(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】回路遮断器
(51)【国際特許分類】
H01H 73/06 20060101AFI20230510BHJP
【FI】
H01H73/06 B
(21)【出願番号】P 2019083621
(22)【出願日】2019-04-25
【審査請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕明
(72)【発明者】
【氏名】山中 佑太
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-284328(JP,A)
【文献】特開平11-154453(JP,A)
【文献】実開昭58-142842(JP,U)
【文献】特開2008-084563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 69/00 - 69/01
H01H 71/00 - 83/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の外部端子間の電路を遮断する引外し機構と、
前記引外し機構を内包するハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、少なくとも第1ハウジング部と第2ハウジング部とを組み合わせることによって構成され
る回路遮断器であって、
前記ハウジングにおける所定の軸方向で一端側に負荷側端子が設けられている一方、他端側に電源側端子が設けられているとともに、
前記第1ハウジング部
には、前記電源側端子側及び/又は前記負荷側端子側において、前記第2ハウジング部側へ延びて前記第2ハウジング部に当接する複数のリブと、前記回路遮断器をベースに取り付けるためのベース取付穴とが設けられており、
さらに、前記複数のリブは、前記ハウジングの中央側から
前記軸方向での距離
が比較的近い内側リブと、前記ハウジングの中央側から前記軸方向での距離が比較的遠い外側リブとを含み、
前記ベース取付穴は、前記内側リブと前記ハウジングの外壁との間に設けられていることを特徴とする回路遮断器。
【請求項2】
前記内側リブ及び前記外側リブは、
前記負荷側
端子側と
前記電源側
端子側とにそれぞれ設けられており、
前記負荷側
端子側と
前記電源側
端子側とで点対称となるように配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回路遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
一対の外部端子を繋ぐ電路を遮断する引外し機構を内蔵する回路遮断器が知られている。下記特許文献1に記載の回路遮断器は、零相変流器を備えている。零相変流器は、三相交流を束ねて一括で電流を検出する。三相の回路が健全な場合、三相一括で電流を検出すると各相の電流が打ち消しあい、零相変流器は電流を検出することはない。漏電が発生すると、各相に流れる電流のバランスが崩れるため、零相変流器は電流を検出する。電流が検出されると零相変流器の二次側に接続された引外し機構が作動し、電路を遮断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の回路遮断器では、分割したハウジングの内部に零相変流器収めると、実際の製造工程では配線不良がおきるものが一定数発生し、歩留まりが悪い場合がある。
【0005】
本開示は、内部に零相変流器を収めても配線不良発生を低減することが可能な回路遮断器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、一対の外部端子間の電路を遮断する引外し機構と、引外し機構を内包するハウジングと、を備え、ハウジングは、少なくとも第1ハウジング部と第2ハウジング部とを組み合わせることによって構成される回路遮断器であって、ハウジングにおける所定の軸方向で一端側に負荷側端子が設けられている一方、他端側に電源側端子が設けられているとともに、第1ハウジング部には、前記電源側端子側及び/又は前記負荷側端子側において、第2ハウジング部側へ延びて第2ハウジング部に当接する複数のリブと、回路遮断器をベースに取り付けるためのベース取付穴とが設けられており、さらに、複数のリブは、ハウジングの中央側から軸方向での距離が比較的近い内側リブと、ハウジングの中央側から軸方向での距離が比較的遠い外側リブとを含み、ベース取付穴は、内側リブとハウジングの外壁との間に設けられていることを特徴とする。
【0007】
複数のリブの配置位置を、電源側端子から負荷側端子側へ向かう軸方向におけるハウジングの中央側からの距離について異ならせることで、ハウジングの中央側に比較的近くに配置されるリブは、ハウジングの外壁との間にスペースを確保することができ、ハウジングの中央側から比較的遠くに配置されるリブは、ハウジングの中央側にスペースを確保することができる。従って、ハウジングの外壁側にも中央側にもスペースを確保することができ、ハウジング内部の機能部品の配置や回路遮断器をベースに取り付けるための部材の配置の自由度を高めることができる。
【0009】
ベースは他種の回路遮断器と共用されることもあるので、ベース取付穴の位置は動かすことができない場合がある。そこで本開示では、内側リブとハウジングの外壁との間にベース取付穴を配置することで、ベース取付穴の位置が内側リブでは制約されないようにすることができる。外側リブは、ベース取付穴とは異なる位置に設けられるので、ベース取付穴に制約されずに外壁に近接させることができ、ハウジング内部の空間を確保することができる。
【0010】
本開示における回路遮断器では、内側リブ及び外側リブは、負荷側端子側と電源側端子側とにそれぞれ設けられており、負荷側端子側と電源側端子側とで点対称となるように配置されることも好ましい。
【0011】
内側リブ及び外側リブは、負荷側端子側のみ又は電源側端子側のみに着目すると取付位置がずれているが、負荷側端子側と電源側端子側とで点対称となるように配置されているので、双方のバランスのずれを相殺して全体としてはハウジングを保持するバランスが向上する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、内部に零相変流器を収めても配線不良発生を低減することが可能な回路遮断器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る回路遮断器の断面図である。
【
図2】
図2は、
図1における零相変流器について説明するための図である。
【
図3】
図3は、
図1における第1ハウジング部について説明するための図である。
【
図4】
図4は、
図1におけるハウジング内部の状態を説明するための図である。
【
図5】
図5は、
図1におけるハウジング内部の状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0015】
図1を参照しながら、本実施形態である回路遮断器10の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る回路遮断器10の主要部分における断面図である。
【0016】
回路遮断器10は、ハウジング20、電源側端子30、負荷側端子40、可動接触子50、セパレータ60、ハンドル70、及び電磁機構部90を備えている。
図1においては、紙面を貫く方向にそってx軸を、電源側端子30から負荷側端子40に向かう方向に沿ってy軸を、x軸及びy軸に直交する方向にz軸を、それぞれ設定している。
図2以降においても同様にx軸、y軸、z軸を設定して説明する。
【0017】
ハウジング20は、第1ハウジング部21と、第2ハウジング部22と、第3ハウジング部23と、を備えている。第1ハウジング部21及び第2ハウジング部22には、機能部品が主に取り付けられ、基台として機能している。第3ハウジング部23は、カバーとして機能している。
【0018】
第1ハウジング部21と、第2ハウジング部22と、第3ハウジング部23とが組み立てられることで、内部空間が設けられたハウジング20が形成される。第2ハウジング部22には、電源側端子30、負荷側端子40、可動接触子50、セパレータ60、ハンドル70、配線81、電磁機構部90が各組付位置に組み付けられている。第3ハウジング部23は第2ハウジング部22に組み付けられ、第2ハウジング部22に設けられた各種部品を外部環境から保護する。
【0019】
ハウジング20は、第1壁部201と、第2壁部202と、第3壁部203と、第4壁部204と、第5壁部(
図1において明示せず)と、第6壁部(
図1において明示せず)と、を備えている。第1壁部201と第2壁部202とは互いに対向するように配置されている。第3壁部203と第4壁部204とは互いに対向するように配置されている。第5壁部及び第6壁部は、第1壁部201と第2壁部202とを繋ぐととともに、第3壁部203と第4壁部204とを繋ぐように設けられ、互いに対向するように配置されている。
【0020】
回路遮断器10が分電盤のベース板といった取付部分に取り付けられた場合に、第1壁部201は電路の電源側に配置され、第2壁部202は電路の負荷側に配置され、第4壁部204はベース板側に配置される。第3壁部203、第4壁部204は、第1壁部201と第2壁部202とを繋ぐように設けられている。
【0021】
電源側端子30は、電路の電源側配線(不図示)が繋がれる端子金具である。負荷側端子40は、電路の負荷側配線(不図示)が繋がれる端子金具である。電源側端子30及び負荷側端子40は、それぞれハウジング20の電源側及び負荷側において露出するように設けられている。
【0022】
電源側端子30は、電源側端子座31と、固定接触子32と、ねじ34と、金具35と、を備えている。電源側端子座31は、電源側配線と繋がる座部分を構成している。電源側配線は、金具35と電源側端子座31との間に配置され、ねじ34によって電源側端子30に取り付けられる。
【0023】
固定接触子32は、可動接触子50との接点となる固定接触子部分を構成する。接続部分33は、電源側端子座31と固定接触子32とを接続する部分である。固定接触子32は、第2ハウジング部22の取付部221に取り付けられている。電源側端子座31、固定接触子32及び接続部分33は、例えば導電性の板状の金属部材により一体的に構成されている。
【0024】
電源側端子30は、ハウジング20の第1壁部201からハウジング20の内部に向かうように配置されている。固定接触子32には、固定接点321が設けられている。
【0025】
負荷側端子40は、負荷側端子座41と、ねじ42と、金具43と、を備えている。負荷側端子40は、ハウジング20の第2壁部202からハウジング20の内部に向かうように配置される。負荷側端子座41は、第2壁部202において外部に露出するように、負荷側端子40の一端部に設けられる。負荷側配線は、金具43と負荷側端子座41との間に配置され、ねじ42によって負荷側端子40に取り付けられる。
【0026】
可動接触子50は、可動接点51と突出部52とを有する、可動接触子50は、後述するセパレータ60によって保持された状態で、回路遮断器10内部に配置される。可動接点51は、固定接点321と対向可能に設けられる。突出部52は、可動接触子50が取付部221と対向する面から取付部221へ向かうように設けられる。
【0027】
セパレータ60は、先端部61、軸部62、内壁部63、及び接点圧スプリング64を有する。セパレータ60は、回路遮断器10内部に組付けられている。先端部61は、後述する押圧部材71と当接するように形成されている。軸部62は、セパレータ60がハウジング20に支持されるように、セパレータ60の一端部に設けられる。セパレータ60は、軸部62の中心軸である回転軸mを中心に回転可能である。内壁部63は、可動接触子50と当接するように形成されている。
【0028】
接点圧スプリング64は、取付部211と可動接触子50との間に配置されている。接点圧スプリング64は、突出部52に対して嵌め合わされている。接点圧スプリング64は圧縮された状態に保たれている。接点圧スプリング64が可動接触子50を内壁部63に対して押し付けることで、可動接触子50はセパレータ60に保持される。
【0029】
ハンドル70は、ハウジング20の第3壁部203から突出するように設けられる。押圧部材71は、先端部61に当接するように配置されている。ハンドル70の移動によって、ハウジング20の内部に設けられたリンク機構(不図示)が押圧部材71を駆動する。押圧部材71は、セパレータ60を押し付けつつ移動することで、可動接触子50を駆動する。押圧部材71は、電路が遮断される非導通状態から電路が接続される導通状態へと遷移した場合、ハウジング20内部のリンク機構によって、移動が制限されたロック状態となる。
【0030】
配線81は、ハウジング20の内部に設けられている。配線81は、可動接触子50の端部と、後述する電磁コイル91の機構側接続部912とを接続する。円筒状の零相変流器82が、ハウジング20の内部に設けられている。配線81は、零相変流器82の内側を通るように配置されている。
【0031】
電磁機構部90は、電磁コイル91、可動磁気片92、オイルダッシュポット93、継鉄94、スプリング95、及び掛合片96を有する。電磁機構部90は、ハウジング20の内部に収容される。
【0032】
電磁コイル91は、巻き線部分911と、機構側接続部912と、端子側接続部913と、を有する。
【0033】
機構側接続部912は、巻き線部分911の一端側に設けられる。機構側接続部912は、巻き線部分911の外周接線方向に伸びる第1部分9121を有する。機構側接続部912は、第1部分9121に繋がり、巻き線部分911の巻回中心に沿う第2部分9122を有する。機構側接続部912は、巻き線部分911から第4壁部204側に向かうように形成されている。
【0034】
端子側接続部913は、巻き線部分911の他端側に設けられる。端子側接続部913は、巻き線部分911の外周接線方向に伸びる第3部分9131を有する。機構側接続部912は、第3部分9131に繋がり、巻き線部分911の巻回中心に沿う第4部分9132を有する。端子側接続部913は、巻き線部分911から第3壁部203に向かうように形成されている。
【0035】
電磁コイル91は、第2部分9122において、配線81と接続される。電磁コイル91は第4部分9132において、負荷側端子40と接続される。
【0036】
可動磁気片92は、一辺920と他辺921とを有する。可動磁気片92は、後述する継鉄94によって、ハウジング20内部に保持される。一辺920は電磁コイル91と第3壁部203との間に配置される。一辺920と他辺921とは角部922によって、機械的に接続されている。他辺921は角部922から、第1壁部201に沿って第1ハウジング部21側へ延びている。
【0037】
オイルダッシュポット93は端面930を有する。オイルダッシュポット93は、電磁コイル91が作る内側面に沿うように、電磁コイル91に挿入される。オイルダッシュポット93は、後述する継鉄94によって、ハウジング20に固定されている。オイルダッシュポット内部には、オイルと、オイルダッシュポット93内部を移動可能な鉄心とが収容されている。端面930は、一辺920に対向している。
【0038】
継鉄94は、その一端部がハウジング20の第3壁部203における内壁面に取り付けられている。継鉄94は、この取付位置からオイルダッシュポット93に沿って、ハウジング20の内部に延びている。継鉄94は、可動磁気片92を、角部922を軸として回転運動可能な状態に支持している。継鉄94の他端部は負荷側端子座41側に折り曲げられている。継鉄94は、他端部において、オイルダッシュポット93を保持する。
【0039】
スプリング95は、他辺921と第3壁部203との間に配置される。スプリング95は、一辺920が端面930から離れるように、他辺921に弾性力を加える。スプリング95は、他辺921を掛合片96から離れた位置で保持している。
【0040】
掛合片96は、可動磁気片92と押圧部材71の間に配置されている。掛合片96は、他辺921によって押されることで変位可能である。掛合片96が変位すると、押圧部材71がロック状態にある場合、ロック状態を解除することができる。ロック状態が解除されると、可動接触子50が移動する。可動接触子50の移動により、電源側端子30と負荷側端子40とを繋ぐ電路が遮断される。
【0041】
本実施形態では、可動接触子50、セパレータ60、リンク機構(不図示)、押圧部材71、電磁機構部90が引外し機構を構成する。
【0042】
続いて、
図2を参照しながら零相変流器82周りの配線状態について説明する。
図2に示されるように、可動接触子50aと負荷側端子40aとが、配線81aによって繋がれている。可動接触子50bと負荷側端子40bとが、配線81bによって繋がれている。可動接触子50cと負荷側端子40cとが、配線81cによって繋がれている。
【0043】
配線81a,81b,81cは、可撓性のある電線であって、リング状の零相変流器82を通して配置されている。負荷側端子40aに接触するように電磁コイル91aが配置され、電磁コイル91aの内側にはオイルダッシュポット93aが配置されている。負荷側端子40bに接触するように電磁コイル91bが配置され、電磁コイル91bの内側にはオイルダッシュポット93bが配置されている。負荷側端子40cに接触するように電磁コイル91cが配置され、電磁コイル91cの内側にはオイルダッシュポット93cが配置されている。
【0044】
零相変流器82は、
図2に示されるように中央付近に配置しようとすると、電磁コイル91bに干渉する。零相変流器82は、電磁コイル91bとの干渉を避けるため、電磁コイル91bと電磁コイル91aとの間か、電磁コイル91bと電磁コイル91cとの間に配置することになる。そのように配置する場合であっても、極めて狭いスペースに零相変流器82を配置することになるため、配線81a,81b,81cに過大な力がかかってしまい、負荷側端子40a,40b,40cや可動接触子50a,50b,50cとの電気的な接続状態が損なわれるおそれがある。
【0045】
そこで本実施形態では、零相変流器82を収めるための空間を確保するための工夫をしている。
図3に示されるように、第1ハウジング部21には、第2ハウジング部22と連結固定するための外側リブ212及び内側リブ213が設けられている。第1ハウジング部21には、回路遮断器10をベースに取り付けるためのベース取付穴214が設けられている。
【0046】
外側リブ212及び内側リブ213は、第1壁部201側と、第2壁部202側との双方に設けられている。ベース取付穴214も、第1壁部201側と、第2壁部202側との双方に設けられている。
【0047】
ベース取付穴214は、回路遮断器10をベースに取り付けるための穴であるので、ベースに設けられる取付穴と位置を揃える必要がある。そのため、回路遮断器10におけるベース取付穴214の配置位置は固定されたものとなる。
【0048】
本実施形態では、ベース取付穴214の内側に内側リブ213を設けている。外側リブ212は、内側リブ213よりも第1壁部201又は第2壁部202に近い位置に設けられている。負荷側の外側リブ212は、第2壁部202からの距離がベース取付穴214と同程度になるように配置されている。従って、回路遮断器10の中央側からみて、外側リブ212は第2壁部202側にずれているので、零相変流器82を収容するスペースZZが確保される。
【0049】
図4及び
図5に示されるように、外側リブ212は、第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とを組み合わせた場合に、第2ハウジング部22の外側取付穴222と対応するように設けられている。
【0050】
内側リブ213は、第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とを組み合わせた場合に、第2ハウジング部22の内側取付穴223と対応するように設けられている。ベース取付穴214は、第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とを組み合わせた場合に、第2ハウジング部22のベース取付穴224と対応するように設けられている。
【0051】
本実施形態における回路遮断器10は、一対の外部端子である電源側端子30と負荷側端子40との間の電路を遮断する引外し機構である電磁機構部90と、電磁機構部90を内包するハウジング20と、を備え、ハウジング20は、少なくとも第1ハウジング部21と第2ハウジング部22とを組み合わせることによって構成されている。第1ハウジング部21から延びる複数のリブとしての外側リブ212及び内側リブ213が第2ハウジング部22に当接するものであって、外側リブ212と内側リブ213とは、ハウジング20の中央側からの距離が互いに異なるように配置されている。
【0052】
外側リブ212及び内側リブ213の配置位置を、ハウジング20の中央側を基準として異ならせることで、ハウジング20の中央側に比較的近くに配置される内側リブ213は、ハウジング20の外壁との間にスペースを確保することができ、ハウジング20の中央側から比較的遠くに配置される外側リブ212は、ハウジング20の中央側にスペースを確保することができる。従って、ハウジング20の外壁側にも中央側にもスペースを確保することができ、ハウジング20内部の機能部品の配置や回路遮断器10をベースに取り付けるための部材の配置の自由度を高めることができる。
【0053】
本実施形態の回路遮断器10において、第1ハウジング部21には、回路遮断器10をベースに取り付けるためのベース取付穴214が設けられている。複数のリブは、ハウジング20の中央側からの距離が比較的近い内側リブ213と、ハウジング20の中央側からの距離が比較的遠い外側リブ212とを含み、ベース取付穴214は、内側リブ213とハウジング20の外壁との間に設けられている。
【0054】
ベースは他種の回路遮断器と共用されることもあるので、ベース取付穴214の位置は動かすことができない場合がある。そこで、内側リブ213とハウジング20の外壁との間にベース取付穴214を配置することで、ベース取付穴214の位置が内側リブ213では制約されないようにすることができる。外側リブ212は、ベース取付穴214とは異なる位置に設けられるので、ベース取付穴214に制約されずに外壁に近接させることができ、ハウジング20内部の空間を確保することができる。
【0055】
本実施形態の回路遮断器10において、内側リブ213及び外側リブ212は、負荷側と電源側とにそれぞれ設けられており、負荷側と電源側とで点対称となるように配置されている。
【0056】
内側リブ213及び外側リブ212は、負荷側のみ又は電源側のみに着目すると取付位置がずれているが、負荷側と電源側とで点対称となるように配置されているので、双方のバランスのずれを相殺して全体としてはハウジング20を保持するバランスが向上する。
【0057】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0058】
10:回路遮断器
20:ハウジング
21:第1ハウジング部
22:第2ハウジング部
90:電磁機構部
212:外側リブ
213:内側リブ