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特許7274895水力発電装置用集水装置および水力発電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】水力発電装置用集水装置および水力発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03B 7/00 20060101AFI20230510BHJP
   F03B 17/06 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
F03B7/00
F03B17/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019053409
(22)【出願日】2019-03-20
(65)【公開番号】P2020153311
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-09-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(72)【発明者】
【氏名】向井 浩氣
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-152645(JP,A)
【文献】特開2018-076841(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0131078(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 7/00
F03B 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水路に浸かり水力を回転力に変換する水車翼と、この水車翼の回転により発電する発電機とを備えた水力発電装置に用いられ、前記水車翼の上流側に設置されて前記水車翼に前記水路の水を集水する水力発電装置用集水装置であって、
通水孔を有し前記水路の流水を前記通水孔に集める集水板を備え、この集水板の前記通水孔の面積が、前記水車翼の外周縁部を通る円の面積より小さく、前記集水板の外周縁部から上流側に延びる矩形枠状の枠部材が設けられ、前記集水板の下流側の面に、前記通水孔の周縁部から下流側に円筒状に延びる筒状部材が取り付けられている水力発電装置用集水装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水力発電装置用集水装置において、前記通水孔の形状を前記集水板の正面視で円形とする水力発電装置用集水装置。
【請求項3】
請求項2に記載の水力発電装置用集水装置において、前記通水孔の中心と前記水車翼の回転中心とを一致させた水力発電装置用集水装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の水力発電装置用集水装置において、前記通水孔の半径を前記水車翼の回転半径の0.75倍~0.98倍にする水力発電装置用集水装置。
【請求項5】
前記水車翼と、前記発電機と、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の水力発電装置用集水装置とを備えた水力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水路に設置される水力発電装置用集水装置および水力発電装置に関し、水車翼を通過する流速を増加させ、発電効率を高める技術に関する。
【背景技術】
【0002】
水流発電装置として、水路を流れる水流を受けて回転するプロペラより上流側に枠部材を備え、この枠部材の上流側開口部の上方に壁部を有することで水流を集中させ、弱い水流であっても十分な発電を行える水流発電装置が提案されている(特許文献1)。この水流発電装置は、さらに水車より上流側に位置する枠部材の上流側開口部から下流側開口部まで開口面積を狭めることでより水流を集中させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-152645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、プロペラの羽根の回転面積を枠部材の下流側開口部の面積以下とすることで、水流を効率的に受けて発電効率を高めることを目的としている。しかしながら、プロペラより上流側にある枠部材の下流側開口部から流れる水流の一部は、プロペラの羽根が抵抗となるため、抵抗の小さいプロペラの羽根の回転半径より外側で、且つ下流側開口部より内側を通る。この範囲はプロペラの効率に寄与しない範囲であり、水流のエネルギーの一部を無駄にしている。
【0005】
この発明の目的は、水流のエネルギーを無駄なく利用することができ発電効率を高めることができる水力発電装置用集水装置および水力発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の水力発電装置用集水装置は、水路に浸かり水力を回転力に変換する水車翼と、この水車翼の回転により発電する発電機とを備えた水力発電装置に用いられ、前記水車翼の上流側に設置されて前記水車翼に前記水路の水を集水する水力発電装置用集水装置であって、
通水孔を有し前記水路の流水を前記通水孔に集める集水板を備え、この集水板の前記通水孔の面積が、前記水車翼の外周縁部を通る円の面積より小さい。
【0007】
この構成によると、集水板の通水孔を通過した水を水車翼に集水することによって、水車翼が回転し、この水車翼の回転より発電機が発電する。通水孔から出る水流の流速は、集水板よりも上流を流れる水流の流速より速く、水車翼を効率的に回転することができる。特に、集水板の通水孔の面積が、水車翼の外周縁部を通る円の面積、いわゆる回転面積より小さいため、通水孔から出る水流の全てを水力発電装置の翼に当てることができ、水流のエネルギーを無駄なく利用することができ従来技術よりも発電効率を高めることができる。
【0008】
前記通水孔の形状を前記集水板の正面視で円形としてもよい。通水孔の形状を概ね円形とすることで、水車翼を構成する複数枚のブレードのそれぞれが回転中に受ける水流のムラが小さくなり、ブレードにかかる繰り返し応力を小さくできる。このため、水車翼の寿命低下を抑えることができる。さらに水流のムラが小さくなることで、発電電力が安定する。
【0009】
前記通水孔の中心と前記水車翼の回転中心とを一致させてもよい。この場合、各ブレードが回転中に受ける水流のムラを確実に小さくすることができ、ブレードにかかる繰り返し応力を確実に小さくできる。
【0010】
前記通水孔の半径を前記水車翼の回転半径の0.75倍~0.98倍にしてもよい。
前記「0.75倍~0.98倍」とは、0.75倍以上0.98倍未満と同義である。
この場合、通水孔を通過する水流の量を十分に確保し、通水孔から出る水流の全てを水車翼に当てることができ、より効率良く水流のエネルギーを利用できる。通水孔の半径が水車翼の回転半径の0.75倍未満の場合、水車翼にかかる疲労強度が大きくなり、出力電力が安定せず機械体への負担が大きい。
【0011】
この発明の水力発電装置は、前記水車翼と、前記発電機と、この発明のいずれかに記載の水力発電装置用集水装置とを備えている。このため、この発明の水力発電装置用集水装置につき前述した各効果が得られる。
【発明の効果】
【0012】
この発明の水力発電装置用集水装置は、水路に浸かり水力を回転力に変換する水車翼と、この水車翼の回転により発電する発電機とを備えた水力発電装置に用いられ、前記水車翼の上流側に設置されて前記水車翼に前記水路の水を集水する水力発電装置用集水装置であって、通水孔を有し前記水路の流水を前記通水孔に集める集水板を備え、この集水板の前記通水孔の面積が、前記水車翼の外周縁部を通る円の面積より小さいため、水流のエネルギーを無駄なく利用することができ発電効率を高めることができる。
【0013】
この発明の水力発電装置は、前記水車翼と、前記発電機と、この発明のいずれかに記載の水力発電装置用集水装置とを備えているため、水流のエネルギーを無駄なく利用することができ発電効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の実施形態に係る水力発電装置の斜視図である。
図2】同水力発電装置を水路の上流側から見た正面図である。
図3】同水力発電装置の側面図である。
図4】同水力発電装置を水路の下流側から見た背面図である。
図5】この発明の他の実施形態に係る水力発電装置用集水装置の図である。
図6】同集水装置と水車翼との位置関係を示す図である。
図7】通水孔の直径が水車翼の直径の0.95倍の例を示す正面図である。
図8】通水孔の直径が水車翼の直径の0.75倍の例を示す正面図である。
図9】通水孔と翼先端との距離に対する発電電力の比較を示す図である。
図10】通水孔と翼先端との距離に対する発電電力の分散を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施形態]
この発明の実施形態に係る水力発電装置用集水装置および水力発電装置を図1ないし図4と共に説明する。
<水力発電装置全体の概略構成>
図1図4に示すように、この水力発電装置は、例えば、河川、用水路等の流水のある水路1に設置され、水車翼2の回転を受けて発電を行う。水路1は、例えば、それぞれコンクリート等から成る底面部1aおよび両側の側壁面部1bで構成される。各図の例では、底面部1aに対して側壁面部1bが垂直になっているが、側壁面部1bは斜めになっていてもよい。また、底面部1aと側壁面部1bの角部が図のような直角状でなく、底面部1aと側壁面部1bとが曲面で繋がっていてもよい。水力発電装置は、水力発電モジュール3と、この水力発電モジュール3を支持する支持部材4と、後述する集水装置5とを備える。
【0016】
<水力発電モジュール3について>
図3および図4に示すように、水力発電モジュール3は、水車翼2、およびこの水車翼2の回転により発電する発電機6を有する。
【0017】
<水車翼2>
水車翼2は、水路1(図1)の流水中に浸かる状態で設置され水力を回転力に変換する。水車翼2は、回転軸心(回転中心)が流水の流れる方向と平行なプロペラ型である。水車翼2は、回転軸心に設けられるハブ2aと、このハブ2aの外周面から半径方向外方に放射状に延びる複数(例えば5枚)のブレード2bとを有する。各ブレード2bの先端部は、上流側に向けて傾斜している。
【0018】
ハブ2aに同軸に回転軸(図示せず)が回転自在に支持され、この回転軸の回転は、例えば、互いに噛み合う一対の傘歯車等から成るギヤ部により増速され、且つ、回転軸心がハブ2aの同軸方向から上下方向に変換される。これら回転軸およびギヤ部は、ギヤボックスGb内に収容されている。
【0019】
<発電機6>
発電機6は、例えば、永久磁石同期型、誘導型等の三相交流発電機、または単相交流の発電機である。発電機6の入力軸6aが支持筒7内に延び、支持筒7内において、入力軸6aの下端と動力伝達軸8の上端とが、図示外の回転連結具を介して同軸に連結されている。動力伝達軸8の軸心と前記回転軸の軸心とは互いに直交するように配置されている。動力伝達軸8は、支持筒7内の軸受(図示せず)により、この支持筒7に回転自在に支持されている。したがって、前記回転軸の回転が動力伝達軸8および入力軸6aに伝達されることで、発電機6が発電する。
【0020】
<支持部材4>
図1に示すように、支持部材4は、一対の固定具9,9と、水平支持材10と、発電機台11とを有する。水路1の側壁面部1bにおける上端付近から上端部に渡り、一対の固定具9,9が水路幅方向に互いに対向するように固定されている。各固定具9は、例えば、断面L形のアングル等から形成される。水平支持材10は、一対の固定具9,9に支持される棒状部材であり、よって水平支持材10は、一対の固定具9,9により水路1の両側壁面1bの上端間に掛け渡される。水平支持材10の長手方向中間付近に発電機台11が固定され、この発電機台11に発電機6が支持されている。
【0021】
<集水装置5について>
図1図4に示すように、集水装置5は、水車翼2の上流側に設置され前記水車翼2に水路1の水を集水する。集水装置5は、集水板12と、水路1の両側部に設置されて集水板12を上下に移動可能に案内する集水板ガイド13,13とを有する。集水板12は、例えば、鋼製、樹脂製、木製またはコンクリート製等の矩形状の板部材であり、通水孔12aを有し水路1を遮断して水路1の流水を通水孔12aに集める。つまり集水板12により流水の流路断面が通水孔12aの面積により狭められるため、水車翼2を通過する水の流速が増加し、発電効率を高め得る。
【0022】
集水板12の通水孔12aの中心L1と水車翼2の回転中心L2とは、集水板12が水路1に設置された状態で一致するように配置される。換言すれば、集水板12が水路1に設置された状態において、水路1の流水中に没する状態で設置された水車翼2に対し、水路1内において同一の深さ位置で且つ同一の幅方向位置に、集水板12の通水孔12aが位置する。また集水板12は、最大高さHを、水路1の深さH1よりも低くしている。
【0023】
集水板12の通水孔12aは、この集水板12の正面視で円形の、つまり丸孔から成る貫通孔である。また通水孔12aの面積が、水車翼2における複数のブレード2bの外周縁部2baを通る円Crの面積(回転面積)より小さく設定されている。具体的には、通水孔12aの半径を水車翼2の回転半径の0.75倍以上0.98倍未満にしている。通水孔12aの半径が水車翼2の回転半径の0.75倍未満の場合、水車翼2にかかる疲労強度が大きくなり、出力電力が安定せず機械体への負担が大きい。図3に示すように、通水孔12aと翼先端との軸方向(流水の流れる方向と平行な方向)の距離xは、後述する発電電力(図9)およびその分散(図10)を加味して、試験またはシミュレーション等により設定される。前記翼先端とは、ブレード2bの外周縁部2baを意味する。
【0024】
図1および図2に示すように、各集水板ガイド13は、長手方向に垂直な断面いわゆる水平断面が凹形状の案内溝13aを有するレール部材である。この集水板ガイド13として、例えば、溝形鋼、凹断面形状の樹脂材またはコンクリート材等が適用される。その他、溝形に曲げ加工した鋼板、鋼材または樹脂材を凹断面形状に機械加工した部材であってもよい。両集水板ガイド13,13の案内溝13a,13aが互いに水路幅方向に対向するように、水路1の両側の側壁面部1bに、集水板ガイド13,13が上下方向に沿ってそれぞれ設置される。両集水板ガイド13,13の案内溝13a,13aに、集水板12の両側縁部が案内される。よって、集水板12は、集水板ガイド13,13により上下に移動可能に案内される。
【0025】
<作用効果>
以上説明した集水装置5および水力発電装置によれば、集水板12の通水孔12aを通過した水を水車翼2に集水することによって、水車翼2が回転し、この水車翼2の回転より発電機6が発電する。通水孔12aから出る水流の流速は、集水板12よりも上流を流れる水流の流速より速く、水車翼2を効率的に回転することができる。特に、集水板12の通水孔12aの面積が、水車翼2の外周縁部2baを通る円Crの面積、いわゆる回転面積より小さいため、通水孔12aから出る水流の全てを水力発電装置の翼に当てることができ、水流のエネルギーを無駄なく利用することができ従来技術よりも発電効率を高めることができる。特に、通水孔12aの半径を水車翼2の回転半径の0.75倍~0.98倍にしているため、通水孔12aを通過する水流の量を十分に確保し、通水孔12aから出る水流の全てを水車翼2に当てることができ、より効率良く水流のエネルギーを利用できる。
【0026】
通水孔12aの形状を概ね円形とすることで、水車翼2を構成する複数枚のブレード2bのそれぞれが回転中に受ける水流のムラが小さくなり、ブレード2bにかかる繰り返し応力を小さくできる。このため、水車翼2の寿命低下を抑えることができる。さらに水流のムラが小さくなることで、発電電力が安定する。また通水孔12aの中心L1と水車翼2の回転中心L2とを一致させているため、各ブレード2bが回転中に受ける水流のムラを確実に小さくすることができ、ブレード2bにかかる繰り返し応力を確実に小さくできる。
【0027】
集水板ガイド13を水路1の両側部に設置したうえで、集水板12を集水板ガイド13,13に沿って挿入するだけで集水装置5を容易に設置することができる。
集水板12は、この最大高さHを、水路1の深さH1よりも低くしたため、水車翼2の上流側の水路1の水位が上昇しても、水が集水板12を超えて流れるようになり、水路1から水が溢れることを未然に防止することができる。
【0028】
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0029】
図5は他の実施形態に係る水力発電装置用集水装置5Aの図である。図5(a)はこの集水装置5Aの正面図、図5(b)は同集水装置5Aの側面図、図5(c)は同集水装置5Aの斜視図である。図6は前記集水装置5Aと水車翼2との位置関係を示す図である。
この集水装置5Aでは、集水板12の外周縁部から上流側に延びる矩形枠状の枠部材18が取り付けられている。枠部材18における両側壁部18a,18aは、上流側に向かうに従って互いに幅広となる方向に傾斜する。また枠部材18における下側壁部18bは、上流側に向かうに従って下方向に傾斜する。
【0030】
さらに集水板12の下流側の面のうち、通水孔12aの周縁部から下流側に円筒状に延びる筒状部材(排出管部)14が取り付けられている。この筒状部材14は水車翼2に干渉しない位置に配置される。このような枠部材18により通水孔12aの上流側に流水を効率良く集め得る。また筒状部材14により通水孔12aから出る水流の全てを水力発電装置の翼に効率良く当てることが可能となる。その他前述の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0031】
図7は、前記集水装置5Aにおいて、通水孔12aの直径が水車翼2の直径の0.95倍の例を示す正面図である。図8は、前記集水装置5Aにおいて、通水孔12aの直径が水車翼2の直径の0.75倍の例を示す正面図である。
図9は、通水孔と翼先端との距離に対する発電電力の比較を示す図である。通水孔の直径が翼直径未満(グラフ中「1」未満の線)の場合と、通水孔の直径が翼直径以上(グラフ中「1」以上の線)の場合との、発電電力を比較している。通水孔径比(=通水孔直径/翼直径)が「0.75」の場合と「0.74」の場合とで発電電力に差はない。
【0032】
図10は、通水孔と翼先端との距離に対する発電電力の分散を示す図である。
通水孔径比(=通水孔直径/翼直径)が「1」に近い場合、発電電力の分散が小さい。すなわち、安定した発電電力が得られ、翼にかかる疲労荷重も小さく機械体への負荷も小さい。通水孔径比が「0.75」と「0.74」とは、発電電力の分散が大きく、通水孔径比「0.74」は発電電力が最大となる通水孔と翼先端との距離で分散が大きい。すなわち発電電力が安定せず、翼にかかる疲労荷重が大きくなり機械体への負担が大きい。
【0033】
集水板12の通水孔12aは、丸孔だけに限定されるものではなく、例えば、楕円形であってもよい。また通水孔12aの中心L1と水車翼2の回転中心L2とは、不一致であってもよい。
集水板ガイド13を無くし、集水板12を水路1に固定的に設置してもよい。
枠部材18がある集水装置5Aにおいて、例えば、水路全体を遮断せずに流路途中に集水装置5Aを設置してもよい。
枠部材18がある集水装置5Aにおいて、筒状部材14を省略することも可能である。
【0034】
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0035】
1…水路、2…水車翼、2ba…外周縁部、5…集水装置、6…発電機、12…集水板、12a…通水孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10