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特許7274615官能化ハロゲン化オレフィン系接着剤、それを含有する物品、及びそれを使用するための方法
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  • 特許-官能化ハロゲン化オレフィン系接着剤、それを含有する物品、及びそれを使用するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-08
(45)【発行日】2023-05-16
(54)【発明の名称】官能化ハロゲン化オレフィン系接着剤、それを含有する物品、及びそれを使用するための方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 151/06 20060101AFI20230509BHJP
   C08F 255/00 20060101ALI20230509BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20230509BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
C09J151/06
C08F255/00
C09J11/06
C09J11/08
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022003999
(22)【出願日】2022-01-13
(62)【分割の表示】P 2017555785の分割
【原出願日】2016-05-05
(65)【公開番号】P2022058612
(43)【公開日】2022-04-12
【審査請求日】2022-01-19
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2015/078265
(32)【優先日】2015-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】コリン・リピシャン
(72)【発明者】
【氏名】ハン・ウー
(72)【発明者】
【氏名】レナ・ティー・グエン
【審査官】堀 洋樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-111542(JP,A)
【文献】特開平02-178033(JP,A)
【文献】特開2004-307665(JP,A)
【文献】特開2009-210812(JP,A)
【文献】特開2005-066440(JP,A)
【文献】国際公開第01/088052(WO,A1)
【文献】特開2014-043520(JP,A)
【文献】特表2009-540108(JP,A)
【文献】特開2004-307838(JP,A)
【文献】特表2014-514408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
C08F 6/00-299/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
(A)前記組成物の総重量に基づき5~40重量%の、30グラム/10分(g/10分)以上のメルトインデックス(I2、190℃/2.16)を有するハロゲン化グラフト化無水マレイン酸オレフィン系ポリマーと、
(B)粘着付与剤と、
(C)油と、を少なくとも含み、
前記ハロゲン化グラフト化無水マレイン酸オレフィン系ポリマーが、少なくとも1つの粘着付与剤または少なくとも1つのブレンドポリマーとブレンドされ、
前記粘着付与剤のブレンドポリマーに対する比は、100:0であり、
ホットメルト接着剤である、組成物。
【請求項2】
前記ハロゲン化グラフト化無水マレイン酸オレフィン系ポリマーが、ハロゲン化グラフト化無水マレイン酸エチレン系ポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ハロゲン化グラフト化無水マレイン酸オレフィン系ポリマーが、ハロゲン化グラフト化無水マレイン酸プロピレン系ポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ハロゲン化グラフト化無水マレイン酸オレフィン系ポリマーが、塩素化グラフト化無水マレイン酸エチレン系ポリマー、または塩素化グラフト化無水マレイン酸プロピレン系ポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
組成物の総重量に基づき、
(A)20~30重量%のハロゲン化グラフト化無水マレイン酸オレフィン系ポリマー、
(B)10~40重量%の粘着付与剤、および
(C)0重量%超~40重量%の油
を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
組成物であって、
(A)前記組成物の総重量に基づき5~40重量%の、30グラム/10分(g/10分)以上のメルトインデックス(I2、190℃/2.16)を有するハロゲン化グラフト化無水マレイン酸オレフィン系ポリマーと、
(B)粘着付与剤と、
(B’)0.855~0.900グラム/立方センチメートル(g/cc)の密度、及び60,000グラム/モル(g/モル)以下の重量平均分子量(Mw)を有する非晶質ポリオレフィン(APO)と、
(C)油と、を少なくとも含み、
ホットメルト接着剤である、組成物。
【請求項7】
前記APOが、エチレン系ポリマーまたはプロピレン系ポリマーである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
構成成分B’が、組成物の総重量に基づき、5~40重量%の量で存在する、請求項6~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物を含む、物品。
【請求項10】
組成物であって、
(A)30グラム/10分(g/10分)以上のメルトインデックス(I2、190℃/2.16)を有するハロゲン化グラフト化無水マレイン酸オレフィン系ポリマーと、
(B)粘着付与剤と、
(C)油と、
(D)酸化防止剤と、からなり、
ホットメルト接着剤である、組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2015年5月5日に出願された国際特許出願第PCT/CN15/0782
65号に対する優先権を主張するものであり、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、接着剤に関する。一態様において、本発明は官能化ハロゲン化オレフィン系
ポリマー接着剤に関し、一方別の態様において、本発明は接着剤を用いて布地をゴム基材
に結合させることに関する。さらに別の態様において、本発明は接着された布地を用いて
ゴム基材から作製される物品に関する。
【0003】
多くのベルト及びホース類は、典型的に綿の布地すなわち織物材料または編物材料に接
合されたゴム基材、例えば天然または合成ゴムの集合体を含む。これらのベルト及びホー
ス類の構築の容易さは、基材及び布地の組成によって異なる。全てのゴム基材が、典型的
に何らかの布地との耐久性のある接合の形成において何らかの形の補助、例えば接着剤な
らびに/またはゴム基材及び布地のうちの一方もしくはそれらの両方の表面処理が必要な
一方で、一部のゴム基材は他のゴム基材よりもさらに補助を必要とする。天然ゴムまたは
ポリクロロプレンの基材は、綿布地に対して良好な成形粘着性、すなわち自己粘着性を示
す一方で、エチレン/プロピレン/ジエンモノマー(EPDM)ポリマー及び/またはポ
リオレフィンエラストマー(POE)を含む基材は綿布地に対して比較的不十分な成形粘
着性を示し、この不十分な成形粘着性は、EPDMポリマー及び/またはPOEならびに
綿布地からのベルト及びホース類の製造において重大な障害である。ベルト及びホース類
の製造者の継続した関心は、EPDM及び/またはPOE基材と布地(特に綿布地)との
間に良好で強力な接合を提供する接着剤である。
【0004】
WO2007/146875は、少なくとも1つの官能化ポリオレフィンを含む組成物
、特に、350°F(177℃)で50,000cP未満の溶融粘度、及び約1~5の分
子量分布(Mw/Mn)を有する少なくとも1つの官能化エチレンインターポリマーを含
む組成物を開示している。本開示は、それを含む接着剤配合物も提供する。本開示は、さ
らに、例えばエチレンインターポリマーなどと、以下のa)少なくとも1つのへテロ原子
を含む少なくとも1つの不飽和化合物、とb)少なくとも1つの開始剤、との反応による
官能化インターポリマーの調製に関する。
【0005】
他の組成物が、以下の参考文献に開示されている。EP1 006 234 Al、U
SP7,256,235、USP7,737,208、US2002/0032284、
US2003/0212209及びUS2006/0074181。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態において、本発明は少なくとも以下を含む組成物である。
(A)30グラム/10分(g/10分)以上のメルトインデックス(I2、190
℃/2.16)を有する官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー、及び
(B)粘着付与剤。
【0007】
一実施形態において、本発明は少なくとも以下を含む組成物である。
(A)30グラム/10分(g/10分)以上のメルトインデックス(I2、190
℃/2.16)を有する官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー、及び
(B’)0.855~0.900グラム/立方センチメートル(g/cc)の密度及
び60,000グラム/モル(g/モル)以下の重量平均分子量(Mw)を有するオレフ
ィン系ポリマー。
【0008】
一実施形態において、本発明はゴム基材及び布地を含む積層物を形成する方法であり、
該方法は、以下の工程を含む。
(1)先の特許請求範囲のうちのいずれか1つの組成物をゴム基材表面、または布地
表面に塗布することと、
(2)組成物が塗布されたゴム基材表面または布地表面を、他の構成要素表面に接触
させて、積層物を形成することと、
(3)積層物に圧力を加えること。
【0009】
一実施形態において、本発明は前項に記載されている方法によって製造された物品であ
る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】綿布地に対するEPDMの剥離強度を報告した線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
反対の記載、文脈から暗黙的、または当該技術分野において慣例がない限り、全ての部
分及び百分率は重量に基づき、全ての試験方法は、本開示の出願日現在で最新のものであ
る。
【0012】
本明細書で使用する場合、用語「組成物」は、組成物を含む材料と同様に、反応生成物
及び組成物の材料から形成される分解生成物も含む。典型的には反応生成物または分解生
成物のいずれかが、微量または残量存在する。
【0013】
本明細書で使用する場合、用語「ポリマー」は、同じ型または異なる型のモノマーを重
合することによって調製されるポリマー化合物を指す。したがって一般名称のポリマーは
、用語ホモポリマー(微量の不純物がポリマー構造中に取り込まれ得るという理解のもと
、1つの型のモノマーのみから調製されるポリマーを指すために用いられる)、及び以下
で定義されるように用語インターポリマーを含む。触媒残渣などの微量の不純物は、ポリ
マーへ及び/または内部に組み込まれることができる。
【0014】
本明細書で使用する場合、用語「インターポリマー」は、少なくとも2つの異なる型の
モノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。したがって、用語インターポリマー
は、(2つの異なる型のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)用語
コポリマー、及び2つ超の異なる型のモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0015】
本明細書で使用する場合、用語「オレフィン系ポリマー」は、重合形態において、過半
量のオレフィンモノマー、例えば(ポリマーの重量の基づき)エチレンまたはプロピレン
を含むポリマーを指し、所望により1つ以上のコモノマーを含んでよい。
【0016】
本明細書で使用する場合、用語「エチレン系ポリマー」は、重合形態において、(ポリ
マーの重量の基づき)過半重量パーセントのエチレンを含むポリマーを指し、所望により
1つ以上のコモノマーを含んでよい。
【0017】
本明細書で使用する場合、用語「プロピレン系ポリマー」は、重合形態において、(ポ
リマーの重量の基づき)過半量のプロピレンモノマーを含むポリマーを指し、所望により
1つ以上のコモノマーを含んでよい。
【0018】
本明細書で使用する場合、用語「エチレン系インターポリマー」は、重合形態において
、(インターポリマーの重量の基づき)過半重量パーセントのエチレン及び少なくとも1
つのコモノマーを含むポリマーを指す。
【0019】
本明細書で使用する場合、用語「プロピレン系インターポリマー」は、重合形態におい
て、(インターポリマーの重量に基づき)過半重量パーセントのプロピレン、及び少なく
とも1つのコモノマーを含むポリマーを指す。
【0020】
本明細書で使用する場合、用語「ハロゲン化オレフィン系ポリマーポリマー」は、少な
くとも1つのハロゲン(例えば塩素)を含むオレフィン系ポリマーを指す。
【0021】
本明細書で使用する場合、用語「官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー」は、少なく
とも1つのハロゲン、及び以下の無水物、カルボキシレート、-COOH、アミン、OH
、カルボニル、アクリレート、またはこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つ
の化学基を含むオレフィン系ポリマーを指す。
【0022】
用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する
」及びそれらの派生語は、それが具体的に開示されているか否かにかかわらず、いかなる
追加の構成成分、工程または手順の存在を除外することを意図したものではない。あらゆ
る疑問を回避するために、用語「含む(comprising)」の使用を介して特許請
求される全ての組成物は、反対の記載がない限り、ポリマーまたは別のものであるかにか
かわらず、任意の追加の添加剤、補助剤、または化合物を含んでよい。対照的に、用語「
から基本的になる」は、実施可能性に必要不可欠ではないものを除き、あらゆる後続の記
述の範囲からあらゆる他の構成成分、工程または手順を除外する。用語「からなる」は、
限定的に叙述または記載されていないあらゆる構成成分、工程または手順を除外する。
【0023】
ハロゲン化及び官能化前のオレフィン系ポリマー
上記で論じたように、「オレフィン系ポリマー」及び同類用語は、重合形態において、
ポリマーの総重量に基づき過半重量パーセントのオレフィン、例えばエチレン、プロピレ
ン及び/またはブテンを含むポリマーを意味する。オレフィン系ポリマーの非限定例とし
ては、エチレン系ポリマー及びプロピレン系ポリマー、すなわちそれぞれエチレンまたは
プロピレンが挙げられ、過半重量パーセントのポリマーを含む。オレフィン系ポリマーは
、ホモポリマー及びインターポリマーの両方を含む。オレフィン系ホモポリマーは、重合
形態において、単独オレフィン、例えばエチレンホモポリマーまたはプロピレンホモポリ
マーからなる。オレフィン系インターポリマーは、少なくとも2つの異なるオレフィンモ
ノマーの重合によって調製されるポリマーである。「オレフィンインターポリマー」は「
オレフィンコポリマー」を含み、通常2つの異なるオレフィンモノマーから調製されたオ
レフィンポリマー、及び2つ超の異なるオレフィンモノマー、例えばターポリマー、テト
ラポリマーなどから調製されたポリマーを指すために用いられる。
【0024】
一実施形態において、本発明の組成物の官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー構成成
分は、官能化ハロゲン化エチレン系ポリマーである。別の実施形態において、本発明の組
成物の官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー構成成分は、官能化ハロゲン化プロピレン
系ポリマーである。
【0025】
ハロゲン化及び官能化前のエチレン系ポリマー
「エチレン系ポリマー」及び同類用語は、重合形態において、ポリマーの総重量に基づ
き、エチレン由来単位の過半重量パーセントを含有するポリマーを意味する。エチレン系
ポリマーの非限定例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、極低密度ポリエチレン(UL
DPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、及び高密度ポリエチレン(HDPE)が挙
げられる。用語「エチレン系インターポリマー」は、インターポリマーの重量に基づき、
過半量の重合化エチレン、及び少なくとも1つのコモノマーを含むインターポリマーを指
す。
【0026】
一実施形態において、官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーの調製に使用されるオレ
フィン系ポリマーは、エチレンと少なくとも1つの適切なコモノマーとのインターポリマ
ーである。好ましい実施形態において、ハロゲン化エチレンインターポリマーは、少なく
とも1つのへテロ原子を含有する少なくとも1つの不飽和化合物で官能化される。さらに
別の実施形態において、少なくとも1つのへテロ原子を含有する少なくとも1つの不飽和
化合物は、カルボニル含有化合物、より好ましくは無水マレイン酸である。一実施形態に
おいて、エチレンインターポリマーは、塩素でハロゲン化される。好ましくは、エチレン
インターポリマーは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0027】
一実施形態において、本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用される
エチレン系インターポリマーは、5.0以下、または4.0以下の分子量分布(MWD、
Mw/Mn)を有する。別の実施形態において、エチレンインターポリマーは、1.1以
上、または1.3以下、または1.5以下のMWDを有する。さらに言いかえれば、エチ
レン/α-オレフィンインターポリマーは、約1~5、または1.1~5.0、または1
.1~4.0、または約1.1~3.5、または約1.1~3.0の分子量分布を有する
。全ての個別値及び1.1~5.0の部分範囲は、本明細書に含まれ開示される。好まし
くは、エチレンインターポリマーは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーである
【0028】
別の実施形態において、エチレン系インターポリマーは、3.5以下、または3.0以
下、または2.5以下のMWDを有する。別の実施形態において、エチレンインターポリ
マーは、1.1以上、または1.5以上、または1.8以上のMWDを有する。好ましく
は、エチレンインターポリマーは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0029】
好ましいコモノマーとしては、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテン
、1-ヘキセン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン
及び1-オクテン、非共役ジエン、ポリエン、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、
ヘキサジエン(例えば、1,4-ヘキサジエン)、オクタジエン、デカジエン(例えば、
1,9-デカジエン)、スチレン、ハロ置換スチレン、アルキル置換スチレン、テトラフ
ルオロエチレン、ビニルベンゾシクロブテン、ナフテン酸、シクロアルケン(例えば、シ
クロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン)、及びそれらの混合物が挙げられるが
、これらに限定されない。典型的及び好ましくは、エチレンが、C3-C20のα-オレ
フィン、より好ましくはC3-C10のα-オレフィンの1つと共重合される。好ましい
α-オレフィンには、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン及び1-オクテン、より好
ましくはプロピレン及び1-オクテンが挙げられる。
【0030】
別の実施形態において、官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用されるエチレ
ンインターポリマーは、2,000cP~100,000センチポアズ(cP)の溶融粘
度を有する。全ての個別値及び2,000cP~100,000cPの部分範囲は、本明
細書に含まれ開示される。溶融粘度は、350°F(177℃)でBrookfield
粘度計を使用して測定する。好ましくは、溶融粘度は、3,000cP、または4,00
0cP、または5,000cP~80,000cP、または60,000cP、または5
0,000cP、または40,000cP、または30,000cP、または20,00
0cP、または15,000cPである。好ましくは、エチレンインターポリマーは、エ
チレン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0031】
別の実施形態において、官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用されるエチレ
ン系インターポリマーは、ASTM D-1238(190℃、2.16kg荷重)を使
用して決定され、10分当たり200グラム/10分(g/10分)、または300g/
10分、または400g/10分~3,500g/10分、~3500g/10分、また
は3,000g/10分、または2500g/10分、好ましくは300g/10分~2
,000g/10分、より好ましくは400g/10分~1,500g/10分のメルト
インデックス(I2)を有する。好ましくは、エチレンインターポリマーは、エチレン/
α-オレフィンインターポリマーである。
【0032】
別の実施形態において、本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用され
るエチレンインターポリマーは、4,000~30,000、好ましくは5,000~2
5,000、より好ましくは5,000~15,000、さらにより好ましくは6,00
0~14,000の数平均分子量(Mn)を有する。全ての個別値及び4,000~30
,000の部分範囲は、本明細書に含まれ開示される。全ての分子量は、本明細書に開示
されるように、単位「g/モル」を有する。好ましくは、エチレンインターポリマーは、
エチレン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0033】
別の実施形態において、本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用され
るエチレン系インターポリマーは、8,000~60,000、または10,000~5
0,000、または12,000~30,000の重量平均分子量(Mw)を有する。全
ての個別値及び部分範囲は、8,000~60,000の範囲に含まれ、本明細書に開示
される。全ての分子量は、本明細書に開示されるように、単位「g/モル」を有する。好
ましくは、エチレンインターポリマーは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーで
ある。
【0034】
別の実施形態において、本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用され
るエチレンインターポリマーは、40,000g、または30,000g、または25,
000g/モル未満の重量平均分子量を有する。好ましくは、エチレンインターポリマー
は、エチレン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0035】
別の実施形態において、本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用され
るエチレン系インターポリマーは、8,000超、または9,000超、または10,0
00g/モル超の重量平均分子量を有する。好ましくは、エチレンインターポリマーは、
エチレン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0036】
別の実施形態において、本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用され
るエチレンインターポリマーは、DSCによる測定で、50パーセント以下、または40
パーセント以下、または25パーセント以下、または10パーセント以下のパーセント結
晶化度を有する。別の実施形態において、エチレンインターポリマーは、DSCによる測
定で、2パーセント以上、または5パーセント以上のパーセント結晶化度を有する。好ま
しくは、これらのインターポリマーは、2パーセント~50パーセントのパーセント結晶
化度を有し、全ての個別値及び2パーセント~50パーセントの部分範囲を含む。そのよ
うな個別値及び部分範囲は、本明細書に含まれ開示される。好ましくは、エチレンインタ
ーポリマーは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0037】
別の実施形態において、本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用され
るエチレン系インターポリマーは、重合性モノマー(モノマー+コモノマー)の総モルに
基づき、最終ポリマーに2モルパーセント超、または3モルパーセント超のコモノマーの
組み込みを有する。コモノマーの組み込み量は、重合性モノマーの総モルに基づき、6モ
ルパーセント超、及び10モルパーセント超にもなり得る。好ましくは、エチレンインタ
ーポリマーは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0038】
別の実施形態において、本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用され
るエチレン系インターポリマーは、0.855グラム/(g/cc)~0.93g/cc
、または0.86g/cc~0.90g/cc、または0.865g/cc~0.895
g/ccの密度を有する。全ての個別値及び0.855g/cc~0.93g/ccの部
分範囲は、本明細書に含まれ開示される。好ましくは、エチレンインターポリマーは、エ
チレン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0039】
別の実施形態において、本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用され
るエチレン系インターポリマーは、0.900g/cc未満、または0.890g/cc
、または0.880g/cc未満の密度を有する。別の実施形態において、発明の官能化
ハロゲン化インターポリマーの調製に使用されるエチレンインターポリマーは、0.85
0g/cc超、または0.855g/cc超、または0.860g/cc超の密度を有す
る。好ましくは、エチレンインターポリマーは、エチレン/α-オレフィンインターポリ
マーである。
【0040】
本発明に適切なエチレン系インターポリマーの例としては、The Dow Chem
ical Companyから入手可能なAFFINITY(商標)及びENGAGE(
商標)インターポリマーが挙げられる。本発明に適切なエチレン/α-オレフィンインタ
ーポリマーの他の例としては、USP6,335,410、6,054,544及び6,
723,810に記載される低分子量エチレン系インターポリマーが挙げられる。これら
の特許それぞれの内容全体が、参考により本明細書に組み込まれる。他の適切なインター
ポリマーとしては、エチレン-α-オレフィンブロックコポリマー及びインターポリマー
、ならびに当技術分野において既知の他のエチレン系ブロックコポリマー及びインターポ
リマーが挙げられる。
【0041】
官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用されるエチレン系インターポリマーは
、USP5,272,236、5,278,272、5,064,802、5,132,
380、5,703,187、6,034,021、5,321,106(EP0 46
8 651)、6,118,013(EP0 514 828)、及びWO93/191
04(USP5,374,696、5,532,394、5,723,398)、及びW
O95/00526(USP5,470,993、5,556,928、5,624,8
78)に開示されるように、幾何拘束触媒を使用して調製される「均一」または「均一分
岐」インターポリマーでよい。これら全ての特許及び公開は、全体が参照により本明細書
に組み込まれる。そのようなインターポリマーを調製するために使用される別の適切な触
媒の種類は、USP5,044,438、5,057,475、5,096,867及び
5,324,800に開示されるビス-メタロセン触媒であり、その全体が参照により本
明細書に組み込まれる。幾何拘束触媒及びビス-メタロセン触媒は、両方とも「シングル
サイト触媒」と呼ばれることがある。
【0042】
一実施形態において、エチレン系インターポリマーは、均一分岐線状インターポリマー
または均一分岐実質的線状インターポリマーである。別の実施形態において、エチレンイ
ンターポリマーは、均一分岐実質的線状インターポリマーである。さらなる実施形態にお
いて、エチレン系インターポリマーは、7~10、または8~10のI10/I2比を有
する均一分岐実質的線状インターポリマーである。好ましくは、エチレン系インターポリ
マーは、エチレン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0043】
別の実施形態において、エチレン系インターポリマーは、シングルサイト触媒を使用し
て調製される。さらなる実施形態において、エチレン系インターポリマーは、幾何拘束触
媒を使用して調製される。好ましくは、エチレン系インターポリマーは、エチレン/α-
オレフィンインターポリマーである。別の実施形態において、重合性モノマーの総モルに
基づき、エチレン系インターポリマーは55モルパーセント超のエチレン、または60モ
ルパーセント超のエチレンを含有する。好ましくは、エチレンインターポリマーは、エチ
レン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0044】
官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用されるエチレン系インターポリマーは
、2つの反応容器内で重合されてもよく、第1のポリマーは第1の反応容器内で重合され
、(より高いまたはより低い分子量の、及び/または異なる密度の、及び/または不均一
である)第2のポリマーは、第1のポリマーが生成される反応容器に直列にまたは並行に
繋がれた第2の反応容器内で重合される。このような二重重合は、望ましい特性を有する
容器内ポリマーブレンドを調製するために使用される。この一例が、WO94/0050
0に開示されており、本明細書に組み込まれる。加えて、WO2005/028584A
1で論じられるように、1つ以上の反応容器内重合において二元触媒が使用されてよく、
参考により本明細書に組み込まれる。
【0045】
エチレン系ポリマーは、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含ん
でよい。
【0046】
エチレン系インターポリマーは、本明細書に記載される2つ以上の適切な実施形態の組
み合わせを含んでよい。
【0047】
エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、本明細書に記載される2つ以上の適切
な実施形態の組み合わせを含んでよい。
【0048】
ハロゲン化及び官能化前のプロピレン系ポリマー
別の実施形態において、オレフィン系ポリマーは、プロピレン系ポリマー、及びさらに
プロピレン系インターポリマーである。例えば、(重合性モノマーの総モルに基づき)少
なくとも50モルパーセントの重合プロピレンを含有するプロピレン系インターポリマー
は、本発明内に入る。適切なポリプロピレン系インターポリマーとしては、VERSIF
Y(商標)インターポリマー(The Dow Chemical Company)及
びVISTAMAXX(商標)インターポリマー(ExxonMobil Chemic
al Co.)、LICOCENE(商標)インターポリマー(Clariant)、E
ASTOFLEX(商標)インターポリマー(Eastman Chemical Co
.)、REXTAC(商標)インターポリマー(Huntsman)、及びVESTOP
LAST(商標)インターポリマー(Degussa)が挙げられる。他の適切なインタ
ーポリマーとしては、プロピレン-α-オレフィンブロックコポリマー及びインターポリ
マー、ならびに当技術分野において既知の他のプロピレン系ブロックコポリマー及びイン
ターポリマーが挙げられる。他の適切なプロピレンポリマーは、WO2006/0692
05に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用されるプロピレン系インター
ポリマーは、5.0以下、及びまたは4.0以下の分子量分布(MWD)を有する。言い
かえれば、プロピレンインターポリマーは、約1.1~5.0、または約1.1~4.0
、または約1.1~3.5、または約1.1~3.0のMWDを有する。別の実施形態に
おいて、プロピレンインターポリマーは、1.1以上、または1.5以上のMWDを有す
る。全ての個別値及び約1.1~5.0の部分範囲は、本明細書に含まれ開示される。好
ましくは、プロピレンインターポリマーは、プロピレン/α-オレフィンインターポリマ
ーまたはプロピレン/エチレンインターポリマーである。一実施形態において、プロピレ
ンインターポリマーは、プロピレン/α-オレフィンインターポリマーである。別の実施
形態において、プロピレンインターポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマー
である。
【0050】
官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用されるプロピレン/α-オレフィンイ
ンターポリマーは、プロピレンと少なくとも1つの適切なコモノマーとのインターポリマ
ーである。好ましいコモノマーとしては、エチレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペ
ンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、及び1
-オクテン、非共役ジエン、ポリエン、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、ヘキサ
ジエン(例えば1,4-ヘキサジエン)、オクタジエン、デカジエン(例えば、1,9-
デカジエン)、スチレン、ハロ置換スチレン、アルキル置換スチレン、テトラフルオロエ
チレン、ビニルベンゾシクロブテン、ナフテン酸、シクロアルケン(例えば、シクロペン
テン、シクロヘキセン、シクロオクテン)、及びそれらの混合物が挙げられるが、これら
に限定されない。典型的及び好ましくは、コモノマーは、エチレンまたはC4-C20の
α-オレフィン、より好ましくはエチレンまたはC4-C10のα-オレフィン、さらに
より好ましくはエチレンである。
【0051】
好ましくは、プロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α-オレフィンインター
ポリマーまたはプロピレン/エチレンインターポリマーである。一実施形態において、プ
ロピレン系インターポリマーは、プロピレン/α-オレフィンインターポリマーである。
別の実施形態において、プロピレンインターポリマーは、プロピレン/エチレンインター
ポリマーである。
【0052】
別の実施形態において、本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用され
るプロピレン/α-オレフィンインターポリマーは、DSCによる測定で、60パーセン
ト以下、または40パーセント以下、または35パーセント以下、または20パーセント
以下のパーセント結晶化度を有する。別の実施形態において、プロピレン/α-オレフィ
ンインターポリマーは、DSCによる測定で、2パーセント以上、または2パーセント以
上のパーセント結晶化度を有する。好ましくは、これらのインターポリマーは、2パーセ
ント~60パーセントのパーセント結晶化度を有し、全ての個別値及び2パーセント~6
0パーセントの部分範囲を含む。そのような個別値及び部分範囲は、本明細書に含まれ開
示される。好ましくは、プロピレンインターポリマーは、プロピレン/α-オレフィンイ
ンターポリマーまたはプロピレン/エチレンインターポリマーである。一実施形態におい
て、プロピレンインターポリマーは、プロピレン/α-オレフィンインターポリマーであ
る。別の実施形態において、プロピレンインターポリマーは、プロピレン/エチレンイン
ターポリマーである。
【0053】
別の実施形態において、官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用されるプロピ
レン系インターポリマーは、重合性モノマーの総モルに基づき、最終ポリマーに、2モル
パーセント超、または3モルパーセント超のコモノマーの組み込みを有する。コモノマー
の組み込み量は、重合性モノマーの総モルに基づき、6モルパーセント超、及び10モル
パーセント超にもなり得る。好ましくは、プロピレンインターポリマーは、プロピレン/
α-オレフィンインターポリマーまたはプロピレン/エチレンインターポリマーである。
一実施形態において、プロピレンインターポリマーは、プロピレン/α-オレフィンイン
ターポリマーである。別の実施形態において、プロピレンインターポリマーは、プロピレ
ン/エチレンインターポリマーである。
【0054】
別の実施形態において、官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用されるプロピ
レン系インターポリマーは、0.855グラム/立方センチメートルg/cc~0.89
5g/cc、または0.86g/cc~0.89g/cc、または0.86g/cc~0
.88g/ccの密度を有する。全ての個別値及び0.855g/cc~0.895g/
ccの部分範囲は、本明細書に含まれ開示される。好ましくは、プロピレンインターポリ
マーは、プロピレン/α-オレフィンインターポリマーまたはプロピレン/エチレンイン
ターポリマーである。一実施形態において、プロピレンインターポリマーは、プロピレン
/α-オレフィンインターポリマーである。別の実施形態において、プロピレンインター
ポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマーである。
【0055】
別の実施形態において、官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用されるプロピ
レン系インターポリマーは、0.895g/cc以下、または0.89g/cc以下、ま
たは0.88g/cc以下の密度を有する。別の実施形態において、官能化ハロゲン化イ
ンターポリマーの調製に使用されるプロピレンインターポリマーは、0.855g/cc
以上、または0.86g/cc以上、または0.865g/cc以上の密度を有する。好
ましくは、プロピレンインターポリマーは、プロピレン/α-オレフィンインターポリマ
ーまたはプロピレン/エチレンインターポリマーである。一実施形態において、プロピレ
ンインターポリマーは、プロピレン/α-オレフィンインターポリマーである。別の実施
形態において、プロピレンインターポリマーは、プロピレン/エチレンインターポリマー
である。
【0056】
別の実施形態において、官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用されるプロピ
レン/α-オレフィンインターポリマーまたはプロピレン/エチレンインターポリマーは
、100,000センチポアズ(cP)未満、または70,000cP、または60,0
00cP、または50,000cP、または40,000cP、または30,000cP
、または20,000cP、または15,000cP~250cP超、または500cP
、または1,000cP、または2,000cP、または5,000cPの溶融粘度を有
する。全ての個別値及び250cP~100,000cPの部分範囲は、本明細書に含ま
れ開示される。溶融粘度は、350°F(177℃)でBrookfield粘度計を使
用して測定する。好ましくは、溶融粘度は400cP~40,000cP、より好ましく
は500cP~30,000cPである。好ましくは、プロピレンインターポリマーは、
プロピレン/α-オレフィンインターポリマーまたはプロピレン/エチレンインターポリ
マーである。
【0057】
別の実施形態において、本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用され
るプロピレン系インターポリマーは、3,000~35,000、または5,000~3
0,000、または6,000~25,000の数平均分子量(Mn)を有する。全ての
個別値及び3,000~35,000の部分範囲は、本明細書に含まれ開示される。全て
の分子量は、本明細書に開示されるように、単位「g/モル」を有する。好ましくは、プ
ロピレンインターポリマーは、プロピレン/α-オレフィンインターポリマーまたはプロ
ピレン/エチレンインターポリマーである。
【0058】
別の実施形態において、本発明の官能化ハロゲン化インターポリマーの調製に使用され
るプロピレン系インターポリマーは、6,000~105,000、または10,000
~90,000、または12,000~60,000、または12,000~30,00
0の重量平均分子量(Mw)を有する。全ての個別値及び6,000~105,000の
部分範囲は、本明細書に含まれ開示される。全ての分子量は、本明細書に開示されるよう
に、単位「g/モル」を有する。好ましくは、プロピレンインターポリマーは、プロピレ
ン/α-オレフィンインターポリマーまたはプロピレン/エチレンインターポリマーであ
る。
【0059】
プロピレン系ポリマーは、本明細書に記載されるように、2つ以上の実施形態の組み合
わせを含んでよい。
【0060】
プロピレン系インターポリマーは、本明細書に記載されるように、2つ以上の適切な実
施形態の組み合わせを含んでよい。
【0061】
プロピレン/α-オレフィンインターポリマーは、本明細書に記載されるように、2つ
以上の適切な実施形態の組み合わせを含んでよい。
【0062】
プロピレン/エチレンインターポリマーは、本明細書に記載されるように、2つ以上の
適切な実施形態の組み合わせを含んでよい。
【0063】
官能化及びハロゲン化後のオレフィン系ポリマー
ハロゲン化
本発明の実施に使用されるオレフィン系ポリマーは、上記に記載されるように、官能化
されることに加えて、ハロゲン化される。オレフィン系ポリマーは、ポリマーの官能化前
後または同時にハロゲン化されることができる。典型的には、及び/または、オレフィン
系ポリマーはまずハロゲン化され、次に官能化される。オレフィン系ポリマーのハロゲン
化に使用されるハロゲンは、典型的には塩素及び/または臭素、より典型的には塩素であ
る。
【0064】
本明細書に開示されるポリマーは、元素状塩素及び/または臭素を含む様々な試薬のい
ずれかでハロゲン化されてよく、次にハロゲン化生成物を、官能性を含有する様々な化合
物のいずれか(例えば無水マレイン酸)と反応させ、官能化ハロゲン化オレフィン系ポリ
マーを得る。一実施形態において、オレフィン系ポリマーに、ハロゲンをモノマー(例え
ば塩化ビニル)として導入することができ、ポリマー主鎖(例えばポリ塩化ビニル)に直
接重合される。オレフィン系ポリマーのハロゲン化は、例えばUSP2.926,159
及びPolymer Journal Vol.37,No.9,pp661-668
(2005)など、当該技術分野において周知である。
【0065】
本発明の実施において使用される官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーのハロゲン含
有量は、官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーの重量に基づき、典型的には30重量パ
ーセント(重量%)、または25重量%、または20重量%、または15重量%、または
12重量%、または9重量%以下~1重量%、または2重量%、または3重量%、または
4重量%、または5重量%以上のハロゲンを含む。一実施例において、官能化ハロゲン化
オレフィン系ポリマーのハロゲン含有量は、1~30重量%、または2~22重量%、ま
たは3~15重量%、または1~10重量である。全ての個別値及び1~30重量%の部
分範囲は、本明細書に含まれ開示される。
【0066】
官能化
本発明は、本明細書に記載されているように、官能化ポリマーを提供し、それを含む組
成物を提供する。本明細書に記載されるように、ポリマーが官能化され、官能性を導入し
、とりわけ(例えば、他のポリマーとの相溶性、さらに他のポリマーとの反応性などを向
上させ)接着特性及び/または界面活性を向上させてよい。
【0067】
特定の官能性の導入により、基本ポリマー、すなわち官能前(及び典型的には、必ずし
もそうではないがハロゲン化前)のオレフィン系ポリマーの界面特性を変化させてよく、
このことが典型的には、向上界面特性をもたらし、塗装性、強靱化、相溶化、接着及びタ
イ層における接着などの改善特性となってしばしば表れる。
【0068】
本明細書に開示されるオレフィン系ポリマーは、典型的なグラフト化、水素化、ナイト
レン挿入、エポキシ化、または当業者に周知の他の官能化反応によって改善されてよい。
好ましい官能化は、フリーラジカル機構、またはROMP(開環メタセシス)、またはR
AFT(可逆的付加開裂連鎖移動)機構である。
【0069】
官能化は、ハロゲン化前後または同時に起きてよい。
【0070】
完全にグラフト可能な様々な種は、個別に、または比較的短いグラフトとしてポリマー
に接着されてよい。これらの種としては、それぞれが少なくとも1つのへテロ原子を含有
する不飽和分子が挙げられる。これらの種としては、無水マレイン酸、マレイン酸ジブチ
ル、マレイン酸ジシクロヘキシル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸ジオクタデシル
、N-フェニルマレイミド、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ブロモ
マレイン酸、無水クロロマレイン酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水アル
ケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、ジエチルフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸
、クロトン酸、及びそれぞれのエステル、イミド、塩、ならびにこれらの化合物のディー
ルス-アルダー付加体が挙げられるが、これらに限定されない。無水マレイン酸は、好ま
しいグラフト化種である。
【0071】
他の完全にグラフト可能な種は、個別に、または短いグラフトからより長いグラフトと
してポリマーに接着されてよい。これらの種としては、メタクリル酸;アクリル酸;アク
リル酸のディールス-アルダー付加体;メチル、エチル、ブチル、イソブチル、エチルヘ
キシル、ラウリル、ステアリル、ヒドロキシエチル、及びジメチルアミノエチルを含むメ
タクリレート;メチル、エチル、ブチル、イソブチル、エチルヘキシル、ラウリル、ステ
アリル、及びヒドロキシエチルを含むアクリレート;グリシジルメタクリレート及び塩化
ビニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
例示的実施例として、上記の種のうちの少なくとも1つを含む完全にグラフト可能な種
の混合物がスチレン/無水マレイン酸及びスチレン/アクリロニトリルと共に使用されて
よい。
【0073】
熱グラフト化方法は、反応のための一方法であるが、放射線、電子線、または酸化還元
ラジカル発生の異なる形態を含む光開始などの他のグラフト化方法が使用されてもよい。
【0074】
本明細書に開示される官能化インターポリマーは、ペルオキシド、硫黄、放射線、また
はアジド系硬化系が挙げられるがこれらに限定されない、様々な鎖延長方法または架橋方
法によって改善されてもよい。様々な架橋技術の十分な説明は、USP5,869,59
1及びUSP5,977,271に記載されており、その両方が全面的に参考により本明
細書に組み込まれる。
【0075】
硬化樹脂に適切な硬化剤としては、ペルオキシド、フェノール、アジド、アルデヒド-
アミン反応生成物、置換尿素、置換グアニジン;置換キサンテート;置換ジチオカルバメ
ート;チアゾール、イミダゾール、スルフェンアミド、チウラミジスルフィド、パラキノ
ンジオキシム、ジベンゾパラキノンジオキシム、硫黄などの硫黄含有化合物;それらの組
み合わせを挙げてよい。元素状硫黄が、ジエン含有ポリマーの架橋剤として使用されてよ
い。
【0076】
いくつかの系において、架橋は架橋触媒で促進されてよく、この機能を提供する任意の
触媒を本発明で使用することができる。これらの触媒は、一般に酸及び塩基、特に有機塩
基、カルボン酸及びスルホン酸、ならびに有機チタネート、有機ジルコネート、ならびに
鉛、コバルト、鉄、ニッケル、亜鉛及びスズの複合体またはカルボキシレートを含む有機
金属化合物を含む。ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズマレイン酸、ジブチルス
ズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、第一スズアセテート、第一スズオクトエ
ート、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト等が、適切な架橋触媒の例で
ある。
【0077】
化学架橋剤を用いるよりも、放射線の使用、または電子ビームの使用によって架橋が引
き起こされてよい。有用な方射線型としては、紫外線(UV)もしくは可視光線放射、ベ
ータ線、ガンマ線、X線、または中性子線が挙げられる。放射線は、組み合わせる及び架
橋してよいポリマーラジカルを発生させることによって架橋を引き起こすと考えられてい
る。
【0078】
硬化段階中の架橋は重要である。それにより、布地の接着/ゴムへの接着性を助けるこ
とができる。架橋を開始するのに有用な温度は、気圧、または蒸気条件、または熱気、ま
たは塩浴、またはマイクロ波への曝露、またはこれらの技術の2つ以上の組み合わせの下
で、典型的には100℃以上である。
【0079】
熱、湿気硬化、及び放射線工程の組み合わせを使用する二重硬化系が、効果的に用いら
れてよい。二重硬化系は、USP5,911,940及び6,124,370に開示され
ており、全面的に参考により本明細書に組み込まれる。例えば、ペルオキシド架橋剤をシ
ラン架橋剤と共に用いる、ペルオキシド架橋剤を方射線と共に用いる、または硫黄含有架
橋剤をシラン架橋剤と共に用いることが望ましい場合がある。
【0080】
本明細書に開示される低分子量ポリマーは、調製においてターモノマーとしてジエン構
成成分を組み合わせ、それに続いて上述の方法及び、例えば架橋剤として硫黄を使用する
ビニル基による加硫を含むさらなる方法によって架橋することが挙げられるがこれらに限
定されず、様々な他の架橋方法によって改善されてもよい。
【0081】
官能化は、末端不飽和基(例えば、ビニル基)または内部不飽和基でも、ポリマーにそ
のような基が存在する場合、起きてよい。そのような官能化としては、水素化、オゾン化
、ヒドロキシル化、スルホン化、カルボキシル化、エポキシ化、及びグラフト化反応が挙
げられるが、これらに限定されない。アミン、アミド、エステル、カルボン酸、エーテル
等などの任意の官能基、または無水マレイン酸などの官能性不飽和化合物が、既知の化学
反応により末端または内部不飽和全体にわたって添加されることができる。他の官能化方
法としては、以下のUSP5,849,828、USP5,814,708、及びUSP
5,717,039に記載されているものが挙げられる。これらの特許のそれぞれが、全
面的に参考により本明細書に組み込まれる。
【0082】
スルホン化は、以下のUSP5,753,774、5,723,550、5,030,
399、4,532,302、4,308,215、4,184,988、4,157,
432、及び4,148,821に記載されている方法に従って実施されることができ、
それらの全ての内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0083】
一実施形態において、好ましい実施形態は、オレフィン系ポリマーが無水マレイン酸で
官能化されることである。一実施形態において、ポリマー鎖における残留不飽和及び/ま
たはポリマー鎖における飽和基にマレイン酸部分がグラフトすることによって、オレフィ
ン系ポリマーが無水マレイン酸で官能化される。一実施形態において、オレフィン系ポリ
マーはエチレン系ポリマーである。好ましくは、無水マレイン酸-グラフト化エチレンイ
ンターポリマーは、エチレン/α-オレフィンインターポリマー(基本ポリマー)から形
成される。
【0084】
一実施形態において、グラフト化反応において使用される無水マレイン酸量は、反応組
成物の総重量に基づき、1重量パーセント以上であり、無水マレイン酸の開始剤に対する
重量比は、10:1~500:1、好ましくは20:1~400:1、より好ましくは3
0:1~300:1である。個別比及び10:1~500:1の部分範囲は、本明細書に
含まれ開示される。別の実施形態において、無水マレイン酸の開始剤に対する重量比は、
10:1~50:1である。反応のグラフト化効率と均衡する無水マレイン酸の開始剤に
対するこれらの比により、良好な接着特性を提供する無水マレイン酸グラフト化ポリマー
が得られる。
【0085】
別の実施形態において、グラフト化反応に使用される無水マレイン酸量は、(反応組成
物の重量に基づき)10重量%以下、または5重量%未満、または0.5~10重量%、
または0.5~5重量%である。全ての個別値及び0.05重量%~10重量%の部分範
囲は、本明細書に含まれ開示される。
【0086】
別の実施形態において、ポリオレフィン鎖にグラフトした無水マレイン酸成分(例えば
、エチレンインターポリマーまたはプロピレンインターポリマー)の量は、滴定分析、F
TIR分析、または任意の他の適切な方法により決定され、(オレフィンインターポリマ
ーの重量に基づき)0.05重量%超である。さらなる実施形態において、この量は0.
25重量%超であり、さらにさらなる実施形態において、この量は0.5重量%超である
。好ましい実施形態において、無水マレイン酸の0.1重量%~5重量%がグラフトされ
る。全ての個別値及び0.05重量%超の部分範囲が本発明の範囲内とみなされ、本明細
書に開示される。言いかえれば、無水マレイン酸-グラフト化エチレンインターポリマー
は、エチレン/α-オレフィンインターポリマー(基本ポリマー)から形成される。
【0087】
無水マレイン酸と同様に、多くの他の種含有不飽和へテロ原子が、典型的にはフリーラ
ジカル開始剤、例えばペルオキシド及びアゾ種の化合物などの存在下において任意の従来
方法によって、またはイオン化放射線によってインターポリマーにグラフトされてよい。
ジクミルぺルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、t-ブチルペルベンゾエー
ト、ベンゾイルぺルオキド、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルペルオクトエート、
メチルエチルケトンペルオキシド、2,5-ジメチル1-2,5-ジ(tert-ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)
-3-ヘキシン、ラウリルペルオキシド、及びtert-ブチルペルアセテートなどのペ
ルオキシド開始剤のうちのいずれか1つ、などの有機開始剤が望ましい。適切なアゾ化合
物は、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)である。有機開始剤は、異なる温度で
様々な反応性を有し、グラフト化のために異なる型のフリーラジカルを発生させてよい。
当業者は、グラフト化条件のために必要に応じて適切な有機開始剤を選択してよい。
【0088】
グラフト化方法において用いられる開始剤の量及び型、無水マレイン酸量、同様に温度
、時間、せん断、環境、添加剤、希釈剤等を含む反応条件は、マレイン化インターポリマ
ーの最終構造に影響を与えてよい。例えば、加水分解生成物を含み、グラフト化インター
ポリマーにグラフトされた無水マレイン酸/無水コハク酸、それらのオリゴマー、及びそ
れらの誘導体の程度は、上述の考察によって影響を受けてよい。加えて、分岐の程度及び
型、ならびに架橋量は、反応条件及び濃度によっても影響を受けてよい。一般に、マレイ
ン化工程中に架橋が最小化されることが好ましい。基本オレフィンインターポリマーの組
成物は、マレイン化インターポリマーの最終構造に関与してもよい。得られた構造は、次
に最終生成物の特性、及び使用に影響を及ぼすだろう。典型的には、用いられる開始剤及
び無水マレイン酸の量は、マレイン化の所望のレベル及び所望のメルトフローを提供する
ために決定され、それぞれが官能化インターポリマー及びその後の使用に必要な量を超え
ない。
【0089】
開始剤の量は変えることができるが、本発明の接着剤の塗付用には、反応組成物の総量
に基づき、開始剤の少なくとも100ppm、または開始剤の少なくとも250ppmが
使用される。開始剤は、250ppm~2,500ppmの量で存在してよい。全ての個
別値及び250ppm~2,500ppmの部分範囲は、本明細書に含まれ開示される。
【0090】
グラフト化反応は、オレフィン系ポリマー主鎖へのグラフトを最大にし、オレフィンイ
ンターポリマーにグラフトされないグラフト化剤の単独重合などの副反応を最小にする条
件下で実施されるべきである。無水マレイン酸(及び/またはその誘導体)の一部がオレ
フィン系ポリマーにグラフトしないことは稀なことではなく、未反応のグラフト化剤が最
小になることが一般に望ましい。グラフト化反応は、溶解で、溶液で、固体状態で、膨潤
状態等で実施してよい。マレイン化を、二軸押出機、単軸押出機、BRABENDER(
商標)混合機、バッチ反応器等、などの多種多様の装置で実施してよいが、これらに限定
されない。
【0091】
押出成形機の第1段階において、典型的には100℃~260℃、または120℃~2
50℃の溶融温度で(ハロゲンを除く)オレフィン系ポリマーを無水マレイン酸及び開始
剤とブレンドすることにより、十分なマレイン化樹脂を生成する。全ての個別温度値及び
100℃~260℃の範囲は、本明細書に含まれ開示される。
【0092】
本発明の付加的な実施形態は、他のカルボニル含有化合物でグラフトされたオレフィン
系ポリマーを提供する。一実施形態において、これらのグラフト化オレフィン系ポリマー
は、グラフト化無水マレイン酸オレフィン系ポリマーの上記に記載されたものと同様また
は同程度の分子量分布及び/または密度を有してよい。別の実施形態において、上記に記
載されるように、グラフト化無水マレイン酸オレフィンインターポリマーに使用されたも
ののように、これらのグラフト化オレフィン系ポリマーは、グラフト化化合物及び開始剤
と同様または同程度の量を使用して調製される。別の実施形態において、上記に記載され
るように、これらのグラフト化オレフィン系ポリマーは、グラフト化無水マレイン酸量と
して同様または同程度のレベルのグラフト化化合物を含む。
【0093】
付加的なカルボニル含有化合物としては、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジシクロヘ
キシル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸ジオクタデシル、N-フェニルマレイミド
、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ブロモマレイン酸、無水クロロマ
レイン酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水アルケニルコハク酸、マレイン
酸、フマル酸、ジエチルフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、それらのエ
ステル、それらのイミド、それらの塩、及びそれらのディールス-アルダー付加体が挙げ
られるが、これらに限定されない。
【0094】
官能化及びハロゲン化オレフィン系ポリマー
本発明の好ましい実施形態は、オレフィン系ポリマー、特に塩素化エチレン系ポリマー
(またはエチレン/α-オレフィンインターポリマー)、及び塩素化プロピレン系ポリマ
ー(またはプロピレン/エチレンインターポリマー)、それぞれが無水マレイン酸で官能
化(例えばグラフト化)されるものを提供する。グラフト化無水マレイン酸(g-MAH
)、塩素化オレフィン系ポリマーは、少量の加水分解生成物及び/または他の誘導体を含
有してもしなくてもよい。
【0095】
一実施形態において、本発明は官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー(ハロゲン化官
能化オレフィン系ポリマーと呼ばれることもある)及びそれを含むポリマーブレンド、な
らびに特に塩素化g-MAHエチレンインターポリマーを提供する。言いかえれば、ハロ
ゲン化官能化オレフィン系ポリマーは、塩素化g-MAHエチレン/α-オレフィンイン
ターポリマーである。
【0096】
別の実施形態において、官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー、特に塩素化g-MA
Hエチレン系またはプロピレン系インターポリマーは、10cP~100,000センチ
ポアズ(cP)の溶融粘度を有し、または溶融粘度は50cP、または100cP、また
は500cP、または1,000cP、または2,000cP、3,000cP、または
4,000cP、または5,000cP~80,000cP、または60,000cP、
または50,000cP、または40,000cP、または30,000cP、または2
0,000cP、または15,000cPである。全ての個別値及び10cP~100,
000cPの部分範囲は、本明細書に含まれ開示される。一実施形態において、ハロゲン
化官能化オレフィン系ポリマーは、塩素化g-MAHエチレン/α-オレフィンインター
ポリマーまたはプロピレン/エチレンインターポリマーである。溶融粘度は、350°F
(177℃)でBrookfield粘度計を使用して測定される。
【0097】
官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーが、ハロゲン化官能化エチレン系ポリマー、特
に塩素化g-MAHエチレンインターポリマーである場合、それは典型的には、ASTM
D-1238(190℃、2.16kg)を用いて決定され、50グラム/10分(g
/10分)、もしくは100g/10分、もしくは200g/10分、もしくは300g
/10分、もしくは400g/10分~3,500g/10分、~3500g/10分、
もしくは3,000g/10分、もしくは2500g/10分、または300g/10分
~2,000g/10分、または400g/10分~1,500g/10分のメルトイン
デックス(I2)を有する。全ての個別値及び200g/10分~3,500g/10分
の部分範囲は、本明細書に含まれ開示される。言いかえれば、ハロゲン化官能化オレフィ
ン系ポリマーは、塩素化g-MAHエチレン/α-オレフィンインターポリマーである。
【0098】
官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーが、ハロゲン化官能化プロピレン系ポリマー、
特に塩素化g-MAHプロピレンインターポリマーである場合、それは典型的には、AS
TM D-1238(230℃、2.16kg)を使用して決定され、50グラム/10
分(g/10分)、もしくは100g/10分、もしくは200g/10分、もしくは3
00g/10分、もしくは400g/10分~3,500g/10分、~3500g/1
0分、もしくは3,000g/10分、もしくは2500g/10分、または300g/
10分~2,000g/10分、さらにまたは400g/10分~1,500g/10分
のメルトインデックス(I2)を有する。全ての個別値及び200g/10分~3,50
0g/10分の部分範囲は、本明細書に含まれ開示される。言いかえれば、ハロゲン化官
能化オレフィン系ポリマーは、塩素化g-MAHプロピレン/エチレンインターポリマー
である。
【0099】
別の実施形態において、官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー、特に塩素化g-MA
Hエチレン、またはプロピレン系インターポリマーは、4,000~30,000、また
は5,000~25,000、さらにまたは5,000~15,000の数平均分子量(
Mn)を有する。全ての個別値及び部分範囲は、4,000~30,000の範囲に含ま
れ、本明細書に開示される。全ての分子量は、本明細書に開示されるように、単位「g/
モル」を有する。言いかえれば、ハロゲン化官能化オレフィン系ポリマーは、塩素化g-
MAHエチレン/α-オレフィンインターポリマーまたはプロピレン/エチレンインター
ポリマーである。
【0100】
別の実施形態において、官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー、特に塩素化g-MA
Hエチレン、またはプロピレン系インターポリマーは、35,000~150,000、
または40,000~100,000、さらにまたは745,000~80,000の重
量平均分子量(Mw)を有する。全ての個別値及び部分範囲は、50,000~150,
000の範囲に含まれ、本明細書に開示される。全ての分子量は、本明細書に開示される
ように、単位「g/モル」を有する。言いかえれば、ハロゲン化官能化オレフィン系ポリ
マーは、塩素化g-MAHエチレン/α-オレフィンインターポリマーまたはプロピレン
/エチレンインターポリマーである。
【0101】
別の実施形態において、官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー、特に塩素化、g-M
AHエチレン系、またはプロピレン系インターポリマーは、約1.2~5.0、または約
1.5~4.0、または約1.7~3.0、または1.8~2.5の分子量分布(MWD
)を有する。全ての個別値及び部分範囲は、約1.2~5.0のMWD範囲に含まれ、本
明細書に開示される。言いかえれば、ハロゲン化官能化オレフィン系ポリマーは、塩素化
g-MAHエチレン/α-オレフィンインターポリマーまたはプロピレン/エチレンイン
ターポリマーである。
【0102】
別の実施形態において、官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー、特に塩素化g-MA
Hエチレン、またはプロピレン系インターポリマーは、0.850g/cc~0.930
g/cc、または0.855g/cc~0.910g/cc、または0.860g/cc
~0.900g/cc、さらにまたは0.865g/cc~0.895g/ccの密度を
有する。全ての個別値及び部分範囲は、0.850g/cc~0.930g/ccの密度
範囲に含まれ、本明細書に開示される。一実施形態において、ハロゲン化官能化オレフィ
ン系ポリマーは、塩素化g-MAHエチレン/α-オレフィンインターポリマーまたはプ
ロピレン/エチレンインターポリマーである。
【0103】
一実施形態において、ハロゲン化官能化オレフィン系ポリマーの塩素含有量は、ポリマ
ーの重量に基づき1~30重量%である。
【0104】
一実施形態において、ハロゲン化官能化オレフィン系ポリマーの融解温度(Tm)は、
175℃以下、または-20℃~120℃、または0℃~100℃、または20℃~10
0℃、または50℃~100℃である。
【0105】
一実施形態において、ハロゲン化官能化オレフィン系ポリマーのガラス転移温度(Tg
)は、-50℃~10℃、または-40℃~10℃、または-30℃~10℃、または-
20℃~10℃、または-10℃~10℃である。
【0106】
一実施形態において、オレフィン系オレフィンの2つのうち1つのブレンドは、上記に
記載されるように、ハロゲン化及び官能化を受ける。押出成形機の第1段階において、官
能化構成成分及び開始剤の1つが使用される場合、官能化構成成分、例えば無水マレイン
酸を、個々のオレフィン系ポリマーとブレンドすることによってブレンドのポリマーと反
応させることができる。反応(無水マレイン酸グラフト化)で生じる工程温度は、(再度
1つが使用されると仮定して)開始剤の滞留時間及び半減期により、典型的には100℃
~260℃、または120℃~250℃である。グラフト化反応は、ポリマー主鎖にグラ
フトを最大にし、副反応を最小にする条件下で実施されるべきである。
【0107】
一実施形態において、樹脂ブレンドはエチレンインターポリマー及びプロピレンインタ
ーポリマーを含む。適切なエチレンインターポリマー及びプロピレンインターポリマーと
しては、本明細書に記載されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーを含む組成物
本発明の実施において使用される官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーは、(1)少
なくとも1つのブレンドポリマー、及び/または(2)本発明の組成物を形成する1つ以
上の粘着付与剤、とブレンドされる。ブレンドポリマー及び/または粘着付与剤の添加に
より、接着剤、特にゴム基材に布地を接着させるための接着剤として有用な組成物を形成
する。
【0109】
ブレンドポリマー
ここで使用する場合、「ブレンドポリマー」は、上記に記載される官能化ハロゲン化オ
レフィン系ポリマー以外のポリマーを意味する。ブレンドポリマーは、官能化ハロゲン化
オレフィン系ポリマーを生成するために使用されるオレフィン系ポリマーと同様または異
なり得る。ブレンドポリマーは、官能化もハロゲン化もされたオレフィン系ポリマーでは
ない。典型的には、ブレンドポリマーは、官能化もハロゲン化もされていないオレフィン
系ポリマーである。
【0110】
適切なブレンドポリマーには、天然及び合成ポリマーを含む、熱可塑性樹脂及び非熱可
塑性樹脂ポリマーが挙げられる。例示的なブレンドポリマーとしては、ポリプロピレン(
PP)(例えば、衝撃性改善ポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、アタク
チックポリプロピレン、及びランダムプロピレン/エチレンコポリマー)、高圧、フリー
ラジカル低密度ポリエチレン(LDPE)、チーグラー・ナッタ線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)を含む様々な型のポリエチレン(PE)、複数反応器PE(USP6,5
45,088、6,538,070、6,566,446、5,844,045、5,8
69,575及び6,448,341に開示されている生成物などのチーグラー・ナッタ
PE及びメタロセンPEの「反応容器内」ブレンドを含むメタロセンPE、エチレン-ビ
ニルアセテート(EVA)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、ポリスチレン、衝
撃性改善ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレン
/ブタジエンブロックコポリマー及びそれらの水素化誘導体(SBS及びSEBS)、な
らびに熱可塑性樹脂ポリウレタン(PU)が挙げられるが、これらに限定されない。オレ
フィンプラストマー及びエラストマー、エチレン及びプロピレン系コポリマー(例えば、
The Dow Chemical Companyから入手可能なVERSIFY(商
標)、及びExxonMobilから入手可能なVISTAMAXX(商標)の商品名で
入手可能なポリマーなどの均一ポリマーは、官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーを含
むブレンド中の構成成分としても有用になり得る。一実施形態において、例えば、EVA
、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、PUなど、ブレンドポリマーは官能化される
が、ハロゲン化されない。一実施形態において、ブレンドポリマーは、g-MAHで官能
化される。一実施形態において、例えばPVCなど、ブレンドポリマーはハロゲン化され
るが官能化されない。
【0111】
非晶質ポリオレフィン(APO)が、ブレンドポリマーの特に好ましい種類である。A
PAOは、1つ以上のαオレフィン(例えば、C2~C10のオレフィン)のポリマーで
ある。APOは、ホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーがあり得る。APOは、
チーグラー・ナッタ技術を使用する不均一系の立体特異性重合の使用によって製造するこ
とができる。そのような方法は、当該技術分野において周知であり、USP4,859,
757、4,847,340、4,736,002及び5,714,554に開示されて
いるそれらの方法が挙げられる。
【0112】
いくつかの実施形態において、APOはプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーで
ある。いくつかの実施形態において、APOは、APOの重量に基づきプロピレンの少な
くとも約50重量%、または少なくとも約55重量%、または少なくとも60重量%を含
む。他の実施形態において、APOはエチレン、プロピレン及び1-ブテンの少なくとも
2つのコポリマーである。
【0113】
APOは190℃で試験した場合、15,000cP以下、または10,000cP以
下、または5,000cP以下、または4,000cP以下の溶融粘度を有することがで
きる。
【0114】
APOは190℃で試験した場合、500cP以上、または1,000cP以上、また
は1,500cP以上、または2,000cP以上の溶融粘度を有することができる。
【0115】
一実施形態において、APOのガラス転移温度(Tg)は、-30℃~0℃、または-
30℃~-5℃、または-30℃~10℃、または-30℃~-10℃である。
【0116】
一実施形態において、APOの重量平均分子量(Mw)は、5,000~60,000
g/モル、または10,000~50,000g/モル、または15,000~50,0
00g/モルである。
【0117】
APOは、少なくとも約10秒、少なくとも約20秒、少なくとも約40秒、またはさ
らには少なくとも約60秒のオープンタイム(すなわち、接着剤のフィルムが破壊接合を
示すまでにかかる時間であり、典型的にはASTM D-4497に従って決定される)
を有することができる。
【0118】
一実施形態において、APOは、言いかえれば少なくとも2.0、少なくとも5.0、
または少なくとも6.0、またはさらに少なくとも7.0の多分散指数(Mw/Mn)を
有する。
【0119】
一実施形態において、APOは、言いかえれば≦15.0、または≦12.0、または
さらに≦10.0の多分散指数(Mw/Mn)を有する。
【0120】
有用なAPOが、多数の供給源から市販されており、市販製品としては、REXtac
LLC (Odessa,Tex.)から入手可能なREXTAC(商標)2730及
びREXTAC(商標)2304;Eastman Chemical Company
(Kingsport,Tenn.)から入手可能なEASTOFLEX(商標)E1
060;ならびにEvonik Industries (Marl,Germany)
から入手可能なVESTOPLAST(商標)708及びVESTOPLAST(商標)
508が挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
粘着付与剤
例示的な粘着力強化樹脂としては、脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素、ならびに改善
炭化水素及び水素化型;テルペン及び改善テルペン、ならびに水素化型;ロジン及びロジ
ン誘導体、ならびに水素化型;及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されな
い。70℃~150℃の環球式軟化点を有する粘着力強化樹脂は、Brookfield
粘度計を使用する測定で、典型的には350°F(177℃)で3,000センチポアズ
(cP)以下の粘度を有する。有用な例としては、Kingsport,Tenn.にあ
るEastman Chemical Co.のEASTOTAC(商標)H-100、
H-115及びH-130、ならびにH-142が挙げられ、それぞれ100℃、115
℃及び130℃、ならびに142℃の軟化点を有する部分的に水素化した脂環式石油炭化
水素樹脂である。これらの樹脂は、異なるレベルの水素化を示すE等級、R等級、L等級
及びW等級のものが利用でき、Eが最も水素化されておらず、Wが最も水素化されている
【0122】
他の有用な粘着力強化樹脂には、部分的脂環式石油炭化水素樹脂であるESCOREZ
(商標)5300、5637及び5400、ならびに部分的水素化芳香族改善石油炭化水
素樹脂であるESCOREZ(商標)5600が挙げられる。これらの樹脂の全てが、H
ouston,Tex.にあるExxonMobil Chemical Co.から入
手可能である。他の粘着力強化樹脂としては、Akron,OhioにあるGoodye
ar Chemical Co.から入手可能な、脂肪族芳香族石油炭化水素樹脂である
WINGTACK(商標)Extra;部分的水素化脂環式石油炭化水素樹脂であるHE
RCOLITE(商標)2100;Panama City,FlaにあるArizon
a Chemical Co.から入手可能で、d-リモネンから作製されるスチレン化
テルペン樹脂であるZONATAC(商標)105及び501 Liteが挙げられる。
【0123】
接着剤組成物
本発明の組成物は、接着剤、特にホットメルト接着剤(HMA)として有用である。こ
れらの組成物は、硬化触媒と共にまたはそれ無しで混合装置において配合物成分を溶融混
合すること、などの従来技術によって調製されることができる。本発明のこれらの接着剤
組成物は、350°F(177℃)未満の適用温度に適した粘度を有する。好ましい実施
形態において、接着剤は、塩素化g-MAHエチレンまたはプロピレン系インターポリマ
ーと共に配合される。
【0124】
一実施形態において、上記に記載されるように、官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマ
ーまたはブレンドは、組成物の総重量に基づき、1重量%~<100重量%、または20
重量%~80重量%、または30重量%~60重量%の量で存在する。全ての個別値及び
1パーセント~<100重量%の部分範囲は、本明細書に含まれ開示される。言いかえれ
ば、官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーまたはブレンドは、25重量%~95重量%
、30重量%以上~90重量%、35重量%以上~85重量%、及び40重量%以上~8
0重量%の量で存在する。
【0125】
別の実施形態において、組成物は少なくとも以下を含む。(a)少なくとも1つの官能
化ハロゲン化オレフィン系ポリマー(または塩素化g-MAHエチレン/α-オレフィン
インターポリマー)の50~<100重量%、または50~95重量%、または50~9
0重量%で、0.86~0.90g/ccの密度、及び350°F(177℃)で3,5
00~30,000cPの溶融粘度を有する、及び(b)少なくとも1つの粘着付与剤及
び/または少なくとも1つのブレンドポリマーの(>)0~50重量%、または5~45
重量%、または10~40重量%。組成物中の粘着付与剤のブレンドポリマーに対する比
は、0:100~100:0の範囲で変動することができる。粘着付与剤及びブレンドポ
リマーの両方が組成物中に存在する場合、典型的には、粘着付与剤のブレンドポリマーに
対する比は、10:90~90:10、または20:80~80:20、または30:7
0~70:30、または40:60~60:40である。
【0126】
一実施形態において、組成物の溶融粘度は、177℃で100~50,000Pa-s、または250~40,000Pa-s、または500~30,000Pa-sである。
【0127】
一実施形態において、組成物中の粘着付与剤量は、組成物の重量に基づき、10~90
重量%、または30~70重量%、または40~60重量%である。
【0128】
一実施形態において、組成物中のAPO量は、組成物の重量に基づき、1~99重量%
、または5~95重量%、または10~90重量%である。
【0129】
一実施形態において、組成物中のAPO量は、組成物の重量に基づき、50~99重量
%、または60~95重量%、または70~90重量%である。
【0130】
一実施形態において、(A)官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーの(B)組成物中
の粘着付与剤に対する重量比は、1:1、または2:1、または3:1、または4:1、
または5:1である。
【0131】
一実施形態において、(A)官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーの(B)組成物中
の粘着付与剤に対する重量比は、1.0:1.0~5.0/1.0、または1.1:1.
0~4.0:1.0、または1.1:1.0~3.0:1.0、または1.1:1.0~
2.0:1.0である。
【0132】
一実施形態において、(A)官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーの(B’)組成物
中に0.855~0.900g/ccの密度及び60,000g/モル以下のMwを有す
るオレフィン系ポリマーに対する重量比は、1:1、または2:1、または3:1、また
は4:1、または5:1である。
【0133】
一実施形態において、(A)官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーの(B’)組成物
中に0.855~0.900g/ccの密度及び60,000g/モル以下のMwを有す
るオレフィン系ポリマーに対する重量比は、1.0:1.0~5.0/1.0、または1
.1:1.0~4.0:1.0、または1.1:1.0~3.0:1.0、または。1.
1:1.0~2.0:1.0である。
【0134】
添加剤及び充填剤
原材料の熱、光または残渣触媒などによって引き起こされ、酸素との反応によって起こ
る劣化から組成物を保護するために、安定剤及び酸化防止剤を添加してもよい。そのよう
な酸化防止剤としては、Hawthorn,N.Y.にあるCiba-Geigyから市
販されており、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であるIRGANOX(商標)565
、1010及び1076が挙げられる。これらは、フリーラジカル捕捉剤として作用する
一次酸化防止剤であり、単独でまたはCiba-Geigyから入手可能なIRGAFO
S(商標)168のようなホスファイト酸化防止剤などの他の酸化防止剤との組み合わせ
で使用されてよい。ホスファイト酸化防止剤は、一般に単独では使用されない二次酸化防
止剤とみなされ、主に過酸化物分解剤として使用される。他の入手可能な酸化防止剤とし
ては、Stamford,Conn.にあるCytec Industriesから入手
可能なCYANOX(商標)LTDP、及びBaton Rouge,La.にあるAl
bemarle Corp.から入手可能なETHANOX(商標)1330が挙げられ
るが、これらに限定されない。多くの他の酸化防止剤は、単独で使用、またはそのような
他の酸化防止剤との組み合わせで使用可能である。酸化防止剤が用いられる場合、酸化防
止剤は、組成物の総重量に基づき、典型的には1.0重量%未満、または0.5重量%未
満の量で存在する。
【0135】
組成物は、さらに油を含んでよい。油は、典型的には組成物の粘度を減少させるために
用いられる。油が用いられる場合、油は組成物の重量に基づき、50重量パーセント未満
、または40重量パーセント未満、及び35重量パーセント超または未満の量で存在する
。例示的な種類の油としては、(Witcoから入手可能なKAYDOL(商標)油など
の)白色鉱油、及び(Shell Oil Companyから入手可能な)SHELL
FLEX(商標)371ナフテン系油、及びCALSOL(商標)5550 (Calu
met Lubricantsのナフテン系油)が挙げられるが、これらに限定されない
【0136】
他のポリマー添加剤としては、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、核剤、充填剤
、スリップ剤、難燃剤、可塑剤、加工助剤、潤滑剤、安定剤、煙抑制剤、粘度調節剤及び
ブロッキング防止剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
布地にゴム基材を結合する方法
【0138】
ゴム基材
本発明の組成物は、ゴム基材に布地を結合させる際に特に有用である。基材は、典型的
にはシートの形状であり、天然または合成の任意のゴムを含むことができる。合成ゴムと
しては、ポリアクリレートゴム、エチレンアクリレートゴム、ポリエステルウレタン、ポ
リブタジエン、ポリクロロプレン、エチレンプロピレン(EP)、エチレンプロピレンジ
エンモノマー(EPDM)、ポリエーテルウレタン、ペルフルオロカーボンゴム、ポリイ
ソプレン、アクリロニトリルブタジエン(NBR)、ポリシロキサン、スチレンエチレン
ブチレンスチレン(SEBS)、スチレンブタジエン(SBR)等が挙げられるが、これ
らに限定されない。本発明の組成物は、EPDMを含む、基本的にEPDMからなる、ま
たはEPDMからなる基材に布地を結合させる際に特に有用である。
【0139】
布地
本発明の実施に使用される布地の組成物は、大きく異なっていてもよい。実質的に、あ
らゆる織物材料または編物材料を使用することができ、綿、ウール、シルク、レーヨン及
びナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、KEVLAR(商標)パラア
ラミド合成繊維、不織布ポリエチレン及び/またはポリプロピレン繊維等などの様々な繊
維のいずれか、などの材料が挙げられるが、これらに限定されない。布地は、典型的には
布の形状であり、その表面は、例えば、滑らか、縮れ、しわ、ざらざらなど、大きく異な
っていてもよい。物理的寸法、例えば厚さ、編み方のゆるみまたはきつさ、繊維のデニー
ルなども大きく異なっていてもよい。一実施形態において布地は綿を含む。
【0140】
圧力工程
積層接着剤
一実施形態において、本発明の組成物は積層プライマ―として使用される。この実施形
態において、組成物は、典型的には官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー、例えばg-
MAH塩素化エチレン/α-オレフィンポリマーを、ブレンドポリマー、例えばg-MA
H SEBSと組み合わせて含む。典型的には、組成物を任意の適切な溶媒、例えばメチ
ルクロロヘキサンまたはトルエンなどの炭化水素中に、溶媒中の組成物の1-30重量%
の濃度で溶解し、プライマ-を形成する。次にプライマ-は、布地(例えば綿布地)、及
びゴム基材(例えばEPDMシート)の一方または両方の表面に、0.5~50グラム/
平方メートルの量で塗布される。一実施形態において、布地は従来のプライマ-、例えば
樹脂ホルムアルデヒドラテックス(RFL)で前処理される。
【0141】
プライマ-が塗布された布地及び/またはゴム基材は、まず温和な温度、例えば40℃
~80℃まで加熱される。塗布後、プライマ-を、典型的には100℃~200℃の温度
で乾燥させ、乾燥したら、プライマ-を保持する布地及び/またはゴム基材の表面を、積
層物の他の構成要素の(下塗りされたまたは下塗りされていない)表面に接触させる。次
いで積層物が、35℃~60℃の温度で、例えば1~40ポンド/フィート(lb/ft
)、または5~30lb/ft、または10~20lb/ftの圧力に供される。典型的
には、積層物全体にローラを動かす、または積層物にニップローラの一対を通すことによ
って圧力がかけられる。
【0142】
ホットメルト塗布
一実施形態において、本発明の組成物はホットメルト接着剤(HMA)として使用され
る。この実施形態において、組成物は、典型的には官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマ
ー(例えばg-MAH塩素化エチレン/α-オレフィンポリマー)を、ブレンドポリマー
(例えばAPAO)及び粘着付与剤(例えば、合成炭化水素または天然ロジンエステル)
の一方または両方と組み合わせて含む。ブレンドポリマーは、典型的には>0~40重量
%、より典型的には5~40重量%の量で、粘着付与剤は、0~40重量%の量で存在す
る。一実施形態において、組成物は、さらに希釈可塑剤、例えばパラフィン系油またはナ
フテン系油を0~40重量%の量で含む。これらのHMAの実施形態において、官能化ハ
ロゲン化オレフィン系ポリマーは、組成物の、典型的には1~99重量%、より典型的に
は20~80重量%、さらにより典型的には30~70重量%の組成物を含む。これらの
HMAの実施形態において、組成物は溶媒で混合されない。
【0143】
ホットメルト接着剤として使用する場合、組成物は、典型的には吹き付けとしてまたは
スロットコーティングによって塗布される。組成物は、典型的には125℃~175℃の
温度まで加熱され、その結果、500~10,000mPa-sの粘度を有する。HMA
が、布地(例えば綿布地)、及びゴム基材(例えばEPDMシート)の一方または両方の
表面に、0.5~50グラム/平方メートルの典型的な比で塗布される。一実施形態にお
いて、布地は従来のプライマ-、例えば樹脂ホルムアルデヒドラテックス(RFL)で前
処理される。次いでゴムシート及び/または布地の吹き付け表面を、(吹き付けされたま
たは吹き付けされていない)積層物の構成要素の他の表面に接触させ、次いで、接合した
ゴムシートと布地が、35℃~60℃の温度で1~40ポンド/フィート(lb/ft)
、または5~30lb/ft、または10~20lb/ftの圧力に供される。
【0144】
典型的には、積層物全体にわたってローラを動かす、または積層物にニップローラの一
対を通すことによって加圧される。一実施形態において、組成物がゴムシート及び/また
は布地の表面が加圧された後は、典型的には積層物の2層が互いに接合される前の室温(
23℃)までは冷却しないが、他の構成要素の表面が加圧される前に適度に冷却すること
が可能である。
【0145】
物品
本発明の組成物は、ベルト及びホース類の製造において特に有用である。これらの物品
は、典型的にはゴムシート(例えばEPDMゴムシート)、及び布地(例えば、綿布地)
の積層物の1つ以上を含む。これらの構築物は、次に所望の形状に形成される。本発明の
組成物は、ストレス条件下で積層剥離を防ぐ強力な接着をゴムシートと繊維との間に付与
する。
【実施例
【0146】
試験方法
溶融粘度
溶融粘度が、Brookfield Laboratories DVII+粘度計及
び使い捨てのアルミニウム試料チャンバを使用して、以下の手順に従って決定された。使
用したスピンドルは、10~100,000センチポアズの範囲の粘度を測定するのに適
したSC-31ホットメルトスピンドルである。試料をチャンバに注ぎ込み、それを次に
Brookfield Thermoselに挿入し、所定の場所にロックした。試料チ
ャンバは、スピンドルが挿入され回転する際にチャンバが回転しないことを確実にするた
めにBrookfield Thermoselの底部に適合するノッチを底部に有する
。試料を、溶融した試料が、試料チャンバの最上部より約1インチ(およそ8グラムの樹
脂)下になるまで必要な温度に加熱した。粘度計装置を下げ、スピンドルを試料チャンバ
に浸した。粘度計のブラケットがThermoselと整列するまで下げ続けた。粘度計
を作動させ、30~60パーセントの範囲のトルク測定値をもたらすせん断速度で作動す
るように設定した。測定値を、約15分間、または値が安定するまで毎分記録し、その時
点で最終測定値を記録した。
【0147】
ゲル透過クロマトグラフィー
エチレン系ポリマーの平均分子量及び分子量分布は、Polymer Laborat
ories Model PL-210またはPolymer Laboratorie
s Model PL-220からなるクロマトグラフィー系で決定された。ポリエチレ
ン系ポリマーに対して、カラム及び回転式コンパートメントが140℃で動作した。カラ
ムは、3つのPolymer Laboratories10-ミクロン、Mixed-
Bカラムである。溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼンである。50ミリリットルの
溶媒中に0.1グラムのポリマーの濃度で、試料を調製する。試料を調製するために使用
した溶媒は、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する。160
℃で2時間穏やかに撹拌することによって、試料を調製する。注入量は100マイクロリ
ットル、流速は1.0ミリリットル/分であった。設定したGPCカラムの検量は、Po
lymer Laboratories(UK)から購入した狭い分子量分布のポリスチ
レン基準で実施された。ポリスチレン基準のピークの分子量を、(Williams a
nd Ward,J.Polym.Sci..Polym.Let.,6,621(19
68)に記載されるように)以下の等式を使用してポリエチレン分子量に換算した。
ポリエチレン=A(Mポリスチレン
式中、Mは分子量、Aは0.4315の値を有し、Bは1.0に等しい。ポリエチレン
当量分子量の計算を、VISCOTEK(商標)TriSECソフトウェアバージョン3
.0を使用して実施した。ポリプロピレン系ポリマーの分子量は、ASTM D6474
.9714-1に従ってMark-Houwink比を使用して決定することができ、ポ
リスチレンの場合は、a=0.702及びlog K=-3.9、ポリプロピレンの場合
は、a=0.725及びlog K=-3.721である。ポリプロピレン系試料に対し
て、カラム及び回転式コンパートメントを160℃で動作した。
【0148】
メルトインデックス
用語「MI」によりは、メルトインデックスI2を意味し、g/10分で、ASTM
D-1238-03を使用して、190℃/2.16kgの条件でポリエチレン系試料(
ポリプロピレン系試料の場合には230℃/2.16kgの条件)を測定した。メルトイ
ンデックスは、USP6,335,410、6,054,544及び6,723,810
に記載されるように、Brookfield粘度からも決定された。
【0149】
示差走査熱量計(DSC)
示差走査熱量計(DSC)を使用して、ポリエチレン(PE)系試料及びポリプロピレ
ン(PP)系試料における結晶化度を測定した。190℃の温度で、試料を薄膜に圧入し
た。約5~8ミリグラムのフィルム試料の重さを量り、DSC皿内に置いた。皿の上に蓋
を圧着し、密閉雰囲気を確保した。試料の皿をDSCセル内に置き、約10℃/分の速度
で、PEの場合は180℃(PPの場合は230℃)の温度まで加熱した。試料を、この
温度で3分間保持した。次いで、試料を10℃/10分の速度で、PEの場合は-60℃
(PPの場合は-40℃)まで冷却し、3分間等温的にその温度で保持した。次に試料を
10℃/分の速度で、完全溶融(第2加熱)まで加熱した。第2加熱の曲線から決定され
た融解熱(H)を、PEの場合は292J/g(PPの場合は165J/g)の理論上
の融解熱で割り、この数量に100を掛けて(例えばPEの場合は、%結晶化度=(H
/292J/g)100、及びPPの場合は、%結晶化度=(H/165J/g)10
0)パーセント結晶化度を算出した。
【0150】
特に明記されない限り、それぞれのインターポリマー試料(基本ポリマー、g-MAH
ポリマー)の溶融点(Tm)は、上記に記載されるように、DSCから得られた第2加熱
曲線から決定された。結晶化温度(Ta)は、第1冷却曲線から測定された。
【0151】
密度
ASTM D-792-00に従って、密度を測定した。測定した密度は、「即時密度
」であり、成形時から1時間後に決定された密度を意味する。
【0152】
Brookfield粘度測定
Brookfield Thermosel(商標)Systemを備えたBrook
field粘度計のModel DV-IIを使用して、溶融粘度を測定した。ブレンド
及びHMA配合物の溶融粘度を、177℃でスピンドル31を使用して決定した。
【0153】
接着剤剥離強度試験
EPDMに接着した綿布地の接着剤剥離強度を、ASTM D904-98を使用して
測定した。試料を、1インチ幅のストリップに打ち抜き切断した。インストロン試験機フ
レーム上で、試料を10インチ/分で引っ張った。結果は、フィルム層を基材から引き離
すまたは切り離すのに必要な力の基準、または共押出フィルム層の場合には1つの層を別
の層から引き離すのに必要な力である。報告されたデータは、ニュートン(N)でのピー
ク荷重及び平均荷重であり、ピーク荷重は伸張曲線のピークで報告されており、平均荷重
は1インチ~4インチ間の伸張であった。
【0154】
材料
官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマー
東洋紡のg-MAH塩素化ポリオレフィンであるHARDLEN(商標)F2Pは、7
5,000g/モルのMw、1.6重量%のMA含有量、20重量%の塩素含有量、72
℃のTm、8℃のTg、及び60mPa*sの溶液粘度(25℃のトルエン中20重量%
)を有する。その製品は、100%固体で、ペレットの形状で提供される。この製品は、
「MAH-g-CPO」と呼ばれる。
【0155】
ブレンドポリマー
g-MAH-SEBSゴムである、KRATON(商標)FG1901は、30%のポ
リスチレン含有量を有する、スチレン及びエチレン/ブチレンに基づく透明な線状ブロッ
クである。これは、ASTM D1238により14-28g/分(230℃/5,00
0g)のメルトフロー、Bound BAM 1026により1.4-2.0のMA含有
量、及びBAM 1024により500ppmwの水を有する。
【0156】
Eastman Chemicalから入手可能な、非晶質ポリオレフィンであるEA
STOFLEX(商標)E2030は、飽和低分子量プロピレン系ポリマーであり、Br
ookfield粘度3,000cP(190℃)(ASTM D 3236)、環球式
軟化点135℃(ASTM E 28)、-23℃(ASTM D3418)のTg、及
び20,000~50,000g/モルのMwである。
【0157】
粘着付与剤
REGALITE(商標)C6100は、Eastman Chemicalから入手
可能な非常に明るい色で、部分的水素化改善脂肪族樹脂である。
【0158】

CALSOL(商標)550は、Calumet Lubricantsから入手可能
な水素化処理された重質ナフテン系留分であり、透明で、淡いわら色から無色透明の粘稠
液体である。
【0159】
酸化防止剤
IRGANOX(商標)1010は、BASFから入手可能なペンタエリスリトールテ
トラキス(3-(3,5-ジーtert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオ
ネート)である。
【0160】
布地
布地は、EPDMなどのベルト類の化合物を強化するためによく使用される、937の
重量を有する未処理綿である。
【0161】
EPDM
未硬化化合物であるEPDMを、以下の配合表に従って合成した。配合物(表1)を、
BANBURY混合器内で(室温から開始して)せん断混合し、次いでロールミルを使用
して平らなブランケットに粉砕した。配合物を、逆混合法を使用して、FARREL B
R BANBURY混合器(1.5L容量)を使用し、混合した。ポリマーを硫黄及び他
の乾燥成分と共に重さを量り、低速度で2.5分間、66℃で溶かし、促進剤を添加し、
次に混合物をさらに溶かし、110℃で温度を低下させた。次に6インチの高信頼性ロー
ルミルを使用して、混合を完了し、未硬化のブランケットを粉砕した。
【0162】
EPDM材料を、試験用に4×6インチ、1/8インチのシートに圧縮形成した。
【0163】
【表1】
【0164】
NORDEL IP 3640炭化水素ゴムは、The Dow Chemical
Companyから入手可能な非晶質、低ジエンエチレン-プロピレン-ジエンターポリ
マーである。
【0165】
カーボンブラックN330 HAFは、高摩損性ファーネスブラックである。
【0166】
FLEXON(商標)815パラフィン系油は、ExxonMobilから入手可能な
高粘度パラフィン系油である。
【0167】
HI-SIL(商標)233は、PPGから入手可能なゴムを強化するための粉末状の
合成白色非晶質二酸化ケイ素である。
【0168】
SARTOMER(商標)SR350は、Arkemaから入手可能な、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、低揮発性三官能性モノマーである。
【0169】
STRUCTOL(商標)WB212は、Struktolから入手可能な、エマルジ
ョン可塑剤、分散剤と高分子脂肪酸エステルの処理添加剤とのブレンドで、縮合生成物で
あり、不活性充填剤に化学的に結合する。
【0170】
AGERITE(商標)Resin Dは、粉末で、より低溶融のヒドロキノリン酸化
防止剤である。
【0171】
DiCup(商標)40Cは、Arkemaから入手可能な、ジクメンヒドロペルオキ
シドである。
【0172】
ホットメルト接着剤(HMA)化合物/配合物
HMA化合物の構成成分(表2)を、アルミニウム缶(直径3インチ×長さ6インチ)
内に量り取り、180℃で、30分間オーブンで予熱した。次いで缶と共に加熱したブロ
ックにおいて、100rpmでParavisc型インペラを使用して、180℃で20
分間構成成分をさらに混合した。
【0173】
EPDM及びそれに続く綿布地に接着するホットメルト接着剤塗布
ホットメルト接着剤は、EPDM基材に塗布され、ドローダウン方法を使用して綿布地
に接着する。塗布する接着剤を、その溶融及び液体状態(約180℃)まで加熱する。平
面上に、EPDM基材の最上部にマスキングテープを貼り、平面を所定位置で固定した。
綿布地を最上部上に置き、最上部の端から端までテープで貼り付けた。最上部のテープを
貼り付けた端で、最上部の綿シートとEPDMシートとの中間に、マスキングテープ付き
のガラス棒を置いた。綿布地の最上部に、別のガラス棒を置いた。最上部のガラス棒(テ
ープの付いていない方)に綿布地の最上部のシートを反転した。直径約1インチの接着剤
の液体たまりを、ガラス棒の前に流した。2本のガラス棒を、綿布地の表面に沿って素早
く滑り落とし、引き出した。これにより、EPDM基材と綿布地との間に接合領域を形成
した。基材に塗布した接着剤の(グラム単位での)重量を、基材の(平方メートルでの)
単位領域で割ることによって、塗布したコーティング重量を算出した。結果は、表3及び
図に報告されている。
【0174】
【表2】
【0175】
【表3】
なお、本発明は以下の態様を含みうる。
[1](A)30グラム/10分(g/10分)以上のメルトインデックス(I2、190℃/2.16)を有する官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーと、
(B)粘着付与剤と、を少なくとも含む、組成物。
[2](A)30グラム/10分(g/10分)以上のメルトインデックス(I2、190℃/2.16)を有する官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーと、
(B’)0.855~0.900グラム/立方センチメートル(g/cc)の密度、及び60,000グラム/モル(g/モル)以下の重量平均分子量(Mw)を有するオレフィン系ポリマーと、を少なくとも含む、組成物。
[3]前記官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーが、官能化ハロゲン化エチレン系ポリマーである、上記[1]または[2]に記載の組成物。
[4]前記官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーが、官能化ハロゲン化プロピレン系ポリマーである、上記[1]または[2]に記載の組成物。
[5]前記官能化ハロゲン化オレフィン系ポリマーが、官能化塩素化エチレン系ポリマー、または官能化塩素化プロピレン系ポリマーである、上記[1]または[2]に記載の組成物。
[6]前記官能化塩素化エチレン系ポリマー、または前記官能化塩素化プロピレン系ポリマーが、無水物、カルボン酸、ヒドロキシル、アミン、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、上記[5]に記載の組成物。
[7]構成成分B’の前記オレフィン系ポリマーが、非晶質ポリオレフィン(APO)である、上記[2]に記載の組成物。
[8]前記APOが、エチレン系ポリマーまたはプロピレン系ポリマーである、上記[7]に記載の組成物。
[9]粘着付与剤をさらに含む、上記[2]に記載の組成物。
[10]上記[1]または[2]に記載の組成物を含む、物品。
図1