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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】ベッド装置
(51)【国際特許分類】
   A47C 17/04 20060101AFI20230510BHJP
【FI】
A47C17/04 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020076651
(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2021171249
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000010032
【氏名又は名称】フランスベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯島 裕平
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-064146(JP,A)
【文献】国際公開第2020/059740(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/04
A47C 27/14-27/15
A47D 7/00- 7/04
A47D 11/00-11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の厚さを有して平面形状が矩形板状に形成されたベースクッション体及びこのベースクッション体を被覆した第1の外装体によって構成されたベース部材と、
前記ベース部材の厚さよりも高さ寸法が大きく設定された補助クッション体及びこの補助クッション体を被覆した第2の外装体によって構成された補助部材と、
前記ベース部材の外周面に対向して配置された前記補助部材を前記ベース部材に着脱可能に連結する連結手段と
を具備し
前記連結手段は、
前記ベース部材の上面における前記第1の外装体に設けられた第1の面ファスナと、
前記補助部材の側面における前記第2の外装体に一端が連結され、裏面に第2の面ファスナが設けられた可撓性を有する帯状の取付け部材と、
を含み、
前記取付け部材を折り曲げて前記ベース部材の前記上面側に導出させ、前記第2の面ファスナを前記第1の面ファスナに係着させることにより、前記補助部材が前記ベース部材に取付けられることを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
前記取付け部材の前記一端は、前記補助部材の前記側面の下端および上端から離れた位置に連結されていることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。
【請求項3】
前記ベース部材は、矩形状の平面形状を有し、
前記補助部材は、前記ベース部材の幅寸法と同等かつ前記ベース部材の長さ寸法の2分の1の幅寸法を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のベッド装置。
【請求項4】
前記ベース部材には、前記第1の外装体の上面のほぼ全体にわたって前記第1の面ファスナが設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のベッド装置。
【請求項5】
同じ大きさに形成された2つのベース部材が並設され、2つのベース部材の少なくとも一方の前記ベース部材の外周面に対向して前記補助部材が設けられることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はたとえばソファーなど、種々の用途に利用することのできるベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のクッション体を折り畳み可能に連結し、所定の折り畳み形状とすることでソファーに変換して利用したり、ベッド装置に変換して利用することができる、ソファー兼用のベッド装置が知られている。
【0003】
従来のソファー兼用のベッド装置としてはたとえば特許文献1や特許文献2に示される構造のものが知られている。
【0004】
すなわち、従来のものは、たとえばウレタンフォームなどのシート状のクッション材に複数の切り込み溝を形成し、折り曲げ可能に連接された複数のブロックとする。そして、前記クッション材を複数の袋部を有する布製の外装体に収容し、シート状に展開されたベッド装置として利用できる状態から、前記切り込み溝に沿って折り畳むことでソファーに変化できるようにしている。
【0005】
また、別な従来の構造としてはシート状の前記クッション材を所定の大きさの複数のブロックに分断する一方、布地によって複数の袋部が連接された外装体を形成する。そして、前記外装体の各袋部に前記ブロックをそれぞれ収納する。
【0006】
そして、ブロックが収納された前記外装体を平坦に展開することでベッドとして利用し、連接された複数の袋部を折り畳むことで、ソファーに変換して利用するなどのことが行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実公昭52-36732号公報
【文献】実公昭47-29784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のソファー兼用ベッド装置は、特許文献1,2に示されているようにシート状のクッション体を切り込み線によって折り曲げ可能に形成したり、複数のブロックに分断形成することが要求されるばかりか、前記クッション体を収容する外装体を複数の袋部を有する形状に縫製しなければならないなどのことがあるため、その製造に多くの手間が掛かるということがあった。
【0009】
この発明は、製造が容易な簡単な構造であっても、ソファーやベッド装置などに容易に変換して利用することができるベッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、所定の厚さを有して平面形状が矩形板状に形成されたベースクッション体及びこのベースクッション体を被覆した第1の外装体によって構成されたベース部材と、
前記ベース部材の厚さよりも高さ寸法が大きく設定された補助クッション体及びこの補助クッション体を被覆した第2の外装体によって構成された補助部材と、
前記ベース部材の外周面に対向して配置された前記補助部材を前記ベース部材に着脱可能に連結する連結手段と
を具備し
前記連結手段は、
前記ベース部材の上面における前記第1の外装体に設けられた第1の面ファスナと、
前記補助部材の側面における前記第2の外装体に一端が連結され、裏面に第2の面ファスナが設けられた可撓性を有する帯状の取付け部材と、
を含み、
前記取付け部材を折り曲げて前記ベース部材の前記上面側に導出させ、前記第2の面ファスナを前記第1の面ファスナに係着させることにより、前記補助部材が前記ベース部材に取付けられることを特徴とするベッド装置にある。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、前記ベース部材の上面をベッド面として利用することができるとともに、前記ベース部材の側辺部などの所定の位置に、前記補助部材を前記連結手段によって連結して設けることで、利用者多前記ベース部材の上面に横たわったり、着座するなどの姿勢を取ることで、前記補助部材を背凭れやひじ掛け、或いは枕などとして利用することができる。
【0012】
つまり、前記ベース部材をベッドやソファーなどとして利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】補助部材をベース部材の一端に配置したベッド装置の平面図。
図2】同じく正面図。
図3】同じく側面図。
図4】同じく下面図。
図5】補助部材をベース部材の一側に配置したベッド装置の平面図。
図6図6乃至図8はこの発明の第2の実施の形態を示し、図6は並設された一対のベース部材の一方の一側に2つの補助部材を一列に配置した斜視図。
図7図7は一方のベース部材の角部に2つの補助部材を配置した斜視図。
図8図8は並設された一対のベース部材の対角位置にある一対の角部にそれぞれ一対の補助部材を配置した平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の一実施の形態を図1乃至図5を参照しながら説明する。
【0015】
図1はベッド装置1の平面図、図2は同じく正面図、図3は同じく右側面図、図4は同じく背面図である。前記ベッド装置1はベース部材2と補助部材3とによって構成されている。
【0016】
前記ベース部材2は、図2に示すようにウレタンフォームなどの弾性材料によって所定の高さ寸法及び矩形状の平面形状を有する直方体状に成形されたベースクッション体4を有する。
【0017】
なお、前記ベースクッション体4はウレタンフォームなどの弾性材料に代わってスプリングユニットなどの他の弾性材料によって形成するようにしてもよい。
【0018】
前記ベースクッション体4は布地などの可撓性の材料によって直方体の袋状に縫製された第1の外装体5によって被覆されている。図示しないが、前記第1の外装体5は一側部分をチャックによって開閉できるように構成され、その開口部分から前記ベースクッション体4を出し入れできるようになっている。
【0019】
前記第1の外装体5の前記ベースクッション体4の上面を覆う部分には、後述する面ファスナを構成するループ状に起毛されたメス側となる布製の第1の面ファスナ8が前記ベースクッション体4の上面の周辺部を除く部分の全体にわたって設けられている。
【0020】
前記ベースクッション体4の外周面に対向する位置、この実施の形態では前記ベースクッション体4の長手方向の一端面側には、前記ベース部材2とで前記ベッド装置1を構成する前記補助部材3が設けられている。
【0021】
前記補助部材3は、図2に示すようにウレタンフォームなどの弾性材料によって高さ寸法が前記ベース部材2の厚さ寸法の、たとえば1.5倍の高さに設定され、幅寸法が前記ベース部材2の幅寸法とほぼ同じ長さに設定された補助クッション体12を有する。
【0022】
前記補助クッション体12は、布地などからなる第2の外装体13によって被覆されている。なお、前記補助部材3の幅寸法は、前記ベース部材2の長さ寸法の2分の1に設定されている。
【0023】
前記第2の外装体13は、図示しないが前記第1の外装体5と同様、一側面を図示しないファスナによって開閉できるようになっていて、その開口部分から前記補助クッション体12を出し入れすることができるようになっている。
【0024】
前記補助部材3の前記ベース部材2の幅寸法と同等の幅寸法に形成された側面の一方には、布地などの可撓性の材料によって所定の幅寸法、この実施の形態では前記補助部材3の幅寸法の約半分の幅寸法を有する帯状の取付け部材15の一端が連結されている。
【0025】
前記取付け部材15の他端部の下面には、図1に破線で示すように布地がフック状に起毛されて帯状に切断された、オス側となる第2の面ファスナ16が前記取付け部材15の幅方向ほぼ全長にわたって設けられている。
【0026】
図1に示されるように、前記第2の面ファスナ16は前記取付け部材15の前記ベース部材2の上面側に折り曲げられた部分の裏面の一部分にだけ設けられているが、折り曲げられた部分の裏面の全体にわたって設けるようにしてもよい。それによって、前記ベース部材2に対する前記補助部材3の連結強度を向上させることができる。
【0027】
なお、前記ベース部材2の上面側に折り曲げられた部分の裏面に設けられる前記第2の面ファスナ16の大きさ(面積)は限定されるものでない。
【0028】
図1に示すように、前記補助部材3は、その一側面を前記ベース部材2の一端面に接触させて設置され、前記取付け部材15の他端部側が前記ベース部材2の上面側に導出される。
【0029】
そして、前記取付け部材15の他端部に設けられた前記第2の面ファスナ16を前記ベース部材2の上面の前記第1の外装体5に設けられた前記第1の面ファスナ8に係着させる。
【0030】
それによって、前記補助部材3は、一側面を前記ベース部材2の長手方向の一端面に接触させた起立状態で、前記ベース部材2に一体的に取付けられる。しかも、前記取付け部材15は上述したように所定の幅寸法を有するから、前記ベース部材2の幅方向に対してガタ付き難い状態で取付けられる。
【0031】
この実施の形態では、前記第1の面ファスナ8、前記第2の面ファスナ16及びこの第2の面ファスナ16が設けられた取付け部材15とで、前記ベース部材2に前記補助部材3を着脱可能に立位状態で連結する連結手段を構成している。
【0032】
なお、図2乃至図4に示すように、前記ベース部材2と前記補助部材3の下面には、それぞれ複数の脚部材17が設けられている。
【0033】
このように構成されたベッド装置1によれば、図1図2に示すように、前記ベース部材2の長手方向の一端に前記補助部材3を設置し、前記ベース部材2の上面の、前記第1の外装体5に設けられた前記第1の面ファスナ8の長手方向一端部に、前記補助部材3に一端が連結された前記取付け部材15の他端に設けられた、前記第2の面ファスナ16を係着させる。
【0034】
それによって、前記補助部材3は前記ベース部材2の長手方向の一端に立位状態で保持されることになるから、利用者は上半身を前記補助部材3の前記ベース部材2の上面側に突出した部分に寄り掛かって前記ベース部材2の上面で横たわる姿勢をとることができる。つまり、ベッド装置1をソファーとして利用することができる。
【0035】
前記補助部材3が前記ベース部材2の長手方向の一端に設けられていることで、利用者は身体を下方へずらして、上半身を前記補助クッション体12から外すことができる。それによって、利用者はベッド装置1の上面を就寝用のベッド面として利用することができる。
【0036】
ベッド装置1が設置される場所などによっては、前記補助部材3を図1図2に示すように前記ベース部材2の長手方向の一端に設置するよりも、図5に示すように前記ベース部材2の幅方向の一端側に長手方向に沿って設置した方がよい場合がある。
【0037】
前記補助部材3を前記ベース部材2の幅方向の一端側に設ければ、利用者は前記ベース部材2の幅手方向の一端側に腰かけ、前記前記補助部材3に寄り掛かることで、ベッド装置1をソファーとして利用することができる。
【0038】
前記ベース部材2の上面には前記第1の面ファスナ8が周辺部を除くほぼ全面にわたって設けられている。そのため、前記補助部材3を前記ベース部材2の長手方向だけでなく、幅方向にも容易に、しかも確実に設定することができる。
【0039】
図6乃至図8は一対のベース部材2を並設し、キングサイスのベッド装置1Aとして利用する場合の変形例を示す。
【0040】
図6は並設された一対のベース部材2の、一方のベース部材2の幅方向の一側に、一対の補助部材3を一列に設けるようにしている。
【0041】
このようにすれば、並設された一対の補助部材3を背凭れとすることで、二人用のソファーとして利用することができる。
【0042】
図7は一対のベース部材2を並設するとともに、一方のベース部材2の側辺と端面がなす角部にそれぞれ補助部材3を配置するようにした。
【0043】
このようにすれば、一対の補助部材3のどちらか一方を背凭れとして利用することで、利用者はベース部材2上に座る向きを変えてソファーとして利用することができる。また、その際、他方の補助部材3をひじ掛けとして利用することもできる。
【0044】
図8は並設された一対のベース部材2の、対角位置にある一対の角部に、図7に示す実施の形態と同様、一対の補助部材3をそれぞれ配置するようにした。
【0045】
このようにすれば、一対の補助部材3のどちらか一方を背凭れとして利用することで、利用者はベース部材2上に座る向きを変えてソファーとして利用することができるばかりか、二人の利用者がそれぞれ各ベース部材2の角部に着座して利用することもできる。
【0046】
なお、前記補助部材3の長さ寸法は前記ベース部材2の長さ寸法の半分で、幅寸法と同じであるから、並設された一対の前記ベース部材2の周囲全体に隙間なく前記補助部材3を配置することも可能である。
【0047】
つまり、1つ或いは並設された一対の前記ベース部材2の周囲全体を囲むように前記補助部材3を配置することもできる。前記ベース部材2の周囲全体を前記補助部材3によって囲むようにすれば、その内部で子供を安全に遊ばせることもできる。
【0048】
この発明において、前記補助部材3の高さ寸法は、背凭れとして丁度良い高さ、或いは前記ベース部材2の周囲を囲むのに丁度よい高さに設定すればよい。つまり、前記補助部材3の高さ寸法は用途に応じて設定すればよく、なんら限定されるものではない。
【0049】
また、前記第1の面ファスナ8は、前記ベースクッション体4の上面全体、或いは周辺部だけに設けるようにしてもよい。
【0050】
さらに、前記補助部材3は連結手段を構成する取付け部材15を介してベース部材2に連結するようにしたが、それに代わって前記取付け部材15を用いず、第1の面ファスナ8,16を前記ベース部材2の外周面に設け、前記第2の面ファスナ16を前記補助部材3の側面に設けることで、前記ベース部材2の外周面に前記補助部材3を取付けるようにしてもよい。
【0051】
さらに、連結手段として前記第1の外装体5と、前記補助部材3に一端が連結された前記取付け部材15の他端とにそれぞれ面ファスナ8,16を設けるようにしたが、前記面ファスナ8,16に代わってオス側と雌側のホックを設けたり、ボタンとボタン孔を設けるなどしてもよい。つまり、前記ベース部材2に前記補助部材3を連結できる構造であればよい。
【符号の説明】
【0052】
1…ベッド装置、2…ベース部材、3…補助部材、4…ベースクッション体、5…第1の外装体、8…第1の面ファスナ、11…補助部材、12…補助クッション体、13…第2の外装体、15…取付け部材、16…第2の面ファスナ、17…脚部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8