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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】情報処理方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20230509BHJP
   G06Q 30/0645 20230101ALI20230509BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20230509BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q30/0645
H02J7/02 J
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022171642
(22)【出願日】2022-10-26
【審査請求日】2022-10-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522420214
【氏名又は名称】株式会社イーステージ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】石丸 恵美子
【審査官】田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-077197(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0018168(KR,A)
【文献】特開2021-157334(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0098770(US,A1)
【文献】特開2021-036439(JP,A)
【文献】特開2019-164642(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112288541(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設に設けられた太陽光パネルにより発電された電力が充電された複数の蓄電池をユーザに貸与し、
位置検出モジュール、充電状態検出モジュール、及び、通信モジュールを含むデータロガーを有する前記蓄電池のユーザへの貸与情報を記憶部に記憶し、
貸与中の前記蓄電池の前記データロガーにより得られる前記蓄電池の位置及び充電状態を、前記蓄電池を貸与中のユーザに対応付けて前記記憶部に記憶し、
前記複数の施設に設けられた太陽光パネル以外の太陽光パネルにより発電された電力が前記貸与中の蓄電池に充電された場合に、前記データロガーにより得られる充電状態を、前記貸与中のユーザに対応付けて記憶する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記複数の施設のそれぞれにおいて貸与可能な蓄電池に関する情報をユーザ端末へ出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記貸与情報は、前記蓄電池をユーザに貸与した貸与施設の施設情報と、前記蓄電池が返却された返却施設の施設情報とを含む
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
複数の蓄電池をユニット化したユニット蓄電池を貸与対象とする
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記複数の蓄電池の位置及び充電状態を地図上に表示する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項6】
各ユーザのユーザ端末に、各ユーザが貸与中の蓄電池の数、並びに、前記貸与中の蓄電池の位置及び充電状態を出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記太陽光パネルは、再使用パネルを含んでおり、
前記複数の施設のそれぞれに設けられた太陽光パネルの前記再使用パネルの使用率を前記記憶部に記憶し、
前記太陽光パネルの前記再使用パネルの使用率をユーザ端末へ出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記蓄電池は、CNT(カーボンナノチューブ)を電極に使用した蓄電池であり、CNT分散液を用いた再生処理が行われた再生蓄電池を含んでおり、
前記複数の蓄電池のそれぞれの前記再生蓄電池の使用率を前記記憶部に記憶し、
前記蓄電池の前記再生蓄電池の使用率をユーザ端末へ出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記蓄電池の貸与数又は貸与に係る料金に基づいて、前記蓄電池を貸与した施設に付与するインセンティブを特定する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記複数の施設のそれぞれに、前記蓄電池をユーザに貸与する貸与装置が設けられており、
前記貸与装置に設けられたディスプレイに広告情報を出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記蓄電池のユーザへの貸与情報及び前記ユーザの属性情報を、前記蓄電池を貸与した施設に対応する端末に出力する
処理を前記コンピュータが実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項12】
複数の施設に設けられた太陽光パネルにより発電された電力が充電された複数の蓄電池をユーザに貸与する貸与装置と、情報処理装置とを有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
位置検出モジュール、充電状態検出モジュール、及び、通信モジュールを含むデータロガーを有する前記蓄電池のユーザへの貸与情報を記憶する第1記憶部と、
貸与中の前記蓄電池の前記データロガーにより得られる前記蓄電池の位置及び充電状態を、前記蓄電池を貸与中のユーザに対応付けて記憶する第2記憶部と、
前記ユーザへの前記蓄電池の貸与情報又は前記ユーザが貸与中の前記蓄電池の充電情報を前記ユーザの端末へ出力する出力部とを備え
前記第2記憶部は、前記複数の施設に設けられた太陽光パネル以外の太陽光パネルにより発電された電力が前記貸与中の蓄電池に充電された場合に、前記データロガーにより得られる充電状態を、前記貸与中のユーザに対応付けて記憶す
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光パネルの設置が進んでおり、太陽光パネルによって発電された電力の売電が行われている。しかし、太陽光発電エネルギーをはじめとする再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT:Feed-in Tariff)の期間満了に伴い、電力の買取価格の低下が予想されている。特許文献1では、太陽光発電エネルギーを蓄電池に充電し、蓄電池が満充電になった以降に発電された電力を売電し、売電後に蓄電池の充電量が不足しないように、売電する電力量を適切に制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-191199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、太陽光発電システムを所有するユーザが、売電装置(例えば電気スタンド)を含む売電システムを用意することにより、余剰電力を電気自動車に売電することが可能となる。しかし、売電システムは高いコストを要するため、各ユーザにとって売電システムの導入に対するハードルは高い。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コストの増加を招くことなく、太陽光発電エネルギーを売電することが可能な情報処理方法等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、複数の施設に設けられた太陽光パネルにより発電された電力が充電された複数の蓄電池をユーザに貸与し、位置検出モジュール、充電状態検出モジュール、及び、通信モジュールを含むデータロガーを有する前記蓄電池のユーザへの貸与情報を記憶部に記憶し、貸与中の前記蓄電池の前記データロガーにより得られる前記蓄電池の位置及び充電状態を、前記蓄電池を貸与中のユーザに対応付けて前記記憶部に記憶し、前記複数の施設に設けられた太陽光パネル以外の太陽光パネルにより発電された電力が前記貸与中の蓄電池に充電された場合に、前記データロガーにより得られる充電状態を、前記貸与中のユーザに対応付けて記憶する処理をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、コストの増加を招くことなく、太陽光発電エネルギーを売電することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システムの構成例を示す説明図である。
図2】管理サーバ及びユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
図3】充電装置及び蓄電池ユニットの構成例を示すブロック図である。
図4】会員DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図5】施設DB及び蓄電池DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図6】レンタルDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図7】蓄電池ユニットの貸出処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】ユーザ端末の画面例を示す説明図である。
図9】蓄電池ユニットの返却処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10】ユーザ端末の画面例を示す説明図である。
図11】蓄電池ユニットの情報の登録処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】レンタル状況の提供処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】ユーザ端末の画面例を示す説明図である。
図14】蓄電池ユニットの情報を提示する画面例を示す説明図である。
図15】実施形態2の施設DB及び蓄電池DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図16】実施形態2の入力画面例を示す説明図である。
図17】インセンティブの特定処理手順の一例を示すフローチャートである。
図18】実施形態4の貸出処理手順の一例を示すフローチャートである。
図19】会員情報の提供処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の情報処理方法及び情報処理システムについて実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
図1は情報処理システムの構成例を示す説明図である。本実施形態では、複数の施設に設置されている太陽光パネル50によって発電された電力が充電された蓄電池ユニット40の貸与(レンタル)を行う情報処理システム100について説明する。本実施形態において、太陽光パネル50が設置されている施設は、商業施設、テーマパーク、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、動物園、水族館、植物園、美術館、博物館等、蓄電池ユニット40の貸与を受けるユーザが立ち寄り易い施設が好ましい。しかし、太陽光パネル50が設置されている施設は上述した施設に限定されず、各種の工場、太陽光パネル50のみが設置されている太陽光発電施設、メガソーラー等であってもよく、個人の自宅であってもよい。また、太陽光パネル50は、各施設の建物の屋上又は屋根等に設置されたものであってもよく、駐車場又は空きスペース等に設置されたものであってもよい。更に、太陽光パネル50は、廃棄対象となった太陽光パネルから使用可能なパネルを抽出し、使用可能なパネルを再構成することによって生成されたリユースパネル(再使用パネル)を一部又は全部に含んでいてもよい。なお、太陽光パネル50は複数のモジュールで構成されており、各モジュールは複数のセルで構成されている。従って、太陽光パネルは、パネル単位だけでなく、モジュール単位又はセル単位での再使用が可能であり、リユースパネルは、それぞれ抽出された使用可能なパネル、モジュール及びセルを再構成することによって生成されていてもよい。
【0011】
本実施形態の情報処理システム100は、複数の施設のそれぞれに設けられた太陽光パネル50、太陽光パネル50によって発電された電力を蓄電池ユニット40に充電する充電装置30、蓄電池ユニット40の充電状況及びレンタル状況を管理する管理サーバ10、及びユーザ端末20等を含む。管理サーバ10、ユーザ端末20及び充電装置30は、インターネット、公衆回線網又は専用回線網等のネットワークNに接続され、ネットワークNを介して情報の送受信を行う。また、蓄電池ユニット40もネットワークNに接続できるように構成されており、ネットワークNを介して情報の送信を行う。
【0012】
本実施形態では、太陽光パネル50及び充電装置30が設置されている施設において、充電装置30で充電された蓄電池ユニット40の貸出及び返却が充電装置30を介して行われる構成を例に説明する。これにより、充電装置30は、蓄電池ユニット40をユーザに貸与する貸与装置として機能する。しかし、このような構成に限定されない。例えば、充電装置30で充電された蓄電池ユニット40を、施設近傍のコンビニエンスストア及びスーパーマーケット等の他の施設に配送し、他の施設において貸出及び返却が行われる構成でもよい。
【0013】
管理サーバ10は、種々の情報処理及び情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータを用いて構成される。管理サーバ10は、複数台設けられて分散処理する構成でもよく、1台の装置内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されてもよく、クラウドサーバを用いて実現されてもよい。ユーザ端末20は、蓄電池ユニット40のレンタルを受けるユーザが使用する端末であり、複数台設けられている。ユーザ端末20は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機等の情報処理装置を用いて構成される。
【0014】
太陽光パネル50は、太陽光を電気エネルギーに変換する装置である。なお、太陽光パネル50は、可視光線を電気エネルギーに変換する構成に限定されず、紫外線又は赤外線を電気エネルギーに変換する構成でもよい。充電装置30は、蓄電池ユニット40の着脱が可能な挿入穴40aを複数有しており、それぞれの挿入穴40aの内部に、各挿入穴40aに装着された蓄電池ユニット40に太陽光パネル50で発電された電力を充電する充電器34a(図3参照)が設けられている。蓄電池ユニット40は、充電装置30の挿入穴40aに着脱可能に構成されており、蓄電池ユニット40及び充電器34aの規格は1つに統一されていてもよく、複数あってもよい。1つの規格に統一されている場合、全ての蓄電池ユニット40は同じ形状に構成され、充電装置30には同じ形状の挿入穴40aが設けられ、各挿入穴40aには同じ規格の充電器34aが設けられる。複数の規格の蓄電池ユニット40及び充電器34aが用いられる場合、各蓄電池ユニット40は各規格に従った形状に構成され、充電装置30には各規格に従った形状の挿入穴40aが設けられ、各挿入穴40aには各規格の充電器34aが設けられる。蓄電池ユニット40及び充電器34aの規格が複数ある場合、充電装置30に設けられる挿入穴40a及び充電器34aの規格及び各規格の挿入穴40a及び充電器34aの数は、充電装置30が設置される施設毎に異ならせてもよい。また、本実施形態では、説明の簡略化のため、蓄電池ユニット40の容量は1種類とする。例えば、1つの蓄電池ユニット40を3kWh~5kWh程度の容量に構成し、ユーザは、所望の容量に相当する個数の蓄電池ユニット40をレンタルするようなシステムとする。なお、蓄電池ユニット40を3kWh~5kWh程度の容量とすることにより、1つの蓄電池ユニット40の重量を軽くして運び易くすることができる。また蓄電池ユニット40は、電気自動車、電動二輪車、電動自転車、電動車椅子、電動フォークリフト、電動の各種機械、予備電源装置等に使用することができる。
【0015】
上述した構成の情報処理システム100において、ユーザは、蓄電池ユニット40のレンタルを開始する場合、ユーザ端末20を用いて、各施設における蓄電池ユニット40のレンタル可能状況を管理サーバ10から取得して確認する。そして、ユーザは、蓄電池ユニット40をレンタルしたい施設(貸出施設、貸与施設)と個数(貸出個数)とを選択し、選択した施設で選択した個数のレンタル開始を管理サーバ10に依頼する。管理サーバ10は、レンタル開始を依頼された場合、例えばユーザが予め登録したクレジットカード決済のための情報、又はスマートフォン決済のための情報に基づいて、蓄電池ユニット40のレンタル料金の精算処理を行い、精算処理が完了した場合、精算処理の完了を示す精算完了情報を、貸出施設に選択された施設の充電装置30に送信する。充電装置30は、精算完了情報を受信した場合、例えば各挿入穴40aからの蓄電池ユニット40の取り外しをロックするロック装置を解除する。これにより、ユーザは、レンタル開始を依頼した施設の充電装置30から、蓄電池ユニット40を取り外してレンタルを開始できる。蓄電池ユニット40が取り外された場合、充電装置30は、取り外された蓄電池ユニット40、即ちレンタルが開始された蓄電池ユニット40の情報を管理サーバ10へ送信する。これにより、管理サーバ10は、蓄電池ユニット40のレンタル開始を管理できる。
【0016】
ユーザは、レンタル中の蓄電池ユニット40を返却する場合、ユーザ端末20を用いて、各施設の充電装置30における蓄電池ユニット40の返却可能状況を管理サーバ10から取得して確認する。そして、ユーザは、蓄電池ユニット40の返却が可能な充電装置30の設置場所に行き、空き状態(即ち、返却可能状態)の挿入穴40aに蓄電池ユニット40を装着して返却する(レンタルを終了する)。充電装置30は、空き状態の充電器34aに蓄電池ユニット40が接続された場合、蓄電池ユニット40の返却を示す返却情報を管理サーバ10に送信する。管理サーバ10は、充電装置30から返却情報を受信することにより、返却された蓄電池ユニット40及び返却場所の施設を取得でき、レンタル終了を管理できる。このとき、充電装置30は、返却された蓄電池ユニット40が挿入穴40aから取り外されないようにロック装置にてロックしてもよい。また、管理サーバ10は、レンタルが終了した時点で、例えばユーザが予め登録したクレジットカード決済のための情報、又はスマートフォン決済のための情報に基づいて、蓄電池ユニット40のレンタル料金の精算処理を行ってもよい。
【0017】
本実施形態の情報処理システム100では、上述した処理のほかに、例えば管理サーバ10は、各蓄電池ユニット40の充電状況を収集する処理を行う。また、ユーザ端末20は、ユーザの蓄電池ユニット40のレンタル状況をサーバ10から取得する処理等を行う。なお、本実施形態では、蓄電池ユニット40のレンタル状況及び充電状況を管理サーバ10で蓄積して管理するが、複数のノードにより構成された分散型台帳技術又は分散型ネットワークであるブロックチェーンによって管理されてもよい。
【0018】
図2は管理サーバ10及びユーザ端末20の構成例を示すブロック図である。管理サーバ10は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読み取り部16等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、又はGPU(Graphics Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶してあるプログラム12Pを適宜実行することにより、管理サーバ10が行うべき種々の情報処理及び制御処理を行う。
【0019】
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、制御部11が実行するプログラム12P(プログラム製品)及びプログラム12Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。また記憶部12は、制御部11がプログラム12Pを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。また記憶部12(第1記憶部、第2記憶部)は、後述する会員DB12a、施設DB12b、蓄電池DB12c、レンタルDB12dを記憶している。会員DB12a、施設DB12b、蓄電池DB12c及びレンタルDB12dは、管理サーバ10に接続された他の記憶装置に記憶されてもよく、管理サーバ10が通信可能な他の記憶装置に記憶されてもよい。また、会員DB12a、施設DB12b、蓄電池DB12c及びレンタルDB12dは、ブロックチェーンに記憶されてもよく、この場合、ブロックチェーンのシステムが維持し続ける限り改ざんを抑制できる。
【0020】
通信部13は、有線通信又は無線通信によってネットワークNに接続するための通信モジュールであり、ネットワークNを介して他の装置との間で情報の送受信を行う。入力部14は、管理サーバ10の操作者による操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部11へ送出する。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部11からの指示に従って各種の情報を表示する。入力部14及び表示部15は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0021】
読み取り部16は、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード等を含む可搬型記憶媒体10aに記憶された情報を読み取る。記憶部12に記憶されるプログラム12P及び各種のデータは、制御部11が読み取り部16を介して可搬型記憶媒体10aから読み取って記憶部12に記憶してもよく、制御部11が通信部13を介して他の装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。
【0022】
ユーザ端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、表示部25、読み取り部26等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。ユーザ端末20の制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、表示部25、読み取り部26のそれぞれは、管理サーバ10の制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読み取り部16と同様の構成であるので詳細な説明は省略する。なお、ユーザ端末20の記憶部22は、制御部21が実行するプログラム22Pに加え、蓄電池ユニット40のレンタルを行うためのアプリケーションプログラム(以下では蓄電池レンタルアプリ22APという)を記憶している。
【0023】
図3は充電装置30及び蓄電池ユニット40の構成例を示すブロック図である。充電装置30は、制御部31、記憶部32、通信部33、充電部34、着脱検知部35、入力部36、表示部37、決済処理部38等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。充電装置30の制御部31、記憶部32、通信部33、入力部36、表示部37のそれぞれは、管理サーバ10の制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15と同様の構成であるので詳細な説明は省略する。なお、充電装置30の表示部37は、LED(Light Emitting Diode)パネルで構成されていてもよい。
【0024】
充電部34は、それぞれの挿入穴40aに設けられた複数の充電器34aを有しており、各充電器34aは、挿入穴40aに装着された蓄電池ユニット40の蓄電池41と接続し、太陽光パネル50によって発電された電力を蓄電池41に充電する。着脱検知部35は、各充電器34aに対して蓄電池ユニット40の接続又は非接続を検知し、又は、各挿入穴40aに対して蓄電池ユニット40の挿入又は取り外しを検知する。着脱検知部35は、例えば各充電器34aによる蓄電池ユニット40(蓄電池41)への充電を検知した場合、当該充電器34aに対する蓄電池ユニット40の接続を検知し、蓄電池ユニット40への充電を検知しない場合、当該充電器34aに対する蓄電池ユニット40の非接続を検知する。また、着脱検知部35は、例えば各挿入穴40a内の蓄電池ユニット40の有無を検知し、蓄電池ユニット40が有ることを検知した場合、当該挿入穴40aに対する蓄電池ユニット40の挿入を検知し、蓄電池ユニット40を検知しない場合、当該挿入穴40aに対する蓄電池ユニット40の取り外しを検知する。着脱検知部35は、充電器34a又は挿入穴40aに対する蓄電池ユニット40の着脱を検知した場合、着脱された蓄電池ユニット40の蓄電池IDを取得する構成を有する。これにより、着脱検知部35は、充電装置30に対して着脱された蓄電池ユニット40を把握できる。なお、着脱検知部35は、各充電器34a又は各挿入穴40aに対する蓄電池ユニット40の着脱を検知できれば、どのようなセンサが用いられてもよい。
【0025】
決済処理部38は、蓄電池ユニット40のレンタル料金を現金で精算する決済処理を行う現金処理部、電子マネーで精算する決済処理を行う電子マネーリーダライタ等を含む。現金処理部は、例えばコインメカニズム及びビルバリデータ等を含み、現金投入口から投入された現金(硬貨及び紙幣)の金種(金額)及び枚数を判別し、レンタル料金を差し引いた残金を釣り銭として排出する。電子マネーリーダライタは、電子マネーカードにチャージされた電子マネーを読み取ると共に、レンタル料金を差し引いた決済後の電子マネーを書き込む処理を行う。
【0026】
充電装置30において、入力部36及び決済処理部38は必須ではない。例えばレンタル料金を、ユーザが予め登録したクレジットカード又はスマートフォンで精算する構成の場合、ユーザ端末20を介してクレジットカード決済又はスマートフォン決済の実行を管理サーバ10に要求することによって精算処理が完了する。従って、このような構成の場合、決済処理部38が設けられていなくてもよい。また、蓄電池ユニット40のレンタル開始をユーザ端末20を用いて管理サーバ10に要求する構成の場合、ユーザは充電装置30を操作する必要はない。従って、このような構成の場合、入力部36が設けられていなくてもよい。また、充電装置30には、挿入穴40aに装着された蓄電池ユニット40の盗難を防止するために、各挿入穴40aにロック装置が設けられていてもよい。
【0027】
蓄電池ユニット40は、蓄電池41及びデータロガー42を含む。蓄電池41は、鉛蓄電池、リチウムイオン蓄電池等、どのような二次電池でもよい。また、蓄電池41は、廃棄対象となった蓄電池に対して再生処理を行った再生バッテリ(再生蓄電池)を一部又は全部に含んでいてもよい。なお、蓄電池41(電池パック)は複数のモジュールで構成されており、各モジュールは複数のセルで構成されている。従って、蓄電池は、電池パック単位だけでなく、モジュール単位又はセル単位での再生が可能であり、再生バッテリは、再生処理が行われた電池パック、モジュール及びセルを再構成することによって生成されていてもよい。例えば蓄電池41が、CNT(カーボンナノチューブ)を電極に使用した蓄電池である場合、CNT分散液を用いた再生処理が可能であり、劣化した蓄電池41を、電池パック単位、モジュール単位、又はセル単位で再生させることができる。
【0028】
データロガー42は、制御部43、残量計測部44、測位部45、通信部46を有する。制御部43は、CPU、ROM、RAM等を有し、ROMには、データロガー42が備える各部の動作を制御するための制御プログラム等が記憶されている。制御部43内のCPUは、ROMに記憶されている制御プログラムをRAMに読み出して実行することにより、データロガー42が行うべき情報処理及び制御処理を行う。制御部43内のRAMには、CPUによる演算の実行中に発生するデータが一時的に記憶される。制御部43は、日時情報を出力する時計を更に備えていてもよい。
【0029】
残量計測部44は、蓄電池41に充電されている電力量(電池の残量)を計測する充電状態検出モジュールである。測位部45は、蓄電池ユニット40の現在位置を示す測位データ(例えば緯度、経度、高度等のデータ)を取得する位置検出モジュールである。測位部45は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機を有し、GPS衛星から送信されるGPS信号をGPS受信機にて受信し、受信したGPS信号に基づいて現在位置を示す測位データを生成する。通信部46は、無線通信によってネットワークNに接続するための通信モジュールであり、ネットワークN経由で管理サーバ10に対して、蓄電池ユニット40の状態を示す情報を送信する。
【0030】
データロガー42は、定期的に、残量計測部44によって蓄電池41の残量を計測し、測位部45によって現在位置を取得し、蓄電池41の残量及び現在位置を通信部46にて管理サーバ10へ送信するように構成されている。これにより、管理サーバ10は、各蓄電池ユニット40における充電状況及び位置情報をリアルタイムで管理できる。なお、通信部46は、ネットワークNに接続する構成のほかに、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fiによる無線通信を行う構成でもよい。この場合、充電装置30及びユーザ端末20も、Bluetooth又はWi-Fiによる無線通信を行うように構成しておく。このような構成とした場合、データロガー42が取得した蓄電池41の残量及び位置情報が、通信部46によって充電装置30又はユーザ端末20へ送信され、充電装置30又はユーザ端末20によって管理サーバ10へ送信されるように構成できる。具体的には、蓄電池ユニット40が充電装置30で充電中の場合、蓄電池41の残量及び位置情報は、充電装置30経由で管理サーバ10へ送信され、蓄電池ユニット40がレンタル中である場合、蓄電池41の残量及び位置情報は、ユーザ端末20経由で管理サーバ10へ送信されるように構成できる。このような構成であっても、管理サーバ10は、蓄電池41の残量及び位置情報をリアルタイムで管理できる。
【0031】
図4は会員DB12aのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。会員DB12aは、本実施形態の情報処理システム100を利用して蓄電池ユニット40をレンタルするために会員登録したユーザ(会員)の情報を記憶するデータベースである。図4に示す会員DB12aは、会員ID列、氏名列、ユーザ情報列、レンタル履歴列等を含み、会員IDに対応付けて会員に関する各種の情報を記憶する。会員ID列は、各会員に固有に割り当てられた識別情報(会員ID)を記憶する。氏名列は会員の氏名を記憶し、ユーザ情報列はユーザ(会員)の連絡先等の個人情報、会員の年齢及び性別等の属性情報を含むユーザ情報を記憶する。なお、会員がレンタル料金の精算方法としてクレジットカード決済又はスマートフォン決済等を登録している場合、決済処理に用いる決済情報(クレジットカード決済のための情報又はスマートフォン決済のための情報)をユーザ情報に含めて会員DB12aに記憶してもよい。
【0032】
レンタル履歴列は、会員による蓄電池ユニット40のレンタルに関する情報を記憶する。例えばレンタル履歴列は、蓄電池ID列、貸出日時列、貸出施設列、返却日時列、返却施設列、使用電力量列、レンタル料金列等を含む。蓄電池ID列は、各蓄電池ユニット40に固有に割り当てられた識別情報(蓄電池ID)を記憶する。貸出日時列は、会員が蓄電池ユニット40のレンタルを開始した日時、即ち蓄電池ユニット40の貸出日時を記憶し、貸出施設列は、会員が当該蓄電池ユニット40を借りた施設の識別情報(施設ID)を記憶する。返却日時列は、会員がレンタル中の蓄電池ユニット40のレンタルを終了した日時、即ち蓄電池ユニット40の返却日時を記憶し、返却施設列は、会員が当該蓄電池ユニット40を返却した施設の識別情報を記憶する。使用電力量列は、当該蓄電池ユニット40のレンタル中に使用された電力量を記憶し、レンタル料金列は、使用電力量に応じて会員が支払ったレンタル料金を記憶する。このような構成により、会員DB12aによって、各会員の蓄電池ユニット40のレンタル状況を管理できる。なお、会員DB12aは図4に示す構成に限定されない。
【0033】
図5は施設DB12b及び蓄電池DB12cのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。施設DB12bは、充電装置30及び太陽光パネル50が設置してある施設の情報を記憶するデータベースである。図5Aに示す施設DB12bは、施設ID列、施設名列、施設情報列、レンタル可能な蓄電池数列、充電中の蓄電池数列、充電可能な充電器数列等を含み、施設IDに対応付けて施設に関する各種の情報を記憶する。施設ID列は、各施設に固有に割り当てられた識別情報(施設ID)を記憶する。施設名列は施設の名称を記憶し、施設情報列は施設の場所、種類、取扱商品、営業時間等の施設に関する情報を記憶する。レンタル可能な蓄電池数列は、各施設でレンタル可能な蓄電池ユニット40の数であり、具体的には、各施設に設置された充電装置30に装着されている蓄電池ユニット40のうちで、充電が完了してレンタル可能な状態である蓄電池ユニット40の数を記憶する。充電中の蓄電池数列は、各施設で充電中の蓄電池ユニット40の数であり、具体的には、各施設の充電装置30に装着されている蓄電池ユニット40のうちで、充電が完了していない蓄電池ユニット40の数を記憶する。充電可能な充電器数列は、各施設で充電可能な充電器34aの数であり、具体的には、各施設の充電装置30の充電器34aのうちで、空き状態の充電器34aの数を記憶する。このような構成により、施設DB12bによって、各施設においてレンタル可能な蓄電池ユニット40の数及び空き状態の充電器34aの数を管理できる。なお、施設DB12bは図5Aに示す構成に限定されない。
【0034】
蓄電池DB12cは、本実施形態の情報処理システム100におけるレンタル対象の蓄電池ユニット40の情報を記憶するデータベースである。図5Bに示す蓄電池DB12cは、蓄電池ID列、蓄電池情報列、ステータス列、位置情報列、電池残量列、充電履歴列等を含み、蓄電池IDに対応付けて蓄電池ユニット40に関する各種の情報を記憶する。蓄電池ID列は、各蓄電池ユニット40に固有に割り当てられた識別情報(蓄電池ID)を記憶する。蓄電池情報列は、蓄電池ユニット40のメーカ、電池容量、種類等、蓄電池ユニット40に関する情報を記憶する。ステータス列は、蓄電池ユニット40の現在の状態を示すステータス情報を記憶する。ステータス情報は、レンタル可能な状態を示す「レンタル可能」、充電中の状態を示す「充電中」、レンタル中の状態を示す「レンタル中」、故障状態を示す「故障中」等を含む。またステータス情報は、蓄電池ユニット40の現在位置を示す情報を含む。例えばステータスがレンタル可能である場合、ステータス情報は、当該蓄電池ユニット40のレンタルが可能な施設の施設IDを含む。また、ステータスが充電中である場合、ステータス情報は、当該蓄電池ユニット40を充電中の施設(充電装置30の設置施設)の施設IDを含む。また、ステータスがレンタル中である場合、ステータス情報は、当該蓄電池ユニット40のレンタル中の会員の会員IDを含んでもよい。位置情報列は、蓄電池ユニット40のデータロガー42から定期的に送信されてくる蓄電池ユニット40の位置情報を記憶し、電池残量列は、データロガー42から定期的に送信されてくる蓄電池ユニット40の電池残量を記憶する。データロガー42は、位置情報及び電池残量を計測日時に対応付けて送信するので、位置情報列には日時と位置情報とが対応付けて記憶され、電池残量列には日時と電池残量とが対応付けて記憶される。
【0035】
充電履歴列は、蓄電池ユニット40に対する充電処理に関する情報を記憶する。例えば充電履歴列は、充電場所列、開始日時列、終了日時列、充電量列等を含む。充電場所列は、蓄電池ユニット40に対する充電処理を行った充電場所の情報を記憶する。充電場所の情報は、例えば充電装置30に固有に割り当てられた充電装置IDであってもよく、当該充電装置30の設置施設の施設IDであってもよい。また、蓄電池ユニット40に対する充電は、レンタル中に会員の自宅等で行われてもよく、この場合、充電場所の情報として、会員の会員ID、又は充電場所を示す位置情報等が充電場所列に記憶されてもよい。充電場所を示す位置情報は、例えば経度及び緯度の座標値、あるいは住所であってもよく、場所を特定できる情報であればどのような情報でもよい。開始日時列は充電が開始された日時を記憶し、終了日時列は充電が終了した日時を記憶し、充電量列は、開始日時から終了日時までの時間に充電された電力量を記憶する。このような構成により、蓄電池DB12cによって、各蓄電池ユニット40の現在の状況及び充電の実行状況を管理できる。なお、蓄電池DB12cは図5Bに示す構成に限定されない。
【0036】
図6はレンタルDB12dのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。レンタルDB12dは、各蓄電池ユニット40のレンタル状況に関する情報(蓄電池のユーザへの貸与情報)を記憶するデータベースである。図6に示すレンタルDB12dは、蓄電池ID列、レンタル履歴等を含み、蓄電池IDに対応付けて蓄電池ユニット40のレンタル内容に関する各種の情報を記憶する。例えばレンタル履歴列は、利用者情報列、貸出日時列、貸出施設列、返却日時列、返却施設列、使用電力量列、レンタル料金列等を含む。利用者情報列は、蓄電池ユニット40をレンタルした会員の会員IDを記憶し、貸出日時列は、当該会員が蓄電池ユニット40のレンタルを開始した日時(貸出日時)を記憶し、貸出施設列は、当該会員が蓄電池ユニット40を借りた施設の施設IDを記憶する。返却日時列は、当該会員がレンタル中の蓄電池ユニット40のレンタルを終了した日時(返却日時)を記憶し、返却施設列は、当該会員が蓄電池ユニット40を返却した施設の施設IDを記憶する。使用電力量列は、蓄電池ユニット40のレンタル中に使用された電力量を記憶し、レンタル料金列は、使用電力量に応じて会員が支払ったレンタル料金を記憶する。このような構成により、レンタルDB12dによって、各蓄電池ユニット40のレンタル状況を管理できる。なお、レンタルDB12dは図6に示す構成に限定されない。例えば、本実施形態では、蓄電池DB12cによって各蓄電池ユニット40の位置情報(現在位置)及び電池残量(現在の残量)を管理し、レンタルDB12dによって各蓄電池ユニット40をレンタル中の会員情報を管理することにより、各会員と各会員がレンタル中の蓄電池ユニット40の情報とを対応付けて管理している。このような構成のほかに、レンタルDB12dに各蓄電池ユニット40の位置情報及び電池残量を記憶させることによって、各会員がレンタル中の蓄電池ユニット40の情報を管理してもよい。
【0037】
以下に、本実施形態の情報処理システム100において、ユーザ(会員)が蓄電池ユニット40をレンタルする際に各装置が行う処理についてフローチャートに基づいて説明する。図7は蓄電池ユニット40の貸出処理手順の一例を示すフローチャート、図8はユーザ端末20の画面例を示す説明図である。図7では左から順にユーザ端末20、管理サーバ10及び充電装置30が行う処理を示す。以下の処理は、ユーザ端末20の制御部21が記憶部22に記憶してあるプログラム22P及び蓄電池レンタルアプリ22APに従って行い、管理サーバ10の制御部11が記憶部12に記憶してあるプログラム12Pに従って行い、充電装置30の制御部31が記憶部32に記憶してあるプログラムに従って行う。以下の処理の一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
【0038】
本実施形態の情報処理システム100において、蓄電池ユニット40をレンタルしたいユーザ(会員)は、自身のユーザ端末20に蓄電池レンタルアプリ22APを起動させる。ユーザ端末20の制御部21は、入力部24を介して蓄電池レンタルアプリ22APの起動指示を受け付けた場合、蓄電池レンタルアプリ22APを起動させ、蓄電池ユニット40をレンタルする施設を検索するためのアプリ画面を表示部25に表示する。ここでの画面は、例えば図8Aに示すように、蓄電池ユニット40を借りたい施設(貸出施設)を選択するための画面であり、「現在地から検索」ボタン、「施設名から検索」ボタン、「住所から検索」ボタン、「地図から検索」ボタンが設けられている。図8Aに示す画面において、「現在地から検索」ボタンが操作された場合、制御部21は、ユーザ端末20に設けられている測位部(図示せず)によって現在位置を取得し、取得した現在位置から所定範囲内(例えば1km圏内)にある貸出施設の情報を管理サーバ10から取得する。そして制御部21は、取得した貸出施設の情報を選択候補一覧として表示部25に表示し、任意の貸出施設に対する選択を入力部24を介してユーザから受け付ける。また、「施設名から検索」ボタンが操作された場合、制御部21は、施設名の入力欄又は選択欄を有する選択画面を表示部25に表示し、施設名の入力又は選択を受け付けた場合、入力又は選択された施設名の貸出施設の情報を管理サーバ10から取得する。そして制御部21は、取得した貸出施設の情報を選択候補一覧として表示部25に表示し、任意の貸出施設に対する選択をユーザから受け付ける。また、「住所から検索」ボタンが操作された場合、制御部21は、住所の入力欄又は選択欄を有する選択画面を表示部25に表示し、住所の入力又は選択を受け付けた場合、入力又は選択された住所の近傍の貸出施設の情報を管理サーバ10から取得する。そして制御部21は、取得した貸出施設の情報を選択候補一覧として表示部25に表示し、任意の貸出施設に対する選択をユーザから受け付ける。更に、「地図から検索」ボタンが操作された場合、制御部21は、例えばデフォルト設定された位置の周囲(例えば1km圏内)の地図を表示部25に表示すると共に、この地図上にある貸出施設を選択候補として地図上にプロットし、地図上の任意の貸出施設に対する選択をユーザから受け付ける。このような処理により、ユーザ端末20の制御部21は、アプリ画面を介して、ユーザが蓄電池ユニット40を借りたい貸出施設の選択を受け付ける(S11)。
【0039】
次に制御部21は、蓄電池ユニット40の貸出内容を入力するための入力画面を表示部25に表示する。ここでの入力画面は、例えば図8Bに示すように、図8Aの画面等を介して選択された貸出施設の情報(例えば施設名)を表示すると共に、蓄電池ユニット40の貸出個数の入力欄と、支払方法の選択ボタンとが設けられている。図8Bに示す画面では、貸出個数の入力欄に、選択可能な数値から任意の1つを選択できるプルダウンメニューが設けられている。また、支払方法の選択ボタンは、現金ボタン、クレジットカード決済ボタン、電子マネーボタン、スマートフォン決済ボタンを含む。ユーザが、入力画面を介して貸出個数及び支払方法を入力(選択)して「借りる」ボタンを操作することにより、ユーザ端末20の制御部21は、入力部24を介して、ユーザがレンタルしたい蓄電池ユニット40の個数及び支払方法(貸出内容)の入力を受け付ける(S12)。
【0040】
制御部21は、貸出内容を受け付けた場合、貸出内容を管理サーバ10へ送信する(S13)。具体的には、制御部21は、会員の会員ID、貸出施設の施設ID、貸出個数、及び支払方法(決済方法)を含み、蓄電池ユニット40のレンタルを要求するリクエスト信号を管理サーバ10に送信する。管理サーバ10の制御部11は、ユーザ端末20からリクエスト信号を受信した場合、リクエスト信号に含まれる貸出施設の施設ID及び貸出個数に基づいて、当該貸出施設においてレンタル可能な蓄電池ユニット40の有無を判定する(S14)。具体的には、制御部11は、施設DB12bから、リクエスト信号に含まれる施設IDの施設におけるレンタル可能な蓄電池数を読み出し、読み出した蓄電池数が、リクエスト信号に含まれる貸出個数以上であるか否かを判断する。制御部11は、レンタル可能な蓄電池数が貸出個数以上であると判断した場合、レンタル可能な蓄電池ユニット40が有ると判定し、レンタル可能な蓄電池数が貸出個数未満であると判断した場合、レンタル可能な蓄電池ユニット40が無いと判定する。制御部11は、判定結果をユーザ端末20に通知する(S15)。なお、制御部11は、レンタル可能な蓄電池ユニット40が有ると判定した場合、貸出個数の蓄電池ユニット40のレンタルを予約する処理を行って、他の会員にレンタルされないように構成されていてもよい。
【0041】
ユーザ端末20の制御部21は、管理サーバ10から通知された判定結果を表示部25に表示する(S16)。管理サーバ10でレンタル可能な蓄電池ユニット40が有ると判定された場合、制御部21は、図8Cに示すように、蓄電池ユニット40のレンタルが可能であることを通知するメッセージ(貸与可能な蓄電池に関する情報)を表示する。この場合、ユーザは、図8Aの画面で選択した貸出施設の充電装置30から、貸出個数の蓄電池ユニット40を取り外してレンタルを開始する。一方、管理サーバ10でレンタル可能な蓄電池ユニット40が無いと判定された場合、制御部21は、図8Dに示すように、レンタル可能な蓄電池ユニット40が無いことを通知するメッセージを表示する。この場合、ユーザは、例えば図8Aの画面に戻り、貸出施設の選択からやり直す。
【0042】
本実施形態において、レンタル料金を蓄電池ユニット40の貸出時に徴収する構成の場合、管理サーバ10の制御部11は、貸出施設におけるレンタル可能な蓄電池ユニット40の有無の判定と共に、リクエスト信号に含まれる会員ID及び支払方法に基づいて精算処理(決済処理)を行ってもよい。例えばクレジットカード決済又はスマートフォン決済が選択されている場合、制御部11は、会員IDのユーザの決済情報を会員DB12aから読み出し、読み出した決済情報に基づく決済処理を実行する。例えば制御部11は、所定のレンタル料金と決済情報とを決済用サーバ(図示せず)へ送信し、決済用サーバで行われた決済処理の結果(決済完了又は決済失敗)を取得する。制御部11は、決済用サーバから決済完了を取得した後、ステップS17の処理を実行する。なお、レンタル料金は蓄電池ユニット40の返却時に精算される構成でもよく、この場合、貸出時に決済処理を行う必要はない。
【0043】
制御部11は、ユーザ端末20から受信した貸出内容を充電装置30へ送信する(S17)。ここでは、制御部11は、受信した施設IDの施設に設けられている充電装置30の宛先情報を、例えば施設DB12bの記憶内容から特定し、特定した宛先情報を用いて、貸出個数を含む貸出内容を充電装置30に送信する。充電装置30の制御部31は、管理サーバ10から貸出内容を受信した場合(S18)、着脱検知部35によって蓄電池ユニット40の取り外しを検知したか否かを判断する(S19)。なお、充電装置30の各挿入穴40aにロック装置が設けられている場合、制御部31は、ロック装置を解除した後に、着脱検知部35によって蓄電池ユニット40の取り外しを検知したか否かを判断する。蓄電池ユニット40の取り外しを検知していないと判断した場合(S19:NO)、制御部31は、蓄電池ユニット40が取り外されるまで待機する。蓄電池ユニット40の取り外しを検知したと判断した場合(S19:YES)、制御部31は、管理サーバ10から受信した貸出内容(貸出個数)に、充電装置30から取り外された蓄電池ユニット40の個数が合致(一致)するか否かを判断する(S20)。具体的には、制御部31は、貸出個数の蓄電池ユニット40が充電装置30から取り外されたか否かを判断する。
【0044】
制御部31は、充電装置30から取り外された蓄電池ユニット40の個数が貸出内容に合致しないと判断した場合(S20:NO)、アラートを出力する(S24)。例えば、充電装置30から取り外された蓄電池ユニット40の個数が貸出個数未満である場合、制御部31は、レンタルされた蓄電池ユニット40の数が貸出個数よりも少ないことを通知するメッセージを表示部37に表示する。また、充電装置30から取り外された蓄電池ユニット40の個数が貸出個数よりも多い場合、制御部31は、レンタルされた蓄電池ユニット40の数が貸出個数よりも多いことを通知するメッセージを表示部37に表示する。なお、充電装置30から取り外された蓄電池ユニット40の個数が貸出個数よりも多い場合、制御部31は、管理サーバ10又は所定の端末に、蓄電池ユニット40の盗難を通知するように構成されていてもよい。充電装置30がランプ又はスピーカを有する場合、制御部31は、ランプの点灯又は点滅、あるいは、スピーカからの警告音又は警告メッセージの出力によって、ユーザ又は充電装置30の近傍に居る人に警告又は通知する構成でもよい。
【0045】
制御部31は、アラート出力後、ステップS20の処理に戻り、充電装置30から取り外された蓄電池ユニット40の個数が貸出内容に合致するか否かを再度判断する。充電装置30から取り外された蓄電池ユニット40の個数が貸出内容に合致すると判断した場合(S20:YES)、制御部31は、取り外されてレンタルされた蓄電池ユニット40の情報を管理サーバ10へ送信する(S21)。ここでは、制御部31は、貸出個数、充電装置30から取り外された蓄電池ユニット40の蓄電池ID、貸出施設の施設IDを含むレンタル情報を管理サーバ10へ送信する。
【0046】
管理サーバ10の制御部11は、充電装置30から受信したレンタル情報に基づいて、貸し出された蓄電池ユニット40に対するレンタル情報をレンタルDB12dに記憶する(S22)。具体的には、制御部11は、レンタル情報に含まれる蓄電池IDに対応付けて、ユーザ端末20から受信した会員IDを利用者情報列に、現在日時を貸出日時列に、貸出施設の施設IDを貸出施設列にそれぞれ記憶する。これにより、各蓄電池ユニット40のレンタル開始に関する情報がレンタルDB12dで管理される。また、制御部11は、受信したレンタル情報に基づいて、ユーザによる蓄電池ユニット40のレンタル情報を会員DB12aに記憶する(S23)。ここでは制御部11は、会員IDに対応付けて、レンタル情報に含まれる蓄電池IDを蓄電池ID列に、現在日時を貸出日時列に、貸出施設の施設IDを貸出施設列にそれぞれ記憶する。これにより、各ユーザによる蓄電池ユニット40のレンタル開始に関する情報が会員DB12aで管理される。なお、制御部11は、上述した処理後、蓄電池DB12cにおいて、レンタル情報に含まれる蓄電池IDに対応するステータス情報として、例えば「レンタル中」を記憶する。これにより貸し出された蓄電池ユニット40のステータスを「レンタル中」として管理できる。また、制御部11は、施設DB12bにおいて、当該充電装置30が設置してある施設の施設IDに対応するレンタル可能な蓄電池数を、貸出個数を減算した個数に更新し、充電可能な充電器数を、貸出個数を加算した個数に更新する。これにより、各施設に設けられた充電装置30において、レンタル可能な蓄電池ユニット40の数と、充電可能な充電器34aの数とをリアルタイムで管理できる。充電可能な充電器34aの数は、レンタル中の蓄電池ユニット40の返却可能な個数を意味する。
【0047】
上述した処理において、レンタル料金を蓄電池ユニット40の貸出時に徴収する構成であり、図8Bに示す入力画面を介して現金又は電子マネーの支払方法が選択された場合、ユーザは、蓄電池ユニット40を充電装置30から取り外す前に現金又は電子マネーによってレンタル料金の支払を行う。この場合、充電装置30の制御部31は、ステップS18の処理後に、決済処理部38によって現金又は電子マネーによってレンタル料金の精算処理(決済処理)を行い、その後、ステップS19以降の処理を実行する。なお、現金又は電子マネーによってレンタル料金の精算が行われた場合、充電装置30の制御部31は、支払われたレンタル料金を管理サーバ10へ送信する。この場合、管理サーバ10の制御部11は、会員DB12aにおいて、ステップS23で会員DB12aに記憶した会員のレンタル情報に対応付けて、受信したレンタル料金をレンタル料金列に記憶する。このような構成により、蓄電池ユニット40の貸出時に現金又は電子マネーによってレンタル料金が支払われた場合であっても、会員DB12aに、ユーザが支払ったレンタル料金がレンタル情報として記憶される。
【0048】
次に、ユーザがレンタル中の蓄電池ユニット40を返却する際に各装置が行う処理についてフローチャートに基づいて説明する。図9は蓄電池ユニット40の返却処理手順の一例を示すフローチャート、図10はユーザ端末20の画面例を示す説明図である。図9では左から順にユーザ端末20、管理サーバ10及び充電装置30が行う処理を示す。以下の処理においても一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
【0049】
レンタル中の蓄電池ユニット40を返却したいユーザは、自身のユーザ端末20に蓄電池レンタルアプリ22APを起動させる。ここでは、ユーザ端末20の制御部21は、蓄電池レンタルアプリ22APを起動させ、蓄電池ユニット40を返却する施設を検索するためのアプリ画面を表示部25に表示する。ここでの画面は、例えば図10Aに示すように、蓄電池ユニット40を返却したい施設(返却施設)を選択するための画面であり、図8Aに示す画面と同様の構成を有する。制御部21は、アプリ画面を介して、ユーザが蓄電池ユニット40を返却したい返却施設の選択を受け付ける(S31)。
【0050】
次に制御部21は、蓄電池ユニット40の返却内容を入力するための入力画面を表示部25に表示する。ここでの入力画面は、例えば図10Bに示すように、図10Aの画面を介して選択された返却施設の情報(例えば施設名)を表示すると共に、蓄電池ユニット40の返却個数の入力欄が設けられている。ユーザは、入力画面を介して返却個数を入力(選択)してOKボタンを操作することにより、制御部21は、入力部24を介して、ユーザが返却したい蓄電池ユニット40の個数(返却内容)の入力を受け付ける(S32)。制御部21は、返却内容を受け付けた場合、返却内容を管理サーバ10へ送信する(S33)。具体的には、制御部21は、返却施設の施設ID及び返却個数を管理サーバ10に送信する。
【0051】
管理サーバ10の制御部11は、ユーザ端末20から返却施設の施設ID及び返却個数を受信した場合、受信した返却施設の施設ID及び返却個数に基づいて、当該返却施設において空き状態の充電器34a(充電可能な充電器34a)の有無を判定する(S34)。具体的には、制御部11は、施設DB12bから、ユーザ端末20から受信した施設IDの施設における充電可能な充電器数を読み出し、読み出した充電器数が、ユーザ端末20から受信した返却個数以上であるか否かを判断する。制御部11は、充電可能な充電器数が返却個数以上であると判断した場合、空き状態の充電器34aが有ると判定し、充電可能な充電器数が返却個数未満であると判断した場合、空き状態の充電器34aが無いと判定する。制御部11は、判定結果をユーザ端末20に通知する(S35)。なお、制御部11は、空き状態の充電器34aが有ると判定した場合、返却個数の充電器34aを予約する処理を行って、他の会員によって当該充電器34aに対して蓄電池ユニット40が返却されないように構成されていてもよい。
【0052】
ユーザ端末20の制御部21は、管理サーバ10から通知された判定結果を表示部25に表示する(S36)。管理サーバ10で空き状態の充電器34aが有ると判定された場合、制御部21は、図10Cに示すように、蓄電池ユニット40の返却が可能であることを通知するメッセージを表示する。この場合、ユーザは、図10Aの画面で選択した返却施設の充電装置30において、返却個数分の空き状態の挿入穴40aに対して蓄電池ユニット40を挿入して蓄電池ユニット40を返却(レンタルを終了)する。一方、管理サーバ10で空き状態の充電器34aが無いと判定された場合、制御部21は、図10Dに示すように、ユーザが選択した施設では蓄電池ユニット40を返却できないことを通知するメッセージを表示する。この場合、ユーザは、例えば図10Aの画面に戻り、返却施設の選択からやり直す。
【0053】
本実施形態において、レンタル料金を蓄電池ユニット40の返却時に徴収する構成の場合、管理サーバ10の制御部11は、返却施設における空き状態の充電器34aの有無の判定と共に、蓄電池ユニット40の貸出時に指定されていた支払方法に基づく精算処理(決済処理)を行ってもよい。なお、管理サーバ10の制御部11は、後述するように充電装置30から蓄電池ユニット40の返却が通知された後に精算処理を行うように構成されていてもよい。このように精算処理を行った場合、制御部11は、精算したレンタル料金を、会員のレンタル情報として会員DB12aに記憶し、蓄電池ユニット40のレンタル情報としてレンタルDB12dに記憶する。これにより、会員が蓄電池ユニット40をレンタルしたことによるレンタル料金を会員毎及び蓄電池ユニット40毎に管理することができる。
【0054】
充電装置30の制御部31は、着脱検知部35によって空き状態の充電器34aに対する蓄電池ユニット40の装着を検知したか否かを判断しており(S37)、検知していないと判断した場合(S37:NO)、蓄電池ユニット40が装着されるまで待機する。蓄電池ユニット40の装着を検知したと判断した場合(S37:YES)、制御部31は、装着された蓄電池ユニット40(返却された蓄電池ユニット40)の情報を管理サーバ10へ送信する(S38)。ここでは、制御部31は、返却された蓄電池ユニット40の蓄電池ID、返却個数、返却施設の施設IDを含む返却情報を管理サーバ10へ送信する。なお、充電装置30の各挿入穴40aにロック装置が設けられている場合、制御部31は、空き状態の充電器34aに対する蓄電池ユニット40の装着を検知した後に、ロック装置によって、当該蓄電池ユニット40をロックしてもよい。
【0055】
管理サーバ10の制御部11は、充電装置30から受信した返却情報に基づいて、返却された蓄電池ユニット40に対する返却情報をレンタルDB12dに記憶する(S39)。具体的には、制御部11は、返却情報に含まれる蓄電池IDに対応するレンタル中(未返却)のレンタル情報に対して、現在日時を返却日時列に、返却施設の施設IDを返却施設列にそれぞれ記憶する。これにより、各蓄電池ユニット40の返却時の情報がレンタルDB12dで管理される。なお、充電装置30が、返却された蓄電池ユニット40から電池残量を取得する構成である場合、例えば制御部31が、返却された蓄電池ユニット40においてレンタル中に使用された電力量を算出して管理サーバ10に通知してもよい。この場合、管理サーバ10の制御部11は、返却日時及び返却施設の施設IDと共に使用電力量をレンタルDB12dに記憶できる。レンタル中の使用電力量は、満充電での電力量から現在の残量を差し引いた電力量としてもよく、蓄電池ユニット40のデータロガー42によってレンタル中の使用電力量が計測されている場合、充電装置30の制御部31がデータロガー42から使用電力量を取得して管理サーバ10へ送信してもよい。
【0056】
また、制御部11は、受信した返却情報に基づいて、ユーザによる蓄電池ユニット40の返却情報を会員DB12aに記憶する(S40)。ここでは制御部11は、返却情報に含まれる蓄電池IDから、この蓄電池ユニット40をレンタルしていた会員を特定し、特定した会員の会員ID及び蓄電池IDに対応するレンタル情報に対して、現在日時を返却日時列に、返却施設の施設IDを返却施設列にそれぞれ記憶する。これにより、各ユーザによる蓄電池ユニット40の返却時の情報が会員DB12aで管理される。ここでも、制御部11は、充電装置30から、当該蓄電池ユニット40のレンタル中の使用電力量を取得した場合、返却日時及び返却施設の施設IDと共に使用電力量を会員DB12aに記憶する。
【0057】
管理サーバ10の制御部11は、上述した処理後、蓄電池DB12cにおいて、返却情報に含まれる蓄電池IDに対応するステータス情報として、例えば「充電中」を記憶する。これにより返却された蓄電池ユニット40のステータスを「充電中」として管理できる。また、制御部11は、施設DB12bにおいて、蓄電池ユニット40が返却された施設の施設IDに対応する充電中の蓄電池数を、返却個数を加算した個数に更新し、充電可能な充電器数を、返却個数を減算した個数に更新する。これにより、各施設に設けられた充電装置30において、充電中の蓄電池ユニット40の数と、充電可能な充電器34aの数とをリアルタイムで管理できる。なお、充電装置30で充電中の蓄電池ユニット40が満充電状態となった場合、制御部31が、蓄電池ユニット40の蓄電池IDと、満充電となったことを示す情報とを管理サーバ10へ送信する。これにより、管理サーバ10の制御部11は、蓄電池DB12cにおいて、満充電状態となった蓄電池ユニット40の蓄電池IDに対応するステータス情報を「レンタル可能」に更新する。また、制御部11は、施設DB12bにおいて、施設IDに対応するレンタル可能な蓄電池数を、満充電状態となった蓄電池ユニット40の数を加算した個数に更新し、充電中の蓄電池数を、満充電状態となった蓄電池ユニット40の数を減算した個数に更新する。これにより、蓄電池DB12cによって各蓄電池ユニット40のステータスを管理できると共に、施設DB12bによってレンタル可能な蓄電池ユニット40の数を管理できる。
【0058】
次に、蓄電池ユニット40の電池残量及び現在位置を管理サーバ10に登録する処理について説明する。本実施形態の情報処理システム100において、蓄電池ユニット40は、例えば1時間~数時間毎、12時間毎等の定期的に、データロガー42によって蓄電池41の残量と現在位置とを検出して管理サーバ10へ送信するように構成されている。図11は蓄電池ユニット40の情報の登録処理手順の一例を示すフローチャートである。図11では左から順に蓄電池ユニット40及び管理サーバ10が行う処理を示す。以下の処理の一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
【0059】
蓄電池ユニット40のデータロガー42の制御部43は、1時間~数時間毎、12時間毎等の所定のタイミングが到来する都度、残量計測部44によって蓄電池41の残量(残容量)を計測し(S51)、測位部45によって現在位置を取得する(S52)。制御部43は、取得した残量及び現在位置を蓄電池ユニット40の現在情報として通信部46によって管理サーバ10へ送信する(S53)。具体的には、制御部43は、蓄電池ユニット40の蓄電池ID、蓄電池41の残量、及び現在位置を含む現在情報を送信する。なお、通信部46は、ネットワークN経由で現在情報を管理サーバ10へ送信してもよく、蓄電池ユニット40が充電装置30で充電中の場合、現在情報を充電装置30へ送信し、充電装置30によって現在情報が管理サーバ10へ送信されてもよい。
【0060】
管理サーバ10の制御部11は、蓄電池ユニット40から受信した現在情報を蓄電池DB12cに記憶する(S54)。具体的には、制御部11は、現在情報に含まれる蓄電池IDに対応付けて、現在位置を位置情報列に、残量を電池残量列にそれぞれ記憶する。上述した処理により、各蓄電池ユニット40の現在位置及び電池残量が定期的に管理サーバ10へ送信され、管理サーバ10で管理される。これにより、各蓄電池ユニット40の現在位置と電池残量とをリアルタイムで管理することができる。
【0061】
なお、蓄電池ユニット40をレンタルした会員は、例えば自身の自宅に太陽光パネル及び充電器を有する場合、この太陽光パネルで発電した電力をレンタル中の蓄電池ユニット40に充電してもよい。蓄電池ユニット40は定期的に電池残量を管理サーバ10へ送信しているので、管理サーバ10は、蓄電池ユニット40の電池残量が増加した場合に、当該蓄電池ユニット40に対して充電が行われたこと及び充電量を把握できる。なお、蓄電池ユニット40のデータロガー42が、蓄電池41に対する充電の開始及び終了を検知し、充電量を計測する構成である場合、充電量を管理サーバ10へ送信することにより、管理サーバ10は会員の自宅での充電量を管理できる。管理サーバ10は、会員の自宅等での充電量を、充電開始日時及び充電終了日時と共に蓄電池DB12cに記憶することにより、蓄電池ユニット40のレンタルを行っている施設の太陽光パネル50以外の太陽光パネルで発電した電力がレンタル中の蓄電池ユニット40に充電された場合であっても、ここでの充電量(充電状態)を管理できる。また、管理サーバ10の制御部11は、例えば充電場所として会員IDを蓄電池DB12cに記憶する構成の場合、会員の自宅等での充電量を、当該蓄電池ユニット40をレンタル中の会員に対応付けて記憶(管理)することができる。
【0062】
次に、各会員のレンタル状況をユーザ端末20へ提供する処理について説明する。本実施形態の情報処理システム100において、管理サーバ10は、会員DB12aによって、各会員の蓄電池ユニット40のレンタル状況を管理しており、ユーザ端末20からの要求に応じて、ユーザ端末20のユーザ(会員)のレンタル状況を提供するように構成されている。図12はレンタル状況の提供処理手順の一例を示すフローチャート、図13はユーザ端末20の画面例を示す説明図である。図12では左から順にユーザ端末20及び管理サーバ10が行う処理を示す。以下の処理の一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
【0063】
本実施形態の情報処理システム100において、ユーザは、過去にレンタルした蓄電池ユニット40の情報及び現在レンタル中の蓄電池ユニット40の情報を閲覧したい場合、ユーザ端末20に蓄電池レンタルアプリ22APを起動させ、レンタル状況の閲覧指示を入力する。ユーザ端末20の制御部21は、蓄電池レンタルアプリ22APを起動させた場合、例えばメニュー画面を表示部25に表示し、メニュー画面からレンタル状況の閲覧指示を受け付ける。制御部21は、レンタル状況の閲覧指示を受け付けた場合、ユーザ端末20のユーザの会員IDを管理サーバ10へ送信し(S61)、レンタル状況の閲覧を要求する。会員IDは例えば蓄電池レンタルアプリ22APに登録されている。
【0064】
管理サーバ10の制御部11は、ユーザ端末20からレンタル状況の閲覧要求を取得した場合、受信した会員IDに対応するレンタル情報を会員DB12aから読み出す(S62)。例えば制御部11は、蓄電池ID、貸出日時、貸出施設の施設ID、返却日時、返却施設の施設ID、使用電力量、及びレンタル料金を会員DB12aから読み出す。また、制御部11は、現在レンタル中の蓄電池ユニット40、具体的には返却日時及び返却施設の施設IDが会員DB12aに記憶されていない蓄電池ユニット40については、蓄電池DB12cから、当該蓄電池ユニット40の現在位置及び現在の電池残量を読み出す。
【0065】
制御部11は、読み出した情報に基づいて、レンタル履歴画面を生成する(S63)。図13はレンタル履歴画面例を示しており、レンタル履歴画面は、「貸し出し中」タブ及び「返却済み」タブを有し、タブの選択が切り替えられることにより、貸し出し中(レンタル中)の蓄電池ユニット40の情報を表示する画面と、返却済み(レンタル終了後)の蓄電池ユニット40の情報を表示する画面との表示が切り替えられる。制御部11は、会員DB12aから読み出したレンタル情報のうちで、現在レンタル中の蓄電池ユニット40の情報と、蓄電池DB12cから読み出した情報とに基づいて、レンタル中の各蓄電池ユニット40について、蓄電池ID、貸出日時、貸出施設、現在までの使用電力量、現在までのレンタル料金、現在位置、現在の電池残量を表示する画面を生成する。また制御部11は、会員DB12aから読み出したレンタル情報のうちで、返却済みの蓄電池ユニット40の情報に基づいて、返却済みの各蓄電池ユニット40について、蓄電池ID、貸出日時、貸出施設、返却日時、返却施設、レンタル中の使用電力量、レンタル料金を表示する画面を生成する。制御部11は、このような2つの画面を生成することにより、図13A,Bに示すようなレンタル履歴画面を生成する。
【0066】
制御部11(出力部)は、生成したレンタル履歴画面をユーザ端末20へ送信する(S64)。ユーザ端末20の制御部21は、管理サーバ10から受信したレンタル履歴画面を表示部25に表示する(S65)。これにより、ユーザは、レンタル履歴画面の各タブを切り替えることにより、現在レンタル中の蓄電池ユニット40の情報と、既に返却済みの蓄電池ユニット40の情報とを閲覧することができる。例えば、レンタル中の蓄電池ユニット40の個数、各蓄電池ユニット40の現在位置及び電池残量(充電状態、充電情報)を確認でき、また、過去に蓄電池ユニット40をレンタルした場所(施設)及びレンタル期間等を確認できる。
【0067】
本実施形態では、太陽光パネル50が設置された施設に充電装置30を設置することにより、蓄電池ユニット40のレンタルを行うことが可能となる。ここで、充電装置30及び蓄電池ユニット40を、充電装置30及び蓄電池ユニット40を管理する管理事業者からのレンタル又はリースとすることにより、充電装置30を設置する施設側では、充電装置30の設置場所を確保すればよく、充電装置30及び蓄電池ユニット40を購入する必要がない。よって、充電装置30を設置する際に高額な初期費用を要しないので、蓄電池ユニット40のレンタルを手軽に開始することが可能となる。FITの期間満了に伴って電力の買取価格の低下が予想されているが、本実施形態によれば、太陽光パネル50で発電された電力を電力会社に売る代わりに、蓄電池ユニット40のレンタル事業に利用することが可能であり、太陽光エネルギーの利用の選択肢が広がる。なお、充電装置30及び蓄電池ユニット40を管理事業者からのレンタル又はリースとすることにより、充電装置30の設置施設では、充電装置30及び蓄電池ユニット40のメンテナンスを行う必要がなく、充電装置30を設置する際の障壁がより低くなる。また、各施設が、太陽光パネル50で発電した電力を自施設で使用するだけでなく、蓄電池ユニット40に充電して地域の会員に利用してもらうことにより、地域貢献も可能となる。
【0068】
本実施形態では、各会員が、蓄電池ユニット40の貸し出しを行っている施設に出向いて、所望の個数の蓄電池ユニット40をレンタルする構成である。このほかに、配送業者と連携することにより、定期的に各充電装置30から各会員(レンタルしたいユーザ又は施設等)へ蓄電池ユニット40を配送してレンタルすることも可能である。例えば大型商業施設及びイベント会場等、大容量の電力を要する施設に対して、多数の蓄電池ユニット40をコンテナに積載し、コンテナごと配送してレンタルする構成とすることができる。例えば多数の蓄電池ユニット40を直列接続できるコンテナに積載して大型バッテリを構成し、大型バッテリ単位で貸与対象としてもよい。この場合、大容量の電力を要する施設においても、太陽光パネル50で充電された蓄電池ユニット40の利用が可能となり、各施設における再生可能エネルギーの使用率を向上させることができる。また、被災地等の停電地域に蓄電池ユニット40を配送することも可能であるので、被災者の支援も可能となる。なお、個人の会員に対しても、例えば2個~5個程度の複数の蓄電池ユニット40を、例えば各蓄電池ユニット40を直列接続できるコンテナに入れてユニット蓄電池を構成し、ユニット蓄電池単位で貸与対象としてもよい。大型バッテリ又はユニット蓄電池を構成する場合、大型バッテリ毎又はユニット蓄電池毎に1つのデータロガーによって現在位置及び電池残量を計測するように構成されてもよい。このような構成とした場合、大型バッテリ又はユニット蓄電池に含まれる複数の蓄電池ユニット40の現在位置及び電池残量をまとめて管理サーバ10で管理することができる。なお、大型バッテリ又はユニット蓄電池を構成した場合であっても、大型バッテリ又はユニット蓄電池に含まれる各蓄電池ユニット40がそれぞれ現在位置及び電池残量を計測して管理サーバ10へ送信してもよいことは勿論である。
【0069】
本実施形態において、各蓄電池ユニット40の現在位置及び現在の電池残量は蓄電池DB12cで管理されている。よって、充電装置30及び蓄電池ユニット40を管理する管理事業者は、必要に応じて、各蓄電池ユニット40の現在位置及び電池残量を確認できる。例えば、管理事業者の担当者が、自身の端末(以下、事業者端末という)を用いて管理サーバ10に対して各蓄電池ユニット40の現在情報を要求した場合、管理サーバ10は、各蓄電池ユニット40の現在位置及び電池残量を蓄電池DB12cから読み出して、事業者端末に提供するように構成できる。その際、各蓄電池ユニット40の現在位置を地図上に表示して提示できる。図14は蓄電池ユニット40の情報を提示する画面例を示す説明図である。図14に示す画面では、例えば事業者端末を中心とした所定範囲内の地図が表示され、地図上に、この範囲内にある蓄電池ユニット40の現在位置に対応する箇所にマークがプロットされる。また、地図上のいずれかのマークが選択された場合、選択されたマークの位置の蓄電池ユニット40の蓄電池ID、ステータス、現在位置、及び電池残量が地図の下側に表示される。管理サーバ10の制御部11は、事業者端末からの要求に応じて、図14に示すような画面を生成して事業者端末へ送信し、地図上のいずれかのマークが選択された場合、選択された位置の蓄電池ユニット40の情報を事業者端末へ送信する。このような構成とすることにより、各蓄電池ユニット40の現在の状態(ステータス)、現在位置及び残量を把握することができる。よって、管理事業者は、例えばレンタル可能な各蓄電池ユニット40の現在位置と、各施設の充電装置30における充電器34aの空き状況とを考慮して、レンタル可能な蓄電池ユニット40を移動させることにより、各施設でレンタル可能な蓄電池ユニット40が不足することを抑制できる。
【0070】
本実施形態の情報処理システム100は、複数種類の電力量の蓄電池ユニット40をレンタルできるように構成されていてもよい。例えば1つの蓄電池ユニット40を3kWh、5kWh、7kWh、10kWh、15kWh等の複数種類の容量に構成し、ユーザが所望の容量の蓄電池ユニット40をレンタルする構成とすることができる。この場合、施設DB12bは、各容量について、レンタル可能な蓄電池ユニット40の数、充電中の蓄電池ユニット40の数を記憶する。また、このような構成とした場合、会員が蓄電池ユニット40をレンタルする際にユーザ端末20に表示される図8Bに示すような画面に、指定された貸出施設でレンタル可能な蓄電池ユニット40の容量が表示され、容量毎に貸出個数の入力欄が設けられてもよい。このような画面によって、ユーザがレンタルしたい蓄電池ユニット40の容量及び個数を指定できる。このような構成とした場合、容量が異なる複数種類の蓄電池ユニット40をユニット化したユニット蓄電池単位で貸与対象としてもよい。例えば、3kWhの蓄電池ユニット40と5kWhの蓄電池ユニット40をユニット化して8kWhのユニット蓄電池を貸与対象としてもよい。
【0071】
本実施形態の情報処理システム100では、太陽光パネル50で発電した電力を蓄電池ユニット40に充電して蓄電池ユニット40をレンタルすることにより、各会員が使用する電力を太陽光エネルギーに置き換えることができる。よって、太陽光エネルギーの使用率の向上が期待でき、更に、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。例えば、SDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、及び、目標13「気候変動に具体的な対策を」等に貢献することが可能となる。
【0072】
(実施形態2)
太陽光パネル50におけるリユースパネル(再使用パネル)の使用率(含有率)と、蓄電池ユニット40における再生バッテリ(再生蓄電池)の使用率(含有率)との提示が可能な情報処理システム100について説明する。本実施形態の情報処理システム100は、実施形態1の情報処理システム100と同様の装置にて実現可能であるので、各装置の構成についての説明は省略する。
【0073】
図15は実施形態2の施設DB12b及び蓄電池DB12cのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。本実施形態の施設DB12bは、図5Aに示した実施形態1の施設DB12bの構成に加えて、パネル情報列を有する。パネル情報列は、施設IDに対応付けて、施設に設置されている太陽光パネル50に関する情報を記憶する。太陽光パネル50に関する情報は、例えば太陽光パネル50におけるリユースパネルの使用率、太陽光パネル50に実施された補修処理に関する情報を含む。本実施形態の蓄電池DB12cは、図5Bに示した実施形態1の蓄電池DB12cの構成に加えて、補修情報列を有する。補修情報列は、蓄電池IDに対応付けて、蓄電池ユニット40に行われた補修に関する情報を記憶する。補修に関する情報は、例えば蓄電池41における再生バッテリの使用率、蓄電池41に実施された補修処理に関する情報を含む。
【0074】
本実施形態の情報処理システム100では、管理サーバ10が、上述した構成の施設DB12b及び蓄電池DB12cを有することにより、例えば会員が蓄電池ユニット40をレンタルする際に、各施設に設置されている太陽光パネル50におけるリユースパネルの使用率と、各蓄電池ユニット40における再生バッテリの使用率とを提示することが可能となる。よって、会員は、蓄電池ユニット40をレンタルする際に、太陽光パネル50におけるリユースパネルの使用率と、各蓄電池ユニット40における再生バッテリの使用率とを考慮して、貸出施設及び借りる蓄電池ユニット40を選択できる。なお、蓄電池ユニット40における再生バッテリの使用率に応じて、蓄電池ユニット40のレンタル料金を異ならせてもよい。
【0075】
本実施形態において、会員が蓄電池ユニット40をレンタルする際に各装置が行う処理は、図7に示す処理と同様であるので詳細な説明は省略する。なお、ステップS12でユーザ端末20の制御部21は、図8Bに示す入力画面の代わりに図16に示すような入力画面を表示部25に表示する。図16は実施形態2の入力画面例を示す説明図である。図16に示す入力画面は、図8Aの画面等を介して選択された貸出施設の施設名と、この施設に設置されている太陽光パネル50におけるリユースパネルの使用率とを表示する。また、図16に示す入力画面は、図8Bの画面中の貸出個数の入力欄の代わりに、この施設でレンタル可能な各蓄電池ユニット40の蓄電池ID、再生バッテリの使用率、及び容量を表示し、各蓄電池ユニット40の情報に対応付けてチェックボックスCBが設けられている。このような入力画面により、会員は、自身が選択した施設における太陽光パネル50のリユースパネルの使用率と、この施設でレンタル可能な蓄電池ユニット40の再生バッテリの使用率とを確認できる。なお、会員が貸出施設を選択する際の入力画面(図示せず)には、各施設に対応付けて、各施設に設置されている太陽光パネル50のリユースパネルの使用率が表示され、会員は、貸出施設を選択する際に、リユースパネルの使用率を考慮することができる。
【0076】
本実施形態では、ユーザ端末20の制御部21は、図8Aの画面等を介して貸出施設が選択された場合に、選択された貸出施設を管理サーバ10に通知し、管理サーバ10で、当該貸出施設について図16に示すような入力画面が生成されてユーザ端末20に送信される。管理サーバ10の制御部11は、施設DB12bから当該貸出施設における太陽光パネル50のリユースパネルの使用率を読み出し、蓄電池DB12cから当該貸出施設でレンタル可能な蓄電池ユニット40の再生バッテリの使用率を読み出し、図16に示す入力画面を生成する。なお、貸出施設でレンタル可能な蓄電池ユニット40は、蓄電池DB12cに記憶してあるステータス情報及び位置情報に基づいて特定できる。また、施設DB12bを、各施設でレンタル可能な蓄電池ユニット40の蓄電池IDが記憶される構成とした場合、施設DB12bの記憶内容に基づいて、各施設でレンタル可能な蓄電池ユニット40を特定できる。
【0077】
会員は、図16に示す入力画面においてチェックボックスCBをチェックすることにより、レンタルしたい蓄電池ユニット40の選択を行う。よって、本実施形態では、ユーザ端末20の制御部21は、図16に示す入力画面を介して、会員がレンタルしたい蓄電池ユニット40の情報(蓄電池ID)及び支払方法の入力を受け付け(S12)、受け付けた貸出内容で蓄電池ユニット40のレンタルを要求するリクエスト信号を管理サーバ10へ送信する(S13)。本実施形態では、図16に示す入力画面に、レンタル可能な蓄電池ユニット40が表示されるので、ステップS14で、管理サーバ10の制御部11は、レンタル可能な蓄電池ユニット40が有ると判定し、判定結果をユーザ端末20に通知する(S15)。なお、本実施形態では、会員がレンタルしたい蓄電池ユニット40をレンタル対象に指定するので、制御部11は、会員が選択した蓄電池ユニット40のレンタルを予約する処理を行って、他の会員にレンタルされないようにしておく。
【0078】
本実施形態において、上述した処理以外の処理は、実施形態1で説明した各処理と同様であるので説明を省略する。本実施形態においても、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、会員は、蓄電池ユニット40をレンタルする際に、各施設における太陽光パネル50のリユースパネルの使用率を考慮して貸出施設を選択でき、各蓄電池ユニット40の再生バッテリの使用率を考慮してレンタルする蓄電池ユニット40を選択できる。よって、リユースパネルの使用率がより高い太陽光パネル50が設置してある施設を貸出施設に利用し、また、再生バッテリの使用率がより高い蓄電池ユニット40をレンタルすることにより、地球環境により配慮した行動をとることができる。また、例えばSDGsの目標12「つくる責任つかう責任」等に貢献することが可能となる。本実施形態の情報処理システム100においても、上述した実施形態1で適宜説明した変形例の適用が可能である。
【0079】
(実施形態3)
蓄電池ユニット40のレンタルを行う各施設に対して、会員による蓄電池ユニット40のレンタルに伴うインセンティブを付与する情報処理システム100について説明する。本実施形態の情報処理システム100は、実施形態1の情報処理システム100と同様の装置にて実現可能であるので、各装置の構成についての説明は省略する。
【0080】
図17はインセンティブの特定処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、管理サーバ10の制御部11が、記憶部12に記憶してあるプログラム12Pに従って行う。以下の処理の一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。管理サーバ10の制御部11は、所定のタイミングでインセンティブの特定処理を実行する。例えば各施設に1ヶ月毎にインセンティブを付与する場合、制御部11は、1ヶ月に1回所定の日時が到来した場合に以下の処理を実行する。
【0081】
管理サーバ10の制御部11は、施設DB12bに登録されている施設のうちの1つを、インセンティブの特定処理対象の施設に特定する(S71)。例えば制御部11は、施設DB12bに登録されているいずれかの施設を選択すればよい。そして制御部11は、レンタルDB12dに記憶してある各蓄電池ユニット40のレンタル情報のうちで、処理対象の施設が貸出施設となっているレンタル情報を読み出す(S72)。なお、インセンティブは、蓄電池ユニット40が貸し出された時点で付与される構成でもよく、この場合、制御部11は、処理対象の施設が貸出施設となっているレンタル情報のうちで、インセンティブの算出対象期間に貸し出されたレンタル情報を読み出す。また、インセンティブは、蓄電池ユニット40が返却された時点で付与される構成でもよく、この場合、制御部11は、処理対象の施設が貸出施設となっているレンタル情報のうちで、インセンティブの算出対象期間に返却されたレンタル情報を読み出す。
【0082】
制御部11は、読み出したレンタル情報に基づいて、処理対象の施設で貸し出された蓄電池ユニット40の数(レンタル数、貸与数)を計数する(S73)。また、制御部11は、読み出したレンタル情報に基づいて、処理対象の施設で貸し出された各蓄電池ユニット40に対して徴収されたレンタル料金の合計を算出する(S74)。また、制御部11は、読み出したレンタル情報に基づいて、処理対象の施設で貸し出された各蓄電池ユニット40でレンタル中に使用された電力量の合計を算出する(S75)。そして制御部11は、ステップS73で計数したレンタル数、ステップS74で算出したレンタル料金の合計、又は、ステップS75で算出した使用電力量の合計に基づいて、処理対象の施設に付与すべきインセンティブを算出(特定)する(S76)。なお、インセンティブは、レンタル数、レンタル料金の合計、使用電力量の合計のいずれかに基づいて算出してもよく、これらのうちの複数に基づいて算出してもよい。レンタル数に基づくインセンティブは、例えばレンタル数に所定金額を乗算して算出できる。また、レンタル料金の合計に基づくインセンティブは、例えばレンタル料金の合計に所定割合を乗算して算出できる。この場合、会員から徴収したレンタル料金から算出される金額のインセンティブの付与が可能となる。また、使用電力量の合計に基づくインセンティブは、例えば使用電力量の合計に単位当たりの電気料金を乗算し、更に所定割合を乗算して算出できる。この場合、使用電力量に基づく電気料金から算出される金額のインセンティブの付与が可能となる。
【0083】
制御部11は、算出したインセンティブを、処理対象の施設の施設IDに対応付けて、例えば施設DB12bに記憶する(S77)。そして制御部11は、インセンティブの算出処理が行われていない施設(未処理の施設)があるか否かを判断し(S78)、未処理の施設があると判断した場合(S78:YES)、ステップS71の処理に戻り、未処理の施設についてステップS71~S77の処理を行う。制御部11は、未処理の施設がないと判断するまでステップS71~S77の処理を繰り返し、施設DB12bに登録してある各施設についてインセンティブの算出を行う。制御部11は、未処理の施設がないと判断した場合(S78:NO)、一連の処理を終了する。
【0084】
上述した処理により、制御部11は、各施設にインセンティブを付与するタイミングで、各施設に付与すべきインセンティブを算出できる。管理事業者は、管理サーバ10が算出した各施設に対するインセンティブ(例えば付与される金額)に基づいて、各施設にインセンティブを付与する(支払う)ことにより、会員から徴収したレンタル料金を施設側に分配することができる。また、本実施形態において、蓄電池ユニット40を各会員(レンタルしたいユーザ又は施設等)に配送する配送業者と連携する場合に、配送業者に対して、配送した蓄電池ユニット40の個数、又は、蓄電池ユニット40が配送された後にレンタルされることによって発生したレンタル料金又は使用電力量に応じたインセンティブを付与してもよい。この場合、配送業者にもインセンティブを分配することができる。
【0085】
本実施形態において、上述した処理以外の処理は、実施形態1で説明した各処理と同様であるので説明を省略する。本実施形態においても、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、蓄電池ユニット40のレンタルによって会員から徴収するレンタル料金を、蓄電池ユニット40のレンタルを行う施設に分配できる。よって、充電装置30を設置する施設側のメリットが大きく、蓄電池ユニット40のレンタル事業に参加する施設の増加が期待できる。また、配送業者にもインセンティブを付与することにより、このレンタル事業に参加する配送業者の増加も期待できる。
【0086】
本実施形態において、蓄電池ユニット40をレンタルする会員に対して、会員が選択した貸出施設の太陽光パネル50におけるリユースパネルの使用率、及び、会員が選択した蓄電池ユニット40における再生バッテリの使用率に応じたインセンティブを付与する構成としてもよい。会員に付与するインセンティブは、例えばレンタル料金の支払に使用できるクーポン、ポイント、各種の特典等であってもよい。管理サーバ10の制御部11は、所定のタイミングで会員に対するインセンティブの特定処理を実行する。具体的には、制御部11は、会員DB12aに登録されている各会員について、レンタルした蓄電池ユニット40の蓄電池ID及び貸出施設を会員DB12aのレンタル情報から読み出す。会員がレンタルした蓄電池ユニット40は、インセンティブの算出処理の対象期間に貸し出された蓄電池ユニット40、返却された蓄電池ユニット40、及び、レンタル中の蓄電池ユニット40等を含んでもよい。制御部11は、読み出した蓄電池IDの蓄電池ユニット40の再生バッテリの使用率を蓄電池DB12cの補修情報から取得し、読み出した貸出施設の太陽光パネル50のリユースパネルの使用率を施設DB12bのパネル情報から読み出す。そして、制御部11は、再生バッテリの使用率の合計又は平均値、及び、リユースパネルの使用率の合計又は平均値に基づいて、会員に付与すべきインセンティブを算出する。例えば制御部11は、会員に付与すべきクーポンの金額、ポイント量、特典の内容等を特定する。制御部11は、算出したインセンティブを会員の会員IDに対応付けて、例えば会員DB12aに記憶する。よって、管理事業者は、管理サーバ10が算出した各会員に対するインセンティブの内容に基づいて、各会員にインセンティブを付与することができる。これにより、再生バッテリの使用率が高い蓄電池ユニット40の貸出、及び、リユースパネルの使用率が高い太陽光パネル50が設置された施設で充電された蓄電池ユニット40の貸出の数の増加が期待できる。
【0087】
本実施形態の情報処理システム100においても、上述した各実施形態で適宜説明した変形例の適用が可能である。また、本実施形態の構成は、上述した実施形態1~2の情報処理システム100に適用可能であり、実施形態1~2の情報処理システム100に適用した場合であっても同様の効果が得られる。
【0088】
(実施形態4)
充電装置30が有する表示部37に、各種の広告情報を表示する情報処理システム100について説明する。本実施形態の情報処理システム100は、実施形態1の情報処理システム100と同様の装置にて実現可能であるので、各装置の構成についての説明は省略する。
【0089】
本実施形態の情報処理システム100では、充電装置30の制御部31は、蓄電池ユニット40をレンタルしに来た会員がいない場合、即ち待機状態である場合、所定の広告情報を表示部37に表示している。このように充電装置30の表示部37を広告用モニタとして使用することにより、充電装置30の設置施設に対して広告料を付与することが可能となる。なお、ここで表示される広告情報は、一般的な広告情報に加えて、充電装置30が設置されている施設に関する広告情報を含む。また、広告情報は予めダウンロードされて記憶部32に記憶されていてもよく、管理サーバ10又は広告配信用サーバから逐次ダウンロードされて記憶部32に記憶されてもよい。
【0090】
また、本実施形態の情報処理システム100では、充電装置30の制御部31は、蓄電池ユニット40をレンタルしに来る会員がいる場合、この会員に応じた広告情報を表示する。具体的には、ユーザ端末20を用いて貸出施設の検索が行われた場合、管理サーバ10が、検索された施設の充電装置30に対して、蓄電池ユニット40をレンタルしに行く会員がいることを通知する。これにより、充電装置30では、蓄電池ユニット40をレンタルしに来る会員を把握することができ、この会員に適切な広告の提供が可能となる。
【0091】
図18は、実施形態4の貸出処理手順の一例を示すフローチャートである。図18に示す処理は、図7に示す処理において、ステップS15,S17の間にステップS81を追加し、ステップS18,S19の間にステップS82~S83を追加したものである。図7と同じステップについては説明を省略する。また、図18では、図7中のステップS15,S17~S19以外のステップの図示を省略している。
【0092】
本実施形態の情報処理システム100において、管理サーバ10の制御部11は、ステップS15の処理後、ユーザ端末20の会員の会員IDに基づいて、この会員の属性情報を会員DB12aから読み出す(S81)。例えば制御部11は、会員の性別及び年齢を読み出す。そして、ステップS17で、制御部11は、会員の会員ID、貸出施設の施設ID、貸出個数に加えて、会員の属性情報を含む貸出内容を充電装置30に送信する。
【0093】
充電装置30の制御部31は、ステップS18の処理後、管理サーバ10から受信した貸出内容に含まれる会員の属性情報に応じて広告情報を特定する(S82)。例えば各属性情報に対応付けて広告情報が記憶部32に記憶されており、制御部31は、会員の属性情報に対応する広告情報を記憶部32から読み出す。なお、制御部31は、会員の属性情報を管理サーバ10又は広告配信用サーバへ送信し、管理サーバ10又は広告配信用サーバから、会員の属性情報に応じた広告情報を取得する構成でもよい。また、管理サーバ10が、貸出内容を充電装置30に送信する際に、会員の属性情報に応じた広告情報も充電装置30に送信する構成でもよい。
【0094】
制御部31は、特定した広告情報を表示部37に表示する(S83)。会員がユーザ端末20を用いて貸出施設の検索及び選択を行った場合、管理サーバ10は、ユーザ端末20から貸出内容を取得する。従って、管理サーバ10は、会員がこれから蓄電池ユニット40をレンタルしに行く施設を把握できる。よって、管理サーバ10は、この施設の充電装置30に、これからレンタルしに行く会員の属性情報を送信することにより、充電装置30において会員の属性に応じた広告を流すことができる。その後、制御部31は、ステップS19以降の処理を行う。
【0095】
本実施形態において、上述した処理以外の処理は、実施形態1で説明した各処理と同様であるので説明を省略する。本実施形態においても、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、充電装置30の表示部37を広告用モニタ(広告媒体)として利用することができるので、施設側は広告料の収益を得ることができる。よって、蓄電池ユニット40のレンタル事業に参加する施設の増加が更に期待できる。また、充電装置30は、蓄電池ユニット40をレンタルしに来る会員の属性情報を取得することができるので、各会員に最適な広告の提供が可能となる。
【0096】
本実施形態において、会員が貸出施設の検索及び選択を行った場合に、選択された貸出施設で、当該会員の属性に応じた広告を流す構成に加えて、会員が返却施設の検索を行った場合にも、検索された返却施設で、当該会員の属性に応じた広告を流す構成としてもよい。この場合、例えば図9に示す処理において、管理サーバ10の制御部11は、ステップS35の処理後、返却内容を送信してきたユーザ端末20の会員の属性情報を会員DB12aから読み出し、読み出した属性情報の会員が蓄電池ユニット40を返却することを、検索された返却施設の充電装置30に通知する。これにより、充電装置30は、これから蓄電池ユニット40を返却しに来る会員の属性を把握でき、充電装置30の制御部31は、管理サーバ10から通知された属性情報に応じた広告情報を表示部37に表示することができる。
【0097】
本実施形態の情報処理システム100においても、上述した各実施形態で適宜説明した変形例の適用が可能である。また、本実施形態の構成は、上述した実施形態1~3の情報処理システム100に適用可能であり、実施形態1~3の情報処理システム100に適用した場合であっても同様の効果が得られる。
【0098】
(実施形態5)
各施設で蓄電池ユニット40をレンタルした会員の情報を各施設に提供することが可能な情報処理システム100について説明する。本実施形態の情報処理システム100は、実施形態1の情報処理システム100と同様の装置にて実現可能であるので、各装置の構成についての説明は省略する。
【0099】
図19は会員情報の提供処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理は、管理サーバ10の制御部11が、記憶部12に記憶してあるプログラム12Pに従って行う。以下の処理の一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。管理サーバ10の制御部11は、所定のタイミングで、各施設に対して、各施設で蓄電池ユニット40をレンタルした会員に関する情報を提供する処理を実行する。例えば1週間毎、2週間毎、1ヶ月毎、2ヶ月毎等の所定期間毎に各施設に会員の情報を提供する場合、制御部11は、所定期間毎の任意のタイミングが到来した場合に以下の処理を実行する。
【0100】
管理サーバ10の制御部11は、施設DB12bに登録されている施設のうちの1つを処理対象の施設に特定する(S91)。そして制御部11は、レンタルDB12dに記憶してある各蓄電池ユニット40のレンタル情報のうちで、処理対象の施設が貸出施設となっているレンタル情報を読み出す(S92)。ここでは、制御部11は、処理対象の施設が貸出施設となっているレンタル情報のうちで、会員情報を集計する対象期間に貸し出されたレンタル情報を読み出す。制御部11は、読み出したレンタル情報における利用者情報(会員ID)に基づいて、当該会員の属性情報を会員DB12aから読み出す(S93)。制御部11は、例えば会員の年齢及び性別を読み出す。
【0101】
制御部11は、ステップS92で読み出したレンタル情報と、各レンタル情報における会員の属性情報とを、処理対象の施設の施設IDに対応付けて、例えば記憶部12に記憶する(S94)。そして制御部11は、上述した処理が行われていない施設(未処理の施設)があるか否かを判断し(S95)、未処理の施設があると判断した場合(S95:YES)、ステップS91の処理に戻り、未処理の施設についてステップS91~S94の処理を行う。制御部11は、未処理の施設がないと判断するまでステップS91~S94の処理を繰り返し、施設DB12bに登録してある各施設について、各施設で蓄電池ユニット40をレンタルした会員のレンタル情報(貸与情報)及び属性情報の収集を行う。制御部11は、未処理の施設がないと判断した場合(S95:NO)、各施設に対応付けられている端末に、各施設で蓄電池ユニット40をレンタルした会員のレンタル情報及び属性情報を送信し(S96)、一連の処理を終了する。なお、各施設に対応付けられている端末に情報を送信するための宛先情報は、例えば施設DB12bに施設情報として予め記憶してある。
【0102】
上述した処理により、制御部11は、各施設で蓄電池ユニット40をレンタルした会員の属性情報と、レンタル内容を示すレンタル情報とを施設側に提供できる。なお、管理サーバ10は、レンタル情報に加えて、蓄電池ユニット40がレンタル中にデータロガー42によって収集された位置情報及び電池残量も施設側に提供してもよい。この場合、施設側では、自施設でレンタルした会員の属性及びレンタル内容に加えて、レンタル中の蓄電池ユニット40の移動状況及び使用状況を把握できる。なお、各会員の属性情報は、予め会員DB12aに登録してある構成のほかに、例えば、制御部11が、クレジットカード決済又はスマートフォン決済を行うための決済用サーバから取得してもよい。
【0103】
本実施形態において、上述した処理以外の処理は、実施形態1で説明した各処理と同様であるので説明を省略する。本実施形態においても、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、蓄電池ユニット40のレンタルを行う各施設に、蓄電池ユニット40をレンタルした会員の属性情報とレンタル内容とを提供することができる。よって、施設側では、蓄電池ユニット40をレンタルする客層の分析が可能となる。例えば、本実施形態の構成を実施形態4の情報処理システム100に適用した場合には、蓄電池ユニット40をレンタルする客層に応じた広告情報を充電装置30で流すことが可能となる。
【0104】
本実施形態の情報処理システム100においても、上述した各実施形態で適宜説明した変形例の適用が可能である。また、本実施形態の構成は、上述した実施形態1~4の情報処理システム100に適用可能であり、実施形態1~4の情報処理システム100に適用した場合であっても同様の効果が得られる。
【0105】
上述した各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【0106】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0107】
10 管理サーバ
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
20 ユーザ端末
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
30 充電装置
34 充電部
35 着脱検知部
40 蓄電池ユニット
41 蓄電池
42 データロガー
44 残量計測部
45 測位部
46 通信部
12a 会員DB
12d レンタルDB
【要約】
【課題】コストの増加を招くことなく、太陽光発電エネルギーを売電することが可能な情報処理方法等を提供する。
【解決手段】複数の施設に設けられた太陽光パネルにより発電された電力が充電された複数の蓄電池をユーザに貸与する。コンピュータは、位置検出モジュール、充電状態検出モジュール、及び、通信モジュールを含むデータロガーを有する前記蓄電池のユーザへの貸与情報を記憶部に記憶する。また、コンピュータは、貸与中の蓄電池のデータロガーにより得られる前記蓄電池の位置及び充電状態を、前記蓄電池を貸与中のユーザに対応付けて記憶部に記憶する。
【選択図】図1
図1
図2
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