(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】机上収納棚
(51)【国際特許分類】
A47B 17/00 20060101AFI20230510BHJP
【FI】
A47B17/00 A
(21)【出願番号】P 2019075134
(22)【出願日】2019-04-10
【審査請求日】2022-01-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000125990
【氏名又は名称】株式会社くろがね工作所
(72)【発明者】
【氏名】土肥 徹司
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-085109(JP,A)
【文献】特開2002-291555(JP,A)
【文献】特開平09-308531(JP,A)
【文献】特開2015-223188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 17/00
A47B 13/00
A47B 65/00
A47B 81/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主にデスクなどの天板の上方で使用される収納棚において、収納棚は、少なくとも物品を載置可能な底板と、
底板より上方に底板と離間して設置される天板と、底板の左右端部寄りに配置される一対の側板と、前記底板の前後方向の一方端側寄りに立設状に配置される背面板を有し、底板の該背面板が配置される側との他方端側が物品の出し入れのための開口部とされ、背面板は、底板の該開口
部側の端部の対向側端部から、開口
部側に向かってオフセットした位置に配置され
、底板と一対の側板と天板と背面板で凹部を形成し、該凹部に開口部側の対向面側から使用する
、板状のオプション部材が着脱自在に取り付けられることを特徴とする机上収納棚。
【請求項2】
主にデスクなどの天板の上方で使用される収納棚において、収納棚は、少なくとも物品を載置可能な底板と、底板より上方に底板と離間して設置される天板と、底板の左右端部寄りに配置される一対の側板と、一対の側板間に設置される仕切り板と、一方側の側板と仕切り板間であって底板の前後方向の一方端側寄りに立設状に配置される第1背面板を有し、底板の該第1背面板が配置される側との他方端側が物品の出し入れのための第1開口部とされるとともに、他方側の側板と仕切り板間であって該底板の前後方向の第1背面板が配置される側の他方端側寄りに立設状に配置される第2背面板を有し、底板の該第2背面板が配置される側との他方端側が物品の出し入れのための第2開口部とされ、第1背面板は、底板の第1開口部側の対向側端部から第1開口部側に向かってオフセットした位置に配置され、第2背面板は、底板の第2開口部側の対向側端部から、第2開口部側に向かってオフセットした位置に配置され、底板と一方側の側板と仕切り板と天板と第1背面板で第1凹部を形成し、該第1凹部に板状のオプション部材が着脱自在に取り付けられ、底板と一方側の側板と仕切り板と天板と第2背面板で第2凹部を形成し、該第2凹部に板状のオプション部材が着脱自在に取り付けられることを特徴とする机上収納棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に机上に配置され収納として使用される机上収納棚に関するものである。
【背景技術】
【0002】
向かい合って多人数で使用することを前提としたデスクで、向かい合う執務者の間に収納棚を設置し、向かい合う執務者双方から使用可能な収納棚がある。(例えば特許文献1)。
しかしながら、収納棚の収納部の背面板の裏側は、他方側の執務者から見ると使用用途のないデットスペースであって無駄になっていたばかりか、執務者側に近づいた位置になるため、見た目上の圧迫感もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前後両面からの使い勝手がよい収納棚を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為、本発明が第1の手段として構成したところは、主にデスクなどの天板の上方で使用される収納棚において、収納棚は、少なくとも物品を載置可能な底板と、底板より上方に底板と離間して設置される天板と、底板の左右端部寄りに配置される一対の側板と、前記底板の前後方向の一方端側寄りに立設状に配置される背面板を有し、底板の該背面板が配置される側との他方端側が物品の出し入れのための開口部とされ、背面板は、底板の該開口部側の端部の対向側端部から、開口部側に向かってオフセットした位置に配置され、底板と一対の側板と天板と背面板で凹部を形成し、該凹部に開口部側の対向面側から使用する、板状のオプション部材が着脱自在に取り付けられるものである。
【0006】
次に本発明が第2の手段として構成したところは、主にデスクなどの天板の上方で使用される収納棚において、収納棚は、少なくとも物品を載置可能な底板と、底板より上方に底板と離間して設置される天板と、底板の左右端部寄りに配置される一対の側板と、一対の側板間に設置される仕切り板と、一方側の側板と仕切り板間であって底板の前後方向の一方端側寄りに立設状に配置される第1背面板を有し、底板の該第1背面板が配置される側との他方端側が物品の出し入れのための第1開口部とされるとともに、他方側の側板と仕切り板間であって該底板の前後方向の第1背面板が配置される側の他方端側寄りに立設状に配置される第2背面板を有し、底板の該第2背面板が配置される側との他方端側が物品の出し入れのための第2開口部とされ、第1背面板は、底板の第1開口部側の対向側端部から第1開口部側に向かってオフセットした位置に配置され、第2背面板は、底板の第2開口部側の対向側端部から、第2開口部側に向かってオフセットした位置に配置され、底板と一方側の側板と仕切り板と天板と第1背面板で第1凹部を形成し、該第1凹部に板状のオプション部材が着脱自在に取り付けられ、底板と一方側の側板と仕切り板と天板と第2背面板で第2凹部を形成し、該第2凹部に板状のオプション部材が着脱自在に取り付けられるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の第1の手段、あるいは第2の手段として構成したところによると、収納棚の物品の出し入れ口の対向面側の背面板側も使用できるので、開口部側の対向面側も有効に利用可能となる。そのため、執務者が対面して使用するデスクやテーブルの対面間に収納棚を設置しても両面側で使用が可能であるため無駄が少ない。また、オプション部材側の対向面側に近くなるので、該対向面からオプション部材が使い易い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明品である収納棚をデスク設置した状態の斜視図。
【
図3】脚部材が組み合わされた収納棚の分解斜視図。
【
図5】収納棚をデスク設置した状態の鉛直断面要部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
主にデスクなどの天板の上方で使用される収納棚において、収納棚を、物品を載置可能な底板と、底板より上方に底板と離間して設置される天板と、底板の左右端部寄りに配置される一対の側板と、一対の側板間に設置される仕切り板と、一方側の側板と仕切り板間であって底板の前後方向の一方端側寄りに立設状に配置される第1背面板を有し、底板の該第1背面板が配置される側との他方端側を物品の出し入れのための第1開口部とするとともに、他方側の側板と仕切り板間であって該底板の前後方向の第1背面板が配置される側の他方端側寄りに立設状に配置される第2背面板を有し、底板の該第2背面板が配置される側との他方端側を物品の出し入れのための第2開口部とし、第1背面板を、底板の第1開口部側の対向側端部から第1開口部側に向かってオフセットした位置に配置し、第2背面板を、底板の第2開口部側の対向側端部から、第2開口部側に向かってオフセットした位置に配置し、底板と一方側の側板と仕切り板と天板と第1背面板で第1凹部を形成し、該第1凹部に板状のオプション部材を着脱自在に取り付け、底板と一方側の側板と仕切り板と天板と第2背面板で第2凹部を形成し、該第2凹部に板状のオプション部材を着脱自在に取り付けるように構成する。
【実施例】
【0010】
以下、実施例を添付図面に基づいて詳述する。
尚、便宜的に
図4における左右方向を左右方向、上下方向を前後方向と云う。
図1において、符号100はベンチ型のデスクを示し、デスク100は、主に左右に所定間隔を有して配設された左右の脚体200、200と、脚体200、200を上部で連結するビーム補強と、脚体200、200、ビーム補強300の上面に連結される前後の天板400、400と、天板400、400間に設定される開口部である配線ダクト500より構成されている。
【0011】
そして、配線ダクト500の前後中間部には、左右方向に延伸するレール部材600が設置され、配線ダクト500のレール部材600以外の開口部分はダクトカバー700で閉塞されている。
符号1は、収納棚を示し、収納棚1は、レール部材600に後述する脚部材20を介してデスク上方に立設固定されている。
【0012】
収納棚1は、左右方向に長い長方形の板状の底板2と、底板2の前後寸法と略同じ前後寸法に設定される板状の左右の側板4、4と、側板4、4の中間部分で側板4と同型の仕切り板5と、側板4、4、仕切り板5の上面に設置される、底板2と同じ寸法の板状の天板3で、収納棚本体10が構成される。
【0013】
そして、収納棚本体10の、底板2と天板3と一方側の側板4と仕切り板5間で前後方向に開口部を持つ第1収納部10Aが形成され、底板2と天板3と他方側の側板4と仕切り板5間で前後方向に開口部を持つ第2収納部10Bが形成される。
【0014】
第1収納部10Aの前後の開口部の一方側が、第1背面板6Aで閉塞され、他方側の開口部が第1開口部7Aとされ、第2収納部10Bの前後の開口部の第1背面板6Aが設置される他方側である一方側が、第2背面板6Bで閉塞され、他方側の開口部が第2開口部7Bとされ、
図4で示すように、第1収納部10Aと第2収納部10Bの開口部が互いに対向する側に設けられている。
【0015】
第1背面板6Aは、底板2の第2開口部7B側の端部から、所定の寸法第1開口部7A側寄りの位置、すなわちオフセットした位置に配置され、第1背面板6A近傍の側板4の内面(第1収納部10A側面)と仕切り板5の内面(第1収納部10A側面)と底板2の上面と天板3の下面と第1背面板6Aの基板61Aの背面側で第1凹部8Aを形成している。
第2背面板6Bも同様に、底板2の第1開口部7A側の端部から、所定の寸法第2開口部7B側寄りの位置、すなわちオフセットした位置に配置され、第1凹部8Aと同様に、第2背面板6B近傍の側板4と仕切り板5と底板2と天板3と第2背面板6Bで第2凹部8Bを形成している。
【0016】
第1背面板6Aと第2背面板6Bは同型であるため、第1背面板6Aについてのみ説明する。
第1背面板6Aは、鋼板を折り曲げて製作される板金部材であって、矩形状の板状の基板61Aと、基板61Aの上下端をそれぞれ同方向に直角に折り曲げた上下片62A、62Aと、基板61Aの左右端をそれぞれ上下片62Aと同方向に直角に折り曲げた左右片63A、63Aで形成され、第1開口部内に隙間なく入る大きさに設定される。上下片62A、62Aには、本体固定孔64A・・・が設けられ、基板61Aには、オプション固定孔65A、65Aが設けられる。
【0017】
そして、第1背面板6Aは、収納棚本体10の10A 第1収納部10Aの開口部から該開口部を閉塞するように挿入され、本体固定孔64Aを使って、ネジにて底板2と天板3に固定される。
尚、底板2と天板3には、第1背面板6Aが指定の位置に取り付けられるように前記ネジ取付け用の孔が設けられている。そして該取り付け用の孔を前後方向に複数設けけることにより、オプション部材の厚みに合わせて段階的に第1背面板6Aを前後方向に移設が可能である。
第1背面板6Aと同型の第2背面板6Bも同様に、第2収納部10Bの開口部から該開口部を閉塞するように挿入され、本体固定孔64Bを使って、ネジにて底板2と天板3に固定される。尚、オプション部材の厚みに合わせて段階的に第2背面板6Bを前後方向への移設が可能な点も第1背面板6Aと同様である。
【0018】
オプション部材9は、オプション基材91とオプション基材91に取り付けられるオプション機能部材92で構成され、オプション部材9は、全体として第1凹部8A、あるいは、第2凹部8Bに納まる大きさに形成される。
【0019】
オプション基材91は、鋼板を折り曲げて製作される板金部材であって、矩形状の板状の基板91aと、基板91aの上下左右端をそれぞれ同方向に直角に折り曲げた四方片91b・・・と、四方片91b・・・をそれぞれ上下左右の離れる方向に直角に折り曲げられた取り付け片91c・・・にて形成され、基板91には、第1背面板6A、第2背面板6Bに設けられたオプション固定孔65A、65Bに対応した螺孔91dが設けられている。
【0020】
オプション機能部材92は、板状であって、取り付け片91c・・・に接着材や両面テープにて接着固定される。オプション機能部材92は、軟質樹脂板を基材として該基材を布地で覆ったピンナップボードや、コルクを使用したコルクボードのように、ピンを抜き差し可能な板状のもの、ホワイトボードや黒板ように書き消し可能な板状なもの、スチール板のようにマグネットが貼り付けることが可能なものなどがある。
他には、板状面を上方が後方に向かって傾斜するように傾斜させ、板状下部に前方に突出すように庇状部を設け、タブレットやスマートフォンなどの電子機器の載置台としたものがある。
【0021】
このように構成されたオプション部材9は、オプション基材91側を第1凹部8A、あるいは、第2凹部8Bに挿入し、収納棚本体10の開口部からネジにて、第1背面板6A、第2背面板6Bに設けられたオプション固定孔65A、65Bと前記螺孔91dを使用してネジ固定される。
そして、この状態で、オプション機能部材92の非接着側の表面は、底板2や天板3あるいは、側板4や仕切り板5の端部と略面一となるように、第1背面板6A、第2背面板6Bが配置されている。
【0022】
尚、オプション部材9は、
図6に示すように、オプション基材91を第1凹部8A、あるいは、第2凹部8Bに納まる大きさに形成し、オプション機能部材92が第1収納部10A、あるいは第2収納部10Bの全面に配置される大きさに設定してもよい。
この場合は、オプション基材91のみが、第1凹部8A、あるいは、第2凹部8Bに納まる位置となるように第1背面板6A、第2背面板6Bの位置が設定されて配置される。
【0023】
収納棚1をデスク100に固定するための脚部材20は、一対の縦支柱201、201と縦支柱201、201の上端間を連結する横杆202で門型に形成される。そして、縦支柱201の下面には連結部203が連結固定される。
【0024】
前述のように構成された収納棚1の底板2の下面に該脚部材20が取り付けられる。
まず、収納棚1の下面に脚部材20を所定の位置に配置し、横杆202の左右の端部で、連結用支持金具30、30にて横杆202を前後から挟み込む。横杆202の前後面には横長の溝202aが設けられており、連結用支持金具30には、該溝に入り込む係止片30aが設けられており、該係止片30aを溝202aに差し込み、連結用支持金具30を収納棚1の底板2の下面にネジ止めすることにより、脚部材20は収納棚1に固定される。
このように、脚部材20が取り付けられた収納棚1は、次のようにデスク100に設けられたレール部材600に固定される。
【0025】
デスク100に設けられたレール部材600は、デスクの長尺方向に延伸するアルミ合金部材であって、上方に開口する係合溝600aが設けられ、開口上面に対向する一対の係合片600b、600bが設けられている。
そして、脚部材20の連結部203を係合溝600aに挿入し、連結部203の上面はフランジが設けられおり、該フランジが、係合片600b、600bの上面に当接させる。この状態で収納棚1は、レール部材600に仮設置される。
次に、連結部203にネジを介して垂直軸まわりに回転自在に設けられている係合駒203a、203aを前記フランジ部から工具にてネジを回転操作する。ネジを回転操作すると係合駒203a、203aは、係合溝600a内部で回転し、係合溝600aを形成する垂直面に当接し、回転が停止する。そして、係合駒203aの回転が停止すると回転ネジの作用によって上方に上がってくることとなり、係合駒203a上面とフランジの下面で係合片600b、600bを挟み込む状態となり、収納棚1は、レール部材600に固定される。
【0026】
このように収納棚1がデスク100に設置されると、デスクを使用する執務者から見て、収納棚1の第1収納部10A、あるいは第2収納部10Bの横にオプション部材が配置される。
通常、一方側の執務者から見て、収納棚1の対向側の収納部の背面は、背面板が見えるだけで使用用途のないデッドスペースであるが、前記のようにオプション部材を設置することにより、利用可能なスペースとして有効活用できる。
また、収納部は使い勝手を考慮して一定の奥ゆきが必要となるが、収納部の背面板の裏側にオプション部材を設置することにより、該奥ゆきを利用して、より執務者に近い位置にオプション部材を設置することが可能となるので使い勝手が優れる。
特に、ホワイトボードや黒板のように、書き消しできるものは、執務者から離れた位置だと、大きく手を伸ばすか、体を乗り出して書くことになり書きにくいので、執務者により近い位置に設置される本発明の使い勝手は優れる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上のように、本発明は、収納棚の収納部を形成する背面板の背面側を有効に利用できるため、机上に設置される収納棚以外であっても、例えば、カウンタートップの収納棚、食器棚やキャビネット、ワゴンなど幅広い収納体に対して利用できる。
【符号の説明】
【0028】
100 デスク
600 レール部材
600a 係合溝
1 収納棚
10 収納棚本体
10A 第1収納部
10B 第2収納部
2 底板
3 天板
4 側板
5 仕切り板
6A 第1背面板
61A 基板
62A 上下片
63A 左右片
64A 本体固定孔
65A オプション固定孔
6B 第2背面板
7A 第1開口部
7B 第2開口部
8A 第1凹部
8B 第2凹部
9 オプション部材
91 オプション基材
91a 基板
91b 四方片
91c 取り付け片
92 オプション機能部材
20 脚部材