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  • 特許-粘度低下タンパク質医薬製剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】粘度低下タンパク質医薬製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20230510BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20230510BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230510BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230510BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230510BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20230510BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20230510BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20230510BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
A61K39/395 N ZNA
A61K47/18
A61K9/08
A61K47/26
A61K47/10
A61K47/24
A61K47/42
A61K47/12
A61P3/06
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019518478
(86)(22)【出願日】2017-10-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-24
(86)【国際出願番号】 US2017055620
(87)【国際公開番号】W WO2018067987
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】62/404,861
(32)【優先日】2016-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500203709
【氏名又は名称】アムジェン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】テラン, アロナ
(72)【発明者】
【氏名】ムナイム, カヘラ
(72)【発明者】
【氏名】カーラフ, ナーゼル
(72)【発明者】
【氏名】カウシック, ラフル ラジャン
(72)【発明者】
【氏名】クロッグストン, クリスティ エル.
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン, トゥインクル アール.
(72)【発明者】
【氏名】キャラハン, ウィリアム ジェイ.
【審査官】池上 文緒
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-525915(JP,A)
【文献】国際公開第2015/196091(WO,A1)
【文献】特表2014-514275(JP,A)
【文献】特表2014-510077(JP,A)
【文献】国際公開第2016/065181(WO,A1)
【文献】特表2012-508744(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0069221(US,A1)
【文献】Pharm. Res. (2013) vol.30, issue 7, p.1749-1757
【文献】J. Pharm. Pharm. Sci. (2010) vol.13, no.4, p.524-535
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/395
A61K 47/
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも100mg/mLの濃度のエボロクマブ
50mM~700mMの濃度のN-メチルピロリドン(NMP)、および
安定剤
を含み、水性の溶液である、医薬製剤であって、前記製剤のpHが4.0~8.0である、医薬製剤。
【請求項2】
エボロクマブは、100mg/mL~300mg/mLの濃度で存在する、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
エボロクマブは、180mg/mL~230mg/mLの濃度で存在する、請求項2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記N-メチルピロリドンは100mM~500mMの濃度である、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項5】
(i)アルギニンまたは(ii)リシンをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記アルギニンは90mM~160mMの濃度で存在するか、または、前記リシンは100mM~120mMの濃度で存在する、請求項5に記載の医薬製剤。
【請求項7】
(i)前記安定剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチンおよび硫酸プロタミンからなる群またはポリソルベート20、ポリソルベート90、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチンおよび硫酸プロタミンからなる群から選択され、
かつ/または、(ii)前記安定剤は、0.005%~1.0%の濃度である、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項8】
0.01%の濃度のポリソルベート80、0.05%~0.2%の濃度のPLURONIC(登録商標)F-68、または0.12%の濃度の硫酸プロタミンを含む、請求項に記載の医薬製剤。
【請求項9】
緩衝液をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記緩衝液は、酢酸塩緩衝液、コハク酸塩緩衝液およびグルタミン酸塩緩衝液からなる群から選択される、請求項9に記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記緩衝液は、5mM~50mMの濃度である、請求項9または10に記載の医薬製剤。
【請求項12】
10mMの酢酸ナトリウム緩衝液を含む、請求項11に記載の医薬製剤。
【請求項13】
340mMのN-メチルピロリドン、0.1%のPLURONIC(登録商標)F-68および210mg/mLのエボロクマブを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項14】
100mMのN-メチルピロリドン、120mMのリシン、0.01%のポリソルベート80および210mg/mLのエボロクマブを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項15】
100mMのN-メチルピロリドン、150mM~155mMのN-アセチルアルギニン、0.01%のポリソルベート80および210mg/mLのエボロクマブを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項16】
70mMのN-メチルピロリドン、130mMのアルギニン、0.01%ポリソルベート80、および210mg/mLのエボロクマブを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項17】
少なくとも100mg/mLのエボロクマブを含む液体医薬製剤の粘度を低下させる方法であって、前記方法は、
(a)エボロクマブを50mM~700mMのNMPおよび安定剤と混合する工程
を含み、前記製剤のpHが4.0~8.0である、方法。
【請求項18】
少なくとも100mg/mLの濃度のエボロクマブ、および50mM~700mMの濃度のN-メチルピロリドンを含む液体医薬製剤を安定化させる方法であって、前記粘度低下液体医薬製剤を、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチン、および硫酸プロタミンからなる群から選択される安定剤と混合する工程を含み、前記製剤のpHが4.0~8.0である、方法。
【請求項19】
前記製剤のpHが、4.5~5.5である、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬製剤、または請求項17もしくは18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2016年10月6日に出願された米国仮特許出願第62/404,861号の優先権を主張するものであり、その内容は参照により組み込まれる。
【0002】
配列表
本願は、電子フォーマットの配列表とともに出願されている。「A-2092-WO-PCT_sequence_listing_ST25.txt」と名称のファイルとして提出された配列表は、2017年10月5日に作成され、サイズは284KBである。電子フォーマットの配列表における情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
抗体などの薬学的に活性なタンパク質は、多くの場合、液体溶液で、特に注射剤用に製剤化される。皮下経路を介して投与する必要がある製品、例えば、自己投与における使用では、1~2ミリリットルを超える送達容量の製剤はあまり許容されない。このような場合、高濃縮のタンパク質製剤が、限られた用量体積を満たすために望ましい。このような投与の高用量でかつ小体積という要求は、タンパク質治療薬が100mg/mL以上の濃度に到達し得ることを意味する。高濃縮タンパク質製剤は、タンパク質治療薬の製造可能性および投与に対して多くの課題を提起し得る。いくつかの高濃縮タンパク質製剤によって提起される1つの課題は、粘度の上昇である。高粘度製剤は、バルク段階および充填段階などの製造中の取り扱いが困難である。高粘度製剤はまた、注射器へ吸引して注射することが困難であり、患者への投与を困難かつ不快なものにする。医薬産業において、高濃縮タンパク質製剤の粘度を低下させるのに有用な化合物を特定すること、そのような製剤の粘度を低下させる方法を開発すること、および粘度を低下させた医薬製剤を提供することが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
タンパク質医薬製剤の粘度の低下に使用するための選択された濃度のN-メチルピロリドン(NMP)が提供される。NMPは、他の賦形剤、例えば、アルギニン、リシン、N-アセチルアルギニン(NAR)、およびこれらの混合物とともに使用することができる。本明細書においては、高濃度の治療用タンパク質を、粘度低下性濃度のNMPと混合することによって、タンパク質医薬製剤の粘度を低下させる方法が提供される。また、治療用タンパク質およびNMPを含む凍結乾燥粉末であって、NMPが、希釈剤で再構成する際に粘度を低下させるのに有効な重量:重量濃度で存在する凍結乾燥粉末が提供される。
【0005】
本明細書においては、少なくとも約100mg/mL、例えば、約100mg/mL~約300mg/mL(例えば、約140mg/mL)、例えば、約180mg/mL~約230mg/mL、例えば、約210mg/mLの濃度の治療用タンパク質を含む液体医薬製剤の粘度を低下させるための方法であって、治療用タンパク質を、粘度低下性濃度のNMPと混合する工程を含む方法が提供される。一実施形態では、製剤の粘度は少なくとも約5%低下する。別の実施形態では、製剤の粘度は少なくとも約10%低下する。別の実施形態では、製剤の粘度は少なくとも約20%低下する。別の実施形態では、製剤の粘度は少なくとも約30%低下する。別の実施形態では、製剤の粘度は少なくとも約40%低下する。別の実施形態では、製剤の粘度は少なくとも約50%低下する。別の実施形態では、製剤の粘度は少なくとも約60%低下する。別の実施形態では、製剤の粘度は少なくとも約70%低下する。別の実施形態では、製剤の粘度は少なくとも約80%低下する。いくつかの実施形態では、治療用タンパク質は抗体(例えば、IgG1もしくはIgG2モノクローナル抗体)またはその抗原結合フラグメント、例えば、抗PCSK9抗体またはその抗原結合フラグメントである。抗PCSK9抗体の例は、エボロクマブである。関連する実施形態では、このような方法により製造される医薬製剤が提供される。他の賦形剤、例えば、アルギニン、リシン、NAR、およびこれらの混合物などの他の賦形剤が、NMPとともに使用することができる。
【0006】
また、少なくとも約100mg/mL、例えば、約100mg/mL~約300mg/mL(例えば、約140mg/mL)、例えば、約180mg/mL~約230mg/mL、例えば、約210mg/mLの濃度の治療用タンパク質、およびNMPを含む医薬製剤が提供される。一実施形態では、NMPの濃度は約1.0mM~約1000mMである。関連する実施形態では、NMPの濃度は約100mM~約500mMである。別の関連する実施形態では、NMPの濃度は約300mM~約425mMである。別の関連する実施形態では、NMPの濃度は約340mMである。別の関連する実施形態では、NMPの濃度は約425mMである。関連する実施形態では、NMPの濃度は約300mMより大きく、約500mMより大きく、約800mMより大きく、約1000mMである。また、約4.0~約6.0の間のpHを有するそのような医薬製剤が提供される。関連する実施形態では、pHは約4.8~約5.4である。いくつかの実施形態では、pHは約5.0である。さらに他の関連する実施形態では、治療用タンパク質は抗体(例えば、IgG1もしくはIgG2モノクローナル抗体)またはその抗原結合フラグメント、例えば、抗PCSK9抗体またはその抗原結合フラグメントである。抗PCSK9抗体の例はエボロクマブである。
【0007】
1つの好ましい態様では、医薬製剤は、少なくとも約100mg/mL、例えば、約100mg/mL~約300mg/mL(例えば、約140mg/mL)、例えば、約180mg/mL~約230mg/mL、例えば、約210mg/mLの治療用タンパク質、例えば、抗体(例えば、IgG1もしくはIgG2モノクローナル抗体;抗体の例は抗PCSK9抗体、例えば、エボロクマブである)またはその抗原結合フラグメント、約370~600mMのNMP、および約0.05~0.2%のPLURONIC(登録商標)F-68(ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)を含み;関連する態様では、医薬製剤は緩衝液、例えば、約5~20mMの酢酸塩をさらに含み、またさらなる態様では、医薬製剤は約4.5~5.5のpHを有する。一実施形態では、医薬製剤は、少なくとも約100mg/mL、例えば、約100mg/mL~約300mg/mL(例えば、約140mg/mL)、例えば、約180mg/mL~約230mg/mL、例えば、約210mg/mLの抗体(例えば、IgG1もしくはIgG2モノクローナル抗体)またはその抗原結合フラグメント(例えば、抗PCSK9抗体、例えば、エボロクマブ)、約425mMのNMP、および約0.10%のPLURONIC(登録商標)F-68を含み;関連する態様では、医薬製剤は緩衝液、例えば、約10mMの酢酸塩をさらに含み、またさらなる態様では、医薬製剤は約5.0のpHを有する。別の実施形態では、医薬製剤は、少なくとも約100mg/mLの抗体(例えば、抗PCSK9抗体、例えば、エボロクマブ)またはその抗原結合フラグメント、約340mMのNMP、および約0.10%のPLURONIC(登録商標)F-68を含み;関連する態様では、医薬製剤は緩衝液、例えば、約10mMの酢酸塩をさらに含み;またさらなる態様では、医薬製剤は約5.0のpHを有する。
【0008】
別の好ましい態様では、医薬製剤は、少なくとも約100mg/mL、例えば、約100mg/mL~約300mg/mL(例えば、約140mg/mL)、例えば、約180mg/mL~約230mg/mL、例えば、約210mg/mLの治療用タンパク質、例えば、抗体(例えば、IgG1もしくはIgG2モノクローナル抗体;抗体の例は抗PCSK9抗体、例えば、エボロクマブである)またはその抗原結合フラグメント、約50~200mMのNMP、約90~160mMのリシン、および約0.005~0.02%のポリソルベート80(ポリオキシエチレンソルビタン、TWEEN(登録商標)80としても知られる)を含み;関連する態様では、医薬製剤は緩衝液、例えば約5~20mMの酢酸塩をさらに含み、またさらなる態様では、医薬製剤は約4.5~5.5のpHを有する。一実施形態では、医薬製剤は、少なくとも約100mg/mLの抗体(例えば、抗PCSK9抗体、例えば、エボロクマブ)またはその抗原結合フラグメント、約100mMのNMP、約120mMのリシン、および約0.01%のポリソルベート80を含み;関連する態様では、医薬製剤は緩衝液、例えば、約20mMの酢酸塩をさらに含み;またさらなる態様では、医薬製剤は約5.0のpHを有する。
【0009】
別の好ましい態様では、医薬製剤は、少なくとも約100mg/mL、例えば、約100mg/mL~約300mg/mL(例えば、約140mg/mL)、例えば、約180mg/mL~約230mg/mL、例えば、約210mg/mLの治療用タンパク質、例えば、抗体(例えば、IgG1もしくはIgG2モノクローナル抗体;抗体の例は抗PCSK9抗体、例えば、エボロクマブである)またはその抗原結合フラグメント、約50~200mMのNMP、約90~160mMのアルギニン、および約0.005~0.02%のポリソルベート80を含み;関連する態様では、医薬製剤は緩衝液、例えば約10~30mMの酢酸塩をさらに含み、またさらなる態様では、医薬製剤は約4.5~5.5のpHを有する。
【0010】
一実施形態では、医薬製剤は、少なくとも約100mg/mL、例えば、約100mg/mL~約300mg/mL(例えば、約140mg/mL)、例えば、約180mg/mL~約230mg/mL、例えば、約210mg/mLの抗体(例えば、IgG1もしくはIgG2モノクローナル抗体;抗体の例は抗PCSK9抗体、例えば、エボロクマブである)またはその抗原結合フラグメント、約70mMのNMP、約130mMのアルギニン、および約0.01%のポリソルベート80を含み;関連する態様では、医薬製剤は緩衝液、例えば約20mMの酢酸塩をさらに含み、またさらなる態様では、医薬製剤は約5.0のpHを有する。
【0011】
別の好ましい態様では、医薬製剤は、少なくとも約100mg/mLの治療用タンパク質、例えば、抗体(例えば、抗PCSK9抗体、例えば、エボロクマブ)またはその抗原結合フラグメント、約50~150mMのNMP、約90~200mMのN-アセチルアルギニン(NAR)、および約0.005~0.02%のポリソルベート80、および約5~20mMの酢酸塩を含み、4.5~5.5のpHを有する。一実施形態では、医薬製剤は、少なくとも約100mg/mLの抗体(例えば、抗PCSK9抗体、例えば、エボロクマブ)、10mMの酢酸塩、100mMのNMP、155mMのNAR、0.01%のポリソルベート80を含み、pH5.0を有する。
【0012】
また、上記のような医薬製剤を凍結乾燥させる工程を含む、凍結乾燥粉末の調製方法が提供される。
【0013】
本明細書においては、治療用タンパク質を含む凍結乾燥粉末であって、NMPが、希釈剤で再構成する際に粘度を低下させるのに有効な重量:重量濃度で存在する凍結乾燥粉末が提供される。一実施形態では、NMPは、約100μg/mg治療用タンパク質~約1mg/mg治療用タンパク質、例えば、抗体(例えば、IgG1もしくはIgG2モノクローナル抗体;抗体の例は抗PCSK9抗体、例えば、エボロクマブである)またはその抗原結合フラグメントの濃度で存在する。関連する実施形態では、NMPは、約200μg~約500μg/mg治療用タンパク質の濃度で存在する。また、上記のような凍結乾燥粉末を再構成する方法であって、無菌の水性希釈剤を添加する工程を含む方法が提供される。他の賦形剤、例えば、アルギニン、リシン、N-アセチルアルギニン(NAR)、およびこれらの混合物が、NMPとともに含まれ得る。
【0014】
抗体(例えば、IgG1もしくはIgG2モノクローナル抗体)またはその抗原結合フラグメントである治療用タンパク質もまた提供される。上記のような製剤または組成物であって、治療用タンパク質が抗体またはその抗原結合フラグメントである製剤または組成物もまた提供される。さらに、上記のような凍結乾燥粉末であって、治療用タンパク質が抗体またはその抗原結合フラグメントである粉末もまた提供される。
【0015】
例えば、治療用タンパク質および抗体(ならびにその抗原結合フラグメント)には、Activase(登録商標)(アルテプラーゼ);アリロクマブ(H1H316Pと名付けられた抗PCSK9モノクローナル抗体、米国特許第8,062,640号明細書を参照);Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、またはエリスロポエチン);Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-Ia);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ);Βseron(登録商標)(インターフェロンβ);ボコシズマブ(L1L3と名付けられた抗PCSK9モノクローナル抗体、米国特許第8,080,243号明細書);Campath(登録商標)(アレムツズマブ);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ);エボロクマブ(21B12と名付けられた抗PCSK9モノクローナル抗体、米国特許第8,030,467号明細書を参照);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ);Humatrope(登録商標)(ソマトロピン[rDNA起源]注射用);Humira(登録商標)(アダリムマブ);Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルグラモスチム);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ);BenlystaTM(ベリムマブ);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ);Myiotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル);SolirisTM(エクリズマブ);パキセリズマブ(抗C5補体);MEDI-524(Numax(登録商標));Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);エドレコロマブ(、Panorex(登録商標));Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-I);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビシリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DMl);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンβ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン);Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、ペグG-CSF、ペグhu-Met-G-CSF);Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3)、Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)、Reopro(登録商標)(アブシキマブ)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ)、Tarceva(登録商標)(エルロチニブ)、Roferon-A(登録商標)-(インターフェロンアルファ-2a)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)、StelaraTM(ウステキヌマブ)、Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ)、Synagis(登録商標)(パリビズマブ);146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌(B.anthracis)防御抗原mAb);ABthraxTM;Vectibix(登録商標)(パニツムマブ);Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-I Trap(ヒトIgGlのFc領域および両IL-I受容体成分(I型受容体および受容体アクセサリータンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF Trap(IgGl Fcに融合したVEGFRlのIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(エゼチミブ)、アタシセプト(TACI-Ig)、抗α4β7 mAb(ベドリズマブ);ガリキシマブ(抗CD80モノクローナル抗体)、抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFFアンタゴニスト);SimponiTM(ゴリムマブ);マパツズマブ(ヒト抗TRAIL受容体1 mAb);オクレリズマブ(抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4mAbおよびVEGFR-I(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)毒素Aおよび毒素B C mAb MDX-066(CDA-I)およびMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38複合体(CAT-3888およびCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);アデカツムマブ(MT201、抗EpCAM-CD326 mAb);MDX-060、SGN-30、SGN-35(抗CD30 mAb);MDX-1333(抗IFNAR);HuMax CD38(抗CD38 mAb);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第I相Fibrogen(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシンl mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMaxHepC);MEDI-545、MDX-1103(抗IFNα mAb);抗IGFIR mAb;抗IGF-IR mAb(HuMax-Inflam);抗IL12/IL23p40 mAb(ブリアキヌマブ);抗IL-23p19 mAb(LY2525623);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL-17mAb(AIN457);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-Ol8、CNTO95);抗IPIO潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);抗LLY抗体;BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38複合体(CAT-5001);抗PDl mAb(MDX-1 106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/Flt-1 mAb;抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3);NVS抗体#1;およびNVS抗体#2が含まれる。
【0016】
抗体(およびその抗原結合フラグメント)のさらなる例には、表Aに示すものが含まれる。抗体(およびその抗原結合フラグメント)の他の例には、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブペゴル、ald518、アレムツズマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、アチヌマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトクス、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、アトロリムマブ、バピヌズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビバツズマブ、ビバツズマブメルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カンツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、カプラシズマブ、カプロマブペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、cc49、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、シタツズマブボガトクス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブテトラキセタン、コナツムマブ、cr6261、クレネズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダラツムマブ、デミシズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドルリモマブアリトクス、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、デュピルマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンリモマブペゴル、エノキズマブ、エノキズマブ、エノチクマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブシツキセタン、エプラツズマブ、エレヌマブ、エルリズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エボロクマブ、エキシビビルマブ、エキシビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、fbta05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、gs6624、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イゴボマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブラブタンシン、インフリキシマブ、イノリモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、インテツムマブ、イピリムマブ、イラツムマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レルデリムマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リゲリズマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロルボツズマブメルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツムマブ、マスリモマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モキセツモマブパスドトクス、ムロモナブ-cd3、ナコロマブタフェナトクス、ナミルマブ、ナプツモマブエスタフェナトクス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブメルペンタン、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オデュリモマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブモナトクス、オレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パジバキシマブ、パリビズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ピジリズマブ、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリツムマブ、PRO140、クイリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラァフィビルマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレデュマブ、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブペンデチデ、セクキヌマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブパプトクス、テフィバズマブ、テフィバズマブ、テリモマブアリトクス、テリモマブアリトクス、テナツモマブ、テナツモマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、TGN1412、チシリムマブ、チガツズマブ、チルドラキズマブ、TNX-650、トシリズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、トシツモマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレガリズマブ、トレメリムマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バパリキシマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビシリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブマフォドチン、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ、およびゾリモマブアリトクスが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】25℃における溶液粘度の変化。図1A:賦形剤(●)1000mM NMP、(Δ)340mM NMP、(○)1000mM DMA、(▼)1000mM DMSO、(□)170mMアルギニン、および(■)220mMプロリンの存在下、110mg/mL~220mg/mLの濃度範囲にわたり蛋白質濃度の関数として測定された溶液粘度。各データ点は、2つの独立した測定値の平均を示す。エラーバーは、測定値の標準偏差の2倍として表示される。図1B:210mg/mLエボロクマブにおけるNMP濃度の増加の関数として測定された溶液粘度
図2】25℃における溶液粘度の変化。賦形剤(●)130mMアルギニン、70mM NMP、(■)340mM NMP、(○)170mMアルギニン、および(▼)220mMプロリンの存在下、110mg/mL~220mg/mLの濃度範囲にわたり蛋白質濃度の関数として測定された溶液粘度。各データ点は、2つの独立した測定値の平均を示す。エラーバーは、測定値の標準偏差の2倍として表示される。
図3】異なる賦形剤の濃度の関数としてのエボロクマブ粘度。
図4】種々のmAbに対する4%NMPの効果。3つのIgG2抗体が試験され(IgG2 Ab A、IgG2 Ab B、およびIgG2 Ab C)、3つのIgG1抗体が試験された(IgG1 Ab A、IgG1 Ab B、およびIgG1 Ab C)。4%NMP(各mAbについて縞模様の棒)の添加は、6分子のうち5分子で、賦形剤を添加しなかった場合と比較して、有意に低い粘度を有することが分かった。NMPが有意な効果を示さなかった分子(対照と同じ)はIgG1 Ab Bである。これは試験した他の全ての分子には存在しなかった、IgG1 Ab BのFabグリコシル化の存在によるものであると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
高濃度治療用タンパク質製剤の粘度の低下は、製薬業界にとって興味深い。NMPは、液体製剤の粘度を低下させることが見出された。NMPを含むこのような製剤はまた、任意選択による追加の賦形剤、例えば、アルギニン、リシン、N-アセチルアルギニン(NAR)、およびそれらの混合物の存在下で粘度が低下することが見出された。本明細書においては、タンパク質製剤の粘度の低下に使用するための選択された濃度のNMPが提供される。本明細書においては、治療用タンパク質を、粘度低下性濃度のNMPと混合することによって、タンパク質製剤の粘度を低下させる方法が提供される。また、治療用タンパク質およびNMPを含む凍結乾燥粉末であって、NMPが、希釈剤で再構成する際に粘度を低下させるのに有効な重量:重量濃度で存在する凍結乾燥粉末が提供される。
【0019】
文脈で別に定められていない限り、単数の用語は複数を含み、複数の用語は単数を含む。一般に、細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、ならびに本明細書に記載のタンパク質および核酸の化学およびハイブリダイゼーションに関連して使用される命名法および技術は当該技術分野でよく知られ、かつ一般に使用されている。開示された方法および技術は一般的に、他に示さない限り、当該技術分野でよく知られる従来の方法に従って、また本明細書全体を通して引用し議論される様々な一般的およびより具体的な参考文献に記載されるように実施される。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2001)およびAusubelet al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates(1992)、およびHarlow and Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1990)を参照されたい。酵素反応および精製技術は、当該技術分野で一般に行われているように、または本明細書に記載されているように、製造業者の仕様書に従って行われる。本明細書に記載される分析化学、合成有機化学、ならびに医薬化学および薬化学に関連して使用される用語、またそれらの実験手順および実験手法は、当該技術分野でよく知られ、かつ一般に使用されているものである。化学合成、化学分析、医薬調製、製剤化および送達、ならびに患者の治療に、標準的な手法が使用され得る。記載した範囲は、その範囲の端点間の全ての値を含む。
【0020】
特定した全ての特許および他の刊行物は、例えば、記載された刊行物に関連して使用され得るそのような刊行物に記載された方法論を記載および開示する目的で、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0021】
NMP(N-メチルピロリドン)は、非経口製剤および経口製剤の両方で使用されている有機医薬賦形剤である。例えば、“Review of Pharmaceutical Applications of N-Methyl-2-Pyrrolidone.”Jouyban,A;Fakhree MAA and Shayanfar A J.Pharm.Pharmaceut.Sci.13(4)524-535を参照されたい。
【0022】
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書で互換的に使用される。本明細書に開示される安定な医薬製剤における使用が意図される例示的なポリペプチドには、抗体、ペプチド抗体(peptibody)、免疫グロブリン様タンパク質、非抗体タンパク質、および非免疫グロブリン様タンパク質が含まれる。天然に存在するタンパク質のアナログ、例えば、改変グリコシル化ポリペプチド、グリコシル化されていない(非グリコシル化)ポリペプチドは、開示の製剤に包含されるものとする。本明細書で使用される場合、「アナログ」は、当業者に知られる生物学的アッセイによる測定で、親配列の生物学的活性をなお実質的に維持しながら、親配列に対して挿入、欠失または置換を有するアミノ酸配列をいう。開示の製剤には、例えば、水溶性ポリマー(例えば、PEG化された)、放射性核種、または他の診断用もしくは標的用もしくは治療用部分を付着させるために、化学的に改変された、天然に存在するポリペプチドまたはアナログポリペプチドの誘導体もまた含まれ得る。
【0023】
抗体は、本明細書に開示される方法および組成物を用いて製剤化することができる。本明細書で使用される場合、用語「抗体」は、完全に組み立てられた抗体、モノクローナル抗体(ヒト、ヒト化またはキメラ抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、マキシボディ(maxibody)、および、抗原に結合し得る抗体フラグメント(例えば、Fab’、F’(ab)2、Fv、一本鎖抗体、二機能性抗体(diabody))を含み、所望の生物学的活性を示す限り、上記の相補性決定領域(CDR)を含む。
【0024】
少なくとも1つの抗原結合ペプチドに結合した抗体Fcドメインを含む分子であるペプチド抗体(peptibody)は、PCT公報、国際公開第00/24782号パンフレットに概ね記載されている。免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである免疫グロブリン様タンパク質は、抗体可変領域の部分に類似した構造で折り畳まれる1つ以上の免疫グロブリン様ドメインを含む。
【0025】
以下の1つ以上に結合するタンパク質を含むタンパク質は、開示される組成物および方法に有用である。これらには、CDタンパク質、例えば、以下に限定されないが、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD22、CD30、およびCD34が含まれる(受容体結合を妨害するものを含む)。HER受容体ファミリータンパク質、例えば、HER2、HER3、HER4、および、例えばF受容体。細胞接着分子、例えば、LFA-I、MoI、pl50、95、VLA-4、ICAM-I、VCAM、およびα v/β 3インテグリン。成長因子、例えば、以下に限定されないが、血管内皮増殖因子(「VEGF」)、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、成長ホルモン放出因子、副甲状腺ホルモン、ミュラー管抑制物質、ヒトマクロファージ炎症タンパク質(MIP-I-α)、エリスロポエチン(EPO)、NGF-βなどの神経成長因子、血小板由来成長因子(PDGF)、例えばaFGFおよびbFGFなどの線維芽細胞増殖因子、上皮成長因子(EGF)、形質転換成長因子、例えば、とりわけTGF-αおよびTGF-β、例えばTGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4またはTGF-β5、インスリン様成長因子Iおよびインスリン様成長因子II(IGF-IおよびIGF-II)、des(l-3)-IGF-I(脳IGF-I)、ならびに骨誘導因子。インスリンおよびインスリン関連タンパク質、例えば、以下に限定されないが、インスリン、インスリンA鎖、インスリンB鎖、プロインスリン、およびインスリン様成長因子結合タンパク質。凝固および凝固関連タンパク質(例えば、とりわけ第VIII因子、組織因子、フォン・ヴィレブランド因子、プロテインC、α-1-アンチトリプシン、プラスミノーゲン活性化因子、例えば、ウロキナーゼおよび組織プラスミノーゲン活性化因子(「t-PA」)、ボンバジン(bombazine)、トロンビン、およびトロンボポエチン;(vii)他の血液タンパク質および血清タンパク質、例えば、以下に限定されないが、アルブミン、IgEおよび血液型抗原。コロニー刺激因子およびその受容体、例えば以下のもの、とりわけ、M-CSF、GM-CSF、およびG-CSF、ならびに、それらの受容体、例えばCSF-1受容体(c-fms)。受容体、および受容体関連タンパク質、例えば、flk2/flt3受容体、肥満(OB)受容体、LDL受容体、成長ホルモン受容体、トロンボポエチン受容体(「TPO-R」、「c-mpl」)、グルカゴン受容体、インターロイキン受容体、インターフェロン受容体、T細胞受容体、c-Kitなどの幹細胞因子受容体、および本明細書中に列挙される他の受容体。受容体リガンド、例えば、OX40受容体のリガンドであるOX40L。神経栄養因子、例えば、以下に限定されないが、骨由来神経栄養因子(BDNF)、およびニューロトロフィン-3、-4、-5、または-6(NT-3、NT-4、NT-5、またはNT-6)。リラキシンA鎖、リラキシンB鎖、およびプロリラキシン;インターフェロンおよびインターフェロン受容体、例えば、インターフェロン-α、-β、および-γ、ならびにそれらの受容体。インターロイキンおよびインターロイキン受容体、例えば、以下に限定されないが、IL-1~IL-33およびIL-1~IL-33受容体、例えば、とりわけIL-8受容体。ウイルス抗原、例えば、以下に限定されないが、AIDSエンベロープウイルス抗原。リポタンパク質、カルシトニン、グルカゴン、心房性ナトリウム利尿因子、肺表面活性物質、腫瘍壊死因子-αおよび-β、エンケファリナーゼ、RANTES(活性化制御で、正常T細胞で発現および分泌される)、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、DNAse、インヒビン、およびアクチビン。インテグリン、プロテインAまたはD、リウマチ因子、免疫毒素、骨形成タンパク質(BMP)、スーパーオキシドジスムターゼ、表面膜タンパク質、崩壊促進因子(DAF)、AIDSエンベロープ、輸送タンパク質、ホーミング受容体、アドレシン、調節タンパク質、イムノアドヘシン、抗体。ミオスタチン、TALLタンパク質、例えば、TALL-I、アミロイドタンパク質、例えば、以下に限定されないが、アミロイドβタンパク質、胸腺間質性リンパ球新生因子(「TSLP」)、RANKリガンド(「OPGL」)、c-キット、TNF受容体、例えば、TNF受容体1型、TRAIL-R2、アンジオポエチン、ならびに前述のいずれかの生物学的に活性なフラグメントまたはアナログまたはバリアント。
【0026】
例示的なタンパク質および抗体には、Activase(登録商標)(アルテプラーゼ);アリロクマブ(H1H316Pと名付けられた抗PCSK9モノクローナル抗体、米国特許第8,062,640号明細書を参照);Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、またはエリスロポエチン);Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-Ia);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ);Βseron(登録商標)(インターフェロンβ);ボコシズマブ(L1L3と名付けられた抗PCSK9モノクローナル抗体、米国特許第8,080,243号明細書);Campath(登録商標)(アレムツズマブ);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ);エボロクマブ(21B12と名付けられた抗PCSK9モノクローナル抗体、米国特許第8,030,467号明細書を参照;重鎖:配列番号104;軽鎖:配列番号105);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ);Humatrope(登録商標)(ソマトロピン[rDNA起源]注射用);Humira(登録商標)(アダリムマブ);Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルグラモスチム);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ);BenlystaTM(ベリムマブ);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ);Myiotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル);SolirisTM(エクリズマブ);パキセリズマブ(抗C5補体);MEDI-524(Numax(登録商標));Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);エドレコロマブ(、Panorex(登録商標));Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-I);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビシリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DMl);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンβ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン);Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、ペグG-CSF、ペグhu-Met-G-CSF);Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3)、Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)、Reopro(登録商標)(アブシキマブ)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ)、Tarceva(登録商標)(エルロチニブ)、Roferon-A(登録商標)-(インターフェロンアルファ-2a)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)、StelaraTM(ウステキヌマブ)、Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ)、Synagis(登録商標)(パリビズマブ);146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌(B.anthracis)防御抗原mAb);ABthraxTM;Vectibix(登録商標)(パニツムマブ);Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-I Trap(ヒトIgGlのFc領域および両IL-I受容体成分(I型受容体および受容体アクセサリータンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF Trap(IgGlFcに融合したVEGFRlのIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(エゼチミブ)、アタシセプト(TACI-Ig)、抗α4β7 mAb(ベドリズマブ);ガリキシマブ(抗CD80モノクローナル抗体)、抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFFアンタゴニスト);SimponiTM(ゴリムマブ);マパツズマブ(ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);オクレリズマブ(抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4mAbおよびVEGFR-I(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)毒素Aおよび毒素B C mAb MDX-066(CDA-I)およびMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38複合体(CAT-3888およびCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);アデカツムマブ(MT201、抗EpCAM-CD326 mAb);MDX-060、SGN-30、SGN-35(抗CD30 mAb);MDX-1333(抗IFNAR);HuMax CD38(抗CD38 mAb);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第I相Fibrogen(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシンl mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMaxHepC);MEDI-545、MDX-1103(抗IFNα mAb);抗IGFIR mAb;抗IGF-IR mAb(HuMax-Inflam);抗IL12/IL23p40 mAb(ブリアキヌマブ);抗IL-23p19 mAb(LY2525623);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL-17mAb(AIN457);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-Ol8、CNTO95);抗IPIO潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);抗LLY抗体;BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38複合体(CAT-5001);抗PDl mAb(MDX-1 106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAbf(GC-1008);抗TRAIL受容体2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/Flt-1 mAb;抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3);NVS抗体#1;およびNVS抗体#2が含まれる。
【0027】
方法および医薬製剤の好適な抗体の例には、表Aに示す抗体が含まれる。好適な抗体の他の例には、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブペゴル、ald518、アレムツズマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、アチヌマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトクス、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、アトロリムマブ、バピヌズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビバツズマブ、ビバツズマブメルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カンツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、カプラシズマブ、カプロマブペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、cc49、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、シタツズマブボガトクス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブテトラキセタン、コナツムマブ、cr6261、クレネズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダラツムマブ、デミシズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドルリモマブアリトクス、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、デュピルマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンリモマブペゴル、エノキズマブ、エノキズマブ、エノチクマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブシツキセタン、エプラツズマブ、エレヌマブ、エルリズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エボロクマブ、エキシビビルマブ、エキシビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、fbta05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、gs6624、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イゴボマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブラブタンシン、インフリキシマブ、イノリモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、インテツムマブ、イピリムマブ、イラツムマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レルデリムマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リゲリズマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロルボツズマブメルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツムマブ、マスリモマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モキセツモマブパスドトクス、ムロモナブ-cd3、ナコロマブタフェナトクス、ナミルマブ、ナプツモマブエスタフェナトクス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブメルペンタン、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オデュリモマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブモナトクス、オレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パジバキシマブ、パリビズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ピジリズマブ、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリツムマブ、PRO140、クイリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラァフィビルマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレデュマブ、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブペンデチデ、セクキヌマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブパプトクス、テフィバズマブ、テフィバズマブ、テリモマブアリトクス、テリモマブアリトクス、テナツモマブ、テナツモマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、TGN1412、チシリムマブ、チガツズマブ、チルドラキズマブ、TNX-650、トシリズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、トシツモマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレガリズマブ、トレメリムマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バパリキシマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビシリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブマフォドチン、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ、およびゾリモマブアリトクスが含まれる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
「高タンパク質製剤」、「高タンパク質医薬製剤」などは、約100mg/mL以上、例えば100mg/mL~約1,000mg/mLのタンパク質濃度を有する製剤を意味する。製剤中の例示的なタンパク質濃度は、約100mg/mL~約300mg/mL、約120mg/mL~約270mg/mL、約140mg/mL~約255mg/mL、約140mg/mL~約240mg/mL、または約180mg/mL~約230mg/mL、あるいは約190mg/mL~約220mg/mLの範囲であり得る。タンパク質の濃度は医薬製剤の最終用途によって変わり、当業者によって容易に決定することができる。特に考えられるタンパク質濃度は、少なくとも約140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、および230mg/mLであり、それらの間の全ての値を含む。
【0031】
本明細書で使用される場合、「医薬製剤」は、それを必要とする患者への非経口投与(静脈内、筋肉内、皮下、噴霧、肺内、鼻腔内、または髄腔内を含むが、これらに限定されない)に好適な、生物学的に活性なタンパク質などの薬学的に活性な薬物の無菌組成物であり、連邦医薬局または他の外国当局によって安全とみなされる薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、およびその他の添加剤のみを含む。医薬製剤には、直接投与することができる液体、例えば水性の溶液、および投与前に希釈剤を添加することによって溶液に再構成し得る凍結乾燥粉末が含まれる。「医薬製剤」という用語の範囲から特に除外されるのは、患者に局所投与するための組成物、経口摂取のための組成物、および非経口栄養のための組成物である。
【0032】
本明細書で使用する「貯蔵寿命」は、医薬製剤を特定の保存条件、例えば、2~8℃で保存した場合に、医薬製剤中の治療用タンパク質などの有効成分が最小限の分解(例えば、約2~3%以下の分解)を示す保存期間を意味する。分解を評価する手法は、医薬製剤中のタンパク質の特性に応じて変化する。例示的な手法には、例えば凝集を検出するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)-HPLC、例えば、タンパク質断片化を検出する逆相(RP)-HPLC、例えばタンパク質の電荷の変化を検出するイオン交換-HPLC、質量分析法、蛍光分光法、円偏光二色性(CD)分光法、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)、およびタンパク質立体構造変化を検出するラマン分光法が含まれる。これらの手法は全て、医薬製剤中のタンパク質の分解を評価し、その製剤の貯蔵寿命を決定するために、単独でまたは組み合わせて使用することができる。医薬製剤は、2~8℃で保存した場合、2年間にわたって分解(例えば、断片化、凝集またはアンフォールディング)の増加が約2~約3%を超えないことが好ましい。
【0033】
本明細書で使用される場合、生物学的に活性なタンパク質の「安定な」製剤は、2~8℃で少なくとも2年間保存した際の凝集の減少および/または生物学的活性の損失の減少が、対照製剤サンプルと比較して、少なくとも5%であるか、あるいは熱ストレスの条件下、例えば52℃で、7~8日間、凝集の減少および/または生物学的活性の損失の減少を示す製剤である。
【0034】
本明細書で使用される場合、「粘度」は流体の流れに対する抵抗であり、所与の剪断速度で、センチポアズ(cP)またはミリパスカル-秒(mPa-s)の単位で測定することができ、ここで、1cP=1mPa-sである。粘度は、粘度計、例えば、Brookfield Engineering Dial Reading 粘度計、LVT型(AMETEK Brookfield、Middleboro、MA)を用いて測定することができる。粘度は任意の他の方法および当該分野で知られている任意の他の単位(例えば、絶対粘度、動粘度または動的粘度)を用いて測定され得、これは、重要な賦形剤の使用によって提供される粘度の減少パーセントであることを理解する。粘度の測定に使用される方法にかかわらず、賦形剤製剤対対照製剤の粘度の減少パーセントは、所与の剪断速度でほぼ同じである。
【0035】
本明細書で使用される場合、「粘度を低下させる」のに有効な賦形剤の量(または、このような賦形剤の「粘度低下性」量もしくは濃度)を含有する製剤は、投与のためのその最終形態での製剤の粘度(溶液の場合、または粉末の場合、意図される量の希釈剤による再構成時)が、適切な対照製剤、例えば本明細書中で例示される対照製剤の粘度よりも少なくとも5%低いことを意味する。賦形剤を含まない対照製剤も使用され得るが、そのような製剤は、例えば、低張性のために治療製剤として実施できない場合があるので、常に最適な対照製剤であるとは限らない。
【0036】
同様に、「粘度低下」製剤は、対照製剤と比較して粘度低下を示す製剤である。
【0037】
「高粘度」は、例えば、製造もしくは包装、および/または対象への医薬製剤の投与などの取り扱いが困難な医薬製剤の粘度を表す(これは、機器によって変わり得、例えば、いくつかの機器は8cP以下の粘度を有する製剤を送達すると評価され、したがって、8cPを超える粘度はその特定の用途に対して高粘度であるとみなされるが、他の機器には50cP以下の粘度を有する製剤を送達すると評価され得るものもある)。一般に、医薬製剤は、少なくとも約10cP、例えば、cP単位で、少なくとも約10、11、12、14、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100またはそれ以上の粘度を有する。
【0038】
タンパク質治療剤はしばしば高用量で与えられる必要があるが、注射のためにはより少ない容量が必要とされることが多く、これはタンパク質治療剤濃度が増加することになるので、溶液粘度の増加をもたらし得る。大用量の治療用タンパク質を少量の液体で投与する場合(注射のためなど)、そのような高タンパク質濃度で一般に見られる粘度の増加を示さない高濃度のタンパク質を有する製剤を提供することが非常に望ましい。
【0039】
高粘度製剤は、バルク段階および充填段階などの製造中の取り扱いが困難である。高粘度製剤はまた、注射器に吸引して注射することが困難であり、より低いゲージの針の使用を必要とすることが多いが、これは患者にとって不快であり得る。生物学的に活性なタンパク質の溶液へのNMPの添加は、意外にも高濃度タンパク質溶液の粘度を低下させた。
【0040】
「N-アセチルアルギニン」(NAR)は式1の分子を意味する。
【化1】
【0041】
NMPの使用は、付随する粘度の増加なしに、製剤において、より高い濃度の治療用タンパク質の使用を可能にする。したがって、本明細書では、粘度を低下させるのに有効な量でNMPを添加することによってタンパク質製剤の粘度を安定化または低下させる方法が提供される。本明細書ではまた、有効量または有効濃度のNMPを含有する治療用タンパク質、例えば抗体の、粘度低下製剤が提供される。また本明細書では、粘度を低下させる好適なまたは最適な濃度を特定するために、それぞれ異なる濃度のNMPを含有する、1つ以上の製剤をスクリーニングする方法が提供される。さらに、本明細書に記載の粘度低下溶液製剤から凍結乾燥粉末を調製する方法、および無菌希釈剤を添加することによって本明細書に記載の凍結乾燥粉末を再構成する方法が提供される。これらの態様のいずれにおいても、アルギニン、リシン、NAR、およびそれらの混合物などの追加の賦形剤を含むことができる。
【0042】
したがって、本明細書では、生物学的に活性なポリペプチドおよび粘度低下性濃度のNMPを含有する医薬製剤が提供される。さらに、そのような医薬製剤は、アルギニン、リシン、NAR、およびそれらの混合物などの追加の賦形剤をさらに含むことができる。粘度の低下は、対照製剤に対して少なくとも約5%、例えば少なくとも約5%~90%である。一実施形態では、粘度の低下は約10~80%の範囲である。他の例示的な実施形態では、粘度の低下は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、または少なくとも85%である。
【0043】
製剤は任意選択により、薬学的に許容される塩、緩衝液、界面活性剤、他の賦形剤、担体、希釈剤、および/または他の製剤化剤を含むことができる。
【0044】
例示的な薬学的に許容される緩衝液には、酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウム)、コハク酸塩(例えば、コハク酸ナトリウム)、グルタミン酸、グルタミン酸塩、グルコン酸塩または他の有機酸緩衝液が含まれる。例示的な緩衝液濃度は、例えば、緩衝液および製剤の所望の張性(例えば、等張性、高張性または低張性)に応じて、約1mM~約100mM、または約5mM~約50mMであり得る。例示的なpHは、約4.0~約6.0、または約4.8~約5.5、または約5.0、または約4.5超、約4.8超、または約5.0超、または約5.5超を含む。
【0045】
好適な希釈剤、他の賦形剤、または担体、および他の薬剤には、酸化防止剤、着色剤、香味剤および希釈剤、乳化剤、懸濁剤、溶媒、充填剤、増量剤、緩衝液、ビヒクル、希釈剤ならびに/または医薬アジュバントが含まれるが、これらに限定されない。例えば、好適なビヒクルは、生理食塩水、クエン酸緩衝生理食塩水、または人工CSFであり得、非経口投与用組成物において一般的な他の材料を補充することができる。中性緩衝生理食塩水または血清アルブミンを混合した生理食塩水もまた例示的なビヒクルである。当業者は、本明細書中に開示される組成物および剤形において使用し得る種々の緩衝液を容易に認識する。典型的な緩衝液には、薬学的に許容される弱酸、弱塩基、またはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。例示的な緩衝液成分は、リン酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはそれらの塩などの水溶性材料である。例示的な塩には、約50~200mM、または100~200mM、または約100mM、または約150mMなどの例示的な濃度の、無機酸および有機酸、または金属もしくはアミンなどの塩基が含まれる。
【0046】
他の賦形剤または安定剤にはまた、例えば、糖類(例えば、スクロース、グルコース、トレハロース、フルクトース、キシロース、マンニトース、フコース)、ポリオール(例えば、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、グリコール、イノシトール)、アミノ酸もしくはアミノ酸誘導体(例えば、アルギニン、プロリン、ヒスチジンなど)、または界面活性剤(例えば、ポリソルベート20もしくはポリソルベート80などのポリソルベート、またはポロキサマー188もしくはPLURONIC(登録商標)F-68などのポロキサマー、またはレシチン、または硫酸プロタミン)が含まれ得る。界面活性剤の例示的な濃度は、少なくとも約0.001%、例えば、約0.001%~約1.0%、または約0.002%~約1.0%、または約0.05~0.2%の範囲であり得る。また、ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール、クロロブタノールまたはベンゼトニウムClなどの保存剤を、例えば、約0.1%~約2%、または約0.5%~約1%の範囲の濃度で含めることもできる。
【0047】
製剤の所望の特性に悪影響を及ぼさない限り、1種以上の他の薬学的に許容される担体、賦形剤または安定化剤、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,21st edition、Osol,A.Ed.(2005)に記載されているものなどを製剤に含めることができる。
【0048】
製剤中の、抗体などの治療用タンパク質の濃度は、医薬製剤の最終用途によって変わり、当業者によって容易に決定することができる。
【0049】
アンタゴニストである治療用タンパク質は、多くの場合、アゴニストであるものよりも高い濃度で投与される。特に考えられる高濃度の治療用タンパク質(ペグ化のような化学修飾の重量を考慮しない)、例えば抗体は、少なくとも約100、少なくとも約110、少なくとも約120、少なくとも約130、少なくとも約140、少なくとも約150、少なくとも約175、少なくとも約180、少なくとも約185、少なくとも約190、少なくとも約195、少なくとも約200、少なくとも約210、少なくとも約220、少なくとも約230、少なくとも約240、少なくとも約250、もしくは少なくとも約300mg/mLで、かつ/または約200、約210、約220、約230、約240、もしくは約250mg/mL未満である。製剤中の抗体などの治療用タンパク質の例示的な高濃度は、少なくとも約100mg/mL~約1000mg/mLの範囲であり得る。さらに、製剤中の抗体などの治療用タンパク質の高濃度は、少なくとも約100mg/mL~約300mg/mLの範囲であり得る。他のタンパク質濃度(PEG化のような化学修飾の重量を考慮しない)はまた、例えば、少なくとも約1、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、または少なくとも約70mg/mLも考えられる。本明細書では、治療用タンパク質の濃度が、少なくとも6、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約12、少なくとも約14、少なくとも約16、少なくとも約18、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35cPまたはそれ以上の粘度をもたらし、NMPの含有が、約5%またはそれ以上の粘度の低下をもたらす製剤および方法を開示する。例えば、約20cPの粘度を有する溶液は、標準的な27ゲージ針で注射することが困難であり得る。本明細書における治療用タンパク質のmg/mL濃度、治療用タンパク質の重量(mg)、または治療用タンパク質の分子量(kD)への全ての言及は、非タンパク質性修飾を除く、治療用タンパク質のタンパク質部分のそれぞれの重量を意味する。
【0050】
本明細書では、治療用タンパク質と粘度低下性量のNMPとを混合することによって、治療用タンパク質の液体医薬製剤の粘度を低下させ、かつ/または安定性を改善する方法が開示される。
【0051】
例示的な実施形態では、治療用タンパク質は上記のように高いタンパク質濃度である。いくつかの実施形態では、粘度の低下は、対照製剤と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、または少なくとも約85%である。
【0052】
別の態様では、治療用タンパク質およびNMPを含む液体溶液が本明細書において提供され、その製剤は対照製剤と比較して粘度の低下を示す。例示的な実施形態では、治療用タンパク質は上記のように高いタンパク質濃度である。いくつかの実施形態では、NMPは、粘度低下性(重量:体積)濃度で存在する。NMPは、その溶解限度までの濃度で使用することができる。そのような溶液は、粘度を有意に増加させることなく、安定性をさらに高め、凝集を減少させ、かつ/または製剤を等張にするのに有効な量で、糖または他のポリオール、例えば、スクロースまたはソルビトールをさらに含むことができる。
【0053】
例示的な実施形態では、NMPの濃度は、少なくとも約50mM~約700mM、または少なくとも約100mM~約450mM、または少なくとも約300mM~約425mMである。例示的な実施形態では、NMPの濃度は、少なくとも約50、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、または少なくとも約425mMである。他の例示的な実施形態は、粘度を有意に増加させることなく、製剤を等張にするのに有効な賦形剤の濃度を含む。例示的な濃度は、少なくとも約100mM以上の濃度を含み、さらなる実施形態では、量は少なくとも約300mM以上であり、なおさらなる実施形態では、量は少なくとも約425mM以上である。
【0054】
さらに、NMPおよびNARがいずれも存在する例示的な実施形態では、NMPの濃度は、少なくとも約50mM~約700mM、または少なくとも約100mM~約450mM、または少なくとも約300mM~約425mMである。NARの濃度は、少なくとも約90~200mM、または少なくとも約100~190mM、または少なくとも約110~180nM、または少なくとも約120~170mM、または少なくとも約130~160mM、または少なくとも約140~150mM、例えば155mMである。例示的な実施形態では、NMPの濃度は、少なくとも約50、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、または少なくとも約425mMである。例示的な実施形態では、NARの濃度は、少なくとも約90mM、または少なくとも100mM、または少なくとも110mM、または少なくとも約120mM、または少なくとも約130mM、または少なくとも約140mM、または少なくとも約150mM、または少なくとも約155mM、または少なくとも約160mM、または少なくとも約170mM、または少なくとも約180mM、または少なくとも約190mM、または少なくとも約200mMである。他の例示的な実施形態は、粘度を有意に増加させることなく、製剤を等張にするのに有効な賦形剤の濃度を含む。例示的な濃度は、少なくとも約100mM以上の濃度を含み、さらなる実施形態では、量は少なくとも約300mM以上であり、なおさらなる実施形態では、量は少なくとも約425mM以上である。
【0055】
例示的な実施形態では、NMPは、少なくとも約50mM、例えば、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約250mM、約275mM、約300mM、約325mM、約350mM、約375mM、約400mM、約425mM、約450mM、約475mM、約500mM、約525mM、約550mM、約575mM、約600mM、約625mM、約650mM、約675mM、または約700mMの濃度で存在する。NMPの好ましい範囲には、50mM~600mM、50mM~150mM、50mM~200mM、および370~600mMが含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
例示的な実施形態では、賦形剤はNMPおよびNARの両方であり、NMPは、少なくとも約50mM、例えば、50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約250mM、約275mM、約300mM、約325mM、約350mM、約375mM、約400mM、約425mM、約450mM、約475mM、約500mM、約525mM、約550mM、約575mM、約600mM、約625mM、約650mM、約675mM、または約700mMの濃度で存在する。そのような実施形態では、NARの濃度は、少なくとも約90mM、例えば、約90mM、約100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、約150mM、約155mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、または約200mMである。1つの例示的な実施形態では、NMPの濃度は100mMであり、NARは155mMである。
【0057】
別の態様では、治療用タンパク質NMPを含む凍結乾燥タンパク質製剤が本明細書において提供され、その製剤は、推奨される量の希釈剤で再構成すると、対照製剤と比較して粘度の低下を示す。例示的な実施形態では、治療用タンパク質は上記のように高いタンパク質濃度である。いくつかの実施形態において、NMPは、希釈剤による再構成時に粘度を低下させるのに有効な量(重量:重量濃度)で存在する。そのような製剤は、粘度を有意に増加させることなく、安定性をさらに高め、凝集を減少させ、かつ/または製剤を等張にするのに有効な量で、糖または他のポリオール、例えば、スクロースまたはソルビトールをさらに含むことができる。
【0058】
これらの製剤の例示的な実施形態では、NMPの濃度は少なくとも約1μg/mg治療用タンパク質、最大約1.0mg/mg治療用タンパク質である。いくつかの実施形態では、NMPの濃度は少なくとも約1、10、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500または550μg/mg治療用タンパク質である。他の例示的な実施形態では、NMPの濃度は最大約600、650、700、750、800、850、900、950または1000μg/mg治療用タンパク質である。
【0059】
本明細書では、抗体またはそのフラグメントを約100mg/mL~約1000mg/mL、例えば、約100mg/L~約300mg/mL(例えば、約100mg/mL、約110mg/mL、約120mg/mL、約130mg/mL、約140mg/mL、約150mg/mL、約160mg/mL、約170mg/mL、約180mg/mL、約190mg/mL、約200mg/mL、約210mg/mL、約220mg/mL、約230mg/mL、約240mg/mL、約250mg/mL、約260mg/mL、約270mg/mL、約280mg/mL、約290mg/mL、約300mg/mL)の濃度で含む液体医薬製剤を安定化する方法が提供される。例示的な態様では、液体医薬製剤は、N-メチルピロリドンを含み、方法は、粘度低下液体医薬製剤を、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチン、および硫酸プロタミンからなる群から選択される安定剤と混合する工程を含む。例示的な態様では、液体医薬製剤は、N-メチルピロリドンおよびN-アセチルアルギニンを含む賦形剤の組み合わせを含み、方法は、粘度低下液体医薬製剤を、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチン、および硫酸プロタミンからなる群から選択される安定剤と混合する工程を含む。したがって、本明細書では、少なくとも140mg/mLの濃度の抗体またはそのフラグメントとN-メチルピロリドンとを含む液体医薬製剤を安定化する方法を提供する。例示的な態様では、方法は、粘度低下液体医薬製剤を、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチン、および硫酸プロタミンからなる群から選択される安定剤と混合する工程を含む。また、本明細書では、少なくとも140mg/mLの濃度の抗体またはそのフラグメントと、N-メチルピロリドンおよびN-アセチルアルギニンを含む賦形剤の組み合わせとを含む液体医薬製剤を安定化する方法を提供する。例示的な態様では、方法は、粘度低下液体医薬製剤を、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチン、および硫酸プロタミンからなる群から選択される安定剤と混合する工程を含む。
【0060】
本明細書で使用される用語「安定剤」は、医薬製剤がエンドユーザーによって消費されるまで製品(例えば、治療用タンパク質)の望ましい特性を維持するのを助ける薬剤を指す。例示的な態様では、安定剤は、タンパク質凝集体形成および/またはタンパク質分解産物の抑制を助ける。例示的な態様では、安定剤は、製剤が所望の温度で所望の時間の貯蔵寿命を示すことを可能にする薬剤である。例示的な態様では、安定剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチン、および硫酸プロタミンから選択される。
【0061】
例示的な態様では、方法は、所与の温度、例えば、凍結温度、冷蔵温度、室温で、所与の期間、保存した後も、安定性に変化が認められないか、またはほとんど認められないように、液体医薬製剤を安定化する。例示的な態様では、方法は、約-50℃~約30℃の温度、任意選択により、約-30℃、2℃~約8℃、または約25℃で、所与の期間、保存した後も、安定性に変化が認められないか、またはほとんど認められないように、液体医薬製剤を安定化する。例示的な態様では、方法は、上記の温度の1つで、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、または少なくとも約6ヶ月、保存した後も、安定性に変化が認められないか、またはほとんど認められないように、液体医薬製剤を安定化する。例示的な例では、方法は、上記の温度の1つで、約6カ月超の期間、例えば、約7ヶ月以上、約8ヶ月以上、約9ヶ月以上、約10ヶ月以上、約11ヶ月以上、約12ヶ月以上、保存した後も、安定性に変化が認められないか、またはほとんど認められないように、液体医薬製剤を安定化する。例示的な例では、方法は、上記の温度の1つで、少なくとも1年の期間、保存した後も、安定性に変化が認められないか、またはほとんど認められないように、液体医薬製剤を安定化する。例示的な態様では、方法は、1つ以上のストレス条件、例えば、高温条件、輸送条件(例えば、間欠周期の撹拌)、剪断応力、凍結融解条件などに耐えるように液体医薬製剤を安定化する。ストレス条件は、本明細書中、例えば実施例3に記載されている。
【0062】
安定性は、ある範囲の温度(熱安定性)および/または期間(貯蔵寿命)にわたる立体構造の変化、ならびに/あるいはストレスの多い取り扱い状況(例えば、物理的振盪)に曝露した後の立体構造の変化をモニターすることを含む多くの方法で評価することができる。様々な濃度の製剤成分を含有する製剤の安定性は、様々な方法を用いて測定することができる。例えば、タンパク質の凝集量は濁度の目視による観察によって、特定の波長での吸光度を測定することによって、サイズ排除クロマトグラフィー(タンパク質の凝集物はその天然の活性状態のタンパク質と比較して異なる画分で溶出する)、HPLC、または他のクロマトグラフィー法によって測定することができる。示差走査熱量測定法(DSC)を用いて、例えば変性温度を測定する、または、タンパク質のモル楕円率を測定する円偏光二色性(CD)を使用することを含む、立体構造の変化を測定する他の方法を用いることができる。蛍光を用いて組成物を分析することもできる。蛍光は、光または熱の形態でのエネルギーの放出または吸収、および光の極性特性の変化を包含する。蛍光発光は、タンパク質に固有のものであっても、蛍光レポーター分子によるものであってもよい。例えば、8-アニリノナフタレン-1-スルホン酸ANSは、部分的に折り畳まれていないタンパク質の疎水性ポケットに結合する蛍光プローブである。折り畳まれていないタンパク質の濃度が増加するにつれて、疎水性ポケットの数が増加し、続いて、結合し得るANSの濃度が増加する。このANS結合の増加は、タンパク質試料の蛍光シグナルを検出することによってモニターすることができる。安定性を測定する他の手段を使用することができ、それらは当業者にはよく知られている。
【0063】
例示的な態様では、本明細書で提供される方法を実施すると、上記のような時間および/または温度および/またはストレス条件下での保存によるタンパク質の分解量またはタンパク質の凝集量の保存前の量に対する変化が約15%以下、約10%以下、または約5%以下となるように、液体医薬製剤は安定する。
【0064】
さらに別の実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの量または濃度でNMPを賦形剤として使用することによって、液体製剤中のタンパク質の自己会合を防止する方法が本明細書において提供される。さらに、そのようなNMP含有液体製剤は、アルギニン、リシン、NAR、およびそれらの混合物をさらに含むことができる。改善された安定性(例えば、凝集の減少)および貯蔵寿命を有する製剤もまた提供される。
【0065】
また、本明細書で提供されるような液体タンパク質製剤、およびその投与のための説明書を、任意選択による容器、注射器および/または他の投与機器とともに含むキットも本明細書において提供される。さらに、任意選択で容器中の、本明細書で提供されるような凍結乾燥タンパク質製剤、およびその再構成および投与のための説明書を、任意選択による無菌希釈剤の入ったバイアルとともに、また、任意選択による注射器または他の投与機器とともに含むキットも本明細書において提供される。例示的な容器には、バイアル、チューブ、ボトル、単室または多室の予め充填されたシリンジ、またはカートリッジが含まれる。例示的な投与機器には、注射器(針付き、または針なし)、注入ポンプ、ジェット注射器、ペンデバイス、皮内注射器、もしくは他の無針注射器、または鼻もしくは肺送達のためのエアロゾル化デバイスが含まれる。
【0066】
別の態様では、以下の工程を含む、NMPの粘度低下性濃度をスクリーニングする方法が提供される:(1)第1の濃度のNMP、および治療用タンパク質、例えば抗体を含む第1の溶液の粘度を評価する工程、(2)異なる第2の濃度のNMP、および治療用タンパク質を含む第2の溶液の粘度を評価する工程、ならびに(3)第1の溶液の粘度がより低いなら、第1の濃度のNMPが第2の濃度のNMPより粘度低下性が高いと決定する工程。粘度は、例えば、Aries ARG2レオメーターまたはBrookfield RV-DVIIIレオメーター(循環温度槽で25℃で安定化させる)を用いて決定することができる。500マイクロリットルの試料をピペットでレオメーターに入れ、rpmを10~80%の間のトルク百分率値に調節する。試料をその範囲で安定化させ、データ点を収集する。
【0067】
NMPの凝集減少性濃度または安定化濃度をスクリーニングする同様の方法が提供される。
【0068】
以下の実施例は特許請求の主題の理解を助けるためのものであり、特許請求の主題の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。開示全体を通しての全ての引用は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【実施例
【0069】
実施例1:材料および方法
材料
エボロクマブ(IgG2)濃度は120から225mg/mLまで変動した。蛋白質濃度は、エボロクマブの吸光係数1.48M-1cmを用いて280nmの吸光度により測定した。エボロクマブ製剤原料を、10mM酢酸塩、pH5.2、220mMプロリン、0.08%ポリソルベート80で製剤化した。
【0070】
アミノ酸は試薬グレードであり、Sigma Aldrich(St.Louis、MO)から購入した。β-メルカプトエタノール(β-ME)、N-エチルマレイミド(NEM)、ジチオトレイトール(DTT)、ヨードアセトアミド(IAA)、塩化カルシウムおよび酢酸ナトリウムは、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から入手した。GMP N-メチルピロリドンは、Ashland(Covington、KY)から入手した。氷酢酸、アセトニトリル、トリフルオロ酢酸および塩酸は、JT Baker(Center Valley、PA)から入手した。ドデシル硫酸ナトリウム分子量(SDS-MW)分析キットは、Beckman Coulter(Brea、CA)から入手した。シークエンシンググレードのトリプシンは、Promega(Madison、WI)から購入し、-20℃で保存した。
【0071】
HYPAK SCFTM滅菌2.25mL注射器および栓は、(Becton Dickinson and Company(BD;Franklin Lakes、NJ)から得た。
【0072】
安定性試料の調製および限外濾過(UF)/ダイアフィルトレーション(DF)方法論
製剤原料を、Millipore PELLICON(登録商標)XLフィルター、50cmサイズ(再生セルロース、30,000分子量カットオフ)メンブレン(EMD Millipore、Billerica、MA)を使用するベンチスケールのMillipore TFF UF/DFシステムを用いて製剤緩衝液に緩衝液交換した。ダイアフィルトレーション工程は、少なくとも8容量のダイアフィルトレーション緩衝液が交換されるまで行った。ダイアフィルトレーション工程が完了した時点で、UF/DFシステムを限外濾過モードに切り替え、各製剤を目標濃度レベルに濃縮した。
【0073】
製剤を10mM酢酸塩、pH5.0で緩衝化した。NMPは本研究で使用した主な賦形剤であり、その濃度は70~900mMで変化した。透析後、ポリソルベート80またはPLURONIC(登録商標)F-68を、スクリーニングで示されたように製剤に添加した。エボルクマブ安定性試料を、-30℃、4℃、25℃および37℃の制御温度でインキュベートした。インキュベーション時間は実験間で変化した。
【0074】
凍結融解サイクル
UF DFタンパク質調製直後に大規模凍結融解を行った。凍結融解は、250mLのポリプロピレン容器中で行った。タンパク質容量は、125~200mLの間で変化した。各24時間の凍結サイクルの後、室温で融解した。3サイクルを実施した後、3ccバイアルに材料を充填した。
【0075】
粘度
粘度は、m-VROCTMレオメーター(San Ramon、CA)を用い、25℃の循環水浴で測定した。500μLのガラス製注射器に約450μLの試料を装填し、1000/sの剪断速度で押出すために所定の位置に固定した。粘度の読み取りはRheoSenseソフトウエア(RhoeSense、San Ramon、CA)で生成された。測定値はセンチポアズで示され、3つの独立した読み取りから生じる3回の真の反復読み取りの平均である。
【0076】
CP50-1コーン/プレート測定システムを備えたMCR300レオメーター(Anton PAAR、Ashland、VA)で、1~1000/sの範囲にわたって確認的読み取りを行った。約0.6mLの試料を下側測定プレートに載せ、25℃で熱平衡にした。溶媒の蒸発を防ぐために溶媒トラップを使用した。700s-1から1000s-1までの値を平均し、この範囲における剪断速度に比較的依存しない粘性により測定された各試料について報告した。
【0077】
2つのレオメーターが同等のデータセットを生成したことが分かった。この発見は、他者によって以前に報告されている。使用の容易さ、および必要容量の少なさのために、ほとんどのデータは、m-VROCTMレオメーターを用いて生成した。
【0078】
濃度
Varian CARY(登録商標)50 Bio UV/可視分光計(Varian Inc.,Palo Alto,CA)をインターフェイスを介して接続したSoloVPE装置(C Technologies Inc.,Bridgewater、NY)によりタンパク質の濃度を測定するために、各試料のアリコート40μLを使用した。高いタンパク質濃度の試料でも直接測定することができるこの機器による方法では、試料の希釈は必要ではなかった。測定値は、mg/mL単位で示す。
【0079】
サイズ排除HPLC(SE-HPLC)
G3000SWxlカラム、7.8mmID×30cm、5μm粒子および250Å孔カラム(Tosoh Corp、Grove City、OH)を用いてエボロクマブ分析を行った。100mMリン酸ナトリウム、250mM NaCl、pH6.9による定組成溶離を、流量0.5mL/minで37分間行った。オートサンプラー温度を4℃に設定した。カラム温度は25℃に維持した。タンパク質の溶出を280nmでモニターし、約16分の保持時間で行った。
【0080】
還元および非還元CE-SDS
ドデシル硫酸ナトリウムを用いた還元型キャピラリー電気泳動(rCE-SDS)を、0.5%β-MEを含む0.5%SDS、50mMトリス、pH9.0緩衝液中、試料を70℃で10分間インキュベートすることにより行った。インキュベーション後、試料を10,000rpmで2分間遠心分離し、電気的注入法により20cmの有効長および50μmの内径を有する30cmの溶融裸シリカキャピラリーに注入した。CE-SDSゲル(Beckman Coulter、Brea、CA)および15kVの実効電圧を用いて分離を行った。検出は220nmのUV吸光度により行った。
【0081】
非還元性溶液は、100μLの140mM NEMを、10-60mMリン酸ナトリウム、2%SDS、pH6.5からなる1,900μLの非還元性試料緩衝液と混合することによって調製した。試薬の割合を一定に保つことによって、大容量の非還元性試料緩衝液を生成した。インキュベーションは、60℃で5分間に設定した。インキュベーション後の試料における最終濃度は、タンパク質1.0mg/mL、NEM4.7mM、およびSDS1.3%であった。
【0082】
CEX
ProPacTMWCX-10、4×250mm(Thermo Scientific、Waltham、MA)を用いてエボロクマブ分析を行った。流量0.5mL/minで試料の溶出を行った。オートサンプラー温度を4℃に設定した。カラム温度は30℃に維持した。移動相Aは20mM MES、pH6.0±0.05で構成し、移動相Bは20mM MES、0.5M NaCl、pH6.0±0.05で構成した。試料を0%移動相Bで予め平衡化したカラムに装填し、0~30%のランプを20分間かけて行い、続いて100%移動相Bで8分間の洗浄工程を行い、8分間でカラムを初期状態に再平衡化した。タンパク質の溶出を280nmでモニターし、約23分の保持時間で行った。
【0083】
トリプシンマッピング
還元、アルキル化およびトリプシン消化:
約1mgのエボロクマブを、6MグアニジンHCl、0.25Mトリス-HCl、1mM EDTA、pH7.5で変性させた。20マイクロリットルの0.5Mジチオトレイトール(DTT)を溶液に加え、反応混合物を37℃に40分間置いた。試料を室温まで冷却した後、24μlの0.5Mヨードアセトアミド(IAA)を添加し、試料を室温で暗所において30分間インキュベートした。アルキル化反応を終結させるために、10マイクロリットルの0.5M DTTを試料に添加した。10mLの50mMトリス、1mM CaCl、pH7.0で平衡化したNAPTM-5カラム(Amersham BioSciences、Uppsala、Sweden)を使用して、約500μLの還元およびアルキル化した物質を750μLの0.1Mトリス-HClと緩衝液交換して、1mg/mLの最終濃度のエボロクマブとした。1:55の酵素:タンパク質比を用いて37℃で4.5時間、トリプシン消化を行った。次いで、分析のために消化物を4℃で冷蔵した。
【0084】
消化ペプチドのHPLC分離、ならびに質量分析(MS)による検出および分析。
還元されたエボロクマブを、ダイオードアレイ検出器、オートサンプラー、マイクロフローセルおよび温度制御カラムコンパートメントを備えたAgilent 1100 HPLCユニット(Agilent、Palo Alto、CA、USA)を用いて分析した。オートサンプラー温度を4℃に設定した。分離を強化するためにカラムを45℃に加熱した。移動相Aは水中の0.1%トリフルオロ酢酸からなり、移動相Bは95%アセトニトリル、5%HOおよび0.1%トリフルオロ酢酸からなった。分離は、Varian PolarisTMC18-A 5ミクロンカラム(PN A2000-250X020)で行った。カラムを2%溶媒Bで平衡化した。試料注入の2分後、緩衝液Bの濃度を38分かけて22%に増加させ、続いて100分かけて22%から42%Bの直線勾配を与えた。5分かけて緩衝液Bを100%まで上昇させ、100%Bで5分間、1分間で2%Bまで低下させ、続いて2%Bで15分間保持することによってカラムを再平衡化した。UV吸収を214nmでモニターした。
【0085】
Bruker ESI-MSDにより質量分析を行った。ESI-MSD質量分析計は、ネブライザー圧力40psi、乾燥ガス流量8L/min、乾燥ガス温度350℃、および50~2200m/zのm/z範囲で陽イオンモードで作動するように設定した。エレクトロスプレーイオン化マススペクトルのデコンボルーションは、QuantAnalysisを用いて行った。
【0086】
NMP定量法
Luna C8カラム(150×2.1mm、粒径5pm、100A、Phenomenex、Torrance、CA)を用いて試料を分離した。移動相Aは水中0.05%TFAであり、移動相Bはアセトニトリルであった。勾配プロファイルは、8分間、85:15(A:B)の移動相組成を保持することによって開始し、続いて1分間で15:85への直線勾配を与えた。組成を5分間、15:85に保持し、その後、1分で85:15に戻し、次の注入を行う前に、少なくとも8分間平衡化した。移動相全体の流量は1.0mL/minであり、両移動相を濾過し、使用前に脱ガスした。カラム温度を40℃に維持した。注入容量は、試料および標準共に100μLであった。検出器波長は220nmであった。注入前に試料および標準を希釈した。シーケンス内の試験した未知の各セットについて標準曲線を作成した。
【0087】
実施例2:有機溶媒を用いた粘度プロファイル
等張レベルのプロリンを利用したエボロクマブの製剤を、アルギニン、ならびに極性溶媒のDMA、DMSO、およびNMPを含有する多数の代替製剤と比較した。図1Aに示すように、アルギニン含有製剤は、プロリンベースの製剤よりも有意に粘度が低かった。約1000mMレベルのDMA、DMSOおよびNMPは全て、アミノ酸製剤よりも効果的にエボロクマブ粘度を減少させた。試験した極性溶媒の中で、NMPがエボロクマブ粘度を低下させるのに最も有効であった。1000mMの極性溶媒濃度は非常に高い浸透圧の溶液をもたらしたが、340mMのNMPは等張性であって、さらにエボロクマブの明確に減少した粘度プロファイルを示す製剤をもたらした。滴定試験により、エボロクマブの粘度は700mMまでのNMP濃度の増加とともに急激に低下することが示され、700mMを超えると、エボロクマブの粘度はプラトーに達するように見え、溶媒のさらなる添加にほとんど依存しなかった(図1B)。
【0088】
VP-DSC実験は、溶液中のNMPのレベルの増加がエボロクマブの両方のドメインのタンパク質アンフォールディング温度(Tm)を低下させることを示した。溶液中のNMPの増加に伴う、アンフォールディングのエンタルピー(デルタH)の顕著な変化は認められなかった。したがって、NMPは非経口的に認可された賦形剤であるが、製剤中のNMPレベルを低下させることは、より安定なタンパク質プロファイルをもたらす可能性が高いので有利であり得る。極性溶媒は疎水性溶媒和によって溶液粘度を低下させることが示されている(T.J.Kamerzell,et al.,Pharmaceutical Biotechnology,102:1182-1193(2013))が、アルギニンは、タンパク質内静電相互作用を弱めることによって粘度を低下させることが示唆されている(N.Inoue,et al.Journal of Bioscience and Bioengineering.117(5):539-543(2014))。異なる分子メカニズムによって作用する賦形剤の組み合わせは、なおさらなる粘度減少をもたらし得ると考えられた。図2はアルギニンとNMPの組み合わせが、唯一の賦形剤として高レベルのNMPを含有する製剤と非常に類似したエボロクマブ粘度曲線をもたらすことを示す。この組み合わせ製剤を有するさらなる利点は、アルギニンの存在により安定性プロファイルが改善される可能性があり得ることである(S.Yadav et al.,J.Pharm.Sci.99:1152-1168(2010);T.Arakawa,et al.,Biophys.Chem.127:1-8(2007);H.Hamada,et al.,Curr.Pharm.Biotechnol.10:400-407(2009);M.Ishibashi,et al.,Protein Expr.Purif.42:1-6(2005);K.Tsumoto,et al.,Protein Pept.Lett.12:6130-619(2005))。
【0089】
実施例3:NMPをベースとした製剤における抗体の安定性
粘度低下効果は高濃度タンパク質製剤の設計に最も重要であるが、タンパク質安定性も考慮されなければならない。この問題に対処するために、液体および凍結状態におけるエボロクマブ静止保存安定性、輸送シミュレーション中の安定性、および大規模凍結融解サイクル、ならびに予め充填した注射器との潜在的な相互作用に関して、NMPの効果を評価した。
【0090】
エボロクマブは、10mM酢酸塩、pH5.0、340mM NMP、および0.01%ポリソルベート80中、210mg/mLで最初に製剤化した。これらの条件下で、エボロクマブは高温で凝集レベルの増加を示した。210mg/mLでは、NMP製剤中の25Cでのエボロクマブ凝集速度がプロリンベースの製剤中の140mg/mLのエボロクマブで観察されたものより10倍高かった。このうちのいくらかはタンパク質濃度の増加に起因すると思われるものの、NMPは凝集速度の増加の一因であった。これらの条件下で観察される高い凝集速度を緩和するために、製剤スクリーニングを行った。追加の賦形剤スクリーニングは、溶液浸透圧に加わる影響が最小であるため、非経口的に認可されている高分子量の化合物に限定した。化合物はまた、最終溶液粘度を上昇させない必要もあった。
【0091】
PEG3350、PEG4000、レシチン、硫酸プロタミンおよびPLURONIC(登録商標)F-68を評価した。レシチンおよび硫酸プロタミンはエボロクマブ安定性を改善し、粘度を増加させなかったが、これらの化合物は凍結融解サイクルで溶解性の問題を示した。PLURONIC(登録商標)F-68は高温でのエボロクマブ安定性を改善する全ての選択基準を満たし、浸透圧に対する影響は最小であり、安定性に対する負の影響はなかった。
【0092】
10mM酢酸塩、pH5.0、340mM NMP、0.1%PLURONIC(登録商標)F-68で製剤化したエボロクマブを、-30℃で3サイクルの大規模凍結融解に供し、続いて輸送シミュレーション、そして、2~8℃、高温および凍結状態での長期保存に供した。210mg/mLまでのエボロクマブの濃度はSECによるメインピークの低下をもたらしたが、140mg/mLの凍結対照と比較した場合、CEXによるメインピークの初期レベルに変化は認められなかった。
【0093】
表1は、3ccのガラスバイアル中における上記ストレス条件後のエボロクマブ安定性を要約する。凍結融解サイクルの完了時、エボロクマブは、いずれのアッセイによっても安定性プロファイルに変化を示さなかった。輸送ストレスは、SECによる0.3%のメインピーク低下をもたらした。2~8℃で6ヶ月後、エボロクマブは物理的または化学的分解を示さず、粒子化も示さず、ポテンシーアッセイにより完全な活性を保持した。
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
25℃での凝集速度は、プロリンベースの140mg/mL製剤で観察されたものよりも高かった(表1および2)。濃度に依存した凝集速度の上昇が起こることが知られており、予想外ではない。NMPベースの製剤における脱アミド化速度が37℃で、同じ条件下でプロリン製剤において観察されたものより低かったことは注目される(表2)。この動態は、Li et al(J.Phys.Chem.B.117(21):6373-84(2013))が以前に報告しているように、より粘性の高い試料では、通常、脱アミド化速度が低くなるためであると思われる。
【0097】
-30℃の保存条件下ではエボロクマブはSECにより1ヶ月当たり0.1%のメインピーク低下を示したが、化学的分解、粒子化は示さず、ポテンシーアッセイによる完全な活性保持を示した。データは、NMPベースの製剤が液体エボロクマブ保存により適していることを示唆した。
【0098】
同じ条件下で製剤化されたエボロクマブの安定性プロファイルを、2.25mLステーキド・ニードル装着プレフィルドシリンジ内での静止保存の間もモニターした。2~8℃で5ヶ月保存した後の安定性プロファイルは、バイアルベースの保存で報告されたデータと類似していた。
【0099】
アルギニンおよびNMPを用いた組み合わせ製剤(10mM酢酸塩、pH5.0、130mMアルギニン、70mM NMP、0.01%ポリソルベート80)もまた、上記と同じストレス条件を使用して評価した。初期データは、大規模凍結融解サイクルまたは輸送ストレス後に安定性プロファイルの変化を示さなかった。さらに、2~8℃および-30℃の条件下で2ヶ月間保存した後、エボロクマブは、物理的または化学的分解を示さず、関与も示さず、ポテンシーアッセイにより完全な活性を保持した。25℃および37℃での凝集速度は、340mM NMP製剤で観察されたものと同様であった(表2)。このデータは、アルギニンおよびNMPの組み合わせが、NMPのみを含む製剤と比較して、凍結エボロクマブ安定性を改善することを示唆している。アルギニンNMP製剤は、340mM NMP製剤と非常に類似した粘度プロファイルを有するので、エボロクマブ製剤のより有望な総合的候補である。
【0100】
実施例4:リシンを用いた粘度プロファイル
図3は、調べた少数の異なる賦形剤の濃度の関数としてエボロクマブ粘度の挙動を記載する。プロリン中のエボロクマブ(「×」)は、タンパク質のゲル化のために、170mg/mLを超えて測定することができなかった。四角形は、10mMリン酸ナトリウム、89mMリシンを含有するpH6.2の製剤について、タンパク質濃度の関数としてエボロクマブの粘度の増加を示す。192mg/mLで、粘度は>70cPであった。この溶液を2つに分けた。一方に、リシンを添加して、最終濃度を30mM増加させた。他方に、リシンを含まない緩衝液を加えた。緩衝液アーム(三角形)は、同じ粘度曲線に沿って粘度低下を引き起こすことが分かった。しかし、追加のリシンを添加した場合、それは、緩衝液で希釈しただけよりはるかに大きく粘度を低下させた。特に、89mMから約120mMになるようにリシンを添加すると、粘度は約75cPから約30cPに低下したが、リシンを含まない緩衝液を単に添加すると、粘度は約75cPから約60cPに低下した。
【0101】
この情報に基づいて、UF/DF、凍結/解凍および輸送の一般的な製造ストレスを経たNMPの2つの製剤を調製した。一方の製剤は340mM NMPおよびPLURONIC(登録商標)F-68を含み、もう一方の製剤は100mM NMP、120mMリシンおよび0.01%ポリソルベート80を含んだ。これらの製剤を2.25mLプレフィルドシリンジに充填し、表3に示すように、対照エボロクマブ製剤に対するそれらの特性を比較した。各製剤の主要な性能尺度は全て規格内であり、対照製剤と同様であることが分かった。SECによる純度はNMP単独製剤ではわずかに低かったが、さらなる分析はSECによるメインピークのこのわずかな減少が高タンパク質濃度の関数であることを示し、170mg/mLに希釈すると、98.5%まで上昇した。したがって、この製品の品質特性は、関連する製造ストレスが加えられた後には許容可能になると思われた。
【0102】
【表5】
【0103】
実施例5:NMPの粘度低下効果は、エボロクマブに限定されない
図4に示されるように、5つのさらなるモノクローナル抗体に対するNMPの添加の効果を試験した。(IgG2であるエボロクマブに加えて)3つのIgG2抗体を試験し、3つのIgG1抗体を試験した。データは、IgG1であるかIgG2であるかにかかわらず、高タンパク質濃度(>150mg/mL)で粘度が高かった(>20cP)全ての分子で、NMPの添加によりその抗体の粘度が有意に低下したことを示した。しかし、最初に対照の粘度が低かった(<15cP)場合、NMPの添加が予想され得るような有意な影響を及ぼすことはなかった。
【0104】
実施例6:緩衝系を欠く製剤の粘度
エボロクマブ試料を、CENTRICON(登録商標)遠心ユニット(Millipore Sigma;Billerica、MA)を使用して緩衝液交換し、10mM酢酸塩 pH5.0、340mM NMP、0.1%PLURONIC(登録商標)F-68と、340mM NMP、0.1%PLURONIC(登録商標)F-68の所望の製剤とした。緩衝液交換後の試料のpHを、緩衝液を含まない製剤についてpH5.5~pH5.0に調節した。濃度および粘度を測定する前に、試料を0.2μmフィルターを使用して滅菌濾過した。調節後の試料の最終濃度を、SoloVPE装置を用い、前述したようにして決定した。粘度読み取りは、前述のようにRheoSense mVROCTMで測定し、読み取りは3回の反復測定の平均であった。
【0105】
表4に示されるように、pHおよび粘度の特性は、緩衝系を用いて製剤化したエボロクマブ試料、および緩衝系を用いずに製剤化したエボロクマブ試料で同等であった。
【0106】
【表6】
【0107】
実施例7:NMPおよびNARの両方を含む製剤の粘度(予言)
治療用タンパク質試料(例えば、エボロクマブ試料)を、例えば、CENTRICON(登録商標)遠心ユニット(Millipore Sigma;Billerica、MA)を使用して緩衝液交換し、表4に示すように、10mM酢酸塩、100mM NMP、150~155mM NAR、0.01%ポリソルベート80、pH5.0の所望の製剤とする。
【0108】
【表7】
【0109】
濃度、粘度、および治療用タンパク質安定性の測定を含めて、実施例1に記載のように試料を分析する。
本発明の実施形態の例として、以下の項目が挙げられる。
(項目1)
製剤中に約100mg/mL超の濃度の抗体またはその抗原結合フラグメント、および約1mM~約1000mMの濃度のN-メチルピロリドンを含む医薬製剤であって、前記製剤のpHは約4.0~約8.0である医薬製剤。
(項目2)
緩衝液をさらに含む、項目1に記載の医薬製剤。
(項目3)
約100mg/mL超の濃度の抗体またはその抗原結合フラグメント、約1mM~約1000mMのN-メチルピロリドン、および約90mM~約200mMのN-アセチルアルギニンを含む医薬製剤であって、前記製剤のpHは約4.0~約8.0である医薬製剤。
(項目4)
緩衝液をさらに含む、項目3に記載の医薬製剤。
(項目5)
前記抗体は、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブペゴル、ald518、アレムツズマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、アチヌマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトクス、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、アトロリムマブ、バピヌズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビバツズマブ、ビバツズマブメルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カンツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、カプラシズマブ、カプロマブペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、cc49、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、シタツズマブボガトクス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブテトラキセタン、コナツムマブ、cr6261、クレネズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダラツムマブ、デミシズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドルリモマブアリトクス、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、デュピルマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンリモマブペゴル、エノキズマブ、エノキズマブ、エノチクマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブシツキセタン、エプラツズマブ、エレヌマブ、エルリズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エボロクマブ、エキシビビルマブ、エキシビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、fbta05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、gs6624、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イゴボマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブラブタンシン、インフリキシマブ、イノリモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、インテツムマブ、イピリムマブ、イラツムマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レルデリムマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リゲリズマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロルボツズマブメルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツムマブ、マスリモマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モキセツモマブパスドトクス、ムロモナブ-cd3、ナコロマブタフェナトクス、ナミルマブ、ナプツモマブエスタフェナトクス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブメルペンタン、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オデュリモマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブモナトクス、オレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パジバキシマブ、パリビズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ピジリズマブ、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリツムマブ、PRO140、クイリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラァフィビルマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレデュマブ、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブペンデチデ、セクキヌマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブパプトクス、テフィバズマブ、テフィバズマブ、テリモマブアリトクス、テリモマブアリトクス、テナツモマブ、テナツモマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、TGN1412、チシリムマブ、チガツズマブ、チルドラキズマブ、TNX-650、トシリズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、トシツモマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレガリズマブ、トレメリムマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バパリキシマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビシリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブマフォドチン、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ、ゾリモマブアリトクス、および表Aに示す抗体からなる群から選択される、項目1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目6)
前記抗体は抗PCSK9抗体である、項目2または4に記載の医薬製剤。
(項目7)
前記抗体はエボロクマブである、項目6に記載の医薬製剤。
(項目8)
前記抗体またはその抗原結合フラグメントは約100mg/mL~約300mg/mLの濃度で存在する、項目1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目9)
前記抗体は約180mg/mL~約230mg/mLの濃度で存在する、項目8に記載の医薬製剤。
(項目10)
前記N-メチルピロリドンは約100mM~約425mMの濃度である、項目1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目11)
前記N-メチルピロリドンは約100mMの濃度である、項目9に記載の医薬製剤。
(項目12)
前記N-メチルピロリドンは約100mMの濃度である、項目10に記載の医薬製剤。
(項目13)
前記N-メチルピロリドンは、約340mMの濃度である、項目9に記載の医薬製剤。
(項目14)
前記N-メチルピロリドンは約425mMの濃度である、項目9に記載の医薬製剤。
(項目15)
アルギニンをさらに含む、項目1または2に記載の医薬製剤。
(項目16)
前記アルギニンは約90~約160mMの濃度である、項目15に記載の医薬製剤。
(項目17)
アルギニンをさらに含み、前記アルギニンは約90~約160mMの濃度である、項目9に記載の医薬製剤。
(項目18)
アルギニンをさらに含み、前記アルギニンは約120mMの濃度である、項目9に記載の医薬製剤。
(項目19)
リシンをさらに含む、項目1または2に記載の医薬製剤。
(項目20)
前記リシンは約100~約120mMの濃度である、項目19に記載の医薬製剤。
(項目21)
リシンをさらに含み、前記リシンは約100~約120mMの濃度である、項目9に記載の医薬製剤。
(項目22)
リシンをさらに含み、前記リシンは約100~約120mMの濃度である、項目11に記載の医薬製剤。
(項目23)
リシンをさらに含み、前記リシンは約100~約120mMの濃度である、項目12に記載の医薬製剤。
(項目24)
前記製剤のpHは約4.8~5.2である、項目1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目25)
前記製剤のpHは約4.8~5.2である、項目11に記載の医薬製剤。
(項目26)
前記製剤のpHは約4.8~5.2である、項目12に記載の医薬製剤。
(項目27)
前記製剤のpHは約4.8~5.2である、項目13に記載の医薬製剤。
(項目28)
前記製剤のpHは約4.8~5.2である、項目14に記載の医薬製剤。
(項目29)
前記製剤のpHは約4.8~5.2である、項目21に記載の医薬製剤。
(項目30)
ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチンおよび硫酸プロタミンからなる群から選択される安定剤をさらに含む、項目1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目31)
前記安定剤は、約0.005%~約1.0%の濃度である、項目30に記載の医薬製剤。
(項目32)
前記安定剤はポリソルベート80であり、かつ約0.01%の濃度である、項目31に記載の医薬製剤。
(項目33)
前記安定剤は、PLURONIC(登録商標)F-68であり、かつ約0.05%~約0.2%の濃度である、項目31に記載の医薬製剤。
(項目34)
前記安定剤は硫酸プロタミンであり、かつ約0.12%の濃度である、項目31に記載の医薬製剤。
(項目35)
ポリソルベート20、ポリソルベート90、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチンおよび硫酸プロタミンからなる群から選択される安定剤をさらに含む、項目24に記載の医薬製剤。
(項目36)
前記安定剤は、PLURONIC(登録商標)F-68であり、かつ約0.05%~約0.2%の濃度である、項目33に記載の医薬製剤。
(項目37)
ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチンおよび硫酸プロタミンからなる群から選択される安定剤をさらに含む、項目25に記載の医薬製剤。
(項目38)
前記安定剤は、PLURONIC(登録商標)F-68であり、かつ約0.05%~約0.2%の濃度である、項目35に記載の医薬製剤。
(項目39)
ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチンおよび硫酸プロタミンからなる群から選択される安定剤をさらに含む、項目28に記載の医薬製剤。
(項目40)
前記安定剤はポリソルベート80であり、かつ約0.01%の濃度である、項目37に記載の医薬製剤。
(項目41)
前記緩衝液は、酢酸塩緩衝液、コハク酸塩緩衝液およびグルタミン酸塩緩衝液からなる群から選択される、項目2または4に記載の医薬製剤。
(項目42)
前記緩衝液は、約5mM~約50mMの濃度である、項目41に記載の医薬製剤。
(項目43)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目9に記載の医薬製剤。
(項目44)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目10に記載の医薬製剤。
(項目45)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目11に記載の医薬製剤。
(項目46)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目12に記載の医薬製剤。
(項目47)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目13に記載の医薬製剤。
(項目48)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目14に記載の医薬製剤。
(項目49)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目16に記載の医薬製剤。
(項目50)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目17に記載の医薬製剤。
(項目51)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目18に記載の医薬製剤。
(項目52)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目20に記載の医薬製剤。
(項目53)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目21に記載の医薬製剤。
(項目54)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目22に記載の医薬製剤。
(項目55)
緩衝液を含み、前記緩衝液は酢酸ナトリウム緩衝液であり、かつそれは約10mMの濃度である、項目23に記載の医薬製剤。
(項目56)
約340mMのN-メチルピロリドン、約0.1%のPLURONIC(登録商標)F-68および約210mg/mLのエボロクマブを含む医薬製剤。
(項目57)
緩衝液をさらに含む、項目56に記載の医薬製剤。
(項目58)
前記緩衝液は酢酸塩である、項目57に記載の医薬製剤。
(項目59)
前記酢酸塩は約10mMの濃度で存在する、項目58に記載の医薬製剤。
(項目60)
約5.0のpHを有する、項目56~59のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目61)
約100mMのN-メチルピロリドン、約120mMのリシン、0.01%のポリソルベート80および約210mg/mLのエボロクマブを含む医薬製剤。
(項目62)
緩衝液をさらに含む、項目61に記載の医薬製剤。
(項目63)
前記緩衝液は酢酸塩である、項目62に記載の医薬製剤。
(項目64)
前記酢酸塩は約10mMの濃度で存在する、項目63に記載の医薬製剤。
(項目65)
約5.0のpHを有する、項目61~63のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目66)
約100mMのN-メチルピロリドン、約150mM~約155mMのN-アセチルアルギニン、0.01%のポリソルベート80および約210mg/mLのエボロクマブを含む医薬製剤。
(項目67)
緩衝液をさらに含む、項目66に記載の医薬製剤。
(項目68)
前記緩衝液は酢酸塩である、項目67に記載の医薬製剤。
(項目69)
前記酢酸塩は約10mMの濃度で存在する、項目68に記載の医薬製剤。
(項目70)
約5.0のpHを有する、項目66~69のいずれか一項に記載の医薬製剤。
(項目71)
抗体またはそのフラグメントを少なくとも140mg/mLの濃度で含む液体医薬製剤の粘度を低下させる方法であって、前記抗体またはそのフラクメントを粘度低下性濃度のNMPと混合する工程を含む方法。
(項目72)
前記製剤の粘度は少なくとも10%低下する、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記製剤の粘度は少なくとも50%低下する、項目71に記載の方法。
(項目74)
前記製剤の粘度は少なくとも80%低下する、項目71に記載の方法。
(項目75)
前記抗体は、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブペゴル、ald518、アレムツズマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、アチヌマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトクス、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、アトロリムマブ、バピヌズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビバツズマブ、ビバツズマブメルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カンツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、カプラシズマブ、カプロマブペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、cc49、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、シタツズマブボガトクス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブテトラキセタン、コナツムマブ、cr6261、クレネズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダラツムマブ、デミシズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドルリモマブアリトクス、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、デュピルマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンリモマブペゴル、エノキズマブ、エノキズマブ、エノチクマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブシツキセタン、エプラツズマブ、エレヌマブ、エルリズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エボロクマブ、エキシビビルマブ、エキシビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、fbta05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、gs6624、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イゴボマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブラブタンシン、インフリキシマブ、イノリモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、インテツムマブ、イピリムマブ、イラツムマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レルデリムマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リゲリズマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロルボツズマブメルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツムマブ、マスリモマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モキセツモマブパスドトクス、ムロモナブ-cd3、ナコロマブタフェナトクス、ナミルマブ、ナプツモマブエスタフェナトクス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブメルペンタン、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オデュリモマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブモナトクス、オレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パジバキシマブ、パリビズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ピジリズマブ、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリツムマブ、PRO140、クイリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラァフィビルマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレデュマブ、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブペンデチデ、セクキヌマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブパプトクス、テフィバズマブ、テフィバズマブ、テリモマブアリトクス、テリモマブアリトクス、テナツモマブ、テナツモマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、TGN1412、チシリムマブ、チガツズマブ、チルドラキズマブ、TNX-650、トシリズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、トシツモマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレガリズマブ、トレメリムマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バパリキシマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビシリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブマフォドチン、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ、ゾリモマブアリトクス、および表Aに示す抗体からなる群から選択される、項目71に記載の方法。
(項目76)
前記抗体またはそのフラグメントは抗PCSK9抗体である、項目70に記載の方法。
(項目77)
前記抗体はエボロクマブである、項目76に記載の方法。
(項目78)
少なくとも140mg/mLの濃度の抗体またはそのフラグメントを含む液体医薬製剤の粘度を低下させる方法であって、前記抗体またはそのフラクメントを粘度低下性濃度のN-メチルピロリドンおよびN-アセチルアルギニンと混合する工程を含む方法。
(項目79)
前記製剤の粘度は少なくとも10%低下する、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記製剤の粘度は少なくとも50%低下する、項目78に記載の方法。
(項目81)
前記製剤の粘度は少なくとも80%低下する、項目78に記載の方法。
(項目82)
前記抗体は、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブペゴル、ald518、アレムツズマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、アチヌマブ、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブマフェナトクス、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、アトロリムマブ、バピヌズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビバツズマブ、ビバツズマブメルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カンツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、カプラシズマブ、カプロマブペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、cc49、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、シタツズマブボガトクス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブテトラキセタン、コナツムマブ、cr6261、クレネズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダラツムマブ、デミシズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドルリモマブアリトクス、ドロジツマブ、デュリゴツマブ、デュピルマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンリモマブペゴル、エノキズマブ、エノキズマブ、エノチクマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブシツキセタン、エプラツズマブ、エレヌマブ、エルリズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エボロクマブ、エキシビビルマブ、エキシビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、fbta05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、gs6624、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イゴボマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブラブタンシン、インフリキシマブ、イノリモマブ、イノツズマブオゾガマイシン、インテツムマブ、イピリムマブ、イラツムマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レルデリムマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リゲリズマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロルボツズマブメルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツムマブ、マスリモマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モキセツモマブパスドトクス、ムロモナブ-cd3、ナコロマブタフェナトクス、ナミルマブ、ナプツモマブエスタフェナトクス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブメルペンタン、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オデュリモマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブモナトクス、オレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パジバキシマブ、パリビズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ピジリズマブ、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリツムマブ、PRO140、クイリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラァフィビルマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレデュマブ、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブペンデチデ、セクキヌマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブパプトクス、テフィバズマブ、テフィバズマブ、テリモマブアリトクス、テリモマブアリトクス、テナツモマブ、テナツモマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、TGN1412、チシリムマブ、チガツズマブ、チルドラキズマブ、TNX-650、トシリズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、トシツモマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレガリズマブ、トレメリムマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バパリキシマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビシリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブマフォドチン、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ、ゾリモマブアリトクス、および表Aに示す抗体からなる群から選択される、項目78に記載の方法。
(項目83)
前記抗体またはそのフラグメントは抗PCSK9抗体である、項目78に記載の方法。
(項目84)
前記抗体はエボロクマブである、項目83に記載の方法。
(項目85)
少なくとも140mg/mLの濃度の抗体またはそのフラグメント、およびN-メチルピロリドンを含む液体医薬製剤を安定化させる方法であって、前記粘度低下液体医薬製剤を、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチン、および硫酸プロタミンからなる群から選択される安定剤と混合する工程を含む方法。
(項目86)
少なくとも140mg/mLの濃度の抗体またはそのフラグメント、ならびにN-メチルピロリドンおよびN-アセチルアルギニンを含む賦形剤の組み合わせを含む液体医薬製剤を安定化させる方法であって、前記粘度低下液体医薬製剤を、ポリソルベート20、ポリソルベート80、PLURONIC(登録商標)F-68、レシチン、および硫酸プロタミンからなる群から選択される安定剤と混合する工程を含む方法。
図1
図2
図3
図4
【配列表】
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