(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】支援システム、支援装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20230509BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2019003447
(22)【出願日】2019-01-11
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】稲川 暢浩
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-152934(JP,A)
【文献】国際公開第2012/029548(WO,A1)
【文献】特開2017-142801(JP,A)
【文献】特開2014-170431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者の位置から複数の売場を含む範囲を目視した様子を表した第1の画像に映り込む複数の売場のそれぞれにおける商品の陳列状況に関する状況データを取得する取得手段と、
前記第1の画像に、前記取得手段により取得された前記状況データに基づき前記第1の画像に映り込む複数の売場のそれぞれにおける陳列状況の異常を表した第2の画像を重畳した第1の画面を表示デバイスに表示させ
たのち、前記第2の画像が表す異常が指定されたことに応じて、当該指定された異常を解消するための作業を案内する第3の画像を前記第1の画像に重畳した第2の画面を前記表示デバイスに表示させる制御手段と、
前記表示デバイスが表示する画面の閲覧者を識別する識別手段と、
前記表示デバイスが表示する画面を前記制御手段が前記第2の画面に変更させたのちに、前記第3の画像に関する異常が解消されたことに応じて当該の異常の解消を、前記識別手段により識別された閲覧者による作業の実績として表すよう、記憶デバイスに記憶された実績データを更新する更新手段と、
を具備した支援システム。
【請求項2】
作業者の位置から複数の売場を含む範囲を目視した様子を表した第1の画像に映り込む複数の売場のそれぞれにおける商品の陳列状況に関する状況データを取得する取得手段と、
前記第1の画像に、前記取得手段により取得された前記状況データに基づき前記第1の画像に映り込む複数の売場のそれぞれにおける陳列状況の異常を表した第2の画像を重畳した第1の画面を表示デバイスに表示させ
たのち、前記第2の画像が表す異常が指定されたことに応じて、当該指定された異常を解消するための作業を案内する第3の画像を前記第1の画像に重畳した第2の画面を前記表示デバイスに表示させる制御手段と、
前記表示デバイスが表示する画面の閲覧者を識別する識別手段と、
前記表示デバイスが表示する画面を前記制御手段が前記第2の画面に変更させたのちに、前記第3の画像に関する異常が解消されたことに応じて当該の異常の解消を、前記識別手段により識別された閲覧者による作業の実績として表すよう、記憶デバイスに記憶された実績データを更新する更新手段と、
を具備した支援装置。
【請求項3】
支援装置を制御するコンピュータを、
作業者の位置から複数の売場を含む範囲を目視した様子を表した第1の画像に映り込む複数の売場のそれぞれにおける商品の陳列状況に関する状況データを取得する取得手段と、
前記第1の画像に、前記取得手段により取得された前記状況データに基づき前記第1の画像に映り込む複数の売場のそれぞれにおける陳列状況の異常を表した第2の画像を重畳した第1の画面を表示デバイスに表示させ
たのち、前記第2の画像が表す異常が指定されたことに応じて、当該指定された異常を解消するための作業を案内する第3の画像を前記第1の画像に重畳した第2の画面を前記表示デバイスに表示させる制御手段と、
前記表示デバイスが表示する画面の閲覧者を識別する識別手段と、
前記表示デバイスが表示する画面を前記制御手段が前記第2の画面に変更させたのちに、前記第3の画像に関する異常が解消されたことに応じて当該の異常の解消を、前記識別手段により識別された閲覧者による作業の実績として表すよう、記憶デバイスに記憶された実績データを更新する更新手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、支援システム、支援装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
売場に陳列した商品を販売するスーパーマーケットなどのような店舗においては、店員が売場を巡回しつつ、商品の補充などの作業を行っている。
このような作業は、店員の判断により行われることが多く、店員にとっての大きな負荷となる恐れがあった。また店員が不慣れである場合などにおいては、行われるべき作業が行われない恐れがあった。
このような事情から、店舗における商品陳列に関する店員の作業を支援できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、店舗における商品陳列に関する店員の作業を支援できる支援システム、支援装置及び情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の支援システムは、取得手段、制御手段、識別手段及び更新手段を備える。取得手段は、作業者の位置から複数の売場を含む範囲を目視した様子を表した第1の画像に映り込む複数の売場のそれぞれにおける商品の陳列状況に関する状況データを取得する。制御手段は、第1の画像に、取得手段により取得された状況データに基づき第1の画像に映り込む複数の売場のそれぞれにおける陳列状況の異常を表した第2の画像を重畳した第1の画面を表示デバイスに表示させたのち、第2の画像が表す異常が指定されたことに応じて、当該指定された異常を解消するための作業を案内する第3の画像を第1の画像に重畳した第2の画面を表示デバイスに表示させる。識別手段は、表示デバイスが表示する画面の閲覧者を識別する。更新手段は、表示デバイスが表示する画面を制御手段が第2の画面に変更させたのちに、第3の画像に関する異常が解消されたことに応じて当該の異常の解消を、識別手段により識別された閲覧者による作業の実績として表すよう、記憶デバイスに記憶された実績データを更新する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係る支援システムの概略構成と、この支援システムに含まれる情報端末装置及び支援サーバの要部回路構成とを示すブロック図。
【
図2】
図1中の状況データに含まれるデータレコードの構造を模式的に示す図。
【
図3】
図1中の作業データに含まれるデータレコードの構造を模式的に示す図。
【
図4】
図1中の実績データに含まれるデータレコードの構造を模式的に示す図。
【
図5】
図1中の支援サーバに備えられたプロセッサによる情報処理のフローチャート。
【
図6】
図1中の情報処理端末に備えられたプロセッサによる情報処理のフローチャート。
【
図7】
図1中の情報処理端末に備えられたプロセッサによる情報処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る支援システム100の概略構成と、この支援システム100に含まれる情報端末装置10及び支援サーバ20の要部回路構成とを示すブロック図である。
【0008】
支援システム100は、売場に陳列した商品を販売する店舗において、陳列された商品に関する店員の作業(以下、陳列作業と称する)を支援する。当該陳列作業は例えば、売場への商品の補充、陳列済みの商品の整列、あるいは不適切な商品の売場からの回収などである。なお、陳列作業は、例えば納品業者の従業員などのような店員以外の作業者により行われてもよい。
支援システム100は、情報端末装置10及び支援サーバ20を、通信ネットワーク200を介して通信可能とすることで構成されている。なお支援サーバ20は、店舗サーバ300及び状況管理サーバ400とも、通信ネットワーク200を介して通信可能である。
【0009】
通信ネットワーク200は、インターネット、VPN(virtual private network)、LAN(local area network)、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。
店舗サーバ300は、店舗に関する各種のデータを管理するための情報処理を行う。店舗に関する各種のデータの1つは、商品の陳列レイアウトを表したレイアウトデータである。また店舗に関する各種のデータの1つは、商品の在庫を管理するための在庫データである。また店舗に関する各種のデータの1つは、店員を管理するための管理データである。
【0010】
状況管理サーバ400は、店舗における売場での陳列状況を管理するための情報処理を行う。状況管理サーバ400は、陳列状況を管理するために、POS(point-of-sale)システム500により管理される販売データ及びセンサ群600での検出結果を参照する。販売データは、各商品の販売の実績を管理するためのデータである。センサ群600は、店舗内に配置された多数のセンサを含む。これら多数のセンサはそれぞれ、商品の陳列状況を検出する。これらセンサは例えば、カメラ、光センサ、赤外線センサ、温度センサ、あるいは重量センサなどである。
【0011】
情報端末装置10は、支援サーバ20によって提供される状況データに基づき、店員による陳列作業を支援するための画面表示を行う。つまり情報端末装置10は、支援装置としての機能を備える。情報端末装置10は、典型的には、スマートフォン、携帯電話、あるいはタブレット端末等のような携帯型の情報処理装置である。情報端末装置10は、ヘッドマウント型のようなウェアラブルな情報処理装置であってもよい。
【0012】
情報端末装置10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、タッチパネル14、カメラ15、通信インタフェース16及び伝送路17等を備える。プロセッサ11と、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、タッチパネル14、カメラ15及び通信インタフェース16とは、伝送路17を介して接続される。
【0013】
情報端末装置10においては、プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13を伝送路17で接続することによって、情報端末装置10を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成する。
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラム等の情報処理プログラムに従って、情報端末装置10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0014】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域では情報処理プログラムを記憶する。またメインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0015】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス13は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)である。HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)などが補助記憶デバイス13として使用されてもよい。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ11での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス13は、情報処理プログラムを記憶する。
【0016】
補助記憶デバイス13が記憶する情報処理プログラムの1つは、陳列作業の支援のための画面表示を行う動作制御のためのアプリケーションプログラム(以下、陳列支援アプリと称する)P1である。ただし典型的には、陳列支援アプリP1は、情報端末装置10の管理者又はサービスマンなどによる操作に応じて、例えばインターネットを介してダウンロードされて補助記憶デバイス13に書き込まれる。つまり、情報端末装置10を使用する企業等への情報端末装置10の譲渡は、陳列支援アプリP1が補助記憶デバイス13に記憶されていない状態で行われる。しかしながら、陳列支援アプリP1が補助記憶デバイス13に記憶された状態の情報端末装置10が上記の企業等に譲渡されても構わない。
【0017】
タッチパネル14は、情報端末装置10の入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。
カメラ15は、光学系及びイメージセンサを含み、光学系により形成される視野内の像を表した画像データをイメージセンサにより生成する。カメラ15は、動画撮影が可能であることが好ましい。しかしながらカメラ15は、静止画像を単独で、又は連続で撮影するものであっても構わない。
【0018】
通信インタフェース16は、通信ネットワーク200を介したデータ通信のインタフェースである。通信インタフェース16としては、例えば移動通信網又はインターネットを介したデータ通信を行うための周知の通信デバイスを利用できる。
伝送路17は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0019】
支援サーバ20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、通信インタフェース24及び伝送路25等を備える。プロセッサ21と、メインメモリ22、補助記憶デバイス23及び通信インタフェース24とは、伝送路25によって接続される。伝送路25は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0020】
支援サーバ20においては、プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23を伝送路25で接続することによって、支援サーバ20を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成する。
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、情報処理プログラムに従って、支援サーバ20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0021】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域では情報処理プログラムを記憶する。またメインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0022】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス23は、例えばEEPROM、HDD、SSDなどである。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ21での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス23は、情報処理プログラムを記憶する場合もある。補助記憶デバイス23が記憶する情報処理プログラムの1つは、支援サーバ20としての動作制御のためのアプリケーションプログラム(以下、支援サーバアプリと称する)P2である。補助記憶デバイス23は、状況データD1、作業データD2及び実績データD3を記憶する。これら状況データD1、作業データD2及び実績データD3については後述する。
【0023】
通信インタフェース24は、通信ネットワーク200を介したデータ通信のインタフェースである。通信インタフェース24としては、例えばインターネットを介したデータ通信を行うための周知の通信デバイスを利用できる。
【0024】
支援サーバ20は、例えば汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることができる。このときに典型的には、支援サーバアプリP2が補助記憶デバイス23に記憶されない状態のコンピュータ装置と支援サーバアプリP2とが個別に支援サーバ20を使用する企業等に譲渡される。支援サーバアプリP2の譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介したダウンロードにより実現できる。そしてこの場合は、支援サーバ20の管理者又はサービスマンなどによる操作に応じて、支援サーバアプリP2が補助記憶デバイス23に書き込まれる。ただし、支援サーバアプリP2をコンピュータ装置の補助記憶デバイス23に記憶してなる支援サーバ20が上記の企業等に譲渡されても構わない。
【0025】
図2は状況データD1に含まれるデータレコードR1の構造を模式的に示す図である。
状況データD1は、データレコードR1を1つ又は複数含む。状況データD1がデータレコードR1をいくつ含むかは、店舗における商品の陳列状況に応じて変化する。データレコードR1は、陳列状況に異常が生じている売場に関連付けられる。なお、ここでの売場とは、店舗内の商品を陳列するスペースを複数に区切って設定された空間を表す。そしてデータレコードR1は、関連付けられた売場における陳列状況を表す。つまり状況データD1は、店舗内における陳列状況を表すデータである。
【0026】
データレコードR1は、フィールドF11,F12,F13,F14を含み得る。フィールドF11には、関連付けられた売場を識別するための売場コードがセットされる。フィールドF12には、関連付けられた売場を店員が容易に識別できるように予め定められた売場名称を表すデータがセットされる。フィールドF13には、関連付けられた売場に陳列される商品を識別するための商品コードがセットされる。フィールドF14には、関連付けられた売場での陳列状況を識別するための状況コードがセットされる。なお、売場コード、売場名称及び状況コードは、例えば支援サーバ20のメンテナンスを担うサービスマン、あるいは店舗の管理者などによって適宜に設定されてよい。状況コードは、陳列作業の支援のために店員に知らせるべきいくつかの陳列状況のそれぞれを識別できるように定められる。状況コードで識別される陳列状況は例えば、「品切れ」、「商品不足」、「陳列の乱れ」、「商品の品質チェックが必要」、あるいは「異物の混入」、などとすることが想定される。なおデータレコードR1は、例えばフィールドF12などの一部のフィールドが省略されてもよいし、別のフィールドを設けて、別の任意のデータがセットされてもよい。
【0027】
図3は作業データD2に含まれるデータレコードR2の構造を模式的に示す図である。
作業データD2は、データレコードR2を1つ又は複数含む。作業データD2がデータレコードR2をいくつ含むかは、陳列作業の実施状況に応じて変化する。データレコードR2は、実施中の陳列作業に関連付けられる。そしてデータレコードR2は、関連付けられた陳列作業を管理するためのデータである。
【0028】
データレコードR2は、フィールドF21,F22,F23,F24,F25を含み得る。フィールドF21には、関連付けられた陳列作業の対象となっている売場を識別するための売場コードがセットされる。フィールドF22には、関連付けられた陳列作業が開始される契機となった陳列状況を識別するための状況コードがセットされる。フィールドF23には、関連付けられた陳列作業を実施する店員を識別するための店員コードがセットされる。フィールドF24には、関連付けられた陳列作業の開始を通知した情報端末装置10を識別するための端末コードがセットされる。フィールドF25には、関連付けられた陳列作業を開始した時刻を表すデータがセットされる。なおデータレコードR2は、例えばフィールドF24などの一部のフィールドが省略されてもよいし、別のフィールドを設けて、別の任意のデータがセットされてもよい。
【0029】
図4は実績データD3に含まれるデータレコードR3の構造を模式的に示す図である。
実績データD3は、データレコードR3を複数含む。実績データD3がデータレコードR3をいくつ含むかは、陳列作業を実施する店員の数に応じて変化する。データレコードR3は、陳列作業を実施する店員に関連付けられる。そしてデータレコードR3は、関連付けられた店員による陳列作業の実績を管理するためのデータである。
【0030】
データレコードR3は、フィールドF31,F32,F33,F34…を含み得る。データレコードR3が、フィールドF32以降のフィールドをいくつ含むかは、陳列作業の実績を管理する区分の数に応じて変化する。
図4は、部門毎で実績を管理する場合の一例を示しており、フィールドF32以降のフィールドの数は陳列作業の対象となる部門の数となる。そしてフィールドF32以降の各フィールドは、陳列作業の対象となる部門がそれぞれ対応付けられる。フィールドF31には、関連付けられた店員を識別するための店員コードがセットされる。フィールドF32以降の各フィールドには、そのフィールドが対応付けられた部門に属する売場に関して、当該データレコードR3が関連付けられた店員が実施した陳列作業の回数を表したデータがセットされる。なおデータレコードR3は、別のフィールドを設けて、別の任意のデータをセットしてもよい。
【0031】
次に以上のように構成された支援システム100の動作について説明する。
支援サーバ20においてプロセッサ21は、支援サーバアプリP2に従って、以下に説明する情報処理を行う。
図5はプロセッサ21による情報処理のフローチャートである。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。
【0032】
Act1としてプロセッサ21は、データ取得タイミングが到来したか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、データ取得タイミングが到来していないならばNoと判定し、Act2へと進む。
Act2としてプロセッサ21は、送信要求がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、送信要求がなされていないならばNoと判定し、Act3へと進む。
Act3としてプロセッサ21は、開始通知がなされたか否かを確認する。そして開始通知がなされていないならばNoと判定し、Act1へと戻る。
かくしてプロセッサ21はAct1~Act3としては、データ取得タイミングが到来するか、あるいは送信要求又は開始通知がなされるのを待ち受ける。
【0033】
プロセッサ21は、データ取得タイミングとして予め定められたタイミングが到来するとAct1にてYesと判定し、Act4へと進む。なおデータ取得タイミングは、例えば支援サーバアプリP2の作成者などによって任意に定められてよい。データ取得タイミングは、例えば一定時間毎のタイミングとすることが想定される。
【0034】
Act4としてプロセッサ21は、異常データを取得する。プロセッサ21は例えば、異常データの送信を要求するための予め定められた要求データを状況管理サーバ400に宛てて通信ネットワーク200へと通信インタフェース24を介して送出する。そしてプロセッサ21は、この要求に対して状況管理サーバ400が送信する異常データが通信ネットワーク200によって支援サーバ20へと伝送されて、通信インタフェース24により取り込まれると、この異常データを取得する。
【0035】
ところで状況管理サーバ400は、POSシステム500で管理されている販売データと、センサ群600での検出結果などに基づき、店舗における各売場の陳列状況を監視している。そして状況管理サーバ400は、「品切れ」、「商品不足」、「陳列の乱れ」、「商品の品質チェックが必要」、あるいは「異物の混入」などの異常が発生している売場が存在するならば、その売場の売場コードと、発生している異常の状況コードとを互いに関連付けて含んだ異常データを生成し、上記のように支援サーバ20へと送信する。なお、状況管理サーバ400が陳列状況を監視するための情報処理は、既存の処理を用いることができる。
【0036】
Act5としてプロセッサ21は、状況データD1を更新する。プロセッサ21は例えば、互いに関連付けて異常データに含まれた売場コード及び状況コードの組み合わせのそれぞれに関して、その売場コード及び状況コードがフィールドF11,F14にそれぞれセットされているデータレコードR1が状況データD1に含まれるか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、該当のデータレコードR1が見つからない売場コード及び状況コードの組み合わせに関して、その売場コード及び状況コードをフィールドF11,F14にそれぞれセットした新たなデータレコードR1を状況データD1に追加する。なおプロセッサ21は、この追加するデータレコードR1のフィールドF12,F13には、フィールドF11にセットするデータが表す売場コードで識別される売場についての売場名称を表すデータと、当該売場に陳列される商品の商品コードとをそれぞれセットする。なおプロセッサ21は、このようにフィールドF12,F13にセットするデータは、例えば店舗サーバ300から取得する。
【0037】
またプロセッサ21は例えば、同じデータレコードR1のフィールドF11,F14にそれぞれセットされているデータが表す売場コード及び状況コードの組み合わせのそれぞれに関して、その売場コード及び状況コードが互いに関連付けて異常データに含まれているか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、該当の売場コード及び状況コードの組み合わせが異常データに含まれていないならば、当該売場コード及び状況コードがフィールドF11,F14にそれぞれセットされているデータレコードR1を状況データD1から削除する。
【0038】
Act6としてプロセッサ21は、実施中の作業のいずれか1つでも完了したか否かを確認する。上記のようにデータレコードR1を状況データD1から削除する場合、そのデータレコードR1に関する異常が解消されたのであるから、当該の異常を解消するための作業が完了している。そこでプロセッサ21は、状況データD1からデータレコードR1を1つも削除していないならばNoと判定し、Act1~Act3の待受状態に戻る。
かくしてプロセッサ21は、データ取得タイミング毎にAct4及びAct5を繰り返し、最新の陳列状況の監視結果を表すように状況データを更新してゆく。
【0039】
さて情報端末装置10においてプロセッサ11は、陳列支援アプリP1に基づくアプリケーションの起動が操作者によって指示されたならば、陳列支援アプリP1に基づく情報処理を開始する。
図6及び
図7はプロセッサ11による情報処理のフローチャートである。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。
【0040】
Act21としてプロセッサ11は、カメラ画像の表示を開始する。プロセッサ11は例えば、カメラ15を起動させ、カメラ15が出力する画像データに基づく動画の表示をタッチパネル14に開始させる。
【0041】
Act22としてプロセッサ11は、状況データを取得する。プロセッサ11は例えば、状況データの送信を要求するための予め定められた要求データを支援サーバ20に宛てて通信ネットワーク200へと通信インタフェース16を介して送出する。そしてプロセッサ21は、この要求に対して支援サーバ20が送信する状況データが通信ネットワーク200によって情報端末装置10へと伝送されて、通信インタフェース16により取り込まれると、この状況データを取得する。プロセッサ11は、取得した状況データをメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に保存しておく。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは取得手段として機能する。
【0042】
なお支援サーバ20においてプロセッサ21は、上記のように情報端末装置10から送信された要求データが通信ネットワーク200によって支援サーバ20へと伝送されて、通信インタフェース24により取り込まれると、
図5中のAct2にてYesと判定し、Act7へと進む。
【0043】
Act7としてプロセッサ21は、補助記憶デバイス23に記憶されている状況データD1を、要求元の情報端末装置10に宛てて通信ネットワーク200へと通信インタフェース24を介して送出する。そしてプロセッサ21はこののち、Act1~Act3の待受状態に戻る。
【0044】
図6中のAct23としてプロセッサ11は、データ更新タイミングが到来したか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、データ更新タイミングが到来していないならばNoと判定し、Act24へと進む。
Act24としてプロセッサ11は、画面更新タイミングが到来したか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、画面更新タイミングが到来していないならばNoと判定し、Act25へと進む。
Act25としてプロセッサ11は、実施の対象とする陳列作業の指定がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当の指定のための操作が行われていないならばNoと判定し、Act23へと戻る。
かくしてプロセッサ11はAct24~Act25としては、データ更新タイミング又は画面更新タイミングのいずれかが到来するか、あるいは陳列作業が指定されるのを待ち受ける。
【0045】
プロセッサ11は、データ更新タイミングとして予め定められたタイミングが到来するとAct23にてYesと判定し、Act22へと戻る。つまりプロセッサ11は、状況データを再度取得した上で、Act23~Act25の待受状態に戻る。なおデータ更新タイミングは、例えば陳列支援アプリP1の作成者などによって任意に定められてよい。データ更新タイミングは、例えば一定時間毎のタイミングとすることが想定される。かくしてプロセッサ11は、データ更新タイミング毎に、最新の状況データを取得する。なおプロセッサ11は、最も新しく取得した状況データを、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に保存しておく。
【0046】
プロセッサ11は、画面更新タイミングとして予め定められたタイミングが到来するとAct24にてYesと判定し、Act26へと進む。
Act26としてプロセッサ11は、情報端末装置10の位置と、カメラ15の撮影方向とを判定する。
【0047】
Act27としてプロセッサ11は、状況画像を生成する。状況画像は、カメラ画像に映り込んでいる売場に関する陳列状況を表した画像である。プロセッサ11は例えば、店舗サーバ300からレイアウトデータを取得する。プロセッサ11は、このタイミングでレイアウトデータを店舗サーバ300から取得してもよいし、事前に店舗サーバ300から取得したデータをメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に保存しておいてもよい。プロセッサ11は、情報端末装置10の位置と、カメラ15の撮影方向と、レイアウトデータとから、カメラ画像に映り込む売場を全て判定する。プロセッサ11は、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に保存してある状況データから、カメラ画像に映り込む売場の売場コードがフィールドF11にセットされているデータレコードR1を抽出する。そしてプロセッサ11は、抽出したデータレコードR1のフィールドF12,F13,F14にセットされたデータに基づいて陳列状況を表した画像を状況画像として生成する。
【0048】
Act28としてプロセッサ11は、上記のように生成した状況画像を、既にタッチパネル14で表示しているカメラ画像に重畳して表示させる。なお以下においては、このようにしてタッチパネル14で表示される画面を、確認画面と称することとする。そしてこののちにプロセッサ11は、Act23~Act25の待受状態に戻る。
【0049】
かくしてプロセッサ11は、画面更新タイミングとなる毎に、カメラ画像に重畳する状況画像を、カメラ画像に映り込んでいる売場に関する陳列状況を表すように、確認画面を更新して行く。ここで確認画面は、第1の画像としてのカメラ画像に陳列状況の異常を表した第2の画像としての状況画像を重畳した第1の画面に相当する。つまり情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは、第1の画面を表示デバイスとしてのタッチパネル14に表示させる制御手段として機能する。
【0050】
図8は確認画面SC1を示す図である。
確認画面SC1は、データレコードR1が2つ抽出された場合の一例である。確認画面SC1は、当該2つのデータレコードR1のそれぞれに対応した2つの表示オブジェクトOB11,OB12を含む。2つのデータレコードR1の一方は、フィールドF12,F13,F14にセットされたデータが「売場A」、「商品X」及び「商品不足」をそれぞれ表す。プロセッサ11は、当該データレコードR1に基づいて表示オブジェクトOB11を生成する。そしてプロセッサ11は、確認画面SC1においては、表示オブジェクトOB11の突起の先端を、当該データレコードR1のフィールドF11にセットされたデータが表す売場コードで識別される売場が映り込んでいる領域に位置させている。2つのデータレコードR1の他方は、フィールドF12,F13,F14にセットされたデータが「売場B」、「商品Y」及び「陳列の乱れ」をそれぞれ表す。プロセッサ11は、当該データレコードR1に基づいて表示オブジェクトOB12を生成する。そしてプロセッサ11は、確認画面SC1においては、表示オブジェクトOB12の突起の先端を、当該データレコードR1のフィールドF11にセットされたデータが表す売場コードで識別される売場が映り込んでいる領域に位置させている。
【0051】
プロセッサ11は、画面更新タイミングが到来する毎にAct26~Act28を繰り返すことにより、状況画像を更新する。かくして、画面更新タイミングをカメラ画像のフレーム間隔と同程度の時間間隔のタイミングとして定めておけば、最新のカメラ画像に、そのカメラ画像に映り込んだ売場に関する状況画像を重畳した確認画面を常に表示させておくことが可能となる。ただし、画面更新タイミングの間隔は、カメラ画像のフレーム間隔よりも十分に長くてもよい。ただしこの場合には、カメラ画像の変化に対する状況画像の更新の遅れが生じる。しかしながら、店員が、画面更新タイミングの間隔以上の時間に渡ってカメラ15の向きを変えない状態で表示画面を確認するようにすれば、上記の遅れは問題にならない。例えば、カメラ画像のフレーム間隔が1/30秒である場合に、画面更新タイミングの間隔が1秒としてもよい。この場合、最大で1秒間に渡り店員がカメラ15の撮影方向を変えなければ、最新のカメラ画像に、そのカメラ画像に映り込んだ売場に関する状況画像を重畳した確認画面が表示されることになる。
【0052】
店員は、状況画像に示された陳列状況に関する陳列作業を開始する場合には、対象とする陳列作業を指定するための操作を行う。当該操作は例えば、表示オブジェクトへのタップである。ただし、上記操作は、表示オブジェクトの長押しなどのような別の操作としてもよい。つまり例えば店員は、確認画面SC1に基づいて売場Aに商品Xを補充するための陳列作業を行うことを決めたならば、表示オブジェクトOB11をタップする。
このようにして陳列作業の指定がなされたならば、プロセッサ11はAct25にてYesと判定し、
図7中のAct30へと進む。
【0053】
Act30としてプロセッサ11は、支援サーバ20に対する開始通知を行う。開始通知は、店員が作業を開始することの通知である。プロセッサ11は例えば、開始通知のための予め定められた通知データを支援サーバ20に宛てて通信ネットワーク200へと通信インタフェース16を介して送出する。プロセッサ11は、通知データには、タップされた表示オブジェクトに対応するデータレコードR1のフィールドF11及びF14にセットされたデータが表す状況コード及び状況コードを含める。またプロセッサ11は、通知データには、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に保存された店員コードを含める。なおプロセッサ11は例えば、情報端末装置10の使用が開始される際に店員の認証を行うなどして取得しておいた店員コードをメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に保存しておく。あるいはプロセッサ11は、利用者設定により指定された店員コードをメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に保存しておいてもよい。つまり本実施形態においては、情報端末装置10の使用者が確認画面SC1の閲覧者となることを前提としており、プロセッサ11は、ここで取得される店員コードで識別される店員として閲覧者を識別しているのである。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは識別手段として機能する。
【0054】
通知データが通信ネットワーク200によって支援サーバ20へと伝送されると、通信インタフェース24により取り込まれる。そしてプロセッサ21はこれに応じて、
図5中のAct3にてYesと判定し、Act8へと進む。
【0055】
Act8としてプロセッサ21は、開始通知に応じて作業データを更新する。プロセッサ21は例えば、通知データに含まれた売場コード、状況コード及び店員コードと、開始通知の送信元の情報端末装置10の端末コードと、開始時刻を表すデータとを、フィールドF21~F25にそれぞれセットした新たなデータレコードR2を生成し、当該データレコードR2を含むように作業データD2を更新する。プロセッサ21は例えば、作業を開始した時刻、あるいは開始通知を行った時刻に関する時刻データが開始通知に含まれるならば、その時刻データが表す時刻を、上記の開始時刻とすればよい。プロセッサ21は例えば、開始通知が通信インタフェース24により取り込まれた時刻を上記の開始時刻としてもよい。プロセッサは例えば、上記の各種の時刻のうちの1つを予め定められた決まりに従って修正した時刻を上記の開始時刻としてもよい。また、プロセッサ21は、任意の記憶デバイスにて情報端末装置10を識別するための端末コードに関連付けて記憶されている店員コードを取得し、この店員コードを上記の新たなデータレコードR2のフィールドF23にセットしてもよい。上記記憶デバイスは、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23、店舗サーバ300に設けられた記憶デバイス、あるいはその他の記憶デバイスであってよい。
【0056】
Act9としてプロセッサ21は、開始通知を行った情報端末装置10に対して案内データを送信する。案内データは、作業のサポートのための案内の手順を表したデータである。プロセッサ21は、通知データに含まれた売場コード及び状況コードの組み合わせに関連付けてメインメモリ22又は補助記憶デバイス23に保存されている案内データを、読み出して、開始通知を行った情報端末装置10に宛てて通信インタフェース24を介して通信ネットワーク200へと送出する。そしてプロセッサ21はこののち、Act1~Act3の待受状態に戻る。
【0057】
案内データは例えば、「売場A」に陳列される商品が「商品X」であり、「商品X」が「第1倉庫」に在庫されているとする場合に、「売場A」及び「商品不足」の組み合わせに対しては、「第1倉庫へと誘導」「商品Xの搬出を指示」「売場Aへと誘導」「商品Xの陳列を指示」といった手順を表したデータとされる。
【0058】
情報端末装置10においてプロセッサ11は
図7中のAct30にて前述のように開始通知を行った後には、Act31へと進む。一方、前述の案内データは、通信ネットワーク200によって情報端末装置10へと伝送されると、通信インタフェース16により取り込まれる。
【0059】
Act31としてプロセッサ11は、案内データを、通信インタフェース16を介して取得する。プロセッサ11は、取得した案内データをメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に保存しておく。
Act32としてプロセッサ11は、情報端末装置10の位置と、カメラ15の撮影方向とを判定する。
【0060】
Act33としてプロセッサ11は、案内データに基づいて案内画像を生成する。案内画像は、店員による作業をサポートするための画像である。例えばプロセッサ11は、案内データが表す手順の「第1倉庫へと誘導」に関しては、案内画像は店員を第1倉庫へと誘導するための画像とする。
Act34としてプロセッサ11は、上記のように生成した案内画像を、既にタッチパネル14で表示しているカメラ画像に重畳して表示させる。なお以下においては、このようにしてタッチパネル14で表示される画面を、案内画面と称することとする。
【0061】
図9は案内画面SC2を示す図である。
案内画面SC2は、確認画面SC1における表示オブジェクトOB11がタップされたことに応じて、商品Xを売場Aに補充する作業を案内するための案内画面の一例である。案内画面SC2はさらに詳しくは、店員を第1の倉庫へと誘導するための案内画面の一例である。案内画面SC2は、2つの表示オブジェクトOB21,OB22を含む。表示オブジェクトOB21は、第1の倉庫への移動のために進むべき方向を示した矢印である。表示オブジェクトOB22は、商品Xが第1倉庫に在庫されていることを店員に知らせるメッセージを表す。ここで案内画面は、第1の画像としてのカメラ画像に陳列作業を案内する第3の画像としての案内画像を重畳した第2の画面に相当する。つまり情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは、第2の画面を表示デバイスとしてのタッチパネル14に表示させる制御手段として機能する。
【0062】
Act35としてプロセッサ11は、画面更新タイミングが到来したか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、画面更新タイミングが到来していないならばNoと判定し、Act36へと進む。
Act36としてプロセッサ11は、実施中の作業の完了が通知されたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当の通知がなされていないならばNoと判定し、Act35へと戻る。
かくしてプロセッサ11はAct35,Act36としては、画面更新タイミングが到来するか、あるいは完了通知がなされるのを待ち受ける。
【0063】
プロセッサ11は、画面更新タイミングとして予め定められたタイミングが到来するとAct35にてYesと判定し、Act32~Act34を上述と同様に繰り返す。かくしてプロセッサ11は、画面更新タイミングとなる毎に、カメラ画像に重畳する案内画像を、その時点での情報端末装置10の位置及びカメラ15の撮影方向とを考慮して更新して行く。これにより店員は、カメラ15により店内を撮影しながら、案内画像での案内に従って動作することにより、陳列作業を容易に行うことが可能である。
【0064】
店員が適切に作業を完了した場合、その作業の対象である売場の陳列状況に関して、状況管理サーバ400が異常を検出しなくなる。そしてこの場合に支援サーバ20においてプロセッサ21は、
図5中のAct5にて前述のようにデータレコードR1を状況データD1から削除することになる。そしてプロセッサ21はこの場合には、Act6にてYesと判定し、Act10へと進む。
【0065】
Act10としてプロセッサ21は、完了した作業の開始を通知した情報端末装置10に対して完了通知を行う。プロセッサ21は例えば、Act5にて削除したデータレコードR1を削除する場合には、当該データレコードR1のフィールドF11にセットされている売場コードがフィールドF21にセットされているデータレコードR2を作業データD2の中から抽出しておく。プロセッサ21は、この抽出しておいたデータレコードR2のフィールドF24にセットされたデータが表す端末コードで識別される情報端末装置10に宛てて、完了通知のための予め定められた通知データを通信ネットワーク200へと通信インタフェース24を介して送出する。プロセッサ21は、通知データには、上記の抽出したデータレコードR2のフィールドF21にセットされた売場コードを含める。
【0066】
Act11としてプロセッサ21は、作業データD2を、完了した作業を実施中の作業として表すことがないように更新する。例えばプロセッサ21は、上記の抽出したデータレコードR2を作業データD2から削除する。あるいはプロセッサ21は、完了済みである旨を表すデータをセットした新たなフィールドを、上記の抽出したデータレコードR2に追加してもよい。あるいはプロセッサ21は、生成時に未完了であることを表す状態としてデータレコードR2に含めたフラグを、完了を表す状態に変更してもよい。
【0067】
Act12としてプロセッサ21は、実績データD3を、完了した陳列作業を反映するように更新する。つまりプロセッサ21は、完了した陳列作業の対象となっていた売場が属する部門についての作業回数を1つ増やす。例えばプロセッサ21は、上記の抽出したデータレコードR2のフィールドF23にセットされた店員コードがフィールドF31にセットされたデータレコードR3を選択する。プロセッサ21は、この選択したデータレコードR3の中で、上記の部門に関連付けられたフィールドにセットされたデータを、現状よりも1つ大きな回数を表すように更新する。プロセッサ21は、ここで更新するフィールドを、上記の抽出したデータレコードR2のフィールドF21にセットされた売場コードで識別される売場が属する部門に関連付けられたフィールドとして特定すればよい。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは記録手段として機能する。
プロセッサ21はこののち、Act1~Act3の待受状態に戻る。
【0068】
さて、上記の完了通知のための通知データが通信ネットワーク200によって宛先とされた情報端末装置10へと伝送されると、該当の情報端末装置10の通信インタフェース16により取り込まれる。そしてプロセッサ11はこれに応じて、
図7中のAct36にてYesと判定し、
図6中のAct22へと戻る。そしてプロセッサ11は、Act22以降の処理を前述と同様に繰り返す。つまりプロセッサ11は、確認画面SC1のような画面の表示によって、陳列状況の異常を店員に確認させる状態に戻る。
【0069】
以上のように支援システム100によれば、カメラ画像に状況画像を重畳して示した確認画面の表示により、カメラ15により店内を撮影した動画像上において、異常が生じている陳列状況を店員に認識させることが可能となる。かくして支援システム100によれば、店舗における商品陳列に関する店員の作業を支援できる。
【0070】
また支援システム100によれば、カメラ画像に案内画像を重畳して示した案内画面の表示により、店員が指定した陳列の異常を解消するために行うべき作業を店員に認識させることが可能となる。かくして支援システム100によれば、店舗における商品陳列に関する店員の作業を、さらに簡易とするように支援できる。
【0071】
また支援システム100によれば、状況画像において対象とする作業として指定された作業が完了したならば、当該完了した作業が、当該作業を指定した店員により行われたこととして、作業の実績を実績データD3に記録する。かくして、支援システム100による支援の下での作業の実施状況を管理することが可能である。
【0072】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
確認画面は、カメラ画像に映り込んでいない売場に関する異常を表す表示オブジェクトを含んでもよい。例えば、確認画面SC1が表示される状況において、カメラ画像には映り込んでいない「売場C」に関して「品切れ」となっている場合に、その状況を表す表示オブジェクトを追加表示する。
図10は確認画面SC3を示す図である。
確認画面SC3は、確認画面SC1に表示オブジェクトOB31,OB32を加えている。表示オブジェクトOB31は、カメラ画像内で売場Cが位置する方向を表す。表示オブジェクトOB32は、上記の異常の発生状況を表し、その突起の先端は、表示オブジェクトOB31を指している。
【0073】
確認画面での異常の発生状況の表し方、あるいは案内画面での案内の表し方は任意であってよく、例えば陳列支援アプリP1の作成者などにより任意に定められてよい。
【0074】
確認画面と案内画面とを並べて同時に表示してもよい。
【0075】
カメラ画像に、状況画像及び案内画像の双方を重畳した画面を表示してもよい。
【0076】
状況画像及び案内画像の少なくともいずれか一方は、支援サーバ20にて例えばプロセッサ21が生成してもよい。この場合は例えば、プロセッサ11は、情報端末装置10の位置及びカメラ15の撮影方向などに関する撮影条件データを支援サーバ20に送る。プロセッサ21は、情報端末装置10から受信した撮影条件データと状況データD1とに基づいて、前記実施形態と同様にして状況画像又は案内画像を生成する。プロセッサ21は、状況画像又は案内画像を表す画像データを情報端末装置10に送る。プロセッサ11は、支援サーバ20から受信した画像データが表す状況画像又は案内画像をカメラ画像に重畳して、確認画面又は案内画面を生成し、タッチパネル14に表示させる。この場合においては、取得手段及び制御手段としての機能は、プロセッサ11を中枢とするコンピュータによる情報処理及びプロセッサ21を中枢とするコンピュータによる情報処理の協働により実現される。
【0077】
確認画面及び案内画面の少なくともいずれか一方を、支援サーバ20において生成してもよい。この場合は例えば、プロセッサ11は、上記の撮影条件データと、カメラ画像を表した画像データとを支援サーバ20に送る。プロセッサ21は、撮影条件データと状況データD1とに基づいて状況画像又は案内画面を生成し、これを情報端末装置10から受信した画像データが表すカメラ画像に重畳して確認画面又は案内画面を生成する。プロセッサ21は、確認画面又は案内画面を表す画面データを情報端末装置10へと送信する。そしてプロセッサ11は、支援サーバ20から受信した画面データが表す確認画面又は案内画面をタッチパネル14に表示させる。この場合においては、取得手段及び制御手段としての機能は、プロセッサ21を中枢とするコンピュータによる情報処理により実現される。
【0078】
状況データD1の生成を、状況管理サーバ400で行ってもよい。そしてプロセッサ11は、状況管理サーバ400から状況データを取得してもよい。
【0079】
プロセッサ11が、状況管理サーバ400から異常データを取得して、プロセッサ21による前述の処理と同様な処理によって状況データを生成してもよい。
【0080】
情報端末装置10の個々において、その情報端末装置10を使用する店員が行う陳列作業を管理してもよい。つまり例えば、補助記憶デバイス13に、この補助記憶デバイス13を備えた情報端末装置10を使用する店員が行う陳列作業に関するデータレコードR2のみを含んだ作業データD2を保存しておく。そしてプロセッサ11は、
図7中のAct30に代えて、上記の作業データD2の更新を
図5中のAct11と同様な処理として実行する。またプロセッサ11は
図7中のAct36に代えて、作業データD2にて管理している陳列作業が完了したか否かの判断を
図5中のAct6と同様な処理として実行する。
【0081】
情報端末装置10の個々において、その情報端末装置10を使用する店員の作業実績を管理してもよい。つまり例えば、補助記憶デバイス13に、この補助記憶デバイス13を備えた情報端末装置10を使用する店員に関するデータレコードR3を含んだ実績データD3を保存しておく。なお、情報端末装置10が一人の店員により使用されるのであれば、その情報端末装置10が備える補助記憶デバイス13に記憶される実績データD3は1つのデータレコードR3のみを含む。そしてプロセッサ21は、
図7中のAct36にてYesと判定したのちに、上記の実績データD3の更新を
図5中のAct12と同様な処理として実行する。なお、この場合には、プロセッサ11が記録手段として機能することになる。
【0082】
カメラ画像に代えて、店内の見た目を表したアニメーション、あるいはコンピュータグラフィクスなどを用いてもよい。
【0083】
確認画面又は案内画面は、静止画像に対して状況画像又は案内画像を重畳して生成してもよい。
【0084】
プロセッサ21は、作業終了を宣言するための予め定められた操作が情報端末装置10又はその他の任意の情報処理装置で行われたことに応じて、Act6にてYesと判定してもよい。この場合に、作業終了の宣言は、作業を行っている店員により行われてもよいし、作業対象の売場を管理する管理者などのような別の店員により行われてもよい。
【0085】
情報処理によりプロセッサ11,21が実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 売場における商品の陳列状況に関する状況データを取得する取得手段と、
作業者の位置から前記売場を目視した様子を表した第1の画像に、前記取得手段により取得された前記状況データに基づき前記陳列状況の異常を表した第2の画像を重畳した第1の画面を表示デバイスに表示させる制御手段と、
を具備した支援システム。
[付記2] 前記制御手段は、前記第2の画像が表す異常が指定されたことに応じて、当該指定された異常を解消するための作業を案内する第3の画像を前記第1の画像に重畳した第2の画面を前記表示デバイスに表示させる、
付記1に記載の支援システム。
[付記3] 前記表示デバイスが表示する画面の閲覧者を識別する識別手段と、
前記表示デバイスが表示する画面を前記制御手段が前記第2の画面に変更させたのちに、前記第3の画像に関する異常が解消されたことに応じて、前記識別手段により識別された閲覧者による作業の実績として記録する記録手段と、
をさらに具備した付記2に記載の支援システム。
[付記4] 売場における商品の陳列状況に関する状況データを取得する取得手段と、
作業者の位置から前記売場を目視した様子を表した第1の画像に、前記取得手段により取得された前記状況データに基づき前記陳列状況の異常を表した第2の画像を重畳した第1の画面を表示デバイスに表示させる制御手段と、
を具備した支援装置。
[付記5] 支援装置を制御するコンピュータを、
売場における商品の陳列状況に関する状況データを取得する取得手段と、
作業者の位置から前記売場を目視した様子を表した第1の画像に、前記取得手段により取得された前記状況データに基づき前記陳列状況の異常を表した第2の画像を重畳した第1の画面を表示デバイスに表示させる制御手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0087】
10…情報端末装置、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶デバイス、14…タッチパネル、15…カメラ、16…通信インタフェース、17…伝送路、20…支援サーバ、21…プロセッサ、22…メインメモリ、23…補助記憶デバイス、24…通信インタフェース、25…伝送路、100…支援システム、200…通信ネットワーク、300…店舗サーバ、400…状況管理サーバ、500…POSシステム、600…センサ群。