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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】災害報知システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/51 20220101AFI20230510BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20230510BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20230510BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20230510BHJP
   H04L 67/02 20220101ALI20230510BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20230510BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
H04L67/51
G06Q50/00 300
G06Q50/26
G08B27/00
H04L67/02
H04M11/04
H04Q9/00 311J
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018174054
(22)【出願日】2018-09-18
(65)【公開番号】P2020046865
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】308019922
【氏名又は名称】株式会社レスキューナウ
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 一昌
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-197343(JP,A)
【文献】特開2017-212004(JP,A)
【文献】特開2002-183864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/51
H04L 51/02
H04L 67/02
G08B 27/00
H04M 11/04
G06Q 50/00
G06Q 50/26
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報取得装置から情報を受信する受信手段と、
前記情報取得装置および前記情報の内容に関連付けられたユーザのグループを管理するグループ管理手段と、
端末装置から閲覧可能なメッセージを管理するメッセージ管理手段と、
特定の前記情報取得装置から災害に関する特定の情報を取得した場合に、前記メッセージをまとめて表示させるためのスレッドを当該特定の情報取得装置および当該特定の情報に対応付けて設定するスレッド設定手段と、
前記スレッド設定手段により設定された前記スレッドが対応する前記特定の情報取得装置および前記特定の情報に関連付けられた前記グループのユーザに当該スレッドが設定されたことを通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする、災害報知システム。
【請求項2】
前記スレッド設定手段は、設定した前記スレッドに、前記特定の情報取得装置および前記特定の情報の内容に基づいて特定される位置情報を付加することを特徴とする、請求項1に記載の災害報知システム。
【請求項3】
ネットワーク上のサイトを前記情報取得装置および前記情報の内容に関連付けて管理するサイト管理手段をさらに備え、
前記スレッド設定手段は、当該スレッド設定手段により設定された前記スレッドに、当該スレッドが対応する前記特定の情報取得装置および前記特定の情報に関連付けられた前記サイトへのリンクを設定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の災害報知システム。
【請求項4】
前記スレッド設定手段は、リンクを設定した前記サイトから予め定められた事象に関連する情報を取得し、設定した前記スレッドに付加することを特徴とする、請求項3に記載の災害報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害報知システムおよび端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
災害時に、災害に関する情報をやり取りする種々のシステムがある。下記の特許文献に記載の従来技術は、災害発生が検知された場合に、予め設定されている条件に該当するメッセージ情報や災害に関連するメッセージ情報を判別し、判別したメッセージ情報の表示様態を変更し、たとえばタブにより分別表示する。また、災害時連絡用に特化した通信サービスではなく、電子掲示板やSNS(Social Networking Service)等の一般のネットワーク・サービスを用いて災害に関連するメッセージのやり取りが行われる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-197684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般のネットワーク・サービスを用いて災害に関連するメッセージ交換を行う場合、ネットワーク・サービスのユーザが気づかなかった事象や、話題にされなかった事象は話題として提供されず、見過ごされてしまう。
【0005】
本発明は、災害における特定の事象に関して、見過ごされることなくメッセージの主題として提示してメッセージ交換を促すネットワーク・サービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明の災害報知システムは、情報取得装置から情報を受信する受信手段と、情報取得装置および情報の内容に関連付けられたユーザのグループを管理するグループ管理手段と、端末装置から閲覧可能なメッセージを管理するメッセージ管理手段と、情報取得装置から災害に関する特定の情報を取得した場合に、メッセージをまとめて表示させるためのスレッドをかかる特定の情報に対応付けて設定するスレッド設定手段と、このスレッド設定手段により設定されたスレッドが対応する特定の情報に関連付けられたグループのユーザにスレッドが設定されたことを通知する通知手段と、を備えることを特徴とする。
より好ましくは、スレッド設定手段は、設定したスレッドに、情報取得装置および情報の内容に基づいて特定される位置情報を付加することを特徴とする。
さらに好ましくは、本発明の災害報知システムは、ネットワーク上のサイトを情報取得装置および情報の内容に関連付けて管理するサイト管理手段をさらに備え、スレッド設定手段は、スレッド設定手段により設定されたスレッドに、このスレッドが対応する特定の情報に関連付けられたサイトへのリンクを設定することを特徴とする。
さらに好ましくは、スレッド設定手段は、リンクを設定したサイトから予め定められた情報を取得し、設定したスレッドに付加することを特徴とする。
また、上記の目的を達成する他の本発明は、外部装置との間でやり取りされたメッセージを表示する表示手段と、メッセージをまとめて表示するためのスレッドであって、災害に関する特定の情報に対応付けてサーバにおいて自動設定され、かかる特定の情報に基づいて特定される位置情報が付加されたスレッドの情報を取得するスレッド情報取得手段と、このスレッド情報取得手段から取得したスレッドの情報に基づいて、表示手段にスレッドおよび位置情報を表示させ、スレッドに関連付けてやり取りされたメッセージをかかるスレッドに表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする、端末装置として実現される。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、災害に関する特定の情報が取得されたことに基づいてメッセージを交換するスレッドを機械的に設定することにより、かかる災害における特定の事象に関するメッセージ交換の場を提供し、特定の情報に関連付けられたユーザに報知する。これにより、かかる特定の事象に関して、見過ごされることなくメッセージの主題として提示してメッセージ交換を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態による災害報知システムの構成例を示す図である。
図2】サイト提供サーバの機能構成を示す図である。
図3】メッセージ投稿サーバの機能構成を示す図である。
図4】端末装置の機能構成を示す図である。
図5】メッセージ交換サイトのホーム画面の構成例を示す図である。
図6】メッセージ交換サイトのメッセージ表示画面の構成例を示す図である。
図7】メッセージ交換サイトのメッセージ表示画面の他の例を示す図である。
図8】サイト提供サーバのスレッド設定時の動作を示すフローチャートである。
図9】メッセージ投稿サーバによるメッセージの自動投稿時の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、本実施形態による災害報知システムの構成例を示す図である。災害報知システム10は、情報取得装置100と、サイト提供サーバ200と、メッセージ投稿サーバ300と、端末装置400とを備える。情報取得装置100とサイト提供サーバ200およびメッセージ投稿サーバ300、端末装置400とサイト提供サーバ200とは、それぞれネットワーク500を介して接続されている。
【0010】
ネットワーク500は、各装置の間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば、その種類は特に限定されず、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等として良い。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。また、ゲートウェイ装置やルータ等の中継装置を用い、複数のネットワークや通信回線を介して各装置を接続するように構成しても良い。
【0011】
<情報取得装置の構成>
情報取得装置100は、環境や対象物の状態に関する各種の情報を取得する装置である。情報取得装置100は、災害に関して予め定められた特定の事象が発生したか否かを判断するための情報を取得する。情報取得装置100としては、例えば、各種のセンサ、カメラ、マイクロフォン等の機器が用いられる。情報取得装置100は、取得した情報をサイト提供サーバ200およびメッセージ投稿サーバ300に送信するための通信機能を備える。また、詳しくは後述するが、情報取得装置100は、不揮発性メモリ等の記憶手段を備え、情報取得装置100により検知しようとする事象に関連する位置情報を保持している。そして、取得情報と共に位置情報をサイト提供サーバ200およびメッセージ投稿サーバ300に送信する。なお、図1に示す構成例では情報取得装置100が直接、ネットワーク500を介してサーバ200、300と接続されているが、いわゆるエッジサーバ等の中継サーバを介在させ、この中継サーバにより各情報取得装置100で取得した情報を収集し、サイト提供サーバ200やメッセージ投稿サーバ300に送信する構成としても良い。この場合、検知しようとする事象に関連する位置情報を中継サーバに保持しておき、中継サーバが、情報取得装置100により取得した情報と共に、サーバ200、300へ送信するようにしても良い。
【0012】
情報取得装置100としてのセンサは、対象物や環境から様々な情報を物理量として検出する検出装置である。センサとしては、検出しようとする情報の種類に応じて様々な種類のものを用いて良い。例えば、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、速度センサ、振動センサ等が単体で、あるいは組み合わせて用いられる。これにより、検知対象として設定された場所や物品に関して、温度変化、水量変化、破損や故障の有無等の様々な情報が取得される。情報取得装置100としてのセンサの具体的な構成は、情報を取得しようとする対象や取得しようとする情報の種類、検知しようとする事象の種類等に応じて特定される。センサにより取得された情報は、デジタル・データとしてサイト提供サーバ200およびメッセージ投稿サーバ300へ送られる。
【0013】
情報取得装置100としてのカメラは、情報としての画像を取得する撮像装置である。カメラにより取得された画像は、デジタル・データとしてサイト提供サーバ200およびメッセージ投稿サーバ300へ送られる。カメラにより取得される画像は、動画および静止画の何れであっても良く、撮影対象や取得しようとする情報の種類に応じて設定して良い。動画を取得する場合、動画フォーマットによる動画データの他、一定時間ごとに撮影された時系列の静止画データの集合を取得する構成としても良い。カメラにより取得された画像は、デジタル・データとしてサイト提供サーバ200およびメッセージ投稿サーバ300へ送られる。カメラとしては、撮像対象や使用環境に応じて種々の構成のものを用いて良い。例えば、固定カメラであっても良いし、可搬型のカメラ(ハンディ・カメラ)であっても良い。また、周囲の広い空間の画像を取得する広角カメラや全周カメラ、特定の対象物や場所を様々な角度で撮影する複数のカメラ群等を用いても良い。さらに、取得される画像のデータ形式に着目すれば、デジタル画像として画像を取得するデジタル・カメラであっても良いし、アナログ画像として画像を取得するアナログ・カメラであっても良い。アナログ・カメラの場合、アナログ画像として取得された画像は、デジタル・データに変換して出力される。情報取得装置100としてのカメラの具体的な構成は、動画の収集が行われる環境や場面、使用可能な機器の制約等に応じて特定される。
【0014】
情報取得装置100としてのマイクロフォンは、情報としての音(音響情報)を収録する装置である。マイクロフォンとしては、収録しようとする場所や音響情報の種類等に応じて種々の特性や構成を有するものを用いて良い。例えば、人の音声や特定の対象物の作動音を収録する場合は、音声や作動音の音域に合わせた音域特性を有し、指向性の高いマイクロフォンが用いられる。また、ある程度の広さの領域に参集した人々の音声や環境音を収録する場合は、無指向性や指向性の低いマイクロフォンが用いられる。マイクロフォンにより収録された音響情報は、デジタル・データとしてサイト提供サーバ200およびメッセージ投稿サーバ300へ送られる。また、マイクロフォン自体の構成としては、固定マイクや集音マイク、強い指向性を持つマイクロフォン・アレイ等、様々な構成を取り得る。情報取得装置100としてのマイクロフォンの具体的な構成は、収録が行われる環境や場面、使用可能な機器の制約等に応じて特定される。
【0015】
<サイト提供サーバの構成>
サイト提供サーバ200は、メッセージを投稿して情報をやり取りするメッセージ交換サイトを提供するサーバである。メッセージ交換サイトは、メッセージ交換を行うためのネットワーク・サービスを行うWebサイトである。サイト提供サーバ200は、端末装置400およびメッセージ投稿サーバ300から投稿メッセージを受信し、例えばHTMLファイル等の文書ファイルに記録する。文書ファイルは、例えばチャットの表示ページや掲示板のようなWebページとして、端末装置400に表示可能となる。
【0016】
図2は、サイト提供サーバ200の機能構成を示す図である。サイト提供サーバ200は、サイト管理部201と、グループ管理部202とを備える。また、サイト提供サーバ200は、送受信部203と、情報解析部204と、位置情報抽出部205と、スレッド設定部206とを備える。また、サイト提供サーバ200は、メッセージ解析部207と、メッセージ管理部208と、事象関連情報取得部209と、リンク設定部210とを備える。また、サイト提供サーバ200は、通知部211を備える。
【0017】
サイト管理部201は、サイト提供サーバ200が提供するメッセージ交換サイトを管理する。メッセージ交換サイトでは、端末装置400およびメッセージ投稿サーバ300から受信した投稿メッセージがスレッドごとにまとめられて提示される。サイト管理部201は、このスレッドごとのメッセージ提示ページ(例えばWebページ)を管理する。
【0018】
グループ管理部202は、特定の設定条件に基づいて設定されるスレッドに対応付けられる端末装置400(ユーザ)のグループを管理する。グループは、予めスレッドの設定条件に関連付けて、例えば管理テーブルに登録して管理される。スレッドの設定条件は、情報取得装置100により取得された情報に基づいて定められる。スレッドの設定条件および設定手順の詳細は後述する。
【0019】
送受信部203は、ネットワーク500を介して情報取得装置100、メッセージ投稿サーバ300、端末装置400と接続し、データ交換を行うネットワーク・インターフェイスである。
【0020】
情報解析部204は、送受信部203により情報取得装置100から受信した情報を解析し、スレッドの設定条件を満たすか否かを判断する。スレッドの設定条件は、情報取得装置100により取得された情報に基づき、災害における特定の事象が発生したと判断されることである。具体的には、例えば、特定の事象として、河川等の特定の場所において、水位が予め定められた危険水位に達したことを検知するように設けられたセンサ(情報取得装置100)から、危険水位に達したことを示す情報を受信したことをスレッドの設定条件とし得る。また、特定の事象として、対象建物の窓ガラスが破損したことを検知するように設けられたセンサ(情報取得装置100)から、窓ガラスが破損したことを示す情報を受信したことをスレッドの設定条件とし得る。また、特定の事象として、対象機械の動作時に異音が発生したことを検知するように設けられたマイクロフォン(情報取得装置100)から、異音が発生したことを示す情報を受信したことをスレッドの設定条件とし得る。なお、上記の例において、河川の水位の監視や対象建物の窓ガラスの破損等の特定の事象の検知に関しては、情報取得装置100としての監視カメラで取得した画像に基づいて行っても良い。この場合、監視カメラで取得した画像に対して画像解析を行って、水位の変化や窓ガラスの状態を判断するようにしても良い。カメラで取得した画像に対して画像解析を行う場合、取得した画像を解析サーバへ送信し、画像解析を行った後に解析結果をサイト提供サーバ200へ送るようにしても良い。
【0021】
さらに説明すると、スレッドの設定条件は、実際には、予め定められた特定の情報取得装置100から受信した情報の内容で定められる。すなわち、情報解析部204は、情報取得装置100から受信した情報を解析し、予め定められた特定の情報取得装置100からどのような情報を受信したかを特定する。ここで、スレッドの設定条件として設定される情報取得装置100は、単一の装置に限定しない。検知しようとする事象が、複数の情報取得装置100から得られる情報において特定のパターンや傾向を示すものであることもあり得る。例えば、地震が発生した場合には、ある程度の広さの領域に存在する建物の多くで振動が検知されるが、爆発事故等の場合には、その事故が発生した建物の付近の狭い範囲でのみ振動が検知される、というような特定のパターンがあり得る。そこで、複数の情報取得装置100から得られる情報において特定のパターンや傾向を示すことをスレッドの設定条件としても良い。情報解析部204は、このようにして情報取得装置100から受信した情報の内容を特定し、特定した内容がスレッドの設定条件に合致するか否かを判断する。
【0022】
位置情報抽出部205は、送受信部203により情報取得装置100から受信した情報を解析し、スレッドの設定条件に関連する位置情報を抽出する。ここで、位置情報により示される位置は、検知しようとする事象に関連付けて予め特定された位置である。すなわち、必ずしも情報を送信した情報取得装置100の設置位置には限定しない。例えば、情報取得装置100がカメラである場合、情報取得装置100であるカメラ自体の位置ではなく、カメラが撮影している撮影対象の位置を事象に関連する位置とすることが適当である場合がある。また、複数の情報取得装置100により得られた情報のパターンや傾向をスレッドの設定条件とする場合、事象は、複数の情報取得装置100が設置されている一定の地域において発生すると考えられる。そのため、特定の情報取得装置100の設置位置ではなく、複数の情報取得装置100の設置位置を含む一定の広さの地域を事象に関連する位置とすることが適当と考えられる。このように、事象に関連する位置の情報は、検知しようとする事象に応じて予め定められており、各情報取得装置100から取得情報と共に送られる。そして、位置情報抽出部205は、受信した情報からこの位置情報を抽出する。
【0023】
スレッド設定部206は、情報解析部204による解析の結果、スレッドの設定条件を満足する場合に、その設定条件により特定される事象に関するスレッドを設定する。設定されたスレッドには、設定条件に係る事象を示す情報(例えばタイトル)が付加される。また、設定されたスレッドには、位置情報抽出部205により抽出された位置情報が付加される。また、設定されたスレッドには、設定条件に係る事象が発生したと判断するのに用いられた情報を送信した情報取得装置100の識別情報を付加しても良い。設定されたスレッドは、サイト管理部201により管理される。
【0024】
メッセージ解析部207は、メッセージ投稿サーバ300や端末装置400から受信した投稿メッセージを解析し、特定の情報を抽出する。抽出対象の情報としては、例えば、投稿先のスレッド、メッセージ・ファイルに付加されている投稿した装置や投稿者の識別情報、投稿日時、メッセージに記述されたリンク情報等が挙げられる。
【0025】
メッセージ管理部208は、メッセージ投稿サーバ300や端末装置400から受信した投稿メッセージを、投稿先のスレッドごとに管理する。また、メッセージ管理部208は、メッセージ解析部207の解析により抽出された情報を、メッセージに関連付けて管理する。
【0026】
事象関連情報取得部209は、上述した設定条件により特定される事象に関連する情報を取得する。事象に関連する情報は、事象ごとに個別に設定される。例えば、河川の水位に関する事象であれば、対象地域を管轄する防災センターや対象河川を管理する公共機関が発表する情報、対象建物の窓ガラスに関する事象であれば、対象建物の管理会社、テナントの会社や店舗等が発表する情報等である。これらの情報の発信元は、予め事象に対応付けて設定されている。したがって、特定の事象が発生し、これに基づいて事象に関するスレッドが設定されると、事象関連情報取得部209は、この事象に対応付けられた発信元に接続要求を行って、事象に関連する情報を取得する。また、特定の事象が発生し、これに基づいて事象に関するスレッドが設定された場合に、事象関連情報取得部209が情報の発信元へ事象の発生を報知し、発信元からサイト提供サーバ200へ情報を送信させるようにしても良い。情報の発信元は、対応する事象に関連して設定されるスレッドのグループに含まれるユーザとして、グループ管理部202に管理されても良い。この場合、後述するように、事象の発生に伴ってスレッドが設定されると、スレッドに対応付けられたグループのユーザとして、情報の発信元へも通知が行われる。
【0027】
リンク設定部210は、上述した設定条件により特定される事象に関連するサイト(関連サイト)へのリンクをスレッドに設定する。関連サイトは、事象ごとに予め設定されている。この関連サイトには、事象関連情報取得部209が情報を取得する情報の発信元が含まれても良いが、かかる発信元には限定されず、事象に関連する情報を有する種々のサイトが関連サイトとして設定される。
【0028】
通知部211は、特定の事象が発生し、これに基づいて事象に関するスレッドが設定された場合に、このスレッドの設定条件である事象に対応付けられたグループに含まれるユーザに、事象に関するスレッドが設定されたことを通知する。通知は、グループのユーザにスレッドの設定を報知可能なものであれば良く、通知手段は限定されない。例えば、電子メールで通知を行っても良いし、サイト提供サーバ200に管理されるメッセージの閲覧用のアプリケーション・ソフトウェアの機能として通知機能を設けても良い。
【0029】
<サイト提供サーバの構成>
メッセージ投稿サーバ300は、サイト提供サーバ200が提供するメッセージ交換サイトにメッセージを自動投稿するサーバである。メッセージ投稿サーバ300は、上述した設定条件により特定される事象を判断するのに用いられた情報取得装置100から情報を取得し、取得した情報に基づいてメッセージを生成し、メッセージ交換サイトにおけるこの事象に関するスレッドに投稿する。
【0030】
図3は、メッセージ投稿サーバ300の機能構成を示す図である。メッセージ投稿サーバ300は、送受信部301と、情報受け付け部302と、メッセージ生成部303と、投稿制御部304とを備える。
【0031】
送受信部301は、ネットワーク500を介して情報取得装置100、サイト提供サーバ200と接続し、データ交換を行うネットワーク・インターフェイスである。メッセージ投稿サーバ300は、送受信部203により、情報取得装置100から情報を受信し、サイト提供サーバ200に投稿メッセージを送信する。
【0032】
情報受け付け部302は、特定の情報取得装置100から情報を受信する。そして、情報受け付け部302は、受信した情報を解析し、投稿メッセージを生成するか否かを判断する。投稿メッセージの生成条件は、情報取得装置100から受信した情報が、特定の事象に関する情報として予め定められた情報であり、その事象に関するスレッドが設定されていることである。具体的には、例えば、河川等の特定の場所で水位が予め定められた危険水位に達したという事象に基づいてスレッドが設定された場合に、その場所の水位がさらに一定量まで上昇したことを示す情報や、反対に一定量まで下降したことを示す情報を受信したことを投稿メッセージの生成条件とし得る。また、対象建物の窓ガラスが破損したという事象に基づいてスレッドが設定された場合に、その対象建物においてさらに他の被害や事故が発生したことを示す情報を受信したことを投稿メッセージの生成条件とし得る。その他、様々な情報を、スレッドの設定条件となる事象に関連する情報として設定し、投稿メッセージの生成条件として良い。なお、特定の事象に関するスレッドは、サイト提供サーバ200により自動設定されたスレッドには限定されない。該当する事象に関してユーザによりスレッドが設定されている場合は、投稿メッセージの生成条件を満たすとして良い。該当する事象に関するスレッドか否かの判断は、例えば、スレッドのタイトルや、スレッドに付加された位置情報等に基づいて判断される。
【0033】
メッセージ生成部303は、情報受け付け部302が投稿メッセージの生成条件を満足すると判断した場合に、情報取得装置100から受信した情報に基づき、投稿メッセージを生成する。例えば、河川等の水位がスレッド設定条件の水位からさらに上昇したという生成条件を満足した場合、メッセージ生成部303は、水位がさらに上昇して危険が増したことを示す投稿メッセージを生成する。また、河川等の水位がスレッド設定条件の水位から一定量低下したという生成条件を満足した場合、メッセージ生成部303は、水位が低下したため危険度が低下したことを示す投稿メッセージを生成する。このように、投稿メッセージとしては、設定された設定条件および報知しようとする内容に応じて様々な種類のメッセージを生成し得る。投稿メッセージにおけるメッセージ文の具体的内容は、情報受け付け部302により判断される投稿メッセージの生成条件に応じて、予め定めておいて良い。例えば、メッセージ生成部303は、ある投稿メッセージに関する生成条件を満足すると、該当する投稿メッセージの雛形文を用い、日時等の個別情報を付加して投稿メッセージとする。
【0034】
投稿制御部304は、メッセージ生成部303により生成された投稿メッセージを、投稿メッセージの生成条件により特定されるスレッドを投稿先とし、送受信部301を制御してサイト提供サーバ200へ送信する。送信される投稿メッセージには、投稿者がメッセージ投稿サーバ300であることを示す識別情報が付加される。投稿メッセージは、サイト提供サーバ200において、該当するスレッドに対応付けて管理される。
【0035】
<端末装置の構成>
端末装置400は、サイト提供サーバ200が提供するメッセージ交換サイトにアクセスしてメッセージを閲覧したり投稿したりする装置である。端末装置400は、例えば、ネットワーク500に接続可能なパーソナル・コンピュータ(PC)、いわゆるタブレット型端末装置、スマートフォン、その他の情報端末装置により実現される。上述したグループに属すユーザや一般ユーザは、自身の端末装置400を用いてメッセージ交換サイトにアクセスする。
【0036】
図4は、端末装置400の機能構成を示す図である。端末装置400は、制御部401と、送受信部402と、表示制御部403と、表示部404と、入力受け付け部405とを備える。
【0037】
制御部401は、端末装置400全体の動作を制御する。制御部401は、例えば、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、作業メモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えて構成される。
【0038】
送受信部402は、ネットワーク500を介してサイト提供サーバ200と接続し、データ交換を行うネットワーク・インターフェイスである。端末装置400は、送受信部402により、サイト提供サーバ200のメッセージ交換サイトにアクセスし、投稿されたメッセージを閲覧したり、所望のスレッドにメッセージを投稿したりする。
【0039】
表示制御部403は、表示部404に表示する画面を制御する。表示制御部403は、送受信部402によりサイト提供サーバ200から受信したメッセージ交換サイトの画面を表示部404に表示する。また、表示制御部403は、メッセージの作成や送信等の各種の操作を行うための操作画面を生成して表示部404に表示する。
【0040】
表示部404は、表示制御部403の制御により各種の画面を表示する。表示部404は、例えば、液晶ディスプレイ等で実現される。
【0041】
入力受け付け部405は、端末装置400のユーザによる入力操作を受け付ける。入力受け付け部405は、ユーザが操作するための操作デバイスを備える。ユーザは、操作デバイスを操作することにより、メッセージ交換サイトの画面を表示するための操作や、表示部404に表示された操作画面に対する入力操作を行う。操作デバイスとしては、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等が用いられる。
【0042】
<画面構成例>
次に、サイト提供サーバ200により提供されるメッセージ交換サイトの画面について説明する。メッセージ交換サイトの画面は、サイト提供サーバ200において生成されるWebページであり、端末装置400がメッセージ交換サイトから受信し、アプリケーション・ソフトウェア(ブラウザ)により表示部404に表示させる。
【0043】
図5は、メッセージ交換サイトのホーム画面の構成例を示す図である。ホーム画面220には、設定されているスレッド221が示されている。スレッド221は、端末装置400の操作により設定される他、上述したように設定条件を満足すると、サイト提供サーバ200の機能(スレッド設定部206)によって自動設定される。サイト提供サーバ200により自動設定されたスレッド221には、設定条件に係る事象を示すタイトルが表示される。例えば、特定の河川の水位が危険水位に達したという事象に基づいて設定されたスレッド221には、「〇〇川の水位が危険水位に到達」等のようなタイトルが表示される。
【0044】
また、サイト提供サーバ200により自動設定されたスレッド221には、位置情報抽出部205により抽出された、スレッド221の設定条件に関連する位置情報を提示するためのアイコン(以下、ポインタ・アイコン)222が表示される。ユーザがポインタ・アイコン222を選択すると、スレッド221の設定条件に関連する位置情報が提示される。具体的には、例えば、スレッド221の設定条件に関連する位置をポインタ223で指示した地図224が表示される。上記の河川の水位の例であれば、水位の測定場所を示す位置情報がポインタ223にて指示される。
【0045】
図6は、メッセージ交換サイトのメッセージ表示画面の構成例を示す図である。メッセージ表示画面230は、ホーム画面220でユーザが所望するスレッド221を選択することにより表示される。図6は、サイト提供サーバ200のスレッド設定部206によりスレッド221が自動設定された時点における、このスレッド221のメッセージ表示画面230である。図6に示すように、メッセージ表示画面230の初期状態では、メッセージ表示欄231に、設定条件に係る事象の内容を示す最初のメッセージと、スレッド221の設定条件に関連する位置情報を提示するためのポインタ・アイコン232とが表示される。ユーザがポインタ・アイコン232を選択すると、スレッド221においてポインタ・アイコン222を選択した場合と同様に、地図224等による位置情報の提示が行われる。
【0046】
また、自動設定されたスレッド221に関連する情報取得装置100としてのカメラがある場合、メッセージ表示欄231に、カメラにより撮影された画像を提示するためのアイコン(以下、カメラ・アイコン)233が表示される。ユーザがカメラ・アイコン233を選択すると、カメラにより撮影された画像が表示される。また、自動設定されたスレッド221に関連する情報取得装置100としてのマイクロフォンがある場合、メッセージ表示欄231に、マイクロフォンにより収録された音声を提示するためのアイコン(以下、音声アイコン)234が表示される。ユーザが音声アイコン234を選択すると、収録された音声が再生される。
【0047】
図7は、メッセージ交換サイトのメッセージ表示画面の他の例を示す図である。図7では、メッセージ表示画面230に、メッセージ投稿サーバ300からメッセージの自動投稿が行われた様子が示されている。図7に示す例では、メッセージ表示欄231に7つのメッセージ231a~231gが表示されているが、3番目に投稿されたメッセージ231cおよび7番目に投稿されたメッセージ231gがメッセージ投稿サーバ300により自動投稿されたメッセージである。メッセージ投稿サーバ300により自動投稿されたメッセージは、ユーザにより端末装置400から投稿されたメッセージとは区別して表示される。図7に示す例では、自動投稿されたメッセージ231c、231gは、メッセージ文が太字で表示されると共に、自動投稿であることを示すマーク(星印「☆」)が表示されている。
【0048】
<スレッド設定時の動作>
図8は、サイト提供サーバ200のスレッド設定時の動作を示すフローチャートである。サイト提供サーバ200が情報取得装置100から情報を受信すると、情報解析部204がスレッドの設定条件を満足するか否かを判断する(S801、S802)。スレッドの設定条件を満足する場合(S802でYes)、位置情報抽出部205がスレッドの設定条件に関連する位置情報を抽出し(S803)、スレッド設定部206が設定条件に基づくスレッドを設定する(S804)。そして、通知部211が、グループ管理部202に管理されているグループの情報に基づいて通知先ユーザを特定し(S805)、特定した通知先ユーザに対し、スレッドが生成されたことを示す情報を通知する(S806)。情報取得装置100から受信した情報によりスレッドの設定条件を満足しない場合(S802でNo)、スレッドは自動生成されない。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、情報取得装置100により得られる情報がスレッドの設定条件を満足すると、サイト提供サーバ200が、その設定条件に係る事象に関連するスレッドを自動設定する。これにより、災害における特定の事象に関して、見過ごされることなくメッセージ交換の場を提供することができる。また、本実施形態によれば、スレッドが自動設定されると、この設定条件に関連付けられたグループのユーザに対して通知が行われる。これにより、発生した事象に関連するユーザに対して、漏れなく事象が発生したことを報知することができる。
【0050】
<メッセージ自動投稿時の動作>
図9は、メッセージ投稿サーバ300によるメッセージの自動投稿時の動作を示すフローチャートである。メッセージ投稿サーバ300が情報取得装置100から情報を受信すると、情報受け付け部302が投稿メッセージの生成条件を満足するか否かを判断する(S901、S902)。生成条件を満足する場合(S902でYes)、メッセージ生成部303が情報取得装置100から受信した情報に基づくメッセージを生成する(S903)。そして、投稿制御部304が、サイト提供サーバ200のメッセージ交換サイトへ、該当するスレッドを指定してメッセージを投稿する(S904)。サイト提供サーバ200は、メッセージ投稿サーバ300からメッセージの投稿を受け付けると、指定されたスレッドに、メッセージ投稿サーバ300からの投稿メッセージに固有の表示態様で(端末装置400からの投稿メッセージとは異なる表示態様で)メッセージを表示する。情報取得装置100から受信した情報により設定条件を満足しない場合(S902でNo)、スレッドは自動生成されない。
【0051】
以上のように、本実施形態によれば、情報取得装置100により得られる情報が予め定められた条件を満足すると、その情報を報知するための投稿メッセージが自動生成され、該当するスレッドに投稿される。これにより、災害における特定の事象に関連してスレッドが設定された後、その事象に関する状況の変化に応じて、随時、情報をユーザに報知することができる。また、メッセージ投稿サーバ300により自動投稿されたメッセージと端末装置400から投稿されたメッセージとを異なる表示態様で表示することにより、閲覧者がサーバによる投稿を容易に区別することができる。
【0052】
以上、本実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態には限定されない。例えば、本実施の形態では、サイト提供サーバ200とメッセージ投稿サーバ300とを別のサーバとして記載したが、メッセージ投稿サーバ300の機能をサイト提供サーバ200の機能として実装しても良い。また、サイト提供サーバ200およびメッセージ投稿サーバ300は、各々、単体のサーバとして構成しても良いし、各機能を複数のサーバマシンに分散させて実現しても良い。また、分散した機能の一部あるいは全部をいわゆるクラウド・システムとして構成しても良い。また、サイト提供サーバ200が提供するメッセージ交換サイトは、グループに属すユーザおよび一般のユーザによるメッセージの投稿を受け付けることとしたが、グループに属すユーザの投稿のみを許し、一般のユーザは閲覧のみを許すような制御を行っても良い。その他、本発明の技術思想の範囲から逸脱しない様々な変更や構成の代替は、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
10…災害報知システム、100…情報取得装置、200…サイト提供サーバ、201…サイト管理部、202…グループ管理部、203…送受信部、204…情報解析部、205…位置情報抽出部、206…スレッド設定部、207…メッセージ解析部、208…メッセージ管理部、209…事象関連情報取得部、210…リンク設定部、211…通知部、300…メッセージ投稿サーバ、301…送受信部、302…情報受け付け部、303…メッセージ生成部、304…投稿制御部、400…端末装置、401…制御部、402…送受信部、403…表示制御部、404…表示部、405…入力受け付け部、500…ネットワーク
図1
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図9