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特許7275038シート様のたばこ材料の製造のための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】シート様のたばこ材料の製造のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A24B 3/14 20060101AFI20230510BHJP
【FI】
A24B3/14
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019548425
(86)(22)【出願日】2018-04-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2018059447
(87)【国際公開番号】W WO2018189325
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】17166374.3
(32)【優先日】2017-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ザッポリ ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】ロディ イラリオ
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-012999(JP,A)
【文献】特公昭54-029600(JP,B1)
【文献】特開昭50-154499(JP,A)
【文献】特開昭59-113879(JP,A)
【文献】特表2016-528909(JP,A)
【文献】米国特許第03646855(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00-15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料シートを捲縮するための装置であって、前記装置が、第一および第二の回転軸をそれぞれ画定する第一および第二の対面する捲縮ローラーを備え、前記第一の捲縮ローラーが、
o 各隆起が隆起振幅を画定する、第一の複数の円周隆起を含み、
o 前記第一の複数の円周隆起のそれぞれが、その円周延長に沿って中断され、所与の中断角度で、前記隆起の振幅が残りの前記円周延長の隆起の隆起振幅とは異なる、中断間隙を形成し、
o 複数の前記中断間隙が、延長方向を画定する中断バンドを形成し、前記延長方向が、前記第一の回転軸によって画定される方向に対して、約2°~約25°からなる角度を有する、装置。
【請求項2】
前記中断間隙内の前記隆起の前記振幅が、前記残りの円周延長の隆起の前記隆起振幅よりも小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第一の回転軸と前記中断間隙における前記第一の捲縮ローラーの表面との間の距離と、前記第一の回転軸と二つの隣接した隆起間の前記第一の捲縮ローラーの表面との間の距離が、実質的に同じである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記中断バンド内に、中断角度で第一の複数に平行に円周方向に延び、かつ前記第一の複数の円周隆起からオフセットされて配置される、第二の複数の隆起が形成される、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
複数の中断バンドを含む、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
材料シートを捲縮するための方法であって、前記方法が、
o 実質的に連続的な材料シートを一組の捲縮ローラーに搬送方向に供給する工程であって、前記一組の捲縮ローラーが、第一のローラーおよび第二のローラーを含み、前記第一のローラーまたは第二のローラーのうちの少なくとも一つがその幅の少なくとも一部分にわたる第一の非均一な複数の隆起を含む、供給する工程と、
o 前記第一または第二のローラーの波型形状が、複数の捲縮された波型形状を前記実質的に連続的なシートに施すように、前記実質的に連続的なシートを前記第一のローラーと前記第二のローラーとの間に前記シートの前記搬送方向に供給することで前記実質的に連続的な材料シートを捲縮して前記捲縮したシートを形成する工程であって、前記捲縮された波型形状が第一の部分に対する第一の捲縮パターンおよび第二の部分に対する第二の捲縮パターンを有する、捲縮する工程と、を含み、
o 前記捲縮された波型形状が前記捲縮したシート上に複数のバンドを形成し、各バンドが前記第一または第二の捲縮パターンを交互に含み、前記バンドが延長方向を画定し、前記延長方向が、前記搬送方向と直角をなす軸と約2°~約25°からなる角度を形成する、方法。
【請求項7】
o 前記捲縮した材料シートを集合させる工程と、
o 前記捲縮した材料シートを使用してロッドを形成する工程と、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
o 前記連続的なロッドを複数のロッド状の構成要素に切断する工程であって、各ロッド状の構成要素が前記捲縮したシートの切断された部分から形成された捲縮したシートの集合体を有し、前記捲縮したシートの前記捲縮された波型形状が、前記ロッド状の構成要素内の複数のチャネルを画定する、切断する工程、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
エアロゾル発生物品用の捲縮したシートであって、前記捲縮したシートが長軸方向を有し、
o 複数のバンドであって、各バンドが第一または第二のパターンの捲縮された波型形状を含み、二つの隣接したバンドが異なるパターンを有する捲縮された波型形状を有し、各バンドが前記シートの長軸方向と直角をなす軸と約2°~約25°からなる角度を形成する延長方向を画定する、捲縮したシート。
【請求項10】
前記第一のパターンの前記捲縮された波型形状が、前記第二のパターンの前記捲縮された波型形状よりも小さな振幅を有する、請求項9に記載の捲縮したシート。
【請求項11】
前記第一のパターンが、波型形状を有さない、請求項10に記載の捲縮したシート。
【請求項12】
前記シートが、互いに対向する第一および第二の横方向の端を画定し、前記バンドが第一の横方向の端から反対側の横方向の端まで延びる、請求項9~11のいずれかに記載の捲縮したシート。
【請求項13】
第一のパターンの捲縮された波型形状を有するバンドと第二のパターンを有する捲縮された波型形状を有するバンドとの比が、約0.125~約1からなる、請求項9~12のいずれかに記載の捲縮したシート。
【請求項14】
エアロゾル発生物品用のロッドであって、前記ロッドが、請求項9~13の捲縮したシート、または請求項6~8の方法に従って実現される捲縮したシートの一部分を含む、ロッド。
【請求項15】
前記ロッドが、所与の長さを有し、前記捲縮したシート内の二つの隣接したバンド間の距離が、前記ロッド長さに実質的に等しい、請求項14に記載のロッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート様のたばこ材料を製造するための装置およびプロセスに関する。特に本発明は、例えば紙巻たばこ、または「燃やさない加熱式」タイプのたばこ含有製品などのエアロゾル発生物品で使用するためのシート様のたばこ材料を製造するための装置およびプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、たばこ製品の製造において、たばこ葉の他に均質化したたばこ材料も使用される。この均質化したたばこ材料は一般的に、カットフィラーの製造にあまり適していないたばこ植物の部分(例えば、たばこ茎またはたばこダスト)から製造される。一般に、たばこダストは製造中にたばこ葉の取り扱いの間に副産物として作り出される。
【0003】
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこシートおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは一般的に、たばこダストと結合剤を混合してスラリーを形成する工程を含む。次にスラリーは、例えばいわゆるキャストリーフを製造するために、粘性のあるスラリーを、移動する金属ベルトの上へとキャスティングすることによって、たばこウェブを作り出すために使用される。別の方法として、再構成たばこを作り出すために、粘性が低くかつ含水量が高いスラリーを製紙と似たプロセスで使用することができる。調製されると、紙巻たばこおよび他の喫煙物品のために適切なたばこカットフィラーを製造するための葉たばこと類似した様式で、均質化したたばこウェブを切断してもよい。従来の紙巻たばこで使用するための均質化したたばこの機能は、実質的に充填力、引き出し抵抗、たばこロッドの硬さ、および燃焼特性などのたばこの物理的特性に限定される。この均質化したたばこは、一般に味わいに対する影響を有するようには設計されていない。このような均質化したたばこを作成するプロセスは、例えば、欧州特許第EP0565360号に開示されている。
【0004】
エアロゾル発生物品の典型的な製造プロセスにおいて、少なくとも一つの構成要素は、捲縮プロセスを経る材料(通常はシートやホイルの形態の材料)を含む。次に、捲縮した材料は、(通常は管状の)部品に切断されたロッドに圧縮される。これらのロッドは、エアロゾル発生物品の構成要素である。
【0005】
捲縮プロセスは、材料シートをエアロゾル発生物品に適合するロッドに圧縮して折り畳むのに有用である一方で、捲縮プロセスはまた、特に、空気接触の量、引き出し抵抗(RTD)およびその他に影響を及ぼすため、喫煙物品のユーザーによって直接経験される。
【0006】
結果として、適正な捲縮圧力をかけることは、捲縮プロセスの重要なパラメータである。捲縮圧力が低すぎると、捲縮のプラスの効果が低下する一方で、高すぎる圧力は材料シートに損傷を与え、その引張強度を低下させることがあり、これが裂けの発生を増加させ、さらにはそれを破砕することもある。
【0007】
捲縮プロセスは一般的に、二つの回転する円筒形ローラーを使用し、これらのローラーの間で材料シートが押し付けられる。これらのローラーは、シートを捲縮する外側表面上に、合致する型押し加工された隆起と谷のパターンを有する。
【0008】
従って、最終製品における一貫性が向上された材料シートを調製するための装置および方法に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0009】
第一の態様によれば、本発明は、材料シートを捲縮するための装置に関し、該装置は、第一および第二の回転軸をそれぞれ画定する第一および第二の対面する捲縮ローラーを備え、第一のローラーは、第一の複数の円周隆起を含み、各隆起は隆起振幅を画定しており、該第一の複数の隆起のそれぞれは、その円周延長に沿って中断し、所与の中断角度で、隆起の振幅が残りの円周延長の隆起の隆起振幅とは異なる、中断間隙を形成しており、該複数の中断間隙は延長方向を画定する中断バンドを形成し、該延長方向は第一の回転軸によって画定される方向に対して約2°~約25°からなる角度を有する。
【0010】
本発明によれば、その上に特定の分布を有する表面パターンが生成される、捲縮したシートが形成される。これらの表面パターンは、「標準の」従来的な捲縮機ローラーパターンと、捲縮したシート上の、「異なって捲縮した」領域などの部分、例えば、捲縮を有さない、または「標準の」パターン領域よりも捲縮が少ない部分との組み合わせを含む。異なる捲縮パターンのこの組み合わせにより、シートの全体的な良好な引張強度を維持することができる一方で、シート上に、捲縮していない、または捲縮が少ない表面などの、シートの残りとは異なって捲縮した表面のバンドを生成することで、「フライアウト」効果を防止することができる。捲縮していない、または捲縮が少ない表面は、シートの他のすべての捲縮した部分を一緒に保持または固着する。捲縮パターンは、所与の角度を形成するバンドをシート上に形成する。この角度は、最適な引き出し抵抗を得るために、特許請求の範囲内で選択される。
【0011】
上記の異なる捲縮を有する部分の組み合わせは、均質化したたばこ材料シートを処理する時に特に有利である。
【0012】
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する層状の要素を意味する。
【0013】
本明細書で使用される「捲縮した」という用語は、複数の波型形状を有するシートまたはウェブを意味する。
【0014】
本明細書で使用される「波型形状」という用語は、波型形状のフランクによって結合された交互に並ぶ山と谷から形成された複数の実質的に平行な隆起を意味する。これには、方形波プロフィール、正弦波プロフィール、三角波プロフィール、鋸波プロフィール、またはその任意の組み合わせを持つ波型形状を含むが、これに限定されない。
【0015】
本明細書で使用される「捲縮された波型形状」という用語は、捲縮したシートまたはウェブ上の波型形状を意味する。
【0016】
本明細書で使用される場合、「実質的に交互に配置」という用語は、少なくとも部分的にメッシュになった第一および第二のローラーの波型形状を意味する。これには、ローラーの一方または両方の波型形状が対称的または非対称的な配列が含まれる。ローラーの波型形状は、実質的に整列させてもよく、または少なくとも部分的にオフセットさせてもよい。第一または第二のローラーの一つ以上の波型形状の山は、第一および第二のローラーのうち他方の単一の波型形状の谷と交互に配置されうる。第一および第二のローラーのうち一方の実質的にすべての波型形状の谷がそれぞれ第一および第二のローラーのうち他方の単一の波型形状の山を受けるように、第一および第二のローラーの波型形状は交互に配置されることが好ましい。
【0017】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、シートまたはウェブの長さに沿って、またはそれと平行に延びる方向を意味する。
【0018】
本明細書で使用される「ピッチ値」という用語は、特定の波型形状の山の一方の側にある谷の間の横方向距離を意味する。
【0019】
本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形または長円形の断面の概して円筒形の要素を意味する。
【0020】
本明細書で使用される「軸方向の」または「軸方向に」という用語は、ロッドの円筒形の軸に沿って、またはそれに平行して延びる方向を意味する。
【0021】
本明細書で使用される「集合された」または「集合する」という用語は、たばこ材料シートが、巻き込まれるか、または他の方法でロッドの円筒軸方向に対して実質的に横方向に圧縮または収縮されていることを示す。
【0022】
本明細書で使用される「振幅値」という用語は、その山から最も深い直接隣接した谷の最も深い地点までの波型形状の高さを意味する。
【0023】
本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を意味する。
【0024】
均質化したたばこ材料は、シートの形態としうる。均質化したたばこ材料のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥質量基準で5パーセントを超えてもよい。別の方法では、均質化したたばこ材料は、乾燥質量基準で約5~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有しうる。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉の茎の一方または両方を粉砕またはその他の方法で細かく砕くことにより得られる粒子状のたばこを凝集させることによって形成されうるか、あるいは、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えば、たばこの処理、取扱いおよび輸送中に形成されるたばこダスト、たばこの微粉およびその他の粒子状のたばこ副産物の一つ以上を含みうる。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこの凝集を助けるために、一つ以上の本来備わっている結合剤(すなわち、たばこ内在性結合剤)、一つ以上の外来的な結合剤(すなわち、たばこ外来性結合剤)、またはその組み合わせを含みうるが、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、フィラー、水性および非水系の溶媒およびその組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加物を含んでもよい。
【0025】
均質化したたばこ材料は、エアロゾル形成基体の一部または全体を形成してもよく、エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は固体構成要素と液体構成要素の両方を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0026】
エアロゾル形成基体が固体のエアロゾル形成基体である場合、固体のエアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押し出し成形たばこおよび膨化たばこのうち一つ以上を含む、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち一つ以上を含みうる。固体エアロゾル形成基体は、容器に入っていない形態にしてもよく、または適切な容器またはカートリッジで提供してもよい。例えば、固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成材料は、紙またはその他のラッパー内に含まれ、かつプラグの形態を有しうる。エアロゾル形成基体がプラグの形態である場合、任意のラッパーを含めてプラグ全体がエアロゾル形成基体であると考えられる。
【0027】
本明細書で使用される場合、エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成基体が加熱された時に吸入可能なエアロゾルを生成する任意の物品である。この用語は、電気発熱体などの外部熱源によって加熱されるエアロゾル形成基体を備える物品を含む。エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成基体の燃焼を用いずに揮発性化合物を放出する物品である、不燃性のエアロゾル形成物品であってもよい。エアロゾル形成物品は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されるエアロゾル形成基体を含むエアロゾル形成物品である、加熱式エアロゾル形成物品であってもよい。この用語は、エアロゾル形成基体と、一体型の熱源(例えば、可燃性熱源)と、を備える物品を含む。
【0028】
エアロゾル発生物品は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されるエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品である、加熱式エアロゾル発生物品としうる。加熱式エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の一部を形成する搭載型の加熱手段を備えてもよく、または別個のエアロゾル発生装置の一部を形成する外部ヒーターと相互作用するように構成されてもよい。
【0029】
エアロゾル発生物品は、紙巻たばこなどの加熱式喫煙物品と似たものとしうる。エアロゾル発生物品は、たばこを含みうる。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。エアロゾル発生物品は、別の方法として、部分的に再利用可能であり、補充可能または交換可能なエアロゾル形成基体を備えるものとしうる。
【0030】
エアロゾル形成基体は、乾燥質量で5パーセントを超えるエアロゾル形成体と水を有する均質化したたばこ材料から形成されるか、またはそれを含むことが好ましい。例えば、均質化したたばこ材料は、乾燥質量で約5~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有しうる。こうしたエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、ユーザーによって、特に高い温度を持つものと考えられる場合があり、また広い表面積、低い引き出し抵抗のエアロゾル冷却要素を使用することで、エアロゾルの認識温度をユーザーにとって容認可能なレベルに減少させうる。
【0031】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒形の形状としうる。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品はまた、長さと実質的に直交する長さと周囲を有しうる。エアロゾル形成基体は実質的に円筒形の形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、この長さと実質的に直交する円周とを有しうる。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体の長さがエアロゾル発生装置内の気流方向に実質的に平行となるように、エアロゾル発生装置に受けられうる。エアロゾル冷却要素は、実質的に細長くてもよい。
【0032】
エアロゾル発生物品の全長は、およそ30mm~およそ100mmとしうる。エアロゾル発生物品の外径は、およそ5mm~およそ12mmであってもよい。
【0033】
エアロゾル発生物品は、フィルターまたはマウスピースを備えうる。フィルターは、エアロゾル発生物品の下流端に位置しうる。フィルターは、アセチルセルロースフィルタープラグとしうる。フィルターは、一つの実施形態で長さおよそ7mmとしうるが、およそ5mm~およそ10mmの長さを持ちうる。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の下流に位置するスペーサー要素を備えうる。
【0034】
エアロゾル発生物品の要素は、適切なラッパー、例えば紙巻たばこ用紙といった手段によって組み立てられることが好ましい。紙巻たばこ用紙は、エアロゾル発生物品の構成要素をロッドの形態に包装するための適切な任意の材料としうる。物品が組み立てられてそれらをロッド内の位置に保持する時、紙巻たばこ用紙は、エアロゾル発生物品の構成要素を保持し、それを整列させることが好ましい。適切な材料は当業界で周知である。
【0035】
本発明の装置は、材料シートを捲縮するために使用される。例えば、こうしたシートはエアロゾル形成基体のシートとすることができる。シートは、植物を含む材料に形成されることが好ましい。シートは、アルカロイドを含む植物材料を含むことがより好ましい。シートは、例えば均質化したたばこ材料の形態であるたばこを含むことがさらにより好ましい。シートを捲縮するために、装置は、対を形成する第一および第二のローラーを含む。第一および第二のローラーは、第一および第二の回転軸の周りを回転しうる。シートを捲縮するために、すなわちシートに波型形状を形成するために、二つのローラー間に材料シートが挿入される。
【0036】
波型形状は、対のローラーのうちの少なくとも一つに、例えば、第一のローラー上に形成された隆起によって本発明の装置により形成される。
【0037】
隆起は、第一のローラーの外部表面上に実現され、表面自体の周りに円周方向に延びる。したがって、隆起は円筒形を囲んでループを形成する。ループは、隆起によって画定されるループがローラーの回転軸と直角をなす平面上にある場合には円周としうる、またはループがローラーの回転軸に対して傾斜した平面上にある場合には楕円形としうる。
【0038】
隆起は互いに平行であることが好ましい。
【0039】
隆起は、第一のローラーの外部表面全体に形成されてもよく、またはその一部のみに形成されてもよい。
【0040】
隆起は一定のピッチ値を有しうる。
【0041】
ローラー表面上のその伸びに沿って、円周隆起は一つ以上の間隙によって中断される。隆起は、その円周延長に沿って一定の振幅を有することが好ましく、またこの一定の振幅は、隆起の振幅が変化する一つ以上の間隙を除いて、ローラー内のすべての隆起について同じであることがより好ましい。間隙は、360°に等しい隆起の延長全体と比較して「小さな」角度であることが好ましい、所与の角度で円周方向に延びる隆起の一部分であり、ここで振幅変動が起こる。間隙の角度は、間隙の二つの端部をローラーの回転軸と結合する、ローラーの二つの半径間に形成される角度である。例えば、間隙内の隆起の振幅は、その円周延長の残りに沿った隆起の振幅より小さくてもよい。小さな振幅はまた、間隙内で隆起が平坦である、すなわち、間隙内に全く隆起がないことを意味しうる。例えば、間隙内のローラーの表面は、二つの隣接する隆起間におけるのと実質的に同じ、ローラーの中心(回転軸)からの半径方向距離を有する。別の方法として、間隙内の半径方向距離は隆起間よりもさらに小さく、その結果、間隙内で、ローラーの表面は実質的に「凹面」である。
【0042】
したがって、各隆起は、第一および第二のローラーを通過する材料シートと接触する時に、シート自体上に二つの異なる捲縮パターンを生成する。第一のローラー上の隆起は、隆起がその標準的な振幅を有する第一の捲縮と、間隙が存在し、隆起が異なる振幅を有する、第二の異なる捲縮とを形成する。
【0043】
例えば、小さな、またはゼロまたは「負の」隆起の振幅が間隙内に存在する場合、第一のローラーは、間隙の位置に対応して、捲縮プロセス中に、捲縮していない、または捲縮が少ない材料の材料領域をシート上に作り出す。
【0044】
シートの最終的な捲縮、すなわち、シート内に形成される波型形状の最終パターンは、第一および第二のローラーの両方に形成される隆起に依存する。第一および第二のローラーの隆起の捲縮動作の組み合わせは、これらのローラーの間を通る材料シート内に波型形状を生成する。
【0045】
シート内の捲縮していない材料を有する領域は、ローラーの両方に滑らかな表面を有する間隙によって、またはローラーの両方に凹面の表面を有する間隙によって達成されうる。
【0046】
材料シートは、相互に対向する、第一および第二の表面、または第一および第二の側を画定する。シートの一方の側にローラーによって生成されるパターンは、シートの反対側に生成されるパターンとは異なってもよい。
【0047】
例えば、対の第二のローラーは、いくつかの可能性のある隆起のパターンを有してもよく、または、全く隆起を有さなくてもよい。したがって、以下に詳述される異なる構成が生じうる。
【0048】
第一のローラー表面上の波型形状は、捲縮後にシートに効果を生成するが、以下のパラグラフで効果を相互に比較する。この比較では、「最も低い」、「低い」、「高い」、「最も高い」引張強度は、相互、および捲縮前の引張強度に対するものであり、「最も高い引張強度」は、捲縮前のシートの引張強度に等しい。
【0049】
以下では、「従来的なローラー」とは、その円周延長全体に実質的に均一な振幅を有する隆起を含むローラーを示す。従って、隆起は実質的に間隙を有さず、材料シートを捲縮するための従来技術に従って「従来的に」使用される。
【0050】
さらに、複数の隆起に形成される中断間隙は、実質的に「整列されている」、すなわち、中断間隙は、ローラーの表面に沿って走る間隙のバンドを形成するように、角度を有して配置される。すべての間隙は、同じ角度寸法を有することが好ましい。したがって、「バンド」は、第一のローラーの複数の隆起に形成された複数の間隙の集合によって画定されるパターンである。
【0051】
円周隆起を有する二つの従来的なローラー間でシートを捲縮することは、先行技術による通常の方法でシートの両側にそれぞれの捲縮した領域を生成する。この状況において、破砕が起こることがある。捲縮したシートの引張強度は、本明細書で開示した構成のリストにおける最も低い値を有する。
【0052】
「間隙」を有さない円周隆起の従来的な捲縮パターンを有する第二のローラーと、上記に詳述するように本発明による中断バンドの領域を有し、バンド内において、隆起がその円周延長の残りにおけるよりも小さな振幅を有する、第一のローラーとの間でシートを捲縮することにより、両側に捲縮を有するが、バンドに対応するそれらの領域における一方の側には捲縮が少ない、シートがもたらされる。引張強度は小さいが、上述する二つの従来的なローラー間の捲縮の状況に対して引張強度が大きいことにより、少ない破砕が達成されうる。
【0053】
円周隆起の従来的な捲縮パターンを有する第二のローラーと、捲縮していない、滑らかな領域(すなわち、隆起の振幅がゼロ)の中断バンド含む隆起を有する第一のローラーとの間でシートを捲縮することにより、バンドに対応するそれらの領域のシートの一方の側のみに捲縮を有し、他の場所に標準的な波型形状が生成される、シートがもたらされる。場合によっては、破砕は発生せず、高い引張強度が達成されうる。
【0054】
円周隆起の従来的な捲縮パターンを有する第二のローラーと、捲縮していない、凹面の領域の中断バンドを含む隆起を有する第一のローラーとの間でシートを捲縮することにより、第二のローラーには隆起があるが、凹面の部分による自由空間が残っているために、隆起表面のシート上への接触がないという事実により、第一のローラー内のバンドに対応する領域のシートのいずれかの側に捲縮を有しない、シートがもたらされる。実際に、利用可能な空間のため、シートは圧縮されない。場合によっては、こうした場合には破砕は発生せず、これまでに説明したすべての構成の間で最も高い引張強度が達成されうる。引き出し抵抗が影響を受けうる。
【0055】
共に、中断バンドの隆起を有し、中断バンド内において、隆起が、残りの隆起延長におけるよりも小さい振幅を有する、二つのローラー間でシートを捲縮することにより、それらの領域領域の両側に、シートに対面するローラーのバンドによって生成される軽い捲縮と、他の場所に標準的な捲縮を有する、シートがもたらされる。この構成では、粉砕の発生が少ないかまたは破砕が発生しない場合があり、高い引張強度が達成されうる。
【0056】
中断バンドの隆起を有し、中断バンド内において、隆起が、残りの隆起延長におけるよるも小さい振幅を有する、第一のローラーと、捲縮していない、すなわち、滑らかな中断バンドを有する隆起を有する第二のローラーとの間でシートを捲縮することにより、それらの領域の一方の側に、シートに対面するローラーの捲縮が少ない、または捲縮していないバンドによって生成される軽い捲縮を有する、シートがもたらされる。この構成では、破砕の発生が少ない、または破砕が発生しない場合があり、最も高い引張強度が達成されうる。引き出し抵抗が影響を受けうる。
【0057】
捲縮が少ないパターンの中断バンドを有する隆起を有するローラーと、凹面の表面を有する中断バンドを有する隆起を有するローラーとの間でシートを捲縮することにより、それらの領域にシートに対面するローラーの凹面のバンド領域によって生成される捲縮がないシートがもたらされる。この構成では、破砕の発生が少ない、または破砕が発生しない場合があり、最も高い引張強度が達成されうる。引き出し抵抗が影響を受けうる。
【0058】
隆起および、凹面または滑らかな表面のいずれかである捲縮していないパターンの中断バンドの隆起を有する二つのローラー間でシートを捲縮することにより、それらの領域に、互いに対面するローラーの捲縮していない、凹面または滑らかな領域によって生成される捲縮を有さない、シートがもたらされる。この構成では、破砕の発生が少ない、または破砕が発生しない場合があり、最も高い引張強度が達成されうる。引き出し抵抗が影響を受けうる。
【0059】
ローラーの表面は、鋼などの硬質材料で作製されうる。
【0060】
パターン付き領域は、ゴムなどの軟質材料を使用することによって作製されうる。軟質材料のこうした領域は、ローラーの表面全体を覆ってもよく、または、同じローラー表面上で硬質材料領域と組み合わせられてもよい。表面に軟質材料を使用することにより、シート上に彫刻される捲縮パターンがより少なくなり、捲縮プロセスの機械的圧力を広げるのに役立ち、破砕しやすい材料上への損傷、低い引張強度を有する材料への損傷、または高い処理速度を使用するときの損傷を防止しうる。
【0061】
対の二つのローラーは、異なる材料で実現されてもよく、例えば、ローラーの一方が硬質の表面で、他方が軟質の表面で実現されてもよい。
【0062】
第一のローラー内の各バンドは、中断バンドとも呼ばれ、所与の方向を画定する。該所与の方向は、ローラーの第一の回転軸に平行な軸に対して特に角度を有している。言い換えると、各点におけるバンドの接線をバンド自体によって画定される方向として考慮し、第一の回転軸に平行であり、上記画定された接線に入射する軸を考慮すると、これらの二つ、方向と軸の間に形成される角度は、約0°、約180°または約90°とは異なる、すなわち、所与の方向および軸は、平行でもなく、直角をなしもしない。軸と所与の方向との間の好ましい角度は、約2°~約25°の範囲であり、約3°~約24°の範囲であることが好ましく、約13°20’±10°の範囲であることが好ましい。
【0063】
ローラー上のこのバンドは、角度が一定となる、すなわち、バンドおよび軸に対する接線が常に一定の角度を形成するように、そのすべての点において一定の方向を有してもよく、または、角度が常に好ましい範囲内で変化してもよい。
【0064】
バンドは螺旋の一部であることが好ましい。したがって、角度はねじれ角として定義され、これはローラーから螺旋を解き、セクションを直角三角形として表現し、形成される角度を計算することで見いだされうる。
【0065】
この場合、ねじれ角は、次のように表現することができる:
【数1】
式中、rはバンド内のローラーの半径であり、lはバンドによって形成される螺旋のリードである(リードはローラーの周りの一回の完全な回転(360°)中の螺旋の軸方向の前進である)。
【0066】
この中断バンドは、捲縮したシート上に対応する「角度を有する」バンドを形成する。実際のプロセスにおいて、プロセスの終了時に形成されるロッドの軸でもある、回転軸に平行な、捲縮していない、または捲縮が少ない材料などの異なって捲縮したパターンのバンドを有することで、シート材料をロッドに圧縮することが困難となり、引き出し抵抗に悪影響を及ぼしうる。角度を有するバンドは、円周隆起と交差し、第一のローラーの回転軸と平行でもなく、第一のローラーの回転軸と直角をなしもしない、第一のローラーの長軸方向の延長に沿った中断バンドの螺旋状の配列をもたらす。実際のプロセスにおいて、捲縮したシートを使用して形成されるロッドの軸でもある、回転軸に平行な、異なって捲縮した材料をバンドを有することにより、ロッドの長軸方向軸と直角をなす異なって捲縮した材料がもたらされ、これは、材料をロッドに圧縮することを困難にし、引き出し抵抗に悪影響を及ぼしうる。螺旋状の中断バンドは、捲縮したシートまたはウェブからロッドが形成される時の、シートまたはウェブの引張特性に有利である。
【0067】
特許請求の範囲内に含まれる角度は、必要とされる圧縮強度とそれを通して空気が引き出されるロッド内の経路の形成の間に最適な妥協点を有することを許容するため、最適な引き出し抵抗を得ることを可能にする。
【0068】
捲縮していない、または捲縮が少ない材料が存在する領域などの、本発明の装置によって材料シート上に生成される、異なって捲縮したパターンを有する領域は、そうでなければ捲縮のために使用される伝統的または従来的なローラーが用いられた際に破砕しうる部分を含む、シートのその他の捲縮した部分を保持または固着する。こうした望ましくない破砕部分は、シートが集合され、ロッドまたはスティックとして圧縮され、喫煙物品内に挿入される時に、エアロゾル発生物品内を移動する。この問題は、ユーザーの喫煙体験を阻害する「フライアウト」効果として当技術分野で知られている。本発明による装置を用いてシートに形成される、バンドの外側の隆起によって形成される捲縮、および間隙によって形成される捲縮(または捲縮がない)の、二つの異なるタイプの捲縮を含む、パターンは、良好な引張強度を維持すること、およびフライアウト部品の低減を可能にしうる。したがって、製品の一貫性の増大が達成されうる。特に、フライアウトに対する抵抗は、少なくとも約30パーセント、好ましくは少なくとも約40パーセント、より好ましくは約50パーセント改善できる。
【0069】
有利なことに、中断間隙内の隆起の振幅は、残りの円周延長の隆起の隆起振幅よりも小さい。間隙内の隆起の振幅は、「小さい」ことが好ましく、これはまた、ゼロに等しい、または間隙の外側の隆起の振幅よりも負の振幅(間隙または凹面の表面に隆起がないこと)を含む。このように、ローラーの中断間隙と接触するときに、材料シート上に、捲縮した部分がない、または捲縮が少ない部分が形成される場合がある。ローラーの残りの部分、すなわち、間隙が存在しないローラーの残りの部分は、シート上に標準的な捲縮パターンを形成する。
【0070】
第一のローラー軸と中断間隙における第一のローラーの表面との間の距離と、第一のローラー軸と二つの隣接した隆起間の第一のローラーの表面との間の距離は、実質的に同じであることが好ましい。すなわち、間隙は、第一のローラー上に「平坦な」滑らかな表面を画定する。中断間隙は、処理されたシート上に捲縮が少ない、または捲縮していない表面を形成する。
【0071】
第一のローラー軸と中断間隙における第一のローラーの表面との間の距離は、第一のローラー軸と二つの隣接する隆起間の第一のローラーの表面との間の距離よりも小さいことが好ましい。すなわち、間隙は、ローラー上に「凹面の」表面を画定する。中断間隙は、処理されたシート上に実質的に捲縮していない表面を形成する。
【0072】
複数の隆起のそれぞれは、円周延長に沿って同じ中断角度で中断されることが好ましい。好ましくは、間隙の幅は、シート上に規則的なパターンが形成されうるように、円周隆起のそれぞれに対して同じである。
【0073】
随意に、円周方向の隆起および谷のパターンおよび中断間隙を有する捲縮領域の寸法および幾何学的形状は、同じローラー上で変化してもよい。
【0074】
好ましくは、複数の中断間隙によって形成される中断バンド内に、中断角度で第一の複数に平行に円周方向に延び、かつ第一の複数の隆起からオフセットされて配置される、第二の複数の隆起が形成される。生成されたバンド内のシートの異なる捲縮は、ローラーの中断間隙内に形成される「隆起の一部分」によって形成されうるが、隆起の一部分は、例えば、中断間隙にかかる角度に等しい角度で延びうる。これらの隆起部分は、延長部の長さを除いて、ローラー内の円周隆起と同じ形態または振幅を有しうるが、円周隆起に対してオフセットされている。従って、例えば、シート上の異なる捲縮を決定するバンド内に、互いに平行な、複数の隆起の一部分が形成される。
【0075】
有利なことに、ローラーは複数の中断バンドを含む。これにより、再現性のある特徴を有する様々な幅の捲縮シートまたはウェブが可能となる。
【0076】
該複数の中断バンドは、互いに一定の距離で第一のローラーの表面上に延びることが好ましい。中断バンドの数および中断バンド間の距離は、必要に応じて調節され、装置によって処理されたシートまたはウェブ上の均一なパターンを可能にしうる。バンド間の距離は、調節され、捲縮したシートを集合させて形成されるロッドの長さに依存することが好ましい。
【0077】
第二の態様によれば、本発明は、実質的に連続的な材料シートを一組の捲縮ローラーに搬送方向に搬送することであって、一組のローラーは、第一のローラーおよび第二のローラーを含み、第一または第二のローラーのうちの少なくとも一つはその幅の少なくとも一部分にわたる第一の非均一な複数の隆起を含む、搬送することによって、および、第一または第二のローラーの波型形状が複数の捲縮された波型形状を実質的に連続的なシートに施すように、実質的に連続的なシートを第一のローラーと第二のローラーとの間にシートの搬送方向に供給することで、実質的に連続的な材料シートを捲縮して捲縮したシートを形成する、捲縮することによって、材料シートを捲縮するための方法を提供しており、捲縮された波型形状は、第一の部分に対する第一の捲縮パターン、および第二の部分に対する第二の捲縮パターンを有し、捲縮された波型形状は捲縮したシート上に複数のバンドを形成し、各バンドは第一および第二の捲縮パターンを交互に含み、バンドは延長方向を画定しており、該延長方向は、搬送方向と直角をなす軸と約2°~約25°からなる角度を形成する。
【0078】
第二の態様の利点については、第一の態様を参照しながら既に詳述したため、ここでは繰り返さない。
【0079】
第一の部分と第二の部分との間の比は、約0.125~約1からなることが好ましい。
【0080】
部分間の比は、部分の領域間の比である。好ましくは、こうした比は、0.125~約1からなることが好ましく、約0.4~約0.7からなることがより好ましく、約0.4~約0.6からなることがより好ましい。比は約0.5であることがより好ましい。上述の通り、第一の部分および第二の部分が複数の分離された領域によって形成されるように、ローラーに多くのバンドがあってもよい。以下のデータは、単一の第一の部分および単一の第二の部分に対して与えられており、第一または第二のタイプのより多くの部分が存在する場合、同じ数がそれらのいずれかの一組に適用される。例えば、第一の態様に従って画定されるように、第一の部分が「捲縮が少ない」または「捲縮していない」部分であり、シートの幅が一定であるとした場合、第一の部分は、長軸方向に沿って約2.5ミリメートル~約12ミリメートルからなる長さに延び、約2.5ミリメートル~約6ミリメートルからなる長さに延びることがより好ましく、約4ミリメートルの長さに延びることがさらにより好ましい。第二の部分は、例えば「通常に捲縮した部分」であり、長軸方向に沿って約6ミリメートル~約20ミリメートルからなる長さに延び、約6ミリメートル~約9.5ミリメートルからなる長さに延びることがより好ましく、約8ミリメートルの長さに延びることがより好ましい。
【0081】
比は、ロッドに処理されるシートの第二のパターンが、合計表面の30%未満となるように選択されることが好ましく、合計表面の約20%~約25%となるように選択されることが好ましい。
【0082】
材料シートはエアロゾル形成基体のシートであることが好ましい。シートは、植物を含む材料に形成されることが好ましい。シートは、アルカロイドを含む植物材料を含むことがより好ましい。シートは、たばこを含むことがさらにより好ましい。シートは、均質化したたばこシートであることがさらにより好ましい。
【0083】
有利なことに、第一または第二の部分は、捲縮したシートの一方の横側から他方へ延びるバンドを含む。この構成を使用することで、引張強度をシートの全面積内で維持、またはさらには改善しうる。
【0084】
有利なことに、方法は、捲縮したシート上に複数の平行な捲縮したバンドを形成することを含み、各バンドは代替的に第一または第二の捲縮パターンを含む。捲縮パターンは、圧縮に対する抵抗、弾性などの、捲縮するシート材料の特性、および、シートがローラーによって押し付けられることが期待される速度、ローラーによって加えられる圧力などのその他の要因、および達成すべき捲縮の所望の効果に応じて、選択されうる。有利なことに、第一の捲縮パターンは、シートに捲縮していない領域をもたらす滑らかなパターンである。
【0085】
有利なことに、方法は、捲縮した材料シートを集合させ、捲縮した材料シートを使用してロッドを形成することが含まれる。捲縮した材料シートは、エアロゾル発生物品で使用されるロッドを形成するために使用されることが好ましい。こうした機能のために使用するために、捲縮したシートは、実質的に管状の形状が形成されるように、折り畳まれるか、または圧縮される必要がある。
【0086】
方法は、連続的なロッドを複数のロッド状の構成要素に切断することをさらに含むことがより好ましく、各ロッド状の構成要素は、捲縮したシートの切断された部分から形成された捲縮したシートの集合体を有し、捲縮したシートの捲縮された波型形状が、ロッド状の構成要素内の複数の経路を画定する。捲縮したシート材料の引張強度が、従来的に捲縮したシートと比較して維持される、または改善される、および破砕が減少または回避される。
【0087】
連続的なロッドは、二つの平行な異なって捲縮したバンド間の距離に実質的に等しい長さを有する複数のロッド状の物品に切断されることがさらにより好ましい。ロッド内の、捲縮していない、または捲縮が少ないバンドなどの二つの異なって捲縮したバンド間の距離がロッド長さ未満である場合、異なって捲縮したバンドの重なりがロッド内に発生することがあり、これが、引き出し抵抗を低減させ、ロッドの特性を大きく劣化させうる。二つの異なって捲縮したバンド間の距離がロッド長さよりも大きい場合、ロッド領域は異なって捲縮したバンドを有さずに発生するため、望ましくないフライアウト効果が増加する。ロッド長さと同じサイズの二つのバンド間の距離を有することにより、これが、一つのみの異なって捲縮した、連続的または非連続的なバンドをもたらすため、該問題を回避する。特に、バンド間の距離は、ローラー上の中断バンドの適切な傾き角度によって調節されうる。
【0088】
第三の態様によれば、本発明は、エアロゾル発生物品用の捲縮したシートを提供しており、捲縮したシートは、長軸方向を有し、かつ複数のバンドを含み、各バンドは、第一または第二のパターンの捲縮された波型形状を含み、二つの隣接するバンドは、異なるパターンを有する捲縮された波型形状を有し、各バンドは、シートの長軸方向と直角をなす軸と、約2°~約25°からなる角度を形成する延長方向を画定する。
【0089】
この捲縮したシートは折り畳まれることができ、またエアロゾル発生物品用が適切な引き出し抵抗値を得るのに使用されうる。有利なことに、捲縮したシートのバンドは、捲縮したシートの長軸方向に対して傾斜している。傾き角度は、約0°または約90°とは異なることが好ましい。実際のプロセスにおいて、ロッドの回転軸でもある、回転軸に平行な捲縮していない材料のバンドを有することにより、ロッドの長軸方向軸と直角をなす捲縮していない材料をもたらし、これは、材料をロッドに圧縮することを困難にし、引き出し抵抗に悪影響を及ぼしうる。好ましい角度は約2°~約25°の範囲であり、約3°~約24°の範囲であることが好ましく、約13°20′±10°の範囲であることが好ましい。
【0090】
第一のパターンの捲縮された波型形状を有するバンドと第二のパターンの捲縮された波型形状を有するバンドとの比は、約0.125~約1からなることが好ましい。
【0091】
比は、ロッドに処理されるシートに第一のパターンを有するバンドがシートの合計表面の約30パーセント未満となる、好ましくは約20パーセント~約25パーセントとなるように、選択されることが好ましい。
【0092】
バンド間の比は、バンドの領域間の比である。好ましくは、比は、約0.125~約1からなることが好ましく、約0.4~約0.7からなることがより好ましく、約0.4~約0.6からなることがより好ましい。比は約0.5であることがより好ましい。すでに述べたように、第一のパターンを有する多くのバンド、および第二のパターンを有する多くのバンドが存在するように、ローラー内に多くのバンドがあってもよい。以下のデータは、第一のパターンの単一のバンドおよび第二のパターンを有する単一のバンドに対して与えられており、第一または第二のタイプのより多くのバンドが存在する場合、同じ数がそれらのいずれかの一組に適用される。例えば、第一の態様に従って画定されるように、第一のパターンを有するバンドが「捲縮が少ない」または「捲縮していない」バンドであり、シートの幅が一定であるとした場合、そのそれぞれは、長軸方向に沿って約2.5ミリメートル~約12ミリメートルからなる長さに延び、約2.5ミリメートル~約6ミリメートルからなる長さに延びることがより好ましく、約4ミリメートルの長さに延びることがさらにより好ましい。第二のパターンを有するバンドは、例えば「通常に捲縮した」バンドであり、そのそれぞれは、長軸方向に沿って約6ミリメートル~約20ミリメートルからなる長さに延び、約6ミリメートル~約9.5ミリメートルからなる長さに延びることがより好ましく、約8ミリメートルの長さに延びることがより好ましい。
【0093】
二つの異なるパターンによる捲縮した領域を有するシートは、本発明の第一または第二の態様を参照して既に説明した利点を示しており、ここでは繰り返さない。
【0094】
有利なことに、第二のパターンの捲縮された波型形状は、第一のパターンの捲縮された波型形状に対してオフセットされている。従って、二つの隣接したバンドには、オフセットされた波型形状が提供されている。
【0095】
有利なことに、第一のパターンの捲縮された波型形状は、第二のパターンの捲縮された波型形状よりも小さい振幅を有する。第一のパターンは滑らかであることがより好ましい。滑らかとは、波型形状がないとの意味を有する。「小さな」バンドは、捲縮していない表面または「捲縮が少ない」表面のいずれかを有することが好ましく、ここで「捲縮が少ない」とは、小さな振幅を有する波型形状、または面積単位当たりの少ない波型形状を含む。
【0096】
捲縮したシートは、相互に向かい合った第一および第二の横方向の端を画定し、バンドは第一の横方向の端から反対側の横方向の端まで延びることが好ましい。
【0097】
第四の態様によれば、本発明は、エアロゾル発生物品用のロッドに関し、該ロッドは、第三の態様に従って上記の通りに実現される、または第二の態様に記述された方法によって製造される、捲縮したシートの一部分を含む。
【0098】
ロッドは、良好な引張強度を有する材料を含み、捲縮した材料に対する固着領域を提供して、破砕およびその後のフライアウト効果を回避し、好ましい引き出し抵抗を提供する。
【0099】
有利なことに、該ロッドは、所与の長さを有し、捲縮したシート内の二つの隣接したバンド間の距離は、ロッド長さと実質的に等しい。特に、隣接したバンド間の距離は、ローラー内の中断バンドの適切な傾き角度によって調節されうる。
本発明を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0100】
図1図1は、二つのローラーを有し、これらのローラーの間で材料シートが本発明により処理される、装置の等角図を示す。
図2図2は、中断バンドによって交差した、隆起と谷のパターンを有するローラーの表面の二次元表現を示す。
図3図3は、本発明による図1の装置の処理後の材料シートを示す。
図4図4は、本発明による異なって捲縮したバンドを有さない領域を有する、処理されたシートの概略上面図を示す。
図5図5は、本発明による重なり合う異なって捲縮したバンドを有する領域を有する処理されたシートの概略上面図を示す。
図6図6は、本発明による異なって捲縮したバンドの最適化された配列を有する処理された材料シートの概略上面図を示す。
図7図7は、本発明による材料シートを捲縮するための方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0101】
図1を最初に参照すると、図1は、第一および第二の対面する捲縮ローラー11、21を備え、これらのローラーの間で幅46を有する材料シート40が本発明により処理される、装置10の等角図を示す。シート40の搬送方向1は、図中、左前方を指し示す矢印で示されている。
【0102】
第一および第二の対面する捲縮ローラー11、21は、それぞれ第一の回転軸17および第二の回転軸27を画定する。ローラー11、21の表面には、波型形状が提供され、隆起と谷のパターン16、26は、各ローラー11、21の表面上の二つの円周方向の線で示されている。
【0103】
ローラー11、21の一方または両方は、捲縮していない、および/または波型形状が少ない領域を有し、ローラー11または21の一方のローラー上のこうした領域が、捲縮プロセス中に、ローラー21または11の他方のローラー上のこうした領域または通常の隆起および谷のパターン16、26に対面するように、相互に配置されている。
【0104】
第一のローラー11および第二のローラー21の波型形状は少なくとも部分的にメッシュになっている。ローラー11、21の一方または両方の波型形状は、対称的または非対称的である。ローラー11、21の波型形状は、実質的に整列していてもよく、または少なくとも部分的にオフセットされてもよい。第一のローラー11または第二のローラー21の一つ以上の波型形状の山は、第一のローラー11および第二のローラー21のうちの他方の単一の波型形状の谷と交互に配置されうる。第一のローラー11および第二のローラー21のうちの一方の実質的にすべての波型形状の谷がそれぞれ第一のローラー11および第二のローラー21のうちの他方の単一の波型形状の山を受けるように、第一のローラー11および第二のローラー21の波型形状は交互に配置されることが好ましい。ローラー11、21の両方の表面パターンは、二つのローラー11、21の間で押し付けられるときにシート40の表面に伝達される。
【0105】
図2で分かる通り、第一のローラー11は、明確にするために二次元領域として図示されており、ローラー11の表面12は、以下中断バンドとも呼ばれる、異なるパターンを有した、本例では滑らかな表面18である、平行なバンド13と組み合わされる、従来的な隆起および谷のパターン16を有する。隆起と谷のパターン16は円周隆起からなり、各隆起は隆起振幅を画定する。隆起は、回転軸17と直角をなして配向することができ、または、例えば10度を超えない角度でわずかに傾斜することもできる。隆起は、中断バンド13によって交差する。
【0106】
一般的に、中断バンド13は、隆起および谷のパターン16とは異なった波型形状である。中断バンド13は、隆起振幅が小さい、または隆起および谷の数が少ない、例えば、ピッチ値が大きい、隆起および谷のパターン16よりも波型形状が少ないパターン(「捲縮が少ない」として示す)を含みうる。中断バンド13は、シート40の押し付けが発生しない、凹面のバンドであってもよく、または、捲縮プロセスによって波型形状が生成されない(「捲縮していない」として示す)滑らかな表面18を有してもよい。
【0107】
ローラー11は、従来的な隆起および谷のパターン16と、波型形状が少ない、または波型形状がない、中断バンド13との組み合わせを有しうる。寸法および幾何学的形状は、同一のローラー11上で変化しうる。ローラー11および21の両方には、こうした中断バンド13が提供されうる。
【0108】
図1に示す他方のローラー21は、従来的な捲縮表面を有しうる。
【0109】
中断バンド13は、第一の複数の円周隆起によって形成され、各隆起は中断間隙によって中断され、所与の中断角度で、隆起の振幅は残りの円周延長の隆起の隆起振幅とは異なる。中断バンド13は、第一の回転軸17に平行な軸に対して角度αだけ傾斜している。角度αは約0°および約90°とは異なり、約2°~25°からなる。図2では、角度αは、バンドと、同じく17で示す、第一の回転軸に平行な軸との間の角度である。
【0110】
中断バンド13は、互いに平行に配置され、一定の距離15だけ間隙を介している。さらに、αはバンド全体で一定である。
【0111】
二つの中断バンド13間の距離15は、ロッド長さ未満であることが好ましい(図3)。距離15は、ローラー11の長軸方向軸17と直角をなす軸に沿った、中断バンド13の終わりから次の中断バンド13の始まりまでの距離として計算される。二つのバンド13間の距離15は一定であることが好ましい。
【0112】
図3は、本発明による図1の装置1の処理後の材料シート40を示す。シート40の表面は、例えば、図2のローラー11の表面上の波型形状を実質的に再現する波型形状を示す。中断バンド13(図1)は、シート40上にバンド43として再現されるが、これは、中断バンド13の外側に図2のローラーの隆起および谷のパターン16を再現する波型形状42と比較して、異なって捲縮している。
【0113】
異なって捲縮したバンド43には、この例では、滑らかな表面が提供される。異なって捲縮したバンド43は、長軸方向の延長と直角をなすシート40の方向に対して、図2のローラーの長軸方向軸17に対する中断バンド13の傾き角度αと同じ角度である角度αだけ傾斜している。従って、角度αは、バンドと、図1において1で示される搬送方向と直角をなす方向との間の角度である。
【0114】
捲縮した材料シート40は集合され、ロッド状の構成要素50に形成される。捲縮したシート40の捲縮された波形形状は、ロッド状の構成要素50内の複数の経路を画定する。次に、ロッド状の構成要素50は、二つの異なって捲縮したバンド43間の距離15に等しいことが好ましいロッド長さ54を有するロッド52に切断される。
【0115】
一例として、捲縮機ローラー11、21は約0.32メートルの長さであり、直径は0.21メートルである。シートの幅46は約0.125メートル±0.05メートルである。角度αは約13°20’±10°である。シート40内の捲縮していない領域43の幅は、約0.0028メートル±0.002メートルであり、これはロッド長さの約20~25%である。二つの捲縮していない領域43間の距離は、ロッド長さ54と等しく、ロッド長さ54は約0.012メートル±0.005メートルである。
【0116】
このような値を用いた、たばこキャストリーフ材料の試験は、従来的に捲縮した材料と比較して、フライアウト効果の急激な減少、および高い引張強度を示した。フライアウトに対する改善されたシート40の抵抗は、約50%増大しうる。これは、毎秒約650回転にまで加速しうる電動ディスク上にいくつかのロッドを半径方向に固定することによって行われたフライアウト試験セットアップで分かった。これらのロッド(通常はエアロゾル発生物品の一部)は、それらの遠位部分にたばこロッドを含む。開始時にロッドと接触しない、ディスクの周辺部の外側で、レーザー検出器がディスクの表面と直角をなすレーザービームを放射する。このレーザー検出器は、そのビームが、電動ディスクの回転の遠心力によって固定されたロッドから押しやられたたばこロッドの一部によって遮断されると直ぐに信号を送信する。この信号が発信される瞬間は、試験の終了を示し、「フライアウト」効果に対するたばこロッドの抵抗値を示す。
【0117】
ここで図4~6を参照すると、これらは捲縮したシート40の概略上面図を図示するものであり、図面は、シート40に異なる距離の捲縮していない、または捲縮が少ないバンド43を含むことの影響を示している。
【0118】
図4で分かるように、二つの捲縮していないバンド43間の距離45がロッド長さ54よりも大きい場合、「フライアウト」効果が発生しうる、捲縮していないバンドを有さない、領域44がロッド内に生成される。
【0119】
図5は、二つの捲縮していないバンド43間の距離45がロッド長さ54よりも小さい場合を示しており、ロッドの長軸方向軸に沿って、複数の捲縮していないバンド43が存在する領域47が存在する。シート40がロッドに圧縮されると、これは望ましいレベル未満に引き出し抵抗を減少させうるシート40の好ましくない分布を生成しうる。
【0120】
図6は、シート40の捲縮していないバンド43が、捲縮していないバンド43間の距離45がロッド長さ54に等しくなるような、好ましい配列を示しており、これは、有利なことに、図4および5に示す問題を防止する。
【0121】
図7は、本発明による材料シートを捲縮するための方法のフローチャートを示す。
【0122】
第一の工程100において、実質的に連続的な材料シートが、一組の捲縮ローラーに搬送方向に供給される。一組のローラーは、第一のローラーおよび第二のローラーを含み、第一または第二のローラーのうちの少なくとも一つは、その幅の少なくとも一部分にわたる第一の不均一な複数の隆起を含む。
【0123】
工程102において、第一または第二のローラーの波型形状が複数の捲縮された波型形状を実質的に連続的なシートに施すように、実質的に連続的なシートを第一のローラーと第二のローラーとの間にシートの搬送方向に供給することによって、実質的に連続的な材料シートを捲縮して、捲縮したシートを形成する。第一または第二の部分は、捲縮したシートの一方の横側から他方へ延びるバンドを含む。
【0124】
工程104において、複数の平行な捲縮したバンドが捲縮したシート上に形成され、各バンドは第一または第二の捲縮パターンを交互に含む。第二の捲縮パターンは滑らかなパターンであることが好ましい。
【0125】
工程106において、捲縮した材料シートが集合され、ステップ108で捲縮した材料シートを使用してロッドが形成される。
【0126】
工程108において、連続的なロッドを複数のロッド状の構成要素に切断するが、各ロッド状の構成要素は捲縮したシートの切断された部分から形成された捲縮したシートの集合体を有し、捲縮したシートの捲縮された波型形状はロッド状の構成要素内の複数の経路を画定する。
【0127】
最後に、工程110において、連続的なロッドが、二つの平行な異なって捲縮したバンド間の距離に実質的に等しい長さを有する複数のロッド状の物品に切断される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7