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特許7275122ファストフードレストラン用の調理ステーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】ファストフードレストラン用の調理ステーション
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20230510BHJP
   A47G 19/18 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
A47G19/18 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020522412
(86)(22)【出願日】2018-07-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-03
(86)【国際出願番号】 EP2018068000
(87)【国際公開番号】W WO2019007987
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-07-02
(31)【優先権主張番号】102017114805.1
(32)【優先日】2017-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018101809.6
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520005439
【氏名又は名称】エムカーヴィー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル キュールヴァイン
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-139377(JP,A)
【文献】特開平06-247478(JP,A)
【文献】特開2005-270771(JP,A)
【文献】国際公開第2003/097519(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第0479559(EP,A1)
【文献】実開平05-013576(JP,U)
【文献】特開平07-215460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/18
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファストフードレストランの調理路(50)中にある、バンズの半片にソースを付けるためのステーション(30)であって、
台(32)であって、前記バンズの半片を受け取るための入口側部(34)と、前記入口側部(34)に対向し前記ソースを付けた前記バンズの半片を出す側の出口側部(36)と、前記入口側部(34)と前記出口側部(36)とを連結する前台面(38)であって利用者が立ってバンズの半片にソースを付けうる側である前台面(38)と、前記前台面(38)に対向する後台面とが備えられた台(32)と、
前記台(32)の上方で前記前台面(38)に対して作業距離(40)をとって配置されたソースの入った容器であって、前記容器から前記台(32)に対して高さ距離(42)をとって前記台(32)の方向へ向かう放出ノズルがあり、その結果、前記ソースが付けられるべき前記バンズの半片を、前記台(32)上で前記放出ノズルの下方に置くことができる容器と、
利用者による操作を可能とするスイッチ(17)を有する圧縮アクチュエータ(14)であって、利用者の操作に応答して前記ソースを前記容器から前記バンズの半片上に押し出すように設けられた圧縮アクチュエータとを具備し、
前記アクチュエータは圧縮空気アクチュエータ(14、15)である
ステーション(30)。
【請求項2】
前記容器は可動底部を備えたパトローネを具備し、前記可動底部は基体(1、2、3、4)の収容空間(5)中に挿入されていて、前記基体(1、2、3、4)の外側から前記収容空間(5)中へ可動ロッド(7)がガイドされていて、回転可能で前記基体(1、2、3、4)に軸支されているレバー(10)が、前記ロッド(7)と噛合していて、これにより、前記レバー(10)が前記基体(1、2、3、4)に対して回転するとすぐに、前記ロッド(7)が前記収容空間(5)の方向へ押圧される
請求項1に記載のステーション(30)。
【請求項3】
前記レバー(10)を前記基体(1、2、3、4)と連結するアクチュエータ(14、15)を具備し、前記レバー(10)が前記基体(1、2、3、4)に対して回転するように前記アクチュエータが設けられている
請求項2に記載のステーション(30)。
【請求項4】
前記圧縮空気アクチュエータが、シリンダ本体を備えたエアシリンダ(14)とピストンとを具備し、前記ピストンはピストンロッド(16)を備え、かつ前記シリンダ本体中で圧力により可動である
請求項に記載のステーション(30)。
【請求項5】
前記エアシリンダ(14)は位置固定で前記基体(1、2、3、4)と連結されていて、前記エアシリンダの可動ピストンは前記レバー(10)と連結されている
請求項に記載のステーション(30)。
【請求項6】
前記レバー(10)上に解除可能に設置された上置(18)を具備し、前記アクチュエータ(14、15)が前記上置と回転可能に連結されている
請求項3~5のいずれか1項に記載のステーション(30)。
【請求項7】
前記基体は、前記基体を置くための下面を備えた底板(4)と、前記下面に対向する上面とを具備し、前記収容空間(5)は前記上面と境界を接して配置されている
請求項2~6のいずれか1項に記載のステーション(30)。
【請求項8】
前記アクチュエータ(14、15)は前記底板(4)に回転可能に配置されている
請求項2~7のいずれか1項に記載のステーション(30)。
【請求項9】
前記収容空間(5)は半円筒状の外被面を有し、前記外被面中で前記ロッド(7)と結合されたピストンプレート(8)がガイドされている
請求項2~8のいずれか1項に記載のステーション(30)。
【請求項10】
前記基体(1、2、3、4)に位置固定で固定されたグリップ(19)を具備し、前記レバー(10)が前記ロッド(7)を押圧するために、前記収容空間の方向でグリップ(19)に向かって回転可能に配置されている
請求項2~9のいずれか1項に記載のステーション(30)。
【請求項11】
前記台(32)の上方で前記前台面に対してある作業距離(40)で配置されている更なるソースが入った少なくとも1つの更なる容器であって、前記容器から前記台(32)に対してある更なる高さ距離(42)で、前記台(32)に対して方向づけられた更なる放出ノズルがある容器と、
利用者による操作を可能とするスイッチ(17)を有する更なる圧縮アクチュエータ(14)であって、利用者の解除に応じて前記ソースを前記更なる容器から押し出すように設けられている圧縮アクチュエータ(14)とを具備する
請求項2~10のいずれか1項に記載のステーション(30)。
【請求項12】
前記圧縮アクチュエータ(14)と前記更なる圧縮アクチュエータ(14)とは共通の操作機構により解除可能である
請求項11に記載のステーション(30)。
【請求項13】
前記基体と前記レバーと前記ロッドとは、前記容器中に挿入可能であるピストル形状装置の一部分である
請求項2~12のいずれか1項に記載のステーション(30)。
【請求項14】
前記台(32)は前記放出ノズルの下方に間隙(48)を具備する
請求項1~13のいずれか1項に記載のステーション(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファストフードレストランの調理路中にある、バンズの半片にソースを付けるためのステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
ファストフードレストランの調理路中にあるバンズの半片にソースを付けるためのステーションは、従来、純粋に手動で駆動可能なカートリッジ絞り出し装置により作動していて、これらは例えば特許文献1、特許文献2または特許文献3から公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】加国特許出願公開第2 930 097(A1)号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0228334(A1)号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0332788(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は公知のステーションを改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は独立請求項の特徴により達成される。
好適な構成および更なる構成は、従属請求項中に記載されている。
【0006】
本発明のある態様によれば、ファストフードレストランの調理路中にある、バンズの半片にソースを付けるためのステーションは、台であって、バンズの半片を受け取るための入口側部と、入口側部に対向しソースを付けたバンズの半片を出す側の出口側部と、入口側部と出口側部とを連結する前台面であって、利用者が立ってバンズの半片にソースを付けうる側である前台面と、前台面に対向する後台面とが備えられた台と、この台の上方で、前台面に対して作業距離をとって配置されたソースの入った容器であって、この容器から台に対して高さ距離をとって台の方向へ向かう放出ノズルがあり、その結果、ソースが付けられるべきバンズの半片を台上で放出ノズルの下方に置くことができる容器と、利用者による操作を可能とするスイッチを有する圧縮アクチュエータであって、利用者の操作に応答してソースを容器からバンズの半片上に押し出すように設けられた圧縮アクチュエータとを具備する。
【0007】
上述のステーションは、手動で駆動可能なカートリッジ絞り出し装置では比較的消費が激しいとの考慮が根拠となっている。
利用者が、カートリッジ絞り出し装置の利用後に、この装置をこのために設けられた容器中に戻すと、振動により常に取り出しノズルにある残りのソースが大量に滴下する。
毎日数千人の利用者がいる場合には、ここでのソースの損失は多量になる。
【0008】
上述のステーションでは、カートリッジ絞り出し装置を動かないように保管することを提案する。
このような固定的な保管によりカートリッジ絞り出し装置は振動できず、バンズの半片にソースを付ける場合に、滴下する残りのソースが明らかに少なくなる。
【0009】
上述のステーションの更なる構成中では、容器は、可動底部を備えたパトローネを具備し、この可動底部は基体の収容空間中に挿入されていて、基体の外側から収容空間中へ可動ロッドがガイドされていて、基体に回転可能に軸支されているレバーがロッドと噛合していて、これにより、レバーが基体に対して回転するとすぐにロッドが収容空間の方向へ押圧される。
【0010】
更なる構成では、このステーションはレバーを基体と連結するアクチュエータを具備し、このレバーが基体に対して回転するようにアクチュエータが設けられている。
【0011】
上述のステーションのまた更なる構成では、アクチュエータは圧縮空気アクチュエータである。
【0012】
上述のステーションの好適な更なる構成では、圧縮空気アクチュエータがシリンダ本体を備えたエアシリンダとピストンとを具備し、このピストンはピストンロッドを備え、かつシリンダ本体中で圧力により可動である。
【0013】
上述のステーションの特に好適な更なる構成では、エアシリンダは位置固定で基体と連結されていて、このエアシリンダの可動ピストンはレバーと連結されている。
【0014】
別の更なる構成では、ステーションは、レバー上に解除可能に設置された上置を具備し、アクチュエータがこの上置と回転可能に連結されている。
【0015】
上述のステーションのまた別の更なる構成では、基体は、基体を置くための下面を備えた底板と下面に対向する上面とを具備し、収容空間は上面と境界を接して配置されている。
【0016】
上述のステーションの追加となる更なる構成では、アクチュエータは底板に回転可能に配置されている。
【0017】
上述のステーションの特別な更なる構成では、収容空間は半円筒状の外被面を有し、外被面中でロッドと結合されたピストンプレートがガイドされている。
【0018】
更なるある構成では、上述のステーションは基体に位置固定で固定されたグリップを具備し、レバーがロッドを押圧するために、収容空間の方向でこのグリップに向かって回転可能に配置されている。
【0019】
また更なる構成では、上述のステーションが、台の上方で前台面に対してある作業距離で配置されている更なるソースが入った少なくとも1つの更なる容器であって、この容器から台に対して、ある更なる高さ距離で台に対して方向づけられた更なる放出ノズルがある容器と、利用者による操作を可能とするスイッチを有する更なる圧縮アクチュエータであって、利用者の解除に応じてソースを更なる容器から押し出すように設けられている、圧縮アクチュエータとを具備する。
【0020】
上述のステーションの好適な更なる構成では、上述の圧縮アクチュエータと上述の更なる圧縮アクチュエータとは、共通の操作機構により解除可能である。
【0021】
上述のステーションの特に好適な更なる構成では、基体とレバーとロッドとは、容器中に挿入可能であるピストル形状装置の一部分である。
【0022】
上述のステーションのまた別の更なる構成では、台は放出ノズルの下方に間隙を具備する。
【0023】
本発明のある別の態様によれば、装置は基体(これは、食料品を含有するパトローネを挿入するための収容空間を備えている)と、基体の外側から収容空間中にガイドされる可動ピストンロッドと、回転可能で基体に軸支されていて、かつピストンロッドと噛合するレバー(このレバーが基体に対して回転するとすぐに、ピストンロッドを収容空間の方向へ押圧する)とを具備し、この際、レバーを基体と連結するアクチュエータが設けられていて、これがレバーを基体に対して回転するように配置されている。
アクチュエータにより、利用者は食料品をパトローネから押し出すためにもはやほとんど力をかけるには及ばず、その結果、装置はより容易におよびとりわけ何度も連続して用いることができ、その利用により筋肉痛やまたは過剰な疲れが生じることがない。
信頼性高く食料品をパトローネから押し出すために、大きな力をレバーによりかけることができる。
この際、放出開口に容易に付着し、放出ピストルを汚す食欲をそぐ食料品の残りがほぼ発生しなくなるとの利点もあるが、これは放出は常に垂直下方向で生じ、パトローネも常にその放出開口の垂直な下方向を向く位置にあり続けるからである。
【0024】
好適にはアクチュエータは圧縮空気アクチュエータである。
この場合、圧縮空気アクチュエータはエアシリンダを有し、これがシリンダ本体と、相対的にこのシリンダ本体に対して圧縮空気により可動であるピストンとを備えている。
【0025】
この際、このシリンダ本体は装置の基体と位置固定で連結されていて、可動ピストンがレバーと連結されている。
これにより、比較的小さいピストンのみが動かねばならなくなる一方で、より質量が大きいシリンダ本体は位置が固定されたままになる。
このようにして移動しうる質量がより小さいことにより、エネルギーコストがより小さくなる点も顕著である。
【0026】
同様に好適には、アクチュエータは電気駆動部、例えばスピンドル駆動部を備えた電動機またはピストンロッドを備えた電磁石でありうる。
この際、ピストンロッドの各行程後に、駆動部が所定の出発位置に確実に戻るべきで、これはピストンロッドを備えた電磁石ではバネ力により、スピンドル駆動部を備えた電動機では電動機の回転方向の逆転またはスピンドル駆動部を電動機から減結合することにより行われうる。
【0027】
好ましくはこの装置は、レバー上に解除可能に載せられた末端部を具備し、この末端部にアクチュエータが回転可能に保持されている。
これにより、このアクチュエータは単純な方法でレバーから除去することができ、これにより装置は大がかりな方策を用いずとも新しい部品を据え付けることができ、手動操作のみを用いることができる。
【0028】
好ましくは基体は、基体を置くための下面を備えた底板と下面に対向する上面とを具備し、収容空間はこの上面と境界を接して配置されている。
この底板でもって、装置は土台(例えば、台)に容易に固定しうる。
この際、好ましくは底板は台の上面に対して距離を保っていて、これにより食料品の取り出しが垂直下方向に行われうる。
【0029】
アクチュエータは底板に回転可能に配置されている。
基体中では管状の収容空間が形成されていて、この収容空間は外被側で、レバーが伸張する放射状方向とは異なる放射状方向に向かって開いている。
【0030】
好ましくはこの装置は、基体に位置固定で固定されている支持グリップを具備し、収容空間の方向にロッドを押圧するためのレバーがこの支持グリップに対して回転可能に配置されている。
【0031】
通常レバーは、利用者がパトローネを収容空間中に挿入し、かつパトローネから押し出されたソースを引き出す方向を向いている。
しかしながら本発明の装置では、レバーは別の方向を向いている。
このようにして利用者は、記述した上述の装置の前により大きな空間を有する。
しかしながら緊急モードでは、後台面からレバーで完全に手動で操作しうる。
【0032】
好ましくは上述の様式の複数の装置が、共通の筐体中で一列に配置されている。
従ってこのステーションでは、顧客に対して複数の異なる食料品、例えばケチャップ、辛いマスタード、マイルドマスタード、マヨネーズ、ソース、ドレッシングまたはこれ以外の食材を提供しうる。
【0033】
以下に、本発明を図面に関連付けて実施形態に基づき、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明のソースディスペンサの側面図である。
図2図1のソースディスペンサの背面図である。
図3図1のソースディスペンサを180°回転させた側面図である。
図4図2のソースディスペンサを180°回転させた側面図である。
図5】複数の本発明のソースディスペンサの配置の概略図である。
図6図5のソースディスペンサを側方から見た図である。
図7】バンズの半片にソースを付けるためのステーションの透視図である。
図8図7のステーションの正面図である。
図9図7および図8のステーションの断面図である。
図10】ファストフードレストランの調理路にある図7~9のステーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図中、等しい技術部材には等しい参照符号を付し、一度のみ説明をする。
図は概略図であるのみで、とりわけ実際の幾何学的な比率を再現してはいない。
【0036】
図1図4を参照すると、バンズの半片にソースを付ける装置の4つの側面図が示されている。
この装置は基体を有し、この基体は平行な2つの側壁1および2と上壁3と底板4とを備えていて、これらの壁が収容空間5を取り囲む。
収容空間5中には、ペースト状の食料品例えばソースを入れた不図示のパトローネを挿入できる。
この収容空間5はパトローネの形状に合わせられていて、円形の蓋6で閉じられている。
この蓋を貫通してロッド7が突出し、このロッドはその一端で収容空間5中でピストンプレート8を支える。
ロッド7の他端は上壁3を貫通して突出し、グリップ9で終わるが、このグリップにはペースト状の食料品のラベル付けをするために色でマークを付けることができる。
ロッド7とこれに固定されたピストンプレート8とは、蓋6中の開口中、および上壁3中の更なる開口中で、縦方向で線形に変位可能にガイドされている。
【0037】
さらにロッド7は、回転可能なレバー10と結合されていて、このレバー10は回転ヒンジ11を介して直接または間接的に双方の側壁1および2に保持されている。
レバー10にある従動ピン10aは従動プレート12と結合していて、この従動プレートはバネ13により付勢されていて、ロッド7を取り囲んでいる。
レバー10が上方に移動する際に、従動プレート12がロッド7に対して傾斜し、この際、この従動プレート12がロッド7を下方向に押圧する一方、レバー10が下方に移動する際には、従動プレート12がバネ13によりロッド7に沿って導かれる傾斜のない位置に移動され、ロッド7が移動することはない。
このようにして、レバー10を双方向に繰り返して移動させることにより、ロッド7が徐々に下方向に押圧され、これによりピストンプレート8がパトローネの可動底部を押圧し、行程毎に所定の量のペースト状の食料品がパトローネから押し出されうる。
【0038】
レバー10の上方移動方向および下方移動方向への移動は、エアシリンダ14として実現されたアクチュエータにより行われるが、このアクチュエータは一端で底板4にその他端でレバー10に接続されていて、双方の端部でそれぞれヒンジ15aおよび15bとのヒンジ連結が設けられている。
【0039】
図1図4で図示された実施形態では、エアシリンダ14はヒンジ15aを介して底板4と連結されていて、摺動可能なピストンロッド16を有し、このピストンロッドはレバー10の自由端とヒンジで連結されている。
エアシリンダ14は空気圧スイッチ17により操作でき、このスイッチは側壁1もしくは2のうちの1つ、または正面壁に取り付けられていて、それも好ましくは、図示された装置の引き出し側(利用者がバンズの半片にソースを付ける装置を利用する側)に取り付けられている。
スイッチ17をパトローネに向かって押圧することにより、圧縮空気導管20が開き、これによりエアシリンダ14が圧縮空気で充填される。
これに応じて、エアシリンダがピストンロッド16を下方向に押圧しているレバー10を操作し、その結果ペースト状の食料品がパトローネから押し出される。
スイッチ17が解除されると、エアシリンダ14が再び無加圧になり、ピストンロッド16が、不図示の復帰バネにより圧縮シリンダ14の内側方向に変位し、その結果、レバー10が再びその出発位置へ戻り、この際にロッド7が移動することはない。
従って、スイッチ17を操作する度に、エアシリンダ14はすでに上で述べた行程を実施し、これにより各回で所定の量のペースト状の食料品がパトローネから押し出される。
【0040】
ピストンロッド16は上置18を介してレバー10の自由端と連結されている。
この際、ピストンロッド16は回転ヒンジ15bを介して上置18に連結されている。
レバー10は筐体の上方領域中で回転ヒンジ11を介して固定されていて、底板4の方向に向かって実質的に斜め下方向に傾斜しているので、上置18は単にレバー10の自由端部上に載せられ摩擦結合により保持されうるが、この理由は、ピストンロッド16の移動時にはレバー10の縦軸方向で最小の縦力のみが生じるからである。
従って空気圧がなくなると上置18は問題なくレバー10の自由端から取り外され、その結果、レバー10は手動操作可能になる。
この目的のために、筐体には位置固定の支持グリップ19が固定されていて、レバー10の操作時にはこのグリップで手が支えられうる。
【0041】
圧縮シリンダ14への圧縮空気の供給は、上述の圧縮空気導管20と、不図示の圧縮空気源に接続されている上流に接続されたバルブ21とを介して行われる。
【0042】
ここまでに描写した実施形態では、アクチュエータはエアシリンダであり、これは空気圧で作動されるピストンロッドを備えている。
これに代えて、電磁アクチュエータを用いることもでき、これも類似の方法でピストンロッド16を操作するが、この場合、スイッチ17の操作時にピストンロッド16が外に出て、スイッチ17の非操作時にはピストンロッド16が自身で例えばバネ力によりその出発位置へと戻るように設けられている。
【0043】
図4から最も良く認識できるように、底板4は土台(例えば、台)に対してより高い位置にあり、その結果、ソースは底板4の下方で垂直下方向に向けて出る。
このようなより高い位置は、2つの平行な支持壁26により確保されている。
これは不図示の脚部により、またはこれ以外の方法でも行われうる。
【0044】
図5は複数の上述の様式の装置の配置を概略的に示すが、これらの複数の装置は一列で共通の筐体中に収納されている。
具体的には8つの収容空間が存在し、この図中ではグリップ9を備えたロッド7がその引き出された上方の位置にある状態が描写されていて、この位置でそれぞれ1つのパトローネを収容空間中に挿入しうる。
また、ロッド7の各位置で、各パトローネの充填度合を外側から認識できる。
個々の装置部分の操作のために、それぞれ1つのスイッチ17が設けられている。
取り出しはこの場合下方向に行われ、その結果、この場合、底板4は台24に対して支持壁23により距離を保っている。
【0045】
図5および図6からは、複数の装置がレストラン中でいかにして配置されうるか、かつ1つのカウンター25中に統合されうるかも認識できる。
【0046】
図5の実施形態では収容空間5は部分的に開いていて、その結果、利用者は各パトローネを見ることができる。
当然、利用者側を不図示のプレートで遮蔽することも可能である。
個々のパトローネの内容のラベル付けは、グリップ9への色付けおよび/もしくは名前付けまたはスイッチ17を支える狭い前壁22への名前付けにより行われうる。
【0047】
図7図9を参照すると、バンズの半片にソースを付けるためのステーション30がファストフードレストランの調理路中にある状態が図示されている。
【0048】
このステーションは台32を具備し、この台は、バンズの半片を受け取るための入口側部34と、この入口側部34に対向する側であってソースを付けたバンズの半片を出す側の出口側部36と、入口側部34と出口側部36とを連結する前台面38であって利用者が立ってバンズの半片にソースを付けうる側である前台面38と、この前台面38に対向する後台面39とが備えられていて、この前台面38には複数の上述の装置の配置が例えば図5に述べたように隣接している。
台32の上方には、前台面に対して作業距離40をとって配置されているソースを備えた容器があり、この容器から台32に対して高さ距離42をとって、台32の方向を向く放出ノズルがあり、その結果、ソースを付けるべきバンズの半片を台上で放出ノズルの下方に置くことができる。
放出ノズルを備えた容器は、より詳細には図示していない上述のパトローネの一部である。
【0049】
パトローネは上述のように装置中に挿入されている。
あるいはこの装置は、手動のカートリッジ絞り出し装置(これは、ピストル様式装置とも称される)としても構築可能であり、これは例えば加国特許出願公開第2 930 097 A1号明細書および米国特許出願公開第2012/0228334 A1号明細書献中にも記載されている通りである。
上述の装置ないしカートリッジ絞り出し装置のレバー10は、この際、てこの支点46において回転可能に軸支された中間レバー44を介して動かされ、この中間レバーも圧縮シリンダ14のピストンロッド16により上述の方法で駆動される。
【0050】
台32中には間隙48があって、余分なソースの残りが操作中に意図せず滴下する際には、この間隙中で受け止められうる。
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9
図10