(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】マウス
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0354 20130101AFI20230509BHJP
【FI】
G06F3/0354 441
(21)【出願番号】P 2020523216
(86)(22)【出願日】2019-06-08
(86)【国際出願番号】 JP2019022837
(87)【国際公開番号】W WO2019235639
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-05-10
(31)【優先権主張番号】P 2018110752
(32)【優先日】2018-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】518205760
【氏名又は名称】あけび動作の学校株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158023
【氏名又は名称】牛田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】海谷 重利
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0083297(US,A1)
【文献】米国特許第5945646(US,A)
【文献】中国特許出願公開第103135775(CN,A)
【文献】特開2001-022514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0354
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に接続して使用するマウスであって、
5本の指のうち少なくとも親指と、人差し指と、が位置する第1突起部と、
5本の指のうち少なくとも小指が位置し、第1クリックボタン部を有する第2突起部と、
前記第1突起部と、前記第2突起部と、を区画し、前記第1突起部及び前記第2突起部よりも内側に窪み、配置された指を折りたたむことにより把持される仕切部と、を有し、
前記第2突起部は、前記仕切部に対して前記第1突起部の反対側に位置し、
前記第2突起部の前記小指で前記第1クリックボタン部を押下することを特徴とするマウス。
【請求項2】
前記仕切部には、5本の指のうち中指及び薬指が位置し、
前記中指及び前記薬指を折り畳んで前記仕切部を把持することを特徴とする請求項1に記載のマウス。
【請求項3】
前記第1突起部は、前記仕切部から突出するとともに湾曲するように構成され、
前記第2突起部は、前記仕切部から突出するとともに湾曲するように構成され、
前記第2突起部は、前記第1突起部よりも突出量が短いことを特徴とする請求項1または2に記載のマウス。
【請求項4】
前記第1突起部には、第2クリックボタン部が配置され、
前記仕切部には、ボタンが配置されていないことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマウス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマウスに関し、特にコンピュータ等の端末に接続される入力装置であるマウスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンピュータ等の端末に接続して入力装置として機能するマウスが知られている(例えば、特許文献1)。マウスは、親指と人指し指とを支持する複数の支持部と、マウス操作時に親指の少なくとも一部を下から支える支持面と、を有している。親指の少なくとも一部が支持面に下から支えられているため、マウス使用時における親指の疲労を緩和することができる。
【0003】
また、マウス使用時の疲労を軽減するための、マウス用疲労防止具が知られている(例えば、特許文献2)。マウス用疲労防止具では、マウスを把持したときに指と交差する押嵌部が設けられている。マウス用疲労防止具をマウスに載置し、各指を押嵌部に嵌合させてマウスを把持することにより、マウス作業時の疲労を軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-220071号公報
【文献】特開2004-78346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のマウスは親指を下から支える支持面を有しており、親指を支持面に載置した状態でマウスを移動させる。また、人差し指で右クリックボタンを押下し、中指で左クリックボタンを押下し、人差し指又は中指で右クリックボタンと左クリックボタンとの間に配置されたスクロールホイールを操作する。マウス操作では、親指、人差し指、及び中指を使用しており薬指及び小指はマウスに添える程度である。マウスを継続的に使用することによって手首が疲労する原因は、手首の曲げによってマウスを移動させることに起因するため、手首の疲労を軽減することができるマウスが求められていた。
【0006】
また、マウスを使用してコンピュータなどの端末を操作する時は着座した体勢であるため、長時間同じ姿勢が続くと自然と背が丸まってしまい、腰に負担がかかって腰痛の原因となっていた。
【0007】
そこで、本発明は、疲労を軽減し操作時の姿勢を良くすることができるマウスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために第1の発明は、端末に接続して使用するマウスであって、5本の指のうち少なくとも親指と、人差し指と、が位置する第1突起部と、5本の指のうち少なくとも小指が位置し、第1クリックボタン部を有する第2突起部と、前記第1突起部と、前記第2突起部と、を区画し、前記第1突起部及び前記第2突起部よりも内側に窪み、配置された指を折りたたむことにより把持される仕切部と、を有し、前記第2突起部は、前記仕切部に対して前記第1突起部の反対側に位置し、前記第2突起部の前記小指で前記第1クリックボタン部を押下することを特徴とするマウスを提供している。
【0009】
第2の発明では、第1の発明に記載されたマウスであって、前記仕切部には、5本の指のうち中指及び薬指が位置し、前記中指及び前記薬指を折り畳んで前記仕切部を把持することを特徴としている。
【0010】
第3の発明では、第1の発明又は第2の発明に記載されたマウスであって、前記第1突起部は、前記仕切部から突出するとともに湾曲するように構成され、前記第2突起部は、前記仕切部から突出するとともに湾曲するように構成され、前記第2突起部は、前記第1突起部よりも突出量が短いことを特徴としている。
【0011】
第4の発明では、第1の発明から第3の発明のいずれかに記載されたマウスであって、前記第1突起部には、第2クリックボタン部が配置され、前記仕切部には、ボタンが配置されていないことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によると、マウスが5本の指のうち少なくとも小指が配置されクリックボタン部を有する第2領域を有しているため、小指でクリックボタン部を操作することとなる。さらに、第1領域と第2領域とは仕切部によって区画されており、仕切部が障壁となって人差し指が第1領域から第2領域に侵入し難くなることにより人差し指がマウス操作に使用し難くなるとともに積極的に小指をマウス操作に使用させる状況を作り出している。人の手の指は、親指及び人差し指で操作を行うとお腹側に意識が向くこととなり、薬指及び小指によって操作を行うと背中側に意識が向くこととなる。中指は、中心的な指であり、中指での操作はお腹及び背中の両方に意識が向く。これは発明者が発見した理論であり、親指及び人差し指の筋肉はお腹側の筋肉と連動し、薬指及び小指の筋肉は背中側の筋肉と連動し、中指の筋肉はお腹側の筋肉及び背中側の筋肉と連動していることが原因と考えられる。
【0014】
従来のマウスを使用すると、親指及び人差し指でマウスの移動及びクリック動作を行うため、お腹側に意識が向くことによって背中への意識が薄くなり、背筋が曲がり意識も内向きの思想に陥りがちである。本件発明では、少なくとも小指によってクリック動作を行うため、マウスの移動動作についても自然と小指を中心に行うこととなる。そうすると、肩から背中に意識が向くこととなり、マウスを移動させる際に手首のみを使用するのではなく、腕から肩及び背中を使ってマウスを移動させることとなる。これによって、マウス操作時における腱鞘炎を抑制することができるとともに、背中に意識が向いているため背筋が伸び良い姿勢のままマウス操作を行うことができ、腰痛の改善効果も期待できる。さらに、背筋が伸びることによって体幹に外向きの開く力が働き、内向きの思想ではなく外向きの思想が可能となる。ここで、内向きの思想とは外部からの情報を遮断して脳内で過去のことなどを振り返るなど自省的になることをいい、外向きの思想とは視線を上げることによって外部の情報を取り込み前向きに将来のことを考えることをいう。本件発明のマウスを使用することで外向きの思想が優位になり、ポジティブな思考となる。
【0015】
第2の発明によると、第1領域と第2領域とは仕切壁によって区画されているため、仕切壁によって人差し指がマウス操作に使用できない状況を作り出すとともに、薬指と小指とによりマウスのクリック操作や移動を行う構造となっている。これにより、マウス操作時における腱鞘炎を抑制することができるとともに、背中に意識が向いているため背筋が伸び良い姿勢のままマウス操作を行うことができ、腰痛の改善効果も期待できる。さらに、背筋が伸びることによって体幹に外向きの開く力が働き、内向きの思想ではなく外向きの思想で作業を行うことができる。
【0016】
第3の発明によると、薬指が位置する第4溝部及び小指が位置する第5溝部が第2領域に形成されているため、薬指及び小指によりマウスのクリック操作や移動を行う構造となっている。さらに、親指が第1溝部に位置し、人差し指が第2溝部に位置し、中指が第3溝部に位置しているため、親指、人差し指、及び中指がマウス操作に使用できない状況を作り出している。これにより、マウス操作時における腱鞘炎を抑制することができるとともに、背中に意識が向いているため背筋が伸び良い姿勢のままマウス操作を行うことができ、腰痛の改善効果も期待できる。さらに、背筋が伸びることによって体幹に外向きの開く力が働き、内向きの思想ではなく外向きの思想で作業を行うことができる。
【0017】
第4の発明によると、右クリックボタンの押圧方向は左クリックボタンの押圧方向と交差しているため、小指で右クリックボタンを押圧する場合にクリック操作を行い易い。
【0018】
第5の発明によると、仕切部を中指と薬指とで把持するため、親指及び中指がマウス操作に使用できない状況を作り出している。さらに、第2領域に右クリックボタンが配置されているため、マウス操作に積極的に小指を使用している。これにより、マウス操作時における腱鞘炎を抑制することができるとともに、背中に意識が向いているため背筋が伸び良い姿勢のままマウス操作を行うことができ、腰痛の改善効果も期待できる。さらに、背筋が伸びることによって体幹に外向きの開く力が働き、内向きの思想ではなく外向きの思想で作業を行うことができる。
【0019】
上述の発明により、疲労を軽減し操作時の姿勢を良くすることができるマウスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1の実施の形態によるマウスの斜視図。
【
図2】本発明の第1の実施の形態によるマウスを把持したときの斜視図。
【
図3】本発明の第1の実施の形態によるマウスを把持したときの正面図。
【
図4】本発明の第2の実施の形態によるマウスの斜視図。
【
図5】本発明の第2の実施の形態によるマウスを把持したときの斜視図。
【
図6】本発明の第2の実施の形態によるマウスを把持したときの正面図。
【
図7】本発明の第3の実施の形態によるマウスを把持したときの正面図。
【
図8】本発明の第4の実施の形態によるマウスの斜視図。
【
図9】本発明の第4の実施の形態によるマウスを把持したときの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1の実施の形態によるマウス1を
図1乃至
図3に基づき説明する。
図3に示すように、上下左右方向を定義する。マウス1は、コンピュータやタブレットなどの端末に有線または無線で接続され入力装置として機能する。
【0022】
マウス1は、第1領域2と、第2領域3と、仕切壁4と、クリックボタン部5と、を有している。
図1に示すように、第1領域2と、第2領域3と、は仕切壁4によって区画されている。
図2及び
図3に示すように、第1領域2は、マウス1を手10で把持したとき、親指11と、人差し指12と、が位置する領域である。第1領域2は、表面から上方に向けて突出する壁部21を有しており、壁部21によって親指11を載置する位置と人差し指12を載置する位置とが区画されている。
図2及び
図3に示すように、マウス1を手10で把持したときには、親指11と人差し指12との間に壁部21が位置し、人差し指12は壁部21と仕切壁4との間に位置する。
【0023】
第2領域3は、仕切壁4に対して第1領域2の反対側に位置していて、クリックボタン部5を有している。換言すると、仕切壁4の左側に第1領域2が規定され、仕切壁4の右側に第2領域3が規定されている。
図2及び
図3に示すように、第2領域3は、マウス1を手10で把持したとき、中指13と、薬指14と、小指15と、が位置する領域である。
【0024】
クリックボタン部5は、左クリックボタン51と、右クリックボタン52と、スクロールホイール53と、から構成される。左クリックボタン51は、いわゆるOKボタンとして用いられ、主に決定などの操作に用いられる。
図2及び
図3に示すように、マウス1を把持したとき左クリックボタン51に中指13が位置するため、ユーザは中指13で左クリックボタン51を操作する。
【0025】
右クリックボタン52は、いわゆるメニューボタンとして用いられ、主にポップアップメニューの表示などの操作に用いられる。
図2及び
図3に示すように、マウス1を把持したとき右クリックボタン52に薬指14及び小指15が位置するため、ユーザは薬指14又は小指15で右クリックボタン52を操作する。
【0026】
スクロールホイール53は、主に画面スクロールに用いられ、左クリックボタン51と右クリックボタン52との間に配置される。
図2及び
図3に示すように、マウス1を把持したときスクロールホイール53は薬指14に位置するため、ユーザは薬指14でスクロールホイール53を操作する。薬指14でクリックボタン部5を操作することにより、マウス1の操作に主に薬指14を使用することとなるため、ユーザはマウス1を移動させる際に無意識に手首ではなく腕や肩、背中を使って移動させることとなる。
【0027】
仕切壁4は、
図3に示すようにマウス1の表面から上方に向けて突出する壁形状をなし、マウス1の左右方向中央よりも僅かに左側に配置されている。仕切壁4は、マウス1を操作する際に人差し指12を使用させないために設けられている。仕切壁4は壁部21よりも上下方向に高いため、人差し指12は仕切壁4が障害となって第2領域3に侵入し難くなるとともに第1領域2内であれば僅かに動かすことができる。換言すると、人差し指12を第1領域2内に収めるために、仕切壁4と、仕切壁4よりも低い壁部21と、が設けられている。仕切壁4の左側に第1領域2が規定され右側に第2領域3が規定されることにより、人差し指12が位置する第1領域2が、クリックボタン部5が配置されている第2領域3と分断される。
【0028】
人の手10の5本の指のうち、親指11及び人差し指12で操作を行うとお腹側に意識が向くこととなり、薬指14及び小指15によって操作を行うと背中側に意識が向くこととなる。中指13は、中心的な指であり、中指13での操作はお腹及び背中の両方に意識が向く。これは発明者が発見した理論であり、親指11及び人差し指12の筋肉はお腹側の筋肉と連動していて、薬指14及び小指15の筋肉は背中側の筋肉と連動していて、中指13の筋肉はお腹側の筋肉及び背中側の筋肉の両方と連動していることが原因となっている。ユーザがマウス1を使用する際は、仕切壁4の存在によって親指11及び人差し指12を使用しない構成となっており、必然的に残りの3本の指でマウス1を操作する必要がある。そうすると、必然的にユーザの意識は背中側に向くこととなり、腱鞘炎の抑制や良い姿勢の維持などの効果を生む。
【0029】
このような構成によると、マウス1が5本の指のうち中指13、薬指14、及び小指15が配置されクリックボタン部5を有する第2領域を有しているため、中指13、薬指14、及び小指15でクリックボタン部5を操作することとなる。さらに、第1領域2と第2領域3とは仕切壁4によって区画されており、人差し指12がマウス操作に使用できない状況を作り出している。
【0030】
本実施の形態のマウス1を使用することにより、中指13、薬指14、及び小指15によってクリック動作を行うため、マウス1の移動動作についても自然と中指13、薬指14、及び小指15を中心に行うこととなる。そうすると、肩から背中に意識が向くこととなり、マウス1を移動させる際に手首のみを使用するのではなく、腕から肩及び背中を使ってマウス1を移動させることとなる。これによって、マウス操作時における腱鞘炎を抑制することができるとともに、背中に意識が向いているため背筋が伸び良い姿勢のままマウス操作を行うことができ、腰痛の改善効果も期待できる。さらに、背筋が伸びることによって体幹に外向きの開く力が働き、内向きの思想ではなく外向きの思想が可能となる。ここで、内向きの思想とは外部からの情報を遮断して脳内で過去のことなどを振り返るなど自省的になることをいい、外向きの思想とは視線を上げることによって外部の情報を取り込み前向きに将来のことを考えることをいう。本件発明のマウス1を使用することで外向きの思想が優位になり、ポジティブな思考となる。
【0031】
次に、第2の実施の形態のマウス101について、
図4乃至
図6に基づいて説明する。
図6に示すように、上下左右方向を定義する。第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0032】
マウス101は、第1領域102と、第2領域103と、仕切壁104と、クリックボタン部5と、を有している。
図4に示すように、第1領域102と、第2領域103と、は仕切壁104によって区画されている。
図5及び
図6に示すように、第1領域102は、マウス101を手10で把持したとき、親指11と、人差し指12と、中指13と、が位置する領域である。第1領域102は、表面から上方に向けて突出する壁部121を有しており、壁部121によって人差し指12を載置する位置と中指13を載置する位置とが区画されている。さらに、上方に向けて突出し親指11と人差し指12とを区画する壁部を設けてもよい。仕切壁104は、本発明の仕切部に相当する。
【0033】
第2領域103は、仕切壁104に対して第1領域102の反対側に位置している。換言すると、仕切壁104の左側に第1領域102が規定され、仕切壁104の右側に第2領域103が規定されている。
図5及び
図6に示すように、第2領域103は、マウス101を手10で把持したとき、薬指14と、小指15と、が位置する領域である。
【0034】
仕切壁104は、
図6に示すようにマウス101の表面から上方に向けて突出する壁形状をなし、マウス101の左右方向中央よりも僅かに右側に配置されている。仕切壁104は、マウス101を操作する際に人差し指12及び中指13を使用させないために設けられている。仕切壁104は壁部121よりも高いため、人差し指12及び中指13は仕切壁104が障害となって第2領域103に侵入し難くなるとともに第1領域102内であれば僅かに動かすことができる。換言すると、人差し指12及び中指13を第1領域102内に収めるために、仕切壁104と、仕切壁104よりも低い壁部121と、が設けられている。仕切壁104の左側に第1領域102が規定され右側に第2領域103が規定されることにより、人差し指12及び中指13が位置する第1領域102が、クリックボタン部5が配置されている第2領域103と分断される。
【0035】
図5及び
図6に示すように、マウス101を把持したとき左クリックボタン51に薬指14が位置するためユーザは薬指14で左クリックボタン51を操作し、右クリックボタン52に小指15が位置するため、ユーザは小指15で右クリックボタン52を操作する。
【0036】
このような構成によると、第1領域102と第2領域103とは仕切壁104によって区画されているため、人差し指12及び中指13を第1領域2から第2領域3に侵入し難くすることによって人差し指12及び中指13がマウス操作に使用できない状況を作り出すとともに、薬指14及び小指15によりマウス101のクリック操作や移動を行う構造となっている。これにより、マウス操作時における腱鞘炎を抑制することができるとともに、背中に意識が向いているため背筋が伸び良い姿勢のままマウス操作を行うことができ、腰痛の改善効果も期待できる。さらに、背筋が伸びることによって体幹に外向きの開く力が働き、内向きの思想ではなく外向きの思想で作業を行うことができる。第1の実施の形態では中指13、薬指14及び小指15によってクリックボタン部5を操作していたが第2の実施の形態では薬指14及び小指15でクリックボタン部5を操作しているため、マウス1に比べてより強く背中の筋肉を意識することができる。これにより、第1の実施の形態のマウス1よりもさらに高い腱鞘炎の抑制効果、良い姿勢の維持効果、及び外向き思想の効果を得ることができる。
【0037】
次に、第3の実施の形態のマウス201について、
図7を参照して説明する。
図7に示すように、上下左右方向を定義する。第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0038】
マウス201は、第1領域202と、第2領域203と、クリックボタン部205と、を有している。第1領域202には、マウス201を把持したときに親指11が位置する第1溝部211と、人差し指12が位置する第2溝部212と、中指13が位置する第3溝部213と、が形成されている。第1溝部211、第2溝部212、及び第3溝部213は、いずれもマウス201の内側に窪むように形成され、親指11、人差し指12、及び中指13をそれぞれ位置決めするために設けられている。第1溝部211と第2溝部212との間には斜め上方に突出し両者を区画する第1壁部221が設けられていて、第2溝部212と第3溝部213との間には上方に突出し両者を区画する第2壁部222が設けられている。第1壁部221及び第2壁部222は、第1領域202に設けられている。
【0039】
第2領域203には、マウス201を把持したときに薬指14が位置する第4溝部214と、小指15が位置する第5溝部215と、が形成されている。第4溝部214及び第5溝部215は、いずれもマウス201の内側に窪むように形成されていて薬指14及び小指15をそれぞれ位置決めするために設けられている。クリックボタン部205は、第4溝部214及び第5溝部215に沿うように内側に窪んでいる。
【0040】
第3溝部213と第4溝部214との間には上方に突出し両者を区画する第3壁部223が設けられていて、第4溝部214と第5溝部215との間には斜め上方に突出し両者を区画する第4壁部224が設けられている。第3壁部223と、第4壁部224と、は第2領域203に設けられている。つまり、第3壁部223の左側に第1領域202が規定され、第3壁部223の右側に第2領域203が規定されている。第3壁部223は、本発明の仕切部に相当する。なお、第1領域202を第1溝部211と第2溝部212とが形成された領域に規定し、第2領域203を第3溝部213と、第4溝部214と、第5溝部215と、が規定された領域に規定してもよい。この場合には、第2壁部222の左側に第1領域202が規定され、第2壁部222の右側に第2領域203が規定され、第2壁部222が本発明の仕切部に相当することとなる。
【0041】
クリックボタン部205は、左クリックボタン251と、右クリックボタン252と、スクロールホイール253と、を有している。左クリックボタン251は、矢印A1で示すように、薬指14を下に押下することによりクリック操作が可能な構成となっている。右クリックボタン252は、矢印A2で示すように、小指15を左方向に押下することによりクリック操作が可能な構成となっている。換言すると、左クリックボタン251は上下方向に押圧されるボタンであって薬指14を下方向に移動することにより押下され、右クリックボタン252は左右方向に押圧されるボタンであって小指15を左方向に移動することにより押下される。
【0042】
このような構成によると、薬指14が位置する第4溝部214及び小指15が位置する第5溝部215が第2領域203に形成されているため、薬指14及び小指15によりマウスのクリック操作や移動を行う構造となっている。さらに、親指11が第1溝部211に位置し、人差し指12が第2溝部212に位置し、中指13が第3溝部213に位置しているため、第1壁部221、第2壁部222、及び第3壁部223が障壁となって親指11、人差し指12、及び中指13がマウス操作に使用できない状況を作り出している。これにより、マウス操作時における腱鞘炎を抑制することができるとともに、背中に意識が向いているため背筋が伸び良い姿勢のままマウス操作を行うことができ、腰痛の改善効果も期待できる。さらに、背筋が伸びることによって体幹に外向きの開く力が働き、内向きの思想ではなく外向きの思想で作業を行うことができる。
【0043】
このような構成によると、右クリックボタン252の押圧方向は左クリックボタン251の押圧方向と略直交しているため、小指15で右クリックボタン252を押圧する場合にクリック操作を行い易い。
【0044】
次に、本発明の第4の実施の形態について、
図8及び
図9を参照して説明する。上述の実施の形態と略同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0045】
マウス301は、第1領域302と、第2領域303と、仕切部304と、クリックボタン部305と、を有している。
図8に示すように、第1領域302と、第2領域303と、は仕切部304によって区画されている。換言すると、第1領域302と第2領域303との間に仕切部304が位置することにより、第1領域302と第2領域303とが左右方向に離間している。
図9に示すように、第1領域302は、マウス301を手10で把持したとき、親指11と、人差し指12と、が位置する領域である。第1領域302には、前方に湾曲するように突出した第1突起部312を備えている。第1突起部312には、クリックボタン部305の左クリックボタン351と、スクロールホイール353と、が設けられている。
図9に示すように、左クリックボタン351は人差し指12によって押下され、スクロールホイール353は親指11によって操作される。
【0046】
第2領域303は、仕切部304に対して第1領域302の反対側に位置している。換言すると、仕切部304の左側に第1領域302が規定され、仕切部304の右側に第2領域303が規定されている。
図9に示すように、第2領域303は、マウス301を手10で把持したとき、小指15が位置する領域である。第2領域303には、前方に湾曲するように突出した第2突起部313を備えている。第2突起部313は第1突起部312よりも短く、クリックボタン部305の右クリックボタン352が設けられている。
図9に示すように、右クリックボタン352は、小指15によって押下される。
【0047】
仕切部304は、後方に窪むように設けられていて、中指13及び薬指14が位置している。仕切部304には、下方に窪み中指13と薬指14とが載置される載置部314が設けられている。仕切部304は、中指13及び薬指14によって把持される形状をなしており、後方に窪んでいる。換言すると、仕切部304は、第1突起部312及び第2突起部313よりも後方に窪んでいる。仕切部304は、マウス301を操作する際に中指13及び薬指14を積極的に使用させないために設けられている。中指13及び薬指14で仕切部304を把持しているため、薬指14で第2領域303の右クリックボタン352を操作することができない。仕切部304の左側に第1領域302が規定され右側に第2領域303が規定されることにより、親指11及び人差し指12が位置する第1領域102が、第2領域303と分断される。
【0048】
図9に示すように、マウス301を把持したとき左クリックボタン351に人差し指12が位置するためユーザは人差し指12で左クリックボタン51を操作し、右クリックボタン352に小指15が位置するため、ユーザは小指15で右クリックボタン52を操作する。
【0049】
このような構成によると、仕切部304を中指13と薬指14とで把持するため、親指11及び中指13がマウス301の操作に使用できない状況を作り出している。さらに、第2領域303に右クリックボタン352が配置されているため、マウス操作に積極的に小指15を使用している。これにより、マウス操作時における腱鞘炎を抑制することができるとともに、背中に意識が向いているため背筋が伸び良い姿勢のままマウス操作を行うことができ、腰痛の改善効果も期待できる。さらに、背筋が伸びることによって体幹に外向きの開く力が働き、内向きの思想ではなく外向きの思想で作業を行うことができる。
【0050】
本発明によるマウスは、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0051】
上述の実施の形態では、クリックボタン部5は左クリックボタン51と右クリックボタン52とスクロールホイール53とを有していたが、これに限定されない。例えば、左クリックボタンと右クリックボタンのみから構成されてもよく、単一のボタンで構成されてもよい。
【0052】
上述の実施の形態では、第1領域2は壁部21を有していたが、さらに複数のボタンを有していてもよい。このとき、複数のボタンには、「戻る」、「進む」の機能を有することが望ましいがユーザが任意に設定することができる。
【0053】
第3の実施の形態では、左クリックボタン251の押圧方向と右クリックボタン252の押圧方向は略直交していたが、これに限定されない。左クリックボタン251の押圧方向と右クリックボタン252の押圧方向は、互いに交差していればよい。
【0054】
第3の実施の形態では、左クリックボタン251の押圧方向は左であり右クリックボタン252の押圧方向は下であったが、第1の実施の形態のマウス1又は第2の実施の形態のマウス101に当該構成を適用してもよい。
【0055】
第4の実施の形態では、クリックボタン部305のスクロールホイール353の配置は、これに限定されず左クリックボタン351又は右クリックボタン352の近傍であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1、101、201、301 マウス
2、102、202、302 第1領域
3、103、203、303 第2領域
4、104、204 仕切壁
304 仕切部
5、205、305 クリックボタン部
10 手
11 親指
12 人差し指
13 中指
14 薬指
15 小指
21、121 壁部
51、251、351 左クリックボタン
52、252、352 右クリックボタン
53、253 スクロールホイール