(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】位置特定部材の取付構造
(51)【国際特許分類】
E01C 19/26 20060101AFI20230509BHJP
G01S 19/35 20100101ALN20230509BHJP
【FI】
E01C19/26
G01S19/35
(21)【出願番号】P 2019191534
(22)【出願日】2019-10-18
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000182384
【氏名又は名称】酒井重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 健太
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-021320(JP,A)
【文献】特開2019-100014(JP,A)
【文献】国際公開第2014/076764(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/003266(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/26
G01S 19/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設車両の位置を特定するための位置特定部材を前記建設車両に取り付けるための位置特定部材の取付構造であって、
前記建設車両に設置された把持部に締結部材を介して固定される基板部と、
前記把持部の屈曲部に対して一方側の第一側部に当接する第一位置決め部と、
前記把持部の屈曲部に対して他方側の第二側部に当接する第二位置決め部と、
前記位置特定部材を設置する設置部と、を備えている
ことを特徴とする位置特定部材の取付構造。
【請求項2】
前記基板部、前記第一位置決め部および前記第二位置決め部は一体形成されており、
前記第一位置決め部および前記第二位置決め部は、前記基板部から立ち上がって構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の位置特定部材の取付構造。
【請求項3】
前記基板部と前記設置部とは、二部材で構成され、
前記基板部と前記設置部との間に、スペーサが介在されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の位置特定部材の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設車両の位置を特定するための位置特定部材を建設車両に取り付けるための位置特定部材の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ブルドーザやロードローラ等の建設機械に、GNSS(Global Navigation Satellite System)の受信アンテナや回転レーザ装置の受光センサ等の位置情報を受信する受信機を取り付ける構造としては、種々の構造が知られている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1に記載された取付構造では、建設車両の運転席の上方に設けられたキャノピー上面にGPSアンテナが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の取付構造では、キャノピーの上面に受信機を取り付けるため、建設車両での取付位置(前後方向、幅方向および高さ方向の座標)が一定ではない。そのため、受信機を取り付けた後に、GNSSの位置補正を行う作業が煩雑となる問題があった。また、キャノピーは、上面に傾斜があったり、薄い樹脂にて形成されていたりするため、走行による上下振動によって、高さ方向に正確に受信機を保持することができない。そのため、受信機を安定して設置することが困難になるという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、前記問題に鑑みて創案された発明であって、位置特定部材を所定の位置に容易に取り付けることができる位置特定部材の取付構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、建設車両の位置を特定するための位置特定部材を前記建設車両に取り付けるための位置特定部材の取付構造であって、前記建設車両に設置された把持部に締結部材を介して固定される基板部と、前記把持部の屈曲部に対して一方側の第一側部に当接する第一位置決め部と、前記把持部の屈曲部に対して他方側の第二側部に当接する第二位置決め部と、前記位置特定部材を設置する設置部と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る位置特定部材の取付構造によれば、把持部の第一側部に当接する第一位置決め部と、第二側部に当接する第二位置決め部とを備えているので、どの作業者が位置特定部材の取付作業を行っても、建設車両の所定の位置(一定の位置)に位置特定部材を取り付けることができる。これによりGNSSの位置補正等の作業を省略することができる。また、第一位置決め部および第二位置決め部と把持部とが当接するとともに、締結部材で基板部を把持部に締結しているので、位置特定部材を安定して設置することができる。さらに、第一位置決め部および第二位置決め部で位置決めして、締結部材で締結するだけなので、取付作業を容易に行うことができる。
【0008】
前記発明において、前記基板部、前記第一位置決め部および前記第二位置決め部は一体形成されており、前記第一位置決め部および前記第二位置決め部は、前記基板部から立ち上がって構成されていることが好ましい。前記構成によれば、部品点数を少なくすることができる。
【0009】
また、前記発明において、前記基板部と前記設置部とは、二部材で構成され、前記基板部と前記設置部との間に、スペーサが介在されていることが好ましい。前記構成によれば、把持部と位置特定部材の取付位置との離間距離を大きく確保できるので、位置特定部材と建設車両の構成部品との干渉を防止できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の位置特定部材の取付構造によれば、位置特定部材を所定の位置に容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る位置特定部材の取付構造を設けた建設車両を示した側面図である。
【
図2】実施形態に係る位置特定部材の取付構造を設けた建設車両を示した後面図である。
【
図3】実施形態に係る位置特定部材の取付構造の把持部への取付状態を示した側面図である。
【
図4】実施形態に係る位置特定部材の取付構造の把持部への取付状態を示した後面図である。
【
図5】実施形態に係る位置特定部材の取付構造の把持部への取付状態を示した斜視図である。
【
図6】実施形態に係る位置特定部材の取付構造を示した斜視図である。
【
図7】実施形態に係る位置特定部材の取付構造を示した分解斜視図である。
【
図8】実施形態に係る位置特定部材の取付構造を示した三面図であって、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は(b)のVIIIC-VIIIC線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態に係る位置特定部材の取付構造ついて図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る位置特定部材の取付構造は、建設車両に位置特定部材を取り付けるものであって、建設車両としてマカダムローラを例示する。建設車両は、マカダムローラに限定されず、路面を転圧するタンデムローラ、タイヤローラ、コンバインドローラ、振動ローラ等であってもよい。また、位置特定部材として、GNSS等の位置情報を受信する受信機を例示する。位置特定部材は、GNSSの受信機(GPS(Global Positioning System)の受信機を含む)に限定されず、トータルステーションに用いるプリズムなどその建設車両の位置を特定可能な部材であればよい。
【0013】
まず、建設車両の構成を説明する。
図1および
図2に示すように、建設車両1は、車両本体2と、車両本体2の前部下側に設けられた左右一対の前方鉄輪3,3と、後部下側に設けられた後方鉄輪4と備えている。車両本体2は、運転席5と、運転席5を支持する運転フロア6とを備えている。運転フロア6には、運転席5の上方を覆うキャノピー7と、キャノピー7を支持する支柱8とが設けられている。本実施形態の建設車両1には、運転席5が左右一対で設けられている。
【0014】
キャノピー7は、水平方向に広がる板状部品である。キャノピー7は、オペレーターを日射や雨から保護する屋根部材である。支柱8は、運転席5の側部に設けられた支持ブラケット9から上方に立ち上がっており、前方に回動可能に支持されている。運搬時等に、支柱8を前方に傾倒させることによって、キャノピー7を斜め前方に移動させ、建設車両1の車高を低くすることができる(
図1の二点鎖線にて図示した部分を参照)。
図3に示すように、支柱8の上部には、キャノピー7を取り付ける支持フレーム10が取り付けられている。支持フレーム10は、たとえば溝型鋼にて構成されており、水平で且つ車両前後方向に沿って延在している。支持フレーム10の上方には、弾性部材11(
図5も参照)を介してキャノピー7が取り付けられている。また、支持フレーム10の下側には、把持部20が取り付けられている。把持部20は、右側の運転席5の上方に取り付けられている。
【0015】
把持部20は、支柱8を前方に傾倒させる際に作業者が把持する部品である。
図3乃至
図5に示すように、把持部20は、たとえば断面円形の鋼棒を直角に屈曲して形成された平面視L字形状の手摺にて構成されている。把持部20は、支持フレーム10に沿った第一直線部21と、第一直線部21と概ね直交する第二直線部22とを備えている。第二直線部22は、第一直線部21の後部に位置し、第一直線部21の後端に連続して屈曲している。第一直線部21と第二直線部22とは屈曲部23を介して連続している。第二直線部22は、車幅方向に延在している。把持部20は、第一直線部21が支持フレーム10に固定されている。第一直線部21の上部には、アングル材からなるブラケット12が溶接されている。ブラケット12を支持フレーム10の下面に当接してボルト止めすることで、把持部20が支持フレーム10に固定されている。
【0016】
本発明の実施形態に係る位置特定部材の取付構造30は、建設車両に、GNSS等の位置情報を受信する受信機31を取り付けるためのものである。
図6乃至
図8に示すように、かかる位置特定部材の取付構造30は、基板部32と、第一位置決め部33と、第二位置決め部34と、締結部材35と、スペーサ40と、設置部50とを備えて構成されている。
【0017】
基板部32は、建設車両1に設置された把持部20(手摺)に固定される部分である。基板部32は、金属製の板状部材からなり、把持部20の屈曲部23に下側から当接する。基板部32は、把持部20の屈曲部23に沿って延在するL字形状を呈し、且つ把持部20よりも幅広となっている。基板部32には、締結部材35を固定するための貫通孔36が複数形成されている。貫通孔36は、把持部20の配置位置を挟むように二対配置されている。また、基板部32には、スペーサ40と設置部50を固定するためのボルト41が挿通する挿通孔37(
図8参照)と、ボルト41が螺合するナット38とが設けられている。ナット38は、挿通孔37と同軸状に配置され、基板部32の上側表面に溶接されている。挿通孔37とナット38は、車長方向に間隔をあけて一対ずつ設けられている。
【0018】
基板部32の延在方向の一端部には、第一位置決め部33が一体形成されている。第一位置決め部33は、把持部20の屈曲部23に対して一方側の第一側部(第一直線部21の外側部)に当接することで、基板部32の車幅方向の位置を決める。第一位置決め部33は、基板部32から立ち上がる板状部材にて構成されている。第一位置決め部33は、矩形形状を呈し、基板部32を構成する金属板を直角に屈曲して形成されている。第一位置決め部33は、把持部20の高さ寸法の半分より長い高さ寸法を有しており、把持部20の円形断面の側端部(円中心から半径分、車幅方向側方にずれた位置)に当接するようになっている。
【0019】
基板部32の延在方向の他端部には、第二位置決め部34が一体形成されている。第二位置決め部34は、把持部20の屈曲部23に対して他方側の第二側部(第二直線部22の後端部)に当接することで、基板部32の車長方向の位置を決める。第二側部は第一側部に対して直角である。第二位置決め部34は、基板部32から立ち上がる板状部材にて構成されている。第二位置決め部34は、矩形形状を呈し、基板部32を構成する金属板を直角に屈曲して形成されている。第二位置決め部34を含む平面と第一位置決め部33を含む平面とは互いに概ね直交する。第二位置決め部34は、把持部20の高さ寸法の半分より長い高さ寸法を有しており、把持部20の円形断面の側端部(円中心から半径分、車長方向後方にずれた位置)に当接するようになっている。
【0020】
締結部材35は、基板部32を把持部20に固定する部品である。本実施形態では、締結部材35はU字ボルトにて構成されている。締結部材35を用いて基板部32を把持部20に固定するに際しては、U字ボルトを逆U字状にし、把持部20の上側から被せて、下側両端のネジ部35aを一対の貫通孔36,36にそれぞれ貫通させる。そして、基板部32の下側から下方に突出したネジ部35aにナット39を螺合させて締め付ける。締結部材35は、二つ設けられており、把持部20の第一直線部21と第二直線部22との二か所で、基板部32が把持部20に固定されている。
【0021】
スペーサ40は、基板部32と設置部50との間に介設される部品であって、設置部50と基板部32との距離を確保する。スペーサ40は、直方体形状の金属ブロックまたは樹脂ブロックにて構成されている。スペーサ40は、基板部32の下側表面に当接して設置されている。スペーサ40には、ボルト41が挿通する挿通孔43が形成されている。挿通孔43は、一対設けられており、基板部32の挿通孔37,37に対応する位置に配置されている。
【0022】
設置部50は、受信機31を設置するための部品であって、基板部32とは別部材にて構成されている。受信機31は、ロッド部31aとアンテナ部31bとを備えている。アンテナ部31bは、ロッド部31aの上端部に固定されている。アンテナ部31bには、図示しない制御部および表示モニタと受信機31とを接続する配線31d(
図1参照)が取り付けられている。設置部50は、断面L字状のアングル材にて構成されており、基板部32の下方位置から後方に延在して配置されている。設置部50は、アングル材の一方の面51(上側の水平面)がスペーサ40の下面に当接し、他方の面52(側面)が一方の面51の端部に連続して垂下するように配置されている。設置部50の一方の面51には、ボルト41が挿通する挿通孔53が形成されている。挿通孔53は、一対設けられており、スペーサ40の挿通孔43,43に対応する位置に配置されている。設置部50とスペーサ40を基板部32に取り付ける際には、基板部32とスペーサ40と設置部50を並べ、設置部50側から基板部32に向けて、ボルト41を挿通し、ボルト41の先端部をナット38に螺合させて締め付ける。
【0023】
設置部50の後端部には、受信機31を固定するための取付ブラケット54が設けられている。取付ブラケット54は、円筒形状を呈しており、設置部50の上側表面に溶接されている。取付ブラケット54は、受信機31のロッド部31aの外周径と同等の内周径を備えており、ロッド部31aの下端部が嵌合される。ロッド部31aの下端部には、ネジ孔31cが形成されている。ネジ孔31cには、設置部50の下方から挿通されたボルト55が螺合され、受信機31が設置部50に固定される。受信機31の配線31d(
図1参照)は、アンテナ部31bから支柱8の上端部まで掛け渡され、その下方は支柱8および運転フロア6に沿って延在し、図示しない制御部および表示モニタ等に繋がっている。
【0024】
次に、前記した構成の位置特定部材の取付構造30の作用効果を説明する。本実施形態に係る位置特定部材の取付構造30によれば、基板部32が、把持部20の車幅方向の側部(第一側部)に当接する第一位置決め部33と、車長方向の後部(第二側部)に当接する第二位置決め部34とを備えているので、基板部32が建設車両1の所定の位置(一定の位置)に位置決めされる。このとき、位置決めは、各位置決め部33,34を二側部に当接することで容易に行える。このように、熟練を要しない作業なので、いずれの作業者が行っても、正確に位置決めを行うことができる。
【0025】
また、基板部32は締結部材35を介して容易に把持部20に固定することができる。さらに、第一位置決め部33と第二位置決め部34が水平方向の二方向から把持部20に当接し、基板部32が下方から把持部20に当接し、締結部材35が上方から把持部20に当接しているので、取付構造30が把持部20を四方向から押さえることができる。したがって、XYZ方向において、建設車両1に対する取付構造30の位置決めがより一層正確になるとともに、受信機31を安定して取り付けることができる。これによって、受信機31で受信する位置情報の精度が向上する。
【0026】
このように、受信機31は、建設車両1に対して常に一定の位置に固定されるので、受信機31の位置補正は一度だけ設定すれば済み、従来のように受信機を取り付けるたびに位置補正を行う必要はない。また、本実施形態によれば、建設車両1の高い位置(キャノピー7の近傍)に受信機31を取り付けることができるため、受信感度を高めることができる。一方で、例えば、ロッド部31aの長さや、スペーサ40の厚さを変更することで建設車両1の高さ規定に抵触しないように調整することができる。
【0027】
第一位置決め部33および第二位置決め部34は、それぞれ板状部材が基板部32から立ち上がって構成されているので、把持部20との当接部分の面積を大きくできる。本実施形態では、各位置決め部33,34と把持部20とは直線状に接するため、当接長さが長くなる。これによって、基板部32の位置決めの精度を高めることができるとともに、がたつきを抑えることができる。基板部32、第一位置決め部33および第二位置決め部34はそれぞれ別部材で形成してもよいが、本実施形態のように一体形成することで部品点数を少なくすることができる。
【0028】
さらに、本実施形態の位置特定部材の取付構造30では、平面視L字形状の手摺にて構成される把持部20に基板部32を取り付けているため、基板部32の固定強度が高い。このことは、マカダムローラのように、整地されていない凸凹な面を走破し均す車両において特に有効である。また、平面視L字形状の把持部20と同様の部材を有する他の車両に使い回すことが可能である。よって、平面視L字形状の把持部20を有する古い車両においても受信機31を正確に取付可能であるので、10年、20年と長期に渡って使い続けられる建設車両であっても最新の情報化施工を行うことが可能となる。
【0029】
また、基板部32と設置部50とは、別途の二部材にて構成されており、設置部50は、基板部32の下方にスペーサ40を介在して配置されているので、設置部50を基板部32に対して下方に設置することができる。さらに、設置部50が後方に延在しているので、受信機31の設置位置をキャノピー7の後方に配することができる。これによって、本実施形態のように、把持部20がキャノピー7の内側に配置された場合であっても、設置部50を、キャノピー7の垂れ下がった外周部分を避けて、後方に張り出させることができる。よって、取付構造30および受信機31と建設車両の構成部品との干渉を防止できる。また、スペーサ40を、高さ寸法の異なるものに変更すれば、キャノピー7の形状や把持部20の設置高さに応じて、基板部32と設置部50との離間距離を適宜調整することができる。
【0030】
さらに、キャノピー7を支持する弾性部材11が経年劣化によって縮み、キャノピー7が下降した場合であっても、設置部50は、基板部32に対してスペーサ40の高さ分のクリアランスをあけて下方に配置されているので、キャノピー7と設置部50とが干渉することはない。
【0031】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定する趣旨ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。たとえば、前記実施形態では、L字形状の把持部20に基板部32を取り付けているが、把持部20の形状は前記実施形態に限定されるものはない。把持部20は、少なくとも一つの屈曲部を有していれば、他の形状であってもよい。
【0032】
また、把持部20の屈曲部23の曲げ角度は前記実施形態では概ね直角としたが、他の角度としてもよい。さらに、前記実施形態の把持部20は、水平方向に延在しているが、把持部20の設置方向が上下方向であってもよいし、傾斜していてもよい。この場合、受信機31が鉛直方向と平行となるように構成することが好ましい。さらに、把持部20の手摺は、断面円形の棒状部材からなるが、断面円形に限定されるものではなく、断面矩形であってもよい。この場合、矩形断面の側面が垂直になるように配置すれば、把持部の第一側部と第一位置決め部とが面接触するとともに、第二側部と第二位置決め部とが面接触するので、基板部と把持部との取付安定性が向上する。また、把持部20は、手摺に限定されるものではない。棒状で屈曲部を備えていれば、手摺以外の部位であってもよい。
【0033】
また、前記実施形態では、基板部32と設置部50との間にスペーサ40を介在させたが、これに限定されるものではない。キャノピー7と設置部50との離間距離が十分に確保できていれば、スペーサを省略してもよい。
【0034】
さらに、前記実施形態では、基板部32と設置部50とは、別部材で構成されているが、これに限定されるものではない。基板部と設置部とスペーサとを一体形成してもよいし、スペーサを設けずに基板部と設置部のみを一体形成してもよい。
【0035】
また、前記実施形態では、第一位置決め部33と第二位置決め部34は、屈曲部の外側部に当接しているが、第一位置決め部33と第二位置決め部34のいずれか一方、または両方を屈曲部の内側部に当接するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 建設車両
10 支持フレーム
11 弾性部材
20 把持部
23 屈曲部
30 取付構造
31 受信機(位置特定部材)
32 基板部
33 第一位置決め部
34 第二位置決め部
35 締結部材
40 スペーサ
50 設置部