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特許7274405時期判断システム、時期判断プログラム、時期判断方法およびカッティング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】時期判断システム、時期判断プログラム、時期判断方法およびカッティング装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/22 20060101AFI20230509BHJP
   B26D 5/00 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
B26D7/22 A
B26D5/00 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019229551
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021094681
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 攻
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-234176(JP,A)
【文献】特開2001-088384(JP,A)
【文献】特開平06-155243(JP,A)
【文献】実開昭55-115718(JP,U)
【文献】特開2009-226551(JP,A)
【文献】特開2012-032869(JP,A)
【文献】特開昭60-076912(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0309061(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/22
B26D 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッティング装置の刃の駆動の負荷を取得する負荷取得部と、
前記負荷取得部によって取得された前記負荷に基づいた特定の種類の値に基づいて前記刃の交換に関する作業の催促の時期を判断する時期判断部と
を備え
前記特定の種類の値は、前記刃によるカットを実行した時間および距離の少なくとも1つに、このカットにおいて前記負荷取得部によって取得された前記負荷に応じた係数を乗じた値を含むことを特徴とする時期判断システム。
【請求項2】
カッティング装置の刃の駆動の負荷を取得する負荷取得部と、
前記負荷取得部によって取得された前記負荷に基づいた特定の種類の値に基づいて前記刃の交換に関する作業の催促の時期を判断する時期判断部と
をコンピューターに実現させ、
前記特定の種類の値は、前記刃によるカットを実行した時間および距離の少なくとも1つに、このカットにおいて前記負荷取得部によって取得された前記負荷に応じた係数を乗じた値を含むことを特徴とする時期判断プログラム。
【請求項3】
カッティング装置の刃の駆動の負荷を取得する負荷取得ステップと、
前記負荷取得ステップによって取得された前記負荷に基づいた特定の種類の値に基づいて前記刃の交換に関する作業の催促の時期を判断する時期判断ステップと
を備え、
前記特定の種類の値は、前記刃によるカットを実行した時間および距離の少なくとも1つに、このカットにおいて前記負荷取得部によって取得された前記負荷に応じた係数を乗じた値を含むことを特徴とする時期判断方法。
【請求項4】
刃と、前記刃を駆動させる駆動部とを有し、前記駆動部によって駆動させられた前記刃によって被カット媒体をカットするカッティング装置であって、
前記被カット媒体をカットする場合に前記刃にかかる荷重およびカット速度の少なくとも1つに基づいて前記刃の駆動の負荷を取得する負荷取得部と、
前記駆動部によって駆動される前記刃の駆動量を取得する駆動量取得部と
を備え、
前記カット速度は、前記刃にかかる荷重が一定になるように前記駆動部によって前記刃が駆動された状態で取得されることを特徴とするカッティング装置。
【請求項5】
刃と、前記刃を駆動させる駆動部とを有し、前記駆動部によって駆動させられた前記刃によって被カット媒体をカットするカッティング装置であって、
前記被カット媒体をカットする場合に前記刃にかかる荷重およびカット速度の少なくとも1つに基づいて前記刃の駆動の負荷を取得する負荷取得部と、
前記駆動部によって駆動される前記刃の駆動量を取得する駆動量取得部と
を備え、
前記刃の交換に関する作業の催促の時期を判断する時期判断部を備え、
前記駆動量取得部は、前記駆動量取得部自身が取得した前記駆動量に、前記負荷取得部によって取得された前記負荷に応じた係数を乗じた積を算出し、
前記時期判断部は、前記駆動量取得部によって算出された積と、前記刃の交換に関する作業の催促のための閾値との比較の結果に基づいて、前記刃の交換に関する作業の催促の時期を判断することを特徴とするカッティング装置。
【請求項6】
前記刃にかかる荷重は、前記カット速度が一定になるように前記駆動部によって前記刃が駆動された状態で取得されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のカッティング装置。
【請求項7】
前記カット速度は、前記刃にかかる荷重が一定になるように前記駆動部によって前記刃が駆動された状態で取得されることを特徴とする請求項5に記載のカッティング装置。
【請求項8】
前記負荷取得部によって取得された前記負荷と、前記駆動量取得部によって取得された前記駆動量とに基づいて、前記刃の交換に関する作業を催促する報知を実行する報知部を備えることを特徴とする請求項4から請求項7までのいずれかに記載のカッティング装置。
【請求項9】
刃と、前記刃を駆動させる駆動部とを有し、前記駆動部によって駆動させられた前記刃によって被カット媒体をカットするカッティング装置であって、
前記刃の駆動の負荷を取得する負荷取得部と、
前記負荷取得部によって取得された前記負荷に基づいた特定の種類の値に基づいて前記刃の交換に関する作業の催促の時期を判断する時期判断部と
を備え、
前記特定の種類の値は、前記刃によるカットを実行した時間および距離の少なくとも1つに、前記負荷取得部によって取得された前記負荷に応じた係数を乗じた値を含むことを特徴とするカッティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カッティング装置の刃の交換に関する作業の催促の時期を判断する時期判断システム、時期判断プログラム、時期判断方法およびカッティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカッティング装置として、ワイヤーを刃で切断するワイヤー切断装置が知られている(特許文献1参照。)。このワイヤー切断装置においては、刃の1回の切断当たりの消耗率をワイヤーの径、材質毎に記憶し、1回の切断当たりの消耗率と、切断回数とに基づいて、刃の交換に関する作業の催促の時期を予測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-334989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のカッティング装置においては、1回の切断当たりの消耗率と、切断回数とに基づいて、刃の交換に関する作業の催促の時期を予測しているので、予測した時期が必ずしも適切ではないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、カッティング装置の刃の交換に関する作業の催促の時期を従来より適切に判断することができる時期判断システム、時期判断プログラム、時期判断方法およびカッティング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の時期判断システムは、カッティング装置の刃の駆動の負荷を取得する負荷取得部と、前記負荷取得部によって取得された前記負荷に基づいた特定の種類の値に基づいて前記刃の交換に関する作業の催促の時期を判断する時期判断部とを備えることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の時期判断システムは、カッティング装置の刃の実際の消耗の度合いによって変化する、刃の駆動の負荷に基づいた特定の種類の値に基づいて刃の交換に関する作業の催促の時期を判断するので、刃の交換に関する作業の催促の時期を従来より適切に判断することができる。
【0008】
本発明の時期判断システムにおいて、前記特定の種類の値は、前記負荷の積算値を含んでも良い。
【0009】
カッティング装置の刃の駆動の負荷が大きいということは、刃の先端部にかかる負荷が大きいということである。また、刃の駆動の負荷の積算値が大きいということは、刃が大きく消耗されているということである。本発明の時期判断システムは、刃の駆動の負荷の積算値に基づいて、刃の交換に関する作業の催促の時期を判断するので、刃の交換に関する作業の催促の時期を適切に判断することができる。
【0010】
本発明の時期判断システムにおいて、前記特定の種類の値は、前記負荷の変化量の積算値を含んでも良い。
【0011】
カッティング装置の刃の駆動の負荷は、刃の消耗に伴って大きくなる。本発明の時期判断システムは、刃の駆動の負荷の変化量に基づいて、刃の交換に関する作業の催促の時期を判断するので、刃の交換に関する作業の催促の時期を適切に判断することができる。
【0012】
本発明の時期判断システムにおいて、前記時期判断部は、前記刃によるカットの条件別に前記変化量の積算値に基づいて前記時期を判断しても良い。
【0013】
カッティング装置の刃の駆動の負荷の変化量は、刃によるカットの条件によって大きく異なる可能性がある。本発明の時期判断システムは、刃によるカットの条件別に、刃の駆動の負荷の変化量の積算値に基づいて、刃の交換に関する作業の催促の時期を判断するので、刃の交換に関する作業の催促の時期を更に適切に判断することができる。
【0014】
本発明の時期判断システムにおいて、前記変化量は、1回のカットにおける変化の量であっても良い。
【0015】
1回のカットにおいて、カットの開始時の特定の時間後からの、刃の駆動の負荷は、刃の消耗に伴って徐々に大きくなる可能性がある。本発明の時期判断システムは、1回のカットにおける刃の駆動の負荷の変化量の、複数のカットに対する積算値に基づいて、刃の交換に関する作業の催促の時期を判断するので、刃の交換に関する作業の催促の時期を適切に判断することができる。
【0016】
本発明の時期判断システムにおいて、前記負荷取得部は、前記刃による試し切りを特定のタイミングで実行して、前記試し切りに対して前記負荷を取得しても良い。
【0017】
この構成により、本発明の時期判断システムは、試し切り毎にカットの条件を揃えて刃の駆動の負荷の変化量を取得することができるので、刃の交換に関する作業の催促の時期を更に適切に判断することができる。
【0018】
本発明の時期判断システムにおいて、前記特定の種類の値は、前記刃によるカットを実行した時間および距離の少なくとも1つに、このカットにおいて前記負荷取得部によって取得された前記負荷に応じた係数を乗じた値を含んでも良い。
【0019】
この構成により、本発明の時期判断システムは、刃の駆動の負荷の影響を適切に反映した、時間および距離の少なくとも1つを取得することができるので、時間および距離の少なくとも1つに基づいて、刃の交換に関する作業の催促の時期を適切に判断することができる。
【0020】
本発明の時期判断プログラムは、カッティング装置の刃の駆動の負荷を取得する負荷取得部と、前記負荷取得部によって取得された前記負荷に基づいた特定の種類の値に基づいて前記刃の交換に関する作業の催促の時期を判断する時期判断部とをコンピューターに実現させることを特徴とする。
【0021】
この構成により、本発明の時期判断プログラムを実行するコンピューターは、カッティング装置の刃の実際の消耗の度合いによって変化する、刃の駆動の負荷に基づいた特定の種類の値に基づいて刃の交換に関する作業の催促の時期を判断するので、刃の交換に関する作業の催促の時期を従来より適切に判断することができる。
【0022】
本発明の時期判断方法は、カッティング装置の刃の駆動の負荷を取得する負荷取得ステップと、前記負荷取得ステップによって取得された前記負荷に基づいた特定の種類の値に基づいて前記刃の交換に関する作業の催促の時期を判断する時期判断ステップとを備えることを特徴とする。
【0023】
この構成により、本発明の時期判断方法は、カッティング装置の刃の実際の消耗の度合いによって変化する、刃の駆動の負荷に基づいた特定の種類の値に基づいて刃の交換に関する作業の催促の時期を判断するので、刃の交換に関する作業の催促の時期を従来より適切に判断することができる。
【0024】
本発明のカッティング装置は、刃と、前記刃を駆動させる駆動部とを有し、前記駆動部によって駆動させられた前記刃によって被カット媒体をカットするカッティング装置であって、前記被カット媒体をカットする場合に前記刃にかかる荷重およびカット速度の少なくとも1つに基づいて前記刃の駆動の負荷を取得する負荷取得部と、前記駆動部によって駆動される前記刃の駆動量を取得する駆動量取得部とを備えることを特徴とする。
【0025】
本発明のカッティング装置において、前記刃にかかる荷重は、前記カット速度が一定になるように前記駆動部によって前記刃が駆動された状態で取得されても良い。
【0026】
本発明のカッティング装置において、前記カット速度は、前記刃にかかる荷重が一定になるように前記駆動部によって前記刃が駆動された状態で取得されても良い。
【0027】
本発明のカッティング装置は、前記負荷取得部によって取得された前記負荷と、前記駆動量取得部によって取得された前記駆動量とに基づいて、前記刃の交換に関する作業を催促する報知を実行する報知部を備えても良い。
【0028】
本発明のカッティング装置は、前記刃の交換に関する作業の催促の時期を判断する時期判断部を備え、前記駆動量取得部は、前記駆動量取得部自身が取得した前記駆動量に、前記負荷取得部によって取得された前記負荷に応じた係数を乗じた積を算出し、前記時期判断部は、前記駆動量取得部によって算出された積と、前記刃の交換に関する作業の催促のための閾値との比較の結果に基づいて、前記刃の交換に関する作業の催促の時期を判断しても良い。
【発明の効果】
【0029】
本発明の時期判断システム、時期判断プログラム、時期判断方法およびカッティング装置は、カッティング装置の刃の交換に関する作業の催促の時期を従来より適切に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施の形態に係る時期判断システムのブロック図である。
図2図1に示すカッティングプロッターの斜視図である。
図3図2に示すカッティングプロッターのブロック図である。
図4図1に示すカットデータ送信装置のブロック図である。
図5】カット時間を計測する場合の図2に示すカッティングプロッターの動作のフローチャートである。
図6】負荷変化量を計測する場合の図2に示すカッティングプロッターの動作のフローチャートである。
図7図2に示すカッティングプロッターによる1回のカットにおける駆動負荷の変化の一例を示す図である。
図8】催促時期を判断する場合の図2に示すカッティングプロッターの動作のフローチャートである。
図9図8に示す使用期間基準判断処理のフローチャートである。
図10】取り付け日時情報、カット時間情報、カット距離情報、駆動負荷情報および負荷変化量情報を初期化する場合の図2に示すカッティングプロッターの動作のフローチャートである。
図11】駆動負荷の変化を協調して描いた、図2に示すカッティングプロッターによる1回のカットにおける駆動負荷の変化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0032】
まず、本発明の一実施の形態に係る時期判断システムの構成について説明する。
【0033】
図1は、本実施の形態に係る時期判断システム10のブロック図である。
【0034】
図1に示すように、時期判断システム10は、本発明のカッティング装置としてのカッティングプロッター20と、カッティングプロッター20によって使用されるカットデータをカッティングプロッター20に送信するカットデータ送信装置40とを備えている。
【0035】
カッティングプロッター20と、カットデータ送信装置40とは、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、互いに通信可能である。
【0036】
図2は、カッティングプロッター20の斜視図である。
【0037】
図2に示すように、カッティングプロッター20は、矢印Zで示す鉛直方向における下側から被カット媒体90を支持するテーブル21と、鉛直方向に直交する矢印Yで示す左右方向に並んでテーブル21に支持されていて、鉛直方向および左右方向の両方に直交する矢印Xで示す前後方向に延在している一対の副走査用レール22と、前後方向に移動可能に一対の副走査用レール22に支持されていて、左右方向に延在している主走査用レール23と、左右方向に移動可能に主走査用レール23に支持されているスライダー24と、鉛直方向に移動可能、および、鉛直方向に延在する軸を中心に回転可能にスライダー24に支持されていて、刃を支持するためのホルダー25と、ホルダー25に支持されている交換可能な刃26とを備えている。
【0038】
図3は、カッティングプロッター20のブロック図である。
【0039】
図3に示すように、カッティングプロッター20は、一対の副走査用レール22(図2参照。)に沿って前後方向、すなわち、副走査方向に主走査用レール23(図2参照。)を移動させる副走査装置27と、主走査用レール23に沿って左右方向、すなわち、主走査方向にスライダー24(図2参照。)を移動させる主走査装置28と、スライダー24に対してホルダー25(図2参照。)を鉛直方向に移動させるホルダー上下装置29と、鉛直方向に延在する軸を中心にスライダー24に対してホルダー25を回転させるホルダー回転装置30と、刃26(図2参照。)の駆動の負荷(以下「駆動負荷」という。)を計測する負荷計測装置31と、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作部32と、種々の情報を表示する表示部33と、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部34と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部35と、カッティングプロッター20全体を制御する制御部36とを備えている。
【0040】
副走査装置27、主走査装置28、ホルダー上下装置29およびホルダー回転装置30は、刃26を駆動させる駆動部を構成している。カッティングプロッター20は、副走査装置27、主走査装置28、ホルダー上下装置29およびホルダー回転装置30によって駆動させられた刃26によって被カット媒体90をカットする。
【0041】
負荷計測装置31は、例えば、刃26を支えるホルダー25にかかる力と、刃26を移動させる副走査装置27、主走査装置28などの移動機構にかかる力と、刃26を移動させる副走査装置27、主走査装置28などの移動機構のモーターの電圧と、主走査装置28などの移動機構のモーターの電流と、単位カット時間当たりのカット距離と、単位カット距離当たりのカット時間とのいずれか1つ、または、複数の複合によって、駆動負荷を計測する。なお、ホルダー25にかかる力は、スライダー24と、ホルダー25とに跨って取り付けられた荷重センサーによって計測されても良いし、制御部36による指示に応じて移動機構によって移動させられる場合のホルダー25の理想的な加速度と、ホルダー25に取り付けられた加速センサーによって計測される実際の加速度との差に基づいて計測されても良い。ホルダー25にかかる力について説明したが、移動機構にかかる力についても同様である。
【0042】
なお、負荷計測装置31によって駆動負荷を計測する場合、カット速度は、一定になるように駆動部によって刃26が駆動された状態に制御部36によって制御されていることが好ましい。しかしながら、カット速度は、一定でなくても良い。例えば、負荷計測装置31は、刃26を支えるホルダー25にかかる力と、刃26を移動させる副走査装置27、主走査装置28などの移動機構にかかる力との少なくとも1つ、すなわち、刃26にかかる荷重であるカット圧が一定になるように駆動部によって刃26が駆動された状態に制御部36によって制御される場合、カット速度、すなわち、単位カット時間当たりのカット距離や、単位カット距離当たりのカット時間によって、駆動負荷を計測すれば良い。
【0043】
表示部33は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイと、ランプとを備えている。
【0044】
記憶部35は、刃26の交換に関する作業の催促の時期(以下「催促時期」という。)を判断するための時期判断プログラム35aを記憶可能である。時期判断プログラム35aは、例えば、カッティングプロッター20の製造段階でカッティングプロッター20にインストールされていても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体からカッティングプロッター20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からカッティングプロッター20に追加でインストールされても良い。
【0045】
記憶部35は、刃26の取り付け日時を示す取り付け日時情報35bと、カット時間の積算値を示すカット時間情報35cと、カット距離の積算値を示すカット距離情報35dと、駆動負荷の積算値を示す駆動負荷情報35eと、駆動負荷の変化量(以下「負荷変化量」という。)の積算値を示す負荷変化量情報35fとを記憶している。
【0046】
記憶部35は、刃26の交換に関する作業を催促するための表示(以下「催促表示」という。)のための刃26の使用期間の閾値を示す使用期間閾値情報35gと、催促表示のためのカット時間の閾値を示すカット時間閾値情報35hと、催促表示のためのカット距離の閾値を示すカット距離閾値情報35iと、催促表示のための駆動負荷の閾値を示す駆動負荷閾値情報35jと、催促表示のための負荷変化量の閾値を示す負荷変化量閾値情報35kとを記憶している。使用期間閾値情報35g、カット時間閾値情報35h、カット距離閾値情報35i、駆動負荷閾値情報35jおよび負荷変化量閾値情報35kは、それぞれ、第1の閾値と、第1の閾値より大きい第2の閾値と、第2の閾値より大きい第3の閾値と、第3の閾値より大きい第4の閾値とを示している。
【0047】
催促表示としては、交換用の刃26の購入などの準備を普通に催促する準備通常催促表示と、交換用の刃26の購入などの準備を強く催促する準備強催促表示と、刃26の交換を普通に催促する交換通常催促表示と、刃26の交換を強く催促する交換強催促表示とが存在する。
【0048】
準備通常催促表示と、準備強催促表示とは、例えば、表示の内容と、表示の期間と、表示のパターンと、表示のサイズと、表示の色との少なくとも1つにおいて互いに異なっている。表示の期間に関しては、例えば、準備通常催促表示が特定の期間のみ表示を継続するものであって、準備強催促表示が期間の定めなく表示を継続するものであっても良い。表示のパターンに関しては、例えば、準備通常催促表示が点滅による表示であって、準備強催促表示が点灯による表示であっても良い。表示のサイズに関しては、例えば、準備通常催促表示が通常のサイズによる内容の表示であって、準備強催促表示が準備通常催促表示より大きいサイズによる内容の表示であっても良い。表示の色に関しては、例えば、準備通常催促表示が通常の濃度による内容の表示であって、準備強催促表示が準備通常催促表示より濃い濃度による内容の表示であっても良い。
【0049】
交換通常催促表示と、交換強催促表示とについても、準備通常催促表示および準備強催促表示と同様に、例えば、表示の内容と、表示の期間と、表示のパターンと、表示のサイズと、表示の色との少なくとも1つにおいて互いに異なっている。
【0050】
制御部36は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部35に記憶されているプログラムを実行するようになっている。すなわち、カッティングプロッター20は、コンピューターである。
【0051】
制御部36は、時期判断プログラム35aを実行することによって、刃26の使用期間を取得する使用期間取得部36aと、駆動部によって駆動される刃26の駆動量としての駆動時間、すなわち、カット時間を取得する駆動量取得部としてのカット時間取得部36bと、駆動部によって駆動される刃26の駆動量としての駆動距離、すなわち、カット距離を取得する駆動量取得部としてのカット距離取得部36cと、カッティングプロッター20の刃26の駆動の負荷を取得する負荷取得部36dと、催促時期を判断する時期判断部36eと、刃26の交換に関する作業を催促する報知を実行する報知部36fとを実現する。
【0052】
負荷取得部36dは、被カット媒体90をカットする場合に刃26にかかる荷重およびカット速度の少なくとも1つに基づいて刃26の駆動の負荷を取得しても良い。ここで、刃26にかかる荷重は、カット速度が一定になるように駆動部によって刃26が駆動された状態で取得されても良い。また、カット速度は、刃26にかかる荷重が一定になるように駆動部によって刃26が駆動された状態で取得されても良い。
【0053】
報知部36fは、負荷取得部36dによって取得された負荷と、駆動量取得部によって取得された駆動量とに基づいて、刃26の交換に関する作業を催促する報知を実行する。
【0054】
図4は、カットデータ送信装置40のブロック図である。
【0055】
図4に示すように、カットデータ送信装置40は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの入力デバイスである操作部41と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部42と、ネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部43と、各種の情報を記憶する半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部44と、カットデータ送信装置40全体を制御する制御部45とを備えている。カットデータ送信装置40としては、例えば、PC(Personal Computer)などのコンピューターが採用されることが可能である。
【0056】
記憶部44は、カットデータを生成するためのカットデータ生成プログラム44aを記憶可能である。カットデータ生成プログラム44aは、例えば、カットデータ送信装置40の製造段階でカットデータ送信装置40にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリーなどの外部の記憶媒体からカットデータ送信装置40に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からカットデータ送信装置40に追加でインストールされても良い。
【0057】
制御部45は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部44に記憶されているプログラムを実行する。
【0058】
制御部45は、カットデータ生成プログラム44aを実行することによって、カットデータを生成するカットデータ生成部45aと、カットデータをカッティングプロッター20に送信するカットデータ送信部45bとを実現する。
【0059】
次に、時期判断システム10の動作について説明する。
【0060】
まず、カット時間を計測する場合のカッティングプロッター20の動作について説明する。
【0061】
図5は、カット時間を計測する場合のカッティングプロッター20の動作のフローチャートである。
【0062】
カッティングプロッター20の制御部36は、カットデータ送信装置40から送信されてきたカットデータなど、外部から入力されたカットデータに基づいて被カット媒体90に対してカットを実行するためのカットジョブの実行を開始する場合に、図5に示す動作を開始する。
【0063】
図5に示すように、カット時間取得部36bは、対象のカットジョブにおいて刃26による被カット媒体90に対するカットを開始したと判断するまで、対象のカットジョブにおいて刃26による被カット媒体90に対するカットを開始したか否かを判断する(S101)。
【0064】
カット時間取得部36bは、対象のカットジョブにおいて刃26による被カット媒体90に対するカットを開始したとS101において判断すると、カット時間の計測、すなわち、カット時間情報35cに示す値へのカット時間の積算を開始する(S102)。
【0065】
次いで、カット時間取得部36bは、対象のカットジョブにおいて刃26が被カット媒体90に接触しない位置までホルダー上下装置29によって刃26が上げられたか否かを判断する(S103)。
【0066】
カット時間取得部36bは、対象のカットジョブにおいて刃26が被カット媒体90に接触しない位置までホルダー上下装置29によって刃26が上げられたとS103において判断すると、カット時間の計測、すなわち、カット時間情報35cに示す値へのカット時間の積算を中断する(S104)。
【0067】
次いで、カット時間取得部36bは、対象のカットジョブにおいて刃26が被カット媒体90に接触する位置までホルダー上下装置29によって刃26が下げられたと判断するまで、対象のカットジョブにおいて刃26が被カット媒体90に接触する位置までホルダー上下装置29によって刃26が下げられたか否かを判断する(S105)。
【0068】
カット時間取得部36bは、対象のカットジョブにおいて刃26が被カット媒体90に接触する位置までホルダー上下装置29によって刃26が下げられたとS105において判断すると、カット時間の計測、すなわち、カット時間情報35cに示す値へのカット時間の積算を再開する(S106)。
【0069】
カット時間取得部36bは、対象のカットジョブにおいて刃26が被カット媒体90に接触しない位置までホルダー上下装置29によって刃26が上げられていないとS103において判断するか、S106の処理が終了すると、対象のカットジョブにおいて刃26による被カット媒体90に対するカットが終了したか否かを判断する(S107)。
【0070】
カット時間取得部36bは、対象のカットジョブにおいて刃26による被カット媒体90に対するカットが終了していないとS107において判断すると、S103の処理を実行する。
【0071】
カット時間取得部36bは、対象のカットジョブにおいて刃26による被カット媒体90に対するカットが終了したとS107において判断すると、カット時間の計測、すなわち、カット時間情報35cに示す値へのカット時間の積算を終了して(S108)、図5に示す動作を終了する。
【0072】
すなわち、カット時間取得部36bは、対象のカットジョブにおいて刃26による被カット媒体90に対するカットを開始してから(S101でYES)、対象のカットジョブにおいて刃26による被カット媒体90に対するカットが終了するまで(S107でYES)、経過時間をカット時間として計測する(S102およびS108)。ただし、カット時間取得部36bは、刃26によって被カット媒体90に対するカットが実行されない時間をカット時間に含めない(S103~S106)。例えば、カット時間取得部36bは、刃26によって被カット媒体90に対して破線状にカットを実行する場合には、刃26が被カット媒体90に接触していない時間をカット時間に含めず、刃26が被カット媒体90に接触している時間のみをカット時間に含める。
【0073】
次に、カット距離を計測する場合のカッティングプロッター20の動作について説明する。
【0074】
カッティングプロッター20のカット距離取得部36cは、カット時間取得部36bがカット時間を計測した方法と同様の方法によって、カット距離を計測する。例えば、カット距離取得部36cは、対象のカットジョブにおいて刃26が被カット媒体90に接触する位置までホルダー上下装置29によって刃26が下げられている場合に、被カット媒体90に対する刃26の、単位時間当たりの相対的な移動量を積算することによって、カット距離を計測する。
【0075】
次に、駆動負荷を計測する場合のカッティングプロッター20の動作について説明する。
【0076】
カッティングプロッター20の負荷取得部36dは、カット時間取得部36bがカット時間を計測した方法と同様の方法によって、駆動負荷を計測する。例えば、負荷取得部36dは、対象のカットジョブにおいて刃26が被カット媒体90に接触する位置までホルダー上下装置29によって刃26が下げられている場合に、負荷計測装置31によって計測された単位時間当たりの負荷を積算することによって、駆動負荷を計測する。ここで、単位時間当たりの負荷とは、例えば、単位時間における負荷の平均値でも良いし、単位時間におけるいずれかの時点での負荷でも良い。
【0077】
次に、負荷変化量を計測する場合のカッティングプロッター20の動作について説明する。
【0078】
図6は、負荷変化量を計測する場合のカッティングプロッター20の動作のフローチャートである。
【0079】
カッティングプロッター20の制御部36は、カットデータ送信装置40から送信されてきたカットデータなど、外部から入力されたカットデータに基づいて被カット媒体90に対してカットを実行するためのカットジョブを実行する場合に、図6に示す動作を実行する。
【0080】
図6に示すように、負荷取得部36dは、現在の駆動負荷を算出する(S121)。
【0081】
図7は、カッティングプロッター20による1回のカットにおける駆動負荷の変化の一例を示す図である。
【0082】
図7に示すように、駆動負荷は、1回のカットにおいて、カットの開始時付近で最大値の駆動負荷f1になった後、カットの開始時の特定の時間T1後から略一定の駆動負荷f2になり、カットの終了時に無くなる。
【0083】
図6に示す動作において、現在の駆動負荷として負荷取得部36dがS121において算出するものは、例えば、対象のカットジョブにおけるカットの開始時の駆動負荷f1でも良いし、対象のカットジョブにおけるカットの開始時の特定の時間T1後の駆動負荷f2でも良いし、対象のカットジョブにおけるカットの開始から終了までの駆動負荷の平均でも良いし、対象のカットジョブにおけるカットの開始時の特定の時間T1後からカットの終了までの駆動負荷の平均でも良い。また、現在の駆動負荷として負荷取得部36dがS121において算出するものは、カットジョブにおける何らかの駆動負荷または駆動負荷の平均を、対象のカットジョブを含む連続した複数のカットジョブについて平均したものでも良い。
【0084】
負荷取得部36dは、S121の処理の後、過去の駆動負荷を算出する(S122)。例えば、過去の駆動負荷としては、特定の条件によって特定された過去のカットジョブを基準としてS121の処理と同様に算出された駆動負荷でも良い。ここで、特定の条件としては、例えば、対象のカットジョブに対して特定の回数前のカットジョブという条件が採用されることが可能である。
【0085】
負荷取得部36dは、S122の処理の後、S121において算出した駆動負荷から、S122において算出した駆動負荷を差し引くことによって、負荷変化量を算出する(S123)。
【0086】
次いで、負荷取得部36dは、S123において算出した負荷変化量を、負荷変化量情報35fに示す値に積算して(S124)、図6に示す動作を終了する。
【0087】
次に、催促時期を判断する場合のカッティングプロッター20の動作について説明する。
【0088】
図8は、催促時期を判断する場合のカッティングプロッター20の動作のフローチャートである。
【0089】
図8に示すように、カッティングプロッター20の時期判断部36eは、催促表示の優先度(以下「表示優先度」という。)を初期化して5にする(S141)。
【0090】
次いで、時期判断部36eは、催促表示の内容(以下「催促表示内容」という。)を初期化する(S142)。ここで、催促表示内容は、初期状態では、何の情報も含んでいない。
【0091】
時期判断部36eは、S142の処理の後、催促表示内容を切り替えるか否かを示す表示内容切り替えフラグを倒す(S143)。
【0092】
使用期間取得部36aは、S143の処理の後、現在の日時から取り付け日時情報35bに示される取り付け日時を差し引くことによって刃26の使用期間を算出する(S144)。
【0093】
時期判断部36eは、S144の処理の後、刃26の使用期間に基づいて催促時期を判断するための使用期間基準判断処理を実行する(S145)。
【0094】
図9は、図8に示す使用期間基準判断処理のフローチャートである。
【0095】
図9に示すように、カッティングプロッター20の時期判断部36eは、S144において算出した使用期間が使用期間閾値情報35gに示される第4の閾値を超えているか否かを判断する(S161)。
【0096】
時期判断部36eは、S144において算出した使用期間が使用期間閾値情報35gに示される第4の閾値を超えているとS161において判断すると、表示優先度が1であるか否かを判断する(S162)。
【0097】
時期判断部36eは、表示優先度が1ではないとS162において判断すると、表示優先度を1にする(S163)。
【0098】
次いで、時期判断部36eは、催促表示内容を交換強催促表示に書き換える(S164)。
【0099】
次いで、時期判断部36eは、表示内容切り替えフラグを立てる(S165)。
【0100】
時期判断部36eは、表示優先度が1であるとS162において判断するか、S165の処理を実行すると、図9に示す使用期間基準判断処理を終了する。
【0101】
時期判断部36eは、S144において算出した使用期間が使用期間閾値情報35gに示される第4の閾値を超えていないとS161において判断すると、表示優先度が2以上であるか否かを判断する(S166)。
【0102】
時期判断部36eは、表示優先度が2以上であるとS166において判断すると、S144において算出した使用期間が使用期間閾値情報35gに示される第3の閾値を超えているか否かを判断する(S167)。
【0103】
時期判断部36eは、S144において算出した使用期間が使用期間閾値情報35gに示される第3の閾値を超えているとS167において判断すると、表示優先度が2であるか否かを判断する(S168)。
【0104】
時期判断部36eは、表示優先度が2ではないとS168において判断すると、表示優先度を2にする(S169)。
【0105】
次いで、時期判断部36eは、催促表示内容を交換通常催促表示に書き換える(S170)。
【0106】
次いで、時期判断部36eは、表示内容切り替えフラグを立てる(S171)。
【0107】
時期判断部36eは、表示優先度が2以上ではないとS166において判断するか、表示優先度が2であるとS168において判断するか、S171の処理を実行すると、図9に示す使用期間基準判断処理を終了する。
【0108】
時期判断部36eは、S144において算出した使用期間が使用期間閾値情報35gに示される第3の閾値を超えていないとS167において判断すると、表示優先度が3以上であるか否かを判断する(S172)。
【0109】
時期判断部36eは、表示優先度が3以上であるとS172において判断すると、S144において算出した使用期間が使用期間閾値情報35gに示される第2の閾値を超えているか否かを判断する(S173)。
【0110】
時期判断部36eは、S144において算出した使用期間が使用期間閾値情報35gに示される第2の閾値を超えているとS173において判断すると、表示優先度が3であるか否かを判断する(S174)。
【0111】
時期判断部36eは、表示優先度が3ではないとS174において判断すると、表示優先度を3にする(S175)。
【0112】
次いで、時期判断部36eは、催促表示内容を準備強催促表示に書き換える(S176)。
【0113】
次いで、時期判断部36eは、表示内容切り替えフラグを立てる(S177)。
【0114】
時期判断部36eは、表示優先度が3以上ではないとS172において判断するか、表示優先度が3であるとS174において判断するか、S177の処理を実行すると、図9に示す使用期間基準判断処理を終了する。
【0115】
時期判断部36eは、S144において算出した使用期間が使用期間閾値情報35gに示される第2の閾値を超えていないとS173において判断すると、表示優先度が4以上であるか否かを判断する(S178)。
【0116】
時期判断部36eは、表示優先度が4以上であるとS172において判断すると、S144において算出した使用期間が使用期間閾値情報35gに示される第1の閾値を超えているか否かを判断する(S179)。
【0117】
時期判断部36eは、S144において算出した使用期間が使用期間閾値情報35gに示される第1の閾値を超えているとS179において判断すると、表示優先度が4であるか否かを判断する(S180)。
【0118】
時期判断部36eは、表示優先度が4ではないとS180において判断すると、表示優先度を4にする(S181)。
【0119】
次いで、時期判断部36eは、催促表示内容を準備通常催促表示に書き換える(S182)。
【0120】
次いで、時期判断部36eは、表示内容切り替えフラグを立てる(S183)。
【0121】
時期判断部36eは、表示優先度が4以上ではないとS178において判断するか、S144において算出した使用期間が使用期間閾値情報35gに示される第1の閾値を超えていないとS179において判断するか、表示優先度が4であるとS180において判断するか、S183の処理を実行すると、図9に示す使用期間基準判断処理を終了する。
【0122】
図8に示すように、時期判断部36eは、S145の使用期間基準判断処理が終了すると、カット時間に基づいて催促時期を判断するためのカット時間基準判断処理を実行する(S146)。
【0123】
ここで、カット時間基準判断処理は、使用期間基準判断処理において、S144において算出した使用期間と、使用期間閾値情報35gに示される閾値とを、それぞれ、カット時間情報35cに示される値と、カット時間閾値情報35hに示される閾値とに代えた処理と同様である。したがって、カット時間基準判断処理の詳細な説明は省略する。
【0124】
時期判断部36eは、S146のカット時間基準判断処理が終了するとカット距離に基づいて催促時期を判断するためのカット距離基準判断処理を実行する(S147)。
【0125】
ここで、カット距離基準判断処理は、使用期間基準判断処理において、S144において算出した使用期間と、使用期間閾値情報35gに示される閾値とを、それぞれ、カット距離情報35dに示される値と、カット距離閾値情報35iに示される閾値とに代えた処理と同様である。したがって、カット距離基準判断処理の詳細な説明は省略する。
【0126】
時期判断部36eは、S147のカット距離基準判断処理が終了すると、駆動負荷に基づいて催促時期を判断するための駆動負荷基準判断処理を実行する(S148)。
【0127】
ここで、駆動負荷基準判断処理は、使用期間基準判断処理において、S144において算出した使用期間と、使用期間閾値情報35gに示される閾値とを、それぞれ、駆動負荷情報35eに示される値と、駆動負荷閾値情報35jに示される閾値とに代えた処理と同様である。したがって、駆動負荷基準判断処理の詳細な説明は省略する。
【0128】
時期判断部36eは、S148の駆動負荷基準判断処理が終了すると、負荷変化量に基づいて催促時期を判断するための負荷変化量基準判断処理を実行する(S149)。
【0129】
ここで、負荷変化量基準判断処理は、使用期間基準判断処理において、S144において算出した使用期間と、使用期間閾値情報35gに示される閾値とを、それぞれ、負荷変化量情報35fに示される値と、負荷変化量閾値情報35kに示される閾値とに代えた処理と同様である。したがって、負荷変化量基準判断処理の詳細な説明は省略する。
【0130】
報知部36fは、S149の負荷変化量基準判断処理が終了すると、表示内容切り替えフラグが立っているか否かを判断する(S150)。
【0131】
報知部36fは、表示内容切り替えフラグが立っているとS150において判断すると、現在の催促表示内容の表示を表示部33によって開始する(S151)。ここで、報知部36fは、現在の催促表示内容をカットデータ送信装置40に送信することによって、現在の催促表示内容をカットデータ送信装置40の制御部45にカットデータ送信装置40の表示部42によって開始させても良い。
【0132】
報知部36fは、S151の処理の後、表示内容切り替えフラグを倒す(S152)。
【0133】
報知部36fは、表示内容切り替えフラグが立っていないとS150において判断するか、S152の処理が終了すると、刃26が交換されたか否かを判断する(S153)。ここで、報知部36fは、刃26の交換の作業が行われるためのモード(以下「交換作業モード」という。)を制御部36が備えている場合、交換作業モードが終了したときに、刃26が交換されたと判断しても良い。また、報知部36fは、刃26の交換の作業の終了をカッティングプロッター20に通知するための操作が操作部32または通信部34を介して入力された場合に、刃26が交換されたと判断しても良い。
【0134】
使用期間取得部36aは、刃26が交換されていないとS153において判断されると、S144の処理を実行する。
【0135】
報知部36fは、刃26が交換されたとS153において判断すると、表示部33による催促表示を終了する(S154)。ここで、報知部36fは、S151においてカットデータ送信装置40に催促表示を開始させていた場合には、催促表示の終了の指示をカットデータ送信装置40に送信することによって、カットデータ送信装置40の表示部42による催促表示をカットデータ送信装置40の制御部45に終了させる。
【0136】
時期判断部36eは、S154の処理の後、S141の処理を実行する。
【0137】
次に、取り付け日時情報35b、カット時間情報35c、カット距離情報35d、駆動負荷情報35eおよび負荷変化量情報35fを初期化する場合のカッティングプロッター20の動作について説明する。
【0138】
図10は、取り付け日時情報35b、カット時間情報35c、カット距離情報35d、駆動負荷情報35eおよび負荷変化量情報35fを初期化する場合のカッティングプロッター20の動作のフローチャートである。
【0139】
カッティングプロッター20の制御部36は、交換作業モードが終了した場合に図10に示す動作を実行する。また、制御部36は、刃26の交換の作業の終了をカッティングプロッター20に通知するための操作が操作部32または通信部34を介して入力された場合に、図10に示す動作を実行しても良い。
【0140】
図10に示すように、使用期間取得部36aは、取り付け日時情報35bに示される取り付け日時を現在の日時に書き換える(S191)。
【0141】
次いで、カット時間取得部36bは、カット時間情報35cに示される値を0にする(S192)。
【0142】
次いで、カット距離取得部36cは、カット距離情報35dに示される値を0にする(S193)。
【0143】
次いで、負荷取得部36dは、駆動負荷情報35eに示される値を0にする(S194)。
【0144】
次いで、負荷取得部36dは、負荷変化量情報35fに示される値を0にして(S195)、図10に示す動作を終了する。
【0145】
以上に説明したように、時期判断システム10は、カッティングプロッター20の刃26の実際の消耗の度合いによって変化する駆動負荷に基づいた特定の種類の値に基づいて催促時期を判断する(S148またはS149)ので、催促時期を従来より適切に判断することができる。
【0146】
駆動負荷が大きいということは、刃26の先端部にかかる負荷が大きいということである。また、駆動負荷の積算値が大きいということは、刃26が大きく消耗されているということである。時期判断システム10は、駆動負荷の積算値に基づいて催促時期を判断する(S148)ので、催促時期を適切に判断することができる。
【0147】
駆動負荷は、刃26の消耗に伴って大きくなる。時期判断システム10は、負荷変化量に基づいて催促時期を判断する(S149)ので、催促時期を適切に判断することができる。
【0148】
なお、カッティングプロッター20の負荷取得部36dは、刃26によるカットの条件別に負荷変化量の積算値を取得しても良く、カッティングプロッター20の時期判断部36eは、負荷取得部36dによって取得された積算値に基づいて、刃26によるカットの条件別に催促時期をS149において判断しても良い。ここで、刃26によるカットの条件としては、例えば、直線のカットであるという条件と、曲線のカットであるという条件とが存在する。曲線のカットである場合には、曲線の曲率に応じて、刃26によるカットの条件を異ならせても良い。負荷変化量は、刃26によるカットの条件によって大きく異なる可能性がある。したがって、カッティングプロッター20の時期判断部36eは、刃26によるカットの条件別に負荷変化量の積算値に基づいて催促時期を判断する場合、催促時期を更に適切に判断することができる。
【0149】
図11は、駆動負荷の変化を協調して描いた、カッティングプロッター20による1回のカットにおける駆動負荷の変化の一例を示す図である。
【0150】
図7に示すように、駆動負荷は、1回のカットにおいて、カットの開始時付近で最大値の駆動負荷f1になった後、カットの開始時の特定の時間T1後から略一定の駆動負荷f2になり、カットの終了時に無くなる。しかしながら、実際には、1回のカットにおいて、カットの開始時の特定の時間T1後からの駆動負荷は、図11に示すように、刃26の消耗に伴って徐々に大きくなる可能性がある。そこで、カッティングプロッター20の負荷取得部36dは、カットジョブにおけるカットの終了時の特定の時間T2前の時点での駆動負荷f3から、このカットの開始時の特定の時間T1後の時点での駆動負荷f2を差し引いた値Δfを、このカットに対する負荷変化量として算出しても良い。カッティングプロッター20の時期判断部36eは、1回のカットにおける負荷変化量の、複数のカットに対する積算値に基づいて、催促時期を判断する場合、催促時期を適切に判断することができる。なお、駆動負荷f2、f3は、刃26によるカットの条件が同一であったとしても、被カット媒体90の種類によって異なる可能性がある。しかしながら、カッティングプロッター20の負荷取得部36dは、駆動負荷f3から駆動負荷f2を差し引いた値Δfを負荷変化量とするので、被カット媒体90の種類による負荷変化量への影響を低く抑えることができる。
【0151】
カッティングプロッター20の時期判断部36eは、以上においては、通常のカットジョブに対して取得された負荷変化量に基づいて催促時期を判断する。しかしながら、カッティングプロッター20の負荷取得部36dは、刃26による被カット媒体90に対する試し切りを定期的なタイミングなど、特定のタイミングで実行して、試し切りに対して駆動負荷を取得しても良く、カッティングプロッター20の時期判断部36eは、試し切りに対して取得された負荷変化量の積算値に基づいて催促時期を判断しても良い。この構成により、時期判断システム10は、試し切り毎にカットの条件を揃えて負荷変化量を取得することができるので、催促時期を更に適切に判断することができる。
【0152】
刃26は、周囲の温度変化、周囲の湿度、化学物質への暴露など、様々な要因によって酸化されることによって、経時変化する。したがって、刃26は、たとえ使用されていなくても、経時変化によって性能が低下する。時期判断システム10は、刃26の使用期間に基づいて催促時期を判断する(S145)ので、催促時期を適切に判断することができる。
【0153】
刃26に対する負荷が大きいカットジョブでは、刃26に対する負荷が小さいカットジョブと比較して、刃26の消耗が大きい。そこで、カッティングプロッター20の使用期間取得部36aは、時間の積算によって使用期間を取得する構成である場合、刃26による被カット媒体90に対するカットを実行した時間に、このカットにおいてカッティングプロッター20の負荷取得部36dによって取得された負荷に応じた係数を乗じた値、すなわち、積を、この時間に対応する使用時間として算出しても良い。この構成により、使用期間取得部36aは、例えば、刃26に対する負荷が大きいカットジョブの場合に、このカットジョブにおける実際の使用期間より長い使用期間を積算することができる。このように、時期判断システム10は、駆動負荷の影響を適切に反映した、刃26の使用期間を取得することができるので、刃26の使用期間に基づいて催促時期をS145において適切に判断することができる。
【0154】
なお、刃26は、カッティングプロッター20に取り付けられていなくても、経時変化によって性能が低下する。したがって、時期判断システム10は、刃26の製造日が例えば利用者によって登録されることによって、刃26の製造日から現在までの期間に基づいて催促時期を判断しても良い。同様に、時期判断システム10は、刃26の購入日が例えば利用者によって登録されることによって、刃26の購入日から現在までの期間に基づいて催促時期を判断しても良い。
【0155】
刃26は、カット時間が長いほど、消耗する。時期判断システム10は、カット時間に基づいて催促時期を判断する(S146)ので、催促時期を適切に判断することができる。
【0156】
刃26に対する負荷が大きいカットジョブでは、刃26に対する負荷が小さいカットジョブと比較して、刃26の消耗が大きい。そこで、カッティングプロッター20のカット時間取得部36bは、刃26による被カット媒体90に対するカットを実行した時間に、このカットにおいてカッティングプロッター20の負荷取得部36dによって取得された負荷に応じた係数を乗じた値、すなわち、積を、このカットに対するカット時間として算出しても良い。この構成により、カット時間取得部36bは、例えば、刃26に対する負荷が大きいカットジョブの場合に、このカットジョブにおける実際のカット時間より長いカット時間を積算することができる。このように、時期判断システム10は、駆動負荷の影響を適切に反映したカット時間を取得することができるので、カット時間に基づいて催促時期をS146において適切に判断することができる。
【0157】
駆動負荷は、図7に示すように、1回のカットにおいて、開始時の特定の時間T1後よりも開始時付近で大きい。また、カットの開始時に刃26を下げて被カット媒体90に接触させる場合、刃26の先端部に負荷がかかる。そのため、同一の被カット媒体90に対するカット時間が同一であっても、多くの回数でカットを実行する場合の方が、少ない回数でカットを実行する場合と比較して、刃26の消耗が大きい。したがって、カッティングプロッター20のカット時間取得部36bは、カット時間情報35cに示す値にカット時間を加算する場合に、カットの回数に基づいた補正を実行しても良い。例えば、カット時間取得部36bは、カット時間情報35cに示す値にカット時間を特定の単位毎に加算する場合に、カット時間情報35cに示す値に1つの単位分のカット時間を加算するとき、特定の補正係数が底であり、このカット時間において実行されたカットの回数が冪指数である冪を、このカット時間に掛け合わせて得られた時間を、カット時間情報35cに示す値に加算しても良い。ここで、補正係数は、例えば1.1など、1よりも大きな数値である。
【0158】
刃26は、カット距離が長いほど、消耗する。時期判断システム10は、カット距離に基づいて催促時期を判断する(S147)ので、催促時期を適切に判断することができる。
【0159】
刃26に対する負荷が大きいカットジョブでは、刃26に対する負荷が小さいカットジョブと比較して、刃26の消耗が大きい。そこで、カッティングプロッター20のカット距離取得部36cは、刃26による被カット媒体90に対するカットを実行した距離に、このカットにおいてカッティングプロッター20の負荷取得部36dによって取得された負荷に応じた係数を乗じた値、すなわち、積を、このカットに対するカット距離として算出しても良い。この構成により、カット距離取得部36cは、例えば、刃26に対する負荷が大きいカットジョブの場合に、このカットジョブにおける実際のカット距離より長いカット距離を積算することができる。このように、時期判断システム10は、駆動負荷の影響を適切に反映したカット距離を取得することができるので、カット距離に基づいて催促時期をS147において適切に判断することができる。
【0160】
駆動負荷は、図7に示すように、1回のカットにおいて、開始時の特定の時間T1後よりも開始時付近で大きい。また、カットの開始時に刃26を下げて被カット媒体90に接触させる場合、刃26の先端部に負荷がかかる。そのため、同一の被カット媒体90に対するカット距離が同一であっても、多くの回数でカットを実行する場合の方が、少ない回数でカットを実行する場合と比較して、刃26の消耗が大きい。したがって、カッティングプロッター20のカット距離取得部36cは、カット距離情報35dに示す値にカット距離を加算する場合に、カットの回数に基づいた補正を実行しても良い。例えば、カット距離取得部36cは、カット距離情報35dに示す値にカット距離を特定の単位毎に加算する場合に、カット距離情報35dに示す値に1つの単位分のカット距離を加算するとき、特定の補正係数が底であり、このカット距離において実行されたカットの回数が冪指数である冪を、このカット距離に掛け合わせて得られた距離を、カット距離情報35dに示す値に加算しても良い。ここで、補正係数は、例えば1.1など、1よりも大きな数値である。
【0161】
時期判断システム10は、カットデータに基づいてカット距離を算出しても良い。カットデータは、通常、カットする線分の情報を含んでいる。そのため、時期判断システム10は、カットデータに含まれる線分の情報に基づいてカット距離を算出することができる。時期判断システム10は、カットデータに基づいてカット距離を算出する場合、カットデータ送信装置40の制御部45によってカット距離を算出することができる。そして、カットデータ送信装置40の制御部45は、カッティングプロッター20に対して送信したカットデータに基づいて算出したカット距離を積算し、カット距離閾値情報35iに示される閾値と同一の閾値を使用して、催促時期を判断し、判断結果に応じた催促表示を表示部42によって実行することができる。時期判断システム10は、催促時期を判断する機能をカットデータ送信装置40側に備えている場合、催促時期を判断する機能をカッティングプロッター20側に備えていなくても良い。
【0162】
時期判断システム10は、催促表示を段階的に実行するので、利用者に交換用の刃26を準備させることが可能である。したがって、時期判断システム10は、刃26の消耗によってカッティングプロッター20が使用することができない時間を短縮することができ、カッティングプロッター20の稼働率を向上することができる。
【0163】
時期判断システム10は、催促表示を実行するので、交換用の刃26の在庫を利用者が必要以上に持つ可能性を低減することができる。そのため、時期判断システム10は、交換用の刃26の在庫を管理するための利用者の負担と、刃26の経時変化による劣化に対応するための利用者の負担とを軽減することができる。
【0164】
報知部36fは、本実施の形態において、刃26の交換に関する作業を催促する報知を、例えば、表示部33のディスプレイによる表示と、表示部33のランプの点灯および点滅とのいずれかによって実行する(S151)。しかしながら、報知部36fは、刃26の交換に関する作業を催促する報知を、視覚的な方法以外の方法によって実現しても良い。例えば、報知部36fは、刃26の交換に関する作業を催促する報知を、アラームなどの聴覚的な方法によって実現しても良い。
【0165】
時期判断システム10は、本実施の形態において、駆動負荷の積算値、負荷変化量、使用期間、カット時間、カット距離など、複数の観点から、催促時期を判断している。しかしながら、時期判断システム10は、本実施の形態において示した複数の観点のうちの少なくとも1つの観点に対応しなくても良い。
【0166】
時期判断システム10は、本実施の形態において示した観点の少なくとも1つに代えて、または、本実施の形態において示した観点に加えて、本実施の形態において示した観点以外の観点から、催促時期を判断しても良い。例えば、時期判断システム10は、駆動部による刃26の駆動回数から催促時期を判断しても良い。時期判断システム10が駆動部による刃26の駆動回数から催促時期を判断する場合、制御部36は、刃26の駆動量として、駆動部による刃26の駆動回数を取得する駆動量取得部を実現しても良い。この駆動量取得部は、駆動量取得部自身が取得した駆動回数に、負荷取得部36dによって取得された負荷に応じた係数を乗じた積を算出しても良い。そして、時期判断部36eは、例えばS146やS147の処理と同様に、この駆動量取得部によって算出された積と、刃26の交換に関する作業の催促のための閾値との比較の結果に基づいて、刃26の交換に関する作業の催促の時期を判断しても良い。また、報知部36fは、S150~S153の処理のように、負荷取得部36dによって取得された負荷と、この駆動量取得部によって取得された駆動回数とに基づいて、刃26の交換に関する作業を催促する報知を実行しても良い。
【0167】
時期判断システム10は、本実施の形態においてカッティングプロッター20によって実行している処理の少なくとも一部を、カットデータ送信装置40によって実行しても良い。同様に、時期判断システム10は、本実施の形態においてカットデータ送信装置40によって実行している処理の少なくとも一部を、カッティングプロッター20によって実行しても良い。
【符号の説明】
【0168】
10 時期判断システム
20 カッティングプロッター(カッティング装置、コンピューター)
26 刃
27 副走査装置(駆動部)
28 主走査装置(駆動部)
29 ホルダー上下装置(駆動部)
30 ホルダー回転装置(駆動部)
35a 時期判断プログラム
36b カット時間取得部(駆動量取得部)
36c カット距離取得部(駆動量取得部)
36d 負荷取得部
36e 時期判断部
36f 報知部
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