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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】ポリエステルアミド組成物を含む中間膜
(51)【国際特許分類】
   C08G 69/44 20060101AFI20230509BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20230509BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20230509BHJP
   B32B 27/34 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
C08G69/44
C08J5/18 CFD
B32B27/36
B32B27/34
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020540298
(86)(22)【出願日】2019-01-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 US2019014749
(87)【国際公開番号】W WO2019147671
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-05
(31)【優先権主張番号】PCT/US2019/013953
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/620,563
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2019/013958
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503316891
【氏名又は名称】ソルティア・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】カラギアンニス,アリストテリス
(72)【発明者】
【氏名】ヘースティングス,ポール
(72)【発明者】
【氏名】チャン,プ
(72)【発明者】
【氏名】ツェン,ピングアン
(72)【発明者】
【氏名】クロフォード,エメット・ダッドリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ,スコット・エラリー
(72)【発明者】
【氏名】プレスリー,エアリアル・デニス
(72)【発明者】
【氏名】トラン,カイン・ドゥック
【審査官】中村 英司
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-009760(JP,A)
【文献】特開昭62-158775(JP,A)
【文献】特開昭60-144330(JP,A)
【文献】特開昭60-184581(JP,A)
【文献】特開2010-031099(JP,A)
【文献】特開2009-030053(JP,A)
【文献】特表2010-534256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 69/00ー 69/50
C08J 5/00- 5/18
B32B 27/00- 27/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルアミド組成物を含む層を含む中間膜であって、前記ポリエステルアミド組成物は、
(a)脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、又はこれらの組み合わせ0.1~99モル%を含むジアミン成分から誘導されるジアミン残基
(b)脂環式ジオール、複数の脂環式ジオールの混合物、又は少なくとも1種類の脂環式ジオールと少なくとも1種類の脂肪族ジオールとの混合物である少なくとも1種類のジオール0.1~99モル%を含むジオール成分から誘導されるジオール残基;及び
(c)HOC-(C2-40)アルキレン-COH、又はHOC-(C3-10)シクロアルキル-COH(式中、それぞれのシクロアルキルは非置換であるか又は(C1-3)アルキルによって置換されている)0.1~100モル%を含む二酸成分から誘導される二酸残基
含むポリエステルアミドを含み;
前記二酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール及びジアミン成分の合計の総モル%は100モル%であり、
前記ポリエステルアミドが、トリメリット酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、ペンタエリトリトール、クエン酸、酒石酸、3-ヒドロキシグルタル酸、グリセリンエリトリトール、トレイトール、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、トリメシン酸、又はジメチロールプロピオン酸から選択される化合物から誘導される分岐剤を更に含む、上記中間膜。
【請求項2】
前記中間膜が、(ASTM-D1003-61(1977年再確認)-手順Bにしたがい、光源Cを使用して、0.76ミリメートルの厚さを有する中間膜について2度の観察角度で測定して)3.0%未満の曇り度を有する、請求項1に記載の中間膜。
【請求項3】
前記ジアミンが20~75モル%の量で存在し、前記ジアミンが、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2,4,4-トリメチルヘキサンジアミンと2,2,4-トリメチルヘキサンジアミンとの混合物、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、又はこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の中間膜。
【請求項4】
前記ジアミンが40~60モル%の量で存在する、請求項1~3のいずれかに記載の中間膜。
【請求項5】
前記ジアミン成分が少なくとも2種類のジアミンを含む、請求項1~4のいずれかに記載の中間膜。
【請求項6】
前記脂環式ジオールが、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、又は1,4-シクロヘキサンジメタノールから選択され、前記脂肪族ジオールが、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、又はポリテトラヒドロフランジオールから選択される、請求項1~5のいずれかに記載の中間膜。
【請求項7】
前記ジオール成分が少なくとも2種類のジオールを含む、請求項1~6のいずれかに記載の中間膜。
【請求項8】
前記二酸が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、9-[(Z)-ノン-3-エニル]-10-オクチルノナデカン二酸、9-ノニル-10-オクチルノナデカン二酸、シクロブタン-1,3-ジカルボン酸、シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘプタン-1,4-ジカルボン酸、シクロオクタン-1,5-ジカルボン酸、又はシクロオクタン-1,4-ジカルボン酸、或いはこれらの2以上の二酸の組み合わせから選択される、請求項1~7のいずれかに記載の中間膜。
【請求項9】
記分岐剤は前記ポリエステルアミドの総重量%を基準として0.01~10重量%存在する、請求項1~8のいずれかに記載の中間膜。
【請求項10】
前記ポリエステルアミドがシラン添加剤を含む、請求項1~9のいずれかに記載の中間膜。
【請求項11】
前記ポリエステルアミドが、ASTM-D2857-70にしたがって求めて少なくとも0.7dL/gのインヘレント粘度を有する、請求項1~10のいずれかに記載の中間膜。
【請求項12】
前記中間膜が、DMTAにしたがって求めて少なくとも-35℃のガラス転移温度を有する、請求項1~11のいずれかに記載の中間膜。
【請求項13】
前記中間膜がモノリス型中間膜である、請求項1~12のいずれかに記載の中間膜。
【請求項14】
前記中間膜をそれぞれ3mmの厚さを有するガラスの2枚のシートの間に積層して積層体を形成した場合に、前記積層体が、ANSI/SAE-Z26.1-1996にしたがって70°Fの温度及び30ミルの中間膜厚さにおいて測定して少なくとも12フィートの平均破壊高さを有する、請求項1~13のいずれかに記載の中間膜。
【請求項15】
前記中間膜が、(ASTM-D1003-61(1977年再確認)-手順Bにしたがい、光源Cを使用して、0.76ミリメートルの厚さを有する中間膜について2度の観察角度で測定して)2.0%未満の曇り度を有する、請求項1~14のいずれかに記載の中間膜。
【請求項16】
前記中間膜が、DMTAにしたがって求めて少なくとも40℃のガラス転移温度を有する、請求項1~15のいずれかに記載の中間膜。
【請求項17】
前記中間膜が、ASTM-D4065-12にしたがって50℃において測定して少なくとも10MPaの剪断貯蔵弾性率を有する、請求項1~16のいずれかに記載の中間膜。
【請求項18】
前記中間膜が、ASTM-D4065-12にしたがって80℃において測定して少なくとも2MPaの剪断貯蔵弾性率を有する、請求項1~17のいずれかに記載の中間膜。
【請求項19】
前記中間膜をそれぞれ3mmの厚さを有するガラスの2枚のシートの間に積層して積層体を形成した場合に、前記積層体が、ANSI/SAE-Z26.1-1996にしたがって70°Fの温度及び30ミルの中間膜厚さにおいて測定して少なくとも18フィートの平均破壊高さを有する、請求項1~18のいずれかに記載の中間膜。
【請求項20】
第1の基材、請求項1~19のいずれかに記載の中間膜、及び第2の基材を含み、前記中間膜は前記第1の基材と前記第2の基材との間である多層パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
熱可塑性ポリマーは、例えば、種々の電気、自動車、医療、消費者、工業、及び包装用途などの広範囲の用途において有用である。熱可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリマーが種々の有用な物品に容易に溶融加工することができるという点で、熱硬化性プラスチックよりも有利である。
【背景技術】
【0002】
異なるタイプの熱可塑性ポリマーは、それらを特定の最終用途に望ましいものにする異なる特性を有する。エラストマー熱可塑性ポリマーは、一般に室温より低いガラス転移温度値及び低い弾性率値を有し、これによりそれらは可撓性及び伸縮性を必要とする用途のために好適である。対照的に、硬質の熱可塑性ポリマーは、一般に室温より高いガラス転移温度値及び高い弾性率値を有し、これによりそれらは剛性及び強度を必要とする用途のために好適である。
【0003】
ポリエステルアミドは、二酸、ジオール、及びジアミンの重縮合から形成される1つの種類の熱可塑性ポリマーである(例えば、WO-2008112833、US-5672676、US-2281415、CA-2317747)。ポリエステルアミドは、主としてそれらの優れた耐熱性(US-5672676)、それらの加工しやすさ、及びそれらの生分解性の可能性(例えば、WO-2008112833)のために、強い工業的関心を集めている。
【0004】
本出願は、モノマー比を調整し、反応条件を変化させることによって調整可能な特性を有する、TMCD及び/又はCHDMのようなジオールを含む新規なポリエステルアミドを開示する。ポリエステルアミドは、耐化学薬品性、耐UV性、防湿性、表面エネルギー、耐熱性、機械的特性、光学的特性、及び/又は溶融加工性が重要である種々のエンジニアリングプラスチック用途において有用である。1つのかかる用途としては、ポリマーシート、層、中間膜、又はフィルムが挙げられる。
【0005】
ポリマーシートは、ガラスの2枚のパネルの間に中間膜をサンドイッチすることによって形成される多層パネルにおける中間膜として使用することができる。かかる積層多層パネルは、一般に「安全ガラス」と呼ばれ、建築用途及び自動車用途の両方において使用されている。安全ガラスパネルにおける中間膜の主要な機能の1つは、ガラスを通して物体を貫通させることなく、パネルへの衝撃から生じるエネルギーを吸収することである。中間膜はまた、加えられた力がガラスを破壊するのに十分である場合に、ガラスが鋭利な片を形成して飛散するのを防止するために、ガラスを結合した状態に保つのにも役立つ。加えて、中間膜は、積層パネルにより高い遮音等級を与え、パネルを通る紫外(UV)及び/又は赤外(IR)光の透過を減少させ、色、テクスチャ等を加えることによってその美的魅力を増大させることもできる。
【0006】
しばしば、中間膜が剛性のような望ましい特性を示す場合には、耐衝撃性又は光学的透明性のような他の望ましいか又は重要な特性を欠くことがある。幾つかの用途においては、安全ガラスパネルは構造部材として使用することができるが、この用途に美的特徴を与えることが必要な場合もある。かかる場合には、最適な光学性能、剛性、及び耐衝撃性は、望ましいだけでなく、必要とされる。残念ながら、従来の中間膜の剛性が増大するにつれて、得られるパネルの耐衝撃性は悪化する。同様に、増大した衝撃強度のために配合された従来の中間膜は、しばしば、優れた構造支持特性を必要とする用途のような多くの用途において求められる必要な剛性を欠いている。
【0007】
建築用積層ガラスの新興市場は、耐荷重能力のような構造特性を有する中間膜を求めている。かかる中間膜は、EastmanのSaflex(登録商標)DG構造用中間膜であり、これは可塑化ポリビニルブチラール(PVB)から製造されている。一般に、構造用中間膜は標準的なPVB中間膜よりも剛性の製品であり、このより高い剛性によって、構造用中間膜で製造した積層体がより高い荷重に耐えることが可能になる。或いは、構造用中間膜を使用して、同じ積層体荷重を達成しながら、ガラス厚さの減少を可能にすることができる。
【0008】
より剛性の中間膜を必要とするより多くの用途(例えば、片面バルコニー積層体、キャノピー、階段、及び支持梁)が出現しているので、より高性能の構造用中間膜が望まれている。しかしながら、商業的に入手できる中間膜の幾つかは、加工性及び/又は機能性の点で欠点を示す。更に、これらの構造用途の多くにおけるガラスの魅力は、ガラスパネルの透明性である。而して、層又は中間膜はまた、それらが組み込まれる構造用ガラス物品の光学特性を妨げてはならない。
【0009】
加えて、より軽量及び/又はより低コストの積層体が多くの用途のために望ましい。これらのより軽量の積層体は、なお、必要な衝撃保護、透明性、及び他の特性を有するなどの、所望の物理的及び光学的特性を有していなければならない。より軽量の積層体を達成する一つの方法は、ガラスの厚さを減少させることである。しかしながら、ガラスの厚さを過度に減少させると、積層体の剛性が損なわれる可能性がある。その後に、より高い剛性の中間膜を使用して、失われた剛性の一部を回復させ、より軽量の許容可能な積層体を得ることができる。積層体の重量を減少させる別の方法は、ガラスの1以上のパネルを排除し、それらを、積層体の完全性及び望ましい光学特性を維持するために十分に高い剛性の硬質の透明プラスチック板で置き換えることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】WO-2008112833
【文献】US-5672676
【文献】US-2281415
【文献】CA-2317747
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
而して、十分な耐衝撃性をなお与えながら、強度及び剛性を示すポリマー中間膜に対する必要性が存在する。理想的には、かかる中間膜はまた、低い曇り度及び黄変がないなどの望ましい光学特性も示す。望ましくは、これらの中間膜は、建築用途などの広範囲の用途のための多層パネルにおいて使用することができ、構造特性、性能特性、及び美的特性の最適のバランスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本出願の一実施形態は、ポリエステルアミド組成物を含み、ポリエステルアミド組成物は、(a)脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、又はこれらの組み合わせから誘導されるジアミン残基0.1~99モル%を含むジアミン成分;(b)脂環式ジオール、複数の脂環式ジオールの混合物、又は少なくとも1種類の脂環式ジオールと少なくとも1種類の脂肪族ジオールとの混合物である少なくとも1種類のジオールから誘導されるジオール残基0.1~99モル%を含むジオール成分;及び(c)HOC-(C2-40)アルキレン-COH、又はHOC-(C3-10)シクロアルキル-COH(式中、それぞれのシクロアルキルは非置換であるか又は(C1-3)アルキルによって置換されている)から選択される二酸から誘導される二酸残基0.1~100モル%を含む二酸成分;を含み;二酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール及びジアミン成分の合計の総モル%は100モル%である層を含む中間膜に関する。
【0013】
本出願の別の実施形態は、ポリエステルアミド組成物を含み、ポリエステルアミド組成物は、(a)脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、又はこれらの組み合わせから誘導されるジアミン残基0.1~99モル%を含むジアミン成分;(b)脂環式ジオール、複数の脂環式ジオールの混合物、又は少なくとも1種類の脂環式ジオールと少なくとも1種類の脂肪族ジオールとの混合物である少なくとも1種類のジオールから誘導されるジオール残基0.1~99モル%を含むジオール成分;及び(c)HOC-(C2-40)アルキレン-COH、又はHOC-(C3-10)シクロアルキル-COH(式中、それぞれのシクロアルキルは非置換であるか又は(C1-3)アルキルによって置換されている)から選択される二酸から誘導される二酸残基0.1~100モル%を含む二酸成分;を含み;二酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール及びジアミン成分の合計の総モル%は100モル%である第1の層;並びに、第1の層のポリエステルアミド組成物とは異なるポリマー組成物を含む第2の層;を含む多層中間膜に関する。
【0014】
本出願はまた、中間膜を含む多層パネルも開示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書及び下記の特許請求の範囲においては、以下の意味を有するように定義される多数の用語が参照される。
単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他に示していない限りにおいて複数の指示対象を含む。
【0016】
「ジオール」は、2つのアルコール官能基を有する化学物質を意味する。例としては、1,4-ブタンジオール、プロピレングリコール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、プロピレン-1,3-ジオールなどが挙げられる。
【0017】
「ジアミン」は、2つのアミノ官能基を有する化学物質を意味する。例としては、1,6-ジアミノヘキサン、エチレンジアミン、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、5-アミノ-1,3,3-トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0018】
「アルカノール」は、アルコール基を含むアルカン又はアルキル基を意味する。例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブチルアルコールなどが挙げられる。
「二酸」は、2つのカルボン酸基を有する化学物質を意味する。例としては、1,12-ドデカン二酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
【0019】
値は、「約」又は「大凡」の与えられた数値として表現することができる。同様に、範囲は、本明細書においては、「凡そ」1つの特定の値から、及び/又は「凡そ」又は別の特定の値までとして表現することができる。かかる範囲が示される場合は、別の態様は、1つの特定の値から、及び/又は別の特定の値までを含む。同様に、値が近似として表現される場合には、「約」の先行詞を使用することによって、特定の値が別の態様を形成することが理解される。
【0020】
本明細書において使用される「から選択される」という用語は、「及び」或いは「又は」と共に使用される場合には以下の意味を有する:例えば、A、B、及びCから選択される変数とは、変数が、A単独、B単独、又はC単独であり得ることを意味する。例えば、変数A、B、又はCは、変数がA単独、B単独、C単独、A及びBの組み合わせ、B及びCの組み合わせ、A及びCの組み合わせ、又はA、B、及びCの組み合わせであり得ることを意味する。
【0021】
本明細書において使用する「(1つ又は複数の)残基」という用語は、ポリマー、オリゴマー、又は二量体中のモノマー単位又は繰り返し単位を指す。例えば、ポリマーは、以下のモノマー:テレフタル酸(TPA)及びシクロヘキシル-1,4-ジメタノール(CHDM)の縮合によって製造することができる。この縮合は、水分子の損失をもたらす。得られるポリマー中の残基は、テレフタル酸及びシクロヘキシル-1,4-ジメタノールのいずれかから誘導される。
【0022】
【化1】
【0023】
ポリマーは、重合反応中及び重合反応後に、他の反応物質(例えば、エポキシド、イソシアネートなど)によって官能化することもできる。導入された反応物質も残基と考えられる。
【0024】
「含有する」又は「包含する」という用語は「含む」の用語と同義であると意図され、これは、少なくとも言及された化合物、元素、粒子、又は方法工程などが、組成物又は物品又は方法中に存在することを意味するが、特許請求の範囲において明示的に除外されない限り、他の化合物、材料、粒子、方法工程などが言及されたものと同じ機能を有する場合であっても、他の化合物、触媒、材料、粒子、方法工程などの存在を除外しないことを意味する。
【0025】
本明細書において使用される「アルキル」という用語は炭化水素置換基を示す。本発明において使用するのに好適なアルキル基は、直鎖、分枝、又は環状であってよく、飽和又は不飽和であってよい。アルキル基中の炭素単位には、例えば(C1-6)アルキルがしばしば包含される。本発明において使用するのに好適なアルキル基としては、任意の(C1-20)、(C1-12)、(C1-5)、又は(C1-3)アルキル基が挙げられる。種々の実施形態においては、アルキルはC1-5直鎖アルキル基であってよい。更に別の実施形態においては、アルキルはC1-3直鎖アルキル基であってよい。好適なアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、シクロペンチル、及びシクロヘキシル基が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において使用される「アルキレン」という用語は、二価アルキル基を意味する。
【0026】
「シクロアルキル」は、少なくとも3つの炭素単位を有する環状アルキル基を意味する。シクロアルキル基の中の炭素単位には、例えば(C3-8)シクロアルキルがしばしば包含される。シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。
【0027】
「ビシクロアルキル」は、2つの縮合シクロアルキル環を有する環系を意味する。ビシクロアルキル環系は、橋架又は非橋架であってよい。炭素単位の数を特定することができる(例えばC6-10)。
【0028】
「ヘテロシクリル」は、N、O、及びSなどの1以上のヘテロ原子を含む非芳香族環系を意味する。存在するヘテロ原子の数及び種類を特定することができる。また、環の寸法を特定することもできる。例としては、2つのNヘテロ原子を含む6~8員のヘテロシクリルが挙げられる。ヘテロシクリル基の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、及びピロリジンが挙げられる。
【0029】
「アモルファス」は、材料が、20℃/分の通常の傾斜(冷却及び加熱の両方)速度下、窒素雰囲気下において溶融状態(即ち一般に280~300℃の領域)から冷却すること及び加熱することから構成される走査シーケンスの後(走査によってカバーされる温度範囲は-50℃~300℃である)に動的走査熱量測定(dynamic scanning calorimetry)(DSC)による融点を示さないことを意味する。
【0030】
「半結晶質」は、材料が、20℃/分の通常の傾斜(冷却及び加熱の両方)速度下、窒素雰囲気下において溶融状態(即ち一般に280~300℃の領域)から冷却すること及び加熱することから構成される走査シーケンスの後(走査によってカバーされる温度範囲は-50℃~300℃である)にDSCによって検出することができる融点を示すことを意味する。
【0031】
アルカン二酸:例えばヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、又はエイコサン二酸は、末端カルボン酸又は内部カルボン酸を有していてよい。例えば、ヘプタン二酸は、1,7ヘプタン二酸、1,6-ヘプタン二酸、1,5-ヘプタン二酸、1,4-ヘプタン二酸、2,6-ヘプタン二酸、3,5-ヘプタン二酸などであってよい。アルカン基は、非分岐又は分岐であってよい。例えば、ヘプタン二酸は、2-メチルヘキサン二酸、3-メチルヘキサン二酸、2-エチルペンタン二酸などであってよい。
【0032】
「エポキシシラン」は、連結基によって接続された少なくとも1つのシラン基及びエポキシ基を有する化学物質を意味する。エポキシシランの非限定的な例は次の通りである:
【0033】
【化2】
【0034】
エポキシシランのエポキシ基をポリエステルアミドと反応させて、ポリマー中にエポキシシランを導入することができる。エポキシシランはポリマーを合成する反応中に導入することができ、エポキシシランはポリマーを合成した後に添加剤として導入することができ、又はエポキシシランはポリマーから形成された物品の表面上に導入することができる。エポキシシランをポリマー中に導入することによって、ポリマーの特性を変性することができる。例えば、エポキシシランを使用して、種々の表面(例えばガラス表面)へのポリマーの接着性を向上させることができる。エポキシシランの具体例としては、トリメトキシ[2-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト-3-イル]エチル]シラン、トリエトキシ[2-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト-3-イル]エチル]シラン、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、ジエトキシ(3-グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、3-グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、5,6-エポキシヘキシルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0035】
「イソシアネートシラン」は、連結基によって接続された少なくとも1つのシラン基及びイソシアネート基を有する化学物質を意味する。イソシアネートシランの非限定的な例は次の通りである:
【0036】
【化3】
【0037】
イソシアネートシランのイソシアネート基をポリエステルアミドと反応させて、ポリマー中にイソシアネートシランを導入することができる。イソシアネートシランはポリマーを合成する反応中に導入することができ、イソシアネートシランはポリマーを合成した後に添加剤として導入することができ、又はイソシアネートシランはポリマーから形成された物品の表面上に導入することができる。イソシアネートシランをポリマーに導入することによって、ポリマーの特性を変性することができる。例えば、イソシアネートシランを使用して、種々の表面(例えばガラス表面)へのポリマーの接着性を向上させることができる。イソシアネートシランの非限定的な例としては、3-イソシアノト(isocyanoto)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアノトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0038】
物質の組成:
本出願は、(a)脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、又はこれらの組合せから誘導されるジオール残基0.1~99モル%を含むジアミン成分;(b)脂環式ジオール、複数の脂環式ジオールの混合物、又は脂環式ジオールと脂肪族ジオールとの混合物である少なくとも1種類のジオールから誘導されるジオール残基0.1~99モル%を含むジオール成分;及び(c)HOC-(C2-40)アルキレン-COH、又はHOC-(C3-10)シクロアルキル-COH(式中、それぞれのシクロアルキルは非置換であるか又は(C1-3)アルキルによって置換されている)から選択される二酸から誘導される二酸残基0.1~100モル%を含む二酸成分;を含み;二酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール及びジアミン成分の合計の総モル%は100モル%であるポリエステルアミドを開示する。
【0039】
一実施形態においては、ポリエステルアミドは、(a)CH((C3-8)シクロアルキル-NHであるジアミンから誘導されるジアミン残基1~99モル%を含むジアミン成分;(b)(C3-8)シクロアルキルジ((C1-3)アルカノール)であるジオールから誘導されるジオール残基1~99モル%を含むジオール成分;(c)HOC-(C2-40)アルキレン-COH、又はHOC-(C3-10)シクロアルキル-COH(式中、それぞれのシクロアルキルは非置換であるか、又は1~4つの(C1-3)アルキルによって置換されている)から選択される二酸から誘導される二酸残基10~100モル%を含む二酸成分;を含み、二酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール及びジアミン成分の合計の総モル%は100モル%である。
【0040】
一実施形態においては、ポリエステルアミドは、(a)CH((C3-8)シクロアルキル-NHであるジアミンから誘導されるジアミン残基1~99モル%を含むジアミン成分;(b)(C3-8)シクロアルキルジ((C1-3)アルカノール)であるジオールから誘導されるジオール残基1~99モル%を含むジオール成分;(c)HOC-(C2-20)アルキレン-COH、又はHOC-(C3-10)シクロアルキル-COH(式中、それぞれのシクロアルキルは非置換であるか、又は1~4つの(C1-3)アルキルによって置換されている);から選択される二酸から誘導される二酸残基10~100モル%を含む二酸成分を含み、二酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール及びジアミン成分の合計の総モル%は100モル%である。
【0041】
一実施形態においては、ジオールは、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、シクロヘキサン-1,3-ジメタノール、シクロペンタン-1,3-ジメタノール、シクロブタン-1,3-ジメタノール、シクロヘプタン-1,4-ジメタノール、又はシクロヘキサン-1,4-ジエタノールから選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジオール残基は約15モル%~約75モル%存在する。
【0042】
この実施形態の1つのクラスにおいては、ジオールは、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール又はシクロヘキサン-1,3-ジメタノールから選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジオールはシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジオールはシクロヘキサン-1,3-ジメタノールである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジオールはシクロブタン-1,3-ジメタノールである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジオールはシクロヘプタン-1,4-ジメタノールである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジオールはシクロヘキサン-1,4-ジエタノールである。任意のこれらのクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオール残基は、約15モル%~約75モル%存在する。
【0043】
一実施形態においては、ジオール残基は約5モル%~約90モル%存在する。他の実施形態においては、ジオール残基は、約10モル%~約90モル%、約10モル%~約80モル%、約15モル%~約30モル%、約30モル%~約50モル%、又は約50モル%~約70モル%存在する。
【0044】
一実施形態においては、ジオール成分は、H-[-O-CH-CH-(CH-]-OH(式中、nは0~2の整数であり;mは2~50の整数である)から誘導されるアルキレングリコール残基を更に含む。この実施形態の1つのクラスにおいては、アルキレングリコール残基は、0.01~10モル%、0.01~5モル%、0.01~1モル%、0.01~0.5モル%、0.01~0.1モル%存在する。
【0045】
一実施形態においては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(3-メチルシクロヘキサン-1-アミン)、4-((4-アミノシクロヘキシル)メチル)-2-メチルシクロヘキサン-1-アミン、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルシクロヘキサン-1-アミン)、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、N-メチルジエタノールアミン、又は1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、或いは2,4,4-トリメチルヘキサンジアミンと2,2,4-トリメチルヘキサンジアミンとの混合物から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミン残基は、約10モル%~約90モル%存在する。
【0046】
この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは4,4’-メチレンビス(3-メチルシクロヘキサン-1-アミン)である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキサン-1-アミン)である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは4-((4-アミノシクロヘキシル)メチル)-2-メチルシクロヘキサン-1-アミンである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルシクロヘキサン-1-アミン)である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンはN-メチルジエタノールアミンである。この実施形態の1つのクラスにおいはて、ジアミンは、2,4,4-トリメチルヘキサンジアミンと2,2,4-トリメチルヘキサンジアミンとの混合物である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンである。任意のこれらのクラスの1つのサブクラスにおいては、ジアミン残基は約10モル%~約85モル%存在する。
【0047】
一実施形態においては、ジアミン残基は約5モル%~約90モル%存在する。他の実施形態においては、ジアミン残基は、約10モル%~約85モル%、約10モル%~約80モル%、約15モル%~約30モル%、約30モル%~約50モル%、又は約50モル%~約70モル%存在する。
【0048】
一実施形態においては、HOC-(C2-40)アルキレン-COHは約40モル%~約70モル%存在し、HOC-(C3-10)シクロアルキル-COHは約30モル%~約60モル%存在する。一実施形態においては、HOC-(C2-40)アルキレン-COHは約50モル%~約60モル%存在し、HOC-(C3-10)シクロアルキル-COHは約40モル%~約50モル%存在する。一実施形態においては、HOC-(C2-20)アルキレン-COHは約40モル%~約70モル%存在し、HOC-(C3-10)シクロアルキル-COHは約30モル%~約60モル%存在する。一実施形態においては、HOC-(C2-20)アルキレン-COHは約50モル%~約60モル%存在し、HOC-(C3-10)シクロアルキル-COHは約40モル%~約50モル%存在する。
【0049】
一実施形態においては、二酸はHOC-(C2-20)アルキレン-COHである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールはシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。一実施形態においては、二酸はHOC-(C2-40)アルキレン-COHである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールはシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。一実施形態においては、二酸はHOC-(C3-10)シクロアルキル-COHである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールはシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。
【0050】
一実施形態においては、二酸は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸(例えばアゼライン酸)、デカン二酸(例えばセバシン酸)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、9-[(Z)-ノン-3-エニル(non-3-enyl)]-10-オクチルノナデカン二酸(ダイマー酸)、9-ノニル-10-オクチルノナデカン二酸(水素化ダイマー酸、Pripol 1009)、シクロブタン-1,3ジカルボン酸、シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘプタン-1,4-ジカルボン酸、シクロオクタン-1,5-ジカルボン酸、又はシクロオクタン-1,4-ジカルボン酸から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールはシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。
【0051】
一実施形態においては、二酸は、アジピン酸、1,12-ドデカン二酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,18-オクタデカン二酸、9-ノニル-10-オクチルノナデカン二酸(水素化ダイマー酸、Pripol 1009)、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、又はシクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、、ジオールはシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。このサブクラスの1つのサブクラスにおいては、、アジピン酸又は1,12-ドデカン二酸は約40モル%~約70モル%存在し、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸は約30モル%~約60モル%存在する。このサブクラスの1つのサブクラスにおいては、アジピン酸又は1,12-ドデカン二酸は約50モル%~約60モル%存在し、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸は約40モル%~約50モル%存在する。
【0052】
一実施形態においては、二酸は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸(例えばアゼライン酸)、デカン二酸(例えばセバシン酸)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、又はエイコサン二酸から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールはシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。
【0053】
一実施形態においては、二酸は、アジピン酸又は1,12-ドデカン二酸から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールはシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。
【0054】
一実施形態においては、二酸は、シクロブタン-1,3-ジカルボン酸、シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘプタン-1,4-ジカルボン酸、シクロオクタン-1,5-ジカルボン酸、又はシクロオクタン-1,4-ジカルボン酸から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールはシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。
【0055】
一実施形態においては、二酸はシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールはシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。
【0056】
一実施形態においては、二酸は9-ノニル-10-オクチルノナデカン二酸(水素化ダイマー酸、Pripol 1009)である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールはシクロヘキサン-1,4-ジメタノールである。
【0057】
一実施形態においては、ポリエステルアミドは、トリメリット酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、ペンタエリトリトール、クエン酸、酒石酸、3-ヒドロキシグルタル酸、グリセリンエリトリトール、トレイトール、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、トリメシン酸、又はジメチロールプロピオン酸から選択される化合物から誘導される分岐剤残基を更に含む。
【0058】
この実施形態の1つのクラスにおいては、分岐剤残基は、ポリエステルアミドの総重量%を基準として約0.01~約10重量%存在する。この実施形態の1つのクラスにおいては、分岐剤残基は、ポリエステルアミドの総重量%を基準として約0.001~約10重量%存在する。この実施形態の他のクラスにおいては、分岐剤残基は、ポリエステルアミドの総重量を基準として、約0.01~約10重量%、約0.001~約5重量%、約0.001~約1重量%、約0.001~約0.05重量%、又は約0.001~約0.01重量%存在する。
【0059】
分岐モノマーは、ポリエステルアミド反応混合物に加えるか、又は例えば米国特許5,654,347及び5,696,176(ポリエステルのための分岐モノマーに関するその開示事項は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、濃縮物の形態でポリエステルアミドとブレンドすることができる。
【0060】
一実施形態においては、ポリエステルアミドは、示差走査熱量測定(DSC)によって求めて約-30℃~約200℃のガラス転移温度を有する。他の実施形態においては、ポリエステルアミドは、示差走査熱量測定(DSC)によって求めて、約-30℃~約20℃、約-20℃~約20℃、約-20℃~約0℃、約0℃~約200℃、約0℃~約20℃、約20℃~約90℃、約40℃~約90℃、約90℃~約130℃、約130℃~約200℃、又は約90℃~約190℃のガラス転移温度を有する。
【0061】
一実施形態においては、ポリエステルアミドは約0.3dL/g~約2.0dL/g、又はそれ以上のインヘレント粘度を有する。他の実施形態においては、ポリエステルアミドは、ASTM-D2857-70にしたがって求めて、約0.3dL/g~約1.4dL/g、約0.4dL/g~約0.8dL/g、約0.4dL/g~約0.5dL/g、約0.5dL/g~約0.6dL/g、約0.6dL/g~約0.7dL/g、約0.7dL/g~約0.8dL/g、約0.8dL/g~約1.4dL/g、約0.9dL/g~約1.4dL/g、又は約1.0dL/g~約1.4dL/gのインヘレント粘度を有する。他の実施形態においては、ポリエステルアミドは、ASTM-D2857-70にしたがって求めて、少なくとも約1.0dL/g、少なくとも約1.1dL/g、少なくとも約1.2dL/g、少なくとも約1.3dL/g、少なくとも約1.4dL/g、少なくとも約1.5dL/g、少なくとも約1.6dL/g、少なくとも約1.7dL/g、少なくとも約1.8dL/g、少なくとも約1.9dL/g、少なくとも約2.0dL/g、少なくとも約2.1dL/g、少なくとも約2.2dL/g、少なくとも約2.3dL/g、またはそれ以上のインヘレント粘度を有する。
【0062】
一実施形態においては、本発明において有用な1種類又は複数のポリエステルアミドの溶融粘度は、回転溶融レオメーター上で280℃において1ラジアン/秒で測定して30,000ポアズ未満である。別の実施形態においては、本発明において有用な1種類又は複数のポリエステルの溶融粘度は、回転溶融レオメーター上で280℃において1ラジアン/秒で測定して、20,000ポアズ未満、10,000ポアズ未満、9,000ポアズ未満、8,000ポアズ未満、7,000ポアズ未満、6,000ポアズ未満である。ラジアン/秒における粘度は加工性に関係する。このタイプの通常のポリマーは、それらの加工温度において測定した場合に1ラジアン/秒で測定して10,000ポアズ未満の粘度を有する。
【0063】
また、(a)(C2-20)アルキルジアミン、CH((C3-8)シクロアルキル-NH、HN-((C1-3)アルキル)0-1-(C3-8)シクロアルキルー((C1-3)アルキル)0-1-NH、2個の窒素原子を含む6~8員のヘテロシクリル、又はHN-((C1-3)アルキル)0-1-(C6-10)ビシクロアルキル-((C1-3)アルキル)0-1-NH(ここで、ビシクロアルキルは非橋架又は橋架である)から選択されるジアミンから誘導されるジアミン残基1~99モル%を含むジアミン成分;(b)(C3-8)シクロアルキルジオールであるジオールから誘導されるジオール残基1~99モル%を含むジオール成分;(c)HOC-(C2-40)アルキレン-COH、又はHOC-(C3-10)シクロアルキル-COH(ここで、それぞれのシクロアルキルは、非置換であるか、又は1~4個の(C1-3)アルキルによって置換されている)から選択される二酸から誘導される二酸残基10~100モル%を含む二酸成分;を含み、二酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール及びジアミン成分の合計の総モル%は100モル%であるポリエステルアミドも開示される。
【0064】
一実施形態においては、ポリエステルアミドは、(a)(C2-20)アルキルジアミン、CH((C3-8)シクロアルキル-NH、HN-((C1-3)アルキル)0-1-(C3-8)シクロアルキル-((C1-3)アルキル)0-1-NH、2個の窒素原子を含む6~8員のヘテロシクリル、又はHN-((C1-3)アルキル)0-1-(C6-10)ビシクロアルキル-((C1-3)アルキル)0-1-NH(ここで、ビシクロアルキルは非橋架又は橋架である)から選択されるジアミンから誘導されるジアミン残基1~99モル%を含むジアミン成分;(b)(C3-8)シクロアルキルジオールであるジオールから誘導されるジオール残基1~99モル%を含むジオール成分;(c)HOC-(C2-20)アルキレン-COH、又はHOC-(C3-10)シクロアルキル-COH(ここで、それぞれのシクロアルキルは、非置換であるか、又は1~4個の(C1-3)アルキルによって置換されている)から選択される二酸から誘導される二酸残基10~100モル%を含む二酸成分;を含み、二酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール及びジアミン成分の合計の総モル%は100モル%である。
【0065】
一実施形態においては、ジオールは、シクロブタン-1,3-ジオール、2,4-ジメチルシクロブタン-1,3-ジオール、2,4-ジエチルシクロブタン-1,3-ジオール、2,2-ジメチルシクロブタン-1,3-ジオール、又は2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールから選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジオールはシクロブタン-1,3-ジオールである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジオールは2,4-ジメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジオールは2,4-ジエチルシクロブタン-1,3-ジオールである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジオールは2-ジメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジオールは2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。任意のこれらのクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオール残基は約15モル%~約65モル%存在する。
【0066】
一実施形態においては、ジオール残基は約5モル%~約90モル%存在する。別の実施形態においては、ジオール残基は、約10モル%~約90モル%、約10モル%~約80モル%、約15モル%~約30モル%、約30モル%~約50モル%、約50モル%~約70モル%、又は約15モル%~約65モル%存在する。
【0067】
一実施形態においては、ジオール成分は、H-[-O-CH-CH-(CH-]-OH(ここで、nは0~2の整数であり;mは2~50の整数である)から誘導されるアルキレングリコール残基を更に含む。この実施形態の1つのクラスにおいては、アルキレングリコール残基は、0.01~10モル%、0.01~5モル%、0.01~1モル%、0.01~0.5モル%、又は0.01~0.1モル%存在する。
【0068】
一実施形態においては、ジアミンは(C2-20)アルキルジアミンである。一実施形態においては、ジアミンはCH((C3-8)シクロアルキル-NHである。一実施形態においては、ジアミンはHN-((C1-3)アルキル)0-1-(C3-8)シクロアルキル-((C1-3)アルキル)0-1-NHである。任意の実施形態の1つのクラスにおいては、ジオール残基は約35モル%~約85モル%存在する。
【0069】
一実施形態においては、ジアミンは、2個の窒素原子を含む6~8員のヘテロシクリルである。一実施形態においては、ジアミンは、HN-((C1-3)アルキル)0-1-(C6-10)ビシクロアルキル-((C1-3)アルキル)0-1-NH(ここで、ビシクロアルキルは非橋架又は橋架である)である。いずれかの実施形態の1つのクラスにおいては、ジオール残基は約35モル%~約85モル%存在する。
【0070】
一実施形態においては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,6-ヘキサンジアミン、2,4,5-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、5-アミノ-1,3,3-トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、又は2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジアミン、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、N-メチルジエタノールアミン、又は2,4,4-トリメチルヘキサンジアミンと2,2,4-トリメチルヘキサンジアミンとの混合物から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは1,6-ヘキサンジアミンである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは2,4,5-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミンである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは5-アミノ-1,3,3-トリメチルシクロヘキサンメチルアミンである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジアミンである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンはN-メチルジエタノールアミンである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、2,4,4-トリメチルヘキサンジアミンと2,2,4-トリメチルヘキサンジアミンとの混合物である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンである。このクラスの任意の実施形態の1つのサブクラスにおいては、ジオール残基は約35モル%~約85モル%存在する。
【0071】
一実施形態においては、ジアミン残基は約5モル%~約90モル%存在する。他の実施形態においては、ジアミン残基は、約10モル%~約90モル%、約10モル%~約80モル%、約15モル%~約30モル%、約30モル%~約50モル%、約50モル%~約70モル%、約15モル%~約65モル%、又は約35モル%~約85モル%存在する。
【0072】
一実施形態においては、HOC-(C2-40)アルキレン-COHは約40モル%~約70モル%存在し、HOC-(C3-10)シクロアルキル-COHは約30モル%~約60モル%存在する。一実施形態においては、HOC-(C2-40)アルキレン-COHは約50モル%~約60モル%存在し、HOC-(C3-10)シクロアルキル-COHは約40モル%~約50モル%存在する。
【0073】
一実施形態においては、HOC-(C2-20)アルキレン-COHは約40モル%~約70モル%存在し、HOC-(C3-10)シクロアルキル-COHは約30モル%~約60モル%存在する。一実施形態においては、HOC-(C2-20)アルキレン-COHは約50モル%~約60モル%存在し、HOC-(C3-10)シクロアルキル-COHは約40モル%~約50モル%存在する。
【0074】
一実施形態においては、二酸はHOC-(C2-40)アルキレン-COHである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールは2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。
【0075】
一実施形態においては、二酸はHOC-(C2-20)アルキレン-COHである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールは2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。
【0076】
一実施形態においては、二酸はHOC-(C3-10)シクロアルキル-COHである。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールは2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。
【0077】
一実施形態においては、二酸は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸(例えばアゼライン酸)、デカン二酸(例えばセバシン酸)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、9-[(Z)-ノン-3-エニル]-10-オクチルノナデカン二酸(ダイマー酸)、9-ノニル-10-オクチルノナデカン二酸(水素化ダイマー酸、Pripol 1009)、シクロブタン-1,3ジカルボン酸、シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘプタン-1,4-ジカルボン酸、シクロオクタン-1,5-ジカルボン酸、又はシクロオクタン-1,4-ジカルボン酸から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールは2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。
【0078】
一実施形態においては、二酸は、アジピン酸、1,12-ドデカン二酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,18-オクタデカン二酸、9-ノニル-10-オクチルノナデカン二酸(水素化ダイマー酸、Pripol 1009)、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、又はシクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールは2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。このサブクラスの1つのサブクラスにおいては、アジピン酸又は1,12-ドデカン二酸は約40モル%~約70モル%存在し、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸は約30モル%~約60モル%存在する。このサブクラスの1つのサブクラスにおいては、アジピン酸又は1,12-ドデカン二酸は約50モル%~約60モル%存在し、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸は約40モル%~約50モル%存在する。
【0079】
一実施形態においては、二酸は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸(例えばアゼライン酸)、デカン二酸(例えばセバシン酸)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、又はエイコサン二酸から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールは2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。
【0080】
一実施形態においては、二酸は、アジピン酸、又は1,12-ドデカン二酸から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールは2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。
【0081】
一実施形態においては、二酸は、シクロブタン-1,3-ジカルボン酸、シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘプタン-1,4-ジカルボン酸、シクロオクタン-1,5-ジカルボン酸、又はシクロオクタン-1,4-ジカルボン酸から選択される。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールは2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。
【0082】
一実施形態においては、二酸はシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールは2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。
【0083】
一実施形態においては、二酸は9-ノニル-10-オクチルノナデカン二酸(水素化ダイマー酸、Pripol 1009)である。この実施形態の1つのクラスにおいては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。このクラスの1つのサブクラスにおいては、ジオールは2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオールである。
【0084】
一実施形態においては、ポリエステルアミドは、トリメリット酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、ペンタエリトリトール、クエン酸、酒石酸、3-ヒドロキシグルタル酸、グリセリンエリトリトール、トレイトール、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、トリメシン酸、又はジメチロールプロピオン酸から選択される化合物から誘導される分枝剤残基を更に含む。
【0085】
この実施形態の1つのクラスにおいては、分岐剤残基は、ポリエステルアミドの総重量を基準として約0.001~約10重量%存在する。この実施形態の他のクラスにおいては、分岐剤残基は、ポリエステルアミドの総重量を基準として、約0.01~約10重量%、約0.001~約5重量%、約0.001~約1重量%、約0.001~約0.05重量%、又は約0.001~約0.01重量%存在する。
【0086】
分岐モノマーは、ポリエステルアミド反応混合物に加えるか、又は例えば米国特許5,654,347及び5,696,176(分岐モノマーに関するその開示事項は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、濃縮物の形態でポリエステルアミドとブレンドすることができる。
【0087】
一実施形態においては、ポリエステルアミドは、エポキシシラン又はイソシアネートシランから誘導されるシラン残基を更に含む。この実施形態の1つのクラスにおいては、シラン残基は、ポリエステルアミドの総重量を基準として約0.001~約10重量%存在する。この実施形態の他のクラスにおいては、シラン残基は、ポリエステルアミドの総重量を基準として、約0.01~約10重量%、約0.001~約5重量%、約0.001~約1重量%、約0.001~約0.05重量%、又は約0.001~約0.01重量%存在する。
【0088】
一実施形態においては、ポリエステルアミドは、示差走査熱量測定(DSC)によって求めて約0℃~約200℃のガラス転移温度を有する。この実施形態の他のクラスにおいては、ポリエステルアミドは、示差走査熱量測定(DSC)によって求めて、約0℃~約20℃、約20℃~約90℃、約40℃~約90℃、約90℃~約130℃、約130℃~約200℃、又は約90℃~約190℃のガラス転移温度を有する。
【0089】
一実施形態においては、ポリエステルアミドは、ASTM-D2857-70にしたがって求めて約0.3dL/g~約2.0dL/g、又はそれ以上のインヘレント粘度を有する。この実施形態の他のクラスにおいては、ポリエステルアミドは、ASTM-D2857-70にしたがって求めて、約0.3dL/g~約1.4dL/g、約0.4dL/g~約0.8dL/g、約0.4dL/g~約0.5dL/g、約0.5dL/g~約0.6dL/g、約0.6dL/g~約0.7dL/g、約0.7dL/g~約0.8dL/g、約0.8dL/g~約1.4dL/g、約0.9dL/g~約1.4dL/g、又は約1.0dL/g~約1.4dL/gのインヘレント粘度を有する。他の実施形態においては、ポリエステルアミドは、ASTM-D2857-70にしたがって求めて、少なくとも約1.0dL/g、少なくとも約1.1dL/g、少なくとも約1.2dL/g、少なくとも約1.3dL/g、少なくとも約1.4dL/g、少なくとも約1.5dL/g、少なくとも約1.6dL/g、少なくとも約1.7dL/g、少なくとも約1.8dL/g、少なくとも約1.9dL/g、少なくとも約2.0dL/g、少なくとも約2.1dL/g、少なくとも約2.2dL/g、少なくとも約2.3dL/g、又はそれ以上のインヘレント粘度を有する。
【0090】
一実施形態においては、本発明において有用な1種類又は複数のポリエステルの溶融粘度は、回転溶融レオメーター上で280℃において1ラジアン/秒で測定して30,000ポアズ未満である。別の実施形態においては、本発明において有用な1種類又は複数のポリエステルの溶融粘度は、回転溶融レオメーター上で280℃において1ラジアン/秒で測定して、20,000ポアズ未満、10,000ポアズ未満、9,000ポアズ未満、8,000ポアズ未満、7,000ポアズ未満、又は6,000ポアズ未満である。ラジアン/秒における粘度は加工性に関係する。通常のポリマーは、それらの加工温度において測定した場合に1ラジアン/秒で測定して10,000ポアズ未満の粘度を有する。
【0091】
組成物:
本出願はまた、本明細書中に開示されるポリエステルアミドを含む組成物にも関する。本組成物には、当業者に公知の添加剤を更に含ませることができる。一実施形態においては、本組成物は、酸化防止剤、着色剤、離型剤、難燃剤、可塑剤、成核剤、UV安定剤、UV吸収剤、熱安定剤、ガラス繊維、炭素繊維、フィラー、耐衝撃性改良剤、及びシラン(例えばエポキシシラン又はイソシアネートシラン)から選択される添加剤を更に含む。他の実施形態においては、本組成物は1種類より多い添加剤を含む。
【0092】
当該技術において周知であり本発明で有用な商業的に入手できる耐衝撃性改良剤の例としては、エチレン-co-グリシジルメタクリレートベースの耐衝撃性改良剤、エチレン/プロピレンターポリマーベースの耐衝撃性改良剤、スチレンベースのブロックコポリマー耐衝撃性改良剤、及び種々のアクリルコア/シェルタイプの耐衝撃性改良剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
熱安定剤は、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、亜ホスホン酸、並びにそれらの種々のエステル及び塩など(しかしながらこれらに限定されない)の、溶融加工中にポリエステルを安定化するのに有効であることが知られている化合物である。エステルは、アルキル、分岐アルキル、置換アルキル、二官能性アルキル、アルキルエーテル、アリール、及び置換アリールであってよい。特定のリン化合物中に存在するエステル基の数は、使用されるリン化合物上に存在するヒドロキシル基の数に基づいて、ゼロから最大許容量まで変化させることができる。
【0094】
熱安定剤の例としては、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、t-ブトキシエチルホスフェート、t-ブチルフェニルジフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、エチルジメチルホスフェート、イソデシルジフェニルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレシルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、t-ブチルフェニルジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、トリベンジルホスフェート、フェニルエチルホスフェート、トリメチルチオノホスフェート、フェニルエチルチオノホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、ジエチルメチルホスホネート、ジエチルペンチルホスホネート、ジラウリルメチルホスホネート、ジフェニルメチルホスホネート、ジベンジルメチルホスホネート、ジフェニルクレシルホスホネート、ジメチルクレシルホスホネート、ジメチルメチルチオノホスホネート、フェニルジフェニルホスフィネート、ベンジルジフェニルホスフィネート、メチルジフェニルホスフィネート、トリメチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、トリベンジルホスフィンオキシド、4-メチルジフェニルホスフィンオキシド、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリベンジルホスファイト、フェニルジエチルホスファイト、フェニルジメチルホスファイト、ベンジルジメチルホスホナイト、ジメチルメチルホスホナイト、ジエチルペンチルホスホナイト、ジフェニルメチルホスホナイト、ジベンジルメチルホスホナイト、ジメチルクレシルホスホナイト、メチルジメチルホスフィナイト、メチルジエチルホスフィナイト、フェニルジフェニルホスフィナイト、メチルジフェニルホスフィナイト、ベンジルジフェニルホスフィナイト、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、Merpol A、及びメチルジフェニルホスフィンが挙げられる。
【0095】
また、強化材料も本発明の組成物において有用である。強化材料としては、炭素フィラメント、シリケート、マイカ、クレイ、タルク、二酸化チタン、珪灰石、ガラスフレーク、ガラスビーズ及び繊維、並びにポリマー繊維、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。好ましい強化材料はガラスであり、繊維状ガラスフィラメント、ガラスとタルク、ガラスとマイカ、及びガラスとポリマー繊維の混合物を使用することが更に好ましい。
【0096】
一実施形態においては、本組成物に、本明細書に開示されるもの以外、又は異なるジオール、ジアミン、及び/又は二酸を有するポリエステルアミド、セルロースエステル、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリ(ビニルブチラール)、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、スチレンアクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、アクリルコポリマー、ポリ(エーテルイミド)、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリスルホンエーテル、又は芳香族ジヒドロキシ化合物のポリ(エーテルケトン)から選択されるポリマーを更に含ませることができる。
【0097】
この実施形態の1つのクラスにおいては、ポリエステルアミドは、組成物の総重量を基準として約1~約99重量%存在し;(ポリエステルアミド以外の)ポリマーは、組成物の総重量を基準として約1~約99重量%存在する。この実施形態の1つのクラスにおいては、ポリエステルアミドは、組成物の総重量を基準として約5~約95重量%存在し;ポリマーは、組成物の総重量を基準として約5~約95重量%存在するが、所望の特性に応じて他の量を使用することができる。
【0098】
中間膜、シート、及びフィルム:
本出願はまた、本明細書に開示されるポリエステルアミド又は組成物を含む層、中間膜、シート、又はフィルムにも関する。幾つかの実施形態においては、ポリエステルアミドはアモルファスであってよく、一方で他の実施形態においては、ポリエステルアミドは半結晶質であってよい。本明細書に開示されるポリエステルアミド又は組成物を含む層、中間膜、シート、又はフィルムを形成する方法は、当該技術において周知である。かかる層、中間膜、シート、又はフィルムは、本発明の種々の実施形態によるポリエステルアミド又は組成物から、任意の好適な方法を用いて製造することができ、これとしては、押出、共押出、カレンダー加工、圧縮成形、射出成形、及び溶液キャストが挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
本明細書において使用される「中間膜」という用語は、多層パネルの形成において使用するために好適な単層又は多層ポリマーシートを指す。多層パネルは、通常は、ガラスのような硬質材料から形成することができる2枚の基材の間に中間膜をサンドイッチし、アセンブリを積層して多層積層パネルを形成することによって形成される。多層パネルは、単層又は多層中間膜を使用して形成することができる。本明細書において使用される「層」、「単層」、及び「モノリス型」という用語は、1つの単一のポリマー層から形成される中間膜を指し、一方で「複数層」又は「多層」という用語は、互いに隣接して互いと接触している2以上のポリマー層を有する中間膜を指す。本明細書において使用される「層」及び「中間膜」は互換的に使用することができる。中間膜のそれぞれのポリマー層には、シートに形成された、場合により(1種類又は複数のポリマー樹脂のタイプ及び所望の特性に応じて)1種類以上の可塑剤と組み合わされた1種類以上のポリマー樹脂を含ませることができる。1以上のポリマー層に追加の添加剤を更に含ませることができるが、これらは必須ではない。多層中間膜に関して、特に異なるポリマー又は材料の複数の層に関しては、層を処理して界面接着を向上させることができ、又はシラン含有薬剤のような添加剤を加えて層間の接着を促進又は向上させることができる。2つのポリマー層の間で接着剤の層又はコーティング(例えば結合層)を使用して、層の間、特に異なるポリマーの層の間の接着を向上させることもできる。
【0100】
本明細書に記載するポリマー層において使用される1種類又は複数のポリマー樹脂には、1種類以上の熱可塑性ポリマー樹脂を含ませることができる。幾つかの実施形態においては、1種類又は複数の熱可塑性樹脂は、ポリマー層の総重量を基準として、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約55重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約96重量%、少なくとも約97重量%、少なくとも約98重量%、又は少なくとも約99重量%、或いはそれ以上の量でポリマー層中に存在させることができる。2種類以上の樹脂を存在させる場合、それぞれは、ポリマー層の総重量を基準として、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%、又は少なくとも約50重量%の量で存在させることができる。
【0101】
幾つかの実施形態においては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、N-メチルジエタノールアミン、2,4,4-トリメチルヘキサンジアミンと2,2,4-トリメチルヘキサンジアミンとの混合物、或いはそれらの混合物から選択される。幾つかの実施形態においては、ジアミンは4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)である。幾つかの実施形態においては、ジアミンは20~75モル%の量で存在する。幾つかの実施形態においては、ジアミンは、20~40モル%、40~60モル%、45~55モル%、45~50モル%、又は少なくとも20モル%、或いは75モル%以下の量で存在する。
【0102】
幾つかの実施形態においては、ジオールは、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、又はポリテトラヒドロフランジオールから選択される。幾つかの実施形態においては、ジオールは1,3-シクロヘキサンジメタノールである。幾つかの実施形態においては、ジオールは1,4-シクロヘキサンジメタノールである。幾つかの実施形態においては、少なくとも2種類のジオールが存在する。幾つかの実施形態においては、ジオールは40~80モル%の量で存在する。幾つかの実施形態においては、ジアミンは、40~70モル%、40~60モル%、50~60モル%、又は50~55モル%の量で存在する。
【0103】
幾つかの実施形態においては、二酸は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、9-[(Z)-ノン-3-エニル]-10-オクチルノナデカン二酸、9-ノニル-10-オクチルノナデカン二酸、シクロブタン-1,3-ジカルボン酸、シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘプタン-1,4-ジカルボン酸、シクロオクタン-1,5-ジカルボン酸、又はシクロオクタン-1,4-ジカルボン酸、水素化ダイマー酸、又はそれらの2以上の二酸の混合物から選択される。幾つかの実施形態においては、二酸は、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、又は水素化ダイマー酸、或いはそれらの2以上の二酸の混合物から選択される。幾つかの実施形態においては、2種類の二酸が存在する。
【0104】
幾つかの実施形態においては、ポリエステルアミドは、トリメリット酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、ペンタエリトリトール、クエン酸、酒石酸、3-ヒドロキシグルタル酸、グリセリンエリトリトール、トレイトール、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、トリメシン酸、又はジメチロールプロピオン酸から選択される化合物から誘導される分岐剤を更に含む。幾つかの実施形態においては、分岐剤は、ポリエステルアミドの総重量%を基準として約0.01~約10重量%存在する。
【0105】
幾つかの実施形態においては、ポリエステルアミドは、上記したように、エポキシシラン又はイソシアネートシランのようなシラン添加剤を含む。
幾つかの実施形態においては、中間膜は少なくとも40℃のガラス転移温度を有する。幾つかの実施形態においては、中間膜は、DMTAにしたがって求めて、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、少なくとも70℃、又はそれ以上のガラス転移温度を有する。他の実施形態においては、中間膜は、DMTAにしたがって求めて、40℃未満、35℃未満、30℃未満、又は25℃未満のガラス転移温度値を有する。幾つかの実施形態においては、層又は中間膜は、少なくとも-35℃、少なくとも0℃、少なくとも5℃、少なくとも10℃、又はそれ以上のガラス転移温度を有する。
【0106】
幾つかの実施形態においては、ポリエステルアミドは、ASTM-D2857-70にしたがって求めて、少なくとも約0.5dL/g、少なくとも約0.6dL/g、少なくとも約0.7dL/g、少なくとも約0.8dL/g、少なくとも約0.9dL/g、又は少なくとも約1.0dL/gのインヘレント粘度を有する。幾つかの実施形態においては、ポリエステルアミドは、ASTM-D2857-70にしたがって求めて、少なくとも約1.05dL/g、少なくとも1.10dL/g、少なくとも1.15dL/g、少なくとも1.20dL/g、少なくとも約1.3dL/g、少なくとも約1.4dL/g、少なくとも約1.5dL/g、少なくとも約1.6dL/g、少なくとも約1.7dL/g、少なくとも約1.8dL/g、少なくとも約1.9dL/g、少なくとも約2.0dL/g、少なくとも約2.1dL/g、少なくとも約2.2dL/g、少なくとも約2.3dL/g、又はそれ以上のインヘレント粘度を有する。
【0107】
幾つかの実施形態においては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)又は4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選択される。幾つかの実施形態においては、ジアミンは4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)である。幾つかの実施形態においては、ジアミンは、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)と4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)の混合物である。幾つかの実施形態においては、ジアミンは20~60モル%の量で存在する。
【0108】
幾つかの実施形態においては、ジオールは、1,3-シクロヘキサンジメタノール又は1,4-シクロヘキサンジメタノールから選択される。幾つかの実施形態においては、ジオールは1,3-シクロヘキサンジメタノールである。幾つかの実施形態においては、ジオールは1,4-シクロヘキサンジメタノールである。幾つかの実施形態においては、2種類以上のジオールが存在する。幾つかの実施形態においては、ジオールは40~80モル%の量で存在する。
【0109】
幾つかの実施形態においては、二酸は、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、9-[(Z)-ノン-3-エニル]-10-オクチルノナデカン二酸、9-ノニル-10-オクチルノナデカン二酸、シクロブタン-1,3-ジカルボン酸、シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘプタン-1,4-ジカルボン酸、シクロオクタン-1,5-ジカルボン酸、又はシクロオクタン-1,4-ジカルボン酸から選択される。幾つかの実施形態においては、二酸は、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、又は水素化ダイマー酸から選択される。幾つかの実施形態においては、2種類以上の二酸が存在する。
【0110】
幾つかの実施形態においては、ポリエステルアミドは、ASTM-D2857-70にしたがって求めて、少なくとも約0.5dL/g、少なくとも約0.6dL/g、又は少なくとも約0.7dL/gのインヘレント粘度を有する。幾つかの実施形態においては、ポリエステルアミドは、ASTM-D2857-70にしたがって求めて、少なくとも約0.8dL/g、少なくとも約0.9dL/g、少なくとも約1.0dL/g、少なくとも約1.05dL/g、少なくとも約1.10dL/g、少なくとも1.15dL/g、少なくとも1.20dL/g、少なくとも約1.3dL/g、少なくとも約1.4dL/g、少なくとも約1.5dL/g、少なくとも約1.6dL/g、少なくとも約1.7dL/g、少なくとも約1.8dL/g、少なくとも約1.9dL/g、少なくとも約2.0dL/g、少なくとも約2.1dL/g、少なくとも約2.2dL/g、少なくとも約2.3dL/g、又はそれ以上のインヘレント粘度を有する。
【0111】
幾つかの実施形態においては、中間膜は、DMTAによって測定して少なくとも-30℃のガラス転移温度を有する。幾つかの実施形態においては、中間膜は、DMTAによって測定して、少なくとも-30℃、少なくとも-20℃、少なくとも-10℃、少なくとも0℃、少なくとも5℃、少なくとも10℃、又は少なくとも15℃、或いはそれ以上のガラス転移温度を有する。
【0112】
ポリエステルアミドを含む層は、中間膜として単独で、又は他の熱可塑性ポリマーを含む層と組み合わせて使用することができる。好適な熱可塑性ポリマーの例としては、ポリビニルアセタールポリマー(PVA)(例えば、ポリ(ビニルブチラール)(PVB)、又はポリ(ビニルブチラール)の異性体で、PVB又はPVisoBとも呼ばれるポリ(ビニルイソブチラール))、脂肪族ポリウレタン(PU)、ポリ(エチレン-co-ビニルアセテート)(EVA)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリ(塩化ビニル-co-メタクリレート)、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリオレフィン、シリコーンエラストマー、エポキシ樹脂、エチレンアクリレートエステルコポリマー、ポリ(エチレン-co-ブチルアクリレート)、及びエチレン/カルボン酸コポリマー及びそのイオノマーのような酸コポリマー、並びに前述の可能性のある熱可塑性樹脂のいずれかから誘導されるもの、上記の組み合わせなどを挙げることができるが、これらに限定されない。ポリウレタンは、異なる硬度を有し得る。代表的なポリウレタンポリマーは、ASTM-D-2240にしたがって85未満のショアA硬度を有する。ポリウレタンポリマーの例は、20℃未満のガラス転移温度を有する脂肪族イソシアネートポリエーテル系ポリウレタンであるAG8451及びAG5050(Woburn, MAのThermedics Inc.から商業的に入手できる)である。EVAポリマー(又はコポリマー)は、種々の量のビニルアセテート基を含み得る。望ましいビニルアセテート含量は、一般に約10~約90モル%である。より低いビニルアセテート含量を有するEVAは、低温における遮音のために使用することができる。エチレン/カルボン酸コポリマーは、一般に、1~25モル%のカルボン酸含量を有するポリ(エチレン-co-メタクリル酸)及びポリ(エチレン-co-アクリル酸)である。エチレン/カルボン酸コポリマーのイオノマーは、アルカリ金属(例えばナトリウム)及びアルカリ性金属(alkaline metals)(例えばマグネシウム)の水酸化物、アンモニア、又は亜鉛のような遷移金属の他の水酸化物のような塩基でコポリマーを部分的又は完全に中和することによって得ることができる。好適なイオノマーの例としては、Surlyn(登録商標)イオノマー樹脂(DuPont, Wilmington, Delawareから商業的に入手できる)が挙げられる。幾つかの実施形態においては、熱可塑性ポリマーは、ポリ(ビニルアセタール)樹脂、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(エチレン-co-ビニル)アセテート、及びポリウレタンからなる群から選択することができ、一方で他の実施形態においては、ポリマーは1種類以上のポリ(ビニルアセタール)樹脂を含んでいてよい。中間膜が1つより多いポリマー層を含む場合には、それぞれの層は同じタイプの熱可塑性ポリマー樹脂を含んでいてよく、又は1以上の層は少なくとも1つの異なるタイプの樹脂を含んでいてよい。
【0113】
また、セルロースエステル、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、スチレンアクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、アクリルコポリマー、ポリ(エーテルイミド)、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリスルホンエーテル、又は芳香族ジヒドロキシ化合物のポリ(エーテルケトン)のような他のタイプのポリマー又はポリマー層を有する層又は中間膜を使用することもできる。
【0114】
1以上の層において使用される熱可塑性ポリマー樹脂は、任意の好適な方法によって形成することができる。幾つかの実施形態においては、熱可塑性ポリマー樹脂がポリ(ビニルアセタール)樹脂を含む場合、かかる樹脂は、例えば米国特許2,282,057及び2,282,026、並びにWade, B. 2016, Vinyl Acetal Polymers, Encyclopedia of Polymer Science & Technology, 1-22(オンライン、著作権2016, John Wiley & Sons, Inc.)に記載されているもののような公知の方法にしたがって、ポリ(ビニルアルコール)を触媒の存在下で1種類以上のアルデヒドでアセタール化することによって形成することができる。得られるポリ(ビニルアセタール)樹脂は、ASTM-D1396にしたがって樹脂のアセタール化%として測定して少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、又は少なくとも約90重量%の少なくとも1種類のアルデヒドの残基を含み得る。ポリ(ビニルアセタール)樹脂中のアルデヒド残基の総量はアセタール含量として総称することができ、ポリ(ビニルアセタール)樹脂の残りは残留ヒドロキシル基(ビニルヒドロキシル基として)及び残留エステル基(ビニルアセテート基として)であり、これは下記において更に詳細に議論する。
【0115】
好適なポリ(ビニルアセタール)樹脂は任意のアルデヒドの残基を含み得、幾つかの実施形態においては少なくとも1種類のC~Cアルデヒドの残基を含み得る。好適なC~Cアルデヒドの例としては、例えばn-ブチルアルデヒド、i-ブチルアルデヒド(イソブチルアルデヒドとも呼ばれる)、2-メチルバレルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。本明細書に記載する層及び中間膜において使用するポリ(ビニルアセタール)樹脂の1以上は、樹脂のアルデヒド残基の総重量を基準として少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、又は少なくとも約70重量%の少なくとも1種類のC~Cアルデヒドの残基を含み得る。或いは、又は更には、ポリ(ビニルアセタール)樹脂は、約99重量%以下、約95重量%以下、約90重量%以下、約85重量%以下、約80重量%以下、約75重量%以下、約70重量%以下、又は約65重量%以下の少なくとも1種類のC~Cアルデヒドを含み得る。C~Cアルデヒドは上記に示した群から選択することができ、或いはこれはn-ブチルアルデヒド、i-ブチルアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒド、及びこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0116】
種々の実施形態においては、ポリ(ビニルアセタール)樹脂は、主としてn-ブチルアルデヒドの残基を含み、例えば約30重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約2重量%以下、又は約1重量%以下のn-ブチルアルデヒド以外のアルデヒドの残基を含んでいてよいポリ(ビニルブチラール)(PVB)樹脂であってよい。通常は、ポリ(ビニルブチラール)樹脂中に存在するn-ブチルアルデヒド以外のアルデヒドの残基としては、イソブチルアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒド、及びこれらの組合せを挙げることができる。ポリ(ビニルアセタール)樹脂がポリ(ビニルブチラール)樹脂を含む場合には、樹脂の重量平均分子量は、テトラヒドロフラン中においてCotts及びOuanoの低角レーザー光散乱(SEC/LALLS)法を用いてサイズ排除クロマトグラフィーによって測定して少なくとも約30,000ダルトン、少なくとも約40,000ダルトン、少なくとも約50,000ダルトン、少なくとも約65,000ダルトン、少なくとも約75,000ダルトン、少なくとも約85,000ダルトン、少なくとも約100,000ダルトン、又は少なくとも約125,000ダルトン、及び/又は約500,000ダルトン以下、約450,000ダルトン以下、約300,000ダルトン以下、約350,000ダルトン以下、約300,000ダルトン以下、約250,000ダルトン以下、約200,000ダルトン以下、約170,000ダルトン以下、約160,000ダルトン以下、約155,000ダルトン以下、約150,000ダルトン以下、約140,000ダルトン以下、又は約135,000ダルトン以下であってよい。
【0117】
一般に、ポリ(ビニルアセタール)樹脂は、ポリ(ビニルアセテート)をポリ(ビニルアルコール)に加水分解し、次にポリ(ビニルアルコール)を1以上の上記のアルデヒドによってアセタール化してポリ(ビニルアセタール)樹脂を形成することによって製造することができる。ポリ(ビニルアセテート)を加水分解するプロセスにおいては、全てのアセテート基がヒドロキシル基に転化する訳ではなく、その結果、残留アセテート基が樹脂上に残留する。同様に、ポリ(ビニルアルコール)をアセタール化するプロセスにおいては、全てのヒドロキシル基がアセタール基に転化する訳ではなく、同様に樹脂上に残留ヒドロキシル基が残留する。その結果、殆どのポリ(ビニルアセタール)樹脂は、ポリマー鎖の一部として、残留ヒドロキシル基(ビニルヒドロキシル基として)、及び残留アセテート基(ビニルアセテート基として)の両方を含む。本明細書において用いる「残留ヒドロキシル含量」及び「残留アセテート含量」という用語は、それぞれ処理が完了した後に樹脂上に残留するヒドロキシル基及びアセテート基の量を指す。残留ヒドロキシル含量及び残留アセテート含量は両方ともポリマー樹脂の重量を基準とする重量%で表され、ASTM-D1396にしたがって測定される。
【0118】
また、1以上のポリマー層に、少なくとも1種類の可塑剤を含ませることもできる。存在させる場合には、1以上のポリマー層の可塑剤含量は、樹脂100部あたり少なくとも約2部(phr)、少なくとも約5phr、少なくとも約6phr、少なくとも約8phr、少なくとも約10phr、少なくとも約15phr、少なくとも約20phr、少なくとも約25phr、少なくとも約30phr、少なくとも約35phr、少なくとも約40phr、少なくとも約45phr、少なくとも約50phr、少なくとも約55phr、少なくとも約60phr、少なくとも約65phr、少なくとも約70phr、少なくとも約75phr、又は少なくとも約80phr、及び/又は約120phr以下、約110phr以下、約105phr以下、約100phr以下、約95phr以下、約90phr以下、約85phr以下、約75phr以下、約70phr以下、約65phr以下、約60phr以下、約55phr以下、約50phr以下、約45phr以下、約40phr以下、又は約35phr以下であってよい。幾つかの実施形態においては、1以上のポリマー層は、35phr以下、約32phr以下、約30phr以下、約27phr以下、約26phr以下、約25phr以下、約24phr以下、約23phr以下、約22phr以下、約21phr以下、約20phr以下、約19phr以下、約18phr以下、約17phr以下、約16phr以下、約15phr以下、約14phr以下、約13phr以下、約12phr以下、約11phr以下、又は約10phr以下の可塑剤含量を有していてよい。
【0119】
本明細書において使用いる「樹脂100部あたりの部」又は「phr」という用語は、重量基準で樹脂100部あたりに存在する可塑剤の量を指す。例えば、30gの可塑剤を100gの樹脂に加えた場合には、可塑剤含量は30phrである。ポリマー層が2種類以上の樹脂を含む場合には、可塑剤の重量を存在する全樹脂の合計量と比較して樹脂100部あたりの部を求める。更に、本明細書において層又は中間膜の可塑剤含量が与えられている場合には、これは、他に示していない限りにおいて層又は中間膜を製造するために用いた混合物又は溶融物中の可塑剤の量に関して与えられている。
【0120】
本明細書に記載するポリマー層中において任意の好適な可塑剤を用いることができる。可塑剤は、少なくとも約6、及び/又は約30以下、約25以下、約20以下、約15以下、約12以下、又は約10以下の炭素原子の炭化水素セグメントを有していてよい。可塑剤の例としては、中でも多塩基酸又は多価アルコールのエステルが挙げられる。好適な可塑剤のより具体的な例としては、トリエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)(3GEH)、トリエチレングリコールジ(2-エチルブチレート)、テトラエチレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)(4GEH)、トリエチレングリコールジヘプタノエート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、ジヘキシルアジペート、ジオクチルアジペート、ヘキシルシクロヘキシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ヘプチルノニルアジペート、ジブチルセバケート、ブチルリシノレエート、ヒマシ油、ジブトキシエチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、トリオクチルホスフェート、ココナツ油脂肪酸のトリエチルグリコールエステル、ポリエチレンオキシドロジン誘導体のフェニルエステル、オイル変性セバシン酸アルキド樹脂、トリクレシルホスフェート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態においては、可塑剤は3GEHを含んでいてよく、又はこれから構成することができる。可塑剤の他の例としては、ホスフェートエステル、エポキシ化油、固体状態可塑剤、難燃性可塑剤、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0121】
更に、本発明の1以上のポリマー層に、約1.460より高く、又は1.470より高く、又は1.480より高い屈折率を有する少なくとも1種類の可塑剤を含ませることができる。かかる可塑剤の例としては、多塩基酸又は多価アルコールのエステル、ポリアジペート、エポキシド、フタレート、テレフタレート、ベンゾエート、トルエート、メリテート、及び他の特殊な可塑剤を挙げることができるが、これらに限定されない。更なる例としては、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリプロピレングリコールジベンゾエート、ポリプロピレングリコールジベンゾエート、イソデシルベンゾエート、2-エチルヘキシルベンゾエート、ジエチレングリコールベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジベンゾエート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールベンゾエートイソブチレート、1,3-ブタンジオールジベンゾエート、ジエチレングリコールジ-o-トルエート、トリエチレングリコールジ-o-トルエート、ジプロピレングリコールジ-o-トルエート、1,2-オクチルジベンゾエート、トリ-2-エチルヘキシルトリメリテート、ジ-2-エチルヘキシルテレフタレート、ビス-フェノールAビス(2-エチルヘキサノエート)、エトキシル化ノニルフェノール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態においては、可塑剤は、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリプロピレングリコールジベンゾエート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0122】
更に、任意の更なるポリマー層にはまた、ポリマー層又は中間膜に特定の特性又は特徴を与えることができる他のタイプの添加剤を含ませることもできる。かかる添加剤としては、接着制御剤(ACA)、染料、顔料、安定剤、例えば紫外線安定剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、IR吸収剤又は遮断剤、例えばインジウムスズオキシド、アンチモンスズオキシド、六ホウ化ランタン(LaB)、及びセシウムタングステンオキシド、加工助剤、流動向上添加剤、滑剤、耐衝撃性改良剤、成核剤、熱安定剤、UV吸収剤、分散剤、界面活性剤、キレート剤、カップリング剤、接着剤、プライマー、強化添加剤、及びフィラー、並びに上記に記載した任意の添加剤を挙げることができるが、これらに限定されない。かかる添加剤の具体的なタイプ及び量は、特定の層又は中間膜の最終的な特性又は最終用途に基づいて選択することができる。
【0123】
本明細書に記載する種々のポリマー層は広範囲のガラス転移温度を示し得る。幾つかの実施形態においては、2以上のポリマー又はポリマー層を含む中間膜は2以上のガラス転移温度を示し得る。ポリマー材料のガラス転移温度(T)は、材料のガラス状態からゴム状態への転移を示す温度である。ポリマー層のガラス転移温度は、以下の手順にしたがって動的機械熱分析(DMTA)によって求めることができる。ポリマーシートを直径8ミリメートル(mm)の試料ディスクに成形する。ポリマー試料ディスクを、Rheometrics Dynamic Spectrometer IIの2つの平行プレート試験治具の間に配置する。試料の温度を3℃/分の速度で20℃から100℃へ上昇させながら、ポリマー試料ディスクを剪断モードにおいて1ヘルツの振動数で試験する。温度に依存してプロットしたtanδ(減衰)の最大値の位置を用いてガラス転移温度を求める。実験は、この方法が±1℃の範囲内まで再現可能であることを示している。ポリマー層又は中間膜が2以上のポリマー層を含む場合には、層の少なくとも1つは中間膜内の1以上の他のポリマー層と異なるガラス転移温度を有し得る。
【0124】
幾つかの実施形態においては、本明細書に記載する中間膜に、少なくとも第1の外側ポリマー層及び第2の外側ポリマー層を含ませることができる。本明細書中で使用する「外側」という用語は、中間膜の最も外側の1つ又は複数の層を指す。通常は、外側ポリマー層は、中間膜を基材に積層する際に基材と接触するように、又は中間膜を使用して多層パネルを形成する際に1対の基材の1つに接触するように構成される。幾つかの実施形態においては、第1及び第2の外側ポリマー層のそれぞれに、本明細書に開示されるそれぞれの第1及び第2の熱可塑性ポリマー樹脂(及び随意的な可塑剤又は他の添加剤)を含ませることができる。幾つかの実施形態においては、第1及び第2の外側ポリマー層のそれぞれに、それぞれ第1及び第2のポリ(ビニルアセタール)樹脂及び随意的な可塑剤を含ませることができ、樹脂は上記に与えた1以上の範囲内の残留ヒドロキシル含量及び残留アセテート含量を有し得る。同様に、第1及び第2のポリマー層のそれぞれに上記記載のタイプ及び量の少なくとも1種類の可塑剤を含ませることができるので、これらの層も上記記載のガラス転移温度を有し得る。他の実施形態においては、1つ又は複数の層において使用される1種類又は複数のポリマーに応じて、1つ又は複数の外側層はまた、ガラスのような基材への結合を促進するために、接着剤、コーティング、又は結合層を有し得る。
【0125】
幾つかの実施形態によれば、第1及び第2の外側ポリマー層は、第1及び第2の外側ポリマー層が中間膜のただ2つの層であるように、互いに隣接して接触させることができる。他の実施形態においては、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、又は少なくとも5つ、或いはそれ以上のポリマー層を、第1及び第2の外側ポリマー層の間にそれらの少なくとも1つと接触して配置することができる。これらの更なる層は、存在する場合、第1及び第2のポリマー層のそれぞれと同様か又は異なる組成を有していてよく、上記記載のポリマーの1以上を含ませることができる。更に、上記記載のように、1つ又は複数の外側層に、接着剤、コーティング、結合層、又は処理を与えて、ガラスのような基材への結合を促進することもできる。
【0126】
1以上の層はまた、ポリエチレンテレフタレート(PET)から形成されるポリマーフィルムのような他の材料から形成することもでき、ポリマーフィルムには、種々の金属、金属酸化物、又は他の非金属材料、若しくは層を含ませることができ、コーティングするか又は他の形態で表面処理することができる。幾つかの実施形態においては、1以上の更なる層に、例えば、IR減少層、ホログラフ層、フォトクロミック層、エレクトロクロミック層、破裂防止層、ヒートストリップ、アンテナ、日射遮断層、装飾層などをはじめとする機能層を含ませることができる。
【0127】
幾つかの実施形態においては、中間膜に、少なくとも第1のポリマー層、第2のポリマー層、及び第3のポリマー層を含ませることができ、第2のポリマー層は、第1のポリマー層と第3のポリマー層との間に、それぞれと接触して配置する。幾つかの実施形態においては、第1及び第3のポリマー層に、上記で詳細に記載したタイプ及び量の少なくとも1種類のポリエステルアミド組成物を含ませることができ、第2の(又は中央)層に、上記記載の異なるポリエステルアミド組成物を含ませることができる。幾つかの実施形態においては、第1及び第3のポリマー層に、上記で詳細に記載したタイプ及び量の少なくとも1種類のポリエステルアミド組成物を含ませることができ、第2の(又は中央)層に、ポリカーボネートのような異なるポリマー樹脂を含ませることができる。幾つかの実施形態においては、第1及び第3のポリマー層に、少なくとも1種類のポリ(ビニルアセタール)樹脂、及び上記で詳細に記載したタイプ及び量の随意的な可塑剤を含ませることができ、第2の(又は中央)層に、上記記載のポリエステルアミド層を含ませることができる。幾つかの実施形態においては、第1及び第3のポリマー層に、本明細書に開示するポリエステルアミドと異なる少なくとも1種類のポリマー樹脂(即ち、非ポリエステルアミド)を含ませることができ、第2の(又は中央)層に、上記記載のポリエステルアミド層を含ませることができる。所望の特性に応じて、比較的「軟質」(即ち、より低いガラス転移温度)の外側ポリマー層で、「硬質」(即ち、比較的高いガラス転移温度)の内側層をサンドイッチすることができ、これにより、中間膜から形成される多層パネルにおいて増大した剛性及び耐衝撃性の両方が促進される。更なる層を含ませることもできる。
【0128】
多層中間膜において3以上の層を使用する場合には、層の幾つかはスキン(又は外側)層と呼ぶことができ、1以上はコア(又は内側)層と呼ぶことができる。本明細書において使用する「スキン層」とは、一般に中間膜の外側層を指し、「1以上のコア層」とは、一般にスキン層の間に配置された1以上の内側層を指す。コア層の少なくとも1つの面は、スキン層の少なくとも1つの面と直接接触させることができ、或いは結合層、コーティング、又は接着剤を介してスキン層と間接的に接触させることができる。
【0129】
代表的な多層中間膜の実施形態としては、非ポリエステルアミド/ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド;非ポリエステルアミド/ポリエステルアミド;非ポリエステルアミド/ポリエステルアミド/ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド;非ポリエステルアミド/ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド/ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド;非ポリエステルアミド/ポリエステルアミド/ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド;ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド/ポリエステルアミド;ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド/ポリエステルアミド;ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド/ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド/ポリエステルアミド;又はポリエステルアミド/非ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド/非ポリエステルアミド/ポリエステルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。当業者に公知なように、他の実施形態も可能である。1つ又は複数のポリエステル及び非ポリエステルアミド層は、上記記載の任意のポリマー層であってよい。更に、任意の実施形態において、接着剤層又は結合層のような更なるコーティング又は層を、所望に応じて含ませることができる。
【0130】
幾つかの実施形態においては、層又は中間膜はモノリス型中間膜である。幾つかの実施形態においては、中間膜は少なくとも2つの層を含む。幾つかの実施形態においては、中間膜は少なくとも3つの層を含み、ここで少なくとも1つの層は上記記載のポリエステルアミドを含む。幾つかの実施形態においては、中間膜は少なくとも3つの層を含み、ここで少なくとも2つの層は上記記載のポリエステルアミドを含む。幾つかの実施形態においては、中間膜は3つより多い層を含み、ここで少なくとも1つの層は上記記載のポリエステルアミドを含む。
【0131】
幾つかの実施形態においては、層又は中間膜は、(ASTM-D1003-61(1977年再確認)-手順Bにしたがい、光源Cを使用して、0.76ミリメートルの厚さを有する中間膜について2度の観察角度で測定して)5.0未満の曇り度%を有する。幾つかの実施形態においては、層又は中間膜は、(ASTM-D1003-61(1977年再確認)-手順Bにしたがい、光源Cを使用して、0.76ミリメートルの厚さを有する中間膜について2度の観察角度で測定して)4.0未満、3.5未満、3.0未満、2.5未満、2.0未満、又は1.5未満の曇り度%を有する。
【0132】
幾つかの実施形態においては、層又は中間膜は、ASTM法E313(従前はD-1925)(光源C、観察角度2°)にしたがって測定して、優れた色又は黄色度指数YIを有する。幾つかの実施形態においては、層又は中間膜は、ASTM法E313(従前はD-1925)(光源C、観察角度2°)にしたがって測定して、2.5未満、2.0未満、1.5未満、又は1.0未満のYIを有する。
【0133】
本発明の種々の実施形態による層及び中間膜は、従来の中間膜と比較して向上した特性を示すことができる。例えば、建築用途のために使用される比較中間膜とは対照的に、本明細書に記載する中間膜は、好適か又は更に優れた光学特性をなお保持しながら、高い剛性及び良好な衝撃性能の両方を示すことができる。その結果、本明細書に記載する中間膜は、好適な性能並びに美的価値及び特性の両方を維持しながら、種々の圧力、温度変化、及び衝撃に曝される多くの構造用途及び荷重負荷用途において好適に利用することができる。
【0134】
本明細書に記載する中間膜は増大した剛性を示すことができる。ポリマー層又は中間膜の剛性は、ASTM-D4065-12にしたがって50℃(及び幾つかの場合においては下記に記載する他の温度)において測定されるその剪断貯蔵弾性率(G’)によって特徴付けることができる。幾つかの実施形態においては、本明細書に記載するポリマー層又は中間膜は、少なくとも約4MPa、少なくとも約5MPa、少なくとも約10MPa、少なくとも約20MPa、少なくとも約30MPa、少なくとも約40MPa、少なくとも約50MPa、少なくとも約60MPa、少なくとも約70MPa、少なくとも約80MPa、少なくとも約90MPa、少なくとも約100MPa、少なくとも約110MPa、少なくとも約120MPa、少なくとも約130MPa、少なくとも約140MPa、少なくとも約150MPa、少なくとも約160MPa、少なくとも約170MPa、少なくとも約180MPa、少なくとも約190MPa、少なくとも約200MPa、少なくとも約210MPa、又は少なくとも約220MPaの50℃における剪断貯蔵弾性率(G’)を有することができる。特定の上限はないが、実際には層又は中間膜は、50℃において250MPa程度の高さ、又は更には280MPa程度の高さ、或いはそれ以上の剪断貯蔵弾性率を示すことができる。
【0135】
増大した剛性に加えて、本発明の幾つかの実施形態による中間膜は、30ミルの厚さを有する場合で、厚さ3mmの透明ガラスの2枚のシートの間に積層した場合に、ANSI/SAE-Z26.1-1996にしたがって約70°F(約21℃)の温度において測定される中間膜の破壊高さ(又は平均破壊高さ)によって特徴付けられる望ましい耐衝撃性を示すことができる。幾つかの実施形態においては、本明細書に記載する中間膜は、上記記載のように測定して、少なくとも約12フィート、少なくとも約12.5フィート、少なくとも約13フィート、少なくとも約13.5フィート、少なくとも約14フィート、少なくとも約14.5フィート、少なくとも約15フィート、少なくとも約15.5フィート、少なくとも約16フィート、少なくとも約16.5フィート、少なくとも約17フィート、少なくとも約17.5フィート、少なくとも約18フィート、少なくとも約18.5フィート、少なくとも約19フィート、少なくとも約19.5フィート、少なくとも約20フィート、少なくとも約20.5フィート、少なくとも約21フィート、少なくとも約21.5フィート、少なくとも約22フィート、少なくとも約22.5フィート、少なくとも約23フィート、少なくとも約23.5フィート、少なくとも約24フィート、少なくとも約24.5フィート、又は少なくとも約25フィート、少なくとも約25.5フィート、少なくとも約26フィート、少なくとも約26.5フィート、少なくとも約27フィート、少なくとも約27.5フィート、少なくとも約28フィート、又は少なくとも約28.5フィート、或いはそれ以上の破壊高さを有することができる。破壊高さは他の厚さにおいて測定することもできる。幾つかの実施形態においては、破壊高さがより高いほど、より良好である。
【0136】
本明細書において与えられる破壊高さ(又は平均破壊高さ)の値は、2枚の厚さ3mmのガラスのシートの間に積層した既知の厚さ(30ミル)を有する中間膜を使用して得た。これらのパラメータに関する値の記述は、本明細書に記載する中間膜の厚さ、又は本発明の幾つかの実施形態による多層パネルの構成をいかなるようにも限定することは意図しない。むしろ、これらのパラメータに関する値の記述は、中間膜によって示される平均破壊高さとして測定される耐衝撃性を求めるための明確な試験を与えることを意図しており、試験は既知の厚さにおいて測定し、必要であれば、異なる中間膜を同じ中間膜厚さにおいて比較することができるように、一定の厚さ(例えば30ミル又は45ミル)に正規化する。本発明における実施例の多くにおいては、与えられた組成物に関する材料の入手可能性のために1つのみの中間膜を試験した。したがって、与えられるデータは平均破壊高さではなく単に破壊高さである。
【0137】
パンメル接着度は、本明細書に開示される中間膜を記述するために使用することができる別のパラメータである。パンメル接着試験は、積層体構造における中間膜へのガラスの接着レベルを測定する。中間膜のガラスへの接着は、ガラス-中間膜構造の耐衝撃性及び長期安定性に大きな影響を与える。この試験では、積層体を0°F(-18℃)に冷却するか、又は70°F(21℃)の室温においてコンディショニングし、1ポンド(0.45kg)のハンマーを用いて、45°の角度で鋼板上に手動で衝撃を与える。次に試料を室温にし、次に中間膜に接着していない全ての破壊されたガラスを除去する。中間膜に接着した状態で残留するガラスの量を、標準試料のセットと視覚的に比較する。標準試料は、種々の程度のガラスが中間膜に接着した状態で維持されたスケールに対応する。例えば、ゼロのパンメル基準値においては、中間膜に接着した状態で残留するガラスは実質的にない。他方において、10のパンメル基準値においては、実質的に100%のガラスが中間膜に接着した状態で残留する。パンメル値を群分けして、同様の試験片について平均化する。報告される値は、群に関する平均パンメル値、及び個々の表面に関するパンメル接着等級の最大範囲を示す。本明細書に記載する中間膜は、2以上、又は9以下、或いは約2~約9のパンメル接着等級を有し得る。
【0138】
増大した剛性及び衝撃性能に加えて、本発明の幾つかの実施形態による中間膜はまた、最終用途に応じて変化し得る好適な光学特性も示す。明澄度は本明細書に記載する中間膜の光学性能を記述するために使用される1つのパラメーターであり、曇り度値又は%を測定することによって求めることができる。曇り度値は、試料によって散乱した光を入射光に対して定量したものを示す。曇り度値を求めるための試験は、それぞれが3mmの厚さを有する透明ガラスの2枚のシートの間に積層したポリマー試料について曇り度計を用いて行う。
【0139】
中間膜を、例えば、透明な窓又は風防ガラスのような高レベルの光学的明澄度が望まれる多層パネルにおいて使用する場合には、中間膜は透明又はほぼ透明であってよい。幾つかの実施形態においては、本発明の中間膜は、ASTM-D1003-61(1977年再確認)-手順Bにしたがい、光源Cを使用して、0.76ミリメートルの厚さを有する中間膜について2度の観察角度で測定して、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満の曇り度値を有することができる。他の実施形態において、曇り度があまり重要でない場合には、中間膜は、例えば少なくとも約25%、少なくとも約30%、又は少なくとも約40%のようなより高い曇り度値を有し得る。
【0140】
黄色度指数(YI)は、光学品質の別の指標である。ポリマーシートの黄色度指数は、2.3mmの透明ガラスの2つの片の間に30ゲージ(30ミル又は0.76mm)のシート試料を積層(及びオートクレーブ処理)することによって、HunterLab UltraScan XEを用い、ASTM法E313(従前はD-1925)(光源C、観察角度2°)にしたがって、可視スペクトルにおける分光測光光透過率から測定する。種々の実施形態においては、中間膜は、ASTM-E313にしたがって、2.5未満、2.0未満、1.5未満、1.0未満、0.75未満、0.5未満、0.4未満、又は0.3未満の黄色度指数を示すことができる。
【0141】
光学性能を求めるために使用される他のパラメーターは可視透過率%(%Tvis)であり、これはHunter Associates (Reston, VA)から商業的に入手できるHunterLab UltraScan XE上で測定される。この値は、それぞれが3mmの厚さを有する透明ガラス(PennsylvaniaのPittsburgh Glass Worksから商業的に入手できる)の2枚のシートの間に積層したポリマー試料をを分析することによって得ることができる。幾つかの実施形態において、透明な多層パネルが所望の場合には、本発明の中間膜は、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約85.5%、少なくとも約86%、少なくとも約86.5%、少なくとも約87%、少なくとも約87.5%、又は少なくとも約88%、少なくとも約88.5%、或いはそれ以上の可視透過率%を有し得る。
【0142】
中間膜の透明性及び/又は曇り度がそれほど重要でない幾つかの実施形態においては、中間膜又はそれから形成されるパネルは、半透明、少なくとも部分的に不透明、又は完全に不透明であってよい。かかるパネルに関する用途の例としては、プライバシーガラス又は他の同様の最終用途が挙げられる。幾つかの実施形態によれば、かかる中間膜は、例えば約30%より高い曇り度値を有し得る。或いは又は更には、中間膜は、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、及び/又は約40%以下、約35%以下、又は約30%以下の可視透過率を有し得る。更に、幾つかの実施形態においては、本明細書に記載する中間膜は、ASTM-E-1164にしたがって測定して、5%より高く、少なくとも約10%、又は少なくとも約15%、及び/又は約50%以下、約45%以下、又は約40%以下の反射率(%R)を有し得る。特定の最終用途に応じて、反射率、透過率、及び曇り度の他の値も可能であり得る。更に、反射率、透過率、及び曇り度のレベルは、例えば、添加剤、着色剤、染料、及び他の同様の成分を含ませることなどの任意の好適な方法にしたがって制御することができる。
【0143】
本発明の中間膜は、任意の好適な方法にしたがって形成することができる。代表的な方法としては、溶液キャスト、圧縮成形、射出成形、溶融押出、メルトブロー、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。2以上のポリマー層を含む多層中間膜はまた、例えば、共押出、ブローンフィルム、メルトブロー、浸漬コーティング、溶液コーティング、ブレード塗布、パドル塗布、エアナイフ塗布、印刷、粉末コーティング、スプレーコーティング、積層、及びこれらの組み合わせのような任意の好適な方法にしたがって製造することもできる。
【0144】
本発明の種々の実施形態によれば、層又は中間膜は、押出又は共押出によって形成することができる。押出プロセスにおいては、1種類以上の熱可塑性樹脂、1種類又は複数の随意的な可塑剤、及び場合によっては上記に記載の1種類以上の添加剤を予め混合し、押出装置中に供給することができる。押出装置は、押出シートを生成させるために熱可塑性組成物に特定のプロファイル形状を与えるように構成される。全体的に上昇した温度及び高粘稠質である押出シートは、次に冷却してポリマーシートを形成することができる。シートを冷却して硬化させたら、それを切断して、その後の中間膜としての貯蔵、輸送、及び/又は使用のために巻き取ることができる。
【0145】
共押出は、ポリマー材料の複数の層を同時に押出すプロセスである。一般に、このタイプの押出は、一定の体積の処理量の異なる粘度又は他の特性の複数の異なる熱可塑性樹脂溶融物を、溶融し、共押出ダイを通して供給して所望の最終形態にするために2以上の押出機を用いる。共押出プロセスにおいて押出ダイから排出される複数のポリマー層の厚さは、一般に、押出ダイを通る溶融物の相対速度を調節すること、及びそれぞれの溶融した熱可塑性樹脂材料を処理する個々の押出機の寸法によって制御することができる。
【0146】
本発明の種々の実施形態による中間膜の全体的な平均厚さは、少なくとも約10ミル、少なくとも約15ミル、少なくとも約20ミル、少なくとも約25ミル、少なくとも約30ミル、少なくとも約35ミル、少なくとも約40ミル、少なくとも約45ミル、少なくとも約50ミル、少なくとも約55ミル、少なくとも約60ミル、少なくとも約65ミル、少なくとも約70ミル、少なくとも約75ミル、少なくとも約80ミル、少なくとも約85ミル、少なくとも約90ミル、又はそれ以上であり得るが、用途及び所望の特性に応じて他の厚さも可能である。中間膜が2つの基材の間に積層されていない場合には、その平均厚さは、ノギス又は他の同等の装置を用いて中間膜の厚さを直接測定することによって求めることができる。中間膜が2つの基材の間に積層されている場合には、その厚さは、多層パネルの総厚さから基材の合計厚さを減じることによって求めることができる。上記は個々の中間膜の厚さに言及しているが、2以上の個々の中間膜を積層するか、又は他の方法で一緒に組み立てて、より厚い厚さを有する複合中間膜を形成することができ、次にこれを、特定の最終用途のために種々のタイプの基材の間に積層することができることを理解すべきである。
【0147】
幾つかの実施形態においては、1以上のポリマー層は、所望の特性及び最終用途に応じて、少なくとも約1ミル、少なくとも約2ミル、少なくとも約3ミル、少なくとも約4ミル、少なくとも約5ミル、少なくとも約6ミル、少なくとも約7ミル、少なくとも約8ミル、少なくとも約9ミル、少なくとも約10ミル、少なくとも約15ミル、少なくとも約20ミル、少なくとも約25ミル、少なくとも約30ミル、又はそれ以上の平均厚さを有し得る。
【0148】
本発明の種々の実施形態による中間膜は、層又は1つ若しくは複数の中間膜、及びその上に中間膜が積層される少なくとも1つの基材を含む多層パネルにおいて使用することができる。任意の好適な基材を使用することができ、幾つかの実施形態においては、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。一般に、多層パネルにおける基材は、上記に列挙したもののような硬質で概して透明な材料から形成される。しかしながら、他の実施形態においては、多層パネルに、1枚のみの硬質基材、中間膜、及び層又は中間膜の上に配置された少なくとも1枚のポリマーフィルムを含ませて、「二重層」と呼ばれる多層パネルを形成することができる。幾つかの実施形態においては、二重層において用いられる中間膜に多層中間膜を含ませることができ、一方で他の実施形態においては、モノリス型中間膜を使用することができる。他の実施形態においては、2つの硬質基材を有する多層パネル中にポリマーフィルムを含ませることができ、ここでは1つ又は複数のポリマーフィルムは、中間膜の2つの層の間であってよく、例えば中間膜の2つの層の間に封入することができる。本明細書に記載する多層パネルにおいてポリマーフィルムを使用すると、最終パネルの光学特性を向上させることができる一方で、赤外線吸収のような他の性能の改善を与えることもできる。ポリマーフィルムは、フィルム単独では必要な貫通抵抗及びガラス保持特性を与えない点でポリマー層又は中間膜とは異なる。ポリマーフィルムは一般にシートより薄く、一般に0.001~0.25mmの範囲の厚さを有していてよいが、他の厚さを使用することができる。ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)は、ポリマーフィルムを形成するために使用される材料の一例である。好適な二重層構造体の例としては、ガラス/中間膜/フィルム、及びガラス/中間膜/被覆フィルムが挙げられる。ポリマーフィルムを使用することができる二重層ではない他の構造体の例としては、ガラス/中間膜/フィルム/中間膜/ガラス、及びガラス/中間膜/フィルム/多層中間膜/ガラスが挙げられ、ここではポリマーフィルムは上記に記載のように、コーティング又は1つ又は複数の任意の他の機能層を有していてよい。
【0149】
幾つかの実施形態においては、層及び中間膜は、例えば一対のガラスシートのような2つの基材を含み、中間膜が2つの基材の間に配置されている多層パネルにおいて使用することができる。アルミナ-シリケートガラス、ホウケイ酸ガラス、石英又は溶融シリカガラス、及びソーダ石灰ガラスのような任意の好適なタイプのガラスを使用して硬質ガラス基材を形成することができる。ガラス基材は、アニーリング、熱強化又は焼入れ、化学強化、エッチング、コーティング、又はイオン交換による強化にかけることができ、或いは、これらの処理の1以上にかけたものであってよい。ガラスそれ自体は、圧延ガラス、フロートガラス、又は厚板ガラスであってよい。ガラスは、金属コーティング、赤外線反射コーティングなどのようなコーティングを有していてよく、又は単に色ガラス又は着色ガラスであってよい。かかる構造体の例は、ガラス/中間膜/ガラスであり、ここでは中間膜には本明細書に記載するモノリス又は多層中間膜を含ませることができる。上記に記載のように、所望であれば構造体に1以上のポリマーフィルムを含ませることもでき、それぞれの中間膜は必要に応じてモノリス又は多層中間膜であってよい。基材の厚さは0.5mm~15mm、又はそれ以上の範囲であってよく、それぞれのパネルは同じ厚さを有していてよく、又はパネルは異なる厚さを有していてよい。
【0150】
通常のガラス積層プロセスは、(1)2つの基材及び1つ又は複数の中間膜を組み立てる工程;(2)IR放射材又は対流装置によってアセンブリを第1の短い時間加熱する工程;(3)アセンブリを、第1の脱気のために加圧ニップロール中に通す工程;(4)アセンブリを(約60℃~約120℃のような温度に)短時間加熱して、中間膜の縁部を封止するのに十分な一時的接着をアセンブリに与える工程;(5)アセンブリを第2の加圧ニップロール中に通して、中間膜の縁部を更に封止して更なる取扱いを可能にする工程;及び(6)実際の構造体及び使用する材料に応じて、アセンブリを、(135℃~150℃の間のような)適当な温度及び(150psig~200psigの間のような)圧力において、(約30~90分間のような)適当な時間オートクレーブ処理する工程;を含む。一態様にしたがって上記の工程(2)~(5)において記載した中間膜-ガラス界面を脱気するための他の方法としては、真空バッグ及び真空リングプロセスが挙げられ、これらの両方とも本明細書に記載する本発明の中間膜を形成するために使用することができる。
【0151】
パネルは、例えば自動車、鉄道、船舶、又は航空機の風防ガラス及び窓、建物又はスタジアムにおける構造建築パネル、装飾建築パネル、ハリケーンガラス、防弾ガラス、及び他の同様の用途などの種々の最終用途のために使用することができる。本発明の幾つかの実施形態によるパネルに関して好適な建築用途の例としては、屋内又は屋外の階段又は踊り場、舗道又は歩道の天窓、欄干、カーテンウォール、フローリング、バルコニー、シングルサイドバルコニー、キャノピー、支持梁、ガラスフィン(装飾構造体及び/又は支持構造体であってよい)、支持柱、窓、ドア、天窓、プライバシースクリーン、シャワードア、高層建物及び建物の入口用の窓、輸送用途(例えば、自動車、バス、ジェット機、装甲車両)用の風防ガラス、防弾又は耐弾ガラス、セキュリティガラス(例えば銀行用)、耐ハリケーン又はハリケーン抵抗性ガラス、飛行機のキャノピー、鏡、ソーラーガラスパネル、フラットパネルディスプレイ、及び耐爆風窓を挙げることができるが、これらに限定されない。ガラス積層体は、視覚的に透明、半透明、艶消し、エッチング、又は模様付けすることができる。
【0152】
一実施形態においては、中間膜は、本明細書に開示されるポリエステルアミド又はポリエステルアミド組成物を含むポリエステルアミド層を含むモノリス型中間膜である。一実施形態においては、中間膜は、少なくとも本明細書に開示されるポリエステルアミド又はポリエステルアミド組成物を含むポリエステルアミド層を含む多層中間膜である。一実施形態においては、中間膜は、本明細書に開示されるポリエステルアミド又はポリエステルアミド組成物を含む1つより多いポリエステルアミド層を含む多層中間膜である。上記に記載のように、他のポリマー層、接着剤層、結合層、コーティングなどを中間膜内に含ませることができる。
【0153】
幾つかの実施形態においては、多層中間膜は、少なくとも1つの非ポリエステルアミド層を更に含む。幾つかの実施形態においては、接着剤コーティングを使用することができ、ここで、接着剤コーティングは、少なくとも部分的に非ポリエステルアミド層とポリエステルアミド層との間に配置する。幾つかの実施形態においては、結合層(例えばEVA又はTPU)を層の間で使用することができ、又は多層中間膜の層の間に部分的に配置することができる。幾つかの実施形態においては、多層パネルは、場合により他の層又は中間膜を有する層又は中間膜を含む。
【0154】
ポリエステルアミドの製造方法は当該技術において公知である。代表的な方法は、(1)(i)少なくとも1種類のジオール(例えば5~25モル%);及び(ii)少なくとも1種類の二酸(例えば50~75モル%);を含む反応混合物を、第1の温度、第1の圧力において、少なくとも1種類の二酸から誘導される1~2つの残基、及び少なくとも1種類のジオールの1つの残基を含む少なくとも1種類の反応生成物を与えるのに十分な第1の時間、、反応ゾーン中で反応させること;(2)少なくとも1種類の反応生成物を含む反応ゾーンに、少なくとも1種類のジアミン(例えば5~25モル%)及び場合により水(例えば25モル%以下)を加えること;及び(3)1種類又は複数のジアミンを少なくとも1種類の反応生成物と、第2の温度、第2の圧力において、ポリエステルアミドを与えるのに十分な第2の時間反応させること;を含み、ここで、ジオール、二酸、又はジアミンのモル%は、ジオール、二酸、及びジアミンの合計モル数を基準とし、水のモル%は、二酸及び水の合計モル数を基準とする。特性を選択するために所望に応じて、他の量を使用することができる。
【0155】
反応時間は、選択される温度、圧力、並びに少なくとも1種類のジオール、少なくとも1種類のジアミン、及び少なくとも1種類の二酸の供給モル比によって定まる。
触媒を用いて1つ又は複数の反応を触媒することができる。使用することができる触媒の例は、チタン、スズ、ガリウム、亜鉛、アンチモン、コバルト、マンガン、ゲルマニウム、アルカリ金属、特にリチウム及びナトリウム、アルカリ土類化合物、アルミニウム化合物、アルミニウム化合物と水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムとの組み合わせをベースとする。この実施形態の1つのクラスにおいては、触媒は1~500ppm存在する。このクラスの1つのサブクラスにおいては、触媒はスズ触媒である。このクラスの1つのサブクラスにおいては、触媒はチタン触媒である。
【実施例
【0156】
本発明を示すために、且つ当業者が本発明を製造及び使用することを可能にするために、以下の実施例を与える。しかしながら、本発明は、これらの実施例に記載された特定の条件又は詳細に限定されないことを理解すべきである。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に想起される他の例を包含し得る。
【0157】
略語:
ADはアジピン酸であり;AZはアゼライン酸であり;1,4-BODは1,4-ブタンジオールであり;DDAは1,12-ドデカン二酸であり;1,4-CHDAは1,4-シクロヘキサンジカルボン酸であり;1,3-CHDAは1,3-シクロヘキサンジカルボン酸であり;ECTMSはトリメトキシ[2-(7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト-3-イル)エチル]シランであり;GPTMSは(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシランであり;H2-ダイマーは水素化ダイマー酸(Pripol 1009、登録番号127290-22-6)であり;MACMは4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)で、異性体の混合物であり;MDEAはN-メチルジエタノールアミンであり;ODAは1,18-オクタデカン酸であり;PACMは4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)で、異性体の混合物であり;PTMGはポリテトラヒドロフランジオールであり;SEはセバシン酸であり;T928はTinuvin 928(2-(2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールであり;TCDAは3(4).8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]デカンであり;TMCAは5-アミノ-1,3,3-トリメチルシクロヘキサンメチルアミンであり;TMPはトリメチロールプロパンであり;CHDMAは1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンであり;1,3-CHDMAは1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンであり;TMCDは2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールであり;CHDMは1,4-シクロヘキサンジメタノールであり;MPMDは2-メチルペンタメチルジアミンであり;minは分であり;TMHDは2,4,4-トリメチルヘキサンジアミンと2,2,4-トリメチルヘキサンジアミンの混合物である。
【0158】
インヘレント粘度測定:
本発明において有用な特定のポリマー材料のインヘレント粘度(IV)は、ASTM-D2857-70の手順にしたがい、1/2mLの毛細球を有するLab Glass, Inc.のWagner粘度計において、重量基準で60/40のフェノール/テトラクロロエタン中約0.5重量%のポリマー濃度を使用して求める。この手順は、ポリマー/溶媒系を120℃で15分間加熱し、溶液を25℃に冷却し、25℃における流動時間を測定することによって実施する。IVは、式:
【0159】
【化4】
【0160】
(式中、η:0.5g/100mL-溶媒のポリマー濃度での25℃におけるインヘレント粘度;t:試料流動時間;t:溶媒ブランク流動時間;C:ポリマー濃度(溶媒100mL当たりのグラム))
から計算される。インヘレント粘度の単位は、本出願全体を通してデシリットル/グラムである。
【0161】
以下の実施例において、粘度は30℃においてテトラクロロエタン/フェノール(50/50、重量比)中で測定し、次式:
【0162】
【化5】
【0163】
(式中、ηspは比粘度であり、Cは濃度である)
にしたがって計算した。
示差走査熱量測定熱分析:
DSC実験は、TA Instrument Q2000-DSCにおいて、冷蔵冷却システムを用いて窒素下で行った。装置の温度及び融解熱は、アダマンタン、鉛、及びインジウムを用いて定期的に較正して検証する。凡その試料をアルミニウムパン内に密封した。試料パンを-50℃で平衡化した後、20℃/分の走査速度で250℃に加熱した。次に、試料を250℃で1分間等温保持して、その熱履歴を除去した。その後、試料パンを20℃/分の速度で-50℃に冷却した後、同じ走査速度で250℃に再加熱した。第2の加熱走査中にガラス転移温度及び融解ピークの両方が獲得された。
【0164】
動的機械熱解析(DMTA):
ポリマー層のガラス転移温度は、以下の手順にしたがって、動的機械熱分析(DMTA)によって求めることができる。ポリマーシートを直径8ミリメートル(mm)の試料ディスクに成形する。ポリマー試料ディスクを、Rheometrics Dynamic Spectrometer IIの2つの平行プレート試験治具の間に配置する。試料の温度を3℃/分の速度で20℃から100℃へ上昇させながら、ポリマー試料ディスクを剪断モードにおいて1ヘルツの振動数で試験する。温度に依存してプロットしたtanδ(減衰)の最大値の位置を用いてガラス転移温度を求める。実験は、この方法が±1℃の範囲内で再現可能であることを示している。
【0165】
実施例(方法1):
アジピン酸(43.84g、0.30モル、10当量)、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタンジオール(9.08g、0.06モル、2当量)、及びチタンテトライソプロポキシド溶液(イソプロパノール中0.1M、2.6mL、0.26ミリモル)の混合物を、乾燥窒素流下250℃において溶融した。温度を275℃に徐々に上昇させ、275℃において30分間保持した。その時点で、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)(57.22g、0.24モル、8当量)及び水(30mL)を加えた。温度を300℃に徐々に上昇させた。反応混合物を溶融状態に維持するために、必要に応じて温度を上昇させる。次に、この系を高真空(0.1torr)にかけて揮発性物質を除去した。次に、300℃において90分間加熱することによって溶融物を重合させて、実施例1を与えた。
【0166】
実施例2(方法2):
1,12-ドデカン二酸(69.09g、0.3モル、10当量)、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタンジオール(29.85g、0.207モル、6.9当量)、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)(14.30g、0.06モル、2.06当量)、4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミン(16.41g、0.078モル、2.6当量)、及びブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート(ブタノール中1.7重量%、1.26mL、200ppm)の混合物を、窒素のための入口、金属スターラー、及び短蒸留カラムを備えた500mLフラスコ中に配置した。フラスコを、乾燥窒素流下において200℃の溶融金属浴中に浸漬した。1分後、浴温を60分間かけて250℃に、そして60分間かけて275℃に徐々に上昇させた。275℃において30分間保持した後、混合物を、次の15分間かけて0.5torrの設定点まで徐々に真空にかけた。溶融物を0.5torrの設定点において275℃に130分間保持して、実施例2を得た。
【0167】
実施例3(方法3):
アジピン酸(146.15g、1.0モル、10当量)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(102.40g、0.71モル、7.1当量)、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)(75.29g、0.31モル、3.1当量)、及び水(20mL)の混合物を、窒素のための入口、金属スターラー、及び短蒸留カラムを備えた1リットルのフラスコ中に配置した。フラスコを、乾燥窒素流下において180℃の溶融金属浴中に浸漬した。1分後、浴温を10分間かけて210℃に徐々に上昇させ、210℃において30分間保持した。チタンテトライソプロポキシド溶液(イソプロパノール中0.47重量%、3.0mL、50ppm)を、サイドポートを通して加えた。得られた混合物を250℃に30分間、次に275℃に10分間加熱し、275℃において40分間保持した。次の20分間かけて、0.5トルの設定値まで徐々に真空を印加した。溶融物を0.5torrの設定点において275℃に270分間保持して、実施例3を得た。
【0168】
実施例4(方法4):
1,12-ドデカン二酸(80.61g、0.35モル、10当量)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(29.28g、0.203モル、5.5当量)、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)(20.86g、0.088モル、2.5当量)、4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミン(14.73g、0.070モル、2.0当量)、及びチタンテトライソプロポキシド(ブタノール中0.944重量%、0.4mL、30ppm)の混合物を、窒素のための入口、金属スターラー、及び短蒸留カラムを備えた500mLフラスコ中に配置した。フラスコを、乾燥窒素流下において200℃の溶融金属浴中に浸漬した。1分後、浴温を180分間かけて275℃に徐々に上昇させた。275℃において30分間保持した後、混合物を次の15分間かけて0.5torrの設定点まで徐々に真空にかけた。溶融物を、0.5torrの設定点において275℃に260分間保持して、実施例4を得た。
【0169】
実施例5(方法5):
1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(17.29g、0.1モル、10当量)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(11.54g、0.08モル、8当量)、1,4-シクロヘキサンビス(メチルアミン)(4.27g、0.03モル、3当量)、及びチタンテトライソプロポキシド(イソプロパノール中0.1M、0.2mL、2.0×10-3当量)の混合物を、窒素のための入口、金属スターラー、及び短蒸留カラムを備えた250mLフラスコ中に配置した。フラスコを、乾燥窒素流下において250℃の溶融金属浴中に浸漬した。20分後、浴温を30分間かけて280℃に徐々に上昇させた。280℃において1分間保持した後、浴温を10分間かけて305℃に更に上昇させて0.5分間保持した。混合物を、次の15分間かけて0.5mmHgの設定点まで徐々に真空にかけた。溶融物を、305℃、0.5mmHgにおいて89.5分間保持して、実施例5を得た。
【0170】
表1に列挙したポリエステルアミドはTMCDを含み、表1に示す方法1~5の1つに基づいて調製した。
【0171】
【表1-1】
【0172】
【表1-2】
【0173】
【表1-3】
【0174】
表2に列挙したポリエステルアミドはCHDMを含み、表2に示す方法1~5の1つに基づいて調製した。
【0175】
【表2-1】
【0176】
【表2-2】
【0177】
【表2-3】
【0178】
【表2-4】
【0179】
表3は、分岐剤としてTMPを導入したポリエステルアミドを与える。
【0180】
【表3-1】
【0181】
【表3-2】
【0182】
【表3-3】
【0183】
実施例168(方法6):
1,12-ドデカン二酸(92.12g、0.40モル、10当量)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(32.30g、0.22モル、5.6当量)、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)(44.82g、0.19モル、4.7当量)、及びチタンテトライソプロポキシド(ブタノール中0.64重量%、1.19g、50ppm)の混合物を、窒素用の入口、金属スターラー、及び短蒸留カラムを備えた500mLフラスコ中に配置した。フラスコを、乾燥窒素流下において200℃の溶融金属浴中に浸漬した。1分後、浴温を180分間かけて290℃に徐々に上昇させた。290℃に達した後、トリメトキシ[2-(7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト-3-イル)エチル]シラン(トルエン中10wt%、2.46g、0.25%)を、サイドポートを通して加えた。290℃において30分間保持した後、混合物を、次の15分間かけて0.5torrの設定点まで徐々に真空にかけた。溶融物を、290℃、0.5torrの設定点において260分間保持して、実施例168を得た。
【0184】
表4は、ガラス接着性を向上させるためにエポキシシランを加えたポリエステルアミドを与える。
【0185】
【表4】
【0186】
表5は、UV吸収剤を加えたポリエステルアミドを与える。
【0187】
【表5】
【0188】
表6は、ポリエステルアミドを含むTMCDの幾つかに関するインヘレント粘度及びガラス転移温度を与える。
【0189】
【表6】
【0190】
表7は、ポリエステルアミドを含むCHDMに関するインヘレント粘度及びガラス転移温度を与える。
【0191】
【表7-1】
【0192】
【表7-2】
【0193】
表8は、TMPを含むポリエステルアミドの特性を与える。
【0194】
【表8】
【0195】
表9は、シランと反応させたポリエステルアミドの特性を与える。
【0196】
【表9】
【0197】
表10は、UV吸収剤とブレンドしたポリエステルアミドの特性を与える。
【0198】
【表10】
【0199】
表11は、選択された比較例(商業的に入手できる材料)のインヘレント粘度及びガラス転移の情報を与える。
【0200】
【表11】
【0201】
中間膜の例:
上記と同じように製造したポリエステルアミド組成物を用いて中間膜シートを製造した。中間膜シートは、種々の組成のポリエステルアミドペレットをプレス又は圧縮成形することによって製造した。ポリエステルアミドシートを形成するために、非粘着性フィルムをステンレス鋼板上に配置した。所望の厚さの正方形のアルミニウムシムを、鋼板の中心のフィルム上に配置した。次に、ポリマーペレットを、アルミニウムシムの中心の非粘着性フィルムの上に、全てのペレットが接触するように配置した。ペレットの上に第2の非粘着性フィルムを配置し、フィルムの上に第2のステンレス鋼板を配置した。
【0202】
次に、ポリエステルアミド中間膜シートの幾つかをガラスの間に積層して、当該技術において公知の技術を用いて積層体(又は多層ガラスパネル)を形成した。積層体を作製するために、シートを所望のガラス積層体の寸法に切断し、同じ寸法の2つのガラス片の間に配置してプレラミネートを形成した。次に、プレラミネートを真空バッグ内に配置し、真空を10~20分間引いた(室温において約-25インチHg)。真空を維持し、バッグがガラスへのポリマーの粘着を確実にするのに十分な温度に達するまで、バッグを予熱したオーブンに配置した。次に、バッグをオーブンから取り出し、真空を解除した。次に、積層体をオートクレーブ処理して、真空バッグの後に存在する残留する閉じ込められた空気を溶解した(290°F及び185psiにおいて20分間保持した)。
【0203】
使用したポリエステルアミド組成物を以下に記載して示す。中間膜及び積層体(ガラスパネル)を、ガラス転移温度(Tg、DMTAによる)、(種々の温度における)剪断応力係数(shear stress modulus)、破壊高さ、YI(黄色度指数又は色)、曇り度%、及び幾つかの場合には接着性(圧縮剪断接着性)について試験した。幾つかの場合においては、使用されるポリエステルアミド組成物のインヘレント粘度も示す。結果を下表12~26に示す。実施例番号を示す場合には、実施例は上記で既に使用したものと同じ組成である。
【0204】
表12は、異なるジオール及びジアミンレベルを有するポリエステルアミド組成物を含む種々の中間膜を示す。組成物の幾つかはまた、示される量の分岐剤(TMP)も含む。表12において、6つの異なる配合を試験した。ポリマーのタイプは以下の通りである:全て酸として100%のDDAを有し、次にCHDMの量を示し、1種類又は複数のジアミンの量を示し、最後にTMPの量(存在する場合)を示す。使用される配合は、DDA53(CHDM)47(MACM)(100%DDA酸、53%CHDMジオール、及び47%MACMジアミン);DDA53(CHDM)47(MACM)xTMP(表に示されるように、100%DDA酸、53%CHDMジオール、及び47%MACMジアミン、並びにx%TMP(xはTMPの量である));DDA50(CHDM)50(MACM)xTMP(表に示されるように、100%DDA酸、50%CHDM、及び50%MACMジアミン、並びにx%TMP);DDA45(CHDM)55(MACM)0.167TMP(100%DDA酸、45%CHDMジオール、及び55%MACMジアミン、並びに0.167%TMP);DDA53(CHDM)37(MACM)10(PACM)0.25TMP(100%DDA酸、53%CHDMジオール、37%MACMジアミン、10%PACMジアミン、及び0.25%TMP);並びにDDA53(CHDM)37(MACM)10(PACM)0.25TMP(100%DDA酸、53%CHDMジオール、42%MACMジアミン、5%PACMジアミン、及び0.25%TMP)。
【0205】
【表12】
【0206】
表12における結果は、種々のポリエステルアミド組成物を含み、許容され、多くの場合には優れた衝撃性能(破壊高さによって求められる)を有する中間膜を製造することができることを示す。
【0207】
表13は、中間膜において使用した異なる組成物の衝撃性(破壊高さ)を試験するための、異なる量のジアミン及び異なる酸のタイプを有するポリエステルアミド組成物を含む種々の中間膜を示す。組成物の幾つかはまた、示される量の分岐剤(TMP)も含む。配合は、酸の量も示すことを除いて表12について上記したものと同じ呼称を使用する。酸としてDDAのみを使用する例に関しては、酸の量は100%である。他の酸又は複数の酸の混合物を使用する例に関しては、量は下記に示す通りである。例えば、実施例115は、90(SE)10(ODA)57(CHDM)43(MACM)0.25(TMP)であり、これは90%SE(セバシン酸)、10%ODA酸、57%CHDMジオール、43%MACMジアミン、及び分岐剤として0.25%TMPである。
【0208】
【表13】
【0209】
表13は、酸並びにジオール及びジアミンのレベルを変化させた異なるポリエステルアミド組成物から製造した中間膜が、多くの場合は少なくとも12フィートの破壊高さを有し、幾つかの場合には優れた衝撃性能(破壊高さによって求められる)を有することを示す。
【0210】
表14は、衝撃試験の再現性を試験し、中間膜の衝撃強さに対するTMPの効果を求めるために、TMP分岐剤を有するもの及び有しないものの同じ配合物を用いて製造した試料を示す。配合は、酸として100%DDA、ジオールとして53%CHDM、ジアミンとして47%MACM、及び0.25%TMPを含んでいた。
【0211】
【表14】
【0212】
表14は、0.25%のTMPを加えるとより安定した破壊高さが与えられることを示す(全ての試料は18フィートより高い値を有していた)。TMPを含まない試料については、ほとんどの試料は少なくとも12フィートであり、多くは18フィートより高かった。それぞれの試料は実験室規模の反応器バッチとして別々に調製された異なる試料であったので、小数の試料に関するより低い衝撃値は、試料の変動性によるものであり得る。また、TMPを含む試料のインヘレント粘度は、概してTMPを含まない試料のインヘレント粘度よりも高い。
【0213】
表14はまた、低い曇り度、及び幾つかの場合においては非常に低い曇り度(1%未満)を有する中間膜をポリエステルアミド組成物から製造することができることも示す。表14は更に、低いYI、及び幾つかの場合においては非常に低いYIを有する中間膜をポリエステルアミド組成物から製造することができることを示す。
【0214】
表15は、異なるMACMレベルを有するポリエステルアミドから形成された中間膜、並びに商業的に入手できるポリ(ビニルブチラール)中間膜の2つの比較例の、(DMTAによる)Tg及び(3つの異なる温度における)剪断貯蔵弾性率を比較する。ポリマーに関する呼称は上記に記載の通りである。全ての実施例は、酸として100%のDDA、ジオールとして示された量のCHDM、及びジアミンとして示された量のMACMを有する。幾つかの配合はまた、分岐剤としてTMPも含む。
【0215】
【表15】
【0216】
表15が示すように、MACMレベルが減少すると、(DMTAによる)Tg及び剪断貯蔵弾性率も減少する。表15の実施例におけるポリエステルアミド中間膜の50℃及び60℃の剪断貯蔵弾性率の値は、比較例CE1及びCE2のものよりも著しく高い。比較例CE1及びCE2は、種々の用途において使用されている2種類のポリ(ビニルブチラール)中間膜のRB41建築用中間膜及びDG41構造用中間膜(Eastman Chemical CompanyからSaflex(登録商標)RB41及びDG41中間膜として商業的に入手できる)である。
【0217】
表16は、異なるMACMレベル及び酸としてSEを有するポリエステルアミドから形成された中間膜の(DMTAによる)Tg及び(3つの異なる温度における)剪断貯蔵弾性率を比較する。ポリマーに関する呼称は上記に記載の通りである。実施例は、酸とし100%SE、ジオールとして示された量のCHDM、ジアミンとして示された量のMACM、及び0.25%のTMPを有する。
【0218】
【表16】
【0219】
表16は、より低いジオールレベルにおいては、DMTA値はより高く、50℃及び60℃における剪断貯蔵弾性率の値も同様であることを示す。表16の実施例におけるポリエステルアミド中間膜の50℃及び60℃の剪断貯蔵弾性率の値は、ポリ(ビニルブチラール中間膜)の比較例CE1及びCE2のもの(表15)よりも著しく高い。
【0220】
表17は、異なるレベルのTMPを有するポリエステルアミドから形成された中間膜の(DMTAによる)Tg及び(3つの異なる温度における)剪断貯蔵弾性率を比較する。ポリマーに関する呼称は上記に記載の通りである。実施例は、酸として100%DDA、ジオールとして60%CHDM、ジアミンとして示された量の40%MACM、及び表に示すように0~0.50%のTMPを有する。
【0221】
【表17】
【0222】
表17は、同じレベルの酸、ジオール、及びジアミン(100%酸、60%ジオール、及び40%ジアミン)を有するポリエステルアミドについて、分岐剤(TMP)の量のみを増加させることは、ポリエステルアミドの(DMTAによる)Tg及び剪断貯蔵弾性率に対して少ししか影響を与えないことを示す。
【0223】
表18は、異なる鎖長の酸(DDAとSE)及び同量のCHDM及びMACMから製造されたポリエステルアミドを含む中間膜に関するDMTA及び剪断貯蔵弾性率を比較する。ポリマーに関する呼称は上記に記載の通りである。
【0224】
【表18】
【0225】
表18に示すように、酸の鎖長を12から10炭素原子に減少させると、(DMTAによる)Tg及び剪断貯蔵弾性率が増加する。50℃及び60℃における剪断弾性率の増加は著しく大きく、これは中間膜が荷重に耐えること及び/又はより高い弾性率を有することが要求される可能性がある積層ガラス用途に有益であろう。
【0226】
表19は、酸としてSE、及びSEとODAの組み合わせから製造されたポリエステルアミドを含む中間膜に関するDMTA及び剪断貯蔵弾性率を比較する。ポリマーに関する呼称は上記の通りである。
【0227】
【表19】
【0228】
表19に示すように、SEの代わりに10%ODA(18個の炭素原子を有する長鎖酸)のみを加えると、Tg(DMTA)、及び全ての温度における剪断貯蔵弾性率が減少する。SEよりも長い炭素鎖の酸であるODAを導入することによってより多いポリマー鎖の移動度が可能になり、これにより(DMTAによる)Tgが低下し、ポリエステルアミドの貯蔵弾性率が減少するという仮説が立てられる。
【0229】
表20は、2種類のジアミンのMACM及びPACMのブレンドを種々の量で用い、53%のCHDMレベルにおいて、酸としてDDAを用いて製造した中間膜を比較する。呼称は上記に記載の通りである。
【0230】
【表20】
【0231】
表20に示すように、PACMレベルが0から30%に増加すると、22℃の剪断貯蔵弾性率は減少するが、80℃の弾性率は著しく増加する。80℃のような昇温温度における高い弾性率は、高温の気候及び/又は強い太陽光への曝露を伴う種々の中間膜及び積層ガラス用途において有益であり得る。
【0232】
表21は、2種類のジアミンのMACM及びPACMのブレンドを用いて製造された中間膜を、PACMのみを有し、55%のCHDMレベルにおいて、酸としてDDAを用いた中間膜と比べて比較する。呼称は上記に記載の通りである。
【0233】
【表21】
【0234】
表21に示すように、PACMレベルが10%から45%に増加すると、80℃の弾性率に著しい増加がある。(DMTAによる)TgはPACMレベルが増加するにつれて減少するという事実にもかかわらず、80℃の弾性率はPACMレベルと共に増加する。
【0235】
表22は、種々の組成の幾つかのポリエステルアミドに関するガラスへの接着性のデータを示す。全ての積層体は、(上記記載の積層手順を使用して)3mmのガラスを用いて作製した。ガラスへの接着性は、パンメル法を用いて室温(21℃)において試験した。
【0236】
【表22】
【0237】
表22から、多くのポリエステルアミドはガラスに対して許容可能であるか又は良好な接着性を有するが、他のものはガラスに対して優れた接着性を有することが分かる。(異なる試料に起因し得る)多少の変動性が存在するが、種々の組成のポリエステルアミドがガラスに接着することは明らかである。
【0238】
表23は、1重量%のGPTMSシランを加えた場合に、ポリエステルアミド配合物のガラスに対する接着性がどの程度著しく改善されたかを示す。Brabenderミキサーを用い、175℃の温度において、GPTMSシランをポリエステルアミド溶融物中に導入した。次に、得られた溶融物を冷却し、プレスして30ミル(0.76mm)のシートにし、上記に記載のように3mmのガラスと積層し、室温(21℃)においてパンメル接着性に関して試験した。
【0239】
【表23】
【0240】
表23は、接着促進剤として少量のシラン(GPTMS)を加えると、ガラスの空気側及びスズ側の両方への接着性が著しく増加したことを示す。
スキン又は外側層として低いTg(66℃)を有するポリエステルアミド材料、及び内側層又はコア層として高Tg(約150℃)のポリエステルアミド、商業的に入手できるポリエステル、又はプラスチック材料、或いは内側層又はコア層として可塑化セルロースエステル(16%の3GEH可塑剤を有するEastman CAP)を使用して多層(3層)中間膜を作成した。使用した低Tgのポリエステルアミド組成物は、100(DDA)53(CHDM)47(MACM)0.25(TMP)であり、使用した高Tgのポリエステルアミド組成物は、60(DDA)40(1,3-CHDA)20(TMCD)80(MACM)であった。中間膜を上記記載と同じように積層してガラス積層体を形成した。積層後、積層体を、色(YI)、曇り度%、圧縮剪断、及び破壊高さに関して試験した。データを下表24に示す。
【0241】
【表24】
【0242】
表24におけるデータによって示されるように、本明細書に開示されるポリエステルアミドを多層中間膜においてスキン又は外側層として使用して、優れた曇り度、良好な色、及び/又は良好な衝撃特性を有する中間膜を与えることができる。
【0243】
ポリエステルアミド層を外側又はスキン層とし、ポリカーボネートシートを内側又はコア層として使用して、更なる多層中間膜を製造した。ポリカーボネートシートは、厚さ30ミルの商業的に入手できるシート(Rowland TechnologiesからのRowTecポリカーボネートフィルム)であった。ポリエステルアミドスキン層は、それぞれ厚さ30ミルで、異なるMACMとCHDMの比を有していた。全てのポリエステルアミド配合物は、二酸として100%DDAを有していた。上記記載の呼称を使用すると、PEA1はDDA72(CHDM)28(MACM)であり;PEA2はDDA75(CHDM)25(MACM)であり;PEA3はDDA80(CHDM)20(MACM)であり;PEA4はDDA57.5(CHDM)42.5(MACM)である。
【0244】
【表25】
【0245】
表25は、良好で、幾つかの場合においては優れたガラスへの接着性を有する、ポリカーボネートコア及びポリエステルアミドスキン又は外側層を有する多層中間膜を製造することができることを示す。外側又はスキン層としてポリエステルアミド層を使用することにより、ポリカーボネートをガラスの間に積層することが可能である。
【0246】
スキン又は外側層として可塑化PVB材料(Eastman Chemical Companyから商業的に入手できるRA41又はDG41-PVB中間膜)、及び内側又はコア層として高Tg(約150℃)のポリエステルアミド(60(DDA)40(1,3-CHDA)20(TMCD)80(MACM))を使用して多層(3層)中間膜を作成した。中間膜を上記記載と同じように積層してガラス積層体を形成した。積層後、積層体を、曇り度%及び圧縮剪断に関して試験した。データを下表26に示す。
【0247】
【表26】
【0248】
表26におけるデータによって示されるように、本明細書に開示されるポリエステルアミドを多層中間膜におけるコア層として使用して、優れた曇り度及び良好な接着性を有する中間膜を提供することができる。
【0249】
本発明は本発明を実施するために企図されるベストモードとして開示される特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を包含すると意図される。
【0250】
更に、本発明の任意の単一の構成要素に関して与えられている任意の範囲、値、又は特徴は、互換的な場合には、本発明の任意の他の構成要素に関して与えられている任意の範囲、値、又は特徴と互換的に用いて、本明細書全体にわたって与えられているそれぞれの構成要素に関して規定されている値を有する一態様を形成することができることが理解される。
本発明は以下の実施態様を含む。
[1]ポリエステルアミド組成物を含む層を含む中間膜であって、前記ポリエステルアミド組成物は、
(a)脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、又はこれらの組み合わせから誘導されるジアミン残基0.1~99モル%を含むジアミン成分;
(b)脂環式ジオール、複数の脂環式ジオールの混合物、又は少なくとも1種類の脂環式ジオールと少なくとも1種類の脂肪族ジオールとの混合物である少なくとも1種類のジオールから誘導されるジオール残基0.1~99モル%を含むジオール成分;及び
(c)HO C-(C 2-40 )アルキレン-CO H、又はHO C-(C 3-10 )シクロアルキル-CO H(式中、それぞれのシクロアルキルは非置換であるか又は(C 1-3 )アルキルによって置換されている)から選択される二酸から誘導される二酸残基0.1~100モル%を含む二酸成分;
を含み;
前記二酸成分の総モル%は100モル%であり、ジオール及びジアミン成分の合計の総モル%は100モル%である上記中間膜。
[2]前記中間膜が、(ASTM-D1003-61(1977年再確認)-手順Bにしたがい、光源Cを使用して、0.76ミリメートルの厚さを有する中間膜について2度の観察角度で測定して)3.0%未満の曇り度を有する、[1]に記載の中間膜。
[3]前記ジアミンが20~75モル%の量で存在し、前記ジアミンが、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカン、N-メチルジエタノールアミン、2,4,4-トリメチルヘキサンジアミンと2,2,4-トリメチルヘキサンジアミンとの混合物、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、又はこれらの混合物から選択される、[1]に記載の中間膜。
[4]前記ジアミンが40~60モル%の量で存在する、[1]~[3]のいずれかに記載の中間膜。
[5]前記ジアミン成分が少なくとも2種類のジアミンを含む、[1]~[4]のいずれかに記載の中間膜。
[6]前記ジオールが、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタン-1,3-ジオール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、又はポリテトラヒドロフランジオールから選択される、[1]~[5]のいずれかに記載の中間膜。
[7]前記ジオール成分が少なくとも2種類のジオールを含む、[1]~[6]のいずれかに記載の中間膜。
[8]前記二酸が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、9-[(Z)-ノン-3-エニル]-10-オクチルノナデカン二酸、9-ノニル-10-オクチルノナデカン二酸、シクロブタン-1,3-ジカルボン酸、シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘプタン-1,4-ジカルボン酸、シクロオクタン-1,5-ジカルボン酸、又はシクロオクタン-1,4-ジカルボン酸、或いはこれらの2以上の二酸の組み合わせから選択される、[1]~[7]のいずれかに記載の中間膜。
[9]前記ポリエステルアミドが、トリメリット酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、ペンタエリトリトール、クエン酸、酒石酸、3-ヒドロキシグルタル酸、グリセリンエリトリトール、トレイトール、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、トリメシン酸、又はジメチロールプロピオン酸から選択される化合物から誘導される分岐剤を更に含み、前記分岐剤は前記ポリエステルアミドの総重量%を基準として約0.01~約10重量%存在する、[1]~[8]のいずれかに記載の中間膜。
[10]前記ポリエステルアミドがシラン添加剤を含む、[1]~[9]のいずれかに記載の中間膜。
[11]前記ポリエステルアミドが、ASTM-D2857-70にしたがって求めて少なくとも約0.7dL/gのインヘレント粘度を有する、[1]~[10]のいずれかに記載の中間膜。
[12]前記中間膜が、DMTAにしたがって求めて少なくとも-35℃のガラス転移温度を有する、[1]~[11]のいずれかに記載の中間膜。
[13]前記中間膜がモノリス型中間膜である、[1]~[12]のいずれかに記載の中間膜。
[14]前記中間膜をそれぞれ3mmの厚さを有するガラスの2枚のシートの間に積層して積層体を形成した場合に、前記積層体が、ANSI/SAE-Z26.1-1996にしたがって70°Fの温度及び30ミルの中間膜厚さにおいて測定して少なくとも12フィートの平均破壊高さを有する、[1]~[13]のいずれかに記載の中間膜。
[15]前記中間膜が、(ASTM-D1003-61(1977年再確認)-手順Bにしたがい、光源Cを使用して、0.76ミリメートルの厚さを有する中間膜について2度の観察角度で測定して)2.0%未満の曇り度を有する、[1]~[14]のいずれかに記載の中間膜。
[16]前記中間膜が、DMTAにしたがって求めて少なくとも40℃のガラス転移温度を有する、[1]~[15]のいずれかに記載の中間膜。
[17]前記中間膜が、ASTM-D4065-12にしたがって50℃において測定して少なくとも10MPaの剪断貯蔵弾性率を有する、[1]~[16]のいずれかに記載の中間膜。
[18]前記中間膜が、ASTM-D4065-12にしたがって80℃において測定して少なくとも2MPaの剪断貯蔵弾性率を有する、[1]~[17]のいずれかに記載の中間膜。
[19]前記中間膜をそれぞれ3mmの厚さを有するガラスの2枚のシートの間に積層して積層体を形成した場合に、前記積層体が、ANSI/SAE-Z26.1-1996にしたがって70°Fの温度及び30ミルの中間膜厚さにおいて測定して少なくとも18フィートの平均破壊高さを有する、[1]~[18]のいずれかに記載の中間膜。
[20]第1の基材、[1]~[19]のいずれかに記載の中間膜、及び第2の基材を含み、前記中間膜は前記第1の基材と前記第2の基材との間である多層パネル。