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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】カードホルダ付き車両用サンバイザ
(51)【国際特許分類】
   B60J 3/02 20060101AFI20230510BHJP
【FI】
B60J3/02 N
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019161158
(22)【出願日】2019-09-04
(65)【公開番号】P2021037878
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】599041329
【氏名又は名称】共和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石倉 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】原口 貴史
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-228197(JP,A)
【文献】特開2004-34900(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0041322(KR,A)
【文献】特開2017-171087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードホルダ付き車両用サンバイザであって、
中空板状のバイザ本体と、
前記バイザ本体に装着されるカードホルダを有し、
前記バイザ本体は、前記バイザ本体の第1構成部材に形成された開口部と、前記第1構成部材の裏面側にて前記開口部の両端から延出する一対のレールを有し、
前記カードホルダは、前記開口部に沿う略環状のベゼルと、前記ベゼルの一辺から対向する他辺を超えて延出するホルダ本体を一体に有し、
前記ホルダ本体は、前記一対のレールに保持される両縁部と、前記ベゼルと反対側に位置し、かつ、前記バイザ本体に保持される先端部を有するカードホルダ付き車両用サンバイザ。
【請求項2】
請求項1に記載のカードホルダ付き車両用サンバイザであって、
前記一対のレールは、前記第1構成部材の前記裏面側から延出する縦壁と、前記縦壁の端部から前記ホルダ本体の前記両縁部を保持するように前記ホルダ本体の裏面に張り出す張出部を有するカードホルダ付き車両用サンバイザ。
【請求項3】
請求項2に記載のカードホルダ付き車両用サンバイザであって、
前記ホルダ本体の先端部を前記バイザ本体の前記第1構成部材から離してカード収納用スペースを形成するように前記第1構成部材の前記裏面側から前記レールの前記張出部に向けて突出するスペーサが形成されているカードホルダ付き車両用サンバイザ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載のカードホルダ付き車両用サンバイザであって、
前記ホルダ本体の前記先端部には、厚み方向に凹むまたは開口する被係合部が形成され、
前記第1構成部材には、前記裏面側から突出して前記ホルダ本体の前記被係合部に挿入される係合部が形成されているカードホルダ付き車両用サンバイザ。
【請求項5】
請求項4に記載のカードホルダ付き車両用サンバイザであって、
前記一対のレールは、前記第1構成部材の前記裏面側から延出する縦壁と、前記縦壁の端部から前記ホルダ本体の前記両縁部を保持するように前記ホルダ本体の裏面に張り出す張出部を有し、
前記一対のレールの長手方向端部には、前記張出部から前記第1構成部材の前記裏面側に向けて突出する外れ防止部が形成され、前記ホルダ本体の前記先端部が前記第1構成部材から離れる方向に移動することを前記外れ防止部が抑制することで前記被係合部が前記係合部から外れることを抑制する構造であるカードホルダ付き車両用サンバイザ。
【請求項6】
請求項5に記載のカードホルダ付き車両用サンバイザであって、
前記一対のレールは、前記開口部と前記外れ防止部の間にガイド凹部を有し、前記ガイド凹部が前記ホルダ本体の前記一対のレールへの挿入を促進する構造であるカードホルダ付き車両用サンバイザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードホルダを備える車両用サンバイザに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バイザ本体とバイザ本体に設けられたカードホルダを備える車両用サンバイザが開示されている。バイザ本体は、厚み方向に重ねられた第1殻体と第2殻体を有し、第1殻体と第2殻体の間に中空領域が形成される。カードホルダは、第1殻体に取り付けられる口枠体と第2殻体に形成されたカード保持部を有する。
【0003】
口枠体は、第1殻体に形成された開口部の周囲に取付けられる。口枠体は、カードが挿入されるカード挿入口を第1殻体の開口部に対応する位置に有する。カード保持部は、バイザ本体内に位置してバイザ本体内に挿入されたカードを保持する。カード保持部は、第2殻体の内面から第1殻体に向けて突出する複数の突出片を有する。カードは、複数の突出片の先端と第1殻体の内面との間のカード収容部に挿入される。
【0004】
口枠体は、第1殻体の表面に形成された取付孔に押し込まれる複数の係止部を有する。口枠体は、バイザ本体を覆う表皮の端末を覆いながら第1殻体に取付けられる。そのため係止部は、比較的大きな力で取付孔に押し込まれる。また口枠体は第1殻体に取付けられるがカード保持部は第2殻体に形成される。そのため第1殻体と第2殻体の大きさのばらつきまたは組付けの誤差によってカード収容部の大きさや形状にばらつきが生じる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-205739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこでバイザ本体に容易に組み付けのできるカードホルダあるいは所望の形状のカード収容部を正確に構成できるカードホルダを備えるサンバイザが従来必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの特徴によると、カードホルダ付き車両用サンバイザは、中空板状のバイザ本体と、バイザ本体に装着されるカードホルダを有する。バイザ本体は、バイザ本体の第1構成部材に形成された開口部と、第1構成部材の裏面側にて開口部の両端から延出する一対のレールを有する。カードホルダは、開口部に沿う略環状のベゼルと、ベゼルの一辺から対向する他辺を超えて延出するホルダ本体を一体に有する。ホルダ本体は、一対のレールに保持される両縁部と、ベゼルと反対側に位置し、かつ、バイザ本体に保持される先端部を有する。
【0008】
したがってカードホルダをバイザ本体に組付ける場合、ホルダ本体を第1構成部材の開口部からバイザ本体に挿入する。ホルダ本体の両縁部を一対のレールに沿ってスライドさせる。ホルダ本体の先端部をバイザ本体に保持させる。したがって一対のレールを利用することでカードホルダを容易にバイザ本体に組付けることができる。
【0009】
しかもホルダ本体は、バイザ本体の第1構成部材の裏面側に形成された一対のレールで保持される。そのためホルダ本体と第1構成部材の裏面側との間に形成されるカード収容部の形状は、バイザ本体の第1構成部材によって決定され得る。したがって従来の構造、すなわちバイザ本体の第1構成部材と第2構成部材の間にカード収容部が形成される構造に比べて、カード収容部の形状のばらつきを小さくできる。さらにカードホルダは、ベゼルとホルダ本体を一体に有し、バイザ本体の同一面に組付けられる。そのためカードホルダは、広い面積でバイザ本体に組付けられるため、安定良くバイザ本体に保持される。
【0010】
本開示の他の1つの特徴によると、一対のレールは、それぞれ第1構成部材の裏面側から延出する縦壁と、縦壁の端部からホルダ本体の両縁部を保持するようにホルダ本体の裏面に張り出す張出部を有する。したがってホルダ本体は、レールの縦壁によって上下方向の移動が規制される。しかもホルダ本体は、張出部によって厚み方向の移動が規制される。これによりホルダ本体の両縁部がレールから外れることを防止できる。かくしてホルダ本体がバイザ本体に安定した状態で保持される。
【0011】
本開示の他の1つの特徴によると、第1構成部材の裏面側から一対のレールの張出部に向けて突出するスペーサが形成されている。スペーサは、ホルダ本体の先端部をバイザ本体の第1構成部材から離してカード収納用スペースを形成する。したがってカード収納用スペースは、ホルダ本体と第1構成部材の裏面側とスペーサによって形成される。しかも組付けによって第1構成部材とホルダ本体の位置関係がずれることが小さい。かくしてカード収容部の形状を所望の形状に容易に構成できる。
【0012】
本開示の他の1つの特徴によると、ホルダ本体の先端部には、厚み方向に凹むまたは開口する被係合部が形成される。バイザ本体の第1構成部材には、裏面側から突出してホルダ本体の被係合部に挿入される係合部が形成されている。したがってホルダ本体の被係合部は、バイザ本体の第1構成部材に向けて突出していない。そのためホルダ本体をバイザ本体に挿入する際に被係合部が第1構成部材や表皮などに引っかかることが抑制される。そのためホルダ本体をバイザ本体に挿入し易い。
【0013】
本開示の他の1つの特徴によると、一対のレールは、第1構成部材の裏面側から延出する縦壁と、縦壁の端部からホルダ本体の両縁部を保持するようにホルダ本体の裏面に張り出す張出部を有する。一対のレールの長手方向端部には、張出部から第1構成部材の裏面側に向けて突出する外れ防止部が形成される。ホルダ本体の先端部が第1構成部材から離れる方向に移動することを外れ防止部が抑制することで被係合部が係合部から外れることを抑制する。
【0014】
例えば硬くて厚いカードがカード収納用スペースのスペーサとホルダ本体の縁部との間に入り込む場合がある。この場合でも外れ防止部がホルダ本体の裏面を支持するため、ホルダ本体の先端部が第1構成部材から離れる方向に移動しない。かくしてホルダ本体の先端部の被係合部とバイザ本体の係合部との係合状態を保持することにより、ホルダ本体をバイザ本体に保持できる。
【0015】
本開示の他の1つの特徴によると、一対のレールは、開口部と外れ防止部の間にガイド凹部を有する。ガイド凹部は、ホルダ本体をバイザ本体へ組み付ける際に一対のレールへの挿入を促進する。したがってホルダ本体を大きく湾曲させることなくホルダ本体をバイザ本体内に挿入できる。かくして組み付け時のホルダ本体の変形を防止できるため、カード収容部の形状を所望の形状にし易い。
【0016】
本開示の他の1つの特徴によると、第1構成部材には、被係合部を露出するメンテナンス用開口部が形成されている。したがって例えばカードホルダをバイザ本体から取り外してメンテナンスしたい場合、露出した被係合部を第1構成部材の表側から第1構成部材の裏側に向けて押し出すことができる。かくしてホルダ本体の被係合部からバイザ本体の係合部を取り外し、カードホルダをバイザ本体から取り外すことができる。
【0017】
本開示の他の1つの特徴によると、第1構成部材の裏面側にて開口部の両端から延出する一対のレールが平行に延出する。ホルダ本体の両縁部が平行である。したがってホルダ本体をレールに沿ってスライドさせるとき、スライドが滑らかである。そのためカードホルダの脱着が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】車両内部の一部と車両天井に取付けられたサンバイザの斜視図である。
図2】バイザ本体の第1コアの正面図である。
図3】バイザ本体の第1構成部材とカードホルダの分解斜視図である。
図4】バイザ本体の第1構成部材の背面斜視図である。
図5】カードホルダの正面斜視図である。
図6】カードホルダの背面斜視図である。
図7図2のVII-VII線断面矢視図である。
図8図2のVIII-VIII線断面矢視図である。
図9図2のIX-IX線断面矢視図である。
図10図2のX-X線断面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の1つの実施形態について図1図8を用いて説明する。図1に示すように車両用サンバイザ1は、車室内においてフロントガラス21近傍の天井面20に装着される。車両用サンバイザ1は、バイザ本体1aと、支軸8と、バイザ本体1aの表面に設けられたカードホルダ4を有する。
【0020】
図1に示すようにバイザ本体1aは、略長方形状を有し、厚み方向に重ねられた平板状の第1構成部材2と、第2構成部材3とを備える。バイザ本体1aの表面には表皮13が被せられる。支軸8は、略L字状の棒であって、縦軸8aは、横軸8bの先端から上方に、横軸8bに対して略直交して延出する。縦軸8aの先端にブラケット12が装着され、ブラケット12が車室の天井面20に取付けられる。バイザ本体1aを回動可能に支持する支軸8が、軸受部(図示せず)に組み付けられたクリップ7を介してバイザ本体1aに装着される。
【0021】
図1に示すようにシャフト11は、天井面20に固定されたフック10に取外し可能に保持される。シャフト11がフック10に取付けられることで、バイザ本体1aがシャフト11と横軸8bを中心としてフロントガラス21に沿う使用位置Pと、天井面20に沿う格納位置Kとの間で回転する。
【0022】
図2図3図6に示すように第1構成部材2の中央左側領域には、カードホルダ4が装着されるホルダ取付部6が設けられる。ホルダ取付部6は、カードCの挿入を案内する凹面部6aと、ベゼル4bを収容するホルダ装着部6bと、カードホルダ4を固定する爪部4lを嵌合する取付孔6dと、カードホルダ4のホルダ本体4aを挿入する開口部6hとを有する。ホルダ取付部6の左側には、メンテナンス用開口部6uが、例えば2つ併設される。2つのメンテナンス用開口部6uは、ホルダ取付部6に装着されたホルダ本体4aの突出片4iを露出するように配設されている(図8参照)。
【0023】
図2図4に示すようにホルダ取付部6の凹面部6aは、ホルダ取付部6の右辺6l、すなわち第1構成部材2の略中央から左方向に、かつ、第1構成部材2の裏面側2bに向けて傾斜する。図8に示すように凹面部6aは、カードホルダ4にカードCを挿入するときにカードCを案内してカードCの挿入を円滑にする。カードホルダ4に挿入されたカードCは、凹面部6aに当接して湾曲する。かくして凹面部6aは、カードCとの間に保持力を発生させ、振動等によりカードCがカードホルダ4から抜け落ちることを防止する。
【0024】
図3に示すようにホルダ装着部6bは、平坦面部6cと中枠部6eと傾斜壁6f,6gを有する。平坦面部6cは、凹面部6aの底辺6mから第1構成部材2と平行に拡がる台形状で、後辺6nと前辺6tと左辺6sを有する。平坦面部6cの左領域には前後方向に間隔を空けて略長方形状の取付孔6dが形成される。
【0025】
図4図7に示すように第1構成部材2の裏面側2bには、一対のレール5が設けられる。一対のレール5は、ホルダ本体4aをスライド可能に保持する。各レール5は、それぞれ縦壁5aと張出部5bを有する。各縦壁5aは、第1構成部材2の裏面側2bから略垂直に突出し、かつ、開口部6hの前縁と後縁から、互いに平行に第1構成部材2の長手方向に延出する。張出部5bは、縦壁5aの端縁から、対向する他方の縦壁5aに向かってホルダ本体4aの裏面4mに張り出す(図6参照)。張出部5bは、ホルダ本体4aの前縁部(前辺4g)と後縁部(後辺4f)とを支持する(図5参照)。図4に示すように各縦壁5aの左端は、ストッパー壁5cによって接続される。
【0026】
図4図7図8に示すようにホルダ本体4a挿入時にホルダ本体4aの先端部4qが当接するストッパー壁5cは、第1構成部材2の裏面側2bから略垂直に突出し、かつ、前後方向に延出する。ストッパー壁5cは、前後方向に間隔を空けて設けられる、例えば2つの凹部5jと、凹部5jのそれぞれから左方向に突出する突出部5fを有する。突出部5fは、略四角形状を有する。ホルダ本体4aと対向する突出部5fの一面には、ホルダ本体4aに対して垂直方向に突出する係合部5iが設けられる。係合部5iは、ホルダ本体4aの突出片4iの凹部4jと嵌合する(図5参照)。かくしてホルダ本体4aが第1構成部材2に保持される。
【0027】
図4図7に示すように第1構成部材2の裏面側2bと各張出部5bとの間には、カード収容部4sを形成するためのスペーサ5gが設けられる。各スペーサ5gは、ホルダ本体4a挿入時にホルダ本体4aの先端部4qが案内される傾斜部5eと挿入端が固定される平面部5kとして形成されている。
【0028】
図4に示すように張出部5bには、スペーサ5gと対向する箇所に外れ防止部5dが設けられる。外れ防止部5dは、張出部5bの端縁から第1構成部材2の裏面側2bに向けて略垂直方向に突出する。張出部5bは、図7に示すようにホルダ取付部6の開口部6h近傍から外れ防止部5dの間にかけて上方向に凹設されるガイド凹部5hを有する。
【0029】
図5図6に示すようにカードホルダ4は、ホルダ本体4aとベゼル部4bを有する。ホルダ本体4aは、略平板形状を有する。ホルダ本体4aの先端部4qには、先端部4qから延出する突出片4iを設ける。例えば突出片4iは、先端部4qの中央領域から両端部へ向けて所定間隔で離間して2つ設けられる。各突出片4iの第一面の略中央には、厚み方向に凹部4jが形成される。
【0030】
図8に示すように凹部4jには、図4に示すストッパー壁5cの突出部5fの係合部5iが嵌合する。図6に示すようにホルダ本体4aの裏面4mの右辺4p近傍には、前後方向に離間して配置される略L字形の爪部4lが設けられる。爪部4lが取付孔6dに挿入されることによってホルダ本体4aが第1構成部材2に保持される。
【0031】
図5図6に示すようにベゼル部4bは略U字状であり、板状の縦枠部4dと横枠部4c,4eとを有する。ベゼル部4bとホルダ本体4aの右辺4pとが、略環状のカード挿入口4rを形成する。ベゼル部4bの横枠部4c,4eは、ホルダ本体4aの右辺4pの前端と後端からそれぞれ左方向に、かつ、ホルダ本体4aの表面4kから離れるように斜め方向に延出する。横枠部4c,4eはそれぞれ、ホルダ本体4aの右辺4pから前後方向にはみ出すように設けられる。横枠部4c,4eの左側先端は、縦枠部4dによって接続される。縦枠部4dは、ホルダ本体4aの右辺4p及び先端部4qと平行に延出する。
【0032】
カードホルダ4を第1構成部材2のホルダ取付部6に装着するとき、図3に示すように、ホルダ本体4aを第1構成部材2の開口部6hに対して差し込む。詳しくは図3図7に示すようにホルダ本体4aの先端部4qの前端と後端とが、各レール5の張出部5bに当接するようにホルダ本体4aを傾けた状態で差し込む。そしてホルダ本体4aの前辺4gと後辺4fとをレール5に沿ってスライドする。ホルダ本体4aの第1構成部材2に対する傾きを徐々に小さくしながら、突出片4iをレール5の奥(左側)に移動させる。ホルダ本体4aの先端部4qが、ストッパー壁5cに当接するまでホルダ本体4aをスライドさせる。
【0033】
図7に示すようにホルダ本体4aの先端部4qがストッパー壁5cに当接したとき、ホルダ本体4aの先端部4qが、外れ防止部5dとスペーサ5gとの間に位置する。図8に示すようにホルダ本体4aの突出片4iの凹部4jが、ストッパー壁5cの係合部5iに嵌合する。また爪部4lが取付孔6dに入り、中枠部6eと係合する。かくしてホルダ本体4aと第1構成部材2の裏面側2bとの間にカード収容部4sが形成される。
【0034】
上述するように図1~8に示すように、カードホルダ付き車両用サンバイザ1は、中空板状のバイザ本体1aと、バイザ本体1aに装着されるカードホルダ4を有する。バイザ本体1aは、バイザ本体1aの第1構成部材2に形成された開口部6hと、第1構成部材2の裏面にて開口部6hの両端から延出する一対のレール5を有する。カードホルダ4は、開口部6hに沿う環状のベゼル4bと、ベゼル4bの一辺(4p)から対向する他辺(4d)を超えて延出するホルダ本体4aを一体に有する。ホルダ本体4aは、一対のレール5に保持される両縁部(4f,4g)と、ベゼル4bと反対側に位置し、かつ、バイザ本体1aに保持される被係合部(突出片)4iを有する。
【0035】
したがってカードホルダ4をバイザ本体1aに組付ける場合、ホルダ本体4aを開口部6hからバイザ本体1aに挿入する。ホルダ本体4aの両縁部(4f,4g)を一対のレール5に沿ってスライドさせる。ホルダ本体4aの被係合部4iをバイザ本体1aに保持させる。したがってレール5を利用することでカードホルダ4を容易にバイザ本体1aに組付けることができる。
【0036】
しかもホルダ本体4aは、バイザ本体1aの第1構成部材2の裏面側2bに形成されたレール5で保持される。そのためホルダ本体4aと第1構成部材2の裏面側2bとの間に形成されるカード収容部4sの形状は、バイザ本体1aの第1構成部材2によって決定され得る。したがって従来の構造、すなわちバイザ本体の第1構成部材2と第2構成部材3の間にカード収容部が形成される構造に比べて、カード収容部4sの形状のばらつきを小さくできる。さらにカードホルダ4は、ベゼル4bとホルダ本体4aを一体に有し、バイザ本体1aの同一面に組付けられる。そのためカードホルダ4は、広い面積でバイザ本体1aに組付けられるため、安定良くバイザ本体1aに保持される。
【0037】
図4図5図7に示すように、一対のレール5は、それぞれ第1構成部材2の裏面側2bから延出する縦壁5aと、縦壁5aの端部からホルダ本体4aの両縁部(4f,4g)を保持するようにホルダ本体4aの裏面4mに張り出す張出部5bを有する。したがってホルダ本体4aは、レール5の縦壁5aによって上下方向の移動が規制される。しかもホルダ本体4aは、張出部5bによって厚み方向の移動が規制される。これによりホルダ本体4aの両縁部(4f,4g)がレール5から外れることを防止できる。かくしてホルダ本体4aがバイザ本体1aに安定した状態で保持される。
【0038】
図4図7に示すように、第1構成部材2の裏面側2bからレール5の張出部5bに向けて突出するスペーサ5gが形成されている。スペーサ5gは、ホルダ本体4aの先端部4qをバイザ本体1aの第1構成部材2から離してカード収納用スペースを形成する。したがってカード収納用スペースは、ホルダ本体4aと第1構成部材2の裏面側2bとスペーサ5gによって形成される。しかも組付けによって第1構成部材2とホルダ本体4aの位置関係がずれることが小さい。かくしてカード収容部4sの形状を所望の形状に容易に構成できる。
【0039】
図4図5図8に示すように、ホルダ本体4aの被係合部4iには、厚み方向に凹むまたは開口する凹部4jが形成される。バイザ本体1aの第1構成部材2には、裏面側2bから突出してホルダ本体4aの凹部4jに挿入される係合部5iが形成されている。したがってホルダ本体4aの凹部4jは、バイザ本体1aの第1構成部材2に向けて突出していない。そのためホルダ本体4aをバイザ本体1aに挿入する際に被係合部4iが第1構成部材2や表皮13に引っかかることが抑制される。そのためホルダ本体4aをバイザ本体1aに挿入し易い。
【0040】
図4図8に示すように、一対のレール5は、それぞれ第1構成部材2の裏面側2bから延出する縦壁5aと、縦壁5aの端部からホルダ本体4aの両縁部(4f,4g)を保持するようにホルダ本体4aの裏面4mに張り出す張出部5bを有する。各レール5の長手方向端部には、張出部5bから第1構成部材2の裏面側2bに向けて突出する外れ防止部5dが形成される。ホルダ本体4aの被係合部4iが第1構成部材2から離れる方向に移動することを外れ防止部5dが抑制することで、被係合部4iが係合部5iから外れることを抑制する。
【0041】
例えば硬くて厚いカードCがカード収納用スペースのスペーサ5gとホルダ本体4aの縁部との間に入り込む場合がある。この場合でも外れ防止部5dがホルダ本体4aの裏面4mを支持するため、ホルダ本体4aの被係合部4iが第1構成部材2から離れる方向に移動しない。かくしてホルダ本体4aの先端部4qの被係合部4iとバイザ本体1aの係合部5iとの係合状態を保持することにより、ホルダ本体4aをバイザ本体1aに保持できる。
【0042】
図4図7に示すように、各レール5は、開口部6hと外れ防止部5dの間にガイド凹部5hを有する。ガイド凹部5hは、ホルダ本体4aをバイザ本体1aへ組み付ける際に各レール5への挿入を促進する。したがってホルダ本体4aを大きく湾曲させることなくホルダ本体4aをバイザ本体1a内に挿入できる。かくして組み付け時のホルダ本体4aの変形を防止できるため、カード収容部4sの形状を所望の形状にし易い。
【0043】
図2図4図8に示すように、第1構成部材2には、被係合部4iを露出するメンテナンス用開口部6uが形成されている。したがって例えばカードホルダ4をバイザ本体1aから取り外してメンテナンスしたい場合、露出した被係合部4iを第1構成部材2の表側から第1構成部材2の裏側に向けて押し出すことができる。かくしてホルダ本体4aの被係合部4iからバイザ本体1aの係合部5iを取り外し、カードホルダ4をバイザ本体1aから取り外すことができる。
【0044】
図4図6に示すように、第1構成部材2の裏面側2bにて開口部6hの両端から延出する一対のレール5が平行に延出する。ホルダ本体4aの両縁部(4f,4g)が平行である。したがってホルダ本体4aをレール5に沿ってスライドさせるとき、スライドが滑らかである。そのためカードホルダ4の脱着が容易である。
【0045】
本開示は、上述した実施形態で説明した外観、構成に限定されず、要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば図5図8に示すようにホルダ本体4aの突出片4iの第一面の略中央には、厚み方向に凹部4jが形成される。これに代えて図9に示すようにホルダ本体4aの突出片4iに貫通孔4nが形成されてもよい。
【0046】
図2図4図10に示すように第1構成部材2の裏面側2bに、押えバネ26を設けても良い。押えバネ26は、樹脂バネであり、右端が裏面側2bに連結され、左端がホルダ本体4aに向かってホルダ本体4aの表面4k近傍まで左斜め方向に延出する。押えバネ26は、カード収容部4sに挿入されたカードCを表面4kに押さえつける。かくしてカードCをより安定してカード収容部4s内に保持できる。
【0047】
図4に示すように第1構成部材2の裏面側2bに押えスロープ2cを設けても良い。押えスロープ2cは、第1構成部材2の裏面側2bに沿ってストッパー壁5c近傍から右方向に、例えば3本延出する。押えスロープ2cは細長状であり、かつ、右方ほど厚みの小さいテーパ状となっている。押えスロープ2cは、カードCとの間に保持力を発生させる。かくしてカードCがより安定してカード収容部4s内に保持される。
【0048】
図5に示すようにベゼル4bは略環状を有する。これに代えて、ベゼルは例えば四角形状等であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 車両用サンバイザ
1a バイザ本体
2 第1構成部材
3 第2構成部材
4 カードホルダ
4a ホルダ本体
4b ベゼル(ベゼル部)
4f 後辺(両縁部)
4g 前辺(両縁部)
4i 突出片(被係合部)
4j 凹部
4n 貫通孔(被係合部)
4q 先端部
5 レール
5a 縦壁
5b 張出部
5d 外れ防止部
5g スペーサ
5h ガイド凹部
5i 係合部
6h 開口部
6u メンテナンス用開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10