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特許7274464可変インピーダンスセルおよび遷移まで時間データ感知を有するメモリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】可変インピーダンスセルおよび遷移まで時間データ感知を有するメモリ
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/56 20060101AFI20230509BHJP
   G11C 11/405 20060101ALI20230509BHJP
   G11C 11/4091 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
G11C11/56 250
G11C11/405
G11C11/4091 150
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020517140
(86)(22)【出願日】2018-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-24
(86)【国際出願番号】 US2018049764
(87)【国際公開番号】W WO2019078971
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-09-01
(31)【優先権主張番号】62/573,460
(32)【優先日】2017-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/650,067
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/040,419
(32)【優先日】2018-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/040,442
(32)【優先日】2018-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520093849
【氏名又は名称】アールアンドディー 3 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ラマラジュ,ラヴィンドララジュ
【審査官】堀田 和義
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0358648(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0043521(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0294227(US,A1)
【文献】国際公開第2019/078972(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/56
G11C 11/405
G11C 11/4091
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が、そこに格納されたそれぞれのデータ値に従って変化する可変インピーダンスを有する、複数のメモリセルと、
選択回路と、
選択されたメモリセルに結合された読出し回路と、を有し、前記選択されたメモリセルは、可変インピーダンスを有し、
前記読出し回路は、前記選択回路とともに、
前記選択されたメモリセルの前記可変インピーダンスに対応する可変速度で信号ノードを充電し、
前記選択されたメモリセルの前記可変インピーダンスに対応する可変速度で前記信号ノードの電圧における変化をもたらし、
前記信号ノード電圧変化の可変時間遅延決定を行うために前記信号ノードの充電時間を測定し、
前記可変時間遅延決定に基づいて、前記選択されたメモリセルに格納されたデータ値を読み出すように構成され、
前記可変時間遅延決定は、前記選択されたメモリセルを選択するワード線信号を参照することで行われ
各メモリセルのそれぞれの前記可変インピーダンスは、書き込まれる前記データ値によってゲート電圧が変化する前記メモリセル内のトランジスタに起因し、
前記信号ノードは、読出しビット線ノードを備える、
メモリデバイス。
【請求項2】
それぞれのデータ値が複数のビットに対応する、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記可変インピーダンスは、可変電流を備える、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記複数のメモリセルは、揮発性メモリセルを備える、請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記複数のメモリセルは、不揮発性メモリセルを備える、請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
各メモリセルは、書き込まれる前記データによってそれぞれのゲート電圧が変化する複数のトランジスタを備え、
前記複数のトランジスタは全体として、前記メモリセルのそれぞれの前記可変インピーダンスを決定する、
請求項に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記読出し回路は、選択回路とともに、前記選択されたメモリセルの前記可変インピーダンスに対応する可変速度で前記信号ノードの電圧における変化をもたらし、前記信号ノード電圧変化の前記可変時間遅延決定に基づいて、前記選択されたメモリセル内に格納された前記データ値を読み出すように構成される、請求項1に記載のメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年3月29日に出願された、“Memory Structures and Related Methods of Operation”と題された米国仮特許出願第62/650,067号の35 U.S.C.第119条(e)の下での利益を主張するものであり、更に、2017年10月17日に出願された、“Memory Operation”と題された米国仮特許出願第62/573,460号の35 U.S.C.第119条(e)の下での利益を主張するものであり、上記開示の各々は、参照によってその全体が本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、メモリデバイスに関する回路、システム、および動作方法に関し、より具体的には、メモリセルがそこに格納されたそれぞれのデータ値に従って変化する可変インピーダンスを有するデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
メモリは、コンピューティングシステムにおいて、多くの様々な種類の目的のために用いられ得る。たとえば、メモリは、データを格納し、または数学演算を実行するために用いられ得る。これらの様々な目的のために、様々な種類のメモリが用いられ得る。ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)は、低費用かつ高容量メモリの利益を得る状況において用いられてよく、コンピューティングシステムのメインメモリ部品において用いられ得る。DRAMは、たとえばスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)などの他の種類のメモリよりも低速であり得る。
【発明の概要】
【0004】
一般に、信号ノードにおける電圧変化の時間遅延決定を実行し、選択されたメモリセル内に格納されたデータ値を決定するメモリデバイスが開示される。
【0005】
開示される実施形態の1つにおいて、メモリデバイスは、複数のメモリセルを含み、各メモリセルは、そこに格納されたそれぞれのデータ値に従って変化する可変インピーダンスを有する。またメモリデバイスは、選択されたメモリセルの可変インピーダンスに対応する信号ノード電圧変化の可変時間遅延決定に基づいて、選択されたメモリセル内に格納されたデータ値を読み出すように構成された読出し回路も含む。
【0006】
他の開示される実施形態において、メモリデバイスは、アレイ状の複数のメモリセルと、読出し回路とを含む。読出し回路は、選択されたメモリセル内に格納されたデータ値に対応する可変速度で信号ノードの電圧遷移をもたらし、選択されたメモリセル内に格納されたデータ値を決定するために、信号ノードの遷移まで時間測定を実行するように構成される。
【0007】
様々な実施形態の詳細な説明のために、以下、添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】少なくともいくつかの実施形態に係るメモリ構造を備えるコンピューティングシステム例をブロック図形式で示す。
図2】DRAMメモリセルおよびDRAMメモリセルの各種類に関連する特性を部分ブロック図形式で示す。
図3】トランジスタにおける電流と電圧との関係を示すグラフ例を示す。
図4】少なくともいくつかの実施形態に係るDRAMメモリセルおよび対応する読出し動作を示す。
図5】少なくともいくつかの実施形態に係るメモリセルおよび対応する読出し動作を示す。
図6】電荷共有を示す回路の図を示す。
図7】少なくともいくつかの実施形態に係るメモリセルおよび対応する読出し動作を示す。
図8】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成および対応する読出し動作を示す。
図9】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成および対応する読出し動作を示す。
図10】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成を示す。
図11】少なくともいくつかの実施形態に係るメモリセルおよび対応する読出し動作を示す。
図12】少なくともいくつかの実施形態に係る、NAND構成における複数のメモリセルおよび対応する読出し動作を示す。
図13】少なくともいくつかの実施形態に係る1T DRAMメモリセルおよび対応する読出し動作を示す。
図14】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成を示す。
図15】少なくともいくつかの実施形態に係る遅延まで時間測定回路および読出し動作をブロック図形式で示す。
図16】少なくともいくつかの実施形態に係る方法例を示す。
図17】少なくともいくつかの実施形態に係る方法例を示す。
図18】少なくともいくつかの実施形態に係る方法例を示す。
図19】少なくともいくつかの実施形態に係る方法例を示す。
図20】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成をブロック図形式で示す。
図21】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成を示す。
図22】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成を示す。
図23】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成をブロック図形式で示す。
図24】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成をブロック図形式で示す。
図25】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成を示す。
図26】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成を部分ブロック図形式で示す。
図27】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成を部分ブロック図形式で示す。
図28図27に示す実施形態を含む少なくともいくつかの実施形態に係る、対応する読出し動作を示す。
図29】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成および対応する読出し特性を示す。
図30】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成を部分ブロック図形式で示す。
図31】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成を部分ブロック図形式で示す。
図32】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成を部分ブロック図形式で示す。
図33】少なくともいくつかの実施形態に係る方法例のフローチャートを示す。
図34】少なくともいくつかの実施形態に係る遷移まで時間測定回路構成をブロック図形式で示す。
図35】少なくともいくつかの実施形態に係る回路構成をブロック図形式で示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
留意すべき点として、様々な図に示す構造およびタイミング図は、必ずしも一定の比率で拡大縮小して示されておらず、そこに示された教示をより明確に例示するように示される。
【0010】
特定のシステム構成要素に言及するために、以下の説明および特許請求の範囲を通して特定の用語が使用される。当業者が理解するように、様々な団体が、様々な名称で構成要素に言及し得る。本明細書は、名称が異なるが機能は異ならない構成要素を区別することを意図しない。
【0011】
以下の説明および特許請求の範囲において、「含む」および「備える」という用語は、制限のない形式で使用されるので、「含むが、~に限定されない」ことを意味するものとして解釈しなければならない。また、「結合する」という用語は、直接接続または間接接続のいずれかを意味することが意図される。したがって、第1のデバイスが第2のデバイスに結合する場合、その接続は、直接接続によるもの、または他のデバイスおよび接続を介した間接接続によるものであってよい。
【0012】
以下の説明は、本発明の様々な実施形態に向けられる。これらの実施形態の1または複数は好適であってよいが、開示される実施形態は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲を限定するものとして解釈されてはならず、またはそのように用いられてはならない。加えて、当業者が理解するように、以下の説明は幅広い応用性を有し、任意の実施形態の説明は、その実施形態の典型例であることのみが意図され、特許請求の範囲を含む本開示の範囲が、その実施形態に限定されることを暗示することは意図されない。
【0013】
単一のメモリセルに複数ビットを格納する能力は、コンピュータユーザにとって有益であり得る。単一のメモリセルに複数ビットを格納する能力により、同じ物理空間により多くのデータが格納されることが可能である。さらに、メモリセルを用いて数学演算を実行する能力は、機械言語プログラマにとって有益であり得る。単一のメモリセルに複数ビットを格納するとともにメモリセルを用いて数学演算を実行する能力の向上の両方を実現するために、メモリセルに格納されたデータを解釈することに関する様々な方法およびシステムが以下で説明される。
【0014】
図1は、本明細書で説明される実施形態に係るメモリが使用され得る環境を示す。特に、図1は、本明細書で説明される実施形態に係るメモリを使用し得るコンピューティングシステム100を示す。コンピューティングシステム100は、たとえばラップトップ、デスクトップコンピュータ、いくつかのコンピュータのノード内のコンピュータ、携帯電話、タブレット、または本明細書で説明される実施形態に係るメモリを使用し得る他の任意のコンピューティングシステムを示してよい。特に、例示的なコンピューティングシステム100における特定の様々な構成要素は、本明細書で説明される実施形態に係るメモリを使用してよい。コンピュータシステム100は、集積回路(IC)102と、IC102に結合された1または複数のメモリ104とを備え、ここで1または複数のメモリ104は、本明細書で説明される実施形態に係るメモリを備えてよい。
【0015】
IC102は、システム内に存在する任意の演算要素を表す。たとえば、IC102は、中央処理ユニット(CPU)、処理要素、グラフィック処理ユニット(GPU)、ハードウェア加速度計、システムオンチップ(SOC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、機械学習ユニット、行列演算ユニット(MOU)などであってよい。いくつかの実施形態において、IC102は、本明細書で説明される実施形態に係るメモリを備えてよい。
【0016】
たとえば、IC102は、本明細書で説明される実施形態に係るL3キャッシュメモリを備えてよい。また、本明細書で説明される実施形態に係るメモリは、たとえばGPUにおいて、およびたとえば機械学習に適合されたMOUなどの様々なチップにおいて、演算プロセスの一部として使用され得る。MOUは、行列転置および変換演算を実行してよい。またMOUは、行列演算も実行してよい。
【0017】
また、IC102および1または複数のメモリ104は、記憶デバイス106、およびネットワークインタフェースデバイス108に結合され得る。いくつかの実施形態において、記憶デバイス106は、ハードドライブ、ソリッドステートディスク、メモリスティック、光学ディスクなどを備えてよい。記憶デバイス106は、IC102によって実行可能なプログラムが格納され必要時にIC102によってアクセスされ得る非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備えてよい。記憶デバイス106は、1種類のメモリのみから成ることに限定されない。たとえば、いくつかの実施形態において、記憶デバイス106は、メモリ106aと、ソリッドステートディスク(記憶デバイス106)のためのバッファとして使用されるメモリ106bとを備えてよい。メモリ106aは、記憶デバイス106のためのバッファであるメモリ106bのためのバッファであってよい。
【0018】
記憶デバイス106に格納されたプログラムは、コンピュータシステム100に様々なプロセスを実装するためのプログラムを備えてよい。場合によっては、プログラムは、記憶デバイス106からメモリ104へコピーされ、プログラムは、メモリ104から実行される。したがって、メモリ104および記憶デバイス106の両方が、コンピュータ可読記憶媒体とみなされるものとする。
【0019】
様々な実施形態において、ネットワークインタフェースデバイス108は、コンピュータシステム100が、無線または有線ネットワークを介してデータを交換することを可能にし得る。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム100は、共有ネットワーク内の複数の他のコンピュータに接続され得る。
【0020】
また、コンピューティングシステム100は、本明細書で説明される実施形態に係るメモリが存在し得る環境を示すために説明されたが、本明細書で説明されるメモリの実施形態は、この特定の環境に限定されない。たとえば、本明細書で説明される実施形態に係るメモリは、車両、インターネット家電、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)ハードウェア、スイッチ、ネットワークインタフェースデバイス、オーディオプレーヤ、フラッシュ記憶カード、テレビ、カメラ、ビデオレコーダなどにおいて使用され得る。
【0021】
ここで図2を参照して、本明細書で説明されるメモリの様々な実施形態に係る様々なメモリの特徴が説明される。本明細書で説明されるメモリが、たとえばIC102、メモリ104、または記憶デバイス106内で用いられ得る場合が説明される。特に、ブロック図201、203、および205は、1トランジスタ(1T)DRAMセル、2トランジスタ(2T)DRAMセル、および3トランジスタ(3T)DRAMセルをそれぞれ示す。各メモリセルにおいて、値Vdataは、論理的0(「0」)または論理的1(「1」)のいずれかとして記憶ノード内に格納される。Vdataの値は、グラフ207に示される。
【0022】
1T DRAMメモリセル201は、コンデンサ211と直列に接続されたトランジスタ209を備える。トランジスタ209のゲート端子は、ワード線(WL)213に接続され、トランジスタ209のソースまたはドレーン端子は、ビット線(BL)215に接続される。
【0023】
1T DRAMメモリセル201は、トランジスタ209とコンデンサ211との間の記憶ノードにデータVdataを格納する。動作中、BL215は、レベルV/2まで充電され、読出し動作中、BL215の電圧は、デルタV(すなわちΔV)だけ変化する。すなわち、読出し動作中、BL215の電圧は、V/2に対して、メモリセルに格納された論理値を示すΔVの量だけ増加または減少する。読出し動作中の1T DRAMメモリセル201のWL213およびBL215の特性は、グラフ217および219によって示される。
【0024】
特に、線グラフ217は、読出し動作中のWL213の電圧値を示し、線グラフ219は、同じ読出し動作中のBL219の電圧値を示す。時間tにおいて、ワード線213の電圧レベルは増加している。時間遅延後、後続の時間tにおいて、BL219の電圧レベルは、メモリセル内に格納された論理値に依存して、増加または減少のいずれかを開始する。時間tにおいて、BL315の電圧値は、論理的「0」または「1」として処理および解釈されるために十分な閾値電圧値に到達する。
【0025】
2T DRAMメモリセル203は、2つのトランジスタ221および223を備え、ここで、トランジスタ221のドレーン端子は、トランジスタ223のゲート端子に接続される。またVdataも、トランジスタ221とトランジスタ223との間の接続を備える記憶ノードに格納される。書込みワード線225は、トランジスタ221のゲート端子に接続され、書込みビット線227は、トランジスタ221のソース端子に接続される。トランジスタ223のソースおよびドレーン端子は、読出しビット線229および読出しワード線231に接続される。
【0026】
留意すべき点として、本明細書で説明される任意のNMOSトランジスタにおけるソースおよびドレーン端子は、置換可能である。したがって、1つの例が、ソースおよびドレーン端子を識別する構成を説明する場合、ソースおよびドレーン端子の指定が入れ替えられた実施形態も考えられる。さらに、本明細書で説明される実施形態は、NMOSトランジスタを使用する実装に係る。またPMOSトランジスタを使用する実装も考えられ、本明細書で提供される説明を補足する説明もまた考えられる。
【0027】
線グラフ233に示すように、読出し動作中の読出しワード線231における電圧レベルが示され、対応する読出しビット線229における電圧レベルは、線グラフ235に示される。最初、時間tにおいて、読出しワード線231および読出しビット線229における電圧レベルは「ハイ」、または0Vより上の何らかの値である。
【0028】
トランジスタの端子に存在する電圧に関して、「ハイ」値は、論理的「1」値に対応してよい。「ハイ」値は、「VDD」電圧値に対応してよい。本明細書で言及される場合の「ロー」値は、トランジスタをオフ状態に保つために十分な「ハイ」値との電位差をもたらす値に対応してよい。「ハイ」値は、ドレーン端子に存在し得るが、「ロー」値は、トランジスタのソース端子に存在する。一例において、「ロー」値は、「ハイ」値よりも閾値電圧量だけ低い任意の電圧であってよく、ここで、閾値電圧は、トランジスタをオフ状態に保つために2つの端子間に必要な最小電位差(電圧)を定義する。したがって、「ロー」値は、必ずしも0ではないが、いくつかの実施形態において0であってよい。
【0029】
線グラフ233の説明を続けると、時間tに後続して、読出し動作中、読出しワード線電圧レベルは、初期「ハイ」値より下まで降下する。時間tにおいて、読出しワード線電圧レベルは、「ロー」レベルに到達する。時間遅延後、時間tに後続して、読出しビット線電圧レベルは、Vdataの値に依存して、不変のままである(「ハイ」に留まる)か、あるいは「ロー」レベル(時間t)まで変化してよい。読出しビット線電圧レベルが同じ状態に留まるか、シフトするかは、メモリセル内に格納されたVdataの値を示す。時間tにおいて、読出しワード線電圧レベルは、初期「ハイ」レベルに戻る。
【0030】
3T DRAMメモリセル205は、3つのトランジスタ237、239、および241を備える。2つのトランジスタ239および241は、直列に接続され、トランジスタ237のドレーン端子は、トランジスタ239のゲート端子に接続される。Vdataは、トランジスタ237のドレーン端子がトランジスタ239のゲート端子に接続されたノードに格納される。トランジスタ237のソース端子は、書込みビット線243に接続され、書込みワード線245は、トランジスタ237のゲート端子に接続される。読出しワード線247は、トランジスタ241のゲート端子に接続され、トランジスタ241のドレーン端子は、読出しビット線249に接続される。
【0031】
線グラフ251に示すように、読出し動作中の読出しワード線247における電圧レベルが示され、対応する読出しビット線253における電圧レベルは、線グラフ253に示される。最初、時間tにおいて、読出しワード線電圧レベルは「ロー」から始まり、読出しビット線電圧レベルは「ハイ」から始まる。時間tにおける読出し動作中、読出しワード線251における電圧レベルは増加する。時間遅延後、時間t10において、Vdataとして格納された値に依存して、読出しビット線249の電圧レベルは、不変のままであるか、または降下する。時間t11において、読出しワード線247における電圧レベルは、「ロー」レベルに戻る。
【0032】
グラフ219、235、および253に示すように、読出しビット線における電圧の変化は段階的であり、時間遅延後に発生する。電圧の変化速度は、トランジスタの特性およびゲート端子における電圧量に基づいて変化し得る。また、ゲート端子における電圧の量は、トランジスタを流れる電流の量にも関連する。
【0033】
ここで図3を参照すると、トランジスタの電流電圧特性ならびにトランジスタのブロック図が説明される。トランジスタ303に示された電流は、電子流量表記ではなく、従来の流量表記を用いて示される。特に、トランジスタ303のゲート端子に印加された電圧の量は、トランジスタを流れる電流305の量を決定してよい。トランジスタ303のグラフ305において説明するような以下の特性は、本明細書で説明するように、単一のメモリセルに複数の値を格納するために用いられ得る。
【0034】
図2において説明した、DRAMメモリセルの様々な構成において、読出しビット線(たとえば215、229、249)は、トランジスタのドレーンまたはソース端子に接続される。トランジスタ303は、トランジスタ209、223、および241のいずれかを表してよく、ここで、読出しビット線は、ドレーン端子309に接続される。トランジスタ303をオンにするために、十分なゲート電圧311がゲート端子301に印加されると、電流307がドレーン端子309からソース端子313へ流れ始める。
【0035】
上述したように、たとえばトランジスタ303などの典型的なN形金属酸化膜(NMOS)トランジスタのソースおよびドレーン端子は、入替え可能である。ソースおよびドレーン端子は、導電電極と称され得る。たとえば閾値電圧量を超える電圧量などの十分な電圧がゲート端子301に印加された場合、一方の導電電極が他方の導電電極に対して低い電位であるかに基づいて、導電電極間に電流が流れる。十分な電圧がゲート端子301に印加される典型的なシナリオにおいて、導電電極間に電位差が存在しない場合、導電電極間に電流は流れない。
【0036】
応用例において、それぞれの導電電極に割り当てられたソースまたはドレーン指定は、トランジスタの所与の状態および2つの導電電極間の電流の方向を反映してよい。いくつかのシナリオにおいて、ドレーン端子は、ソース端子よりも高い電位である。ただし、本明細書において割り当てられたソースおよびドレーン指定は、本明細書で説明される所与の例に関する電流の方向を暗示するものとして意図されない。説明を容易にするために、本明細書で説明される例において、トランジスタの一方の導電電極は、ドレーン端子と表記され、他方の端子は、ソース端子と表記される。それぞれの導電電極がソースおよびドレーンと指定された所与の例に関して、ソースおよびドレーンの指定が本明細書で説明されたものと逆である実施形態も同様に考えられる。
【0037】
トランジスタ303の説明を続けると、読出しビット線(たとえば215、229、または249)がドレーンまたはソース端子に接続されると、トランジスタ(たとえばトランジスタ209、223、239、241)のドレーン端子とソース端子との間に流れる電流は、ビット線放電に対応し得る。ソース端子に対してトランジスタのゲート端子に印加された電圧311の量、またはゲート端子に対してトランジスタのソース端子に印加された電圧311の量は、たとえばビット線の放電の所要時間および速度も決定し得る。たとえば、1Tまたは3T DRAMセルにおいて、電圧は、ソース端子に対してゲート端子に印加される。2T DRAMセルにおいて、電圧は、ゲート端子に対してソース端子に印加される。したがって、ビット線の放電に関して測定された時間遅延に基づいて、複数の値が測定され、検出され得る。
【0038】
グラフ305において、x軸は、トランジスタ303のソースおよびドレーン端子(それぞれ313および309)の間の電圧値を表し、y軸は、ソースおよびドレーン端子(313および309)の間に流れる電流307の量を表す。グラフ305において、様々なVGS曲線(たとえば317、316、318、および325)は、ゲート端子301に印加された様々な電圧量VGSおよび対応する電流(iDS)および各VGSの電圧(VDS)特性を表す。
【0039】
様々なVGS曲線によって示すように、ゲート端子301に印加された様々な電圧量は、トランジスタ303を流れる電流の量、およびソースおよびドレーン端子(313および309)の間で測定された電圧の量を決定し得る。たとえば、VGS曲線317は、特定のVGSレベル315に関して、ソースおよびドレーン端子の間の電圧の増加時(VDS)、トランジスタ303を流れ得る電流の量を示す。
【0040】
各VGS電圧レベルは、オーバーライド電圧(たとえばVOV1)として定められた量だけ閾値電圧(Vth)より上に設定され、ここで、VOV6は、VOV0より大きい量を表す。したがって、閾値電圧足すVOV6に等しいVGSレベルは、閾値電圧足すVOV0に等しいVGSレベルよりも大きい。所与のVGSレベルに関して、トランジスタ303を流れる電流の量は、VDSが最初に増加する時(動作321の線形領域)に増加する。
【0041】
DSの何らかの値に到達した後、各VGS曲線に関して、VDSにおける更なる増加は、トランジスタ303を流れる電流(iDS)にその後影響を与えることはなく、トランジスタは、動作319の飽和領域において動作すると考えられる。VDSの変化は、動作321の線形領域において、トランジスタ303を流れる電流へのより大きな影響を有する。各VGS曲線に関して、動作321の線形領域から動作319の飽和領域への動作モード間の遷移は、破線327によって示される。
【0042】
グラフ305に示すように、iDSは、ゲート対ソース電圧(VGS)が閾値電圧(Vth)を超える量であるオーバーライド(VOV)の関数である。特に、縦列323に示すように、曲線317を例とすると、
DS=K’(VOV0 (1)
であり、ここで、K’は、トランジスタの技術およびデバイスパラメータ定数を更に表すパラメータであり、より具体的には、
K’=μOX(W/L) (2)
であり、ここで、μは、表面移動度を表し、COXは、単位面積当たりのゲート酸化物容量を表し、Wは、トランジスタの幅であり、Lは、トランジスタの長さを表す。
【0043】
ゲート端子311に印加されたVGS値に基づいて、トランジスタ303は、グラフ305に示す様々なVGS曲線(すなわち曲線316、317、318、および325)に従って様々に挙動してよい。したがって、トランジスタ303は、可変トランジスタとして動作してよく、ここで、(動作321の線形領域における)iDSの量および変化速度は、曲線ごとに異なる。特に、読出しビット線がトランジスタ303のソースまたはドレーンに接続された、所与の読出し動作中、ゲート電圧の値(VGS)は、トランジスタ303を流れるiDSの量を表すVDS曲線に対するiDSを指定する。ゲート電圧の値(VGS)は、読出し線が放電し得る速度を決定してよい。様々な実施形態において、読出しビット線を放電させるために要する時間の程度は、メモリセル内に格納された特定の電圧または値を決定するために用いられ得る。
【0044】
ここで、図4を参照すると、様々な実施形態に係るメモリセルが説明される。電圧の変化が発生する速度は、メモリセルに格納された値を識別するために用いられ得る。例として3トランジスタ(3T)DRAMセル(205)を用いて、メモリセルに多値を格納するための方法が説明される。
【0045】
この例において、グラフ403に2命名法で表された、Vdataに関する8つの論理値0~7が、3T DRAMセル205内にプログラムされ得る。グラフ403において、電圧値は、x軸に沿って表される。各論理値は、異なる電圧値として格納される。
【0046】
たとえば、論理値「0」は、約0ボルトの電圧値として格納されてよく、論理値「1」は、おおよそ電圧値「V」として格納され得る。論理値「2」は、おおよそ電圧値「V」として格納されてよく、ここで、「V」の値は「V」よりも大きく、残りの論理値は、これに応じて、連続的な論理値が累進的に大きな電圧値としてプログラムされるようにプログラムされ得る。
【0047】
3T DRAMセル205の動作中、各論理値を表す電圧値は、正確に0または「V」、「V」などでなくてもよい。むしろ、論理値は、たとえば0または「V」、「V」である目標電圧値より上または下の何らかの電圧値の範囲内であってよい。したがって、特定の論理値として登録し得る電圧値は、グラフ403に個々の釣鐘曲線として表される。各釣鐘曲線は、それぞれの論理値に対応し得る電圧値の電位分布を記録する。
【0048】
様々な論理値を表すために電圧値が割り当てられる方式は、この例に限定されず、他の割当てスキームが用いられ得る。すなわち、電圧値と対応する論理値との間の割当てスキームは、実施形態を例示する目的で説明され、使用され得る割当てスキームの種類を限定することは意図されない。たとえば、論理値「0」が電圧値「0」として格納されてよく、論理値「7」が電圧値「V」として格納される。グラフ403は、様々な論理値を表すために様々な電圧値が用いられ得る1つの方法例を記録する。また、本明細書で説明される任意の割当てスキームは、例としてみなされ、限定的な例となるものではない。
【0049】
3T DRAMセル205の読出し動作中、時間t-1において、線グラフ405に表すように、クロックはハイになり得る。次に時間t-0.5において、読出しワード線(RWL)はハイになる。後続して、トランジスタ239を流れるiDSの量およびiDSの変化の速度は、Vdata401の電圧値に依存する。最後に、複数のストローブクロックのうちのストローブクロックが、閾値電圧レベルVREF409より下まで降下するビット線の電圧レベルに応じてハイになる。
【0050】
ビット線が放電する方式および速度は、Vdata401の電圧値に依存し、ここで、Vdata401は、記憶ノードに格納される。VGSの様々な値に関してグラフ305に示された様々なVGS曲線を思い出す。より高いVGSの電圧値(曲線325)は、たとえば曲線317などのより低いVGSの電圧値よりも速いビット線放電速度に対応する。すなわち、「V」の電圧値がVdataとして格納される場合(この例において、「V」は、グラフ305内の曲線325によって表された曲線を辿り得る)、放電は、時間tにおいて発生し得る(407)。「V」は曲線325(グラフ305)を辿り得るので、放電は、グラフ305内の他のVGS曲線よりも早く発生し得る。
【0051】
ビット線放電の検出において、ビット線は、たとえばVREF409に等しい電圧レベルなどの所定の閾値量に到達した後、十分に放電したとみなされる。様々な回路が、ビット線の電圧レベルにアクセスし、ビット線が十分に放電したかに関する決定を行うために用いられ得る。たとえば、電圧比較器は、たとえばバンドギャップ基準回路によって提供された基準電圧、または他の基準電圧などの基準電圧と、ビット線とを比較するために用いられ得る。他の例において、通常よりも高いトリップ点を有する「スキュー」インバータが用いられ得る。そのようなスキューインバータは、PMOSトランジスタをNMOSトランジスタよりも強大にサイズ設定することによって実装され得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、ストローブクロックは、事前定義された時間窓の間、発火するようにプログラムされ得る。インジケータは、ビット線の電圧レベルにアクセスするために使用された様々な回路によって生成され得る。いくつかの実施形態において、様々な回路は、比較器、ビット線の電圧レベルを記録することが可能な回路などを備えてよい。したがって、インジケータは、様々な形式を備えてよい。たとえば、インジケータは、比較器によって出力された電圧であってよく、あるいは値は、ビット線の電圧レベルを反映してよい。総じて、インジケータは、ビット線の電圧レベルが所定の閾値量より下まで降下したかを決定するために用いられ得るデータを含む。
【0053】
一例において、STRCLKと表記されたストローブクロックは、事前定義された時間窓または時間t付近の時間インターバルにおいてインジケータを記録する。グラフ405に示す例において、複数のストローブクロックは、事前定義された様々な時間窓またはその付近で発火するように設定され得る。たとえば、グラフ405において、最大7つのストローブクロックが、事前定義された様々な時間窓または時間インターバルにおいて発火するように設定され得る。ビット線が読出し動作中に所定の閾値電圧値よりも下まで降下したというデータを有するインジケータを記録するストローブクロックに基づいて、Vdata401の値に関する決定が行われ、論理値に関連付けられ得る。
【0054】
7つのストローブクロックを有するこの例において、ビット線が所定の閾値より下まで降下したというデータを有するインジケータを捕捉する、7つのうちで最も早いストローブクロックは、論理値を決定するために用いられ得る。いくつかの実施形態において、複数のストローブクロックのサブセットが、発火するように設定され得る。したがって、所与の読出し動作中、7つ全てのストローブクロックが発火しなくてもよい。
【0055】
他の例において、「V」の電圧値がVdata401に格納される場合、STRCLKは、時間tより前から時間tと時間tとの間にわたる時間窓内で発火する(たとえば、ハイ状態に切り換わる)ように設定される。Vdata401は「V」の電圧値を格納するので、ビット線の電圧値は、VREF409より下まで降下する。したがって、STRCLKによって記録されたインジケータは、ビット線がVREF409より下まで降下したことを反映する。
【0056】
他の例において、Vdataが、「V」の電圧値よりも低い電圧レベルを有する「V」の電圧値である場合、「V」電圧レベルは、「V」がVdataとして格納された場合よりも、ビット線を放電させるために長い時間を要する。したがって、ビット線は、時間tに後続する時間t付近で放電し得る。
【0057】
この例において、STRCLKは、時間tより前から時間tと時間tとの間にわたる時間窓内で発火する(たとえば、ハイ状態に切り換わる)。しかし、STRCLKによって捕捉されたインジケータは、ビット線がVREF409より下まで降下していないことを反映する。STRCLKは、時間tより前から時間tと時間tとの間にわたる時間窓内で発火する(たとえば、ハイ状態に切り換わる)。RBL249の電圧値は、STRCLKが発火するように設定された時間付近でVREF409より下まで降下するので、STRCLKが発火すると、STRCLK1の発火時に捕捉されたインジケータは、ビット線がVREF409より下まで降下したことを反映する。
【0058】
総じて、格納されたVdataの電圧値が低いほど、ビット線が放電するまで長い時間がかかり得る。したがって、図4に提供された例において、「V」の電圧レベルを有するVdata401は、時間t付近に、十分に放電したビット線、またはVREF409の電圧レベルに到達したビット線を経験する。「V」の電圧レベルを有するVdata401は、時間t付近に、十分に放電したビット線、またはVREFの電圧レベルに到達したビット線を経験する。「V」の電圧レベルを有するVdata401は、時間t付近に、十分に放電したビット線、またはVREF409の電圧レベルに到達したビット線を経験する。「V」の電圧レベルを有するVdata401は、時間t付近に、十分に放電したビット線、またはVREF409の電圧レベルに到達したビット線を経験し、以下同様である。Vdata401が0ボルトに等しい場合、読出しビット線は、継続的にハイに留まる。したがって、設定時間量にわたりハイに留まり続ける読出しビット線は、Vdata401が0ボルトに等しいことを示してよい。
【0059】
簡単に上述したように、ビット線が十分に放電し、またはVREF409の電圧レベルに到達するために要する期間を検出するために、複数のストローブクロックがビット線に結合され得る。複数のストローブクロックの各々は、異なる時間窓において発火し、周囲の回路にビット線をストローブさせ、または、ビット線に接続された比較器に、十分な放電が発生したかを決定させる。ビット線電圧が所定の電圧レベル(VREF409)より下まで降下したことを検出すると、対応するストローブクロックは、インジケータが捕捉された時間窓を定めてよい。ビット線が所定の閾値量より下まで降下したことを反映するインジケータを記録する特定のストローブクロックに基づいて、周囲の回路は、ビット線がVREF409の電圧量まで放電するために要した時間のスパンを決定してよい。
【0060】
十分な放電が発生したか否かは、当該技術における任意の既知の方法によって決定され得る。たとえば、十分な放電が発生したことの決定は、読出しビット線249に接続された比較器の状態を確認することによって行われ得る。読出しビット線249の電圧レベルは、読出しビット線249が十分な量を放電したかを査定するために、たとえばVREF409電圧などの所定の閾値量と比較され得る。
【0061】
ビット線が十分に放電するために要する時間の長さに基づいて、周囲の回路は、メモリセルに格納されたVdataの電圧値を決定してよく、これは次に論理値と関連付けられる。Vdataが0ボルトに等しい状況において、周囲の回路は、所定の閾値時間量よりも長い時間量にわたり、ビット線がハイに留まることを検出した後、Vdataが0ボルトであることを決定してよい。放電に関する時間窓を電圧値と、および次に論理値と関連付ける概念は、たとえば2Tまたは1T DRAMセルなどの他の種類のメモリセルにも適用され得る。
【0062】
ここで、図5を参照すると、多値を格納することができる2トランジスタ(2T)DRAMセルが説明される。上述したように、2T DRAMセル203は、トランジスタ221および223を備え、ここで、トランジスタ221のドレーン端子は、トランジスタ223のゲート端子に接続される。トランジスタ221のゲート端子は、書込みワード線225に接続され、トランジスタ221のソース端子は、書込みビット線WBL227に接続される。トランジスタ223のドレーン端子は、読出しビット線229に接続され、トランジスタ223のソース端子は、読出しワード線231に接続される。ソースおよびドレーン端子の表記は、ここでも、この例の説明を容易にするためであり、これらの端子は入替え可能である。Vdata501は、トランジスタ221とトランジスタ223との間の接続を備える記憶ノードに格納される。
【0063】
2T DRAMセル203の動作中、RBL229およびRWL231は、高い電圧値、たとえばVDDまでプリチャージされる。2T DRAMセル203に格納された論理値を検出するメカニズムを理解するために、トランジスタ223のソースおよびドレーン端子の両方が同じレベルであること、およびたとえばゲート端子に印加された電圧(Vdata>0)によってトランジスタ223がオンにされた場合でも、端子間に電荷は流れないことを留意する。トランジスタ223のゲート端子とソース端子との間に電圧差を生み出すことにより、トランジスタ223のゲート端子とソース端子との間に十分な電圧またはVdata501電圧値が存在する場合、トランジスタ223に電流が流れる。
【0064】
この特性は、メモリセル203内の記憶ノードに格納されたVdataの電圧値を読み出すために用いられ得る。1つの実施形態において、RBL229とRWL231との間の電圧差は、Vdata501の電圧値を決定するために増分的に生み出される。すなわち、RWL231の電圧値は、増分的に低減されてよく、RBL229が十分に放電した間の増分は、格納されたVdata501の電圧値に関連付けられてよく、これはそれぞれの論理値にも対応し得る。
【0065】
RWL231において増分的に減少する電圧は、トランジスタ223のゲート端子とソース端子との間の電圧を増加させる。トランジスタ223のゲート端子に格納されたVdata501電圧に依存して、トランジスタ223は、RWL231が、トランジスタ223のゲート端子におけるVdata501に関してトランジスタ223の閾値電圧より下まで増分的に減少すると、オンになり得る。
【0066】
3T DRAMセルと同様、2T DRAMセル203は、様々な値のVdata501を格納してよく、ここで、Vdata501は、0ボルト、「V」、「V」、・・・、「V」であってよい。メモリセル203においてVdata501としてプログラムされ得る様々な電圧レベルは、各々が、グラフ503に2命名法で表されたそれぞれの論理値0~7を表してよい。たとえば、約0ボルトの電圧値を有するVdata501は、論理値「0」に対応してよく、「V」付近の電圧値を有するVdata501は、論理値「1」に対応してよく、「V」付近の電圧値を有するVdata501は、論理値「2」に対応してよい、などである。
【0067】
3T DRAMセルの動作と同様、2T DRAMセル203の動作中、各論理値を表す電圧値は、目標電圧値であり、ここで、対応する論理値として解釈され得る実際の電圧値は、所与の目標電圧値よりも大きいおよび小さい電圧値の幅を備える。したがって、グラフ503は、それぞれの論理値に対応し得る電圧値の電位分布を記録する釣鐘曲線として特定の論理値として登録し得る電圧値を示す。
【0068】
2T DRAMセル203の読出し動作中、RWL231の電圧は、グラフ519に示すように、増分的に降下し得る。グラフ519において、x軸は時間を表し、y軸は電圧値を表す。RWL231は最初、ハイに充電され、RWL231の電圧はレベル521であってよく、その後、RWL231の電圧は、レベル523まで降下し得る。RWL231の電圧は、特定の時間増分において、レベル525、527、529、531、533、および535まで増分的に降下し続ける。
【0069】
data501の所与の電圧値に関して、トランジスタ223のゲート端子における電圧に応じて、ゲート端子とRWL231とに格納されたVdata501の間の電圧差が、閾値電圧量またはトランジスタ223をオンにするために十分な電圧量を上回ると、RBL229は、放電を開始し得る。さらに、RBL229とRWL231との間に十分な量の電圧差が存在する場合、RBL229が放電する速度、およびRBL229が少しでも放電するか否かは、Vdata501の電圧値に依存する。たとえば、高いVdata電圧レベルは、低いVdata電圧レベルと比べて、RBL229がRWL231における高い電圧(すなわち、より小さな減分電圧値539、541、543など)で放電する結果をもたらす。
【0070】
さらに、RBL229がどこまで放電するかの電圧レベルは、RWL231の電圧レベルに依存する。たとえば、RWL231の電圧レベルが一度レベル523まで降下した後にRBL229が放電する場合、RBL229の電圧レベルは、RWL231の電圧レベルと等しくなるまで降下する。したがって、グラフ519および555において、電圧レベル523および539は概ね同じである。
【0071】
グラフ519および555は、それぞれ、2T DRAMセル203の読出し動作中のRWL231およびRBL229の電圧レベル例を示す。線521は、読出し動作中のRWL231の電圧レベルを表し、線537は、RBL229の電圧レベルを表す。更に、グラフ537における破線561は、RBL537が十分に放電したかを決定するために用いられた、たとえばVREFなどの所定の電圧レベルを表す。
【0072】
様々な実施形態において、RWL231の様々な電圧レベル523、525、527、529、531、533、および535は、ステップと称され得る。RBL229が放電を開始する前に、RWL231の電圧レベルが降圧した回数は、Vdata501の値を決定するために査定され得る。
【0073】
data501が「V」の電圧値を格納する例において、「V」が「V」、「V」、「V」、「V」、および「V」よりも高い電圧値である場合、RBL229は、RWL231の電圧レベルがレベル523まで降下した後、放電を開始し得る。したがって、時間tまでに、RBL229の電圧レベルは、電圧レベル539まで放電し得る。RBL229の電圧レベル539は、RBL229が放電を開始する時、RWL231の電圧レベル523の付近であることを思い出すと、RBL229の電圧レベルがRWL231とほぼ同じ電圧レベルに到達するまで放電は継続する。
【0074】
data501が「V」の電圧値を格納する例において、「V」が「V」よりも低い電圧値である場合、RBL537は、RWL231の電圧レベルにおける第1の降圧後、放電しなくてよい。「V」は「V」よりも低い電圧値であるため、トランジスタ223が導電を開始(すなわち、RBL229が放電を開始)する前に、ゲート端子とドレーン端子との間により大きな電圧差が必要になり得る。したがって、グラフ519および537に示すように、RBL229は、RWL231における電圧の第2の降圧(レベル525)後、放電を開始し得る。
【0075】
data501が0ボルトの電圧値を格納する例において、RBL229は、放電しない。すなわち、RWL231が電圧レベル535である場合、トランジスタのゲート端子とソース端子との間の電圧は、トランジスタ223をオンにするために必要な閾値電圧よりも低い。
【0076】
いくつかの実施形態において、RWLの電圧レベルが降圧する回数は、Vdata501として格納された電圧値に変換されてよく、これはさらに、Vdata501の電圧値に対応する論理値に関連付けられる。たとえば、RWL231が電圧レベル527(第3ステップ)である時、RBL229が放電を開始する場合、たとえばカウンタなどの周囲回路は、RWL231の電圧レベルが3回降圧したことを反映するデータを格納してよい。このレベルが3回降圧したというデータは、「V」の電圧値を格納するVdataに関連付けられ、その後、論理値「101」に変換され得る。
【0077】
RWL231の電圧レベルが何回降下したかを査定するためにカウンタを用いる例が説明されたが、カウンタは、この情報を査定するために用いられ得る唯一の方法ではない。他の方法が用いられ得る。たとえば、各電圧レベルが特定のステップに対応する電圧レベルが測定されてよく、RWL231がどのステップにあるかを決定するために比較器が用いられ得る。3T DRAMセル205に関して説明した例と同様、Vdata501の電圧値を査定するために、クロックおよびストロービング技術が用いられ得る。
【0078】
RWL231の電圧レベルが降圧(または状況によっては昇圧)する回数は、事前設定回数であってよい。RWL231が降圧する事前設定回数の間にRBL229が放電しない場合、Vdata501は0の電圧値を格納しているという結論が下され得る。より一般的に言えば、事前設定回数は、Vdata501として格納され得る値の可能な数によって決定され得る。
【0079】
1つの実施形態において、事前設定回数は、Vdata501として格納され得る値の可能な数よりも1少なくてよい。たとえば、2T DRAMセル203は、Vdata501として可能な値の数「n」を格納するようにプログラムされ得る。したがって、事前設定回数は、「n-1」に等しくてよい。RBL229が、RWL231が降圧する事前設定回数「n-1」の間に放電を開始しない場合、RWL231に任意の追加の電圧ステップを設けることなく、Vdata501がVdata501に格納された最後の可能な値を格納しているという結論が下され得る。
【0080】
2T DRAMセル203が複数の2T DRAMセルの1つである、他の実施形態が想定される。複数の2T DRAMセルは、メモリの行を備えてよい。読出し動作が、単一のメモリセルを読出し、行内の残りのセルを読み出さない場合、RWLの電圧値は、対象のメモリセルにおいて降圧し、周囲のセルにおけるWWLの電圧値もまた、他のセル内のVdata電圧値がビット線を通って放電することを防ぐために降圧し得る。すなわち、未選択の行における未選択のメモリにおいて、選択されたRBLノードは、その電圧が降下すると、未選択の2T DRAMセルのためのソース端子として機能してよく、VDDにおける未選択のRWLは、未選択の2T DRAMセルのためのドレーン端子として機能してよい。
【0081】
ここで、図6を参照すると、電荷共有の概念が説明される。この概念は、図7において説明するように、1トランジスタ(1T)DRAMセルの説明にも適用される。ブロック図601は、ゲート端子631と、それぞれコンデンサ621および625に接続されたソースおよびドレーン端子とを有するトランジスタ623を示す。ゲート端子631は、Vの電圧値を有する。コンデンサ621は、電荷およびそれぞれの電圧量Vを保持し、コンデンサ625は、電荷およびそれぞれの電圧量Vを保持する。
【0082】
トランジスタ623は、V電圧およびV電圧がいずれもV-Vthより大きい場合、オフであり、ここで、Vthは、トランジスタ623のための閾値電圧である(ブロック図603)。トランジスタ601は、ソースまたはドレーン端子(導電電極)のいずれかが、ゲート端子(制御電極)よりも閾値電圧量だけ小さい場合、オンになり得る(ブロック図605)。導電電極間に電流が流れる場合、導電電極間の電位差も存在することを思い出す。ゲート電極と両方の導電電極との間の電圧差が、トランジスタの閾値電圧を超えなくなると、トランジスタはオフになる(すなわち、それ以上導電しない)。
【0083】
ここで、図7を参照すると、多値を格納することができる1T DRAMセルが説明される。上述したように、1T DRAMセル201は、トランジスタ201およびコンデンサ211を備える。トランジスタ209のゲート端子は、ワード線(WL)213に接続され、トランジスタ209のドレーン端子は、ビット線(BL)215に接続される。BL215に接続されないソースまたはドレーン端子は、コンデンサ211に接続され、Vdataは、トランジスタ209とコンデンサ211との間の接続を備える記憶ノードに格納される。
【0084】
この例において、Vdataに関する8つの論理値0~7は、グラフ711に2命名法で表される。これら8つの論理値は、x軸に沿って表されたそれぞれの電圧値として、1T DRAMセル201にプログラムされ得る。グラフ711に示すように、各論理値は、異なる電圧値として格納される。
【0085】
たとえば、論理値「0」は、約0ボルトの電圧値として格納され、論理値「1」は、おおよそ電圧値「V」として格納され得る。論理値「2」は、おおよそ電圧値「V」として格納されてよく、ここで、「V」の値は0ボルトよりも大きく、「V」および残りの論理値は、これに応じて、連続的な論理値が増分的に大きくなる電圧値としてプログラムされるようにプログラムされ得る。
【0086】
1T DRAMセル201の動作中、各論理値を表す電圧値は、正確に0または「V」、「V」などでなくてもよい。むしろ、電圧値は、たとえば0、「V」、「V」の目標電圧値より上または下の何らかの電圧値の範囲内であってよい。したがって、特定の論理値として登録し得る電圧値は、グラフ711における個々の釣鐘曲線として表される。各釣鐘曲線は、それぞれの論理値に対応し得る電圧値の電位分布を記録する。電圧値が様々な論理値を表すために割り当てられる方式は、この例に限定されず、他の割当てスキームが用いられてよい。
【0087】
1T DRAMセル201の読出し動作中、BL215はハイに充電されるが、WL213はローである。WL213の電圧値は、Vdata745の電圧値を決定するために増分的に昇圧する。BL215は、グラフ709および747に示すように、WL213がトランジスタ209を完全にオンにすると、(トランジスタ209およびコンデンサ211を通って接地へ向かって)放電する。グラフ709において、WL213の読出し動作中の電圧値例が示され、電圧値は、y値が増加すると増加する。グラフ747において、BL215の読出し動作中の可能な電圧値が示され、ここで、電圧値は、y値が増加すると増加する。
【0088】
1T DRAMセル201において、BL215とコンデンサ211との間に電荷共有が適用される。したがって、WL213の電圧値が、Vdata745の各可能な電圧値よりも高い所定の値であるそれぞれの値まで増分的に昇圧すると、Vdata745の電圧値がWL213の電圧に(閾値電圧少なく)最初に超された時、(アクセストランジスタ209がオフになる時点で)セル201からBL215へ同じ量の電荷が最初に結合されるため、BL215は、Vdata745電圧にかかわらず最初にほぼ同じ電圧値まで放電する。したがって、BL215が放電する様々なシナリオが、ほぼ同じ初期値において横ばいである電圧値(たとえば電圧731、733、735など)によって表される。更に、グラフ747内の破線749は、BL215が十分に放電したかを決定するために用いられる、たとえばVREFなどの所定の電圧レベルを表す。アクセストランジスタ209が最初にオンになった後、WL213が更に高い電圧まで増分すると、メモリセル201からBL215へ追加の電荷が結合され、BL215の電圧は更に減少する(たとえば、図13を参照)。
【0089】
2T DRAMセル203の読出し動作と同様、1T DRAMセル201の読出し動作中、WL213の電圧は、増分的に段階を付けられる。しかし、降下する代わりに、WL213の電圧値は、増分的に上昇し得る。WL213の様々な電圧レベル713、715、717、719、721、723、725、および727は、ステップと称され得る。BL215が放電を開始する前に、WL213の電圧レベルが昇圧した回数は、Vdata745の値を決定するために査定され得る。
【0090】
data745が0ボルトの電圧値を格納する例において、BL215は、WL713の電圧レベルがレベル715まで上昇した後、放電を開始し得る。トランジスタ209のソース端子とドレーン端子との間の電位差は、Vdata745が0ボルトを格納する場合、最大であってよく、したがって、トランジスタ209のソース端子が0電圧であり、WL213に接続されたゲート端子が、トランジスタ209をオンにするために必要な閾値電圧よりも高い電圧であるので、WL213の電圧レベルにおける小さな増加は、トランジスタ209をオンにするために十分であり得る。したがって、Vdata745が0ボルトを格納すると、時間tまでに、BL215の電圧レベルは、電圧レベル731まで放電し得る。
【0091】
ステップ715におけるWL213の電圧レベルは、少なくとも閾値電圧量だけ、Vdata745の電圧値よりも大きくあってよい。この差を明示するために、WL213の電圧レベルに関連するVdata745の様々な可能な電圧値は、グラフ709に示される。
【0092】
data745が電圧値「V」を格納する例において、BL215は、WL213の電圧レベルが第2のレベル717まで増分的に段階を踏んだ後、放電を開始し得る。Vdata745として格納され得る各連続的な電圧値は、WL213の電圧レベルにおける連続的なステップとともに検出され得る。Vdata745が電圧値「V」を格納する例において、BL215は、WL213の電圧レベルにおける増分的変化の間、放電しなくてよい。この例において、BL215が、WL213の電圧レベルにおける7回の増分的増加後、放電を開始しない場合、周囲の回路は、Vdata745が電圧レベル「V」を格納していることを結論付けてよい。
【0093】
WL213の電圧レベルが昇圧する回数は、Vdata745として格納された電圧値に変換されてよく、これはさらに、Vdata745の電圧値に対応する論理値と関連付けられる。たとえば、WL213が電圧レベル721(第4ステップ)である時に、BL215が放電を開始する場合、たとえばカウンタなどの周囲の回路は、WL213の電圧レベルが4回昇圧したことを反映するデータを格納してよい。レベルが4回昇圧したというデータは、電圧値「V」を格納するVdataと関連付けられ、その後、論理値「011」に変換され得る。
【0094】
WL213の電圧レベルが何回昇圧したかを査定するためにカウンタを用いる例が説明されたが、カウンタは、この情報を査定するために用いられ得る唯一の方法ではない。他の方法が用いられてよい。たとえば、各電圧レベルが特定のステップに対応する電圧レベルが測定されてよく、WL213がどのステップにあるかを決定するために、比較器が用いられ得る。3T DRAMセル205に関して説明した例と同様、クロックおよびストロービング技術が、Vdata745の電圧値を査定するために用いられ得る。
【0095】
2T DRAMセル203の読出し動作と同様、WL213の電圧レベルが昇圧または降圧する回数は、事前設定回数であってよい。BL215が、WL213が昇圧または降圧する事前設定回数の間、放電しない場合、Vdata745が最後の可能値を格納しているという結論が下され得る。
【0096】
たとえば、1T DRAMセル201は、Vdata745として可能な値の数「n」を格納するようにプログラムされ得る。BL215の放電の開始を検出せずに、事前設定回数n-1をステップ実行した後、WL213に任意の追加の電圧ステップを設けることなく、Vdata745に格納されたデータは最後の可能値であるという結論が導かれ得る。さらに1つ上の電圧レベルへの昇圧を避けることにより、電力の節減がもたらされる。
【0097】
ここで、図8を参照すると、ブロック図は、本明細書で説明される実施形態を利用し得る回路構成例を示す。図801は、直列に接続された2つのトランジスタ811および813を備え、ここで、トランジスタ811のソースまたはドレーン端子は、読出しビット線(RBL)815に結合される。トランジスタ811のゲート端子は、読出しワード線(RWL)817に結合される。Vdata807は、トランジスタ813のゲート端子を備える記憶ノードに格納される。
【0098】
たとえば図801に示すような回路構成は、たとえば3T DRAMセル(図2、トランジスタ241および239)などの様々な回路において見られ得る。Vdata807の電圧値を決定するために、様々な実施形態に従って、RWL817は、高値までプリチャージされ得る。
【0099】
data807は、2より多い数の可能な論理値を表してよく、ここで、論理値は、様々な電圧値として格納される。グラフ803は、Vdata807として格納され得る様々な電圧値と、それぞれの電圧値に対応する論理値との相関の一例を示す。
【0100】
電圧値は、電圧ステップをストロービングまたは実行することを含む、上述した任意の方法を用いて決定され得る。Vdataの電圧値を決定するための他の方法は、所定の時間インターバルにおけるRBL815の電圧レベルを確認し、所定の時間インターバルの間のRBL815の電圧レベルを、Vdataによって表された論理値と関連付けてよい。
【0101】
グラフ805は、この実施形態に従って実行される方法の間のクロック(CLK)、RWL817、およびRBL815の電圧レベルを示す。時間t-1において、クロックはハイになってよく、その後、時間t-0.5において、RWL817はハイになる。上述した半導体デバイス物理学(図3)により、RBL815は、Vdata807の電圧値に基づいて様々な速度で放電を開始する。
【0102】
したがって、たとえば時間tなどの所定の時間インターバルにおいて、RBL815の電圧レベルは、Vdata807の電圧値に基づいて様々なレベルである。RBL815の可能な放電曲線は、グラフ805に示される。所定の時間インターバルは、可能な電圧曲線間により大きな差が存在するような位置に設定され得る。したがって、測定された電圧値は、より明確に識別され、より正確に識別され得る。
【0103】
時間インターバルtの間に測定されたRBL815の電圧値は、後にデジタル値に変換されるアナログ値として測定され得る。デジタル値はその後、対応する論理値に関連付けられ得る。
【0104】
ここで、図9を参照すると、ブロック図は、本明細書で説明される実施形態を利用し得る回路構成の他の例を示す。図901は、直列に接続された3つのトランジスタ911、913、および915を備える。トランジスタ911のソースまたはドレーン端子は、読取ビット線(RBL)919に接続され得る。トランジスタ913および915の各ゲート端子は、電圧値(たとえばVg1およびVg0)を記憶ノードに格納してよい。
【0105】
グラフ905は、Vg1およびVg0として格納された電圧値を読み出すまた別の方法を示す。留意すべき点として、決定された電圧値は、電圧値Vg1およびVg0の和に対応する。格納された電圧値(たとえばVg1およびVg0)に基づいて、トランジスタ913および915は、より多くまたは少なく導電する。
【0106】
格納された電圧値の和を決定するために、説明された任意の方法が用いられ得る(たとえば、ストロービング、所与の時間における電圧レベルの測定)。図9において、測定された遅延時間を電圧値に関連付ける、放電までの時間法が示される。時間遅延は、クロックがハイになることに対応し得る時間tと、RBL919が所定の閾値レベル931に到達した時との間の時間インターバルとして定義され得る。グラフ905において、時間遅延は、D、D、D、D、D、D、およびDと表記される。時間遅延は、Vg1およびVg2の電圧値に基づいて変化する。
【0107】
図903は、図901と等しい回路図である。基本的に、直列に接続されたトランジスタ913および915は、直列に接続された可変レジスタ923および925と同様の方式で動作するとみなされ得る。RBL929の放電までの合計時間が、回路抵抗と回路容量との積に等しい。
RC時間定数=(R+R)×CBL (3)
ここで、RおよびRは、可変抵抗を表し、CBLは、RBL929の容量を表す。様々な値のRおよびRに関して、RC時間定数値は変化し、放電に関する時間遅延を変化させる。上の式3において、トランジスタ921の抵抗値は、トランジスタ921の抵抗が無視できるものである抵抗RおよびRよりも大幅に小さいと考えられる。したがって、トランジスタ921の抵抗値は、RC時間定数計算に含まれない。トランジスタ921の抵抗値が無視できないほど大きい実施形態において、抵抗値もまた、RC時間定数計算におけるオフセットとして含まれ得る。
【0108】
図901におけるRBL919の出力は、放電まで時間変換器(この例は以下で説明される)に後続して結合されるインバータに結合され得る。したがって、遅延時間が測定されてよく、トランジスタ913および915のゲート端子に格納された電圧の和が決定され得る。
【0109】
グラフ907において、上述した、格納された電圧値を決定する方法が示される。グラフ907において、RBL929の電圧値が、時間tにおいて測定される。RBL929の放電の様々な速度が与えられると、可変レジスタの値に基づいて、時間tに測定された電圧値に基づいて抵抗値の決定が行われ得る。
【0110】
図901および903において、複数のトランジスタに格納された値の多種多様な組み合わせの結果、最終的な和が生じ得る。たとえば、抵抗値RおよびRのいくつかの組み合わせは、同じ和をもたらし得る。RC遅延は、直列の可変レジスタ全ての一次結合である。さらに、所与の固定容量に関して、合計時間遅延は、直列の抵抗の一次結合である。さらに、それぞれの抵抗値が対数値を表す場合、時間遅延は、対数値の合計に関連付け得る。これは、積項が得られ得る例の1つであり、図10に関して更に説明される。
【0111】
図901および903に示す回路は、行列算術の行列演算を実行する回路に関する構成ブロックを備えてよい。たとえば、説明された、直列に接続されたトランジスタのゲートに格納された電圧の和を決定するための方法は、数値を足すために用いられてよく、ここで、Vg1およびVg0の値は数値を表す。追加の動作が実行されてよく、たとえば、Vg0およびVg1は対数値log(a)およびlog(b)を表してよい。すなわち、
g0=log(x)かつVg1=log(y) (4A)
である。
【0112】
したがって、測定されたVg0およびVg1の和は、xとyとの積の対数を表してよい。たとえば、これらの回路は、デカルト加算、ベクトル加算を実行し、デカルト積を求めるために用いられ得る。また、ブロック901および903に示す回路は、トランスリニア回路動作と同様に働くようにバイアスされ得る。トランジスタは、トランジスタが指数電流電圧特性を示す領域である弱反転領域においてバイアスされる。したがって、弱反転領域内でバイアスされたトランジスタは、対数-対数動作を実行することができる。
【0113】
ここで、図10を参照すると、本明細書で説明される様々な実施形態が、デジタル領域信号処理のために用いられ得る構成で示される。特に、ブロック図1001において、複数のトランジスタ1011、・・・、1013、および1015は、直列に接続される。3つのトランジスタが直列に接続されて示されるが、図1001は、示された3つより多い数の直列に接続されたトランジスタを有してよい。いくつかの実施形態において、ブロック図1001は、直列に接続された複数のトランジスタを備える否定論理積型(NAND型)不揮発性メモリを含んでよい。
【0114】
トランジスタ1011のゲート端子は、イネーブル信号を受信するイネーブル線1017(前述の説明におけるWL)に結合される。トランジスタ1013および1015のゲート端子はそれぞれ、電圧形式で信号1007(Vg1)および1009(Vg0)を送信するワイヤに結合される。様々な実施形態において、信号1007および1009は、記憶ノードまたは制御される信号から発信され得る。当該技術において知られている様々な手段によって、信号1007および1009の電圧値が制御され得る。
【0115】
本明細書で説明される読出し動作方法を用いて、複数のトランジスタの各ゲートに格納された電圧値1007および1009の和が、RBL1019を通して読み出され得る。たとえば、RBL1019が放電するための時間遅延(放電までの時間)を測定すること、イネーブル線1017上で電圧を増分的に昇圧すること、または、ある所定の時間におけるRBL1019の電圧レベルを決定することが、本明細書に開示される実施形態に係るいくつかの読出し動作方法である。複数のトランジスタのゲート端子の各々に格納された電圧値の和は、(ゲート端子に格納された電圧値の)乗算または加算を実行するために用いられ得る。
【0116】
様々な実施形態において、複数のトランジスタのうちのトランジスタ(たとえば1013または1015)のそれぞれのゲート端子において受信された信号は、少なくともそのトランジスタの閾値電圧よりも大きいように設定され得る。したがって、読出し動作中、複数のトランジスタにおける全てのトランジスタからの値が読み出され、全てのトランジスタが、読出し動作中の何らかの時点で「オン」になる。他の場合、トランジスタのそれぞれのゲート端子において受信された信号は、閾値電圧よりも下であってよい。
【0117】
図10の説明を続けると、ブロック図1003は、たとえばメモリなどの回路の一部を示し、ここで、回路は、行および列に配置された複数のトランジスタを備える。本明細書で説明される読出し動作方法を用いて、メモリ内の行および列を用いてデカルト積演算が実行され得る。
【0118】
図1003において、複数のトランジスタ1021、1023、および1025は、直列に接続される。イネーブル線1027は、トランジスタ1021のゲート端子に結合される。また、列ワード線(CWL)1035は、トランジスタ1023のゲート端子に結合される。トランジスタ1023は、他のトランジスタと並列に結合され、列と称され得る。CWL1035は、(たとえばトランジスタ1023と、互いにかつトランジスタ1023と並列に接続された他のトランジスタとを備える)特定の列が読み出され得るように構成され得る。したがって、行および列は、デカルト積演算を実行するために選び取られる。
【0119】
本明細書で説明される読出し動作方法を用いて、電圧値の和が読み出されてよく、ここで、各電圧値は、直列に接続されたトランジスタの行のそれぞれのゲート端子に存在する。また、電圧値の和が読み出されてよく、ここで、各電圧値は、並列に接続されたトランジスタの列のそれぞれのゲート端子に存在する。電圧値は、それぞれの数値を表してよく、または電圧値は、対数値を表してよい。
【0120】
一般に、自然対数を含む対数は、乗算を加算にマッピングする。対数関数は、乗算されている正の実数から、関数として表された、加算されている実数の群への群同形である。すなわち、
log(a)+log(b)=log(ab) (4B)
である。したがって、電圧値が対数値を表す例において、これらの対数値の和は、数値の積に間接的にマッピングされ得る。すなわち、対数値を表す電圧値が合計されると、RBLが所定の値に到達するまでの時間遅延法、または所定の時間におけるRBLの電圧値のいずれかを用いて、論理値の代わりに数値が推測され得る。したがって、逆対数ステップのために必要な追加の回路が省略され得る。所与のn個の数値のセットに関して、加算演算の結果生じる有限数の固有の和、または乗算演算の結果生じる有限数の固有の積が存在する。
【0121】
ブロック図1003から出力された和は、その後、例えばブロック図1001などの回路によって合計され、ここで、ブロック図1003から読み出された各和は、電圧信号(たとえば信号1007および1009)として、直列に接続されたトランジスタのそれぞれのゲート端子へ送信される。したがって、本明細書で説明される読出し技術を用いて、図1001で説明するように、最終的な和が決定され得る。このように図1001とともに図1003を用いることにより、行列計算、線形代数演算などを実行するための能力が可能になり得る。
【0122】
様々な実施形態において、図1001および1003は、信号混合目的で用いられ得る。たとえば、図1001および1003は、加法混合目的で用いられ得る。信号混合は、様々な通信目的に用いられ得る。また、ブロック図1003は、2つの信号の位相差を検出するために用いられ得る。
【0123】
ここで、図11を参照すると、NOR型不揮発性フラッシュメモリを備える実施形態が、ブロック図1101に示される。ブロック図1101において、浮遊ゲート1111と、線1117に接続されたゲート端子と、BL1113に接続されたソースまたはドレーン端子とを備える単一のフラッシュメモリセルが示される。
【0124】
本明細書で説明される読出し動作概念を用いて、単一の読出し動作が、浮遊ゲート1111にプログラムされた電圧の値を決定してよい。グラフ1103に記録された一例において、4つの電圧値「V」、「V」、「V」、および「V」は、フラッシュメモリセルに格納され得る(ブロック図1101)。電圧値「V」、「V」、「V」、および「V」は、グラフ1103に2進形式で表された様々な論理値に対応し得る。
【0125】
どの電圧値がフラッシュメモリセルに格納されているかを決定するために、単一の「Vread」電圧値が、電圧値「V」と電圧値「V」との間の値に設定され得る。上述した概念を用いて、4つのうちどの電圧値がフラッシュメモリセル内に格納されているかを決定するために、BL1113が放電するための時間遅延が用いられてよく、あるいは、所定の時間におけるBL1113の電圧値の測定値が用いられ得る。
【0126】
従来技術におけるフラッシュメモリ読出し動作との違い
この方法は、いくつかの様々な点で、従来技術におけるフラッシュメモリの読出し動作と相違する。従来技術において行われる読出し動作の場合、フラッシュメモリセルに格納された電圧値を読み出すために、3つの異なる「Vread」レベルが実装され得る。また、特定の「Vread」レベルにおける読出し動作に関して、収集されたデータは、BL1113が放電したかに対応する。
【0127】
本明細書で説明される実施形態は、3つの特定の「Vread」値を用いる3つの独立した読出し試行の行程で、BL1113が放電したかを単純に探るものではない。代わりに、フラッシュメモリセルに格納された値を決定するために、単一の「Vread」値が用いられ得る。また、ビット線が放電したかを単純に査定するのではなく、ビット線が放電するための遅延時間が査定され得る。他の実施形態において、ビット線が放電したかを単純に査定するのではなく、ビット線の電圧値が査定される。
【0128】
さらに、本明細書で説明される実施形態は、従来技術におけるフラッシュメモリの場合のように個別値ではなく、実効値を読み出し得る。また、本明細書で説明される実施形態は、従来技術におけるフラッシュメモリの場合のようにワード線に一連の電圧を印加することによって連続的な読出しを実行するものではない。代わりに、本明細書で説明される実施形態において、メモリセルに格納されたVdataを読み出すために、1つの電圧値がワード線に印加される。
【0129】
図11の説明に戻ると、グラフ1105は、上述したような放電まで遅延時間技術を用いて、BL1113の可能な電圧レベルを示す。浮遊ゲート1111に格納された電圧に依存して、BL1113は、様々な速度で放電することを思い出す。したがって、BL1113が放電するための時間遅延は、格納された可能な論理値の1つに対応し得る。
【0130】
グラフ1105に記録された例において、ストロービングクロックは、Vrefに到達するまでに要する期間を決定することによって、ビット線が、たとえばVrefなどの指定の電圧レベルに到達するまでにどれほどの長さを要するかを決定してよい。遅延D、D、およびDは、それぞれの電圧レベル「V」、「V」、および「V」に対応し得る。比較器が、BL1113が時間遅延「D」以内にVrefに到達したことを検出した場合、周囲の回路は、フラッシュメモリセルに「V」電圧値が格納されていることを決定してよい。BL1113が所定の時間遅延の1つ以内に放電しなかった場合、フラッシュメモリセルに電圧値「V」が格納されているという結論が導かれ得る。
【0131】
グラフ1107は、所定の時間窓の間に測定されたBL1113の電圧値を用いて取られた可能な測定値を示す。浮遊ゲート1111に格納された電圧値に基づいて放電速度が変化するので、BL1113の電圧レベルは、所与の時間において様々である。グラフ1107に記録された例において、BL1113の電圧レベルは、時間tにおいて測定される。
【0132】
ここで、図12を参照すると、フラッシュメモリセルのブロックを読み出す方法が、本明細書で説明される読出し動作を用いて説明される。回路図1201において、複数のフラッシュメモリセル1219、1217、1215、1213、および1211は直列に接続され、フラッシュメモリセルのブロック1237を成す。ブロック1237は、「N」個のワード線を備えてよく、ここでNは、ブロック1237内のフラッシュメモリの数を表す。ブロック1237の一方の端は、トランジスタ1219に直列に接続され、ブロック1237の他方の端は、トランジスタ1211に直列に接続される。
【0133】
更に、トランジスタ1219のゲート端子は、ビット線選択BLS線1223に接続され、トランジスタ1211のゲート端子は、ソース線選択SLS線1225に接続される。トランジスタ1219のソースまたはドレーン端子は、ビット線(BL)1221に接続され、残りのソースまたはドレーン端子(BL1221に接続されていない端子)は、ブロック1237に接続される。トランジスタ1211のソースまたはドレーン端子は、ソース線SL線1227に接続され、残りのソースまたはドレーン端子(SL1227に接続されていない端子)は、ブロック1237に接続される。
【0134】
単一のフラッシュメモリセル内のデータが読み出されるシナリオにおいて、読み出されるメモリセル以外の複数のフラッシュメモリセルは、Vpass状態に維持される。Vpass状態に置かれたフラッシュメモリセルは、「Vpass」に設定されたゲート電圧量を有し、これにより、フラッシュメモリセルをオン状態に保つことが確実にされる。したがって、複数のトランジスタの総数が「N」である場合、「N-1」の数のフラッシュメモリセルがVpass状態に維持され、読出し中のメモリセルにおける関心値は、ブロック1237内の複数のメモリセルをステップ実行され得る。Vdataとして格納され得る論理データは、グラフ1203に示される。
【0135】
本明細書で説明される読出し動作を用いて、検出されたビット線(BL)1221の放電速度または放電までの時間に基づいて、ブロック1237に格納されたゲート電圧の和が決定され得る。1つの実施形態において、全てのフラッシュメモリセルが、「Vpass」状態に置かれ得る。本明細書で説明される読出し動作を用いて、ブロック1237の抵抗の総和が決定され得る。
【0136】
一例において、ブロック1237に関する読出し電流(I)は、
I=VBL/(nON) (5)
と定義されてよく、ここで、VBLは、ビット線の電圧であり、nは、ゲート端子電圧がVpassである直列のトランジスタの数を表し、RONは、電流導通時のフラッシュメモリセルの抵抗を表す。オーミック領域(すなわち、(VGS-VTH)>VDSである線形領域)において動作するブロック1237内のフラッシュメモリセルに関して、ドレーン電流IDSは、
DS=K[(VGS-VTHDS-(VDS /2)] (6)
として定義されてよく、ここで、Kは、移動度因数を表し、VGSは、ゲート端子とソース端子との間の電圧を表し、VTHは、フラッシュメモリを「オン」にする閾値電圧量を表し、VDSは、ドレーン端子とソース端子との間の電圧を表す。いくつかの実施形態において、VDSが小さい場合、IDSは、
DS=K[(VGS-VTHDS] (7)
と定義され得る。フラッシュメモリセルにおける抵抗(RON)は、
ON=VDS/IDS=1[K(VGS-VTH)] (8)
と定義され得る。
【0137】
2つの読出し動作技術およびビット線電圧レベル例がグラフ1205および1207に示される。グラフ1205において、BL1221に関する放電まで遅延時間技術が記録され、BL1221に要する期間が遅延時間として測定され、測定された遅延時間に基づいて、ブロック1237内のフラッシュメモリセルに格納された電圧値が決定され得る。グラフ1207において、BL1221の放電速度が測定されてよく、ここで、所定の時間tにおけるBL1221の電圧値が測定される。
【0138】
ここで、図13を参照すると、1T DRAMセルに関する他の読出し動作技術が説明される。ブロック図1302において、上述した1T DRAMセル201が再現される。BL215は、トランジスタ209のソースまたはドレーン端子に接続されることを思い出す。さらに、BL215は、(メモリセル容量および公称ビット線容量のプロセス変動を補償するために)可変コンデンサ1313に接続され得る。BL1215は、可変コンデンサ1313の容量が変化し得る「高電圧」に設定され得る。時間tにおいて、ワード線(WL)213がオンにされ得る。
【0139】
data1345の値に基づいて、BL215に電荷共有が発生する。電荷共有が定まる値に依存して、Vdata1345の電圧値の決定がなされ得る。すなわち、BL215は、特定の電圧レベルまで放電し、時間スパンの後、その電圧レベルで安定し得る。BL215の電圧が安定するレベルに基づいて、Vdata1345の電圧値の決定がなされ得る。
【0140】
グラフ1311は、Vdata1345として格納されたそれぞれの電圧値によって表され得る様々な論理値を示す。グラフ1309は、電荷共有による期間後にBL215が安定し得る様々なレベルを示す。したがって、WL213がハイになる時間tに後続して、所定の時間tにおいて、Vdata1345の電圧値を決定するためにBL215の電圧レベルが測定され得る。
【0141】
ここで、図14を参照すると、様々なVdata電圧値を比較する機能を有する回路のブロック図が示される。ブロック図1401は、2T DRAM構成で接続された2つのトランジスタのブロック1490および1492をそれぞれ示す。ブロック1490において、トランジスタ1441のゲート端子は、書込みワード線(WWL)1417に接続され、トランジスタ1441のソース端子は、書込みビット線(WBL)1407に接続される。上述したように、本明細書で説明されるトランジスタのソースおよびドレーンは、入替え可能である。したがって、いくつかの実施形態において、ソース端子はドレーン端子であってよく、逆も然りである。
【0142】
トランジスタ1441のドレーン端子は、トランジスタ1443のゲート端子に接続され、ここで、トランジスタ1443のソース端子は、データワード線(DWL)に接続される。トランジスタ1443のドレーン端子は、トランジスタ1433のソース端子に接続され、トランジスタ1433のソース端子は、読出しビット線(RBL)1409に接続される。第1のデータであるVdataは、2T DRAMセル(ブロック1490)に格納され得る。
【0143】
トランジスタ1433のソース端子は、トランジスタ1423のソース端子にも接続され、ここで、トランジスタ1423は、ブロック1492と表記された2T DRAMセル内の2つのトランジスタの1つを備える。トランジスタ1423のドレーン端子は、DWL線に接続され、トランジスタ1423のゲート端子は、トランジスタ1421のドレーン端子に接続される。トランジスタ1421のソース端子は、書込みビット線(WBL)1407に接続される。トランジスタ1421のゲート端子は、書込みワード線(WWL)1411に接続される。第2のデータであるVdataは、2T DRAMセル(ブロック1492)に格納され得る。
【0144】
2つのブロック1490と1492との間でどちらのデータが大きいかを比較するために、最初にRBL1409は、たとえばVDDなどの「高」値まで充電され得る。DWLは、約0の電圧レベルであってよく、DWLは、「ハイ」付近の電圧レベルであってよい。VdataおよびVdataの値に依存して、RBL1409は、異なるように放電し得る。
【0145】
ブロック図1451は、ブロック図1401と同様であるが、2T DRAMセルを備えるそれぞれのブロックであるブロック1496および1498は、別々の書込みビット線(WBLおよびWBL)に接続される。一方、ブロック図1451において、2つのブロック1490および1492は、単一の書込みビット線1407を共有する。
【0146】
ここで、図15を参照すると、測定された遅延時間を格納された電圧値に関連付けるために用いられ得る回路の例が説明される。上述した読出し動作の1つは、測定された遅延時間を電圧値に関連付ける、放電まで時間法を含む。読出しワード線(RWL)、読取ビット線(RBL)の電圧値、および所定の時間に測定された遅延時間を記録するグラフ905が、図9から再現される。また、グラフ905に重ね合わせられたストローブクロック1510が示される。
【0147】
ブロック図1501は、遅延時間を電圧値に関連付け得る何らかの回路をブロック図形式で示す。ブロック図1501において、遅延線1505は、RBL1503に接続される。遅延線1505は次に、キャプチャフリップフロップ1507に接続される。ストローブクロック信号1510は、キャプチャフリップフロップ1507に入力される。出力キャプチャフリップフロップ1507は、いくつかのビット(たとえばS、S、S、・・・、Sk-1、S)を有してよい。いくつかの実施形態において、遅延線1505は、各々が、出力キャプチャフリップフロップ1507内の個々のフリップフロップの入力に結合されたそれぞれの出力を有する、非逆転バッファの連鎖を含んでよい。
【0148】
様々な遅延時間D、D、D、・・・、Dは、遅延線1505を通って伝搬する。最も小さい遅延Dは、遅延線1505を通って最も長い時間伝搬する。最も大きい遅延Dは、遅延線を通って最も短い時間伝搬する。RBL1503が切り換わらない条件として、遅延線1505における値の変化は存在しない。遅延線1505を通る遅延時間の伝搬長さは、3T DRAMセルに格納された論理値に関連付けられ得る。
【0149】
たとえば、ビット線が、第1の所定の時間窓内に閾値電圧値931を下回るかを決定するために、Dが設定され得る。第1の所定の時間窓内にビット線が閾値電圧値を下回る場合、Dは、遅延線1505を通して「1」を伝搬し始める。
【0150】
ビット線が、第1の所定の時間窓内に閾値電圧値を下回らない場合、Dは、「1」を伝搬しない。このシナリオを更に用いて、Dは、ビット線が、第2の所定の時間窓内に閾値電圧値を下回るかを決定するために設定されてよく、ここで、第2の所定の時間窓は、第1の所定の時間窓より後の時間に発生する。第2の所定の閾値時間窓内にビット線が閾値電圧値を下回る場合、Dは、遅延線1505を通して「1」を伝搬し始める。したがって、Dは、Dが伝搬し始める場合よりも少ない時間、「1」を伝搬することになる。すなわち、遅延線1505は、それぞれの遅延時間に関する以下の値を反映してよい。
:1111111111111111000 (9)
:1111111111111100000 (10)
・・・
:1100000000000000000 (11)
【0151】
ストローブクロック1510は、全ての遅延時間が過ぎた後、時間tにおいて発火するように設定され得る。ストローブクロックは、「1」が遅延線を通して伝搬した長さを反映するデータを記録してよく、これは、Vdataの電圧値に関連付けられ、次に論理値に関連付けられ得る。
【0152】
ここで、図16を参照して、読出し動作を実行するための少なくともいくつかの実施形態に係る方法例が説明される。この方法は、ビット線の放電までの時間を測定する。様々な実施形態において、図16に示すブロックのいくつかは、同時に実行されてよく、示された順序以外の順序で実行されてよく、あるいは省略され得る。所望に応じて、追加の方法要素が実行され得る。
【0153】
最初、1または複数のクロックは、1または複数の所定の時間窓において、3T DRAMセルの出力をストローブするように設定され得る(ブロック1601)。次に、1または複数の所定の時間窓の1つの間に、3T DRAMセルの出力における電圧レベルが取得され得る(ブロック1603)。取得された電圧レベルが所定の閾値を下回るかに関する査定がなされ得る(決定ブロック1605)。
【0154】
取得された電圧レベルが所定の閾値を下回る場合、電圧レベルが所定の閾値より下まで降下した時の所定の時間窓に基づいて、論理値が決定され得る(ブロック1609)。取得された電圧レベルが所定の閾値を下回らない場合、読出し動作の開始から閾値量の時間が経過したかに関する第2の査定がなされ得る(決定ブロック1607)。
【0155】
閾値量の時間が経過したという決定がなされた場合、3T DRAMセルに格納された電圧値は0であるという結論が導かれる(ブロック1611)。3T DRAMセルに低い電圧値が格納されている場合、高い電圧値が格納されている場合よりも、セルのビット線は緩慢に放電し得ることを思い出す。閾値量の時間が経過していないという決定がなされた場合、方法は、1または複数の所定の時間窓の1つにおいて電圧レベルが測定されるブロック1603へ戻る。
【0156】
ここで、図17を参照して、読出し動作を実行するための少なくともいくつかの実施形態に係る方法例が説明される。この方法は、ビット線が放電を開始する前にワード線の電圧レベルが変更された回数を追跡し得る。様々な実施形態において、図17に示すブロックのいくつかは、同時に実行されてよく、示された順序以外の順序で実行されてよく、あるいは省略され得る。所望に応じて、追加の方法要素が実行され得る。
【0157】
最初、2Tまたは1T DRAMセルの電圧レベルが所定の量だけ変更され得る(ブロック1701)。次に、ワード線の電圧レベルが変更された回数を追跡するために、カウンタまたは他の何らかのメカニズムが用いられ得る(ブロック1703)。
【0158】
電圧レベルが変更された回数が事前設定の数より大きいかの査定がなされる(決定ブロック1705)。電圧レベルが変更された回数が事前設定の数より大きい場合、セルに格納された電圧値は0であるという結論が導かれる(ブロック1713)。
【0159】
電圧レベルが変更された回数が事前設定の数より少ない場合、2Tまたは3T DRAMセルの電圧レベルが取得される(ブロック1707)。次に、取得された電圧レベルが所定の閾値を下回るかに関する決定がなされる(決定ブロック1709)。
【0160】
取得された電圧レベルが所定の閾値を下回らない場合、方法は、ワード線の電圧レベルが所定の量だけ変更されるブロック1701へ戻る。取得された電圧レベルが所定の閾値を下回る場合、2Tまたは1T DRAMセルに格納された論理値の決定がなされる(ブロック1711)。上述したように、電圧レベルが変更された回数は、Vdataとして格納された電圧値に関連付けられ、次に、Vdataが論理値に関連付けられる。
【0161】
ここで、図18を参照して、メモリセルの行の読出し動作を実行するための少なくともいくつかの実施形態に係る方法例が説明される。この方法は、メモリセルの行内の全ての値が決定されたという決定がなされると、読出し動作を停止する。様々な実施形態において、図16に示すブロックのいくつかは、同時に実行されてよく、示された順序以外の順序で実行されてよく、あるいは省略され得る。所望に応じて、追加の方法要素が実行され得る。
【0162】
最初、行を備える複数のDRAMセルに接続されたワード線の電圧レベルが変更される(ブロック1801)。次に、格納された論理値が決定された行内のDRAMセルの数が追跡される(ブロック1803)。次に、行内の全てのDRAMセルに関してDRAMセルに格納された論理値が決定されたかに関する査定がなされる(決定ブロック1805)。
【0163】
DRAMセルの行においていくつかの論理値がまだ決定されていない場合、方法は、ワード線の電圧レベルが所定の量だけ変更されるブロック1801へ戻る。DRAMセルの行において全ての論理値が決定された場合、方法は停止する(ブロック1807)。
【0164】
図18において説明される方法は、本明細書で説明される読出し動作方法に係る、メモリセルの行を読み出すための節電方法を実現する。たとえば、8つのメモリセルが単一のワード線に接続され得る。メモリセルは、8つの論理値のうちの1つを格納するようにプログラムされ得る。
【0165】
メモリセルの各々に格納された論理値を決定するために、読出しワード線電圧は、図5において説明される読出し動作に従って徐々に降圧され得る。読出し動作は、8つのメモリセルを同時に読み出してよい。この例において、図5において説明する例と同様に、論理値が電圧値「V」~「V」に割り当てられる。
【0166】
それぞれのメモリセルに格納された電圧値が「V」より大きい場合、この節電方法は、電力を節減し得る。たとえば、メモリセルの行に格納された電圧値のうち「V」を下回ったものがない場合、読出し動作は最初に、ワード線の電圧値を1インクリメント分降圧させる。行内の任意のメモリセルが電圧値「V」を含む場合、これらの値は、それぞれの出力ビット線において検出される。次に、ワード線の電圧レベルが、別のインクリメント分降圧される。行内の任意のメモリセルが電圧値「V」を含む場合、これらの値は、それぞれの出力ビット線において検出される。ワード線電圧の降圧は、8つのメモリセル全ての電圧値が決定されるまで継続する。
【0167】
カウンタは、8つのメモリセルのうち、格納された電圧値の決定がなされたセルの数を追跡してよい。行内に格納された最も低い電圧値が「V」であるこの例において、ワード線の電圧値を降圧させる方法は、「V」値が読み出されると終了してよい。格納された値が決定されたメモリセルの数を追跡するカウンタは、8つの値全てが決定されたことを反映する。したがって、方法は、「V」を読み出すレベルを超えるワード線の電圧レベルを継続して降圧させる必要はない。したがって、ワード線の電圧変更を7回行うのではなく、この例において、ワード線の電圧レベルを4回変更した後、行全体が読み出され得る。この例は、読出し動作中の電力が節減され得ることを示す。
【0168】
ここで、図19を参照して、メモリセルの行の読出し動作を実行するための少なくともいくつかの実施形態に係る方法例が説明される。この方法は、メモリセルの行内の全ての値が決定されたという決定がなされると、読出し動作を停止する。様々な実施形態において、図19に示すブロックのいくつかは、同時に実行されてよく、示された順序以外の順序で実行されてよく、あるいは省略され得る。所望に応じて、追加の方法要素が実行され得る。
【0169】
最初、行を備える複数のDRAMセルのそれぞれの出力において、電圧レベルが測定される(ブロック1901)。次に、格納された論理値が決定された行内のDRAMセルの数が追跡される(ブロック1903)。次に、行内の全てのDRAMセルに関してDRMAセルに格納された論理値が決定されたかに関する査定がなされる(決定ブロック1905)。
【0170】
DRAMセルの行においていくつかの論理値がまだ決定されていない場合、方法は、DRAMセルの行のそれぞれのビット線における電圧レベルが測定されるブロック1901へ戻る。様々な実施形態において、この方法で用いられ得る読出し動作は、ビット線の放電までの遅延時間を測定することを含む。DRAMセルの行において全ての論理値が決定された場合、方法は停止する(ブロック1907)。
【0171】
図18において説明される方法と同様、図19において説明される方法は、本明細書で説明される読出し動作方法に従ってメモリセルの行を読み出すための節電方法を実現する。
【0172】
ここで、図20を参照すると、ブロック図2001および2003は、1または複数のアレイ2005に配置された、たとえばビットセル2007などのビットセルの縦横動作を可能にする構成を示す。ブロック図2003は、直交読出し書込み動作を実装し得る。ブロック図2003は、1または複数の行が書込みワード線WWL、WWL、・・・、およびWWLとして示され、1または複数の列が読出しワード線RWL、RWL、・・・、RWLとして示された2次元アレイを備えてよい。行と列との指定は、書込みワード線と読出しワード線との間で入替え可能である。読出しおよび書込みワード線は、互いに対し直交し、同様に、対応する読出しおよび書込みビット線もまた、互いに対し直交する。
【0173】
アレイ2003を用いる直交読出し書込み動作は、3T DRAMメモリセルを備え得るビットセル2007によってイネーブルされる。ブロック図2001に示すように、3T DRAMメモリセルは、3つのトランジスタ2037、2039、および2041を備える。2つのトランジスタ2039および2041は直列に接続され、トランジスタ2037のドレーン端子は、トランジスタ2039のゲート端子に接続される。Vdata2035は、トランジスタ2037のドレーン端子がトランジスタ2039のゲート端子に接続されるノードに格納される。トランジスタ2037のソース端子は、書込みビット線2043に接続され、書込みワード線2045は、トランジスタ2037のゲート端子に接続される。読出しワード線2047は、トランジスタ2041のゲート端子に接続され、トランジスタ2041のドレーン端子は、読出しビット線2049に接続される。ブロック図2001は、読出しおよび書込みワード線が互いに直交する点を除き、ビットセル205(図2)と同様である。
【0174】
ブロック図2003は、mおよびnが同じであっても異なってもよい寸法(m,n)の行列を格納し得る。更に、ブロック図2003によって実行される書込みおよび読出し動作は、行列転置演算を実行してよい。たとえば、書込みワード線は、行列の行方向に対応し、書込み動作中、データは行方向に行列に書き込まれる。また読出し動作中、行列からのデータは列方向に読み出され、これが行列の転置演算である。
【0175】
ここで、図21を参照すると、ブロック図2101および2103は、直交読出しを伴う4T DRAMとともに用いられ得る構成を示す。ブロック図2101は、4T DRAMを備え、書込み動作と同じ方向への読出し動作を可能にする追加のトランジスタ2117を有する。ブロック図2103は、4T DRAMを備え、3T DRAM(図20)と比較して追加のトランジスタ2137を有する。ブロック図2003において説明されるビットセルアレイと比べて、2101のビットセルアレイは、読出しワード線の追加のセットおよび対応する読出しビット線を有する。同様に、ビットセルアレイ2103は、ブロック図2003において説明されるビットセルアレイと比べて、対応する書込みワード線と共通ビット線を共有する読出しワード線の追加のセットを有する。ブロック図2101および2103におけるビットセルアレイは、書込みおよび読出し動作中、通常の行列読出し動作に加えて、ブロック図2003のビットセルアレイと同様の行列転置演算を実行する。
【0176】
ここで、図22を参照すると、ブロック図2201および2203は、直交読出しおよび書込みを伴う5T DRAMとともに用いられ得る構成を示す。2101および2103に示す4T DRAMと比べて、2201および2203に示す5T DRAMは、それぞれ追加のトランジスタペア2211、2215および2261、2265を有する。対応する読出しおよび書込みワード線を有するこの追加のトランジスタペアは、ビットセルのアレイにおける行方向および列方向の両方における読出しおよび書込み動作を可能にする。ブロック図2003において説明されるビットセルアレイと比べて、ブロック図2201におけるビットセルアレイは、対応する読出しおよび書込みビット線を有する読出しおよび書込みワード線の追加のセットを有する。同様に、ブロック図2203におけるビットセルアレイは、ブロック図2003において説明されるビットセルアレイと比べて、読出しおよび書込みワード線の追加のセットを有する。互いに直交する読出しおよび書込みワード線の両セットは、対応する共通ビット線のセットを共有する。また、共通ビット線のセットは、互いに直交する。ブロック図2201および2203におけるビットセルアレイは、書込みおよび読出し動作中、ブロック図2003におけるビットセルアレイと同様に行列演算を実行し、加えて、行列の列に対するデータの読出しおよび書込みのために列方向読出しおよび書込み動作を実行する。5T DRAMは、図21に示す4T DRAMと比べて、行方向および列方向の両方に書込み動作を実行するために追加の書込みポートを有する。
【0177】
たとえば図9図10図12などの実施形態といった本明細書で説明されるいくつかの実施形態とともに図4において説明される3T DRAMは、図20図21、および図22に示すDRAMに適用可能である。
【0178】
ここで、図23を参照すると、ブロック図2301は、5T DRAMと同様に直交読出しおよび書込みを伴う2T DRAMとともに用いられ得る構成を示す。ブロック図2303は、1または複数のアレイ2305に配置された、たとえばビットセル2307などのビットセルの縦横動作を可能にする構成を示す。ブロック図2303は、1または複数の行がワード線WL、WL、・・・、WLとして示され、1または複数の列がOWL、OWL、・・・、OWLとして示される2次元アレイを備えてよい。行と列との指定は、ワード線と直交ワード線との間で入替え可能である。ワード線および直交ワード線は、互いに対し直交し、同様に、対応するビット線および直交ビット線もまた、互いに対し直交する。
【0179】
ブロック図2303におけるビットセルアレイは、書込みおよび読出し動作中、ブロック図2201および2203におけるビットセルアレイと同様に行列演算を実行する。本明細書で説明されるいくつかの実施形態とともに図7および図13において説明される1T DRAMは、図23に示す2T DRAMに適用可能である。
【0180】
ここで、図24を参照すると、2つの信号を比較するために用いられ得る回路のブロック図2401が示される。ブロック図2401は、直列に接続された3つのトランジスタ2405、2407、および2409を備える。トランジスタ2405のゲート端子は、イネーブル線(EN)2421に接続され、トランジスタ2407のゲート端子は、入力線(IN)2415に接続され、トランジスタ2409のゲート端子は、基準線(REF)2413に接続される。トランジスタ2405の導電電極(たとえばソースまたはドレーン)は、読出しビット線(RBL)2411に接続される。
【0181】
図9において説明される放電まで時間法は、2つの信号2417と2419との位相重複を測定するために適用され得る。2つの信号2417および2419は、トランジスタ2407および2409をオンにするために位置合わせされ得る。更に、イネーブル線2421上の信号もまた、信号2417および2419がトランジスタ2407および2409に印加されるのと同時に、トランジスタ2405をオンにし得る。信号2415および2413は、RBL2411を放電させるために十分な期間、トランジスタ2407および2409に印加され得る。信号2417および2419の位相が一致しているか否かは、RBL2411の放電までの時間に基づいて決定され得る。たとえば、信号2417および2419の位相が一致している場合、RBL2411の放電までの時間は、信号2417および2419の位相が異なる場合よりも短い。したがって、放電まで時間法は、少なくとも2つの信号の位相整合を査定するために用いられ得る。
【0182】
他の例において、たとえばブロック図2401などの複数のブロック図は、並列または直列に接続され得る。複数のブロック図2401を用いて、複数の基準信号(すなわち2417)は、入力信号の位相を査定するために用いられ得る。複数の基準信号は、位相および/または周波数の両方が異なってよい。ブロック図2451は、入力信号INの位相を査定するために用いられる複数の基準信号REF、REF、REF、・・・、REFとともに共通イネーブル信号EN(2461)および入力信号IN(2459)を有する複数のブロック図2401を備える例を示す。本明細書で説明するような放電まで時間法を適用することによって、入力信号の位相が決定されてよく、これはブロック2455において実行される。
【0183】
ここで、図25を参照すると、ブロック図は、本明細書で説明される実施形態を利用し得る回路構成の他の例を示す。図2501は、それぞれのゲートに結合されたそれぞれの電圧Vgs1おおよびVgs0を有する、並列に接続された2つのトランジスタ2509および2507を備える。また、トランジスタ2505の導電電極(たとえばソースまたはドレーン)は、トランジスタ2509および2507のそれぞれの導電電極に接続される。トランジスタ2505のゲート端子は、読出しワード線(RWL)2513に接続され、導電電極(たとえば、並列のトランジスタに接続されていないソースまたはドレーン)は、読出しビット線(RBL)2511に接続される。
【0184】
図2503は、図2501と同等の回路図である。ただし、トランジスタ2509および2507は、並列に接続された可変レジスタ2539および2537として表される。ここで、RBL2531の放電までの合計時間は、回路抵抗と回路容量との積に等しい。
【数1】
ここで、RおよびRは、可変抵抗を表し、CBLは、RBL2531の容量を表す。様々な値のRおよびRに関して、RC時間定数値は変動し、放電に関する時間遅延を変化させる。上の式12において、トランジスタ2535の抵抗値は、トランジスタ2535の抵抗が無視できるものである抵抗R0およびR1よりも大幅に小さいものとみなされる。したがって、トランジスタ2535の抵抗は、EC時間定数計算に含まれない。トランジスタ2535の抵抗が無視できないほど大きい実施形態において、抵抗値もまた、RC時間定数計算におけるオフセットとして含まれ得る。
【0185】
ここで、図26を参照すると、ブロック図2601は、フォトダイオードセンサを含むセルのメモリセルアレイとともに用いられ得る構成を示す。各メモリセル2602は、内部Vphotoノード2606と接地との間に結合されたフォトダイオードセンサ2604を含む。リセット信号RSTがアクティブである場合、このVphotoノード2606は、トランジスタ2608によって、トランジスタ2608のドレーン端子に結合されたリセット電圧VRSTへ駆動される。リセット信号RSTが非アクティブである場合、入射光に応答して、フォトダイオードセンサ2604を通って生成された電流は、入射光時間累積時間の大きさの関数であるVphotoノード2606における減少電圧をもたらす。メモリセル2602に問い合わせるために、行選択信号ROWSELは、COLとも表記される縦列2614にメモリセル2602を結合するためにアクティブ化され、これは、バイアス電流(Ibias)2616によって接地にロードされる。トランジスタ2610のドレーン端子はVDDに結合され、トランジスタ2610のゲート端子(すなわち、Vphotoノード2606)は通常、ドレーン端子よりも電圧が低いので、トランジスタ2610は、ソースフォロワとして機能する。選択トランジスタ2612は、スイッチとみなされ得るので、縦列2614にもたらされる電圧は、Vphotoノード2606電圧より低くおおよそ閾値電圧である値に駆動される。すなわち、トランジスタ2610、2612を備える回路および電流源2616は、選択されたメモリセル2602におけるVphotoノード2606の電圧からオフセットした(すなわち対応する)電圧を列2614に付与するための電圧変換またはレベルシフト回路として機能する。
【0186】
縦列2614の電圧は、本明細書で上述したような放電まで時間技術を用いて決定され得る。この実施形態において、感知ブロック(すなわち放電回路)2620は、放電ノード2630と接地との間に直列に接続された2つのNチャネルトランジスタ2626および2624を備える。トランジスタ2626のゲート端子は、縦列2614に結合され、トランジスタ2624のゲート端子は、ノード2618上で伝達されたイネーブル信号ENに結合される。第3のPチャネルトランジスタ2622は、そのゲート端子に結合されたイネーブル信号ENが非アクティブ(たとえばロー)である場合、放電ノード2630をVDDに結合する。図8に関する説明と同様、イネーブル信号ENがアクティブ(たとえばハイ)である場合、放電ノード2630は、縦列2614の電圧に基づく割合を放電し、上述したように、この電圧も同様にVphotoノード2606の電圧に依存する。
【0187】
たとえば図15または図34に関して本明細書で説明するような放電まで時間回路2632は、メモリセル2602に到来する入射光を反射するデジタル出力を生成するために、放電ノード2630に結合され、ノード2634上で伝達されたストローブクロック信号STROBE CLKによって駆動され得る。いくつかの実施形態において、たとえばセル2602などの所与のセルに関する累積時間は、同じ縦列2614に結合された他のセル全てに問い合わせるために必要な時間の長さによって決定され得る(これらの他のセルは図26に示されない)。
【0188】
フォトダイオードセンサを組み込むメモリセルに関する他の実施形態が考えられる。たとえば、Vphotoノードがトランジスタ239のゲート(すなわちVphotoノード401)に結合される、図4に示すような構成が用いられ得る。
【0189】
ここで、図27を参照すると、ブロック図2701は、たとえば図2に示すメモリセル201などの1T DRAMメモリセルのアレイとともに用いられ得る構成を示す。各々が、ワード線2702、2704のそれぞれ1つと、ビット線2706、2708のそれぞれ1つに結合された、4つのそのようなメモリセル201が示されるが、予期される実施形態において、各々がそれぞれ追加のメモリセル201のペア(不図示)に結合された追加のそのようなワード線(不図示)が存在する。アクティブサイクル間に、プリチャージ信号PCH、PCHBの相補ペアがアサートされる。そのような時間の間、ノード2716上で伝達されたプリチャージ信号PCHがハイであるため、第1のプリチャージトランジスタ2768は、ビット線2706をGNDに結合し、ノード2714上で伝達された相補的プリチャージ信号PCHBがローであるため、第2のプリチャージトランジスタ2766は、ビット線2708をVDDに結合する。相補的プリチャージ信号PCH、PCHBはその後、デアサートされ、それぞれのノード2712、2710上で伝達された平衡化信号EQ、EQBの相補的ペアが次にアサートされ、Pチャネル平衡化トランジスタ2762およびNチャネル平衡化トランジスタ2764によってビット線2706、2708のペアをともに結合し、それによって、ビット線2706、2708の両方に、VDDと接地との間の中間電圧である平衡化電圧(すなわち基準条件)を確立する。この例において、平衡化電圧は、ビット線2706、2708の両方においておおよそVDD/2である。
【0190】
ビット線2706、2708の電圧は、本明細書で説明するような放電まで時間技術を用いて決定され得る。この実施形態において、感知または放電回路2720は、読出しビット線(RBL)ノード2730と接地との間に直列に接続された2つのNチャネルトランジスタ2726および2724を備える。トランジスタ2726のゲート端子は、ビット線2706に結合され、トランジスタ2724のゲート端子は、ノード2718上で伝達されたイネーブル信号ENに結合される。Pチャネルトランジスタ2722は、そのゲート端子に結合されたイネーブル信号ENが非アクティブ(たとえばロー)である場合、読出しビット線ノード2730をVDDに結合する。図8に関する説明と同様、イネーブル信号ENがアクティブ(たとえばハイ)である場合、読出しビット線ノード2730は、ビット線2706の電圧に基づく様々な速度で放電する。たとえば図15または図34に関して上述したような放電まで時間回路2732は、読出しビット線ノード2730に結合され、ノード2734上で伝達されたストローブクロック信号STROBE CLKによって駆動され、BL(すなわちビット線2706)における電圧も反映する、読出しビット線2730の放電速度を反映する(ノード(複数も可)2736上で伝達された)デジタル出力OUTを生成する。
【0191】
第2の感知または放電回路2740は、読出しビット線(RBL)ノード2750と接地との間に直列に接続された2つのNチャネルトランジスタ2746および2744を備える。トランジスタ2746のゲート端子は、ビット線2708に結合され、トランジスタ2744のゲート端子は、ノード2718上で伝達されたイネーブル信号ENに結合される。Pチャネルトランジスタ2742は、そのゲート端子に結合されたイネーブル信号ENが非アクティブ(たとえばロー)である場合、読出しビット線ノード2750をVDDに結合する。イネーブル信号ENがアクティブ(たとえばハイ)である場合、読出しビット線ノード2750は、ビット線2708の電圧に基づく様々な速度で放電する。第2の放電まで時間回路2752は、読出しビット線ノード2750に結合され、ノード2734上で伝達されたストローブクロック信号STROBE CLKによって駆動され、BL(すなわちビット線2708)における電圧も反映する、読出しビット線2750の放電速度を反映する(ノード(複数も可)上で伝達された)デジタル出力信号OUTを生成する。
【0192】
ここで、図28を参照すると、ブロック図2801は、図27に示す構成に対応する波形例を示し、これは、各列に関するそれぞれの基準遅延を決定するために、読出し動作の前に較正が最初に実行され、次に、読出し中の各セルが「0」か「1」かを決定するために、各列に関するそれぞれのメモリセルが査定され、それぞれの基準遅延と比較される、自己参照動作を示す。
【0193】
ブロック図2801において、波形2810は、メモリ読出しサイクルを開始する外部または内部タイミング信号に対応し得るクロック信号CLKを表す。WL波形2812は、たとえばワード線WL(ノード2702)またはワード線WL(ノード2704)などの選択されたワード線に対応する。EN波形2814は、ノード2718上で伝達されたイネーブル信号ENに対応する。BL波形2816は、たとえばビット線BL(ノード2706)またはビット線BL(ノード2708)などのビット線の1つに対応する。RBL波形2818は、たとえば読出しビット線RBL(ノード2730)または読出しビット線RBL(ノード2750)などの読出しビット線の1つに対応する。最後に、STROBE CLK波形2820は、ノード2734上で伝達されたストローブクロック信号に対応する。
【0194】
ブロック図2801に示す波形は、上述したように、ビット線(たとえばBL、BL)が既にVDD/2において平衡化されており、読出しビット線(たとえばRBL、RBL)が既にVDDまでプリチャージされているものと仮定する。波形は、クロック信号CLKのアサートがメモリ読出しサイクルを開始させる時間tから始まる。時間tにおいて、イネーブル信号EN(波形2814)がアサートされ、それぞれの放電回路2720、2740をイネーブルし、それぞれの出力ノード2730、2750に結合された各読出しビット線RBL、RBLの放電を開始させる。説明を容易にするために、ここでは単一のビット線、読出しビット線、および対応する出力が説明されるが、理解すべき点として、そのようなノードおよび関連する回路は全て同様に挙動する。時間tにおいて、読出しビット線RBLは初期電圧の半分(または、後に詳述するように、初期電圧の他の所定のパーセンテージ)まで降下し、時間tにおいて、ノード2734上で伝達されたストローブクロック信号STROBE CLKは、メモリセルの影響を一切受けずに(すなわち選択されたワード線が非アクティブに保たれたまま)平衡化電圧VDD/2であるビット線BLに対応する基準遅延DおよびDを決定するために、放電まで時間回路2732、2752の出力をラッチするようにアサートされる。その後、イネーブル信号ENは、RBL線を再びプリチャージするためにデアサートされる。ここまでの動作は、各ビット線BLに関するそれぞれの基準遅延DおよびDのペアを決定するための較正動作を果たす。
【0195】
その後、時間tにおいて、ビット線BLに対応するメモリセルからの電荷を結合するために、選択されたワード線WLがアサート(たとえばハイに駆動)され、それによって、BLにおける電圧は、メモリセルに格納された電荷およびビット線BLの容量に主に対応する量「ΔV」だけ上昇または降下する。時間tにおいて、イネーブル信号ENは、関連するビット線BLの電圧に対応する速度で読出しビット線RBLを放電させるために、再アサートされる。ビット線BL電圧がVDD/2+ΔVである場合、時間tは、読出しビット線RBLが初期電圧の半分まで降下した時間に対応する。ビット線BL電圧がVDD/2-ΔVである場合、時間tは、読出しビット線RBLが初期電圧の半分まで降下した時間に対応する。時間tは、ビット線電圧がより低いために時間tよりも後に発生するので、読出しビット線を放電させるトランジスタ(たとえばトランジスタ2726)のゲート駆動は、より低い。時間tにおいて、関連する読出しビット線RBLが初期電圧の半分まで降下する時間を決定するために(すなわち、ビット線BL電圧がVDD/2+ΔVである場合の相対的遅延DおよびDを決定するため、またはビット線BL電圧がVDD/2-ΔVである場合の相対的遅延DおよびDを決定するために)、ストローブクロック信号STROBE CLKは、放電まで時間回路2732、2752の出力をラッチするようにアサートされる。測定された遅延(すなわちDまたはD)は、読出し中のメモリセルが「1」であるか「0」であるかを決定するために、基準遅延Dと比較され得る。
【0196】
上記実施形態は、ビット線自体における低スイングシグナリングの結果として(すなわち、ビット線を放電させるまでの時間を測定するのではなく)読出しビット線RBLの電圧がいつ初期電圧の半分まで降下するかを決定するために放電まで時間回路を用いる文脈で説明される。これらの原理は、読出し遅延測定の前に較正遅延測定を実行すること、および格納されたデータ値(複数も可)を決定するために測定された読出し遅延と測定された較正遅延とを比較することを含む、読出しビット線以外の信号ノードを測定するためにより大規模に適用され得る。
【0197】
ここで、図34を参照すると、遷移まで時間回路の実施形態3400がブロック図形式で示される。上述した図15に提示されるように、そのような回路は、遅延時間を電圧値に関連付けることができる。また、実施形態3400は、上述したように、較正遅延を測定し、読出し遅延を測定し、測定された読出し遅延と測定された較正遅延とを比較して格納されたデータを決定するために用いられ得る。この実施形態において、入力信号3402は入力段3404に結合され、その出力3406は、遅延線3408の入力に結合される。遅延線3408は、各々が遅延線3408の各段にそれぞれ対応する並行出力3410を有する。これらの出力3410は、対応するラッチ出力2414を生成するためにSTROBE信号3420によってラッチされるキャプチャラッチ3412の入力に結合される。検出、格納、および比較ブロック3416は、ラッチ出力3414を受け取り、制御信号3422に応答して、出力3418を生成する。
【0198】
いくつかの実施形態において、遅延線3408は、各々が、キャプチャラッチ3412内の個々のフリップフロップ(たとえばラッチ、レジスタ)の出力に結合されたそれぞれの出力を有する、非反転バッファの連鎖を含んでよい。いくつかの実施形態において、遅延線3408は、反転バッファの連鎖を含んでよく、キャプチャラッチ3412は、同じ極性を有する全ての出力を提示するために真の出力および相補出力を交互に有する。
【0199】
入力段3404は、上述した「所定のパーセンテージ」を設定するように構成され、また、より良い出力信号3406を遅延線3408に提供するために入力信号3402を「調整」するようにも構成され得る。たとえば、入力段3404の入力閾値は、所望に応じて、たとえば電力と接地との間の中間点電圧などの所望の値、または中間点よりも高いまたは低い値へのオフセット、または入力信号(たとえば読出しビット線または他の信号ノード)の初期電圧の所定のパーセンテージに設定され得る。これは、入力インバータの適切なサイズ設定によって、または適切な基準電圧を有する比較器を用いて、または他の技術を用いて実現され得る。他の例として、入力段3404は、入力閾値に関わらず、より鋭い(すなわち、より精密な)タイミングエッジを有する出力信号3406を生成することによって、緩慢に変化する入力信号3402を「鋭くする」ことができる。
【0200】
較正測定動作の間、検出、格納、および比較ブロック3416は、ラッチ出力3414(STROBE信号3420によってラッチされた)を受け取り、遅延線を通してどのキャプチャラッチ出力3414が「較正」入力信号の遅延時間を反映するかを決定し(すなわち、どのラッチ出力3414が、遅延線3408を通って伝搬する較正入力信号として1つのデータ値から他のデータ値への変化に対応するかを決定し)、その後、決定された値を保存する。後続する読出し測定動作の間、検出、格納、および比較ブロック3416は、STROBE信号3420によってラッチされたラッチ出力を再び受け取り、遅延線を通してどのキャプチャラッチ出力3414が「読出し」入力信号の遅延時間を反映するかを決定し、その後、その値と保存された値とを比較して、出力信号3418の値を決定する。
【0201】
いくつかの実施形態において、較正機能は利用されない。そのような実施形態において、検出、格納、および比較ブロック3416は、遅延線を通してどのキャプチャラッチ出力3414が「読出し」入力信号の遅延時間を反映するかを決定し、その後、その値を反映する出力信号3418を生成してよい。
【0202】
ここで、図35を参照すると、図27に関して上述したものと異なることのない読出し回路の一般化ブロック図を表す実施形態3500が示される。この実施形態において、第1の回路3502は、第1のノード3506に結合される。ENBALE信号3504によってイネーブルされると、第1の回路3502は、第1の信号を第1のノード3506に結合する。読出し回路3510は、電圧遷移回路3512と、遷移まで時間測定回路3516とを含む。第1のノード3506は、電圧遷移回路3512の入力3508に結合され、それによって、第1のノード3506に結合された第1の信号に応答する、信号ノード3514における電圧遷移が生じる。遷移まで時間測定回路3516は、信号ノード3514における遷移信号の遅延を測定し、それに応じて出力信号3520を生成し得る。
【0203】
いくつかの実施形態において、電圧遷移回路3512は、感知または放電回路(たとえば、図27に示す読出し放電回路2720)とみなされてよく、いくつかの実施形態において、初期化回路(たとえば平衡化およびプリチャージ回路)も含んでよい。いくつかの実施形態において、遷移まで時間測定回路3516は、(たとえば、図15または図34に関して説明したような)放電まで時間回路または充電まで時間回路であってよい。いくつかの実施形態において、第1の回路3502は、たとえば図2に示すような1T DRAMメモリセル201などのメモリセルであってよい。
【0204】
理解され得るように、本明細書で説明される様々な回路および技術は、メモリセルに格納された値のインジケータとして可変遅延を利用する。その結果、時間遅延は、メモリに格納されたデータ値に関する情報を提供する状態変数とみなされてよく、本明細書で説明される回路は、「時間ベースの回路」とみなされ得る。
【0205】
ここで、図29を参照すると、様々な実施形態に係る3トランジスタ(3T)DRAMメモリセル205が説明される。読出しビット線を放電させる電流の大きさは、メモリセル205内に格納された値を識別するために感知され得る。
【0206】
この例において、グラフ403に2命名法で表されたVdataに関する8つの論理値0~7は、3T DRAMセル205内に格納され得る。グラフ403において、電圧値は、x軸に沿って表される。各論理値は、異なる電圧値として格納される。図4に関して上述したように、各論理値を表す電圧値は、正確に0または「V」、「V」などでなくてもよい。代わりに、電圧値は、たとえば0、「V」、「V」である目標電圧値より上または下の何らかの電圧値の範囲内であってよい。したがって、特定の論理値として登録し得る電圧値は、グラフ403における個々の釣鐘曲線として表される。各釣鐘曲線は、それぞれの論理値に対応し得る電圧値の電位分布を記録する。
【0207】
様々な論理値を表すために電圧値が割り当てられる方式は、この例に限定されず、他の割当てスキームが用いられ得る。すなわち、電圧値と対応する論理値との間の割当てスキームは、実施形態を例示する目的で説明されるものであり、用いられ得る割当てスキームの種類を限定することは意図されない。たとえば、論理値「0」は、電圧値「0」として格納され得るが、論理値「7」は、電圧値「V」として格納される。グラフ403は、様々な電圧値が様々な論理値を表すために用いられ得る方法の一例を記録する。したがって、本明細書で説明される任意の割当てスキームは、一例としてみなされ、限定例となるものではない。
【0208】
3T DRAMセル205の読出し動作中、読出しワード線RWL247はハイレベルになり、トランジスタ241をオンにし、記憶トランジスタ239と直列のアクセストランジスタ241を介して読出しビット線RBLを接地に結合する。記憶トランジスタ239を流れる電流の量(iDS)は、そのゲートに格納されたVdata2901の電圧値に依存する。すなわち、記憶トランジスタ239は、そのゲートに格納されたVdata2901の電圧値に対応する大きさを有する電流源2913とみなされ得る。したがって、直列構造2905として図2907に示された2つの直列接続されたトランジスタ241および239は、記憶トランジスタ239の代わりに可変電流源2913を含む、図2909に示された対応する直列構造2911とみなされ得る。この構成において、可変電流源2913を通る電流は、読出しビット線RBLから接地へ流れるので、可変電流源2913は、本明細書において、可変電流シンク2913とも称される。
【0209】
可変電流源2913の大きさは、Vdata2901の電圧値に依存する。様々な値のVGSに関してグラフ305に示す様々なVGS曲線を思い出す。高い電圧値のVGS(たとえば曲線325)は、低い電圧値のVGS(たとえば曲線317)よりも大きい大きさに対応する。これは、Vdata2901の各電圧値(V、V、・・・、V)に対応するそれぞれの大きさの電流(I、I、・・・、I)を示す図2903に表される。そのような電流値の各々は、各電圧値の電位分布の結果として、グラフ2903における個々の釣鐘曲線として表される。
【0210】
次のいくつかの図は、選択されたメモリセル電流の大きさ(すなわち、可変電流源2913の値)を決定するための実施形態を示し、これはその後、メモリセルに格納されたVdataの電圧値を決定するために用いられ、メモリセルに格納された論理値に関連付けられ得る。
【0211】
ここで、図30を参照すると、放電まで時間回路を利用する、選択されたメモリセル電流の大きさを決定するための実施形態3001が示される。この構成において、読出しビット線RBL3019は、上側電源VDDに接続された固定バイアス電流源3011を搭載する。読出しワード線RWL247がアクティブ化(たとえばハイ状態に駆動)されると、選択されたメモリセル内の可変電流シンク2913は、読出しビット線RBL3019に結合され、読出しビット線RBL3019から電流を引き込む。固定バイアス電流源3011は、読出しビット線RBL3019への電流のソースを提供する。固定バイアス電流源3011、可変電流シンク2913、および読出しアクセストランジスタ241の実世界特性の相互作用が結び付き、読出しビット線RBL3019に結果として生じる電圧を決定する。特に、読出しビット線RBL3019の電圧は、主に、固定バイアス電流3011および可変電流シンク2913のうちの大きい方によって決定され、これは、これら2つの電流の大きい方が小さい方の電流を打ち負かし、読出しビット線RBL3019の電圧を、大きさが大きい方の電流デバイスに向かって駆動するためである。
【0212】
読出しビット線3019における電圧エクスカーションを制限するとともに、固定バイアス電流3011と可変電流シンク2913との大きさの差に基づいて読出しビット線3019の電圧をより決定論的に設定するために、任意選択的な電流分割器トランジスタ3020が含まれ得る。すなわち、ダイオード接続型トランジスタ3020は自身の特徴的なI-V曲線の高い方で動作するため、読出しビット線3019の電圧は、読出しビット線3019へ流れ込む正味電流が増加するとともに上昇する。
【0213】
読出しビット線RBL3019の電圧は、本明細書で上述したような放電まで時間技術を用いて決定され得る。この実施形態において、感知回路(すなわち放電回路)2620は、放電ノード3030と接地との間に直列に接続された2つのNチャネルトランジスタ2626および2624を備える。トランジスタ2626のゲート端子は、読出しビット線3019に結合され、トランジスタ2624のゲート端子は、ノード3018上で伝達されたイネーブル信号ENに結合される。第3のP-Cチャネルトランジスタ2622は、そのゲート端子に結合されたイネーブル信号ENが非アクティブ(たとえばロー)である場合、放電ノード3030をVDDに結合する。図8に関する説明と同様、イネーブル信号ENがアクティブ(たとえばハイ)である場合、放電ノード3030は、読出しビット線3019の電圧に基づく割合を放電し、上述したように、この電圧もまた、選択されたメモリセル内の可変電流シンク2913を通って流れる電流Idataに依存する。
【0214】
たとえば図15または図34に関して本明細書で説明したような放電まで時間回路3032は、選択されたメモリセル2911を通る電流の大きさを反映するデジタル出力を生成するために、放電ノード3030に結合され、ノード3034上で伝達されたストローブクロック信号STROBE CLKによって駆動され得る。
【0215】
ここで、図31を参照すると、可変バイアス電流負荷デバイスおよび比較器を利用する、選択されたメモリセルの大きさを決定するための実施形態3101が示される。この実施形態において、読出しビット線RBL3119は、上側電源Vddに接続された可変バイアス電流源3111とともに搭載される。読出しワード線RWL247がハイ状態に駆動されると、選択されたメモリセル内の可変電流源2913は、読出しビット線RBL3119に結合され、読出しビット線RBL3119から電流を引き込み、可変バイアス電流3111は、読出しビット線RBL3119への電流のソースとなる。可変バイアス電流源3111および可変電流源2913の相対的大きさは、これら2つの電流の大きい方が小さい方の電流を打ち負かし、読出しビット線RBL3119の電圧を大きい方の電流源へ向かって駆動するため、主に、読出しビット線RBL3119に結果として生じる電圧を決定する。たとえば、可変バイアス電流3111の大きさが可変電流源2913の大きさよりも大きい場合、(読出しビット線RBL3119へ流れ込む正味電流が存在するので)読出しビット線RBL3119の電圧は、電圧がVD電圧レベルに到達するまで、あるいは全体にわたり減少する電圧を有する定電流の非理想性によって可変バイアス電流3111の大きさが減少するまで、増加する。逆に、可変バイアス電流3111の大きさが可変電流源2913の大きさよりも小さい場合、(読出しビット線RBL3119から流れ出る正味電流が存在するので)読出しビット線RBL3119の電圧は、電圧が接地(たとえばVSS)電圧レベルに到達するまで、あるいは(たとえば、飽和領域内で動作しなくなり、VDSが減少するとともに線形領域内で動作しているトランジスタ239に対応する)減少する電圧を有する定電流値の非理想性によって可変電流源2913の大きさが減少するまで、減少する。
【0216】
読出しビット線RBL3119の電圧は、基本的に、2つの電流源の大きい方に基づいて、比較的高い電圧(VDD付近)または比較的低い電圧(接地付近)に駆動されるので、読出しビット線RBL3119の電圧は、単純な比較器3121および一般にVDDと接地との間の基準電圧によって決定され得る。読出しビット線RBL3119は、基準電圧3123と比較され、比較器の出力は、読出しビット線が基準電圧3123よりも高いか低いかを示す。いくつかの実施形態において、基準電圧は、VDDと接地との間の概ね中間点であってよい。
【0217】
可変バイアス電流源3111の大きさは、連続値に変更されてよく、選択されたメモリセルの可変電流源2913を通る電流の値を決定するために、各連続値に関して新たな比較が実行される。これは、セル電流の大きさの隣接したペア間のそれぞれの大きさを有するバイアス電流Ibiasの値(Ibias1、Ibias2、・・・、Ibias6)を示す図3103に示される。たとえば、可変バイアス電流3111がIbias3(IとIとの間の大きさを有する)の値に設定された場合、比較器3121の出力は、メモリセル電流(すなわち可変電流源2913)がIbias3よりも小さい(すなわちI、I、I、またはIのいずれか)か、Ibias3よりも大きい(すなわちI、I、I、またはIのいずれか)かを示す。同様に、可変バイアス電流3111が(IとIとの間の大きさを有する)Ibias4の値に設定された場合、比較器3121の出力は、メモリセル電流がIbias4よりも小さいか大きいかを示す。
【0218】
いくつかの実施形態において、可変バイアス電流源3111は、可変電流源2913を通るメモリセル電流の大きさを決定するために、最も低い値Ibias1から最も高い値Ibias6まで増分的に変化し得る。そのような技術は、メモリセル電流を決定するためにバイアス電流Ibiasの全ての可能値を通る線形探索とみなされ得る。いくつかの実施形態において、可変バイアス電流3111は、必要な比較の回数を低減するために、二分探索形式で変化し得る。そのような二分探索において、Ibias電流は、可能値の範囲内の中間値に設定されてよく、比較が実行される。比較の結果は、どの値のバイアス電流を次の比較に使用するかを決定する。各比較は、残りの選択肢の半数を排除するので、比較の総数は、実質的に低減され得る。8つの可能な電流の大きさの場合、線形探索は、メモリセル電流を決定するまでに最大7回の比較を必要とし得るが、二分探索は、3回の比較しか必要としない。二分探索法の例は、図33に関して更に後述される。留意すべき点として、電流の大きさではなく電圧の大きさを変化させることを含む他の二分探索技術も考えられる。たとえば、電流を変化させる代わりに、トランジスタに印加される電圧が変化し得る。従来のNVMメモリに関する他の例において、ワード線電圧は、マルチレベルメモリセルに格納されたデータを決定するために必要な比較の回数を低減するために、読出し動作中のワード線電圧における単調な増分的増加または減少ではなく二分探索を用いて変化し得る。更に、二分探索は、ワード線電圧または他の感知関連回路ノード電圧が単調に増加または減少するものとして示される、上述した任意の実施形態において用いられ得る。
【0219】
ここで、図32を参照すると、可変バイアス電流負荷デバイスおよび比較器を利用するが、比較器への感知線入力における電圧エクスカーションを制限するためのカスコードトランジスタのペアも含む他の実施形態3201が示される。この実施形態において、可変バイアス電流源3211は、上側バイアス電流源VDDに接続され、第1のカスコードトランジスタ3229は、可変バイアス電流源3211と感知ノード3231との間に結合される。第2のカスコードトランジスタ3225は、感知ノード3231と読出しビット線RBL3219との間に結合される。比較器3221は、感知ノード3231を基準電圧3223と比較し、それに応じて比較器出力を生成する。
【0220】
上述したように、読出しワード線RWL247がハイに駆動されると、選択されたメモリセル内の可変電流源2913は、読出しビット線RBL3219から電流を引き込み、可変バイアス電流源3211は、感知ノード3231および読出しビット線RBL3219への電流のソースとなる。これら2つの電流の大きい方は小さい方の電流を打ち負かし、感知ノード3231の電圧を大きい方の電流源へ向かって駆動する。しかし、2つのカスコードトランジスタ3225、3229は、感知ノード3231および読出しビット線RBL3219の電圧エクスカーションを制限する役割を果たす。たとえば、可変バイアス電流源3211の大きさが可変電流源2913の大きさよりも大きい場合、感知ノード3231の電圧は増加するが、感知ノード3231の電圧が、カスコードトランジスタ3229のゲートにおけるVbias1電圧を下回る閾値電圧である値に到達すると、停止する。同様に、読出しビット線RBL3219の電圧は増加するが、その電圧が、カスコードトランジスタ3225のゲートにおけるVbias2電圧を下回る閾値電圧である値に到達すると、停止する。読出しビット線RBL3219および感知ノード3231の両方が非常に高い容量を有し得るので、電圧エクスカーションの制限は、サイクルトゥサイクル性能を向上させ得る。
【0221】
カスコードトランジスタは、両方の電流源間の電圧極限を制限するという追加の有利な態様を有し、これは、定電流値の理想性を改善する。たとえば、カスコードトランジスタ3225は、読出しビット線RBL3219における電圧の上限値を、Vbias2引くトランジスタ3225の閾値電圧までに制限する。カスコードトランジスタ3225が存在しない場合、読出しビット線3219における最大電圧(およびそれに対応する可変電流源2913の両端の電圧)は、大幅に高い電圧まで増加する。カスコードトランジスタ3225を含むことにより、読出しビット線3219における最大電圧(およびそれに対応する可変電流源2913の両端の電圧)は、大幅に小さい範囲内に留まり、それによって、可変電流源2913の定電流理想性が改善される。
【0222】
動作中、感知ノード3231の電圧は、基準電圧3223よりもやや高いか、基準電圧3223よりもやや低いかのいずれかである電圧に駆動される。比較器3221は、感知ノード3231を基準電圧3223と比較し、感知ノード3231が基準電圧3223よりも高いか低いかを示す出力を生成する。
【0223】
上述したように、可変バイアス電流3211の大きさは、連続値に変更されてよく、(直列ペア2911で表された)選択されたメモリセルの可変電流源2913を通る電流の値を決定するために、各連続値に関して新たな比較が実行される。これは、セル電流の可能値の隣接したペア間のそれぞれの大きさ(Ibias1、Ibias2、・・・、Ibias6)を有するバイアス電流Ibiasの値を示す図3203に示される。いくつかの実施形態において、可変バイアス電流3211は、メモリセル電流を決定するための線形探索を実行するために増分的に変化し得る。いくつかの実施形態において、可変バイアス電流3211は、必要な比較の回数を低減するために、二分探索形式で変化し得る。
【0224】
ここで、図33を参照すると、そのような二分探索を実行するための一般化方法例3300が説明される。この例において、I、I、・・・、Iである読出し電流の8つの可能値と、Ibias1、Ibias2、・・・、Ibias7である、各々が可能な読み出し電流値の隣接したペア間に補間された、バイアス電流の7つの値とが仮定される。この手順は、開始ブロック3302から始まる。ブロック3304において、変数Nは、読出し電流の可能値の数に設定され、この例において値8に設定される。また、変数iは、N/2に設定されるので、この例において値4に設定される。
【0225】
その後、フローは、読出し電流とIbiasi電流とを比較するブロック3306へ進む。この時点で、選択されたバイアス電流は、Ibias4であるバイアス電流の中間値である。読出し電流がIbiasi電流より小さい場合、決定ブロック3308は、二分探索が完了したかを決定するための確認を実行するブロック3310へフローを向ける。Nは8に等しい値を有するので、当然、この時点で二分探索は完了していない。したがってフローは、Nを以前の値の半分に等しく設定し、iを以前の値引くN/2に等しく設定するブロック3312へ進む。これは、読出し電流の残りの可能値の数を半分まで低減し、この残りの可能値の新たな範囲の中間に新たなバイアス電流を設定するという効果をもたらす。この例の仮定において、この時点でNの値=4、iの値=2であり、選択されたバイアス電流はここでIbias2である。その後、フローは、読出し電流とIbias2電流との比較を実行するためにブロック3306へ戻る。
【0226】
読出し電流がIbias2電流よりも大きい場合、決定ブロック3308は、二分探索が完了したかを決定するための確認を実行するブロック3316へフローを向ける。これまでの仮定において、この時点でN/2は2に等しい値を有し、探索は完了していない。したがって、フローは、Nを以前の値の半分に等しく設定し、iを以前の値足すN/2に等しく設定するブロック3318へ進む。これは、読出し電流の残りの可能値の数を半分まで低減し、この残りの可能値の新たな範囲の中間に新たなバイアス電流を設定するという効果をもたらす。これまでの仮定において、この時点でNの値=2、iの値=3であり、選択されたバイアス電流はここでIbias3である。
【0227】
フローはその後、読出し電流と(たとえば、ここでIbias3に設定された)Ibiasi電流との別の比較を実行するために、ブロック3306へ戻る。読出し電流がIbiasi電流よりも小さい場合、決定ブロック3308は、二分探索が完了したかを決定するためにブロック3310へフローを向ける。この時点で、N/2は1に等しい値を有し、探索は完了する。したがって、フローは、読出し電流がIread(i)(たとえば、この例においてIread3)の値を有するとみなすブロック3314へ進み、この手順はENDブロック3322で終了する。あるいは、読出し電流が(たとえば、ここでIbias3に設定された)Ibiasi電流よりも大きい場合、決定ブロック3308は、同様に二分探索が完了したかを決定するブロック3316へフローを向ける。したがって、フローは、読出し電流がIread(i+1)(たとえば、この例においてIbias4)の値を有するとみなすブロック3320へ進み、この手順はENDブロック3322で終了する。
【0228】
そのような二分探索の多くの細部は、一般技術から逸脱することなく変更され得る。たとえば、N個の可能値に関する下付き文字は、1~Nであってよく、または0~N-1、あるいは他の何らかの方式であってよく、それに応じて、特定の方法ブロックの具体的な細部は修正される。それでもなお、そのような二分探索は、各比較によって可能値を半分に削減し、次の比較の前に、基準電流(すなわちバイアス電流)を残りの可能値の範囲の中間点またはその付近の新たな値に再設定する機能を果たす。
【0229】
たとえば図9図10図12などの実施形態など、本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、たとえば活性化関数または閾値関数、または重み関数またはロジスティック関数などの関数を実装するために用いられ得る。すなわち、本明細書で説明されるいくつかの実施形態において、入力または入力のセットが与えられると、活性化関数は、Vdataが格納された記憶ノードの出力を定義してよい。適用される特定の活性化関数またはロジスティック関数はいくつかあり、様々である。更に、本明細書で説明されるいくつかの実施形態は、算術的または論理的な動作を実行するために用いられ得る。
【0230】
理解され得るように、本明細書で説明される実施形態の多くは、格納されたデータ値に従って変化するインピーダンスを有するメモリセル(すなわち、可変インピーダンスメモリセル)を組み込む。データ値は、たとえばビット線、読出しビット線など、関連回路ノード(すなわち信号ノード)の可変時間遅延に基づいてメモリセルから読み出される。いくつかの実施形態において、信号ノードは、メモリセルに格納されたデータ値に従って変化する速度で放電し、その信号ノードが特定の値まで放電するまでの時間が測定されてよく、その放電まで時間測定からデータ値が推測される。そのような放電まで時間読出し技術は、本明細書に記載したような多くの種類のメモリ回路、特に、PNジャンクションメモリデバイス、抵抗性メモリデバイス、磁気抵抗メモリデバイス、およびスピントルクメモリデバイスを含み、シリコン、カーボン(たとえばカーボンナノチューブ)、または他の非シリコン半導体材料に基づくメモリデバイスを更に含む、揮発性および不揮発性メモリ技術とともに用いられ得る。加えて、放電まで時間読出し技術および対応する回路に関する本明細書の教示は、たとえば、ソース端末が下側電源ノードに結合されたN形トランジスタではなく、ソース端末が上側電源ノードに結合されるP形トランジスタを有する実施形態などにおいて、類似した充電まで時間読出し技術および対応する回路にも適用され得る。したがって、そのような放電まで時間および充電まで時間技術および本明細書で説明される実施形態は、集合的に、「遷移まで時間」技術とみなされてよく、この技術において回路(たとえば読出し回路、メモリセル選択回路など)は、1つのノード(たとえば信号ノード)の電圧遷移を他のノードの電圧に対応する可変速度でもたらす。様々な実施形態において、信号ノードは、ビット線、読出しビット線、および/または他の適当な回路ノードであってよい。いくつかの実施形態において、そのような技術は、選択されたメモリセルまたは他の機能回路の可変インピーダンスに対応する信号ノード電圧変化の可変時間遅延を決定することを含む。いくつかの実施形態において、そのような技術は、第1の回路が第1のノードに信号値を結合した結果生じる第1のノードの電圧に対応する信号ノード電圧変化の可変時間遅延を決定することを含む。いくつかの実施形態において、第1の回路は、たとえば1T DRAMメモリセルなどのメモリセルであってよい。いくつかの実施形態において、第1の回路は、関数回路であってよい。
【0231】
上述した実施形態のいくつかにおいて、たとえば較正遷移まで時間測定などの較正動作は、選択されたメモリセルから実際にデータを感知する前に実行される。そのような較正動作は、所与のデータ経路において同じオフセットが読出し動作に影響を及ぼすものと同じ形式で較正動作に影響を及ぼすため、選択されたメモリセルを読み出す際に任意のオフセット(たとえば、比較器オフセット電圧、トランジスタミスマッチ、抵抗ミスマッチなど)の効果を除去し得る。これは特に、非常に低い電圧で動作する極めて微細なトランジスタを組み込む最新のプロセスに役立つ。
【0232】
上記開示と一致して、以下の項に挙げられた例が具体的に考えられ、非限定的な例のセットとして意図される。
【0233】
項1.
各々が、そこに格納されたそれぞれのデータ値に従って変化する可変インピーダンスを有する、複数のメモリセルと、
選択されたメモリセルの可変インピーダンスに対応する信号ノード電圧変化の可変時間遅延決定に基づいて、選択されたメモリセル内に格納されたデータ値を読み出すように構成された読出し回路と
を備えるメモリデバイス。
【0234】
項2.
それぞれのデータ値が複数のビットに対応する、項1に記載のメモリデバイス。
【0235】
項3.
可変インピーダンスは、可変電流を備える、項1~2のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0236】
項4.
各メモリセルの可変インピーダンスは、書き込まれるデータによってゲート電圧が変化するセル内のトランジスタに起因する、項1~3のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0237】
項5.
複数のメモリセルは、揮発性メモリセルを備える、項1~4のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0238】
項6.
複数のメモリセルは、不揮発性メモリセルを備える、項1~5のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0239】
項7.
各メモリセルは、書き込まれるデータによってそれぞれのゲート電圧が変化する複数のトランジスタを備え、
上記複数のトランジスタは全体として、メモリセルの可変インピーダンスを決定する、項1~6のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0240】
項8.
信号ノードは、読出しビット線ノードを備える、項1~7のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0241】
項9.
読出し回路は、選択回路とともに、選択されたメモリセルの可変インピーダンスに対応する可変速度で信号ノードの電圧における変化をもたらし、信号ノード電圧変化の可変時間遅延決定に基づいて、選択されたメモリセル内に格納されたデータ値を読み出すように構成される、項1~8のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0242】
項10.
読出し回路は、選択されたメモリセルの可変インピーダンスに対応する可変速度で信号ノードを放電させるように構成され、
信号ノード電圧変化の可変時間遅延決定は、信号ノード電圧変化の放電まで時間測定を備え、
信号ノードは、読出しビット線ノードを備える、項1~9のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0243】
項11.
読出し回路は、選択されたメモリセルの可変インピーダンスに対応する可変速度で信号ノードを充電するように構成され、
信号ノードの可変時間遅延決定は、信号ノードの充電まで時間測定を備え、
信号ノードは、読出しビット線ノードを備える、項1~10のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0244】
項12.
アレイ状の複数のメモリセルと、
選択されたメモリセル内に格納されたデータ値に対応する可変速度で信号ノードの電圧遷移をもたらし、選択されたメモリセル内に格納されたデータ値を決定するために信号ノードの遷移まで時間測定を実行するように構成された読出し回路と
を備えるメモリデバイス。
【0245】
項13.
それぞれのデータ値が複数のビットに対応する、項12に記載のメモリデバイス。
【0246】
項14.
各メモリセルの可変インピーダンスは、書き込まれるデータによってゲート電圧が変化するセル内のトランジスタに起因する、項12~13のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0247】
項15.
複数のメモリセルは、揮発性メモリセルを備える、項12~14のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0248】
項16.
各メモリセルは、書き込まれるデータによってゲート電圧が変化する複数のトランジスタを備え、
上記複数のトランジスタは全体として、メモリセルの可変インピーダンスを決定する、項12~15のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0249】
項17.
読出し回路は更に、選択されたメモリセルを選択する前に、号ノードの基準条件を較正するために信号ノードの較正遷移まで時間測定を実行するように構成され、
読出し回路は更に、選択されたメモリセルに格納されたデータ値を決定するために、遷移まで時間測定を較正遷移まで時間測定と比較するように構成される、項12~16のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0250】
項18.
読出し回路は、
信号ノードに結合された入力を有し、共通ストローブクロックに応答する複数のレジスタのそれぞれ1つに各々が結合された複数の遅延段を含む遅延線を有する放電まで時間測定回路を備える、項12~17のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0251】
項19.
放電まで時間測定回路は更に、
信号ノードに結合された入力を有し、遅延線に結合された出力を有する入力段であって、信号ノードが初期電圧の所定のパーセンテージまで降下した時に自身の出力にタイミング信号を生成するように構成された上記記入力段を備える、項12~18のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0252】
項20.
信号ノードは、読出しビット線ノードを備え、
それぞれのデータ値が複数のビットに対応する、項12~19のいずれかに記載のメモリデバイス。
【0253】
「1つの実施形態」、「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「様々な実施形態」などへの言及は、特定の要素または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。この表現は様々な箇所に現れ得るが、必ずしも同じ実施形態または例を指すものではない。
【0254】
本明細書で用いられる用語に関して、ノード名および信号名の多くは、同様のノードおよび信号の異なるインスタンス化をより明確に区別するための下付き文字(たとえばWLおよびWL)を含み、そのような使用は、当該技術において周知である。しかしながら、本明細書においてそのような下付き文字のない不注意の使用は、文脈がそれを明確に求めない限り、同じ名称の下付き文字バージョン(たとえばVbiasとVbias)との何かしらの差異を暗示することは意図されない。加えて、小文字部分を含む用語の本明細書における任意の使用は、文脈がそれを明確に求めない限り、同じ名称の大文字バージョン(たとえばVTHとVth)との何かしらの差異を暗示することは意図されない。
【0255】
本明細書で用いられる用語に関して、当業者が理解するように、回路内に様々な信号およびノードを含む回路の動作を説明する際、いくつかの表現のいずれかが同等に使用され得る。論理信号か、より一般的なアナログ信号かにかかわらず、任意の種類の信号は、回路内のノードの電圧レベル(またはいくつかの回路技術に関して、電流レベル)という物理形式をとる。信号はワイヤまたはバス上で伝達されると考えるのが正しくあり得る。たとえば、特定の回路動作を「回路10の出力が、ノード11の電圧をVDDへ向かって駆動し、その結果、ノード11上で伝達される信号OUTをアサートする」と説明したとする。これは、正確ではあるが、やや煩雑な表現である。したがって、そのような回路動作を、「回路10がノード11をハイに駆動する」、ならびに「ノード11が回路10によってハイにされる」、「回路10がOUT信号をハイにプルする」、および「回路10がOUTをハイに駆動する」と等しく言い表すことが当該技術において周知である。特に、図面内の概略図は、様々な信号名を対応する回路ブロックおよびノードに関連付けるので、本明細書で用いられる回路動作を説明するためのそのような短い表現は、回路動作の詳細を伝えるために効率が良い。便宜上、CLK信号を伝達する無名のノードは、CLKノードと称され得る。同様に、たとえば「ハイにプルする」、「ハイに駆動する」、および「充電する」などの表現は一般に、特に区別されない限り、「ローにプルする」、「ローに駆動する」、および「放電する」という表現と同義である。これらのより簡潔で説明的な表現の使用は、本開示の明確性および教示を高めることが確信される。当業者には理解されるように、これらの表現および他の同様の表現の各々は、一般的な回路動作を説明するために相互置換的に用いられてよく、本説明における様々な使用に微細な推論が読み込まれてはならない。
【0256】
絶縁ゲート電界効果トランジスタ(IGFET)は、第1の電流処理端子と第2の電流処理端子との間で電流の流れを制御する制御端子を有するものとして概念化され得る。IGFETトランジスタは、多くの場合、ドレーン、ゲート、およびソースを有するものとして説明され、多くのそのようなデバイスにおいて、ドレーンはソースと入替え可能である。これは、トランジスタのレイアウトおよび半導体処理は多くの場合、対称であるためである(これは一般に、バイポーラトランジスタには当てはまらない)。NチャネルIGFETトランジスタの場合、通常、高い方の電圧に属する電流処理端子が、通例的にドレーンと呼ばれる。通常、低い方の電圧に属する電流処理端子は、通例的にソースと呼ばれる。ゲートにおける(ソース電圧に対して)十分な電圧は、ドレーンからソースへの電流の流れをもたらす。NチャネルIGFETデバイス式において言及されるソース電圧は、単に、ドレーンまたはソース端子のどちらが所与の任意の時点により低い電圧を有するかを指す。たとえば、双方向CMOS移送ゲートのNチャネルデバイスの「ソース」は、移送ゲートのどちら側がより低い電圧であるかに依存する。多くのNチャネルIGFETトランジスタのこの対称性を反映して、制御端子はゲートとみなされ、第1の電流処理端子は「ドレーン/ソース」と称され、第2の電流処理端子は「ソース/ドレーン」と称され得る。ソースおよびドレーン端子は、導電電極とも称され得る。ドレーン電圧とソース電圧との間の極性、およびドレーンとソースとの間の電流の方向は、そのような用語によって暗示されないため、そのような表現は、PチャネルIGFETトランジスタにも等しく有効である。あるいは、一方の電流処理端子が任意に「ドレーン」とみなされ、他方が「ソース」とみなされてよく、この場合、それら2つは区別されず入替え可能であることが暗示的に理解される。留意すべき点として、IGFETトランジスタは、ゲート材料がポリシリコンまたは他の金属以外の材料であってよく、誘電体がオキシ窒化物、窒化物、または他の酸化物以外の材料であり得る場合でも、一般に(文字通り「金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ」の頭字語である)MOSFETトランジスタと称される。そのようなMOSおよびMOSFETとしての伝統的用語の略式使用は、酸化物誘電体を有する金属ゲートFETのみを文字通り指すものとして解釈されてはならない。
【0257】
電源に関して、回路に給電するために使用される単一の正電源電圧(たとえば2.5ボルトの電源)は、多くの場合、「VDD」電源と称される。集積回路において、トランジスタおよび他の回路要素は、実際にVDD端子またはVDDノードに接続され、これらはVDD電源に動作可能に接続される。たとえば「VDDに繋げられた」または「VDDに接続された」などの口語表現は、「VDDノードに接続された」ことを意味するものとして理解され、これは一般に、集積回路の使用中にVDD電源電圧を実際に受け取るために動作可能に接続される。そのような単一電源回路に関する基準電圧は、多くの場合、「VSS」と呼ばれる。トランジスタおよび他の回路要素は、実際にVSS端子またはVSSノードに接続され、これらは集積回路の使用中、VSS電源に動作可能に接続される。多くの場合、VSS端子は、接地基準電位、または単に「接地」に接続される。特定のトランジスタまたは回路によって「接地」されるノードの説明は、トランジスタまたは回路によって「ローにプル」または「接地にプル」されることと同じことを意味する。
【0258】
ある程度概括的に言うと、第1の電源端子は多くの場合、「VDD」と称され、第2の電源端子は多くの場合、「VSS」と称される。伝統的に、「VDD」という専門用語は、MOSトランジスタのドレーン端子に接続されたDC電圧を暗示し、VSSは、MOSトランジスタのソース端子に接続されたDC電圧を暗示するものであった。たとえば、過去のPMOS回路は、負のVDD電源を使用し、過去のNMOS回路は、正のVDD電源を使用した。ただし、一般的な用法は多くの場合、この伝統を無視し、特に記載されない限り、正側の供給電圧に関してVDDを用い、負側(または接地)の供給電圧に関してVSSを用いる。「VDD電源」および「接地」を用いて機能するものとして回路を説明することは、必ずしも、その回路が他の電源電位を用いて機能できないことを意味するものではない。他の一般的な電源端子の名称は「VCC」(バイポーラ回路からの伝統的用語であり、多くの場合、コレクター端子を有さないMOSトランジスタとともに用いられる場合でも、+5ボルトの電源電圧と同じことを意味する)および「GND」または単に「接地」である。
【0259】
本明細書におけるブロック図は、ブロックを連結する単一ノードという用語を用いて説明され得る。しかしながら、理解すべき点として、文脈によって必要である場合、そのような「ノード」は、実際は、差分信号を伝達するためのノードのペアを表してよく、あるいは、いくつかの関連信号を搬送するためまたはデジタルワードを形成する複数の信号を搬送するための多数の個別ワイヤ(たとえばバス)を表してよい。
【0260】
開示されたデバイスおよび技術は、上述した実施形態の観点で説明されたが、当業者は、本開示の教示から逸脱することなく特定の代替例が回路内に容易になされ得ることも認識する。また、NMOSトランジスタを用いる多くの回路は、当該技術において知られるように、論理極性および電源電位が逆にされた場合、代わりにPMOSトランジスタを用いて実装され得る。このように、CMOS回路におけるトランジスタ導電型(すなわち、NチャネルまたはPチャネル)は、同様または類似の動作を維持しながら、頻繁に逆転され得る。更に、開示されたデバイスおよび技術の実装は、必ずしもCMOS技術に限定されないので、PNジャンクションメモリデバイスおよびナノチューブデバイスを含む、NMOS、PMOS、および様々なバイポーラまたは他の半導体製造技術を用いる実装も考えられる。
【0261】
上述した様々な技術、構造、および方法は、単独で、また様々な組み合わせで使用されることが考えられる。上記説明は、本発明の原理および様々な実施形態の例示であることが意図され、本明細書における図面および詳細な説明は、限定的にではなく例示的なものとみなすべきであり、開示される特定の形式および例に限定することは意図されないことを理解すべきである。上記開示が完全に理解されると、数々の変形例および修正例が当業者には明らかとなる。以下の特許請求の範囲は、そのような変形例および修正例の全てを包含すると解釈されることが意図される。
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