(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2018126947
(22)【出願日】2018-07-03
【審査請求日】2021-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100150430
【氏名又は名称】河野 元
(72)【発明者】
【氏名】山本 和弘
(72)【発明者】
【氏名】浅賀 崇雅
(72)【発明者】
【氏名】山田 輝彦
【審査官】中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-005704(JP,A)
【文献】特開2016-026684(JP,A)
【文献】特開2014-226345(JP,A)
【文献】特開2016-195705(JP,A)
【文献】特開2014-046172(JP,A)
【文献】特許第6318280(JP,B1)
【文献】CRヤッターマン 天才ドロンボー只今参上!,パチンコ必勝ガイド 1.1号,日本,2012年01月01日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件の成立に基づいて行われる判定の結果が特定結果となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
前記判定の実行を契機として複数の図柄を所定の表示部で変動表示させる変動表示制御手段を備え、
前記変動表示制御手段は、予め定められた複数種の変動態様の中から選択した変動態様に基づいて複数の図柄を変動表示させるものであり、
前記変動態様には、少なくとも、複数の図柄の変動表示が開始されてから表示結果が確定表示されるまでに少なくとも1つの図柄を仮停止させた後に複数の図柄を再変動させる再変動表示を所定演出を伴って行う再変動態様があり、
前記再変動態様には、所定演出の実行時期が異なる複数種の再変動態様があり、
前記図柄の図柄種には、少なくとも、第1図柄種と、前記第1図柄種と図柄の表示態様が異なる第2図柄種とがあり、
前記複数種の再変動態様には、前記第1図柄種の複数の図柄が変動表示を開始した後、当該変動表示の表示結果が確定表示されるまでに行う前記再変動表示に伴って複数の図柄の図柄種が前記第1図柄種から前記第2図柄種に変化する図柄種変化あり再変動態様が含まれ
、
前記図柄種変化あり再変動態様として、前記再変動表示を複数回行う態様であって前記複数回のうち最終回の前記再変動表示に伴って複数の図柄の図柄種が前記第1図柄種から前記第2図柄種に変化する態様
と、前記再変動表示を複数回行う態様であって1回目の仮停止を契機として複数の図柄の図柄種が前記第1図柄種から前記第2図柄種に変化する態様と、を備える
ことを特徴とす
る遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の判定の結果が特定結果となることに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機が知られている。この種の遊技機において、判定の実行の契機として図柄を変動表示させ、該変動表示中の演出や変動表示の表示結果により、判定の結果に関する情報を遊技者に示すようにしたものが存在する。このような遊技機では、図柄を変動表示させる変動演出の態様により、遊技興趣の向上が図られている。そのような変動演出の態様として、図柄の変動表示の開始後、図柄を一旦停止(仮停止)させてから再度変動させる再変動表示を行う態様がある(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述のような再変動表示を行う態様の変動演出は、既に多く遊技機に採用されてきており、演出内容も画一的になりがちであるため、十分な演出効果を得ることが難しくなってきている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、再変動表示を行う変動演出の演出効果を高め、遊技興趣の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、手段1の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて行われる判定の結果が特定結果となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
前記判定の実行を契機として複数の図柄を所定の表示部で変動表示させる変動表示制御手段を備え、
前記変動表示制御手段は、予め定められた複数種の変動態様の中から選択した変動態様に基づいて複数の図柄を変動表示させるものであり、
前記変動態様には、少なくとも、複数の図柄の変動表示が開始されてから表示結果が確定表示されるまでに少なくとも1つの図柄を仮停止させた後に複数の図柄を再変動させる再変動表示を所定演出を伴って行う再変動態様があり、
前記再変動態様には、所定演出の実行時期が異なる複数種の再変動態様があり、
前記図柄の図柄種には、少なくとも、第1図柄種と、前記第1図柄種と図柄の表示態様が異なる第2図柄種とがあり、
前記複数種の再変動態様には、前記第1図柄種の複数の図柄が変動表示を開始した後、当該変動表示の表示結果が確定表示されるまでに行う前記再変動表示に伴って複数の図柄の図柄種が前記第1図柄種から前記第2図柄種に変化する図柄種変化あり再変動態様が含まれ、
前記図柄種変化あり再変動態様として、前記再変動表示を複数回行う態様であって前記複数回のうち最終回の前記再変動表示に伴って複数の図柄の図柄種が前記第1図柄種から前記第2図柄種に変化する態様と、前記再変動表示を複数回行う態様であって1回目の仮停止を契機として複数の図柄の図柄種が前記第1図柄種から前記第2図柄種に変化する態様と、を備える
ことを要旨とする。
【0007】
手段1の遊技機によれば、再変動態様の多様化を実現して、再変動態様に基づく変動表示(つまり、再変動表示を行う変動演出)の演出効果を高めることが可能となり、この結果、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
以上の本発明によれば、再変動表示を行う変動演出の演出効果を高め、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。
【
図2】本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。
【
図3】本発明の実施例に係る遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図4】
図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図5】同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図6】大当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。
【
図7】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図8】(A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図10】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図11】メイン割り込み処理のフローチャートである。
【
図12】始動口センサ検知処理のフローチャートである。
【
図15】普通図柄待機処理のフローチャートである。
【
図16】普通図柄当否判定処理のフローチャートである。
【
図17】普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図18】普通図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図19】普通図柄確定処理のフローチャートである。
【
図20】普通電動役物処理のフローチャートである。
【
図22】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図23】特
図2当否判定処理のフローチャートである。
【
図24】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図25】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図26】特
図2乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図27】特
図1当否判定処理のフローチャートである。
【
図28】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図29】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図30】特
図1乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図31】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図32】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図33】特別電動役物処理(大当り遊技)のフローチャートである。
【
図34】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図37】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図38】受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図39】2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図40】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図41】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図42】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図43】(a)は演出図柄の種類(図柄種)を示す表であり、(b)は再変動図柄の一例を示す図であり、(c)は再変動パターン決定テーブルである。
【
図44】(a)は校舎の背景画像(通常背景)を表示する表示画面の一例を示す図であり、(b)は教室の背景画像(ストーリー再変動背景)を表示する表示画面の一例を示す図であり、(c)はキャラクタの背景画像(再変動ゾーン背景)を表示する表示画面の一例を示す図である。
【
図45】(a)は再変動パターンA1に基づくストーリー再変動のタイミングチャートであり、(b)は再変動パターンA2に基づくストーリー再変動のタイミングチャートであり、(c)は再変動パターンA3に基づくストーリー再変動のタイミングチャートである。
【
図46】(a)は再変動パターンB1に基づく再変動ゾーンのタイミングチャートであり、(b)は再変動パターンB2に基づく再変動ゾーンのタイミングチャートであり、(c)は再変動パターンB3に基づく再変動ゾーンのタイミングチャートである。
【
図47】実施例2の再変動パターン決定テーブルである。
【
図48】(a)は再変動パターンC1~C3に基づく先再変動のタイミングチャートであり、(b)は再変動パターンD1,D2に基づく後変動のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用した例を説明する。尚、以下の実施例に係るパチンコ遊技機は、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機である。
【0021】
また、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の手前側(遊技時に遊技者が位置する側)のことであり、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の裏面側(背面側)のことである。また、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、
図1や
図3における上側、下側、左側、右側を指す。
【実施例1】
【0022】
図1~
図3に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。
図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
【0023】
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。さらに、前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。
【0024】
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、演出ボタンが、上方や手前側に突出したり振動したりする等の演出動作を行うもの(可動式の演出操作手段)であってもよい。
【0025】
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(
図5を参照)も設けられている。
【0026】
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7(演出表示装置)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7a(「演出表示部」ともいう)には、演出画像の一種である演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアを図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)は、表示画面7a(演出表示部)の略全域にわたって設けることができ、演出図柄の変動表示中に、その変動表示の態様によって、演出図柄表示領域7bの位置や大きさ等が変化するように構成することも可能である。
【0027】
本実施例の演出図柄8L,8C,8R(識別情報)は、それぞれ「1」~「9」までの数字(数字情報)を含んで構成されるもので、これらの数字が順に表示されるものとなっている。具体的に、演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で演出図柄を縦方向(本例では上から下)にスクロール表示させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。また、本実施例では、演出図柄を構成する「1」~「9」の数字のそれぞれに色の情報を含ませており、演出図柄を色によって分類できるものとしている。具体的には、奇数の図柄である「3」と「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう。)としており、これ以外の奇数の図柄である「1」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう。)としている。また、偶数の図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう。)としている。
【0028】
さらに、本実施例では、演出図柄8として、人物や動物等をモチーフとした所定のキャラクタを前述の数字に組合せてなる「キャラクタあり演出図柄」(
図3を参照)と、前述の数字のみからなる「キャラクタなし演出図柄」とを設けている。
図43(a)に示すように、「キャラクタあり演出図柄」を構成するキャラクタには「A」~「I」の9つのキャラクタが存在しており、例えば「1」の図柄にはキャラクタA、「2」の図柄にはキャラクタB、「3」の図柄にはキャラクタCといったように、「1」~「9」の図柄の夫々に対し、9つのキャラクタ「A」~「I」の夫々を一対一の関係で対応付けることで、「キャラクタあり演出図柄」が構成される。一方、「キャラクタなし演出図柄」は、
図43(a)に示すように、「キャラクタあり演出図柄」のキャラクタを除いた演出図柄(数字図柄)である。このように、本実施例では、演出図柄の種類(図柄種)として「キャラクタありの図柄種」と「キャラクタなしの図柄種」の2種類が存在するものとなっている。
【0029】
ここで、演出図柄の図柄種のうち「キャラクタありの図柄種」のことを「第1図柄種」ともいい、「キャラクタなしの図柄種」のことを「第2図柄種」ともいう。また、本実施例では、原則、第1図柄種(キャラクタあり)の演出図柄を表示するものとなっており、所定の演出条件の成立により、第2図柄種(キャラクタなし)の演出図柄を表示するものとしている。演出条件は、例えば、後述する遊技状態や演出モード、変動演出の態様(変動演出パターン)等によって定められる。
【0030】
演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順序)を、原則、「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。尚、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
【0031】
また、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。さらに、普通図柄のことを「普図」や「普通識別情報」、特別図柄のことを「特図」、第1特別図柄のことを「特
図1」や「第1特図」、第2特別図柄のことを「特
図2」や「第2特図」ともいう。また、演出図柄8を表示する画像表示装置7や第1特別図柄を表示する後述の第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器41bのことを「識別情報表示手段」ともいう。
【0032】
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が16R大当りや6R大当り等になった場合には、「222」や「777」などの3桁同一のゾロ目(特定態様、特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目(非特定態様、非特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。
【0033】
さらに、本実施例では、演出図柄8(8L,8C,8R)のうち、中演出図柄8Cとして、「1」~「9」の図柄に加え、後述の再変動演出の実行(発生)を示唆する再変動図柄(
図43(b)を参照)を設けている。この再変動図柄は、普段は表示されないものであり、第1図柄種(キャラクタあり)の演出図柄8が変動表示する状況下で、中演出図柄8Cが仮停止するタイミングになると、中演出図柄8Cの1つとして表示画面7a上に出現し得るものとなっている。また、再変動図柄は、特別図柄の当否判定の結果を示すものではないことから、少なくとも数字の情報(数字図柄)を含んでおらず、本実施例では、
図43(b)に示すように「NEXT」の文字を主として構成したものとなっている。
【0034】
尚、本実施例では中演出図柄8Cに再変動図柄を設けているが、左演出図柄8Lまたは右演出図柄8Rに再変動図柄を設けてもよく、また、3つの演出図柄8L,8C,8Rのすべてについて再変動図柄を設けてもよい。さらに、再変動図柄のデザインは
図43(b)に示すものに限られず、再変動演出の実行(発生)を遊技者に報知することができるものであれば、そのデザインは問わない。
【0035】
ここで、再変動図柄のことを「特殊図柄」ともいう。また、特別図柄当否判定の結果のうち大当りのことを「特定結果」ともいい、外れのことを「非特定結果」ともいう。さらに、演出図柄8の停止表示態様(図柄組み合わせ)のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではゾロ目)のことを「大当り態様」、「特定態様」または「特定表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではバラケ目)のことを「外れ態様」、「非特定態様」または「非特定表示結果」ともいう。また、演出図柄8の停止表示態様は、演出図柄8の変動表示の結果を示すものであるといえることから、当該演出図柄8の停止表示態様のことを「結果表示態様」ともいう。
【0036】
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などの他の遊技演出が表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。尚、演出図柄遊技演出のことを「変動演出」ともいう。
【0037】
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている(
図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。さらに、本実施例の画像表示装置7の表示画面7aには、現在変動している特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(
図3を参照)。尚、表示画面7a上の保留表示領域に表示される演出保留も演出画像の一種である。
【0038】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)を取り囲むセンター装飾体10が設けられている。センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されるもので、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである。当該センター装飾体10の中央開口を介して画像表示装置7の表示画面7aが視認可能となる。
【0039】
センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられており、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3(左遊技領域3A)を流下する遊技球をワープ入口から受け入れてワープ出口から排出することで、当該遊技球をステージ部11へ誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。また、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯・点滅等が可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
【0040】
センター装飾体10の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14(可動役物)が設けられている。可動装飾部材14は、普段、センター装飾体10を構成する枠(フレーム)に隠れており、全体を視認できない状態となっているが、例えば、大当りの可能性が比較的高い遊技演出の実行に伴って表示画面7aの前面側に出現し、その大部分を視認することができるようになる。これにより、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。
【0041】
ここで、遊技状況に応じた種々の演出画像を表示することで表示演出を行うことが可能な画像表示装置7のことを「表示演出手段」ともいい、遊技演出に伴って動作することで可動演出を行うことが可能な可動装飾部材14のことを「可動演出手段」ともいう。尚、可動装飾部材14以外にも、例えば、演出ボタン63が遊技演出に伴って上下動や振動等する場合、演出ボタン63も「可動演出手段」といえる。また、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することで音演出を行うことが可能なスピーカ67のことを「音演出手段」ともいい、遊技の状況に応じて様々な光を発することで光演出を行うことが可能な盤面ランプ5、枠ランプ66および装飾部材13のことを「光演出手段」ともいう。尚、これら盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60が、装飾部材13と同様にLED等の電飾部材を内蔵しており、電飾部材の作用により遊技の状況に応じて点灯・点滅等する場合、これら演出ボタン63や発射ハンドル60も「光演出手段」といえる。さらに、「表示演出手段」、「可動演出手段」、「音演出手段」および「光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。
【0042】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
【0043】
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21(「可変式始動口」ともいう)を備える可変入賞装置22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
【0044】
尚、特別図柄当否判定の結果が「大当り」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「大当り変動」や「特定変動」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「外れ変動」や「非特定変動」ともいう。
【0045】
可変入賞装置22は可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(
図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
【0046】
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口30(「可変入球口」ともいう)を備えた大入賞装置31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(
図5参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、大入賞口30(大入賞装置31)は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。尚、大入賞口30または大入賞装置31のことを「アタッカー」ともいう。
【0047】
遊技領域3のうち右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「3」、大入賞口30の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
【0048】
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、大入賞口30、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が特別遊技状態等に変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、大入賞口30への入球を狙うこととなる。
【0049】
また、
図3および
図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態(例えば後述の高ベース状態)か左打ちを行うべき状態(例えば後述の低ベース状態)かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。
【0050】
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
【0051】
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当り図柄(特定特別図柄、特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる大当り遊技(特別遊技)が行われる。大当り遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
【0052】
特別図柄の停止表示は、所定の停止表示時間(確定表示時間)が経過するまで行われる。そして、停止表示された特別図柄が外れ図柄(外れ態様、非特定態様)であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されている場合には、停止表示時間が経過すると、記憶順の最も古い(最先の)特図保留が消化され、これにより次の特別図柄の変動表示が開始される。また、停止表示された特別図柄が外れ図柄であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されていない場合には、停止表示時間が経過した後も、特別図柄の停止表示状態が維持される。一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄である場合には、停止表示時間が経過すると、後述する大当り遊技のオープニング期間に移行し、当該オープニング期間を経て大当り遊技の1ラウンド目が開始される。尚、特別図柄の停止表示時間は「0.5秒~1.0秒」とされるのが一般的で、本実施例では「0.6秒」としている。
【0053】
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「16R第1大当り」、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」の3種類の大当りが設けられており(
図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら3種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第1大当り図柄)、6R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第2大当り図柄)、6R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(6R第3大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
【0054】
また、第2特別図柄表示器41bは、「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「16R第4大当り」および「16R第5大当り」の2種類の大当りが設けられており(
図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が16R第4大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第4大当り図柄)、16R第5大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(16R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
【0055】
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)や大当りの種類(ラウンド数の種類、大当りの数など)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
【0056】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
【0057】
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数(本実施例では4)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
【0058】
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
【0059】
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0060】
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0061】
図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
【0062】
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
【0063】
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0064】
次に
図2及び
図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(「画像制御部」ともいう)等を備えている。
【0065】
また、
図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケースにはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが重ねて設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板110を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
【0066】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(「遊技制御用マイコン」ともいう)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
【0067】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、遊技球を検知可能なセンサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサのことを「検知センサ」や「検知手段」ともいう。
【0068】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
【0069】
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24および大入賞口ソレノイド33が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。
【0070】
さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0071】
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(
図1を参照)が含まれる。
【0072】
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
【0073】
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0074】
図5に示すように、サブ制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。尚、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
【0075】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる演出実行手段として機能するものである。また、例えば、チャンス目予告や保留変化予告、ステップアップ予告等の各種予告演出を実行させる予告演出実行手段としても機能する。
【0076】
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」ともいう)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出し、その読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0077】
演出表示器102は2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、演出図柄や演出保留以外の演出画像を表示画面7a(演出表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種演出画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて又は加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
【0078】
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音データを格納してもよい。
【0079】
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
【0080】
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10の後方に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0081】
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(
図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号がサブ制御基板90に入力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
【0082】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」ともいう。大当り遊技(特別遊技)は、大入賞口30への遊技球の入球によって多量の賞球を得ることが可能な遊技者とって有利な遊技であり、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」ともいう。
【0083】
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、
図6に示すように、大当りとして「16R(ラウンド)第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」の計5種類を設けている。これらの大当りのうち、「16R第1大当り」、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」は第1特別図柄に係る大当りであり、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」は第2特別図柄に係る大当りである。特別図柄表示部41には、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
【0084】
具体的には、「16R第1大当り」、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」は、何れも、ラウンド数が「16」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。また、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」は、何れも、ラウンド数が「6」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。但し、大入賞口30が開放して、その開放時間が経過する前に、予め定められた数(以下「規定数」ともいう。)の遊技球が大入賞口30に入球した場合には、開放時間が経過していなくても、規定数の入球があった時点で、大入賞口30は閉鎖する。本実施例では、その規定数が「10個」となっている。
【0085】
尚、大当り遊技を構成するラウンドのことを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。また、6R第2大当り及び6R第3大当りのことを総じて「6R大当り」ともいい、16R第1大当り、16R第4大当り及び16R第5大当りのことを総じて「16R大当り」ともいう。さらに、6R大当りに係る大当り遊技(6R大当り遊技)のことを「第1特別遊技」ともいい、16R大当りに係る大当り遊技(16R大当り遊技)のことを「第2特別遊技」ともいう。
【0086】
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の6R第3大当り及び16R第5大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。このことから、16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りは「確変大当り」として捉えることができ、6R第3大当り及び16R第5大当りは「非確変大当り」(「通常大当り」または「時短大当り」ともいう。)として捉えることができる。
【0087】
第1特別図柄(特
図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第1大当りが5%、6R第2大当りが50%、6R第3大当りが45%となっている。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第4大当りが55%、16R第5大当りが45%となっている。すなわち、第2始動口21への入球に基づく当否判定(特
図2当否判定)により大当りとなった場合には、16R大当りの出現率(振分確率)が100%となっており、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特
図1当否判定)により大当りとなった場合に比べ、16R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特
図1当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特
図2当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる後述の開放延長機能の作動中(高ベース状態の発生中)においては顕著である。
【0088】
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。
図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0~629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0~99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
【0089】
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0~198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、
図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0~240」までの範囲で値をとる。
【0090】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。本パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(
図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。尚、確率変動機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄当否判定の当選確率(大当り確率)を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能な確率設定手段として機能するものである。
【0091】
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」や「短縮変動状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」や「通常変動状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。尚、変動時間短縮機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる短縮変動状態を設定可能な短縮変動状態設定手段として機能するものである。
【0092】
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(
図8(C)を参照)。
【0093】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(
図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
【0094】
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
【0095】
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
【0096】
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りの何れかの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、遊技者にとってはいわゆる「確変状態」となる。
【0097】
また、6R第3大当り及び16R第5大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。
【0098】
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
【0099】
低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより遊技球を右遊技領域3Bへ進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっている(第1始動口よりも第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
【0100】
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより遊技球を左遊技領域3Aへ進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっている(第2始動口よりも第1始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
【0101】
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
【0102】
[主制御メイン処理]
次に、
図10~
図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから
図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0103】
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、
図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
【0104】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
【0105】
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。
図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン、各種入球口(始動口、大入賞口等)への遊技球の入球、ラウンド遊技の進行等に関する種々の情報が含まれる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
【0106】
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a等、
図5を参照)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、大入賞口センサ30aが遊技球を検知した場合、大入賞口入球コマンドをRAMの出力バッファに記憶する。さらに、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
【0107】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、
図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、
図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0108】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(
図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0109】
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
【0110】
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、
図7(B)を参照)を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0111】
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特
図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特
図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特
図2保留球数に1を加算する(S307)。
【0112】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特
図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0113】
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特
図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特
図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
【0114】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S312)では、特
図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特
図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0115】
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。
図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特
図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特
図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特
図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特
図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
【0116】
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特
図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特
図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特
図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
【0117】
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(
図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、例えば、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
【0118】
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特
図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特
図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特
図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特
図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特
図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
【0119】
また、主制御部80から送信した特
図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特
図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特
図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特
図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
【0120】
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特
図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
【0121】
次いでS319では、前述の特
図2に係る処理と同様に、特
図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特
図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特
図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特
図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
【0122】
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特
図2の当否判定(
図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特
図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特
図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特
図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特
図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特
図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特
図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特
図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特
図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理(始動入球時処理)を終えることとしている。
【0123】
S321~S323の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特
図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特
図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特
図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特
図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
【0124】
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、
図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401,S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401,S403,S405の全てでNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0125】
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、
図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0126】
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、普図当否判定(S603,S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
【0127】
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
【0128】
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
【0129】
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
【0130】
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
【0131】
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
【0132】
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
【0133】
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
【0134】
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(
図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
【0135】
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、
図21に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101,S1103,S1105の全てでNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0136】
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特
図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
【0137】
S1201において特
図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図2当否判定処理(S1202)、特
図2変動パターン選択処理(S1203)、特
図2乱数シフト処理(S1204)、特
図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特
図2保留球数が「0」であるが特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(
図8(B)を参照)。
【0138】
[特
図2当否判定処理]
図23に示すように、特
図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、
図8(A)に示す大当り判定テーブルのうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブルのうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
【0139】
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、
図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
【0140】
ここで、ラウンド表示器45は、6R用ランプ及び16R用ランプの2個のLEDで構成されている(
図4を参照)。そして、例えば6R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、6R用ランプが点灯表示される。具体的には、「6▲16△」の様な表示態様となる。また、16R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、16R用ランプが点灯表示される。具体的には、「6△16▲」の様な表示態様となる。
【0141】
[特
図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(
図22)では、特
図2当否判定処理(S1202)に次いで、特
図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。
図24及び
図25に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。ここでは、変動パターンP1~P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
【0142】
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」~「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。ここでは、変動パターンP4~P7の何れかが選択される。
【0143】
一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。ここでは、変動パターンP8~P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。さらに、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
【0144】
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。ここでは、変動パターンP12~P14の何れかが選択される。
【0145】
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」~「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。ここでは、変動パターンP15~P18の何れかが選択される。
【0146】
また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」~「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2~4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。ここでは、変動パターンP19~P22の何れかが選択される。
【0147】
尚、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、変動時間の短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
【0148】
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図24に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
【0149】
[特
図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特
図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
【0150】
特
図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、
図22に示す特
図2変動開始処理(S1205)を実行する。特
図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
【0151】
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特
図2保留球数が「0」であり、かつ、特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
【0152】
[特
図1当否判定処理]
図27に示すように、特
図1当否判定処理(S1207)では、
図23に示した特
図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601~S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特
図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出して処理を行う。
【0153】
[特
図1変動パターン選択処理]
図28及び
図29に示すように、特
図1変動パターン選択処理(S1208)では、
図24及び
図25に示した特
図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701~S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
【0154】
[特
図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特
図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
【0155】
特
図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、
図22に示す特
図1変動開始処理(S1210)を実行する。特
図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
【0156】
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間、すなわち、前述のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(
図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0157】
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
【0158】
そしてS1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
【0159】
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
【0160】
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当りの種別が16R大当りであるか否かを判定し、16R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「16」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で、大当りの種別が16R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当りの種別は6R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「6」をセットし(S2004)、S2009の処理に移行する。
【0161】
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められているので、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする(
図6を参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口30の開放動作が実行される。
【0162】
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、16R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、6R第2大当りに対応する第2オープニングコマンド、6R第3大当りに対応する第3オープニングコマンド、16R第4大当りに対応する第4オープニングコマンドおよび16R第5大当りに対応する第5オープニングコマンドの計5種類が設けられている。S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドがセットされる。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
【0163】
オープニングコマンドをセットしたら、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。尚、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」において実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(つまり、大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。
【0164】
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)ではまず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
【0165】
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置31の動作処理(大入賞口30の開放処理)が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了(インターバル時間が経過)している否かによって判定する。
【0166】
S2106においてラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2108では、主に、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知を有効化する処理と、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口30を開放させるべく、開閉部材32を開動作させる処理を行い、一のラウンド遊技を開始させる。
【0167】
ここで、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知に関し、「有効(有効化)」とは、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知が発生した場合、その検知を、大入賞口30への正常な入球として扱う(処理する)ことを意味する。これに対し、「無効(無効化)」とは、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知が発生した場合、その検知を、大入賞口30への異常入球(大入賞口エラー)として扱う(処理する)ことを意味する。本実施例では、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知が有効とされるのは、原則、ラウンド遊技の開始から当該ラウンド遊技終了後、所定時間(本実施例では1秒)が経過するまでの期間であり、当該期間が、大入賞口センサ30aによる遊技球検知の有効期間として設定される。このような大入賞口センサ30aによる遊技球検知の有効期間を設定に係る処理を行う遊技制御用マイコン81は「有効期間設定手段」として機能するものである。尚、有効期間でないとき(無効期間)に、大入賞口センサ30aが遊技球を検知した場合、当該検知は無効となり、大入賞口30への異常入球(大入賞口エラー)が発生した旨を示すコマンド(大入賞口エラーコマンド)が主制御部80からサブ制御部90に送信される。これを受けて、サブ制御部90では、大入賞口30への異常入球(大入賞口エラー)の発生を外部に知らせるエラー報知の実行に係る処理が行われる。
【0168】
一方、S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
【0169】
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
【0170】
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば「25秒」)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば「10個」)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が先に成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。尚、大当り遊技中(ラウンド遊技中)において、遊技球の発射が不能になるエラーやトラブル等が発生することなく、遊技球発射が滞りなく行われる限り、(2)の条件の成立によりラウンド終了条件が成立するのが通常である。
【0171】
S2113にて、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終え、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、大入賞口閉鎖処理を行う(S2115)。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
【0172】
次いで、S2116でインターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
【0173】
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口30の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、大入賞口30は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
【0174】
そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
【0175】
また、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(
図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。尚、以上の特別電動役物処理(S1107)を実行する遊技制御用マイコン81は「特別遊技実行手段」および「ラウンド遊技実行手段」として機能するものである。
【0176】
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り及び16第4大当りの3種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら3種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。
【0177】
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。つまり、確変大当りに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「高確高ベース状態」となる。尚、本実施例の様に、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
【0178】
一方、S2201で、確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了したのが非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、6R第3大当り及び16R第5大当りの2種類を非確変大当り(通常大当り)としているので、これら2種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「低確高ベース状態」となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタおよび確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。尚、以上の遊技状態設定処理(S2124)を実行する遊技制御用マイコン81は「遊技状態設定手段」として機能するものである。
【0179】
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。
図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。当該保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特
図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特
図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特
図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特
図1保留球数「1」に対応する箇所、
図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを変動保留表示領域9e(
図3を参照)に移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。
【0180】
尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
【0181】
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。
図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(
図11)に戻ることなくループ処理をする。
【0182】
[サブ制御メイン処理]
次に、
図37~
図42に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから
図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
【0183】
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001~S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、
図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
【0184】
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
【0185】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(以下「サブ出力バッファ」ともいう。)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(変動演出、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
【0186】
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、
図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009,S4010)に優先して実行される処理である。
【0187】
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。
図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
【0188】
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。
図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
【0189】
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特
図1始動入球コマンド又は特
図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特
図1の保留球数「4」に対応する特
図1始動入球コマンドである場合、その特
図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特
図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特
図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
【0190】
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。尚、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
【0191】
続いて、S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4405)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、遊技制御用マイコン81(主制御部80)により制御される遊技状態が特別遊技状態となり、当該特別遊技状態における大当り遊技(ラウンド遊技)の実行にあたり、主制御基板80から送信されるコマンドのことである。具体的には、大当り遊技(特別遊技状態)の開始に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドでの大入賞口30への入球に基づき送信される大入賞口入球コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技(特別遊技状態)の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた種々の大当り遊技演出の実行に係る大当り遊技関連演出処理を行う(S4406)。
【0192】
S4406では、例えば、受信した大当り遊技関連コマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドの開始に応じた演出(ラウンド開始対応演出)を指定するラウンド開始演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、大入賞口入球コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大入賞口30への遊技球の入球に応じた入球演出を指定する入球演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。また、受信した大当り遊技関連コマンドがラウンド終了コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドの終了に応じた演出(ラウンド終了対応演出)を指定するラウンド終了演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。
【0193】
こうしてサブ出力バッファにセットした大当り遊技関連コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技(特別遊技状態)やラウンドの進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出(大当り遊技演出)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
【0194】
最後にS4407の処理を行い、本処理(受信コマンド解析処理)を終える。S4407では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う。
【0195】
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。
図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
【0196】
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、
図9に示す変動パターン情報(P1~P22)や現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(
図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特
図1に係るものなのか特
図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報、図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
【0197】
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
【0198】
ここで演出モードとは、主に、画像表示装置7における演出の態様を指すものであり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される演出画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出、ラウンド演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。
【0199】
本実施例では、演出モードAおよび演出モードBを遊技状態が低確低ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードCを遊技状態が低確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードDを遊技状態が高確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードEを遊技状態が低確高ベース状態と高確高ベース状態の何れの場合においても実行可能な演出モードとしている。従って、演出モードが「A~D」の何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードが「E」である場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握(判別)することは困難(不可能)である。その意味において演出モードEは「確率非報知モード」といえる。
【0200】
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(
図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)がサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
【0201】
次いで、S4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)等が決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3つの演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうちの2つが大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1つが変動表示を続けている状態で、残り1つの演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。
【0202】
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。ここで、停止表示の種類には、仮停止表示(仮停止)と確定停止表示(確定停止)とがある。仮停止とは、演出図柄のスクロール表示(変動表示)が一旦停止(一時停止)され、演出図柄が表示画面上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて、その数字やキャラクタ等を認識できる程度に僅かに動いた状態で表示されることを意味する。僅かに動いた状態のことを「揺れ変動」ともいう。一方、確定停止とは、演出図柄のスクロール表示(変動表示)が終了して、演出図柄が表示画面上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて、その数字やキャラクタ等を認識できる状態で完全に停止して表示されることを意味する。演出図柄が変動表示を経て確定停止されると、その変動表示の表示結果(変動演出の結果)が確定的に表示(確定表示)されることとなる。したがって、演出図柄の仮停止は、確定停止に至るまで1回または複数回行うことが可能である。
【0203】
S4505において決定(選択)する停止演出図柄は、仮停止する図柄(以下「仮停止図柄」ともいう。)と、確定停止する図柄(以下「確定停止図柄」ともいう。)である。具体的に、演出図柄遊技演出(変動演出)の結果として停止表示(確定停止)される演出図柄8、すなわち確定停止図柄は、特別図柄当否判定の結果が外れであってリーチ有り外れの場合は、「787」等の3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち1つの演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目(リーチ外れ目、外れ態様)とされ、リーチ無し外れの場合は、「635」等の3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1つの演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目(完全外れ目、外れ態様)とされる。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって16R第1大当り又は16R第4大当りの場合は、「777」のゾロ目(大当り態様)とされ、それ以外の大当りの場合は「777」以外のゾロ目(大当り態様)とされる。
【0204】
また、確定停止に至る前の変動表示の途中で一旦仮停止される演出図柄8、すなわち仮停止図柄は、基本的には、前述のゾロ目(大当り態様)以外の出目(リーチ外れ目、完全外れ目等)とされる。但し、例えば、演出図柄8をゾロ目で停止した後に再度変動表示させる所謂「再抽選」を実行する変動演出パターンの場合には、仮停止図柄がゾロ目(大当り態様)とされる。この場合、仮停止図柄は、相対的に有利度合の低い大当り(例えば確変大当りよりも有利度合の低い通常大当り)に対応する出目とされる。さらに、演出図柄8は、変動表示が終了して確定停止する直前(間際)にも仮停止されることから、確定停止直前に仮停止する演出図柄8も仮停止図柄であるが、この場合の仮停止図柄は確定停止図柄と同じとなる。尚、本実施例で示す演出図柄8の停止表示態様(出目、図柄組合せ)はあくまでも一例であり、停止演出図柄(仮停止図柄、確定停止図柄)として何を停止表示するかは適宜設定可能である。
【0205】
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505では、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが、変動演出パターン決定テーブルに基づいて決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。尚、演出図柄遊技演出としてスーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はノーマルリーチ演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。また、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(
図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
【0206】
ここで、演出図柄8の変動表示は、基本的に次のようにして行われる。すなわち、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した後、全図柄の変動速度が高速で略一定となり、その後、所定時間が経過したタイミングで、第1停止図柄(本例では左演出図柄8L)の変動速度が低下して第1停止図柄が停止(仮停止)する。これに次いで第2停止図柄(本例では右演出図柄8R)の変動速度が低下して第2停止図柄が停止(仮停止)し、最後に第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)の変動速度が低下して第3停止図柄が停止(仮停止)する。この後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが確定停止することで、変動表示の表示結果が導出表示され、これをもって1回の変動表示が終了する。このような変動表示の開始から終了までの流れをベースとして、ノーマル変動やリーチ演出等が行われる。
【0207】
具体的に、例えば、特図保留球数や遊技状態に応じた特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない場合(変動時間短縮機能非作動時)において、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した場合、当該変動開始から所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)し、これに続いて右演出図柄8R(第2停止図柄)が停止(仮停止)する。このとき、左右の演出図柄8L,8Rが同じ数字の図柄で停止してリーチが成立すればリーチ演出に発展し、リーチが成立しなければ(つまり、ノーマル変動であれば)、右演出図柄8R(第2停止図柄)の停止(仮停止)に続いて中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)する。本実施例では、ノーマル変動にて、演出図柄8の変動開始から第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)が停止(仮停止)するまでにかかる時間は11秒となっている。尚、特別図柄の変動時間短縮機能が作動している場合のノーマル変動では、変動表示の開始から左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間が通常(変動時間短縮機能非作動時)よりも短くなり、これに伴って、右演出図柄8R(第2停止図柄)および中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間も短くなる。
【0208】
また、本実施例では、低確低ベース状態(非時短状態)における演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、1回の特別図柄当否判定の結果(一の特図保留の消化)に基づいて、演出図柄8の変動表示を複数回行うように見せる複数変動態様を備えている。複数変動態様のことを「再変動態様」や「疑似連態様」ともいう。再変動態様(「再変動パターン」ともいう)に基づく演出図柄8の変動表示(「再変動演出」ともいう)では、演出図柄8を変動表示した後に一旦仮停止させるとともに該仮停止後に演出図柄8を再び変動(再変動)させる再変動表示が行われる。具体的に、3つの演出図柄8L,8C,8Rの変動表示を開始して全図柄の変動速度が高速で略一定となった後、少なくとも1つの演出図柄(例えば左演出図柄8L)を仮停止させ、当該仮停止の後、3つの演出図柄8L,8C,8Rを再び高速で変動表示(再変動)させる。尚、再変動パターンにて仮停止させる演出図柄の数は少なくとも1つであればよく、1つの演出図柄(例えば左演出図柄8L)を仮停止させた後に3つの演出図柄8L,8C,8Rをすべて再変動させるだけでなく、2つの演出図柄(例えば左演出図柄8Lと右演出図柄8R)を仮停止させた後に3つの演出図柄8L,8C,8Rをすべて再変動させたり、3つの演出図柄8L,8C,8Rを仮停止させた後にそれら全ての図柄を再変動させたりすることが可能である。
【0209】
さらに、本実施例では、再変動演出の実行態様が異なる複数の再変動パターンを備えており、S4505では、当該複数の再変動パターンのうち何れを実行するのかを、再変動演出を実行するか否かを含めて、
図43(c)に示す再変動パターン決定テーブルを用いて決定する。具体的に、本実施例の再変動演出は、大別すると「ストーリー再変動」と「再変動ゾーン」の2種類からなり、それぞれの再変動演出(ストーリー再変動、再変動ゾーン)について、実行態様(再変動回数、図柄種、再変動の変動時間等)が異なる3つの再変動パターンを設けてある。つまり、全部で6つの再変動パターンを備えている。尚、ストーリー再変動に係る再変動パターンのことを「第1再変動パターン」または「第1再変動態様」ともいい、再変動ゾーンに係る再変動パターンのことを「第2再変動パターン」または「第2再変動態様」ともいう。また、ストーリー再変動に係る3つの再変動パターンのことを、それぞれ「パターンA1」、「パターンA2」および「パターンA3」ともいい、再変動ゾーンに係る3つの再変動パターンのことを、それぞれ「パターンB1」、「パターンB2」および「パターンB3」ともいう。
【0210】
再変動パターン決定テーブルは、前述のS4504でセットされる変動演出パターン決定テーブルの一種であり、再変動パターン決定テーブルと、前述のS4501において取得した変動演出決定用乱数とに基づいて、再変動演出を実行するか否かや、実行する場合の再変動パターンを決定する。そして、何れかの再変動パターンを実行すると決定した場合には、その決定(選択)した再変動パターンに応じた変動演出の詳細(リーチ演出等)を、図示しない他の変動演出パターン決定テーブル等を用いて決定する。尚、再変動パターンに応じた変動演出の詳細(リーチ演出等)については、再変動パターンに含めて予め定めておくことも可能である。
【0211】
図43(c)に示すように、本実施例の再変動パターン決定テーブルは、前述のS4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される今回の特別図柄の変動表示に係る変動パターン(ここではP1~P11)と、前述のS4501で取得される変動演出決定用乱数とに基づいて、再変動演出の内容(つまり、再変動パターン)を、「なし(実行しない)」、「パターンA1」、「パターンA2」、「パターンA3」、「パターンB1」、「パターンB2」および「パターンB3」の何れかに決定することが可能なデータ構造となっている。具体的には、特別図柄の変動パターン「P1」、「P2」、「P3」、「P4,P8」、「P5,P9」、「P6,P10」、「P7,P11」の各々について、変動演出決定用乱数値(0~99)を「なし」、「パターンA1」、「パターンA2」、「パターンA3」、「パターンB1」、「パターンB2」および「パターンB3」に割り当てたものとなっている。尚、
図43(c)に示す再変動パターン決定テーブルのうち「-」は乱数値を割り当てていないことを示しており、この部分は選択対象とならない(選択されない)。
【0212】
ここで、ストーリー再変動の演出態様である「パターンA1」は再変動回数が1回であって当該1回目の再変動を経てリーチ演出に発展するパターンであり、「パターンA2」は再変動回数が2回であって当該2回目の再変動を経てリーチ演出に発展するパターンであり、「パターンA3」は再変動回数が3回であって当該3回目の再変動を経てリーチ演出に発展するパターンである(
図45(a)~(c)を参照)。また、再変動ゾーンの演出態様である「パターンB1」は再変動回数が4回であって当該4回目の再変動を経てノーマルリーチ演出に発展するパターンであり、「パターンB2」は再変動回数が4回であって当該4回目の再変動を経てSPリーチ演出に発展するパターンであり、「パターンB3」は再変動回数が6回であって当該6回目の再変動を経てSPリーチ演出に発展するパターンである(
図46(a)~(c)を参照)。ストーリー再変動および再変動ゾーンの演出内容についての詳細は後述する。
【0213】
本実施例の再変動パターン決定テーブルでは、特別図柄の変動時間の長短や当否判定結果(つまり、特別図柄の変動パターン)を考慮して、変動演出決定用乱数値(0~99)を、「なし」、「パターンA1」、「パターンA2」、「パターンA3」、「パターンB1」、「パターンB2」および「パターンB3」に割り当てており、これにより、再変動パターンの選択率(出現率、実行確率)や大当り信頼度等が定められる。具体的に、
図43(c)に示すように、特別図柄の変動パターンが「P7,P11」(外れ)である場合、「0~99」の変動演出決定用乱数値は全て「なし」に割り当てられており、再変動パターンは選択(実行)されないものとなっている。
【0214】
また、
図43(c)に示すように、特別図柄の変動パターンが「P3」(大当り)、「P6,P10」(外れ)の何れかである場合、「P3」より「P6,P10」の方が「なし」の選択率は高くなっており(P3:60%、P6,P10:70%)、変動パターン「P3」と「P6,P10」の夫々について、「パターンA3」および「パターンB3」は選択(実行)されないものとなっている。そして、変動パターン「P3」(大当り)の場合、「パターンA1,A2」および「パターンB1,B2」の計4つのパターンのうち「パターンB2」の選択率が最も高くなっており(15%)、以下、「パターンB1」(10%)、「パターンA2」(9%)、「パターンA1」(6%)の順で低くなっている。つまり、再変動ゾーンに係る再変動パターンの方がストーリー再変動に係る再変動パターンよりも選択されやすいものとなっている。一方、変動パターン「P6,P10」(外れ)の場合、「パターンA1,A2」および「パターンB1,B2」の計4つのパターンのうち「パターンA1」の選択率が最も高くなっており(15%)、以下、「パターンA2」(10%)、「パターンB1」(3%)、「パターンB2」(2%)の順で低くなっている。つまり、ストーリー再変動に係る再変動パターンの方が再変動ゾーンに係る再変動パターンよりも選択されやすいものとなっている。
【0215】
また、
図43(c)に示すように、特別図柄の変動パターンが「P2」(大当り)、「P5,P9」(外れ)の何れかである場合、「P2」より「P5,P9」の方が「なし」の選択率が高くなっており(P2:40%、P5,P9:50%)、変動パターン「P2」と「P5,P9」の夫々について、「パターンB1」は選択(実行)されないものとなっている。そして、変動パターン「P2」(大当り)の場合、「パターンA1~A3」および「パターンB2,B3」の計5つのパターンのうち「パターンB3」の選択率が最も高くなっており(20%)、以下、「パターンB2」(15%)、「パターンA3」(12%)、「パターンA2」(8%)、「パターンA1」(5%)の順で低くなっている。つまり、再変動ゾーンに係る再変動パターンの方がストーリー再変動に係る再変動パターンよりも選択されやすいものとなっている。一方、変動パターン「P5,P9」(外れ)の場合、「パターンA1~A3」および「パターンB2,B3」の計5つのパターンのうち「パターンA1」の選択率が最も高くなっており(13%)、以下、「パターンA2」(12%)、「パターンA3,B2」(ともに10%)、「パターンB3」(5%)の順で低くなっている。つまり、ストーリー再変動に係る再変動パターンの方が再変動ゾーンに係る再変動パターンよりも選択されやすいものとなっている。
【0216】
また、
図43(c)に示すように、特別図柄の変動パターンが「P1」(大当り)、「P4,P8」(外れ)の何れかである場合、「P1」より「P4,P8」の方が「なし」の選択率が高くなっており(P1:40%、P4,P8:50%)、変動パターン「P1」と「P4,P8」の夫々について、「パターンA1」および「パターンB1」は選択(実行)されないものとなっている。そして、変動パターン「P1」(大当り)の場合、「パターンA2,A3」および「パターンB2,B3」の計4つのパターンのうち「パターンB3」の選択率が最も高くなっており(25%)、以下、「パターンA3,B2」(ともに15%)、「パターンA2」(5%)の順で低くなっている。つまり、再変動ゾーンに係る再変動パターンの方がストーリー再変動に係る再変動パターンよりも選択されやすいものとなっている。一方、変動パターン「P4,P8」(外れ)の場合、「パターンA2,A3」および「パターンB2,B3」の計4つのパターンのうち「パターンA2」の選択率が最も高くなっており(17%)、以下、「パターンA3」(13%)、「パターンB2」(12%)、「パターンB3」(8%)の順で低くなっている。つまり、ストーリー再変動に係る再変動パターンの方が再変動ゾーンに係る再変動パターンよりも選択されやすいものとなっている。
【0217】
このような再変動パターン決定テーブルにより、本実施例のパチンコ遊技機1では、特別図柄(演出図柄)の変動時間が長いほど再変動演出が実行されやすくなったり、大当りの場合はストーリー再変動に比べ再変動ゾーンの方が実行されやすくなったり、再変動回数が多くなるほど大当り信頼度が高くなったりするように構成されている。すなわち、再変動パターンについての大当り信頼度は、ストーリー再変動よりも再変動ゾーンの方が高くなっており、また、ストーリー再変動の中では「パターンA1」、「パターンA2」、「パターンA3」の順で高くなっており、再変動ゾーンの中では「パターンB1」、「パターンB2」、「パターンB3」の順で高くなっている。
【0218】
次いで、S4506では、予告演出の設定に係る処理(予告演出設定処理)を行う(S4506)。本実施例では、S4400で記憶した演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出(保留先読み予告)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4506では、各予告演出について、実行するか否か(実行有無)を判定したり、実行する予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定したりする。具体的には、S4501において取得した予告演出決定用乱数と、サブ制御基板90のROMに記憶された予告演出決定テーブルとに基づいて、予告演出の実行有無や予告演出パターンを決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。
【0219】
尚、S4400で記憶される演出保留情報の記憶内容(演出保留情報記憶領域の記憶内容)や、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果(今回の特図変動表示に係る当否判定の結果)、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報(今回の特図変動表示に係る変動パターンや停止図柄)、S4505で設定した変動演出パターン、更には現在の演出モード(背景)等によって、S4506で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の実行有無等が異なるものとなる。また、予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を行うこともあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を複合して行うこと、すなわち、一の変動表示中(変動演出中)に複数種の予告演出を各々の実行タイミングで行うこともある。
【0220】
次いで、S4507では、S4505で設定した変動演出パターンおよびS4506で設定した予告演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出(変動演出、予告演出等)を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データ(演出図柄8の変動開始、変動中、変動停止等を示す画像データ)と、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。尚、以上の変動演出開始処理(S4402)を実行する演出制御用マイコン91は「変動表示制御手段」として機能するものである。
【0221】
[再変動演出]
次に、前述のS4505で演出図柄8の変動演出パターン(変動態様)として再変動パターン(再変動態様)が設定された場合に実行される再変動演出について説明する。尚、本実施例の再変動演出には、前述のように「ストーリー再変動」と「再変動ゾーン」の2種類が存在するので、この2種類の再変動演出について説明する。
【0222】
まず、再変動演出は、演出図柄8が変動表示を開始してから終了(確定停止)するまでに、少なくとも1つの演出図柄を仮停止させた後に3つの演出図柄を再変動させる再変動表示を所定回数行うものであるが、本実施例では、その再変動表示を所定の演出を伴って行うものとなっている。すなわち、低確低ベース状態(演出モードAまたはB)にて演出図柄8の変動表示が行われる場合、画像表示装置7の表示画面7aには、通常、
図44(a)に示すように、校舎の風景を描いた「背景画像H1」が表示されている。また、低確低ベース状態において通常表示する演出図柄8は「キャラクタあり演出図柄」(
図3、
図43(a)を参照)となっている。これらの「背景画像H1」や「キャラクタあり演出図柄」が、他の背景画像に変更されたり他の図柄種に変更されたりする演出を伴って、演出図柄8を仮停止させた後に再変動させる再変動表示が行われる。
【0223】
具体的に、再変動演出としてストーリー再変動が行われる場合、すなわち、前述のパターンA1~A3の何れかに基づいて演出図柄8の変動表示が行われる場合、演出図柄8の変動表示の開始(特別図柄の変動表示の開始)とともに、
図44(a)に示す背景画像H1が、
図44(b)に示す教室の風景を描いた背景画像H2に変更されて、授業シーンを物語性のある内容で表現したストーリー演出(所定演出、特定演出表示)が表示画面7a上で開始される。その後、ストーリー演出が行われている状況下で、3つの演出図柄8L,8C,8Rの変動速度が高速で略一定となった後、第1停止図柄としての左演出図柄8Lの変動速度が低下して左演出図柄8Lが仮停止し、次いで第2停止図柄としての右演出図柄8Rの変動速度が低下し始める。そして、右演出図柄8Rが仮停止する寸前に該右演出図柄8Rの変動速度が高速に戻るとともに既に仮停止している左演出図柄8Lが変動表示を再開することで、3つの演出図柄8L,8C,8Rが再び変動表示(再変動)を開始する。これが1回目の再変動である。この再変動の実行タイミング、すなわち、左演出図柄8Lが仮停止した後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが再変動を開始するタイミングで、ストーリー演出の内容(授業シーン)が次の段階(例えば2時限目の授業)に進んで(発展して)、その授業シーンを表す演出内容が更新(変更)される。この後、2回目の再変動、3回目の再変動と続く場合には、1回目の再変動と同様にストーリー演出が行われている状況下で、左演出図柄8Lの仮停止および演出図柄8(8L,8C,8R)の再変動に係る演出表示が行われるとともに、再変動の実行タイミングに合わせてストーリー演出の内容が次の段階に進んでいく(発展していく)。
【0224】
このように、ストーリー再変動(パターンA1~A3の何れかに基づく演出図柄8の変動表示)では、演出図柄8の変動表示の開始時から実行されるストーリー演出(所定演出の一態様)を伴って、演出図柄8の再変動表示(再変動演出)が行われる。尚、ストーリー再変動が行われる場合、少なくとも、ストーリー再変動に係る再変動パターン(パターンA1~A3の何れか)に基づく再変動がすべて完了するまで、演出図柄8の図柄種は「キャラクタあり演出図柄」(第1図柄種)とされる。
【0225】
このようなストーリー再変動による再変動演出の流れを
図45に示す。
図45(a)は、パターンA1に基づくストーリー再変動のタイミングチャートであり、
図45(b)は、パターンA2に基づくストーリー再変動のタイミングチャートであり、
図45(c)は、パターンA3に基づくストーリー再変動のタイミングチャートである。
図45(a)~(c)に示すように、ストーリー再変動では、パターンA1~A3の何れについても、演出図柄8の変動表示の開始に伴ってストーリー演出が開始され、このストーリー演出の開始により表示画面7aの背景画像がH1(校舎)からH2(教室)に変化する(
図44(a)、(b)を参照)。
【0226】
そして、パターンA1に基づくストーリー再変動では、表示画面7aにてストーリー演出に係る演出表示(背景演出)が行われるなか、
図45(a)に示すように、変動開始から所定時間(本例では5秒)が経過するタイミングで左演出図柄8Lが仮停止して(図中「左仮停止」と表記)、こ」こから更に所定時間(本例では3秒)が経過するタイミングで3つの演出図柄8L,8C,8Rが再変動を開始するとともに、ストーリー演出の内容が次の段階に発展する。この後、所定時間(本例では8秒)の再変動表示を経てリーチが成立することにより、ストーリー演出が終了して、リーチ演出に移行する。このリーチ演出(リーチ成立)に至るまでの再変動表示(左仮停止→全図柄再変動)およびストーリー演出発展が、ストーリー再変動における演出の基本的な流れである。この基本的な流れによる演出図柄8の再変動表示(仮停止および再変動)を、パターンA2に基づくストーリー再変動では2回行い(
図45(b)を参照)、パターンA3に基づくストーリー再変動では3回行う(
図45(c)を参照)。
【0227】
尚、本実施例では、ストーリー再変動による再変動演出において、1回目の再変動が行われたタイミングで、再変動の実行回数(再変動回数)を示す情報(再変動回数情報K)の表示を開始するものとしている(
図44(b)を参照)。この再変動回数情報Kの表示は、1回目の再変動が行われた後、リーチが成立するまで(つまり、ストーリー演出が終了するまで)行うものであり、最大3回分の再変動について回数情報を表示することが可能となっている。
【0228】
一方、再変動演出として再変動ゾーンが行われる場合、すなわち、前述のパターンB1~B3の何れかに基づいて演出図柄8の変動表示が行われる場合、その変動表示の開始から所定時間(本例では11秒)が経過して3つの演出図柄8L,8C,8Rが仮停止するまでは、表示画面7aに背景として
図44(a)に示す通常の背景画像H1が表示される。したがって、遊技者にしてみれば、この間は、実行中の演出図柄8の変動表示が再変動演出に係るものであるか否かを判別することは困難(不可能)である。
【0229】
そして、演出図柄8の変動表示が開始されてから、3つの演出図柄8L,8C,8Rの変動速度が高速で略一定となった後、左演出図柄8L、右演出図柄8R、中演出図柄8Cの順で各図柄が停止(仮停止)するなか、中演出図柄8Cの変動速度が低下するタイミングで中演出図柄8Cとして
図43(b)に示す再変動図柄(特殊図柄)が出現し、この再変動図柄が中演出図柄8Cの仮停止図柄となって、3つの演出図柄8L,8C,8Rが仮停止した状態となる。この再変動図柄を含んだ演出図柄8の仮停止を契機として、
図44(a)に示す背景画像H1が、
図44(c)に示すキャラクタ画像CGが遊技者側を向いて迫ってくる様子を描いた背景画像H3に変更されて、演出図柄8の仮停止と再変動が所定回数繰り返される再変動ゾーン演出(所定演出、特定演出表示)が、表示画面7a上で開始される。また、再変動ゾーン演出の開始に伴って、演出図柄8の図柄種が、それまでの「キャラクタあり(第1図柄種)」から「キャラクタなし(第2図柄種)」に変更される(
図43(a)を参照)。つまり、再変動ゾーン演出中は、数字のみの演出図柄8が表示される。
【0230】
再変動ゾーン演出が開始されると(再変動ゾーンに突入すると)、3つの演出図柄8L,8C,8Rの高速変動(再変動)と、所定の出目(例えば「135」や「123」等の特殊出目、特殊組合せ)による3つの演出図柄8L,8C,8Rの仮停止を、所定回数(本例では4回または6回)繰り返し行う。ここで、本実施例では、再変動ゾーンにて繰り返し行う再変動の変動時間(再変動表示時間)として複数種の変動時間を定めている。具体的に、1回目および2回目の再変動に係る変動時間は5秒としており、3回目および4回目の再変動に係る変動時間は2秒としており、5回目および6回目の再変動に係る変動時間は1秒としている。また、各変動間の仮停止時間は0.3秒としている。したがって、再変動ゾーンでは、演出図柄8の再変動回数が増えるにつれて再変動に係る変動時間が短くなっていき、再変動のスピード感が増すものとなっている。このように、再変動ゾーン(パターンB1~B3の何れかに基づく演出図柄8の変動表示)では、演出図柄8の変動表示の開始後、再変動図柄を含んだ演出図柄8の最初(1回目)の仮停止を契機として開始される再変動ソーン演出(所定演出の一態様)を伴って、演出図柄8の再変動表示(仮停止および再変動)が行われる。
【0231】
このような再変動ゾーンによる再変動演出の流れを
図46に示す。
図46(a)は、パターンB1に基づく再変動ゾーンのタイミングチャートであり、
図46(b)は、パターンB2に基づく再変動ゾーンのタイミングチャートであり、
図46(c)は、パターンB3に基づく再変動ゾーンのタイミングチャートである。
図46に示す通り、再変動ゾーンでは、パターンB1~B3の何れについても、演出図柄8の変動表示の開始から最初(1回目)の仮停止までは、再変動ゾーン演出(図中「ゾーン演出」と表記)を行うことなく、通常の背景(背景画像H1)および通常の演出図柄(キャラクタあり演出図柄)により、変動演出が行われる。そして、変動開始から所定時間(本例では11秒)が経過するタイミングで、演出図柄8の1回目の仮停止が前述の再変動図柄(中演出図柄8C)を含んだ態様で行われることに基づいて、再変動ゾーン演出が開始される。この再変動ゾーン演出の開始により表示画面7aの背景画像がH1(校舎)からH3(キャラクタ)に変化するとともに(
図44(a)、(c)を参照)、演出図柄8の図柄種がキャラクタあり(第1図柄種)からキャラクタなし(第2図柄種)に変化する(
図43(a)を参照)。
【0232】
そして、パターンB1に基づく再変動ゾーンでは、表示画面7aにて再変動ゾーン演出に係る演出表示(背景演出)が行われるなか、
図46(a)に示すように、1回目の再変動開始(再変動ゾーンの開始)から所定の変動時間(本例では5秒)が経過するタイミングで演出図柄8(8L,8C,8R)が特殊出目で仮停止し(2回目の仮停止)、その後、演出図柄8が2回目の再変動を行う。ここから、先の1回目の再変動と同じ変動時間(本例では5秒)が経過するタイミングで演出図柄8が先と同じ特殊出目で仮停止し(3回目の仮停止)、その後、演出図柄8が3回目の再変動を行う。更にここから、先の1回目および2回目の再変動よりも短い変動時間(本例では2秒)が経過するタイミングで演出図柄8が先と同じ特殊出目で仮停止し、その後、演出図柄8が4回目の再変動を行う。尚、4回目の再変動に係る変動時間は、先の3回目の再変動に係る変動時間と同じである(本例では2秒)。この4回目の再変動を経てリーチが成立することにより、再変動ゾーン演出が終了して、ノーマルリーチ演出に移行する。
【0233】
また、パターンB2に基づく再変動ゾーンでは、
図46(b)に示すように、前述のパターンB1に基づく再変動ゾーンと同様にして、再変動ゾーン演出の終了(リーチ成立)に至るまで4回の再変動を行い、当該4回目の再変動を経てリーチが成立することにより、再変動ゾーン演出が終了して、SPリーチ演出に移行する。さらに、パターンB3に基づく再変動ゾーンでは、
図46(c)に示すように、前述のパターンB1,B2に基づく再変動ゾーンと同様にして4回の再変動を行った後、5回目および6回目の再変動を、ぞれぞれ先の4回目の再変動よりも短い変動時間(本例では1秒)で行い、6回目の再変動を経てリーチが成立することにより、再変動ゾーン演出が終了して、SPリーチ演出に移行する。
【0234】
[実施例1の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、特別図柄当否判定の実行を契機として、演出図柄8(8L,8C,8R)が画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)で変動表示される。この変動表示は、予め定められた複数種の変動演出パターンの中から、特別図柄当否判定の結果等に基づいて選択される変動演出パターンにしたがって行われるが、本実施例では、その変動演出パターンとして、演出図柄8の変動表示が開始されてから確定停止するまでに少なくとも1つの演出図柄を仮停止させた後に演出図柄8を再変動させる再変動表示を1回または複数回行う再変動パターン(再変動態様)が設けられている。そして、再変動パターンには、複数のパターンが設けられており、具体的には、ストーリー演出を伴って演出図柄8の再変動表示を行うストーリー再変動に係る再変動パターン(第1再変動態様)と、再変動ゾーン演出を伴って演出図柄8の再変動表示を行う再変動ゾーンに係る再変動パターン(第2再変動態様)と、が設けられている。つまり、本実施例では、再変動パターンに基づく再変動演出として「ストーリー再変動」と「再変動ゾーン」の2種類が実行可能となっている。
【0235】
これら2種類の再変動演出のうち、ストーリー再変動による再変動演出では、演出図柄8の変動表示の開始とともに、表示画面7aに背景として表示される背景画像が校舎の背景画像H1(
図44(a)を参照)から教室の背景画像H2(
図44(b)を参照)に変更され、ストーリー演出(背景演出、所定演出、特定演出表示)が開始されるものとなっている。このため、遊技者にしてみれば、変動開始とともにストーリー演出が開始されることで、当該変動がストーリー再変動による再変動演出であること、つまり、演出図柄8の再変動表示(仮停止および再変動)が行われることを、変動開始当初から認識し得るものとなっている。
【0236】
一方、再変動ゾーンによる再変動演出では、演出図柄8が変動表示を開始してから最初(1回目)の仮停止発生までは、表示画面7aに背景として表示される背景画像は校舎の背景画像H1(
図44(a)を参照)となっており、通常の背景のままとなっている。そして、1回目の仮停止を契機として、背景画像が校舎の背景画像H1(
図44(a)を参照)からキャラクタの背景画像H3(
図44(c)を参照)に変更され、再変動ゾーン演出(背景演出、所定演出、特定演出表示)が開始されるものとなっている。このため、遊技者にしてみれば、変動開始当初は、当該変動が再変動演出であること、つまり、演出図柄8の再変動表示(仮停止および再変動)が行われることを認識することはできないもの(困難)となっており、1回目の仮停止が発生して再変動ゾーン演出が開始される(再変動ゾーンに突入する)ことで、当該変動がストーリー再変動による再変動演出であることを初めて認識し得るものとなっている。
【0237】
このように、第1再変動パターンに基づくストーリー再変動と、第2再変動パターンに基づく再変動ゾーンは、何れも再変動演出であるものの、ストーリー再変動におけるストーリー演出の開始タイミング(実行時期)と、再変動ゾーンにおける再変動ゾーン演出の開始タイミング(実行時期)は明らかに異なるものとなっており、ストーリー再変動(第1再変動パターン)と再変動ゾーン(第2再変動パターン)とでは、遊技者に与える印象(趣)が全く異なる再変動演出となっている。これにより、再変動パターンの多様化を実現して、再変動演出による演出効果を高めることが可能となり、延いては、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0238】
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、ストーリー再変動におけるストーリー演出の開始タイミング(実行時期)と、再変動ゾーンにおける再変動ゾーン演出の開始タイミング(実行時期)とが異なるだけでなく、演出図柄8の変動表示開始後、1回目の再変動の実行(発生)時期も、ストーリー再変動と再変動ゾーンとで異なるものとなっている。すなわち、ストーリー再変動では、変動開始から5秒が経過するタイミングで左演出図柄8Lが仮停止して、そこから更に3秒が経過するタイミングで3つの演出図柄8L,8C,8Rが再変動するものとなっている。これに対し、再変動ゾーンでは、変動開始から11秒が経過するタイミングで3つの演出図柄8L,8C,8Rが仮停止して、該仮停止後に3つの演出図柄8L,8C,8Rが再変動するものとなっている。このことによっても、ストーリー再変動および再変動ゾーンが共に再変動演出であるにもかかわらず、両者全く異なる演出として印象付けることが可能となる。
【0239】
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、第1再変動パターンに基づくストーリー再変動と、第2再変動パターンに基づく再変動ゾーンとで、再変動表示(仮停止および再変動)の実行に際して表示画面7aに表示される背景が全く異なるものとなっている。すなわち、ストーリー再変動におけるストーリー演出と再変動ゾーンにおける再変動ゾーン演出とで、演出の内容が全く異なるものとなっている。これにより、再変動演出に係る演出内容が画一的になることを防ぐことが可能となる。
【0240】
特に、ストーリー再変動では、少なくとも最初(1回目)の再変動表示(仮停止および再変動)が行われる前後の演出内容を、教室の背景画像H2(
図44(b)を参照)のもとで物語性のある授業シーンを表現したストーリー演出による演出内容(第1演出態様)としている。一方の再変動ゾーンでは、最初(1回目)の再変動表示(仮停止および再変動)が行われる前の演出内容を、校舎の背景画像H1(
図44(a)を参照)が表示される通常の背景(背景演出)とし、最初(1回目)の再変動表示(仮停止および再変動)が行われた後の2回目以降の再変動表示(仮停止および再変動)が行われる際の演出内容を、キャラクタの背景画像H3(
図44(b)を参照)が表示される再変動ゾーン演出による演出内容(第2演出態様)としている。つまり、ストーリー再変動では、最初(1回目)の再変動表示(仮停止および再変動)が行われる前後の演出内容が互いに関連性のあるものとなっているのに対し、再変動ゾーンでは、最初(1回目)の再変動表示(仮停止および再変動)が行われる前後の演出内容が互いに関連性のないものなっている。このように、第1再変動パターンに基づくストーリー再変動と、第2再変動パターンに基づく再変動ゾーンとでは、再変動演出の進み方や演出内容等が全く異なるものとなるため、これにより多様な再変動演出を実現することが可能となる。
【0241】
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、演出図柄8の変動開始当初からストーリー演出を実行するストーリー再変動に係る再変動パターン(第1再変動パターン)と、演出図柄8の変動開始後の1回目の仮停止発生(再変動開始)から再変動ゾーン演出を実行する再変動ゾーンに係る再変動パターン(第2再変動パターン)のうち、第2再変動パターンの方が、第1再変動パターンに比べ、特別図柄当否判定の結果が大当りである場合(特別図柄の変動パターンが大当り変動パターンである場合)に選択される可能性が高いものとなっている。このため、ストーリー演出や変動ゾーン演出といった再変動演出に関係する演出(所定演出)の実行時期が相対的に遅ければ大当り信頼度が高くなるといった遊技性を得ることが可能となる。これにより、再変動演出の興趣を高めることが可能となる。
【0242】
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、演出図柄8の図柄種として、キャラクタありの図柄種(第1図柄種)とキャラクタなしの図柄種(第2図柄種)とがあり、第1再変動パターンに基づくストーリー再変動ではストーリー演出の開始から終了まで第1図柄種の演出図柄8(キャラクタあり演出図柄)により再変動表示(仮停止および再変動)を行い、第2再変動パターンに基づく再変動ゾーンでは再変動ゾーン演出の開始から終了まで第2図柄種の演出図柄8(キャラクタなし演出図柄)により再変動表示(仮停止および再変動)を行うものとなっている。これにより、再変動演出(再変動パターン)の種類(ストーリー再変動、再変動ゾーン)によって遊技者に与える印象(再変動演出の趣)を異ならせることが可能となり、再変動演出の興趣を高めることが可能となる。
【0243】
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、再変動ゾーンによる再変動演出において、再変動ゾーン演出の開始前に演出図柄8が仮停止する際の中演出図柄8Cを再変動図柄(特殊図柄)としており、また、再変動ゾーン演出中に演出図柄8が仮停止する際の出目(図柄組合せ)を特殊出目(特殊組合せ)としている。これにより、仮停止する演出図柄8に遊技者の興味を惹きつけることが可能となり、再変動演出の興趣を高めることが可能となる。
【0244】
尚、本実施例では、ストーリー再変動による再変動演出において、第1停止図柄である左演出図柄8Lが仮停止した後、第2停止図柄である右演出図柄8Rが仮停止する寸前に3つの演出図柄8L,8C,8Rを再変動させるものとしていたが、第2停止図柄である右演出図柄8Rが仮停止した後、第3停止図柄である中演出図柄8Cが仮停止する寸前に全図柄を再変動させるようにしてもよく、あるいは、3つの演出図柄8L,8C,8Rを仮停止した後に全図柄を再変動させるようにしてもよい。後者の場合、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうちの何れかを再変動図柄(特殊図柄)として仮停止したり、3つの演出図柄8L,8C,8Rが仮停止する際の出目(図柄組合せ)を特殊出目(特殊組合せ)としたりすることも可能である。
【0245】
また、本実施例では、第2再変動パターンに基づく再変動ゾーンによる再変動演出において、3つの演出図柄8L,8C,8Rが仮停止した後に全図柄を再変動させるものとしていたが、第1停止図柄である左演出図柄8Lが仮停止した後、第2停止図柄である右演出図柄8Rが仮停止する寸前に全図柄を再変動させるようにしたり、第2停止図柄である右演出図柄8Rが仮停止した後、第3停止図柄である中演出図柄8Cが仮停止する寸前に全図柄を再変動させるようにしたりしてもよい。
【実施例2】
【0246】
次に、本発明の実施例2のパチンコ遊技機1について説明する。尚、以下では、実施例1と異なる点(構成、作用効果等)を中心に説明し、実施例1と共通する点(構成、作用効果等)についての詳細な説明は省略する。
【0247】
実施例2は、再変動パターンに基づく再変動演出として、前述した実施例1と異なる態様の再変動演出を備えるものである。すなわち、実施例1と異なる再変動パターン(再変動態様)を備えるものである。以下では、実施例1の再変動演出(ストーリー再変動、再変動ゾーン)に換えて、本実施例の再変動演出を備えるものとして説明する。但し、前述した実施例1の再変動演出に加えて本実施例の再変動演出を備えるものとしてもよい。
【0248】
本実施例の再変動演出は、大別すると「先再変動」と「後再変動」の2種類からなり、先再変動による再変動演出について、実行態様(再変動回数、図柄種、再変動の変動時間等)が異なる3つの再変動パターンを設けてあり、後再変動による再変動演出について、実行態様(再変動回数、図柄種、再変動の変動時間等)が異なる2つの再変動パターンを設けてある。ここで、先再変動は、演出図柄8の変動表示が開始された後の最初(1回目)の再変動表示(仮停止および再変動)の実行時期が、変動開始から6秒経過後とされる再変動演出であり、後再変動は、最初(1回目)の再変動表示(仮停止および再変動)の実行時期が、先再変動よりも遅い変動開始から11秒経過後とされる再変動演出である(
図48を参照)。尚、本実施例では、先再変動に係る再変動パターンのことを「第1再変動パターン」または「第1再変動態様」ということができ、後再変動に係る再変動パターンのことを「第2再変動パターン」または「第2再変動態様」ということができる。また、先再変動に係る3つの再変動パターンのことを、それぞれ「パターンC1」、「パターンC2」および「パターンC3」ともいい、再変動ゾーンに係る2つの再変動パターンのことを、それぞれ「パターンD2」および「パターンD3」ともいう。
【0249】
次に、
図47に基づいて、本実施例の再変動パターン決定テーブルについて説明する。本実施例の再変動パターン決定テーブルも、演出図柄8の変動演出パターンの決定(設定)に際して、前述のS4504でセットされるものである。
図47に示すように、本実施例の再変動パターン決定テーブルは、前述のS4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される今回の特別図柄の変動表示に係る変動パターン(ここではP1~P11)と、前述のS4501で取得される変動演出決定用乱数とに基づいて、再変動演出の内容(つまり、再変動パターン)を、「なし(実行しない)」、「パターンC1」、「パターンC2」、「パターンC3」、「パターンD1」および「パターンD2」の何れかに決定することが可能なデータ構造となっている。具体的には、特別図柄の変動時間の長短や当否判定結果(つまり、特別図柄の変動パターン)を考慮して、特別図柄の変動パターン「P1」、「P2」、「P3」、「P4,P8」、「P5,P9」、「P6,P10」、「P7」、「P11」の各々について、変動演出決定用乱数値(0~99)を「なし」、「パターンC1」、「パターンC2」、「パターンC3」、「パターンD1」および「パターンD2」に割り当てたものとなっている。
【0250】
図47に示すように、本実施例の再変動パターン決定テーブルでは、特別図柄の変動パターンが「P11」(外れ)である場合、再変動パターンは選択(実行)されないものとなっており、変動パターンが「P7」(外れ)である場合、パターンC1以外の再変動パターンは選択(実行)されないものとなっている。尚、変動パターンが「P7」である場合のパターンC1の選択率(10%)は「なし」の選択率(90%)よりも低くなっている。
【0251】
また、
図47に示すように、特別図柄の変動パターンが「P3」(大当り)、「P6,P10」(外れ)の何れかである場合、「P3」より「P6,P10」の方が「なし」の選択率は高くなっており(P3:60%、P6,P10:70%)、変動パターン「P3」と「P6,P10」の夫々について、「パターンD2」は選択(実行)されないものとなっている。そして、変動パターン「P3」(大当り)の場合、「パターンC1~C3」および「パターンD1」の計4つのパターンのうち「パターンD1」の選択率が最も高くなっており(13%)、以下、「パターンC3」(12%)、「パターンC2」(10%)、「パターンC1」(5%)の順で低くなっている。つまり、後再変動に係る再変動パターンの方が先再変動に係る再変動パターンよりも選択されやすいものとなっている。一方、変動パターン「P6,P10」(外れ)の場合、「パターンC1~C3」および「パターンD1」の計4つのパターンのうち「パターンC1」の選択率が最も高くなっており(14%)、以下、「パターンC2」(8%)、「パターンC3」(5%)、「パターンD1」(3%)の順で低くなっている。つまり、先再変動に係る再変動パターンの方が後再変動に係る再変動パターンよりも選択されやすいものとなっている。
【0252】
また、
図47に示すように、特別図柄の変動パターンが「P2」(大当り)、「P5,P9」(外れ)の何れかである場合、「P2」より「P5,P9」の方が「なし」の選択率が高くなっている(P2:40%、P5,P9:50%)。そして、変動パターン「P2」(大当り)の場合、「パターンC1~C3」および「パターンD1,D2」の計5つのパターンのうち「パターンD2」の選択率が最も高くなっており(25%)、以下、「パターンD1」(15%)、「パターンC3」(8%)、「パターンC2」(7%)、「パターンC1」(5%)の順で低くなっている。つまり、後再変動に係る再変動パターンの方が先再変動に係る再変動パターンよりも選択されやすいものとなっている。一方、変動パターン「P5,P9」(外れ)の場合、「パターンC1~C3」および「パターンD1,D2」の計5つのパターンのうち「パターンC1」の選択率が最も高くなっており(15%)、以下、「パターンC2」(13%)、「パターンC3」(10%)、「パターンD1」(7%)、「パターンD2」(5%)の順で低くなっている。つまり、先再変動に係る再変動パターンの方が後再変動に係る再変動パターンよりも選択されやすいものとなっている。
【0253】
また、
図47に示すように、特別図柄の変動パターンが「P1」(大当り)、「P4,P8」(外れ)の何れかである場合、「P1」より「P4,P8」の方が「なし」の選択率が高くなっており(P1:40%、P4,P8:50%)、変動パターン「P1」と「P4,P8」の夫々について、「パターンC1」は選択(実行)されないものとなっている。そして、変動パターン「P1」(大当り)の場合、「パターンC2,C3」および「パターンD1,D2」の計4つのパターンのうち「パターンD2」の選択率が最も高くなっており(27%)、以下、「パターンD1」(18%)、「パターンC3」(10%)、「パターンC2」(5%)の順で低くなっている。つまり、後再変動に係る再変動パターンの方が先再変動に係る再変動パターンよりも選択されやすいものとなっている。一方、変動パターン「P4,P8」(外れ)の場合、「パターンC2,C3」および「パターンD1,D2」の計4つのパターンのうち「パターンC2」の選択率が最も高くなっており(15%)、以下、「パターンC3」(13%)、「パターンD1」(12%)、「パターンD2」(10%)の順で低くなっている。つまり、先再変動に係る再変動パターンの方が後再変動に係る再変動パターンよりも選択されやすいものとなっている。
【0254】
このような再変動パターン決定テーブルにより、本実施例のパチンコ遊技機1では、特別図柄(演出図柄)の変動時間が長いほど再変動演出が実行されやすくなったり、大当りの場合は先再変動に比べ後再変動の方が実行されやすくなったり、最初(1回目)の再変動の実行(発生)時期が遅いと大当り信頼度が高くなったりするように構成されている。すなわち、再変動パターンについての大当り信頼度は、先再変動よりも後再変動の方が高くなっており、また、先再変動の中では「パターンC1」、「パターンC2」、「パターンC3」の順で高くなっており、後再変動の中では「パターンD1」、「パターンD2」の順で高くなっている。
【0255】
次に、本実施例の再変動演出について具体的に説明する。前述のように、本実施例の再変動演出には「先再変動」と「後再変動」の2種類が存在するが、何れの再変動演出においても、演出図柄8の変動開始から少なくとも全ての再変動表示が終了してリーチ演出や確定停止に移行するまでは、
図43(a)に示した通常の背景画像H1が表示画面7aに表示される。つまり、通常の背景画像H1のもとで再変動演出が行われる。また、「先再変動」と「後再変動」の何れにおいても、原則、演出図柄8は「キャラクタあり演出図柄」とされるが、パターンC3(先再変動)における最終回(3回目)の再変動と、パターンD2(後再変動)における最終回(2回目)の再変動では、演出図柄8が「キャラクタなし演出図柄」となる場合があるものとなっている。これは、大当り信頼度が比較的高い再変動演出であることを遊技者に印象付けることで遊技者の期待感を高めるためである。演出図柄8の図柄種を変更するか否かの決定(図柄種変化の有無)は、前述のS4505で、別途、演出決定用乱数を用いた抽選により行うものとしている。尚、先再変動および後再変動に係る再変動パターンとして、「図柄種変化あり」のパターンと「図柄種変化なし」のパターンを設けることも可能である。
【0256】
ここで、先再変動による再変動演出の流れを、
図48(a)に基づいて説明する。
図48(a)の上段は、パターンC1に基づく先再変動のタイミングチャートであり、
図48(a)の中段は、パターンC2に基づく先再変動のタイミングチャートであり、
図48(a)の下段は、パターンC3に基づく先再変動のタイミングチャートである。先再変動に係る再変動パターンのうち、パターンC1は、再変動回数が1回であって当該1回目の再変動を経て外れ確定停止またはリーチ演出に発展するパターンであり、パターンC2は、再変動回数が2回であって当該2回目の再変動を経てリーチ演出に発展するパターンであり、パターンC3は、再変動回数が3回であって当該3回目の再変動を経てリーチ演出に発展するパターンである。
【0257】
図48(a)に示すように、先再変動では、パターンC1~C3の何れについても、演出図柄8の変動表示の開始から所定時間(本例では6秒)が経過するタイミングで、3つの演出図柄8L,8C,8Rの1回目の仮停止が行われる。このとき、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1つの演出図柄(例えば中演出図柄8C)が再変動図柄(特殊図柄)となって仮停止するか、3つの演出図柄8L,8C,8Rの出目(図柄組合せ)が特殊出目(図柄組合せ)となって仮停止する。この1回目の仮停止により、遊技者は、当該変動が再変動演出であること、つまり、演出図柄8の再変動表示(仮停止および再変動)が行われることを認識することが可能となる。
【0258】
当該1回目の仮停止の後、パターンC1では演出図柄8の再変動が1回行われ、当該1回目の再変動を経て演出図柄8がバラケ目(リーチ不成立)で停止するか、リーチ成立となってリーチ演出に移行する。また、パターンC2では、1回目の仮停止の後、演出図柄8の再変動が途中1回の仮停止を挟んで2回行われ、当該2回目の再変動を経てリーチ成立となってリーチ演出に移行する。さらに、パターンC3では、1回目の仮停止の後、演出図柄8の再変動が途中2回の仮停止を挟んで3回行われ、当該3回目の再変動を経てリーチ成立となってリーチ演出に移行する。これらパターンC1~C3の先再変動による再変動演出では、再変動に係る変動時間を一律6秒としており、変動開始から1回目の再変動開始(仮停止)に至るまでの時間と同じ時間となっている。したがって、先再変動に係る再変動パターンに基づく演出図柄8の変動表示では、6秒の変動表示がバラケ目停止またはリーチ成立まで繰り返し行われる演出(再変動演出)となる。
【0259】
尚、先再変動に係る再変動パターンC1~C3において、演出図柄8が仮停止する際の仮停止図柄は、全ての仮停止について同じ図柄組合せとしたり、仮停止毎に異なる図柄組合せとしたりすることが可能であり、また、全ての仮停止において再変動図柄を仮停止することも可能である。
【0260】
一方、後再変動による再変動演出の流れを、
図48(b)に基づいて説明する。
図48(b)の上段は、パターンD1に基づく後再変動のタイミングチャートであり、
図48(b)の下段は、パターンD2に基づく後再変動のタイミングチャートである。後再変動に係る再変動パターンのうち、パターンD1は、再変動回数が1回であって当該1回目の再変動を経てリーチ演出に発展するパターンであり、パターンD2は再変動回数が2回であって当該2回目の再変動を経てリーチ演出に発展するパターンである。
【0261】
図48(b)に示すように、後再変動では、パターンD1,D2の何れについても、演出図柄8の変動表示の開始から、先再変動よりも長い所定時間(本例では11秒)が経過するタイミングで、3つの演出図柄8L,8C,8Rの1回目の仮停止が行われる。このとき、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1つの演出図柄(例えば中演出図柄8C)が再変動図柄(特殊図柄)となって仮停止するか、3つの演出図柄8L,8C,8Rの出目(図柄組合せ)が特殊出目(図柄組合せ)となって仮停止する。この1回目の仮停止により、先再変動と同様に、遊技者は、当該変動が再変動演出であること、つまり、演出図柄8の再変動表示(仮停止および再変動)が行われることを認識することが可能となる。
【0262】
当該1回目の仮停止の後、パターンD1では演出図柄8の再変動が1回行われ、当該1回目の再変動を経てリーチ成立となってリーチ演出に移行する。また、パターンD2では、1回目の仮停止の後、演出図柄8の再変動が途中1回の仮停止を挟んで2回行われ、当該2回目の再変動を経てリーチ成立となってリーチ演出に移行する。これらパターンD1,D2の後再変動による再変動演出では、再変動に係る変動時間を一律11秒としており、変動開始から1回目の再変動開始(仮停止)に至るまでの時間と同じ時間となっている。したがって、後再変動に係る再変動パターンに基づく演出図柄8の変動表示では、11秒の変動表示がリーチ成立まで繰り返し行われる演出(再変動演出)となる。
【0263】
尚、後再変動に係る再変動パターンD1,D2において、演出図柄8が仮停止する際の仮停止図柄は、全ての仮停止について同じ図柄組合せとしたり、仮停止毎に異なる図柄組合せとしたりすることが可能であり、また、全ての仮停止において再変動図柄を仮停止することも可能である。
【0264】
[実施例2の作用効果]
以上に説明した本実施例(実施例2)のパチンコ遊技機1では、演出図柄8の再変動表示(仮停止および再変動)を1回または複数回行う再変動パターン(再変動態様)として、先再変動に係る再変動パターン(第1再変動態様)と、後再変動に係る再変動パターン(第2再変動態様)と、が設けられており、再変動演出として「先再変動」と「後再変動」の2種類が実行可能となっている。そして、先再変動による再変動演出と後再変動による再変動演出とでは、1回目の再変動の実行(発生)時期が異なるものとなっており、遊技者にしてみれば、1回目の再変動の実行(発生)時期が相対的に早ければ、当該変動演出は先再変動による再変動演出であると認識することが可能となり、1回目の再変動の実行(発生)時期が相対的に遅ければ、当該変動演出は後再変動による再変動演出であると認識することが可能となる。このように、先再変動と後再変動は、何れも再変動演出であるものの、1回目の再変動の実行(発生)時期の相違により、遊技者に与える印象(趣)が異なる再変動演出となっている。これにより、再変動パターンの多様化を実現して、再変動演出による演出効果を高めることが可能となり、延いては、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0265】
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、1回目の再変動の実行(発生)時期が相対的に遅い後再変動に係る再変動パターンの方が、1回目の再変動の実行(発生)時期が相対的に速い先再変動に係る再変動パターンに比べ、特別図柄当否判定の結果が大当りである場合(特別図柄の変動パターンが大当り変動パターンである場合)に選択される可能性が高いものとなっている。このため、演出図柄8が変動表示を開始した後、最初の仮停止および再変動の実行(発生)時期が相対的に遅ければ大当り信頼度が高くなるといった遊技性を得ることが可能となる。これにより、再変動演出の興趣を高めることが可能となる。
【0266】
特に、本実施例では、後再変動に係る再変動パターンD1は、先再変動に係る再変動パターンC2,C3に比べ、大当り信頼度が高いものの再変動回数が少なくなっており、また、後再変動に係る再変動パターンD2は、先再変動に係る再変動パターンC3に比べ、大当り信頼度が高いものの再変動回数が少なくなっている(
図47,48を参照)。このため、1回目の再変動の実行(発生)時期が遅ければ、再変動回数が少ない再変動演出であっても、再変動回数が多い再変動演出よりも大当り信頼度が高くなるといった遊技性も得られ、再変動演出の興趣を高めることが可能となる。
【0267】
尚、本実施例では、1回目の再変動の実行(発生)時期が異なる再変動演出として「先再変動」と「後再変動」の2種類を備えているが、これらと異なる時期を1回目の再変動の実行時期としたパターンをさらに設けることも可能である。例えば、先再変動における1回目の再変動の実行時期(変動開始から6秒)と、後再変動における1回目の再変動の実行時期(変動開始から11秒)との間の時期(例えば変動開始から8秒)を1回目の再変動の実行時期とした再変動パターンや、先再変動における1回目の再変動の実行時期よりも早い時期(例えば変動開始から3秒)を1回目の再変動の実行時期とした再変動パターン、後再変動における1回目の再変動の実行時期よりも遅い時期(例えば変動開始から20秒)を1回目の再変動の実行時期とした再変動パターンなど、種々の再変動パターンを設けることが可能である。
【0268】
また、本実施例では、前述の実施例1に係る「ストーリー再変動」および「再変動ゾーン」に換えて、「先再変動」および「後再変動」の再変動演出を備えるものとしていたが、実施例1の「ストーリー再変動」および「再変動ゾーン」に加えて、本実施例(実施例2)の「先再変動」および「後再変動」を備えるものしてもよい。この場合、変動演出パターンの設定(S4505)に際しては、例えば、まず、
図43(c)に示す再変動パターン決定テーブル(第1再変動パターン決定テーブル)を用いて「ストーリー再変動」および「再変動ゾーン」に関する決定を行い、その結果、「ストーリー再変動」および「再変動ゾーン」の何れも実行しないこととなった場合に、
図47に示す再変動パターン決定テーブル(第2再変動パターン決定テーブル)を用いて「先再変動」および「後再変動」に関する決定を行うことが可能である。こうすれば、4種類の再変動演出のうちの何れかを選択して実行することが可能となる。
【0269】
また、本実施例では、先再変動および後再変動での演出図柄8の再変動表示(仮停止および再変動)に関し、3つの演出図柄8L,8C,8Rを仮停止した後、これら全ての図柄を再変動させるものとしていたが、先再変動および後再変動での演出図柄8の再変動表示(仮停止および再変動)を、前述した実施例1におけるストーリー再変動と同じ態様で行うようにしてもよい。すなわち、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち、第1停止図柄である左演出図柄8Lが仮停止した後、第2停止図柄である右演出図柄8Rが仮停止する寸前に3つの演出図柄8L,8C,8Rを再変動させるようにしてもよい。あるいは、第2停止図柄である右演出図柄8Rが仮停止した後、第3停止図柄である中演出図柄8Cが仮停止する寸前に3つの演出図柄8L,8C,8Rを再変動させるようにしてもよい。
【0270】
以上、本発明の実施形態として実施例1及び2を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
【0271】
例えば、前述の実施例1,2では、低確低ベース状態(非時短状態)における演出図柄8の変動演出パターンとして再変動パターンを備え、低確低ベース状態において再変動演出が実行され得るものとしていたが、低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態における演出図柄8の変動演出パターンとして再変動パターンを備え、高ベース状態でも再変動演出が実行され得るものとしてもよい。こうすれば、低ベース状態だけでなく高ベース状態でも再変動演出が実行され得るので、高ベース状態での遊技興趣を高めることが可能となる。
【0272】
また、
図43(c)及び
図47に示したテーブルにおける乱数値の振り分け態様(割り当て)はあくまでも一例であり、再変動演出の実行態様や遊技性等を考慮して乱数値を振り分けることが可能である。さらに、再変動演出の実行態様(再変動パターン)は、
図45(a)~(c)、
図46(a)~(c)及び
図48(a),(b)に示した態様に限定されるものではなく、再変動回数や再変動時間、仮停止する際の図柄(仮停止図柄)や出目、再変動演出で使用する演出図柄の図柄種等も含め、任意に定めることが可能である。
【0273】
また、前述の実施例1,2では、再変動演出にて演出図柄が仮停止する際、再変動図柄や特殊出目を表示することがあるものとしていたが(実施例1の再変動ゾーン、実施例2の先再変動および後再変動)、単なるバラケ目で仮停止させたり、左右の演出図柄が同一となるリーチ目で仮停止させたりするようにしてもよい。
【0274】
また、前述の実施例1,2では、変動表示している演出図柄を再変動図柄や特殊出目で仮停止することで、演出図柄の再変動表示(仮停止および再変動)が行われることを示すものとしていたが、再変動図柄や特殊出目を表示するのではなく、再変動表示が行われる旨を報知する所定の報知演出(再変動報知演出)を演出図柄が再変動(あるいは仮停止)する際に行うことで、演出図柄の再変動表示(仮停止および再変動)が行われることを示すようにしてもよい。この場合の報知演出としては、例えば、演出図柄とは別に再変動表示の実行を示唆する画像を表示画面に表示したり、再変動表示の実行を示唆する音や光を発したり、再変動表示の実行を示唆する態様で可動装飾部材(可動物)を動作させたりすることが考えられる。
【0275】
また、前述の実施例では、大当り遊技(特別遊技状態)において作動する大入賞装置(大入賞口)を1つ備えるパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大入賞装置(大入賞口)を複数(例えば2つ)備えるパチンコ遊技機にも本発明を適用することが可能である。
【0276】
また、前述の実施例では、始動入球に基づく事前判定について、特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出して、当該読み出した取得乱数値(取得情報)を判定(事前判定)するものとしていたが(「始動入球時処理(S205)」。
図11、
図13等を参照)、事前判定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部やサブ制御部のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部やサブ制御部のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。
【0277】
また、前述の実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特
図2優先消化の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特
図1優先消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留と第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とを並行して実行可能な制御処理としてもよい。
【0278】
また、前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
【0279】
また、前述の実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
【0280】
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
【0281】
(1-1)所定条件の成立に基づいて行われる判定の結果が特定結果となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
前記判定の実行を契機として複数の図柄を所定の表示部で変動表示させる変動表示制御手段を備え、
前記変動表示制御手段は、予め定められた複数種の変動態様の中から選択した変動態様に基づいて複数の図柄を変動表示させるものであり、
前記変動態様には、少なくとも、複数の図柄の変動表示が開始されてから表示結果が確定表示されるまでに少なくとも1つの図柄を仮停止させた後に複数の図柄を再変動させる再変動表示を所定演出を伴って行う再変動態様があり、
前記再変動態様には、所定演出の実行時期が異なる複数種の再変動態様がある
ことを特徴とする遊技機。
【0282】
上記(1-1)の遊技機では、判定の実行を契機として複数の図柄が所定の表示部で変動表示される。この変動表示は、予め定められた複数種の変動態様の中から選択される変動態様に基づいて行われる。選択対象となる変動態様には、少なくとも、複数の図柄の変動表示が開始されてから表示結果が確定表示されるまでに少なくとも1つの図柄を仮停止させた後に複数の図柄を再変動させる再変動表示を所定演出を伴って行う再変動態様が存在し、再変動態様には、少なくとも、所定演出の実行時期が異なる複数種の再変動態様が存在するものとなっている。これにより、再変動態様の多様化を実現して、再変動態様に基づく変動表示(つまり、再変動表示を行う変動演出)の演出効果を高めることが可能となり、この結果、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0283】
(1-2)上記(1-1)の遊技機において、
前記複数種の再変動態様のうちの少なくとも1つの再変動態様は、他の再変動態様と所定演出の内容が異なる
ことを特徴とする遊技機。
【0284】
上記(1-2)の遊技機では、複数種の再変動態様のうちの少なくとも1つの再変動態様については、所定演出の内容が他の再変動態様と異なるものとなっている。これにより、再変動態様の種類によって演出内容を異ならせることが可能となり、演出内容が画一的になることを防ぐことが可能となる。
【0285】
(1-3)上記(1-1)または(1-2)の遊技機において、
前記再変動態様には、少なくとも、第1再変動態様と、該第1再変動態様に比べ所定演出の実行時期が遅い第2再変動態様とがあり、
前記第2再変動態様は、前記第1再変動態様に比べ、前記判定の結果が前記特定結果の場合に選択される可能性が高い
ことを特徴とする遊技機。
【0286】
上記(1-3)の遊技機では、再変動態様には、少なくとも、第1再変動態様と、該第1再変動態様に比べ所定演出の実行時期が遅い第2再変動態様とが存在するものとなっており、第2再変動態様は、第1再変動態様に比べ、判定の結果が特定結果の場合に選択される可能性が高いものとなっている。このため、再変動態様に基づく変動表示、すなわち、再変動表示を行う変動演出では、特別遊技の実行に対する期待度を、所定演出の実行時期(発生時期)によって示すことが可能となる。これにより、再変動表示を行う変動演出の興趣を高めることが可能となる。
【0287】
(1-4)上記(1-1)から(1-3)の何れか一つの遊技機において、
前記図柄には、少なくとも、第1図柄種の図柄と、前記第1図柄種と表示態様が異なる第2図柄種の図柄とがあり、
前記再変動態様には、少なくとも、前記第1図柄種の図柄からなる複数の図柄により前記再変動表示を行う態様と、前記第2図柄種の図柄からなる複数の図柄により前記再変動表示を行う態様と、がある
ことを特徴とする遊技機。
【0288】
上記(1-4)の遊技機では、図柄の種類として、少なくとも、第1図柄種と第2図柄種とが存在するものとなっている。そして、再変動態様には、少なくとも、第1図柄種の図柄からなる複数の図柄により再変動表示を行う態様と、第2図柄種の図柄からなる複数の図柄により再変動表示を行う態様と、が存在するものとなっている。これにより、遊技者に与える再変動表示の印象を再変動態様の種類によって異ならせることが可能となり、再変動表示を行う変動演出の興趣を高めることが可能となる。
【0289】
(1-5)上記(1-1)から(1-4)の何れか一つの遊技機において、
前記変動表示制御手段は、前記再変動態様に基づいて複数の図柄を変動表示させる場合において、少なくとも1つの図柄を所定の特殊図柄で仮停止する場合がある
ことを特徴とする遊技機。
【0290】
上記(1-5)の遊技機では、再変動態様に基づく変動表示(再変動表示を行う変動演出)にて、複数の図柄のうち少なくとも1つの図柄を所定の特殊図柄で仮停止する場合があるものとなっている。これにより、再変動表示が行われることを特殊図柄の仮停止によって示唆することが可能となり、特殊図柄の仮停止に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
【0291】
(1-6)上記(1-1)から(1-5)の何れか一つの遊技機において、
前記変動表示制御手段は、前記再変動態様に基づいて複数の図柄を変動表示させる場合において、複数の図柄を所定の特殊組合せで仮停止する場合がある
ことを特徴とする遊技機。
【0292】
上記(1-6)の遊技機では、再変動態様に基づく変動表示(再変動表示を行う変動演出)にて、複数の図柄を所定の特殊組合せで仮停止する場合があるものとなっている。これにより、再変動表示が行われることを特殊組合せによる複数の図柄の仮停止によって示唆することが可能となり、特殊組合せによる複数の図柄の仮停止に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
【0293】
(2-1)所定条件の成立に基づいて行われる判定の結果が特定結果となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
前記判定の実行を契機として複数の図柄を所定の表示部で変動表示させる変動表示制御手段を備え、
前記変動表示制御手段は、予め定められた複数種の変動態様の中から選択した変動態様に基づいて複数の図柄を変動表示させるものであり、
前記変動態様には、少なくとも、複数の図柄の変動表示が開始されてから表示結果が確定表示されるまでに少なくとも1つの図柄を仮停止させた後に複数の図柄を再変動させる再変動表示を1回または複数回行う再変動態様があり、
前記再変動態様には、少なくとも、再変動表示の実行時期が異なる複数種の再変動態様がある
ことを特徴とする遊技機。
【0294】
上記(2-1)の遊技機では、判定の実行を契機として複数の図柄が所定の表示部で変動表示される。この変動表示は、予め定められた複数種の変動態様の中から選択される変動態様に基づいて行われる。選択対象となる変動態様には、少なくとも、複数の図柄の変動表示が開始されてから表示結果が確定表示されるまでに少なくとも1つの図柄を仮停止させた後に複数の図柄を再変動させる再変動表示を1回または複数回行う再変動態様が存在し、再変動態様には、少なくとも、再変動表示の実行時期が異なる複数種の再変動態様が存在するものとなっている。これにより、再変動態様の多様化を実現して、再変動態様に基づく変動表示(つまり、再変動表示を行う変動演出)の演出効果を高めることが可能となり、この結果、遊技興趣を向上させることが可能となる。
【0295】
(2-2)上記(2-1)の遊技機において、
前記再変動態様には、少なくとも、第1再変動態様と、該第1再変動態様に比べ1回目の再変動表示の実行時期が遅い第2再変動態様とがあり、
前記第2再変動態様は、前記第1再変動態様に比べ、前記判定の結果が前記特定結果の場合に選択される可能性が高い
ことを特徴とする遊技機。
【0296】
上記(2-2)の遊技機では、再変動態様には、少なくとも、第1再変動態様と、該第1再変動態様に比べ1回目の再変動表示の実行時期が遅い第2再変動態様とが存在するものとなっており、第2再変動態様は、第1再変動態様に比べ、判定の結果が特定結果の場合に選択される可能性が高いものとなっている。このため、再変動態様に基づく変動表示、すなわち、再変動表示を行う変動演出では、特別遊技の実行に対する期待度を1回目の再変動表示の実行時期(発生時期)によって示すことが可能となる。これにより、再変動表示を行う変動演出の興趣を高めることが可能となる。
【0297】
(2-3)上記(2-1)または(2-2)の遊技機において、
前記図柄には、少なくとも、第1図柄種の図柄と、前記第1図柄種と表示態様が異なる第2図柄種の図柄とがあり、
前記再変動態様には、少なくとも、前記第1図柄種の図柄からなる複数の図柄により前記再変動表示を行う態様と、前記第2図柄種の図柄からなる複数の図柄により前記再変動表示を行う態様と、がある
ことを特徴とする遊技機。
【0298】
上記(2-3)の遊技機では、図柄の種類として、少なくとも、第1図柄種と第2図柄種とが存在するものとなっている。そして、再変動態様には、少なくとも、第1図柄種の図柄からなる複数の図柄により再変動表示を行う態様と、第2図柄種の図柄からなる複数の図柄により再変動表示を行う態様と、が存在するものとなっている。これにより、遊技者に与える再変動表示の印象を再変動態様の種類によって異ならせることが可能となり、再変動表示を行う変動演出の興趣を高めることが可能となる。
【0299】
(2-4)上記(2-1)から(2-3)の何れか一つの遊技機において、
前記変動表示制御手段は、前記再変動態様に基づいて複数の図柄を変動表示させる場合において、少なくとも1つの図柄を所定の特殊図柄で仮停止する場合がある
ことを特徴とする遊技機。
【0300】
上記(2-4)の遊技機では、再変動態様に基づく変動表示(再変動表示を行う変動演出)にて、複数の図柄のうち少なくとも1つの図柄を所定の特殊図柄で仮停止する場合があるものとなっている。これにより、再変動表示が行われることを特殊図柄の仮停止によって示唆することが可能となり、特殊図柄の仮停止に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
【0301】
(2-5)上記(2-1)から(2-4)の何れか一つの遊技機において、
前記変動表示制御手段は、前記再変動態様に基づいて複数の図柄を変動表示させる場合において、複数の図柄を所定の特殊組合せで仮停止する場合がある
ことを特徴とする遊技機。
【0302】
上記(2-5)の遊技機では、再変動態様に基づく変動表示(再変動表示を行う変動演出)にて、複数の図柄を所定の特殊組合せで仮停止する場合があるものとなっている。これにより、再変動表示が行われることを特殊組合せによる複数の図柄の仮停止によって示唆することが可能となり、特殊組合せによる複数の図柄の仮停止に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
【符号の説明】
【0303】
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技領域、4 レール部材、5 盤面ランプ、6 球戻り防止片、7 画像表示装置、7a 表示画面(表示領域、演出表示部)、7b 演出図柄表示領域(演出図柄表示部)、8 演出図柄、9a 第1演出保留、9b 第2演出保留、9c 第1演出保留表示領域(第1演出保留表示部)、9d 第2演出保留表示領域(第2演出保留表示部)、20 第1始動口、21 第2始動口、28 ゲート、30 大入賞口、31 大入賞装置、41a 第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部)、80 主制御基板(主制御部)、81 遊技制御用マイコン、90 サブ制御基板(サブ制御部)、91 演出制御用マイコン、100 画像制御基板(画像制御部)、101 画像制御用マイコン。