側に引張応力を付与し、他方の側に圧縮力を付与することがある。この曲げ力は、合わせスロット144の外の緊張側にタブ142を引っ張る傾向になる。しかし、相補的な穴86の内側壁と接触するピボットピン84の外面は、ロックの強度及び安定性に加えて、ロック構成要素70、72の相対的な長手方向移動に抵抗することになる。それに加えて、枢軸74は、インサート100の中心軸101に実質的に直角で、かつそれと近接していることが好ましい。したがって、軸74を中心としたロック構成要素70、72のいずれの相対的な枢動又は蝶着も、インサート100の中心軸101に平行な通路102の最小限の変位の結果となる。結果として、蝶着に抵抗するように向けられたインサート100に作用する軸力が、最小限に抑えられ、放出又は変形への潜在能力を低減する。
【0050】
[71]
1つの代替実施形態において、インターロックは、枢軸274を中心としたロック本体270、272の相対的な枢動運動を可能にするために、互いに対して滑動することのできる同心壁282、284を含む(図16~17)。各本体は、舌及び溝構成に相互係止するタブ又は突起及びスロットを含むことができる。ロック組立体200は、壁292A、294Aを画定するタブ292及び294を含む。タブから離間して、ロック組立体は、壁296Aお及び298Aを画定するスロット296及び298を含むことができる。タブ及びスロットのこれらの壁292、294、296、298は、ほぼ対応する形状を有し、また、枢軸を中心として湾曲し、同心円状であるとして図17に示されている。壁は、ロック本体が、枢軸を中心として枢動して、結束することなく、折り畳まれ、また全長に伸長することを可能にする任意の形状とすることができる。ヒンジの組み付けは、本体270、272の長手方向軸が互いに対してほぼある角度を成す状態で(すなわち、スロット296、298におけるタブ292、294の係合なく)、接触面276を接触面278に持っていくことを含むことができる。枢軸274を中心とした互いに対する本体270、272の回転に従って、タブのそれぞれは、対応するスロットに入る。一旦互いに組み付けられると、この相互係止する本体は、分離に抵抗する。互いに対する本体の回転は、インサート100の取り付けによって制限され得る。
【0051】
[72]
ロックが摩耗部材12から引き出され得るように、ロックの端壁87、88は、開口38の端壁52を飛び越える。少なくとも1つの本体70、72(好ましくは、いずれの方向からも取り外しを可能にするために両方)には、本体の枢動、及び開口からのロックの引き出しを容易にするための把持部120が設けられている。一実施形態において、把持部120は、取り外し工具122を受容するための空洞を含んで形成されているが、他の形態の把持部が使用されてもよい。各本体70、72は、工具122の支点126をしっかりと支持するために、把持部120から離間した窪み124も含むことができる。使用中、工具122の把持端128は、支点126が1つの窪み124に座る状態で、本体70(又は72)上の空洞、又は把持部120に嵌る。本体70、72がヒンジ機構82を中心として枢動するようなロック10の中間部を引き上げために、工具122のレバー130が押し下げられる。この位置では、ロック10が、機器からのシュラウドの取り外しを可能にするように、工具122により開口38の外に引かれ得る。
【0052】
[73]
図18及び19は、関節式ロックの代替構造を示す。第1の本体370と第2の本体372とは、これらの本体の組み付け時に、舌及び溝構成に係合することになる、タブ392、394、及びスロット396、398をそれぞれ含む。第1の本体370は、接触面すなわち内面376を有し、第2の本体372は、接触面すなわち内面378を有する。
接触面376は、ほぼ半球状の嵌凹部382及び開口380Aを有するのが好ましい。半球状嵌凹部の上部と下部とは、湾曲軸受け面384Aと386Aとであることが好ましい。接触面378は、ピン380が備えられた、横方向に突出するねじ山付きカラーすなわち突起374を含む。カラーは、接触面にほぼ平行であり、かつロックの枢軸にほぼ直角である通路軸に沿ってカラーを通って延在する開口すなわち通路375を有する。通路375は、開口の壁にねじ山375Aが施されている。第2の本体372は、カラー374を受容するための嵌凹部382と、ピン380を受容するための穴380Aとを有する。カラーの上部と下部とは、湾曲軸受け面384Bと386Bとである。
【0053】
[74]
図20は、ロック350の分解斜視図である。ねじ山付き通路375を有するカラー374とピン380とが、それぞれ、嵌凹部382、穴380Aによって受容されるように、本体370及び372が組み付けられる。カラーと嵌凹部とは、ロック本体が、限られた結束で、枢軸274を画定しているピン及び穴を中心として、互いに対して枢動することを可能にする相補的な形状を有する。他の形状が考えられるが、カラー374及び嵌凹部382の外装は、球状セグメントであるのが好ましい。本体が伸長位置に枢動すると、タブ392、394は、スロット396、398によって受容される。カラー及び嵌凹部の面に他の形状が使用可能であり、カラーと嵌凹部とは、必ずしも合わせ形状ではない。カラーが、枢軸について対称であり、一旦組み付けられると、本体の枢軸移動を可能にするのが好ましい。
【0054】
[75]
ロックが伸長位置にある場合、互いに隣接する軸受け面384Aと384Bとは、単一の円形上部軸受け面384を形成する。同様に、互いに隣接する軸受け面386Aと386Bとは、下部円形軸受け面386を形成する。軸受け面は、しかし、完全な円を形成する必要はない。本体370、372が伸長位置にある場合、ねじ山付きインサート300は、ねじ山付き開口375に受容されている。他の工具受容形態が使用されてもよいが、ねじ山付きインサート300は、六角ドライバなどのトルク工具(図示せず)を受容するための嵌凹部300Bを有するヘッド300Aを含むのが好ましい。インサート300が半径方向に拡張したヘッドを有して示されているが、ヘッドは、単に、軸の終端、すなわち半径方向拡張なしの軸の連続部とすることができる。また、ねじ山付きインサート300及びねじ山付き開口375が好ましいが、それらがそれぞれ、インサートを開口に保持するための他の手段(例えば、ラッチ)を有する非ねじ山付きであってもよい。
【0055】
[76]
ねじ山付きインサート300は、場合によっては、インサートから延在する付勢かけ止め歯308を含むことができる。歯は、カラーのねじ山付き開口375内の対応する外ポケットすなわち嵌凹部310に係合することができる。嵌凹部に係合する歯は、かけられるトルクの設定レベルより下に、インサートの回転を制限し、ロックからのインサートの偶発的な欠落を防止することができる。相互係止する歯と嵌凹部とは、完全取り付け位置用の止め具を画定することができる。
【0056】
[77]
インサート300のシャフトは、上部軸受け面304と、下部軸受け面306と、これらの間のねじ山302とを含むのが好ましい。インサート300が通路375に完全に螺合されると、上下の軸受け面304、306は、それぞれ、軸受面384、386に隣接するか、又はそれらを圧迫する。本体370、372の軸受け面384、386とのインサート300の上下の軸受け面304、306の嵌合は、枢軸274を中心とした本体370及び372の枢動移動を制限する。使用中、ロック350は、上に説明された前のロックと同様に、摩耗部材の開口に受容され、同様に開口の保持構造に係合する。ねじ山付
き開口は、開口の周囲に連続する完全なネジ山を含むことができる。代替的にて、開口は、インサート300のネジ山302に係合するために、開口にねじ山部又は隆起を含むことができる。
【0057】
[78]
ロック本体370、372及びインサート300が、上下の軸受け面を有して示されているが、他の構造が考えられる。例えば、インサートは、上部軸受け面304なしで、ヘッド300A、ネジ山302、及び下部軸受け面306を有することができる。ヘッドは、いくつかの構造において、上部軸受け面として働くことができる。別の例において、ロックは、上部軸受け面なしでインサート300を圧迫するのに、ねじ山及び下部軸受け面のみを有する。別の構造において、ロックは、下部軸受け面なしでインサートを圧迫するのに、ねじ山及び上部軸受け面を有する。
【0058】
[79]
図21は、上に説明されたロックと同様の特徴を有する、本体470及び472を含むロック450の代替構造を示す。第1の本体470と第2の本体472とは、ロック本体の組み付け時に、舌及び溝構成に係合することになるタブ492、494、及びスロット496、498をそれぞれ含む。ここで、本体がそれぞれ、開口482A、484Aをそれぞれが有する半球状嵌凹部482、484を有することが好ましい。本体470、472とは別個のカラー474は、嵌凹部482、484に受容されている。カラー474には、カラーを貫通する開口すなわち通路476が設けられ、また通路の壁にねじ山476Aが施されている。カラーは、両側にピン486及び488を有する。
【0059】
[80]
ロック450は、開口482A及び484Aにおいて、ピン486及び488により嵌凹部482及び484にカラー474を受容することによって組み立てられる。それにより、ロック本体470及び472は、タブ492及び494がスロット496及び498によって受容された状態の伸長位置に、ピン及び開口を中心として枢動する。この伸長位置では、上部円形軸受け面497は、カラー474の上方にある。下部円形軸受け面499は、カラー474の下方にある。インサート300は、ねじ山付きカラーに受容され、軸受け面302と304とは、軸受け面497と499とを圧迫するか、又はそれらに隣接する。取り付けられると、インサートは、本体470及び472の互いにする枢軸移動を制限する。他の実施形態では、上部軸受け面のみ、又は下部軸受け面のみがインサート300を圧迫することが考えられる。
【0060】
[81]
カラー及び嵌凹部の面に他の形状が使用可能であり、カラー及び嵌凹部は、必ずしも合わせ形状ではない。カラーが、枢軸について対称であり、一旦組み立てられると、本体の枢軸移動を可能にするのが好ましい。
【0061】
[82]
ロックの端は、摩耗部材開口の受容構造に係合するための様々な構造を有することができる。図22は、上に説明されたロックと同様の中間構造502を有する、すなわち、例えば、舌及び溝構造、及び枢軸移動を制限するインサートを有する、ロック550である。ロック550は、上方へ延在して収束する面取り端502及び504を有する。ロック550は、対応する構造を有する摩耗部材の開口に受容され得る。このような摩耗部材は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7536811号に説明されている。本明細書に説明されているロックのいずれも、面取り端(又は他の端)が様々な摩耗部材に嵌り込み、摩耗部材を土壌作業機器に固定する状態で形成されてもよい。
【0062】
[83]
上で検討された実施形態は、本発明の好ましい実施形態である。様々な代替方法が使用されてもよい。例えば、保持具が、開示された実施形態のいずれかにおいて、ねじ山付き棒又はねじ山付き楔であってもよい。保持具が、かなり異なる構造を有し、移行板、戻り止め、ラッチなどを含んでもよい。枢軸又はヒンジは、本体の所望の移動を可能にする他のやり方で画定されてもよい。係止構成要素の折り畳みも、別の手段によって実現されてもよい。総体的に、本発明の趣旨及びより幅広い態様を逸脱することなく、様々な他の実施形態、並びに多くの変更形態及び改造形態が作られてもよい。
本発明は、以下の態様を含む。
[態様1]
土壌作業機器用摩耗部材であって、地面との関わりによって摩耗を被る外装面と、前記摩耗部材を前記土壌作業機器に装着するための内装面と、前記内装面及び前記外装面に開口している穴とを備え、前記穴が、対向面であって、前記土壌作業機器への前記摩耗部材の取り付けを可能にする第1の位置、及びロックが前記摩耗部材を前記土壌作業機器に固定することができる第2の位置を含む、2つの別個の位置において、前記ロックを前記摩耗部材に固定するための保持具をそれぞれが有する、対向面を含む、摩耗部材。
[態様2]
前記保持具が、前記対向壁のそれぞれに内突起及び外突起を含み、前記内突起が、前記外突起よりも前記内装面に近い、態様1に記載の摩耗部材。
[態様3]
前記内突起が、前記内装面から離間している、態様2に記載の摩耗部材。
[態様4]
一方の対向壁上の前記突起が、他方の対向壁上の前記突起と対称である、態様2又は3に記載の摩耗部材。
[態様5]
前記突起のそれぞれが、前記ロックの相補的な端壁に係合するための凸状湾曲構成を有する少なくとも一部を含む、態様2~4のいずれかに記載の摩耗部材。
[態様6]
前記土壌作業機器の一部を受容するために、前記内装面とともに、後方に開口する空洞を画定する2つの離間した後方に延在する脚部を含む、態様1~5のいずれかに記載の摩耗部材。
[態様7]
前記保持具が、前記ロックを、前記解放位置では第1の配向に、前記保持位置では第2の配向に固定し、前記第1の配向にあるときの前記ロックが、前記第2の配向にあるときの前記ロックにほぼ平行である、態様1~6のいずれかに記載の摩耗部材。
[態様8]
土壌作業機器用摩耗部材であって、前記摩耗部材が前記土壌作業機器に取り付けられ得る解放位置において、また前記摩耗部材が前記土壌作業機器に固定され得る保持位置において、ヒンジ式ロックに係合し、それを保持するための保持特徴を含む穴を備える、摩耗部材。
[態様9]
前記穴が、対向壁を有し、前記保持特徴が、前記対向壁のそれぞれに1対の突起を含む、態様8に記載の摩耗部材。
[態様10]
前記突起のそれぞれが、前記ロックの相補的な端壁に係合するための凸状湾曲構成を有する少なくとも一部を含む、態様9に記載の摩耗部材。
[態様11]
前記保持位置が、前記解放位置よりも前記穴において深い、態様8~10のいずれかに記載の摩耗部材。
[態様12]
土壌作業機器用摩耗組立体であって、保持具構造をそれぞれが有する対向壁を有する開口と、前記開口において、前記摩耗部材が前記土壌作業機器に取り付けられることを可能にする解放位置に、また前記摩耗部材を前記土壌作業機器に固定することができる保持位置に、ロックを保持するための前記対向壁に係合する前記ロックと、を有する摩耗部材を備え、前記ロックが、前記ロックが前記対向壁に係合するロック状態と、前記ロックが前記解放位置から前記保持位置への再位置付けのために前記対向壁を係脱するロック解除状態との間で調整可能である、摩耗組立体。
[態様13]
前記保持具構造が、前記対応壁のそれぞれに一対の突起を含む、態様12に記載の摩耗組立体。
[態様14]
前記突起のそれぞれが、前記ロックの前記端壁に係合するための凸状湾曲構成を有する少なくとも一部を含む、態様13に記載の摩耗組立体。
[態様15]
前記ロックが、後退位置に折り畳まれて、前記保持具組立体を係脱し、伸長位置に広がって、前記開口内の前記保持具組立体に係合する、態様12~14のいずれかに記載の摩耗組立体。
[態様16]
前記解放位置が、前記開口内の外位置であり、前記保持位置が、前記開口内の内位置である、態様12~15のいずれかに記載の摩耗組立体。
[態様17]
前記ロックが、前記保持具組立体から係脱するための折り畳まれた後退位置と、前記保持具組立体に係合するための広がった伸長位置との間の枢軸を中心とした枢軸移動のために相互接続された一対の本体を含み、前記本体のそれぞれが、タブ及びスロットを有し、一方の前記本体の前記タブが、前記本体の分離を制限するように、他方の前記本体の前記スロットに受容されている、態様12~16のいずれかに記載の摩耗組立体。
[態様18]
前記ロックが、前記広がり位置から前記折り畳み位置への移動を防止するように、前記本体に嵌入され得るインサートを含む、態様17に記載の摩耗組立体。
[態様19]
前記本体のそれぞれが、前記インサートを受容するために、前記広がり位置において開口を集合的に画定するように整列するようなチャネルを含む、態様18に記載の摩耗組立体。
[態様20]
前記本体のそれぞれが、前記枢軸にほぼ直角に延在する内面を含み、前記チャネルのそれぞれが、前記内面のうちの1つに形成されている、態様19に記載の摩耗組立体。
[態様21]
前記インサートが、前記開口に螺入されている、態様20に記載の摩耗組立体。
[態様22]
摩耗部材を土壌作業機器に固定するための関節式ロックであって、本体が整列した状態の伸長配向と、前記本体が折り畳まれた状態の後退配向との間の枢軸移動のために相互接続された複数の前記本体を備え、前記伸長配向における前記ロックが、保持位置において前記摩耗部材に係合して、前記摩耗部材を前記それぞれの土壌作業機器に固定することができ、また前記折り畳み配向において、前記摩耗部材を係脱することができ、それぞれの前記本体が、スロット及びタブを有し、前記伸長配向では、それぞれの前記本体のタブが、前記本体の分離を制限するように、他方の本体の前記スロットに受容されている、関節式ロック。
[態様23]
インサートを含み、前記本体が、前記伸長配向において前記インサートを受容して、前記本体が、前記伸長配向の外に折り畳まれることを防止する、態様22に記載のロック。
[態様24]
前記本体が、前記本体が前記伸長配向にあるとき、前記本体間の継ぎ目に沿って通路を集合的に画定し、前記インサートが、前記通路に螺入されている、態様23に記載のロック。
[態様25]
それぞれの本体が、前記摩耗部材に係合するための陥凹部を有する端壁を含む、態様22~24のいずれかに記載のロック。
[態様26]
前記陥凹部のそれぞれが、前記摩耗部材の開口内の対向壁上の突起に係合して、前記ロックを前記摩耗部材に固定するための凹状湾曲形状を有する、態様25に記載のロック。
[態様27]
摩耗部材を土壌作業機器に固定するためのロックであって、伸長位置と後退位置との間の移動のために一緒に枢動可能に連結されたヒンジ式部材と、インサートとを備え、前記ヒンジ式部材が、前記ヒンジ式部材の枢軸に沿った前記部材の分離を制限するために、舌及び溝構成によって相互係止され、前記摩耗部材を前記土壌作業機器に固定するための伸長位置にあるとき、前記ヒンジ式部材の枢動移動が、前記インサートの取り付けによって防止される、ロック。
[態様28]
それぞれのヒンジ式部材が、舌及び溝を有し、それぞれの前記舌が、他方のヒンジ式部材上の前記溝に受容されている、態様27に記載のロック。
[態様29]
前記舌及び溝のそれぞれが、前記ヒンジ式部材が後退位置に枢動するとき、互いに対して滑動する湾曲端壁を含む、態様28に記載のロック。
[態様30]
前記インサートが、切頭円錐形であり、前記ヒンジ式部材が、前記ロック部材がそれを中心として動く前記枢軸に直交して延在する分割線に沿って合し、前記ロック部材のそれぞれが、前記分割線に沿って画定された切頭円錐形ボア部を含んで、前記ロック部材が前記伸長位置にあるとき、切頭円錐形ボアを集合的に画定し、前記切頭円錐形インサートが、前記2つの部材の互いに対する枢軸移動を防止するように、前記切頭円錐形ボアに受容されている、態様27~29のいずれかに記載のロック。
[態様31]
1つのボア部が、前記インサートとの前記ロック構成要素の3線係合をほぼ画定するように、前記受容されたインサートよりも小さい、態様30に記載のロック。
[態様32]
前記インサートには、ねじ山が付けられ、前記ボア部のうちの少なくとも1つが、前記インサートの前記ネジ山に係合するための形態を含む、態様30及び31のいずれかに記載のロック。
[態様33]
前記ヒンジ式部材が、前記ロック部材がそれを中心として動く前記枢軸に直交して延在する分割線に沿って合し、前記ヒンジ式部材のうちの一方が前記分割線に沿う凹部を含み、前記ヒンジ式部材の他方が、前記陥凹部に受容される、前記分割線に沿うカラーを含み、前記カラーが、前記インサートを受容するための開口を含む、態様27~32のいずれかに記載のロック。
[態様34]
前記インサート及び前記開口が、互いに係合するようにそれぞれねじ山が付けられている、態様33に記載のロック。
[態様35]
前記陥凹部が、穴を含み、前記カラーが、前記陥凹部に受容されたピンを含む、態様33及び34のいずれかに記載のロック。
[態様36]
開口を有するカラーを含み、前記ヒンジ式部材が、前記ロック部材がそれを中心として動く前記枢軸に直交して延在する分割線に沿って合し、それぞれの前記ヒンジ式部材が、前記カラーを受容する陥凹部と、前記陥凹部に隣接する少なくとも1つの軸受け面とを含み、前記インサートが、それぞれの前記ヒンジ式部材上の前記軸受け面に係合するように、前記カラーに受容されている、態様27~29のいずれかに記載のロック。
[態様37]
前記陥凹部が穴を含み、前記カラーが、前記陥凹部に受容されたピンを含む、態様36に記載のロック。
[態様38]
摩耗部材を土壌作業機器に固定するためのロックであって、内面をそれぞれが有するヒンジ式部材であって、伸長位置と後退位置との間の前記内面に沿った移動のために一緒に枢動可能に結合されている、ヒンジ式部材と、インサートとを備え、第1のヒンジ式部材が、前記内面内の陥凹部と、前記陥凹部に隣接する第1の軸受け面とを含み、第2のヒンジ式部材が、穴を有するカラーと、前記カラーに隣接する第2の軸受け面とを含み、前記カラーが、前記陥凹部に受容され、前記インサートが、前記穴に取り付けられ、前記軸受け面に係合して、前記ヒンジ式部材の枢軸移動を制限し、かつ前記摩耗部材を前記土壌作業機器に固定する、ロック。
[態様39]
前記インサート及び前記穴には、ねじ山が付けられ、前記インサートが取り付けられるとき、前記ねじ山が係合する状態である、態様38に記載のロック。
[態様40]
摩耗部材を土壌作業機器に固定するためのロックであって、(i)内面、前記内面内の陥凹部、及び前記陥凹部に隣接する軸受け面をそれぞれが有するヒンジ式部材であって、伸長位置と後退位置との間の前記内面に沿った移動のために一緒に枢動可能に結合されている、ヒンジ式部材と、(ii)前記陥凹部に受容され、かつ穴を含むカラーと、(iii)インサートと、を備え、前記インサートが、前記穴に取り付けられ、前記軸受け面に係合して、前記ヒンジ式部材の枢軸移動を制限し、かつ前記摩耗部材を前記土壌作業機器に固定する、ロック。
[態様41]
摩耗部材を土壌作業機器に固定する方法であって、ロックが、前記摩耗部材の開口において、解放位置に固定されたロック配向にある状態で、前記摩耗部材を前記土工機器に取り付けることと、前記開口を画定している壁から前記ロックを係脱して、前記ロックを前記解放位置から取り外すことと、その後、前記解放位置とは異なる保持位置において、前記ロックを、前記開口を画定している前記壁と係合させて、前記摩耗部材を前記土壌作業機器に保持することと、を含む、方法。
[態様42]
前記ロックの両端が、前記解放位置及び前記保持位置において前記開口を画定している前記壁内の突起に係合する陥凹部を含む、態様41に記載の方法。
図1
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