(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】時計のための外部制御機構
(51)【国際特許分類】
G04B 37/10 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
G04B37/10 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021206783
(22)【出願日】2021-12-21
【審査請求日】2021-12-21
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508289992
【氏名又は名称】メコ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴァロン・ホティ
(72)【発明者】
【氏名】レミ・ティリ
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・ガイザー
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-98138(JP,A)
【文献】特開2006-234658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 3/04、37/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計(1000)のための外部制御装置(100)であって、
前記装置(100)は、ドライバ(7)を介して前記時計(1000)の内部の部品(70、71、72、73、74)の回転を制御するためにユーザが操作するよう配設された、リューズ(1)を含み、
前記装置(100)は、前記時計(1000)の外壁を通過するよう、及び前記外部制御装置(100)の水密保持を保証しながら前記外壁に固定されるよう、配設される、チューブ(4)を含み、
前記リューズ(1)は前記チューブ(4)にねじ込まれる第1の円筒状部品(2)を支持し、
前記第1の円筒状部品(2)及び/又は前記チューブ(4)は、第2の円筒状部品(3)を軸(D)に沿ってガイドし、前記第2の円筒状部品(3)は、前記第1の円筒状部品(2)と同軸であり、前記軸(D)の周りでの回転移動のみ可能であり、前記時計(1000)に挿入されるよう配設された遠位端に前記ドライバ(7)を含み、
前記第1の円筒状部品(2)は、前記軸(D)の方向に軸方向に移動でき、かつ前記軸(D)の周りで回転移動できる、外部制御装置(100)において:
前記第1の円筒状部品(2)は第1の一方向歯部(9)を含むこと;
前記第2の円筒状部品(3)は、前記第1の一方向歯部(9)と同軸の、前記第1の一方向歯部(9)と対向する第2の一方向歯部(8)を含むこと;
前記チューブ(4)は、前記チューブ(4)又は前記チューブ(4)に取り付けられた支承要素(10)の下側前面(101)上に支承された、少なくとも1つの弾性復帰手段(11)を内包し、前記少なくとも1つの弾性復帰手段(11)は、前記第1の円筒状部品(2)又は前記第1の一方向歯部(9)に含まれる上側前面(211、911)に支承されることにより、前記第1の円筒状部品(2)を前記ドライバ(7)から離れるように移動させる傾向があること;
前記第1の一方向歯部(9)及び前記第2の一方向歯部(8)は、前記リューズ(1)が前記チューブ(4)に完全にねじ込まれ、前記ドライバ(7)に可能な限り近くなるとき、互いからの最大離隔位置となり、前記リューズ(1)が完全にゆるめられて前記ドライバ(7)から最も遠い位置にあるとき、互いに噛合する位置となり、前記第1の一方向歯部(9)と前記第2の一方向歯部(8)との間の協働により、前記第2の円筒状部品(3)を前記リューズ(1)の第1の単一の回転方向に回転させることができ、また前記第1の方向とは反対の第2の方向の前記第2の円筒状部品(3)の回転が、前記弾性復帰手段(11)に対するクリックのようなジャンプによって防止されること
を特徴とする、外部制御装置(100)。
【請求項2】
前記第1の一方向歯部(9)及び前記第2の一方向歯部(8)は、前記リューズ(1)と前記ドライバ(7)との間の唯一の係合手段を構成することを特徴とする、請求項1に記載の外部制御装置(100)。
【請求項3】
前記第1の一方向歯部(9)は前記第1の円筒状部品(2)に取り外しできないよう固定されること;
前記第2の一方向歯部(8)は前記第2の円筒状部品(3)に取り外しできないよう固定されること
を特徴とする、請求項1又は2に記載の外部制御装置(100)。
【請求項4】
前記第1の一方向歯部(9)及び前記第2の一方向歯部(8)は、ブレゲ式又はラチェット式の歯部であり、互いに対面していることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の外部制御装置(100)。
【請求項5】
前記ドライバ(7)は、前記時計(1000)の内部の前記部品(70、71、72、73、74)を駆動するための少なくとも1つの歯部又は少なくとも1つの溝を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の外部制御装置(100)。
【請求項6】
前記時計(1000)の内部の前記部品は、表示部品(70、71、72、73)、又は表示部品(70、71、72、73)の移動を制御するために配設された中間部品であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の外部制御装置(100)。
【請求項7】
前記時計(1000)の内部の前記部品は、内部制御部品(74)、又は内部制御部品(74)の移動を制御してある機能を開始若しくは停止させる、若しくはリセット若しくは増分ジャンプを実施するために配設された、中間部品であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の外部制御装置(100)。
【請求項8】
前記外部制御装置(100)は、前記時計(1000)に含まれる
巻真であるいずれの制御棒から
も分離されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の外部制御装置(100)。
【請求項9】
前記外部制御装置(100)は、取り外し可能でフールプルーフなサブアセンブリを構成することを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の外部制御装置(100)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の、少なくとも1つの外部制御装置(100)を含む、時計(1000)であって、
前記時計(1000)は、前記ドライバ(7)によって駆動されるよう配設されたフランジ(70)、及び/又は前記ドライバ(7)によって駆動されるよう配設されたアラーム時間インジケータ(71)、及び/又は前記ドライバ(7)によって駆動されるよう配設された時間帯ディスプレイ(72)を含むことを特徴とする、時計(1000)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の、少なくとも1つの外部制御装置(100)を含む、時計(1000)であって、
前記時計(1000)は、前記ドライバ(7)によって駆動されるよう配設された少なくとも1つのディスプレイ(73)を含むカレンダー機構を含むことを特徴とする、時計(1000)。
【請求項12】
請求項1~9のいずれか1項に記載の、少なくとも1つの外部制御装置(100)を含む、時計(1000)であって、
前記時計(1000)は、前記ドライバ(7)によって駆動されるよう配設されたトリガ(74)を有するクロノグラフ機構を含むことを特徴とする、時計(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計のための外部制御装置に関し、この装置は、ドライバを介して上記時計の内部の部品の回転を制御するためにユーザが操作するよう配設された、リューズを含む。
【0002】
本発明はまた、少なくとも1つの上述のような外部制御装置を含む時計に関する。
【0003】
本発明は時計、より詳細には腕時計のための制御機構の分野に関する。
【背景技術】
【0004】
時計が様々な機能及びコンプリケーションを有する場合、時計、特に腕時計のユーザ制御は不便なものとなる場合があり、制御棒(巻真)を引っ張ることは時に困難であり、そしてこの部品は脆弱である。補助的な制御は多くの場合、リューズ、プッシュボタン、ボルト、又は鋭利な工具で作動させなければならない内部プッシュボタンを用いて実施される。これらの制御装置は、時計の耐水性を厳しく保証しなければならない。更に、場合によっては、特にダイバーズウォッチの場合に、必要な安全性を保証するために、動作を一方向にしか実施できないことが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、時計の内部の部品の一方向の回転を制御できる、上記時計のための外部制御機構を提供することを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明は、請求項1に記載の時計のための外部制御装置に関する。
【0007】
本発明はまた、少なくとも1つの上述のような外部制御装置を含む時計に関する。
【0008】
本発明の目的、利点、及び特徴は、本発明の非限定的な実施形態を示す図を参照することにより、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明による外部制御装置の、中間ねじ込み位置における、軸を通る概略断面図であり、上記軸の周りには上記外部制御装置の様々な部品が同軸に設置され、上記外部制御装置は、図の上部(外側)から底部(内側)に向かって、そして周縁から上記軸に向かって:ユーザが軸方向に回転操作できるリューズ;時計に挿入されてねじ込まれるよう設計されたチューブ(リューズパイプ);リューズに固定され、ねじ込まれることによりチューブと協働し、また外側を向いた一方向歯部をその下側部分に支持する、第1の円筒状部品を含み、この第1の円筒状部品は、ドライバ(筒車)を支持する第2の円筒状部品を内包し、上述の一方向歯部と対向し内側を向いた一方向歯部を含み、また上記第1の円筒状部品は、チューブの前壁上に支承されたばねによって外向きに押圧され、ドライバは、チューブ内での第2の円筒状部品の軸方向保持を保証する。
【
図2】
図2は、チューブ上に完全にねじ込まれた位置にある上記と同じ装置を示す、
図1と同様の図であり、ここで上述の2つの歯部は互いから最大距離にあり、リューズによるドライバのいかなる操作も不可能である。
【
図3】
図3は、リューズがチューブに対して完全にゆるめられた位置にある上記と同じ装置を示す、
図1と同様の図であり、ここで上述の2つの歯部は噛合しており、リューズによるドライバの操作が可能である。
【
図4】
図4は、ユーザから見た場合の同じ装置の概略斜視図であり、上記装置は、時計に挿入される準備ができた取り外し可能なサブアセンブリを構成する。
【
図5】
図5は、ユーザから見た場合の同じ装置のリューズの概略端面図である。
【
図6】
図6は、チューブを透かして図示していない、同じ装置の軸方向部分の概略斜視図であり、第1の円筒状部品及びリューズは図示されておらず、第1の円筒状部品に固定される前の第1の円筒状部品と一体の歯部のみがここで図示されている。
【
図7】
図7~18は、正面図で示された腕時計に対する、本発明による装置の様々な応用の可能性の概略図である。
図7は、フランジの制御である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、時計の内部の部品の一方向のみの回転を制御できる、上記時計のための外部制御機構を提供することを提案する。
【0011】
本発明は、時計1000のための外部制御装置100に関する。この装置100は、ドライバ7を介して時計1000の内部の部品70、71、72、73、74の回転を制御するためにユーザが操作するよう配設された、リューズ1を含む。
【0012】
装置100はチューブ4を含み、これは、時計1000の外壁を通過するよう、及び外部制御装置100の水密保持を保証しながら上記外壁に固定されるよう、配設される。リューズ1は第1の円筒状部品2を支持し、これは、チューブ4の雌ねじ山41と第1の円筒状部品2のねじ山21との協働により、チューブ4にねじ込まれる。ある変形例では、リューズ1は第1の円筒状部品2と一体である。第1の円筒状部品2及び/又はチューブ4は、第2の円筒状部品3を軸Dに沿って確実にガイドし、この第2の円筒状部品3は、第1の円筒状部品2と同軸であり、軸Dの周りでの回転移動のみ可能である。この第2の円筒状部品3は、時計1000に挿入されるよう配設された遠位端に、ドライバ7を含む。より詳細には、第2の円筒状部品3は、
図1で確認できるように、チューブ4の前壁の内面上に支承された肩部を含み、またこの第2の円筒状部品3は、チューブ4の上記前壁の他方の側において、第2の円筒状部品3に螺合されたドライバ7によってクランプされた状態に保持される摩擦リング6によって、軸方向に保持される。ただしこの構成は全く限定的なものではない。第1の円筒状部品2は、軸Dの方向に軸方向に移動でき、かつ軸Dの周りで回転移動できる。リューズ1及びチューブ4は共に、Oリングタイプ等の少なくとも1つのシール5を内包する少なくとも1つのチャンバを画定する。
【0013】
本発明によると、第1の円筒状部品2は第1の一方向歯部9を含み、第2の円筒状部品3は、第1の一方向歯部9と同軸の、第1の一方向歯部9と対向する第2の一方向歯部8を含む。またチューブ4は少なくとも1つの弾性復帰手段11を内包し、これは下方において、チューブ4又はチューブ4に取り付けられた支承要素10の下側前面101上に支承され;この少なくとも1つの弾性復帰手段11は、上方において、第1の円筒状部品2及び第1の一方向歯部9にそれぞれ含まれる上側前面211、911に支承されることにより、第1の円筒状部品2をドライバ7から離れるように移動させる傾向がある。任意の支承要素10は有利には、「テフロン(登録商標)(teflon)」等の摩擦係数が低い材料製のリングの形状に製造される。
【0014】
図2は、リューズ1がチューブ4に完全にねじ込まれ、ドライバ7に可能な限り近くなるときの、第1の一方向歯部9と第2の一方向歯部8との間の最大の離隔位置を示す。リューズ1をゆるめると、第1の一方向歯部9及び第2の一方向歯部8は、互いに近づくように移動し、チューブ4の雌ねじ山41と第1の円筒状部品2のねじ山21との協働が停止する少し前に、互いに噛合する位置に到達する。
図3は極限位置を示し、ここではリューズは、第1の一方向歯部9と第2の一方向歯部8との間の噛合によって、第2の円筒状部品3のみに運動学的に結合され、完全にゆるめられたリューズ1はドライバ7から最も遠い位置にある。
【0015】
第1の一方向歯部9と第2の一方向歯部8との間の協働により、第2の円筒状部品3をリューズ1の第1の単一の回転方向に回転させることができ、また上記第1の方向とは反対の第2の方向の第2の円筒状部品3の回転が、弾性復帰手段11に対するクリックのようなジャンプによって防止される。チューブ4に対するリューズ1のねじ込みのストロークは、第1の一方向歯部9の極限位置と第2の一方向歯部8との極限位置との間の差よりわずかに大きい。リューズ1が完全にゆるめられた後、
図3で確認できる位置では、第1の一方向歯部9及び第2の一方向歯部8は、限定するものではないがコイルばねの形状で図示された少なくとも1つの弾性復帰手段11の押圧によって互いに係合し、リューズ1に加えられた第1の方向の回転の継続によって第2の円筒状部品3の回転が制御されることが理解される。この完全にゆるめられた位置では、リューズ1の回転は第2の円筒状部品3を駆動できない。ドライバ7により所望の操作を実行した後、ユーザがリューズ1を時計1000の外壁に向かって軸方向に押すことにより、第1の一方向歯部9を第2の一方向歯部8から係合解除させて、雌ねじ山41とねじ山21とを協働させることができ、これによってリューズを再びねじ込むことができる。よって、いかなる偶発的な動作によっても回転させることができないドライバ7に関して、安全性は申し分のないものである。
【0016】
より詳細には、第1の一方向歯部9及び第2の一方向歯部8は、リューズ1とドライバ7との間の唯一の係合手段を構成する。これにより、サイズ及び製造コストの両方を制限できる。
【0017】
より詳細には、第1の一方向歯部9は第1の円筒状部品2に取り外しできないよう固定され、又は/及び第2の一方向歯部8は第2の円筒状部品3に取り外しできないよう固定される。このような取り外し不可能な結合は、溶接、接着、又は結合を不可逆的なものとするためのいずれの他の方法によって製造できる。同様の方法でリューズ1を第1の円筒状部品2に、取り外しできないよう固定することもできる。図の特に非限定的な場合では、これら3つの取り外し不可能な結合は、非溶接タイプのものである。第1の一方向歯部9の第1の円筒状部品2に対する溶接は、第2の円筒状部品3に前もって固定された第2の一方向歯部8を、動くことができないように取り囲む効果を有する。
【0018】
より詳細には、第1の一方向歯部9及び第2の一方向歯部8は、ブレゲ式の歯部又はラチェット式の歯部であり、これらは互いに対面している。
【0019】
より詳細には、ドライバ7は、時計1000の内部の部品70、71、72、73、74を駆動するための少なくとも1つの歯部又は少なくとも1つの溝を含む。図は、ドライバ7がピニオンである変形例を示す。
【0020】
図によって示されている特定の非限定的な変形例では、リューズ1はマーク11、特に盛り上がったマークを含み、これは、リューズ1がチューブ4に対して完全にねじ込まれた位置において、特定の角度位置に配向される。
【0021】
一変形例では、時計1000の内部の部品は、表示部品70、71、72、73、又は表示部品70、71、72、73の移動を制御するために配設された中間部品である。
【0022】
別の変形例では、時計1000の内部の部品は、内部制御部品74、又は内部制御部品74の移動を制御してある機能を開始若しくは停止させる、若しくはリセット若しくは増分ジャンプを実施するために配設された、中間部品である。
【0023】
より詳細には、外部制御装置100は、時計1000に含まれるいずれの制御棒から隔てられる。
【0024】
より詳細には、外部制御装置100は、一体化が非常に容易な単一アセンブリ部品を構成する、取り外し可能でフールプルーフなサブアセンブリを構成する。特に、一方向歯部とそれらのそれぞれのチューブとの間の取り外し不可能な結合を達成することは、これに関して特に有利である。
【0025】
本発明はまた、少なくとも1つの上述のような外部制御装置100を含む時計1000に関する。
【0026】
特定の実施形態では、時計1000は、ドライバ7によって駆動されるよう配設されたフランジ70、及び/又はドライバ7によって駆動されるよう配設されたアラーム時間インジケータ71、及び/又はドライバ7によって駆動されるよう配設された時間帯ディスプレイ72、及び/又は同様のディスプレイを含む。
【0027】
別の特定の実施形態では、時計1000は、ドライバ7によって駆動されるよう配設された少なくとも1つのディスプレイ73を含むカレンダー機構を含む。
図10~17は、ユーザが月末又はうるう年の補正を自身で確実に行わなければならない、単純な日付機構への応用の例を示す。本発明による外部制御装置100の使用により、通常の操作及び内部のプッシュボタンの先端を押すことによる不便な調整、又は制御棒による面倒な操作を回避でき、ユーザは、各時刻に1つの歯の連続的な制御により、うるう年には2月29日への、又は通常の年の場合は3月1日への、2月28日からの移行を極めて容易に、完全な安全性で制御でき、また月の名前の変更を同じ方法で実施できる。
【0028】
更に別の特定の実施形態では、時計1000は、ドライバ7によって駆動されるよう配設されたトリガ74を有するクロノグラフ機構を含む。
【0029】
要するに、本発明による外部制御装置100のリューズ1は、ねじ込む又はゆるめることができ、リューズ1がゆるめられると、ブレゲ式の歯部等の手段によって係合が実施される。この歯部により、ドライバ7を支持する第2の円筒状部品3を単一の回転方向に駆動でき、これによって時計、特に腕時計の内部のフランジ等の部品を回転させることができる。ユーザがリューズを他の方向に動かした場合、歯部は、従来の機械式時計ムーブメントにおける摺動ピニオンのようにジャンプする。
【0030】
より詳細には、時計1000は腕時計である。
【0031】
単一部品のサブアセンブリを時計の壁のハウジング内に挿入するだけで十分であることによる、本発明の単純性、本発明の抑制されたコスト、及び組み立ての容易さにより、本発明の多数の他の応用が可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 リューズ
2 第1の円筒状部品
3 第2の円筒状部品
4 チューブ
7 ドライバ
8 第2の一方向歯部
9 第1の一方向歯部
10 支承要素
11 弾性復帰手段
70、71、72、73、74 部品
100 外部制御装置
101 下側前面
211、911 上側前面
1000 時計
D 軸