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▶ ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】連続的な螺旋バッフル熱交換器
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/50 20060101AFI20230510BHJP
   H05B 3/10 20060101ALI20230510BHJP
   H05B 3/40 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
H05B3/50
H05B3/10 A
H05B3/40 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020511798
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2018048264
(87)【国際公開番号】W WO2019046246
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】62/550,969
(32)【優先日】2017-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501162454
【氏名又は名称】ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダイナウアー、イーサン
(72)【発明者】
【氏名】タタバーシー、サティヤー
(72)【発明者】
【氏名】ザン、サンホン
(72)【発明者】
【氏名】ベーマー、スコット
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第203933993(CN,U)
【文献】特開2005-042957(JP,A)
【文献】特開2017-082881(JP,A)
【文献】実開平03-056066(JP,U)
【文献】実開昭52-063256(JP,U)
【文献】実開昭62-118973(JP,U)
【文献】特表2011-523014(JP,A)
【文献】特開昭58-083193(JP,A)
【文献】特開昭50-063301(JP,A)
【文献】特開昭55-003502(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0115072(US,A1)
【文献】実開昭51-117271(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102011015215(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/02-3/18、3/40-3/82
F28F 9/00-9/26
F28D 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口と出口を有する本体の円筒形空洞で受けられるように構成されたヒータアセンブリであって、
長手方向軸の周りに幾何学的螺旋を定義する連続的な穿孔された螺旋バッフルであって、前記穿孔された螺旋バッフルが、前記穿孔された螺旋バッフルを通り長手方向軸に平行に延びる複数の穿孔の所定のパターンを定義することと、
前記複数の穿孔を貫通して延びる複数の電気抵抗発熱体であって、前記複数の電気抵抗発熱体は、第1電気抵抗発熱体と第2電気抵抗発熱体を含み、前記第1電気抵抗発熱体は、前記第2電気抵抗発熱体とは異なる長さを有する
ヒータアセンブリ。
【請求項2】
前記連続的な穿孔された螺旋バッフルは、前記ヒータアセンブリの前記長手方向軸の周りに配置された前記幾何学的螺旋を定義するために協働する連続的な一連の複数の穿孔された螺旋部材を含み、各穿孔された螺旋部材は、対向するエッジと前記複数の穿孔の所定のパターンを定義し、前記複数の穿孔は前記長手方向軸に平行な各穿孔された螺旋部材を通って延びる請求項1のヒータアセンブリ。
【請求項3】
各発熱体は、第1セグメント、第2セグメント、及び前記第1及び第2セグメントを接続する屈曲部を含み、前記第1セグメントは、前記複数の穿孔の第1セットを貫通して延び、第2セグメントは、前記複数の穿孔の第2セットを貫通して延び、前記複数の穿孔の第2セットは、前記複数の穿孔の前記第1セットと平行で、前記第1セットからオフセットされた請求項1によるヒータアセンブリ。
【請求項4】
複数の発熱体は、同心のパターンに配置される請求項1によるヒータアセンブリ。
【請求項5】
中央支持部材をさらに備え、前記螺旋バッフルのそれぞれは、中央開口を画定し、前記中央支持部材は前記中央開口を通って延びる請求項1によるヒータアセンブ
【請求項6】
前記中央支持部材の内部を通って延びる温度センサをさらに含み、前記温度センサは前記中央支持部材の外部のプローブを含む請求項5によるヒータアセンブリ。
【請求項7】
前記ヒータアセンブリを熱交換器本体に固定するように構成された近位フランジをさらに含み、前記フランジは、複数のフランジ開口と中央溝を画定し、前記複数のフランジ開口は前記螺旋バッフルの前記複数の穿孔と整列され、前記複数の電気抵抗発熱体は、前記複数のフランジ開口を通って延び、前記中央支持部材は前記中央溝に受けられる請求項5によるヒータアセンブ
【請求項8】
前記中央支持部材の外部と前記フランジに近接する前記中央支持部材の内部との間の流体流通を提供する開口部をさらに含む請求項7によるヒータアセンブリ。
【請求項9】
前記穿孔された螺旋バッフルの遠位端に配置された非穿孔の螺旋部材をさらに含み、前記非穿孔の螺旋部材は、前記幾何学的螺旋の延長部を形成する請求項1によるヒータアセンブリ。
【請求項10】
前記長手方向軸に平行に延びる複数のロッドをさらに含み、前記螺旋バッフルの周囲は複数の溝を画定し、前記複数のロッドは、前記複数の溝の対応するセット内に少なくとも部分的に配置される請求項1によるヒータアセンブリ。
【請求項11】
前記ロッドは、前記螺旋バッフルの周囲を越えて前記溝から外向きに延び、前記ヒータアセンブリは、本体の円筒形の空洞内に受けられるように構成され、前記ロッドは、前記円筒形の空洞を画定する前記本体の壁に滑り接触を提供するように構成される請求項10によるヒータアセンブリ。
【請求項12】
前記穿孔された螺旋バッフルの少なくとも一部の周りに配置され、前記ロッドに結合された囲い板をさらに備える請求項10によるヒータアセンブリ。
【請求項13】
前記囲い板は、放射エネルギーを前記長手方向軸に対して半径方向の内側に反射するように構成された熱シールドである請求項12によるヒータアセンブリ。
【請求項14】
前記囲い板は、長手方向軸に対して半径方向の外向きに延びる複数の変形可能なフラップを画定する少なくとも1つのスカートを含む請求項12によるヒータアセンブリ。
【請求項15】
前記幾何学的螺旋は可変ピッチを画定する請求項1によるヒータアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に加熱装置に係わり、より具体的には流体を加熱するための熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
本欄の記載は、本開示に関連する背景情報を単に提供するものであり、従来技術を構成するものではない。
【0003】
熱交換器は、一般に、管状導管と管状導管の内部に配置された複数の発熱体を含んでいる。動作流体は、管状導管の長手方向の一端に入り、長手方向の他端で出る。動作流体は、動作流体が管状導管内を流れるとき複数の発熱体により加熱される。流体から流体への熱交換器において、複数の発熱体は、加熱流体が流れるチューブである。熱は、チューブの壁を介して加熱流体から動作流体に伝達される。電熱交換器において、発熱体は、電気的な発熱体(例えば抵抗発熱体)である。
【0004】
より高速で効率良く動作流体を加熱するため、代表的な熱交換器は、総熱交換領域を増加したり、発熱体の熱流束を増加したりして、熱出力を増加する。しかし、総熱交換領域を増加させる代表的な方法は、動作流体を収容するため、さもなければ使用されるかもしれない熱交換器において、より大きな空間をとることができ、発熱体の熱流束を増加させる代表的な方法は、発熱体の材料や設計、及びその他のアプリケーションと同様に固有の要件により制限される場合がある。
【発明の概要】
【0005】
一形態において、連続的な一連の螺旋部材と複数の発熱体とを含むヒータアセンブリが提供される。各螺旋部材は、対向するエッジと、各螺旋部材を通ってヒータアセンブリの長手方向軸に平行に延びる予め定められた穿孔のパターンを画定する。複数の発熱体は、連続的な一連の螺旋部材の穿孔を通って(及び一形態において、全ての穿孔を通って)延びる。連続的な一連の螺旋部材は、幾何学的螺旋を定義する。
【0006】
他の形態において、電熱交換器は、空洞を画定する本体と、空洞内に配置されたヒータアセンブリと、ヒータアセンブリを本体に固定するように形成された近位フランジと、を含む。ヒータアセンブリは、長手方向軸を画定し、連続的な一連の螺旋部材と複数の発熱体を含む。各螺旋部材は、対向するエッジと、各螺旋部材を通って長手方向軸に平行に延びる予め定められた穿孔のパターンを画定する。複数の発熱体は、連続的な一連の螺旋部材の穿孔を通って延びる。連続的な一連の螺旋部材は、幾何学的螺旋を定義する。
【0007】
さらに、他の形態の、電熱交換器において、装置は、電熱交換器の長さに沿って一貫した線形温度上昇を提供する。装置は、連続的な一連の螺旋部材を含む。各螺旋部材は、対向するエッジと、各螺旋部材を通って電熱交換器の長手方向軸に平行に延びる予め定められた穿孔のパターンを画定する。連続的な一連の螺旋部材は、幾何学的螺旋を定義し、複数の穿孔は、複数の発熱体を受けるように構成される。
【0008】
一形態において、ヒータアセンブリは、連続的な一連の穿孔された螺旋部材と複数の発熱体とを含む。穿孔された螺旋部材は、ヒータアセンブリの長手方向軸に関して配置された幾何学的螺旋を定義するため協働する。各穿孔された螺旋部材は、対向するエッジと複数の穿孔の所定のパターンを定義する。複数の穿孔は、長手方向軸に平行な各穿孔された螺旋部材を通って延びる。発熱体は、複数の穿孔を通って延びる。
【0009】
別の形態によれば、各発熱体は、第1セグメント、第2セグメント、及び第1及び第2セグメントを接続する屈曲部を含む。第1セグメントは、複数の穿孔の第1セットを貫通する。第2セグメントは、複数の穿孔の第2セットを貫通する。複数の穿孔の第2セットは、複数の穿孔の第1セットと平行であり、第1セットからオフセットされている。
【0010】
別の形態によれば、複数の発熱体は同心のパターンに配置される。
【0011】
さらに別の形態によれば、ヒータアセンブリは、中央支持部材をさらに含む。穿孔された螺旋部材のそれぞれは、中央開口を画定し、中央支持部材は中央開口を通って延びる。
【0012】
別の形態によれば、ヒータアセンブリは、中央支持部材の内部を通って延びる温度センサをさらに含み、温度センサは中央支持部材の外部のプローブを含む。
【0013】
別の形態によれば、ヒータアセンブリは、ヒータアセンブリを熱交換器本体に固定するように構成された近位フランジをさらに含む。このフランジは、複数のフランジ開口と中央溝を画定する。複数のフランジ開口は、複数の穿孔された螺旋部材の複数の穿孔と整列されている。複数の発熱体は、複数のフランジ開口を通って延びる。中央支持部材は、中央溝に受けられる。
【0014】
別の形態によれば、ヒータアセンブリは、中央支持部材の外部とフランジに近接する中央支持部材の内部との間の流体流通を提供する液口開口部をさらに含む。
【0015】
別の形態によれば、中央支持部材は、少なくとも1つの追加のヒータを含む。
【0016】
別の形態によれば、ヒータアセンブリは、連続する一連の穿孔された螺旋部材の遠位端に配置された非穿孔の螺旋部材をさらに含み、非穿孔の螺旋部材は幾何学的螺旋の延長部を形成する。
【0017】
別の形態によれば、発熱体のそれぞれは、各発熱体が貫通する各穿孔の少なくとも一部に固定される。
【0018】
別の形態によれば、1つの螺旋部材から対向するエッジは、隣接する螺旋部材から対向するエッジと重なり合う。
【0019】
別の形態によれば、1つの螺旋部材から対向するエッジは、隣接する螺旋部材から対向するエッジから間隔が空けられ、架橋部材によってそれに接続される。
【0020】
別の形態によれば、ヒータアセンブリは、長手方向軸に平行に延びる複数のロッドをさらに含む。各穿孔された螺旋部材の周囲は、複数の溝を画定し、複数のロッドは、複数の溝の対応するセット内に少なくとも部分的に配置される。
【0021】
別の形態によれば、ロッドは、各穿孔された螺旋部材の周囲を越えて溝から外向きに延びる。ヒータアセンブリは、本体の円筒形の空洞内に受けられるように構成され、ロッドは、円筒形の空洞を画定する本体の壁に滑り接触を提供するように構成される。
【0022】
別の形態によれば、ヒータアセンブリは、穿孔された螺旋部材の少なくとも一部の周りに配置され、ロッドに結合された囲い板(shroud)をさらに含む。
【0023】
別の形態によれば、ロッドは、各穿孔された螺旋部材の周囲を越えて外側に延びない。
【0024】
別の形態によれば、囲い板は、放射エネルギーを長手方向軸に対して半径方向の内側に反射するように構成された熱シールドである。
【0025】
別の形態によれば、囲い板は、長手方向軸に対して半径方向の外向きに延びる複数の変形可能なフラップを画定する少なくとも1つのスカートを含む。
【0026】
別の形態によれば、少なくとも1つのスカートは、ヒータアセンブリの近位端又は遠位端に近接して配置される。
【0027】
別の形態によれば、少なくとも1つのスカートは、第1スカート及び第2スカートを含む。第1スカートは、ヒータアセンブリの近位端に配置され、第2スカートは、ヒータアセンブリの遠位端に配置される。
【0028】
別の形態によれば、連続した一連の穿孔された螺旋部材は、可変ピッチを画定する。
【0029】
別の形態によれば、連続した一連の穿孔された螺旋部材は、ヒータアセンブリの出口端よりもヒータアセンブリの入口端の近くでより長いピッチを有する。
【0030】
別の形態によれば、発熱体は電気抵抗発熱体である。
【0031】
別の形態によれば、電気抵抗発熱体は、管状ヒータ、カートリッジヒータ、又はマルチセルヒータのグループのうちの1つである。
【0032】
別の形態によれば、複数の発熱体は、第1発熱体及び第2発熱体を含み、第1発熱体は、第2発熱体とは異なる長さを有する。
【0033】
別の形態によれば、ヒータアセンブリは、長手方向軸の辺りに同軸に配置された位置合わせプレートをさらに含む。位置合わせプレートは、穿孔された螺旋部材の穿孔と位置合わせする複数のプレート開口部を画定する。
【0034】
別の形態において、熱交換器は、本体、ヒータアセンブリ、及び近位フランジを含む。本体は円筒形の空洞を定義する。ヒータアセンブリは、長手方向を定義する。ヒータアセンブリは、連続した一連の穿孔された螺旋部材と複数の発熱体を含む。穿孔された螺旋部材は、円筒形の空洞内に配置され、幾何学的螺旋を定義する。各穿孔された螺旋部材は、対向するエッジと、各穿孔された螺旋部材を通って長手方向軸に平行に延びる所定のパターンの穿孔を画定する。発熱体は、穿孔された螺旋部材の穿孔を通って延びる。近位フランジは、ヒータアセンブリを本体に固定する。
【0035】
別の形態によれば、熱交換器は、長手方向軸に平行に長手方向に延びる複数のロッドをさらに含む。各穿孔された螺旋部材の周囲は複数の溝を画定し、複数のロッドは対応する一組の溝内に部分的に配置され、穿孔された螺旋部材の周囲から半径方向に外側に延びる厚みを有し、ロッドが円筒形の空洞を定義する本体の内壁に滑り接触する。
【0036】
別の形態によれば、熱交換器は、穿孔された螺旋部材と円筒形の空洞を画定する本体の内壁との間で放射状に延びる弾性変形可能なフラップを含むスカートをさらに含む。
【0037】
別の形態によれば、本体は、円筒形の空洞の近位端にある入口と、円筒形空洞の遠位端にある出口とを含む。ヒータアセンブリは、連続した一連の穿孔された螺旋部材の最後の一つに連結された非穿孔の螺旋部材をさらに含む。非穿孔の螺旋部材は、幾何学的螺旋の延長を形成し、出口で又はその手前で幾何学的螺旋に沿って始まる。
【0038】
別の形態によれば、非穿孔の螺旋部材は、出口の直径に等しいピッチを有する。
【0039】
別の形態において、ヒータアセンブリは、連続的な穿孔された螺旋状バッフルと複数の発熱体とを含む。バッフルは、長手方向軸の周りに幾何学的な螺旋を定義する。穿孔された螺旋状バッフルは、穿孔された螺旋状バッフルを通って長手方向軸に平行に延びる所定のパターンの穿孔を画定する。発熱体は穿孔を貫通する。
【0040】
別の実施形態によれば、幾何学的螺旋は、長手方向軸に沿って変化するピッチを有する。
【0041】
別の実施形態によれば、ピッチは連続的に可変である。
【0042】
適用性のさらなる領域は、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。説明及び特定の例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0044】
図1】本開示の教示に従って構成されたヒータアセンブリの斜視図である。
【0045】
図2図1のヒータアセンブリの連続した一連の螺旋部材の斜視図である。
【0046】
図3図2の螺旋部材の斜視図である。
【0047】
図4図3の螺旋部材の正面図である。
【0048】
図5図1の連続した一連の螺旋部材及び中央支持部材の斜視図である。
【0049】
図6図1の螺旋部材及び発熱体の部分斜視図である。
【0050】
図7】発熱体と螺旋部材との接続を示す図である。
【0051】
図8図1の螺旋部材及び発熱体の部分斜視図である。
【0052】
図9】螺旋部材に取り付けられた発熱体の正面図である。
【0053】
図10】発熱体の異なる配置を示す螺旋部材に取り付けられた発熱体の正面図である。
【0054】
図11図1のヒータアセンブリの部分斜視図であり、囲い板を取り外して、非穿孔の螺旋部材と支持ロッドを示している。
【0055】
図12図1のヒータアセンブリの部分斜視図であり、囲い板及び非穿孔の螺旋部材が取り外された図である。
【0056】
図13図1のA部の拡大図である。
【0057】
図14図1のB部の拡大図である。
【0058】
図15図1の近位取り付けフランジの斜視図である。
【0059】
図16】本開示の教示に従って構築された電熱交換器の破断斜視図である。
【0060】
図17図16の電熱交換器の破断正面図である。
【0061】
図18図1のヒータアセンブリに沿った温度分布を示す図である。
【0062】
図19】従来の熱交換器及び図18のヒータアセンブリを備えた熱交換器の近位取り付けフランジからの距離に対する発熱体の表面温度を示すグラフである。
【0063】
図20】本開示の教示による第2構造のヒータアセンブリの左側斜視図であり、オプションの囲い板が取り付けられた状態で示されている。
【0064】
図21図20のヒータアセンブリの右側斜視図であり、オプションの囲い板がない状態で示されている。
【0065】
図22図20の囲い板の一部分の斜視図である。
【0066】
図23図20のヒータアセンブリの遠位端の斜視図である。
【0067】
図24図20のヒータアセンブリの中央管及び取り付けフランジの斜視図である。
【0068】
図25図24の中央管及び取り付けフランジの分解斜視図である。
【0069】
図26図20のヒータアセンブリを含む、本開示の教示による熱交換器の斜視図である。
【0070】
図27図26の熱交換器の近位端の断面図である。
【0071】
図28図26の熱交換器の遠位端の断面図である。
【0072】
図29】本開示の教示による第3構造のヒータアセンブリの斜視図であり、直線状の発熱体を示している。
【0073】
対応する参照番号は、図面の幾つかの図を通して対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下の説明は本質的に単なる例示であり、本開示、用途、又は使用を限定することを意図するものではない。
【0075】
図1を参照すると、本開示の教示に従って構成されたヒータアセンブリ10は、管状本体82又は熱交換器80(図16及び17に示す)のシェルの内側に配置されるように構成され、熱交換器80を通って流れる動作流体を加熱する。ヒータアセンブリ10は、近位端板又は取り付けフランジ12によって熱交換器80の管状本体82に取り付けられてもよい。ヒータアセンブリ10は、流れ案内装置14と、流れ案内装置14の範囲内で延び流れ案内装置14に対して固定される複数の発熱体16とを含む。ヒータアセンブリ10は、ヒータアセンブリ10の長手方向軸Xを画定する近位端20及び遠位端21を画定する。取り付けフランジ12は、ヒータアセンブリ10の近位端に配置される。複数の発熱体16は、ヒータアセンブリ10の長手方向軸Xに沿って延びる。
【0076】
図2に示すように、流れ案内装置14は、複数の穿孔された螺旋部材18又は螺旋バッフルを含み、これらはヒータアセンブリ10の長手方向軸Xに沿って直線配列で接続され、連続的な幾何学的螺旋を定義する。連続的な幾何学的螺旋は、各穿孔された螺旋部材18が、長手方向軸Xの周りの螺旋経路をたどる表面を画定するようなものである。任意で、流れ案内装置14は、螺旋端部バッフル、又はヒータアセンブリ10の遠位端21に隣接して配置され、連続する幾何学的螺旋の延長部を形成するため、隣接する穿孔された螺旋部材18に接続された非穿孔の螺旋部材23をさらに含む。複数の穿孔された螺旋部材18及び非穿孔の螺旋部材23は、動作流体を案内して熱交換器80の管状本体82内に螺旋状の流れを生成する連続螺旋状流れ案内流路22を画定する(図16及び図17)。
【0077】
図3及び図4に示されるように、穿孔された螺旋部材18はそれぞれ、完全に螺旋状に一回転するように曲げられた金属シートの形態である。図面には示されていないが、金属シートは、1つの螺旋巻きの部分のみ、又は2つ以上の螺旋巻きの部分を形成するために曲げられてもよいことが理解される。穿孔された螺旋部材18はそれぞれ、対向するエッジ26及び28と、各穿孔された螺旋部材18を貫通する所定のパターンの穿孔30とを画定する。一つの穿孔された螺旋部材18の対向エッジ26又は28は、隣接する穿孔された螺旋部材18の対向エッジ28又は26に溶接することができる。一形態において、図8に示すように、1つの穿孔された螺旋部材18の対向エッジ26又は28は、隣接する穿孔された螺旋部材18からの対向エッジ28又は26と重なり合うことができる。図8に示す例において、この重なりは約1.01回転に等しく、追加のカバレッジを提供する。別の形態において、図6に示すように、1つの穿孔された螺旋部材18の対向エッジ26又は28は、隣接することができ、隣接する穿孔された螺旋部材18の表面が連続面を形成するように、隣接する穿孔された螺旋部材18の対向エッジ28又は26を溶接することができる。別の例では、具体的に示されていない1つの穿孔された螺旋部材18の対向エッジ26又は28は、ブリッジ部材(図示せず)によって隣接する穿孔された螺旋部材18の対向エッジ28又は26に接合できる。ブリッジ部材は、形状が螺旋状であってもよく、又は、例えば、短い距離を円形状に延長するなどの別の形状であってもよい。
【0078】
したがって、穿孔された螺旋部材18は、ヒータアセンブリ10の長手方向軸Xに沿って接続され、穿孔された螺旋部材18の線形配列(連続的な一連)を形成する。複数の穿孔された螺旋部材18の穿孔30は、ヒータアセンブリ10の長手方向軸Xに平行な方向、又は半径方向に垂直な方向に沿って整列され、したがって、穿孔された螺旋部材18の各面に対して角度が生じる。非穿孔の螺旋部材23は、穿孔された螺旋部材18の連続的な一連の遠位端に接続される。非穿孔の螺旋部材23は、穿孔された螺旋部材18と構造的に類似するが、穿孔されていない。
【0079】
穿孔された螺旋部材18及び非穿孔の螺旋部材23の各々は、内周エッジ32を有し、これはヒータアセンブリ10の長手方向軸Xに平行な方向で見たときのような方法で輪郭付けられ、内周エッジ32は、長手方向軸Xと同軸の円形の開口を画定する。提供された例において、穿孔された螺旋部材18は、それぞれ穿孔された螺旋部材18の外周に沿って複数の周辺溝36を画定する。同様に、非穿孔の螺旋部材23は、その外周に沿って複数の周辺溝36を画定する。複数の穿孔された螺旋部材18(及び非穿孔の螺旋部材23)の周辺溝36も、ヒータアセンブリ10の長手方向軸Xに平行な方向に沿って整列されている。
【0080】
螺旋ピッチ、穿孔された螺旋部材18の外径、穿孔された螺旋部材18の中央開口34の直径、及び穿孔された螺旋部材18の厚さは、所望の流量や動作流体の所望の体積流量に応じて適切に選択されてもよい。発熱体16の数及び穿孔された螺旋部材18の穿孔30の数は、所望の熱出力及び熱効率に応じて適切に選択することができる。
【0081】
図5に示すように、ヒータアセンブリ10は、中央支持部材40をさらに含み、それは穿孔された螺旋部材18と非穿孔の螺旋部材23の中央開口34を通って延び、複数の穿孔された螺旋部材18と非穿孔の螺旋部材23を接続し、ヒータアセンブリ10の構造的支持を提供する。中央支持部材40及び非穿孔の螺旋部材23は、動作流体をさらに加熱するように構成されてもよい。一形態において、中央支持部材40は、追加の発熱体(例えば、電気発熱体)である。追加の発熱体としても使用される場合、中央支持部材40は、加熱及び構造的支持の両方を提供するために、カートリッジヒータ、管状ヒータ、又は細長い構成を有する任意の従来のヒータなどの1つ以上の電気抵抗発熱体を含み得る。
【0082】
図6及び図7に示されるように、複数の発熱体16は、複数の穿孔30を通して挿入される。図6及び図7には、説明を明確にするため、一対の発熱体16のみが示されているが、完全に組み立てられると、穿孔30の全てが発熱体16を受け入れ、流体が穿孔30を通らずに螺旋状流れ案内流路22に沿って移動する。提供された例において、複数の発熱体16は、それぞれトング状の構成を有し、穿孔された螺旋部材18の穿孔30を通って延びる一対の直線部分42と、一対の直線部分42を接続する屈曲部分44とを含む。発熱体16は、電気抵抗発熱体などの適切な種類の発熱体であってよい。
【0083】
例えば、電気管状ヒータ、電気カートリッジヒータ、又はマルチセルヒータを使用することができる。発熱体16が電気発熱体である場合、それらは、抵抗発熱体(例えば、特に図示しない加熱コイル)を含むことができ、直線部分42、及び含まれる場合には屈曲部分44内に配置することができる。提供された例において、電気抵抗加熱コイルは、直線部分42及び屈曲部分44を通って延び、それぞれの直線部分42の近位端から延びる対向するリード線(特に図示せず)を有することができる。図29を参照すると、カートリッジ型ヒータの一例が示されている。この例において、発熱体は直線部分42のみを含んでいる。各直線部分42は遠位端で終端され、発熱体16は2つの直線部分42に接続するために屈曲されない。代わりに、抵抗発熱体(図示せず)は、各直線部分42に配置され、導線は各直線部分42の近位端から延びている。
【0084】
図6及び図7に示されるように、各発熱体16は、各発熱体16が貫通する各穿孔30の少なくとも一部に固定される。提供された例において、発熱体16は、各穿孔30の周囲の約半分に亘って溶接により固定され、穿孔30の周囲の半分に沿って溶接接合部46が形成される。
【0085】
図8に示すように、動作流体は、流れ案内流路22の穿孔された螺旋部材18によって案内されて螺旋方向Fに流れ、発熱体16によって連続的に加熱される。流れ案内流路22を使用することにより、動作流体が発熱体16の加熱面を横切って流れることを案内できる。したがって、動作流体は、動作流体が熱交換器の長手方向軸Xと平行な方向に流れる典型的な熱交換器(図示せず)とは対照的に、熱交換器80の所定の長さの範囲内で発熱体16によってより効率的に加熱され得る。動作流体は発熱体16の加熱面を横切って流れるように適切に案内されるため、動作流体が加熱されないデッドゾーンを回避することができる。具体的に示されていない従来の熱交換器では、デッドゾーンにより動作流体が分解し、材料が蓄積して発熱体に堆積する汚れ(fouling)を引き起こす。したがって、本教示の熱交換器は、流れの均一性を高め、シェル又は導管(例えば、図16及び図17に示す本体82)への放射熱損失を減らすことにより、汚れを低減し、熱伝達効率を高めることができる。
【0086】
図9及び図10に示すように、発熱体16は、発熱体16の屈曲部分44が中央支持部材40の周りに同心円パターンを形成するように(図9)、又は穿孔された螺旋部材18の直径に対して対称パターンを形成するように穿孔30に挿入されてもよい(図10)。図9及び図10に示される構成間で、同心円パターンを使用して、より高密度の発熱体16を同じ空間に適合させることができるが、他の構成及びパターンを使用することもできる。図9及び図10に示される構成間で、同心円パターンは一般に、直線部分42を接続するより狭い曲げ半径を有する。したがって、パターンは、要素密度又は曲げ半径などの設計基準に基づいて選択することもできる。図12に最も良く示されるように、発熱体16は、発熱体16の幾つかが他のものよりも長手方向軸Xに沿ってさらに延びるように、異なる長さを有することができる。発熱体16の長さは、非穿孔の螺旋部材23に対するそれらの位置に基づくことができる。一構成において、1以上の発熱体16は、全て第1の長さを有する発熱体の第1セットであり得え、一方、1以上の異なる発熱体16は、第1の長さとは異なる第2の長さを全て有する発熱体の第2セットであり得る。この例では、発熱体16は、2つの長さのみを有する2つのセットのみに限定されず、追加のセット及び長さを含めることができる。
【0087】
図11及び図12に示されるように、ヒータアセンブリ10は、穿孔された螺旋部材18及び非穿孔の螺旋部材23の周辺溝36を通ってヒータアセンブリ10の長手方向軸Xに平行に延びる複数の支持ロッド50をさらに含むことができる。支持ロッド50は、周辺溝36の周囲を越えて外向きに(すなわち、長手方向軸Xに対して半径方向に)延びてもよく、ヒータアセンブリ10を熱交換器80の管状本体82の円筒形空洞84内に設置するための滑りロッドとして構成されてもよい(図16及び17)。換言すると、支持ロッド50は、摩擦を低減するためヒータアセンブリ10と管状本体82の内壁との間の直接的な表面接触を低減し(図16及び17)、したがって、ヒータアセンブリ10を管状本体82内にスライドさせるのに必要な力を低減する。あるいは、支持ロッド50は、周辺溝36の周囲を越えて延びず、単にヒータアセンブリ10の構造的支持として機能するように構成されてもよい。提供された例において、支持ロッド50は、穿孔された螺旋部材18及び非穿孔の螺旋部材23に溶接される。
【0088】
図1に示すように、ヒータアセンブリ10は、穿孔された螺旋部材18、非穿孔の螺旋部材23、発熱体16、及び支持ロッド50を囲むため、近位端20及び遠位端21に設けられた一対の囲い板52をさらに含むことができる。近位端において、囲い板52は、一般に、非加熱部分54と加熱部分56との間に配置される。図1は、2つの囲い板52を示しているが、穿孔された螺旋部材18、発熱体16、及び支持ロッド50を取り囲むため、1つを含む任意の数の囲い板52を設けてもよい。1つの囲い板52が提供される場合、囲い板52は、遠位端21又は近位端20に提供されてもよい。
【0089】
図13及び図14に示されるように、囲い板52はそれぞれ、円筒状囲い板部材51と、円筒状囲い板部材51の周りにスカートを形成する複数の変形可能なフラップ53とを画定することができる。円筒状囲い板部材51は、穿孔又は非穿孔の螺旋部材18、23の一部を包むことも可能である。提供された例では、各円筒状囲い板部材51は、それが取り囲む対応する穿孔された又は非穿孔の螺旋部材18、23の少なくとも1つの完全螺旋ピッチである長さだけ長手方向軸Xに沿って延びる。変形可能なフラップ53は、一般に、囲い板52の半径方向外向きフランジ部分を切断することにより形成され、フラップ53は、円筒状囲い板部材51から半径方向外向きに延びることができる。管状本体82の内壁との接触は、フラップ53が弾性変形して、フラップ53が管状本体82の内壁と接触するように付勢され、熱交換器80の管状本体82間で流れが逃げることを阻止する。したがって、吹き抜け(blow-by)を軽減する。提供された例では、図13に示された遠位囲い板52のフラップ53は、熱交換器80の管状本体82の出口88の直前など、ヒータアセンブリ10の遠位端近くに軸方向に位置することができる。例えば、遠位囲い板52のフラップ53は、管状本体82の出口88の前にある図17に示された破線92にほぼ位置することができる。提供された例において、例えば、図14に示された近位囲い板52のフラップ53は、管状本体82の入口86の後のような穿孔された螺旋部材18の開始近傍で軸方向に位置することができる。例えば、近位囲い板52のフラップ53は、管状本体82の入口86の後の図17に示された破線94にほぼ配置することができる。
【0090】
図15に示すように、近位取り付けフランジ12は、ヒータアセンブリ10を熱交換器80の管状本体82に固定するように構成される。近位取り付けフランジ12は、プレート本体58、複数の開口60及びプレート本体58を貫通する複数のボルト穴62を含む。複数の開口60は、連続した一連の穿孔された螺旋部材18の穿孔30と位置合わせされ、複数の発熱体16を近位取り付けフランジ12に通すように構成される。特に示していないが、発熱体16は、開口60を通って流体が流れることを防止するため、開口60を封止することができる。複数のボルト穴62は、プレート本体58の周囲に沿って画定される。近位取り付けフランジ12は、ボルト穴62及び管状本体82の接合フランジ(例えば、図26に示す嵌合フランジ83)のボルト穴にボルト(図示せず)を挿入することにより、熱交換器の管状本体82に取り付けられる。ガスケット(図示せず)又は他のシーリング材料を使用して、取り付けフランジ12と接合フランジ(例えば、図26に示すフランジ83)との間に液密シールを形成することができる。図示されていない別の構成において、端板又は取り付けフランジ12は、溶接、ラッチ、クランプなどの異なる方法によって、接合フランジに機械的に取り付けることができる。
【0091】
近位取り付けフランジ12は、中央支持部材40を整列させるように構成された円形中央凹部又は溝64をさらに画定することができる。中央溝64は、長手方向軸Xと同軸であり、中央支持部材40の近位端は、中央溝64内に受けられるように構成される。提供された実施例において、中央支持部材40は、近位取り付けフランジ12に溶接される。
【0092】
図16及び図17を参照すると、本開示の教示に従って構成された熱交換器80は、円筒形空洞84、入口86、出口88、及び管状本体82の内側に配置されたヒータアセンブリ90を画定する管状本体又はシェル82を含んでいる。ヒータアセンブリ90は、近位端部20及び遠位端部21を画定する。近位取り付けフランジ12は、ヒータアセンブリ90を本体82に固定するように構成される。
【0093】
ヒータアセンブリ90は、連続する一連の穿孔された螺旋部材18と非穿孔の螺旋部材23が、穿孔された螺旋部材18と非穿孔の螺旋部材23によって画定される螺旋が可変ピッチを有するように接続されることを除き、図1のそれと構造的に類似している。したがって、同様の要素は同様の参照番号で示され、その詳細な説明は明確にするために本明細書では省略される。提供された例において、出口88は、半径方向を貫いて流路22が開いたような半径方向出口である。具体的に示されていない代替構成において、出口88は、本体82の軸方向端部96を貫いて開いた軸方向端部出口であり得る。
【0094】
提供された例に戻ると、穿孔された螺旋部材18と非穿孔の螺旋部材23によって画定される螺旋は、近位端20(熱交換器80の入口86の近く)で最大で、遠位端分21(熱交換器80の出口88の近く)で最小のピッチを有していてもよい。一形態において、ピッチは、近位端20から遠位端21に向かってピッチが徐々に減少する連続的可変ピッチである。或いは、図17に示すように、ヒータアセンブリ90は、ヒータアセンブリ90の長手方向軸Xに沿って複数のゾーンを画定してもよい。ピッチは特定のゾーン内で固定でき、異なるゾーンは異なるピッチを有することができる。例えば、ヒータアセンブリ90は、第1ゾーンに第1固定ピッチP1、第2ゾーンに第2固定ピッチP2、第3ゾーンに第3固定ピッチP3を有する3つの加熱ゾーンを画定してもよい。第2固定ピッチP2は、第3固定ピッチP3より大きく、第1固定ピッチP1より小さい。第1ピッチP1は近位端20に位置する。第3ピッチP3は遠位端21に位置する。第2ピッチP2は第1ピッチP1と第3ピッチP3の間に位置する。3つのゾーンが示されているが、より多くのゾーン又はより少ないゾーンを使用できる。一形態において、各穿孔された螺旋部材18、又は穿孔された螺旋部材18のグループは、その特定の長さに沿って一定の螺旋ピッチを有することができ、一方、異なる穿孔された螺旋部材18、又はその異なるグループは、可変ピッチ幾何学的螺旋を形成する可変ピッチを有することができる。
【0095】
具体的に示されていない別の構成において、穿孔された螺旋は、合体して接続された個々の部材からではなく、ヒータアセンブリの近位端から遠位端に及ぶ単一の連続螺旋部材から形成できる。例えば、単一の螺旋部材は、押し出されるか、ストリップストックシートメタル(strip stock sheet metal)を対向する円錐形のダイを通して供給することにより形成されるか、又は3D印刷される。
【0096】
図18を参照すると、図は、ヒータアセンブリ10、90の1つの特定の構成について、長手方向軸Xに沿った発熱体16の温度分布を示す。ヒータアセンブリの近位端部分に隣接する発熱体16の部分の温度は、特定の例において約33.94℃である。動作流体が、穿孔された螺旋部材18の流れ案内流路22によって案内され、ヒータアセンブリ10、90の遠位端に流れると、温度は、提供された例において約534.92℃まで徐々に上昇する。図18に提供された例は、1つの特定の入口温度の温度分布を示しているが、発熱体16への電力負荷、及び流体の質量流量、他の温度及び分布は異なる条件又は構成から生じ得る。一般に、本開示の教示に従って構成されたヒータアセンブリは、動作流体がその流路に沿って加熱されないであろうデッドゾーンのない低下された発熱体の温度を有するであろう。
【0097】
図19を参照すると、グラフは、近位取り付けフランジ12からの距離と発熱体16の温度との関係を示している。近位取り付けフランジ12は、熱交換器80の入口86に近接して配置される。動作流体が入口86に入り、近位取り付けフランジ12から流れ出ると、発熱体16の外面の温度は、線97で示されるように、着実に徐々に上昇する。対照的に、典型的な熱交換器(図示せず)の発熱体の外面は、流体が近位フランジから離れる(すなわち、入口から出口)ように流体が流れるに従い、線98で示されるように、上昇及び下降するより高い温度を有する。したがって、本開示の教示は、熱交換器の長さに沿った発熱体の一貫したより低い線形温度上昇を提供するヒータアセンブリ及び熱交換器を提供する。
【0098】
本開示のヒータアセンブリは、動作流体を加熱するための如何なる加熱装置(例えば、電気加熱装置)に適用可能である。連続した一連の穿孔された螺旋部材18は、均一な螺旋状交差流パターンを生成するため、流体を案内する。ヒータアセンブリ10、90の螺旋流路22は、ヒータアセンブリ10、90の長さを増加させることなく、動作流体の流路を変更及び増加させることができる。したがって、ヒータアセンブリ10、90は、ヒータアセンブリ10、90から動作流体への熱伝達を改善できる。伝熱効率の向上により、発熱体16のシース温度及び熱交換器のシェル(例えば、管状本体82)の温度を下げることができ、熱交換器の物理的設置面積を減らすことができる。
【0099】
さらに、穿孔された螺旋部材18は、熱伝導性材料で形成することができる。穿孔された螺旋部材18は(例えば、図7に示される溶接部46を介して)発熱体16に接続されてもよいため、それらは、発熱体16の延長であると考えられ、拡張加熱面又はヒートスプレッダ又は熱を動作流体に分散するフィンとして機能し、これにより、発熱体16から動作流体への熱伝達が増加する。中央支持部材40は、電熱交換器において、動作流体をさらに加熱するため、円筒形の電気加熱装置の形態をとってもよい。
【0100】
さらに、ヒータアセンブリ10、90は、連続した一連の穿孔された螺旋部材18の使用及び中央支持部材40の使用により、従来の熱交換器よりも剛性が高い。中央支持部材40は、近位取り付けフランジ12に接続され、近位取り付けフランジ12は、熱交換器の本体に接続されている。この連続構造により、熱交換器の振動特性が改善され、それによってヒータアセンブリの剛性と減衰特性が向上する。支持ロッド50は、剛性及び減衰特性をさらに高めることができる。
【0101】
図20乃至図25には、ヒータアセンブリ210がさらに示され、図26乃至図28には、ヒータアセンブリ210を備えた熱交換器80が示されている。熱交換器80及びヒータアセンブリ210は、本明細書で特に示され又は説明されたことを除き、熱交換器80及びヒータアセンブリ10、90と同様である。したがって、同様の要素は同様の参照番号で示され、その詳細な説明は明確にするために本明細書では省略される。
【0102】
図20及び図21に示されるように、ヒータアセンブリ210は、第1リフト部材214及び第2リフト部材218を含むことができる。第1リフト部材214は、取り付けフランジ12の周囲に固定結合される。提供された例において、第1リフト部材214は、取り付けフランジ12の頂部から延び開口222を画定し、それを通してフック(図示せず)又は他のリフト装置がヒータアセンブリ210の近位端を支持することができる。第2リフト部材218は、中央支持部材40の遠位端に固定結合される。提供された例において、第2リフト部材218は、中央支持部材40の頂部から延び、第1リフト部材214と位置合わせされる。第2リフト部材218は、開口226を画定し、それを通してフック(図示せず)又は他のリフト装置がヒータアセンブリ210の遠位端を支持することができる。提供された例において、第2リフト部材218は、非穿孔の螺旋部材23の軸方向の長さの範囲内に配置されるが、第2リフト部材218は非穿孔の螺旋部材23を超えることも可能である。第1及び第2リフト部材214、218は、ヒータアセンブリ210を持ち上げるために使用され、熱交換器80の管状本体82内にヒータアセンブリ210を配置することができる。
【0103】
ヒータアセンブリ210は、囲い板230をさらに含むことができる。囲い板230は、穿孔された螺旋部材18、発熱体16、及び支持ロッド50の周りを覆う。囲い板230は、ヒータアセンブリ210の加熱部の全長(例えば、図1に示す囲い板52を含む)に沿って延びるような軸方向の長さであり得、又は加熱部全体より短い長さである。さらに、図22に示すように、囲い板230は、複数の薄壁円筒状囲い板部材234を含むことができる。囲い板部材234は、穿孔された螺旋部材18と管状本体82との間の吹き抜けを防止することができる。囲い板234は、熱反射材料から形成されるか、又は熱反射材料が塗布されてもよく、熱を長手方向軸Xに向かって半径方向の内部へ反射する熱シールドを形成する。そのような熱シールドは、本体82への熱損失をさらに低減し、本体82の温度を低下させることができる。隣り合う円筒状囲い板部材234は、長手方向軸Xに沿って互いに接することができる。一形態において、囲い板230の円筒状囲い板部材234のいずれかは、囲い板230が囲い板52(図1、13及び14)と同様に機能できるように、変形可能なフラップ53(図13及び14)を任意に含むことができる。
【0104】
提供された例において、支持ロッド50は、一般にほぼ長方形又は断面形状を有し、各支持ロッド50は、穿孔された及び非穿孔の螺旋部材18、23の外周と同一平面にある外面238を有する。一形態において、各支持ロッド50の外面238は、穿孔された及び非穿孔の螺旋部材18、23の外周の曲率と一致する曲率を有することができる。囲い板230は、支持ロッド50に取り付けられる。提供された例において、支持ロッド50は複数の穴242を含み、各円筒状囲い板部材234は、支持ロッド50の穴242と整列する複数の穴246を含んでいる。留め具250(例えば、リベット、ネジなど)、又はプラグ溶接部が穴242、246を通して受け入れられ、円筒状囲い板部材234が支持ロッド50に取り付けられる。
【0105】
図23をさらに参照すると、ヒータアセンブリ210は、整列プレート254をさらに含むことができる。整列プレート254は、複数の開口256及び周辺溝260を含む平坦な円形ディスクである。開口256は、穿孔された螺旋部材18の穿孔30と同じサイズで整列している。周辺溝260は、周辺溝36と同じサイズであり、周辺溝36と整列している。支持ロッド50は、周辺溝36と同様に周辺溝260内に受け入れられる。提供された例において、整列プレート254は、中央支持部材40の直径と同様の直径を有するキー付き中心孔262と、半径方向内側に延びるキー264とを画定する。提供された例において、中央支持部材40は、中央支持部材40の遠位端を通して開いたキースロット266を含んでいる。キースロット266は、中央支持部材40の壁を通って延び、長手方向軸Xに平行に長手方向に延びている。キースロット266は、キー264の幅に対応する中央支持部材40の円周方向の幅を有する。中央支持部材40は、中心孔262を通って受け入れられ、キー264は、中央支持部材40に対する整列プレート254の回転を抑制するため、キースロット266に受けられる。一形態において、中心孔262は、中心孔262の周りに円周方向に間隔を置いて配置された複数のキー264を含むことができ、中央支持部材40は、一致する数のキースロット266を含むことができる。
【0106】
図23を引き続き参照すると、ヒータアセンブリ210は、1つ以上のセンサ(例えば、センサ300)をさらに含むことができる。提供された例において、センサ300は熱電対又は他の温度センサであるが、他のタイプのセンサを使用することもできる。センサ300は、流れ案内流路22内に配置されたプローブ端部310を含んでいる。提供された例において、プローブ端部310は、出口88(図26及び28)に近接して配置され、発熱体16の1つに取り付けられる(例えば、溶接又はクランプ)。プローブ端部310は、それが取り付けられる発熱体16の温度を検出するように構成することができる。同様に、追加のセンサ(図示せず)を他の発熱体16に取り付けて、それらの温度を検出することができる。図示されていない代替構成において、プローブ端部310は、発熱体16から分離され、プローブ端部310で動作流体の温度を検出するように構成されることも可能である。
【0107】
センサ300は、中央支持部材40の外側の長手方向軸Xにほぼ沿ってプローブ端部310から中央支持部材40の遠位端に向かって長手方向に延びる。提供された例において、中央支持部材40の遠位端は、中央支持部材40の外壁を貫通し、キースロット266から分離したセンサスロット314を含んでいる。センサ300は、センサスロット314を通って中央支持部材40の内部空洞に延びる屈曲部を有する。センサ300は、それから中央支持部材40内で中央支持部材40の近位端に向かって延在する。図25に示されるように、センサ300は、取り付けフランジ12の孔318を通って延びる。孔318は、孔318を通って流れる流体を阻止するためセンサ300の周囲が封止される。孔318は、溝64の半径内にある。この方法において、センサ300の電気接続は、電気発熱体が使用される場合の発熱体16の電気接続とともに、取り付けフランジ12の裏側にあり得る。
【0108】
図示されていない代替構成において、一列の穿孔30のセットは発熱体16を有することができず、温度センサ300がその穿孔30のセット及び対応するフランジ開口60を通って延びることができる。このような構成において、プローブは、長手方向軸Xに沿った任意の所望の位置に配置することができる。代替構成では、1以上の発熱体16を、温度を検出するための仮想センサとして使用することができる。
【0109】
さらに図24及び25を参照すると、開口部410は、中央支持部材40の近位端の外部と内部との間で少量の流体流通を可能にする。提供された例において、中央支持部材は、中央支持部材40が取り付けフランジ12の溝64内に受けられたとき、開口部410を画定するため取り付けフランジ12と協働する近位端を通るスロットを有する。図15の溝64と異なり、図25の溝64は不完全な円である(すなわち、長手方向軸Xの周りに全周に亘っていない)。代わりに、溝64は、中央支持部材40の近位端のスロットと位置合わせする開始部414及び終了部418を有している。提供された例において、溝64は、中央の平坦な底面に隣接する平坦な底部を有する。開始部414及び終了部418は、中央支持部材40の適切な回転位置合わせを確実にするキーも形成する。提供された例において、中央支持部材40と取り付けフランジ12との間のキー及び整列プレート254は、穿孔30が開口60、256と整列する正しい回転位置に連続螺旋を配置するために協働する。提供された例において、中央支持部材40の両端のキーは、長手方向軸Xに平行な同じ線に沿って整列されるが、他の構成も使用できる。提供された例において、溝64は、溝64の開始部414及び終了部418で半径方向外側に僅かな距離だけ延びている。提供された例において、中央支持部材40は溝64の開始部414から終了部418が取り付けフランジ12に溶接される。換言すれば、中央支持部材40は、スロットが開口部410を画定する周囲領域を除き、その周囲に溶接される。開口部410は、取り付けフランジ12の頂部と位置合わせすることができる。別の形態において、開口部410は、近位端付近の中央支持部材40によって完全に画定される孔とすることができる。
【0110】
特に図27を参照すると、第1穿孔された螺旋部材18のエッジ28(すなわち、近位端付近)は、入口からの流れが流路22に入るように入口86又はその手前に長手方向軸Xに沿って配置することができる。特に図28に示すように、最後の穿孔された螺旋部材18の対向するエッジ26(すなわち、遠位端の近く)は、出口88又はその手前で長手方向軸Xに沿って配置することができる。提供された例において、発熱体18の最長の物は、長手方向軸Xに沿って、出口88と位置合わせされた領域内に部分的にある位置まで延びるが、他の構成を使用することもできる。提供された例において、最後の円筒状囲い板部材234は、発熱体16の最長の物の端部と軸方向に重なるため長手方向軸Xに沿って延びることができ、出口88から出る前に非穿孔の螺旋部材23に最後の発熱体16からの流体を流すが、他の構成を使用することもできる。
【0111】
図29をさらに参照すると、第3構造のヒータアセンブリ312の一部が示されている。ヒータアセンブリ312は、本明細書で特に示され又は説明されるものを除いて、ヒータアセンブリ10、90、210と同様である。したがって、同様の要素は同様の参照番号で示され、その詳細な説明は明確にするために本明細書では省略される。提供された例において、発熱体16は、閉端316で終わる直線素子である。換言すると、直線部分42は、屈曲部によって接続されていない。提供された例において、発熱体16は、カートリッジヒータなどの電気抵抗発熱体であり、それらは取り付けフランジ12の反対側に同じ直線部分42から延びる全てのリード線(図示せず)を有している(図26に示す)。
【0112】
本開示は、例として説明及び図示した実施形態に限定されないことに留意されたい。多種多様な変形が記載されており、それらは当業者の知識の一部である。本開示及び本特許の保護の範囲を逸脱することなく、これら及びさらなる変形ならびに技術的同等物による置換を説明及び図に追加することができる。
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