(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230510BHJP
【FI】
A63F7/02 333Z
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2019093909
(22)【出願日】2019-05-17
【審査請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】北里 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】富山 修平
(72)【発明者】
【氏名】水迫 政明
【審査官】本村 眞也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-072019(JP,A)
【文献】特開2018-143689(JP,A)
【文献】特開2017-006170(JP,A)
【文献】特開2018-108249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域における第1の領域内に設けられる第1進入領域と、
前記遊技領域における前記第1の領域と異なる第2の領域内に設けられる第2進入領域と、
前記第1進入領域又は前記第2進入領域への遊技球の進入に基づき、第1の当選又は第2の当選のいずれかを抽選により決定可能
であり、当該第1の当選を設定値に応じた確率で決定可能な抽選手段と、
前
記設定
値を設定可能な設定手段と、
前記抽選手段による決定の結果に基づく変動表示を実行可能な変動表示手段と、を備え、
前記第1進入領域への遊技球の進入に基づく抽選により前記第1の当選又は前記第2の当選が決定された場合に、遊技者に有利な遊技状態を設定可能な遊技機であって、
前記第1の当選が決定された場合と前記第2の当選が決定された場合とで、前記有利な遊技状態が設定される割合が異な
り、
前記有利な遊技状態においては、主に前記第2進入領域への遊技球の進入に基づき遊技が進行し、
前記有利な遊技状態中において、前記第2進入領域への遊技球の進入に基づき前記第1の当選又は前記第2の当選が決定された場合にはいずれも、当該有利な遊技状態が終了すると共に、当該第1の当選又は当該第2の当選に基づく変動表示中には、前記第2進入領域へ遊技球を進入させるための指示演出が実行されることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動入賞口への遊技球の入球を契機に大当たりの抽選を行い、この抽選により大当たりに当選した場合には、遊技領域に設けられた大入賞口が開放される特別遊技を実行するものが知られている。このような遊技機においては、始動入賞口や大入賞口への遊技球の入球に基づいて所定個数の遊技球(賞球)の払い出しが行われ、特別遊技中においては、大入賞口が複数回開放され、この開放中に大入賞口へ遊技球を入球させることで多くの遊技球を獲得することができるようになっている。
また、近年では、上述のような遊技機として、遊技者にとっての有利度を異ならせるために、上述の大当たりの当選確率が異なるよう定められた複数段階の設定値からいずれかを設定可能なものも知られている(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-109082号公報
【文献】特許第6198159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機によれば、設定されている設定値によって大当たりの当選確率が異なるため遊技者の興趣を向上させることができる。しかし、遊技性の多様化が進む近年においては、より遊技者の興趣を高めることができる遊技性を付与可能な遊技機の登場が望まれていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、遊技者の興趣を高めることができる遊技性を付与可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
(1)本発明は、遊技球が流下可能な遊技領域における第1の領域内に設けられる第1進入領域と、前記遊技領域における前記第1の領域と異なる第2の領域内に設けられる第2進入領域と、前記第1進入領域又は前記第2進入領域への遊技球の進入に基づき、第1の当選又は第2の当選のいずれかを抽選により決定可能であり、当該第1の当選を設定値に応じた確率で決定可能な抽選手段と、前記設定値を設定可能な設定手段と、前記抽選手段による決定の結果に基づく変動表示を実行可能な変動表示手段と、を備え、前記第1進入領域への遊技球の進入に基づく抽選により前記第1の当選又は前記第2の当選が決定された場合に、遊技者に有利な遊技状態を設定可能な遊技機であって、前記第1の当選が決定された場合と前記第2の当選が決定された場合とで、前記有利な遊技状態が設定される割合が異なり、前記有利な遊技状態においては、主に前記第2進入領域への遊技球の進入に基づき遊技が進行し、前記有利な遊技状態中において、前記第2進入領域への遊技球の進入に基づき前記第1の当選又は前記第2の当選が決定された場合にはいずれも、当該有利な遊技状態が終了すると共に、当該第1の当選又は当該第2の当選に基づく変動表示中には、前記第2進入領域へ遊技球を進入させるための指示演出が実行されることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る遊技機によれば、設定値、及び抽選手段による決定される抽選結果の種類(第1の当選、第2の当選)に応じて有利な遊技状態へ移行する割合が異なるという新たな遊技性を付与することができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遊技者の興趣を高めることができる遊技性を付与可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図4】パチンコ機の第1大入賞口内部の正面図である。
【
図5】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。
【
図7】パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図8】パチンコ機の第1特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図9】パチンコ機の第2特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図10】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図11】パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図12】パチンコ機の決定用テーブルの説明図である。
【
図13】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図14】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図15】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
【
図16】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図17】パチンコ機の主制御基板における初期化処理の概略を示すフローチャートである。
【
図18】パチンコ機の主制御基板における電断退避処理の概略を示すフローチャートである。
【
図19】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図20】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図21】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図22】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図23】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図24】パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図25】パチンコ機の主制御基板における特別領域検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図26】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図27】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図37】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図38】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図39】パチンコ機の非時短遊技状態中における変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図40】パチンコ機の非時短遊技状態中における変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図41】パチンコ機の非時短遊技状態中における変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図42】パチンコ機の非時短遊技状態中における変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図43】パチンコ機の遊技状態報知演出の態様の一例を示す図である。
【
図44】パチンコ機の遊技状態報知演出の態様の一例を示す図である。
【
図45】パチンコ機の時短遊技状態中における変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図46】パチンコ機の入球報知演出の態様の一例を示す図である。
【
図47】パチンコ機の第1態様による保留記憶報知演出の態様の一例を示す図である。
【
図48】パチンコ機の第2態様による保留記憶報知演出の態様の一例を示す図である。
【
図49】パチンコ機の履歴報知演出の態様の一例を示す図である。
【
図50】パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図51】パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図52】パチンコ機の副制御基板における変動用コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図53】パチンコ機の副制御基板におけるエンディングコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図54】パチンコ機の副制御基板における事前判定コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図55】パチンコ機の副制御基板における第2始動入賞口検出コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図56】パチンコ機の副制御基板における客待ちコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図57】パチンコ機の副制御基板における設定変更コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図58】パチンコ機の副制御基板における入球報知演出終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図59】パチンコ機の副制御基板における保留記憶報知演出開始処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動する第1アタッカー装置17及び第2アタッカー装置54と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21とが設けられている。なお、
図3においては、一部の釘のみを示しており、他の釘については省略している。
【0020】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の下部中央からやや左寄りの位置に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられており、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の右部中央からやや上寄りの位置に設けられている。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、遊技盤11と水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりの抽選が行われ、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、特別遊技の実行契機となる小当たり遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は4個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
【0024】
ゲート20は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
第1アタッカー装置17は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。この第1アタッカー装置17は、遊技球が入球可能な第1大入賞口18と、この第1大入賞口18を開閉する第1開閉扉18bと、を備えている。常態においては、第1開閉扉18bが閉じられ第1大入賞口18は閉鎖されているため、当該第1大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の小当たり遊技が実行されると、第1開閉扉18bが開き第1大入賞口18が開放されることにより、第1大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、第1大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では3個)の賞球が払い出される。
また、
図3に示すように、この第1大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、特に図示していないが、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ全て第1大入賞口18へ到達可能となるように、釘や風車等が配置されている。したがって、第1大入賞口18が開状態となっている限りにおいて遊技球を打ち出し続けていれば、遊技球は第1大入賞口18へ入球するようになっている。
【0026】
さらに、
図4(a)及び(b)に示すように、第1アタッカー装置17内部には、第1大入賞口18へ入球した遊技球が左方へ向けて転動可能な転道路51が設けられている。この転道路51は、転動方向の所定位置において上側通路52と下側通路53とに分岐しており、上側通路52の末端には第1大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な一般領域58が設けられ、下側通路53の末端には第1大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な特別領域57が設けられている(
図4(a)及び(b)参照)。
【0027】
また、
図4(a)及び(b)に示すように、上側通路52と下側通路53とに分岐する位置には、遊技球を上側通路52又は下側通路53のいずれかに振り分ける振り分け部材59が設けられている。この振り分け部材59は、遊技盤11に直交する軸を中心に回動可能であって、上側通路52への進路を開放し下側通路53への進路を塞ぐ第1位置と、上側通路52への進路を塞ぎ下側通路53への進路を開放する第2位置との間を変位可能となっている。そして、第1大入賞口18へ入球した遊技球は、振り分け部材59が第1位置に位置しているときには上側通路52へ進み一般領域58へ進入し、振り分け部材59が第2位置に位置しているときには下側通路53へ進み特別領域57へ進入する。
また、振り分け部材59は、常態においては第1位置に位置しているものの、小当たり遊技中は第2位置に変位する。したがって、小当たり遊技中は、第2遊技領域12bに向けて遊技球を打ち出していれば、第1大入賞口18へ遊技球が入球し、この第1大入賞口18へ入球した遊技球は必ず特別領域57へ進入するようになっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入すると、特別遊技の実行が決定され、特別遊技が開始されるようになっている。
【0028】
第2アタッカー装置54は、
図3に示すように、第1アタッカー装置17の下方に設けられている。この第2アタッカー装置54は、遊技球が入球可能な第2大入賞口55と、この第2大入賞口55を開閉する第2開閉扉55bと、を備えている。常態においては、第2開閉扉55bが閉じられ第2大入賞口55は閉鎖されているため、当該第2大入賞口55への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が開始されると、第2開閉扉55bが開き第2大入賞口55が開放されるとともに、第2開閉扉55bが遊技球を第2大入賞口55へ導く受皿部材として機能することにより、第2大入賞口55への遊技球の入球が可能となる。
また、
図3に示すように、この第2大入賞口55へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
そして、当該第2大入賞口55へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では11個)の賞球が払い出される。
【0029】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、第1大入賞口18及び第2大入賞口55のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0030】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により、後述する大当たりや小当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0031】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図2参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
【0032】
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21により所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、変動演出等の各種演出が進行したり、異なる表示に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
【0033】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0034】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0035】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図5に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0036】
また、
図5に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0037】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0038】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技、遊技者にとって有利な特別遊技、特別遊技の実行契機となる小当たり遊技等を制御する。
この主制御基板100は、
図5に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0039】
また、
図5に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、第1大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出センサ18aと、第2大入賞口55へ遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出センサ55aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、特別領域57へ遊技球が進入したことを検出する特別領域検出センサ57aと、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般領域58へ遊技球が進入したことを検出する一般領域検出センサ等も設けてもよい。
【0040】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、第1大入賞口18の第1開閉扉18bを開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド18cと、第2大入賞口55の第2開閉扉55bを開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド55cと、振り分け部材59を変位する振り分け部材ソレノイド59cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16、第1大入賞口18、第2大入賞口55の開閉制御や振り分け部材59の変位制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
【0041】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、出玉に関する設定として、設定値1から設定値6までの複数段階が定められており、この設定値の違いにより、後述する大当たりの当選確率が異なるようになっている。たとえば、設定値1よりも設定値6の方が、大当たりの当選確率が大きくなるように設定されており、大当たりの当選確率が高ければ、賞球を獲得できる可能性も高くなるので、設定値を変更することにより、そのパチンコ機Pにおいて想定される賞球の払い出し量が変化する。また、後述する大当たりの当選確率を定めた大当たり乱数判定テーブル110は、設定値1~6のそれぞれに対応して設けられており、設定値が変更されたときには、設定値ごとに設けられた大当たり乱数判定テーブル110がまるごと変更されることとなる。
主制御基板100には、特に図示していないが、上述の設定値の変更に用いられるRAMクリアスイッチ及び設定スイッチが設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、前扉3が開放されており、かつRAMクリアスイッチ及び設定スイッチの両方をオンにした状態で電源を投入すると、設定値を変更可能な設定変更状態へ移行する。そして、この設定変更状態中において、RAMクリアスイッチを操作することにより設定値を変更できるようになっている。
【0042】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0043】
図5に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0044】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。また、球送りソレノイド60及び発射モータ61が通電されている間は、0.6秒間隔(すなわち、1分間に100球の発射ペース)で遊技球が連続して発射されるようになっている。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0045】
また、発射払出制御基板200には、
図5に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0046】
さらに、発射払出制御基板200には、
図5に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0047】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
【0048】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
【0049】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。
図5に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0050】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理が行われるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御が行われる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
【0051】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図5に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0052】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0053】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0054】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0055】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0056】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかが設定されるようになっている。
【0057】
ここで、非時短遊技状態及び時短遊技状態は、第2始動入賞口16への遊技球の入球の難易度がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも、可動片16bが開いた状態に維持されやすい(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすい)ように設定されている。すなわち、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中のほうが、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすくなっている。
なお、工場出荷直後やリセット処理後の初期状態においては、非時短遊技状態が設定されるようになっている。
【0058】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われ、特別図柄が決定される。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、第2大入賞口55が開放され当該第2大入賞口55へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行される。
また、上述の大当たりの抽選によって小当たりに当選すると、第1大入賞口18が開放されるとともに、当該第1大入賞口18へ遊技球を入球可能な小当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技において、遊技球が第1大入賞口18へ入球し、この第1大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域57へ進入した場合にも上述の特別遊技が実行される。
さらに、特別遊技が終了すると、当該特別遊技の終了後の遊技状態がいずれかの遊技状態(すなわち、非時短遊技状態又は時短遊技状態)に設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の終了後は、いずれかの遊技状態へ移行するようになっている。
【0059】
ここで、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、主に、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、主に、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、第1大入賞口18への入球、第2大入賞口55への入球が可能となっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態が設定されてから非時短遊技状態の設定(時短遊技状態の終了)の契機となる変動中の所定時点(後述する入球報知演出の終了時点)に至るまでの間は、遊技球がゲート20を通過し又は第2始動入賞口16へ入球するように、また、小当たり遊技中は、遊技球が第1大入賞口18へ入球するように、また、特別遊技中は、遊技球が第2大入賞口55へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
また、非時短遊技状態の設定の契機となる変動中を除く非時短遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせる。
具体的には、時短遊技状態が設定されてから非時短遊技状態の設定(時短遊技状態の終了)の契機となる変動中の所定時点に至るまでの間、小当たり遊技中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨の表示が行われ、非時短遊技状態の設定の契機となる変動が終了すると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨の表示が行われる。
【0060】
上述の大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの抽選の結果の判定に用いられる大当たり乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、並びに、後述する変動モードコマンド及び変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、大当たりの抽選の結果を報知する際に実行される変動演出のパターン(変動時間、態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
【0061】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0062】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0063】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
【0064】
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選の結果を判定するための大当たり乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するための第1特別電動役物作動テーブル112、大当たりに当選した場合や小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入した場合に実行される特別遊技を制御するための第2特別電動役物作動テーブル113、特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル114、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル115、並びに、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを決定する際に選択される変動パターンテーブル115を決定するための決定用テーブル116を有している。
なお、大当たりの抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0065】
大当たり乱数判定テーブル110は、上述の如く、大当たりの抽選の結果(大当たり、小当たり又はハズレ)を判定するためのものであって、大別して、第1特図乱数(すなわち、第1始動入賞口15への遊技球の入球を契機に取得された大当たり乱数)に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照される大当たり乱数判定テーブル110(以下、テーブルAという)と、第2特図乱数(すなわち、第2始動入賞口16への遊技球の入球を契機に取得された大当たり乱数)に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照される大当たり乱数判定テーブル110(以下、テーブルBという)と、を備えている。
【0066】
また、
図6(a)~(l)に示すように、テーブルA及びテーブルBにはそれぞれ、設定中の設定値に応じた6種類ずつが設けられている。
具体的には、テーブルAには、設定値が「1」である場合に参照されるテーブルA1、設定値が「2」である場合に参照されるテーブルA2、設定値が「3」である場合に参照されるテーブルA3、設定値が「4」である場合に参照されるテーブルA4、設定値が「5」である場合に参照されるテーブルA5、及び、設定値が「6」である場合に参照されるテーブルA6が設けられている。
また、テーブルBには、設定値が「1」である場合に参照されるテーブルB1、設定値が「2」である場合に参照されるテーブルB2、設定値が「3」である場合に参照されるテーブルB3、設定値が「4」である場合に参照されるテーブルB4、設定値が「5」である場合に参照されるテーブルB5、及び、設定値が「6」である場合に参照されるテーブルB6が設けられている。
【0067】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり乱数が取得される。そして、パチンコ機Pに設定されている設定値、及び、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、上述のいずれかの大当たり乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり乱数と選択された大当たり乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選の結果が判定される。
【0068】
図6(a)に示すように、テーブルA1によれば、大当たり乱数が1000~1204であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1205~1511であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、1512~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA1における大当たりの当選確率はおよそ1/319、小当たりの当選確率はおよそ1/213となる。
【0069】
また、
図6(b)に示すように、テーブルA2によれば、大当たり乱数が1000~1218であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1219~1525であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、1526~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA2における大当たりの当選確率はおよそ1/299、小当たりの当選確率はおよそ1/213となる。
【0070】
また、
図6(c)に示すように、テーブルA3によれば、大当たり乱数が1000~1234であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1235~1541であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、1542~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA3における大当たりの当選確率はおよそ1/279、小当たりの当選確率はおよそ1/213となる。
【0071】
また、
図6(d)に示すように、テーブルA4によれば、大当たり乱数が1000~1273であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1274~1580であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、1581~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA4における大当たりの当選確率はおよそ1/239、小当たりの当選確率はおよそ1/213となる。
【0072】
また、
図6(e)に示すように、テーブルA5によれば、大当たり乱数が1000~1297であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1298~1604であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、1605~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA5における大当たりの当選確率はおよそ1/219、小当たりの当選確率はおよそ1/213となる。
【0073】
また、
図6(f)に示すように、テーブルA6によれば、大当たり乱数が1000~1327であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1328~1634であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、1635~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルA6における大当たりの当選確率はおよそ1/199、小当たりの当選確率はおよそ1/213となる。
【0074】
また、
図6(g)に示すように、テーブルB1によれば、大当たり乱数が1000~1204であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1205~33704であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、33705~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB1における大当たりの当選確率はおよそ1/319、小当たりの当選確率はおよそ1/2となる。
【0075】
また、
図6(h)に示すように、テーブルB2によれば、大当たり乱数が1000~1218であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1219~34717であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、34718~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB2における大当たりの当選確率はおよそ1/299、小当たりの当選確率はおよそ1/2となる。
【0076】
また、
図6(i)に示すように、テーブルB3によれば、大当たり乱数が1000~1234であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1235~33734であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、33735~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB3における大当たりの当選確率はおよそ1/279、小当たりの当選確率はおよそ1/2となる。
【0077】
また、
図6(j)に示すように、テーブルB4によれば、大当たり乱数が1000~1273であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1274~33773であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、33774~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB4における大当たりの当選確率はおよそ1/239、小当たりの当選確率はおよそ1/2となる。
【0078】
また、
図6(k)に示すように、テーブルB5によれば、大当たり乱数が1000~1297であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1298~33797であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、33798~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB5における大当たりの当選確率はおよそ1/219、小当たりの当選確率はおよそ1/2となる。
【0079】
また、
図6(l)に示すように、テーブルB6によれば、大当たり乱数が1000~1327であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1328~33827であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、33828~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、このテーブルB6における大当たりの当選確率はおよそ1/199、小当たりの当選確率はおよそ1/2となる。
【0080】
以上のように、対応付けられた設定値が同一のテーブルA及びテーブルBでは、いずれも大当たりの当選確率は同一となるように設定されている。また、テーブルA及びテーブルBのいずれにおいても小当たりに当選するものの、テーブルAにおける小当たりの当選確率よりもテーブルBにおける小当たりの当選確率の方が極めて高くなるように設定されている。また、テーブルA1~A6のいずれにおいても(すなわち、設定値によることなく)小当たりの当選確率は同一となるように設定されており、テーブルB1~B6のいずれにおいても(すなわち、設定値によることなく)小当たりの当選確率は同一となるように設定されている。
【0081】
特別図柄乱数判定テーブル111は、上述の如く、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図7(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0082】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの判定結果が得られた(すなわち、大当たりに当選した)場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として3種類の特別図柄(X1、X2、X3)が設けられており、小当たりの判定結果が得られた(すなわち、小当たりに当選した)場合に決定される特別図柄(以下、小当たり図柄という)として3種類の特別図柄(Y1、Y2、Y3)が設けられており、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Z1、Z2)が設けられている。
【0083】
図7(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、大当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~89であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が90~199であったときに大当たり図柄X2が決定される。また、小当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~139であったときに小当たり図柄Y1が決定され、特別図柄乱数が140~199であったときに小当たり図柄Y2が決定される。
すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たりの判定結果が得られた場合に大当たり図柄X1が決定される確率は45%、大当たり図柄X2が決定される確率は55%となっており、小当たりの判定結果が得られた場合に小当たり図柄Y1が決定される確率は70%、小当たり図柄Y2が決定される確率は30%となっている。
【0084】
また、
図7(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、大当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~199であったときに大当たり図柄X3が決定される。また、小当たりの判定結果が得られた場合において、特別図柄乱数が0~199であったときに小当たり図柄Y3が決定される。
すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たりの判定結果が得られた場合に大当たり図柄X3が決定される確率は100%、小当たりの判定結果が得られた場合に小当たり図柄Y3が決定される確率は100%となっている。
【0085】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の判定において、ハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の判定において、ハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z2が決定される。
すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合にのみ参照され、ハズレの判定結果が得られた場合には参照されないようになっている。
なお、第1特図乱数に基づいてハズレの判定結果が得られた場合に参照される特別図柄乱数判定テーブル111、第2特図乱数に基づいてハズレの判定結果が得られた場合に参照される特別図柄乱数判定テーブル111をそれぞれ設け、ハズレの場合にも、当該特別図柄乱数判定テーブル111及び特別図柄乱数に基づいて、ハズレ図柄を決定するようにしてもよい。
【0086】
第1特別電動役物作動テーブル112は、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を制御するためのものであり、小当たり遊技の実行中に第1大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである(
図8参照)。
具体的には、小当たりに当選する(すなわち、小当たり図柄Y1、Y2又はY3が決定される)と、第1特別電動役物作動テーブル112を参照して小当たり遊技が実行される。この第1特別電動役物作動テーブル112によれば、第1大入賞口18の1.8秒の開放が1回行われ、この第1大入賞口18の開放中に10個の遊技球が入球すると第1大入賞口18は閉鎖する。そして、上述の如く、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入すると、小当たり遊技の終了後に特別遊技が実行される。
【0087】
第2特別電動役物作動テーブル113は、上述の如く、大当たりに当選した場合や小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に第2大入賞口ソレノイド55cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図9(a)~(c)に示すように、第2特別電動役物作動テーブル113として、大当たり図柄X1の決定又は大当たり図柄X2の決定を条件に実行される特別遊技において参照される第1作動テーブル113aと、小当たり図柄Y1の決定又は小当たり図柄Y2の決定を条件に実行される特別遊技において参照される第2作動テーブル113bと、大当たり図柄X3の決定又は小当たり図柄Y3の決定を条件に実行される特別遊技において参照される第3作動テーブル113cと、が設けられている。
【0088】
具体的には、大当たり図柄X1が決定された場合又は大当たり図柄X2が決定された場合には、
図9(a)に示す第1作動テーブル113aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル113aによれば、第2大入賞口55が29.0秒開放するか又は第2大入賞口55に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が2回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、第2大入賞口55は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に第2大入賞口55が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
この特別遊技においては、各ラウンド遊技中に遊技球を第2大入賞口55へ入球させることができるため、所定個数の期待値の賞球(220個=11個×10個×2ラウンド)を獲得可能となっている。
【0089】
また、小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合、又は、小当たり図柄Y2の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合には、
図9(b)に示す第2作動テーブル113bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル113bによれば、上述の第1作動テーブル113aと同一の条件で終了するラウンド遊技が3回実行される。また、1回のラウンド遊技における第2大入賞口55の開放回数、インターバル時間も、第1作動テーブル113aと同一の内容となっている。
この特別遊技におけるラウンド遊技の実行回数は、大当たり図柄X1又は大当たり図柄X2に係る特別遊技のラウンド遊技の実行回数よりも多いため、獲得可能な賞球の期待値(330個=11個×10個×3ラウンド)は、大当たり図柄X1又は大当たり図柄X2に係る特別遊技よりも大きくなる。
【0090】
また、大当たり図柄X3が決定された場合、又は、小当たり図柄Y3の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合には、
図9(c)に示す第3作動テーブル113cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル113cによれば、上述の第1作動テーブル113a及び第2作動テーブル113bと同一の条件で終了するラウンド遊技が10回実行される。また、1回のラウンド遊技における第2大入賞口55の開放回数、インターバル時間も、第1作動テーブル113a及び第2作動テーブル113bと同一の内容となっている。
この特別遊技におけるラウンド遊技の実行回数は、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2に係る特別遊技のラウンド遊技の実行回数よりも多いため、獲得可能な賞球の期待値(1100個=11個×10個×10ラウンド)は、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2に係る特別遊技よりも大きくなる。
【0091】
遊技状態設定テーブル114は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別により決定されるようになっている。
【0092】
具体的には、
図10に示すように、時短遊技状態において(大当たりに当選した際の遊技状態が時短遊技状態であって)大当たり図柄X1が決定された場合に実行される特別遊技、時短遊技状態中における小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合に実行される特別遊技、大当たり図柄X2が決定された場合に実行される特別遊技、及び、小当たり図柄Y2の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合に実行される特別遊技の終了後にはいずれも、時短遊技状態が設定される。そして、この時短遊技状態は、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数(変動回数)及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数(変動回数)の合計が100回に到達するか、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりに当選し大当たり図柄X3が決定される(すなわち、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりに当選する)か、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定される(すなわち、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき小当たりに当選する)かのいずれかの時短終了条件が成立するまで継続する。
【0093】
すなわち、時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合に実行される特別遊技の終了後、時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定され、当該小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合に実行される特別遊技の終了後、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合に実行される特別遊技の終了後、及び、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき小当たりに当選し小当たり図柄Y2が決定され、当該小当たり図柄Y2の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合に実行される特別遊技の終了後は、時短遊技状態へ移行する。そして、この時短遊技状態の継続中に特別遊技が実行されることなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が合わせて100回行われるか、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たり或いは小当たりに当選すると、時短遊技状態が終了し、遊技状態は非時短遊技状態に変更されることとなる。
【0094】
これに対して、非時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合に実行される特別遊技の終了後、及び、非時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定され、当該小当たり図柄Y1の決定に基づく小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入した場合に実行される特別遊技の終了後にはいずれも、非時短遊技状態が設定される(非時短遊技状態へ移行する)。
また、上述のように、時短遊技状態中に第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たり又は小当たりに当選した場合(大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y3が決定された場合)には、この当選(決定)時点で時短遊技状態が終了し、遊技状態は非時短遊技状態に変更されるが、この大当たり又は小当たりに基づいて実行される特別遊技の終了後も、非時短遊技状態が設定される。
【0095】
なお、時短遊技状態中に第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たり又は小当たりに当選した場合(大当たり図柄X1、大当たり図柄X2、小当たり図柄Y1又は小当たり図柄Y2が決定された場合)には、この当選(決定)時点で時短遊技状態が終了することはない。そして、この大当たり又は小当たりに基づいて実行される特別遊技の終了後も、時短遊技状態が設定される。
【0096】
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、時短遊技状態中は第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すように指示されるため、この指示に従って遊技球の打ち出しを行っている限りにおいては、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することとなり、第1始動入賞口15へは遊技球は入球しない。また、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、約1/2の当選確率で小当たりに当選するようになっている(
図6(g)~(l)参照)。したがって、本形態に係るパチンコ機Pでは、主に、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて小当たりに当選することにより時短遊技状態が終了することとなる。
なお、本明細書では、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が合わせて100回行われるという時短終了条件を「第1時短終了条件」ともいうものとし、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりに当選し大当たり図柄X3が決定されるという時短終了条件を「第2時短終了条件」ともいうものとし、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定されるという時短終了条件を「第3時短終了条件」ともいうものとする。
【0097】
変動パターンテーブル115は、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動モードコマンド及び変動パターンコマンドが決定される。変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、上述の如く、変動演出の変動パターンを決定するためのものであり、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドにより、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が決定される。本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モードコマンドにより決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
具体的には、この決定された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。
【0098】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドはそれぞれ複数種類設けられており、各変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは変動パターンテーブル115に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル115ごとに、決定される変動モードコマンド及び変動パターンコマンドの種類、並びに、決定割合が設定されている。
【0099】
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル115として、テーブルA、テーブルB、テーブルC、テーブルD及びテーブルEを備えている(
図11参照)。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、現時点の保留数(第1特図保留数又は第2特図保留数)と、いずれかの変動パターンテーブル115とに基づいて、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドが決定される。
【0100】
(参照する変動パターンテーブル115の決定)
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、リセット処理後(メインRAM103をクリアする処理の実行後)又は大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技の終了後からの変動回数、及び、変動開始の契機となる遊技球の入球に係る始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)に応じて、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドの決定時に参照する変動パターンテーブル115が決定されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pは、参照する変動パターンテーブル115を決定するために用いられるテーブルとして、参照する変動パターンテーブル115を定めた決定用テーブル116が設けられている。そして、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを決定する際には、このテーブルに係る情報に基づいて、参照する変動パターンテーブル115が決定される。
【0101】
決定用テーブル116は、上述の如く、参照する変動パターンテーブル115を定めたものである。
この決定用テーブル116においては、
図12に示すように、直近の特別遊技の実行の契機となった大当たり又は小当たりの当選に基づいて決定された特別図柄の種別、上述の特別遊技の終了後又はリセット処理後からの変動回数(特別図柄の変動表示の実行回数)、及び、変動開始(特別図柄の変動表示の開始)の契機となる遊技球の入球に係る始動入賞口の種別(第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16のいずれか、換言すれば、変動開始の際に用いられる乱数の種別(第1特図乱数又は第2特図乱数のいずれか))ごとにそれぞれ、参照する変動パターンテーブル115が定められている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了時に、上述の決定用テーブル116に基づいて、当該特別遊技の実行の契機となった大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態、及び、当該大当たり又は小当たりの当選に基づいて決定された特別図柄の種別に対応付けられた変動パターンテーブル115の情報が取得されるようになっている。
【0102】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、リセット処理後又は特別遊技の終了後からの変動回数が、メインRAM103の所定の記憶領域により構成される所定の変動回数カウンタによりカウントされるようになっている。具体的には、リセット処理が実行されるか又は特別遊技が終了すると、上述の変動回数カウンタのカウント値がクリアされ、特別図柄の変動表示(大当たりの抽選)が行われるごとに当該カウンタの値が1インクリメントされる。これにより、リセット処理後又は特別遊技の終了後からの変動回数がカウントされる。すなわち、リセット処理が実行された場合には当該リセット処理後からの変動回数がカウントされ、特別遊技が行われた場合には当該特別遊技の終了後からの変動回数がカウントされることとなる。
そして、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを決定する際に、上述のように、特別遊技の終了時に決定用テーブル116に基づいて取得された変動パターンテーブル115の情報を参照し、当該時点における変動回数カウンタのカウント値、及び上述の始動入賞口の種別に基づいて、参照する変動パターンテーブル115が決定される。
【0103】
図12に示すように、決定用テーブル116によれば、特別遊技の実行の契機となった大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態が非時短遊技状態であって、当該大当たり又は小当たりの当選に基づいて決定された特別図柄の種別が大当たり図柄X1又は小当たり図柄Y1の場合、及び、特別遊技の実行の契機となった大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態にかかわらず、当該大当たり又は小当たりの当選に基づいて決定された特別図柄の種別が大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y3の場合にはいずれも、変動回数カウンタのカウント値が1(特別遊技の終了後からの変動回数が1回目)であって、当該変動が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルAが決定され、当該変動が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルBが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が2~100(特別遊技の終了後からの変動回数が2回目~100回目)であって、当該変動が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルAが決定され、当該変動が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルBが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が101以上(特別遊技の終了後からの変動回数が101回目以降)であって、当該変動が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルAが決定され、当該変動が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルBが決定される。
【0104】
なお、上述の如く、非時短遊技状態中に大当たり又は小当たりに当選し大当たり図柄X1又は小当たり図柄Y1が決定された場合、及び、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y3が決定された場合に実行される特別遊技の終了後にはいずれも、非時短遊技状態が設定される(
図10参照)。
以上より、非時短遊技状態中は常に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動が開始されるときにテーブルAが決定され、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動が開始されるときにテーブルBが決定されることとなる。
また、上述の如く、工場出荷直後やリセット処理後においては非時短遊技状態が設定されるようになっている。したがって、特に図示していないが、これらの後においても、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動が開始されるときにテーブルAが決定され、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動が開始されるときにテーブルBが決定されることとなる。
【0105】
また、決定用テーブル116によれば、特別遊技の実行の契機となった大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態が時短遊技状態であって、当該大当たり又は小当たりの当選に基づいて決定された特別図柄の種別が大当たり図柄X1又は小当たり図柄Y1の場合、及び、特別遊技の実行の契機となった大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態にかかわらず、当該大当たり又は小当たりの当選に基づいて決定された特別図柄の種別が大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2の場合にはいずれも、変動回数カウンタのカウント値が1であって、当該変動が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルCが決定され、当該変動が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルEが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が2~100であって、当該変動が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルDが決定され、当該変動が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルEが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が101以上であって、当該変動が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルAが決定され、当該変動が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルBが決定される。
【0106】
なお、上述の如く、時短遊技状態中に大当たり又は小当たりに当選し大当たり図柄X1又は小当たり図柄Y1が決定された場合、及び、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定された場合に実行される特別遊技の終了後にはいずれも、時短遊技状態が設定される(
図10参照)。
以上より、時短遊技状態が設定されてから1回目の変動が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて開始されるときにテーブルCが決定され、この変動が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて開始されるときにテーブルEが決定されることとなる。また、時短遊技状態が設定されてから2回目~100回目の各変動が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて開始されるときにテーブルDが決定され、各変動が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて開始されるときにテーブルEが決定されることとなる。
そして、上述の如く、時短遊技状態が設定されてから特別遊技が実行されることなく100回の変動が終了すると、非時短遊技状態が設定される。すなわち、時短遊技状態が設定されてから101回目以降の各変動は非時短遊技状態中に行われることとなる。
以上より、非時短遊技状態中は常に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動が開始されるときにテーブルAが決定され、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動が開始されるときにテーブルBが決定されることとなる。
【0107】
そして、上述のように決定された変動パターンテーブル115を参照して、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドが決定される。
【0108】
ここで、テーブルA、テーブルC及びテーブルDは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照される変動パターンテーブル115である(
図12参照)。第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照される変動パターンテーブル115では、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを決定する際に、当該時点における第1特図保留数が参照される。
これに対して、テーブルB及びテーブルEは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照される変動パターンテーブル115である(
図12参照)。第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照される変動パターンテーブル115では、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを決定する際に、当該時点における第2特図保留数が参照される。
【0109】
そして、
図11(a)に示すように、テーブルAによれば、ハズレ図柄Z1が決定され(すなわち、大当たりの抽選の結果がハズレであり)、かつ、現時点の第1特図保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~229であったときに「13秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動モードコマンド「00H」及び変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「60秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が15秒、後半部分の変動時間が45秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動モードコマンド「01H」及び変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「90秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が15秒、後半部分の変動時間が75秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動モードコマンド「01H」及び変動パターンコマンド「02H」が決定される。
また、ハズレ図柄Z1が決定され、かつ、現時点の第1保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~229であったときに「3秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動モードコマンド「00H」及び変動パターンコマンド「03H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「01H」及び変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「01H」及び変動パターンコマンド「02H」が決定される。
【0110】
また、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「A1H」及び変動パターンコマンド「A1H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「A1H」及び変動パターンコマンド「A2H」が決定される。
また、小当たりに当選し小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「B1H」及び変動パターンコマンド「B1H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「B1H」及び変動パターンコマンド「B2H」が決定される。
【0111】
図11(b)に示すように、テーブルBによれば、ハズレ図柄Z2が決定されると(すなわち、大当たりの抽選の結果がハズレであると)、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「1.5秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が1.5秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動モードコマンド「00H」及び変動パターンコマンド「04H」が決定される。
また、大当たり図柄X3が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「5秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が5秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動モードコマンド「A0H」及び変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
また、小当たり図柄Y3が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「5秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「B0H」及び変動パターンコマンド「B3H」が決定される。
【0112】
図11(c)に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Z1が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「10秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が10秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動モードコマンド「00H」及び変動パターンコマンド「05H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「A0H」及び変動パターンコマンド「A5H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「10秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「B0H」及び変動パターンコマンド「B5H」が決定される。
【0113】
図11(d)に示すように、テーブルDによれば、ハズレ図柄Z1が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「20秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が20秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動モードコマンド「00H」及び変動パターンコマンド「06H」が決定される。
また、大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「A0H」及び変動パターンコマンド「A6H」が決定される。
また、小当たり図柄Y1又はY2が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「B0H」及び変動パターンコマンド「B6H」が決定される。
【0114】
図11(e)に示すように、テーブルEによれば、ハズレ図柄Z2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「1.5秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「00H」及び変動パターンコマンド「04H」が決定される。
また、大当たり図柄X3が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「150秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が150秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動モードコマンド「A0H」及び変動パターンコマンド「A4H」が決定される。
また、小当たり図柄Y3が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「150秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動モードコマンド「B0H」及び変動パターンコマンド「B4H」が決定される。
【0115】
以上のように決定された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の具体的態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動モードコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び変動パターンコマンドに設定されている後半部分の変動時間の合計が、変動演出(特別図柄の変動表示)の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動モードコマンドが「01H」(前半部分の変動時間は15秒)、変動パターンコマンドが「02H」(後半部分の変動時間は75秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値90秒(=15秒+75秒)が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
なお、「00H」、「A0H」及び「B0H」の変動モードコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動モードコマンドが決定された場合には、決定された変動パターンコマンドに対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体が実行されるようになっている。
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0116】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル117に基づいて、行われる。
【0117】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0118】
また、当たり決定乱数判定テーブル117は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図13(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態、特別遊技中、小当たり遊技中において参照される第1判定テーブル117aと、時短遊技状態において参照される第2判定テーブル117bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であるか、又は、普通図柄の抽選を行う時点が特別遊技中或いは小当たり遊技中であれば、第1判定テーブル117aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル117aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、第2判定テーブル117bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル117bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0119】
第1判定テーブル117aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル117aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、第2判定テーブル117bによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル117bにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0120】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル118、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル119を備えている。
【0121】
普通図柄変動パターン決定テーブル118は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル118に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図14に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合、又は特別遊技中或いは小当たり遊技中には、13秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には、2秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
【0122】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル119は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル119に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合、又は特別遊技中或いは小当たり遊技中には、
図15に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.05秒(=0.05秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.05秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、
図15に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが6秒(=1.5秒×4回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計6秒開放される。
【0123】
以上のように、各遊技状態に対して、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16が開状態に維持されやすく、遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
なお、遊技状態が時短遊技状態の場合には、上述のように、第2始動入賞口16を開閉するための処理として、第2判定テーブル117b(相対的に当たりとなる確率が高く設定された当たり決定乱数判定テーブル117)による普通図柄の抽選、時短遊技状態用の変動時間(相対的に短い変動時間)の決定、及び、時短遊技状態用の開放パターン(相対的に開放回数が多く、1開放あたりの開放時間及び総開放時間が長い開放パターン)による開放制御の全てが行われていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、上述の処理の少なくともいずれか1つが行われるようにしてもよい。
【0124】
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態が設定されて、遊技が進行するようになっている。
ここで、遊技者が遊技を開始する時点では、ほぼ非時短遊技状態が設定されており、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しによる遊技が行われる。したがって、非時短遊技状態中は、遊技者により打ち出された遊技球は第1始動入賞口15へ入球可能となり、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われることとなる。
第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1又はX2が決定され(
図7(a)参照)特別遊技が実行される。また、小当たりに当選した場合には、小当たり図柄Y1又はY2が決定され(
図7(a)参照)当該当選に基づいて実行される小当たり遊技中に第1大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域57へ進入すると特別遊技が実行される。
【0125】
また、大当たり図柄X1が決定されたときには、当該当選に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態は非時短遊技状態に設定され、大当たり図柄X2が決定されたときには、当該当選に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態は時短遊技状態に設定される(
図10参照)。
また、小当たり図柄Y1が決定されたときには、当該当選に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態は非時短遊技状態に設定され、小当たり図柄Y2が決定されたときには、当該当選に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態は時短遊技状態に設定される(
図10参照)。
【0126】
時短遊技状態中は、大当たりの当選確率は非時短遊技状態中と変わらないものの、上述の如く、非時短遊技状態中よりも第2始動入賞口16が開状態に極めて維持されやすい。また、時短遊技状態中は、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが指示されるようになっている。したがって、この指示に従って遊技球の打ち出しを行っていれば、遊技者により打ち出された遊技球は第2始動入賞口16へ入球可能となり、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの当選が行われることとなる。
第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X3が決定され(
図7(b)参照)特別遊技が実行される。また、小当たりに当選した場合には、小当たり図柄Y3が決定され(
図7(b)参照)当該当選に基づいて実行される小当たり遊技中に第1大入賞口18へ入球した遊技球が特別領域57へ進入すると特別遊技が実行される。
そして、大当たり図柄X3又は小当たり図柄X3に基づく特別遊技では、ラウンド遊技が10回実行されるため(
図9(c)参照)、1100個の期待値の賞球を獲得できる。
【0127】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、時短遊技状態は、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数の合計が100回に到達するか、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりに当選し大当たり図柄X3が決定されるか、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定されるかのいずれかの時短終了条件が成立することにより、終了する。また、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、約1/319~約1/199の当選確率で大当たりに当選するとともに、約1/2の当選確率で小当たりに当選するようになっているため(
図6(g)~(l)参照)、上述の抽選回数の合計が100回に到達する前に、ほぼ確実に大当たり又は小当たりに当選する。したがって、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態は、実質的に大当たり又は小当たりに当選することで終了する。
【0128】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たり又は小当たりに当選することで時短遊技状態が終了し、非時短遊技状態が設定されても、当該当選に係る変動(特別図柄の変動表示)中の所定時点までは、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すように指示される。そのため、当該当選に係る変動中において、非時短遊技状態が設定された時点で可動片16bの開放が終了していなければ(第2始動入賞口16の開状態が維持されていれば)、第2遊技領域12bへ向けて遊技球の打ち出しを継続して行うことで、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて第2特図乱数を取得することができ、最大4個まで第2特図乱数の保留記憶が可能となる。
なお、上述のように第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たり又は小当たりに当選し非時短遊技状態が設定されているため、上述の可動片16bの開放が終了した後は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されていたとしても(普図保留数が1以上であったとしても)、普通図柄の抽選により当たりとなることはほぼあり得ず、可動片16bが開放することもほぼない。
【0129】
そして、上述の如く、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選では約1/2の当選確率で小当たりに当選するため、上述の当選に係る変動中において第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて第2特図乱数を取得する(保留記憶させる)ことができた場合には、当該取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選において、大当たりに当選する可能性があるとともに、小当たりに当選する可能性が高い。
また、上述の抽選では、大当たりに当選すると大当たり図柄X3が決定され、小当たりに当選すると小当たり図柄Y3が決定されるため、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y3に基づく特別遊技において1100個の賞球を獲得できる。
すると、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態が設定されることにより、少なくとも当該時短遊技状態の終了の契機となる大当たり又は小当たりに基づいて1100個の賞球を獲得できるとともに、上述の第2特図乱数の保留記憶に基づいて大当たり又は小当たりに当選すれば、当選の回数×1100個の賞球をさらに獲得できることとなる。たとえば、時短遊技状態の終了の契機となる大当たり又は小当たりの変動中に4個の第2特図乱数を保留記憶できた場合において、4個のうち1個の第2特図乱数が小当たりの当選と判定されるときには計2200個(=1100個+1100個×1)の賞球を獲得できる。また、4個全ての第2特図乱数が小当たりの当選と判定されるときには計5500個(=1100個+1100個×4)の賞球を獲得できる。また、4個のうち2個の第2特図乱数が小当たりの当選と判定され、1個の第2特図乱数が大当たりの当選と判定されるときには計4400個(=1100個+1100個×3)の賞球を獲得できる。また、4個全ての第2特図乱数がハズレと判定されるときには計1100個(=1100個+1100個×0)の賞球を獲得できる。
【0130】
そして、上述の第2特図乱数の保留記憶についての処理(特別図柄の変動表示、小当たり遊技の実行、特別遊技の実行)が終了した後は、非時短遊技状態が設定されていることから、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しによる遊技が再開される。
【0131】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態の終了の契機となった大当たり又は小当たりの変動中に第2特図乱数を保留記憶させ、この保留記憶された第2特図乱数に基づいて大当たり又は小当たりの複数回の当選を目指す、すなわち、時短遊技状態の終了の契機となった大当たり又は小当たりの変動中に保留記憶された第2特図乱数に基づき、時短遊技状態の終了から当該保留記憶が全て処理されるまでの間に、一時に大量の賞球の獲得を目指すという遊技性が付与されることとなる。
【0132】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、非時短遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選により大当たりに当選する確率は、設定値が「1」の場合におよそ1/319、設定値が「2」の場合におよそ1/299、設定値が「3」の場合におよそ1/279、設定値が「4」の場合におよそ1/239、設定値が「5」の場合におよそ1/219、設定値が「6」の場合におよそ1/199であり、設定値に応じて異なるように設定されている(
図6(a)~(f)参照)。また、大当たりの当選した場合に、当該当選に基づく特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定されることとなる大当たり図柄X2が決定される確率は、いずれの設定値であっても55/100である(
図7(a)参照)。
すると、非時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球による大当たりの当選に基づき時短遊技状態が設定される確率は、設定値が「1」の場合におよそ1/580、設定値が「2」の場合におよそ1/543、設定値が「3」の場合におよそ1/507、設定値が「4」の場合におよそ1/434、設定値が「5」の場合におよそ1/398、設定値が「6」の場合におよそ1/361となる。
【0133】
これに対して、非時短遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選により小当たりに当選する確率は、いずれの設定値であってもおよそ1/213である(
図6(a)~(f)参照)。また、小当たりの当選した場合に、当該当選に基づく特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定されることとなる小当たり図柄X2が決定される確率は、いずれの設定値であっても30/100である(
図7(a)参照)。
すると、非時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球による小当たりの当選に基づき時短遊技状態が設定される確率は、いずれの設定値であってもおよそ1/710となる。
以上より、非時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき時短遊技状態が設定される確率は、設定値ごとに異なることとなる。
【0134】
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、非時短遊技状態中の第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき時短遊技状態が設定される確率が設定値ごとに異なるとともに、非時短遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選により大当たりに当選した場合と小当たりに当選した場合とで、時短遊技状態が設定される確率が異なる。
これにより、設定値、及び大当たりの抽選の結果の種類(大当たり、小当たり)に応じて時短遊技状態への移行の割合が異なるという新たな遊技性を付与することができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0135】
なお、本形態では、小当たりに当選した場合よりも大当たりに当選した場合の方が、時短遊技状態が設定されやすいようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、小当たりの当選確率を高く設定することで、大当たりに当選した場合よりも小当たりに当選した場合の方が、時短遊技状態が設定されやすいようにしてもよい。また、大当たりに当選した場合と小当たりに当選した場合とで、時短遊技状態が設定される割合が同一となるようにしてもよい。
また、本形態では、小当たりに当選した場合において、非時短遊技状態が設定される旨が定められた小当たり図柄Y1と、時短遊技状態が設定される旨が定められた小当たり図柄Y2との決定確率を異ならせることで、小当たりに当選した場合に時短遊技状態が設定される割合を変化させていたが、これに限定されるものではない。たとえば、小当たり図柄ごとに非時短遊技状態が設定される確率及び時短遊技状態が設定される確率を定めておき、決定された小当たり図柄の種類によって、時短遊技状態が設定される割合が変化するようにしてもよい。
【0136】
またここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態中は、主に、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて遊技が進行するようになっている。そして、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選により大当たりに当選する(大当たり図柄X3が決定される)か又は小当たりに当選する(小当たり図柄Y3が決定される)ことにより時短遊技状態が終了するようになっている。
これにより、時短遊技状態の終了のバリエーションが豊富となるため、時短遊技状態における遊技性の設定の自由度を高いものとしつつ、斬新な遊技性を付与可能となる。
また、たとえば、特別遊技が実行されることにより時短遊技状態を終了することとした場合には、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球を進入させないことにより特別遊技を実行しないようにすることで、時短遊技状態を継続させるような攻略法が行われるおそれがある。しかし、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように、小当たりに当選することにより時短遊技状態が終了するため、上述のような攻略法が行われるおそれはない。
【0137】
なお、本形態では、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たり又は小当たりに当選した時点で時短遊技状態が終了するようになっていたが、時短遊技状態を終了するタイミングはこれに限定されるものではない。たとえば、大当たり又は小当たりに当選してから当該当選に基づく特別図柄の変動表示(変動演出)が終了するまでのいずれかの時点(たとえば、特別図柄の変動表示の開始時点、特別図柄の変動表示中のいずれかの時点、特別図柄の変動表示の終了時点等)で時短遊技状態を終了するようにしてもよい。
また、本形態では、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選において、大当たりに当選した場合には必ず大当たり図柄X3が決定され、小当たりに当選した場合には必ず小当たり図柄Y3が決定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、上述の抽選により大当たりに当選した場合大当たり図柄を複数種類設け、所定の大当たり図柄が決定された場合には時短遊技状態を終了し、当該大当たり図柄と異なる大当たり図柄が決定された場合には時短遊技状態を終了しないように設定してもよい。同様に、小当たり図柄を複数種類設け、所定の小当たり図柄が決定された場合には時短遊技状態を終了し、当該小当たり図柄と異なる小当たり図柄が決定された場合には時短遊技状態を終了しないように設定してもよい。
【0138】
また、本形態では、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たり又は小当たりとなった場合には、いずれも同じ期待値の賞球を獲得可能となっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、大当たりとなった場合と小当たりとなった場合とでは異なる期待値の賞球数を獲得可能となるようにしてもよい。また、大当たりとなった場合に獲得可能な賞球数を複数種類設けてもよく、同様に、小当たりとなった場合に獲得可能な賞球数を複数種類設けてもよい。
【0139】
(パチンコ機Pにおける遊技の進行の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技、小当たり遊技及び特別遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図16のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0140】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理を実行する。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0141】
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0142】
次に、上述したステップ100の初期化処理について、
図17のフローチャートを参照して説明する。
ステップ130において、メインCPU101は、メインROM102から起動プログラムを読み込む等、電断復帰時(電源スイッチがオンとなった場合、不測の電源断から復帰した場合)における各種処理を実行するために必要な初期設定処理を実行する。そして、次のステップ131に進む。
ステップ131において、メインCPU101は、電断復帰後に上述の各種処理の実行を開始するまでの待機時間である電断監視時間を、電断監視時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ132に進む。
【0143】
ステップ132において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ131に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ133に進む。
ステップ133において、メインCPU101は、上述のステップ131で設定された電断監視時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ132に戻る。一方、経過したと判定した場合、次のステップ134に進む。なお、電断監視時間タイマカウンタには減算タイマを採用しており、上述の電断発生信号の検出の判定が実行されるごとにタイマカウンタが1ずつ減算され、0となった場合に電断監視時間が経過したと判定されるようになっている。
【0144】
ステップ134において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを許可するとともに、後述するタイマ割込処理の実行を許可する。この処理が行われることにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が可能となるとともに、後述するタイマ割込処理の実行が可能となる。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、メインCPU101は、設定値の変更に関する各種処理を行う設定値関連処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、所定の設定変更条件が成立した場合には設定値の変更が可能となる設定値変更モードを設定し、この設定値変更モードにおいて所定の設定変更操作が行われた場合に、設定されていた設定値を変更する。また、メインCPU101は、設定値の変更が行われた場合には、設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、設定値変更コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は、設定値の変更が行われた旨を把握できることとなる。さらに、メインCPU101は、所定の遊技可能設定条件が成立した場合には、設定値変更モードから遊技の進行が可能となる遊技可能モードを設定する。そして、次のステップ136に進む。
【0145】
ステップ136において、メインCPU101は、リセット処理の実行条件を満たしているか否かを判定する。具体的には、主制御基板100に設けられたRAMクリアスイッチ(特に図示しておらず)がオンの状態で電源の投入(電源スイッチのオン)が行われたか、不測の電断発生時におけるメインRAM103の記憶データと不測の電断からの復帰時におけるメインRAM103の記憶データとに不整合が生じたか(バックアップ異常が生じたか)等を確認する。そして、RAMクリアスイッチがオンの状態で電源が投入された場合や電断発生時及び電断復帰時のメインRAM103の記憶データに不整合が生じた場合に、リセット処理の実行条件を満たしていると判定する。これに対して、RAMクリアスイッチがオフの状態で電源が投入された場合や電断発生時及び電断復帰時のメインRAM103の記憶データに不整合が生じていなかった場合に、リセット処理の実行条件を満たしていないと判定する。そして、リセット処理の実行条件を満たしていないと判定した場合、ステップ140に進む。一方、リセットの条件を満たしていると判定した場合、次のステップ137に進む。
【0146】
ステップ137において、メインCPU101は、リセット処理(すなわち、メインRAM103の記憶領域における記憶データをクリアするRAMクリア処理)を実行する。ここで、メインRAM103の記憶領域には、遊技の進行に係る各種データ(変動中の特別図柄の情報、遊技球の発射位置(遊技球を打ち出す遊技領域12)、第1特図保留数、第2特図保留数、時短回数、特図遊技の進行状況を示す実行フェーズデータ、普図保留数、普図遊技の進行状況を示す普図実行フェーズデータ、特別図柄の非変動中である旨の情報等)、変動回数カウンタのカウント値等が記憶されており、リセット処理が実行されることにより、これらのデータが全てクリアされる。なお、ここで変動回数カウンタのカウント値がクリアされることにより、リセット処理の実行後からの変動回数が変動回数カウンタによってカウントされることとなる。そして、次のステップ138に進む。
ステップ138において、メインCPU101は、リセット処理が実行されたことを示すRAMクリアコマンドを発射払出制御基板200へ送信する。また、メインCPU101は、当該コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、RAMクリアコマンドが副制御基板300へ送信される。そして、ステップ139に進む。
ステップ139において、メインCPU101は、現時点の変動回数カウンタのカウンタ値を含む変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は、現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、ステップ142に進む。
【0147】
また、上述のステップ136でリセット処理の実行条件を満たしていないと判定した場合に進むステップ140において、メインCPU101は、電断から復帰したことを示す電断復帰コマンドを発射払出制御基板200へ送信する。また、メインCPU101は、当該コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、電断復帰コマンドが副制御基板300へ送信される。そして、次のステップ141に進む。
ステップ141において、メインCPU101は、変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信される。なお、上述同様、リセット処理は実行されていないため、この変動回数コマンドには、電断発生時における変動回数カウンタのカウント値が含まれることとなる。これにより、副制御基板300は、電源復帰時において、電断発生時の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ142に進む。
【0148】
ステップ142において、メインCPU101は、電断復帰時における演出の制御に必要なデータの内容を示す演出制御用コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、演出制御用コマンドが副制御基板300に送信される。そして、初期化処理を終了する。
ここで、演出制御用コマンドとしては、第1特図保留数を示す第1特図保留数指定コマンド、第2特図保留数を示す第2特図保留数指定コマンド、遊技球の打ち出しの方向(すなわち、右打ち又は左打ちのいずれか)を示す発射位置指定コマンド、後述する特図関連制御処理の実行フェーズを示す実行フェーズ指定コマンド、電断発生時にデモ表示状態(いわゆる客待ち状態)であったことを示す客待ち指定コマンド等が挙げられる。
【0149】
次に、主制御基板100の電断退避処理を説明する。
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、供給される電源の電圧が所定値以下となると、上述の主制御基板100のメイン処理に割り込んで、
図18のフローチャートに示す電断退避処理が実行される。
【0150】
ステップ150において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを禁止するとともに、後述するタイマ割込処理の実行を禁止する。この処理が行われることにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が不可能となり、メインRAM103の記憶データが保持される(すなわち、バックアップが行われる)こととなる。また、後述するタイマ割込処理の実行が不可能となる。そして、次のステップ151に進む。
ステップ151において、メインCPU101は、電断監視時間を、電断監視時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ152に進む。
【0151】
ステップ152において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ151に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ153に進む。
ステップ153において、メインCPU101は、上述のステップ151で設定された電断監視時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ152に戻る。一方、経過したと判定した場合、電断退避処理を終了し、上述の初期化処理を実行する。電断監視時間の経過の判定は、上述の初期化処理における判定と同様に行われる。
なお、電断が発生した場合には、上述のステップ151からステップ153までをループしている間、パチンコ機Pの作動が停止することとなる。
【0152】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図19のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0153】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0154】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a又は特別領域検出センサ57aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技、小当たり遊技、特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0155】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0156】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、第1大入賞口検出センサ18a、第2大入賞口検出センサ55aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、第1大入賞口18や第2大入賞口55の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、振り分け部材59の変位を制御するためのシャッター部ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0157】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力処理、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0158】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0159】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が特別領域57に進入したことに基づいて、特別遊技の実行を決定するための特別領域検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0160】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0161】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0162】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0163】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、現時点の大当たり乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0164】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ506に進む。
【0165】
ステップ506において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に(第1特図乱数が保留記憶された時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0166】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたことを示す第2始動入賞口検出コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ602に進む。
【0167】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ604に進む。
【0168】
ステップ604において、メインCPU101は、現時点の大当たり乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ604で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0169】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ604で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、第1変動パターン乱数及び第2変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ608に進む。
【0170】
ステップ608において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、当該第2特図乱数に基づく変動開始前に(第2特図乱数が保留記憶された時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0171】
次に、上述したステップ507及びステップ608の事前判定処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。なお、上述したステップ507の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに、第1特図保留数に基づいて下記の処理が実行され、上述したステップ608の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに、第2特図保留数に基づいて下記の処理が実行される。
ステップ610において、メインCPU101は、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ611に進む。
ステップ611において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))を確認する。また、メインCPU101は、現時点の変動回数カウンタのカウント値を確認する。そして、次のステップ612に進む。
【0172】
ステップ612において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、上述のステップ611で確認した始動入賞口の種別及び設定中の設定値に対応するいずれかを取得し、取得したテーブルと、記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たり、小当たり又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ613に進む。
【0173】
ステップ613において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ612における判定の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ612における判定の結果と、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄又は小当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、大当たり図柄X2、小当たり図柄Y1、小当たり図柄Y2)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ612における判定の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ612における判定の結果と、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄又は小当たり図柄の種別(大当たり図柄X3、小当たり図柄Y3)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15であり、かつ上述のステップ612における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はZ1(ハズレ図柄)であると判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16であり、かつ上述のステップ612における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はZ2(ハズレ図柄)であると判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ614に進む。
【0174】
ステップ614において、メインCPU101は、上述のステップ610で確認した現時点の保留数、及び上述のステップ611で確認した現時点の変動回数カウンタのカウント値によって、保留記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数に基づく変動が実行される際の変動回数を導出した上で、当該変動回数、及び、遊技球が入球した始動入賞口の種別に対応する変動パターンテーブル115を取得する。そして、次のステップ615に進む。
ステップ615において、メインCPU101は、上述のステップ614で取得した変動パターンテーブル115と、上述のステップ613で判定された特別図柄の種別と、記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを判定する変動モードコマンド及び変動パターンコマンド判定処理を実行する。そして、次のステップ616に進む。
【0175】
ステップ616において、メインCPU101は、上述のステップ612で判定された大当たりの抽選の結果(大当たり、小当たり又はハズレ)、上述のステップ613で判定された特別図柄の種別、上述のステップ615で判定された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、保留として記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドが、事前判定コマンドによって、当該乱数の取得時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
【0176】
次に、上述したステップ303の特別領域検出時処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ630において、メインCPU101は、特別領域検出センサ57aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、特別領域検出センサ57aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、特別領域検出時処理を終了する。一方、特別領域検出センサ57aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ631に進む。
ステップ631において、メインCPU101は、小当たり遊技の実行中である旨を示す小当たり遊技中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、小当たり遊技中フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ633に進む。一方、小当たり遊技中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ632に進む。
【0177】
ステップ632において、メインCPU101は、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入したことを示す特別領域進入フラグをオンにする。そして、特別領域検出時処理を終了する。
また、上述のステップ631で小当たり遊技中フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ633において、メインCPU101は、遊技球が適切に特別領域57へ進入していない旨を報知するためのエラー処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述の報知を行うためのエラーコマンドを副制御基板300に送信する。これによりエラーコマンドに基づいて上述の報知が行われる。そして、特別領域検出時処理を終了する。
【0178】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「04」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、小当たり遊技制御処理(ステップ704)、特別遊技制御処理(ステップ705)又は特別遊技終了処理(ステップ706)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0179】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0180】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ812に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0181】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする。また、メインCPU101は、変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ806に進む。
【0182】
ステップ806において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、遊技球が入球した始動入賞口の種別及び設定中の設定値に対応するいずれかを取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
ステップ807において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ806における抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806における抽選の結果と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄又は小当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、大当たり図柄X2、小当たり図柄Y1、小当たり図柄Y2)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ806における抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806における抽選の結果と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄又は小当たり図柄の種別(大当たり図柄X3、小当たり図柄Y3)を決定する。一方、上述のステップ806における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Z1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Z2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ808に進む。
【0183】
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
【0184】
ステップ810において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ811に進む。
【0185】
ステップ811において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに特別図柄変動中状態を示すデータ「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ812において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0186】
次に、上述したステップ809の変動パターン決定処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))を確認する。また、メインCPU101は、現時点の変動回数カウンタのカウント値を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0187】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した現時点の変動回数カウンタのカウント値、及び、遊技球が入球した始動入賞口の種別に対応する変動パターンテーブル115を取得する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で取得した変動パターンテーブル115と、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを決定し、この決定された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
【0188】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で決定された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、変動パターンテーブル115に基づいて、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
【0189】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0190】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ905で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0191】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0192】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0193】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0194】
ステップ1102において、メインCPU101は、時短終了情報更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられ、時短終了条件に関する情報である時短終了情報が記憶された時短終了情報記憶領域を更新する。この時短終了情報記憶領域には、第1時短終了条件が成立するまでの残りの抽選回数(以下、時短終了成立回数という)が記憶されている。そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われた場合、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選が行われた場合にはいずれも時短終了成立回数を「1」デクリメントする。また、時短終了成立回数の更新により当該値が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ1103に進む。
【0195】
ステップ1103において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1108に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1104に進む。
ステップ1104において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄X3であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄X3でない(大当たり図柄X1又はX2である)と判定した場合、ステップ1106に進む。一方、大当たり図柄X3であると判定した場合、次のステップ1105に進む。
【0196】
ステップ1105において、メインCPU101は、時短遊技フラグオフにする。そして、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、次のステップ1107に進む。
【0197】
ステップ1107において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1103で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1108において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1113に進む。一方、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1109に進む。
【0198】
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄Y3であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄Y3でない(小当たり図柄Y1又はY2である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、小当たり図柄Y3であると判定した場合、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、時短遊技フラグオフにする。そして、次のステップ1111に進む。
【0199】
ステップ1111において、メインCPU101は、特図関連制御処理において小当たり遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、小当たり遊技中フラグをオンにするとともに、小当たり遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0200】
また、上述のステップ1108で停止表示されている特別図柄が小当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1113において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、次のステップ1114に進む。
ステップ1114において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。この遊技状態コマンドには、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、時短終了成立回数の情報が含まれている。そして、停止後処理を終了する。
【0201】
次に、上述したステップ704の小当たり遊技制御処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1130において、メインCPU101は、実行フェーズデータが小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1131に進む。
ステップ1131において、メインCPU101は、上述のステップ1112でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1132に進む。
【0202】
ステップ1132において、メインCPU101は、この小当たり遊技制御処理において第1大入賞口18の開閉が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1136に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1133に進む。
ステップ1133において、メインCPU101は、第1特別電動役物作動テーブル112に基づいて、第1大入賞口18の開閉を行う第1大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1134に進む。
【0203】
ステップ1134において、メインCPU101は、第1大入賞口18の開閉が終了したか否かを判定する。そして、第1大入賞口18の開閉が終了していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、第1大入賞口18の開閉が終了したと判定した場合、次のステップ1135に進む。
ステップ1135において、メインCPU101は、小当たり遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0204】
また、上述のステップ1132でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1136において、メインCPU101は、上述のステップ1135でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1137に進む。
ステップ1137において、メインCPU101は、特別領域進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、特別領域進入フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1140に進む。一方、特別領域進入フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1138に進む。
【0205】
ステップ1138において、メインCPU101は、特別領域進入フラグをオフにする。そして、次のステップ1139に進む。
ステップ1139において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットする。そして、ステップ1141に進む。
【0206】
また、上述のステップ1137で特別領域進入フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ1140において、サブCPU301は、特図関連制御処理において特別図柄変動処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、次のステップ1141へ進む。
ステップ1141において、メインCPU101は、小当たり遊技中フラグをオフにする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0207】
次に、上述したステップ705の特別遊技制御処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1107又はステップ1139でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0208】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、大当たり図柄又は小当たり図柄の種別に応じた第2特別電動役物作動テーブル113に基づいて、第2大入賞口55の開閉を行う第2大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0209】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の第2大入賞口開閉制御処理に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、ステップ1205に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0210】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の第2大入賞口開閉制御処理に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド遊技数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0211】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド遊技数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド遊技数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド遊技数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0212】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0213】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「05」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0214】
次に、上述したステップ706の特別遊技終了処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「05」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「05」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「05」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態、当該特別遊技の実行契機となった大当たり図柄又は小当たり図柄を確認するとともに、遊技状態設定テーブル114に基づいて、上述の遊技状態、及び、大当たり図柄又は小当たり図柄に応じた特別遊技の終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、時短遊技フラグのオン又はオフ、時短終了成立回数を設定する。たとえば、大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態が時短遊技状態であって、かつ決定された特別図柄が大当たり図柄X1又は小当たり図柄Y1であった場合、或いは、決定された特別図柄が大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2であった場合には、時短遊技フラグをオンにするとともに、時短終了成立回数に「100」をセットする。また、大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態が非時短遊技状態であって、かつ決定された特別図柄が大当たり図柄X1又は小当たり図柄Y1であった場合、或いは、決定された特別図柄が大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y3であった場合には、時短遊技フラグをオフにする。そして、次のステップ1302に進む。
【0215】
ステップ1302において、メインCPU101は、決定用テーブル116を参照し、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態、及び、当該特別遊技の実行契機となった大当たり図柄又は小当たり図柄に基づいて、変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル115の情報を取得するための決定用テーブル情報取得処理を実行する。そして、取得された変動パターンテーブル115の情報を、メインRAM103の所定のテーブル情報記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、ステップ1301で設定された時短遊技フラグのオン又はオフの情報、時短終了成立回数の情報、当該特別遊技の実行契機となった特別図柄(大当たり図柄、小当たり図柄)の種別が含まれている。そして、次のステップ1304に進む。
【0216】
ステップ1304において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0217】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0218】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0219】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0220】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中、小当たり遊技中)に対応する当たり決定乱数判定テーブル117(第1判定テーブル117a又は第2判定テーブル117bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合、特別遊技中又は小当たり遊技中には、第1判定テーブル117aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、第2判定テーブル117bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0221】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0222】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中又は小当たり遊技中のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル118を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合、特別遊技中又は小当たり遊技中には、普図変動時間カウンタに「13秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「2秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0223】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0224】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0225】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0226】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0227】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた変動停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該変動停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0228】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0229】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0230】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0231】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中又は小当たり遊技中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル119を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0232】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0233】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0234】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、小当たり遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
本形態に係るパチンコ機Pでは、主に、特別図柄の変動表示中に実行され大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、特別遊技の終了後に時短遊技状態又は非時短遊技状態のいずれが設定されるかを報知する遊技状態報知演出、時短遊技状態において決定された大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y3の変動表示中に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した(第2特図乱数が取得され保留記憶された)ことに基づいて所定の報知を行う入球報知演出、上述の入球に基づく保留記憶についての大当たりの抽選の結果に関する報知を行う保留記憶報知演出、各種演出の実行に関する履歴を報知する履歴報知演出等が実行されるようになっている。
以下では、上述の演出を、各遊技の進行状況とともに具体的に説明する。
【0235】
(非時短遊技状態中に実行される演出の概要)
上述の如く、遊技者が遊技を開始する時点では、ほぼ非時短遊技状態が設定されており、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われるため、主に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示(特図遊技)が実行される。
ここで、特別図柄の変動表示中には、上述の変動演出が実行される。変動演出では、演出表示装置21に表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
また、非時短遊技状態において第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に実行される変動演出では、演出表示装置21の表示部21aの中央で演出図柄50の変動表示が行われる。
【0236】
具体的には、特別図柄の変動表示の開始とともに、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(
図39(a)~(b)、
図40(a)~(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(
図39(c)~(e)、
図40(c)~(g)参照)。
【0237】
そして、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図40(f)~(g)、
図41(a)~(b)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりの当選であることが報知される。
また、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(
図39(e)、
図42(b)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0238】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0239】
また、本形態に係るパチンコ機Pには、変動演出の態様として、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。そして、これらの変動演出の態様はそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、受信した変動モードコマンドが「00H」であった場合にリーチなし変動パターンにより変動演出が実行され、「00H」以外であった場合にリーチ変動パターンにより変動演出が実行される。
【0240】
ここで、非時短遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に実行されるリーチ変動パターンでは、リーチ表示後に、大当たり又は小当たりの当選を示すアイコン画像、及びハズレを示すアイコン画像が表示された上で、これらのアイコン画像を所定の矢印画像が順番に指し示していく表示が行われ、変動時間の経過後に矢印画像がいずれかのアイコン画像を指し示した状態で停止表示されるという演出(以下、ルーレット演出という)が実行されるようになっている(
図40(e)、
図41(a)、
図42(a)参照)。
そして、このルーレット演出において、上述の矢印画像が大当たり又は小当たりの当選を示すアイコン画像を指し示した状態で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりの当選である旨が報知され(
図40(e)、
図41(a)参照)、上述の矢印画像がハズレを示すアイコン画像を指し示した状態で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレである旨が報知される(
図42(a)参照)。
【0241】
本形態に係るパチンコ機Pの演出は野球がモチーフとなっており、
図40(e)等に示すように、1Bヒット(シングルヒット)を示唆する「1B」という文字が付されたアイコン画像(以下、1Bアイコンという)、ツーベースヒットを示唆する「2B」という文字が付されたアイコン画像(以下、2Bアイコンという)、スリーベースヒットを示唆する「3B」という文字が付されたアイコン画像(以下、3Bアイコンという)、及び、ホームランを示唆する「HR」という文字が付されたアイコン画像(以下、HRアイコンという)が、大当たり又は小当たりの当選を示すアイコン画像となっている。
また、HRアイコンは、大当たり又は小当たりの当選を示すのみならず、当該大当たり又は当該小当たりの当選に基づいて実行される特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される旨を示すものとなっている。
これに対して、アウトを示唆する「OUT」という文字が付されたアイコン画像(以下、OUTアイコンという)が、ハズレを示すアイコン画像となっている。
【0242】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレの場合、大当たり又は小当たりの当選の場合のいずれにおいてもリーチ変動パターンによる変動演出が実行され得る(
図11(a)参照)。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりの当選であって、かつ当該大当たり又は小当たりの当選に基づいて実行される特別遊技の終了後に非時短遊技状態が設定される場合(すなわち、大当たり図柄X1又は小当たり図柄Y1が決定された場合)には、矢印画像が1Bアイコン、2Bアイコン又は3Bアイコンのいずれかを指し示した状態で停止表示される(
図40(f)参照)。
また、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりの当選であって、かつ当該大当たり又は小当たりの当選に基づいて実行される特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される場合(すなわち、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定された場合)には、矢印画像が1Bアイコン、2Bアイコン、3Bアイコン又はHRアイコンのいずれかを指し示した状態で停止表示される(
図40(f)、
図41(a)参照)。
【0243】
このように、矢印画像がHRアイコンを指し示した状態で停止表示されるのは、特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される場合のみであるため、この停止表示により時短遊技状態が設定される旨を認識することができる。これに対して、矢印画像が1Bアイコン、2Bアイコン又は3Bアイコンのいずれかを指し示した状態で停止表示されるのは、特別遊技の終了後に非時短遊技状態が設定される場合のみならず、時短遊技状態が設定される場合もある。そのため、この停止表示が行われた場合には、特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定されることに期待しながら遊技を進行させることができるため、時短遊技状態の設定に対する遊技者の期待を持続させることが可能となる。
【0244】
そして、矢印画像が1Bアイコン、2Bアイコン、3Bアイコン又はHRアイコンのいずれかを指し示した状態で停止表示されると、これに伴って、第1停止図柄及び第2停止図柄と同一の図柄により第3停止図柄が停止表示される(
図40(f)~(g)、
図41(a)~(b)参照)。
その後、矢印画像が1Bアイコン、2Bアイコン又は3Bアイコンのいずれかを指し示した状態で停止表示された場合には、大当たり又は小当たりに当選した旨を示唆する第1当選示唆画像(たとえば、「BONUS!!」という文字画像)が表示され、矢印画像がHRアイコンを指し示した状態で停止表示された場合には、大当たり又は小当たりに当選したとともに、これらの当選に基づく特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される旨を示唆する第2当選示唆画像(たとえば、「SUPER BONUS!!」という文字画像)が表示される(
図40(h)、
図41(c)参照)。また、これらの画像の表示に併せて、この後に実行される小当たり遊技及び特別遊技において遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせるための右打ち指示画像(たとえば、「右打ち→→→」という文字画像)が表示される(
図40(h)、
図41(c)参照)とともに、音声出力装置10により所定の右打ち音声が出力される。これにより、いわゆる右打ちの報知が行われることとなる。
そして、第1当選示唆画像又は第2当選示唆画像の表示、及び右打ちの報知が行われると変動演出が終了し、その後、小当たり遊技又は特別遊技が開始される。
【0245】
一方、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合(すなわち、ハズレ図柄Z1が決定された場合)には、矢印画像がOUTアイコンを指し示した状態で停止表示され(
図42(a)参照)、これに伴って、第1停止図柄及び第2停止図柄と異なる図柄により第3停止図柄が停止表示される(
図42(a)~(b)参照)。これにより変動演出が終了し、第1特図乱数が保留記憶されていた場合には、次の変動演出が開始される(
図42(c)参照)。
【0246】
なお、変動演出中には、演出図柄50の変動表示中に演出表示装置21の背景画像に重ねて所定のカットイン画像の表示を行うカットイン演出、操作ボタン9bが押下操作されることにより所定の示唆や報知を行うボタン操作演出、所定の役物演出装置が所定態様で作動する役物作動演出等が実行されるようにしてもよい。また、これらの演出のうち同一種類の演出や異なる種類の演出が、変動演出中に複数回実行されるようにしてもよい。また、これらの演出は、ハズレの場合よりも大当たり又は小当たりの当選の場合の方が実行されやすいように設定してもよい。
このようにすることで、変動演出の演出効果を向上させることができるとともに、大当たりや小当たりの当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0247】
また、ルーレット演出は、リーチ表示後に実行されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、リーチ表示が行われる前から(変動演出が開始されてからリーチ表示が行われるまでの間の所定時点から)実行してもよいし、リーチ表示後に所定時間、所定の画像等の表示を行ってから(リーチ表示後、所定時間が経過してから)実行してもよい。
また、ルーレット演出では、1Bアイコン、2Bアイコン、3Bアイコン、HRアイコン、OUTアイコンがそれぞれ1つずつ表示されるようになっていたが、表示されるアイコン画像の種類や数はこれに限定されるものではない。たとえば、OUTアイコンが複数表示されるパターン(すなわち、見た目上、大当たりの抽選の結果がハズレとなる可能性が高いパターン)、OUTアイコンが表示されないパターン(すなわち、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりの当選となることが確定するパターン)、HRアイコンが表示されないパターン(すなわち、特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定されることが確定しないパターン)、HRアイコンのみ表示されるパターン(すなわち、特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定されることが確定するパターン)等を設け、大当たりの抽選の結果に応じて定められた割合で選択することにより、いずれかのパターンでアイコン画像を表示するようにしてもよい。
また、大当たりの抽選の結果に応じて、停止表示された際に矢印画像が指し示すアイコン画像の選択割合が異なるように設定してもよい。たとえば、大当たり又は小当たりの当選時に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定された場合(すなわち、特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される場合)には、1Bアイコン→2Bアイコン→3Bアイコンの順に、選択される割合が次第に高くなるように設定し、大当たり又は小当たりの当選時に大当たり図柄X1又は小当たり図柄Y1が決定された場合(すなわち、特別遊技の終了後に非時短遊技状態が設定される場合)には、3Bアイコン→2Bアイコン→1Bアイコンの順に、選択される割合が次第に高くなるように設定してもよい。
また、ルーレット演出では、矢印画像が、一旦所定のアイコン画像を指し示した状態で停止表示した後に作動を再開し、その後、異なるアイコン画像を指し示した状態で停止表示するような態様を実行してもよい。また、このような態様によるルーレット演出は、ハズレの場合よりも大当たり又は小当たりの当選の場合の方が実行されやすいように設定してもよい。
以上のようにすることで、ルーレット演出の演出効果を向上させることができるとともに、大当たりや小当たりの当選、時短遊技状態の設定に対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0248】
また、上述のルーレット演出は、演出表示装置21の表示部21aにおける画像の表示により実行されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、1Bアイコン、2Bアイコン、3Bアイコン、HRアイコン、OUTアイコンに対応するランプを設け、この各ランプの点灯、消灯を順次実行し、最終的にいずれかのランプを点灯させることで大当たりの抽選の結果を報知するようにしてもよい。
このようにした場合も、上述と同様の効果を奏することとなる。
【0249】
また、上述の右打ちの報知の態様は、大当たりに当選した場合と小当たりに当選した場合とで異なるようにしてもよい。たとえば、小当たりに当選した場合には、大当たりに当選した場合よりも大きいサイズや見た目のインパクトのある色彩等で右打ち指示画像を表示したり、大きい音量やインパクトのある声色等で右打ち音声を出力したり、右打ち指示画像の表示時間や右打ち音声の出力時間を長くしたりしてもよい。すなわち、小当たりに当選した場合には、大当たりに当選した場合よりも強調される態様により右打ちの報知を行ってもよい。
本形態に係るパチンコ機Pでは、小当たりに当選した場合には、当該当選に基づいて実行される小当たり遊技中に第1大入賞口18へ遊技球を入球させ、かつ特別領域57に遊技球を進入させないと特別遊技が実行されない。そこで、上述のような態様により右打ちの報知を行うことにより、小当たりに当選した場合には、大当たりに当選した場合よりも確実に、遊技者に対して第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを行わせることができる。
また、上述の右打ちの報知は、特別遊技が開始されてから第2大入賞口55の開放が開始されるまでのいずれかの時点や、小当たり遊技が開始されてから第1大入賞口18の開放が開始されるまでのいずれかの時点から、開始されるようにしてもよい。そして、特別遊技の実行中や小当たり遊技の実行中は常時、右打ちの報知を行ってもよいし、特別遊技中の所定時点や小当たり遊技の所定時点(たとえば、特別領域57へ遊技球が進入した時点)となった場合には、右打ちの報知を終了するようにしてもよい。
【0250】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様(停止表示する演出図柄50の種類、ルーレット演出における矢印画像の停止表示パターン、右打ちの報知の態様等)を決定するための変動演出決定テーブルが記憶されている。
この変動演出決定テーブルには、大当たりの抽選時に決定された特別図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄)の種別と、主制御基板100から受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドと、任意で用いられる変動演出乱数とに対応付けられて、変動演出の態様が定められている。
副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信すると、変動演出乱数を取得し、変動演出決定テーブル、上述の特別図柄の種別、上述の変動モードコマンド及び変動パターンコマンド、並びに取得した変動演出乱数に基づいて、変動演出の態様を決定する。そして、決定された態様に基づいた変動演出が、演出表示装置21において実行されることとなる。
【0251】
(非時短遊技状態における大当たり又は小当たりに基づく特別遊技中に実行される演出の概要)
上述のように、非時短遊技状態において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2が決定された場合には、当該当選に係る特別図柄の変動表示(変動演出)が終了した後に、特別遊技が実行される。また、非時短遊技状態において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき小当たりに当選し小当たり図柄Y1又はY2が決定された場合には、当該当選に係る特別図柄の変動表示(変動演出)が終了した後に小当たり遊技が実行され、この小当たり遊技中に遊技球が特別領域57へ進入すると、小当たり遊技が終了した後に、特別遊技が実行される。
この特別遊技中には、当該特別遊技の実行の契機となった大当たり又は小当たりの当選時の変動演出において第2当選示唆画像が表示された場合(すなわち、特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される旨の報知が行われた場合)を除き、当該特別遊技の終了後に、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれが設定されるのかを報知する遊技状態報知演出が実行されるようになっている。
【0252】
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技のエンディング処理中に遊技状態報知演出が実行される。
この遊技状態報知演出では、演出表示装置21の表示部21aに、野球のダイヤモンドを示す画像が表示されるとともに、当該特別遊技の実行の契機となった大当たり又は小当たりの当選時におけるルーレット演出で矢印画像が指し示したアイコン画像に対応して、いずれかの塁上にランナーを示す画像(たとえば、Rの文字画像)が表示される(
図43(a)、
図44(a)参照)。その後、ピッチャー及びバッターによる対決の動画が表示され、この対決の結果が表示される(
図43(b)、
図44(b)参照)。そして、当該特別遊技の実行の契機となった大当たり又は小当たりの当選時に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定されていた場合(すなわち、特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される場合)には、上述の対決の結果に基づいてランナーが進塁しホームインする画像が表示される。これにより、特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される旨が報知される(
図43(c)~(d)参照)。これに対して、当該特別遊技の実行の契機となった大当たり又は小当たりの当選時に大当たり図柄X1又は小当たり図柄Y1が決定されていた場合(すなわち、特別遊技の終了後に非時短遊技状態が設定される場合)には、上述の対決の結果に基づいて、表示されているランナーがホームインすることができない画像が表示される。これにより、特別遊技の終了後に非時短遊技状態が設定される旨が報知される(
図44(c)~(d)参照)。
【0253】
たとえば、大当たり又は小当たりの当選時に大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定され、当該当選時の変動演出中に実行されるルーレット演出において、矢印画像が3Bアイコンを指し示して停止表示されたものとする。この場合には、特別遊技のエンディング処理が開始されると、演出表示装置21の表示部21aに、野球のダイヤモンドを示す画像が表示されるとともに、3塁にランナーがいる旨を示す画像が表示される(
図43(a)参照)。そして、当該ランナーがホームインする画像が表示されて特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される旨の条件を説明する表示(たとえば、「1Bヒット以上でRUSH突入!」との文字画像の表示)が行われる(
図43(a)参照)。
その後、ピッチャー及びバッターによる対決の動画が表示され、この対決の結果が表示される。ここでは、ランナーがホームインすることが可能となる2Bヒットをバッターが打ったものとする。すると、対決の結果として2Bヒットを打った旨を示す表示(たとえば、「2Bヒット!」という文字画像の表示)が行われ(
図43(b)参照)、ランナーがホームへ進塁し、ホームインした旨を示す表示が行われる(
図43(c)参照)。そして、特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される旨を示す時短突入画像の表示(たとえば、「VICTORIY! RUSH確定!!」という文字画像の表示)が行われるとともに、この後に設定される時短遊技状態において、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち)を行わせるための右打ち指示画像が表示され(
図43(d)参照)、これに併せて音声出力装置10により所定の右打ち音声が出力されることにより、右打ちの報知が行われることとなる。
そして、時短突入画像の表示、及び右打ちの報知が行われると特別遊技が終了し、時短遊技状態が設定される。
【0254】
また、たとえば、大当たり又は小当たりの当選時に大当たり図柄X1又は小当たり図柄Y1が決定され、当該当選時の変動演出中に実行されるルーレット演出において、矢印画像が2Bアイコンを指し示して停止表示されたものとする。この場合には、特別遊技のエンディング処理が開始されると、演出表示装置21の表示部21aに、野球のダイヤモンドを示す画像が表示されるとともに、2塁にランナーがいる旨を示す画像が表示される(
図44(a)参照)。そして、当該ランナーがホームインする画像が表示されて特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される旨の条件を説明する表示(たとえば、「2Bヒット以上でRUSH突入!」との文字画像の表示)が行われる(
図44(a)参照)。
その後、ピッチャー及びバッターによる対決の動画が表示され、この対決の結果が表示される。ここでは、ランナーがホームインすることができない1Bヒットをバッターが打ったものとする。すると、対決の結果として1Bヒットを打った旨を示す表示(たとえば、「1Bヒット!」という文字画像の表示)が行われ(
図44(b)参照)、ランナーが3塁まで進塁するもののここで止まり、ホームインすることができなかった旨を示す表示が行われる(
図44(c)参照)。そして、特別遊技の終了後に非時短遊技状態が設定される旨を示す非時短突入画像の表示(たとえば、「LOSE・・・」という文字画像の表示)が行われるとともに、この後に設定される非時短遊技状態において、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせるための左打ち指示画像(たとえば、「←←←左打ち」という文字画像)が表示され(
図44(d)参照)、これに併せて音声出力装置10により所定の左打ち音声が出力されることにより、いわゆる左打ちの報知が行われることとなる。
そして、非時短突入画像の表示、及び左打ちの報知が行われると特別遊技が終了し、非時短遊技状態が設定される。
【0255】
なお、上述の遊技状態報知演出は、特別遊技のエンディング処理中に実行されるようになっていたが、実行タイミングはこれに限定されるものではない。たとえば、特別遊技が開始されてから終了するまでの間の所定期間(たとえば、所定のラウンド遊技の実行中(第2大入賞口55の開放中)、ラウンド遊技とラウンド遊技の間(第2大入賞口55の閉鎖中))において実行してもよい。
また、遊技状態報知演出で実行されるピッチャーとバッターとの対決の表示は1回のみならず、複数回実行してもよい。たとえば、大当たり図柄X2(時短遊技状態の設定が対応付けられている大当たり図柄)が決定されており、遊技状態報知演出の開始時には1塁にランナーがいる旨が表示されていた場合には、この後に上述の対決の表示を3回行い、1回目の対決の結果がアウト(ランナーが進塁することができないという結果)、2回目の対決の結果が1Bヒット、3回目の対決の結果が2Bヒットである旨を表示することにより、ランナーがホームインする旨を表示し、時短遊技状態が設定される旨を報知するようにしてもよい。また、たとえば、大当たり図柄X1(非時短遊技状態の設定が対応付けられている大当たり図柄)が決定されており、遊技状態報知演出の開始時には2塁にランナーがいる旨が表示されていた場合には、この後に上述の対決の表示を2回行い、1回目の対決の結果が1Bヒット、2回目の対決の結果がアウトである旨を表示することにより、ランナーがホームインすることができなかった旨を表示し、非時短遊技状態が設定される旨を報知するようにしてもよい。
【0256】
また、ピッチャーとバッターとの対決の表示の態様として、たとえば、ピッチャーの投球フォーム、バッターの打撃フォーム、ピッチャーやバッターの表情、ピッチャーが投げる球種、バットの種類(材質、色、太さ等)、動画の表示中に表示されるカットイン画像等が異なる複数の表示パターンを設け、大当たりの抽選の結果に応じて、これらの表示パターンの選択割合が異なるようにしてもよい。たとえば、ピッチャーがスローボールを投げる第1対決表示パターン及び剛速球を投げる第2対決表示パターンを設け、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定された場合(時短遊技状態が設定される場合)には、第2対決表示パターンよりも第1対決表示パターンが選択される割合が高く、大当たり図柄X1又は小当たり図柄Y1が決定された場合(非時短遊技状態が設定される場合)には、第1対決表示パターンよりも第2対決表示パターンが選択される割合が高くなるように設定してもよい。このように設定した場合には、第1対決表示パターンによる対決の表示が行われた場合には、特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定される可能性が高く、第2対決表示パターンによる対決の表示が行われた場合には、特別遊技の終了後に非時短遊技状態が設定される可能性が高くなる。
また、遊技状態報知演出では、ピッチャー及びバッターの対決の結果によりランナーが進塁するのではなく、ランナーが盗塁することで進塁するような表示が行われるようにしてもよい。
また、大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2が決定された場合(時短遊技状態が設定される場合)には、一旦、ランナーがホームインすることができなかった旨の表示を行った後に、所定の逆転画像(たとえば、代打バッターが登場して、ホームランを打つような画像)を表示することで、ランナーがホームインする旨を表示し、時短遊技状態が設定される旨を報知するようにしてもよい。
以上のようにすることで、遊技状態報知演出の演出効果を向上させることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0257】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、遊技状態報知演出の態様(対決の結果の表示パターン等)を決定するための遊技状態報知演出決定テーブルが記憶されている。
この遊技状態報知演出決定テーブルには、大当たり又は小当たりの当選時に決定された大当たり図柄又は小当たり図柄の種別と、ルーレット演出で停止表示された際に矢印画像が指し示したアイコン画像の種別と、任意で用いられる遊技状態報知演出乱数とに対応付けられて、遊技状態報知演出の態様が定められている。
副制御基板300のサブCPU301は、特別遊技のエンディング処理が開始されると、遊技状態報知演出乱数を取得し、遊技状態報知演出決定テーブル、上述の大当たり図柄又は小当たり図柄の種別、上述のアイコン画像の種別、及び取得した遊技状態報知演出乱数に基づいて、遊技状態報知演出の態様を決定する。そして、決定された態様に基づいた遊技状態報知演出が、演出表示装置21において実行されることとなる。
【0258】
(時短遊技状態中に実行される演出の概要)
特別遊技が終了し時短遊技状態が設定されると、演出表示装置21の表示部21aにおいて、時短遊技状態が設定された旨を示す表示(たとえば、「RUSHスタート!!」という文字画像の表示)が行われる(
図45(a)参照)。また、これに伴って、表示部21aの中央上部において、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり又は小当たりの当選時の変動演出で停止表示された演出図柄50が、非時短遊技状態中の変動演出における演出図柄50よりも小さいサイズで表示される(
図45(a)参照)。そして、これらの表示は、変動演出が再開されるまでの間、継続して行われる。
また、時短遊技状態における特別図柄の変動表示中にも変動演出が実行されるが、この変動演出では、上述の表示部21aの中央上部において、上述のサイズの演出図柄50の変動表示が行われる(
図45(b)~(c)参照)
【0259】
ここで、上述の特別遊技が開始される前は非時短遊技状態が設定されており、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが行われていたため、特別遊技の終了後においては、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得された第1特図乱数が保留記憶されている可能性がある。また、小当たり遊技中や特別遊技中は第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが行われるものの、これらの遊技中には、遊技球がゲート20を通過しても可動片16bが開放される可能性は極めて低く、可動片16bが開放されたとしてもこの開放時間は極めて短く設定されているため(
図13(a)、
図15参照)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することはほぼ不可能である。したがって、特別遊技の終了後においては、第2特図乱数は保留記憶されていない。
すると、特別遊技の終了後において第1特図乱数が保留記憶されていた場合には、当該第1特図乱数に基づいて、特別遊技が終了し時短遊技状態が設定された後の1回目の特別図柄の変動表示(変動演出)が実行されることとなる。
【0260】
しかし、第1特図乱数に基づいて大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される特別遊技中に獲得可能な賞球数(220個又は330個)は、第2特図乱数に基づいて大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される特別遊技中に獲得可能な賞球数(1100個)よりも少ない。すなわち、第1特図乱数に基づく大当たり又は小当たりの当選は、第2特図乱数に基づく大当たり又は小当たりの当選よりも不利となっている。そのため、第2始動入賞口16が頻繁に開状態となる時短遊技状態では、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選よりも第2特図乱数に基づく大当たりの抽選が行われるようにすべく、第2特図乱数が保留記憶されていることが望ましい。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技が終了し時短遊技状態が設定された後の1回目の特別図柄の変動表示(変動演出)が第1特図乱数に基づいて実行される場合には、この変動表示(変動演出)の変動時間が、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを行っていれば、確実に少なくとも1個の遊技球が第2始動入賞口16へ入球するような長さの第1特定時間(本形態では10秒)となるように設定されている(
図10、
図11(c)、
図12参照)。また、この場合には、変動演出の実行に伴って、所定の右打ちの報知(以下、第1右打ち報知という)が行われる。具体的には、「電チューを狙え! 右打ち→→→」という文字画像の表示、及び、所定の右打ち音声の出力が行われる(
図45(b)参照)。
【0261】
これにより、上述の場合に、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを促すことができ、また、第2始動入賞口16へ少なくとも1個の遊技球を入球させることができる。そして、第2始動入賞口16へ少なくとも1個の遊技球を入球させることができれば、1回目の特別図柄の変動表示が終了した時点で第1特図乱数の保留記憶が残っていたとしても、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選及び特別図柄の変動表示(変動演出)が優先して実行されるため、時短遊技状態中に第1特図乱数に基づいて大当たり又は小当たりに当選するといった遊技者にとって不利益な事態が発生するのを極力防止することができる。
【0262】
またここで、たとえば、遊技球を発射することができない、可動片16bが開放しない等の不具合が発生していた場合には、特別遊技が終了し時短遊技状態が設定された後の2回目以降の特別図柄の変動表示(変動演出)も、特別遊技の終了時に保留記憶されていた第1特図乱数に基づいて実行されるおそれがある。また、たとえば、特別遊技が終了し時短遊技状態が設定された後の1回目の特別図柄の変動表示(変動演出)において第1右打ち報知を行ったものの、遊技者がこれに気付かず、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しを行っていた場合にも、特別遊技が終了し時短遊技状態が設定された後の2回目以降の特別図柄の変動表示(変動演出)が、第1特図乱数に基づいて実行されるおそれがある。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技が終了し時短遊技状態が設定された後の2回目以降の特別図柄の変動表示(変動演出)が第1特図乱数に基づいて実行される場合には、この変動表示(変動演出)の変動時間が、上述の第1特定時間よりもさらに長い第2特定時間(本形態では20秒)となるように設定されている(
図10、
図11(d)、
図12参照)。また、この場合には、変動演出の実行に伴って、第1右打ち報知よりも遊技者が着目しやすい態様による右打ちの報知(以下、第2右打ち報知という)が行われる。具体的には、第1右打ち報知よりも大きい文字による「電チューを狙え!」の表示、当該表示の上下における「右打ち→→」という文字画像のスクロール表示、及び、第1右打ち報知よりも大きい音量による右打ち音声の出力が行われる(
図45(c)参照)。
これにより、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しをより強力に促すことができ、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることができる。
【0263】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、時短遊技状態は実質的に第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて、大当たりに当選するか(大当たり図柄X3が決定されるか)又は小当たりに当選する(小当たり図柄Y3が決定される)ことにより終了する。したがって、時短遊技状態が設定されてから第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たり又は小当たりに当選するまでは、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて行われる大当たりの抽選の結果が全てハズレとなる。
そして、時短遊技状態における第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選でハズレとなった場合には、上述の第1特定時間よりも短い時間(本形態では1.5秒)の変動時間による変動演出が実行される(
図10、
図11(e)、
図12参照)。そして、この変動演出中には、上述のようなルーレット演出は実行されず、演出図柄50の変動表示、及び、上述の第1右打ち報知が実行される(
図45参照)。
なお、上述の変動演出中には、第1右打ち報知と異なる態様の右打ちの報知を実行するようにしてもよい。
【0264】
(時短遊技状態の終了の契機となった大当たり又は小当たりの当選に基づく変動演出、及び当該変動演出中に実行される演出の概要)
上述のように、時短遊技状態中に第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選により大当たりに当選するか(大当たり図柄X3が決定されるか)又は小当たりに当選すると(小当たり図柄Y3が決定されると)、当該時短遊技状態が終了し非時短遊技状態が設定される。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態中の大当たり又は小当たりの当選時において、第2始動入賞口16が開放している間に当該第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて第2特図乱数を保留記憶させることにより、この第2特図乱数に基づく大当たり又は小当たりの当選を目指すという遊技が行われる。
そこで、時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球し大当たり又は小当たりに当選すると、この当選に基づく特別図柄の変動表示中に変動演出が実行されるとともに、この変動演出の実行に伴って、第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて第2特図乱数を保留記憶させるための指示演出が実行され、また、第2始動入賞口16へ遊技球が入球し第2特図乱数が取得(保留記憶)されると所定の報知を行う入球報知演出が実行され、さらに、取得された(保留記憶された)第2特図乱数についての大当たりの抽選の結果に関する報知を行う保留記憶報知演出が実行される。
【0265】
具体的には、時短遊技状態中における第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たり又は小当たりに当選し、この当選に基づく特別図柄の変動表示が開始されると、変動演出が開始され、これに伴って指示演出が実行される。
この指示演出では、上述の特別図柄の変動表示が開始されてから所定時間(本形態では20
秒)以内に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて第2特図乱数を保留記憶させる旨の説明表示(たとえば、「時間内に電チューに球を入れてバッターを集めろ!」という文字画像の表示)が行われるとともに、所定の右打ちの報知が行われる(
図46(a)参照)。
【0266】
その後、上述の特別図柄の変動表示が開始されてから所定時間が経過するまでの間、入球報知演出が実行される。
この入球報知演出では、所定のタイマ画像による上述の所定時間のカウントダウン表示が行われるとともに、保留可能な第2特図乱数の上限数(本形態では4)に対応する数のバッターズサークルの画像が横並びに表示され、第2始動入賞口16へ遊技球が入球して第2特図乱数が取得される(保留記憶される)ごとに、バッターズサークルにバッターが登場する画像が表示される(
図46(b)~(g)参照)。
バッターの画像としては、複数の態様が設けられている。具体的には、バッターのシルエットのみが表示されるパターンA(
図46(b)~(c)等参照)、第1のキャラクターが表示されるパターンB(
図46(e)~(f)等参照)、及び、第1のキャラクターと異なる第2のキャラクターが表示されるパターンC(
図46(g)等参照)が設けられている。なお、バッターの画像の態様は、これらに限定されるものではなく、さらに他のキャラクターが表示されるパターンを設けてもよい。
【0267】
そして、バッターズサークルにバッターの画像が表示されていない初期状態では、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することにより第2特図乱数が取得されるごとに、1番左のバッターズサークルから順に、パターンAによるバッターの画像が表示される(
図46(b)~(c)参照)。
たとえば、第2始動入賞口16へ遊技球が1個入球する(第2特図乱数が1個保留記憶される)と、最も左に位置するバッターズサークルにパターンAによるバッターの画像が表示され、第2始動入賞口16へ遊技球が2個入球する(第2特図乱数が2個保留記憶される)と、1番左のバッターズサークル及び左から2番目のバッターズサークルにパターンAによるバッターの画像が表示され、第2始動入賞口16へ遊技球が4個入球する(第2特図乱数が上限数である4個保留記憶される)と、全てのバッターズサークルにパターンAによるバッターの画像が表示される(
図46(c)参照)。
すなわち、1番左のバッターズサークルに表示されたバッターの画像は1個目に保留記憶された第2特図乱数に対応するものであり、左から2番目のバッターズサークルに表示されたバッターの画像は2個目に保留記憶された第2特図乱数に対応するものであり、左から3番目のバッターズサークルに表示されたバッターの画像は3個目に保留記憶された第2特図乱数に対応するものであり、左から4番目のバッターズサークルに表示されたバッターの画像は4個目に保留記憶された第2特図乱数に対応するものである。
【0268】
なお、特別遊技が終了し時短遊技状態が設定された後の1回目の変動演出が第1特図乱数に基づいて行われ、この変動演出中に第2始動入賞口16へ入球した遊技球に基づく大当たりの抽選で小当たりに当選していた場合であって、さらに、この変動演出中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球していたときには、小当たりの当選に基づく変動演出の開始時における残りの第2特図乱数の保留記憶の数に対応するバッターの画像が一斉に表示される。
具体的には、上述の変動演出中に第2始動入賞口16へ入球した1個目の遊技球に基づいて小当たりに当選し、さらに、この変動演出中に第2始動入賞口16へ3個の遊技球が入球して、上限数である4個の第2特図乱数が保留記憶された場合には、1個目の遊技球に基づく小当たりの当選に基づく変動演出が開始されると、この時点における第2特図乱数の保留記憶の数は3個であるため、1番左のバッターズサークル、左から2番目のバッターズサークル、左から3番目のバッターズサークルに、バッターAによるバッターの画像が一斉に表示される。
【0269】
また、全てのバッターズサークルにパターンAによるバッターの画像が表示された場合(すなわち、第2特図乱数が上限数である4個保留記憶された場合)において、まだ上述の所定時間が経過していなかったときには、遊技者に対してさらに第2始動入賞口16へ遊技球を入球させる旨を促すオーバー入球指示表示(たとえば、「もっと!もっと!」という文字画像の表示)が行われる(
図46(d)参照)。
そして、第2始動入賞口16へ遊技球が入球するごとに、1番左のバッターズサークルから順に、表示されているパターンAによるバッター画像がパターンB又はパターンCによるバッターの画像に変更される(
図46(e)~(f)参照)。
本形態に係るパチンコ機Pでは、対応する保留記憶に係る第2特図乱数がハズレとなるものであった場合には、パターンCよりもパターンBによるバッターの画像に変更される割合が高く設定されており、対応する保留記憶に係る第2特図乱数が大当たり又は小当たりの当選となるものであった場合には、パターンBよりもパターンCによるバッターの画像に変更される割合が高く設定されている。したがって、パターンBによるバッターの画像に変更された場合よりもパターンCによるバッターの画像に変更された場合の方が、大当たり又は小当たりの当選に対する期待度が高くなる。
【0270】
そして、上述の所定時間が経過すると(所定のタイマ画像に表示された残り時間が「0」になると)、入球報知演出が終了して後述する保留記憶報知演出が開始される旨を示す表示(たとえば、「プレイボール!!」という文字画像の表示)が行われ、保留記憶報知演出が開始される(
図46(g)~(h)参照)。
【0271】
なお、上述の入球報知演出では、最初に表示される際におけるバッターの画像の態様は必ずパターンA(すなわち、大当たりの抽選の結果にかかわらず同一の割合で表示されるバッターの画像)となっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、最初からパターンBやパターンCによるバッターの画像(すなわち、大当たりの抽選の結果に応じて異なる割合で表示されるバッターの画像)が表示されるようにしてもよい。
また、バッター画像の変更は1回のみならず、複数回実行されるようにしてもよい。たとえば、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づきパターンAによるバッターの画像をパターンBによるバッターの画像に変更した後、再度の第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づきパターンBによるバッターの画像をパターンCによるバッターの画像に変更するようにしてもよい。
また、バッターの画像の態様としては、対応する保留記憶に係る第2特図乱数が大当たり又は小当たりの当選となるものであった場合にのみ表示されるようなパターンを設けてもよい。
また、上述の入球報知演出では、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機としてバッターの画像の表示や変更が実行されるようになっていたが、これらの実行タイミングについてはこれに限定されるものではない。たとえば、第2特図乱数の保留記憶の数が上限数に至るまでの間はバッターの画像の表示を一切行わず、第2特図乱数の保留記憶の数が上限数に至った時点で一斉にバッターの画像の表示を行うようにしてもよい。また、たとえば、上述の所定時間が経過した時点で一斉にバッターの画像の表示を行うようにしてもよいし、バッターの画像が表示されていたときには上述の所定時間が経過した時点で一斉にバッターの画像の変更を行うようにしてもよい。また、第2始動入賞口16へ遊技球が入球してから特定時間が経過した時点でバッターの画像の表示や変更を行うようにしてもよい。
以上のようにすることで、入球報知演出の実行のバリエーションが豊富となり、当該入球報知演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0272】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、入球報知演出の態様(変更されるバッターの画像の態様等)を決定するための入球報知演出決定テーブルが記憶されている。
この入球報知演出決定テーブルには、保留記憶された第2特図乱数について上述の事前判定処理において判定された大当たりの抽選の結果と、任意で用いられる入球報知演出乱数とに対応付けられて、入球報知演出の態様が定められている。
副制御基板300のサブCPU301は、上述の特別図柄の変動表示中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球することで第2特図乱数が保留記憶されると、入球報知演出乱数を取得し、入球報知演出決定テーブル、上述の大当たりの抽選の結果、及び取得した入球報知演出乱数に基づいて、入球報知演出の態様を決定する。そして、決定された態様に基づいた入球報知演出が、演出表示装置21において実行されることとなる。
【0273】
上述の保留記憶報知演出は、上述の特別図柄の変動表示中(時短遊技状態において第2始動入賞口16への遊技球の入球により大当たり又は小当たりに当選した際に実行される変動表示中)であって、かつ上述の所定時間の経過後に実行されるものである。そして、この保留記憶報知演出では、上述のように保留記憶された第2特図乱数についての大当たりの抽選の結果に関する報知が行われるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、保留記憶報知演出の態様として、第1態様及び第2態様が設けられており、いずれの態様により保留記憶報知演出を実行するかを遊技者が選択できるようになっている。
具体的には、上述の入球報知演出が終了すると、演出表示装置21の表示部21aに、保留記憶報知演出の態様の選択画面として、第1態様を示すアイコン画像(たとえば、「4回勝負」というアイコン画像)及び第2態様を示すアイコン画像(たとえば、「1回勝負」というアイコン画像)が表示される(
図46(h)参照)。そして、いずれかの態様のアイコン画像を選択した状態で所定の有効時間(たとえば、3秒)内に操作ボタン9bによる決定操作が行われると、選択されていたアイコン画像に対応する態様で保留記憶報知演出が開始される。なお、所定の有効時間内に上述の決定操作が行われなかった場合には、当該有効時間の経過時点で選択されていた態様で保留記憶報知演出が開始される。
【0274】
以下、第1態様による保留記憶報知演出について、詳細に説明する。
第1態様による保留記憶報知演出が開始されると、その旨を示す第1態様開始表示(たとえば、「4回勝負 ホームランを狙え!!」という文字画像の表示)が行われる(
図47(a)参照)。そして、上述の入球報知演出において表示されたバッターの画像(すなわち、上述の第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく保留記憶に対応するバッターの画像)が順次表示される(
図47(b)、
図47(d)、
図47(f)、
図47(h)参照)。また、当該画像に係るバッター及び所定のピッチャーによる対決の動画が表示され、この対決の結果が表示される(
図47(c)、
図47(e)、
図47(g)、
図47(i)参照)。
そして、上述のバッターの画像に対応する保留記憶に係る第2特図乱数が大当たり又は小当たりの当選となるものであったときは、上述の対決の結果としてバッターがホームランを打った旨及び当該入球報知演出において打ったホームランの本数を示す表示(たとえば、「ホームラン!! 1本目」等の文字画像の表示)が行われる(
図47(c)、
図47(i)参照)。これにより、上述の第2特図乱数が大当たり又は小当たりの当選となるものである旨が報知される。また、上述のバッターの画像に対応する保留記憶に係る第2特図乱数がハズレとなるものであったときは、上述の対決の結果としてバッターがアウトとなった旨を示す表示(たとえば、「OUT・・・」の文字画像の表示)が行われる(
図47(e)、
図47(g)参照)。これにより、上述の第2特図乱数がハズレとなるものである旨が報知される。
以上のように、第1態様による保留記憶報知演出では、上述の対決による大当たりの抽選の結果の報知が、保留記憶された第2特図乱数の個数に対応する回数分行われる。
【0275】
そして、全ての保留記憶に係る第2特図乱数について上述の対決の結果の表示が終了すると、大当たり又は小当たりの当選となる第2特図乱数の数(すなわち、当該当選に基づいて実行される特別遊技の回数)に応じて獲得可能な賞球数、及び、現在変動表示中の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y3が停止表示されることにより実行される特別遊技において獲得可能な賞球数の合算値を示す表示(たとえば、「TOTAL 3300pt GET!」等の文字画像の表示)が行われる(
図47(i)参照)。これにより、時短遊技状態の終了に基づいて獲得可能な一連の賞球数が報知される。
【0276】
たとえば、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y3が決定されたことにより時短遊技状態が終了し、この決定に基づいて実行される変動演出中に上限数である4個の第2特図乱数が保留記憶されたものとする。また、この保留記憶された4個の第2特図乱数のうち、最初及び4番目に保留記憶された第2特図乱数が大当たり又は小当たりの当選となるものであり、2番目及び3番目に保留記憶された第2特図乱数がハズレとなるものであったとする。さらに、上述の変動演出中に実行された入球報知演出において、最初、2番目及び3番目に保留記憶された第2特図乱数に対応するバッターの画像がパターンB、4番目に保留記憶された第2特図乱数に対応するバッターの画像がパターンCであったものとする。
【0277】
この場合に実行される第1態様による保留記憶報知演出では、上述の対決による大当たりの抽選の結果の報知が合計4回行われる。
具体的には、1回目の報知では、パターンBによるバッターの画像が表示され、このバッター及びピッチャーの対決の動画が表示される(
図47(b)参照)。そして、最初に保留記憶された第2特図乱数は大当たり又は小当たりの当選となるものであったため、対決の結果としてバッターがホームランを打った旨及び1本目のホームランである旨を示す表示が行われ、1回目の報知が終了する(
図47(c)参照)。また、この表示に伴って、残りの対決の回数(すなわち、保留記憶された第2特図乱数について大当たりの抽選の結果を報知する残り回数)を示す表示が行われる(
図47(c)参照)。
【0278】
また、2回目の報知では、パターンBによるバッターの画像が表示され、このバッター及びピッチャーの対決の動画が表示される(
図47(d)参照)。そして、2番目に保留記憶された第2特図乱数はハズレとなるものであったため、対決の結果としてバッターがアウトとなった旨を示す表示が行われ、2回目の報知が終了する(
図47(e)参照)。上述と同様に、この表示に伴って残りの対決の回数を示す表示が行われる(
図47(e)参照)。
また、3回目の報知は、上述の2回目の報知と同様であるため(
図47(f)~(g)参照)、説明を割愛する。
【0279】
さらに、4回目の報知では、パターンCによるバッターの画像が表示され、このバッター及びピッチャーの対決の動画が表示される(
図47(h)参照)。そして、4番目に保留記憶された第2特図乱数は大当たり又は小当たりの当選となるものであったため、対決の結果としてバッターがホームランを打った旨及び2本目のホームランである旨を示す表示が行われ、4回目の報知が終了する(
図47(i)参照)。
そして、4回目の報知が終了すると、上述のように、時短遊技状態の終了に基づいて獲得可能な一連の賞球数が報知される。上述の場合には、現在変動表示中の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y3が停止表示されることにより特別遊技が実行されるとともに、保留記憶された4個の第2特図乱数のうち、2個の第2特図乱数が大当たり又は小当たりとなるため、2回の特別遊技が実行されることとなる。したがって、計3回の特別遊技が実行されることとなるため、3300個(=1100個×3回)の賞球を獲得可能である旨を示す報知が行われる(
図47(j)参照)。
【0280】
このように、第1態様による保留記憶報知演出では、変動表示中の特別図柄に係る大当たりの抽選の結果、及び、保留記憶された全ての第2特図乱数についての大当たりの抽選の結果を、保留記憶された第2特図乱数の個数に対応する回数で報知するようになっている。これにより、第1態様による保留記憶報知演出が煩雑になり過ぎるのを防止することができ、演出効果を向上させることができる。
【0281】
なお、ピッチャーとバッターとの対決の表示の態様として、たとえば、ピッチャーの投球フォーム、バッターの打撃フォーム、ピッチャーやバッターの表情、ピッチャーが投げる球種、バットの種類(材質、色、太さ等)、動画の表示中に表示されるカットイン画像等が異なる複数の表示パターンを設け、大当たりの抽選の結果に応じて、これらの表示パターンの選択割合が異なるようにしてもよい。たとえば、バッターが木製のバットでバッティングを行う通常表示パターン及びバッターが金属製のバットでバッティングを行う特殊表示パターンを設け、保留記憶された第2特図乱数が大当たり又は小当たりとなる場合には、通常表示パターンよりも特殊表示パターンが選択される割合が高く、保留記憶された第2特図乱数がハズレとなる場合には、特殊表示パターンよりも通常表示パターンが選択される割合が高くなるように設定してもよい。このように設定した場合には、通常表示パターンによる対決の表示が行われた場合には、保留記憶された第2特図乱数が大当たり又は小当たりとなる可能性が高く、特殊表示パターンによる対決の表示が行われた場合には、保留記憶された第2特図乱数がハズレとなる可能性が高くなる。
また、第1態様による保留記憶報知演出では、操作ボタン9bが押下操作されることにより上述の対決の結果や賞球数が表示されるようにしてもよい。
また、保留記憶された第2特図乱数が大当たり又は小当たりの当選となるものであった場合でも、一旦、上述の対決の結果としてバッターがアウトとなった旨を示す表示を行い、その後の所定のタイミング(たとえば、第1態様による保留記憶報知演出が終了するまでのいずれかのタイミング、実行中の大当たり又は小当たりの当選に基づく変動演出が終了した後に実行される特別遊技が開始されるまでのいずれかのタイミング等)で、当該第2特図乱数が大当たり又は小当たりの当選となるものである旨を報知する逆転演出を実行するようにしてもよい。
また、第1態様による保留記憶報知演出では、保留記憶の順番通りに第2特図乱数についての大当たりの抽選の結果を報知してもよいし、保留記憶の順番通りではなく、所定の抽選により決定された順番で第2特図乱数についての大当たりの抽選の結果を報知してもよい。また、大当たり又は小当たりの当選となる第2特図乱数についての大当たりの抽選の結果の報知は、ハズレとなる第2特図乱数についての大当たりの抽選の結果の報知よりも後で(たとえば、後の方の順番で)行うようにしてもよい。
以上のようにすることで、第1態様による保留記憶報知演出の実行のバリエーションが豊富となり、当該保留記憶報知演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0282】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、第1態様による保留記憶報知演出の態様(対決の結果の表示パターン等)を決定するための第1態様決定テーブルが記憶されている。
この第1態様決定テーブルには、保留記憶された第2特図乱数について上述の事前判定処理において判定された大当たりの抽選の結果と、任意で用いられる第1態様演出乱数とに対応付けられて、第1態様による保留記憶報知演出の態様が定められている。
副制御基板300のサブCPU301は、第1態様による保留記憶報知演出の実行が決定されると、第1態様演出乱数を取得し、第1態様決定テーブル、上述の大当たりの抽選の結果、及び取得した第1態様演出乱数に基づいて、第1態様による保留記憶報知演出の態様を決定する。そして、決定された態様に基づいた第1態様による保留記憶報知演出が、演出表示装置21において実行されることとなる。
【0283】
以下、第2態様による保留記憶報知演出について、詳細に説明する。
第2態様による保留記憶報知演出が開始されると、その旨を示す第2態様開始表示(たとえば、「1回勝負 パネルを打ち抜け!!」という文字画像の表示)が行われた後、所定のバッターの画像、及び各種賞球数が表示されたパネルの画像が表示される(
図48(a)~(b)参照)。そして、バッターがボールを打つ動画が表示され、このボールにより、時短遊技状態の終了に基づいて獲得可能な一連の賞球数に対応するパネルの領域が打ち抜かれる表示が行われる(
図48(c)参照)。その後、当該賞球数を示す表示が行われる(
図48(d)参照)。
これにより、現在変動表示中の大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y3が停止表示されることにより実行される特別遊技において獲得可能な賞球数、及び、保留記憶されていた大当たり又は小当たりの当選となる第2特図乱数の数(当該当選に基づいて実行される特別遊技の回数)に応じて獲得可能な賞球数の合算値が報知される。
【0284】
たとえば、大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y3が決定されたことにより時短遊技状態が終了し、この決定に基づいて実行される変動演出中に上限数である4個の第2特図乱数が保留記憶されたものとする。また、この保留記憶された4個の第2特図乱数のうち、最初及び4番目に保留記憶された第2特図乱数が大当たり又は小当たりの当選となるものであり、2番目及び3番目に保留記憶された第2特図乱数がハズレとなるものであったとする。
【0285】
この場合に実行される第2態様による保留記憶報知演出では、所定のバッターの画像が表示されるとともに、各種賞球数が表示されたパネルの画像が表示される(
図48(b)参照)。
【0286】
ここで、第2態様による保留記憶報知演出で表示されるパネルの画像の態様としては、
賞球数が表示される領域の数、当該の領域の広さ、領域内に表示される賞球数の種類等が種々設定された複数のパターンが設けられている。
具体的には、たとえば、上から順番に、所定の広さの第1領域及び第2領域、当該第1領域及び第2領域よりも狭い第3領域、当該第3領域よりも狭い第4領域及び第5領域の5つの領域が設けられ、第1領域には獲得可能な賞球数が1100個である旨が表示され、第2領域には獲得可能な賞球数が2200個である旨が表示され、第3領域には獲得可能な賞球数が3300個である旨が表示され、第4領域には獲得可能な賞球数が4400個である旨が表示され、第5領域には獲得可能な賞球数が5500個である旨が表示されたパターン(すなわち、獲得可能な賞球数が1100個、2200個、3300個、4400個又は5500個のいずれかである旨を示すパターン)を設けることができる(
図48(b)~(c)参照)。また、特に図示していないが、同じ広さの第1領域及び第2領域の2つの領域が設けられ、第1領域には獲得可能な賞球数が1100個である旨が表示され、第2領域には獲得可能な賞球数が5500個である旨が表示されたパターン(すなわち、獲得可能な賞球数が1100個又は5500個のいずれかである旨を示すパターン)や、同じ広さの第1領域、第2領域及び第3領域の3つの領域が設けられ、第1領域、第2領域及び第3領域のいずれにも、獲得可能な賞球数が5500個である旨が表示されたパターン(すなわち、獲得可能な賞球数が5500個である旨が確定するパターン)や、第1領域のみが設けられ、当該第1領域に獲得可能な賞球数が3300個である旨が表示されたパターン(すなわち、獲得可能な賞球数が3300個である旨を示すパターン)等を設けることができる。
また、各態様には、時短遊技状態の終了に基づいて獲得可能な一連の賞球数(すなわち、時短遊技状態の終了に基づく大当たり又は小当たりの当選の回数(実行される特別遊技の回数))に応じた選択割合が定められており、この選択割合で選択されたいずれかの態様によりパネルの画像が表示されるようになっている。
【0287】
そして、上述の場合には、保留記憶された4個の第2特図乱数のうち、2個の第2特図乱数が大当たり又は小当たりの当選となるものであるとともに、現在変動表示中の特別図柄は大当たり図柄X3又は小当たり図柄Y3である(すなわち、大当たり又は小当たりの当選となるものである)ため、計3回の特別遊技が実行されることとなる。
したがって、バッターがボールを打つ動画が表示された後、このボールにより、パネルに設けられた領域のうち、獲得可能な賞球数が3300個(=1100個×3回)である旨が表示された領域が打ち抜かれる表示が行われる(
図48(c)参照)。
そして、上述の表示が行われた後に、3300個の賞球を獲得可能である旨を示す報知が行われる(
図48(d)参照)。
【0288】
なお、第2態様による保留記憶報知演出では、バッターがボールを打つ動画の表示中の所定のカットイン画像が表示されるようにしてもよい。
また、操作ボタン9bの回転操作や押下操作が行われることにより、上述のパネルの画像の態様の決定やパネルの所定の領域がボールにより打ち抜かれる表示が行われるようにしてもよい。
また、第2態様による保留記憶報知演出では、一旦、獲得可能な賞球数よりも少ない賞球数の領域が打ち抜かれる表示を行い、その後の所定のタイミング(たとえば、第2態様による保留記憶報知演出が終了するまでのいずれかのタイミング、実行中の大当たり又は小当たりの当選に基づく変動演出が終了した後に実行される特別遊技が開始されるまでのいずれかのタイミング等)で、実際に獲得可能な賞球数との差分に相当する賞球数や、当該賞球数に相当する大当たり又は小当たりの当選回数を報知する逆転演出を実行するようにしてもよい。
以上のようにすることで、第2態様による保留記憶報知演出の実行のバリエーションが豊富となり、当該保留記憶報知演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0289】
ここで、この第2態様による保留記憶報知演出では、
図48(b)に示すように、所定のバッターの画像が表示されるとともに、当該バッターが発声するセリフの表示(たとえば、「狙うぜ!」という文字画像の表示)が行われるようになっている。
このセリフには、特に図示していないが、パターンA、パターンB及びパターンCの3パターンが設けられている。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、設定値の変更が行われてからの第2態様による保留記憶報知演出の実行回数が第2態様実行回数カウンタによりカウントされるようになっており、この実行回数に応じて、いずれかのパターンによるセリフが表示されるように設定されている。
具体的には、設定値の変更が行われてから1回目の第2態様による保留記憶報知演出ではパターンAによるセリフの表示が行われ、設定値の変更が行われてから2回目の第2態様による保留記憶報知演出ではパターンBによるセリフの表示が行われ、設定値の変更が行われてから3回目以降の第2態様による保留記憶報知演出ではパターンCによるセリフの表示が行われる。
なお、上述の第2態様実行回数カウンタのカウント値は、設定値の変更によってのみクリアされ、設定値の変更を伴わないリセット処理(単にメインRAM103をクリアする処理)によってはクリアされない。
これにより、第2態様による保留記憶報知演出の実行を選択した場合には、表示されるセリフの種類により設定値の変更が行われたか否かを判断することができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0290】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、第2態様による保留記憶報知演出の態様(パネルの画像の態様等)を決定するための第2態様決定テーブルが記憶されている。
この第2態様決定テーブルには、保留記憶された第2特図乱数について上述の事前判定処理において判定された大当たりの抽選の結果と、任意で用いられる第2態様演出乱数とに対応付けられて、第2態様による保留記憶報知演出の態様が定められている。
副制御基板300のサブCPU301は、第2態様による保留記憶報知演出の実行が決定されると、第2態様演出乱数を取得し、第2態様決定テーブル、上述の大当たりの抽選の結果、及び取得した第2態様演出乱数に基づいて、第2態様による保留記憶報知演出の態様を決定する。そして、決定された態様に基づいた第2態様による保留記憶報知演出が、演出表示装置21において実行されることとなる。
【0291】
なおここで、時短遊技状態の終了の契機となった大当たり又は小当たりの当選に基づく変動演出が終了すると、その後は、当該大当たりの当選に基づく特別遊技、又は、当該小当りの当選に基づく小当たり遊技及び当該小当たり遊技中における遊技球の特別領域57への進入に基づく特別遊技が実行される。
さらに、上述の変動演出中に保留記憶された第2特図乱数に基づいてハズレとなった場合、当該ハズレに基づく変動演出の変動時間は、非時短遊技状態中に第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいてハズレとなった場合の変動演出の変動時間よりも短い時間(本形態では1.5秒)に設定されており(
図10、
図11(e)、
図12参照)、迅速に変動演出が終了する。
また、上述の第2特図乱数に基づいて大当たり又は小当たりの当選となった場合には、当該当選に基づく変動演出の終了後に、上述と同様に特別遊技が実行される。なお、当該当選に基づく変動演出の変動時間は、非時短遊技状態中に第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて大当たり又は小当たりの当選になった場合の変動演出の変動時間よりも短い時間(本形態では10秒)に設定されており、この変動演出では、演出図柄50の変動表示や上述のルーレット演出は行われることなく、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりである旨の報知のみが行われる。
したがって、上述の第2特図乱数により大当たり又は小当たりの当選となったことに基づく特別遊技は間を空けることなく次々と開始されるため、スピーディーに賞球を獲得することができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0292】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、時短遊技状態は、実質的に第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの当選(大当たり図柄X3の決定)又は小当たりの当選(小当たり図柄Y3の決定)により終了するようになっている。しかし、極めて可能性は低いものの、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たり又は小当たりに当選することなく、変動回数が100回に到達することで時短遊技状態が終了することも起こり得る。
【0293】
特に図示していないが、この場合において第2特図乱数の保留記憶が残っていたときには、当該第2特図乱数に基づく変動演出では、引き続き表示部21aの中央上部において小さいサイズの演出図柄50による変動表示が行われるとともに、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を指示する左打ちの報知を行う。なお、この左打ちの報知は、当該報知の開始から所定時間(たとえば、4秒)が経過するか、又は第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく所定のコマンド(たとえば、始動入賞コマンドや図柄確定コマンド等)を副制御基板300が受信したことにより消去される。すなわち、この左打ちの報知は、第2特図乱数に基づく複数回の変動演出に跨って表示可能となっている。
そして、残っていた全ての保留記憶に係る第2特図乱数に基づく変動演出が終了すると、その後の変動演出では、表示部21aの中央で大きいサイズの演出図柄50による変動表示が行われる。
【0294】
これに対して、上述の場合において第2特図乱数の保留記憶が残っていなかったときには、上述の左打ちの報知が行われる。この左打ちの報知が消去される条件は上述と同様である。そして、その後の変動演出では、表示部21aの中央で大きいサイズの演出図柄50による変動表示が行われる。
【0295】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態の終了の契機となった大当たり又は小当たりの当選に基づく変動演出中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球し、取得された第2特図乱数が保留記憶されると、この保留記憶された第2特図乱数のうち、大当たり又は小当たりの当選となる第2特図乱数の数に応じて獲得可能な賞球数を報知する演出(保留記憶報知演出)が実行されるようになっている。
これにより、大当たり又は小当たりの当選の回数を把握することができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0296】
(客待ち状態中(待機状態中)に実行される演出の概要)
上述の如く、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間が経過し、客待ち状態(待機状態)となると、演出表示装置21の表示部に客待ち画面が表示されるようになっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の客待ち画面において、各種演出の実行に関する履歴を報知する履歴報知演出が実行されるようになっている。
【0297】
本形態に係るパチンコ機Pでは、非時短遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たり又は小当たりの当選回数(以下、非時短中当選回数という)、非時短遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たり図柄X2又は小当たり図柄X2の決定回数(すなわち、特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定された回数、以下、時短突入回数という)、非時短遊技状態中における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいてリーチ変動パターンによる変動演出が実行された回数(すなわち、上述のルーレット演出が実行された回数、以下、ルーレット実行回数という)、ルーレット演出において矢印画像が1Bアイコンを指し示した状態で停止表示された回数(以下、1B表示回数という)、ルーレット演出において矢印画像が2Bアイコンを指し示した状態で停止表示された回数(以下、2B表示回数という)、ルーレット演出において矢印画像が3Bアイコンを指し示した状態で停止表示された回数(以下、3B表示回数という)、ルーレット演出において矢印画像がHRアイコンを指し示した状態で停止表示された回数(以下、HR表示回数という)等が、副制御基板300のサブRAM303における所定の記憶領域に蓄積されるようになっている。
【0298】
そして、履歴報知演出では、上述のように所定の記憶領域に記憶された回数に基づく各種データが表示される。
具体的には、
図48に示すように、ホームランの本数としてHR表示回数が表示され、3Bヒットの本数として3B表示回数が表示され、2Bヒットの本数として2B表示回数が表示され、1Bヒットの本数として1B表示回数が表示される。
また、打率として、HR表示回数、3B表示回数、2B表示回数及び1B表示回数の合計をルーレット実行回数で割った値が表示される。また、得点率として、時短突入回数を非時短中当選回数で割った値が表示される。
【0299】
これにより、履歴報知演出で表示されたホームラン数、3Bヒット数、2Bヒット数、1Bヒット数に基づいて、大当たり又は小当たりに当選した回数を把握することができる。本形態に係るパチンコ機Pでは、設定値が高ければ高い程、大当たりの当選確率も高くなるように設定されているため、これらの回数が大きければ高い設定値が設定されていることに期待できる。
また、履歴報知演出で表示された得点率に基づいて、大当たり又は小当たりの当選に対しどの程度の割合で時短遊技状態が設定されたのか(すなわち、時短遊技状態が設定される大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2の決定確率がどの程度なのか)を把握することができる。本形態に係るパチンコ機Pでは、設定値が高ければ高い程、時短遊技状態が設定される割合が高くなるように設定されているため、この得点率が大きければ高い設定値が設定されていることに期待できる。
【0300】
以上のように、履歴報知演出では、大当たり又は小当たりの当選回数や、遊技者にとって有利な時短遊技状態が設定される割合に関する表示が行われるようになっており、これらの表示に基づいて設定されている設定値を推測することができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0301】
なお、副制御基板300のサブRAM303における所定の記憶領域に蓄積される上述の各種回数は、設定値の変更が行われることによりクリアされるようにしてもよいし、副制御基板300に設けられた計時手段(たとえば、RTC等)が所定の時刻(たとえば、ホールの閉店時間、開店時間、深夜12時)となったことによりクリアされるようにしてもよい。
【0302】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図50に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数、遊技状態報知演出乱数、入球報知演出乱数、第1態様演出乱数、第2態様演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0303】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図51に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図51に示すタイマ割込処理を開始する。
【0304】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0305】
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、入球報知演出終了処理を実行する。そして、次のステップ2104に進む。
【0306】
ステップ2104において、サブCPU301は、保留記憶報知演出開始処理を実行する。そして、次のステップ2105に進む。
ステップ2105において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0307】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動用コマンド受信処理について、
図52のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動パターン決定処理のステップ904で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、上述のステップ2200で取得した変動演出乱数、変動演出決定テーブル、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンド等に基づいて、変動演出の態様を決定する。そして、次のステップ2202に進む。
【0308】
ステップ2202において、サブCPU301は、上述のステップ2201で決定された変動演出の態様に対応する変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2105において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2203に進む。
【0309】
ステップ2203において、サブCPU301は、上述の変動演出の実行に伴い、各種データをサブRAM303の所定の記憶領域に記憶させたり、所定のデータを更新したりする処理を実行する。たとえば、当該変動演出が非時短遊技状態における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たり又は小当たりの当選に係るものであったときには、サブRAM303の所定の記憶領域に蓄積されている非時短中当選回数を更新(カウントアップ)する。また、当該変動演出が非時短遊技状態における大当たり図柄X2又は小当たり図柄Y2の決定に係るものであったときには、サブRAM303の所定の記憶領域に蓄積されている時短突入回数を更新(カウントアップ)する。また、ルーレット演出が実行された場合には、サブRAM303の所定の記憶領域に蓄積されているルーレット実行回数、1B表示回数、2B表示回数、3B表示回数、HR表示回数等のうち、当該変動演出の態様と対応する回数を更新(カウントアップ)する。また、ルーレット演出が実行された場合には、停止表示された矢印画像が指し示したアイコン画像の種別を所定の記憶領域に記憶する。そして、次のステップ2204に進む。
ステップ2204において、サブCPU301は、受信した変動パターンコマンドが「A4H」又は「B4H」であるか否か(すなわち、時短遊技状態における第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たり又は小当たりに当選したか否か)を判定する。そして、当該変動パターンコマンドが「A4H」及び「B4H」のいずれでもないと判定した場合、変動用コマンド受信処理を終了する。一方、当該変動パターンコマンドが「A4H」又は「B4H」であると判定した場合、次のステップ2205に進む。
【0310】
ステップ2205において、サブCPU301は、入球報知演出を開始するための入球報知演出開始処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、指示演出を実行するための指示演出実行コマンドを送信バッファにセットする。これにより、各制御基板により、上述の指示演出を実行する制御が行われる。また、サブCPU301は、入球報知演出が終了するまでの所定時間(20秒)を所定のタイマカウンタにセットするとともに、所定時間のカウントダウン表示を実行するためのカウントダウン表示実行コマンドを送信バッファにセットし、バッターズサークルの画像等を表示するための初期表示実行コマンドを送信バッファにセットする。これにより、各制御基板により上述のカウントダウン表示を実行する制御やバッターズサークルの画像等の表示を実行する制御が行われる。また、入球報知演出が終了するまでの所定時間の計時が行われる。そして、変動用コマンド受信処理を終了する。
【0311】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、特別遊技に係るエンディングコマンドを受信した場合に実行されるエンディングコマンド受信処理について、
図53のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、当該エンディングコマンドは、主制御基板100において、特別遊技制御処理のステップ1209で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2300において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された遊技状態報知演出乱数を取得する。そして、次のステップ2301に進む。
ステップ2301において、サブCPU301は、上述のステップ2300で取得した遊技状態報知演出乱数、遊技状態報知演出決定テーブル、特別遊技の実行の契機となった大当たり図柄又は小当たり図柄の種別、当該大当たり図柄又は小当たり図柄に基づく変動演出中に実行されたルーレット演出で停止表示された矢印画像が指し示したアイコン画像の種別(サブRAM303の所定の記憶領域に記憶)等に基づいて、遊技状態報知演出の態様を決定する。そして、次のステップ2302に進む。
【0312】
ステップ2302において、サブCPU301は、上述のステップ2301で決定された遊技状態報知演出の態様に対応する遊技状態報知演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた遊技状態報知演出実行コマンドは、上述のステップ2105において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した遊技状態報知演出実行コマンドに基づいて遊技状態報知演出を実行する制御が行われることとなる。そして、エンディングコマンド受信処理を終了する。
【0313】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、事前判定コマンドを受信した場合に実行される事前判定コマンド受信処理について、
図54のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、事前判定コマンドは、主制御基板100において、事前判定処理のステップ616で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2400において、サブCPU301は、入球報知演出の実行中であるか否か(すなわち、「A4H」又は「B4H」の変動パターンコマンドに基づく変動演出中であるか否か)を判定する。そして、入球報知演出の実行中でないと判定した場合、事前判定コマンド受信処理を終了する。一方、入球報知演出の実行中であると判定した場合、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、上述のステップ2205で所定のタイマカウンタにセットされた所定時間が経過しているか否かを判定する。そして、所定時間が経過していると判定した場合、事前判定コマンド受信処理を終了する。一方、所定時間が経過していないと判定した場合、次のステップ2402に進む。
【0314】
ステップ2402において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された入球報知演出乱数を取得する。そして、次のステップ2403に進む。
ステップ2403において、サブCPU301は、上述のステップ2402で取得した入球報知演出乱数、入球報知演出決定テーブル、事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果等に基づいて、入球報知演出の態様を決定する。そして、次のステップ2404に進む。
【0315】
ステップ2404において、サブCPU301は、上述のステップ2403で決定された入球報知演出の態様に対応する入球報知演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた入球報知演出実行コマンドは、上述のステップ2105において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した入球報知演出実行コマンドに基づいて入球報知演出を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2405に進む。
ステップ2405において、サブCPU301は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき取得され保留記憶された第2特図乱数の数をカウントするための保留カウンタのカウント値を1インクリメントする。なお、この保留カウンタのカウント値は、入球報知演出の開始時点でリセットされるようになっている。そして、次のステップ2406に進む。
【0316】
ステップ2406において、サブCPU301は、保留カウンタのカウント値が4であるか否かを判定する。そして、当該カウント値が4でないと判定した場合、事前判定コマンド受信処理を終了する。一方、当該カウント値が4であると判定した場合、次のステップ2407に進む。
ステップ2407において、サブCPU301は、上述のオーバー入球指示表示を実行するためのオーバー入球指示表示実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたオーバー入球指示表示実行コマンドは、上述のステップ2105において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信したオーバー入球指示表示実行コマンドに基づいてオーバー入球指示表示を実行する制御が行われることとなる。そして、事前判定コマンド受信処理を終了する。
【0317】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、第2始動入賞口検出コマンドを受信した場合に実行される第2始動入賞口検出コマンド受信処理について、
図55のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、第2始動入賞口検出コマンドは、主制御基板100において、第2始動入賞口検出時処理のステップ601で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2500において、サブCPU301は、入球報知演出の実行中であるか否か(すなわち、「A4H」又は「B4H」の変動パターンコマンドに基づく変動演出中であるか否か)を判定する。そして、入球報知演出の実行中でないと判定した場合、第2始動入賞口検出コマンド受信処理を終了する。一方、入球報知演出の実行中であると判定した場合、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、上述のステップ2205で所定のタイマカウンタにセットされた所定時間が経過しているか否かを判定する。そして、所定時間が経過していると判定した場合、第2始動入賞口検出コマンド受信処理を終了する。一方、所定時間が経過していないと判定した場合、次のステップ2502に進む。
【0318】
ステップ2502において、サブCPU301は、保留カウンタのカウント値が4であるか否かを判定する。そして、当該カウント値が4でないと判定した場合、第2始動入賞口検出コマンド受信処理を終了する。一方、当該カウント値が4であると判定した場合、次のステップ2503に進む。
ステップ2503において、サブCPU301は、上述のステップ2403で決定された入球報知演出の態様としてバッターの画像の変更が決定されていた場合には、バッターの画像を変更するためのバッター画像変更コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたバッター画像変更コマンドは、上述のステップ2105において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信したバッター画像変更コマンドに基づいてバッターの画像を変更する制御が行われることとなる。そして、第2始動入賞口検出コマンド受信処理を終了する。
【0319】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、客待ちコマンドを受信した場合に実行される客待ちコマンド受信処理について、
図56のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、客待ちコマンドは、主制御基板100において、特別図柄変動開始処理のステップ812で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2600において、サブCPU301は、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶されているHR表示回数、3B表示回数、2B表示回数、1B表示回数及びルーレット実行回数に基づいて、打率を算出し、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶されている時短突入回数及び非時短中当選回数に基づいて、得点率を算出する。そして、次のステップ2601に進む。
ステップ2601において、サブCPU301は、ホームランの本数としてHR表示回数を表示し、3Bヒットの本数として3B表示回数を表示し、2Bヒットの本数として2B表示回数を表示し、1Bヒットの本数として1B表示回数を表示するとともに、上述のステップ2600で算出された打率及び得点率を表示する履歴報知演出を実行するための履歴報知演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた履歴報知演出実行コマンドは、上述のステップ2105において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した履歴報知演出実行コマンドに基づいて履歴報知演出を実行する制御が行われることとなる。そして、客待ちコマンド受信処理を終了する。
【0320】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、設定変更コマンドを受信した場合に実行される設定変更コマンド受信処理について、
図57のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、設定変更コマンドは、主制御基板100において、初期化処理のステップ135で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2700において、サブCPU301は、第2態様による保留記憶報知演出の実行回数をカウントするための第2態様実行回数カウンタのカウント値をリセットする。そして、設定変更コマンド受信処理を終了する。
【0321】
次に、上述したステップ2103の入球報知演出終了処理について、
図58のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2800において、サブCPU301は、入球報知演出の実行中であるか否か(すなわち、「A4H」又は「B4H」の変動パターンコマンドに基づく変動演出中であるか否か)を判定する。そして、入球報知演出の実行中でないと判定した場合、入球報知演出終了処理を終了する。一方、入球報知演出の実行中であると判定した場合、次のステップ2801に進む。
ステップ2801において、サブCPU301は、上述のステップ2205で所定のタイマカウンタにセットされた所定時間が経過したか否かを判定する。そして、所定時間が経過していないと判定した場合、入球報知演出終了処理を終了する。一方、所定時間が経過したと判定した場合、次のステップ2802に進む。
ステップ2802において、サブCPU301は、入球報知演出を終了し保留記憶報知演出を開始するための処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、保留記憶報知演出が開始される旨を示す表示を実行するための保留記憶報知演出開始表示コマンドを送信バッファにセットする。また、サブCPU301は、保留記憶報知演出の態様の選択画面を表示するための選択画面表示コマンドを送信バッファにセットする。そして、入球報知演出終了処理を終了する。
【0322】
次に、上述したステップ2104の保留記憶報知演出開始処理について、
図59のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2900において、サブCPU301は、保留記憶報知演出の態様として第1態様が選択されたか否かを判定する。そして、第1態様が選択されていないと判定した場合、ステップ2904に進む。一方、第1態様が選択されたと判定した場合、次のステップ2901に進む。
ステップ2901において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された第1態様演出乱数を取得する。そして、次のステップ2902に進む。
【0323】
ステップ2902において、サブCPU301は、上述のステップ2901で取得した第1態様演出乱数、第1態様決定テーブル、事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果等に基づいて、第1態様による保留記憶報知演出の態様を決定する。そして、次のステップ2903に進む。
ステップ2903において、サブCPU301は、上述のステップ2902で決定された第1態様による保留記憶報知演出の態様に対応する第1態様実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた第1態様実行コマンドは、上述のステップ2105において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した第1態様実行コマンドに基づいて第1態様による保留記憶報知演出を実行する制御が行われることとなる。そして、保留記憶報知演出開始処理を終了する。
【0324】
また、上述のステップ2900で第1態様が選択されていないと判定した場合に進むステップ2904において、サブCPU301は、保留記憶報知演出の態様として第2態様が選択されたか否かを判定する。そして、第2態様が選択されていないと判定した場合、保留記憶報知演出開始処理を終了する。一方、第2態様が選択されたと判定した場合、次のステップ2905に進む。
ステップ2905において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された第2態様演出乱数を取得する。そして、次のステップ2906に進む。
【0325】
ステップ2906において、サブCPU301は、上述のステップ2905で取得した第2態様演出乱数、第2態様決定テーブル、事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果等に基づいて、第2態様による保留記憶報知演出の態様を決定する。そして、次のステップ2907に進む。
ステップ2907において、サブCPU301は、上述のステップ2906で決定された第2態様による保留記憶報知演出の態様に対応する第2態様実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた第2態様実行コマンドは、上述のステップ2105において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した第2態様実行コマンドに基づいて第2態様による保留記憶報知演出を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2908に進む。
【0326】
ステップ2908において、サブCPU301は、第2態様実行回数カウンタのカウント値を1インクリメントする。そして、次のステップ2909に進む。
ステップ2909において、サブCPU301は、第2態様実行回数カウンタのカウント値を参照して、第2態様による保留記憶報知演出において表示されるセリフのパターンを選択する。そして、次のステップ2910に進む。
ステップ2910において、サブCPU301は、上述のステップ2909で選択されたパターンのセリフを表示するためのセリフ表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたセリフ表示コマンドは、上述のステップ2105において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信したセリフ表示コマンドに基づいてセリフを表示する制御が行われることとなる。そして、保留記憶報知演出開始処理を終了する。
【0327】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、時短遊技状態が終了するための時短終了条件として、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数(変動回数)及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数(変動回数)の合計が所定回数(本形態では、100回)に達するという第1時短終了条件、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりに当選し大当たり図柄X3が決定されるという第2時短終了条件、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定されるという第3時短終了条件が定められていたが、時短終了条件の内容としては、これらに限定されるものではない。
たとえば、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数が所定回数に達し、かつ第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数と、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数との差分が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。
なお、上述の大当たりの抽選回数(変動回数)に基づく各時短終了条件において定められる所定回数は、同一の回数としてもよいし、異なる回数としてもよい。
【0328】
また、たとえば、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく小当たりの当選回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて小当たりに当選し、複数の小当たり図柄のうちの所定の小当たり図柄が決定された回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、複数の小当たり図柄のうちの所定の小当たり図柄が決定された回数が所定回数に達し、かつ所定の小当たり図柄とは異なる他の小当たり図柄が決定された回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、所定の小当たり図柄が決定された回数、及び、所定の小当たり図柄とは異なる他の小当たり図柄が決定された回数の合計が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。
なお、パチンコ機Pを上述のように設定する場合には、上述の各小当たり図柄が決定されたときには、第1大入賞口18へ遊技球がほぼ入球することができないような態様(たとえば、第1大入賞口18が1回のみ0.1秒開放する等の態様)で小当たり遊技が実行されるようにするのが望ましい。
【0329】
また、たとえば、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選において小当りに当選した場合に決定される小当たり図柄として、上述の実施の形態と同様の小当たり図柄Y3以外に、第1大入賞口18へ遊技球がほぼ入球することができないような態様での小当たり遊技の実行が定められた小当たり図柄(以下、特定小当り図柄という)を複数設け、小当たりに当選した場合にこれらの小当たり図柄のうちのいずれかが決定されるように設定する。そして、この場合には、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく小当たりの当選回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて小当たりに当選し、複数の特定小当たり図柄のうちの所定の特定小当たり図柄が決定された回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、複数の特定小当たり図柄のうちの所定の特定小当たり図柄が決定された回数が所定回数に達し、かつ所定の特定小当たり図柄とは異なる他の特定小当たり図柄が決定された回数が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。また、所定の特定小当たり図柄が決定された回数、及び、所定の特定小当たり図柄とは異なる他の特定小当たり図柄が決定された回数の合計が所定回数に達するという時短終了条件を定めてもよい。
なお、上述の大当たりの抽選結果に基づく各時短終了条件において定められる所定回数は、同一の回数としてもよいし、異なる回数としてもよい。
【0330】
また、上述の各時短終了条件の内容(所定回数等)については、特別遊技の実行の契機となった大当たり図柄や小当たり図柄の種類に応じて異なるようにしてもよい。
具体的には、たとえば、パチンコ機Pを、大当たり図柄X1が決定された場合及び大当たり図柄X2が決定された場合のいずれにおいても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定されるようにした場合には、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件と、大当たり図柄X2の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件とが異なる内容となるようにしてもよい。
同様に、パチンコ機Pを、小当たり図柄Y1が決定された場合及び小当たり図柄Y2が決定された場合のいずれにおいても、当該決定に基づく特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定されるようにした場合には、小当たり図柄Y1の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件と、小当たり図柄Y2の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される時短遊技状態の時短終了条件とが異なる内容となるようにしてもよい。
【0331】
また、時短終了条件は、特別遊技の実行の契機となった大当たり図柄や小当たり図柄の種類ごとに常に同一の内容が決定されるようにしてもよいし、所定の抽選を行うことで異なる内容が決定されるようにしてもよい。
【0332】
また、上述の実施の形態では、時短終了条件として第1時短終了条件及び第2時短終了条件の2つが設けられているが、これに限定されるものではなく、3つ以上の条件を時短終了条件として設定してもよい。
【0333】
また、上述の実施の形態では、大当たりの抽選により大当たりに当選するか、又は、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入することを条件として、特別遊技が実行されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、大当たりの抽選により大当たりに当選した場合にのみ特別遊技が実行されるようにしてもよいし、また、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入した場合にのみ特別遊技が実行されるようにしてもよい。
【0334】
また、上述の実施の形態では、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選においては大当たり又は小当たりのいずれかに当選可能となるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、大当たりにのみ当選可能となるように設定してもよい。
【0335】
また、上述の実施の形態では、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選回数の合計が100回に到達するか、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりに当選し大当たり図柄X3が決定されるか、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定されるかのいずれかの時短終了条件が成立することにより時短遊技状態が終了するようになっており、実質的に大当たり又は小当たりに当選することで終了するため、時短遊技状態が設定された後に必ず1回は特別遊技が実行され所定の期待値(1100個)の賞球を獲得可能となっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、上述の大当たりの抽選が1回行われるか、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりに当選し大当たり図柄X3が決定されるか、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき小当たりに当選し小当たり図柄Y3が決定されるかのいずれかの時短終了条件が成立することにより時短遊技状態が終了することもできる。このように設定した場合には、大当たりの抽選が1回行われると時短遊技状態が終了するため、必ずしも大当たり又は小当たりに当選するとは限らず、時短遊技状態が設定されても特別遊技の実行が保障されることはない、
このようにした場合には、より緊張感のある遊技を提供することができる。
【0336】
また、上述の実施の形態では、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たり又は小当たりに当選した時点で時短遊技状態が終了するようになっていたが、時短遊技状態を終了するタイミングは、小当たり遊技の実行中におけるいずれかの時点(たとえば、小当たり遊技の開始時におけるオープニング時間の設定時(すなわち、小当たり遊技のオープニングの開始時)、当該オープニング時間の経過時(すなわち、小当たり遊技のオープニングの終了時)、小当たり遊技の実行中、小当たり遊技の終了時におけるエンディング時間の設定時(すなわち、小当たり遊技のエンディングの開始時)、当該エンディング時間の経過時(すなわち、小当たり遊技のエンディングの終了時)等としてもよい。
また、時短遊技状態が終了するタイミングは、時短終了条件に応じて異なるように設定してもよい。たとえば、第1時短終了条件が成立した場合には、特別図柄の変動表示の開始時に時短遊技状態が終了し、第3時短終了条件が成立した場合には、小当たりの当選に基づく変動表示の終了時に時短遊技状態が終了するように設定してもよい。
【0337】
また、小当たりの当選に基づいて決定される小当たり図柄として第1小当たり図柄と第2小当り図柄とを設け、時短遊技状態中に第1小当たり図柄が決定された場合には、当該時短遊技状態は終了しないように設定するとともに、時短遊技状態中に第2小当たり図柄が決定された場合には、当該当選に基づく小当たり遊技を経由して特別遊技が実行されたときには当該特別遊技の終了後に時短遊技状態が設定されるものの、特別遊技が実行されなかったとき(すなわち、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入しなかったため小当たり遊技のみ実行されたとき)には時短遊技状態が終了し非時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
そして、このように設定した場合には、第1小当たり図柄の決定に基づく小当たり遊技(以下、第1小当たり遊技という)中と、第2小当り図柄の決定に基づく小当たり遊技(以下、第2小当たり遊技という)中とで、右打ちの報知の有無や右打ちの報知の態様を異ならせるようにしてもよい。たとえば、第1小当たり遊技中は所定時間に亘り右打ちの報知を行うものの、第2小当たり遊技中は当該所定時間よりも長い時間に亘り右打ちの報知を行うようにしてもよい。また、第1小当たり遊技中は所定の画像により右打ちの表示を行うものの、第2小当たり遊技中は当該所定の画像よりも遊技者が着目しやすい画像(たとえば、より大きいサイズの画像、派手な色合いの画像等)により右打ちの表示を行うようにしてもよい。また、第1小当たり遊技中は所定の右打ち音声を出力するものの、第2小当たり遊技中は当該所定の右打ち音声よりも遊技者が聴認しやすい右打ち音声(たとえば、より音量の大きい右打ち音声等)を出力するようにしてもよい。また、第2小当たり遊技中は右打ち音声を出力するものの、第1小当たり遊技中は右打ち音声を出力しないようにしてもよい。また、第2小当たり遊技中は上述のような右打ちの報知を行うものの、第1小当たり遊技中は右打ちの報知を行わないようにしてもよい。
【0338】
また、上述の実施の形態では、第1大入賞口18及び第2大入賞口55の複数の大入賞口が設けられていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、大入賞口は1つのみ設けてもよい。そして、大入賞口を1つのみ設けた場合には、当該大入賞口内に特別領域57を設けるとともに、小当たり遊技及び特別遊技のいずれにおいても当該大入賞口が開放されるように設定してもよい。
また、上述の実施の形態では、右打ちの報知の態様として、遊技者に右打ちを行わせるための文字画像の表示及び所定の右打ち音声の出力が行われるようになっていたが、これらに併せて、右打ちを報知するためのランプを点灯させるようにしてもよい。そして、特別遊技中、小当たり遊技中、時短遊技状態中には、当該ランプが点灯し続けるようにしてもよい。
また、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
【0339】
なお、上述の実施の形態及び変形例は、大当たりの抽選により大当たりに当選するか、又は、小当たり遊技中に特別領域57へ遊技球が進入することを条件として、特別遊技が実行されるパチンコ機P以外の遊技機に応用することもできる。
たとえば、遊技球が入球可能な複数の始動入賞口のうちの1の始動入賞口への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選及び当該抽選に基づく特別図柄の変動表示と、他の始動入賞口への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選及び当該抽選に基づく特別図柄の変動表示とを並行して実行可能にするとともに、1の始動入賞口への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選において小当たりの当選確率を高く設定することにより小当たり遊技の実行に基づく大入賞口の開放が頻繁に行われるようにし、さらに、遊技状態として、高確率で大当たりに当選し、かつ開閉可能な始動入賞口が開状態に維持され易く設定された高確率時短遊技状態、及び、高確率で大当たりに当選するものの開閉可能な始動入賞口が開状態に維持され難く設定された高確率非時短遊技状態を備え、高確率非時短遊技状態中は、上述の他の始動入賞口へ遊技球を入球させて小当たりの当選を多く発生させることにより、高確率時短遊技状態よりも獲得可能な賞球数が多くなるように設定されたパチンコ機において、高確率時短遊技状態を終了させて高確率非時短遊技状態へ移行させるための時短終了条件として、上述の実施の形態及び変形例の内容を適用してもよい。
【0340】
また、上述の実施の形態における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの当選は、本発明の第1の当選に相当する。また、上述の実施の形態における第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく小当たりの当選は、本発明の第2の当選に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ806の処理を実行するメインCPU101は、本発明の抽選手段に相当する。また、上述の実施の形態における時短遊技状態は、本発明の遊技者に有利な遊技状態に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態における履歴報知演出は、本発明の有利な遊技状態が設定される割合に関する表示に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2601の処理を実行するサブCPU301は、本発明の表示手段に相当する。
【符号の説明】
【0341】
P パチンコ機
18 第1大入賞口
55 第2大入賞口
57 特別領域
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM