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特許7274555微細粒子発生装置用ヒータ及びその設置構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】微細粒子発生装置用ヒータ及びその設置構造
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20230509BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20230509BHJP
   H05B 3/16 20060101ALI20230509BHJP
   H05B 3/20 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/51
H05B3/16
H05B3/20 312
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021194359
(22)【出願日】2021-11-30
(65)【公開番号】P2022087833
(43)【公開日】2022-06-13
【審査請求日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0165651
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0043184
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0051611
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513195466
【氏名又は名称】イーエム-テック・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EM-TECH.Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ジュンハク・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ファンオク・チェ
(72)【発明者】
【氏名】スンアン・イ
【審査官】武市 匡紘
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0109705(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0058436(KR,A)
【文献】特開2009-285038(JP,A)
【文献】特開2001-126851(JP,A)
【文献】特開2001-185333(JP,A)
【文献】国際公開第2019/208996(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/46
A24F 40/51
H05B 3/16
H05B 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状の金属構造物;及び、
前記金属構造物の外面に付着され、絶縁フィルム上に発熱パターンが印刷される発熱層を備える発熱体を含み、
前記発熱体は、前記発熱層の発熱パターンの表面に付着され、前記絶縁フィルムで製造される中間層と、前記中間層に付着され、前記絶縁フィルム上に温度を感知するセンサパターンが印刷されるセンサ層とをさらに備え、
前記センサ層は、一部が前記金属構造物の外側に延長される延長部を備え、
前記センサパターンは、両端部が前記延長部に沿って延長され、前記延長部の端部にターミナルが形成され、
前記発熱層は、前記センサ層の延長部に沿って延長される延長部を備え、
前記発熱層の延長部は、抵抗線及び信号線を連結するためのハンダ付けパッドを備え、
前記センサ層の延長部は、前記ハンダ付けパッドが露出されるようにホールを備えることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項2】
前記絶縁フィルムは、ポリイミド(PI)及びLCPの何れか一つで製造され、前記発熱パターンは、コンスタンタンで製造されることを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項3】
前記発熱体は、一部が前記金属構造物の外側に延長される延長部を備え、
前記発熱体は、前記延長部に前記発熱パターンと外部電源を連結するためのハンダ付けパッドを備えることを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項4】
前記センサパターンは、Cu材質で印刷されることを特徴とする、請求項に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項5】
前記センサパターンは、前記中間層と当接する面に印刷されることを特徴とする、請求項に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項6】
前記センサ層の延長部は、端部に前記ターミナルの設置を容易にするために付着される補強部材をさらに備えることを特徴とする、請求項に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項7】
前記発熱層、前記中間層及び前記センサ層は、合紙後に前記金属構造物に付着されることを特徴とする、請求項に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項8】
前記絶縁フィルムは、ポリイミドで製造され、
前記発熱層は、前記絶縁フィルムに熱や圧力を加えて変形させることで、前記金属構造物に付着されることを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項9】
前記絶縁フィルムが前記金属構造物に付着されるとき、300℃以上の熱及び1kgf/cm以上の圧力が加えられることを特徴とする、請求項に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項10】
前記発熱体は、接着剤として液状のポリイミドを用いて、前記金属構造物に付着されることを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項11】
円筒形状の金属構造物;及び、
前記金属構造物の外面に付着され、絶縁フィルム上に発熱パターンが印刷される発熱層を備える発熱体を含み、
前記発熱体の外周に設置され、締め構造を持つ金属ブラケットを含むことを特徴とする、細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項12】
前記金属ブラケットの締め構造は、折り曲げ可能な掛け金及び掛け金が貫通する貫通孔を備えることを特徴とする、請求項11に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項13】
前記金属ブラケットは、フィルムヒータから熱伝逹量を最小化するために、複数個の打孔を備えることを特徴とする、請求項11に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項14】
前記発熱体の温度を測定するための温度センサをさらに含み、
前記金属ブラケットは、前記温度センサを収容する収容部を備えることを特徴とする、請求項11に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項15】
前記絶縁フィルムは、ポリイミド(PI)及びLCPの何れか一つで製造され、前記発熱パターンは、コンスタンタン又は銅で製造されることを特徴とする、請求項11に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項16】
前記発熱体は、一部が前記金属構造物の外側に延長される延長部を備え、
前記発熱体の延長部は、前記発熱パターンと外部電源を連結するためのターミナルを備えることを特徴とする、請求項11に記載の微細粒子発生装置用ヒータ。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れか一項に記載の微細粒子発生装置用ヒータ;
前記ヒータを支持し、前記ヒータの外周面と間隔をおいて前記ヒータを囲むように設置されるヒータホルダ;及び、
前記ヒータの外周面及び前記ヒータホルダの内周面間に形成される断熱空気層を含むことを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータの設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細粒子発生装置用ヒータ及びその設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
空気中の微細粒子、すなわちエアロゾルを吸入するもので、所謂喫煙のような嗜好物質の吸入が達成できる。従来は、巻タバコ形態のタバコがこのような嗜好物質の吸入のほぼ唯一の手段であったが、最近は、もう一つの手段として電子タバコが占有している。電子タバコは、吸入物質が液状で充填されたカートリッジに熱や超音波を加え、吸入物質を蒸気に気化させて微細粒子を発生させるので、燃焼により煙を発生させる従来の巻タバコ形態のタバコとは方式面において完全に差別化され、それによる長所、特に燃焼により発生し得る多様な有害物質の発生を防止できるという長所を持つ。
【0003】
また、巻タバコ形態の通常のタバコを好む需要者らの要求に応じて、通常のタバコのフィルター部及び巻タバコ部の形態を持つ電子タバコも提案されているが、このような電子タバコは、巻タバコ部に含まれた吸入物質を電子ヒータで気化させながら、通常のタバコと同等な構成を持つフィルタ部を通してユーザが吸入する構成を持つ。電子タバコをホルダにはめて、ホルダ内のヒータが加熱して巻タバコ部内の吸入物質を気化させる場合、ユーザがフィルター部を通して気化される吸入物質が吸入できるようになる。このような電子タバコと同様に、燃焼が発生しないという長所を持つと同時に、通常のタバコの吸入時と同一のメカニズムによりフィルター部を通して気化された吸入物質が吸入できるので、ユーザの立場では通常のタバコを吸入するような気分を感じるようになる。
【0004】
図1は、従来技術に係る微細粒子発生装置のヒータの一例を示す図である。従来技術に係る微細粒子発生装置のヒータは、ブレードタイプであり、微細粒子形成基材A内にブレードタイプのヒータが挿入される。ブレードタイプのヒータは、電気的に絶縁され、硬い基板11上に複数の電気伝導性トラック13が形成され、伝導性トラック13に電源を印加する結線15が基板11の外部に引き出される形態である。
【0005】
図2は、従来技術に係る微細粒子発生装置のヒータの他の一例を示す図である。微細粒子発生装置のヒータは、電気的に絶縁である基板21上に伝導性トラック23が形成され、伝導性トラック23に電源を印加する結線25を含む第1のパート29と、電気的に絶縁である基板21上に断熱反射ハニカム構造27が形成される第2のパート31とを含む。第1のパート29が内側に位置し、第2のパート31が外側に位置するように、チューブ形状で巻いてヒータを形成する。
【0006】
しかしながら、従来技術に係る微細粒子発生装置のヒータは、ヒータの温度を測定するためのセンサの設置が複雑であり、伝導性トラック23から発生する熱を微細粒子発生用基材に均一に伝達し難いという短所を持つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、フィルム状の発熱体を金属構造物に付着して加熱することで、微細粒子発生用基材を均一に加熱して微細粒子が発生できる微細粒子発生装置用ヒータを提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は、金属構造物に設置されるフィルム状の発熱体の設置構造が改善された微細粒子発生装置用ヒータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、円筒形状の金属構造物、及び、金属構造物の外面に付着され、絶縁フィルム上に発熱パターンが印刷される発熱層を備える発熱体を含むことを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0010】
また、本発明の他の一例として、絶縁フィルムは、ポリイミド(PI)及びLCPの何れか一つで製造され、発熱パターンは、コンスタンタン(constantan)で製造されることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0011】
また、本発明の他の一例として、発熱体は、一部が金属構造物の外側に延長される延長部を備え、発熱体は、延長部に発熱パターンと外部電源を連結するためのハンダ付けパッドを備えることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0012】
また、本発明の他の一例として、発熱体は、発熱層の発熱パターンの表面に付着され、絶縁フィルムで製造される中間層と、中間層に付着され、絶縁フィルム上に温度を感知するセンサパターンが印刷されるセンサ層とをさらに備えることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0013】
また、本発明の他の一例として、センサパターンはCu材質で印刷されることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0014】
また、本発明の他の一例として、センサパターンは、中間層と当接する面に印刷されることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0015】
また、本発明の他の一例として、センサ層は、一部が金属構造物の外側に延長される延長部を備え、センサパターンは、両端部が延長部に沿って延長され、延長部の端部にターミナルが形成されることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0016】
また、本発明の他の一例として、センサ層の延長部は、端部にターミナルを容易に設置するために付着される補強部材をさらに備えることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0017】
また、本発明の他の一例として、発熱層は、センサ層の延長部に沿って延長される延長部を備え、発熱層の延長部は、抵抗線及び信号線を連結するためのハンダ付けパッドを備え、センサ層の延長部は、ハンダ付けパッドが露出されるようにホール(hole)を備えることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0018】
また、本発明の他の一例として、発熱層、中間層及びセンサ層は、合紙後に金属構造物に付着されることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0019】
また、本発明の他の一例として、絶縁フィルムは、ポリイミドで製造され、発熱層は、絶縁フィルムに熱や圧力を加えて変形させることで、金属構造物に付着されることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0020】
また、本発明の他の一例として、絶縁フィルムが金属構造物に付着されるとき、300℃以上の熱及び1kgf/cm以上の圧力が加えられることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0021】
また、本発明の他の一例として、発熱体は、接着剤として液状のポリイミドを用いて、金属構造物に付着されることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0022】
また、本発明の他の一例として、発熱体の外周に設置され、締め構造を持つ金属ブラケットを含むことを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0023】
また、本発明の他の一例として、金属ブラケットの締め構造は、折り曲げ可能な掛け金及び掛け金が貫通する貫通孔を備えることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0024】
また、本発明の他の一例として、金属ブラケットは、フィルムヒータから熱伝逹量を最小化するために、複数個の打孔を備えることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0025】
また、本発明の他の一例として、発熱体の温度を測定するための温度センサをさらに含み、金属ブラケットは、温度センサを収容する収容部を備えることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0026】
また、本発明の他の一例として、絶縁フィルムはポリイミド(PI)及びLCPの何れか一つで製造され、発熱パターンはコンスタンタン又は銅で製造されることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0027】
また、本発明の他の一例として、発熱体は、一部が金属構造物の外側に延長される延長部を備え、発熱体の延長部は、発熱パターンと外部電源を連結するためのターミナルを備えることを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータを提供する。
【0028】
また、本発明の他の一例として、前記何れか一つの微細粒子発生装置用ヒータ、ヒータを支持し、ヒータの外周面と間隔をおいてヒータを囲むように設置されるヒータホルダ、及び、ヒータの外周面及びヒータホルダの内周面間に形成される断熱空気層を含むことを特徴とする、微細粒子発生装置用ヒータの設置構造を提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明が提供する微細粒子発生装置用ヒータは、発熱パターンが直接的に微細粒子発生用基材を加熱するものではなく、熱伝達率が高いポリイミドフィルム上に付着された発熱パターンが加熱され、発熱パターンの熱がポリイミドフィルムを経て金属構造物に伝達された後、金属構造物により微細粒子発生用基材が加熱されることで、基材を均一に加熱できるという長所を持つ。
【0030】
また、本発明は、発熱層上にセンサ層が形成され、センサパターンが発熱面積の全体にわたって温度を測定できることで、測定精密度を向上させることができるという長所を持つ。
【0031】
また、本発明は、発熱体を収縮チューブでない金属材質のブラケットを用いて金属構造物上に固定することで、高温で有毒物質が放出されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】従来技術に係る微細粒子発生装置のヒータの一例を示す図である。
図2】従来技術に係る微細粒子発生装置のヒータの他の一例を示す図である。
図3】本発明の第1の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを示す分解図である。
図4】本発明の第1の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを示す斜視図である。
図5】本発明の第1の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータのフィルム構造物を示す図である。
図6】本発明の第1の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータの設置構造を示す図である。
図7】本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを示す分解図である。
図8】本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータが備えるブラケットを示す斜視図である。
図9】本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータのブラケット及びセンサの結合形状を示す図である。
図10】発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを示す斜視図である。
図11】本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを示す断面図である。
図12】本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを微細粒子発生装置内に設置した形状を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0034】
図3は、本発明の第1の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを示す分解図、図4は、本発明の第1の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを示す斜視図である。
【0035】
本発明の第1の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータは、円筒形状の金属構造物100と、金属構造物100の外周面に付着される発熱体200とを含む。発熱体200は、後述する発熱層及びセンサ層を備え、絶縁フィルム上に導電性パターンが形成されるフィルムを合紙して製造される。
【0036】
絶縁フィルムとしては、ポリイミドフィルム又はLCPフィルムが適切であり、ポリイミドフィルムは、比較的熱伝導度が高いため、金属構造物100に熱を伝達する役割を果たすことに好ましい。発熱体200は、エポキシやボンドなどのように比較的熱に強くて熱伝導度の高い接着剤を用いて、金属構造物100に付着できる。
【0037】
特に、絶縁フィルムがポリイミドフィルムで製造される場合、ポリイミドフィルムが熱や圧力により変形される性質を用いて、発熱体200を金属構造物100に付着できる。例えば、300℃以上の熱及び1kgf/cm以上の圧力を加えてポリイミドで製造される絶縁フィルムが、金属構造物100に密着されるように変形して付着できる。
【0038】
或いは、接着剤として液状のポリイミドを用いて、発熱体200を金属構造物100に付着することもできる。前述したように、ポリイミドは、比較的熱伝導度が高いため、発熱体200から発生した熱を金属構造物100に伝達しながら、発熱体200を金属構造物100に付着しやすい。
【0039】
図5は、本発明の第1の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータのフィルム構造物を示す図である。
【0040】
微細粒子発生装置用ヒータの発熱体200は、絶縁フィルム210に発熱パターン220が付着される発熱層と、発熱層の外面に付着される中間層230と、絶縁フィルム240内にセンサパターン250が付着されるセンサ層とを含む。
【0041】
発熱層の絶縁フィルム210は、概略10~60μm内外の厚さでポリイミド材質で形成される。発熱パターン220は、金属素材として、Cu、Kanthal、Inconel、SUS、Cu alloy、Ru、Pt、Ru、Ag/Pd、非金属素材として、CNT、CNT/binderが用いられる。発熱パターン220の厚さは10~60μm、抵抗は0.5~15Ωであることが好ましい。発熱パターン220は、絶縁フィルム210上にグラビアコーティング(gravure coating)、スクリーン印刷、エッチング、スプレイコーティングなどの方法により形成できる。また、発熱パターン220の素材のTCR範囲は、100~4000ppm/deg Cであることが好ましい。
【0042】
特に、本発明の第1の実施例において、発熱層は、20μm内外の絶縁フィルム210上に、20μm内外の厚さで形成されるコンスタンタン発熱パターン220が付着されることが好ましい。このとき、発熱パターン220の抵抗は、0.7±0.035Ωの値を持つことが好ましい。
【0043】
中間層230は、発熱パターン220及びセンサパターン250間の絶縁のためのもので、同様にポリイミドフィルムで製造され、20μm内外の厚さで形成される。
【0044】
センサ層は、9μm内外の厚さを有する絶縁フィルム240に、6μm内外の厚さでCu材質のセンサパターン250を付着して製造される。センサパターン250の抵抗は、10±1.0Ωの値を持つことが好ましい。
【0045】
センサパターン250は、発熱パターン220に向けるように、すなわち、中間層230に当接するように、センサ層の絶縁フィルム240の内面に形成されることが好ましい。
【0046】
センサパターン250は、金属構造物100の外周面に付着される発熱体200の全面積にわたって温度を測定できることで、測定精密度を向上させることができるという長所を持つ。
【0047】
一方、発熱体200は、金属構造物100の外周面に付着される部分の以外に、金属構造物100の外側に延長される延長部202を備える。延長部202は、金属構造物100の下側に延長されることが好ましい。延長部202は、金属構造物100に付着される部分と同様に、発熱層の延長部と、センサ層の延長部と、発熱層の延長部及びセンサ層の延長部を絶縁する中間層の延長部とからなる。
【0048】
発熱層の延長部は、発熱パターン220と外部電源を連結するためのハンダ付けパッド222を備えることが好ましい。
【0049】
センサ層の延長部242は、発熱層の延長部よりも長く延長され、センサパターン250の延長部252の端部は、外部の回路基板に接続するためのターミナル254を備えることができる。このとき、回路基板に容易に接続できるように、補強部材260を備えることができる。補強部材260は、ターミナル254の裏面に設置されることで、ターミナル254が回路基板と接触するのに邪魔にならないようにする。センサ層の絶縁フィルム240の内面にセンサパターン250が形成され、このような構造が延長部242まで連結されるので、ターミナル254は延長部242の内側面に形成され、補強部材260は延長部242の外側面に設置される。補強部材260は、発熱体200との接合が容易であるように同種のポリイミド材質で製造できる。補強部材は概略200μmの厚さを有することが好ましい。
【0050】
一方、発熱層の絶縁フィルム210の外側面に発熱パターン220が形成されるので、ハンダ付けパッド222も発熱層の延長部において絶縁フィルム210の外側面に位置することになる。ハンダ付けを容易にするために、センサ層の延長部242は、ハンダ付けパッド222が露出されるようにホールを有することが好ましい。
【0051】
図6は、本発明の第1の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータの設置構造を示す図である。
【0052】
本発明の第1の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータの設置構造は、前述したように、円筒形状の金属構造物100の外周面に発熱体200が付着されるヒータを備える。また、金属構造物100を支持し、発熱体200の外周面とは接触せず、間隔をおいてヒータを囲むヒータホルダ300をさらに含む。
【0053】
すなわち、ヒータホルダ300及びヒータの外周面間に形成される空気層320が断熱材の役割を果たすことで、微細粒子発生装置の外部ケース(図示せず)まで熱が伝達されることを遮断させる。断熱部材の代わりに空気層320を使用することで、費用の節減と共に、重さの低減を招くことができるという長所を持つ。
【0054】
図7は、本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを示す分解図である。
【0055】
本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータは、円筒形状の金属構造物100aと、金属構造物100aの外周面に付着されるフィルム状の発熱体200aとを含む。発熱体200aは、絶縁フィルム上に導電性パターンが形成されるフィルムを合紙して製造される。
【0056】
発熱体200aは、金属構造物100aを囲んで発熱パターンが形成される発熱部210aと、発熱部210aから電力を伝達するための信号パターンが引き出される延長部220aとを備え、延長部220aは、発熱パターンと外部電源を連結するためのターミナル230aを備える。
【0057】
絶縁フィルムとしては、ポリイミドフィルム又はLCPフィルムが適切であり、ポリイミドフィルムは、比較的熱伝導度が高いため、金属構造物100aに熱を伝達する役割を果たすことに好ましい。
【0058】
発熱体の絶縁フィルムは、概略10~60μm内外の厚さでポリイミド材質で形成される。発熱パターンは、金属素材として、Cu、Kanthal、Inconel、SUS、Cu alloy、Ru、Pt、Ru、Ag/Pd、非金属素材として、CNT、CNT/binderが用いられる。発熱パターン220aの厚さは10~60μm、抵抗は0.5~15Ωであることが好ましい。発熱パターンは、絶縁フィルム上にグラビアコーティング、スクリーン印刷、エッチング、スプレイコーティングなどの方法により形成できる。また、発熱パターンの素材のTCR範囲は、100~4000ppm/deg Cであることが好ましい。
【0059】
特に、本発明の第2の実施例において、発熱体は、絶縁フィルム上に20μm内外の厚さで形成されるコンスタンタン又は銅からなる発熱パターンが付着されることが好ましい。このとき、発熱パターンの抵抗は、0.7±0.035Ωの値を持つことが好ましい。
【0060】
発熱体200aの温度を測定する温度センサ310aが発熱体200aの外面に設置される。温度センサ310aから温度センサ310aの信号を伝達する信号線320aが下方に引き出される。また、発熱体200a及び温度センサ310aを金属構造物100aに固定するために、金属材質のブラケット400aが発熱体200aの外周に設置される。
【0061】
本発明の第2の実施例では、温度センサ310aが別途に製造されて発熱体200a上に設置される形態であるが、絶縁フィルム上にセンサパターンが形成されて発熱体200aに一体に形成されることもできる。
【0062】
図8は、本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを備えるブラケットを示す斜視図、図9は、本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータのブラケット及びセンサの結合形状を示す図、図10は、本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを示す斜視図、図11は、本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを示す断面図である。
【0063】
金属ブラケット400aは、SUS又はチタニウム系列の金属材質からなり、0.05~0.15mmの厚さを有することが好ましい。したがって、金属ブラケット400aは金属で製造されるが、厚さが薄いため、若干の弾性を持つ。金属ブラケット400aは、発熱体200aから熱伝逹量が少ないように、発熱体200aとの接触面410aを低減させるために複数個の打孔420aを備える。一方、温度センサ310aを内部に固定できるように、センサ収容部430aが形成される。金属ブラケット400aに温度センサ310aが固定された状態において、金属構造物100aを囲む発熱体200aの外面に設置される。金属ブラケット400aは、発熱体200aの外部で締めて固定する構造からなり、金属ブラケット400aの円周方向の一端部に複数個の折り曲げ可能な掛け金440aが形成される。金属ブラケット400aは、掛け金440aの他側の一端に掛け金440aが貫通する貫通孔422aを備える。掛け金440aを貫通孔422aに挿通させた後、掛け金400aを引っ張って折り曲げることで、発熱体200aが金属構造物100aに密着されるように、金属ブラケット400aの接触面410aが締められながら発熱体200aが固定できる。
【0064】
図12は、本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータを微細粒子発生装置内に設置した形状を示す断面図である。
【0065】
本発明の第2の実施例に係る微細粒子発生装置用ヒータの設置構造は、前述したように、円筒形状の金属構造物100aの外周面にフィルム状の発熱体200aが金属ブラケット400aにより固定されたヒータを備える。また、金属構造物100aを支持し、発熱体200aの外周面とは接触せず、間隔をおいてヒータを囲むヒータホルダ500aをさらに含む。
【0066】
すなわち、ヒータホルダ500a及びヒータの外周面間に形成される空気層520aが断熱材の役割を果たすことで、微細粒子発生装置の外部ケース1000aまで熱が伝達されることを遮断させる。断熱部材の代わりに空気層520aを使用することで、費用の節減と共に、重さの低減を招くことができるという長所を持つ。
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