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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】二重回転翼構造の飛行器
(51)【国際特許分類】
   B64C 27/10 20230101AFI20230510BHJP
   B64C 11/00 20060101ALI20230510BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20230510BHJP
   B64C 31/04 20060101ALI20230510BHJP
   B64C 25/52 20060101ALI20230510BHJP
   B64C 3/14 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
B64C27/10
B64C11/00
B64D27/24
B64C31/04
B64C25/52
B64C3/14
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021571558
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 CN2020133751
(87)【国際公開番号】W WO2022110272
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】202011341881.5
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521524520
【氏名又は名称】広東国士健科技発展有限公司
【氏名又は名称原語表記】Guangdong Guoshijian Technology Development Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王 志成
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108327899(CN,A)
【文献】特開平1-101297(JP,A)
【文献】特開2008-93204(JP,A)
【文献】特開平8-150818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/10
B64C 11/00
B64D 27/24
B64C 31/04
B64C 25/52
B64C 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビン(1)を含む二重回転翼構造の飛行器であって、
前記キャビン(1)に動力装置が設けられ、前記動力装置が駆動コンポーネントと、クランクホイール(18)と、接続ロッド(19)とを含み、前記接続ロッド(19)がクランクホイール(18)に固定され、前記駆動コンポーネントがクランクホイール(18)を駆動して回動させ、前記キャビン(1)の頂部には飛行装置が設けられ、前記飛行装置が第1飛行ユニットと第2飛行ユニットを含み、前記第1飛行ユニットがスリーブ(11)、第2転がり軸受(10)及び第2転がり軸受(10)の両側に対称固定される下層回転翼(7)を含み、前記第2転がり軸受(10)がスリーブ(11)に固定され、前記スリーブ(11)がキャビン(1)に固定され、前記第2飛行ユニットが伝達ロッド(9)、第1転がり軸受(8)及び第1転がり軸受(8)の両側に対称固定される上層回転翼(6)を含み、前記第1転がり軸受(8)が伝達ロッド(9)の上端に固定され、前記伝達ロッド(9)の下端がスリーブ(11)を貫通し、かつ接続ロッド(19)にヒンジ接続され、前記伝達ロッド(9)とスリーブ(11)との間がリニア軸受(24)を介して接続され、前記駆動コンポーネントが伝達ロッド(9)を駆動してスリーブ(11)に垂直的に上下動作させ、上層回転翼(6)と下層回転翼(7)との間に相対的な近接/離間運動を発生させ、前記キャビン(1)の尾部には、飛行器が前進するように制御する推進装置が設けられていることを特徴とする二重回転翼構造の飛行器。
【請求項2】
前記下層回転翼(7)と上層回転翼(6)は、構造が同じであり、その上側平面がスポイラーの面(20)であり、下側平面が可動翼の面(21)であり、前記スポイラーの面(20)が前部曲面及び後部平らな面が接続してなり、スポイラーの面(20)の前部曲面が回転翼の回転平面に対して上へ凸起し、前記スポイラーの面(20)及び可動翼の面(21)の縦方向の投影平面は、非対称構造であることを特徴とする請求項1に記載の二重回転翼構造の飛行器。
【請求項3】
前記スポイラーの面(20)と可動翼の面(21)の前側縁は、相互に合わせて前翼縁(22)を構成し、スポイラーの面(20)と可動翼の面(21)の後側縁とが合わせて後翼縁(23)を構成し、前記スポイラーの面(20)の前部曲面の最突出点が位置する翼幅の経線Hは前翼縁(22)に近接することを特徴とする請求項2に記載の二重回転翼構造の飛行器。
【請求項4】
前記可動翼の面(21)と回転翼の回転平面との間の迎角Cがあり、Cの値の範囲が-2°~6°の間であることを特徴とする請求項2に記載の二重回転翼構造の飛行器。
【請求項5】
前記駆動コンポーネントは、伝達構造を介してクランクホイール(18)に接続される人力駆動ユニット(12)を含むことを特徴とする請求項1に記載の二重回転翼構造の飛行器。
【請求項6】
前記駆動コンポーネントは、伝達構造を介してクランクホイール(18)に接続される電気駆動ユニット(13)を含むことを特徴とする請求項1に記載の二重回転翼構造の飛行器。
【請求項7】
前記駆動コンポーネントは、それぞれ、伝達構造を介してクランクホイール(18)に接続される人力駆動ユニット(12)と電気駆動ユニット(13)を含むことを特徴とする請求項1に記載の二重回転翼構造の飛行器。
【請求項8】
前記キャビン(1)には、シート(16)及び操縦ロッド(17)が設けられ、前記操縦ロッド(17)が接続ロッドコンポーネントを介して第2転がり軸受(10)に接続され、前記接続ロッドコンポーネントが第1接続ロッド(14)と第2接続ロッド(15)を含み、前記操縦ロッド(17)が第1接続ロッド(14)に接続され、前記第1接続ロッド(14)が第2接続ロッド(15)に接続され、前記第2接続ロッド(15)が第2転がり軸受(10)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の二重回転翼構造の飛行器。
【請求項9】
前記推進装置は、接続ロッド(3)、駆動モータ(4)及び尾翼(5)を含み、前記接続ロッド(3)がキャビン(1)の尾部に固定され、前記駆動モータ(4)及び尾翼(5)が接続ロッド(3)に固定され、前記駆動モータ(4)が尾翼(5)を駆動して回転させることを特徴とする請求項1に記載の二重回転翼構造の飛行器。
【請求項10】
前記キャビン(1)の底部には、そり式降着装置を含む降着装置(2)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の二重回転翼構造の飛行器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行器の技術分野に属し、特に二重回転翼構造の飛行器に関する。
【背景技術】
【0002】
飛行器の揚力装置は、空気動力学に基づく装置であり、構造に基づいて固定翼及び回転翼に分かられ、固定翼の飛行器は、一般的に胴体及び対称設置された固定翼を有し、推進器により動力を提供して大きい飛行速度及び機動性を取得する。その飛行原理は、固定翼と空気との間に相対速度があり、空気と固定翼の各面とが相互作用して揚力を発生して飛行機が飛行できることである。固定翼の飛行器は、空中に停止できず、滑走路に滑走して離陸又は着陸し、空港施設建設から支援する必要であるという欠点を有する。回転翼の飛行器、例えば、ヘリコプターは、離陸する時に滑走路を必要としなく、空中に停止できる特徴を有し、その動力システムがエンジンと回転翼を含み、エンジンが回転翼を駆動して回転させて下への作用力を発生し、該作用力、即ち、揚力が地球の引力を克服して飛行機が離陸して飛行する。巡航速度が低く、運送力が低く、効率が比較的低いという欠点を有するが、地面施設への依頼程度が少ない。
【0003】
自己回転翼機は、固定翼と回転翼と2つの方式を組み合わせた飛行器であり、その主な構造は、回転翼、輪式降着装置及び推進器を含む。推進器は、自己回転翼機を駆動して滑走路に滑走させ、滑走過程において、空気と回転翼の羽根とが相互作用し、空気により回転翼の羽根を回転させることができ、回転翼の羽根が回転することにより滑走方向に作用力を発生させ、回転翼の羽根の回転速度が非常に高いと、該作用力により、飛行機が離陸して飛行する。離陸の滑走路に対する要求が比較的低いというメリットを有するが、一定の滑走距離が必要であり、かつ空中に停止できず、適用範囲が制限される。従って、既存技術は、改良して発展する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
上記問題について、本発明は、既存技術の不足を有効的に解決する二重回転翼構造の飛行器を提供する。
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は、以下の技術案を採用する。
【0006】
二重回転翼構造の飛行器であって、キャビンを含み、キャビンに動力装置が設けられ、動力装置が駆動コンポーネントと、クランクホイールと、接続ロッドとを含み、接続ロッドがクランクホイールに固定され、駆動コンポーネントがクランクホイールを駆動して回動させ、キャビンの頂部には飛行装置が設けられ、飛行装置が第1飛行ユニットと第2飛行ユニットを含み、第1飛行ユニットがスリーブ、第2転がり軸受及び第2転がり軸受の両側に対称固定される下層回転翼を含み、第2転がり軸受がスリーブに固定され、スリーブがキャビンに固定され、第2飛行ユニットが伝達ロッド、第1転がり軸受及び第1転がり軸受の両側に対称固定される上層回転翼を含み、第1転がり軸受が伝達ロッドの上端に固定され、伝達ロッドの下端がスリーブを貫通し、かつ接続ロッドにヒンジ接続され、伝達ロッドとスリーブとの間がリニア軸受を介して接続され、駆動コンポーネントが伝達ロッドを駆動してスリーブに垂直的に上下動作させ、上層回転翼と下層回転翼との間に相対的な近接/離間運動を発生させ、キャビンの尾部には、飛行器が前進するように制御する推進装置が設けられている。
【0007】
上記形態において、前記下層回転翼と上層回転翼は、構造が同じであり、その上側平面がスポイラーの面であり、下側平面が可動翼の面であり、スポイラーの面が前部曲面及び後部平らな面が接続してなり、スポイラーの面の前部曲面が回転翼の回転平面に対して上へ凸起し、スポイラーの面及び可動翼の面の縦方向の投影平面は、非対称構造である。
【0008】
上記形態において、前記スポイラーの面と可動翼の面の前側縁は、相互に合わせて前翼縁を構成し、スポイラーの面と可動翼の面の後側縁とが合わせて後翼縁を構成し、スポイラーの面の前部曲面の最突出点が位置する翼幅の経線Hは前翼縁に近接する。
【0009】
上記形態において、前記可動翼の面と回転翼の回転平面との間の迎角Cがあり、Cの値の範囲が-2°~6°の間である。
【0010】
上記形態において、前記駆動コンポーネントは、伝達構造を介してクランクホイールに接続される人力駆動ユニットを含む。
【0011】
上記形態において、前記駆動コンポーネントは、伝達構造を介してクランクホイールに接続される電気駆動ユニットを含む。
【0012】
上記形態において、前記駆動コンポーネントは、それぞれ、伝達構造を介してクランクホイールに接続される人力駆動ユニットと電気駆動ユニットを含む。
【0013】
上記形態において、前記キャビンには、シート及び操縦ロッドが設けられ、操縦ロッドが接続ロッドコンポーネントを介して第2転がり軸受に接続され、接続ロッドコンポーネントが第1接続ロッドと第2接続ロッドを含み、操縦ロッドが第1接続ロッドに接続され、第1接続ロッドが第2接続ロッドに接続され、第2接続ロッドが第2転がり軸受に接続される。
【0014】
上記形態において、前記推進装置は、接続ロッド、駆動モータ及び尾翼を含み、接続ロッドがキャビンの尾部に固定され、駆動モータ及び尾翼が接続ロッドに固定され、駆動モータが尾翼を駆動して回転させる。
【0015】
上記形態において、前記キャビンの底部には、そり式降着装置を含む降着装置が設けられている。
【0016】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
【0017】
本発明は、このような構造設置を採用することにより、駆動コンポーネントによりクランクホイールを駆動して回動させ、クランクホイールの駆動及びスリーブの位置制限作用で、伝達ロッドを引っ張ってスリーブに垂直的に上下往復動作させ、それにより第1転がり軸受及び第1転がり軸受両側の上層回転翼を垂直的に上下往復動作させ、上層回転翼を第1転がり軸受周りに周方向回転させ、かつその回転速度が上下動作に伴ってますます速くなる。一定の回転速度に達すると、揚力を発生することができ、それにより飛行器が垂直に飛ぶ効果を達成し、その構造が簡単でコンパクトであり、コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の全体構造の模式図である。
図2】本発明の飛行装置の運転状態の模式図である。
図3】本発明の飛行装置の断面図である。
図4】本発明の回転翼の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面及び実施例を組み合わせて本発明の技術案を説明する。
【0020】
第1実施例
図1図4に示すように、本発明に係る二重回転翼構造の飛行器は、キャビン1を含み、キャビン1には動力装置が設けられ、動力装置が駆動コンポーネントと、クランクホイール18と、接続ロッド19とを含み、接続ロッド19がクランクホイール18に固定され、前記駆動コンポーネントがクランクホイール18を駆動して回動させ、キャビン1の頂部には飛行装置が設けられ、飛行装置が第1飛行ユニットと第2飛行ユニットを含み、第1飛行ユニットがスリーブ11、第2転がり軸受10及び第2転がり軸受10の両側に対称固定される下層回転翼7を含み、第2転がり軸受10がスリーブ11に固定され、スリーブ11がキャビン1に固定され、第2飛行ユニットが伝達ロッド9、第1転がり軸受8及び第1転がり軸受8の両側に対称固定される上層回転翼6を含み、第1転がり軸受8が伝達ロッド9の上端に固定され、伝達ロッド9の下端がスリーブ11を貫通し、かつ接続ロッド19にヒンジ接続され、伝達ロッド9とスリーブ11との間がリニア軸受24を介して接続され、駆動コンポーネントが伝達ロッド9を駆動してスリーブ11に垂直的に上下往復動作させ、上層回転翼6と下層回転翼7との間に相対的な近接/離間運動を発生させ、キャビン1の尾部には、飛行器が前進するように制御する推進装置が設けられている。以上構成は、本発明の基本構造を構成する。
【0021】
本発明は、このような構造設置を採用し、駆動コンポーネントによりクランクホイール18を駆動して回動させ、クランクホイール18の駆動及びスリーブ11の位置制限作用で、伝達ロッド9を引っ張ってスリーブ11に垂直的に上下往復動作させ、それにより第1転がり軸受8及び第1転がり軸受8両側の上層回転翼6を垂直的に上下往復動作させ、上層回転翼6を第1転がり軸受8周りに周方向回転させ、かつその回転速度が上下動作に伴ってますます速くなる。一定の回転速度に達すると、揚力を発生することができ、それにより飛行器が垂直に飛ぶ効果を達成し、その構造が簡単でコンパクトであり、コストが低い。
【0022】
本実施例において、前記下層回転翼7と上層回転翼6とは、構造が同じであり、その上側平面がスポイラーの面20であり、下側平面が可動翼の面21である。スポイラーの面20は、前部曲面及び後部平らな面が接続してなり、スポイラーの面20の前部曲面が回転翼の回転平面に対して上へ凸起し、スポイラーの面20及び可動翼の面21の縦方向の投影平面は、非対称構造である。このよう構造設置を採用することにより、駆動コンポーネントは、伝達ロッド9を駆動してスリーブ11に垂直的に上下往復動作させ、上層回転翼6が上昇する時、スポイラーの面20が上方の空気と相互作用し、空気がスポイラーの面20の前部曲面と後部平らな面との間に圧力差を発生させ、かつ圧力差により上層回転翼6を前へ運動させ、上層回転翼6が第1転がり軸受8を中心として一方向回転する。上層回転翼6が下降する時に、可動翼の面21が下方の空気と相互作用し、上層回転翼6の回転運動に下への運動を組み合わせて可動翼の面21にベクトルである迎角Cを形成し、かつ該ベクトルである迎角Cにより、可動翼の面21と空気との間に竪直的に上へ向ける作用力を発生する。上層回転翼6は、駆動コンポーネントの上下往復運動を自身の回転運動に変換し、かつその回転速度が上下往復動作と共にますます速くなり、一定の回転速度に達する時に、揚力を発生して飛行装置が揚力により飛行する。上層回転翼6と下層回転翼7との間に相対的な近接/離間運動を発生し、それにより下層回転翼7を第2転がり軸受10を中心として一方向回転させ、揚力効果を向上することができる。
【0023】
本実施例において、前記スポイラーの面20と可動翼の面21の前側縁は、相互に合わせて前翼縁22を構成し、スポイラーの面20と可動翼の面21の後側縁は、相互に合わせて後翼縁23を構成する。スポイラーの面20の前部曲面の最突出点が位置する翼幅の経線Hは前翼縁22に近接する。このような構造設置を採用することにより、前翼縁22は、曲面であり、スポイラーの面20及び可動翼の面21の前側縁に接続し、前翼縁22により、翼型回転翼の構造強度を向上することができ、かつ前翼縁22が回転翼の回転方向の前側に位置し、曲面前翼縁22は、回転翼が回転する時に受けた空気抵抗を低下させ、駆動装置の動力変換効率を向上する。図4に示すように、図におけるX方向が翼型構造の弦長方向であり、図におけるZ方向が翼型構造の翼幅方向である。前記スポイラーの面20のX方向に沿った断面の輪郭線は転翼の回転平面に対して曲線形であり、その輪郭線の最高点は、Z方向に沿って翼幅の経線Hを構成し、該翼幅の経線Hは、スポイラーの面20の前部曲面に位置しかつ前翼縁22に近接し、それによりスポイラーの面20は、前後非対称構造である。回転翼が上昇する時に、前記スポイラーの面20は、上方の空気と相互作用し、空気は、スポイラーの面20の翼幅の経線Hの前後両側間に圧力差を発生させ、かつ該圧力差により回転翼を前へ運動させ、2つの回転翼は、同一方向に作用して転がり軸受を中心として一方向回転する。
【0024】
本実施例において、前記可動翼の面21と回転翼の回転平面との間に迎角Cがあり、Cの値の範囲が-2°~6°の間である。前記回転翼は、転がり軸受に迎角Cを有し、迎角Cは、可動翼の面21が回転翼の回転平面に対する角に基づいて算出される。前記回転翼が起動された後に上下往復運動し、スポイラーの面20が上へ運動し、空気がスポイラーの面20を経って翼幅の経線H前後両側に圧力差を発生させ、該圧力差により、回転翼に対して前への推動力を形成して回転翼を回動させる。この時に、前翼縁22が空気に対して差動を発生することにより回転翼に抵抗を構成し、推進力が抵抗を克服して回転翼を駆動して回転させる。前記可動翼の面21は、下へ運動し、回転翼の回転速度が非常に低い時に、迎角Cにより、空気の可動翼の面21に対する作用力が基本的に回転翼の回転平面に垂直し、下層の空気の回転翼の前への回転運動に対して小さい抵抗を発生し、従って、回転翼は、所定時間に上下往復運動した後に比較的高い回転速度が得られる。回転翼の回転速度が比較的高い時に、可動翼の面21は、下へ運動し、かつ前へ運動し、この2つの運動により形成されたベクトル運動が回転翼の回転平面に対するベクトル角が迎角Cより大きく、即ち、回転翼の回転速度が速いほど可動翼の面21に発生する揚力が大きくなる、回転翼の上下運動周波数を制御することにより回転翼の回転速度を向上して回転翼が発生する揚力を改変することができる。
【0025】
本実施例において、前記駆動コンポーネントは、伝達構造を介してクランクホイール18に接続される人力駆動ユニット12を含む。このような構造設置を採用することにより、運転者は、人力で人力駆動ユニット12を制御して動作させることにより、クランクホイール18を駆動して回動させ、コストが非常に低い。
【0026】
本実施例において、前記キャビン1には、シート16及び操縦ロッド17が設けられ、操縦ロッド17が接続ロッドコンポーネントを介して第2軸受10に接続され、接続ロッドコンポーネントが第1接続ロッド14と第2接続ロッド15を含み、操縦ロッド17が第1接続ロッド14に接続され、第1接続ロッド14が第2接続ロッド15に接続され、第2接続ロッド15が第2軸受10に接続される。このような構造設置を採用することにより、操縦ロッド17により第2軸受10を微調整し、それにより飛行器の飛行姿勢を制御する。
【0027】
本実施例において、前記キャビン1の尾部には単一推進装置が設けられ、単一推進装置は、接続ロッド3、駆動モータ4及び尾翼5を含み、接続ロッド3がキャビン1の尾部に固定され、駆動モータ4及び尾翼5が接続ロッド3に固定され、駆動モータ4が尾翼5を駆動して回転させる。このような構造設置を採用することにより、駆動モータ4により尾翼5を駆動して回転させ、飛行器に推進力を提供して、飛行器が前へ飛行することができる。
【0028】
実際の応用において、駆動モータ4が尾翼5を駆動して回転させ、飛行器を前へ飛行させるとき、飛行器の飛行装置が後面取りを発生し、不安定状態を発生し、ジャイロプレーンの機能に相当し、この場合、操縦ロッド17が第2軸受10を微調整することにより、飛行装置の後面取りを調節する。
【0029】
本実施例において、前記キャビン1の底部には、そり式降着装置を含む降着装置2が設けられている。このような構造設置を採用することにより、離陸時に支持し、及び降着する時に緩衝する効果を発生する。
【0030】
第2実施例
本実施例において、前記駆動コンポーネントは、伝達構造を介してクランクホイール18に接続される電気駆動ユニット13を含む。このような構造設置を採用することにより、電気駆動ユニット13を介してクランクホイール18を駆動して回動させ、人力を節約することができる。
【0031】
この第2実施例は、駆動コンポーネントが第1実施例と異なる以外に、そのほかの構造及び作動原理が第1実施例と同じであり、ここで重複して説明することがしない。
【0032】
第3実施例
本実施例において、前記駆動コンポーネントは、人力駆動ユニット12と電気駆動ユニット13を含み、人力駆動ユニット12と電気駆動ユニット13は、それぞれ伝達構造を介してクランクホイール18に接続される。このような構造設置を採用することにより、人力駆動ユニット12だけでクランクホイール18を駆動して回動させることができ、電気駆動ユニット13だけでクランクホイール18を駆動して回動させることもでき、人力駆動ユニット12及び電気駆動ユニット13により同時にクランクホイール18を駆動して回動させることもでき、その機能が多様で、選択できる。
【0033】
この第3実施例は、駆動コンポーネントが第1実施例と異なる以外に、そのほかの構造及び作動原理が第1実施例と同じであり、ここで重複して説明することがしない。
【0034】
以上、本発明の実施例における技術案を説明したが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されていない。上記の具体的な実施形態は、制限的ではなく、模式的なものである。当業者は、本発明の技術的示唆で、本発明の要旨及び特許請求の範囲を逸脱しない情況では、各種の変更を行うことができ、これらは、本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1.キャビン
2.降着装置
3.接続ロッド
4.駆動モータ
5.尾翼
6.上層回転翼
7.下層回転翼
8.第1転がり軸受
9.伝達ロッド
10.第2転がり軸受
11.スリーブ
12.人力駆動ユニット
13.電気駆動ユニット
14.第1接続ロッド
15.第2接続ロッド
16.シート
17.操縦ロッド
18.クランクホイール
19.接続ロッド
20.スポイラーの面
21.可動翼の面
22.前翼縁
23.後翼縁
24.リニア軸受。
図1
図2
図3
図4