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特許7274925商品販売データ処理システム、決済装置及びその制御プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】商品販売データ処理システム、決済装置及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20230510BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
G07G1/12 331H
G07G1/12 361D
G07G1/12 321K
G07G1/01 301E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019081992
(22)【出願日】2019-04-23
(65)【公開番号】P2020181248
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】山崎 幸芳
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-032606(JP,A)
【文献】特開2001-188967(JP,A)
【文献】特開2019-040442(JP,A)
【文献】特開2017-130051(JP,A)
【文献】特開2017-215794(JP,A)
【文献】特開2017-157090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録装置とネットワークで接続され、当該登録装置で登録された商品の決済を行う決済装置であって、
前記登録装置で一取引として登録された商品の会計データを取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した前記会計データに基づき、前記一取引として登録された各商品の合計金額を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された合計金額を、その合計金額の支払いを受け付ける第1のボタン及び税率の変更を受け付ける第2のボタンとともに一画面に表示する第1表示手段と、
前記第2のボタンが操作されると、前記会計データに基づき、前記一取引として登録された商品別に登録時の第1の税率を示す登録明細リストを表示する第2表示手段と、
前記登録明細リストの中から税率を変更する商品の選択を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により選択を受け付けた商品に課せられる税の税額を、前記登録時の第1の税率で算出されていた第1の税額から変更後の第2の税率で算出された第2の税額に変更する税額変更手段と、
前記税額変更手段により変更された第2の税額で前記合計金額を算出し直して、前記第1のボタン及び前記第2のボタンとともに一画面に表示する第3表示手段と、
前記第1のボタンが操作されると、当該第1のボタンとともに表示されている前記合計金額に基づいて取引を決済する決済手段と、
を具備する決済装置。
【請求項2】
前記取得手段で取得した会計データは、商品の価格とその商品に課せられる税の前記第1の税率とを含み、
前記税額変更手段は、前記価格と前記第1の税率とから算出されていた第1の税額を、当該価格と前記第2の税率とから算出される第2の税額に変更する、請求項1記載の決済装置。
【請求項3】
前記取得手段で取得した会計データは、前記商品の価格が税額を含む税込み価格なのか税額を含まない税抜き価格なのかを識別する税種情報をさらに含み、
前記税額変更手段は、前記税種情報が税込み価格を示す場合には、前記商品の価格を第1の税額を含む税込み価格から第2の税額を含む税込み価格へと変更する、請求項2記載の決済装置。
【請求項4】
前記受付手段は、税率を変更する商品の個数の入力をさらに受け付け、
前記税額変更手段は、前記受付手段により選択を受け付けた商品のうち、入力された個数の商品に課せられる税の税額を、前記登録時の第1の税率で算出されていた第1の税額から変更後の第2の税率で算出された第2の税額に変更する、請求項1記載の決済装置。
【請求項5】
登録された商品のデータを生成する登録装置と、
請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の決済装置と、
を備えた商品販売データ処理システム。
【請求項6】
登録装置で登録された商品の決済を行う決済装置としてのコンピュータを、
前記登録装置で一取引として登録された商品の会計データを取得する取得手段、
前記取得手段で取得した前記会計データに基づき、前記一取引として登録された各商品の合計金額を算出する算出手段、
前記算出手段により算出された合計金額を、その合計金額の支払いを受け付ける第1のボタン及び税率の変更を受け付ける第2のボタンとともに一画面に表示する第1表示手段、
前記第2のボタンが操作されると、前記会計データに基づき、前記一取引として登録された商品別に登録時の第1の税率を示す登録明細リストを表示する第2表示手段、
前記登録明細リストの中から税率を変更する商品の選択を受け付ける受付手段、
前記受付手段により選択を受け付けた商品に課せられる税の税額を、前記登録時の第1の税率で算出されていた第1の税額から変更後の第2の税率で算出された第2の税額に変更する税額変更手段、
前記税額変更手段により変更された第2の税額で前記合計金額を算出し直して、前記第1のボタン及び前記第2のボタンとともに一画面に表示する第3表示手段、及び、
前記第1のボタンが操作されると、当該第1のボタンとともに表示されている前記合計金額に基づいて取引を決済する決済手段、
として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理システム及びこのシステムに用いられる決済装置並びにこの決済装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の消費に対して税が課せられる税制に関しては、飲料品又は食料品等のように生活に直接関与する商品の税率を他の商品よりも低く抑える、いわゆる軽減税率制度がある。軽減税率制度では、軽減税率の対象となる商品に対する税率は、対象とならない商品に対する通常税率よりも低くなる。ただし、軽減税率の対象となる商品であっても、消費の形態によっては対象とならないケースがあり得る。例えば、軽減税率の対象となる商品が「外食を除く飲料品又は食料品」と定義されていた場合、店舗で購入した飲料品又は食料品を持ち帰る、いわゆる持ち帰りであれば、軽減税率の対象となる。しかし、店舗内で飲料品又は食料品を飲食する、いわゆる店内飲食又はイートインの場合には外食扱いとなるため、軽減税率の対象とはならない。
【0003】
購入した飲料品又は食料品を持ち帰るのか店舗内で飲食するのかは、消費者が決める事柄である。このため、店内飲食が可能な店舗の店員は、軽減税率の対象となる食料品等を購入した消費者が店内飲食を申し出た場合に、軽減税率ではなく通常税率でその商品の販売データが処理されるように、商品販売データ処理システムの端末、いわゆるPOS(Point Of Sales)端末を操作する必要がある。
【0004】
近年、量販店向けの商品販売データ処理システムとして、登録装置と決済装置とを分離し、登録装置は店員が操作し、決済装置は客自身が操作するようにしたセミセルフ方式のものが知られている。この種の商品販売データ処理システムにおいては、例えば登録装置では持帰るものとして登録された食料品等を、決済装置での決済の段階で店内飲食とするために税率を変更することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-215794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、商品に課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合でも簡単な操作で対処できる決済装置及びこの決済装置を備えた商品販売データ処理システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、登録装置とネットワークで接続され、当該登録装置で登録された商品の決済を行う決済装置は、取得手段と、受付手段と、税額変更手段と、決済手段と、を備える。取得手段は、登録装置で登録された商品のデータを取得する。受付手段は、商品の中から税率を変更する商品の選択を受け付ける。税額変更手段は、受付手段により選択を受け付けた商品に課せられる税の税額を、変更前の第1の税率で算出されていた第1の税額から変更後の第2の税率で算出された第2の税額に変更する。決済手段は、受付手段により税率を変更する商品の選択を受け付けた場合には第2の税額を含む商品の合計金額に基づいて取引を決済する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る商品販売データ処理システムの模式図。
図2】商品マスタファイルに保存される商品レコードのデータ構造を示す模式図。
図3】商品販売データ処理システムを構成する登録装置の要部回路構成を示すブロック図。
図4】登録装置のメインメモリに形成される主要なワークエリアを示す模式図。
図5】商品販売データの主要なデータ構造を示す模式図。
図6】商品販売データ処理システムを構成する決済装置の要部回路構成を示すブロック図。
図7】決済装置のメインメモリに形成される主要なワークエリアを示す模式図。
図8】登録装置のプロセッサが実行するスキャニング処理の主要な手順を示す流れ図。
図9図8に示される外税処理の主要な手順を示す流れ図。
図10図8に示される内税処理の主要な手順を示す流れ図。
図11】決済装置のプロセッサが実行する主要な処理の手順を示す流れ図。
図12図11に示される税率変更処理の主要な手順を示す流れ図。
図13図12に示される外税税率変更処理の具体的な手順を示す流れ図。
図14図12に示される外税税率変更処理の具体的な手順を示す流れ図。
図15図12に示される外税税率変更処理の具体的な手順を示す流れ図。
図16図12に示される内税税率変更処理の具体的な手順を示す流れ図。
図17図12に示される内税税率変更処理の具体的な手順を示す流れ図。
図18図12に示される内税税率変更処理の具体的な手順を示す流れ図。
図19】決済装置のタッチパネルに表示される支払方法選択画面の一例を示す模式図。
図20】決済装置のタッチパネルに表示される登録明細リスト画面の一例を示す模式図。
図21】決済装置のタッチパネルに表示される第1確認画面の一例を示す模式図。
図22】決済装置のタッチパネルに表示される第2確認画面の一例を示す模式図。
図23】決済装置のタッチパネルに表示される登録明細リスト画面の一例を示す模式図。
図24】決済装置のタッチパネルに表示される第1確認画面の一例を示す模式図。
図25】決済装置のタッチパネルに表示される第2確認画面の一例を示す模式図。
図26】決済装置のタッチパネルに表示される登録明細リスト画面の一例を示す模式図。
図27】決済装置から発行されるレシートの一印刷例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、登録装置と決済装置とを備えたセミセルフ方式の商品販売データ処理システムを例示する。具体的には、商品に課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合でも、決済装置において簡単な操作で対処できるようにした例である。
【0010】
図1は、本実施形態に係る商品販売データ処理システム10の模式図である。商品販売データ処理システム10は、複数台の登録装置11と、決済装置12と、サーバ13と、これらを接続するネットワーク14と、を含む。ネットワーク14は、典型的にはLAN(local area network)である。登録装置11と決済装置12とは、サーバ13を介して情報を授受する。登録装置11と決済装置12とは、サーバ13を介さずに情報を授受してもよい。また、登録装置11と他の登録装置11又は決済装置12と他の決済装置12とが、それぞれサーバ13を介して、あるいはサーバ13を介さずに情報を授受することも可能である。ネットワーク14は、LANに代えて、インターネットや無線LAN等の別の通信網を用いてもよい。
【0011】
登録装置11及び決済装置12は、店舗のチェックアウトレーン毎に配置される。図1では、2台の登録装置11と6台の決済装置12とを2つのチェックアウトレーンに配置した場合を示している。具体的には、1つのチェックアウトレーンに対して1台の登録装置11と3台の決済装置12(12-1、12-2、12-3)とを配置した例を図示している。商品販売データ処理システム10が、登録装置11及び決済装置12をそれぞれ何台含むかは任意である。また、チェックアウトレーンに配置される登録装置11と決済装置12との台数の比も任意である。
【0012】
登録装置11は、チェッカと呼ばれる役割を担った店員21が、その操作者となる。決済装置12は、店舗で販売される商品を購入する客22が、その操作者となる。すなわち商品販売データ処理システム10は、セミセルフ方式である。このような商品販売データ処理システム10は、セミセルフ方式のチェックアウトシステムとも称される。
【0013】
登録装置11は、図1においては、作業テーブル23に取り付けられる。作業テーブル23は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル23が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、客22のための通路、いわゆるチェックアウトレーンが形成される。
【0014】
登録装置11は、販売商品の登録、会計データの生成及び会計データの決済装置12への送信の各機能を備える。販売商品の登録とは、客22が購入する商品を販売商品として登録装置11に登録することである。例えば、商品に付されたバーコードをスキャナで読み取ることにより、当該商品が販売商品として登録装置11に登録される。会計データとは、1つの取引として登録された販売商品の会計に係るデータであり、後述する決済処理に用いられる。
【0015】
決済装置12は、会計データの受信、会計データの他の決済装置12への転送、並びに決済処理の機能を備える。決済処理とは、会計データを基に商品売買行為である取引の決済を処理することである。決済には、現金、クレジットカード、電子マネー等が代金の支払方法として利用される。決済装置12は、登録装置11あるいは他の決済装置12から会計データを受信した場合に、その会計データを基に取引の決済を処理する。
【0016】
なお、決済には、商品券等の金券が代金の支払方法として利用される場合もある。金券による決済の際には、店員が金券を確認する必要がある。このため登録装置11は、決済処理の機能も有しており、主に金券による決済を処理できるようになっている。登録装置11は、さらには単体で、現金、クレジットカード、電子マネー等による決済を処理できるようになっている。
【0017】
サーバ13は、商品マスタファイル15を備える。商品マスタファイル15は、サーバ13が内蔵する記憶装置に形成されていてもよいし、サーバ13の外部に接続された記憶装置に形成されていてもよい。
【0018】
商品マスタファイル15は、商品レコード15R(図2を参照)を保存する。商品レコード15Rは、商品毎に作成される。商品レコード15Rの主要なデータ構造を図2の模式図で表す。図2に示すように、商品レコード15Rは、商品コード、商品名、単価、税率、税種、属性等のデータ項目を含む。
【0019】
商品コードは、各商品を識別するために商品毎に設定された固有のコードである。通常、各商品には、商品コードをバーコード化したバーコードシンボル、若しくは二次元データコード化した2次元データコードシンボルが付されている。あるいは、商品コードを記憶したRFID(Radio Frequency Identification)タグが付されていてもよい。登録装置11は、上記のバーコードシンボル、2次元データコードシンボル又はRFIDタグのデータを読取装置で読み取ることで、商品販売データを登録処理することができる。
【0020】
商品名及び単価は、商品コードで識別される商品の名称及び1点当たりの価格である。以下、商品コードで識別される商品を当該商品と表す。税率は、当該商品の消費に課せられる税の税率である。当該商品が軽減税率制度の対象となる商品、いわゆる軽減税率の商品でない場合、税率は通常税率10%である。当該商品が軽減税率の商品の場合、税率は軽減税率8%である。このように本実施形態では、軽減税率の商品である飲料品又は食料品については持帰りを前提として商品レコード15Rが作成されている。
【0021】
税種は、税額が価格に含まれている内税なのか、価格に含まれていない外税なのか、あるいは税が課せられない非課税なのかを識別する情報である。本実施形態では、内税の税種を“3”とし、外税の税種を“2”とし、非課税の税種を“1”とする。税種が外税又は非課税の商品の場合、単価は本体価格である。税種が内税の商品の場合、単価は本体価格に税率分の税額を加算した税込み価格である。つまり、税種が内税で且つ税率が通常税率の商品の単価は、10%の税込み価格となる。税種が内税で且つ税率が軽減税率の商品の単価は8%の税込み価格となる。
【0022】
属性は、軽減税率制度の対象となる商品なのか否かを識別する情報である。本実施形態の場合、外食を除く飲料品又は食料品が軽減税率制度の対象となる。このため、飲料品又は食料品の属性は、軽減税率制度の対象となる商品であることを示す情報となる。その他の商品の属性は、軽減税率制度の対象とならない商品であることを示す情報となる。
【0023】
図3は、登録装置11の要部回路構成を示すブロック図である。登録装置11は、プロセッサ11a、メインメモリ11b、補助記憶デバイス11c、通信ユニット11d、キーボード11e、スキャナ11f、タッチパネル11g、客用ディスプレイ11h、プリンタ11i、ドロワ開放機構11j及びシステム伝送路11kを備える。システム伝送路11kは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路11kは、プロセッサ11aと、メインメモリ11b、補助記憶デバイス11c、通信ユニット11d、キーボード11e、スキャナ11f、タッチパネル11g、客用ディスプレイ11h、プリンタ11i及びドロワ開放機構11jとを相互に接続する。プロセッサ11a、メインメモリ11b及び補助記憶デバイス11cがシステム伝送路11kで接続されることにより、登録装置11のコンピュータが構成される。
【0024】
プロセッサ11aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11aは、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、登録装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11aは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0025】
メインメモリ11bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ11bは、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ11bは、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ11bは、プロセッサ11aが各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ11bは、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11aによってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0026】
補助記憶デバイス11cは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス11cとなり得る。補助記憶デバイス11cは、プロセッサ11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ11aでの処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス11cは、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0027】
メインメモリ11b又は補助記憶デバイス11cに記憶されるアプリケーションプログラムには、登録装置11で実行される情報処理に関して記述した制御プログラム、いわゆる登録プログラムが含まれる。登録プログラムをメインメモリ11b又は補助記憶デバイス11cにインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に登録プログラムを記録して、あるいはネットワーク14を介した通信により登録プログラムを配信して、メインメモリ11b又は補助記憶デバイス11cにインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0028】
通信ユニット11dは、ネットワーク14を介して接続されたサーバ13及び決済装置12との間でデータ通信を行う。通信ユニット11dは、ネットワーク14を介して接続された他の登録装置11との間でデータ通信を行うこともできる。
【0029】
キーボード11eは、テンキー、乗算キー、小計キー、送信キー、クリアキー等の周知のキーを配置した登録装置専用のキーボードである。キーボード11eは、テンキーを備えた汎用のキーボードに、乗算キー、小計キー、送信キー、クリアキー等の機能を割り当てたものであってもよい。
【0030】
スキャナ11fは、バーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。スキャナ11fは、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0031】
タッチパネル11gは、入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル11gは、登録装置11のオペレータである店員に対して情報の表示を行い、その店員による操作入力を受け付ける。
【0032】
客用ディスプレイ11hは、登録装置11において購入する商品の登録が行われている客に対して情報の表示を行う。
【0033】
プリンタ11iは、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ11iとしては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を利用できる。
【0034】
ドロワ開放機構11jは、現金または商品券、クーポン券等の金券を収容するためのドロワを開放動作させる。
【0035】
このような登録装置11のハードウェアとしては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。
【0036】
登録装置11は、図4に示すように、メインメモリ11bの揮発性領域に、ワークエリアとして、商品登録エリア31、外税額エリア32、内税額エリア33、第1合計器34、第2合計器35、第3合計器36、第4合計器37及び第5合計器38を形成している。
【0037】
商品登録エリア31は、1取引として販売登録された商品毎に生成される商品販売データ50(図5を参照)を記憶するためのエリアである。
【0038】
図5は、商品販売データ50の主要なデータ構造を示す模式図である。商品販売データ50は、商品コード、商品名、単価、税率、税種、属性、数量、価格、税表示ステータス、変更フラグ等のデータ項目を含む。商品コード、商品名、単価、税率、税種及び属性は、商品レコード15Rのデータである。数量は、販売点数である。価格は、単価と数量とから算出された金額である。税表示ステータス及び変更フラグについては、後述する。
【0039】
外税額エリア32は、1取引として販売登録された商品の消費に課せられる税の税額のうち、価格に含まれていない税額、いわゆる外税額を記憶するためのエリアである。内税額エリア33は、1取引として販売登録された商品の消費に課せられる税の税額のうち、価格に含まれている税額、いわゆる内税額を記憶するためのエリアである。
【0040】
第1合計器34は、1取引として販売登録された商品の価格を合計するためのエリアである。第2合計器35は、1取引として販売登録された商品のなかで、税種が外税で且つ税率が通常税率の商品の価格を合計するためのエリアである。第3合計器36は、1取引として販売登録された商品のなかで、税種が外税で且つ税率が軽減税率の商品の価格を合計するためのエリアである。第4合計器37は、1取引として販売登録された商品のなかで、税種が内税で且つ税率が通常税率の商品の価格を合計するためのエリアである。第5合計器38は、1取引として販売登録された商品のなかで、税種が内税で且つ税率が軽減税率の商品の価格を合計するためのエリアである。
【0041】
図6は、決済装置12の要部回路構成を示すブロック図である。決済装置12は、プロセッサ12a、メインメモリ12b、補助記憶デバイス12c、通信ユニット12d、スキャナ12e、タッチパネル12f、プリンタ12g、リーダ・ライタ12h、釣銭機12i、ランプ12j及びシステム伝送路12kを備える。システム伝送路12kは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路12kは、プロセッサ12aと、メインメモリ12b、補助記憶デバイス12c、通信ユニット12d、スキャナ12e、タッチパネル12f、プリンタ12g、リーダ・ライタ12h、釣銭機12i及びランプ12jとを相互に接続する。プロセッサ12a、メインメモリ12b及び補助記憶デバイス12cがシステム伝送路12kで接続されることにより、決済装置12のコンピュータが構成される。
【0042】
プロセッサ12aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ12aは、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、決済装置12としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ12aは、例えばCPUである。
【0043】
メインメモリ12bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12bは、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12bは、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ12bは、プロセッサ12aが各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12bは、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ12aによってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0044】
補助記憶デバイス12cは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス12cとなり得る。補助記憶デバイス12cは、プロセッサ12aが各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ12aでの処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス12cは、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0045】
メインメモリ12b又は補助記憶デバイス12cに記憶されるアプリケーションプログラムには、決済装置12で実行される情報処理に関して記述した制御プログラム、いわゆる決済プログラムを含む。決済プログラムをメインメモリ12b又は補助記憶デバイス12cにインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に決済プログラムを記録して、あるいはネットワーク14を介した通信により決済プログラムを配信して、メインメモリ12b又は補助記憶デバイス12cにインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0046】
通信ユニット12dは、ネットワーク14を介して接続されたサーバ13又は登録装置11との間でデータ通信を行う。通信ユニット12dは、ネットワーク14を介して接続された他の決済装置12との間でデータ通信を行うこともできる。
【0047】
スキャナ12eは、バーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。スキャナ12eは、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0048】
タッチパネル12fは、入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル12fは、決済装置12のオペレータである客に対して情報の表示を行い、その客による操作入力を受け付ける。
【0049】
プリンタ12gは、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ12gとしては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を利用できる。
【0050】
リーダ・ライタ12hは、カード,スマートフォン等の媒体に記録されたデータを読み取る機能と、上記媒体へデータを書き込む機能とを有する。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカード等の決済用カードの他に、メンバーズカードやポイントカード等と称される会員カードを含み得る。リーダ・ライタ12hは、磁気式、接触式、あるいは非接触式のいずれのデバイスであってもよいし、また複数種のデバイスを含んでいてもよい。
【0051】
釣銭機12iは、投入される硬貨及び紙幣を収受する。また釣銭機12iは、釣銭としての硬貨及び紙幣を排出する。
【0052】
ランプ12jは、例えば赤色と緑色の二色の発光体を有する。ランプ12jは、決済装置12に対応付けてその近傍に立設されたポールの頂部に設けられており、対応する決済装置12の状態に応じて、例えば赤色又は緑色で点灯する。
【0053】
このような決済装置12のハードウェアとしては、例えば既存のセルフ式の商品販売データ処理システムに対応したPOS端末、いわゆるセルフレジを利用することが可能である。
【0054】
決済装置12は、図7に示すように、メインメモリ12bの揮発性領域に、ワークエリアとして、商品登録エリア41、外税額エリア42、内税額エリア43、第1合計器44、第2合計器45、第3合計器46、第4合計器47、第5合計器48及び支払いデータエリア49を形成している。商品登録エリア41、外税額エリア42、内税額エリア43、第1合計器44、第2合計器45、第3合計器46、第4合計器47及び第5合計器48については、登録装置11に設けられた同名のワークエリア31~38と同じ機能を有しているので、説明は省略する。
【0055】
支払いデータエリア49は、支払いデータを記憶する。例えば現金支払いの場合には、預り金額と釣銭額のデータが支払いデータエリア49に記憶される。例えばクレジットカード支払いの場合には、クレジットカードによる支払金額のデータが支払いデータエリアに記憶される。例えば電子マネー支払いの場合には、電子マネーによる支払い金額のデータが支払いデータエリアに記憶される。
【0056】
次に、商品販売データ処理システム10を構成する一台の登録装置11と、その登録装置11で買上商品が販売登録された取引の決済を処理する一台の決済装置12との動作について説明する。決済装置12は、登録装置11が設置されているチェックアウトレーンに配置されている3台の決済装置12-1,12-2,12-3のうちのいずれか1台である。決済装置12は、登録装置11が設置されているチェックアウトレーンとは異なるチェックアウトレーンに配置されている3台の決済装置12-1,12-2,12-3のうちのいずれか1台であることもあり得る。
【0057】
動作を説明するにあたり、以下のA~Eの5品目、計15点を購入する客との取引を処理する場合について例示する。
・A:商品名「商品A」、単価「100円」、税種「非課税」、税率「通常税率」、買上点数「1」。
・B:商品名「商品B」、単価「100円」、税種「外税」、属性「通常税率」、買上点数「2」。
・C:商品名「商品C」、単価「100円」、税種「内税」、属性「通常税率」、買上点数「3」。
・D:商品名「商品D」、単価「100円」、税種「外税」、属性「軽減税率」、買上点数「4」。
・E:商品名「商品E」、単価「100円」、税種「内税」、属性「軽減税率」、買上点数「5」。
【0058】
このような取引に対し、登録装置11のオペレータである店員は、通常、以下のとおり登録装置11を操作して、買上商品の販売登録を行う。
・操作1.商品Aのコードシンボルをスキャナ11fでスキャニングする。
・操作2.テンキーで買上点数「2」を置数し、乗算キーを入力した後、商品Bのコードシンボルをスキャナ11fでスキャニングする。
・操作3.テンキーで買上点数「3」を置数し、乗算キーを入力した後、商品Cのコードシンボルをスキャナ11fでスキャニングする。
・操作4.テンキーで買上点数「4」を置数し、乗算キーを入力した後、商品Dのコードシンボルをスキャナ11fでスキャニングする。
・操作5.テンキーで買上点数「5」を置数し、乗算キーを入力した後、商品Eのコードシンボルをスキャナ11fでスキャニングする。
【0059】
なお、操作1~操作5の順序は、特に限定されない。また、操作1~操作5に関しては、登録装置11の機種によっては乗算キーの入力を省略する場合もある。あるいは、先にコードシンボルをスキャニングし、後から買上点数を入力する場合もある。
【0060】
図8乃至図10は、操作1~操作5に応じて登録装置11のプロセッサ11aが実行するスキャニング処理の手順を示す流れ図である。登録装置11のプロセッサ11aは、メインメモリ11bまたは補助記憶デバイス11cで記憶されている登録プログラムに従いスキャニング処理を実行する。なお、スキャニング処理の手順はこれに限定されるものではない。同様な結果を得ることが可能であれば、手順を種々変形して実施することができる。
【0061】
プロセッサ11aは、スキャナ11fでコードシンボルがスキャニングされると、スキャニング処理を開始する。先ず、プロセッサ11aは、ACT1としてコードシンボルのデータに商品コードが含まれているか否かを確認する。商品コードが含まれていない場合、プロセッサ11aは、ACT1においてNOと判定し、他の処理を実行する。例えば、割引券に印刷されているコードシンボルがスキャニングされた場合、プロセッサ11aは、割引処理を実行する。
【0062】
操作1乃至操作5においては、コードシンボルのデータに商品コードが含まれている。プロセッサ11aは、ACT1においてYESと判定し、ACT2へと進む。プロセッサ11aは、ACT2として商品コードで識別される商品の商品データを取得する。具体的には、プロセッサ11aは、サーバ13に対して商品データの問合せを行うように通信ユニット11dを制御する。この制御により、通信ユニット11dからサーバ13に対して商品データの問合せコマンドが発信される。問合せコマンドには、コードシンボルのデータから得られた商品コードが含まれる。
【0063】
問合せコマンドは、ネットワーク14を介してサーバ13へと送信される。問合せコマンドを受信したサーバ13は、商品マスタファイル15を検索して、当該コマンドに含まれる商品コードが記述された商品レコード15Rを読み出す。そしてサーバ13は、この商品レコード15Rのデータを含む応答コマンドを、問合せコマンド送信元の登録装置11に宛てて送信する。応答コマンドは、ネットワーク14を介して登録装置11の通信ユニット11dで受信される。かくしてプロセッサ11aは、商品コードで識別される商品の商品データ、すなわち商品名、単価、税率、税種、属性等を取得する。
【0064】
商品データを取得したプロセッサ11aは、ACT3としてその商品データの単価に数量を乗算して価格を算出する。そしてプロセッサ11aは、ACT4としてその価格を第1合計器34に加算する。因みに、ACT3の処理において、スキャニングの前にテンキーK1と乗算キーK3とにより乗数が入力されていた場合にはその乗数が数量となる。乗数が入力されていない場合には“1”が数量となる。すなわち操作1では、数量は“1”となる。操作2では、数量は“2”となる。操作3、操作4、操作5では、数量はそれぞれ“3”、“4”、“5”となる。
【0065】
プロセッサ11aは、ACT5として商品データの税種が“1”であるか否かを確認する。ここで、税種が“1”、つまり非課税商品の商品データであった場合には、プロセッサ11aは、ACT5においてYESと判定し、ACT6へと進む。プロセッサ11aは、ACT6として税表示ステータスを“1”に設定する。税表示ステータスは、3ビットのデータである。すなわち税表示ステータスは、“0”から“7”までの値をとることができる。税表示ステータスは、メインメモリ11bの揮発性領域に記憶されている。
【0066】
税種が“1”以外であった場合には、プロセッサ11aは、ACT5においてNOと判定し、ACT7へと進む。すなわち、価格に税額が含まれていない外税商品又は価格に税額が含まれている内税商品の商品データであった場合には、プロセッサ11aは、ACT7として商品データの税種が“2”であるか否かを確認する。税種が“2”、つまり外税商品の商品データであった場合には、プロセッサ11aは、ACT7においてYESと判定し、ACT8へと進む。プロセッサ11aは、ACT8として外税処理を実行する。
【0067】
税種が“3”、つまり内税商品の商品データであった場合には、プロセッサ11aは、ACT7においてNOと判定し、ACT9へと進む。プロセッサ11aは、ACT9として内税処理を実行する。
【0068】
図9は、外税処理の主要な手順を示す流れ図である。操作2又は操作4の場合、外税処理が実行される。外税処理に入ると、プロセッサ11aは、ACT21として商品データの属性を基に、スキャニングされた商品コードで特定される商品が軽減税率の商品であるか否かを確認する。
【0069】
操作2の場合、商品は軽減税率の商品ではない。プロセッサ11aは、ACT21においてNOと判定し、ACT22へと進む。プロセッサ11aは、ACT22として第2合計器35に価格を加算する。価格は、ACT3の処理で算出されている。プロセッサ11aは、ACT23として税表示ステータスを“2”に設定する。
【0070】
操作4の場合、商品は軽減税率の商品である。プロセッサ11aは、ACT21においてYESと判定し、ACT24へと進む。プロセッサ11aは、ACT24として軽減ステータスを“1”に設定する。プロセッサ11aは、ACT25として第3合計器36に価格を加算する。プロセッサ11aは、ACT26として税表示ステータスを“3”に設定する。
【0071】
プロセッサ11aは、ACT23又はACT26の処理により税表示ステータスを“2”または“3”に設定すると、ACT27へと進む。プロセッサ11aは、ACT27として次の(1)式により第2合計器35の金額P1と通常税率10%(=0.1)とから通常外税額Q1を算出する。
【0072】
Q1=P1*0.1 …(1)
またプロセッサ11aは、ACT28として次の(2)式により第3合計器36の金額P2と軽減税率8%(=0.08)とから軽減外税額Q2を算出する。
【0073】
Q2=P2*0.08 …(2)
そしてプロセッサ11aは、ACT29として外税額エリア32の外税額Q3を、通常外税額Q1と軽減外税額Q2とを合計した金額に更新する。以上で、プロセッサ11aは、外税処理を終了する。
【0074】
図10は、内税処理の主要な手順を示す流れ図である。操作3又は操作5の場合、内税処理が実行される。内税処理に入ると、プロセッサ11aは、ACT31として商品データの属性を基に、スキャニングされた商品コードで特定される商品が軽減税率の商品であるか否かを確認する。
【0075】
操作3の場合、商品は軽減税率の商品ではない。プロセッサ11aは、ACT31においてNOと判定し、ACT32へと進む。プロセッサ11aは、ACT32として第4合計器37に価格を加算する。プロセッサ11aは、ACT33として税表示ステータスを“4”に設定する。
【0076】
操作5の場合、商品は軽減税率の商品である。プロセッサ11aは、ACT31においてYESと判定し、ACT34へと進む。プロセッサ11aは、ACT34として軽減ステータスを“2”に設定する。プロセッサ11aは、ACT35として第5合計器38に価格を加算する。プロセッサ11aは、ACT36として税表示ステータスを“5”に設定する。
【0077】
プロセッサ11aは、ACT33又はACT36の処理により税表示ステータスを“4”または“5”に設定すると、ACT37へと進む。プロセッサ11aは、ACT37として次の(3)式により第4合計器37の金額P3と通常税率10%(=0.1)とから通常内税額Q4を算出する。
【0078】
Q4=P3-[P3/(1+0.1)] …(3)
またプロセッサ11aは、ACT38として次の(4)式により第5合計器38の金額P4と軽減税率(=0.08)とから軽減内税額Q5を算出する。
【0079】
Q5=P4-[P4/(1+0.08)] …(4)
そしてプロセッサ11aは、ACT39として内税額エリア33の内税額Q6を、通常内税額Q4と軽減内税額Q5とを合計した金額に更新する。以上で、プロセッサ11aは、内税処理を終了する。
【0080】
図8の説明に戻る。
プロセッサ11aは、ACT6において税表示ステータスを“1”に設定するか、ACT8の外税処理又はACT9の内税処理を終えると、ACT10へと進む。プロセッサ11aは、ACT10として商品販売データ50を生成する。すなわちプロセッサ11aは、ACT2の処理で得られた商品データの商品コード、商品名、単価、税率、税種及び属性と、ACT3の処理で得られた数量及び価格と、ACT6、ACT23、ACT26、ACT33又はACT36の処理で得られた税表示ステータスと、デフォルト値である“0”の変更フラグとから、商品販売データ50を生成する。
【0081】
かくして税表示ステータスは、非課税商品の商品販売データでは“1”に設定される。税表示ステータスは、税種が外税で且つ税率が通常税率の商品の商品販売データ50では“2”に設定される。税表示ステータスは、税種が外税で且つ税率が軽減税率の商品の商品販売データ50では“3”に設定される。税表示ステータスは、税種が内税で且つ税率が通常税率の商品の商品販売データ50では“4”に設定される。税表示ステータスは、税種が内税で且つ税率が軽減税率の商品の商品販売データ50では“5”に設定される。変更フラグは、現時点では“0”である。
【0082】
プロセッサ11aは、商品販売データ50を生成し終えると、ACT11としてその商品販売データ50を商品登録エリア31に登録する。またプロセッサ11aは、ACT12として商品登録エリア31に登録されている全ての商品販売データ50を基に、タッチパネル11g及び客用ディスプレイ11hに登録画面を表示する。
【0083】
以上で、プロセッサ11aは、スキャニング処理を終了する。そして、次の操作に伴いコードシンボルがスキャニングされると、プロセッサ11aは、スキャニング処理を再び開始する。
【0084】
こうして、操作1~操作5の操作を終えると、客が購入する全5品目(商品A、商品B、商品C、商品D、商品E)の商品販売データ50が商品登録エリア31に登録される。このとき、軽減税率対象の商品Dと商品Eとは、いずれも軽減税率8%で商品販売データ50が登録される。すなわち商品Dと商品Eとは、持ち帰りの商品として処理される。
【0085】
また、第1合計器34には、商品Aの販売金額100円と、商品Bの販売金額200円と、商品Cの販売金額300円と、商品Dの販売金額400円と、商品Eの販売金額500円との合算金額1,500円が記憶される。第2合計器35には、税種が外税で且つ税率が通常税率の商品Bの販売価格200円が記憶される。第3合計器36には、税種が外税で且つ税率が軽減税率の商品Dの販売価格400円が記憶される。第4合計器37には、税種が内税で且つ税率が通常税率の商品Cの販売価格300円が記憶される。第5合計器38には、税種が内税で且つ税率が軽減税率の商品Eの販売価格500円が記憶される。外税額エリア32には、第2合計器35の金額200円に対する通常税率10%の外税額20円と、第3合計器36の金額400円に対する軽減税率8%の外税額32円との合算金額52円が記憶される。内税額エリア33には、第3合計器36の金額300円に対する通常税率10%の内税額27円と、第5合計器38の金額500円に対する軽減税率8%の内税額37円との合算金額64円が記憶される。
【0086】
操作1~操作5を終えると、店員は、小計キーを入力する。そうすると、第1合計器34の金額1,500円と外税額エリア32の金額52円との合算金額1,552円が第1ディスプレイ109及び第2ディスプレイ110に表示される。そこで店員は、送信キーを入力する。そうすると、登録装置11からネットワーク14を介してサーバ13宛に会計データが送信される。会計データには、商品登録エリア31、外税額エリア32、内税額エリア33、第1合計器34、第2合計器35、第3合計器36、第4合計器37及び第5合計器38の各データが含まれる。また、一意の取引コードが会計データに関連付けられる。取引コードは、登録装置11にて生成される。取引コードは、サーバ13にて生成されてもよい。
【0087】
会計データと関連付けられた取引コードは、サーバ13からネットワーク14を介していずれかの決済装置12に送信される。取引コードを受信した決済装置12は、決済処理が可能である場合、決済可能である旨を通知する情報を、取引コード送信元の登録装置11に宛てて送信する。このとき当該情報は、登録装置11に対して直に送信されてもよいし、サーバ13を介して送信されてもよい。なお、取引コードをサーバ13で生成する実施形態の場合には、取引コード送信元の登録装置11とは、当該取引コードと関連付けられた会計データを送信した登録装置11となる。
【0088】
当該情報を受信した登録装置11では、第1ディスプレイ109に当該情報送信元の決済装置12を特定する情報が表示される。そこで店員は、客に対し、取引コード送信先の決済装置12に行って会計を行うように指示する。この指示を受けて客は、決済装置12の場所へと移動し、通常は、以下の通り決済装置12を操作して、買上商品の会計を行う。
【0089】
なお、登録装置11の送信キーは単一のキーでなくてもよい。各決済装置12に対応して複数の送信キーが登録装置11に設けられていてもよい。この場合、取引コードは、操作入力された送信キーに対応した決済装置12に出力される。取引コードは、決済装置12に対して直に送信されてもよいし、サーバ13経由で送信されてもよい。送信キーは、キーボード11eに配置された物理的なキーであってもよいし、第1ディスプレイ109がタッチパネルの場合にはソフトウェアキーであってもよい。
・操作6.タッチパネル12fに表示される支払方法選択画面から支払方法を選択する。
・操作7.支払方法に準じた代金の支払い操作を行う。
【0090】
ここで、客が、軽減税率が設定された飲料品又は食料品である商品D及び商品Eのうち、商品Dについては全品を、商品Eについては2品だけをイートインコーナで飲食することを仮定する。その場合、客は、決済装置12に対して操作6の前に以下の操作を行う。
・操作11.イートイン宣言を行う。
・操作12.イートインコーナで飲食する商品Dを選択する。
・操作13.税額再計算の実行を指令する。
・操作14.イートインコーナで飲食する商品Eを選択する。
・操作15.飲食する個数「2」を入力し、税額再計算の実行を指令する。
【0091】
客は、上述した操作11乃至操作15の操作を終えた後、操作6及び操作7の操作を行う。かくして決済装置12は、当該客との取引を決済することとなる。
【0092】
図11乃至図18は、操作11~操作15に応じて決済装置12のプロセッサ12aが実行する主要な処理の手順を示す流れ図である。図19乃至図26は、タッチパネル12fに表示される画面の遷移例である。図27は、プリンタ12gにより印刷されて発行されるレシート70の一例である。決済装置12のプロセッサ12aは、メインメモリ12bまたは補助記憶デバイス12cで記憶されている決済プログラムに従い図11乃至図18の流れ図で示される手順の情報処理を実行する。なお、情報処理の手順はこれに限定されるものではない。同様な結果を得ることが可能であれば、手順を種々変形して実施することができる。
【0093】
サーバ13又は登録装置11から送信された取引コードを受信した決済装置12のプロセッサ12aは、図11に示す手順の情報処理を開始する。先ず、プロセッサ12aは、ACT41としてランプ12jが緑色で点灯するように制御する。この制御により、ランプ12jは、緑色で点灯する。ランプ12jが緑色で点灯することにより、店員は、そのランプ12jに対応した決済装置12にて会計が行われていることを認識することができる。
【0094】
プロセッサ12aは、ACT42として会計データを取得する。具体的にはプロセッサ12aは、会計データの要求コマンドをサーバ13へと送信するように通信ユニット12dを制御する。この制御により、通信ユニット12dからネットワーク14を介してサーバ13へと要求コマンドが送信される。要求コマンドには、サーバ13又は登録装置11から受信した取引コードが含まれる。
【0095】
要求コマンドを受信したサーバ13は、そのコマンドに含まれる取引コードが関連付けられた会計データを検出し、コマンド送信元の決済装置12に宛てて送信する。会計データは、ネットワーク14を介してコマンド送信元の決済装置12で受信される。かくして決済装置12のプロセッサ12aは、会計データを取得することができる。
【0096】
会計データを取得したプロセッサ12aは、ACT43としてその会計データをメインメモリ12bのワークエリアに展開する。すなわちプロセッサ12aは、商品登録エリア31のデータを商品登録エリア41に格納し、外税額エリア32のデータを外税額エリア42に格納し、内税額エリア33のデータを内税額エリア43に格納する。同様に、プロセッサ12aは、第1合計器34のデータを第1合計器44に格納し、第2合計器35のデータを第2合計器45に格納し、第3合計器36のデータを第3合計器46に格納し、第4合計器37のデータを第4合計器47に格納し、第5合計器38のデータを第5合計器48に格納する。
【0097】
ここにプロセッサ12aを主体とするコンピュータは、通信ユニット12dと協働してACT42の処理を実行することにより、登録装置11で登録された商品のデータを取得する取得手段を構成する。なお、商品のデータとは、商品販売データ50を構成するデータ項目のうち、少なくとも商品コードと税率である。商品のデータとは、さらに税種を含んでいてもよい。また、数量を含んでいてもよい。
【0098】
プロセッサ12aは、ACT44として第1合計器44の金額と外税額エリア42の金額とを合算して合計金額を算出する。そしてプロセッサ12aは、ACT45としてタッチパネル12fに支払方法選択画面SC1(図19を参照)を表示させる。
【0099】
図19は、支払方法選択画面SC1の一表示例である。図19に示すように、支払方法選択画面SC1には、支払方法の選択を促すメッセージMS1とともに、支払方法を選択するための現金ボタンBT1、クレジットボタンBT2及び電子マネーボタンBT3の画像が表示されている。また支払方法選択画面SC1には、呼出ボタンBT4及びイートインボタンBT5の画像とともに、合計金額エリアAR1が形成されており、ACT43の処理で算出された合計金額が合計金額エリアAR1に表示されている。
【0100】
現金ボタンBT1は、現金支払いの宣言を受け付けるためのボタン画像である。クレジットボタンBT2は、クレジットカード支払いの宣言を受け付けるためのボタン画像である。電子マネーボタンBT3は、電子マネー支払いの宣言を受け付けるためのボタン画像である。呼出ボタンBT4は、店員呼出しを受け付けるためのボタン画像である。イートインボタンBT5は、買い上げた飲料品又は食料品のうち少なくとも一部を客自身の操作によってイートインコーナで食することの宣言を受け付けるためのボタン画像である。そして、このイートインボタンBT5と関連付けて、イートインコーナを利用する客への操作を案内するメッセージMS2が、支払方法選択画面SC1の一部に表示されている。
【0101】
なお、本実施形態では、決済装置12で使用可能な支払方法を現金、クレジットカード、電子マネーの3種類とするが、支払方法はこれに限定されるものではない。例えばサービスポイントの累積ポイントによる支払方法を含んでいてもよい。また、クレジットカードは、自社クレジットカードと他社クレジットカードとに分かれていてもよい。同様に、電子マネーは、自社電子マネーと他社電子マネーとに分かれていてもよい。
【0102】
支払方法選択画面SC1を確認した客は、イートインコーナを利用するか否かを決める。そして、イートインコーナを利用しない客は、所望の支払い方法のボタン画像BT1,BT2,BT3にタッチする。すなわち、現金支払いを希望する客は現金ボタンBT1にタッチする。クレジットカード支払いを希望する客はクレジットボタンBT2にタッチする。電子マネー支払いを希望する客は電子マネーボタンBT3にタッチする。この操作は、前述した操作6に相当する。一方、イートインコーナを利用する客は、所望の支払い方法のボタン画像BT1,BT2,BT3をタッチする前に、イートインボタンBT5にタッチする。この操作は、前述した操作11に相当する。
【0103】
支払方法選択画面SC1を表示させたプロセッサ12aは、ACT46として支払方法が選択されたか否かを確認する。支払方法が選択されていない場合、プロセッサ12aは、ACT46においてNOと判定し、ACT47へと進む。プロセッサ12aは、ACT47としてイートインボタンBT5がタッチされたか否かを確認する。イートインボタンBT5がタッチされていない場合、プロセッサ12aは、ACT47においてNOと判定し、ACT46へと戻る。ここにプロセッサ12aは、ACT46及びACT47として支払方法が選択されるかイートインボタンBT5がタッチされるのを待ち受ける。
【0104】
この待ち受け状態において、プロセッサ12aは、イートインボタンBT5がタッチされたことを検知すると、ACT47においてYESと判定し、ACT48へと進む。プロセッサ12aは、ACT48として税率変更処理を実行する。
【0105】
図12は、税率変更処理の主要な手順を示す流れ図である。プロセッサ12aは、税率変更処理に入ると、ACT61としてタッチパネル12fの画面を登録明細リスト画面SC2(図20を参照)に切り替える。
【0106】
図20は、登録明細リスト画面SC2の一表示例である。図20に示すように、登録明細リスト画面SC2には、登録明細リスト60と、終了ボタンBT6の画像とが表示されている。また登録明細リスト画面SC2には、合計金額エリアAR2が形成されており、支払方法選択画面SC1と同様に合計金額が表示されている。さらに、登録明細リスト60の近傍には、イートインコーナを利用して店内で飲食する商品を選択することを客に促すメッセージMS3が表示されている。
【0107】
登録明細リスト60には、商品登録エリア41に登録されている商品販売データ50の商品名、数量、単価、価格(金額)、税マーク61等が登録順に表示されている。また、属性として、軽減税率制度の対象となる商品にはダイヤマーク「◇」が付加されている。図20の登録明細リスト画面SC2の場合、商品Dと商品Eに対してダイヤマーク「◇」が付加されている。
【0108】
税マーク61は、税表示ステータス“1”~“5”に対してそれぞれ一意に設定されたマークである。本実施形態では、非課税の商品に対応した税表示ステータス“1”に対しては、税マーク61として「非」が設定されている。税種が外税で且つ税率が通常税率の商品に対応した税表示ステータス“2”に対しては、税マーク61として「外10」が設定されている。税種が外税で且つ税率が軽減税率の商品に対応した税表示ステータス“3”に対しては、税マーク61として「外8」が設定されている。税種が内税で且つ税率が通常税率の商品に対応した税表示ステータス“4”に対しては、税マーク61として「内10」が設定されている。税種が内税で且つ税率が軽減税率の商品に対応した税表示ステータス“5”に対しては、税マーク61として「内8」が設定されている。
【0109】
登録明細リスト画面SC2を確認した客は、登録明細リスト60から店内で飲食する商品を選択するために、その商品の情報が表示された行にタッチする。例えば商品Dを店内で飲食する場合には、客は、商品Dの商品名「商品D」が表示された行にタッチする。この操作は、前述した操作12に相当する。
【0110】
登録明細リスト画面SC2を表示させたプロセッサ12aは、ACT62としてイートインコーナで飲食する商品が選択されたか否かを確認する。商品が選択されていない場合、プロセッサ12aは、ACT62においてNOと判定し、ACT63へと進む。プロセッサ12aは、ACT63として終了ボタンBT6がタッチされたか否かを確認する。終了ボタンBT6がタッチされていない場合、プロセッサ12aは、ACT63においてNOと判定し、ACT62へと戻る。ここにプロセッサ12aは、ACT62及びACT63として商品が選択されるか終了ボタンBT6がタッチされるのを待ち受ける。
【0111】
この待ち受け状態において、プロセッサ12aは、商品が選択されたことを検知すると、ACT62においてYESと判定し、ACT64へと進む。プロセッサ12aは、ACT64としてその選択された商品の商品販売データ50を商品登録エリア41から取得する。以後、商品登録エリア41から取得した商品販売データ50を商品販売データ50aと表す。
【0112】
ここに、プロセッサ12aは、タッチパネル12fと協働してACT61、ACT62のYES及びACT64の処理を実行することにより、販売商品の中から税率を変更する商品の選択を受け付ける受付手段を構成する。
【0113】
プロセッサ12aは、ACT65として選択された商品は税率の変更が可能であるか否かを確認する。商品販売データ50aに含まれる属性が軽減税率の商品を示す情報であるとき、選択された商品は税率の変更が可能である。同属性が軽減税率の商品を示す情報でないとき、選択された商品は税率の変更が不可能である。
【0114】
税率の変更が不可能である場合、プロセッサ12aは、ACT65においてNOと判定し、ACT66へと進む。プロセッサ12aは、ACT66として商品販売データ50aを破棄する。その後、プロセッサ12aは、ACT62及びACT63の待ち受け状態に戻る。
【0115】
操作12の場合、選択された商品Dの属性は、軽減税率の商品を示す情報である。すなわち、税率の変更が可能である。プロセッサ12aは、ACT65においてYESと判定し、ACT67へと進む。プロセッサ12aは、ACT67として選択された商品の税種が外税なのか内税なのかを識別する。税種が外税の場合、プロセッサ12aは、ACT67においてYESと判定し、ACT68へと進む。プロセッサ12aは、ACT68として外税税率変更処理を実行する。税種が内税の場合、プロセッサ12aは、ACT67においてNOと判定し、ACT69へと進む。プロセッサ12aは、ACT69として内税税率変更処理を実行する。
【0116】
操作12の場合、選択された商品Dは外税商品であるので、プロセッサ12aは、外税税率変更処理を実行する。
図13乃至図15は、外税税率変更処理の具体的な手順を示す流れ図である。外税税率変更処理に入ると、プロセッサ12aは、図13のACT71としてタッチパネル12fに第1確認画面SC3(図21を参照)を表示させる。
【0117】
図21は、第1確認画面SC3の一表示例である。第1確認画面SC3は、操作12の後にタッチパネル12fに表示される。第1確認画面SC3には、第1の選択商品エリアAR3と、第2の選択商品エリアAR4とが形成されている。また、肯定を示す「はい」ボタンBT7と、否定を示す「いいえ」ボタンBT8の各画像が表示されている。第1の選択商品エリアAR3には、選択された商品の商品名「商品D」と、税種及び税率「外税8%」とが表示されている。第2の選択商品エリアAR4には、選択された商品の数量「4点」、単価「100円」、軽減税率8%の税込み金額「432円」等が表示されている。
【0118】
第2の選択商品エリアAR4の数量の欄62は、表示されている数量をその数量以下の数値に変更できるようになっている。客は、店内で飲食する商品の数が表示中の数量と異なる場合、欄62の数量Nを飲食する商品の数n(N<n)に変更する。第1確認画面SC3には、店内で飲食する商品の数nが表示中の数量Nと異なる場合にはその数量Nを変更することを促すメッセージMS4が表示されている。数量Nを変更する客は、数量の欄62にタッチする。そうすると、その数量未満の数値(N-1,N-2,…,1)がそれぞれ割り当てられた数値ボタンの画像が第1確認画面SC3上に表示されるので、客は、店内で飲食する商品の数nが割り当てられた数値ボタンをタッチする。そうすると、欄62の数量Nが数nに変更され、それに合わせて欄63の税込み金額も変更される。
【0119】
操作12の後は、数量Nを変更しない。第1確認画面SC3を確認した客は、「はい」ボタンBT7にタッチして、税額再計算の実行を指令する。この操作は、操作13に相当する。
【0120】
第1確認画面SC3を表示させたプロセッサ12aは、ACT72として処理の継続が指令されたか否かを確認する。プロセッサ12aは、第1確認画面SC3の「はい」ボタンBT7がタッチされていないと、処理の継続が指令されていないと判定する。処理の継続が指令されていない場合、プロセッサ12aは、ACT72においてNOと判定し、ACT73へと進む。プロセッサ12aは、ACT73として処理の中止が指令されたか否かを確認する。プロセッサ12aは、第1確認画面SC3の「いいえ」ボタンBT8がタッチされていないと、処理の中止が指令されていないと判定する。処理の中止が指令されていない場合、プロセッサ12aは、ACT73においてNOと判定し、ACT72へと戻る。ここにプロセッサ12aは、ACT72及びACT73において、処理の継続が指令されるか中止が指令されるのを待ち受ける。
【0121】
処理の中止が指令された場合、すなわち第1確認画面SC3の「いいえ」ボタンBT8がタッチされた場合には、プロセッサ12aは、ACT73においてYESと判定し、ACT74へと進む。プロセッサ12aは、ACT74として第1確認画面SC3を消去する。そしてプロセッサ12aは、外税税率変更処理を終了し、図12のACT61へと戻る。
【0122】
処理の継続が指令された場合、すなわち第1確認画面SC3の「はい」ボタンBT7がタッチされた場合には、プロセッサ12aは、ACT72においてYESと判定し、ACT75へと進む。プロセッサ12aは、ACT75としてランプ12jが赤色で点灯するように制御する。この制御により、ランプ12jは、赤色で点灯する。ランプ12jが赤色で点灯することにより、店員は、そのランプ12jに対応した決済装置12で決済を行っている客がイートインコーナを利用するために税率の変更操作を行っていると認識できる。
【0123】
プロセッサ12aは、ACT76として第1確認画面SC3において数量Nがそれよりも小さい数nに変更されたか否かを確認する。操作13の場合、数量Nは変更されていない。プロセッサ12aは、ACT76においてNOと判定し、図14のACT91へと進む。
【0124】
プロセッサ12aは、ACT91として第3合計器46から商品販売データ50aの価格を減算する。またプロセッサ12aは、ACT92として第2合計器45に商品販売データ50aの価格を加算する。
【0125】
次いで、プロセッサ12aは、ACT93として通常税率10%を取得する。通常税率10%は、例えば補助記憶デバイス12cに設定されている。プロセッサ12aは、ACT94として商品販売データ50aの税率を通常税率10%に変更する。またプロセッサ12aは、ACT96として商品販売データ50aの税表示ステータスを“2”に変更する。さらにプロセッサ12aは、ACT96として商品販売データ50aの変更フラグを“1”にセットする。
【0126】
その後、プロセッサ12aは、ACT97乃至ACT99として、前述したACT27乃至ACT29の処理と同様の処理を実行する。すなわちプロセッサ12aは、ACT97として、(1)式により通常外税額Q1を算出する。またプロセッサ12aは、ACT98として、(2)式により軽減外税額Q2を算出する。そしてプロセッサ12aは、ACT99として外税額エリア42の外税額Q3を、通常外税額Q1と軽減外税額Q2とを合算した金額に更新する。
【0127】
ACT97乃至ACT99の処理を終えると、プロセッサ12aは、ACT100としてタッチパネル12fに第2確認画面SC4(図22を参照)を表示させる。
【0128】
図22は、第2確認画面SC4の一表示例である。第2確認画面SC4は、第1確認画面SC3で「はい」ボタンBT7がタッチされると、タッチパネル12fに表示される第2確認画面SC4には、第3の選択商品エリアAR5と、第4の選択商品エリアAR6とが形成されている。また、肯定を示す「はい」ボタンBT9と、否定を示す「いいえ」ボタンBT10の各画像が表示されている。第3の選択商品エリアAR5には、税率が変更された商品の商品名「商品D」と、変更前と変更後の税種と税率「外税8%→外税10%」とが表示されている。第4の選択商品エリアAR6には、税率が変更された商品Dの数量「4点」、単価「400円」、税込み金額「440円」等が表示されている。また、税率の変更を実行するか否かを客に確認するためのメッセージMS5も表示されている。
【0129】
第2確認画面SC4を確認した客は、税率の変更を実行する場合には「はい」ボタンBT9にタッチし、税率の変更を中止する場合には「いいえ」ボタンBT10にタッチする。
【0130】
第2確認画面SC4を表示させたプロセッサ12aは、ACT101として税率変更の実行が指令されたか否かを確認する。プロセッサ12aは、第2確認画面SC4の「はい」ボタンBT9がタッチされていないと、税率変更の実行が指令されていないと判定する。税率変更の実行が指令されていない場合、プロセッサ12aは、ACT101においてNOと判定し、ACT102へと進む。プロセッサ12aは、ACT102として税率変更の中止が指令されたか否かを確認する。プロセッサ12aは、第2確認画面SC4の「いいえ」ボタンBT10がタッチされていないと、税率変更の中止が指令されていないと判定する。税率変更の中止が指令されていない場合、プロセッサ12aは、ACT102においてNOと判定し、ACT101へと戻る。ここにプロセッサ12aは、ACT101及びACT102において、税率変更の実行が指令されるか中止が指令されるのを待ち受ける。
【0131】
税率変更の実行が指令された場合、すなわち第2確認画面SC4の「はい」ボタンBT9がタッチされた場合、プロセッサ12aは、ACT101においてYESと判定し、ACT103へと進む。プロセッサ12aは、ACT103として第2確認画面SC4を消去する。そしてプロセッサ12aは、外税税率変更処理を終了し、図12のACT61へと戻る。
【0132】
税率変更の中止が指令された場合、すなわち第2確認画面SC4の「いいえ」ボタンBT10がタッチされた場合には、プロセッサ12aは、ACT102においてYESと判定し、ACT104へと進む。プロセッサ12aは、ACT104として中止データを取得する。中止データとは、ACT91乃至ACT99の処理の対象となった商品販売データ50である。つまりこの時点では、商品販売データ50aが中止データとなる。
【0133】
中止データである商品販売データ50aを取得すると、プロセッサ12aは、図15のACT111へと進む。プロセッサ12aは、ACT111として第2合計器45から商品販売データ50aの価格を減算する。またプロセッサ12aは、ACT112として第3合計器46に商品販売データ50aの価格を加算する。
【0134】
次いで、プロセッサ12aは、ACT113として軽減税率8%を取得する。軽減税率8%は、例えば補助記憶デバイス12cに設定されている。プロセッサ12aは、ACT113として商品販売データ50aの税率を軽減税率8%に変更する。またプロセッサ12aは、ACT115として商品販売データ50aの税表示ステータスを“3”に変更する。さらにプロセッサ12aは、ACT116として商品販売データ50aの変更フラグを“0”にリセットする。
【0135】
その後、プロセッサ12aは、ACT117乃至ACT119として、前述したACT27乃至ACT29の処理と同様の処理を実行する。すなわちプロセッサ12aは、ACT117として、(1)式により通常外税額Q1を算出する。またプロセッサ12aは、ACT118として、(2)式により軽減外税額Q2を算出する。そしてプロセッサ12aは、ACT119として外税額エリア42の外税額Q3を通常外税額Q1と軽減外税額Q2とを合計した金額に更新する。
【0136】
プロセッサ12aがACT111乃至ACT119の処理を実行することにより、商品登録エリア41、外税額エリア42、内税額エリア43、第1合計器44、第2合計器45、第3合計器46、第4合計器47及び第5合計器48のデータは、ACT91の処理を実行する前の状態に戻される。
【0137】
ACT119の処理を終えると、プロセッサ12aは、ACT120として第2確認画面SC4を消去する。そしてプロセッサ12aは、ACT121として商品登録エリア41に登録されている全ての商品販売データ50のなかに、変更フラグが“1”に設定されている商品販売データ50が有るか否かを確認する。変更フラグが“1”に設定されている商品販売データ50が1つでも有る場合、プロセッサ12aは、ACT121においてNOと判定する。プロセッサ12aは、外税税率変更処理を終了し、図12のACT61へと戻る。
【0138】
変更フラグが“1”に設定されている商品販売データ50が商品登録エリア41に1つも存在しない場合には、プロセッサ12aは、ACT121においてYESと判定し、ACT122へと進む。プロセッサ12aは、ACT122としてランプ12jが緑色で点灯するように制御する。この制御により、ランプ12jは、赤色の点灯から緑色の点灯に切り替わる。ランプ12jの発光色が赤色から緑色に変わることにより、店員は、そのランプ12jに対応した決済装置12で決済を行っている客がイートインコーナを利用するのを取り止めたことを容易に認識することができる。
プロセッサ12aは、外税税率変更処理を終了し、図12のACT61へと戻る。
【0139】
図13の説明に戻る。
第1確認画面SC3において数量Nが数nに変更された場合には、プロセッサ12aは、ACT76においてYESと判定し、ACT77へと進む。プロセッサ12aは、ACT77として数量Nから数nを減じた差mを算出する。またプロセッサ12aは、ACT78として商品販売データ50aを商品登録エリア41に複写する。以後、ACT78において商品販売データ50aを複写して得られた商品販売データを商品販売データ50bと表す。
【0140】
プロセッサ12aは、ACT79として複写前の商品販売データ50aの数量を差mに変更し、複写後の商品販売データ50bの数量を数nに変更する。またプロセッサ12aは、ACT80として複写前の商品販売データ50aの価格を、単価に差mを乗じた金額に変更し、複写後の商品販売データ50bの価格を、単価に数nを乗じた金額に変更する。
【0141】
その後、プロセッサ12aは、ACT81として商品登録エリア41から複写後の商品販売データ50bを取得する。そしてプロセッサ12aは、図14のACT91へと進む。すなわちプロセッサ12aは、商品販売データ50bを処理の対象として、前述したACT91乃至ACT122の処理を実行する。
【0142】
以上で、プロセッサ12aは、外税税率変更処理を終了し、図12のACT61へと戻る。ACT61へと戻ることにより、プロセッサ12aは、タッチパネル12fの画面を登録明細リスト画面SC5(図23を参照)に切り替える。そしてプロセッサ12aは、登録明細リスト画面SC5の登録明細リスト60から新たな商品が選択されるか、終了ボタンBT6がタッチされるのを待ち受ける。
【0143】
図23は、登録明細リスト画面SC5の一表示例である。登録明細リスト画面SC5は、第2確認画面SC4で「はい」ボタンBT9がタッチされた後にタッチパネル12fに表示される。登録明細リスト画面SC5は、登録明細リスト画面SC2と同一構成である。ただし、登録明細リスト60において、税率が変更された商品Dには、属性としてダイヤマーク「◇」とともに税率変更を示す星マーク「☆」が付加されている。また、商品Dの税マーク61は、税率が通常税率10%に変更されたので、「外10」となっている。さらに、この時点では、第1合計器44の金額は1,500円で変わらないものの、外税額エリア42の金額は60円となるので、合計金額は1,560円となる。
【0144】
登録明細リスト画面SC5を確認した客は、続いて商品名「商品E」が表示された行にタッチする。この操作は、前述した操作14に相当する。このように登録明細リスト60から新たな商品が選択された場合、プロセッサ12aは、ACT64乃至ACT69の処理を再度実行する。商品Eは、税率の変更が可能である。また、商品Eは内税商品である。したがって、操作14の場合には、プロセッサ12aは、内税税率変更処理を実行する。ここで、ACT64において選択された商品販売データ50、つまりは商品Eの商品販売データ50を、以後、商品販売データ50cと表す。
【0145】
図16乃至図18は、内税税率変更処理の具体的な手順を示す流れ図である。内税税率変更処理に入ると、プロセッサ12aは、図16のACT131としてタッチパネル12fに第1確認画面SC6(図24を参照)を表示させる。
【0146】
図24は、第1確認画面SC6の一表示例である。第1確認画面SC6は、操作14の後にタッチパネル12fに表示される。第1確認画面SC6は、第1確認画面SC3と構成が同一である。したがって、第1の選択商品エリアAR3には、選択された商品の商品名「商品E」と、税種及び税率「内税8%」とが表示されている。第2の選択商品エリアAR4には、選択された商品の数量「5点」、単価「100円」、税込み金額「500円」等が表示されている。
【0147】
客は、商品Eに関して5点購入したうちの2点だけをイートインコーナで飲食する。この場合、客は、欄62にタッチする。そうすると、数値「1」から数値「4」までの数値ボタンの画像が表示されるので、客は数値「2」のボタン画像にタッチし、続いて「はい」ボタンBT7にタッチして、税額再計算の実行を指令する。これらの操作は、操作15に相当する。
【0148】
第1確認画面SC6を表示させたプロセッサ12aは、ACT132として処理の継続が指令されたか否かを確認する。プロセッサ12aは、第1確認画面SC6の「はい」ボタンBT7がタッチされていないと、処理の継続が指令されていないと判定する。処理の継続が指令されていない場合、プロセッサ12aは、ACT132においてNOと判定し、ACT133へと進む。プロセッサ12aは、ACT133として処理の中止が指令されたか否かを確認する。プロセッサ12aは、第1確認画面SC6の「いいえ」ボタンBT8がタッチされていないと、処理の中止が指令されていないと判定する。処理の中止が指令されていない場合、プロセッサ12aは、ACT133においてNOと判定し、ACT132へと戻る。ここにプロセッサ12aは、ACT132及びACT133において、処理の継続が指令されるか中止が指令されるのを待ち受ける。
【0149】
処理の中止が指令された場合、すなわち第1確認画面SC6の「いいえ」ボタンBT8がタッチされた場合には、プロセッサ12aは、ACT133においてYESと判定し、ACT134へと進む。プロセッサ12aは、ACT134として第1確認画面SC6を消去する。そしてプロセッサ12aは、内税税率変更処理を終了し、図12のACT61へと戻る。
【0150】
処理の継続が指令された場合、すなわち第1確認画面SC6の「はい」ボタンBT7がタッチされた場合には、プロセッサ12aは、ACT132においてYESと判定し、ACT135へと進む。プロセッサ12aは、ACT135としてランプ12jが赤色で点灯するように制御する。なお、既にランプ12jが赤色で点灯している場合には、プロセッサ12aは、ACT135の処理をスキップする。
【0151】
プロセッサ12aは、ACT136として第1確認画面SC6において数量Nがそれよりも小さい数nに変更されたか否かを確認する。操作15の場合、数量Nが数nに変更されている。プロセッサ12aは、ACT136においてYESと判定し、ACT137へと進む。プロセッサ12aは、ACT137として数量Nから数nを減じた差mを算出する。またプロセッサ12aは、ACT138として商品販売データ50cを商品登録エリア41に複写する。以後、ACT138において商品販売データ50cを複写して得られた商品販売データを商品販売データ50dと表す。
【0152】
プロセッサ12aは、ACT139として複写前の商品販売データ50cの数量を差mに変更し、複写後の商品販売データ50dの数量を数nに変更する。プロセッサ12aは、ACT140として複写前の商品販売データ50cの価格を、単価に差mを乗じた金額に変更し、複写後の商品販売データ50cの価格を、単価に数nを乗じた金額に変更する。
【0153】
その後、プロセッサ12aは、ACT141として商品登録エリア41から複写後の商品販売データ50dを取得する。そしてプロセッサ12aは、図17のACT151へと進む。
【0154】
なお、第1確認画面SC6において数量Nが変更されていない場合には、プロセッサ12aは、ACT136においてNOと判定し、ACT137乃至ACT141の処理をスキップして、図17のACT151へと進む。
【0155】
プロセッサ12aは、ACT151として第1合計器44及び第5合計器48から商品販売データ50xの価格を減算する。商品販売データ50xは、ACT137乃至ACT141の処理をスキップした場合には商品販売データ50cとなり、スキップしなかった場合には商品販売データ50dとなる。
【0156】
プロセッサ12aは、ACT152として軽減税率8%を取得する。そしてプロセッサ12aは、ACT153として次の(5)式により商品販売データ50xの単価Rから内税額を除いた本体価格Sを算出する。
【0157】
S=R/(1+0.08) …(5)
プロセッサ12aは、ACT154として通常税率10%を取得する。そしてプロセッサ12aは、ACT155として次の(6)式により通常税率10%の税込み価格Tを算出する。
【0158】
T=S+S*0.1 …(6)
プロセッサ12aは、ACT156として第1合計器44及び第4合計器47にそれぞれ税込み価格Tを加算する。
【0159】
プロセッサ12aは、ACT157として商品販売データ50xの価格を税込み価格Tに変更し、税率を通常税率10%に変更する。またプロセッサ12aは、ACT158として商品販売データ50xの税表示ステータスを“4”に変更する。さらにプロセッサ12aは、ACT159として商品販売データ50xの変更フラグを“1”にセットする。
【0160】
その後、プロセッサ12aは、ACT160乃至ACT162として、前述したACT37乃至ACT39の処理と同様の処理を実行する。すなわちプロセッサ12aは、ACT160として、(3)式により通常内税額Q4を算出する。またプロセッサ12aは、ACT161として、(4)式により軽減内税額Q5を算出する。そしてプロセッサ12aは、ACT162として内税額エリア43の内税額Q6を通常内税額Q4と軽減内税額Q5とを合算した金額に更新する。
【0161】
ACT160乃至ACT162の処理を終えると、プロセッサ12aは、ACT163としてタッチパネル12fに第2確認画面SC7(図25を参照)を表示させる。
【0162】
図25は、第2確認画面SC7の一表示例である。第2確認画面SC7は、第1確認画面SC6で「はい」ボタンBT7がタッチされた後にタッチパネル12fに表示される第2確認画面SC7は、第2確認画面SC4と構成が同一である。したがって、第3の選択商品エリアAR5には、税率が変更された商品の商品名「商品E」と、変更前と変更後の税種と税率「内税8%→内税10%」とが表示されている。第4の選択商品エリアAR6には、税率が変更された商品Eの数量「2点」、単価「102円」、税込み金額「204円」等が表示されている。
【0163】
第2確認画面SC7を確認した客は、税率の変更を実行する場合には「はい」ボタンBT9にタッチする。客は、税率の変更を中止する場合には「いいえ」ボタンBT10にタッチする。
【0164】
第2確認画面SC7を表示させたプロセッサ12aは、ACT164として税率変更の実行が指令されたか否かを確認する。プロセッサ12aは、第2確認画面SC7の「はい」ボタンBT9がタッチされていないと、税率変更の実行が指令されていないと判定する。税率変更の実行が指令されていない場合、プロセッサ12aは、ACT164においてNOと判定し、ACT165へと進む。プロセッサ12aは、ACT165として税率変更の中止が指令されたか否かを確認する。プロセッサ12aは、第2確認画面SC7の「いいえ」ボタンBT10がタッチされていないと、税率変更の中止が指令されていないと判定する。税率変更の中止が指令されていない場合、プロセッサ12aは、ACT165においてNOと判定し、ACT164へと戻る。ここにプロセッサ12aは、ACT164及びACT165において、税率変更の実行が指令されるか中止が指令されるのを待ち受ける。
【0165】
税率変更の実行が指令された場合、すなわち第2確認画面SC7の「はい」ボタンBT9がタッチされた場合、プロセッサ12aは、ACT164においてYESと判定し、ACT166へと進む。プロセッサ12aは、ACT166として第2確認画面SC7を消去する。そしてプロセッサ12aは、内税税率変更処理を終了し、図12のACT61へと戻る。
【0166】
税率変更の中止が指令された場合、すなわち第2確認画面SC7の「いいえ」ボタンBT10がタッチされた場合には、プロセッサ12aは、ACT165においてYESと判定し、ACT167へと進む。プロセッサ12aは、ACT167として中止データを取得する。中止データとは、ACT151乃至ACT162の処理の対象となった商品販売データ50xである。
【0167】
中止データである商品販売データ50xを取得すると、プロセッサ12aは、図18のACT171へと進む。プロセッサ12aは、ACT171として第1合計器44及び第4合計器47から商品販売データ50xの価格を減算する。またプロセッサ12aは、ACT172として通常税率10%を取得する。そしてプロセッサ12aは、ACT173として、前述した(5)式により商品販売データ50xの単価Rから内税額を除いた本体価格Sを算出する。
【0168】
プロセッサ12aは、ACT174として軽減税率8%を取得する。そしてプロセッサ12aは、ACT175として次の(7)式により軽減税率8%の税込み価格Uを算出する。
【0169】
U=S+S*0.08 …(7)
プロセッサ12aは、ACT176として第1合計器44及び第5合計器48にそれぞれ税込み価格Uを加算する。
【0170】
プロセッサ12aは、ACT177として商品販売データ50xの価格を税込み価格Uに変更し、税率を軽減税率8%に変更する。またプロセッサ12aは、ACT178として商品販売データ50xの税表示ステータスを“5”に変更する。さらにプロセッサ12aは、ACT179として商品販売データ50xの変更フラグを“0”にリセットする。
【0171】
その後、プロセッサ12aは、ACT180乃至ACT182として、前述したACT37乃至ACT39の処理と同様の処理を実行する。すなわちプロセッサ12aは、ACT180として、(3)式により通常内税額Q4を算出する。またプロセッサ12aは、ACT181として、(4)式により軽減内税額Q5を算出する。そしてプロセッサ12aは、ACT182として内税額エリア43の内税額Q6を通常内税額Q4と軽減内税額Q5とを合算した金額に更新する。
【0172】
プロセッサ12aがACT171乃至ACT182の処理を実行することにより、商品登録エリア41、外税額エリア42、内税額エリア43、第1合計器44、第2合計器45、第3合計器46、第4合計器47及び第5合計器48のデータは、ACT151の処理を実行する前の状態に戻される。
【0173】
ACT182の処理を終えると、プロセッサ12aは、ACT183として第2確認画面SC7を消去する。そしてプロセッサ12aは、ACT184として商品登録エリア41に登録されている全ての商品販売データ50のなかに、変更フラグが“1”に設定されている商品販売データ50が有るか否かを確認する。変更フラグが“1”に設定されている商品販売データ50が1つでも有る場合、プロセッサ12aは、ACT184においてNOと判定する。プロセッサ12aは、内税税率変更処理を終了し、図12のACT61へと戻る。
【0174】
変更フラグが“1”に設定されている商品販売データ50が商品登録エリア41に1つも存在しない場合には、プロセッサ12aは、ACT184においてYESと判定し、ACT185へと進む。プロセッサ12aは、ACT185としてランプ12jが緑色で点灯するように制御する。この制御により、ランプ12jは、赤色の点灯から緑色の点灯に切り替わる。プロセッサ12aは、内税税率変更処理を終了し、図12のACT61へと戻る。ACT61へと戻ることにより、プロセッサ12aは、タッチパネル12fの画面を登録明細リスト画面SC8(図26を参照)に切り替える。そしてプロセッサ12aは、登録明細リスト画面SC8の登録明細リスト60から新たな商品が選択されるか、終了ボタンBT6がタッチされるのを待ち受ける。
【0175】
図26は、登録明細リスト画面SC8の一表示例である。登録明細リスト画面SC8は、第2確認画面SC7で「はい」ボタンBT9がタッチされた後にタッチパネル12fに表示される。登録明細リスト画面SC8は、登録明細リスト画面SC2,SC5と同一構成である。ただし、登録明細リスト60には、2点だけ税率が変更された商品Eの商品名「商品E」、数量「2」、単価「102」、金額「204」及び税マーク61が6行目に追加されている。税マーク61は、税率が通常税率10%に変更されたので、「内10」となっている。また、属性として軽減税率の商品を示すダイヤマーク「◇」とともに、税率変更を示す星マーク「☆」が付加されている。一方、5行目の商品Eのデータについては、数量が「5」から「3」に変更されている。さらに、外税額エリア42の金額は60円で変わらないものの、第1合計器44の金額が1,504円となるので、合計金額は1,564円となっている。
【0176】
ここに、プロセッサ12aを主体とするコンピュータは、図12のACT68及びACT69の処理、つまりは図13乃至図18を用いて説明した処理を実行することにより、税額変更手段を構成する。すなわちコンピュータは、受付手段により選択を受け付けた商品に課せられる税の税額を、変更前の第1の税率で算出されていた第1の税額から変更後の第2の税率で算出された第2の税額に変更している。因みに、変更前の第1の税率が軽減税率8%であった場合には、変更後の第2の税率は通常税率10%となる。変更前の第1の税率が通常税率10%であった場合には、変更後の第2の税率は軽減税率8%となる。
【0177】
図12の説明に戻る。
ACT62及びACT63の待ち受け状態において、終了ボタンBT6がタッチされると、プロセッサ12aは、ACT63においてYESと判定し、図11のACT44の処理へと戻る。すなわちプロセッサ12aは、合計金額を算出し直し、その合計金額を含む支払方法選択画面SC1をタッチパネル12fに表示させる。そしてプロセッサ12aは、ACT46又はACT47の待ち受け状態となる。
【0178】
ここで、客がいずれかの支払い方法のボタン画像BT1,BT2,BT3にタッチした場合、プロセッサ12aは、ACT46においてYESと判定し、ACT49へと進む。プロセッサ12aは、ACT49として決済処理を行う。例えば、タッチされたボタンが現金ボタンBT1であった場合には、プロセッサ12aは、ACT4の処理で算出した合計金額に対して現金支払いによる決済処理を実行する。タッチされたボタンがクレジットボタンBT2であった場合には、プロセッサ12aは、同合計金額に対してクレジットカード支払いによる決済処理を実行する。タッチされたボタンが電子マネーボタンBT3であった場合には、プロセッサ12aは、同合計金額に対して電子マネー支払いによる決済処理を実行する。これらの決済処理は既存の処理であり周知なので、ここでの説明は省略する。
【0179】
ACT4の処理で算出される合計金額は、税率を変更する商品の選択を受け付けていない場合には、変更前の第1の税率で算出された第1の税額を含む販売商品の合計金額となる。受付手段により税率を変更する商品の選択を受け付けた場合には、変更後の第2の税率で算出された第2の税額を含む販売商品の合計金額となる。
【0180】
ここにプロセッサ12aを主体とするコンピュータは、ACT49の処理を実行することにより、決済手段を構成する。すなわちコンピュータは、受付手段により税率を変更する商品の選択を受け付けた場合には、第2の税額を含む販売商品の合計金額に基づいて1取引を決済する。因みに、税率を変更する商品の選択を受け付けていない場合には、コンピュータは、第1の税額を含む販売商品の合計金額に基づいて1取引を決済する。
【0181】
決済処理を終えると、プロセッサ12aは、ACT50としてレシートの発行を制御する。すなわちプロセッサ12aは、商品登録エリア41、外税額エリア42、内税額エリア43、第1合計器44、第2合計器45、第3合計器46、第4合計器47、第5合計器48及び支払いデータエリア49に記憶されているデータを基にレシートデータを生成し、プリンタ12gに出力する。この制御により、プリンタ12gが動作して、レシートデータが用紙に印字される。そして、印字が終わると用紙がカットされて、レシート70(図27を参照)として発行される。
【0182】
図27は、操作15の後で操作6及び操作7を行い、発行されたレシート70の一例を示す。レシート70には、1取引として登録された商品の税種、商品名、単価、数量及び価格とともに、小計金額、通常税率の外税対象額、軽減税率の外税対象額、外税額、合計金額、その合計金額に含まれる内税額等が表記されている。小計金額は、第1合計器44の金額である。通常税率の外税対象額は、第2合計器45の金額である。軽減税率の外税対象額は、第3合計器46の金額である。外税額は、外税額エリア42の金額である。合計金額は、第1合計器44の金額と外税額エリア42の金額とを合算した金額である。内税額は、内税額エリア43の金額である。また、レシート70には、一意の取引コード(取引No.)も印刷されている。
【0183】
プロセッサ12aは、ACT51として取引データを生成する。取引データは、1取引として売り上げた商品の販売データと、その取引の代金支払いデータとを含む。取引データは、商品登録エリア41、外税額エリア42、内税額エリア43、第1合計器44、第2合計器45、第3合計器46、第4合計器47、第5合計器48及び支払いデータエリア49に記憶されている各データを基に生成される。
【0184】
プロセッサ12aは、ACT52として取引データをサーバ13に送信するように通信ユニット12dを制御する。この制御により、通信ユニット12dからネットワーク14を経由して取引データがサーバ13へと送信される。
【0185】
プロセッサ12aは、ACT53として、ランプ12jが消灯するように制御する。この制御により、緑色又は赤色に発色していたランプ12jは消灯する。店員は、ランプが緑色から消灯したことを確認すると、そのランプに対応した決済装置12で決済を行った客は、イートインコーナを利用しない客として認識できる。店員は、ランプが赤色から消灯したことを確認すると、そのランプに対応した決済装置12で決済を行った客は、イートインコーナを利用する客として認識できる。
以上で、プロセッサ12aは、決済プログラムに従った情報処理を終了する。
【0186】
このように、本実施形態の商品販売データ処理システム10においては、登録装置11では持帰るものとして登録された食料品等を、決済装置12での決済の段階で店内飲食とするために税率を変更することができる。しかも、その操作は、簡便なものであり、客であっても簡単に操作することができる。したがって、登録装置11は店員が操作し、決済装置12は客が操作するセミセルフ方式の商品販売データ処理システム10においても、商品に課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合に簡単な操作で対処できるメリットを奏する。
また、店員が登録装置11で軽減税率対象の商品を登録する際は、客に持ち帰りなのか店内飲食なのかを確認する必要がない。したがって、店員の負担を軽減できる効果をも奏し得る。
【0187】
また、本実施形態では、軽減税率制度の対象となる商品が外税商品であってもまた内税商品であっても、操作者である客は意識することなく税率を変更することができる。したがって、容易に対処することができる。
【0188】
その上、一部の商品だけを税率変更することも容易に対処することができる。かくして、商品に課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合でも簡単な操作で対処できる決済装置12及びこの決済装置12を備えた商品販売データ処理システム10を提供することができる。
【0189】
以上、商品に課せられる税の税率が消費の形態によって変化する場合でも簡単な操作で対処できる決済装置及びこの決済装置を備えた商品販売データ処理システムの実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0190】
例えば前記実施形態では、イートインボタンBT5を決済装置12に設けたが、このイートインボタンBT5と同様の機能を有するボタンを登録装置11にさらに設けてもよい。そうすることにより、例えば店舗が混雑していない場合等には、登録装置11において軽減税率対象の商品の税率を変更することができる。因みに、登録装置11において商品の税率変更が設定された場合、その商品については、決済装置12においてイートインボタンBT5が入力されたことでタッチパネル12fに表示される登録明細リスト画面SC2の属性欄に、既に税率変更が設定されている旨を表示するとよい。
【0191】
例えば前記実施形態では、軽減税率の商品である飲料品又は食料品については持帰りを前提として商品レコード15Rを作成する場合を例示した。この点に関しては、軽減税率の商品である飲料品又は食料品については店内飲食を前提として商品レコード15Rを作成してもよい。その場合には、イートインボタンBT5の代わりに店内飲食ボタンが設けられる。そして店内飲食ボタンが入力されると、税率を通常税率から軽減税率に変更する処理が実行されるようになる。また、この点に関しても前述したように、店内飲食ボタンを登録装置11に設けてもよい。その場合も、登録装置11において店内飲食ボタンが操作されたならば、その商品については、決済装置12のタッチパネル12fに表示される登録明細リスト画面SC2の属性欄に、既に税率変更が設定されている旨を表示するとよい。
なお、前記実施形態では通常税率を10%とし、軽減税率を8%としたが、税率の値はあくまでも一例である。
【0192】
また、登録装置11と決済装置12とにそれぞれイートインボタンBT5と店内飲食ボタンの2つのボタンを設けてもよい。あるいは、イートインボタンBT5及び店内飲食ボタンの代わりに、税率変更ボタンとして1つのボタンを決済装置12に、または登録装置11と決済装置12の双方に設けてもよい。
因みに税率変更ボタンは、決済装置12ではイートインボタンBT5(図19を参照)の代わりに設けられる。そして、この税率変更ボタンが押下されると、決済装置12においては、図20に示す登録明細リスト画面SC2が表示される。この場合、登録明細リスト画面SC2のメッセージMS3は、例えば「税率を変更する商品を選んでください」あるいは「イートイン/持ち帰りをする商品を選んでください」等となる。ここで、客が前記実施形態と同様に登録明細リスト60から商品を選択すると、その商品の税率が変更される。具体的にはプロセッサ12aは、選択された商品に対して設定されている税率を参照して異なる税率に変更する。例えば通常税率10%が設定されていた場合には軽減税率8%に変更するように、プロセッサ12aは、図15のACT111乃至ACT119の処理又は図18のACT171乃至ACT182の処理を実行する。例えば軽減税率8%が設定されていた場合には通常税率10%に変更するように、プロセッサ12aは、図14のACT91乃至ACT99の処理又は図17のACT151乃至ACT162の処理を実行する。このような構成を採用しても、前記実施形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0193】
前記実施形態では、登録明細リスト画面SC2の登録明細リスト60に、商品登録エリア41に登録されている商品販売データ50の商品名、数量、税マーク61等を登録順に表示されるようにした。また、属性として、軽減税率制度の対象となる商品にはダイヤマーク「◇」を付加するようにした。この点に関しては、登録明細リスト60に商品名、数量、税マーク61等が表示される商品を、税率の変更が可能な商品だけに限定してもよい。そうすることにより、客は、税率を変更する商品を選択しやすくなるメリットがある。
【0194】
前記実施形態では、登録装置11が会計データをサーバ13に送信するとともに、登録装置11又はサーバ13が取引コードを決済装置へと送信する場合を例示した。このようなセミセルフ方式の仕組みは、特に限定されるものではない。例えば登録装置11が取引コードを紙媒体に印刷して出力し、この印刷された取引コードを決済装置12のスキャナで読み取ることで、登録装置11から送信される会計データを決済装置12が取得するようにしてもよい。
【0195】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]登録装置とネットワークで接続され、当該登録装置で登録された商品の決済を行う決済装置であって、前記登録装置で登録された商品のデータを取得する取得手段と、前記商品の中から税率を変更する商品の選択を受け付ける受付手段と、前記受付手段により選択を受け付けた商品に課せられる税の税額を、変更前の第1の税率で算出されていた第1の税額から変更後の第2の税率で算出された第2の税額に変更する税額変更手段と、前記受付手段により税率を変更する商品の選択を受け付けた場合には前記第2の税額を含む前記商品の合計金額に基づいて取引を決済する決済手段と、を具備する決済装置。
[2]前記取得手段で取得したデータは、商品の価格とその商品に課せられる税の前記第1の税率とを含み、前記税額変更手段は、前記価格と前記第1の税率とから算出されていた第1の税額を、当該価格と前記第2の税率とから算出される第2の税額に変更する、付記[1]記載の決済装置。
[3]前記取得手段で取得したデータは、前記商品の価格が税額を含む税込み価格なのか税額を含まない税抜き価格なのかを識別する税種情報をさらに含み、前記税額変更手段は、前記税種情報が税込み価格を示す場合には、前記商品の価格を第1の税額を含む税込み価格から第2の税額を含む税込み価格へと変更する、付記[2]記載の決済装置。
[4]前記受付手段は、税率を変更する商品の個数の入力をさらに受け付け、前記税額変更手段は、前記受付手段により選択を受け付けた商品のうち、入力された個数の商品に課せられる税の税額を、変更前の第1の税率で算出されていた第1の税額から変更後の第2の税率で算出された第2の税額に変更する、付記[1]記載の決済装置。
[5]登録された商品のデータを生成する登録装置と、付記[1]乃至[4]のうちいずれか1項記載の決済装置と、を備えた商品販売データ処理システム。
[6]登録装置で登録された商品の決済を行う決済装置としてのコンピュータを、前記登録装置で登録された商品のデータを取得する取得手段、前記商品の中から税率を変更する商品の選択を受け付ける受付手段、前記受付手段により選択を受け付けた商品に課せられる税の税額を、変更前の第1の税率で算出されていた第1の税額から変更後の第2の税率で算出された第2の税額に変更する税額変更手段、及び、前記受付手段により税率を変更する商品の選択を受け付けた場合には前記第2の税額を含む前記商品の合計金額に基づいて取引を決済する決済手段、として機能させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【0196】
10…商品販売データ処理システム、11…登録装置、12(12-1,12-2.12-3)…決済装置、12a…プロセッサ、12b…メインメモリ、12c…補助記憶デバイス、12d…通信ユニット、12e…スキャナ、12f…タッチパネル、12g…プリンタ、12h…リーダ・ライタ、12i…釣銭機、12j…ランプ、13…サーバ、14…ネットワーク、15…商品マスタファイル、41…商品登録エリア、42…外税額エリア、43…内税額エリア、44…第1合計器、45…第2合計器、46…第3合計器、47…第4合計器、48…第5合計器、49…支払いデータエリア。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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