(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】発光ダイオードデバイス及びその製作方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/02 20100101AFI20230509BHJP
H01L 33/38 20100101ALI20230509BHJP
【FI】
H01L33/02
H01L33/38
(21)【出願番号】P 2020571510
(86)(22)【出願日】2018-10-11
(86)【国際出願番号】 CN2018109911
(87)【国際公開番号】W WO2020073295
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】518281982
【氏名又は名称】廈門市三安光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】XIAMEN SAN’AN OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】5F., Zonghe Bldg., No.1721, Luling Rd., Siming Dist. Xiamen, Fujian 361009, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 少華
(72)【発明者】
【氏名】曾 暁強
(72)【発明者】
【氏名】張 燦源
(72)【発明者】
【氏名】楊 剣鋒
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-112166(JP,A)
【文献】特開2011-054967(JP,A)
【文献】特開2014-022530(JP,A)
【文献】特開2011-139038(JP,A)
【文献】特開2014-216470(JP,A)
【文献】特開2014-229822(JP,A)
【文献】特開2014-207267(JP,A)
【文献】特開2007-324581(JP,A)
【文献】特表2015-533022(JP,A)
【文献】特開2014-157948(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0295137(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106409997(CN,A)
【文献】特開2012-054422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直列接続されている複数の発光ダイオードユニットを有する発光ダイオードデバイスであって、
前記発光ダイオードユニットにある半導体層シーケンスは互いに離れて配置されており、前記半導体層シーケンスは、第1のタイプの半導体層と、第2のタイプの半導体層と、前記第1のタイプの半導体層と前記第2のタイプの半導体層との間に位置し、放射を生成するために設計された活性層と、を有しており、
前記第1のタイプの半導体層が存在する側は前記半導体層シーケンスの正面側であり、前記第2のタイプの半導体層が存在する側は前記半導体層シーケンスの背面側であり、
前記半導体層シーケンスは、絶縁層に被覆されている1つもしくは複数の凹陥箇所を有し、前記凹陥箇所は前記半導体層シーケンスの正面側に反対する背面側から活性層を貫通して前記第1のタイプの半導体層にまで延伸し、
第1の導電層は前記凹陥箇所を通って前記第1のタイプの半導体層に電気的に接続されていて、第2の導電層は前記半導体層シーケンスの背面側に位置し且つ前記第2のタイプの半導体層に電気的に接続されていて、
前記第1の導電層と前記第2の導電層とは、前記凹陥箇所に延伸する
前記絶縁層により互いに電気的に仕切られており、
複
数の前記発光ダイオードユニットにおける最初の発光ダイオードユニットは、前記第1の導電層の少なくとも1部が露出し、且つ、該露出する前記第1の導電層に電気的に接続されている第1の電極を有しており、そして最後の発光ダイオードユニットは、前記第2の導電層の少なくとも1部が露出し、且つ、該露出する前記第2の導電層に電気的に接続されている第2の電極を有しており、
そして、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記第1の導電層と前記第2の導電層の前記半導体層シーケンスに隣り合う一側にそれぞれ位置し、各前記発光ダイオードユニットの前記第1の導電層の前記半導体層シーケンスから離れた一側は
絶縁セラミック基板と直接に接続し、前記第1の導電層の前記半導体層シーケンスに隣り合う一側が前記第1のタイプの半導体層の前記活性層に隣り合う一側に接触する面積は、前記第1のタイプの半導体層の面積の1.5%より大であり、前記凹陥箇所から延伸する前記絶縁層は前記第2の導電層の背面側を覆い、隣り合ういずれか2つの前記発光ダイオードユニットにおける1つの発光ダイオードユニットの前記第2の導電層及び他の1つの発光ダイオードユニットの前記第1の導電層には、一体に接続されている接続部が設けられており、複
数の前記発光ダイオードユニットは、同一の前記
絶縁セラミック基板を共用することを特徴とする発光ダイオードデバイス。
【請求項2】
互いに離れて配置される前記半導体層シーケンスの間に、一体に接続されている前記接続部の少なくとも1部が露出していることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項3】
すべての前記発光ダイオードユニットの前記
絶縁セラミック基板から離れた一側において、前記絶縁層の一部が正面側に露出しており、一体に接続されている前記接続部の少なくとも1部は、該絶縁層の一部の下方に位置していることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項4】
複
数の前記発光ダイオードユニットは、同一のチップ構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項5】
前記第1の導電層の前記第1のタイプの半導体層に接触する面積は、前記第1のタイプの半導体層の面積の4%以上で6%以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項6】
前記第1の導電層および/または前記第2の導電層は金属材料を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項7】
前記半導体層シーケンスの高さは7μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項8】
前記
絶縁セラミック基板の材料はセラミックであることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項9】
隣り合う2つの前記発光ダイオードユニットの前記第1の導電層は、前記絶縁層により仕切られていることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項10】
前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記発光ダイオードデバイスの外側に位置することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項11】
すべての前記発光ダイオードユニットは、前記第1のタイプの半導体層から前記第2のタイプの半導体層への方向に沿って順番に積層された前記第2の導電層と、前記絶縁層と、前記第1の導電層と、を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項12】
前記発光ダイオードデバイスは、3~6個、もしくは7~9個の前記発光ダイオードユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードデバイス。
【請求項13】
発光ダイオードデバイスの製作方法であって、
第1のタイプの半導体層と、活性層と、第2のタイプの半導体層と、を有する半導体層シーケンスを成長基板に作製する第1の工程と、
前記第2のタイプの半導体層の前記第1のタイプの半導体層に反対する側から、前記第2のタイプの半導体層及び前記活性層を貫通し、且つ、少なくとも前記第1のタイプの半導体層まで貫通する複数の凹陥箇所を形成する第2の工程と、
前記第2のタイプの半導体層の表面の前記凹陥箇所以外の箇所に、2以上のn対の同一の水平面にある第1の導電層及び第2の導電層を有する導電層を形成してから、前記導電層と前記凹陥箇所の底部と側壁に対して絶縁層を被覆する第3の工程と、
前記凹陥箇所の底部の前記第1のタイプの半導体層及びn個の前記第1の導電層の一部のエリアが少なくとも露出するよう、前記絶縁層に穴を形成する第4の工程と、
前記凹陥箇所の底部と前記絶縁層とn個の前記第1の導電層の前記一部のエリアとに第1の導電層材料を引き続き被覆し、前記第1の導電層の前記半導体層シーケンスに隣り合う一側が前記第1のタイプの半導体層の前記活性層に隣り合う一側に接触する面積が、前記第1のタイプの半導体層の面積の1.5%より大になり、且つ、n個の前記第1の導電層の間
は前記絶縁層
により仕切
られる第5の工程と、
絶縁セラミック基板を前記第1の導電層の前記半導体層シーケンスから離れた一側に直接に接続する第6の工程と、
前記成長基板を除去する第7の工程と、
前記第1の導電層及び前記第2の導電層が露出してn個の互いに仕切られている前記半導体層シーケンスが形成されるよう、前記第1のタイプの半導体層の前記第2のタイプの半導体層に反対する側から前記半導体層シーケンスの一部を除去する第8の工程と、
最初の前記半導体層シーケンスの露出する前記第1の導電層に第1の電極を作製すると同時に、最後の前記半導体層シーケンスの露出する前記第2の導電層に第2の電極を作製する第9の工程と、
が含まれることを特徴とする、発光ダイオードデバイスの製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体の技術分野に関し、特に、高圧環境において使用できる発光ダイオードデバイスとその製作技術に関する。
【背景技術】
【0002】
高ワット高輝度発光ダイオード(LED)は、高輝度照明デバイスの需要により、現在のマーケットにおいてその重要性を示している。サファイアを基板とする水平構造LEDでは、サファイアの放熱問題及び電流集中効果の影響により、高い電流密度で作動するとチップの過熱が発生して破壊される危険性が高いので、高ワットLEDには水平構造を採用することが出来ない。一方、垂直構造のLEDは、基板を放熱性及び熱伝導率が高い材料(例えば、Si、CuWなど)に置き換えることが出来、そして垂直構造では電流集中効果が発生せずに電流はよく広がるので、超高電流密度(例えば2.5A/mm2)で高ワット高輝度LEDを実現することができる。このように、LEDマーケットでは垂直LEDにおいていかにしてより優れた電流の広がりを得て輝度を上げて高ワットLEDを実現するかが注目されている。また、高圧環境において高ワット高輝度LEDを応用する際には、熱を放出し難いことに起因する信頼性の悪さと、電極配置の複雑さに起因する配線の難易度の高さと、発光エリアを集中し難いことに起因する輝度が集中し難いなどの問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、高圧環境において効率がより優れてかつ高い電流密度を持ち、そして電気的特性がより優れて信頼性も高い薄膜発光ダイオード構造の提供を目的とする。これらの目的は独立請求項により定義される薄膜発光ダイオード構造並びにその製造方法により達成される。また、本発明を拡張もしくは改善する提案は、従属請求項において説明され、それらの開示内容は明細書において特に明確に組み込まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来技術での輝度を上昇させる需要に応えるべく、1つの視点として、本発明は下記の発光ダイオードチップを提供する。該発光ダイオードチップは、第1のタイプの半導体層と第2のタイプの半導体層との間に放射を生成するために設計された活性層が介在する半導体層シーケンスを備えている。
【0005】
該半導体層シーケンスにおいて、第1のタイプの半導体層は半導体層シーケンスの正面側に位置し、該半導体層シーケンスは、側壁が絶縁層に被覆されている上、半導体層シーケンスの正面側に反対する背面側から活性層を貫通して第1のタイプの半導体層にまで延伸する少なくとも1つの凹陥箇所と、第1の導電層から凹陥箇所を通って前記第1のタイプの半導体層に電気的に接続される第1の電極と、第2の導電層に接続される第2の電極と、を有している。第1の導電層と第2の導電層とは、凹陥箇所から延伸する絶縁層により、互いに電気的に仕切られている。
【0006】
第1の導電層及び第2の導電層はいずれも半導体層シーケンスの背面側に位置しているが、ここでの半導体層シーケンスの背面側に位置する第1の導電層には、凹陥箇所内にある第1の導電層は含まれておらず、第2の導電層は第2の半導体層の背面側と直接に接触している。
【0007】
更に、支持及び放熱に用いられる基板を有している。この基板は半導体層シーケンスがエピタキシャル成長する成長基板ではなく、独立した支持部材であり、上記構造においては、半導体層シーケンスがエピタキシャル成長する成長基板は存在しない。ここでの「存在しない」とは、エピタキシャル成長のために用いられる成長基板は除去されるか、もしくは大きく薄く削られたことを意味する。
【0008】
第1の導電層は基板の正面側に接続され、第1の導電層の第1のタイプの半導体層の背面側に接触する面積は、第1のタイプの半導体層の面積の1.5%より大であり、第1の導電層は第1の電極を配置するために、正面側の少なくとも1部が露出しており、第2の導電層は第2の電極を配置するために、正面側の少なくとも1部が露出しており、半導体層シーケンスを除去してワイヤボンディング用の窓を作製する際、このような高さが同じになっているデザインにより、第1の導電層までの半導体層を除去すれば窓の露出は実現されるので、絶縁層もしくは金属層など比較的に除去しにくい部分を貫通する必要が無くなり、製作の時間を節約し、且つ技術的信頼性を高めることができる。また、凹陥箇所から延伸する絶縁層が第1の導電層及び第2の導電層の背面側を覆う構成により、例えば、ICPイオンビームがラジカルエッチングをサポートして金属を半導体層シーケンスの側壁に打ち出して回路のショートを引き起こす状況や、ウェットエッチングの金属や絶縁層に対する効率が低い問題などを回避することができる。ここでの「凹陥箇所から延伸する絶縁層が第2の導電層の背面側を覆う」構成とは、少なくとも第2の導電層の背面側の一部が絶縁層に被覆されることを意味するが、場合によっては、第2の導電層の背面側の全部が絶縁層に被覆されることも可能である。第2の導電層、そして特に第1の導電層は、縦方向に多層配置することも可能であり、絶縁層の正面側を覆う構成も存在可能である。第1の電極及び第2の電極は、正面側に面する。本発明の実施例において、第2の導電層はすべて絶縁層の正面側を覆う構成になっており、本発明における第1の電極及び第2の電極とは、電気的に接続するエリアを指しており、例えばボンドパッドは正面側から発光ダイオード本体に接触するのに適している。第1の電極と第2の電極は同一の平面に作製され、即ち、第1の導電層と第2の導電層とが露出して電極の作製に用いられる窓は同一の平面にあるので、全体的な構造の製作に寄与し、簡単な技術で高さが同じである電極を作成することができる。電極の高さが同じではない場合、ワイヤボンディングの難易度が高くなるためワイヤボンディングの效率が下がる。第1の電極と第2の電極が半導体層シーケンスの側面部に位置することにより、第1の電極及び/又は第2の電極が半導体層シーケンスの上方に設置されて放射を遮蔽して放射の効率が下がる状況を回避できる上、ワイヤボンディングの製作にも便利である。第1の電極は第1の導電層の正面側に電気的接続するために設計され、第2の電極は第2の導電層の正面側に電気的接続するために設計されている。
【0009】
第1の導電層は放熱基板と第1のタイプの半導体層とそれぞれ接続するので、良好な熱伝導経路を構築し、熱を第1のタイプの半導体層から放熱基板へ導くことが出来る利点がある。多重量子井戸により励起される放射は第1のタイプの半導体層から射出するため、熱は第1のタイプの半導体層に貯蓄されやすく、そして本発明の第1の導電層は第1のタイプの半導体層からの熱を効率よく放熱基板に導くことができる。
【0010】
この他、第1の電極と第2の電極とは同時に正面側に面するので、露出する第1の電極接続層は第2の導電層とは高さが同じであり、露出する第1の電極接続層と露出する第2の導電層は半導体層シーケンスの側面部に位置するため、同一の成長基板から作製された複数の直列及び/又は並列接続の構造の作製に適するので、高圧構造のユニット部材の設計には有利である。
【0011】
本発明の他の変化実施例では、第1の導電層の第1のタイプの半導体層の背面側に接触する面積は、第1のタイプの半導体層の面積の2.3%以上で2.8%以下であり、もしくは2.8%以上で4%未満であり、もしくは4%以上で6%以下の範囲内に設定することが好ましい。ここで、4%以上で6%以下に設定することにより、熱を第1のタイプの半導体層から伝導するのを実現することに特に好ましい。
【0012】
本発明によれば、第1の導電層及び/又は第2の導電層は金属材料であることが好ましい。これは金属導電材料は非金属導電材料と比べ、熱伝導性能が優れているからである。
【0013】
本発明によれば、凹陥箇所の開口の直径は15μm以上で32μm以下、もしくは32μm以上で40μm以下の範囲内にあることが好ましい。凹陥箇所の開口の直徑が短いと熱抵抗が高くなり、そして単に凹陥箇所の数を増やすことで総面積を増しても、より優れた熱伝導や放熱特性が得られるわけではない。
【0014】
本発明の一部の実施例において、凹陥箇所の開口の直徑が34μm以上で36μm以下の範囲内にある場合、凹陥箇所の数は20~25個の範囲内にあることが好ましい。
【0015】
本発明の一部の変化実施例において、第1のタイプの半導体層の厚さは2μm以上、凹陥箇所の第1のタイプの半導体層内における深さは6μm以上であることが好ましい。この設計は、第1のタイプの半導体層内における熱が貯蓄されるのを解決するのをより重要視しているからである。
【0016】
本発明によれば、第1のタイプの半導体層の放射に対する吸収を減少すべく、第1のタイプの半導体層の厚さを2μm~3μm内にすることが好ましい。
【0017】
本発明によれば、絶縁層が第1の導電層と第2の導電層とを互いに電気的に仕切る効果を発揮することが好ましい。ここでの電気的に仕切ることは、互いに全く電気的に接続しないことを指すのではなく、第1の導電層と第2の導電層とが直接に電気的に接続されていないことにより、ショートを回避することを指している。選択できる材料としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、もしくはセラミックである。
【0018】
本発明によれば、第1の導電層はオーム接触層、金属反射層、金属結合層のいずれか1つ、もしくはそれらの組み合わせであることが好ましい。
【0019】
本発明によれば、第2の導電層は透明導電層、金属反射層、金属拡散阻止層のいずれか1つ、もしくはそれらの組み合わせであることが好ましい。
【0020】
第1の導電層は、例えば、Cr、Ni、Au、Liなど、第1のタイプの半導体層と優れた電気接続性能を持つオーム接触層を有する。放射を生成する半導体層シーケンスは保持部材に面し、特に、保持基板と半導体層シーケンスとの間に金属反射層を介在させるもしくは構築する。該金属反射層は半導体層シーケンスの中に生成される電磁放射の少なくとも一部を該半導体層シーケンスの中に反射する。ここで、放射を生成する半導体層シーケンス、特に放射を生成するエキタピシャルシーケンスの金属反射層の材料としては、例えばAgである。結合層は主に基板に接触する一側に優れた結合を有する第1の導電層金属材料を指しており、例えばAuは多く見られる。導電層と半導体層との接触を高めて両者の間の抵抗を下げるべく、導電層と半導体層との間に例えば1層のITOをTCL透明接触層として追加する場合がある。ここでの導電層には、第1の導電層と第2の導電層とが含まれており、半導体層には順番に対応する第1のタイプの半導体層及び第2の導電層が含まれており、いずれか1組もしくは2組を選択してTCL透明接触層を挿入する。
【0021】
本発明によれば、第2の導電層の材料はAg、Au、Ti、Al、Cr、Pt、TiW、Niのいずれか、もしくはそれらの組み合わせであることが好ましく、その中でもAgは金属反射材料に適し、TiWは金属拡散を防止する金属カバー材料に適し、Cr、Ni、Auはオーム接触材料として適している。
【0022】
本発明によれば、半導体層シーケンスの高さは5μm以上から7μm以下の薄膜構造、もしくは7μmを超えて8μm以上であることが好ましい。
【0023】
本発明によれば、第1の導電層と第2の導電層とは少なくとも1部が一体的にデザインされており、同一の平面に位置し、そして露出する第1の導電層と絶縁層の背面側に位置する第1の電極接続層とは、異なる技術によって作製されることが好ましい。
【0024】
本発明によれば、チップは上から下へと順番に積層される第2の導電層と絶縁層と第1の導電層とを有することが好ましい。第1の導電層が放熱基板に直接に接触するので、第1の導電層からでも絶縁層の熱を放出することができる。
【0025】
本発明によれば、基板の材料はSi、Cuもしくはセラミックであることが好ましく、特に、セラミック基板を採用するチップは、セラミック基板が優れた放熱特性を持つので第1の導電層に対応して第1の導電層からの熱をより好適に放出することが出来る上、セラミック基板が持つ絶縁特性により、高圧製品の中に同一の基板から作製された複数の半導体の直列及び/又は並列構造の製作に寄与し、第1の導電層はセラミック基板の全部の正面側を覆う。ここでの基板の全部の正面側とは、第1の導電層が基板の上方の大部分のエリアを覆うことを指しており、100%を指すものではない。これは、実際の製品では、例えば分離技術の処理に用いられる遊び空間を残す場合もあるからである。
【0026】
上記発光ダイオードチップ構造に基づき、本発明は更に発光ダイオードチップの製作方法を提供する。即ち、
例えばMOCVD金属化学気相積層などのエキタピシャル技術を用いて成長基板に、第1のタイプの半導体層と活性層と第2のタイプの半導体層とを有し、第1のタイプの半導体層と活性層と第2のタイプの半導体層とにより放射性能を持つpn接合を構成する半導体層シーケンスを作製する第1の工程と、
第2のタイプの半導体層の背面側から、第2のタイプの半導体層及び活性層を貫通し、且つ、少なくとも第1のタイプの半導体層を貫通する1個もしくは複数の凹陥箇所を形成する第2の工程と、
第2のタイプの半導体層の表面の凹陥箇所以外の箇所に導電層を被覆する工程であって、技術的な精度の制限により、第2のタイプの半導体層で凹陥箇所に接近するエリアには導電層が被覆されず、導電層は同一の水平面にある第1の導電層及び第2の導電層を有し、導電層と凹陥箇所の底部と側壁に対して絶縁層を被覆する第3の工程と、
凹陥箇所の底部の第1のタイプの半導体層と第1の導電層の一部のエリアとが少なくとも露出するよう、絶縁層に穴を形成する第4の工程と、
凹陥箇所の底部と絶縁層と第1の導電層の一部のエリアとに引き続き第1の導電層材料を被覆する第5の工程と、
放熱基板を第1の導電層の背面側に直接に接続する第6の工程と、
成長基板を除去する第7の工程と、
第1の導電層の正面側から、導電層が露出するまで、半導体層シーケンスの一部を除去する第8の工程と、
露出する導電層の第1の導電層に第1の電極を作製し、第2の導電層に第2の電極を作製する第9の工程と、が含まれており、ちなみに、上記第5の工程では、説明がしやすいように、本発明は第1のタイプの半導体層に接触するオーム接触層と、金属反射層と、基板に接触する金属結合層とをすべて第1の導電層として定義し、この工程における第1の導電層材料は、凹陥箇所の底部にあるのはオーム接触材料であり、絶縁層及び第1の導電層の露出する部分にあるのは主に金属結合層である。
【0027】
現在の技術と比べ、本発明により提供される発光ダイオードチップの技術的効果は、第1の電極及び第2の電極が正面側に面し、第1の導電層が基板の正面側と第1のタイプの半導体層の背面側にそれぞれ接触し、その接触する面積が第1のタイプの半導体層の面積の1.5%より大であるので、第1の導電層を経由して半導体層シーケンスの熱を放熱基板に伝導することにより、製品の信頼性が高まり、特に、第1のタイプの半導体層の熱を逃がすことができる。
【0028】
稼動の際には、電流は垂直に半導体層シーケンスを通過するので、垂直発光ダイオードの電流が均一に分散される特性が得られる。
【0029】
また、第1の電極及び第2の電極が正面側に面し、且つ、凹陥箇所により電流の均一的分散が実現されるので、複数個の直列及び/又は並列設計が行いやすく、同一の成長基板に複数個が直列及び/又は並列接続される構成を作り出すことで、高圧構成のユニット部材(COB、チップオンボードマーケット)として設計されるのに寄与し、優れた高圧特性が得られる。
【0030】
例えばUV硬化の分野に用いられるUVLEDの特殊な応用においては、UV光は半導体層シーケンスの材料に更に吸收されやすいので、放熱の問題も大きくなるが、本発明のチップ構造の熱電分離設計は出光面の第1のタイプの半導体層の熱を好適に放熱基板に伝導して放出することができる。
【0031】
上記発光ダイオードチップ構造及び製作方法に基づき、更に発光ダイオードデバイスを設計することができる、該発光ダイオードデバイスは複数個の発光ダイオードユニットを有し、該発光ダイオードユニットは直列接続されており、
発光ダイオードユニットの間の半導体層シーケンスは互いに仕切られており、上記直列接続とは、互いに仕切られた半導体層シーケンスを一緒に直列接続することを指して言い、半導体層シーケンスは第1のタイプの半導体層と第2のタイプの半導体層との間に介在し、放射を生成するために設計された活性層を有しており、そこで、第1のタイプの半導体層は半導体層シーケンスの正面側に位置し、
半導体層シーケンスは、絶縁層に被覆され、且つ、半導体層シーケンスの正面側の反対側にある背面側から活性層を貫通して第1のタイプの半導体層にまで延伸する1個もしくは複数の凹陥箇所を有し、
第1の導電層は凹陥箇所を通過して第1のタイプの半導体層に電気的に接続し、第2の導電層は第2のタイプの半導体層に電気的に接続し、
第1の導電層と第2の導電層とは凹陥箇所の絶縁層により互いに電気的に絶縁し、
複数の発光ダイオードユニットにおける最初の発光ダイオードユニットは第1の導電層の少なくとも1部が露出して該露出する第1の導電層に電気的に接続する第1の電極を有し、最後の発光ダイオードユニットは第2の導電層の少なくとも1部が露出して該露出する第2の導電層に電気的に接続する第2の電極を有し、第1の電極及び第2の電極は発光ダイオードデバイスの外側に位置し、発光エリアは発光ダイオードデバイスの内部に集中できて比較的に強い光集中度を有しており、
第1の電極及び第2の電極は正面側に面し、第1の導電層の背面側は基板の正面側に接続され、第1の導電層の正面側の第1のタイプの半導体層の背面側に接触する面積大は、第1のタイプの半導体層210の面積的1.5%より大であり、凹陥箇所から延伸する絶縁層は第2の導電層の背面側を覆い、隣り合ういずれか2つの発光ダイオードユニットにおける1つの発光ダイオードユニットの第2の導電層と、他の1つの発光ダイオードユニットの第1の導電層とには、一体的に接続されている接続部が設けられている。
【0032】
複数の発光ダイオードユニットは同一の支持及び放熱基板を共用し、この基板は半導体層シーケンスがエピタキシャル成長する成長基板ではなく、独立した支持部材であり、半導体層シーケンスがエピタキシャル成長する成長基板は存在しない。ここでの「存在しない」とは、エピタキシャル成長のために用いられる成長基板は除去されるか、もしくは大きく薄く削られたことを意味する。
【0033】
本発明の一部の実施例において、互いに仕切られている半導体層シーケンスの間に一体的に接続されている接続部の少なくとも1部が露出しており、例えば、1つの発光ダイオードユニットにおいて第2の導電層が露出する場合、他の1つの発光ダイオードユニットは第1の導電層が露出し、2つの導電層が一体的に接続され、互いに仕切られた半導体層シーケンスの間に、一体的に接続される接続部が露出する。第1の発光ダイオードユニットの露出する第2の電極接続層と、第2の発光ダイオードユニットの露出する第1の導電層とは同じ高さであり、この同じ高さとは、主に第1の発光ダイオードユニットの露出する第2の電極接続層と第2の発光ダイオードユニットの露出する第1の導電層とは、正面側における高さが同じであることを指し、そして更に、同一の厚さ、材料、及び構造を有し、導電層をパターン化する際、第1の発光ダイオードユニットの第2の導電層をその第1の導電層から仕切り、そして第2の発光ダイオードユニットの第1の導電層をその第2の導電層から仕切れば良く、ここでの第1の発光ダイオードユニットの第2の導電層と第2の発光ダイオードユニットの第1の導電層とは、全体としての導電層構造を指すのではなく、半導体層シーケンスに接近する第1の発光ダイオードユニットの第2の導電層の一部、そして第2の発光ダイオードユニットの第1の導電層の一部のみを指し、これら以外の導電層はこれから更に蒸着などのほかの技術により、他の部分の導電層、例えば金属結合層を作製する。
【0034】
上記実施例では、すべての発光ダイオードユニットを正面側から絶縁層の一部を露出させ、少なくとも一部の一体的接続される接続部分が該一部の絶縁層の下方に位置することにより、直接に露出する接続部が破壊されて性能の低下に繋がることを回避する。
【0035】
本発明によれば、複数の発光ダイオードユニットは同様なチップ構造を有することが好ましい。ここでの同様なチップ構造とは、周期的パターンを製作することにより、類似する半導体層シーケンス、第1の導電層、第2の導電層及び絶縁層構造を作製する。ここでの同様なチップ構造は全く同じである必要はなく、特に、電極(ワイヤボンド電極)部分では必要に応じて異なる形状もしくは組み合わせに設計することができる。
【0036】
本発明によれば、複数の発光ダイオードユニットは同一の成長基板から共に成長された半導体層シーケンスから作製されることが好ましい。
【0037】
本発明の一部の実施例においては、第1の導電層の第1のタイプの半導体層の背面側に接触する面積が第1のタイプの半導体層210の面積の4%以上で6%以下の範囲内にあることが好ましく、更に高い放熱の要求に適し、例えば負荷がより高い状況における放熱問題を解決することに適している。
【0038】
本発明の一部の実施例においては、第1の導電層及び/又は第2の導電層は金属材料であることが好ましい。これは金属導電材料は非金属導電材料と比べ、熱伝導性能が優れているからである。
【0039】
本発明の一部の実施例においては、半導体層シーケンスは高さが7μm以下の半導体薄膜チップであることが好ましい。
【0040】
すべての発光ダイオードユニットは、上から下へと順番に積層される第2の導電層と絶縁層と第1の導電層とを有することが好ましい。第1の導電層が放熱基板に直接に接触するので、第1の導電層からでも絶縁層の熱を放出することができる。
【0041】
本発明の一部の実施例においては、基板の材料はセラミックであることが好ましい。金属材料と比べて、セラミックは優れた放熱特性を確保する上、絶縁性により装置全体の信頼性を向上させることもできる。
【0042】
本発明の一部の実施例においては、隣り合う2つの発光ダイオードユニットの第1の導電層は、絶縁層により仕切られることが好ましい。
【0043】
本発明の一部の実施例においては、発光ダイオードデバイスは3~6個、もしくは7~9個の発光ダイオードユニットを有することが好ましい。直列に接続される発光ダイオードユニットが多ければ、従来の構成と比べ、本発明は光の集中もしくは放熱的利点を有するからである。
【0044】
高圧発光装置の製作に用いられる発光ダイオードデバイスの製作方法には以下の工程が含まれる。即ち、
第1のタイプの半導体層と、活性層と、第2のタイプの半導体層と、を有する半導体層シーケンスを成長基板に作製する第1の工程と、
第2のタイプの半導体層の背面側から、第2のタイプの半導体層及び活性層を貫通し、且つ、少なくとも第1のタイプの半導体層を貫通する複数の凹陥箇所を形成する第2の工程と、
第2のタイプの半導体層の表面の凹陥箇所以外の箇所に、2以上のn対の同一の水平面にある第1の導電層及び第2の導電層を有する導電層を形成してから、導電層と凹陥箇所の底部と側壁に対して絶縁層を被覆する第3の工程と、
凹陥箇所の底部の第1のタイプの半導体層及びn個の第1の導電層の一部のエリアが少なくとも露出するよう、絶縁層に穴を形成する第4の工程と、
凹陥箇所の底部と絶縁層とn個の第1の導電層の一部のエリアとに第1の導電層材料を引き続き被覆し、且つ、n個の第1の導電層の間に絶縁層を設けて仕切る第5の工程と、
放熱基板を第1の導電層の背面側に直接に接続する第6の工程と、
成長基板を除去する第7の工程と、
第1の導電層及び第2の導電層が露出してn個の互いに仕切られている半導体層シーケンスが形成されるよう、第1のタイプの半導体層の正面側から半導体層シーケンスの一部を除去する第8の工程と、
最初の半導体層シーケンスの露出する第1の導電層に第1の電極を作製すると共に、最後の半導体層シーケンスの露出する第2の導電層に第2の電極を作製する第9の工程とが含まれる。
【0045】
なお、第5の工程が実行される際には、記載の通りに第1の導電層材料を覆う順番を決める必要はなく、即ち、実際の状況に応じて任意に順番を調整することができる。
【発明の効果】
【0046】
従来の技術と比べ、本発明により提供される発光ダイオードチップの技術的效果は以下の通りである。即ち、良好な放熱機能を持つ高圧発光ダイオードを提供し、本発明が設計する発光ダイオードユニットの構成を利用することにより、並列接続の高圧発光ダイオードアレイを便利に作製することができる。
【0047】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の説明において陳述するが、一部は明細書から明白なものであり、もしくは本発明を実施することにより理解できる。本発明の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲、及び添付の図面により特に示される構造によって実現及び獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図面は本発明のより一層の理解のために供するものであり、また明細書の一部を構成するものであり、本発明の実施例と共に本発明の解釈に用いられ得るが、本発明を限定するものではない。また、図面における数値は概要を示すにすぎず、比率に応じて描かれたものではない。
【0049】
【
図1】実施例1の第1の工程~第3の工程により作製された構造の説明図。
【
図2】実施例1の第4の工程により作製された構造の説明図。
【
図3】実施例1の第5の工程により作製された構造の説明図。
【
図4】実施例1の第6の工程~第7の工程により作製された構造の説明図。
【
図5】実施例1の第8の工程~第9の工程により作製された構造の説明図。
【
図6】実施例1のLEDの構成が示される上面説明図。
【
図7】実施例1の新構造と従来技術の旧構造のエージングデータが比較される曲線グラフ。
【
図8】実施例1の新構造と従来技術の旧構造のエージングデータが比較される曲線グラフ。
【
図9】実施例1の新構造と従来技術の旧構造のエージングデータが比較される曲線グラフ。
【
図10】実施例1の新構造と従来技術の旧構造のエージングデータが比較される曲線グラフ。
【
図11】実施例1の新構造と従来技術の旧構造のエージングデータが比較される曲線グラフ。
【
図12】実施例1の新構造と従来技術の旧構造のエージングデータが比較される曲線グラフ。
【
図13】実施例7の第1の工程~第2の工程の構成が示される説明図。
【
図14】実施例7の第3の工程により作製された構造の説明図。
【
図15】実施例7の第4の工程により作製された構造の説明図。
【
図16】実施例7の第5の工程により作製された構造の説明図。
【
図17】実施例7の第6の工程~第9の工程により作製された構造の説明図。
【
図18】実施例9のLEDの構成が示される説明図。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、添付図面を組み合わせて、本発明の発光ダイオードチップ及びその製作方法について詳細に説明する。本発明について更なる説明を行うにあたって、特定の実施例に対して改造することが可能なので、本発明は以下の実施例に制限されないことを理解すべきである。また、本発明の範囲は特許請求の範囲のみにより制限されるので、採用する実施例は解説的なものであり、制限するものではないことを理解すべきである。他に説明がある場合を除いて、ここで用いられるすべての技術及び科学的用語は、当該の技術分野において通常の技術者が一般的に理解する意味と同様である。
【0051】
図1~
図5に示される方法の各段階の説明的断面図を使用し、第1の実施例に基づく光電半導体本体の製造に用いられる方法を説明する。
【0052】
第1の実施例において、まずは正面側から光を射出できるように設計された発光ダイオードチップの製造方法の工程を提供する。
【0053】
図1を参照し、第1の工程~第3の工程により作製された構造が示されている。
【0054】
第1の工程では、発光エキタピシャル層としての半導体層シーケンス200を成長基板100に作製する。半導体層シーケンス200は第1のタイプの半導体層210と活性層230と第2のタイプの半導体層220とを有する。この実施例における半導体層シーケンス200は、実質的に発光pn接合であり、第1のタイプの半導体層210はn型半導体層であり、第2のタイプの半導体層22はp型半導体層であるが、設計によりこの順番は入れ替えることも可能である。活性層230は放射を生成する多重量子井戸である。第2の工程では、第2のタイプの半導体層220の背面から第2のタイプの半導体層220及び活性層230を貫通する凹陥箇所を掘り出す。凹陥箇所は少なくとも第1のタイプの半導体層210にまで貫通し、第1のタイプの半導体層210内にまで貫通することも可能である。第3の工程では第2のタイプの半導体層の表面の凹陥箇所以外の箇所にパターン化された導電層を被覆する。導電層は同一の水平面にある第1の導電層310及び第2の導電層320を有し、それから導電層と凹陥箇所の底部と側壁に対して絶縁層400を被覆する。
【0055】
図2を参照すると、第4の工程では、更に導電経路を有する回路構造を作製し、絶縁層400から電気的絶縁する絶縁材料の一部を除去することにより穴を開け、凹陥箇所の底部の第1のタイプの半導体層210を少なくとも露出させ、且つ第1の導電層310の少なくとも一部を露出させる。
【0056】
図3を参照すると、第5の工程では、凹陥箇所の底部と、絶縁層400と、第4の工程において露出された第1の導電層310の一部のエリアとに第1の導電層310材料を引き続き被覆して、第1の導電層310が凹陥箇所を充填した後に第1の電極610と第1のタイプの半導体層210との電気的接続を構築できるようにする。この工程における第1の導電層310の材料の融点は結合温度より低いので、より良好な流動性を持ち、例えばNiもしくはSnを採用することにより、第1の導電層310の内部の対応箇所の穴を減らせ、製品の放熱及び信頼性を高める。
【0057】
図4を参照すると、第6の工程では、放熱基板500を第1の導電層310の背面側に直接に接続する。この直接接続には、通常は金属結合技術もしくは接着技術を採用する。結合技術を採用する場合、通常は第6の工程の前に基板500及び第1の導電層310に結合金属を作製するが、ここでの結合金属はまとめて第1の導電層310を構成する。
【0058】
第7の工程では、成長基板100を除去する。
【0059】
図5を参照して第8の工程及び第9の工程について説明する。第8の工程では、第1の導電層310及び第2の導電層320が露出するまで第1のタイプの半導体層210の正面側から半導体層シーケンス200の一部を除去する。本技術の1つの利点は、半導体層シーケンス200を直接にエッチングして電極窓を形成することができるので、絶縁物質もしくは導電層など除去しにくい材料を除去する必要はなく、相対的に技術が簡単であり、効率も高く、そして信頼性も高い。
【0060】
第9の工程では露出する第1の導電層310に第1の電極610を作製し、そして露出する第2の導電層320に第2の電極620を作製する。
【0061】
本発明の第2の実施例では、上記技術的方法により作製されて信頼性が向上されて高圧チップの製作工程も単純化された発光ダイオード構造を提供する。
【0062】
図5を参照すると、まずは、放射に用いられる半導体層シーケンス200を有する。該半導体層シーケンス200は、第1のタイプの半導体層210と第2のタイプの半導体層220及び第1のタイプの半導体層210と第2のタイプの半導体層220との間に介在して放射を生成するように設計された活性層230を有する。第1のタイプの半導体層210は半導体層シーケンス200の正面側に隣接し、半導体層シーケンス200は例えばIII‐V族化合物半導体材料もしくはII‐VI族化合物半導体材料に基づくものである。II‐V族化合物半導体材料は少なくとも第3族の元素、例えばAl、Ga、Inを有し、及び第5族の元素、例えばB、N、P、Asを有する。特に、“III‐V族化合物半導体材料”という用語は、二元、三元、もしくは四元化合物の族をも含み、これらの化合物は第3族の元素の少なくとも1種類と第5族の元素の少なくとも1種類とを有し、特には窒化物化合物半導体とリン化物化合物半導体である。このような二元、三元、もしくは四元化合物以外に、1種もしくは複数種のドープ剤及び付加的組成部分を有することができる。III‐V族化合物半導体材料に属する材料としては、例えばIII族窒化物化合物半導体材料とIII族リン化物化合物半導体材料が挙げられ、例えばGaN、GaAsとInGaAlPなどがある。半導体層シーケンス200の高さは5μm以上から7μm以下まで、もしくは、7μm以上から8μm以下までである。半導体層シーケンス200の高さは、ここでは7μm未満であるが、技術的性能を考慮に入れると、半導体層シーケンス200は5μm以上である。
【0063】
半導体層シーケンス200は、絶縁層400に被覆される少なくとも1つの凹陥箇所を有し、この実施例では、凹陥箇所の数は20~25個であり、凹陥箇所は半導体層シーケンス200の正面側の反対側にある背面側から活性層230を貫通して第1のタイプの半導体層210にまで延伸する。第1の導電層310の背面側は基板500の正面側に接続し、第1の電極610を設置するため、第1の導電層310の正面側の少なくとも1部が露出し、そして第2の電極620を設置するため、第2の導電層320の正面側の少なくとも1部が露出し、露出する第1の電極610接続層は第2の導電層320と同じ高さであり、この同じ高さとは、主に上表面が高さの一致する水平面に位置することを指し、この高さが同じ設計は、実際では半導体層シーケンス200に近接する第1の導電層310及び第2の導電層320を一体的に設計製作することにより達成される。第1の導電層310に接続される第1の電極610と、第2の導電層320に接続される第2の電極620に関しては、第1の電極610と第2の電極620は正面側に面し、第1の電極610と第2の電極620とは、主にパッケージに用いられるワイヤボンディングの金属電極を指す。
【0064】
第1の導電層310が凹陥箇所を貫通して第1のタイプの半導体層210に電気的に接続し、第1の導電層310の正面側の第1のタイプの半導体層210の背面側に接触する面積は、第1のタイプの半導体層210の面積の1.5%より大である。
【0065】
第1の導電層310と第2の導電層320とは凹陥箇所の絶縁層400により互いに電気的に絶縁し、凹陥箇所から延伸する絶縁層400は第1の導電層310及び第2の導電層320の背面側に被覆している。絶縁層400が第1の導電層310を被覆することは、第1の導電層310の背面側を全面的に覆うことを意味せず、第1の導電層310の一部のエリアだけ被覆することにより、放熱効果の低下を防ぐ。絶縁層400の材料は酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムもしくはセラミックであり、第1の導電層310及び第2の導電層320は一方がまたは両方共に金属材料である。
【0066】
支持及び放熱に用いられる基板500に関しては、基板500の材料はSi、Cuもしくはセラミックであり、特に、セラミックを用いる基板500のチップは、セラミック基板500が放熱特性が良好なため第1の導電層310に合わせて熱を更に良好に第1の導電層310から放出することができる上、セラミック基板500の絶縁特性により、高圧製品において同一の基板500に複数個の半導体を直列接続する構造の作製に寄与する。
【0067】
第1の導電層310及び第2の導電層320は、一方がまたは両方共に材料がAg、Au、Ti、Al、Cr、Pt、TiW合金、Ni、もしくはこれらの任意の組み合わせである。具体的に、この実施例においては、第1の導電層310の第1の電極610に接触する部分と、第2の導電層320の第2の電極620に接触する部分は、性能が比較的に安定なTi、Pt、Au、Cr、TiW合金であり、凹陥箇所の充填に用いられる第1の導電層310の材料は、Al、CrもしくはAgなどの反射材料が含まれる。発光エリアの下方に位置する第2の導電層320は、順次に電流の拡張に用いられるITO、発光エリアの発光に対して反射を実行するAg、NiもしくはTiW、上記材料の拡散を防ぐ安定な金属材料Ti、Pt、Au、CrもしくはTiWなど、を有する。
【0068】
図6にあるように、本実施例の構造を更に説明すべく、俯瞰角度から本発明の構造を体現するチップの上面説明図が提供されている。この説明図では、出光面の位置に均一に散在する複数個の凹陥箇所の設計が見られ、この設計は優れた電流拡張性及び放熱特性を有し、第1の電極610と第2の電極620はチップの外側に配置されている。この発光ダイオードチップ構造は、簡単且つ明晰な各材料積層を有し、製作技術が単純で信頼性が高いなどの利点がある。
【0069】
図7~
図9を参照されたい。外部からジャンクション温度に干渉する条件の下でエージング試験を実行した。通常の旧構造は125℃のジャンクション温度及び2000mAの電流という条件下ですぐ発光しなくなった。そこで本発明の新構造に対してより不利なエージング試験条件を課すべく、新構造に対しては125℃のジャンクション温度及び2000mAの電流でエージング試験を実行し、旧構造に対しては75℃のジャンクション温度及び1500mAの電流でエージング試験を実行した。
図7は1000時間内における新構造と旧構造の輝度ΔLOPに対して比較を行ったものであり、新構造は1000時間内における輝度の変化が比較的に小さくて輝度の安定性が優れている。
図8は1000時間内における新構造と旧構造の順方向電圧の変化値ΔVFに対して比較を行ったものであり、ΔVFとは初期の順方向電圧との差であり、両者の間の差は小さい。
図9は1000時間内における新構造と旧構造の漏洩電流ΔIRに対して比較を行ったものであり、ΔIRとは初期のリーク電流との差であり、新構造は基本的にリーク電流は存在せず、旧構造はエージングの進みに従って段々と高くなっている。以上の試験データを総合すると、基本的には、本発明の新構造は高温、大電流密度の条件においては、通常の旧構造より信頼性が高いという結論を得ることが出来る。
【0070】
図10~
図12を参照されたい。外部からジャンクション温度に干渉する条件の下でエージング試験を実行した。新構造と旧構造とに対して同様に125℃のジャンクション温度及び1500mAの電流でエージング試験を実行した。
図10及び
図11は1000時間内における新構造と旧構造の輝度ΔLOP及び順方向電圧変化値ΔVFに対して比較を行ったものであり、新構造は1000時間内における差が比較的に小さく、安定性が近いことが見られる。
図12は1000時間内における新構造と旧構造のリーク電流ΔIRに対して比較を行ったものであり、新構造は基本的にリーク電流は存在せず、旧構造はエージングの進みに従って段々と高くなっている。以上の試験データを総合すると、基本的には、本発明の新構造は高温、中大電流密度の条件においては、通常の旧構造より信頼性が高いという結論を得ることが出来る。
【0071】
実施例3は実施例2の一部の変形例であり、この実施例では第1の導電層310の第1のタイプの半導体層210の背面側に接触する面積を拡大し、この接触する面積は第1のタイプの半導体層210の面積の2.3%以上から2.8%以下まで、または2.8%から4%未満まで、もしくは4%以上から6%以下までである。凹陥箇所の開口の直径は15μm以上から32μm未満である。前の実施例と異なり、第1の導電層310の第1のタイプの半導体層210に対する直接に接触する面積を増やすことで、高電力製品の放熱問題を解決し、そして高電力製品とは例えば大型チップもしくは高圧チップなどである。
【0072】
実施例4は実施例3の更なる設計であり、大まかに言うと第1の導電層310と第1のタイプの半導体層210との総接触面積を確保することにより放熱特性を高められるが、開口の直径が小さい場合、比較的細い第1の導電層310は熱抵抗との比率が非線形になるので、この状況における放熱を確保すべく、この実勢例の設計は凹陥箇所の開口を32μm以上から40μm以下までに設計する。好ましい実施形態として、凹陥箇所の開口の直徑が34μm以上から36μm以下までの場合、凹陥箇所の数は20~25に設定される。
【0073】
実施例2から実施例4のような構成のように、実施例5では第1のタイプの半導体層210の厚さを厚めに設計する場合、例えば厚さを2μm以上とする場合、凹陥箇所の第1のタイプの半導体層210内における深さを1μm以上になるまで掘ることにより、第1のタイプの半導体層210から更に好適に熱を逃がすことができる。例えば、第1のタイプの半導体層210の厚さは2μm~3μmである。
【0074】
本発明の実施例6においては、実施例1~実施例5の発光ダイオードチップをワイヤボンディングで接続し、最初の発光ダイオードチップの第1の電極610を外部の回路に接続させ、最初の発光ダイオードチップの第2の電極620をゴールドワイヤで2番目の発光ダイオードチップの第1の電極610に接続させ、この方法により、複数個の発光ダイオードチップを順次にゴールドワイヤで直列接続し、最後の発光ダイオードチップの第2の電極620を外部の回路に接続させることにより、一連に直列接続する発光ダイオードチップ串を構成する。応用において、直列接続する複数の発光ダイオードチップは外部の回路の電流が一定であるため、比較的に高い稼動電圧を有し、他の構成と比べて、この構成の発光ダイオードチップは直列接続の設計を便利に実行することができ、且つ、高圧においては明らかな信頼性利点を有している。
【0075】
本発明の実施例7においては、比較的に技術が単純で、信頼性が高い発光ダイオードデバイスの製作方法が公開されており、この高圧発光裝置の製作に用いられる方法には、以下の工程が含まれている。
【0076】
図13を参照し、第1の工程では、まず発光ダイオードデバイスのエキタピシャル構造を作製し、成長基板100に半導体層シーケンス200を作製する。この半導体層シーケンス200は、第1のタイプの半導体層210と活性層230と第2のタイプの半導体層220とを有し、この三者は半導体のpn接合を構成する。第2の工程では、第2のタイプの半導体層220の背面側から、例えばウェットエッチングもしくはドライエッチングにより、第2のタイプの半導体層220及び活性層230を貫通する複数の凹陥箇所を掘り出し、これらの凹陥箇所は少なくとも第1のタイプの半導体層210にまで貫通する。
【0077】
図14を参照し、第3の工程では、第2のタイプの半導体層220の表面の凹陥箇所以外の箇所に導電層を被覆する。この導電層は離散分布であり、この後の電気的接続のために相応しいパターン設計を行う。この導電層は、2以上のn対の同一の水平面にある第1の導電層310及び第2の導電層320を有し、各対の第1の導電層310及び第2の導電層320は、この後に作製される独立した半導体層シーケンス200の中に位置する。それから各部分の導電層と凹陥箇所の底部と側壁に対して絶縁層400を被覆する。
【0078】
図15を参照し、第4の工程では、凹陥箇所の底部の第1のタイプの半導体層210及びn個の第1の導電層310の一部のエリアが少なくとも露出するよう、絶縁層400の一部のエリアに穴を形成する。露出する凹陥箇所の底部の第1のタイプの半導体層210及びn個の第1の導電層310の一部のエリアは、電気的接続窓の製作に用いられる。
【0079】
図16を参照し、第5の工程では、凹陥箇所の底部と、絶縁層400と、n個の第1の導電層310の一部のエリアとに引き続き第1の導電層310材料を被覆する。ここでの第1の導電層310は主に複数種類の材料により共同に構成されたもので、まとめて第1の導電層310として定義される。n個の第1の導電層310の間に絶縁層400を設けて仕切り、新たに被覆される第1の導電層310材料により電気的接続を第2の導電層320の同じ高さの第1の導電層310に放出する。
【0080】
図17を参照し、第6の工程では、放熱基板500を第1の導電層310の背面側に直接に接続する。放熱基板500はセラミックもしくは金属を含み、この直接接続は通常金属結合技術もしくは接着技術を採用する。結合技術を採用する場合、通常は第6の工程の前に基板500及び第1の導電層310に結合金属を作製するがここでの結合金属はまとめて第1の導電層310を構成する。
【0081】
第7の工程では、成長基板100を除去する。ここでの成長基板100を除去することは、成長基板100の全部を除去すること、もしくは大きく薄く削ることが含まれている。
【0082】
第8の工程では、第1の導電層310及び第2の導電層320が露出するまで第1のタイプの半導体層210の正面側から半導体層シーケンス200の一部を除去してn個の互いに仕切られている半導体層シーケンス200を形成する。この技術の設計は第1の導電層310と第2の導電層320までの比較的安定な材料を直接に除去できるので、技術の制御性が良い。
【0083】
第9の工程では、最初の半導体層シーケンス200の露出する第1の導電層310に第1の電極610を作製すると共に、最後の半導体層シーケンス200の露出する第2の導電層320に第2の電極620を作製し、第1の電極610と第2の電極620は外部の回路との接続に用いられる。
【0084】
図17を参照すると、上記技術で提供された主に高圧装置に用いられる発光ダイオードデバイスの構成に基づいて、本発明の実施例8では、その構成における発光ダイオードユニットの間は直列接続を採用し、発光ダイオードデバイスは3~6個もしくは7~9個の発光ダイオードユニットを有する。直列接続の形に設計するために、発光ダイオードユニットの間の半導体層シーケンス200は互いに仕切られ、互いの間は半導体層シーケンス200内部の導電層により直列接続により電気的接続される。半導体層シーケンス200は、第1のタイプの半導体層210と第2のタイプの半導体層220との間に介在し、放射の生成に設計された活性層230を有する。第1のタイプの半導体層210は半導体層シーケンス200の正面側に位置し、半導体層シーケンス200は絶縁層400に被覆される1つまたは複数の凹陥箇所を有する。凹陥箇所は電流の通路として、半導体層シーケンス200の正面側の反対側である背面側から活性層230を貫通して第1のタイプの半導体層210にまで延伸し、導電特性を有する第1の導電層310は凹陥箇所を通過して第1のタイプの半導体層210に電気的に接続し、導電特性を有する第2の導電層320は第2のタイプの半導体層220に電気的に接続する。第1の導電層310及び第2の導電層320は、凹陥箇所から延伸する絶縁層400により互いに電気的に絶縁しており、複数の発光ダイオードユニットの最初の発光ダイオードユニットは第1の導電層310の少なくとも1部が露出して該露出する第1の導電層310に電気的に接続される第1の電極610を有し、最後の発光ダイオードユニットは第2の導電層320の少なくとも1部が露出して該露出する第2の導電層320に電気的に接続される第2の電極620を有し、第1の電極610と第2の電極620とは発光ダイオードデバイスの外側に位置し、第1の電極610と第2の電極620とは正面側に面する。
【0085】
第1の導電層310の背面側は基板500の正面側に接続し、第1の導電層310の正面側の第1のタイプの半導体層210の背面側に接触する面積は第1のタイプの半導体層210の面積の1.5%より大であり、凹陥箇所から延伸する絶縁層400は第2の導電層320の背面側を被覆し、隣り合ういずれか2つの発光ダイオードユニットにおける1つの発光ダイオードユニットの第2の導電層320と、他の1つの発光ダイオードユニットの第1の導電層310とには一体的に接続された接続部が設けられており、隣り合う2つの発光ダイオードユニットの第1の導電層310は絶縁層400により仕切られている。発光ダイオードユニットの一部のエリアでは、上から下へと順次に第2の導電層320と絶縁層400と第1の導電層310とが積層されている。
【0086】
複数の発光ダイオードユニットは同一の支持及び放熱基板510を共用する。一部の薄膜タイプの発光ダイオードデバイスでは、半導体層シーケンス200の高さは7μm未満である。
【0087】
本実施例において、第1の導電層310及び第2の導電層320は一方がまたは両方とも主に金属材料であり、電流の拡張に用いられるITOなどの電流拡張材料が設けられる可能性もある。互いに仕切られた半導体層シーケンス200の間に、一体的に接続される接続部の少なくとも1部が露出し、この構造により、互いに仕切られた半導体層シーケンス200を製作する際、除去技術は接続部まで実行すればよいので便利であり、そして技術的には制御しやすい。
【0088】
図18を参照し、上記実施例8に基づいて、外部の環境が接続部に直接影響する、ひいては接続部を破壊しないように接続部を守るべく、本発明は実施例9を提案し、すべての発光ダイオードユニットは正面側から絶縁層400の1部が露出し、一体に接続される接続部の少なくとも1部は該絶縁層400の下方に位置し、構造から見れば、製作技術の第5の工程において仕切りに用いられる絶縁層400の位置を水平方向で変更するだけでよく、そして第8の工程において半導体層シーケンス200の位置を絶縁層400が露出するまで除去すれば、これを実現できる。
【0089】
実施例8及び実施例9では、複数の発光ダイオードユニットは同一の成長基板100において共同に成長した半導体層シーケンス200により作製されたものであり、複数の発光ダイオードユニットは同様なチップ構造を有し、即ち、
図11及び
図12には周期的ユニット構造が見られる。
【0090】
本発明の実施例10において、複数の半導体層シーケンス200が直列接続する高圧条件で、第1の導電層310の第1のタイプの半導体層210の背面側に接触する面積を拡大し、接触面積を第1のタイプの半導体層210の面積の4%以上から6%以下までに設計する。
【0091】
上記したのは本発明の好ましい実施形態に過ぎず、この技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の精神および範疇に違反しない限り、上記した実施例に対して組み合わせ、修飾または変更を実行することができ、これらも本発明の請求範囲に属する。
【符号の説明】
【0092】
100 成長基板
200 半導体層シーケンス
210 第1のタイプの半導体層
220 第2のタイプの半導体層
230 活性層
310 第1の導電層
320 第2の導電層
400 絶縁層
500 基板
610 第1の電極
620 第2の電極