(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】カンナビノイドの分解方法
(51)【国際特許分類】
A62D 3/17 20070101AFI20230509BHJP
A62D 3/30 20070101ALI20230509BHJP
A62D 3/38 20070101ALI20230509BHJP
B01J 23/22 20060101ALI20230509BHJP
B01J 27/10 20060101ALI20230509BHJP
B01J 35/02 20060101ALI20230509BHJP
A62D 101/28 20070101ALN20230509BHJP
【FI】
A62D3/17
A62D3/30 ZAB
A62D3/38
B01J23/22 M
B01J27/10 M
B01J35/02 J
A62D101:28
(21)【出願番号】P 2022512475
(86)(22)【出願日】2020-05-14
(86)【国際出願番号】 CN2020090346
(87)【国際公開番号】W WO2020238641
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-11-02
(31)【優先権主張番号】201910464062.0
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521481681
【氏名又は名称】漢義生物科技(北京)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】譚▲しん▼
(72)【発明者】
【氏名】孫武興
(72)【発明者】
【氏名】▲しぃん▼俊波
(72)【発明者】
【氏名】王曙賓
(72)【発明者】
【氏名】馬悠平
(72)【発明者】
【氏名】張景
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106563685(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1688290(CN,A)
【文献】中国実用新案第207478540(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62D 1/00- 9/00
B09B 1/00- 5/00
B09C 1/00- 1/10
C07D 309/00-315/00
B01J 21/00- 38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カンナビノイドを含有する溶液を光触媒反応させるカンナビノイドの分解方法
であって
、
前記カンナビノイドを含有する液体を照明器具が設けられた容器に入れて、光触媒を加
え、室温で撹拌するステップ(1)と、
ステップ(1)の前記液体を静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケーキを得るステップ
(2)とを含
み、
前記ステップ(1)では、照明器具の照度が2000~20000Lxであ
り、
前記光触媒は、バナジン酸ビスマス又はバナジン酸ビスマス/二酸化チタン複合物であ
る、カンナビノイドの分解方法。
【請求項2】
前記カンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノールTHC、カンナビジオールCBD
、カンナビゲロールCBG、カンナビクロメンCBC、カンナビノールCBN、プロピル
同族体であるΔ9-テトラヒドロカンナビバリンTHCV及びカンナビジバリンCBDV
のうちの1種又は2種以上の組み合わせである、ことを特徴とする請求項1に記載のカン
ナビノイドの分解方法。
【請求項3】
前記照度は4500~12000Lx
である、ことを特徴とする請求項1に記載のカン
ナビノイドの分解方法。
【請求項4】
前記照度は7000~12000Lxである、ことを特徴とする請求項3に記載のカン
ナビノイドの分解方法。
【請求項5】
前記ステップ(1)では、光触媒の使用量とカンナビノイドを含有する溶液とは質量体
積比mg/mLとして5%~50%である、ことを特徴とする請求項
1に記載のカンナビ
ノイドの分解方法。
【請求項6】
前記光触媒の使用量とカンナビノイドを含有する溶液とは、質量体積比mg/mLとし
て10%~30%
である、ことを特徴とする請求項5に記載のカンナビノイドの分解方法
。
【請求項7】
前記光触媒の使用量とカンナビノイドを含有する溶液とは、質量体積比mg/mLとし
て10%~20%である、ことを特徴とする請求項6に記載のカンナビノイドの分解方法
。
【請求項8】
前記ステップ(1)の前に、カンナビノイドを含有する液体を濃縮させて、エキスを得
るステップ(a)と、溶媒を前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含
有する液体の濃縮液を得るステップ(b)とをさらに含み、
前記ステップ(2)で得られたろ過ケーキは再度光触媒として使用される、ことを特徴
とする請求項
1に記載のカンナビノイドの分解方法。
【請求項9】
前記ステップ(b)の溶媒は有機溶媒であ
る、ことを特徴とする請求項8に記載のカン
ナビノイドの分解方法。
【請求項10】
前記有機溶媒はエタノール、メタノール、酢酸エチル、アセトン、クロロホルム、石油
エーテル、n-ヘキサン及びn-ヘプタンから選ばれる1種又は2種以上の任意の割合の
組み合わせであ
る、ことを特徴とする請求項9に記載のカンナビノイドの分解方法。
【請求項11】
前記有機溶媒はエタノール、メタノール、酢酸エチル、及びアセトンから選ばれる1種
又は2種以上の任意の割合の組み合わせである、ことを特徴とする請求項9に記載のカン
ナビノイドの分解方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光触媒化学の技術分野に関し、具体的には、カンナビノイドの分解方法に関す
る。
【背景技術】
【0002】
光触媒反応とは、光触媒が自然界に存在する光エネルギーを化学反応に必要なエネルギ
ーに変換することで、触媒作用を果たし、周囲の酸素ガス及び水分子を励起させて酸化性
が極めて高いフリーアニオンとし、化学反応を促進することを指す。光触媒反応はほとん
ど人体や環境に対して有害な全ての有機物質や一部の無機物質を分解することができ、反
応を促進するだけではなく、自然の法則を利用して、資源の浪費やさらなる汚染の発生を
回避することもできる。光触媒技術は、エネルギーや環境の分野で利用可能性がある環境
配慮型低炭素技術であり、特に汚水処理及び環境保全において重要な役割を果たす。光触
媒分解法では、反応条件が温和であり、使用する光触媒が無毒であり、水や有機溶媒に不
溶であり、回収して再利用可能であり、それにより、強酸、強塩基で有機物を分解する場
合の二次汚染や生態学的バランスの破壊を回避し、企業が廃液を処理するためのコストを
大幅に削減させる。
【0003】
カンナビノイドは大麻植物中のアルキル基とモノテルペン遺伝子の分子構造を含有する
二次代謝産物である。現在、大麻植物から70種類余りのカンナビノイドが分離されてお
り、主にはテトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、カン
ナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビノール(CBN)、及
びプロピル同族体であるΔ9-テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバ
リン(CBDV)などがある。これらのうち、一部の成分は精神活性を持ち、例えばテト
ラヒドロカンナビノールは中毒性幻覚物質である。大麻は重要な経済的価値があり、紡績
、食品、医薬や製紙などの分野に適用できる。産業用大麻については、THC含有量が麻
薬として利用される価値がないほど極めて低いことが求められる。したがって、カンナビ
ノイドを含有する大麻抽出液や廃液については、排出する前に安全上のリスクを解消する
ために処理を施す必要がある。
【0004】
研究者が研究を行った結果、カンナビノール類の含有量が光照射の条件下で顕著に低下
する(『様々な保管条件による大麻の化学安定性への影響』孫維来ら、広西植物、201
7年09期)ことを見出し、即ち、カンナビノール類が光照射により分解可能であること
が示される。ただし、自然条件では、カンナビノール類物質の分解が遅くかつ十分ではな
い。カンナビノール類の分解効率を向上させ、カンナビノイドを含有する廃液の排出安全
基準を向上させるために、本発明では、初めて大麻抽出加工において生じたカンナビノイ
ドを含有する廃液処理に光触媒技術を適用し、それにより、廃液中のカンナビノイドを多
く分解し、分解効率を高め、経済性や環境保全の目的を達成させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の目的を達成させるために、本発明はカンナビノイドの分解方法を提供し、前記方
法は、無機光触媒を使用して、一定の光照強度を有する照明器具にてカンナビノイドを含
有する溶液を光触媒反応させるものであり、反応後の光触媒が回収して再利用されてもよ
く、反応後の溶液中、カンナビノイドの含有量がppmスケールに低下する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はカンナビノイドの分解方法を提供し、前記方法はカンナビノイドを含有する溶
液を光触媒反応させるものである。
【0007】
好ましくは、本発明によるカンナビノイドの分解方法は、
前記カンナビノイドを含有する溶液を照明器具が設けられた容器に入れて、光触媒を加
え、室温で撹拌するステップ(1)と、
ステップ(1)の前記液体を静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケーキを得るステップ
(2)とを含む。
【0008】
前記カンナビノイドは、テトラヒドロカンナビノールTHC、カンナビジオールCBD
、カンナビゲロールCBG、カンナビクロメンCBC、カンナビノールCBN、プロピル
同族体であるΔ9-テトラヒドロカンナビバリンTHCV及びカンナビジバリンCBDV
のうちの1種又は2種以上の組み合わせを含む。
【0009】
好ましくは、前記ステップ(1)では、前記容器は密閉容器である。
【0010】
好ましくは、前記ステップ(1)では、前記照明器具の照度は2000~20000L
x、より好ましくは、4500~12000Lx、より好ましくは、7000~1200
0Lxである。
【0011】
好ましくは、前記ステップ(1)では、前記光触媒の使用量は5%~50%(mg/m
L)、より好ましくは、10%~30%(mg/mL)、より好ましくは、10%~20
%(mg/mL)である。
【0012】
本発明における単位mg/mLとは、カンナビノイド溶液1mLに加える光触媒の質量
である。
【0013】
好ましくは、前記ステップ(1)では、前記光触媒は、バナジン酸ビスマス、オキシ塩
化ビスマス、バナジン酸ビスマス/二酸化チタン複合物、バナジン酸ビスマス/オキシ塩
化ビスマス複合物、オキシ塩化ビスマス/二酸化チタン複合物から選ばれる1種又は2種
以上の任意の割合の組み合わせであり、より好ましくは、前記光触媒はバナジン酸ビスマ
ス又はバナジン酸ビスマス/オキシ塩化ビスマス複合物である。
【0014】
好ましくは、前記ステップ(1)では、撹拌時間は5~60分間、より好ましくは、5
~30分間である。
【0015】
好ましくは、前記ステップ(2)では、放置時間は12~78時間、より好ましくは、
12~50時間、より好ましくは、12~24時間である。
【0016】
好ましくは、前記ステップ(2)の後、ステップ(2)で得られたろ過ケーキを洗浄し
て乾燥させるステップをさらに含み、洗浄、乾燥後のろ過ケーキは光触媒として回収され
得る。具体的には、溶媒で前記ろ過ケーキを洗浄し、前記溶媒は水、エタノール、アセト
ン、酢酸エチル、n-ヘプタン、n-ペンタン、n-プロパノール、イソプロパノール、
n-ブタノール、ギ酸エチル、及びジメチルスルホキシドから選ばれる1種又は2種以上
の組み合わせであり、好ましくは、前記溶媒は水及び/又はエタノールであり、より好ま
しくは、前記エタノールの濃度が95%である。
【0017】
好ましくは、前記洗浄ステップは水とエタノールで交互に行われ、前記交互洗浄の回数
は1~6回、より好ましくは2~3回である。
【0018】
好ましくは、前記乾燥ステップは真空乾燥であり、前記真空乾燥は温度50~80℃、
時間12~24時間である。
【0019】
好ましくは、前記ステップ(2)の後、ステップ(2)で得られたろ液を検出するステ
ップをさらに含み、前記検出方法は液体クロマトグラフィー分析検出、質量分析検出、蛍
光検出又は紫外検出から選ばれる。
【0020】
前記ステップ(1)の前に、カンナビノイドを含有する溶液を濃縮させて、エキスを得
るステップ(a)と、溶媒を前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含
有する溶液の濃縮液を得るステップ(b)とをさらに含んでもよい。
【0021】
前記ステップ(a)又は(1)では、前記カンナビノイドを含有する溶液は大麻抽出の
精製過程に生じた廃液又はカンナビノイドを含有する他の溶液である。
【0022】
好ましくは、前記ステップ(a)では、濃縮方法は減圧濃縮である。好ましくは、前記
減圧濃縮の操作温度は40~70℃、より好ましくは、60℃である。
【0023】
好ましくは、前記ステップ(b)では、前記溶媒は有機溶媒であり、より好ましくは、
前記有機溶媒はエタノール、メタノール、酢酸エチル、アセトン、クロロホルム、石油エ
ーテル、n-ヘキサン、及びn-ヘプタンから選ばれる1種又は2種以上の任意の割合の
組み合わせであり、より好ましくは、前記有機溶媒は、エタノール、メタノール、酢酸エ
チル、及びアセトンから選ばれる1種又は2種以上の任意の割合の組み合わせである。
【0024】
好ましくは、前記ステップ(b)の溶解温度は室温である。
【0025】
好ましくは、本発明によるカンナビノイドの分解方法は、
カンナビノイドを含有する溶液を40~70℃で減圧濃縮させ、エキスを得るステップ
(1)と、
エタノール、メタノール及び/又はアセトンを前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、
カンナビノイドを含有する溶液の濃縮液を得るステップ(2)と、
前記濃縮液を2000~20000Lx照明器具が設けられた容器に入れて、光触媒と
してバナジン酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、バナジン酸ビスマス/二酸化チタンを5
%~50%(mg/mL)加え、室温で5~60分間撹拌するステップ(3)と、
ステップ(3)で反応した液体を12~78時間静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケ
ーキを得るステップ(4)と、
ステップ(4)の前記ろ過ケーキを水及び/又はエタノールで1~6回洗浄し、次に5
0~80℃で12~24時間乾燥させ、光触媒として回収するステップ(5)と、
ステップ(4)の前記ろ液に対して液体クロマトグラフィー検出を行うステップ(6)
とを含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明に記載のカンナビノイドの分解方法は、前記廃液中のカンナビノイドの含有量を
20ppm以下に低下させることができる。前記方法では、使用する原料及び試薬が低コ
ストで入手しやすく、操作及び試験の方法が簡単であり、しかも、光触媒が回収利用可能
であるので、資源の浪費が回避され、工業化が実現されやすい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施例1における標準品CBDV、CBG、CBD、THCV、及びTHCの高速液体クロマトグラムである。
【
図2】本発明の実施例1における分解前の廃液サンプルの高速液体クロマトグラムである。
【
図3】本発明の実施例1における分解後のろ液サンプルの高速液体クロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
別に定義されていない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は本発
明の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。以下の実施例は本発明を説明する
ものであり、本発明を制限するものではない。本発明に記載の以下の略語及びそれに対応
する物質は以下のとおりである。
CBDV カンナビジバリン
CBD カンナビジオール
CBG カンナビゲロール
THCV Δ9-テトラヒドロカンナビバリン
THC テトラヒドロカンナビノール
【0029】
以下、本発明の実施例を参照して、本発明の技術案を明確かつ完全に説明するが、明ら
かに、説明する実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者
が本発明の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得る全ての他の実施例は、本発
明の特許範囲に属する。
【0030】
実施例1
1、本実施例では、前記カンナビノイドの分解方法のステップは以下のとおりである。
(1)カンナビノイドを含有する廃液からサンプルを採取した後、残りの廃液を60℃
で減圧濃縮させて、エキスを得た。
(2)95%エタノールを前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含
有する廃液の濃縮液を得た。
(3)ステップ(2)の濃縮液を照明器具が設けられた密閉処理タンクに入れて、10
%(mg/mL)の光触媒であるバナジン酸ビスマスを加え、照度を7000Lxとして
、室温で30分間撹拌した。
(4)ステップ(3)で反応した液体を12時間静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケ
ーキを得た。
(5)ステップ(4)で得たろ過ケーキに水を加えて15分間撹拌した後、ろ過してろ
過ケーキを収集し、得たろ過ケーキに95%エタノールを加えて15分間撹拌した後、ろ
過してろ過ケーキを収集し、洗浄操作を3回繰り返し、最後に収集したろ過ケーキを50
℃の真空環境にて24時間乾燥させ、光触媒として回収した。
(6)ステップ(1)の試料液とステップ(4)で得たろ液に対して高速液体クロマト
グラフィー分析を行い、CBDV、CBD、CBG、THCV、及びTHCの含有量を分
析して検出した。
2、サンプル検出分析方法
高速液体クロマトグラフィー検出条件及びシステム適合性試験:オクタデシルシラン結
合シリカゲルを充填剤、0.1%ギ酸水溶液を移動相A、0.1%ギ酸アセトニトリルを
移動相Bとして、以下の溶出手順に従って溶出を行い、検出波長は220nmであり、C
BD換算で理論段数は12000以上であった。
溶出時間が0~6分間である場合、移動相の体積濃度としては、移動相Aが30%であ
り、移動相Bが残量であり、溶出時間が6~12分間である場合、移動相の体積濃度とし
ては、移動相Aが30%から23%に勾配変化し、移動相Bが残量であり、溶出時間が1
2~22分間である場合、移動相の体積濃度としては、移動相Aが23%であり、移動相
Bが残量であり、溶出時間が22~22.2分間である場合、移動相の体積濃度としては
、移動相Aが23%から30%に勾配変化し、移動相Bが残量であり、溶出時間が22.
2~26分間である場合、移動相の体積濃度としては、移動相Aが30%であり、移動相
Bが残量であった。
標準品溶液の調製:濃度1.0mg/mlのCBDV、CBG、CBD、THC、及び
THCV標準品溶液を精密に秤量し、それぞれメタノールを加えて希釈し、標準品溶液と
し、前記標準品溶液中、CBDV、CBG、THC、及びTHCVの濃度は全て10μg
/mLであり、CBDの濃度は150μg/mLであった。
分解前の廃液サンプルの調製:ステップ(1)の試料液1.5mLを秤量して5mLメ
スフラスコに入れ、メタノールを加えて溶解し所定の目盛りとなるまで希釈し、均一に振
とうさせてろ過し、ろ液を検出して分析した。
分解後のろ液サンプルの調製:ステップ(3)で得たろ液1.5mLを秤量して5mL
メスフラスコに入れ、メタノールを加えて溶解し所定の目盛りとなるまで希釈し、均一に
振とうさせてろ過し、ろ液を検出して分析した。
分解前の廃液サンプルと分解後のろ液サンプル溶液をそれぞれ10μL精密に秤量し、
それぞれを高速液体クロマトグラフに注入して、クロマトグラムを記録した。
3、実験結果
本実施例の標準品クロマトグラムを
図1、分解前の廃液サンプルクロマトグラムを
図2
に示すように、分解前の廃液中、CBDV、CBG、CBD、THC、及びTHCVが含
有されており、特にCBD、CBDV、及びTHCの含有量が高いことが明らかであった
。
本実施例の分解後のろ液サンプルクロマトグラムを
図3に示し、
図1及び
図2と比較し
て、CBG、CBD、及びTHCVのクロマトグラフピークがほぼなくなり、このことか
ら、残りのCBG、CBD、及びTHCVの含有量が極めて低いことを示し、CBDV及
びTHCのクロマトグラフピークが非常に狭くかつピーク値が低く、このことから、CB
DV及びTHCの含有量が低いことを示し、計算したところ、分解後のろ液サンプル中、
カンナビノイドの全含有量は10ppmであった。実験結果から、本発明に記載のカンナ
ビノイドの分解方法は廃液サンプル中のカンナビノイドを大量で分解でき、分解後のカン
ナビノイドの全含有量がppmスケールになることを示した。
【0031】
実施例2
1、本実施例では、前記カンナビノイドの分解方法のステップは以下のとおりである。
(1)カンナビノイドを含有する廃液からサンプルを採取した後、残りの廃液を70℃
で減圧濃縮させて、エキスを得た。
(2)酢酸エチルを前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含有する
廃液の濃縮液を得た。
(3)ステップ(2)の濃縮液を照明器具が設けられた密閉処理タンクに入れて、光触
媒として20%(mg/mL)のバナジン酸ビスマス/オキシ塩化ビスマスを加え、照度
を10000Lxとして、室温で60分間撹拌した。
(4)ステップ(3)で反応した液体を24時間静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケ
ーキを得た。
(5)ステップ(4)で得たろ過ケーキに水を加えて15分間撹拌した後、ろ過してろ
過ケーキを収集し、得たろ過ケーキに95%エタノールを加えて15分間撹拌した後、ろ
過してろ過ケーキを収集し、洗浄操作を6回繰り返し、最後に収集したろ過ケーキを80
℃の真空環境にて12時間乾燥させ、光触媒として回収した。
(6)ステップ(1)の試料液とステップ(4)で得たろ液に対して高速液体クロマト
グラフィー分析を行い、CBDV、CBD、CBG、THCV、及びTHCの含有量を分
析して検出した。
2、サンプル検出分析方法
高速液体クロマトグラフィー検出条件及びシステム適合性試験:オクタデシルシラン結
合シリカゲルを充填剤、0.1%ギ酸アセトニトリル水溶液を移動相A、0.1%ギ酸水
溶液を移動相Bとして、以下の溶出手順に従って溶出を行い、検出波長は220nmであ
り、CBD換算で理論段数は12000以上であった。
溶出時間が0~6分間である場合、移動相の体積濃度としては、移動相Aが30%であ
り、移動相Bが残量であり、溶出時間が6~12分間である場合、移動相の体積濃度とし
ては、移動相Aが30%から23%に勾配変化し、移動相Bが残量であり、溶出時間が1
2~22分間である場合、移動相の体積濃度としては、移動相Aが23%であり、移動相
Bが残量であり、溶出時間が22~22.2分間である場合、移動相の体積濃度としては
、移動相Aが23%から30%に勾配変化し、移動相Bが残量であり、溶出時間が22.
2~26分間である場合、移動相の体積濃度としては、移動相Aが30%であり、移動相
Bが残量であった。
標準品溶液の調製:濃度1.0mg/mlのCBDV、CBG、CBD、THC、及び
THCV標準品溶液を精密に秤量し、それぞれメタノールを加えて希釈し、標準品溶液と
し、前記標準品溶液中、CBDV、CBG、THC、及びTHCVの濃度は全て10μg
/mL、CBD濃度は150μg/mLであった。
分解前の廃液サンプルの調製:ステップ(1)の試料液1.5mLを秤量して5mLメ
スフラスコに入れ、メタノールを加えて溶解し所定の目盛りとなるまで希釈し、均一に振
とうさせてろ過し、ろ液を検出して分析した。
分解後のろ液サンプルの調製:ステップ(3)で得たろ液1.5mLを秤量して5mL
メスフラスコに入れ、メタノールを加えて溶解し所定の目盛りとなるまで希釈し、均一に
振とうさせてろ過し、ろ液を検出して分析した。
分解前の廃液サンプルと分解後のろ液サンプル溶液をそれぞれ10μL精密に秤量し、
それぞれを高速液体クロマトグラフに注入して、クロマトグラムを記録した。
3、実験結果
本実施例の標準品溶液、分解前の廃液サンプル及び分解後のろ液サンプルのクロマトグ
ラムから計算したところ、分解後のろ液サンプル中、カンナビノイドの全含有量は8pp
mであった。実験結果から、本発明に記載のカンナビノイドの分解方法のように光触媒の
使用量及び触媒時間を合理的に変えることによっても、廃液サンプル中のカンナビノイド
を大量で分解することができ、分解後のカンナビノイドの全含有量がppmスケールにな
ることが示された。
【0032】
実施例3
1、本実施例では、前記カンナビノイドの分解方法のステップは以下のとおりである。
(1)カンナビノイドを含有する廃液からサンプルを採取した後、残りの廃液を40℃
で減圧濃縮させて、エキスを得た。
(2)アセトンを前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含有する廃
液の濃縮液を得た。
(3)ステップ(2)の濃縮液を照明器具が設けられた密閉処理タンクに入れて、実施
例1で回収した30%(mg/mL)の光触媒であるバナジン酸ビスマスを加え、照度を
4500Lxとして、室温で60分間撹拌した。
(4)ステップ(3)で反応した液体を78時間静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケ
ーキを得た。
(5)ステップ(4)で得たろ過ケーキに水を加えて15分間撹拌した後、ろ過してろ
過ケーキを収集し、得たろ過ケーキに95%エタノールを加えて15分間撹拌した後、ろ
過してろ過ケーキを収集し、洗浄操作を2回繰り返し、最後に収集したろ過ケーキを80
℃の真空環境にて12時間乾燥させ、光触媒として回収した。
(6)ステップ(1)の試料液とステップ(4)で得たろ液に対して高速液体クロマト
グラフィー分析を行い、CBDV、CBD、CBG、THCV、及びTHCの含有量を分
析して検出した。
2、サンプル検出分析方法
本実施例のサンプルの検出分析方法は実施例2のサンプルの検出分析方法と同様であっ
た。
3、実験結果
本実施例の標準品溶液、分解前の廃液サンプル、及び分解後のろ液サンプルのクロマト
グラムから計算したところ、分解後のろ液サンプル中、カンナビノイドの全含有量は10
ppmであった。実験結果から、本発明に記載のカンナビノイドの分解方法では、回収し
た光触媒を使用しても、廃液サンプル中のカンナビノイドを大量で分解することができ、
分解後のカンナビノイドの全含有量が依然としてppmスケールとなることが示された。
【0033】
実施例4
1、本実施例では、前記カンナビノイドの分解方法のステップは以下のとおりである。
(1)カンナビノイドを含有する廃液からサンプルを採取した後、残りの廃液を60℃
で減圧濃縮させて、エキスを得た。
(2)メタノールを前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含有する
廃液の濃縮液を得た。
(3)ステップ(2)の濃縮液を照明器具が設けられた密閉処理タンクに入れて、50
%(mg/mL)の光触媒であるオキシ塩化ビスマスを加え、照度を20000Lxとし
て、室温で5分間撹拌した。
(4)ステップ(3)で反応した液体を50時間静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケ
ーキを得た。
(5)ステップ(4)で得たろ過ケーキに水を加えて15分間撹拌した後、ろ過してろ
過ケーキを収集し、得たろ過ケーキに95%エタノールを加えて15分間撹拌した後、ろ
過してろ過ケーキを収集し、洗浄操作を3回繰り返し、最後に収集したろ過ケーキを80
℃の真空環境にて12時間乾燥させ、光触媒として回収した。
(6)ステップ(1)の試料液とステップ(4)で得たろ液に対して高速液体クロマト
グラフィー分析を行い、CBDV、CBD 、CBG、THCV、及びTHCの含有量を
分析して検出した。
2、サンプル検出分析方法
本実施例のサンプルの検出分析方法は実施例2のサンプルの検出分析方法と同様であっ
た。
3、実験結果
本実施例の標準品溶液、分解前の廃液サンプル、及び分解後のろ液サンプルのクロマト
グラムから計算したところ、分解後のろ液サンプル中、カンナビノイドの全含有量は15
ppmであった。実験結果から、本発明に記載のカンナビノイドの分解方法は廃液サンプ
ル中のカンナビノイドを大量で分解することができ、分解後のカンナビノイドの全含有量
がppmスケールとなることが示された。
【0034】
実施例5
1、本実施例では、前記カンナビノイドの分解方法のステップは以下のとおりである。
(1)カンナビノイドを含有する廃液からサンプルを採取した後、残りの廃液を60℃
で減圧濃縮させて、エキスを得た。
(2)95%エタノールを前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含
有する廃液の濃縮液を得た。
(3)ステップ(2)の濃縮液を照明器具が設けられた密閉処理タンクに入れて、15
%(mg/mL)の光触媒であるバナジン酸ビスマス/二酸化チタンを加え、照度を20
00Lxとして、室温で60分間撹拌した。
(4)ステップ(3)で反応した液体を24時間静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケ
ーキを得た。
(5)ステップ(4)で得たろ過ケーキに水を加えて15分間撹拌した後、ろ過してろ
過ケーキを収集し、得たろ過ケーキに95%エタノールを加えて15分間撹拌した後、ろ
過してろ過ケーキを収集し、ろ過ケーキを80℃の真空環境にて12時間乾燥させ、光触
媒として回収した。
(6)ステップ(1)の試料液とステップ(4)で得たろ液に対して高速液体クロマト
グラフィー分析を行い、CBDV、CBD、CBG、THCV、及びTHCの含有量を分
析して検出した。
2、サンプル検出分析方法
本実施例のサンプルの検出分析方法は実施例2のサンプルの検出分析方法と同様であっ
た。
3、実験結果
本実施例の標準品溶液、分解前の廃液サンプル、及び分解後のろ液サンプルのクロマト
グラムから計算したところ、分解後のろ液サンプル中、カンナビノイドの全含有量は12
ppmであった。実験結果から、本発明に記載のカンナビノイドの分解方法は廃液サンプ
ル中のカンナビノイドを大量で分解することができ、分解後のカンナビノイドの全含有量
がppmスケールとなることが示された。
【0035】
実施例6
1、本実施例では、前記カンナビノイドの分解方法のステップは以下のとおりである。
(1)カンナビノイドを含有する廃液からサンプルを採取した後、残りの廃液を60℃
で減圧濃縮させて、エキスを得た。
(2)95%エタノールを前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含
有する廃液の濃縮液を得た。
(3)ステップ(2)の濃縮液を照明器具が設けられた密閉処理タンクに入れて、5%
(mg/mL)の光触媒であるバナジン酸ビスマスを加え、照度を12000Lxとして
、室温で60分間撹拌した。
(4)ステップ(3)で反応した液体を78時間静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケ
ーキを得た。
(5)ステップ(4)で得たろ過ケーキに水を加えて15分間撹拌した後、ろ過してろ
過ケーキを収集し、得たろ過ケーキに95%エタノールを加えて15分間撹拌した後、ろ
過してろ過ケーキを収集し、洗浄操作を3回繰り返し、最後に収集したろ過ケーキを80
℃の真空環境にて12時間乾燥させ、光触媒として回収した。
(6)ステップ(1)の試料液とステップ(4)で得たろ液に対して高速液体クロマト
グラフィー分析を行い、CBDV、CBD、CBG、THCV、及びTHCの含有量を分
析して検出した。
2、サンプル検出分析方法
本実施例のサンプルの検出分析方法は実施例2のサンプルの検出分析方法と同様であっ
た。
3、実験結果
本実施例の標準品溶液、分解前の廃液サンプル、及び分解後のろ液サンプルのクロマト
グラムから計算したところ、分解後のろ液サンプル中、カンナビノイドの全含有量は13
ppmであった。実験結果から、本発明に記載のカンナビノイドの分解方法は廃液サンプ
ル中のカンナビノイドを大量で分解することができ、分解後のカンナビノイドの全含有量
がppmスケールとなることが示された。
【0036】
実施例7
本実施例の光触媒の使用量は10%(mg/mL)である以外、残りの実験、検出条件
は実施例6と同様であった。
【0037】
実施例8
本実施例の光触媒の使用量は20%(mg/mL)である以外、残りの実験、検出条件
は実施例6と同様であった。
【0038】
実施例9
本実施例の光触媒の使用量は30%(mg/mL)である以外、残りの実験、検出条件
は実施例6と同様であった。
表1 実施例6~9の光触媒の使用量の比較
表1中、実施例6~9の光触媒の使用量がそれぞれ5%、10%、10%、及び30%(
mg/mL)であり、残りの実験条件が同じ場合、分解後のろ液サンプル中のカンナビノ
イドの全含有量はそれぞれ13、8、10、及び14ppmであり、このことから、光触
媒の使用量が10%(mg/mL)である場合、カンナビノイドの分解効果が良好である
ことが示された。
【0039】
実施例10
本実施例の光触媒をバナジン酸ビスマス/オキシ塩化ビスマス複合物とした以外、残り
の実験、検出条件は実施例7と同様であった。
【0040】
実施例11
本実施例の光触媒をオキシ塩化ビスマスとした以外、残りの実験、検出条件は実施例7
と同様であった。
【0041】
実施例12
本実施例の光触媒をバナジン酸ビスマス/二酸化チタン複合物とした以外、残りの実験
、検出条件は実施例7と同様であった。
【0042】
実施例13
本実施例の光触媒をオキシ塩化ビスマス/二酸化チタン複合物とした以外、残りの実験
、検出条件は実施例7と同様であった。
表2 実施例7、10~13の光触媒の種類の比較
表2中、実施例7、10~13の光触媒がそれぞれバナジン酸ビスマス、バナジン酸ビス
マス/オキシ塩化ビスマス複合物、オキシ塩化ビスマス、バナジン酸ビスマス/二酸化チ
タン複合物、及びオキシ塩化ビスマス/二酸化チタン複合物であり、残りの実験条件が同
じ場合、分解後のろ液サンプル中のカンナビノイドの全含有量はそれぞれ8、8.1、1
6、14、及び20ppmであり、このことから、光触媒がそれぞれバナジン酸ビスマス
、バナジン酸ビスマス/オキシ塩化ビスマス複合物である場合、カンナビノイドの分解効
果が良好であることが示された。
【0043】
実施例14
(1)カンナビノイドを含有する廃液からサンプルを採取した後、残りの廃液を55℃
で減圧濃縮させて、エキスを得た。
(2)95%エタノールを前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含
有する廃液の濃縮液を得た。
(3)ステップ(2)の濃縮液を照明器具が設けられた密閉処理タンクに入れて、18
%(mg/mL)の光触媒であるバナジン酸ビスマスを加え、照度を5500Lxとして
、室温で40分間撹拌した。
(4)ステップ(3)で反応した液体を20時間静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケ
ーキを得た。
(5)ステップ(4)で得たろ過ケーキに水を加えて15分間撹拌した後、ろ過してろ
過ケーキを収集し、得たろ過ケーキに95%エタノールを加えて15分間撹拌した後、ろ
過してろ過ケーキを収集し、洗浄操作を3回繰り返し、最後に収集したろ過ケーキを65
℃の真空環境にて20時間乾燥させ、光触媒として回収した。
(6)ステップ(1)の試料液とステップ(4)で得たろ液に対して高速液体クロマト
グラフィー分析を行い、CBDV、CBD、CBG、THCV、及びTHCの含有量を分
析して検出した。
【0044】
実施例15
(1)カンナビノイドを含有する廃液からサンプルを採取した後、残りの廃液を65℃
で減圧濃縮させて、エキスを得た。
(2)95%エタノールを前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含
有する廃液の濃縮液を得た。
(3)ステップ(2)の濃縮液を照明器具が設けられた密閉処理タンクに入れて、23
%(mg/mL)の光触媒であるバナジン酸ビスマス/オキシ塩化ビスマス複合物を加え
、照度を8300Lxとして、室温で15分間撹拌した。
(4)ステップ(3)で反応した液体を35時間静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケ
ーキを得た。
(5)ステップ(4)で得たろ過ケーキに水を加えて15分間撹拌した後、ろ過してろ
過ケーキを収集し、得たろ過ケーキに95%エタノールを加えて15分間撹拌した後、ろ
過してろ過ケーキを収集し、洗浄操作を3回繰り返し、最後に収集したろ過ケーキを70
℃の真空環境にて18時間乾燥させ、光触媒として回収した。
(6)ステップ(1)の試料液とステップ(4)で得たろ液に対して高速液体クロマト
グラフィー分析を行い、CBDV、CBD、CBG、THCV、及びTHCの含有量を分
析して検出した。
【0045】
実施例16
(1)カンナビノイドを含有する廃液からサンプルを採取した後、残りの廃液を45℃
で減圧濃縮させて、エキスを得た。
(2)95%エタノールを前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含
有する廃液の濃縮液を得た。
(3)ステップ(2)の濃縮液を照明器具が設けられた密閉処理タンクに入れて、35
%(mg/mL)の光触媒であるオキシ塩化ビスマスを加え、照度を3800Lxとして
、室温で10分間撹拌した。
(4)ステップ(3)で反応した液体を65時間静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケ
ーキを得た。
(5)ステップ(4)で得たろ過ケーキに水を加えて15分間撹拌した後、ろ過してろ
過ケーキを収集し、得たろ過ケーキに95%エタノールを加えて15分間撹拌した後、ろ
過してろ過ケーキを収集し、洗浄操作を3回繰り返し、最後に収集したろ過ケーキを55
℃の真空環境にて24時間乾燥させ、光触媒として回収した。
(6)ステップ(1)の試料液とステップ(4)で得たろ液に対して高速液体クロマト
グラフィー分析を行い、CBDV、CBD、CBG、THCV、及びTHCの含有量を分
析して検出した。
【0046】
実施例17
(1)カンナビノイドを含有する廃液からサンプルを採取した後、残りの廃液を60℃
で減圧濃縮させて、エキスを得た。
(2)95%エタノールを前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含
有する廃液の濃縮液を得た。
(3)ステップ(2)の濃縮液を照明器具が設けられた密閉処理タンクに入れて、42
%(mg/mL)の光触媒であるオキシ塩化ビスマス/二酸化チタン複合物を加え、照度
を7200Lxとして、室温で55分間撹拌した。
(4)ステップ(3)で反応した液体を18時間静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケ
ーキを得た。
(5)ステップ(4)で得たろ過ケーキに水を加えて15分間撹拌した後、ろ過してろ
過ケーキを収集し、得たろ過ケーキに95%エタノールを加えて15分間撹拌した後、ろ
過してろ過ケーキを収集し、洗浄操作を3回繰り返し、最後に収集したろ過ケーキを75
℃の真空環境にて15時間乾燥させ、光触媒として回収した。
(6)ステップ(1)の試料液とステップ(4)で得たろ液に対して高速液体クロマト
グラフィー分析を行い、CBDV、CBD、CBG、THCV、及びTHCの含有量を分
析して検出した。
【0047】
実施例18
(1)カンナビノイドを含有する廃液からサンプルを採取した後、残りの廃液を53℃
で減圧濃縮させて、エキスを得た。
(2)95%エタノールを前記エキスに加えて、撹拌して溶解し、カンナビノイドを含
有する廃液の濃縮液を得た。
(3)ステップ(2)の濃縮液を照明器具が設けられた密閉処理タンクに入れて、7%
(mg/mL)の光触媒であるバナジン酸ビスマス/二酸化チタン複合物を加え、照度を
10500Lxとして、室温で25分間撹拌した。
(4)ステップ(3)で反応した液体を40時間静置した後、ろ過して、ろ液とろ過ケ
ーキを得た。
(5)ステップ(4)で得たろ過ケーキに水を加えて15分間撹拌した後、ろ過してろ
過ケーキを収集し、得たろ過ケーキに95%エタノールを加えて15分間撹拌した後、ろ
過してろ過ケーキを収集し、洗浄操作を3回繰り返し、最後に収集したろ過ケーキを80
℃の真空環境にて12時間乾燥させ、光触媒として回収した。
(6)ステップ(1)の試料液とステップ(4)で得たろ液に対して高速液体クロマト
グラフィー分析を行い、CBDV、CBD、CBG、THCV、及びTHCの含有量を分
析して検出した。
【0048】
以上は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を制限するものではなく、本発明の精神
及び原則を逸脱することなく行われる全ての修正、同等置換などは、本発明の特許範囲に
含まれるべきである。