(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】冷凍システム
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20230510BHJP
F25B 27/00 20060101ALI20230510BHJP
B60H 1/32 20060101ALI20230510BHJP
B60P 3/00 20060101ALI20230510BHJP
B60P 3/20 20060101ALI20230510BHJP
B62D 53/00 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
F25D11/00 101D
F25B27/00 A
B60H1/32 611Z
B60H1/32 612
B60P3/00 U
B60P3/20 Z
B62D53/00 B
(21)【出願番号】P 2019110808
(22)【出願日】2019-06-14
【審査請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝史
(72)【発明者】
【氏名】武澤 英之
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0079487(US,A1)
【文献】国際公開第2008/090949(WO,A1)
【文献】特開2016-180523(JP,A)
【文献】特開2006-234198(JP,A)
【文献】特開2014-024383(JP,A)
【文献】特開平01-217166(JP,A)
【文献】特開2006-143124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
B60H 1/00-3/06
F25B 27/00
B60P 3/00,3/20
B62D 53/00
B62D 88/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1保冷庫が設けられた第1車両と該第1車両の後方に連結され第2保冷庫が設けられた第2車両とを有するとともに、走行用エンジンによって走行可能なダブル連結トラックに搭載される冷凍システムであって、
前記第1保冷庫に設けられている第1蒸発器と、
前記第2保冷庫に設けられている第2蒸発器と、
前記第1蒸発器に接続された第1保冷庫用圧縮機と、
前記第2蒸発器に接続された第2保冷庫用圧縮機と、
少なくとも前記第2保冷庫用圧縮機の動力源となるサブエンジンと、
を備え、
前記第1保冷庫用圧縮機及び前記第2保冷庫用圧縮機は、前記サブエンジンによって駆動され、
前記第1保冷庫用圧縮機、前記第2保冷庫用圧縮機及び前記サブエンジンは、1つのユニットを構成して、
前記ユニットは、前記第1車両に設けられている冷凍システム。
【請求項2】
第1保冷庫が設けられた第1車両と該第1車両の後方に連結され第2保冷庫が設けられた第2車両とを有するとともに、走行用エンジンによって走行可能なダブル連結トラックに搭載される冷凍システムであって、
前記第1保冷庫に設けられている第1蒸発器と、
前記第2保冷庫に設けられている第2蒸発器と、
前記第1蒸発器に接続された第1保冷庫用圧縮機
と、
前記第2蒸発器に接続された第2保冷庫用圧縮機と、
少なくとも前記第2保冷庫用圧縮機の動力源となるサブエンジンと、
を備え、
前記第1保冷庫用圧縮機は、前記サブエンジン
と機械的に接続されることで動力が伝達されて駆動され、
前記第2保冷庫用圧縮機は、前記サブエンジンによって駆動される発電機からの電力によって駆動され、
前記第1保冷庫用圧縮機、前記発電機及び前記サブエンジンは、1つのユニットを構成して、
前記ユニットは、前記第1車両に設けられている冷凍システム。
【請求項3】
第1保冷庫が設けられた第1車両と該第1車両の後方に連結され第2保冷庫が設けられた第2車両とを有するとともに、走行用エンジンによって走行可能なダブル連結トラックに搭載される冷凍システムであって、
前記第1保冷庫に設けられている第1蒸発器と、
前記第2保冷庫に設けられている第2蒸発器と、
前記第2蒸発器に接続された第2保冷庫用圧縮機と、
少なくとも前記第2保冷庫用圧縮機の動力源となるサブエンジンと、
を備え、
前記第2保冷庫用圧縮機は、前記サブエンジン
と機械的に接続されることで動力が伝達されて駆動され、
前記第2保冷庫用圧縮機及び前記サブエンジンは、1つのユニットを構成して、
前記ユニットは、前記第1車両又は前記第2車両に設けられている冷凍システム。
【請求項4】
前記ユニットは、前記発電機からの電力を取り出すことができるソケットを備えている請求項
2に記載の冷凍システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダブル連結トラックに採用されて好適な冷凍システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の陸上輸送業界では、ドライバーの人材不足が深刻な問題となっている。このため、トラクタ1台で従来のトラック2台分の輸送が可能ないわゆるダブル連結トラックの導入が図られている。ダブル連結トラックとしては、例えば、特許文献1に開示された構成のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダブル連結トラックは2つの保冷庫を備えており、各保冷庫には蒸発器が搭載されている。このとき、1つの蒸発器は1つの冷凍装置の一部を構成しており、各保冷庫を冷却するためそれぞれの冷凍装置を駆動する必要がある。
【0005】
冷凍装置には様々な組み合わせが考えられ、例えば特許文献1に開示されているように、共通の電源(一例として、走行用エンジンを利用して発電された電力)によって各冷凍装置の圧縮機を駆動することが考えられる。
【0006】
しかし、例えば走行用エンジンによって発電された電力には制限があり、2つの保冷庫を冷却するために必要な動力を十分に確保できない可能性がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ダブル連結トラックに搭載される冷凍システムであって、冷凍能力を確保することができる冷凍システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の冷凍システムは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の一態様に係る冷凍システムは、第1保冷庫が設けられた第1車両と該第1車両の後方に連結され第2保冷庫が設けられた第2車両とを有するとともに、走行用エンジンによって走行可能なダブル連結トラックに搭載される冷凍システムであって、前記第1保冷庫に設けられている第1蒸発器と、前記第2保冷庫に設けられている第2蒸発器と、前記第2蒸発器に接続された第2保冷庫用圧縮機と、少なくとも前記第2保冷庫用圧縮機の動力源となるサブエンジンとを備え、前記第2保冷庫用圧縮機は、前記第1車両の後方半分及び前記第2車両のいずれかの範囲に設けられている。
【0009】
本態様に係る冷凍システムによれば、第1保冷庫に設けられている第1蒸発器と、第2保冷庫に設けられている第2蒸発器と、第2蒸発器に接続された第2保冷庫用圧縮機と、少なくとも第2保冷庫用圧縮機の動力源となるサブエンジンとを備え、第2保冷庫用圧縮機は、第1車両の後方半分及び第2車両のいずれかの範囲に設けられている。これによって、第2保冷庫用圧縮機を走行用エンジンとは異なるサブエンジンによって駆動させることができる。このとき、第1蒸発器に第1保冷庫用圧縮機が接続されている場合、第1保冷庫用圧縮機の動力は、例えば、サブエンジンから機械的に伝達されてもよいし走行用エンジンを利用して発電された電力が供給されてもよい。このため、例えば共通の電源を利用して2つの圧縮機を駆動する場合と比べて、冷凍能力を確保することができる。
また、第2蒸発器が設けられている第2保冷庫がある第2車両に対して、第2保冷庫用圧縮機を可及的に接近させることができる。このため、第2蒸発器と第2保冷庫用圧縮機とを接続する冷媒配管の長さを短縮することができる。そうすると、冷媒配管による冷媒の圧損を抑制することができるので、冷凍システムとしての効率を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の一態様に係る冷凍システムにおいて、前記第2保冷庫用圧縮機は、前記第2蒸発器の周辺に設けられている。
【0011】
本態様に係る冷凍システムによれば、第2保冷庫用圧縮機は、第2蒸発器の周辺に設けられている。これによって、第2蒸発器と第2保冷庫用圧縮機とを接続する冷媒配管の長さを短縮することができる。そうすると、冷媒配管による冷媒の圧損を抑制することができるので、冷凍システムとしての効率を向上させることができる。
【0012】
また、本発明の一態様に係る冷凍システムは、前記第1蒸発器に接続された第1保冷庫用圧縮機を備え、前記第1保冷庫用圧縮機及び前記第2保冷庫用圧縮機は、前記サブエンジンによって駆動され、前記第1保冷庫用圧縮機、前記第2保冷庫用圧縮機及び前記サブエンジンは、1つのユニットを構成して、前記ユニットは、前記第1車両に設けられている。
【0013】
本態様に係る冷凍システムによれば、第1蒸発器に接続された第1保冷庫用圧縮機を備え、第1保冷庫用圧縮機及び第2保冷庫用圧縮機は、サブエンジンによって駆動され、第1保冷庫用圧縮機、第2保冷庫用圧縮機及びサブエンジンは、1つのユニットを構成して、ユニットは、第1車両に設けられている。これによって、1のサブエンジンによって2つの圧縮機(第1保冷庫用圧縮機及び第2保冷庫用圧縮機)を駆動させることができる。このため、複数のサブエンジンを設ける必要がないので、コストを削減することができる。2つの圧縮機は、例えばプーリ及びプーリベルト等から構成される動力伝達機構によってサブエンジンと機械的に接続されることで動力が伝達される。
また、第1車両(例えば第1車両を構成するシャシー)に対して、ユニットとしての取り付けが可能となる。
【0014】
また、本発明の一態様に係る冷凍システムは、前記第1蒸発器に接続された第1保冷庫用圧縮機を備え、前記第1保冷庫用圧縮機は、前記サブエンジンと機械的に接続されることで動力が伝達されて駆動され、前記第2保冷庫用圧縮機は、前記サブエンジンによって駆動される発電機からの電力によって駆動され、前記第1保冷庫用圧縮機、前記発電機及び前記サブエンジンは、1つのユニットを構成して、前記ユニットは、前記第1車両に設けられている。
【0015】
本態様に係る冷凍システムによれば、第1蒸発器に接続された第1保冷庫用圧縮機を備え、第1保冷庫用圧縮機は、サブエンジンによって駆動され、第2保冷庫用圧縮機は、サブエンジンによって駆動される発電機からの電力によって駆動され、第1保冷庫用圧縮機、発電機及びサブエンジンは、1つのユニットを構成して、ユニットは、第1車両に設けられている。これによって、1のサブエンジンによって2つの圧縮機(第1保冷庫用圧縮機及び第2保冷庫用圧縮機)を駆動させることができる。このため、複数のサブエンジンを設ける必要がないので、コストを削減することができる。
また、第2保冷庫用圧縮機は、電動型とされておりサブエンジン近傍に設置する必要がない。このため、第2保冷庫用圧縮機とサブエンジンとを離間した状態で第2保冷庫用圧縮機を運転することができる。そうすると、第1保冷庫用圧縮機と第1蒸発器とを接近させつつ、第2保冷庫用圧縮機と第2蒸発器とを接近させることができる。例えば、第1車両に第1保冷庫用圧縮機を設けて、第2車両に第2保冷庫用圧縮機を設けることができる。
また、第1車両(例えば第1車両を構成するシャシー)に対して、ユニットとしての取り付けが可能となる。
【0016】
また、本発明の一態様に係る冷凍システムにおいて、前記第2保冷庫用圧縮機は、前記サブエンジンと機械的に接続されることで動力が伝達されて駆動され、前記第2保冷庫用圧縮機及び前記サブエンジンは、1つのユニットを構成して、前記ユニットは、前記第1車両又は前記第2車両に設けられている。
【0017】
本態様に係る冷凍システムによれば、第2保冷庫用圧縮機は、サブエンジンによって駆動され、第2保冷庫用圧縮機及びサブエンジンは、1つのユニットを構成して、ユニットは、第1車両又は第2車両に設けられている。これによって、サブエンジンと第2保冷庫用圧縮機とをユニットとして任意の位置に取り付けることができる。
【0018】
また、本発明の一態様に係る冷凍システムにおいて、前記第2保冷庫用圧縮機は、前記サブエンジンによって駆動される発電機からの電力によって駆動され、前記発電機及び前記サブエンジンは、1つのユニットを構成して、前記ユニットは、前記第1車両又は前記第2車両に設けられている。
【0019】
本態様に係る冷凍システムによれば、第2保冷庫用圧縮機は、サブエンジンによって駆動される発電機からの電力によって駆動され、発電機及びサブエンジンは、1つのユニットを構成して、ユニットは、第1車両又は第2車両に設けられている。これによって、サブエンジンと発電機とをユニットとして任意の位置に取り付けることができる。このとき、第2保冷庫用圧縮機は、電動型とされておりサブエンジン近傍に設置する必要がない。このため、第2保冷庫用圧縮機とサブエンジンとを離間した状態で第2保冷庫用圧縮機を運転することができる。
【0020】
また、本発明の一態様に係る冷凍システムにおいて、前記ユニットは、前記発電機からの電力を取り出すことができるソケットを備えている。
【0021】
本態様に係る冷凍システムによれば、ユニットは、発電機からの電力を取り出すことができるソケットを備えている。これによって、例えば地震等の災害時において、発電機が含まれたユニットを非常用電源として利用できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る冷凍システムによれば、ダブル連結トラックに搭載される冷凍システムであって、冷凍能力を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る冷凍システムの概略構成図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る冷凍システムの概略構成図である。
【
図5】本発明の第3実施形態に係る冷凍システムの概略構成図である。
【
図7】本発明の第4実施形態に係る冷凍システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る冷凍システム10Aについて図を用いて説明する。
【0025】
最初に、ダブル連結トラック100の構成について説明する。
図1には、冷凍システム10Aが搭載されているダブル連結トラック100の構成図が示されている。
【0026】
ダブル連結トラック100は、第1車両112と、第1車両112に連結されている第2車両212を有している。
第1車両112は、シャシー116と、シャシー116の前方に設けられているキャブ110と、シャシー116上に設けられている第1保冷庫114とを有している。
第2車両212は、前方が第1車両112の後方に連結されているシャシー216と、シャシー216上に設けられている第2保冷庫214とを有している。
【0027】
ダブル連結トラック100は、走行用エンジン(図示せず)が設けられており、第1車両112と第2車両212とが一連に連結した状態で走行可能とされている。なお、走行用エンジンは、例えば第1車両112前方のシャシー116の下部に設けられている。
【0028】
次に、冷凍システム10Aについて説明する。
冷凍システム10Aは、第1保冷庫114内及び第2保冷庫214内を冷却するための装置である。
【0029】
冷凍システム10Aは、第1保冷庫114内(
図1において、第1保冷庫114内の前方上部)に設けられている第1蒸発器142と、第2保冷庫214内(
図1において、第2保冷庫214内の前方上部)に設けられている第2蒸発器242とを有している。
【0030】
第1蒸発器142は、同図においては図示されていない、第1保冷庫用圧縮機144、第1凝縮器146、膨張弁その他補機類とともに第1冷凍サイクルを構成している。この冷凍サイクル自体は既知のものとされ、第1蒸発器142によって、低温の冷媒とファン(図示せず)から送風された空気との間で熱交換が行われ、冷却された空気によって第1保冷庫114内を冷却する。一方、第1蒸発器142で熱交換された低圧の冷媒は、冷媒配管を介して第1保冷庫用圧縮機144の冷媒吸入口に導かれる。
【0031】
第2蒸発器242は、同図においては図示されていない、第2保冷庫用圧縮機244、第2凝縮器、膨張弁その他補機類とともに第2冷凍サイクルを構成している。この冷凍サイクル自体は既知のものとされ、第2蒸発器242によって、低温の冷媒とファン(図示せず)から送風された空気との間で熱交換が行われ、冷却された空気によって第2保冷庫214内を冷却する。一方、第2蒸発器242で熱交換された低圧の冷媒は、冷媒配管を介して第2保冷庫用圧縮機244の冷媒吸入口に導かれる。
【0032】
図1及び
図2に示されているように、第1保冷庫用圧縮機144及び第2保冷庫用圧縮機244は、サブエンジンユニット(ユニット)118として、第1車両112のシャシー116下部に設けられている。
【0033】
サブエンジンユニット118には、第1保冷庫用圧縮機144及び第2保冷庫用圧縮機244の他に、第1保冷庫用圧縮機144及び第2保冷庫用圧縮機244を機械的に駆動するサブエンジン300と、第1冷凍サイクルを構成する第1凝縮器146、第1凝縮器146に送風可能なファン148が含まれている。この他、第1冷凍サイクルを構成する補器類が含まれてもよい。
ユニット化することによって、第1保冷庫用圧縮機144及び第2保冷庫用圧縮機244等の各機器をサブエンジンユニット118としてシャシー116に簡便に取り付けることができる。
【0034】
サブエンジン300は、走行用エンジンとは異なるエンジンであって、走行用エンジンから独立して運転させることができる。例えば、走行用エンジンを停止させた状態でサブエンジン300を運転することができる。
【0035】
サブエンジン300、第1保冷庫用圧縮機144及び第2保冷庫用圧縮機244は、プーリ302とプーリ302に巻装されたプーリベルト304によって機械的に接続されて動力が伝達されるように構成されている。これによって、1つのサブエンジン300で、2つの圧縮機(第1保冷庫用圧縮機144及び第2保冷庫用圧縮機244)を駆動させることができる。
【0036】
図1に示されているように、サブエンジンユニット118は、第1車両112の後方半分に設置されることが好ましい。特に、サブエンジンユニット118に含まれている第2保冷庫用圧縮機244を第2車両212側に接近させることが好ましい。これによって、第2保冷庫用圧縮機244と第2蒸発器242との距離を可及的に接近させることができる。
【0037】
第2冷凍サイクルを構成している第2凝縮器、受液器その他補機類は、直結ユニット218として、第2車両212のシャシー216下部に設けられている。
【0038】
冷凍システム10Aは、このように構成された第1冷凍サイクル及び第2冷凍サイクルによって構成され、第1保冷庫114内及び第2保冷庫214内を冷却している。
【0039】
本実施形態では以下の効果を奏する。
第1保冷庫用圧縮機144及び第2保冷庫用圧縮機244は、走行用エンジンとは異なるサブエンジン300によって駆動されている。このため、例えば走行用エンジンによって発電された共通の電源を利用して2つの圧縮機を駆動する場合と比べて、冷凍能力を確保することができる。
【0040】
また、第2蒸発器242が設けられている第2車両212に対して、第2保冷庫用圧縮機244を可及的に接近させることができる。このため、第2蒸発器242と第2保冷庫用圧縮機244とを接続する冷媒配管(低圧冷媒が流通する冷媒配管)の長さを短縮することができる。そうすると、冷媒配管による冷媒の圧損を抑制することができるので、冷凍システム10Aとしての効率を向上させることができる。
【0041】
また、1つのサブエンジン300で、2つの圧縮機(第1保冷庫用圧縮機144及び第2保冷庫用圧縮機244)を駆動させることができる。このため、複数のサブエンジンを設ける必要がなく、冷凍システム10Aとしての設備コストを削減することができる。
【0042】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態に係る冷凍システム10Bについて図を用いて説明する。
なお、本実施形態は、第1実施形態に対して、第2保冷庫用圧縮機244の方式や設置形態について相違する。したがって、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付し、相違する構成について説明することとする。
【0043】
冷凍システム10Bにおいて、第2冷凍サイクルを構成する第2保冷庫用圧縮機244は、発電機246からの電力によって駆動される電動型圧縮機とされている。
【0044】
図3及び
図4に示されているように、サブエンジン300、第1保冷庫用圧縮機144及び発電機246は、サブエンジンユニット118として、第1車両112のシャシー116下部に設けられている。この構成は、第1実施形態における第2保冷庫用圧縮機244に代えて発電機246を設けたものであって、1つのサブエンジン300で、第1保冷庫用圧縮機144及び発電機246を駆動させることができる。結果として、1つのサブエンジン300で、2つの圧縮機(第1保冷庫用圧縮機144及び第2保冷庫用圧縮機244)を駆動させることができる。
【0045】
サブエンジン300、第1保冷庫用圧縮機144及び発電機246は、プーリ302とプーリ302に巻装されたプーリベルト304によって機械的に接続されて動力が伝達されるように構成されている。
【0046】
サブエンジンユニット118は、第1車両112の前方半分に設置されることが好ましい。特に、サブエンジンユニット118に含まれている第1保冷庫用圧縮機144を第1車両112側に接近させることが好ましい。これによって、第1保冷庫用圧縮機144と第1蒸発器142との距離を可及的に接近させることができる。
【0047】
発電機246によって発電された電力はサブエンジンユニット118に設けられているソケット310から取り出すことができ、第2保冷庫用圧縮機244にはソケット310に接続されたケーブル312を介して給電される。
【0048】
第2保冷庫用圧縮機244は、電動式ユニット220として、第2冷凍サイクルを構成している第2凝縮器、受液器その他補機類とともに第2車両212のシャシー216下部に設けられている。
【0049】
冷凍システム10Bは、このように構成された第1冷凍サイクル及び第2冷凍サイクルによって構成され、第1保冷庫114内及び第2保冷庫214内を冷却している。
【0050】
本実施形態では以下の効果を奏する。
第2保冷庫用圧縮機244は、電動型圧縮機とされておりサブエンジン300近傍に設置する必要がない。このため、第2保冷庫用圧縮機244とサブエンジン300とを離間した状態で第2保冷庫用圧縮機244を駆動させることができる。そうすると、第1保冷庫用圧縮機144と第1蒸発器142とを接近させつつ、第2保冷庫用圧縮機244と第2蒸発器242とを接近させることができる。
【0051】
なお、ソケット310は、第2保冷庫用圧縮機244用の電源としてだけではなく、地震等の災害時において、非常用電源として利用できる。また、ソケット310の数は、2つ以上あってもよい。
【0052】
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態に係る冷凍システム10Cについて図を用いて説明する。
なお、本実施形態は、第1実施形態に対して、第1保冷庫用圧縮機144の運転方式や第2保冷庫用圧縮機244の設置形態について相違する。したがって、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付し、相違する構成について説明することとする。
【0053】
図5及び
図6に示されているように、冷凍システム10Cにおいて、サブエンジン300は、第2保冷庫用圧縮機244のみを駆動するように構成され、サブエンジン300及び第2保冷庫用圧縮機244は、駆動ユニット(ユニット)120として設けられている。
【0054】
サブエンジン300及び第2保冷庫用圧縮機244は、プーリ302とプーリ302に巻装されたプーリベルト304によって機械的に接続されて動力が伝達されるように構成されている。
【0055】
駆動ユニット120は、第1車両112の後方半分及び第2車両212のいずれかの範囲に設置されることが好ましい。特に、駆動ユニット120に含まれている第2保冷庫用圧縮機244が第2蒸発器242の近傍に配置されるように設置されることが好ましい。これによって、第2保冷庫用圧縮機244と第2蒸発器242との距離を可及的に接近させることができる。なお、ここでいう「第2蒸発器242の近傍」とは、第2保冷庫214の外部であることを前提として、例えば、第2保冷庫214の前面や第2蒸発器242の下方であってシャシー216の下部等である。
【0056】
図5に示されているように、第2冷凍サイクルを構成している第2凝縮器、受液器その他補機類は、直結ユニット218として、第2車両212のシャシー216下部に設けられている。
【0057】
第1冷凍サイクルを構成する第1保冷庫用圧縮機144は、図示しない走行用エンジンを利用して発電された電力によって駆動されてもよいし、別の方法によって駆動されてもよく、本実施形態においては特に限定されない。
【0058】
冷凍システム10Cは、このように構成された第1冷凍サイクル及び第2冷凍サイクルによって構成され、第1保冷庫114内及び第2保冷庫214内を冷却している。
【0059】
本実施形態では以下の効果を奏する。
駆動ユニット120を、第1車両112の後方半分及び第2車両212のいずれかの範囲の任意の位置に設置することができる。これによって、第2保冷庫用圧縮機244と第2蒸発器242とを接近させることができる。
【0060】
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態に係る冷凍システム10Dについて図を用いて説明する。
なお、本実施形態は、第3実施形態に対して、第2保冷庫用圧縮機244の方式や設置形態について相違する。したがって、以下の説明では、第3実施形態と同様の構成については同一符号を付し、相違する構成について説明することとする。
【0061】
冷凍システム10Dにおいて、第2冷凍サイクルを構成する第2保冷庫用圧縮機244は、発電機246からの電力によって駆動される電動型圧縮機とされている。
【0062】
図7及び
図8に示されているように、冷凍システム10Dにおいて、サブエンジン300は、発電機246のみを駆動するように構成され、サブエンジン300及び発電機246は、発電ユニット(ユニット)122として設けられている。この構成は、第3実施形態における第2保冷庫用圧縮機244に代えて発電機246を設けたものである。
【0063】
サブエンジン300及び発電機246は、プーリ302とプーリ302に巻装されたプーリベルト304によって機械的に接続されて動力が伝達されるように構成されている。
【0064】
発電機246によって発電された電力は、発電ユニット122に設けられているソケット310から取り出すことができ、第2保冷庫用圧縮機244にはソケット310に接続されたケーブル312を介して給電される。
【0065】
第2保冷庫用圧縮機244は、電動式ユニット220として、第2冷凍サイクルを構成している第2凝縮器、受液器その他補機類とともに第2車両212のシャシー216下部に設けられている。
【0066】
第1冷凍サイクルを構成する第1保冷庫用圧縮機144は、図示しない走行用エンジンを利用して発電された電力によって駆動されてもよいし、別の方法によって駆動されてもよく、本実施形態においては特に限定されない。
【0067】
冷凍システム10Dは、このように構成された第1冷凍サイクル及び第2冷凍サイクルによって構成され、第1保冷庫114内及び第2保冷庫214内を冷却している。
【0068】
本実施形態では以下の効果を奏する。
第2保冷庫用圧縮機244は、電動型圧縮機とされておりサブエンジン300近傍に設置する必要がない。このため、第2保冷庫用圧縮機244とサブエンジン300とを離間した状態で第2保冷庫用圧縮機244を駆動させることができる。
【0069】
なお、ソケット310は、第2保冷庫用圧縮機244用の電源としてだけではなく、地震等の災害時において、非常用電源として利用できる。また、ソケット310の数は、2つ以上あってもよい。
【符号の説明】
【0070】
10A,10B,10C,10D 冷凍システム
100 ダブル連結トラック
110 キャブ
112 第1車両
114 第1保冷庫
116 シャシー
118 サブエンジンユニット(ユニット)
120 駆動ユニット(ユニット)
122 発電ユニット(ユニット)
142 第1蒸発器
144 第1保冷庫用圧縮機
146 第1凝縮器
148 ファン
212 第2車両
214 第2保冷庫
216 シャシー
218 直結ユニット
220 電動式ユニット
242 第2蒸発器
244 第2保冷庫用圧縮機
246 発電機
300 サブエンジン
302 プーリ
304 プーリベルト
310 ソケット
312 ケーブル