(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】封止構造、表示デバイス及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/842 20230101AFI20230509BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20230509BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230509BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20230509BHJP
H10K 50/115 20230101ALI20230509BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20230509BHJP
H10K 59/70 20230101ALI20230509BHJP
【FI】
H10K50/842
H05B33/14 Z
G09F9/30 309
G09F9/30 365
H10K50/844
H10K50/115
H10K59/10
H10K59/70
(21)【出願番号】P 2019566804
(86)(22)【出願日】2018-10-18
(86)【国際出願番号】 CN2018110743
(87)【国際公開番号】W WO2019196372
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-09-23
(31)【優先権主張番号】201820497109.4
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】程 鴻飛
【審査官】藤岡 善行
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-229202(JP,A)
【文献】特開2007-141685(JP,A)
【文献】特開2003-323975(JP,A)
【文献】特開2007-042616(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0365537(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106935732(CN,A)
【文献】特開2005-340020(JP,A)
【文献】特開2007-250459(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057227(WO,A1)
【文献】特開2010-033734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/842
H10K 50/844
H10K 50/115
H10K 59/10
H10K 59/70
H05B 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止構造であって、
基板と、
前記基板の上に設けられた発光素子と、
前記発光素子を前記基板の上に封止する封止層と、
前記封止層内に設けられ、且つ前記封止層により完全に被覆された吸水層とを含み
、
前記封止層は、前記発光素子の外に被せられた多層複合封止薄膜と、前記多層複合封止薄膜の外に被せられた封止接着剤層とを含み、前記多層複合封止薄膜は、少なくとも一層の有機薄膜と、少なくとも二層の無機薄膜とを含み、前記有機薄膜と前記無機薄膜とは交互に積層して設置され、前記封止層は、封止カバープレートを更に含み、前記封止接着剤層は、前記封止カバープレートと前記基板の間に接着され、前記吸水層は、前記封止カバープレートの前記基板に対向する側の表面に設けられ、且つ前記封止カバープレートと前記封止接着剤層により完全に被覆され、
前記吸水層には複数の溝が設置され、前記吸水層は前記溝により複数の吸水領域に分けられ、複数の前記吸水領域は、前記溝により離間して設置され、前記溝内に
封止接着剤が充填されている、封止構造。
【請求項2】
前記吸水層は、ベース層と、前記ベース層内に位置する吸湿剤とを含む、請求項
1に記載の封止構造。
【請求項3】
前記ベース層と前記封止接着剤層の材料は同じであるか又は異なる、請求項
2に記載の封止構造。
【請求項4】
前記発光素子はOLED発光素子又はQLED発光素子である、請求項1に記載の封止構造。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の封止構造を含む表示デバイス。
【請求項6】
請求項
5に記載の表示デバイスを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2018年4月9日に中国特許庁に提出された中国特許出願201820497109.4号の優先権を主張し、その全ての内容が援用により本出願に取り込まれる。
【0002】
本開示は、封止技術分野に関し、特に、封止構造、表示デバイス及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
表示技術の発展に伴って、ノートパソコン、携帯電話、テレビ、ディスプレイ等の表示装置は、市場において急速に増加している。有機発光ダイオード(Organic Light―Emitting Diode、OLED)、量子ドット発光ダイオード(Quantum Dot Light Emitting Diodes、QLED)は、新興の表示デバイスとしてますます多くの注目を集めている。OLED封止デバイスにおける発光素子は、主に陽極と、陰極と、有機発光層とを含む。有機発光層は、電界の作用により、正孔が陽極から有機発光層へ注入され、電子が陰極から有機発光層へ注入されて、両者が有機発光層で再結合されて励起子を形成し、励起子が低いエネルギー準位へ遷移して発光が行われる。QLED封止デバイスにおける発光素子は主に量子ドット(Quantum Dots、半導体ナノクリスタルとも称される)を含み、量子ドットは光又は電気の刺激を受けると、有色光線を放出でき、光線の色は、量子ドットの組成、大きさ及び形状によって決まる。
【0004】
関連技術におけるOLED表示デバイス及びQLED表示デバイスには、OLED表示デバイスにおける発光層が有機材料からなり、QLED表示デバイスにおける発光層が無機ナノ材料からなるため、水や酸素により表示デバイスの性質が劣化させやすく、表示品質に影響を及ぼすという問題点が存在しており、OLEDデバイス及びQLEDデバイスの水・酸素浸透防止能力のさらなる向上が求められている。
【発明の概要】
【0005】
本開示に係る技術案は以下の通りである。
【0006】
第1の態様によれば、本開示の実施例は封止構造を提供する。前記封止構造は、
基板と、
前記基板の上に設けられた発光素子と、
前記発光素子を前記基板の上に封止する封止層と、
前記封止層内に設けられ、且つ前記封止層により完全に被覆された吸水層とを含む。
【0007】
選択的に、前記封止層は、前記発光素子の外に被せられた無機薄膜と、前記無機薄膜の外に被せられた封止接着剤層とを含み、前記封止層は、封止カバープレートを更に含み、前記封止接着剤層は、前記封止カバープレートと前記基板の間に接着され、前記吸水層は、前記封止カバープレートの前記基板に対向する側の表面に設けられ、且つ前記封止カバープレートと前記封止接着剤層により完全に被覆される。
【0008】
選択的に、前記封止層は、前記発光素子の外に被せられた多層複合封止薄膜と、前記多層複合封止薄膜の外に被せられた封止接着剤層とを含み、前記多層複合封止薄膜は、少なくとも一層の有機薄膜と、少なくとも二層の無機薄膜とを含み、前記有機薄膜と前記無機薄膜とは交互に積層して設置され、前記封止層は、封止カバープレートを更に含み、前記封止接着剤層は、前記封止カバープレートと前記基板の間に接着され、前記吸水層は、前記封止カバープレートの前記基板に対向する側の表面に設けられ、且つ前記封止カバープレートと前記封止接着剤層により完全に被覆される。
【0009】
選択的に、前記封止層は、前記発光素子の外に被せられた多層複合封止薄膜と、前記多層複合封止薄膜の外に被せられた封止接着剤層とを含み、前記多層複合封止薄膜は、少なくとも一層の有機薄膜と、少なくとも二層の無機薄膜とを含み、前記有機薄膜と前記無機薄膜とは交互に積層して設置され、前記封止層は、封止カバープレートを更に含み、前記封止接着剤層は、前記封止カバープレートと前記基板の間に接着され、前記吸水層は、前記有機薄膜と前記無機薄膜の間に設けられ、且つ前記有機薄膜と前記無機薄膜により完全に被覆される。
【0010】
選択的に、前記封止層は、前記発光素子の外に被せられた多層複合封止薄膜と、前記多層複合封止薄膜の外に被せられた封止接着剤層とを含み、前記多層複合封止薄膜は、少なくとも一層の有機薄膜と、少なくとも二層の無機薄膜とを含み、前記有機薄膜と前記無機薄膜とは交互に積層して設置され、前記封止層は、封止カバープレートを更に含み、前記封止接着剤層は、前記封止カバープレートと前記基板の間に接着され、前記吸水層は二層であり、そのうち一層の前記吸水層は、前記有機薄膜と前記無機薄膜の間に設けられ、且つ前記有機薄膜と前記無機薄膜により完全に被覆され、もう一層の前記吸水層は、前記封止カバープレートの前記基板に対向する側の表面に設けられ、且つ前記封止カバープレートと前記封止接着剤層により完全に被覆される。
【0011】
選択的に、前記吸水層は、ベース層と、前記ベース層内に位置する吸湿剤とを含む。
【0012】
選択的に、前記ベース層と前記封止接着剤層の材料は同じであるか、又は異なる。
【0013】
選択的に、前記吸水層には複数の溝が設置され、前記吸水層は前記溝により複数の吸水領域に分けられ、複数の前記吸水領域は、前記溝により離間して設置され、前記溝内にフレームシーラントが充填されている。
【0014】
選択的に、前記発光素子はOLED発光素子又はQLED発光素子である。
【0015】
第2の態様によれば、本開示の実施例は表示デバイスを提供する。前記表示デバイスは、上記のような封止構造を含む。
【0016】
第3の態様によれば、本開示の実施例は表示装置を提供する。前記表示装置は、上記のような表示デバイスを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示に係る封止構造の第1実施例の構造概略図を示す。
【0018】
【
図2】本開示に係る封止構造の第2実施例の構造概略図を示す。
【0019】
【
図3】本開示に係る封止構造の第3実施例の構造概略図を示す。
【0020】
【
図4】本開示に係る封止構造の第4実施例の構造概略図を示す。
【0021】
【
図5】本開示に係る封止構造の第5実施例の構造概略図を示す。
【0022】
【
図6】本開示に係る封止構造の第6実施例の構造概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の実施例の図面と合わせて、本開示の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述することにする。記述される実施例は、本開示の一部の実施例であり、全部の実施例ではないことは自明である。本開示における実施例に基づいて、本技術分野における通常の知識を有する者により創造的労働をしないという前提で得られる他の実施例は、全て本開示の保護範囲に属する。
【0024】
水や酸素が表示デバイスの発光素子に侵入すると、表示デバイスの性質を劣化させ、表示品質に影響を及ぼすという関連技術における問題点に対して、本開示の実施例は、水や酸素の封止デバイスに及ぼす悪影響を効果的に減らすことのできる封止構造、表示デバイス及び表示装置を提供する。
【0025】
図1~
図6に示すように、本開示の実施例に係る封止構造は、基板100と、前記基板100の上に設けられた発光素子200と、前記発光素子200を前記基板100の上に封止する封止層300と、前記封止層300内に設けられ、前記封止層300により完全に被覆された吸水層400とを含む。
【0026】
上記の態様は、封止構造の封止層300内に、封止層300内に侵入する水や酸素を吸収できる吸水層400を設置することで、湿気及び酸素ガスが発光素子200内に浸透して入り込むのを効果的に阻止でき、良好な保護効果を発揮し、表示不良を回避する。当該吸水層400は前記封止層300により内部に被覆され、表示デバイスの外部の水や酸素が吸水層に直接侵入するのを回避でき、吸水層の機能を長時間保つことができる。
【0027】
説明すべきことは、上記の態様において、前記吸水層400が前記封止層300により完全に被覆されるとは、当該吸水層400が前記封止層300により完全に内部に被覆されて、前記封止層300の外に露出しないことを指す。このようにして、吸水層400が外界の水蒸気を吸収するのを防止できる。
【0028】
本開示に係る実施例において、前記封止構造は、各種の発光デバイス封止構造であって良い。例えば、前記封止構造は、OLED(Organic Light―Emitting Diode、有機発光ダイオード)封止構造であっても良いが、この場合、前記発光素子200はOLED発光素子である。前記封止構造は、QLED(Quantum Dot Light Emitting Diodes、量子ドット発光ダイオード)封止構造であっても良いが、この場合、前記発光素子200はQLED発光素子である。
【0029】
例示的に、
図1に示すように、前記OLED発光素子は、前記基板100の上に順に設置された第1電極層201と、有機発光層202と、第2電極層203とを含んで良い。前記第1電極層201は陽極であり、前記第2電極層203は陰極である。或いは、前記第1電極層201は陰極であり、前記第2電極層203は陽極である。
【0030】
また、前記OLED発光素子は、正孔輸送層、及び電子輸送層等を更に含んで良く、ここでは前記OLED発光素子の具体的な構造を単に例示的に説明するが、これにより限定を行うものではない。
【0031】
前記QLED発光素子は、エレクトロルミネセンス又はフォトルミネッセンス構造であって良い。例示的に、
図6に示すように、前記QLED発光素子は、前記基板100の上に順に設置された第1電極層201と、量子ドット発光層204と、第2電極層203とを含んで良い。前記第1電極層201は陽極であり、前記第2電極層203は陰極である。或いは、前記第1電極層201は陰極であり、前記第2電極層203は陽極である。また、前記QLED発光素子は、正孔輸送層、電子輸送層等を更に含んで良く、ここでは前記QLED発光素子の具体的な構造を単に例示的に説明するが、これにより限定を行うものではない。
【0032】
以下、本開示の実施例における封止構造の幾つかの例示的な実施例を提供する。
【0033】
実施例1
図1及び
図5に示すのは、本開示の実施例1における封止構造の構造概略図である。
図1及び
図5に示すように、本実施例に係る封止構造は、基板100と、前記基板100の上に設けられた発光素子200と、前記発光素子200を前記基板100の上に封止する封止層300と、前記封止層300内に設けられ、前記封止層300により完全に被覆された吸水層400とを含み、前記封止層300は、前記発光素子200の外に被せられた無機薄膜301と、前記無機薄膜301の外に被せられた封止接着剤層302とを含み、前記封止層300は、封止カバープレート600を更に含み、前記封止接着剤層302は、前記封止カバープレート600と前記基板100の間に接着される。前記吸水層400は、前記封止カバープレート600の前記基板100に対向する側の表面に設けられ、且つ前記封止カバープレート600と前記封止接着剤層302により完全に被覆される。
【0034】
前記無機薄膜301は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウムから選択される少なくとも一種の材料から作られても良いが、これらに限定されない。前記無機薄膜301は、スパッタリング、CVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相堆積)により製造されて良い。
【0035】
前記封止接着剤層302の材料は、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂であって良い。例えば、エポキシ基ポリマー、オレフィンポリマーから作られても良い。
【0036】
前記吸水層400は、ベース層401と、前記ベース層401内に位置する吸湿剤402とを含んで良い。前記ベース層401の材料も、硬化可能な樹脂を採用するが、封止接着剤層302の材料と同じであっても異なっていても良い。前記吸湿剤402は、物理作用又は化学反応により水分又は酸素を吸着又は除去して良い。例えば、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、二酸化ケイ素、ゼオライト又は二酸化チタン等を採用して良い。
【0037】
前記封止カバープレート600は、ガラス、ポリマー又は金属により製造される。
【0038】
前記基板100は、ガラス又はポリマーにより製造される。ポリマーにより基板100を製造する場合、例えば、ポリイミドを採用する場合、基板100はフレキシブル基板であって良い。
【0039】
本実施例に係る封止構造は、製作時、先ず、前記基板100上に前記発光素子200及び前記無機薄膜301を形成し、前記封止カバープレート600上に前記吸水層400を形成し、吸水層400を硬化させ、その後、前記封止カバープレート600上に、吸水層400を完全に覆い被せる封止接着剤層302を形成し、封止カバープレート600と基板100とを貼り合わせて、封止接着剤層302を硬化させて封止を完了する。
【0040】
また、本実施例は、前記吸水層400の好ましい構造を更に提供する。
【0041】
図5に示すように、好ましくは、前記吸水層400には複数の溝400cが設置されており、前記吸水層400は、前記溝400cにより複数の吸水領域に分けられ、溝400c内にはフレームシーラントが充填されている。
【0042】
上記の態様によれば、複数の前記吸水領域は前記溝400cにより離間して設置され、即ち、前記吸水領域はそれぞれ一つ一つが独立した吸水ブロックであり、前記溝400cにより、前記吸水層400は、離間して設置された複数の吸水ブロックに分けられている。このようにして、吸水層400と封止カバープレート600と封止接着剤層302の間の接着性を向上できる。
【0043】
例示的に、印刷(printing)工程により当該吸水層400を形成しても良い。
【0044】
実施例2
図2に示すのは、本開示の実施例2における封止構造の構造概略図である。
図2に示すように、本実施例に係る封止構造は、基板100と、前記基板100の上に設けられた発光素子200と、前記発光素子200を前記基板100の上に封止する封止層300と、前記封止層300内に設けられ、且つ前記封止層300により完全に被覆された吸水層400とを含み、
前記封止層300は、前記発光素子200の外に被せられた多層複合封止薄膜と、前記多層複合封止薄膜の外に被せられた封止接着剤層302とを含み、前記多層複合封止薄膜は、少なくとも一層の有機薄膜303と、少なくとも二層の無機薄膜301とを含み、前記有機薄膜303と前記無機薄膜301とは交互に積層して設置され、前記封止層300は、封止カバープレート600を更に含み、前記封止接着剤層302は、前記封止カバープレート600と前記基板100の間に接着され、前記吸水層400は、前記封止カバープレート600の前記基板100に対向する側の表面に設けられ、且つ前記封止カバープレート600と前記封止接着剤層302により完全に被覆される。
【0045】
本実施例において、前記無機薄膜301、前記封止接着剤層302、並びに前記吸水層400のベース層401と吸湿剤402の材料の選択は、実施例1と同様であって良く、ここではこれ以上贅言しないことにする。
【0046】
前記有機薄膜303の材料は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂及びそれらの組み合わせを採用して良い。前記有機薄膜303は、スピンコーティング、スプレーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット等により上記の有機材料を堆積して製造できる。
【0047】
また、本実施例において、前記吸水層400の構造は、実施例1に記載の吸水層400の構造と同様であって良く、ここではこれ以上贅言しないことにする。
【0048】
実施例3
図3に示すのは、本開示の実施例3における封止構造の構造概略図である。
図3に示すように、本実施例に係る封止構造は、基板100と、前記基板100の上に設けられた発光素子200と、前記発光素子200を前記基板100の上に封止する封止層300と、前記封止層300に設けられ、且つ前記封止層300により完全に被覆された吸水層400とを含み、
前記封止層300は、前記発光素子200の外に被せられた多層複合封止薄膜と、前記多層複合封止薄膜の外に被せられた封止接着剤層302とを含み、前記多層複合封止薄膜は、少なくとも一層の有機薄膜303と、少なくとも二層の無機薄膜301とを含み、前記有機薄膜303と前記無機薄膜301とは交互に積層して設置され、前記封止層300は、封止カバープレート600を更に含み、前記封止接着剤層302は、前記封止カバープレート600と前記基板100の間に接着され、且つ、前記吸水層400は、前記有機薄膜303と前記無機薄膜301の間に設けられ、且つ前記有機薄膜303と無機薄膜301により完全に被覆される。
【0049】
本実施例において、前記有機薄膜303、前記無機薄膜301、前記封止接着剤層302、並びに前記吸水層400のベース層401と吸湿剤402の材料の選択は、実施例2と同様であって良く、ここではこれ以上贅言しないことにする。
【0050】
吸水層400は印刷(printing)により、有機薄膜303上に形成されて良い。
【0051】
実施例4
図4に示すのは、本開示の実施例4における封止構造の構造概略図である。
図4に示すように、本実施例に係る封止構造は、基板100と、前記基板100の上に設けられた発光素子200と、前記発光素子200を前記基板100の上に封止する封止層300と、前記封止層300内に設けられ、且つ前記封止層300により完全に被覆された吸水層400とを含み、
前記封止層300は、前記発光素子200の外に被せられた多層複合封止薄膜と、前記多層複合封止薄膜の外に被せられた封止接着剤層302とを含み、前記多層複合封止薄膜は、少なくとも一層の有機薄膜303と、少なくとも二層の無機薄膜301とを含み、前記有機薄膜303と前記無機薄膜301とは交互に積層して設置され、前記封止層300は、封止カバープレート600を更に含み、前記封止接着剤層302は、前記封止カバープレート600と前記基板100の間に接着され、前記吸水層400は、吸水層400aと、吸水層400bとを含み、前記吸水層400aは、前記封止カバープレート600の前記基板100に対向する側の表面に設けられ、且つ前記封止カバープレート600と前記封止接着剤層302により完全に被覆され、前記吸水層400bは、前記有機薄膜303と前記無機薄膜301の間に設けられ、且つ前記有機薄膜303と無機薄膜301により完全に被覆される。
【0052】
本実施例において、前記有機薄膜303、前記無機薄膜301、前記封止接着剤層302、並びに前記吸水層400aと前記吸水層400bのベース層及び吸湿剤の材料の選択は、実施例3と同様であって良く、ここではこれ以上贅言しないことにする。
【0053】
また、本実施例において、前記封止カバープレート600と前記封止接着剤層302により完全に被覆された前記吸水層400aの構造は、実施例1における前記吸水層400の構造と同じであっても良く、ここではこれ以上贅言しないことにする。
【0054】
以上により、本開示の実施例に係る封止構造の幾つかの例示的な実施例を提供したが、実際の適用において、前記封止構造の具体的な実施形態は、上記の幾つかの実施例に限定されない。
【0055】
また、本開示の実施例は、表示デバイスを更に提供する。前記表示デバイスは、本開示の実施例に係る封止構造を含む。本開示の実施例に係る表示デバイスは、OLED表示デバイス、QLED表示デバイス等であって良い。もちろん、前記表示デバイスは、その他の種類の表示デバイスであっても良く、これらに限定されないことが理解できる。
【0056】
また、本開示の実施例は、表示装置を更に提供する。前記表示装置は、本開示の実施例に係る表示デバイスを含む。本開示の実施例に係る表示装置は、携帯電話、コンピュータ、タブレットPC、テレビ、ウェアラブル機器等の各種表示装置であって良い。
【0057】
本開示の実施例中に係る表示デバイス及び表示装置も、本開示の実施例に係る封止構造が生み出す有益な効果を発揮するということは自明である。
【0058】
上記は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲はこれらに限定されない。当該技術分野において通常の知識を有する如何なる者も、本開示に開示される技術範囲内での変化又は代替を容易に想到でき、これらの変化又は代替は全て本開示の保護範囲内に含まれるべきである。このため、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲を基準にするべきである。