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特許7275068膜質除去方法、基板処理方法、及び基板処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】膜質除去方法、基板処理方法、及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/302 20060101AFI20230510BHJP
【FI】
H01L21/302 201B
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020079347
(22)【出願日】2020-04-28
(65)【公開番号】P2020184624
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】10-2019-0050471
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】パク,スー ヨン
(72)【発明者】
【氏名】クォン,オウヨル
(72)【発明者】
【氏名】アン,ジュン ケン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジュン ファン
(72)【発明者】
【氏名】リー,スン ス
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-283054(JP,A)
【文献】特開2004-322106(JP,A)
【文献】特開2018-113378(JP,A)
【文献】特開2005-081420(JP,A)
【文献】特開2003-197570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/302
H01L 21/3065
H01L 21/461
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上の縁領域に複数の単位パルスレーザーを照射して前記基板の上の膜質を除去する方法において、
前記基板で前記単位パルスレーザーが照射される領域が互いに重畳されないようにパルス幅が設定され、回転する前記基板上に複数の前記単位パルスレーザーを照射する第1照射段階と、
前記第1照射段階で前記単位パルスレーザーが照射された領域の中で互いに隣接する照射領域の間の領域に複数の前記単位パルスレーザーを照射する第2照射段階と、を含む膜質除去方法。
【請求項2】
前記第1照射段階と前記第2照射段階は、順次的に遂行され、前記第2照射段階は、前記第1照射段階が完了された後、設定時間が経過され、遂行される請求項1に記載の膜質除去方法。
【請求項3】
前記単位パルスレーザーは、前記膜質のアブレーション閾値以下の波長を有する請求項1に記載の膜質除去方法。
【請求項4】
前記単位パルスレーザーは、150nm乃至1200nmの波長を有する請求項3に記載の膜質除去方法。
【請求項5】
前記第1照射段階及び/又は前記第2照射段階で前記基板に照射される前記単位パルスレーザーは、円形状を有する請求項1乃至請求項4のいずれかの一項に記載の膜質除去方法
【請求項6】
前記第1照射段階及び/又は前記第2照射段階で前記基板に照射される前記単位パルスレーザーは、四角形状を有する請求項1乃至請求項4のいずれかの一項に記載の膜質除去方法。
【請求項7】
前記第1照射段階では、
前記基板の回転によって前記基板の円周方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射が行われ、
前記基板の半径方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射位置を変更して前記単位パルスレーザーの照射が行われる請求項1乃至請求項4のいずれかの一項に記載の膜質除去方法。
【請求項8】
前記第2照射段階では、
前記基板の回転によって前記基板の円周方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射が行われ、
前記基板の半径方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射位置を変更して前記単位パルスレーザーの照射が行われる請求項1乃至請求項4のいずれかの一項に記載の膜質除去方法。
【請求項9】
基板を処理する方法において、
回転する前記基板に複数の単位パルスレーザーを照射して前記基板を処理する第1照射段階、及び第2照射段階を順次的に遂行し、
前記第1照射段階では前記基板で前記単位パルスレーザーが照射される領域が互いに重畳されないようにパルス幅が設定され、
前記第2照射段階では前記第1照射段階で前記単位パルスレーザーが照射された領域の中で互いに隣接する照射領域の間の領域に前記単位パルスレーザーを照射する基板処理方法。
【請求項10】
前記第1照射段階では、
前記基板の回転によって前記基板の円周方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射が行われ、
前記基板の半径方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射位置を変更して前記単位パルスレーザーの照射が行われる請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記第2照射段階では、
前記基板の回転によって前記基板の円周方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射が行われ、
前記基板の半径方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射位置を変更して前記単位パルスレーザーの照射が行われる請求項10に記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記第1照射段階と前記第2照射段階で前記基板に照射される前記単位パルスレーザーは、円形状を有する請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記第1照射段階と前記第2照射段階で前記基板に照射される前記単位パルスレーザーは、角部分がラウンドになった四角形状を有する請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記処理は、
前記レーザーによって前記基板の上の膜質を除去する処理である請求項乃至請求項13のいずれかの一項に記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記レーザーによって除去される前記膜質は、前記基板の縁領域に提供された膜質である請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記第2照射段階は、前記第1照射段階が完了された後、設定時間が経過され、遂行される請求項15に記載の基板処理方法。
【請求項17】
基板を処理する装置において、
内部空間を有するハウジングと、
前記内部空間で基板を支持し、回転させる支持ユニットと、
前記支持ユニットに支持された基板に複数の単位パルスレーザーを照射するレーザー照射ユニットと、
前記支持ユニットと前記レーザー照射ユニットを制御する制御器と、を含み、
前記制御器は、
前記支持ユニットに支持された基板を回転させ、
前記支持ユニットに支持されて回転する基板に前記単位パルスレーザーを照射し、前記単位パルスレーザーが照射される領域が互いに重畳されないようにパルス幅が設定される第1照射段階と、
前記第1照射段階で前記単位パルスレーザーが照射された領域の中で互いに隣接する領域の間に前記単位パルスレーザーを照射する第2照射段階が遂行されるように前記支持ユニットと前記レーザー照射ユニットを制御する基板処理装置。
【請求項18】
前記制御器は、
前記第2照射段階が前記第1照射段階が完了された後、設定時間が経過され、遂行されるように前記支持ユニットと前記レーザー照射ユニットを制御する請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記制御器は、
前記単位パルスレーザーが前記支持ユニットに支持された基板上に塗布された膜質のアブレーション閾値以下の波長を有するように前記レーザー照射ユニットを制御する請求項1
7に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記制御器は、
前記単位パルスレーザーが150nm乃至1200nm以下の波長を有するように前記レーザー照射ユニットを制御する請求項19に記載の基板処理装置。
【請求項21】
前記レーザー照射ユニットは、
前記単位パルスレーザーを照射するレーザー光源と、
前記レーザー光源で照射された単位パルスレーザーを前記支持ユニットに支持された基板に照射するレーザー照射部材と、
前記基板上に前記単位パルスレーザーが照射される領域が前記基板の半径方向に沿って変更されるように前記レーザー照射部材を移動させる駆動部材と、を含む請求項17乃至請求項20のいずれかの一項に記載の基板処理装置。
【請求項22】
前記制御器は、
前記単位パルスレーザーを前記支持ユニットに支持された基板の縁領域に照射するように前記レーザー照射部材を制御する請求項21に記載の基板処理装置。
【請求項23】
前記レーザー照射ユニットは、
前記レーザー光源で照射された単位パルスレーザーの波長を変更する波長調節部材と、
前記レーザー光源で照射された単位パルスレーザーの形状を変更する形状調節部材と、をさらに含む請求項21に記載の基板処理装置。
【請求項24】
前記形状調節部材は、
前記単位パルスレーザーの形状を円形状に変更する請求項23に記載の基板処理装置。
【請求項25】
前記形状調節部材は、
前記単位パルスレーザーの形状を四角形状に変更する請求項24に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膜質除去方法、基板処理方法、及び基板処理装置に係る。
【背景技術】
【0002】
基板、例えば、半導体ウエハ又はフラットパネルディスプレイの製造に使用されることのようなガラスパネルを処理する時、塗布、写真、蒸着、アッシング、蝕刻、及びイオン注入等のような多様な工程が遂行される。基板に対する処理工程が遂行されながら、基板の表面には硬化された薄膜がコーティング又は蒸着される。そして、基板の縁、即ち、基板のエッジ(Edge)で生産収率を高めるためにエッジビーズ除去(Edge Bead Removal)工程が要求される。エッジビーズ除去(Edge Bead Removal)工程は基板のエッジ領域で不要な薄膜と付着された副産物ポリマー除去する。
【0003】
図1は一般的な基板処理装置でエッジビーズ除去工程を遂行する形態を示す図面である。図1を参照すれば、一般的な基板処理装置1は回転チャック2及びノズル4を有する。回転チャック2は基板Wを支持及び回転させる。ノズル4は基板Wのエッジ領域にケミカルCを噴射する。ノズル4は基板Wの上部及び下部に各々提供されて基板Wの上面及び底面にケミカルCを噴射する。噴射されたケミカルCは基板Wのエッジ領域上に提供された薄膜Fを除去する。しかし、ケミカルCを噴射してエッジビーズ除去工程を遂行する場合、基板Wのエッジ領域での薄膜Fの除去が適切に遂行されない。例えば、図2に図示されたように基板Wのエッジ領域での膜Fは基板Wの半径方向に行くほど、下方に傾くように除去されることができる。これは、基板Wが回転される状態で液状のケミカルCが供給されるためである。基板Wのエッジ領域での薄膜Fの除去が適切に遂行されなければ、生産工程の収率を低下させる。また、工程の後、基板Wの表面にピンマーク(Pin Mark)が生成されて追加的に汚染される恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特許公開第2019-506730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は基板の上の膜質除去効率が高い膜質除去方法、基板処理方法、及び基板処理装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の目的は複数の単位パルスレーザーを基板の上の膜質に照射して膜質除去効率を高めることがきる膜質除去方法、基板処理方法、及び基板処理装置を提供することにある。
また、本発明の目的は複数の単位パルスレーザーを基板の上の膜質に照射して膜質除去領域を微細化することができる膜質除去方法、基板処理方法、及び基板処理装置を提供することをことにある。
【0007】
また、本発明の目的は熱累積によって基板又は基板の縁領域上の膜質以外の膜質形状が変形されることを最小化する膜質除去方法、基板処理方法、及び基板処理装置を提供することにある。
【0008】
本発明の目的はここに制限されなく、言及されないその他の目的は下の記載から当業者に明確に理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は基板の上の縁領域に複数の単位パルスレーザーを照射して前記基板の上の膜質を除去する方法を提供する。膜質除去方法は、回転する前記基板上に複数の前記単位パルスレーザーを照射する第1照射段階と、前記第1照射段階で前記単位パルスレーザーが照射されない領域に複数の前記単位パルスレーザーを照射する第2照射段階と、を含むことができる。
【0010】
一実施形態によれば、前記第1照射段階と前記第2照射段階は順次的に遂行され、前記第2照射段階は前記第1照射段階が完了された後、設定時間が経過され、遂行されることができる。
【0011】
一実施形態によれば、前記単位パルスレーザーは前記膜質のアブレーション閾値以下の波長を有することができる。
【0012】
一実施形態によれば、前記単位パルスレーザーは150nm乃至1200nmの波長を有することができる。
【0013】
一実施形態によれば、前記第1照射段階及び/又は前記第2照射段階で前記基板に照射される前記単位パルスレーザーは円形状を有することができる。
【0014】
一実施形態によれば、前記第1照射段階及び/又は前記第2照射段階で前記基板に照射される前記単位パルスレーザーは四角形状を有することができる。
【0015】
一実施形態によれば、前記第1照射段階では、前記基板の回転によって前記基板の円周方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射が行われ、前記基板の半径方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射位置を変更して前記単位パルスレーザーの照射が行われることができる。
【0016】
一実施形態によれば、前記第2照射段階では、前記基板の回転によって前記基板の円周方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射が行われ、前記基板の半径方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射位置を変更して前記単位パルスレーザーの照射が行われることができる。
【0017】
また、本発明は基板を処理する方法を提供する。基板を処理する方法は、回転する前記基板に複数の単位パルスレーザーを照射して前記基板を処理する第1照射段階、及び第2照射段階を順次的に遂行し、前記第1照射段階では前記基板で前記単位パルスレーザーが照射される領域が互いに重畳されないようにパルス幅が設定され、前記第2照射段階では前記第1照射段階で前記単位パルスレーザーが照射された領域の中で互いに隣接する照射領域の間の領域に前記単位パルスレーザーを照射することができる。
【0018】
一実施形態によれば、前記第1照射段階では、前記基板の回転によって前記基板の円周方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射が行われ、前記基板の半径方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射位置を変更して前記単位パルスレーザーの照射が行われることができる。
【0019】
一実施形態によれば、前記第2照射段階では、前記基板の回転によって前記基板の円周方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射が行われ、前記基板の半径方向に沿って前記単位パルスレーザーの照射位置を変更して前記単位パルスレーザーの照射が行われることができる。
【0020】
一実施形態によれば、前記第1照射段階と前記第2照射段階で前記基板に照射される前記単位パルスレーザーは円形状を有することができる。
【0021】
一実施形態によれば、前記第1照射段階と前記第2照射段階で前記基板に照射される前記単位パルスレーザーは角部分がラウンドになった四角形状を有することができる。
【0022】
一実施形態によれば、前記処理は、前記レーザーによって前記基板の上の膜質を除去する処理である。
【0023】
一実施形態によれば、前記レーザーによって除去される前記膜質は前記基板の縁領域に提供された膜質である。
【0024】
一実施形態によれば、前記第2照射段階は前記第1照射段階が完了された後、設定時間が経過され、遂行されることができる。
【0025】
本発明は基板を処理する装置を提供する。基板を処理する装置は、内部空間を有するハウジングと、前記内部空間で基板を支持し、回転させる支持ユニットと、前記支持ユニットに支持された基板に複数の単位パルスレーザーを照射するレーザー照射ユニットと、前記支持ユニットと前記レーザー照射ユニットを制御する制御器と、を含み、前記制御器は、前記支持ユニットに支持された基板を回転させ、前記支持ユニットに支持されて回転する基板に前記単位パルスレーザーを照射し、前記単位パルスレーザーが照射される領域が互いに重畳されないようにパルス幅が設定される第1照射段階と、前記第1照射段階で前記単位パルスレーザーが照射された領域の中で互いに隣接する領域の間に前記単位パルスレーザーを照射する第2照射段階が遂行されるように前記支持ユニットと前記レーザー照射ユニットを制御することができる。
【0026】
一実施形態によれば、前記制御器は、前記第2照射段階が前記第1照射段階が完了された後、設定時間が経過され遂行されるように前記支持ユニットと前記レーザー照射ユニットを制御することができる。
【0027】
一実施形態によれば、前記制御器は、前記単位パルスレーザーが前記支持ユニットに支持された基板上に塗布された膜質のアブレーション閾値以下の波長を有するように前記レーザー照射ユニットを制御することができる。
【0028】
一実施形態によれば、前記制御器は、前記単位パルスレーザーが150nm乃至1200nm以下の波長を有するように前記レーザー照射ユニットを制御することができる。
【0029】
一実施形態によれば、前記レーザー照射ユニットは、前記単位パルスレーザーを照射するレーザー光源と、前記レーザー光源で照射された単位パルスレーザーを前記支持ユニットに支持された基板に照射するレーザー照射部材と、前記基板上に前記単位パルスレーザーが照射される領域が前記基板の半径方向に沿って変更されるように前記レーザー照射部材を移動させる駆動部材を含むことができる。
【0030】
一実施形態によれば、前記制御器は、前記単位パルスレーザーを前記支持ユニットに支持された基板の縁領域に照射するように前記レーザー照射部材を制御することができる。
【0031】
一実施形態によれば、前記レーザー照射ユニットは、前記レーザー光源で照射された単位パルスレーザーの波長を変更する波長調節部材と、前記レーザー光源で照射された単位パルスレーザーの形状を変更する形状調節部材をさらに含むことができる。
【0032】
一実施形態によれば、前記形状調節部材は、前記単位パルスレーザーの形状を円形状に変更することができる。
【0033】
一実施形態によれば、前記形状調節部材は、前記単位パルスレーザーの形状を四角形状に変更することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一実施形態によれば、膜質除去効率を極大化することができる。
また、本発明の一実施形態によれば、複数の単位パルスレーザーを基板の上の膜質に照射して膜質除去効率を高めることがきる。
【0035】
また、本発明の一実施形態によれば、膜質除去領域を微細化し、膜質除去領域を多様に変形することができる。
【0036】
また、本発明の一実施形態によれば熱累積によって基板又は基板の縁領域上の膜質以外の膜質形状が変形されることを最小化することができる。
【0037】
本発明の効果が上述した効果によって限定されることはなく、言及されなかった効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】一般的な基板処理装置でエッジビーズ除去工程を遂行する形態を示す図面である。
図2図1の‘A’領域を拡大して示す図面である。
図3】本発明の一実施形態による基板処理設備を示す平面図である。
図4図3の基板処理装置を示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態による基板処理方法を示すフローチャートである。
図6】レーザー照射ユニットが基板にレーザーを照射する一例を示す図面である。
図7図6の第1照射段階が遂行された基板の縁領域を示す拡大図である。
図8図6の第2照射段階が遂行された基板の縁領域を示す拡大図である。
図9】基板の縁領域を処理する一般的な方法を示す図面である。
図10】本発明の他の実施形態による基板処理方法を示す図面である。
図11】本発明の他の実施形態による基板処理方法を示す図面である。
図12】本発明の他の実施形態による基板処理方法を示す図面である。
図13】本発明の他の実施形態による基板処理方法を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
下では添付した図面を参考として本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明することにおいて、関連された公知機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができていると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。また、類似な機能及び作用をする部分に対しては図面全体に亘って同一な符号を使用する。
【0040】
ある構成要素を‘含む’ということは、特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。具体的に、“含む”又は“有する”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることがであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されなければならない。
【0041】
単数の表現は文脈の上に明確に異なりに表現しない限り、複数の表現を含む。また、図面で要素の形状及びサイズ等はより明確な説明のために誇張されることができる。
【0042】
以下、図3乃至図13を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図3は本発明の実施形態による基板処理設備を示す平面図である。図3を参照すれば、基板処理設備10はインデックスモジュール100と工程処理モジュール200を有する。インデックスモジュール100はロードポート120及び移送フレーム140を有する。ロードポート120、移送フレーム140、及び工程処理モジュール200は順次的に一列に配列される。以下、ロードポート120、移送フレーム140、及び工程処理モジュール200が配列された方向を第1の方向12とし、上部から見る時、第1の方向12と垂直になる方向を第2方向14がとし、第1の方向12と第2方向14を含む平面と垂直である方向を第3方向16とする。
【0043】
ロードポート120には基板Wが収納されたキャリヤー130が安着される。ロードポート120は複数が提供され、これらは第2方向14に沿って一列に配置される。ロードポート120の数は工程処理モジュール200の工程効率及びフットプリント条件等に応じて増加するか、又は減少してもよい。キャリヤー130には基板がWを地面に対して水平に配置した状態に収納するための多数のスロット(図示せず)が形成される。キャリヤー130として前面開放一体型ポッド(Front Opening Unifed Pod;FOUP)が使用されることができる。
【0044】
工程処理モジュール200はバッファユニット220、移送チャンバー240、液処理チャンバー260、及びレーザー処理チャンバー280を含む。移送チャンバー240はその横方向が第1方向12と平行に配置される。移送チャンバー240の両側には各々液処理チャンバー260とレーザー処理チャンバー280が配置される。移送チャンバー240の一側及び他側で液処理チャンバー260とレーザー処理チャンバー260は移送チャンバー240を基準に対称されるように提供される。移送チャンバー240の一側には複数の液処理チャンバー260が提供される。液処理チャンバー260の中で一部は移送チャンバー240の横方向に沿って配置される。また、液処理チャンバー260の中で一部は互いに積層されるように配置される。即ち、移送チャンバー240の一側には液処理チャンバー260がAXBの配列に配置されることができる。ここで、Aは第1の方向12に沿って一列に提供された液処理チャンバー260の数であり、Bは第3方向16に沿って一列に提供された液処理チャンバー260の数である。移送チャンバー240の一側に液処理チャンバー260が4つ又は6つ提供される場合、液処理チャンバー260は2X2又は3X2の配列に配置されることができる。液処理チャンバー260の数は増加するか、又は減少してもよい。また、レーザー処理チャンバー280は液処理チャンバー260と類似な方式に移送チャンバー240の他側に配置されることができる。上述したことと異なりに、液処理チャンバー260とレーザー処理チャンバー280の配置は多様な方式に変形されることができる。例えば、液処理チャンバー260とレーザー処理チャンバー280は移送チャンバー240の一側のみに提供されることができる。また、液処理チャンバー260とレーザー処理チャンバー280は移送チャンバー240の一側及び両側に単層に提供されることができる。
【0045】
バッファユニット220は移送フレーム140と移送チャンバー240との間に配置される。バッファユニット220は移送チャンバー240と移送フレーム140との間に基板Wが搬送される前に基板Wが留まる空間を提供する。バッファユニット220の内部には基板Wが置かれるスロット(図示せず)が提供される。スロット(図示せず)は相互間に第3方向16に沿って離隔されるように複数が提供される。バッファユニット220は移送フレーム140と対向する面及び移送チャンバー240と対向する面が開放される。
【0046】
移送フレーム140はロードポート120に安着されたキャリヤー130とバッファユニット220との間に基板Wを搬送する。移送フレーム140にはインデックスレール142とインデックスロボット144が提供される。インデックスレール142はその横方向が第2方向14と並んで提供される。インデックスロボット144はインデックスレール142上に設置され、インデックスレール142に沿って第2方向14に直線移動される。インデックスロボット144はベース144a、本体144b、及びインデックスアーム144cを有する。ベース144aはインデックスレール142に沿って移動可能するように設置される。本体144bはベース144aに結合される。本体144bはベース144a上で第3方向16に沿って移動可能するように提供される。また、本体144bはベース144a上で回転可能するように提供される。インデックスアーム144cは本体144bに結合され、本体144bに対して前進及び後進移動可能するように提供される。インデックスアーム144cは複数に提供されて各々個別に駆動されるように提供される。インデックスアーム144cは第3方向16に沿って互いに離隔された状態に積層されるように配置される。インデックスアーム144cの中で一部は工程処理モジュール200でキャリヤー130に基板Wを搬送する時に使用され、その他の一部はキャリヤー130で工程処理モジュール200に基板Wを搬送する時、使用されることができる。これはインデックスロボット144が基板Wを搬入及び搬出する過程で工程処理前の基板Wから発生されたパーティクルが工程処理後の基板Wに付着されることを防止することができる。
【0047】
移送チャンバー240はバッファユニット220と液処理チャンバー260との間に、バッファユニット220とレーザー処理チャンバー280との間に、液処理チャンバー260との間に、レーザー処理チャンバー280との間に、及び液処理チャンバー260とレーザー処理チャンバー280との間に基板Wを搬送する。即ち、移送チャンバー240は基板を搬送する搬送ユニットに提供される。移送チャンバー240にはガイドレール242とメーンロボット244が提供される。ガイドレール242はその横方向が第1の方向12と並んで配置される。メーンロボット244はガイドレール242上に設置され、ガイドレール242上で第1の方向12に沿って直線移動される。メーンロボット244はベース244a、本体244b、及びメーンアーム244cを有する。ベース244aはガイドレール242に沿って移動可能するように設置される。本体244bはベース244aに結合される。本体244bはベース244a上で第3方向16に沿って移動可能するように提供される。また、本体244bはベース244a上で回転可能するように提供される。メーンアーム244cは本体244bに結合され、これは本体244bに対して前進及び後進移動可能するように提供される。メーンアーム244cは複数に提供されて各々個別駆動されるように提供される。メーンアーム244cは第3方向16に沿って互いに離隔された状態に積層されるように配置される。
【0048】
液処理チャンバー260は基板Wに対して処理液を供給して液処理する工程を遂行する。処理液はケミカル、リンス液、及び有機溶剤である。ケミカルは酸又は塩基性質を有する液である。ケミカルは硫酸(HSO)、リン酸(P)、フッ酸(HF)、及び水酸化アンモニウム(NHOH)を含むことができる。ケミカルはDSP(Diluted Sulfuric acid Peroxide)混合液である。リンス液は純水(H0)である。有機溶剤はイソプロピルアルコール(IPA)液である。
【0049】
液処理チャンバー260は洗浄工程を遂行することができる。液処理チャンバー260に提供される基板処理装置は遂行する洗浄工程の種類に応じて異なる構造を有することができる。これと異なりに、各々の液処理チャンバー260に提供される基板処理装置は同一な構造を有することができる。選択的に液処理チャンバー260は複数のグループに区分されて、同一なグループに属する液処理チャンバー260内の基板処理装置は互いに同一であり、互いに異なるグループに属する液処理チャンバー260内に提供された基板処理装置の構造は互いに異なりに提供されることができる。また、液処理チャンバー260は写真、アッシング、及び蝕刻等の多様な工程を遂行することもできる。
【0050】
レーザー処理チャンバー280は基板Wにレーザーを照射して基板を処理する工程を遂行することができる。また、レーザー処理チャンバー280には基板処理装置300が提供されることができる。基板処理装置300は基板W上にレーザーを照射することができる。基板処理装置300は基板Wの縁領域にレーザーを照射することができる。基板処理装置300は基板Wの縁領域にレーザーを照射して、基板W上の膜質を除去する工程を遂行することができる。
【0051】
以下には、レーザー処理チャンバー280に提供される基板処理装置300に対して詳細に説明する。図4図3の基板処理装置を示す断面図である。図4を参照すれば、基板処理装置300はハウジング310、支持ユニット320、レーザー照射ユニット400、及び制御器(図示せず)を含むことができる。
【0052】
ハウジング310は内部空間312を有する。内部空間312は基板Wが処理される空間に提供されることができる。ハウジング310の一側には開口(図示せず)が形成される。開口は基板Wが搬出入される入口として機能する。開口にはドア(図示せず)が設置され、ドアは開口を開閉する。ドアは基板処理工程が進行されれば、開口を遮断してハウジング310の内部空間312を密閉する。ハウジング310の底面には排気口314が形成される。排気口314は排気ライン316と連結される。このため、内部空間312で基板Wが処理されながら、発生される副産物を基板処理装置300の外部に排気することができる。また、ハウジング310には内部空間312にガスを供給するガス供給ライン(図示せず)が連結されることができる。ガスは窒素等の非活性ガスである。ガス供給ラインが供給するガスは内部空間312に気流を提供することができる。内部空間312に提供される気流は基板Wが処理されながら、発生される副産物をさらに効率的に排気するようにする。
【0053】
支持ユニット320は基板Wを支持及び回転させる。支持ユニット320は支持板322、及び回転軸326を含むことができる。支持板322は基板を支持する。支持板322は円形の板形状を有するように提供される。支持板322は上面が底面より大きい直径を有することができる。支持板322の上面及び底面をつなぐ側面は中心軸に近くなるほど、下方に傾いた方向に向かうことができる。支持板322の上面は基板Wが安着される案着面として提供される。安着面は基板Wより小さい面積を有する。一例によれば、安着面の直径は基板Wの半径より小さいことができる。安着面は基板Wの中心領域を支持する。案着面には複数の吸着ホール323が形成される。吸着ホール323は案着面に置かれる基板Wを減圧して基板を吸着させるホールである。吸着ホール323には真空部材325が連結される。真空部材325は吸着ホール323を減圧するポンプである。しかし、真空部材325はポンプであることに限定されることではなく、吸着ホール323に減圧を提供する公知の装置等に多様に変形されることができる。
【0054】
回転軸326はその横方向が上下方向に向かう筒形状を有するように提供される。回転軸326は支持板322の底面に結合される。駆動器(図示せず)は回転軸326に回転力を伝達する。回転軸326は駆動器から提供された回転力によって中心軸を中心に回転可能である。支持板322は回転軸326と共に回転可能である。回転軸326は駆動器によってその回転速度が調節されて基板Wの回転速度を調節可能である。例えば、駆動器はモーターである。しかし、駆動器はモーターであることに限定されることではなく、回転軸326に回転力を提供する公知の装置等に多様に変形されることができる。
【0055】
レーザー照射ユニット400は支持ユニット320に支持された基板WにレーザーLを照射することができる。レーザー照射ユニット400は支持ユニット320に支持された基板Wに複数の単位パルスレーザーLを照射することができる。レーザー照射ユニット400は基板W上の縁領域にレーザーLを照射することができる。レーザー照射ユニット400はレーザーLを照射して基板W上の縁領域に提供された膜質を除去することができる。レーザー照射ユニット400はレーザー光源410、波長調節部材420、形状調節部材430、及びレーザー照射部材440を含むことができる。
【0056】
レーザー光源410はレーザーLを照射することができる。レーザー光源410は基板Wに照射されるレーザーLのソース(Source)である。レーザー光源410はレーザーLを複数の単位パルスレーザー方式に照射することができる。
【0057】
波長調節部材420はレーザー光源410で照射されたレーザーLの波長を変更することができる。例えば、波長調節部材420はレーザーLの波長を変更する光学素子で提供されることができる。波長調節部材420はレーザーLが150nm乃至1200nm範囲の波長を有するようにレーザーLの波長を変更することができる。レーザーLが150nm以下の波長を有する場合、基板W上の膜質のみならず、基板Wまで蝕刻され、1200nm以上の波長を有する場合、基板W上の膜質が除去されないためである。また、波長調節部材420はレーザーLが多様な範囲の波長を有するようにレーザーLの波長を調節することができる。例えば、波長調節部材420はレーザーLが750nm乃至1200nmの第1範囲、380nm乃至749nmの第2範囲、300nm乃至379nmの第3範囲、150nm乃至299nmの第4範囲の中で選択されたいずれか1つの波長を有するようにレーザーLの波長を変更することができる。
【0058】
形状調節部材430はレーザー光源410で照射されるレーザーLの形状を変更することができる。例えば、形状調節部材430はレーザー光源410で照射されるレーザーLが円形状を有するように変更することができる。また、形状調節部材430はレーザー光源410で照射されるレーザーLが四角形状を有するように変更することができる。四角形状は正方形、又は長方形の形状を有することができる。また、形状調節部材430はレーザー光源410で照射されるレーザーLが角部分がラウンド(Round)になった四角形状を有するように変更することができる。
【0059】
レーザー照射部材440はレーザーLを支持ユニット320に支持された基板WにレーザーLを照射することができる。一例として、レーザー光源410で照射されたレーザーLは波長調節部材420、及び形状調節部材430を経る。そして、波長調節部材420と形状調節部材430で波長及び形状が調節されたレーザーLがレーザー照射部材440に伝達されることができる。レーザー照射部材440はスキャナ442、レンズ444、及び駆動部材446を含むことができる。スキャナ442は波長調節部材420、及び形状調節部材430を経たレーザーLの照射方向を変更することができる。レンズ444はスキャナ442を経るレーザーLが基板W上に集中されて照射されるようにする。駆動部材446はスキャナ442及び/又はレンズ444を移動させることができる。駆動部材446はスキャナ442及び/又はレンズ444を移動させる駆動力を伝達することができる。駆動部材446はスキャナ442及び/又はレンズ444を水平又は垂直方向に移動させることができる。このため、駆動部材446は複数の単位パルスレーザーLが基板W上の縁領域に照射されるようにすることができる。また、駆動部材446は複数の単位パルスレーザーLが基板W上に照射される領域が基板Wの半径方向に沿って変更されるようにすることができる。
【0060】
制御器(図示せず)は基板処理設備10を制御することができる。例えば、制御器は液処理チャンバー260との間に、レーザー処理チャンバー280との間に、液処理チャンバー260とレーザー処理チャンバー280との間に基板Wが搬送されることを制御することができる。また、制御器は基板処理装置300を制御することができる。制御器は以下で説明する膜質除去方法又は基板処理方法を遂行できるように基板処理装置300を制御することができる。
【0061】
以下では本発明の一実施形態による基板を処理する方法に対して詳細に説明する。基板を処理する方法は基板W上の縁領域に複数のレーザーを照射して基板W上の膜質を除去する方法である。基板W上の膜質は蒸着工程で形成された膜質である。例えば、基板W上の膜質はTiN、SiN、タングステン、オキサイド等である。しかし、本発明の一実施形態による基板処理方法は、膜質を除去する方法であることに限定されることではなく、レーザーを基板Wに照射して基板を処理する多様な処理方法にも同様に適用されることができる。
【0062】
図5は本発明の一実施形態による基板処理方法を示すフローチャートである。図5を参照すれば、基板処理方法は第1照射段階(S10)と第2照射段階(S20)を含むことができる。第1照射段階(S10)と第2照射段階(S20)は順次的に遂行されることができる。一例として、第2照射段階(S20)は第1照射段階(S10)の後に遂行されることができる。第1照射段階(S10)と第2照射段階(S20)では基板W上の縁領域に複数の単位パルスレーザーを照射して基板W上の膜質を除去することができる。複数の単位パルスレーザーは極超短パルスレーザーである。例えば、複数の単位パルスレーザーはそのパルス幅が数十ns~数百fsであるレーザーである。極超短パルスレーザーが非熱-非接触式工程で基板W上の膜質に照射されれば、膜質に即刻的なアブレーション(ablation)現象が発生されることができる。このため、基板Wの縁領域で不必要な部分での膜質除去が可能である。
【0063】
また、第1照射段階(S10)及び/又は第2照射段階(S20)で照射される単位パルスレーザーは基板W上の膜質のアブレーション閾値(ablation threshold)以下の波長を有するレーザーである。例えば、第1照射段階(S10)及び/又は第2照射段階(S20)で照射される単位パルスレーザーは150nm乃至1200nmの波長を有するレーザーである。膜質のアブレーション閾値(ablation threshold)を超過する波長のレーザーが基板Wに照射される場合、基板W上の膜質のみならず、基板Wが蝕刻され、オーバーエッチ(Over etch)現象が発生することができるためである。このため、本発明の一実施形態では、第1照射段階(S10)及び/又は第2照射段階(S20)で基板W上の膜質のアブレーション閾値(ablation threshold)以下の波長を有するレーザーを照射して、完全な膜質除去又は膜質が数nmの水準に残存するようにする(Under etch)。
【0064】
また、第1照射段階(S10)及び/又は第2照射段階(S20)では図6に図示されたように、基板Wの回転によって基板Wの円周方向に沿って単位パルスレーザーLの照射が行われることができる。また、第1照射段階(S10)及び/又は第2照射段階(S20)では基板Wの半径方向に沿って単位パルスレーザーLの照射位置を変更することができる。このため、基板Wで膜質Fが除去される縁領域を拡張するか、又は縮小する等変更することができる。
【0065】
図7図6の第1照射段階が遂行された基板の縁領域を示す拡大図であり、図8図6の第2照射段階が遂行された基板の縁領域を示す拡大図である。
【0066】
図7図8を参照すれば、第1照射段階(S10)には回転する基板の上の縁領域に複数の単位パルスレーザーを照射することができる。第1照射段階(S10)では基板Wで単位パルスレーザーが照射される領域B1が互いに重畳されないようにパルス幅及び/又は基板Wの回転速度が設定されることができる。また、第1照射段階(S10)で単位パルスレーザーはレーザーが照射される領域B1が互いに隣接するように照射されることができる。また、第1照射段階(S10)では回転する基板Wに単位パルスレーザーを照射して膜質Fを除去し、その後、基板Wの半径方向に沿って単位パルスレーザーの照射位置を変更して膜質Fを除去することができる。また、第1照射段階(S10)で照射される単位パルスレーザーは円形状を有することができる。
【0067】
第2照射段階(S20)は第1照射段階(S10)で基板Wの縁領域に対する処理が完了された後、設定時間が経過され、遂行されることができる。第2照射段階(S20)には第1照射段階(S10)で単位パルスレーザーが照射されない領域B2にレーザーを照射することができる。例えば、第2照射段階(S20)では第1照射段階(S10)で単位パルスレーザーが照射された領域B1の中で隣接する照射領域B1の間の領域B2に単位パルスレーザーを照射することができる。また、第2照射段階(S20)では回転する基板Wに単位パルスレーザーを照射して膜質Fを除去し、その後、基板Wの半径方向に沿って単位パルスレーザーの照射位置を変更して膜質Fを除去することができる。また、第2照射段階(S20)で照射される単位パルスレーザーは円形状を有することができる。
【0068】
一般的に基板の縁領域にケミカル等の薬液を噴射して膜質を除去する場合、膜質除去が適切に行われない。一例として、基板の上の膜質は基板の半径方向に沿って下方に傾くように除去されることができる。これは膜質を除去する薬液の不均一な選択比によることである。このように膜質の除去が適切に行われない場合、半導体素子の生産収率を低下させる。また、基板の表面にピンマーク(Pin Mark)等が形成されて追加的な汚染可能性を発生させる。しかし、本発明の一実施形態によれば、基板Wに対して複数の単位パルスレーザーを照射して基板W上の膜質を除去する。このため、基板W上の膜質の即刻的なアブレーションが発生して均一で高い選択比に膜質を除去することができる。また、本発明の一実施形態によれば、単位パルスレーザーを利用して基板W上の膜質を除去するので、基板Wで膜質が除去される領域を多様に変更することができる。また、基板Wで膜質が除去される領域をさらに微細化することができる。膜質が除去される領域を多様に変更することができ、さらに微細化することは最近、基板エッジで膜質が除去される領域を縮小しようとする最近の傾向にも合致する。
【0069】
また、複数の単位パルスレーザーを照射して基板の上の膜質を除去する場合、熱累積(ablation threshold)が発生することができる。例えば、図9に図示されたように、単位パルスレーザーが照射される領域Bが連続して重畳される場合、基板W上の膜質Fには熱累積(ablation threshold)が発生する。膜質Fに発生された熱累積は基板W又は基板Wの縁領域上の膜質以外の膜質を変形させることができる。このため、本発明の一実施形態によれば、第1照射段階(S10)では複数の単位パルスレーザーが互いに重畳されないように基板W上に照射される。このため、基板W上のような領域に連続に単位パルスレーザーが照射されない。このため、膜質に熱累積が発生することを最小化することができる。また、第2照射段階(S20)は第1照射段階(S10)が遂行が完了された後、設定された時間が経過され、遂行されることができる。即ち、第1照射段階(S10)が遂行され、膜質が冷却される時間を置いた後、第2照射段階(S20)を遂行する。このため、膜質に熱累積が発生することを最小化することができる。また、膜質が冷却される時間は第1照射段階(S10)が遂行された膜質の温度を測定し、膜質の温度測定値に基づいて設定されることができる。
【0070】
上述した実施形態では、第1照射段階(S10)と第2照射段階(S20)で照射される単位パルスレーザーが円形状を有することを例として説明したが、これに限定されることではない。例えば、図10図11に図示されたように、第1照射段階(S10)と第2照射段階(S20)で照射される単位パルスレーザーは角がラウンド(Round)された正四角形状を有することができる。また、図12図13に図示されたように第1照射段階(S10)と第2照射段階(S20)で照射される単位パルスレーザーは角がラウンド(Round)になった長方形状を有することができる。
【0071】
以上の詳細な説明は本発明を例示することである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を例として説明することであり、本発明は多様な他の組合、変更、及び環境で使用することができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明することであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は他の実施状態も含むこととして解析されなければならない。
【符号の説明】
【0072】
300 基板処理装置
310 ハウジング
320 支持ユニット
400 レーザー照射ユニット
410 レーザー光源
420 波長調節部材
430 形状調節部材
440 レーザー照射部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13