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特許7274721ネットワークを介して行う商品・役務の提供方法
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  • 特許-ネットワークを介して行う商品・役務の提供方法 図1
  • 特許-ネットワークを介して行う商品・役務の提供方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】ネットワークを介して行う商品・役務の提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20230510BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20230510BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20230510BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q30/0601 322
G06Q50/00 300
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018188355
(22)【出願日】2018-10-03
(65)【公開番号】P2020057265
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-04-23
(73)【特許権者】
【識別番号】515045938
【氏名又は名称】株式会社TeraDox
(74)【代理人】
【識別番号】100081558
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 晴男
(74)【代理人】
【識別番号】100154287
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 貴広
(72)【発明者】
【氏名】久保 光
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-196120(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0047290(US,A1)
【文献】特開2012-093805(JP,A)
【文献】特開2008-282291(JP,A)
【文献】特開2013-200739(JP,A)
【文献】諏訪 良武 他,サービスサイエンスによる顧客共創型ITビジネス,第1版,日本,株式会社翔泳社 佐々木 幹夫,2015年01月27日,109頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品・役務の提供を受けることを希望するユーザが扱うユーザ端末と、前記ユーザに対して前記商品・役務を提供する店舗の店舗端末と、多数の前記店舗端末を登録するサーバとが、ネットワークを介して接続されて構成されるシステムによる商品・役務の提供方法であって、
前記ユーザ端末から、前記サーバが提供するポータルサイトを介していずれかの前記店舗の前記商品・役務の提供を受けるための来店予約の申し込みがなされ、前記サーバにおいてその申し込みを受け付ける来店予約ステップと、
前記サーバから、前記来店予約の申し込みのあった前記店舗の店舗端末に対し、前記来店予約申し込みに係る来店予約データを送信し、前記店舗端末からその来店予約確認を受信する来店予約データ送受信ステップと、
前記店舗において、前記予約の申し込みを行ったユーザに対する前記来店予約データに従った物品・役務の提供がなされた後、前記サーバが、前記ユーザ端末から、前記商品・役務の提供に対する口コミを受信することにより成約データを作成する成約報告受信ステップと、
前記成約データを前記サーバから前記物品・役務の提供を行った店舗の店舗端末に送信し、その店舗端末から前記成約データの承認を受信する成約データ送受信ステップと、
前記サーバにおいて前記口コミを、前記商品・役務の提供を行った前記店舗のWebサイトに関連付けて公開する口コミ公開ステップとから成ることを特徴とするネットワークを介して行う物品・役務の提供方法。
【請求項2】
前記来店予約ステップにおいて、前記サーバから前記ユーザ端末に、口コミの発信要求と、口コミ発信後に所定の報酬が与えられる旨の告知とがなされ、前記口コミ公開ステップにおいて、前記口コミを送信した前記ユーザ端末を扱う前記ユーザに対し、所定の報酬が付与される、請求項1に記載のネットワークを介して行う物品・役務の提供方法。
【請求項3】
前記商品・役務の提供を行う店舗は、振袖のレンタル・販売店又は写真館である、請求項1又は2に記載のネットワークを介して行う物品・役務の提供方法。
【請求項4】
前記サーバの管理者から前記店舗に対する課金は、前記来店予約データの送信時と前記成約データの送信時にのみなされる、請求項1乃至3のいずれかに記載のネットワークを介して行う物品・役務の提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して行う商品・役務の提供方法に関するものであり、より詳細には、簡易な手段で口コミの信頼性を保証することができる、ネットワークを介して行う商品・役務の提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネット上のWebサイト等においては、商品を購入し、あるいは、役務の提供を受けた消費者が、その商品や役務に対する感想を投稿する、いわゆる口コミが掲載されることが少なくない。この口コミは、他の消費者が当該商品を購入し、あるいは、役務の提供を受けることの動機付けとなることが多く、Webサイト運営者にとっては、広告費のかからない広告となるメリットがあり、大きなマーケッティング効果のあるものである。
【0003】
ところで、口コミは、消費者が自らの意見を自らの意思で投稿するものであるため、例えば、実際に商品を購入しておらず、また、実際に役務の提供を受けていない者が投稿することも可能であるため、信頼性に欠ける面もある。そこで、口コミの信頼性を高めるための提案が種々なされている。
【0004】
例えば、特開2010-9507号公報には、口コミ情報が商品を実際に購入した利用者により提供された情報か否かを判断することを可能にするための装置として、利用者により入力された口コミ情報、並びに、当該口コミ情報が、商品を購入した利用者と購入された商品とを関連付ける購入情報を特定するための所定の識別子と当該識別子の正当性を証明するための証明手段とからなる購入証明を伴う場合には当該購入証明、を受信する通信部と、前記通信部により受信された前記購入証明に含まれる前記識別子の正当性を前記証明手段を用いて検証する検証部と、前記検証部により前記識別子の正当性を証明された前記口コミ情報である購入者口コミ情報、及び前記購入者口コミ情報以外の前記口コミ情報である非購入者口コミ情報を保持するデータ保持部と、を備える情報処理装置が提案されている。
【0005】
しかし、この装置の場合は、購入者口コミ情報と非購入者口コミ情報とを受け入れることを前提としているため、それらの情報を区別するための手段が必要となる結果、全体的に複雑な構成となり、その分コストが嵩むことになる。
【0006】
また、特開2017-91314号公報に記載の情報提供システムは、資格のある会員ユーザ間における口コミ情報の提供に関するものであり、特開2018-136819号公報に記載の商品・サービス評価システムは、口コミ投稿者が専門家に限定されるシステムであって、共に一般的な口コミの信頼性を高めるためのものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-9507号公報
【文献】特開2017-91314号公報
【文献】特開2018-136819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来提案されている口コミの信頼性を高めるためのシステムは、構成が複雑でコストが嵩むとか、口コミの投稿者が限定されていて、一般的なものではないといった問題がある。そこで本発明は、そのような問題のない、即ち、簡易な手段で口コミの信頼性を保証することができる、ネットワークを介して行う商品・役務の提供方法を提供することを課題とする。なお、本発明において信頼性のある口コミ情報というのは、実際に商品・役務の提供を受けたユーザからの口コミという意味である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、商品・役務の提供を受けることを希望するユーザが扱うユーザ端末と、前記ユーザに対して前記商品・役務を提供する店舗の店舗端末と、多数の前記店舗端末を登録するサーバとが、ネットワークを介して接続されて構成されるシステムによる商品・役務の提供方法であって、
前記ユーザ端末から、前記サーバが提供するポータルサイトを介していずれかの前記店舗の前記商品・役務の提供を受けるための来店予約の申し込みがなされ、前記サーバにおいてその申し込みを受け付ける来店予約ステップと、
前記サーバから、前記来店予約の申し込みのあった前記店舗の店舗端末に対し、前記来店予約申し込みに係る来店予約データを送信し、前記店舗端末からその来店予約確認を受信する来店予約データ送受信ステップと、
前記店舗において、前記予約の申し込みを行ったユーザに対する前記来店予約データに従った物品・役務の提供がなされた後、前記サーバが、前記ユーザ端末から、前記商品・役務の提供に対する口コミを受信することにより成約データを作成する成約報告受信ステップと、
前記成約データを前記サーバから前記物品・役務の提供を行った店舗の店舗端末に送信し、その店舗端末から前記成約データの承認を受信する成約データ送受信ステップと、
前記サーバにおいて前記口コミを、前記商品・役務の提供を行った前記店舗のWebサイトに関連付けて公開する口コミ公開ステップとから成ることを特徴とするネットワークを介して行う物品・役務の提供方法である。
【0010】
一実施形態においては、前記来店予約ステップにおいて、前記サーバから前記ユーザ端末に、口コミの発信要求と、口コミ発信後に所定の報酬が与えられる旨の告知とがなされ、前記口コミ公開ステップにおいて、前記口コミを送信した前記ユーザ端末を扱う前記ユーザに対し、所定の報酬が付与される。
【0011】
一実施形態においては、前記商品・役務の提供を行う店舗は、振袖のレンタル・販売店又は写真館である。また、前記サーバの管理者から前記店舗に対する課金は、前記来店予約データの送信時と前記成約データの送信時にのみなされる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上記のとおりであって、本サーバが提供するポータルサイトにおいて公開される口コミは、来店予約の申し込みをし、且つ、商品・役務の提供を受けたユーザからのものに限定されるので、その信頼性が保証されるという効果があり、しかも、その信頼性確保のために、上記先行技術文献に記載されているような、格別の証明・検証手段のような複雑な構成を要しないため、低コストにて導入し得る効果がある。
【0013】
また、前記サーバの管理者から前記店舗に対する課金を、前記来店予約データの送信時と前記成約データの送信時にのみ行うこととすることにより、店舗に対する負担をなくすことができ、以て、多くの店舗を加盟させて、ユーザにより良質なサービスを提供し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るネットワークを介して行う物品・役務の提供方法を実施するためのシステムの簡略図である。
図2】本発明に係るネットワークを介して行う物品・役務の提供方法における処理の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明に係る商品・役務の提供方法は、図1に示されるように、商品・役務の提供を受けるユーザが扱う、スマートフォン、タブレット、パソコン等のユーザ端末1と、ユーザに対して商品・役務を提供する店舗の店舗端末2と、各ユーザ端末1に対して多数の店舗端末2へのリンクを提供するサーバ3とが、ネットワーク4を介して接続されて構成されるシステムによって実行され、サーバ3は、本システムの運営者によって管理される。
【0016】
上記システムによる本発明に係る商品・役務の提供方法は、以下に詳述するように、商品・役務提供予約ステップ(S1)と、来店予約データ送受信ステップ(S2)と、成約報告受信ステップ(S3)と、成約データ送受信ステップ(S4)と、口コミ公開ステップ(S5)とから成る。
【0017】
サーバ3は、商品・役務を提供する店舗を多数登録したポータルサイトで、各加盟店舗のWebページ(店舗端末2)へのリンクを提供し、ユーザ端末1から各加盟店舗のWebページ(店舗端末2)を選択して閲覧することを可能にする。後述するようにユーザは、商品・役務の提供を受けるために店舗に出向くことが予定されているので、加盟店舗は、地域ごとに分類して登録され、ユーザの店舗選択の利便性が図られている。また、店舗を絞り込むために、キーワード検索可能にされる。
【0018】
本発明に係る商品・役務の提供方法は、例えば、振袖のレンタル・販売業務や写真館業務に適用するのに好適である。以下の説明は、振袖のレンタル業務に関するものであるが、他の役務ないし商品の提供の場合もこれに準じる。
【0019】
来店予約ステップ(S1)
例えば、振袖のレンタルを希望するユーザは、先ず、サーバ3の提供するサイト画面において、所望の店舗を選択し、画面の案内表示に従って当該店舗における振袖レンタルサービスを受けるために、来店の予約申し込みをする。来店予約の受け付けはサーバ3においてなされ、サーバ3においてその来店予約データが作成されて記録・管理される。この予約受け付けに際し、ユーザに、予約に従って振袖レンタル契約が完結した場合は、所定の報酬がプレゼントされる旨告知することもある(成約プレゼント方式)。
【0020】
来店予約データ送受信ステップ(S2)
サーバ3において生成された来店予約データは、サーバ3から、来店の予約申し込みのあった店舗の店舗端末2に送信され、サーバ3は、店舗端末2からその来店予約の確認メッセージを受信する。
【0021】
成約報告受信ステップ(S3)
来店予約の申し込みを行ったユーザは、上記来店予約確認メッセージの発信があった店舗において、来店予約データに従った役務の提供を受ける。即ち、当該店舗において、振袖のレンタル契約が締結され、レンタルサービスが実行される。そして、その後サーバ3は、ユーザ端末1から、その振袖レンタル役務に対する口コミを受信することにより、当該店舗において来店予約データに従った振袖のレンタル契約が成立したことを確認し、成約データを生成する。ここにおいて、来店予約データと成約データの紐付けがなされる。なお、成約報告、即ち、口コミの送信がない場合は、ユーザに対して口コミ送信の要求が発信される。
【0022】
成約データ送受信ステップ(S4)
次いで、サーバ3から、振袖のレンタル契約を行った店舗の店舗端末2に対し、成約報告データを送信してその承認の要求をし、店舗端末2からその承認を受信する。
【0023】
口コミ公開ステップ(S5)
その後サーバ3において、店舗端末2から承認を受けた口コミを、その店舗のWebページに関連付けて公開し、成約プレゼント方式の場合は、口コミを送信したユーザ端末1を扱うユーザに対し、ギフト券等の所定の報酬が与えられる。
【0024】
また、本発明に係る方法の実施に際しては、ポータルサイト運営者から加盟登録した店舗に対して課金することになるが、例えば、その課金は2段階の成果報酬型とし、第1段階は来店予約のあった時点、第2段階は成約のあった時点とし、加盟料等の初期費用はなしとする。そのような課金方法の場合は、店舗に負担がかからないために加盟しやすくなり、多くの店舗を加盟させることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明に係るネットワークを介して行う物品・役務の提供方法は上記のとおりであって、ポータルサイトにおいて公開される口コミは、来店予約の申し込みをし、且つ、商品・役務の提供を受けたユーザからのものに限定されるので、その信頼性が保証されるという効果があり、しかも、その信頼性確保のために、上記先行技術文献に記載されているような、格別の証明・検証手段のような複雑な構成を要しないため、低コストにて導入でき、更に、サーバの管理者から店舗に対する課金を、来店予約データの送信時と前記成約データの送信時にのみ行うこととすることにより、店舗に対する負担をなくして多くの店舗を加盟させて、ユーザに、より良質なサービスを提供し得る効果があるものであって、その産業上の利用性は大である。
【符号の説明】
【0026】
1 ユーザ端末
2 店舗端末
3 サーバ
4 ネットワーク
図1
図2