IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工工作機械株式会社の特許一覧 ▶ 技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構の特許一覧

<>
  • 特許-三次元積層装置および方法 図1
  • 特許-三次元積層装置および方法 図2
  • 特許-三次元積層装置および方法 図3
  • 特許-三次元積層装置および方法 図4
  • 特許-三次元積層装置および方法 図5
  • 特許-三次元積層装置および方法 図6
  • 特許-三次元積層装置および方法 図7
  • 特許-三次元積層装置および方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】三次元積層装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/34 20140101AFI20230510BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20230510BHJP
   B23K 26/03 20060101ALI20230510BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20230510BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20230510BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230510BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20230510BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230510BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20230510BHJP
【FI】
B23K26/34
B23K26/21 Z
B23K26/03
B29C64/153
B29C64/393
B33Y30/00
B33Y50/02
B33Y10/00
B29C64/209
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019108958
(22)【出願日】2019-06-11
(65)【公開番号】P2020199536
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】315017775
【氏名又は名称】ニデックマシンツール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 慶
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(73)【特許権者】
【識別番号】514227988
【氏名又は名称】技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若名 智宏
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-178192(JP,A)
【文献】特開平11-179573(JP,A)
【文献】国際公開第2016/151781(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0003095(US,A1)
【文献】米国特許第5837960(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0206820(US,A1)
【文献】特開2002-18967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/34
B23K 26/21
B23K 26/03
B29C 64/153
B29C 64/393
B33Y 30/00
B33Y 50/02
B33Y 10/00
B29C 64/209
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象物に成形層を積層させて三次元形状物を形成する三次元積層装置であって、
前記加工対象物の加工面に向けて粉末材料を供給する粉末供給部と、
前記粉末材料に光ビームを照射して前記光ビームが照射された前記粉末材料の少なくとも一部を焼結または溶融固化させて前記成形層を形成する光照射部と、
前記加工対象物の形状に基づいて前記粉末供給部から噴射される前記粉末材料の前記加工対象物に対する干渉情報を取得する干渉情報取得部と、
前記干渉情報取得部が取得した前記干渉情報に基づいて前記粉末供給部が前記加工対象物の加工面に向けて供給する前記粉末材料の供給経路を変更する制御部と、
を備えることを特徴とする三次元積層装置。
【請求項2】
前記粉末供給部は、前記光照射部の周囲に周方向に所定間隔を空けて設けられる複数の粉末噴射部を有し、前記制御部は、前記複数の粉末噴射部のうち、前記加工対象物への干渉が推定される前記粉末材料を噴射する前記粉末噴射部からの前記粉末材料の噴射を停止することを特徴とする請求項1に記載の三次元積層装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記加工対象物への干渉が推定される前記粉末材料を噴射する前記粉末噴射部からの前記粉末材料の噴射を停止したとき、前記粉末材料の噴射を停止した前記粉末噴射部以外の前記粉末噴射部からの前記粉末材料の噴射量を増加させることを特徴とする請求項2に記載の三次元積層装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記加工対象物への干渉が推定される前記粉末材料を噴射する前記粉末噴射部からの前記粉末材料の噴射を停止したとき、前記光照射部が照射する前記光ビームの出力を調整することを特徴とする請求項2に記載の三次元積層装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記加工対象物への干渉が推定される前記粉末材料を噴射する前記粉末噴射部からの前記粉末材料の噴射を停止したとき、前記加工対象物の加工速度を調整することを特徴とする請求項4に記載の三次元積層装置。
【請求項6】
前記干渉情報取得部は、予め前記加工対象物の形状を取得し、取得した前記加工対象物の形状に基づいて前記粉末供給部と前記光照射部の作動プログラムが設定され、前記制御部は、前記作動プログラムに基づいて前記粉末供給部または前記光照射部を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の三次元積層装置。
【請求項7】
前記干渉情報取得部は、前記粉末供給部から供給される前記粉末材料の前記加工対象物への到達状況を検出または推定する検出器を有し、前記制御部は、前記検出器の検出結果に基づいて前記粉末供給部を制御することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の三次元積層装置。
【請求項8】
加工対象物に成形層を積層させて三次元形状物を形成する三次元積層方法であって、
前記加工対象物の加工面に向けて粉末材料を供給する工程と、
前記粉末材料に光ビームを照射して前記光ビームが照射された前記粉末材料の少なくとも一部を焼結または溶融固化させて前記成形層を形成する工程と、
前記加工対象物の形状に基づいて前記粉末材料の前記加工対象物に対する干渉情報を取得する工程と、
前記干渉情報に基づいて前記加工対象物の加工面に向けて供給する前記粉末材料の供給経路を変更する工程と、
を有することを特徴とする三次元積層方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層により三次元形状物を製造する三次元積層装置および三次元積層方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
三次元形状物を製造する技術として、金属粉末材料に光ビームを照射することによって三次元形状物を製造する積層造形技術が知られている。積層造形技術としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載された技術は、金属粉末材料で形成された粉末層に光ビームを照射して焼結層を形成し、それを繰り返すことによって複数の焼結層が一体として積層された三次元形状物を製造するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-196264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した積層造形技術は、積層ヘッドの中心部から加工対象物に向けて光ビームを照射し、積層ヘッドの周囲の複数個所から光ビームの焦点に向けて金属粉末材料を噴射することで、金属粉末材料を光ビームで加熱して溶融させる。ところで、三次元積層作業の途中工程で、また、機械加工により製造された加工対象物に対して三次元積層を行うとき、加工面が凹凸形状になることがある。加工面が凹凸形状をなすと、光ビームの焦点に向けて噴射された金属粉末材料の一部が加工面にある凸部に干渉することがある。すると、加工面の凸部に干渉した金属粉末材料が光ビームの経路に飛散し、光ビームの出力を減衰させてしまう。また、一部の金属粉末材料が光ビームの焦点、つまり、加工対象物に到達せずに金属粉末材料の積層量が不足してしまう。その結果、三次元形状物の品質を低下させてしまうという課題がある。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、三次元形状物の品質の向上を図る三次元積層装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するための本開示の三次元積層装置は、加工対象物に成形層を積層させて三次元形状物を形成する三次元積層装置であって、前記加工対象物の加工面に向けて粉末材料を供給する粉末供給部と、前記粉末材料に光ビームを照射して前記光ビームが照射された前記粉末材料の少なくとも一部を焼結または溶融固化させて前記成形層を形成する光照射部と、前記加工対象物の形状に基づいて前記粉末供給部から噴射される前記粉末材料の前記加工対象物に対する干渉情報を取得する干渉情報取得部と、前記干渉情報取得部が取得した前記干渉情報に基づいて前記粉末供給部が前記加工対象物の加工面に向けて供給する前記粉末材料の供給経路を変更する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
そのため、干渉情報取得部は、加工対象物の形状に基づいて粉末供給部から噴射される粉末材料の加工対象物に対する干渉情報を取得し、制御部は、この干渉情報に基づいて粉末供給部が加工対象物の加工面に向けて供給する粉末材料の供給経路を変更する。すなわち、制御部は、粉末供給部から噴射される粉末材料が加工対象物に干渉する領域を特定し、粉末供給部から噴射される粉末材料が加工対象物に干渉しない領域から粉末供給部が加工対象物の加工面に向けて粉末材料を供給する。その結果、粉末材料が加工対象物に干渉して飛散せず、光ビームの出力を減衰させることがなく、また、決められた量の粉末材料を加工対象物に供給することができ、三次元形状物の品質の向上を図ることができる。
【0008】
本開示の三次元積層装置では、前記粉末供給部は、前記光照射部の周囲に周方向に所定間隔を空けて設けられる複数の粉末噴射部を有し、前記制御部は、前記複数の粉末噴射部のうち、前記加工対象物への干渉が推定される前記粉末材料を噴射する前記粉末噴射部からの前記粉末材料の噴射を停止することを特徴とする。
【0009】
そのため、制御部は、加工対象物への干渉が推定される粉末材料を噴射する粉末噴射部からの粉末材料の噴射を停止し、残りの粉末噴射部から粉末材料を噴射することとなり、粉末材料が加工対象物に干渉することで発生する粉末材料の飛散を防止することができる一方で、加工対象物に対して粉末材料を適正に供給することができ、加工対象物の形状に拘わらず、三次元形状物を適正に製造することができる。
【0010】
本開示の三次元積層装置では、前記制御部は、前記加工対象物への干渉が推定される前記粉末材料を噴射する前記粉末噴射部からの前記粉末材料の噴射を停止したとき、前記粉末材料の噴射を停止した前記粉末噴射部以外の前記粉末噴射部からの前記粉末材料の噴射量を増加させることを特徴とする。
【0011】
そのため、制御部は、加工対象物への干渉が推定される粉末材料を噴射する粉末噴射部からの粉末材料の噴射を停止したとき、残りの粉末噴射部からの粉末材料の噴射量を増加させることから、常時、適正量の粉末材料を加工対象物へ供給することができ、三次元形状物の品質の低下を抑制することができる。
【0012】
本開示の三次元積層装置では、前記制御部は、前記加工対象物への干渉が推定される前記粉末材料を噴射する前記粉末噴射部からの前記粉末材料の噴射を停止したとき、前記光照射部が照射する前記光ビームの出力を調整することを特徴とする。
【0013】
そのため、加工対象物への干渉が推定される粉末材料を噴射する粉末噴射部からの粉末材料の噴射を停止したとき、光照射部が照射する光ビームの出力を調整することから、減少した粉末材料の供給量に適合した光ビームの出力となり、三次元形状物の品質の低下を抑制することができる。
【0014】
本開示の三次元積層装置では、前記制御部は、前記加工対象物への干渉が推定される前記粉末材料を噴射する前記粉末噴射部からの前記粉末材料の噴射を停止したとき、前記加工対象物の加工速度を調整することを特徴とする。
【0015】
そのため、加工対象物への干渉が推定される粉末材料を噴射する粉末噴射部からの粉末材料の噴射を停止したとき、加工対象物の加工速度を調整することから、減少した粉末材料の供給量に適合した加工速度となり、三次元形状物の品質の低下を抑制することができる。
【0016】
本開示の三次元積層装置では、前記干渉情報取得部は、予め前記加工対象物の形状を取得し、取得した前記加工対象物の形状に基づいて前記粉末供給部と前記光照射部の作動プログラムが設定され、前記制御部は、前記作動プログラムに基づいて前記粉末供給部または前記光照射部を制御することを特徴とする。
【0017】
そのため、制御部は、加工対象物の形状に基づいて設定された粉末供給部と光照射部の作動プログラムに基づいて粉末供給部または光照射部を制御することから、加工対象物の形状に拘わらず、噴射された粉末材料と加工対象物との干渉を防止することができる。
【0018】
本開示の三次元積層装置では、前記干渉情報取得部は、前記粉末供給部から供給される前記粉末材料の前記加工対象物への到達状況を検出または推定する検出器を有し、前記制御部は、前記検出器の検出結果に基づいて前記粉末供給部を制御することを特徴とする。
【0019】
そのため、制御部は、検出器により検出または推定された粉末材料の加工対象物への到達状況に基づいて前記粉末供給部を制御することから、加工対象物の形状に拘わらず、噴射された粉末材料と加工対象物との干渉を防止することができる。
【0020】
また、本開示の三次元積層方法は、加工対象物に成形層を積層させて三次元形状物を形成する三次元積層方法であって、前記加工対象物の加工面に向けて粉末材料を供給する工程と、前記粉末材料に光ビームを照射して前記光ビームが照射された前記粉末材料の少なくとも一部を焼結または溶融固化させて前記成形層を形成する工程と、前記加工対象物の形状に基づいて前記粉末材料の前記加工対象物に対する干渉情報を取得する工程と、前記干渉情報に基づいて前記加工対象物の加工面に向けて供給する前記粉末材料の供給経路を変更する工程と、を有することを特徴とする。
【0021】
そのため、粉末供給部から噴射される粉末材料が加工対象物に干渉する領域を特定し、粉末供給部から噴射される粉末材料が加工対象物に干渉しない領域から粉末供給部が加工対象物の加工面に向けて粉末材料を供給する。その結果、粉末材料が加工対象物に干渉して飛散せず、光ビームの出力を減衰させることがなく、また、決められた量の粉末材料を加工対象物に供給することができ、三次元形状物の品質の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示の三次元積層装置および方法によれば、三次元形状物の品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本実施形態の三次元積層装置を示す模式図である。
図2図2は、積層ヘッドの先端部の一例を示す縦断面図である。
図3図3は、積層ヘッドの先端部の一例を示す水平断面図である。
図4図4は、制御装置の構成を示す模式図である。
図5図5は、三次元積層装置による三次元形状物の製造時の課題を説明するための概略図である。
図6図6は、制御装置による粉末材料の供給経路を変更する第1の制御方法を示すタイムチャートである。
図7図7は、制御装置による粉末材料の供給経路を変更する第2の制御方法を示すタイムチャートである。
図8図8は、三次元積層装置による三次元形状物の製造方法を示すフローチャートである。
【0024】
以下に添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0025】
図1は、本実施形態の三次元積層装置を示す模式図である。ここで、本実施形態では、水平面内の一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向およびY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち、鉛直方向)をZ軸方向とする。
【0026】
図1に示すように、三次元積層装置1は、基台部100に三次元形状物を製造する装置である。基台部100は、三次元形状物が形成される土台となる部材であり、三次元積層装置1で所定の位置に搬送され、加工面に三次元形成物が形成される。本実施形態の基台部100は、板状の部材である。なお、基台部100は、これに限定されない。基台部100は、三次元形状物の土台となる部材を用いてもよいし、三次元形状物を付加する部材を用いてもよい。所定の位置に三次元形成物が形成されることで、部品、製品となる部材を基台部100として用いてもよい。
【0027】
三次元積層装置1は、三次元積層室2と、予備室3と、積層ヘッド収納室4と、機械加工部収納室5と、ベッド10と、テーブル部11と、積層ヘッド12と、機械加工部13と、制御装置20と、形状計測部30と、加熱ヘッド31と、装置計測部32と、工具交換部33と、ノズル交換部34と、粉末導入部35と、基台移動部36と、空気排出部37と、ガス導入部38と、粉末回収部39とを有する。
【0028】
三次元積層室2は、接続された配管等の設計された連通部分以外が外部から密封されている筐体(チャンバー)である。なお、設計された連通部分は、密閉状態と開放状態を切り換えるバルブ等が設けられており、必要に応じて、三次元積層室2を密閉状態とすることができる。三次元積層室2は、ベッド10と、テーブル部11と、積層ヘッド12と、機械加工部13の一部と、加熱ヘッド31の一部と、装置計測部32と、工具交換部33と、ノズル交換部34とが内部に配置されている。
【0029】
予備室3は、三次元積層室2に隣接して設けられている。予備室3は、接続された配管等の設計された連通部分以外が外部から密封されている。予備室3は、外部と三次元積層室2とを接続する減圧室となっている。予備室3内には、基台移動部36が設けられている。ここで、予備室3は、三次元積層室2の接続部に、例えば、気密性を有する扉6が設けられている。また、予備室3は、気密性を有する扉7により外部と接続されている。また、予備室3には、予備室3から空気を排出する空気排出部25が設けられている。予備室3は、扉7を開くことで、外部から必要な部材を内部に搬入することができる。また、予備室3は、扉6を開くことで、三次元積層室2との間で部材の搬入、搬出を行うことができる。
【0030】
積層ヘッド収納室4は、三次元積層室2のZ軸方向上側の面に設けられている。積層ヘッド収納室4は、Z軸スライド部4aで三次元積層室2に対してZ軸方向(矢印102の方向)に移動可能な状態で支持されている。積層ヘッド収納室4は、Z軸方向下側の面がベローズ18により三次元積層室2と繋がっている。ベローズ18は、積層ヘッド収納室4のZ軸方向下側の面と三次元積層室2と繋げ、積層ヘッド収納室4のZ軸方向下側の面を三次元積層室2の一部とする。また、三次元積層室2は、ベローズ18で囲われた領域に開口が形成されている。積層ヘッド収納室4のZ軸方向下側の面とベローズ18とで囲まれた空間は、三次元積層室2と繋がり、三次元積層室2とともに密閉されている。積層ヘッド収納室4は、積層ヘッド12と、形状計測部30と、加熱ヘッド31とを支持している。また、積層ヘッド収納室4は、積層ヘッド12のノズル23を含む一部と、加熱ヘッド31の先端部24を含む一部とがZ軸方向下側の面から三次元積層室2に向けて突出している。
【0031】
積層ヘッド収納室4は、Z軸スライド部4aでZ軸方向に移動することで、保持している積層ヘッド12と、形状計測部30と、加熱ヘッド31とをZ軸方向に移動させる。また、積層ヘッド収納室4は、ベローズ18を介して三次元積層室2と接続していることで、ベローズ18がZ軸方向の移動に合わせて変形し、三次元積層室2と積層ヘッド収納室4との間の密閉状態を維持できる。
【0032】
機械加工部収納室5は、三次元積層室2のZ軸方向上側の面に設けられている。また、機械加工部収納室5は、積層ヘッド収納室4に隣接して配置されている。機械加工部収納室5は、Z軸スライド部5aで三次元積層室2に対してZ軸方向(矢印104の方向)に移動可能な状態で支持されている。機械加工部収納室5は、Z軸方向下側の面がベローズ19により三次元積層室2と繋がっている。ベローズ19は、機械加工部収納室5のZ軸方向下側の面と三次元積層室2とを繋げ、機械加工部収納室5のZ軸方向下側の面を三次元積層室2の一部とする。また、三次元積層室2は、ベローズ19で囲われた領域に開口が形成されている。機械加工部収納室5のZ軸方向下側の面とベローズ19とで囲まれた空間は、三次元積層室2と繋がり、三次元積層室2とともに密閉されている。機械加工部収納室5は、機械加工部13を支持している。また、機械加工部収納室5は、機械加工部13の工具22を含む一部がZ軸方向下側の面から三次元積層室2に向けて突出している。
【0033】
機械加工部収納室5は、Z軸スライド部5aでZ軸方向に移動することで、保持している機械加工部13をZ軸方向に移動させる。また、機械加工部収納室5は、ベローズ19を介して三次元積層室2と接続していることで、ベローズ19がZ軸方向の移動に合わせて変形し、三次元積層室2と機械加工部収納室5との間の密閉状態を維持できる。
【0034】
ベッド10は、三次元積層室2内のZ軸方向の底部に設けられている。ベッド10は、テーブル部11を支持している。ベッド10は、各種配線や配管や駆動機構が配置されている。
【0035】
テーブル部11は、ベッド10の上面に配置され、基台部100を支持する。テーブル部11は、Y軸スライド部15と、X軸スライド部16と、回転テーブル部17とを有する。テーブル部11は、基台部100を取り付けて基台部100をベッド10上で移動させる。
【0036】
Y軸スライド部15は、ベッド10に対してX軸スライド部16をY軸方向(矢印106の方向)に沿って移動させる。X軸スライド部16は、Y軸スライド部15の稼働部となる部材に固定されており、Y軸スライド部15に対して回転テーブル部17をX軸方向(矢印108の方向)に沿って移動させる。回転テーブル部17は、X軸スライド部16の稼働部となる部材に固定されており、基台部100を支持している。回転テーブル部17は、例えば、傾斜円テーブルであり、固定台17aと、回転テーブル17bと、傾斜テーブル17cと、回転テーブル17dとを有する。固定台17aは、X軸スライド部16の稼働部となる部材に固定されている。回転テーブル17bは、固定台17aに支持されており、Z軸方向と平行な回転軸110を回転軸として回転する。傾斜テーブル17cは、回転テーブル17bに支持されており、回転テーブル17bの支持されている面に直交する回転軸112を軸として回動される。回転テーブル17dは、傾斜テーブル17cに支持されており、傾斜テーブル17cの支持されている面に直交する回転軸114を軸として回転される。回転テーブル17dは、基台部100を固定している。
【0037】
このように回転テーブル部17は、回転軸110,112,114を軸として各部を回転させることで、基台部100を直交する3軸周りに回転させることができる。テーブル部11は、回転テーブル部17に固定されている基台部100を、基台部100は、Y軸スライド部15およびX軸スライド部16により、Y軸方向およびX軸方向に移動させる。また、テーブル部11は、回転テーブル部17により回転軸110,112,114を軸として各部を回転させることで、基台部100を直交する3軸周りに回転させる。テーブル部11は、さらにZ軸方向に沿って基台部100を移動させてもよい。
【0038】
積層ヘッド12は、基台部100に向けて粉末材料を噴射し、さらに噴射した粉末材料にレーザ光(光ビーム)を照射することにより粉末を溶融させて、溶融した粉末を基台部100上で固化させて成形層を形成する。積層ヘッド12に導入される粉末は、三次元形状物の原料となる材料の粉末である。本実施形態において、粉末は、例えば、鉄、銅、アルミニウムまたはチタン等の金属材料などを用いることができる。なお、粉末としては、セラミック等の金属材料以外の材料を用いてもよい。積層ヘッド12は、ベッド10のZ軸方向の上側の面に対面する位置に設けられており、テーブル部11と対面している。積層ヘッド12は、Z軸方向の下部にノズル23が設置されている。積層ヘッド12は、本体46にノズル23が装着されている。
【0039】
図2は、積層ヘッドの先端部の一例を示す縦断面図、図3は、積層ヘッドの先端部の一例を示す水平断面図である。
【0040】
図2および図3に示すように、ノズル23は、外管41と、外管41の内部に挿入された内管42とを有する二重管である。外管41は、管状の部材であり、先端(Z軸方向下側)に向かって径が小さくなっている。内管42は、外管41の内部に挿入されている。内管42も、管状の部材であり、先端(Z軸方向下側)に向かって径が小さくなる形状である。ノズル23は、外管41の内周と内管42の外周との間が粉末(粉末材料)Pの通過する粉末流路(粉末供給部)43となる。内管42の内周面側がレーザ光の通過するレーザ経路(光照射部)44となる。ここで、ノズル23が装着されている本体46は、ノズル23と同様に二重管であり、粉末流路43とレーザ経路44も同様に形成されている。積層ヘッド12は、レーザ経路44の周囲を囲うように粉末流路43が配置されている。本実施形態では、粉末流路43が、粉末を噴射する粉末噴射部となる。積層ヘッド12は、粉末導入部35から導入された粉末Pが粉末流路43を流れ、外管41と内管42との間の端部の開口であるノズル噴射口部(粉末噴射部)45から噴射される。また、粉末導入部35に連結される粉末流路43に供給量制御部61が設けられる。
【0041】
積層ヘッド12は、粉末Pを、所定の収束位置において所定の収束径を有するように噴射する。ここで、収束径とは、噴射された粉末Pの軌跡の径が最小になる場合の粉末Pの軌跡の径である。上述のように、ノズル23は先端に向かって径が小さくなっているので、積層ヘッド12は、粉末Pを、放射方向内側に収束するように噴射する。すなわち、積層ヘッド12は、粉末Pの軌跡が所定の収束径を有するように、粉末Pを噴射する。また、収束位置とは、噴射された粉末Pの軌跡が収束する位置である。
【0042】
また、積層ヘッド12は、光源47と光ファイバ48と集光部49とを有する。光源47は、レーザ光を出力する。光ファイバ48は、光源47から出力されたレーザをレーザ経路44に案内する。集光部49は、レーザ経路44に配置され、光ファイバ48から出力されたレーザの光路に配置されている。集光部49は、光ファイバ48から出力されたレーザ光Lを集光する。集光部49で集光されたレーザ光Lは、内管42の端部から出力される。積層ヘッド12は、集光部49を本体46に配置したが、集光部49の一部または全部をノズル23に配置してもよい。ノズル23に集光部49の一部または全部を配置した場合、ノズル23を交換することで、焦点位置を異なる位置とすることができる。
【0043】
積層ヘッド12は、中心軸Oの位置にレーザ光Lの通過するレーザ経路44が設けられ、その外側に複数の粉末流路43が設けられる。複数の粉末流路43には、それぞれ供給量制御部61が設けられる。本実施形態では、6個の粉末流路43a,43b,43c,43d,43e,43fが設けられると共に、6個のノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fが設けられ、6個の粉末流路43a,43b,43c,43d,42e,43fにそれぞれ供給量制御部61a,61b,61c,61d,61e,61fが設けられる。供給量制御部61a,61b,61c,61d,61e,61fは、例えば、ポンプや切替弁などを用いた装置により構成される。供給量制御部61a,61b,61c,61d,61e,61fは、粉末流路43a,43b,43c,43d,43e,43fを開放することで粉末Pを供給したり、粉末流路43a,43b,43c,43d,43e,43fを遮断することで粉末Pの供給を停止したりすることができる。また、供給量制御部61a,61b,61c,61d,61e,61fは、開放・遮断の2段階制御に限らず、例えば、ポンプなどの出力を変更することで、粉末導入部35から粉末流路43a,43b,43c,43d,43e,43fに導入される粉末Pの導入量、つまり、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから噴射される粉末Pの噴射量を増減させ、所望の粉末供給量を実現することができる。なお、6個の粉末流路43a,43b,43c,43d,43e,43fおよび6個のノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fは、周方向に均等間隔で設けられることが好ましいが、均等間隔でなくてもよい。また、粉末流路43およびノズル噴射口部45の個数は、6個に限るものではなく、複数個設けられていればよい。
【0044】
積層ヘッド12は、粉末流路43から粉末Pを噴射し、レーザ経路44からレーザ光Lを出力する。積層ヘッド12から噴射された粉末Pは、積層ヘッド12から出力されたレーザ光Lが照射される領域に侵入し、レーザ光Lの焦点Fでこのレーザ光Lによって加熱される。レーザ光Lが照射された粉末Pは溶融した後、基台部100上に到達する。溶融した状態で基台部100上に到達した粉末Pは、冷却されて固化する。これにより、基台部100上に成形層を形成する。
【0045】
ここで、本実施形態の積層ヘッド12は、光源47から出力されたレーザ光Lを光ファイバ48で案内したが、光ファイバ48に限らず他の伝送部材であってもよい。また、集光部49は、本体46に設けてもノズル23に設けても、両方に設けてもよい。本実施形態の積層ヘッド12は、効果的に加工ができるため、粉末Pを噴射する粉末流路43と、レーザ光Lを照射するレーザ経路44とを同軸に設けたがこれに限定されない。積層ヘッド12は、粉末Pを噴射する機構とレーザ光Lを照射する機構とを別体としてもよい。本実施形態の積層ヘッド12は、粉末材料にレーザ光を照射したが、粉末材料を溶解または焼結させることができればよく、レーザ光以外の光ビームを照射してもよい。
【0046】
図1に示すように、機械加工部13は、例えば、成形層等を機械加工する。機械加工部13は、ベッド10のZ軸方向の上側の面に対面する位置に設けられており、テーブル部11と対面している。機械加工部13は、Z軸方向の下部に工具22が装着されている。なお、機械加工部13は、ベッド10よりもZ軸方向上側で、テーブル部11による基台部100の移動可能範囲に設けられていればよく、配置位置は本実施形態の位置に限られない。
【0047】
図4は、制御装置20の構成を示す模式図である。
【0048】
図1に示すように、制御装置20は、三次元積層装置1の各部(上述したベッド10、テーブル部11、積層ヘッド12、機械加工部13、形状計測部30、加熱ヘッド31、装置計測部32、工具交換部33、ノズル交換部34、粉末導入部35、基台移動部36、空気排出部37、ガス導入部38、粉末回収部39など)の駆動部と電気的に接続されており、三次元積層装置1の各部の動作を制御する。制御装置20は、三次元積層室2や予備室3の外部に設置されている。制御装置20は、図4に示すように、入力部51と、制御部52と、記憶部53と、出力部54と、通信部55と、干渉情報取得部56とを有する。入力部51と、制御部52と、記憶部53と、出力部54と、通信部55と、干渉情報取得部56の各部は電気的に接続されている。
【0049】
入力部51は、例えば、操作パネルである。作業者は、入力部51に情報や指令等を入力する。制御部52は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびメモリである。制御部52は、三次元積層装置1の各部に、三次元積層装置1の各部の動作を制御する指令を出力する。また、制御部52には、三次元積層装置1の各部からの情報等が入力される。記憶部53は、例えば、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)等の記憶装置である。記憶部53には、制御部52で実行されることで各部の動作を制御する三次元積層装置1の運転プログラムや、三次元積層装置1の情報、または三次元形状物の設計情報等が記憶される。出力部54は、例えば、ディスプレイである。出力部54は、例えば、三次元積層装置1の各部からの情報等を表示する。通信部55は、例えば、インターネットまたはLAN(Local Area Network)等のような通信回線と通信して、通信回線との間で情報をやり取りする。干渉情報取得部56は、加工対象物の形状に基づいて噴射される粉末Pの加工対象物に対する干渉情報を取得するものである。なお、制御装置20は、少なくとも制御部52および記憶部53を有していればよい。制御装置20は、制御部52および記憶部53を有していれば、三次元積層装置1の各部に指令を出力することができる。
【0050】
図5は、三次元積層装置による三次元形状物の製造時の課題を説明するための概略図である。
【0051】
図5に示すように、加工対象物90は、水平方向に沿う第1加工面91と、鉛直方向に沿う段差92と、水平方向に沿う第2加工面93が設けられることで、加工面が凹凸形状をなしている。なお、実際は、積層ヘッド12に対して加工対象物90が移動方向M1に移動して三次元積層を行うが、積層ヘッド12と加工対象物90とが相対移動すればよいことから、ここでは、積層ヘッド12が加工方向M2に移動するものとして説明する。積層ヘッド12は、第1加工面91に対してレーザ光Lの照射と粉末Pの噴射を行うと共に、加工方向M2に移動することで三次元積層を行い、成形層94が形成される。
【0052】
積層ヘッド12は、第1加工面91に対する三次元積層から第2加工面93に対する三次元積層に移行するとき、加工方向M2における前方側で噴射された粉末Pが段差92および第2加工面93の一部に干渉してしまう。すると、段差92および第2加工面93の一部に干渉した粉末Pがレーザ光Lの経路に飛散し、レーザ光Lの出力が減衰する。また、一部の粉末Pが第1加工面91に到達せずに粉末Pの積層量(成形層94厚さ)が不足する。
【0053】
本実施形態の三次元積層装置1は、図4に示すように、干渉情報取得部56が加工対象物90の形状(3DCADデータ、STLデータ、造形ツールパスデータ等)に基づいて、ノズル噴射口部45から噴射される粉末Pの加工対象物に対する干渉情報を取得し、制御部52がこの干渉情報に基づいてノズル噴射口部45が加工対象物90の加工面に向けて供給する粉末Pの粉末流路(供給経路)43を変更する。干渉情報は、例えば、所定の造形ツールパスに基づき三次元積層を行う際に、どの位置のノズル噴射口部45から供給される粉末Pが、加工対象物(既に積層した部分であっても良い)の一部によって収束経路の途中で遮られ、所定の位置まで収束できないと推定されるかに関連する情報を含む。
【0054】
図2および図3に示すように、積層ヘッド12は、レーザ経路44の周囲に周方向に所定間隔を空けて複数の粉末流路43a,43b,43c,43d,43e,43fが設けられ、粉末流路43a,43b,43c,43d,43e,43fの先端部にノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fが設けられる。制御部52は、供給量制御部61に指示し、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fのうち、加工対象物90への干渉が推定される粉末Pを噴射するノズル噴射口部からの粉末Pの噴射を停止する。
【0055】
このとき、本実施形態の第1制御方法として、制御部52は、供給量制御部61に指示し、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fのうち、粉末Pの噴射を停止したノズル噴射口部以外のノズル噴射口部からの粉末Pの噴射量を増加させる。具体的な制御方法については後述する。
【0056】
また、本実施形態の第2制御方法として、制御部52は、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fのうち、加工対象物への干渉が推定される粉末Pを噴射するノズル噴射口部からの粉末Pの噴射を停止したとき、レーザ経路44が照射するレーザ光Lの出力を低下させる。このとき、制御部52は、加工対象物90の加工速度を低下させる。具体的な制御方法については後述する。
【0057】
干渉情報取得部56は、予め加工対象物90の形状(3DCADデータ、STLデータ、造形ツールパスデータ等)を取得し、取得した加工対象物90の形状に基づいて粉末Pの噴射とレーザ光Lの照射の作動プログラムが設定され、記憶部53に格納されている。制御部52は、記憶部53に格納されている作動プログラムに基づいて粉末Pの噴射とレーザ光Lの照射を制御する。
【0058】
また、上述の説明では、干渉情報取得部56が加工対象物90の形状に基づいてノズル噴射口部45から噴射される粉末Pの加工対象物に対する干渉情報を取得するようにしたが、この構成に限定されるものではない。例えば、干渉情報取得部56として、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから噴射された粉末Pの加工対象物への到達状況を検出または推定する検出器71を設けてもよい。制御部52は、検出器71の検出結果(粉末Pが加工対象物と干渉しているか、あるいは、干渉する可能性があるか等)に基づいて粉末Pの噴射とレーザ光Lの照射を制御する。この検出器71は、例えば、レーザ検出器やCCDカメラなどであって、ブラケット72を介して積層ヘッド12に固定される。
【0059】
ここで、制御装置20による粉末Pの供給経路を変更する方法について説明する。図6は、制御装置による粉末材料の供給経路を変更する第1の制御方法を示すタイムチャートである。
【0060】
三次元積層装置1による三次元形状物の製造方法において、図1図2および図3に示すように、本実施形態においては、加工対象物90の第1加工面91に三次元形状物を製造する場合として説明する。加工対象物90は、例えば、金属製の板状部材であるが、上部に三次元形状物が製造されるものであれば、形状および材料は任意である。加工対象物90は、基台部100上に取付けられる。なお、加工対象物は、既に三次元積層装置1によって造形された三次元形状物の一部であっても良い。
【0061】
制御装置20は、テーブル部11により、基台部100上の加工対象物90が積層ヘッド12のZ軸方向下方に配置されるように、基台部100を移動させる。制御装置20は、粉末導入部35から積層ヘッド12に粉末を導入し、積層ヘッド12から気体と共に粉末Pを噴射しつつ、レーザ光Lを照射する。粉末Pは、所定の収束径をもって、基台部100上の加工対象物90に向かって噴射される。レーザ光Lは、積層ヘッド12と加工対象物90との間において、所定のスポット径をもって粉末Pに照射される。ここで、粉末Pの収束径のZ軸方向での位置に対するレーザ光Lのスポット径のZ軸方向での位置および粉末Pの収束径のZ軸方向での位置におけるスポット径は、例えば、集光部49の位置を動かすことにより制御することができる。
【0062】
すなわち、図2および図5に示すように、積層ヘッド12は、供給量制御部61a,61b,61c,61d,61e,61fの作動により全ての粉末流路43a,43b,43c,43d,43e,43fに粉末Pを導入し、全てのノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから粉末Pを噴射し、レーザ経路44からレーザ光Lを出力する(図6にて、時間t1)。レーザ経路44からのレーザ光Lは、加工対象物90の第1加工面91の近傍に焦点Fが設定され、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fからの粉末Pは、このレーザ光Lの焦点に向けて噴射される。そのため、積層ヘッド12から噴射された粉末Pは、加工対象物90の第1加工面91にあるレーザ光Lの焦点Fでこのレーザ光Lによって加熱される。レーザ光Lが照射された粉末Pは、加工対象物90の第1加工面91の近傍で溶融した後、加工対象物90の第1加工面91に到達する。溶融した状態で加工対象物90の第1加工面91に到達した粉末Pは、ここで冷却されて固化される。これにより、加工対象物90の第1加工面91に成形層94が形成される。
【0063】
制御装置20は、テーブル部11で加工対象物90を所定の移動方向M1に移動させつつ、積層ヘッド12から加工対象物90の第1加工面91に対してレーザ光Lを照射すると共に粉末Pを噴射する。そのため、加工対象物90の第1加工面91に連続した成形層94が形成される。この場合、三次元積層装置による加工方向は、M2となる。三次元積層装置1は、このような成形層94の形成を繰り返すことによって、複数の成形層が一体として積層された三次元形状物を製造する。
【0064】
積層ヘッド12は、第1加工面91に対する三次元積層から第2加工面93に対する三次元積層に移行するとき、加工方向M2における前方側で噴射された粉末Pが段差92および第2加工面93の一部に干渉する。干渉情報取得部56は、事前に加工対象物90の形状を取得しており、取得した加工対象物90の形状に基づいて粉末Pの噴射時期とレーザ光Lの照射時期の作動プログラムが設定され、記憶部53に格納されている。制御部52は、記憶部53に格納されている作動プログラムに基づいて粉末Pの噴射とレーザ光Lの照射を制御する(図6にて、時間t2)。
【0065】
すなわち、図3および図6に示すように、時間t1にて、積層ヘッド12は、全てのノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから粉末Pを噴射し、レーザ経路44からレーザ光Lを出力する。そして、作動プログラムでは、事前に加工対象物90の形状を取得しており、時間t2にて、ノズル噴射口部45e,45fから噴射された粉末Pが加工対象物90に干渉すると判断する。そのため、時間t2にて、ノズル噴射口部45e,45fからの粉末Pの噴射を停止する一方、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45dからの粉末Pの噴射量を増加させる。このとき、ノズル噴射口部45e,45fからの粉末Pの噴射を停止する前後で、積層ヘッド12から噴射される粉末Pの量が変動しないように、ノズル噴射口部45e,45fが噴射していた粉末Pの噴射量の合計を、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45dから噴射される粉末Pの噴射量に均等に振り分けて増量する。また、このとき、噴射される粉末Pの総量に変化はないので、レーザ光Lの出力は維持する。
【0066】
そのため、噴射された粉末Pがレーザ光Lの経路に飛散し、レーザ光Lの出力が減衰することはなく、また、一部の粉末Pが第1加工面91に到達せずに粉末Pの積層量(成形層94厚さ)が不足することもない。そして、作動プログラムでは、時間t3にて、ノズル噴射口部45e,45fから噴射された粉末Pと加工方向M2との干渉が解除されることになる。そのため、時間t3にて、ノズル噴射口部45e,45fからの粉末Pの噴射を再開する一方、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45dからの粉末Pの噴射量を減少させる。つまり、積層ヘッド12は、全てのノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから同量の粉末Pを噴射し、レーザ経路44からレーザ光Lを出力する。
【0067】
なお、本実施形態は、上述した制御に限定されるものではない。図7は、制御装置による粉末材料の供給経路を変更する第2の制御方法を示すタイムチャートである。
【0068】
図3および図7に示すように、時間t11にて、積層ヘッド12は、全てのノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから粉末Pを噴射し、レーザ経路44からレーザ光Lを出力する。そして、作動プログラムでは、時間t12にて、ノズル噴射口部45e,45fから噴射された粉末Pが加工対象物90に干渉することになる。そのため、時間t12にて、ノズル噴射口部45e,45fからの粉末Pの噴射を停止し、供給される粉末Pの総量が減少した分に合わせて、レーザ経路44が照射するレーザ光Lの出力を低下させると共に、加工対象物90の加工速度を低下させる。粉末Pの噴射量とレーザ光Lの出力と加工対象物90の加工速度との関係は、予め実験やシミュレーションなどにより把握しておき、成形層94の厚さや品質が変動しないように、レーザ光Lの出力と加工対象物90の加工速度を設定する。
【0069】
そのため、噴射された粉末Pがレーザ光Lの経路に飛散し、レーザ光Lの出力が減衰することはなく、また、一部の粉末Pが第1加工面91に到達せずに粉末Pの積層量(成形層94厚さ)が変動することが抑制され、品質が低下することもない。そして、作動プログラムでは、時間t13にて、ノズル噴射口部45e,45fから噴射された粉末Pと加工対象物90との干渉が解除されることになる。そのため、時間t13にて、ノズル噴射口部45e,45fからの粉末Pの噴射を再開し、レーザ経路44が照射するレーザ光Lの出力を上昇させると共に、加工対象物90の加工速度を上昇させる。つまり、時間t12の前の状態に戻す。
【0070】
また、上述の説明では、制御部52が記憶部53に格納されている作動プログラムに基づいて粉末Pの噴射とレーザ光Lの照射を制御するように構成したが、この構成に限定されるものではない。図2および図3に示すように、例えば、干渉情報取得部56として、積層ヘッド12に、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから噴射された粉末Pの加工対象物への到達状況を検出または推定する検出器71を設け、この検出器71から取得する情報に基づいて、粉末Pの噴射とレーザ光Lの照射を制御するように構成してもよい。検出器71は、積層ヘッド12を用いて三次元積層を行っている間、オンラインで検出結果を制御部52に出力している。
【0071】
ここで、三次元積層装置1による三次元形状物の製造方法について説明する。図8は、三次元積層装置による三次元形状物の製造方法を示すフローチャートである。
【0072】
図8に示すように、ステップS11にて、加工対象物90を基台部100上に取付け、制御装置20は、テーブル部11により、基台部100上の加工対象物90が積層ヘッド12のZ軸方向下方に配置されるように、基台部100を移動させる。ステップS12にて、制御装置20は、粉末導入部35から積層ヘッド12に粉末を導入し、積層ヘッド12から気体と共に粉末Pを噴射する。また、ステップS13にて、制御装置20は、レーザ光Lを照射する。そして、ステップS14にて、基台部100上と共に加工対象物90を移動する。すると、ステップS15以降で、三次元積層が開始される。
【0073】
すなわち、図2および図5に示すように、積層ヘッド12は、供給量制御部61a,61b,61c,61d,61e,61fにより全ての粉末流路43a,43b,43c,43d,43e,43fに粉末Pを導入し、全てのノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから粉末Pを噴射し、レーザ経路44からレーザ光Lを出力する。レーザ経路44からのレーザ光Lは、加工対象物90の第1加工面91の近傍に焦点Fが設定され、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fからの粉末Pは、このレーザ光Lの焦点に向けて噴射される。そのため、積層ヘッド12から噴射された粉末Pは、加工対象物90の第1加工面91にあるレーザ光Lの焦点Fでこのレーザ光Lによって加熱される。レーザ光Lが照射された粉末Pは、加工対象物90の第1加工面91の近傍で溶融した後、加工対象物90の第1加工面91に到達する。溶融した状態で加工対象物90の第1加工面91に到達した粉末Pは、ここで冷却されて固化される。これにより、加工対象物90の第1加工面91に成形層94が形成される。
【0074】
ステップS16にて、制御装置20は、三次元積層が終了したかどうかを判定する。ここで、三次元積層が終了していないと判定(No)されると、ステップS17にて、制御部52は、干渉情報取得部56が取得したノズル噴射口部45から噴射される粉末Pの加工対象物に対する干渉情報に基づいてノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから噴射された粉末Pと加工対象物90との間で干渉が発生しているか(干渉が発生すると推定されるか)どうかを判定する。粉末Pと加工対象物90との間での干渉は、干渉情報取得部56が取得した加工対象物90の形状データに基づいて判定してもよいし、検出器71の検出結果に基づいて判定してもよい。ここで、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから噴射された粉末Pと加工対象物90との間で干渉が発生していないと判定(No)されると、ステップS18にて、粉末Pの噴射形態とレーザ光Lの照射形態をそのまま維持し、ステップS16に戻って処理を繰り返す。一方、例えば、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fのうち、ノズル噴射口部45e,45fから噴射された粉末Pと加工対象物90との間で干渉が発生していると判定(Yes)されると、ステップS19にて、ノズル噴射口部45e,45fからの粉末Pの噴射を停止する一方、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45dからの粉末Pの噴射量を増加させる(第1の制御方法)。または、ノズル噴射口部45e,45fからの粉末Pの噴射を停止し、レーザ経路44が照射するレーザ光Lの出力を低下させると共に、加工対象物90の加工速度を低下させる(第2の制御方法)。
【0075】
そして、再び、ステップS16に戻り、制御装置20は、三次元積層が終了したかどうかを判定する。ここで、三次元積層が終了していないと判定(No)されると、ステップS17にて、制御部52は、粉末Pと加工対象物90との間での干渉が発生しているかどうかを判定する。ここで、粉末Pと加工対象物90との間で干渉が発生していると判定(Yes)されると、ステップS19を経由してステップS16に戻り、処理を継続する。一方、粉末Pと加工対象物90との間で干渉が解除されたと判定(No)されると、ステップS18にて、ノズル噴射口部45e,45fからの粉末Pの噴射を再開する一方、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45dからの粉末Pの噴射量を減少させる。つまり、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから粉末Pの噴射量を元に戻す。または、ノズル噴射口部45e,45fからの粉末Pの噴射を再開し、レーザ経路44が照射するレーザ光Lの出力を上昇させると共に、加工対象物90の加工速度を上昇させる。つまり、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから粉末Pの噴射量と、レーザ光Lの出力と、加工対象物90の加工速度を元に戻す。
【0076】
そして、再び、ステップS16に戻り、制御装置20は、三次元積層が終了したかどうかを判定する。ここで、三次元積層が終了したと判定(Yes)されると、ステップS20にて、制御装置20は、粉末導入部35から積層ヘッド12に粉末の導入を停止し、積層ヘッド12から気体と共に粉末Pの噴射を停止する。また、ステップS21にて、制御装置20は、レーザ光Lの照射を停止する。そして、ステップS22にて、基台部100上と共に加工対象物90の移動を停止する。
【0077】
このように本実施形態の三次元積層装置にあっては、加工対象物90に向けて粉末Pを供給する粉末供給部としての粉末流路43およびノズル噴射口部45と、粉末Pにレーザ光Lを照射してレーザ光Lが照射された粉末Pの少なくとも一部を焼結または溶融固化させて成形層94を形成する光照射部としてのレーザ経路44と、加工対象物90の形状に基づいてノズル噴射口部45から噴射される粉末Pの加工対象物90に対する干渉情報を取得する干渉情報取得部56と、干渉情報取得部56が取得した干渉情報に基づいてノズル噴射口部45が加工対象物90に向けて供給する粉末Pの粉末流路43を変更する制御部52とを備える。
【0078】
そのため、制御部52は、ノズル噴射口部45から噴射される粉末Pが加工対象物90に干渉する領域を特定し、ノズル噴射口部45から噴射される粉末Pが加工対象物90に干渉しない領域からノズル噴射口部45が加工対象物90に向けて粉末Pを供給する。その結果、粉末Pが加工対象物90に干渉して飛散せず、レーザ光Lの出力を減衰させることがなく、また、決められた量の粉末Pを加工対象物90に供給することができ、三次元形状物の品質の向上を図ることができる。
【0079】
本実施形態の三次元積層装置では、積層ヘッド12に複数の粉末流路43a,43b,43c,43d,43e,43fと、複数のノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fを設け、制御部52は、加工対象物90への干渉が推定される粉末Pを噴射するノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fからの粉末Pの噴射を停止する。そのため、粉末Pが加工対象物90に干渉することで発生する粉末Pの飛散を防止することができる一方で、加工対象物90に対して粉末Pを供給することができ、加工対象物の形状に拘わらず、三次元形状物を適正に製造することができる。
【0080】
本実施形態の三次元積層装置では、制御部52は、加工対象物90への干渉が推定される粉末Pを噴射するノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fからの粉末Pの噴射を停止したとき、粉末Pの噴射を停止したノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45f以外のノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fからの粉末Pの噴射量を増加させる。そのため、常時、適正量の粉末Pを加工対象物90へ供給することができ、三次元形状物の品質の低下を抑制することができる。
【0081】
本実施形態の三次元積層装置では、制御部52は、加工対象物90への干渉が推定される粉末Pを噴射するノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fからの粉末Pの噴射を停止したとき、レーザ経路44が照射するレーザ光Lの出力を調整、例えば、低下させる。そのため、減少した粉末Pの供給量に適合したレーザ光Lの出力となり、三次元形状物の品質の低下を抑制することができる。
【0082】
本実施形態の三次元積層装置では、制御部52は、加工対象物90への干渉が推定される粉末Pを噴射するノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fからの粉末Pの噴射を停止したとき、加工対象物90の加工速度を調整、例えば、低下させる。そのため、減少した粉末Pの供給量に適合した加工速度となり、三次元形状物の品質の低下を抑制することができる。
【0083】
本実施形態の三次元積層装置では、干渉情報取得部56は、予め加工対象物90の形状を取得し、取得した加工対象物90の形状に基づいて粉末Pの噴射とレーザ光Lの照射の作動プログラムを設定し、制御部52は、作動プログラムに基づいて粉末Pの噴射とレーザ光Lの照射を制御する。そのため、加工対象物90の形状に拘わらず、噴射された粉末Pと加工対象物90との干渉を防止することができる。
【0084】
本実施形態の三次元積層装置では、干渉情報取得部56として、ノズル噴射口部45から噴射される粉末Pの加工対象物90への到達状況を検出または推定する検出器71を設け、制御部52は、検出器71の検出結果に基づいて粉末Pの噴射を制御する。そのため、加工対象物90の形状に拘わらず、噴射された粉末Pと加工対象物90との干渉を防止することができる。
【0085】
また、本実施形態の三次元積層方法にあっては、加工対象物90に向けて粉末Pを供給する工程と、粉末Pにレーザ光Lを照射してレーザ光Lが照射された粉末Pの少なくとも一部を焼結または溶融固化させて成形層94を形成する工程と、加工対象物90の形状に基づいてノズル噴射口部45から噴射される粉末Pの加工対象物90に対する干渉情報を取得する工程と、干渉情報に基づいてノズル噴射口部45が加工対象物90に向けて供給する粉末Pの粉末流路43を変更する工程とを有する。
【0086】
そのため、ノズル噴射口部45から噴射される粉末Pが加工対象物90に干渉する領域を特定し、ノズル噴射口部45から噴射される粉末Pが加工対象物90に干渉しない領域からノズル噴射口部45が加工対象物90に向けて粉末Pを供給する。その結果、粉末Pが加工対象物90に干渉して飛散せず、レーザ光Lの出力を減衰させることがなく、また、決められた量の粉末Pを加工対象物90に供給することができ、三次元形状物の品質の向上を図ることができる。
【0087】
なお、上述の実施形態にて、干渉情報取得部56を、ノズル噴射口部45a,45b,45c,45d,45e,45fから噴射された粉末Pの加工対象物90への到達状況を検出または推定する検出器71としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、干渉情報取得部56をCCDカメラとし、CCDカメラが加工対象物90の形状を撮影し、制御部52が加工対象物90の形状に基づいて粉末Pと加工対象物90との干渉を判定してもよい。
【0088】
また、上述の実施形態にて、粉末供給部が噴射する粉末材料を金属粉末材料としたが、樹脂粉末材料等の非金属粉末材料であってもよい。また、光ビームをレーザ光としたが、電子ビームなどとしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 三次元積層装置
2 三次元積層室
3 予備室
4 積層ヘッド収納室
4a,5a Z軸スライド部
5 機械加工部収納室
6,7 扉
10 ベッド
11 テーブル部
12 積層ヘッド
13 機械加工部
15 Y軸スライド部
16 X軸スライド部
17 回転テーブル部
17a 固定台
17b 回転テーブル
17c 傾斜テーブル
17d 回転テーブル
18,19 ベローズ
20 制御装置
22 工具
23 ノズル
24 先端部
25 空気排出部
30 形状計測部
31 加熱ヘッド
32 装置計測部
33 工具交換部
34 ノズル交換部
35 粉末導入部
36 基台移動部
37 空気排出部
38 ガス導入部
39 粉末回収部
41 外管
42 内管
43,43a,43b,43c,43d,43e,43f 粉末流路(粉末供給部)
44 レーザ経路(光照射部)
45,45a,45b,45c,45d,45e,45f ノズル噴射口部(粉末噴射部)
46 本体
47 光源
48 光ファイバ
49 集光部
51 入力部
52 制御部
53 記憶部
54 出力部
55 通信部
56 干渉情報取得部
61,61a,61b,61c,61d,61e,61f 供給量制御部
71 検出器
72 ブラケット
90 加工対象物
91 第1加工面
92 段差
93 第2加工面
94 成形層
100 基台部
102,104,106,108 矢印
110 回転軸
F 焦点
L レーザ光(光ビーム)
M1 移動方向
M2 加工方向
O 中心軸
P 粉末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8