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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】消音器
(51)【国際特許分類】
   F01N 1/02 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
F01N1/02 A
F01N1/02 J
F01N1/02 G
F01N1/02 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019040378
(22)【出願日】2019-03-06
(65)【公開番号】P2020143620
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】390010227
【氏名又は名称】株式会社三五
(74)【代理人】
【識別番号】100101535
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 好道
(74)【代理人】
【識別番号】100161104
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 浩康
(72)【発明者】
【氏名】江崎 孝志
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-227207(JP,A)
【文献】特開2011-089487(JP,A)
【文献】特開平10-227209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングを有し、該ハウジング内に共鳴室と該共鳴室に隣接する上流側消音室及び下流側消音室を形成し、
該共鳴室を貫通するように配設された第1排気通路を設け、
該第1排気通路内に、回転軸を中心として回動する弁体を設け、該弁体を閉じる方向に付勢する付勢部を前記共鳴室内に設け、
前記共鳴室は、前記下流側消音室のみに開口していることを特徴とする消音器。
【請求項2】
前記共鳴室の入口は、所定の長さ及び径を有する首部で形成されていることを特徴とする請求項1記載の消音器。
【請求項3】
前記共鳴室の入口は、複数形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の消音器。
【請求項4】
前記上流側消音室は、拡張室であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の消音器。
【請求項5】
前記下流側消音室内に一端が開口する第2排気通路を有し、該第2排気通路の他端は、前記流側消音室若しくは第1排気通路内に開口するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の消音器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消音器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関を有する自動車などの車両には、内燃機関より排出された排気ガスを外部へ導出する排気管が設けられ、この排気管には排気騒音を低減する消音器が設けられている。
【0003】
消音器は、内燃機関の回転域に応じて求められる性能が異なり、低速回転域では消音性能が、高回転域では出力向上が求められる。これらの要求を満たすため、排気圧の上昇により排気流路を開口するバルブを設け、このバルブが開くことにより、排気ガスが流れる流路の断面積を増大させ、高回転域での出力を向上させた消音器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、排気圧の上昇により開弁するバルブの弁体を閉方向に付勢するコイルバネは、その周辺を高温の排気ガスが流通するため、熱により劣化し付勢力が低下する虞がある。
【0005】
このコイルバネの熱による劣化を防止するために、コイルバネを排気ガスが通過しない共鳴室内に配置することが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4252869号
【文献】特表2013-543953号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献2に記載の消音器においても、コイルバネを設けた共鳴室の上流側に、共鳴室の入口となる穴が形成されているため、排気ガスが動圧により共鳴室内に流れ込み、共鳴室内の温度が上昇する問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記特許文献2に記載の消音器よりも、コイルバネ等の付勢部を設けた共鳴室内の温度上昇を抑制した消音器を提案することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、ハウジングを有し、該ハウジング内に共鳴室と該共鳴室に隣接する上流側消音室及び下流側消音室を形成し、
該共鳴室を貫通するように配設された第1排気通路を設け、
該第1排気通路内に、回転軸を中心として回動する弁体を設け、該弁体を閉じる方向に付勢する付勢部を前記共鳴室内に設け、
前記共鳴室は、前記下流側消音室のみに開口していることを特徴とするものである。
【0010】
また、前記共鳴室の入口は、所定の長さ及び径を有する首部で形成されていてもよい。
【0011】
また、前記共鳴室の入口は、複数形成されていてもよい。
【0012】
また、前記上流側消音室は、拡張室であるようにしてもよい。
【0013】
また、前記下流側消音室内に一端が開口する第2排気通路を有し、該第2排気通路の他端は、前記流側消音室若しくは第1排気通路内に開口するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の消音器は、共鳴室を貫通するように配設された第1排気通路を設け、第1排気通路を開閉する弁体を設け、弁体を閉方向に付勢する付勢部を前記共鳴室内に設け、共鳴室は、下流側消音室に開口していることにより、排気ガス等の流体が、共鳴室内に流入しにくくなり、共鳴室内が高温となることを抑制し、共鳴室内に設けた付勢部が高熱に曝されて劣化することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1に係る消音器の一部を断面とした横断面図。
図2図1のC-C線断面図。
図3】本発明の実施例2に係る消音器の一部を断面とした横断面図。
図4図3のD-D線断面図の一例。
図5図3のD-D線断面図の他例。
図6】本発明の実施例3に係る消音器の一部を断面とした横断面図。
図7】本発明の実施例4に係る消音器の一部を断面とした横断面図の一例。
図8図7のE-E線断面図の一例。
図9】本発明の実施例5に係る消音器の一部を断面とした横断面図の一例。
図10】本発明の実施例5に係る消音器の一部を断面とした横断面図の他例。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
【0017】
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1に係る消音器1の一部を断面とした横断面図を示す。
【0018】
消音器1は、図1図2に示すように、両端が開口する円筒状のハウジング2を有する。ハウジング2の上流側Aの端部には、上流側Aに向かうほど縮径する縮径部2aが形成され、その上流側A端には円筒状の導入開口部2bが形成されている。ハウジング2の下流側Bの端部には、下流側に向かうほど縮径する縮径部2cが形成され、その下流側B端には円筒状の導出開口部2dが形成されている。導入開口部2bには、排気管の上流側管(図示しない)が接続され、導出開口部2dには下流側管(図示しない)が接続されて、車両に搭載されるようになっている。
【0019】
ハウジング2内は、2つの区画部材であるセパレータ3,4により区画されて3つの消音室5,6,7が形成され、本実施例ではこれらの消音室5,6,7は、上流側から下流側へ順に、第1拡張室5、共鳴室6、第2拡張室7となるように構成した。このように共鳴室6の上流側には、共鳴室6に隣接する上流側消音室と、共鳴室6の下流側には、共鳴室6に隣接する下流側消音室が少なくとも形成されている。
【0020】
セパレータ3,4には、夫々、第1挿通穴3a,4aと、第2挿通穴3b,4bが形成されている。セパレータ4には、共鳴室6の入口を構成する首部8が、下流側に突出するように形成されている。首部8は、所定の長さと径を有する円筒状に形成され、首部8のみを通じて、共鳴室6と第2拡張室7は連通し、第1拡張室5と共鳴室6は直接連通していない。
【0021】
セパレータ3,4の第1挿通穴3a,4a内と導出開口部2d内には、円筒状の第1排気通路10が貫通嵌合され、第1排気通路10の下流側端(第1排気通路10の軸芯方向の一端)は消音器1の外部に開口し、第1排気通路10の上流側端(第1排気通路10の軸芯方向の他端)は、第1拡張室5内に位置するとともに開口している。第1排気通路10は、共鳴室6を上流側から下流側に貫通するように配設され、第1排気通路10内と共鳴室6内は直接連通していない。
【0022】
セパレータ3,4の第2挿通穴3b,4bには、円筒状の第2排気通路11が貫通嵌合され、共鳴室6を上流側から下流側に貫通するように配設されている。第2排気通路11の上流側端は、共鳴室6の上流側に隣接する上流側消音室である第1拡張室5内に位置するとともに開口し、第2排気通路11の下流側端は、共鳴室6の下流側に隣接する下流側消音室である第2拡張室7内に位置するとともに開口している。
【0023】
第1排気通路10内には、第1排気通路10を開閉する弁体13が、回転軸13aを中心として回動(開閉)可能に設けられている。弁体13は、コイルバネ等の付勢部14により閉じる方向に常に付勢されている。第1排気通路10内の排気圧力が所定値以上となると、排気圧力が付勢部14の付勢力に抗して弁体13が開くようになっている。
【0024】
回転軸13aと付勢部14は、図1に示すように、共鳴室6内に設けられているとともに、弁体13の回転軸13aと付勢部14は、首部8より上流側に位置するように配設されている。
【0025】
上記のように、共鳴室6は、弁体13の回転軸13aより下流側に位置する入口である首部8のみが開口し、弁体13の回転軸13aより上流側には開口は形成されていない。すなわち、共鳴室6は、その下流側に隣接する下流側消音室である第2拡張室7に開口している。
【0026】
第1排気通路10の下流側部には、連通穴10aが複数形成され、連通穴10aにより第1排気通路10内と第2拡張室7内は連通している。
【0027】
上記の構造を有することにより、上流側消音室である第1拡張室5と、下流側消音室である第2拡張室7は、第1排気通路10と第2排気通路11を通じて連通している。
【0028】
内燃機関の回転数が低い場合は、弁体13は付勢部14により閉方向に付勢されて弁体13は閉じ、図2に示すように、第1排気通路10は閉塞されている。導入開口部2bから第1拡張室5内に流入した排気ガス等の流体(以下、単に排気ガスという)は、第2排気通路11内を通った後に、第2拡張室7内に流入し、連通穴10a、第1排気通路10を通って導出開口部2dより排出され、消音性能が向上する。
【0029】
この状態から、内燃機関の回転数が上昇して、第1排気通路10内の排気ガスの圧力が所定値以上となると、弁体13は付勢部14の付勢力に抗して開弁する。この開弁状態においては、導入開口部2bから第1拡張室5内に流入した排気ガスは、第1排気通路10と第2排気通路11内を通って、導出開口部2dより排出されるようになり、背圧の上昇を抑制することができる。
【0030】
共鳴室6は、弁体13の回転軸13aより下流側に位置する首部8のみで下流側消音室である第2拡張室7と連通するため、共鳴室6内で圧力差が生じにくく、高温の排気ガスは、首部8を通じて共鳴室6内に流入し難く、また、排気ガスが動圧により共鳴室内に流入することを抑制できるため、共鳴室6内が高温になることを抑制でき、共鳴室6内に設けた付勢部14であるコイルバネが高熱に曝されることを抑制でき、コイルバネの熱劣化を抑制できる。
【0031】
[実施例2]
上記実施例1においては、円筒状の首部8を用いて、共鳴室6の入口を構成するとともに、共鳴室6と第2拡張室7を連通するようにしたが、図3図4に示すように、セパレータ4の表裏を貫通するように形成した連通穴20で共鳴室6の入口を構成するとともに、共鳴室6と第2拡張室7を連通するように構成してもよい。連通穴20は、上記実施例1と同様に、弁体13の回転軸13aより下流側に位置し、連通穴20のみで、共鳴室6と第2拡張室7は連通する。
【0032】
連通穴20は、図4に示すように1個設けてもよいし、図5に示すように、複数設けてもよい。
【0033】
それ以外の構造は、前記実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
【0034】
本実施例2においても前記実施例1と同様の効果を奏する。
【0035】
[実施例3]
上記実施例1,2においては、第1排気通路10の下流側端(第1排気通路10の軸芯方向の一端)は消音器1の外部に開口するようにしたが、図6に示すように、第1排気通路10の軸芯方向の一端が、第2拡張室7内に位置するとともに第2拡張室7内に開口するようにしてもよい。
【0036】
それ以外の構造は、前記実施例1、2と同様であるのでその説明を省略する。
【0037】
本実施例3においても前記実施例1、2と同様の効果を奏する。
【0038】
[実施例4]
上記実施例1~3においては、ハウジング2内に設けた3つの消音室5,6,7を、上流側から下流側へ順に、共鳴室6の上流側に隣接する第1拡張室5、共鳴室6、共鳴室6の下流側に隣接する第2拡張室7と構成したが、図7に示すように、上流側から下流側へ順に、第2共鳴室33の上流側に隣接する上流側消音室である拡張室32、第2共鳴室33、第2共鳴室33の下流側に隣接する下流側消音室である第1共鳴室34となるように構成した消音器31としてもよい。
【0039】
第1排気通路35を、セパレータ3,4の第1挿通穴3a,4a内と導出開口部2d内に貫通嵌合して配設し、第1排気通路35の下流側端(第1排気通路35の軸芯方向の一端)は消音器31の外部に開口し、第1排気通路35の上流側端(第1排気通路35の軸芯方向の他端)は上流側消音室である拡張室32内に開口している。第1排気通路35は、第1共鳴室34と第2共鳴室33を上流側から下流側に貫通するように配設され、第1排気通路35内と第1共鳴室34と第2共鳴室33内は直接連通していない。
【0040】
第1排気通路35内には、回転軸36aを中心として回動する弁体36が設けられている。弁体36は、コイルバネ等の付勢部14により閉じる方向に常に付勢されている。第1排気通路35内の排気圧力が所定値以上になると、排気圧力が付勢部14の付勢力に抗して弁体36が開くようになっている。なお、弁体36が閉じた状態においても、連通穴36bにより回転軸36aの上流側と下流側は連通し、第1排気通路35は、弁体36により全閉されないようになっている。
【0041】
セパレータ3,4の第2挿通穴3b,4bには、円筒状の連通管37が貫通嵌合され、第2共鳴室33を上流側から下流側に貫通するように配設されている。連通管37の上流側端は、上流側消音室である拡張室32内に開口し、連通管37の下流側端は、下流側消音室である第1共鳴室34内に開口している。
【0042】
上記実施例1、2と同様に、セパレータ4には、第2共鳴室33の入口を構成する首部8又は連通穴20が形成されている。首部8又は連通穴20のみを通じて、第2共鳴室33と第1共鳴室34は連通し、拡張室32と第2共鳴室33は直接連通していない。
【0043】
回転軸36aと付勢部14は、図7に示すように、第2共鳴室33内に設けられているとともに、弁体36の回転軸36aと付勢部14は、その入り口である首部8又は連通穴20より上流側に位置するように配設されている。
【0044】
上記のように、第2共鳴室33は、弁体36の回転軸36aより下流側に位置する入口である首部8又は連通穴20のみが開口し、弁体36の回転軸36aより上流側には開口は形成されていない。
【0045】
上記の構造を有することにより、第2共鳴室33の上流側に隣接する上流側消音室である拡張室32と、第2共鳴室33の下流側に隣接する下流側消音室である第1共鳴室34は、連通管37を通じて連通している。
【0046】
上記構成により、内燃機関の回転数が低い場合は、弁体36は付勢部14により閉方向に付勢されて弁体36は閉じ、連通穴36bのみが開口している。導入開口部2bから拡張室32内に流入した排気ガスは、第1排気通路35内の連通穴36bを通った後に、導出開口部2dより排出される。
【0047】
この状態から、内燃機関の回転数が上昇して、第1排気通路35内の排気ガスの圧力が所定値以上となると、弁体36は付勢部14の付勢力に抗して開弁し、流通断面積が大きくなり、背圧の上昇を抑制することができる。
【0048】
付勢部14を設けた第2共鳴室33は、弁体36の回転軸36aより下流側に位置する首部8又は連通穴20のみで第1共鳴室34と連通するため、第2共鳴室33内で圧力差が生じにくく、高温の排気ガスは、首部8又は連通穴20を通じて第2共鳴室33内に流入し難く、また、排気ガスが動圧により第2共鳴室33内に流入することを抑制できるため、第2共鳴室33内が高温になることを抑制でき、第2共鳴室33内に設けた付勢部14であるコイルバネが高熱に曝されることを抑制し、コイルバネの熱劣化を抑制できる。
【0049】
それ以外の構造は、前記実施例1~3と同様であるのでその説明を省略する。
【0050】
本実施例4においても前記実施例1~3と同様の効果を奏する。
【0051】
[実施例5]
消音器1,31の構造、構成は、上記実施例1~4に記載したもの以外にも、任意の構造、構成とすることができ、消音器内に設ける流路の構成、配置等も任意に設定することができる。また、消音器1,31内に形成する消音室の数は3つ以上で、拡張室の数と共鳴室の数は、夫々1つ以上であれば、消音室の数と構成は任意に設定することができる。
【0052】
例えば、図9に示すように、消音器40は、上記実施例1~3の消音器1と同様に、上流側消音室である第1拡張室5と共鳴室6と下流側消音室である第2拡張室7を有し、共鳴室6を貫通するように導入通路41が配設され、導入通路41の下流側端は、第2拡張室7内に開口する。また、導入通路41に形成した連通穴41aを通じて、第1拡張室5内と導入通路41内は連通している。
【0053】
また、第1排気通路42を、上記実施例1と同様の弁体13の回転軸13aと付勢部14を有し、上流側端は第1拡張室5内に開口し、下流側端は消音器40の外側に開口する。付勢部14は、上記実施例1,2と同様に共鳴室6内に位置する。
【0054】
第2排気通路43は、その軸芯方向の一端が、共鳴室6の下流側に設けた消音室である第2拡張室7内に開口し、その軸芯方向の他端が、第1排気通路42の弁体13の回転軸13aより下流側において、第1排気通路42に開口して連通している。
【0055】
共鳴室6は、上記実施例1,2と同様に、弁体の回転軸13aより下流側に位置する首部8又は連通穴20のみで第2拡張室7と連通している。
【0056】
例えば、図10に示すように、消音器51は、ハウジング50を有し、ハウジング50内は、セパレータ52,53,54により区画され、4つの消音室が形成されている。4つの消音室は、図10において、左側から、第2共鳴室55、第1共鳴室6の上流側に隣接する上流側消音室である第1拡張室5、第1共鳴室6、第1共鳴室6の下流側に隣接する下流側消音室である第2拡張室7となるように構成されている。
【0057】
ハウジング50には、図10に示すように、第1拡張室5と連通する導入開口部60と、第2拡張室7と連通する導出開口部61が形成されている。
【0058】
第1拡張室5、第1共鳴室6、第2拡張室7内は、上記実施例1と同様に構成され、実施例1と同様の第1排気通路10、第2排気通路11、弁体13、回転軸13a、付勢部14が設けられている。
【0059】
また、セパレータ54には、上記実施例1~3と同様の首部8、連通穴20が形成されている。
【0060】
第2共鳴室55は、首部63を通じて、第1拡張室5と連通している。
【0061】
それ以外の構造は、前記実施例1~4と同様であるのでその説明を省略する。
【0062】
本実施例5においても前記実施例1~4と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0063】
1,31,40,51 消音器
2 ハウジング
5 第1拡張室(上流側消音室)
6 共鳴室
7 第2拡張室(下流側消音室)
8 首部(共鳴室の入口)
20 連通穴(共鳴室の入口)
10,35,42 第1排気通路
11,43 第2排気通路
13,36 弁体
13a,36a 弁体の回転軸
14 付勢部
32 拡張室(上流側消音室)
33 第2共鳴室(共鳴室)
34 第1共鳴室(下流側消音室)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10