(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
A63F5/04 651
(21)【出願番号】P 2020126856
(22)【出願日】2020-07-27
【審査請求日】2021-01-06
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503106797
【氏名又は名称】株式会社エンターライズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南 宗樹
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 淳
【審査官】岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-187013(JP,A)
【文献】特開2018-027479(JP,A)
【文献】特開2007-068760(JP,A)
【文献】特開2015-226591(JP,A)
【文献】「北斗の拳」,パチスロ必勝ガイドMAX2004年4月号 ,株式会社白夜書房,2004年04月01日,p08-13
【文献】「パチスロ真・北斗無双」,月刊パチマガスロマガ2020年9月号 ,株式会社プラントピア,2020年07月21日,p.18-23
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技状態を、一般遊技状態、および、前記一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である有利遊技状態のいずれかにするかを決定する遊技状態制御部と、
前記有利遊技状態の当せん期待度が割り当てられた複数種類の演出を実行可能に構成されている演出制御部と、
を備え、
前記複数種類の演出は、第1演出を含み、
前記第1演出を含む前記演出それぞれに対して、前記演出の出現率と、付与された際に前記当せん期待度を変化させるゲーム媒体とが対応付けて設定されており、
前記演出制御部は、前記第1演出に対応する前記ゲーム媒体が付与された状態では、前記ゲーム媒体が付与されていない状態に比べて、前記ゲーム媒体に対応する前記第1演出の前記当せん期待度
を増加
させる制御を実行するとともに、前記ゲーム媒体に対応する前記第1演出の出現率
を減少させる
制御を実行し、
前記演出制御部は、前記ゲーム媒体が付与されていない状態に比べて、付与された前記ゲーム媒体に対応しない演出の前記当せん期待度を減少させる制御を実行するとともに、付与された前記ゲーム媒体に対応しない演出の前記出現率を増加させる制御を実行する、遊技機。
【請求項2】
前記ゲーム媒体を付与するための付与条件が設定されており、
前記付与条件を満たす場合に、前記ゲーム媒体が付与される、請求項
1に記載の遊技機。
【請求項3】
1つの前記第1演出の当せん期待度を変化させるための前記ゲーム媒体が複数種類あり、
前記複数種類のゲーム媒体それぞれの前記付与条件を満たす難易度と、前記付与条件を満たした際に付与される前記ゲーム媒体による前記当せん期待度の上昇効果とが相関している、請求項
2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出制御部は、前記ゲーム媒体が付与されている状態では、前記ゲーム媒体が付与されている演出、または、前記ゲーム媒体が付与されていることを示唆する演出、を報知可能である、請求項1~
3のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機は、遊技中に、様々な演出を報知する。各演出には、ボーナスやATなどの有利遊技の当せん期待度が割り振りされている(例えば特許文献1参照)。遊技者は、報知された演出に基づいて、有利遊技が当せんしているかもしれないとの期待を込めて遊技を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮に、当せん期待度が10%の演出Aと、当せん期待度が70%の演出Bがある場合、演出Aが報知された時点で、遊技者は、有利遊技におそらく当せんしていないだろうと思いこむ。そのため、演出Aが報知されている間、遊技者は、演出Aに期待を寄せることなく遊技を淡々と消化するにとどまる。これでは、遊戯への面白みが欠ける。
【0005】
本開示は、遊技を面白く感じさせる遊技機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、遊技状態を、一般遊技状態、および、前記一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である有利遊技状態のいずれかにするかを決定する遊技状態制御部と、前記有利遊技状態の当せん期待度が割り当てられた複数種類の演出を実行可能に構成されている演出制御部と、を備え、前記演出それぞれに対して、前記演出の出現率と、付与された際に前記当せん期待度を変化させるゲーム媒体とが対応付けて設定されており、前記演出制御部は、前記ゲーム媒体が付与された状態では、前記ゲーム媒体が付与されていない状態に比べて、前記ゲーム媒体に対応する演出の前記当せん期待度を、増加または減少するように変化させ、前記ゲーム媒体に対応する演出の出現率を、増加または減少するように変化させる、遊技機である。
【0007】
また、第1の側面において、前記演出制御部は、前記ゲーム媒体が付与されている状態では、前記ゲーム媒体が付与されていない状態に比べて、前記ゲーム媒体に対応する演出の前記当せん期待度を増加させ、前記ゲーム媒体に対応する演出の出現率を減少させることが好ましい。
【0008】
また、第1の側面において、前記演出制御部は、前記ゲーム媒体が付与されていない状態に比べて、付与された前記ゲーム媒体に対応しない演出の前記当せん期待度を減少させ、付与された前記ゲーム媒体に対応しない演出の前記出現率を増加させることが好ましい。
【0009】
また、第1の側面において、前記ゲーム媒体を付与するための付与条件が設定されており、前記付与条件を満たす場合に、前記ゲーム媒体が付与されることが好ましい。
【0010】
また、第1の側面において、前記付与条件は、同一条件が所定回数満たされることを含むことが好ましい。
【0011】
また、第1の側面において、1つの前記演出の当せん期待度を変化させるための前記ゲーム媒体が複数種類あり、前記複数種類のゲーム媒体それぞれは、前記当せん期待度を変化させる量が互いに異なり、各々の前記ゲーム媒体は、前記付与条件が個別に設定されていることが好ましい。
【0012】
また、第1の側面において、前記遊技機は、スロットマシンであり、所定タイミングで前記ゲーム媒体を付与するか否かを抽せんし、当せんした場合に前記ゲーム媒体が付与されることが好ましい。
【0013】
また、第1の側面において、前記演出制御部は、前記ゲーム媒体が付与されている状態では、前記ゲーム媒体が付与されている演出、または、前記ゲーム媒体が付与されていることを示唆する演出、を報知可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、遊技を面白く感じさせる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】スロットマシンの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3】回転リールの図柄の配列の一例を示す図である。
【
図4】第1遊技状態における状態遷移を説明する図である。
【
図5】第2遊技状態における状態遷移を説明する図である。
【
図7】期待度演出に関するデータを表す期待度演出テーブルを示す図である。
【
図9】ゲーム媒体が付与されている演出が報知されている液晶画面を示す図である。
【
図10】演出制御部が実行する演出制御処理ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【
図11】期待度演出を抽せんする処理に用いるワークデータである期待度演出テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態]
本開示の遊技機の実施形態にかかるスロットマシン1について、図面を参照して説明する。
【0017】
<スロットマシンの構成>
図1に示すように、スロットマシン1は筐体10を有する。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
【0018】
前面扉100の中央部分には、透明性のリール窓200が設けられている。遊技者は、このリール窓200から、後述する複数の回転リール20それぞれの表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
【0019】
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、スピーカ102、および電飾部(図示略)が設けられている。液晶画面3、スピーカ102および電飾部は、報知部に相当する。
【0020】
液晶画面3は、遊技者の遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
【0021】
スピーカ102は、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)および音声を出力する。
【0022】
電飾部は、例えば期待度の高い演出画面が表示されたり、役が入賞したりした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。
【0023】
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、複数のストップスイッチ40、投入口が設けられたメダル投入部41、ベットスイッチ42、レバー43、媒体表示部44、精算スイッチ45および演出ボタン46などを含む。
【0024】
各ストップスイッチ40は、各回転リール20に対応して設けられている。各ストップスイッチ40は、回転リール20が回転している間に、各回転リール20の回転を停止させるための操作を受け付ける。
【0025】
メダル投入部41の投入口には、遊技媒体に相当するメダルが投入される。投入口付近には、メダルセンサが設けられている。メダルセンサは、投入口へのメダルの投入を検出し、検出信号を制御部6に出力する。
【0026】
ベットスイッチ42は、メダルをベットする際に用いられる。
【0027】
レバー43は、各回転リール20を回転させるための操作を受け付けるスタートスイッチとして機能する。
【0028】
媒体表示部44は、メダルのクレジット数、メダルの払い出し枚数、メダルのベット数などを表示するものであって、例えば複数の7セグメントで構成される。また、媒体表示部44は、遊技区間が有利区間であって特定の条件が満たされている場合に、遊技区間が有利区間であることを表示する。具体的に、媒体表示部44における7セグメントの一部が点灯することにより、遊技区間が有利区間であることが告知される。
【0029】
精算スイッチ45は、遊技者による遊技が終了して、払出口51からメダルが払い出される際に用いられる。
【0030】
演出ボタン46は、遊技者が遊技を行う際に、音量設定、遊技データの確認などを行うために用いられるボタンである。また、演出ボタン46は、遊技中、演出に応じて遊技者により押下されることがある。遊技中に演出ボタン46が押下された場合、演出に変化が生じる。
【0031】
これらの操作部4の各スイッチ付近には、遊技者の操作を検知して制御部6に操作信号を出力するセンサが設けられている。
【0032】
筐体10のうち、操作部4の下方には、メダルの払出口51と、払出口51から払い出されたメダルを貯留するための下皿52とが設けられている。また、筐体10の内部には、メダルの受け入れおよび払い出しを行うホッパーユニット50が設けられている(
図2参照)。
【0033】
図2に示すように、スロットマシン1は、回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72を備える。回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72は、スロットマシン1の主電源をオンおよびオフする電源装置(図示略)などとともに、筐体10の内部に配置されている。
【0034】
回転リールユニット2は、
図1および
図2に示すように、3つの回転リール20と、3つのステッピングモータ21とを備える。回転リールユニット2は、筐体10の内部において、リール窓200の位置に対応して配置されている。回転リール20それぞれには、
図3に示すように、複数の図柄が、当該リール20の周方向に沿って間隔を開けて配置されている。ステッピングモータ21は、各回転リール20に対応して設けられており、対応する回転リール20を駆動させる。
【0035】
ステッピングモータ21は、回転リール20の回転中にストップスイッチ40が操作されてから190m秒以内に、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リール20は、80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
【0036】
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、制御部6における回転リール制御部611(後述)によって、その回転および停止が制御される。
【0037】
RAMクリアボタン71は、制御部6を構成するRAMを初期化するための操作を受け付けるためのボタンである。設定変更ボタン72は、複数段階の設定値のうちのいずれか1つをスロットマシン1に設定する際に、店舗スタッフによって押下されるボタンである。
【0038】
設定値とは、スロットマシン1に投入されたメダルの投入総数に対する、ホッパーユニット50から払い出されたメダルの払出総数の割合を示す出玉率、を表した値である。設定された設定値は、内部抽せんに影響を与える。設定値に応じて、リプレイやベルなどの、各種役の当せん確率が異なるからである。設定値は、店舗開店前に、店舗スタッフによって設定される。すなわち、設定値は、遊技者にとっての有利度、具体的には遊技者への出玉に関する恩恵、を規定するともいえる。
【0039】
<遊技者による遊技の流れ>
遊技者は、必要に応じて、演出ボタン46を押下してスピーカ102から出力される音量調整、液晶画面3の光度調整を行う。
【0040】
遊技者は、メダル投入部41の投入口からメダルを投入しまたはベットスイッチ42を操作することにより貯留(クレジット)されているメダルを使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定枚数のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー43の操作、すなわち遊技開始が可能となる。
【0041】
図1では、有効ラインLが、右下がりライン、右上がりライン、中段ラインの3本で構成されている場合を例示する。有効ラインLとは、役の入賞を決定するための仮想ラインである。本実施形態では、MAX BET(マックスベット)となる3枚ベット(3枚掛け)をした場合に、3本のラインLが有効化される。
【0042】
以下では、ベルやスイカなどのメダルの払い出しのある役が有効ラインL上に揃うことのみならず、特殊リプレイ、チャンス目、ボーナスなどの特定の役に対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも、「入賞」と表現する。
【0043】
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40を操作して、メダルの払い出し処理を含む遊技の結果を得る一連の動作を云う。
【0044】
具体的には、遊技開始可能な状態でレバー43が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインLに揃った(入賞した)図柄の組み合わせ(役)に応じて、所定枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
【0045】
遊技者は、上記ゲームを繰り返し行う。ゲームが繰り返されることに応じて遊技が進行していき、液晶画面3の表示やスピーカ102からの音の出力は、遊技進行に応じて変化していく。
【0046】
<遊技状態について>
遊技中は、遊技区間および遊技状態の各種類が設定され、設定された遊技区間および遊技状態の各種類に基づいて内部抽せんが行われる。遊技状態には、
図4および
図5に示すように、第1遊技状態および第2遊技状態が含まれる。なお、第1遊技状態および第2遊技状態は、排他的に成立する遊技状態ではなく、説明の便宜上区別するために分類した状態にすぎない。
【0047】
第1遊技状態は、
図4に示すように、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態を含む。特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態は、排他的に成立する関係にある。
【0048】
特別役非持ち越し状態とは、内部抽せんにより当せんした特別役(一種BBおよび二種BB)の入賞が持ち越されていない状態をいう。特別役非持ち越し状態は、RAMクリアボタン71を用いてRAMが初期化された場合、特別役実施状態に移行してから払い出しメダルの枚数が所定枚数(例えば180枚)を超えた場合などの、所定条件を満たした場合に設定される。特別役持ち越し状態にて特別役が入賞した場合(すなわち所定条件を満たした場合)、第1遊技状態は、一時的ではあるが特別役非持ち越し状態に設定される。
【0049】
特別役持ち越し状態は、内部抽せんにより特別役が当せんしてはいるものの、当該特別役の入賞が持ち越されている状態をいう。つまり、特別役持ち越し状態とは、内部抽せんによって、特別役のフラグが当せんしたが、当該特別役を示す図柄が有効ラインL上に揃っておらず、よって特別役が未だ入賞していない状態をいう。
【0050】
ここで、一種BBは、一種特別役物に係る役物連続作動装置であって、ビッグボーナスなどが該当する。二種BBは、3枚掛け時に当せんする可能性のある特別役である。二種BBは、二種特別役物に係る役物連続作動装置であって、例えば2枚掛け時に当せんする可能性のある特別役である。特別役では、任意の特別役(例えば一種BB)の入賞が持ち越された状態にある場合、他の特別役(例えば二種BB)の抽せんは行われない。
【0051】
第1遊技状態が特別役非持ち越し状態である場合に特別役が当せんすると、第1遊技状態は、特別役非持ち越し状態から、当せんした当該特別役の入賞が持ち越された状態(特別役持ち越し状態)に移行する。
【0052】
当せんした特別役が入賞すると、第1遊技状態は、特別役持ち越し状態から、特別役非持ち越し状態を一時的に介して特別役実施状態に移行する。一種BBまたは二種BBが入賞したことによって第1遊技状態が特別役実施状態に移行すると、一種BBまたは二種BBによるメダルの払い出し枚数が所定枚数を超えるまで、特別役実施状態が維持される。
【0053】
更に詳細に、特別役実施状態には、一種BB実施状態、二種BB実施状態、およびRB実施状態が含まれる。一種BBが実施されている一種BB実施状態の間に、内部抽せんによってRBが当せんし入賞した場合、特別役実施状態は、一種BB実施状態からRB実施状態に移行する。RB実施状態において12ゲーム消化または特定役が8回入賞することで、特別役実施状態は、一種BB実施状態に移行する。
【0054】
第2遊技状態は、遊技中に行われる演出を決定するための状態であり、
図5に示すように、一般遊技状態およびAT状態を含む。一般遊技状態とAT状態とは、排他的に成立する関係にある。
【0055】
一般遊技状態とは、AT状態および特別役実施状態などの有利遊技状態でない状態である。例えば、RAMクリア後やAT終了後などからAT抽せんに当せんするまでの間、第2遊技状態は一般遊技状態に設定される。一例として、遊技区間が有利区間である場合に、AT抽せんは、内部抽せんにより当せんした役(レア役など)に応じて行われる。
【0056】
AT状態とは、内部抽せんにより当せんした特別役以外の役のストップスイッチ40の正解押し順(正解操作順)を、液晶画面3やスピーカ102を介して知らせるアシスト機能(AT機能)、が働いている状態である。遊技区間が有利区間である間に、AT抽せんにてATが当せんした場合に、第2遊技状態は、一般遊技状態からAT状態へと移行する。AT状態にて遊技が開始されてから所定ゲーム数が経過した場合、または、AT状態にて遊技が開始されてからのメダルの払い出し総枚数が所定枚数に達した場合に、第2遊技状態は、AT状態から一般遊技状態へと移行する。これにより、AT状態は終了する。AT状態は、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である有利遊技状態の1つである。
【0057】
<遊技区間について>
上述した遊技区間とは、アシスト機能に関する処理が行われるか否かを決定するための区間である。
図6に示すように、遊技区間は、通常区間と有利区間とを有する。通常区間と有利区間とは排他的な関係にあり、遊技区間は、通常区間または有利区間のいずれかを採り得る。
【0058】
通常区間とは、アシスト機能に関する処理およびAT抽せんを実行できないが、有利区間への区間移行抽せんが行われる区間である。通常区間にて遊技が行われた結果、内部当せんした役に応じて、遊技区間は通常区間から有利区間へと移行する。なお、第2遊技状態が一般遊技状態である間に、遊技区間は通常区間を採ることができる。
【0059】
有利区間は、アシスト機能に関する処理およびAT抽せんを実行可能な区間である。有利区間には、第2遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、AT状態などの有利遊技状態で進行する有利区間とが含まれる。遊技区間が有利区間に移行してから所定の終了条件を満たすまでの間、遊技区間が有利区間である状態は維持される。
【0060】
<制御部の構成>
図2に示すように、制御部6は、主に、メイン制御部61およびサブ制御部63を有する。メイン制御部61は、内部抽せんや回転リール20の制御など、遊技を進行させるための制御を行う。サブ制御部63は、メイン制御部61から送信された信号や演出ボタン46が押下されたことに基づいて、演出に関する制御を行う。
【0061】
メイン制御部61およびサブ制御部63それぞれは、CPU、RAMおよびROMで構成される。メイン制御部61およびサブ制御部63それぞれのROMには、遊技進行に必要なプログラムが記憶されている。メイン制御部61のRAMには、遊技進行に必要な遊技データが記憶される。遊技データには、現在ゲーム数の他、各遊技状態および遊技区間がどの状態または区間であるかを示すデータなどが含まれる。サブ制御部63のRAMには、演出制御に関する各種データなどが記憶される。
【0062】
CPUがROM内のプログラムを読み出して実行することにより、メイン制御部61は、内部抽せん部610、回転リール制御部611、遊技結果判定部612、媒体管理部613、遊技進行制御部614、区間制御部615、遊技状態制御部616、として機能する。サブ制御部63は、演出制御部630として機能する。
【0063】
―内部抽せん部―
内部抽せん部610は、レバー43の操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のフラグのうち1つのフラグを当せんフラグとして当せんさせる。具体的に、内部抽せん部610は、レバー43が操作された時の第1および第2遊技状態と遊技区間とに基づいて、内部抽せんテーブル(図示せず)およびレバー43が操作された時に取得される乱数に従って内部抽せんを行う。内部抽せん部610は、内部抽せんの結果に基づいて、内部抽せん結果信号を生成する。内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から回転リール制御部611および遊技進行制御部614などに送信される。
【0064】
内部抽せんテーブルは、内部抽せんにより当せんする可能性のある役の情報を示したものである。内部抽せん部610は、内部抽せんテーブルを基に、レバー43操作時のRT状態、特定役(ボーナス)中か否か、設定値、の組み合わせに応じて内部抽せんを行う。なお、内部抽せんテーブルに示された役の情報には、図柄の組み合わせと、その組み合わせに対応する役とが、関連付けて1以上設定されている。当該役には、メダルの払い出しが行われないはずれ役の他、メダルの払い出しのある押し順役が含まれる。
【0065】
AT状態で遊技が行われる場合には、押し順役が内部抽せんにより当せんする場合がある。押し順役が当せんし、その押し順通りにストップスイッチ40が押下された場合には、当該押し順役が入賞し、その役に応じた複数枚(例えば8枚)のメダルが払い出される。押し順役が当せんしたにも関わらず、押し順通りにストップスイッチ40が押下されなかった場合には、当該押し順役は入賞しないか、またはその他の役(1枚役など)が入賞する。
【0066】
なお、押し順役は、一般遊技状態中にも当せんしている。一般遊技状態中に押し順役が成立した場合、正解押し順の報知はされないため、押し順役は取りこぼされたり払い出しが1枚となったりする。AT状態中は、正解押し順が報知されるため、複数枚(例えば8枚)のメダルが払い出される。
【0067】
―回転リール制御部―
回転リール制御部611は、レバー43または各ストップスイッチ40の操作に基づいて、ステッピングモータ21の駆動を制御し、各回転リール20の回転を開始させる回転開始制御または回転を停止させる回転停止制御を行う。
【0068】
具体的には、回転リール20全ての回転が停止している状態にて、レバー43が操作された場合、回転リール制御部611は、回転リール20全ての回転を開始させる。少なくとも1つの回転リール20の回転中に、回転中の回転リール20に対応するストップスイッチ40が操作された場合、回転リール制御部611は、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。
【0069】
回転停止制御では、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40の操作に基づいて、当せんフラグが示す役に対応する図柄の組み合わせが、回転リール20の有効ラインL上に配置されることでその役が入賞するように、回転リール20の回転を停止させることができる。
【0070】
また、回転停止制御では、回転リール制御部611は、当せんした役と、各ストップスイッチ40操作時の回転リール20の位置とに応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御とは、当せんした役に対応する図柄を有効ラインL上に引き込むようにして、回転リール20の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御とは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように、回転リール20の回転を停止させる制御である。
【0071】
―遊技結果判定部―
遊技結果判定部612は、内部抽せんおよび回転リール20の回転停止制御の各結果に基づいて遊技結果を判定する。遊技結果とは、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かが判定された結果を意味する。具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、予め定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、遊技結果判定部612は、当せん役が入賞したと判定する。
【0072】
―媒体管理部―
媒体管理部613は、クレジット数の増減制御、およびホッパーユニット50によるメダルの払い出し動作の制御を行う。
【0073】
具体的に、媒体管理部613は、メダルがベットされた場合には、メダルのベット数に応じてクレジット数を減少させ、メダルがクレジットされた場合には、クレジット数を増加させる。
【0074】
内部抽せんによって当せんした役が遊技者の操作に基づいて入賞した場合、媒体管理部613は、入賞した役の種類に基づくメダルの払い出し枚数に基づいて、クレジット数を増加させる。
【0075】
また、媒体管理部613は、遊技結果判定部612が判定した遊技結果の他、精算スイッチ45の操作により出力された操作信号に基づいて、ホッパーユニット50を制御する。
【0076】
具体的に、当せんした役の入賞により得られたメダルは、先ずはクレジットとして貯留される。メダルを貯留した結果、クレジット数がその上限(例えば50枚)を超えた場合には、上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、貯留中のメダルが一枚以上ある状態で精算スイッチ45が操作された場合、貯留中のメダルの少なくとも一部がホッパーユニット50から払い出される。
【0077】
更に、媒体管理部613は、有利区間において、メダルの払い出し枚数からメダルのベット数を差し引いた枚数の累積値であるメダルの差枚数、および差枚数の最大値と最小値との差であるレンジ(MY)を算出する。メダルの差枚数およびレンジ(MY)は、区間制御部615に送信される。なお、媒体管理部613は、有利区間終了後に、メダルの差枚数およびレンジ(MY)をリセットする。
【0078】
―遊技進行制御部―
遊技進行制御部614は、遊技者の操作に基づいて遊技進行を制御する。その際、遊技進行制御部614は、店舗スタッフにより設定された設定値に基づいて、当該遊技者による遊技進行を制御する。
【0079】
また、遊技進行制御部614は、RAMクリアボタン71が押下された場合、メイン制御部61のRAMを初期化することで、遊技データをリセットする。遊技進行制御部614は、設定変更ボタン72が押下された場合、現在の設定値を他の設定値に変更する。
【0080】
―区間制御部―
区間制御部615は、遊技者による遊技の際、複数の遊技区間(通常区間および有利区間)のうちいずれかを設定する。
【0081】
具体的には、区間制御部615は、遊技区間が通常区間である場合に、通常区間の状態を維持するか、それとも有利区間に移行するかの区間移行抽せんを行う。所定の抽せん対象役が当せんした際に、区間移行抽せんを行うか否かの抽せんが行われ、その結果当せんした場合に、区間移行抽せんが行われる。区間移行抽せんに当せんした場合、区間制御部615は、遊技区間を有利区間に設定(移行)する。
【0082】
なお、区間移行抽せんの当せん確率は、設定度に応じて異なっている。一例としては、設定値に応じて、前記所定の抽せん対象役の当せん確率が異なっているか、または、前記所定の当せん対象役の当せん時に行われる、区間移行抽せんの当せん確率が異なっている。
【0083】
また、区間制御部615は、遊技区間が有利区間である場合には、有利区間の状態を維持するか、通常区間に移行するかを決定する。例えば、区間制御部615は、遊技区間が有利区間の時に、第2遊技状態がAT状態から一般遊技状態に移行したか否かを判定する。一般遊技状態に移行したと判定した場合、区間制御部615は、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させる。
【0084】
また、区間制御部615は、有利区間の状態での消化ゲーム数が1500ゲームに達した場合、または、有利区間の間にメダルの差枚数が2400枚に達した場合、遊技区間を、有利区間から通常区間に強制的に移行させる。
【0085】
また、区間制御部615は、遊技データがリセットされた場合、リセット直前の遊技区間いかんにかかわらず、遊技区間を通常区間に設定する。
【0086】
なお、区間制御部615は、設定(移行)した区間の種類を表す信号を、媒体表示部44に送信する。これにより、媒体表示部44には、有利区間か否かが表示される。
【0087】
―遊技状態制御部―
遊技状態制御部616は、第1遊技状態および第2遊技状態それぞれの設定を行う。
【0088】
具体的には、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態のいずれかに設定し、第2遊技状態を、一般遊技状態または有利遊技状態(例えばAT状態)に設定する。
【0089】
一例として、
図4に示すように、遊技状態制御部616は、メイン制御部61のRAMクリアなどの所定条件が満たされた場合は、第1遊技状態を特別役非持ち越し状態に設定する。内部抽せんにより特別役が当せんした直後、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役持ち越し状態に設定する。その特別役が入賞した場合、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役実施状態(有利遊技状態)に設定する。
【0090】
また、
図5に示すように、遊技状態制御部616は、AT抽せんの結果に基づいて、第2遊技状態をAT状態に設定するか否か(すなわち、ATに当せんしたか否か)を判定する。有利区間の間にAT抽せんに当せんした場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をAT状態に設定する。逆に、AT抽せんに当せんしなかった場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を一般遊技状態に設定することができる。また、ATが終了した場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をAT状態から一般遊技状態に移行させる。すなわち、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を、一般遊技状態および有利遊技状態のいずれにするかを決定する。
【0091】
―演出制御部―
演出制御部630は、遊技進行に基づいて、複数種類の演出映像の中から選択された演出映像を液晶画面3に表示させるとともに、その演出映像に応じた効果音やBGMなどをスピーカ102から出力させる。例えば、演出制御部630は、ATやボーナスが当せんした場合、その旨を液晶画面3に表示させるための演出パターンを選択し、当該演出パターンに従って液晶画面3の表示制御およびスピーカ102の音声出力制御を行う。
【0092】
演出制御部630は、AT中、逐次当せんする押し順役の正解押し順の報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる(アシスト機能)。
【0093】
また、遊技中に、設定値を示唆する演出の報知条件が満たされた場合、演出制御部630は、当該演出の報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる。この演出を、遊技者は、現在遊技中のスロットマシン1がどのような設定値なのかを、把握する材料の1つとすることができる。報知条件としては、レア役当せん時、ボーナスゲームの終了時、AT終了時、などが挙げられる。
【0094】
<期待度演出>
演出制御部630は、有利遊技状態の当せん期待度が割り当てられた複数種類の演出(以下、期待度演出ともいう)を実行可能である。期待度演出は、有利遊技状態の当せん契機となる役に当せんしている場合やATやボーナスが当せんしている場合に報知されるとともに、有利遊技状態の当せん契機となる役に当せんしていない場合やATやボーナスに当せんしていない場合にも報知される。
【0095】
図7は、期待度演出に関するデータを表す期待度演出テーブルを示す。
図7に示すように、演出それぞれに対して、演出表示時の当せん期待度と演出の出現率とが対応付けて設定されている。
図7が示す例のうち、後述するゲーム媒体が付与されていない場合、「魚を釣り上げろ!」演出Aが表示された場合の当せん期待度は5%であり、演出出現率は「頻繁(例えば60%~80%)」に設定されている。「ティガレックスの痕跡を探せ!」演出Cが表示された場合の当せん期待度は30%であり、演出出現率は「たまに(例えば30%~50%)」に設定されている。すなわち、演出Aは、内部抽せんにより有利遊技状態の当せん契機となる役やATやボーナスに当せんしていない場合には、頻繁に報知されることになり、内部抽せんにより有利遊技状態の当せん契機となる役やATやボーナスに当せんしている場合には、逆に報知されにくい演出である。これに対して、演出Cは、内部抽せんにより有利遊技状態の当せん契機となる役やATやボーナスに当せんしていない場合に、演出Aに比べて、報知されにくく、内部抽せんにより有利遊技状態の当せん契機となる役やATやボーナスに当せんしている場合には、演出Aに比べて、報知されやすい。このような遊技機の挙動を実現するために、演出制御部630は、有利遊技状態の当せん契機となる役やATやボーナスに当せんしている場合には、当せん期待度に応じて報知する期待度演出を抽せんし、有利遊技状態の当せん契機となる役やATやボーナスに当せんしていない場合には、出現率に応じて報知する期待度演出を抽せんする。
【0096】
<ゲーム媒体による変化>
演出制御部630は、付与された際に期待度演出の当せん期待度を変化させるゲーム媒体を付与可能である。
図7におけるゲーム媒体が付与されている場合の期待度演出テーブルに示すように、ゲーム媒体は、期待度演出それぞれに対して対応付けられている。同図に示すように、1つの期待度演出に対して、1又は複数のゲーム媒体が関連付けられている。例えば、「魚を釣り上げろ!」演出Aには、複数種類(本実施形態では4つ)のゲーム媒体(「釣り上手」、「釣り初心者」、「釣り中堅どころ」および「釣りマスター」)が関連付けられている。演出Bおよび演出Cに対してそれぞれ1つのゲーム媒体が関連付けられている。
本実施形態では、複数の演出に跨って関連付けられたゲーム媒体は存在しておらず、1の演出専用としてゲーム媒体が関連付けられている場合を例示する。従って、例えばゲーム媒体「釣り上手」は、演出Bや演出Cには対応しておらず、演出Aにのみ対応している。
図7におけるゲーム媒体が付与されていない場合の期待度演出テーブルに示すように、「魚を釣り上げろ!」演出Aに対応する4種類のゲーム媒体のいずれもが付与されていない場合、期待度演出(具体的には「魚を釣り上げろ!」演出A)の当せん期待度は、5%である。これに対し、
図7におけるゲーム媒体が付与されている場合の期待度演出テーブルに示すように、「魚を釣り上げろ!」演出Aに対応する4種類のゲーム媒体の少なくともいずれかが付与されると、ゲーム媒体が付与されていない場合に比べて、「魚を釣り上げろ!」演出Aの当せん期待度は、5%を超える値へと増加する方向に変化する。更に、「魚を釣り上げろ!」演出Aに対応する4つのゲーム媒体それぞれは、当せん期待度を変化させる量が互いに異なる。
そして、演出Aに対応する4種類のゲーム媒体それぞれは、当せん期待度を上昇させる代わりに、ゲーム媒体が付与されていない場合に比べて、演出出現率「頻繁(60%~80%)」を減少する方向に変化させて、「たまに(30%~50%)」にする。付与されたゲーム媒体は、対応する期待度演出に対してのみ有効となる。すなわち、ゲーム媒体「釣り上手」が付与されている状態では、演出Bや演出Cの当せん期待度は変化せず、演出Aの当せん期待度が変化する。本実施形態において、演出制御部630は、ゲーム媒体が付与されている状態では、ゲーム媒体が付与されていない状態に比べて、ゲーム媒体に対応する期待度演出の当せん期待度を増加させ、ゲーム媒体に対応する期待度演出の出現率を減少させている。これにより、ゲーム媒体の付与に応じて報知される期待度演出が変化する。
【0097】
<ゲーム媒体の付与条件>
図8に示すように、ゲーム媒体を付与するための付与条件が予め設定されている。付与条件は、期待度演出の内容に関連したものが規定されている。例えば、期待度演出または期待度演出以外の演出が報知された際の、その演出の結果(結末)が満たす所定条件が、付与条件として設定される。演出制御部630は、その付与条件を満たす場合に、ゲーム媒体を付与する。
図8に示すように、1つの期待度演出の当せん期待度を変化させるゲーム媒体は、1種類でもよいし、複数種類あってもよい。既に述べたが、例えば、「ツタを登れ!」演出Bおよび「ティガレックスの痕跡を探せ!」演習Cの当せん期待度を変化させるゲーム媒体はそれぞれ1種類「ツタ上り達人」「落とし物コレクター」である。「魚を釣り上げろ!」演出Aの当せん期待度を変化させるゲーム媒体は複数種類(本実施形態では4種類)ある。それぞれのゲーム媒体の付与条件が個別に設定されている。
図8に示すように、1つのゲーム媒体の付与条件が1つでもよいし、複数設定されていてもよい。例えば、ゲーム媒体「釣り上手」、「釣り初心者」および「釣り中堅どころ」の付与条件はそれぞれ1つ設定されている。ゲーム媒体「釣りマスター」の付与条件は、2つ設定されている。また、演出Cに対応するゲーム媒体「落し物コレクター」の付与条件は、遺跡発見を10回した、という同一条件が所定回数満たさせることである。
なお、「魚を釣り上げろ!」演出Aの当せん期待度を変化させる4つのゲーム媒体それぞれの付与条件は、いずれも演出Aの内容に関連した“魚の釣り上げに関する内容”となっているが、付与された際の当せん期待度の上昇幅と、付与条件を満たす難易度とは、概ね相関していてもよい。例えば、
図8に示すように、ゲーム媒体「釣り初心者」の付与条件では、釣り上げを成功させるべき魚の大きさが“小”であり、
図7に示すように、このゲーム媒体「釣り初心者」が付与された場合には、演出Aの当せん期待度は5%から20%へと15%ほど上昇する。これに対しゲーム媒体「釣り上手」の付与条件では、釣り上げを成功させるべき魚の大きさが“大”であり、小魚を釣り上げるよりも釣り上げ成功率(つまり、付与条件を満たす難易度)を低くすることができる。その代わり、「大きい魚の釣り上げに成功」を満たすと、ゲーム媒体「釣り上手」が付与されるが、この場合には演出Aの当せん期待度は5%から40%へと、35%ほど上昇する。また、ゲーム媒体「釣りマスター」の付与条件では、“特大”の魚の釣り上げを成功することと、所定期間に大きい魚と小魚の両方の釣り上げに成功することの、2つの条件が含まれている。これらの付与条件は、単に小魚を釣り上げる条件や、単に大きい魚を釣り上げる条件よりも、付与条件を満たす難易度は高くなっている。その代わり、これらの付与条件を満たすと、ゲーム媒体「釣りマスター」が付与される、この場合には演出Aの当せん期待度は5%から50%へと、45%ほど上昇する。
このように、付与条件の難易度と、その付与条件を満たした際に付与されるゲーム媒体による当せん期待度の上昇効果と、を相関させることで、遊技者は、付与条件をクリアさせた時の達成感を味わうことができ、遊技の面白みを感じながら期待を込めて遊技を行うことができる。
【0098】
演出制御部630は、
図9に示すように、ゲーム媒体が付与されている状態では、ゲーム媒体が付与されている演出を報知可能である。例えば、
図9に示すように、演出制御部630は、付与されているゲーム媒体を示す画像(アイコン)を液晶画面3に表示する。
図9の例では、付与されているゲーム媒体が、「釣り上手」および「落し物コレクター」であることを示すアイコン画像が液晶画面3に表示される。
【0099】
<スロットマシン1の動作処理の流れ>
図10を用いて、本実施形態にかかるスロットマシン1の動作処理の流れを説明する。
図10は、演出制御部630が実行する演出制御処理ルーチンの一部を示す。
【0100】
ステップST1において、演出制御部630は、期待度演出を抽せんするタイミングであるか否かを判定する。期待度演出を抽せんするタイミングではない場合(ST1:NO)には、演出制御部630は、ステップST10の処理に進む。期待度演出を抽せんするタイミングである場合(ST1:YES)には、演出制御部630は、ステップST2において、
図7の上部に示すゲーム媒体が付与されていない場合の期待度演出テーブルから期待度および出現率をワークデータとして読み込む。ワークデータは、
図11に例示するように、期待度演出を抽せんする処理に用いるデータである。次にステップST3において、演出制御部630は、付与されているゲーム媒体が存在するか否かを判定する。付与されているゲーム媒体が未だ存在しない場合(ST3:NO)には、ステップST5の処理へ進む。付与されているゲーム媒体が既に存在する場合(ST3:YES)には、次のステップST4において、演出制御部630は、付与されているゲーム媒体に対応する期待度演出の期待度および出現率を読み込んで、ステップST2で読み込んだワークデータに上書きする。例えば、付与されているゲーム媒体が「釣り上手」の場合には、ステップST4の処理後のワークデータとしての期待度演出テーブルは、
図11に示すようになる。すなわち、
図11に示すように、「魚を釣り上げろ!」演出Aの当せん期待度が5%から40%に増加しており、出現率が「頻繁(60%~80%)」から「たまに(30%~50%)」へ減少する。「ツタを登れ!」演出Bは、変更されず、その当せん期待度は15%であり、出現率は「頻繁(60%~80%)」のままである。「ティガレックスの痕跡を探せ!」演出Cは、変更されず、その当せん確率は30%であり、出現率は「たまに(30%~50%)」のままである。
【0101】
次にステップST5において、演出制御部630は、
図11に例示するワークデータとしての期待度演出テーブルに基づき期待度演出を抽せんする。具体的には、有利遊技状態の当せん契機となる役に当せんしている場合には、当せん期待度に応じて報知する期待度演出を抽せんし、有利遊技状態の当せん契機となる役に当せんしていない場合には、出現率に応じて報知する期待度演出を抽せんする。有利遊技状態の当せん契機となる役に当せんしているか否かは、メイン制御部61から出力される内部抽せん結果信号によって演出制御部630が判別する。
【0102】
期待度演出に当せんしていない場合(ST6:NO)には、演出制御部630は、ステップST10の処理へ移行する。期待度演出に当せんしている場合(ST6;YES)には、演出制御部630は、次のステップST7において、当せんした期待度演出を報知する。次に、演出制御部630は、ステップST8において、ゲーム媒体の付与条件を満たすか否かを判定する。ゲーム媒体の付与条件を満たす場合(ST8:YES)には、演出制御部630は、次のステップST9において、付与条件を満たすゲーム媒体を付与し、ステップST10の処理へ移行する。ゲーム媒体の付与条件を満たさない場合(ST8:NO)には、演出制御部630は、ステップST10の処理へ移行する。
【0103】
ステップST10において、演出制御部630は、
図9に示すように、付与されているゲーム媒体を報知し、ステップST1の処理の実行へ戻る。
【0104】
以上をまとめると、スロットマシン1(遊技機)は、遊技状態を、一般遊技状態、および、前記一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である有利遊技状態 のいずれかにするかを決定する遊技状態制御部616と、有利遊技状態の当せん期待度が割り当てられた複数種類の演出を実行可能に構成されている演出制御部630と、を備え、演出それぞれに対して、演出の出現率と、付与された際に当せん期待度を変化させるゲーム媒体とが対応付けて設定されており、演出制御部630は、ゲーム媒体が付与された状態では、ゲーム媒体が付与されていない状態に比べて、ゲーム媒体に対応する演出の前記当せん期待度を、増加または減少するように変化させ、ゲーム媒体に対応する演出の出現率を、増加または減少するように変化させる。
【0105】
<発明の効果>
本実施形態によれば、演出の出現頻度と有利遊技の当せん期待度とのバランスを変化させることができるので、遊技者には遊技を面白く感じさせることが可能となる。
【0106】
また、本実施形態のように、演出制御部630は、ゲーム媒体が付与されている状態では、ゲーム媒体が付与されていない状態に比べて、ゲーム媒体に対応する演出の当せん期待度を変化させ、ゲーム媒体に対応する演出の出現率を、当せん期待度を変化させた方向とは逆方向に変化させることが好ましい。
この構成によれば、例えば、当せん期待度が低くかつ出現率の高い演出が、ゲーム媒体が付与されていない状態では、頻繁に報知される。一方、ゲーム媒体が付与されて当該演出の当せん期待度が例えば増加され、その代わりに、例えば出現率が低下すれば、当該演出の報知頻度が下がる。この場合、当該演出の報知頻度が下がった分、他の演出の報知機会が増加することになる。すなわち、ゲーム媒体の付与に応じて、演出の報知頻度が変わる。
逆に、ゲーム媒体が付与されたことで、そのゲーム媒体に対応する演出の当せん期待度が例えば減少され、その代わりに、例えば当該演出の出現頻度が増大すれば、当該演出の報知頻度がさらに増大する。この状況では、当該演出が頻発し、その演出については当せんへの期待がもてないものの、当該演出以外の他の演出が報知されれば、頻発する演出よりも当せん期待度が高いことになり、遊技者に大きな期待感を与えることが可能となる。したがって、演出の出現頻度と特別遊技の当せん期待度とのバランスを保ちながら、遊技者には遊技を面白く感じさせることが可能となる。
【0107】
また、本実施形態のように、演出制御部630は、前記ゲーム媒体が付与されている状態では、前記ゲーム媒体が付与されていない状態に比べて、前記ゲーム媒体に対応する演出の前記当せん期待度を増加させ、前記ゲーム媒体に対応する演出の出現率を減少させることが好ましい。
この構成によれば、ゲーム媒体の付与に応じて報知される演出が変わるので、遊技を面白く感じさせることが可能となる。
【0108】
また、本実施形態のように、ゲーム媒体を付与するための付与条件が設定されており、付与条件を満たす場合に、ゲーム媒体が付与されることが好ましい。
この構成によれば、付与条件を満たせば、ゲーム媒体が付与されるため、遊技者の遊技性を向上させることが可能となる。
【0109】
また、本実施形態のように、付与条件は、同一条件が所定回数満たされることを含むことが好ましい。これにより、遊技性を向上させることが可能となる。
【0110】
また、本実施形態のように、1つの演出の当せん期待度を変化させるためのゲーム媒体が複数種類あり、数種類のゲーム媒体それぞれは、当せん期待度を変化させる量が互いに異なり、各々のゲーム媒体は、付与条件が個別に設定されていることが好ましい。
この構成によれば、当せん期待度を変化させる量が異なる複数種類のゲーム媒体が提供されるので、遊技を面白くすることが可能となる。
【0111】
また、本実施形態のように、演出制御部630は、ゲーム媒体が付与されている状態では、ゲーム媒体が付与されている演出を報知可能であることが好ましい。
この構成によれば、ゲーム媒体が付与されていることを遊技者が把握することで、遊技者は遊技を途中で辞めずに継続しようと試みるようになる。また、仮に遊技が途中で辞められたとしても、ゲーム媒体が付与されている演出の報知は、他のユーザにとって、遊技する遊技台を選ぶきっかけの1つとなり得る。
【0112】
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0113】
(1)前記実施形態において、演出制御部630は、ゲーム媒体が付与されている状態では、ゲーム媒体が付与されている演出を報知するが、これに限定されない。例えば、演出制御部630は、ゲーム媒体が付与されている状態では、ゲーム媒体が付与されていることを示唆する演出を報知可能に構成されていてもよい。この構成によれば、ゲーム媒体が付与されている可能性があることを遊技者が把握することで、遊技者は遊技を途中で辞めずに継続しようと試みるようになる。また、仮に遊技が途中で辞められたとしても、ゲーム媒体が付与されている示唆演出の報知は、他のユーザにとって、遊技する遊技台を選ぶきっかけの1つとなり得る。
(2)前記実施形態において、演出制御部630は、所定の付与条件を満たすか否かによってゲーム媒体を付与しているが、これに限定されない。例えば、遊技機はスロットマシンであり、演出制御部630は、所定タイミングでゲーム媒体を付与するか否かを抽せんし、当せんした場合にゲーム媒体が付与されるようにしてもよい。所定タイミングは、例えば、遊技区間が通常区間から有利区間へ移行したときでもよいし、押し順役が当せんしている状態で押し順を通りにストップスイッチ40が操作されたときでもよいし、目押しで所定図柄を停止させることができたときでもよい。
【0114】
(3)例えば、スロットマシン、または、パチンコにおいて、演出ボタン46を用いたくじ引き演出を報知し、抽せんでゲーム媒体を付与するようにしてもよい。
【0115】
(4)前記実施形態において、
図9に示すように、付与されているゲーム媒体に関する演出を遊技中に報知しているが、これに限定されない。例えば、スロットマシン、または、パチンコにおいて、演出制御部630は、遊技中か否かにかかわらず、ゲーム媒体に関する演出を報知してもよい。例えば、液晶画面3に常に表示するようにしてもよいし、演出ボタン46などの操作部への操作に応じて液晶画面3またはスピーカ102で報知するようにしてもよい。
【0116】
(5)前記実施形態において、ゲーム媒体を付与する演出の前に、その演出に対応する付与条件に関する演出を報知してもよい。例えば、「魚釣りに成功すると、良いことがあるかも」と付与条件に関する演出を報知し、その次以降のゲームにおいて、「魚を釣り上げろ!」演出Aを報知することが挙げられる。これらの演出は、この例のように異なるゲームで報知してもよいし、同じゲーム内で報知してもよい。
【0117】
(6)前記実施形態において、演出制御部630は、付与されたゲーム媒体に対応する期待度演出のみの当せん期待度および出現率を変化させているが、これに限定されない。例えば、演出制御部630は、ゲーム媒体が付与されている状態では、ゲーム媒体が付与されていない状態に比べて、ゲーム媒体に対応する期待度演出の当せん期待度を増加させ、ゲーム媒体に対応する期待度演出の出現率を減少させ、さらに、演出制御部630は、ゲーム媒体が付与されていない状態に比べて、付与されたゲーム媒体に対応しない期待度演出の当せん期待度を減少させ、付与されたゲーム媒体に対応しない期待度演出の出現率を増加させることが挙げられる。
例えば、ゲーム媒体「釣り上手」「ツタ上り達人」が付与されている場合、これらのゲーム媒体に対応する期待度演出A「魚を釣り上げろ!」および期待度演出B「ツタを登れ!」それぞれの当せん期待度は、5%から40%、15%から50%へと増加し、代わりにこれらの出現率はそれぞれ60%~80%から30%~50%へと低下する。一方で、演出Cに対応するゲーム媒体が付与されていない状態であると、演出Cの当せん期待度は30%、演出出現率は30%~50%となり、全ての演出A~Cの当せん期待度は高い一方で出現率は全体的に下がった状態となる。これでは、全体的な演出A~Cの出現頻度が下がってしまい、遊技者にとっては、演出が起きにくい状態下で単調に遊技を消化することとなってしまう。そこで、ここでは、ゲーム媒体が付与されている演出A,Bそれぞれの当せん期待度を増加させ且つ演出出現率を減少させた場合、ゲーム媒体が付与されていない演出Cの当せん期待度を減少させ且つ演出出現率を増加させる。
この構成によれば、付与されたゲーム媒体に対応する演出については、当せん期待度は増加し出現率は減少する一方で、当該演出以外の演出については、当せん期待度は減少し出現率は増加する。これにより、演出全体の出現率および当せん期待度のバランスが適切な状態に調整されることになる。
【0118】
(7)前記実施形態において、1つの期待度演出の当せん期待度を変化させるゲーム媒体が複数種類あるが、これに限定されない。例えば、1つの期待度演出の当せん期待度を変化させるゲーム媒体が1種類でもよい。
【0119】
(8)演出制御部630は、ゲーム媒体に対応する期待度演出の当せん期待度および出現率を変化させるパターンは、上記において次のパターン1,2を記載したが、これに限定されず、次のパターン3,4も実装可能である。
パターン1:ゲーム媒体に対応する期待度演出の当せん期待度を増加、出現率を減少
パターン2:ゲーム媒体に対応する期待度演出の当せん期待度を減少、出現率を増加
パターン3:ゲーム媒体に対応する期待度演出の当せん期待度を増加、出現率を増加
パターン4:ゲーム媒体に対応する期待度演出の当せん期待度を減少、出現率を減少
【0120】
(9)前記実施形態に限らず、例えば、複数のゲーム媒体が付与された場合、付与されたゲーム媒体の組み合わせによって、各々のゲーム媒体の付与によって通常では見れないプレミア演出が出現するように、演出制御部630を構成してもよい。プレミア演出は、例えば、当せん期待度が100%などが挙げられる。プレミア演出が出現する場合には、プレミア演出に対して当せん期待度および出現率が振られる分、プレミア演出以外の演出の当せん期待度および出現率を下げる方向に調整し、その結果、全体的に当せん期待度および出現率を下げるようにしてもよい。
【0121】
(10)前記実施形態では、1つのゲーム媒体が当せん期待度を上げられる演出は、1の演出であった。例えば、ゲーム媒体「釣り上手」は、演出BやCに対応しておらず、演出Aのみに対応しており、演出Aの当せん期待度のみを増大させる。これに限定されず、例えば、1つのゲーム媒体で、複数の演出の当せん期待度を変化させるゲーム媒体が存在してもよい。
【0122】
(11)「付与されれば当せん期待度を上げ、演出の出現率を下げる」ゲーム媒体と、「付与されれば当せん期待度を下げ、演出の出現率を上げる」ゲーム媒体と、が混在していてもよい。これらのゲーム媒体が取得されるごとに、取得されたゲーム媒体に対応する演出の当せん期待度および出現率が更新されるとよい。これにより、次にどのゲーム媒体を取得するかが、遊技の楽しみの1つとなりえる。
【0123】
(12)各演出の当せん期待度と演出出現率とが現在どのような状態かを確認可能にしてもよい。例えば演出ボタンを押下することで、確認できるようになっていてもよい。その際、当せん期待度と出現率は、色で表現、アイコンや画像で表現、グラフで表現、数値で表現など、確認できる態様であればどのような態様でも報知されればよい。
【0124】
(13)設定された設定値に応じて、どのゲーム媒体が付与されるかの傾向が偏るようにしてもい。例えば、設定値が1であれば、釣り初心者が付与されることが多く、釣りマスターは設定値が6でしか付与されないなどが挙げられる。
【0125】
(14)各演出の当せん期待度と出現率は、RAMクリアボタン71押下時や、設定値の変更時にデフォルト状態に戻るようにしもよい。また、ユーザが、演出ボタン46を押してデフォルト状態に戻すができてもよい。また、有利区間がリセットされる際(すなわち、有利区間から通常区間に戻る際)に、各演出の当せん期待度と出現率がデフォルト状態に戻ってもよい。
【0126】
(15)各演出の当せん期待度と出現率とのデフォルト値をいくつか持たせておいて、有利区間開始時に、どのデフォルト値を選択するかが抽選などで決定されてもよい。
【0127】
(16)ゲーム媒体が付与されやすいゾーンがあってもよい。例えば、一般遊技状態中に規定ゲーム数やレア役引いたことで到来する高確率ゾーンや通常区間が挙げられる。
【0128】
(17)前記実施形態では、
図11に示すように、期待度演出の抽選タイミングがくるたびに、期待度演出の期待度および出現率を読み込んでいるが、処理の一例であり、この例に限定されない。例えば、RAMクリアボタン71押下時や、設定値の変更時に、ゲーム媒体が付与されていない場合の期待度テーブルを読み込んで、ワークメモリに、各期待度演出の当せん期待度および演出出現率、現在付与されているゲーム媒体を保持しておき、ワークメモリのデータを期待度演出の抽せんに用い、ゲーム媒体が付与された場合に、付与されたゲーム媒体に対応する期待度演出の期待度および出現率を読み込んで、ワークメモリに上書きする形にすることが挙げられる。
【0129】
前記実施形態では、RT状態の遷移の説明を省略した。AT機では、所定役が当せんしたが入賞していない状態の下でATでの遊技が行われるものであり、その状態の下では、RT状態が遷移しないためである。しかし、所定役が持ち越されていない状態の下では、RT状態は遷移することができることは、言うまでもない。
【0130】
前記実施形態では、ベットスイッチ42が設けられている場合を例示したが、ベットスイッチ42はなくてもよい。
【0131】
前記実施形態の一般遊技状態には、CZが含まれてもよい。また、前記実施形態では、有利遊技状態として、ATやボーナスを例示したが、有利遊技状態には、ARTが含まれてもよい。CZとは、ATへの突入確率やリプレイ確率がCZでない場合よりも高い遊技状態である。ARTは、リプレイ確率が一般遊技状態時よりも高く、かつ、押し順役の正解押し順を報知する遊技状態である。そして、設定値に応じて、AT、CZおよびARTの少なくとも1つへの突入確率が変化してもよい。設定値に応じて、AT、CZおよびARTの性能が変化してもよい。
【0132】
スロットマシン1の機種の仕様によっては、有利区間が最大1500ゲームに至る前や、遊技者の出玉の獲得枚数が2400枚に至るよりも前に、ATなどである有利遊技状態や有利区間が任意のタイミングにて終了することがあってもよい。
【0133】
設定値を示唆する演出には、画像によるものの他、回転リール20の回転を停止した際に、リール窓200を介して視認できる図柄が特殊な図柄となること、サウンドの変化、LEDの発色変化などの少なくとも1つが、更に含まれてもよい。
【0134】
前記実施形態では、遊技機がATタイプのスロットマシンである場合を例示した。しかし、遊技機は、ARTタイプのスロットマシンなど、AT機以外であっても実現できる。また、遊技機は、スロットマシンに限定されることはなく、パチンコであっても実現可能である。
【0135】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0136】
616 遊技状態制御部
630 演出制御部