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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】上面散熱抵抗器
(51)【国際特許分類】
   H01C 1/08 20060101AFI20230509BHJP
   H01C 1/034 20060101ALI20230509BHJP
   H01C 1/148 20060101ALI20230509BHJP
   H01C 3/00 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
H01C1/08
H01C1/034
H01C1/148 Z
H01C3/00 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020526143
(86)(22)【出願日】2018-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 US2018059838
(87)【国際公開番号】W WO2019094598
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】62/584,505
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/181,006
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510060327
【氏名又は名称】ヴィシェイ デール エレクトロニクス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ワイアット,トッド エル.
(72)【発明者】
【氏名】グレン,ダリン ダブリュー.
【審査官】木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/075016(WO,A1)
【文献】特開2015-023088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 1/08
H01C 1/034
H01C 1/148
H01C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、底面、第1側部、およびこれに対向する第2側部を有する抵抗素子;および
前記抵抗素子の前記第1側部に隣接する第1放熱素子および前記抵抗素子の前記第2側部に隣接する第2放熱素子を有し、これら第1放熱素子と第2放熱素子との間に隙間を設け、前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれが第1高さを有する内側部分、および少なくとも一部がこの内側部分の第1高さよりも低い第2高さを有する外側部分を有し;
前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの各外側部分の底面の少なくとも一部が、外側かつ下向きに湾曲した湾曲部分を有し、前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの前記外側部分の底面の一部が、前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの各内側部分の底面の少なくとも一部よりも前記抵抗素子に近く位置し;
接着剤によって前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの前記外側部分の前記底面の少なくとも一部を前記抵抗素子の前記上面に接着するとともに熱的に結合し、かつ前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの前記内側部分の前記底面の少なくとも一部を前記抵抗素子の前記上面に接着するとともに熱的に結合し;
前記抵抗素子の前記底面にそって、第1電極層を前記抵抗素子の前記第1側部に隣接配置し;
前記抵抗素子の前記底面にそって、第2電極層を前記抵抗素子の前記第2側部に隣接配置し;
誘電体によって前記第1放熱素子の上面および前記第2放熱素子の上面を被覆するとともに、前記第1放熱素子と前記第2放熱素子との間の前記隙間を充填し;そして
前記抵抗素子の前記底面の少なくとも一部、および前記第1電極層の底面の一部および前記第2電極層の底面の一部に誘電体を成膜することを特徴とする抵抗器。
【請求項2】
さらに、前記抵抗器の第1側部を被覆し、かつ前記第1放熱素子、前記抵抗素子、および前記第1電極層に熱的に、あるいは電気的に接触する第1の半田可能な層;および
前記抵抗器の第2側部を被覆し、かつ前記第2放熱素子、前記抵抗素子、および前記第2電極層に熱的に、あるいは電気的に接触する第2の半田可能な層を有する請求項1に記載の抵抗器。
【請求項3】
前記第1の半田可能な層が、前記第1放熱素子の前記内側部分の上面の少なくとも一部かつ前記第1電極層の前記底面の少なくとも一部を被覆する請求項2に記載の抵抗器。
【請求項4】
前記第2の半田可能な層が、前記第2放熱素子の前記内側部分の上面の少なくとも一部かつ前記第2電極層の前記底面の少なくとも一部を被覆する請求項3に記載の抵抗器。
【請求項5】
前記接着剤が、前記第1放熱素子および第2放熱素子と、前記抵抗素子との間にのみ位置する請求項1に記載の抵抗器。
【請求項6】
前記第1放熱素子の少なくとも一部および前記第2放熱素子の少なくとも一部のそれぞれが、前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子のそれぞれの上隅部および外隅部にスエージを有し、これらスエージが前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子のそれぞれの少なくとも一部に段差を形成する請求項1に記載の抵抗器。
【請求項7】
前記接着剤が前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの前記湾曲部分を前記抵抗素子の前記上面に熱的に結合する請求項1に記載の抵抗器。
【請求項8】
前記抵抗素子の前記第1側部に隣接する領域において前記第1放熱素子の外側部分がプレスされているとともに、前記抵抗素子の前記第2側部に隣接する領域において前記第2放熱素子の外側部分がプレスされている請求項1に記載の抵抗器。
【請求項9】
前記抵抗素子の前記第1側部に隣接する領域において前記接着剤を圧縮するとともに、前記抵抗素子の前記第2側部に隣接する領域において前記接着剤を圧縮する請求項1に記載の抵抗器。
【請求項10】
前記抵抗素子の前記第1側部が円形で、かつ前記抵抗素子の前記第2側部が円形である請求項1に記載の抵抗器。
【請求項11】
接着剤を使用して導体を抵抗素子に積層し;
前記導体をマスキングし、かつパターニングしてこの導体を第1放熱素子及び第2放熱素子に分割し;
前記抵抗素子の底面に電極層をメッキし;
前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれを、第1高さを有する内側部分、および少なくとも一部がこの第1高さよりも低い第2高さを有する外側部分に形成し;
前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの各外側部分の底面の少なくとも一部が外側かつ下向きに湾曲する湾曲部分を有し、前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの各外側部分の前記底面の少なくとも一部が前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの各内側部分の底面の少なくとも一部よりも前記抵抗素子に近く位置するように前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子をそれぞれ形成し;
前記電極層の間において前記抵抗素子の前記底面に誘電体を成膜して、前記電極層を少なくとも部分的に被覆し;そして
前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子の少なくとも一部に誘電体を成膜し、前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子を電気的に相互から絶縁することを特徴とする抵抗器の製造方法。
【請求項12】
さらに、前記第1放熱素子、前記抵抗素子、および第1電極層に熱的に、あるいは電気的に接触している第1の半田可能な層を前記抵抗器の第1側部にメッキする工程;および
前記第2放熱素子、および第2電極層に熱的に、あるいは電気的に接触している第2の半田可能な層を前記抵抗器の第2側部にメッキする工程を有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の半田可能な層が、前記第1放熱素子の内側部分の上面の少なくとも一部、および第1電極層の底面の少なくとも一部を被覆する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の半田可能な層が、第2放熱素子の内側部分の上面の少なくとも一部、および前記第2電極層の底面の少なくとも一部を被覆する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記接着剤が前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの前記湾曲部分を前記抵抗素子の上面に熱的に結合する請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子の少なくとも一部のそれぞれが、前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子の上隅部および外隅部にスエージを有する請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記スエージが前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子のそれぞれの少なくとも一部に段差を形成する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記抵抗素子の第1側部に隣接する領域において前記第1放熱素子の外側部分をプレスし、前記抵抗素子の第2側部に隣接する領域において前記第2放熱素子の外側部分をプレスする請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記抵抗素子の第1側部に隣接する領域において前記接着剤を圧縮し、かつ前記抵抗素子の第2側部に隣接する領域において前記接着剤を圧縮する請求項11に記載の方法。
【請求項20】
抵抗器であって、
抵抗素子;
誘電体によって相互から電気的に絶縁され、接着剤によって前記抵抗素子の上面に結合された第1放熱素子及び第2放熱素子であって、これら第1放熱素子及び第2放熱素子のそれぞれは該第1放熱素子及び該第2放熱素子それぞれの上隅部および外隅部の少なくとも一部にスエージを有し、このスエージが第1高さを有する前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの第1部分および第2高さを有する前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの第2部分になり、この第2高さは前記第1高さより低く、前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子の前記第2部分の底面の少なくとも一部が前記抵抗素子に向かって延在する湾曲面を有し、前記接着剤は前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの前記第1部分の底面の間に位置する部分並びに前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの前記第2部分の前記湾曲面と前記抵抗器の上面との間に位置する部分を有し、この接着剤は前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの前記第1部分および前記第2部分を前記抵抗素子の前記上面に結合する、第1放熱素子及び第2放熱素子;
前記抵抗素子の底面に設層された第1電極層;
前記抵抗素子の前記底面に設層された第2電極層;および
第1の半田可能な層および第2の半田可能な層であって、前記第1放熱素子、前記接着剤、前記抵抗素子、および前記第1電極層と熱的に、あるいは電気的に連絡する第1の半田可能な層、及び前記第2放熱素子、前記抵抗素子、前記接着剤、および前記第2電極層と熱的に、あるいは電気的に連絡する第2の半田可能な層;
を有し、
前記第1放熱素子及び前記第2放熱素子それぞれの前記第1部分および第2部分の少なくとも一部が前記接着剤によって前記抵抗素子に熱的に結合されている
ことを特徴とする抵抗器。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2017年11月10日を出願日とする米国仮出願第62/584,505号および2018年11月5日を出願日とする米国仮出願第16/181,006号の優先権を主張とする出願であり、これら出願の内容を援用するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は電子部品に、特に抵抗器および抵抗器の製造に関する。
【背景技術】
【0003】
抵抗器は回路に使用され、電気エネルギーを熱に変換することによって電気抵抗を与える受動的な部品であり、この熱は放熱される。抵抗器は電流制限、分圧、電流レベルの検出、信号レベルの調節や能動素子のバイアスなどの多くの目的のために電気回路で使用することができる。高電力抵抗器の場合、自動車の制御などの用途に必要であり、このような抵抗器は高ワット数の電力を放散することが必要である。これら抵抗器が比較的高い抵抗値をもつことが要求される場合、きわめて薄く、かつフルパワー負荷の下で長期間抵抗値を維持できる抵抗素子を支える必要がある。
【発明の概要】
【0004】
以下、抵抗器および抵抗器の製造方法を説明する。
【0005】
一つの実施態様に係る抵抗器は抵抗素子、および放熱素子を形成する複数の分離された導体素子を有する。これら複数の導体素子については、誘電体によって相互に電気的に絶縁することができ、また複数の導体素子それぞれと抵抗素子の表面との間に設けられた接着材によって抵抗素子に熱的に結合する。複数の導体素子については、半田付け可能な端子によって抵抗素子に熱的に結合してもよい。
【0006】
本発明の別な実施態様に係る抵抗器は上面、底面、第1側面、および第1側面に対向する第2側面を有する抵抗素子を有する。第1導体素子および第2導体素子については、接着剤によって抵抗素子の上面に接合する。第1導体素子および第2導体素子は放熱素子として機能する。第1導体素子と第2導体素子との間には隙間を設ける。第1導体素子および第2導体素子の位置については、抵抗素子の上面において接着剤の一部が露出するように設定する。第1導電層は抵抗素子の底部にそって位置し、そして第2導電層は抵抗素子の底部にそって位置する。誘電体が第1導体素子および第2導体素子の上面を被覆し、かつ第1導体素子と第2導体素子との間の隙間を埋める。誘電体を抵抗器の外面に成膜する。この誘電体についは抵抗器の上面および底面の両者に成膜することができる。
【0007】
本発明は抵抗器の製造方法にも関する。この方法は接着剤を使用して、導体を抵抗素子に積層する工程、抵抗素子の底部に電極層をメッキする工程、導体をマスキングし、かつパターニングして、導体を放熱素子に分割する工程、抵抗器の上面および底面に誘導体を成膜する工程、および抵抗器の側部に半田可能な層をメッキする工程を有する。一つの実施態様では、例えば化学的エッチングなどを使用して抵抗素子をパターニングし、例えばレーザーなどを使用して薄肉化して、目標の抵抗値を実現することができる。
【0008】
別な実施態様に係る抵抗器は接着剤によって第1放熱素子および第2放熱素子に結合した抵抗素子を有し、第1放熱素子および第2放熱素子を誘電体によって相互に電気的に絶縁する。抵抗素子の底面に電極を設ける。少なくとも第1放熱素子、第2放熱素子および抵抗素子に抵抗器の第1および第2の半田可能な部品を設けることができる。電流をほとんど受け取らずかつこれが流れない状態で、第1および第2放熱素子が、抵抗器が発生する熱の大部分を受け取る。電極に装置電流の大部分が流れることになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明を詳しく説明する。
【0010】
図1A図1Aは、抵抗器の一実施例を示す横断面図である。
図1B図1Bは、回路基板上の抵抗器の一実施例を示す横断面図である。
図1C図1Cは、回路基板に実装した抵抗器の一実施例を示す横断面図である。
図2A図2Aは、各放熱素子の上隅部にスエージ面または段差面を備えた抵抗器の一実施例を示す横断面図である。
図2B図2Bは、各放熱素子の上隅部にスエージ面または段差面を備えた抵抗器の一実施例を示す横断面図である。
図2C図2Cは、回路基板に実装され、各放熱素子の上隅部にスエージ面または段差面を備えた抵抗器を示す横断面図である。
図2D図2Dは、各放熱素子の上隅部にスエージ面または段差面を備えた抵抗器の一実施例を示す横断面図であり、各放熱素子の一部が抵抗素子により近接した状態を示すものである。
図2E図2Eは、回路基板に実装され、各放熱素子の上隅部にスエージ面または段差面を備えた抵抗器を示す横断面図であり、各放熱素子の一部が抵抗素子により近接した状態を示すものである。
図2F図2Fは、図2Aおよび図2Dに示した抵抗器の実施例を示す上面図である。
図2G図2Gは、図2Aおよび図2Dに示した抵抗器の実施例を示す側面図である。
図2H図2Hは、図2Aおよび図2Dに示した抵抗器の実施例を示す底面図である。
図3A図3Aは、抵抗素子の方に折曲げられた放熱素子の外部を示す抵抗器の一例の横断面図である。
図3B図3Bは、回路基板に実装された抵抗素子の方に折り曲げられた放熱素子の外部を示す抵抗器の一実施例の横断面図である。
図4A図4Aは、抵抗器の一実施例を示す上面図である。
図4B図4Bは、抵抗器の一部の拡大図を含む図4Aの抵抗器を示す側面図である。
図4C図4Cは、抵抗器の一部の拡大図を含む図4Aの抵抗器を示す底面図である。
図4D図4Dは、図4Aの抵抗器を示す等測投影図であり、内部部品または内層を示すために一部を切り欠いた図である。
図5A図5Aは、抵抗器の上面図である。
図5B図5Bは、抵抗器の一部の拡大図を含む図5Aの抵抗器を示す側面図である。
図5C図5Cは、抵抗器の一部の拡大図を含む図5Aの抵抗器を示す底面図である。
図5D図5Dは、図5Aの抵抗器を示す等測投影図であり、内部部品または内層を示すために一部を切り欠いた図である。
図6A図6Aは、抵抗器を示す上面図である。
図6B図6Bは、抵抗器の一部の拡大図を含む図6Aの抵抗器を示す側面図である。
図6C図6Cは、抵抗器の一部の拡大図を含む図6Aの抵抗器を示す底面図である。
図6D図6Dは、図6Aの抵抗器を示す等測投影図であり、内部部品または内層を示すために一部を切り欠いた図である。
図7図7は、製造方法の一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では例示のみを目的とし、限定を意図しないいくつかの用語を使用する。「右」、「左」、「上部」、および「底部」などは、参照する添付図面における方向を示すものである。特許請求の範囲および対応する明細書における単数表現は、特に断らない限り、複数表現を含意するものである。これら用語などは、具体的に説明するものの一つかそれ以上を意味する。「A、BまたはC」などの前にある「少なくとも一つ」については、A、BまたはCの個々を意味する場合もあり、またこれらの組み合わせを意味する場合もある。
【0012】
図1Aは、例示的な抵抗器100を示す横断面図である。図1に示す抵抗器100は抵抗器100の幅全体に位置し、以下詳しく説明するように、第1の半田可能な端子160aと第2の半田可能な端子160bとの間に設けられる抵抗素子120を有する。例示目的で図1Aの相対位置において、抵抗素子は上面122および底面124を有する。抵抗素子120としては、箔抵抗器が好ましい。抵抗素子については、制限するものではないが、銅、銅合金、ニッケル、アルミニウムまたはマンガンやこれらを組み合わせたものから形成することができる。さらに、抵抗素子は銅-ニッケル-マンガン合金(CuNiMn)、銅-マンガン-スズ合金(CuMnSn)、銅-ニッケル合金(CuNi)、ニッケル-クロム-アルミニウム合金(NiCrAl)やニッケル-クロム合金(NiCr)、あるいは箔抵抗器として使用可能な、当業者にとっては公知な他の合金から形成してもよい。図1Aに示すように、抵抗素子120は幅“W”を有する。また、図1Aに示すように、抵抗素子120は高さまたは厚さ“H”を有する。対向方向にある抵抗素子120の外側面又は表面は全体として平面でもよく、あるいは実質的に平坦であってもよい。
【0013】
図1Aに示すように、第1放熱素子110aおよび第2放熱素子110bは抵抗素子120の対向側端部に隣接し、好ましくは第1放熱素子110aと第2放熱素子110bとの間に隙間190を設ける。放熱素子110aおよび110bは伝熱材からなり、好ましくはC110銅またはC102銅などの銅製である。アルミニウムなどの他の伝熱特性を示す他の金属も放熱素子に使用することができ、当業者ならば、放熱素子110aおよび110bとして使用可能な金属についても知悉しているはずである。第1放熱素子110aおよび第2放熱素子110bは、少なくとも一部が抵抗素子120の外側縁部(または外側面)まで延在している。
【0014】
放熱素子110aおよび110bは接着材130を介して抵抗素子120に積層、接着、接合あるいは装着することができる。接着材としては、制限するわけではないが、例示すると、DUPONT(登録商標)、PYRALUX(登録商標)、BOND PLY(登録商標)やその他のアクリル、エポキシ、ポリイミドあるいはアルミナ充填樹脂接着剤を挙げることができ、形態はシート状でもよく、あるいは液状でもよい。さらに、接着材130としては、電気絶縁性かつ伝熱性を備えた材質で構成することも可能である。接着材130は、抵抗素子120の上面122の幅「W」にそって延設してもよい。
【0015】
放熱素子110aおよび110bについては、抵抗器を印刷回路板(PCB)などの回路板に実装したさいに、図1Cに見られるように、抵抗器の上部に位置し、かつ回路板から離間するように設定する。
【0016】
図1Aに示すように、第1電極層150aおよび第2電極層150b(導電層と呼ぶこともある)については、少なくとも抵抗素子120の底面124の対向端部にある部分にそって設ける。電極層150aおよび150bは対向外縁部を有し、これら縁部については、抵抗素子120の対向外側縁部(または外側面)に整合しているのが好ましい。第1電極層150aおよび第2電極層150bについては、抵抗素子120の底面124にメッキするのが好ましい。好適な実施態様では、電極層として銅を使用することもできるが、当業者によく知られているように、メッキ可能で伝熱性の高い金属ならば任意のものを使用することができる。
【0017】
抵抗素子120、そして放熱素子110aおよび110bの外側縁部(外側面)が半田可能な表面を形成し、これら表面が、端子メッキとしても知られている半田可能な端子160aおよび160bを受け取る。抵抗素子120、そして放熱素子110aおよび110bについても平面状の外側面、平坦な外側面または平滑な外側面を形成するのが好ましく、これによって抵抗素子120、そして放熱素子110aおよび110bの外側縁部がそれぞれ整合する。本明細書では、“平坦”は“全体として平坦”を意味し、“平滑”は“正常な製造トレランス内”にあることを意味する。なお、外側面については、抵抗器を形成するのに使われるプロセスに基づいて、幾分あるいは多少円形でもよく、弓形でもよく、湾曲していてもよく、あるいは波形でもよいが、いずれも“平坦”状と考えることができる。
【0018】
半田可能な端子160aおよび160bについては、以下に図1Bを参照して詳しく説明するように、抵抗器100の側端部165aおよび165bに個別に取り付け、抵抗器100を回路基板に半田付けしてもよい。図1Aに示すように、半田可能な端子160aおよび160bについては、電極層150aおよび150bの底面152aおよび152bにそって少なくとも部分的に延在する部分を有するのが好ましい。図1Aに示すように、半田可能な端子160aおよび160bについては、放熱素子110aおよび110bの上面115aおよび115bにそって少なくとも部分的に延在する部分を有するのが好ましい。さらに、図1Bに示すように、かつ本明細書で説明するように、抵抗素子の印刷回路基板(PCB)への最近接側に150aおよび150bなどの導電層を使用すると、半田リフロー時に強靭な半田ジョイントを形成し、かつ抵抗器をPCBパッドにセンタリングするさいに役立つ。
【0019】
図1Bは、回路基板170に実装した例示的な抵抗器100を示す図である。図1Bに示す実施例では、半田可能な端子160aおよび160bと回路基板170上の対応する半田パッド175aおよび175bとの間に半田接続部180aおよび180bを使用して、印刷回路基板(PCB)170に抵抗器100を実装する。
【0020】
放熱素子110aおよび110bは、接着剤130によって抵抗素子120に結合する。なお、これらの放熱素子110aおよび110bについては、抵抗素子120に熱的におよび/または機械的におよび/または電気的に結合/接続でき、あるいはその他の手段で接着、接合または実装することができる。特に、半田可能な端子160aおよび160bは抵抗素子120と放熱素子110aおよび110bとの間を熱的にかつ電気的に接続する。抵抗素子120と放熱素子110aおよび110bそれぞれの側端部との間を熱的に、電気的におよび/または機械的に結合/接続すると、放熱素子110aおよび110bを抵抗器110の構造材として、また熱スプレッダーとして使用することが可能になる。放熱素子110aおよび110bを抵抗器100の構造材として使用すると、抵抗素子120を自立式抵抗素子よりも薄くでき、抵抗器100の抵抗値を約0.015インチ~約0.001インチの箔厚を使用して、約1mΩ~20Ωにすることができる。抵抗素子120の支持体になるだけでなく、放熱素子110aおよび110bは熱スプレッダーとして効率よく使用すると、抵抗器100が効果的に放熱を行う結果、熱スプレッダーを使用しない抵抗器よりも定格電力が高くなる。例えば、2512サイズの金属ストリップ抵抗器の一般的な定格電力は1Wである。本明細書に記載する実施態様を使用すると、2512サイズの金属ストリップ抵抗器の定格電力を3Wにすることができる。
【0021】
さらに、図1A図1Cに示す抵抗器100を使用すると、熱膨張係数(TCE)による抵抗器の故障リスクが小さくなるか、なくなる。
【0022】
図1Cにおいて、誘電体被覆140をドットシェーディングで示す。なお、この誘電体被覆140は抵抗器100の外面の選択された部分か、あるいは全面に適用することができる。この誘電体140については、被覆処理などによって抵抗器100の表面に形成することができる。誘電体140は空間または隙間を埋め、構成部品を互いに電気的に絶縁する。図1Cに示すように、第1誘電体140aを抵抗器の上部に形成する。この第1誘電体140aについては、半田可能な端子160aと160bとの部分間に延在し、放熱素子110aおよび110bの露出した上面115aおよび115bを被覆するのが好ましい。第1誘電体140aも放熱素子110aと110bとの間の隙間190を埋め、これらを分離し、隙間190に面する接着剤130の露出部分を覆う。第2誘電体140bについては、半田可能な端子160aおよび160bの部分間にある抵抗素子120の底面にそって形成し、電極層150aおよび150bの露出部分および抵抗素子120の底面124を覆う。
【0023】
モデリングに基づくと、抵抗器100の使用時に発生する熱の約20%~約50%が放熱素子110aおよび110bに流れ、これによって放熱が起きる。モデリングに基づくと、放熱素子110aおよび110bは抵抗器100に流れる電流を全く含まないか、あるいはほとんど含まず、また放熱素子110aおよび110bに流れる電流は使用時にはゼロかゼロに近くなると考えられる。電流のすべてが、あるいはほぼすべてが電極層150aおよび150bに、そして抵抗素子120に流れることが期待できる。
【0024】
図2Aは、別な実施態様に係る例示的な抵抗器200の横断面図である。この実施態様では、抵抗器200はその上隅部にスエージ209aおよび209bを有する。ここで、スエージは段差、2つの異なる高さをもつ部分、くぼみ、溝、リッジやその他の形状の部分または成形部からなるものとする。一例では、スエージ209aおよび209bは放熱素子210aおよび210bの上隅部および外側隅部における段差である。放熱素子210aおよび210bを覆う半田可能な素子260aおよび260bも上隅部および外側隅部に対応するスエージを有する。スエージを有する半田可能な素子260aおよび260bの部分が、以下に詳しく説明するように、抵抗素子220により近接することになる。
【0025】
これらスエージ209aおよび209bが放熱素子210aおよび210bに、誘電体240aの上部よりも低い位置にあることが好ましい同じレベルまたは平面にそって延伸し又は整合する内側の上面215aおよび215bを形成するするとともに、最も内側の上面より低い位置にある同じレベルまたは平面にそって延伸し又は整合する低い外側上面216aおよび216bを形成する。図示のように、スエージ209aおよび209bを有する放熱素子210aおよび210bを使用するため、内側上面215aおよび215bの高さが下側の外側上面216aおよび216bの高さ以上になる。スエージ209aおよび209bが、放熱素子210aおよび210bに291aおよび291bで示す全長を与えるとともに、スエージ209a、209b部分の開始部までの長さ292aおよび292bを与える。
【0026】
スエージ209aおよび209bが、放熱素子210aおよび210bに図2BにSH1で示す高さを有する外側部分を形成するとともに、SH2で示す高さを有する内側部分を形成することになる。好ましい実施態様では、SH2はSH1よりも高い。放熱素子210aおよび210bの全高さSH2については、例えば、抵抗素子220の高さH1よりも平均して2倍以上にすることができる。
【0027】
なお、スエージ209aおよび209bは形状において1つかそれ以上のバリエーションを取ることができ、放熱素子210aおよび210bに段差付きか、角度付きか、あるいは円形の上部を形成することになる。本実施態様では、放熱素子210aおよび210bを覆う半田可能な素子260aおよび260bは対応する形状を取ることができる。
【0028】
図2Bに示す抵抗器200は抵抗素子220を有し、この素子220については、例えば抵抗器200の少なくとも長さおよび幅部分にそって抵抗器200の領域全体に位置するのが好ましい。この抵抗素子は上面222および底面224を有する。抵抗素子220としては、箔抵抗器が好ましい。抵抗素子については、制限するものではないが、銅、銅合金、ニッケル、アルミニウムまたはマンガンやこれらを組み合わせたものから形成することができる。さらに、抵抗素子は銅-ニッケル-マンガン合金(CuNiMn)、銅-マンガン-スズ合金(CuMnSn)、銅-ニッケル合金(CuNi)、ニッケル-クロム-アルミニウム合金(NiCrAl)やニッケル-クロム合金(NiCr)、あるいは箔抵抗器として使用可能な、当業者にとっては公知な他の合金から形成してもよい。図2Bに示すように、抵抗素子220は幅“W2”を有する。また、図2Bに示すように、抵抗素子220は高さまたは厚さ“H1”を有する。対向方向にある抵抗素子220の外側面または表面は全体として平面でもよく、あるいは実質的に平坦であってもよい。
【0029】
第1の半田可能な端子260aおよび第2の半田可能な端子260bは、抵抗器の対向側端部を覆う。これらについては、半田可能な端子160aおよび160bに関して説明したのと同じ方法で形成することができる。半田可能な端子260aおよび260bは、電極250aおよび250bから抵抗器の側部にそって、かつ放熱素子210a、210bの内側上面215aおよび215bの少なくとも一部にそって延設する。
【0030】
第1放熱素子210aおよび第2放熱素子210bは抵抗素子220の対向側端部に隣接し、好ましくは第1放熱素子210aと第2放熱素子210bとの間には隙間290を設ける。放熱素子210aおよび210bは伝熱性材料からなり、好ましくはC110銅またはC102銅などの銅製である。アルミニウムなどの他の伝熱特性を示す他の金属も導体素子に使用することができ、当業者ならば、導体素子として使用可能な金属についても知悉しているはずである。第1放熱素子210aおよび第2放熱素子210bは、抵抗素子220の外側縁部(または外側面)まで延在している。放熱素子210a、210bの最も外側の側縁部(側面)および抵抗素子220の外側縁部(または外側面)は整合し、抵抗器の平坦な外側面を形成する。
【0031】
放熱素子210aおよび210bは接着材230を介して抵抗素子220に積層、接着、接合あるいは装着することができる。接着材としては、制限するわけではないが、例示すると、DUPONT(登録商標)、PYRALUX(登録商標)、BOND PLY(登録商標)やその他のアクリル、エポキシ、ポリイミドあるいはアルミナ充填樹脂接着剤を挙げることができ、形態はシート状でもよく、あるいは液状でもよい。さらに、接着材230としては、電気絶縁性かつ伝熱性を備えた材質で構成することも可能である。接着材230は、抵抗素子220の上面222の幅“W2”全体にそって延設するのが好ましい。
【0032】
図2Cは、抵抗器を回路基板270に装着したさいに、放熱素子210aおよび210bが抵抗器の上に位置し、かつ回路基板270から離間するように放熱素子210aおよび210bを配設することができることを示す図である。
【0033】
第1電極層250aおよび第2電極層250b(導電層と呼ぶこともある)については、少なくとも抵抗素子220の底面224の対向端部にある部分にそって設ける。電極層250aおよび250bは対向外縁部を有し、これら縁部については、抵抗素子220の対向外側縁部(または外側面)に整合しているのが好ましい。第1電極層250aおよび第2電極層250bについては、抵抗素子220の底面224にメッキするのが好ましい。好適な実施態様では、電極層に銅を使用することもできるが、当業者によく知られているように、メッキ可能で伝熱性の高い金属ならば任意のものを使用することができる。
【0034】
抵抗素子220、そして放熱素子210aおよび210bの外側縁部(または外側面)が半田可能な表面を形成し、これら表面が、端子メッキとしても知られている半田可能な端子260aおよび260bを受け取る。外側面(または外側面)の半田可能な端子260aおよび260bのスエージ209aおよび209bの下にある部分については、平面状の外側面、平坦な外側面または平滑な外側面を形成するのが好ましい。本明細書では、“平坦”は“全体として平坦”を意味し、“平滑”は“正常な製造トレランス内”にある“全体として平滑”を意味する。なお、半田可能な端子260aおよび260bの外側面については、抵抗器の形成方法に基づいて幾分あるいは多少円形でもよく、弓形でもよく、湾曲していてもよく、あるいは波形でもよいが、いずれも“平坦”状と考えることができる。
【0035】
図2Cに示すように、半田可能な端子260aおよび260bについては、抵抗器200の側端部265aおよび265bに個別に取り付け、抵抗器200を回路基板270に半田付けしてもよい。半田可能な端子260aおよび260bについては、電極層250aおよび250bの底面252aおよび252bにそって少なくとも部分的に延在する部分を有するのが好ましい。半田可能な端子260aおよび260bについては、放熱素子210aおよび210bの上面215aおよび215bにそって少なくとも部分的に延在する部分を有するのが好ましい。
【0036】
図2Cに示すように、抵抗素子の回路基板(PCB)270への最近接側に250aおよび250bなどの電極層を使用すると、半田リフロー時に強靭な半田ジョイントを形成し、かつ抵抗器200をPCBパッドにセンタリングするさいに役立つ。半田可能な端子260aおよび260bと回路基板270上の対応する半田パッド275aおよび275bとの間に半田接続部280aおよび280bを使用して、回路基板270に抵抗器200を実装する。
【0037】
放熱素子210aおよび210bは、接着剤230によって抵抗素子220に結合する。なお、これらの放熱素子210aおよび210bについては、抵抗素子220に熱的におよび/または機械的におよび/または電気的に結合/接続でき、あるいはその他の手段で接着、接合または実装することができる。さらに、半田可能な端子260aおよび260bが抵抗素子220と放熱素子210aおよび210bとの間を熱的に接続する。
【0038】
抵抗器200については、図示のように、抵抗器200の外面の一部か、あるいは露出面に被覆などによって適用することができる。誘電体被覆140aおよび140bを有するのが好ましい。誘電体240aおよび240bは空間または隙間を埋め、構成部品を互いに電気的に絶縁する。第1誘電体240aは抵抗器の上部に形成する。この第1誘電体240aについては、半田可能な端子260aと260bとの部分間に延在し、放熱素子210aおよび210bの露出した上面215aおよび215bを被覆するのが好ましい。第1誘電体240aも放熱素子210aと210bとの間の隙間290を埋め、これらを分離し、隙間290に面する接着剤230の露出部分を覆う。第2誘電体240bについては、抵抗素子220の底面224にそって半田可能な端子260aおよび260b部分間に延設し、電極層250aおよび250bの露出部分を覆う。抵抗器を実装するさい、第2誘電体240bと回路基板270との間に隙間271を設けることができる。
【0039】
図2Dは、放熱素子210aおよび210bそれぞれの一部を抵抗素子220により近接させた一実施態様における例示的な抵抗器200を示す横断面図である。スエージ209aおよび209bについては、放熱素子210aおよび210bの一部を圧縮するか、あるいはその他の手段でこれら部分を抵抗素子220に向けてプレスし、各放熱素子の少なくとも一部が抵抗素子220に向かって延設(延設部)することによって形成することができる。接着剤層230についても、所定領域201内で圧縮することができる。圧縮力は、ダイ/パンチの結果であり、このダイ/パンチによって上面215aおよび215bから下に放熱素子210aおよび210bをプレスし、スエージ209aおよび209bを形成する。本実施例では、スエージ209aおよび209bの下にある接着剤層230の高さAH2が接着剤層の残りの部分の高さAH1よりも低くなるように、スエージ209aおよび209bの下にある領域201において接着剤層230を圧縮するか、あるいはより薄く形成することができる。放熱素子210aおよび210bの一部を抵抗素子220に向けて延設すると、放熱素子210a、210bと抵抗素子220とがより近接し(すなわちAH2)、抵抗素子から放熱素子210aおよび210bへの伝熱が促進する。
【0040】
図2Eは、回路基板270に取り付けられた抵抗素子220により近接配置した放熱素子210a、210bのそれぞれの部分を有する抵抗器を示す図である。図2Eに示す構造は、図2Cを参照して説明した構成部品と同様な構成部品で構成することができるため、上記の説明を参照することができる。
【0041】
図2Fは、図2Aおよび図2Dに示す抵抗器の実施例を示す上面図で、抵抗器の内部を示す部分は想像線で示す。
【0042】
図2Gは、図2Aおよび図2Dに示す抵抗器の実施例を示す側面図で、抵抗器の内部を示す部分は想像線で示す。
【0043】
図2Hは、図2Aおよび図2Dに示す抵抗器の実施例を示す底面図で、抵抗器の内部を示す部分は想像線で示す。
【0044】
抵抗素子220と放熱素子210aおよび210bそれぞれの側端部とを熱的に、電気的に、および/または機械的に結合/接続しているため、放熱素子210aおよび210bを抵抗器200の構造材として、また熱スプレッダーとして使用することが可能になる。
【0045】
図3Aは、本発明の別な実施態様に従って構成した例示的な抵抗器300を示す横断面図である。抵抗器300は抵抗素子320を有し、この素子320については、例えば抵抗器300の少なくとも長さおよび幅部分にそって抵抗器300の領域全体に位置するのが好ましい。この抵抗素子320は上面322および底面324を有する。抵抗素子320としては、箔抵抗器が好ましい。さらに、抵抗素子は制限するわけではないが、銅、銅合金、ニッケル合金、アルミ合金、マンガン合金、あるいはこれらの組み合わせから形成することができる。さらに、抵抗素子は銅-ニッケル-マンガン合金(CuNiMn)、銅-マンガン-スズ合金(CuMnSn)、銅-ニッケル合金(CuNi)、ニッケル-クロム-アルミニウム合金(NiCrAl)やニッケル-クロム合金(NiCr)、あるいは箔抵抗器として使用可能な、当業者にとっては公知な他の合金から形成してもよい。抵抗素子320は幅“W3”を有する。また、抵抗素子320は高さまたは厚さ“H2”を有する。対向方向にある抵抗素子320の外側面又は表面は全体として平面でもよく、あるいは実質的に平坦であってもよい。
【0046】
第1放熱素子310aおよび第2放熱素子310bは抵抗素子320の対向側端部に隣接し、好ましくは第1放熱素子310aと第2放熱素子310bとの間には隙間390を設ける。放熱素子310aおよび310bは伝熱材からなり、好ましくはC110銅またはC102銅などの銅製である。アルミニウムなどの他の伝熱特性を示す他の金属も放熱素子に使用することができ、当業者ならば、導体素子として使用可能な金属についても知悉しているはずである。
【0047】
放熱素子310aおよび310bは接着材330を介して抵抗素子320に積層、接着、接合あるいは装着することができる。接着材としては、制限するわけではないが、例示すると、DUPONT(登録商標)、PYRALUX(登録商標)、BOND PLY(登録商標)やその他のアクリル、エポキシ、ポリイミドあるいはアルミナ充填樹脂接着剤を挙げることができ、形態はシート状でもよく、あるいは液状でもよい。さらに、接着材330としては、電気絶縁性かつ伝熱性を備えた材質で構成することも可能である。接着材330は、抵抗素子320の上面322の幅“W3”全体にそって延設してもよい。
【0048】
第1電極層350aおよび第2電極層350b(導電層と呼ぶこともある)については、少なくとも抵抗素子320の底面324の対向端部にある部分にそって設ける。電極層350aおよび350bは対向外縁部を有し、これら縁部については、抵抗素子320の対向外側縁部(または外側面)に整合しているのが好ましい。第1電極層350aおよび第2電極層350bについては、抵抗素子320の底面324にメッキするのが好ましい。好適な実施態様では、電極層に銅を使用することもできる。なお、当業者によく知られているように、メッキ可能で伝熱性の高い金属ならば任意のものを使用することができる。
【0049】
図示のように、抵抗器300の誘電体被覆340aおよび340bについては、抵抗器300の一部の外面か、あるいは露出面に(被覆などによって)適用することができる。誘電体340aおよび340bは空間または隙間を埋め、構成部品を互いに電気的に絶縁する。第1誘電体340aは抵抗器300の上部に形成する。この第1誘電体340aは放熱素子310aおよび310bの上面315aおよび315bを覆う。第1誘電体340aも放熱素子310aと310bとの間の隙間390を埋め、これらを分離し、隙間390に面する接着層330の露出部分を覆う。第2誘電体340bについては、抵抗素子320の底面324に形成し、電極層350aおよび350bの部分を覆う。
【0050】
図3Aに示すように、放熱素子310aおよび310bそれぞれの一部については、抵抗素子320により近接させることができる。スエージ309aおよび309bについては、放熱素子310aおよび310bの一部を圧縮するか、あるいはその他の手段でこれらの部分を抵抗素子320に向けてプレスすることによって形成することができる。接着剤層330についても、所定領域301内で圧縮することができる。圧縮力は、ダイ/パンチの結果であり、このダイ/パンチによって上面315aおよび315bから下に放熱素子310aおよび310bをプレスし、スエージ309aおよび309bを形成する。本実施例では、スエージ209aおよび209bの下にある領域301において接着剤層330を薄くし、放熱素子310aおよび310bにそって下に折り曲げることができる。
【0051】
各放熱素子は少なくとも延設部分302などの部分を有し、この部分は、場合に応じて、抵抗素子320に向けて、あるいはこれに隣接して、あるいはこれの周囲に延設する。第1放熱素子310aの延設部分302については、プレスするかあるいはその他の手段によって接着層330の外側縁部(または外側面)にそって延設することができる。一つの実施態様では、第1放熱素子310aの延設部分302および第2放熱素子310bの延設部分302を抵抗素子320に対して延設することができる。放熱素子310a、310bの延設部分302の外側縁部(側面)および抵抗素子320の外側縁部(または外側面)については、整合させることができ、従って抵抗器300の外側面を形成することになる。
【0052】
接着層330および放熱素子310aおよび310bの底部については、折り曲げ領域301内において抵抗素子320に下向きに湾曲させることができる。拡大図に示すように、放熱素子310aおよび310bの底縁部、そして接着層330の外縁部は丸くすることができる。
【0053】
本開示では、スエージとは段差、くぼみ、溝、リッジまたはその他の形状の成形体を指すものとする。一つの実施例では、スエージ309aおよび309bは、放熱素子310aおよび310bの上隅部および外隅部における段差と考えることもできる。
【0054】
これらスエージ309aおよび309bが放熱素子310aおよび310bに、誘電体340aの上部よりも低い位置にあることが好ましい同じレベルまたは平面にそって延伸し又は整合する内側の上面315aおよび315bを形成するとともに、最上位にある内側上面より低い位置にある同じレベルまたは平面にそって延伸し又は整合する低い外側上面316aおよび316bを形成する。図示のように、スエージ309aおよび309bを有する放熱素子310aおよび310bを使用するため、内側上面315aおよび315bの高さが下側の外側上面316aおよび316bの高さ以上になる。スエージ309aおよび309bはさらに、放熱素子310aおよび310bに391aおよび391bで示す全長を与えるとともに、392aおよび392bで示す、スエージ309a、309b部分の開始部までの長さ391aおよび391bを与える。
【0055】
スエージ309aおよび309bが、放熱素子310aおよび310bに、SH3で示す高さを有する外側部を形成するとともに、SH4で示す高さを有する内側部を形成することになる。好ましい実施態様では、SH4>SH3である。放熱素子310aおよび310bの全高さSH4については、例えば、抵抗素子320の高さH2よりも平均して2倍にすることができる。
【0056】
なお、スエージ309aおよび309bは形状において1つかそれ以上のバリエーションを取ることができ、放熱素子310aおよび310bに段差付きか、角度付きか、あるいは円形の上部を形成することになる。
【0057】
第1の半田可能な端子360aおよび第2の半田可能な端子306bについては、半田可能な端子160a、160bおよび260a、260bに関して説明したのと同じ方法で抵抗器300の対向側端部に形成することができる。これら半田可能な端子360a、360bについては電極350a、350bから抵抗器の側部にそって、そして放熱素子310a、310bの内側上面315aおよび315bの少なくとも一部にそって延設する。第1誘電体340aについては、抵抗器300の上面において半田可能な端子360aと360bとの間に延設し、そして第2誘電体340bについては、抵抗素子320の底面324にそって半田可能な端子360aおよび360b部分間に延設するのが好ましい。
【0058】
抵抗素子320および放熱素子310a、310bの外側縁部(または外側面)が半田可能な表面を形成し、これら表面に端子メッキとしても知られている半田可能な端子360aおよび360bを受け取る。半田可能な端子360aおよび360bのスエージ309aおよび309bの下にある外側縁部(または外側面)の部分は、平面状の、あるいは平坦な、または平滑な外側面を形成する。本明細書では、「平坦」は「全体として平坦」を意味し、「平滑」は「全体として平滑」を意味し、「全体として平滑」は「正常な製造トレランス内」にあることを意味する。なお、半田可能な端子360aおよび360bの外側面については、抵抗器の形成方法に基づいてスエージ309aおよび309bの下において幾分あるいは多少円形でもよく、弓形でもよく、湾曲していてもよく、あるいは波形でもよいが、いずれも「平坦」状と考えることができる。接着層330および放熱素子310aおよび310bを圧縮すると、放熱素子310a、310bおよび抵抗素子320が湾曲領域301内でより近接することができる。このため、半田可能な端子310a、310bの放熱素子310a、310bおよび抵抗素子320への接着が加速する。
【0059】
放熱素子310aおよび310bを覆う半田可能な端子360aおよび360bが、上隅部および外隅部内に対応するスエージを有することになる。このように、スエージを有する半田可能な素子360aおよび360bが抵抗素子320により近接する。
【0060】
半田可能な端子360aおよび360bについては、放熱素子310aおよび310bの上面315aおよび315bにそって部分的に延在する部分を有することが好ましい。
【0061】
上述したように、接着層330を圧縮し、折り曲げると、放熱素子310a、310bおよび抵抗素子320が相互により近接する。半田可能な端子360aおよび360bは、接着材330を架橋できる。
【0062】
図3Bは、抵抗器を回路基板370(PCB370)に取り付けるさいに、放熱素子310aおよび310bが抵抗器の上部に位置し、かつ回路基板370から離間するように放熱素子310aおよび310bを設けた状態を示す図である。抵抗器を実装すると、第2誘電体340bと回路基板370との間に隙間371が生じる。
【0063】
半田可能な端子360aおよび360bについては、抵抗器300の側端部に個別に取り付け、抵抗器300を回路基板370に半田付けしてもよい。半田可能な端子360aおよび360bについては、電極層350aおよび350bの底面352aおよび352bにそって少なくとも部分的に延在する部分を有するのが好ましい。
【0064】
回路基板370への最近接側に電極層350aおよび350bを使用すると、半田リフロー時に強靭なジョイントを形成し、かつ抵抗器300をPCBパッド375aおよび375bにセンタリングするさいに役立つ。半田可能な端子360a、360bと回路基板170上の対応する半田パッド375a、375bとの間に半田接続部380aおよび380bを使用して、印刷回路基板370に抵抗器300を実装する。
【0065】
放熱素子310aおよび310bは、接着剤330によって抵抗素子320に結合する。なお、これらの放熱素子310aおよび310bについては、抵抗素子320に熱的におよび/または機械的におよび/または電気的に結合/接続でき、あるいはその他の手段で接着、接合または実装することができる。半田可能な端子360aおよび360bは、抵抗素子320と放熱素子310a、310bとの間を熱的にかつ電気的に接続する。抵抗素子320と放熱素子310a、310bそれぞれの側端部との間を熱的に、電気的におよび/または機械的に結合/接続すると、放熱素子310aおよび310bを抵抗器300の構造材として、また熱スプレッダーとして使用することが可能になる。
【0066】
放熱素子210aおよび210bを抵抗器200の構造材として使用し、かつ放熱素子310aおよび310bを抵抗器300の構造材として使用すると、抵抗素子220および320を自立式抵抗素子よりも薄くでき、抵抗器200および300の抵抗値を、約0.015インチ~約0.001インチの箔厚を使用して、約1mΩ~30Ωにすることができる。抵抗素子220および320の支持体になるだけでなく、放熱素子210a、210bおよび310a、310bを熱スプレッダーとして効率よく使用すると、抵抗器200および300が効果的に放熱を行う結果、熱スプレッダーを使用しない抵抗器よりも定格電力が高くなる。例えば、2512サイズの金属ストリップ抵抗器の一般的な定格電力は1Wである。本明細書に記載する実施態様を使用すると、2512サイズの金属ストリップ抵抗器の定格電力を3Wにすることができる。
【0067】
さらに、抵抗器200および300を使用すると、熱膨張係数(TCE)による抵抗器の故障リスクが小さくなるか、これがなくなる。
【0068】
モデリングに基づくと、抵抗器200および300の使用時に発生する熱の約20%~約50%が放熱素子210a、210b、310aおよび310bに流れ、これによって放熱が起きる。モデリングに基づくと、放熱素子210a、210b、310aおよび310bは抵抗器200および300に流れる電流れを全く含まないか、あるいはほとんど含まず、また放熱素子210a、210b、310aおよび310bに流れる電流は使用時にはゼロかゼロに近くなると考えられる。電流のすべてが、あるいはほぼすべてが電極層250a、250b、350aおよび350bに、そして抵抗素子220および320に流れることが期待できる。
【0069】
図4Aは、例示を目的として各層を部分的に透視化した、抵抗器400を示す上面図である。抵抗器400はスエージ409を有することができ、その全体構成は図2A図2Hまたは図3A図3Bを参照して説明した構成と同様である。抵抗器400は抵抗器200または抵抗器300と同様であるため、抵抗器200または抵抗300の説明を援用するものとする。図4Aは抵抗器400を示す透視化上面図であり、(上記放熱素子210a、210bまたは310a、310bと同様な)放熱素子410、(上記抵抗素子220または320と同様な)抵抗素子420および(上記誘電体240a、240bまたは340a、340bと同様な)誘電体440を示す図である。抵抗素子420はほぼ均質な表面積をもつ。図4Aから見て取れるように、放熱素子410の幅は抵抗素子420の幅よりほぼ2~4%程度広い。
【0070】
図4Bは、例示を目的として各層を部分的に透視化した、抵抗器400を示す側面図である。抵抗器400の上隅部の拡大図401に示すように、放熱素子410は半田可能な素子460に覆われてもよい。スエージ409については、放熱素子410および対応する半田可能な素子460の上隅部および外隅部に設けることができる。
【0071】
図4Cは、例示を目的として各層を部分的に透視化した、抵抗器400を示す底面図である。抵抗器400の拡大図402に、抵抗素子420、放熱素子410、導体素子410の外部を覆う誘電体440および抵抗素子420を示す抵抗器400の中央部分を詳細に示す。
【0072】
図4Dは、例示を目的とする切欠き部を有する、抵抗器400の等測投影図である。抵抗素子420の上面に形成した(接着材230または330と同様な)接着材430によって放熱素子410と抵抗素子420とを熱的に接着することができる。(電極250a、250bまたは350a、350bと同様な)電極層450は、図示のように、抵抗素子420の下面に取り付けることができる。
【0073】
図5Aは、例示を目的として各層を部分的に透視化した、抵抗器500の上面図である。抵抗器500はスエージ509を有することができ、全体的な構成は図2A図2Hまたは図3Aおよび図3Bを参照して説明した通りである。抵抗器500は抵抗器200または抵抗器300と同様であるため、抵抗器200または抵抗器300の説明を援用するものとする。図5Aは、抵抗器500の透視化上面図であり、(上記放熱素子210a、210bまたは310a、310bと同様な)放熱素子510、(上記抵抗素子220または320と同様な)抵抗素子520および(上記誘電体240a、240bまたは340a、340bと同様な)誘電体540を示す図である。
【0074】
抵抗素子520の較正については、例えば、目的の厚さまで薄くするか、あるいは抵抗器500の目標抵抗値などに基づいて特定位置にある抵抗素子520に切れ目を入れることによって電流路に操作を加えればよい。パターニングについては、化学的エッチングおよび/またはレーザーエッチングを行えばよい。放熱素子510それぞれの下に2本の溝504が形成するように、抵抗素子520をエッチングすればよい。誘電体540がこれら溝504を埋める。図5Aから見て取れるように、放熱素子510の幅は抵抗素子520の幅よりも2~4%程大きい。
【0075】
図5Bは、例示を目的として各層を部分的に透視化した、抵抗器500の側面図である。抵抗器500の上隅部を示す拡大図501に示すように、半田可能な素子560によって放熱素子510を覆うことができる。スエージ509については、放熱素子510および対応する半田可能な素子560の上隅部および外隅部に設けることができる。
【0076】
図5Cは、例示を目的として各層を部分的に透視化した、抵抗器500の底面図である。拡大図502は、抵抗器500の中央部分を詳細に示す図であり、抵抗素子520、放熱素子510、および導体素子510および抵抗素子520の外側部分を覆う誘電体540を示す。
【0077】
図5Dは、例示を目的とする切欠き部を有する、抵抗器500の等測投影図である。抵抗素子520の上面に形成した(接着材230または330と同様な)接着材530によって放熱素子510と抵抗素子520とを熱的に接着することができる。(電極250a、250bまたは350a、350bと同様な)電極層550は、図示のように、抵抗素子520の下面に取り付けることができる。
【0078】
図6Aは、例示を目的として各層を部分的に透視化した、抵抗器600を示す上面図である。抵抗器600はスエージ609を有することができ、その全体構成は図2A図2Hまたは図3A図3Bを参照して説明した構成と同様である。抵抗器600は抵抗器200または抵抗器300と同様であるため、抵抗器200または抵抗300の説明を援用するものとする。図6Aは抵抗器600を示す透視化上面図であり、(上記放熱素子210a、210bまたは310a、310bと同様な)放熱素子610、(上記抵抗素子220または320と同様な)抵抗素子620および(上記誘電体240a、240bまたは340a、340bと同様な)誘電体640を示す図である。
【0079】
抵抗素子620の較正については、例えば、目的の厚さまで薄くするか、あるいは抵抗器600の目標抵抗値などに基づいて特定位置にある抵抗素子620に切れ目を入れることによって電流路に操作を加えればよい。パターニングについては、化学的エッチングおよび/またはレーザーエッチングを行えばよい。放熱素子610それぞれの下に2本の溝504が形成するように、抵抗素子620をエッチングすればよい。誘電体640がこれら溝604を埋める。図6Aから見て取れるように、放熱素子610の幅は抵抗素子620の幅よりも2~4%程大きい。
【0080】
図6Bは、例示を目的として各層を部分的に透視化した、抵抗器600の側面図である。抵抗器600の上隅部を示す拡大図601に示すように、半田可能な素子660によって放熱素子610を覆うことができる。スエージ609については、放熱素子610および対応する半田可能な素子660の上隅部および外隅部に設けることができる。
【0081】
図6Cは、例示を目的として各層を部分的に透視化した、抵抗器600の底面図である。 拡大図602は、抵抗器600の中央部分を詳細に示す図であり、抵抗素子620、放熱素子610、および導体素子610および抵抗素子620の外側部分を覆う誘電体640を示す。
【0082】
図6Dは、例示を目的とする切欠き部を有する、抵抗器600の等測投影図である。抵抗素子620の上面に形成した(接着材230または330と同様な)接着材630によって放熱素子610と抵抗素子620とを熱的に接着することができる。(電極250a、250bまたは350a、350bと同様な)電極層650は、図示のように、抵抗素子620の下面に取り付けることができる。
【0083】
図7は、本発明の抵抗器を製造する例示的な方法を示すフローダイアグラムである。例えば、抵抗器200を使用して、図7に示す方法の実施例を説明することにする。この方法実施例では、放熱素子を形成することになる導電層(複数の場合もある)および抵抗素子220を、例えば清掃して目的のシートサイズに切断してもよい(705)。接着材を使用して、導電層(複数の場合もある)および抵抗素子220を積層する(710)。公知メッキ方法を使用して、電極層を抵抗素子220の底面の一部にメッキする(715)。導電層をマスク処理し、かつパターニングし、導体を個別の放熱素子に分割する。一実施態様では、例えば化学的エッチングなどを使用して抵抗素子をパターニングし、および/またはレーザーなどを使用して薄肉化して、目標の抵抗値を得る。抵抗器200の上下面に誘電体を成膜、被覆または適用して(720)、放熱素子を形成する複数の導電層を相互絶縁する。図2A図2Hおよび図3A図3Bを参照して説明した適宜行う工程において、放熱素子の一部を圧縮して(725)、スエージを形成する。圧縮力によって、接着層が放熱素子の一部を圧縮し(725)、スエージを形成する。この圧縮によって接着層が圧縮し、および/または接着層および放熱素子の底部が縁部において抵抗素子に向かって下向きに折曲がる。
【0084】
一つかそれ以上の導電層を有する抵抗素子(放熱素子)には半田可能な層または端子をメッキ(730)し、抵抗素子を複数の導電層を電気的に結合することができる(放熱素子)。
【0085】
本明細書で説明してきた実施態様のいずれにおいても、接着材はシンギュレーション時に切断することができるため、二次的なレーザー処理においてKaptonなどの接着材を除去する必要がなく、抵抗素子をメッキ前に露出させることが可能になる。
【0086】
本発明の特徴および要素を実施態様で具体的な組み合わせにおいて説明してきたが、各特徴は単独で使用することができ、実施態様の他の特徴および要素を本発明の特徴および要素と各種の形で併用してもよく、あるいは併用しなくてもよい。
【符号の説明】
【0087】
100、200、300、400、500、600:抵抗器
110a、210a、310a:第1放熱素子
110b、210b、310b:第2放熱素子
120、220、320、420、520、620:抵抗素子
122、222、322、115a、115b、215a、215b、216a、216b、315a、315b、316a、316b:上面
124、224、324、152a、152b、252a、252b、352a、352b:底面
130、230、330、430、630:接着材、接着剤
140、340、440、540、640:誘電体
140a、240a、340a:第1誘電体
140b、240b、340b:第2誘電体
150a、250a、350a:第1電極層
150b、250b、350b:第2電極層
160a、260a、360a:第1の半田可能な端子
160b、260b、360b:第2の半田可能な端子
165a、165b、265a、265b:側端部
170、270、370:回路基板
175a、175b、275a、275b、375a、375b:半田パッド
180a、180b、280a、280b、380a、380b:半田接続部
190、271、290、371、390:隙間
201、301:領域
209a、209b、309a、309b、409、509、609:スエージ
410、510、610:放熱素子
260a、260b、460、560、660:半田可能な素子
292a、292b、391a、391b:長さ
302:延設部分
401、402、601:拡大図
450、550、650:電極層
504:溝
AH1、AH2、H1、H2、SH1、SH2、SH3、SH4:高さ
W、W2、W3:幅
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7