(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】並んで配置された2隻の船舶の間における低温製品の移送のためのシステム
(51)【国際特許分類】
B63B 27/24 20060101AFI20230510BHJP
B67D 7/04 20100101ALI20230510BHJP
B67D 9/02 20100101ALI20230510BHJP
【FI】
B63B27/24 B
B67D7/04 Z
B67D9/02
(21)【出願番号】P 2020534286
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(86)【国際出願番号】 EP2018086542
(87)【国際公開番号】W WO2019122316
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-10-28
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505394208
【氏名又は名称】エフエムセ テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル ポワショー
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ パケ
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-511284(JP,A)
【文献】国際公開第2014/122122(WO,A1)
【文献】特表2002-509847(JP,A)
【文献】米国特許第03050092(US,A)
【文献】米国特許第02648201(US,A)
【文献】特開昭53-069920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 27/24
B67D 7/04
B67D 9/02
F16L 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温製品の貯蔵及び輸送のための浮体式の第1の構造物(800)から、低温製品を収納するための固定式の第2の構造物又は浮体式の第2の構造物(900)への、低温製品の輸送に適した移送パイプを用いた、低温製品の移送のためのシステムであって、
前記移送パイプは、
少なくとも3つの部分(12~17)を備え、前記移送パイプの各部分は剛性を有し、かつ、前記3つの部分は、低温製品の輸送に適した連結手段(21~27)によって
、それぞれ次の部分と流体的に連結され、前記移送パイプ(12、17)の2つの端部は、前記浮体式の第1の構造物(800)及び
前記固定式の第2の構造物又は前記浮体式の第2の構造物(900)
の連結機構との連結のための先端として構成された自由端を各々有し、
前記連結手段の少なくとも1つは、少なくとも1つの湾曲したチューブによって前記移送パイプの2つの連続する部分の隣接する2つの端部とそれぞれ連結され、又は、前記移送パイプの2つの連続した部分の隣接する2つの端部における湾曲部と連結された低温スイベルジョイント(21~29)を備え、
前記システムは、前記第1の構造物(800)及び前記第2の構造物(900)に各々配置されるように構成された連結機構を備えており、各前記連結機構は、低温製品を収集する収集装置(810、910)であって、前記浮体式の第1の構造物(800)及び前記固定式の第2の構造物又は前記浮体式の第2の構造物(900)上に配置された収集装置、及び、前記移送パイプの先端と連結するように構成された延長パイプ(11、18)を備え、
前記システムは、各前記延長パイプの自由端のための支持台(850、950)を備え、
前記移送パイプの前記先端と前記延長パイプとを連結した後の前記延長パイプの所定の曲げを可能にするために、前記第1の構造物の前記延長パイプと前記延長パイプを支持し、かつ、前記第1の構造物上に配置される前記支持台との間に、又は、前記支持台とこれを支持する前記第1の構造物との間に間隙が設けられていることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記移送パイプは、
4つの部分と、前記4つの部分をそれぞれ次の部分と連結する5つの低温スイベルジョイントと、を含むショートチェーン(100)を備えており、
前記ショートチェーン(100)は、前記移送パイプの連結のための剛性管形状部品によって前記第1の構造物及び前記第2の構造物(800、900)の各前記連結機構(11、18)と連結されており、
3つの回転自由度を提供するために、前記ショートチェーンと連結するための
低温スイベルジョイントと共に配置された軸を有する2つの低温スイベルジョイントのセットが各々に挿入されることを特徴とする、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記移送パイプは、低温製品を移送するときに、ショートチェーンとして全長の一部に亘って前記第1の構造物の前記連結機構と前記第2の構造物の前記連結機構との間で
延在することを特徴とする、
請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記移送パイ
プ(12~17)の端部の少なくとも1つは、
巻上げ装置によって前記移送パイプを引っ掛けるためのフック手段(90)を備えることを特徴とする、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の構造物の前記連結機構(40)
は、前記移送パイプの端部に連結される雄型部分(41)及び前記延長パイプに連結される雌型部分(42)を有する連結システム(40)を備え、雌型部分(42)は、上方側に開放した切欠部を含み、前記延長パイプの前記端部と連結するために前記雄型部分(41)を受け入れるように構成されていることを特徴とする、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、前記移送パイプを折り曲げた状態で収納するための機構を備えており、前記
収納するための機構は、前記移送パイプの各自由端のために前記機構の基礎の上に直立する垂直支持部を備えており、前記移送パイプを、
前記収納するための機構内において台形状に折り畳まれた構成で配置できることを特徴とする、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載のシステム。
【請求項7】
システムを流体的に連結する方法であって、
該システムは、低温製品の貯蔵及び輸送のための浮体式の第1の構造物(800)から、低温製品を収納するための固定式の第2の構造物又は浮体式の第2の構造物(900)への、低温製品の輸送に適した移送パイプを用いた、低温製品の移送のためのシステムであって、
前記移送パイプは、少なくとも3つの部分(12~17)を備え、前記移送パイプの各部分は剛性を有し、かつ、前記3つの部分は、低温製品の輸送に適した連結手段(21~27)によって、それぞれ次の部分と流体的に連結され、前記移送パイプ(12、17)の2つの端部は、前記浮体式の第1の構造物(800)及び前記固定式の第2の構造物又は前記浮体式の第2の構造物(900)の連結機構との連結のための先端として構成された自由端を各々有し、
前記連結手段の少なくとも1つは、少なくとも1つの湾曲したチューブによって前記移送パイプの2つの連続する部分の隣接する2つの端部とそれぞれ連結され、又は、前記移送パイプの2つの連続した部分の隣接する2つの端部における湾曲部と連結された低温スイベルジョイント(21~29)を備え、
前記システムは、前記第1の構造物(800)及び前記第2の構造物(900)に各々配置されるように構成された連結機構を備えており、各前記連結機構は、低温製品を収集する収集装置(810、910)であって、前記浮体式の第1の構造物(800)及び前記固定式の第2の構造物又は前記浮体式の第2の構造物(900)上に配置された収集装置、及び、前記移送パイプの先端と連結するように構成された延長パイプ(11、18)を備え、
前記システムは、各前記延長パイプの自由端のための支持台(850、950)を備え、
前記移送パイプの前記先端と前記延長パイプとを連結した後の前記延長パイプの所定の曲げを可能にするために、前記第1の構造物の前記延長パイプと前記延長パイプを支持し、かつ、前記第1の構造物上に配置される支持台との間に、又は、前記支持台とこれを支持する前記第1の構造物との間に間隙が設けられていることを特徴とし、
該方法は、
前記移送パイプと前記第2の構造物の
前記延長パイプとの間の連結を形成するステップと、
クレーンのような巻上げ装置と連結するケーブルを使用して前記移送パイプを前記第1の構造物の前記延長パイプの上方側へ移動するステップと、
前記第1の構造物の上に配置された前記延長パイプの連結継手へ向けて前記移送パイプの前記自由端を下げるステップと、
雌型部分及び
雄型部分を用いて前記自由端を前記延長パイプへ吊り上げるステップと、
前記自由端を前記連結継手へ固定するステップと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移送の間に並んで配置された2つの構造物の間における低温製品の移送のためのシステムに関するものであり、第1の構造物は、メタンガスタンカー(以下では、LNGCと称する。)のような低温製品の貯蔵と輸送のための浮体構造物であり、第2の構造物は、低温製品の収容及び貯蔵のためのターミナルに改造されたメタンガスタンカーのようなFSRUタイプ(FSRUは、浮体式貯蔵再ガス化ユニットを指す)の固定式構造物又は(自由又は係留)浮体式構造物である。低温製品は、液化天然ガス(以下では、LNGと称する。)、液化エタン、液化エチレンといった液化ガスとされてよく、限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
第1の知られている解決策は、少なくとも1つのフレキシブルパイプを備えた移送システムである。しかしながら、このタイプの移送システムは、非常に限定された移動範囲を有する。特に、移送用アームは、フレキシブルパイプを備える。しかしながら、フレキシブルパイプは、損傷を起こさないために所定の限界を超えて湾曲してはならない。さらに、流れの速度は、フレキブルパイプ、特に圧力損失を最小にしなければならない蒸気の回収ラインからの高い圧力損失によって制限されている。
【0003】
第2の解決策は、特許文献1に記載されている。しかしながら、特許文献1に記載された移送用アームは、限定された移動範囲を有する。さらに、引用する特許文献において採用されている剛性パイプの部分は、2隻の船の間の領域において支持される必要がある。
【0004】
この解決策は、特に、LNGCとFSRUとの間の低温製品の移送時間を通じてクレーンの使用を必要とするため、非常に制約される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、低温製品の貯蔵及び輸送のための第1の浮体式構造物から低温製品の収納のために並んで配置された第2の固定式構造物又は第2の浮体式構造物への低温製品の移送のためのシステムを提供すると共に上記の欠点を有さず、かつ、さらに別の利点へ繋がることを志向する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、第1の態様によると、本発明は、低温製品の貯蔵及び移送のための第1の浮体式構造物から低温製品の収納のための第2の固定式構造物又は浮体式構造物へ低温製品を移送するための移送可能な移送パイプを用いたシステムに関する。移送システムは、低温製品を移送することのできる連結手段によって各剛性部分が次の剛性部分と流体的に連結されたパイプの少なくとも3つの剛性部分を備える移送パイプを備え、パイプの2つの端部は、第1の浮体式構造物及び第2の浮体式構造物の各々の連結機構と連結するための先端として形成された自由端を各々有する。
【0008】
このような解決策は、多くの利点及び特に早い実施を有すると共に流体の移送のために専用される巻上げ装置の永続使用を排除する。
【0009】
別の可能な特徴によると、以下は、単独で又は互いの組み合わせで採用される。
-少なくとも1つの湾曲したチューブによるパイプの2つの連続する部分の各端部又はパイプの2つの連続する部分の湾曲した各端部と連結する低温スイベルジョイントを備えた少なくとも1つの連結手段と、
-ショートチェーンを備えた移送パイプであって、ショートチェーンは、垂直面に配置された軸を有すると共に剛性パイプの4つの部分を各々に次の剛性パイプの部分と連結する5つの低温スイベルジョイントを備えており、ショートチェーンは、移送パイプの連結のための剛性管状部品によって構造物の各連結機構に連結されると共に、そのそれぞれには、3つの回転自由度を提供するために、ショートチェーンに連結するためのスイベルジョイントを伴って配置された軸を有する一組の2つの低温スイベルジョイントが差し込まれた移送パイプと、
-低温製品の移送の際に、全長の一部にわたるショートチェーンとして第1の浮体式構造物及び第2の浮体式構造物の連結機構の間で自由に延在する移送パイプと、
-第1の構造物と第2の浮体式構造物との各々に配置されるように構成された連結機構を備えたシステムであって、各連結機構は、関連する構造物の収集装置及び移送パイプの先端と連結するように構成された延長パイプを備えたシステムと、
-パイプの端部の少なくとも1つは、巻上げ手段に吊り上げるための吊り上げ手段を備える移送パイプと、
-第1の構造物の連結機構は、上方側へ向けて開放された切り欠きを有する中央化部分を備え、開放された切り欠きは、移送パイプの先端の補完部分を切り欠きの底部に位置付けられた先端の連結部分へ向けて導くように構成されている第1の構造物の連結機構と、
-各延長パイプの自由端のための支持台を備えるシステムと、
-第1の構造物の延長パイプとその支持台との間又は支持台とこれを支持する構造物との間に設けられた隙間であって、移送パイプの先端と延長パイプとの連結後の延長パイプの所定の湾曲を可能にする隙間と、
-移送パイプの折り畳み状態での収納のための機構を備えたシステムであって、移送パイプの各端部のための機構のベースに直立した垂直サポートを備えて、移送パイプを収納機構において台形状に折り畳まれる構成で配置することができるシステム。
【0010】
第2の態様によると、本発明は、以下のステップを備えたシステムと流体的に連結する方法に関する。
-第2の構造物の移送パイプと延長パイプとの連結を形成するステップと、
-クレーンのような巻上げ装置と連結するケーブルを使用して第1の構造物の延長パイプの上方側に移送パイプを移動するステップと、
-移送パイプの自由端を第1の構造物に配置された延長パイプの連結継手へ向けて下げるステップと、
-中央化部分及び補完部分を用いて自由端を延長パイプに吊るすステップと、
-自由端を連結継手と固定するステップ。
【0011】
本発明のさらなる他の特徴及び利点は、添付された図面を参照して作成された以下の限定されない実施例の記載において明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による機構の概略側面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による機構の詳細な側面図であり、特に、延長パイプの自由端の支持台を示す。
【
図3A】
図3Aは、実施形態による第1の浮体式構造物上のシステムの支持台の詳細な側面図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の実施形態によるLNGCに関する支持台と延長パイプとの間の連結の詳細図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の実施形態による固定された移送システムの詳細な側面図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の実施形態によるガイドシステム及び保持システムの中央化部分の詳細な詳細な側面図である。
【
図4C】
図4Cは、本発明の実施形態によるガイドシステム及び保持システムの補完部分の詳細な側面図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の実施形態による連結中の機構の側面図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明の実施形態による連結前の機構の側面図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明の実施形態による連結された機構の側面図である。
【
図6A】
図6Aは、機構及び機構を浄化するために必要なメインバルブの非常に図式的な側面図である。
【
図6B】
図6Bは、機構を浄化するためのパイプの部分の内部の窒素の通路に連結された機構の非常に図式的な側面図である。
【
図6C】
図6Cは、機構の切断時における連結された機構の非常に図式的な側面図である。
【
図7A】
図7Aは、コンテナプラットフォームに荷揚げする段階における実施形態による機構の非常に図式的な側面図である。
【
図7B】
図7Bは、コンテナプラットフォームに荷揚げする段階における実施形態による機構の非常に図式的な側面図である。
【
図7C】
図7Cは、プラットフォームに荷揚げする最終段階における実施形態による機構の非常に図式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、低温製品の貯蔵のための第1の浮体式構造物800(ここでは、LNGC)(以下、第1の構造物800と称する。)から低温製品の収納のための第2の浮体式構造物900(ここでは、FSRU)(以下、第2の構造物900と称する。)への低温製品の移送のためのショートチェーン移送システムの概略側面図を示し、ショートチェーン移送システムは、第1の構造物800と連結する延長パイプ18と第2の構造物900と連結する延長パイプ11との間で低温製品を移送するために構成されたパイプの剛性部分(以下、部分と称する。)から形成された移送パイプを備えており、パイプの部分は、低温製品を移送することができる連結手段21~27によって各々に次のパイプの部分と流体的に連結されている。
【0014】
延長パイプ11は、その端部の一方において、収集装置910によって第2の構造物に連結されており、もう一方の端部において、ボルト止めされた継手46によって移送パイプの部分に連結されている。
【0015】
湾曲部分12は、低温スイベルジョイント21(以下、低温ジョイント21と称する。)によって延長パイプ11の継手(
図1の一対の継手46を参照)への連結継手を支える移送パイプの先端12’と連結されている。
【0016】
低温ジョイント21は、用紙において水平な主軸を有する。このように、この構造物は、垂直平面における移送システムの回転を可能にする。
【0017】
湾曲部分12は、後述されるERS30によって移送システムの残りの部分と連結されている。
【0018】
ERSは、特に、半円形の一般的な形状のパイプの部分と連結する下方側部分32を備える。
【0019】
パイプの半円形の部分は、半円形を形成するために隣接した2つの湾曲部分を備える。パイプの半円形の部分の上方側部分は、低温スイベルジョイント22によってERSの下方側部分32に連結されると共に、別の端部において、低温スイベルジョイント23によってパイプ13の湾曲部分に連結される。
【0020】
低温スイベルジョイント22は、用紙の平面において垂直な主軸を有しており、ERS30の主軸の回りに回転可能とされている。
【0021】
低温スイベルジョイント23は、用紙に対して垂直な平面において水平な主軸を有しており、用紙の平面において移動可能とされている。
【0022】
このように、3つの低温スイベルジョイント21~23の特定の配置は、2つの構造物の間での移送のためのシステムの3次元の移動を得ることを可能にする。
【0023】
次に、代表されるパイプ13~16の4つの湾曲部分は、低温スイベルジョイント24~26によって互いに連結されている。
【0024】
言い換えると、パイプ13の湾曲部分は、水平主軸も用紙の平面に対して垂直な低温スイベルジョイント24によってパイプ14の湾曲部分と連結されている。
【0025】
パイプ14の湾曲部分は、水平主軸も用紙の平面に対して垂直な低温スイベルジョイント25によってパイプ15の湾曲部分と連結されている。
【0026】
パイプ15の湾曲部分は、水平主軸も用紙の平面に対して垂直な低温スイベルジョイント26によってパイプ16の湾曲部分と連結されている。
【0027】
パイプ16の湾曲部分は、互いに相対的に不動な3つの隣接する湾曲部分によって延長パイプ18と連結されている。
【0028】
言い換えると、パイプ16の湾曲部分は、上方側部分に対して90度湾曲した部分によって終結した半円形を形成するように隣接した3つの湾曲部分を備えた部分を経由してパイプ17の湾曲部分と連結されている。半円形部分の下方側は、低温スイベルジョイント27によってパイプ17の湾曲部分と連結されている。
【0029】
低温スイベルジョイント27は、用紙に対して垂直な平面における水平主軸を有しており、用紙の平面において移動可能とされている。部分の上方側部分は、パイプ17の湾曲部分に対して不動とされている。
【0030】
パイプ17の湾曲部分の上方側部分は、低温スイベルジョイント28、湾曲部分、第2の低温スイベルジョイント29及び延長パイプ18の継手と共に一対の継手45を形成する継手先端を経由して延長パイプ18と連結されている。
【0031】
低温スイベルジョイント28は、用紙の平面において垂直主軸を有しており、パイプ17の湾曲部分の主軸回りの回転を可能にする。
【0032】
低温スイベルジョイント29は、用紙の平面において水平主軸を有している。このため、この構造物は、垂直平面において移送アームの回転を可能にする。
【0033】
さらに、移送パイプのショートチェーン部分100は、ここでは、各々に次のショートチェーン部分100と連結され、かつ、低温スイベルジョイント23~27によって構造物の残りの部分と連結されたパイプ13~16の部分によって構成されている。そのようなパイプの部分の数は、実際には、3つに低減されてもよく、又は、4つよりも多くてもよい。
【0034】
各金属製の湾曲部分が配置された位置において、高い荷重の影響下での金属製の湾曲部分の扁平化を回避できるようにする少なくとも1つの補強カラーが設けられている。
図1に示された実施形態では、補強カラーは、湾曲部分の外縁に溶接された金属製の環によって構成されている。
【0035】
これに関連して、パイプの部分は、実際には湾曲部分のみによって示され得ることが留意される。
【0036】
さらに、上記で言及した軸及び平面の配置は、実際には、構造物800、900が傾斜したり又は互いに縦方向にオフセットしたりすることなく並んで配置されているときの構造物800、900の軸及び平面に対応する。
【0037】
さらに、構造物の端へ向かう各延長パイプ及びその連結継手は、移送パイプの連結機構を形成することが留意される。
【0038】
連結は、ここでは、回転軸を伴う低温スイベルジョイントを意味する。変形例としては、パイプの柔軟な部分を使用することが想定される。
【0039】
さらに、各パイプ又はパイプの部分11~18は、ここでは、均一な構造とされており、好ましくは、6インチ(1インチ=2.54cm)から20インチの間のとされているる。しかしながら、変形例としては、構造や寸法は可変とされてもよい。
【0040】
第2の浮体式構造物900上の延長パイプ11は、支持950(以下、支持台950と称する。)によって支持されており、収集装置910によって低温製品の収納のための装置(
図1には示されていない。)と連結されている。
【0041】
延長パイプ18は、第1の浮体式構造物800において、移送システムが延長パイプを介して連結されたときに、浮体式構造物800の収集装置810が受ける曲げ応力の一部を引き受けることを可能にする支持台850によって支持されている。
【0042】
2つの延長パイプ11、18は、移送システムの低温リンクを設けることを可能にするボルト締結された継手45、46によって移送システムと連結されている。
【0043】
実際には、流体の移送が実行されたときには、少なくとも2つの移送システムが導入されている。移送システムは、実用的な低温流体、すなわち、液化ガスの移送を提供する。同じタイプの第2の移送システムは、低温流体の移送と平行した(実際には、低温の)冷たい蒸気の回収を提供する。
【0044】
図1にさらに見られるように、ショートチェーンの移送システムは、自立ショートチェーン100を備える。言い換えれば、低温流体の移送段階の間の巻上げ装置は必要とされない。
【0045】
既に示したように、ショートチェーン100は、低温流体の移送を可能にする垂直平面に置かれた少なくともパイプの3つの剛性湾曲部分、ここでは、4つの部分13、14、15、16を備えている。
【0046】
この場合には、湾曲とは、部分は、その端部で湾曲している又は湾曲した部分が直線部分の端部に溶接されていることを意味する。
【0047】
パイプ13~16の4つの湾曲部分は、3つの低温ジョイント24~26によって「互いに次と連結されている。
【0048】
同じく上記に言及したように、ショートチェーン100は、次にパイプ17の部分を介して延長パイプ11、18に連結されており、湾曲部分及び連結は、21~23及び27~29を指す。
【0049】
図2に示された実施形態では、通常ERSシステムと称する緊急解除システム30が湾曲部分12に配置されている。もちろん、代わりの実施形態では、緊急解除システム30は、第1の浮体式構造物の上の延長パイプ18に連結されたパイプ17の部分のようなパイプの他の部分に配置することができる。
【0050】
ERS30は、湾曲部分12と連結する上方側部分31と、連結手段22と連結する下方側部分32と、の2つの部分を備える。緊急停止の場合には、ERS30の2つの部分は、分離される。下方側部分32は、第2の浮体式構造物900のデッキ920上に配置されたウィンチ33と連結する図示されていないケーブルによって自由落下を防がれている。
【0051】
ウィンチは、ショートチェーン100のLNGC800の主構造体に沿った垂直平衡の位置への落下を制御することを可能にする。ショートチェーンの上(連結手段の位置において)に配置されたバンパ47~50、ここでは、ネオプレン(neoprene、登録商標)、は、主構造体の保護を可能にする。
【0052】
ケーブルは、ウィンチドラムに固定されず、かつ、繰り出しの端部においてドラムから当然に解放される。
【0053】
延長パイプ11は、ここでは、2つの垂直剛性アーム951を備えた支持台950を介して係留式又は浮遊式の構造物900と連結されており、垂直剛性アーム951は、第2の浮体式構造物900のデッキの一端部及び延長パイプ11を支持するためのクロスバー952の第2の端部に連結されている。
【0054】
図3A及び
図3Bに示された実施形態では、連結パイプのための支持台850(以下、支持850と称する。)が示されている。
【0055】
ここで示されている支持850は、実質的に垂直な2つの梁514を上に載せる長方形状の基礎523を備える。これらの梁は、その上に配置された水平梁515を支えており、ここでは、その上にはシム512が配置されている。延長パイプ18のベアリングは、ローラー516を介して作られている。
【0056】
支持台850は、移送システムが連結されたときに、収集装置810上の応力を低減することを可能にする。
【0057】
ショートチェーン100を連結する前には遊びが存在する。ショートチェーン100が連結されたとき、延長パイプ18は、湾曲すると共にシム512にのしかかるようになる。
【0058】
これは、湾曲するときにおいてその許容量の最大まで収集装置810に作用することによって、LNGCのプラットフォームに伝達される垂直荷重を低減するための手段である。これは、任意の配置である。
【0059】
支持850は、さらに延長パイプ18の熱収縮を許容するように設けられている。
【0060】
必要とされるのであれば、支持台は、ショートチェーンの水平方向荷重を引き受けるための水平方向止め具511を備えることができる。通常の方法では、これらの荷重は、小さく、かつ、収集装置810に過度の曲げモーメントを発生させない。
【0061】
1つの代わりの実施形態では、支持台850は、延長パイプ18の一部を形成し、シムが装着されることを可能にする空間が、第1の浮体式構造物820のデッキ820と支持台850の基礎513との間に配置されている。
【0062】
図4Aから
図4Cに示された実施形態では、連結システム40が示されている。
【0063】
連結システム40は、連結する段階における延長パイプ18とパイプ17の部分との間の連結を促進することを可能にする。このように、メンテナンス時間は、特に最適化される。
【0064】
さらに具体的には、連結システム40は、部分17と連結する雄型部分41及び延長パイプ18と連携する雌型部分42の互いに連携する2つの部分を有する。雌型部分42は、上方へ向けて開放した、ここでは、フック形状の切り欠き421を備え、かつ、補完部分を形成すると共にその様な目的のためのリング形状部分411を備えた雄型部分41(ここでは、2つの平行なラグが部分17に固定され、その間には、ロッドがラグに垂直に延在する)を受け入れるように形成されている。
【0065】
2つの部分41、42が連結したときは、連結部分の固定は、ナットの孔412への締結によって維持されている。
【0066】
この連結システムは、移送システムの端部を導く利点を有するだけでなく巻上げ装置がもはや使用されないときでも連結が確立されることを可能とし、端部の連結を維持する利点を有する。
【0067】
図5A及び
図5Bに示された実施形態では、連結方法が異なるステップで表されている。
【0068】
図5Aでは、移送システムは、パイプ17の部分によって既に浮体式構造物900に連結されると共に別の端部においてクレーンのような巻上げ装置を用いてリング90又は巻上げ装置のフックのための等価な持ち上げ手段によってパイプ17の高さよりも上方側の高所に保持されている。変形例として、移送パイプの反対側にもう一つあってもよい。
【0069】
図5Bを参照すると、雄型部分41と雌型部分42とは、対応するように配置されているとき、移送アームは、延長パイプ18の自由端よりも高い位置になる。このように、連結システムの雄型部分41及び雌型部分42は、移送パイプと延長パイプ18とがボルト締結のために対面する前に協働してもよい。
【0070】
図6A及び
図6Bに示された実施形態では、排出方法が異なるステップで表されている。
【0071】
図6Aでは、浮体式構造物800の上で収集装置と連結するパイプ18は、低温流体が停止され又は第2の浮体式構造物へ輸送されることを許容する双方向バルブ91を備える。第2の浮体式構造物900の収集装置と連結する延長パイプ11も、低温流体が停止され又は貯蔵装置(示されていない)へ輸送することを許容する双方向バルブ91を備える。延長パイプ11は、窒素を強制的に第2の浮体式構造物900の延長パイプ11の一部及び移送システムへ注入する加圧窒素ネットワークと連結する窒素供給パイプ19と連結されている。また、窒素供給パイプ19は、窒素が停止され又は流体移送システムへ伝達することを許容する双方向バルブ92を備える。
【0072】
図6Aを参照すると、低温流体が移送されるとき、低温流体移送バルブ91、92は、開放すると共に窒素供給バルブ93は、閉じられる。このように、低温流体は、2つの浮体式構造物800、900の間を流れることができる。
【0073】
図6Bを参照すると、低温流体の移送が終了したとき、第2の浮体式構造物のバルブ92は閉じられると共に、第1の浮体式構造物のバルブ91は開けたままにされる。窒素供給バルブ93は、開放しており、窒素が移送システムへ入ることを許容している。このように、低温流体の総量は、移送システムを形成するパイプの部分において減少する。
【0074】
図6Cを参照すると、低温流体が全体的に空になる又は蒸発すると共にパイプが不活性状態にされるときに、窒素供給バルブ91、93及び第1の浮体式構造物は、閉鎖される。バルブ92及び第2の浮体式構造物は、閉鎖したままとされている。次に、移送システムは、巻上げ装置(図示されていない)と連結されている。それから、移送システムは、第1の浮体式構造物の延長パイプ18の位置において切断される。それから、排出は、終了する。
【0075】
変形例として、移送パイプ、貯蔵庫において蒸発するであろう残留する低温液体を伴ったパイプの分離及びパイプ18の切断を可能にする1つ(又は2つ)の手動バルブは、LNGCにおいて同様に含めることができる。
【0076】
図7Aから
図7Cに示される実施形態では、移送アームを収納する方法が、異なるステップで表されている。
図7Aを参照すると、移送システムは、巻上げ装置を用いて標準コンテナプラットフォームの上に移動される。巻上げ装置と移動装置との間の連結手段は、移送システムが連結手段21、29を使用して持ち上げられることを可能にする剛性梁82を備える。
【0077】
移送システムが、コンテナプラットフォームの上に置かれたときに、連結手段25は、最初にコンテナプラットフォーム200に接触する。次に、連結手段24、26は、オペレータによってケーブル83、84と連結される。ケーブル83、84は、連結手段を引き上げることによってパイプ15、16の剛性部分の間及びパイプ13、14の剛性部分の間に鋭角を形成することができる。
【0078】
同じ段階又は、鋭角を形成するためにパイプの部分が配置された後に、巻上げシステムは、コンテナプラットフォームに置くためにパイプ14、15の部分のための移送システムを下げる。鋭角を維持するケーブル83、84は、分離される。
【0079】
前述の連結手段24、26を引き寄せるために使用されるようなケーブル85、86は、次の連結手段23、27を引き寄せるために使用される。これらのケーブル85、86は、連結手段23、27を引き寄せることによってパイプ16、17の剛性部分の間及びパイプ12、13の剛性部分の間に鋭角を形成することもできる。
【0080】
上記に記載ものと同じ方法において、巻上げシステムは、パイプ13、16の部分のための移送システムをコンテナプラットフォームの上にために下げる。その後、ケーブル85、86は、分離される。
【0081】
連結手段21、29は、それから、垂直剛性支持101、102の上に横たわる。
【0082】
巻上げ用の棒82は、操作の最後に移送アームから分離される。
【0083】
さらに、パイプの部分を支持するための支柱103、106は、コンテナプラットフォームの上に設けられることが見受けられる。
【0084】
このように、移送アームは、標準サイズのコンテナの場所を占有する。移送アームは、浮体式構造物の主構造体に負荷をかけないと共に、クレーンのような巻上げ装置に積み込まれない。
【0085】
連結手段22の「垂直」軸の回りに移送パイプを90度回転することによって、移送パイプの一時的な収納を、FSRUの主構造体に沿ってすることができる。パイプの部分17は、それから、FSRUのプラットフォームの位置において台に固定される。
【0086】
多くの別の変形例は、状況によって実行可能であり、これに関連して、本発明は、代表されると共に記載された例に限定されないことに留意される。
【0087】
特に、移送及び冷えた蒸気の回収のための数個のパイプが実装されてもよい。
本開示のある態様(1)は、低温製品の貯蔵及び輸送のための浮体式の第1の構造物から、低温製品を収納するための固定式の第2の構造物又は浮体式の第2の構造物への、低温製品の輸送に適した移送パイプを用いた、低温製品の移送のためのシステムであって、前記移送パイプは、低温製品の輸送に適した連結手段によって各剛性部分が次の剛性部分と流体的に連結されたパイプの少なくとも3つの剛性部分を備えており、パイプの2つの端部は、前記浮体式の第1の構造物及び前記浮体式の第2の構造物の各連結機構との連結のための先端として構成された自由端を各々有することを特徴とする、システムであり得る。
態様(1)において、前記連結手段の少なくとも1つは、少なくとも1つの湾曲したチューブによってパイプの2つの連続する部分の各端部と連結され、又は、前記パイプの2つの連続した部分の湾曲した各端部と連結された低温スイベルジョイント(21~29)を備えることを特徴としてもよい。
態様(1)において、前記移送パイプは、垂直面に配置された軸を有すると共に剛性パイプの4つの部分を各々に次の剛性パイプの部分と連結する5つの低温スイベルジョイントを備えるショートチェーンを備えており、前記ショートチェーンは、前記移送パイプの連結のための剛性管形状部品によって前記第1の構造物及び前記第2の構造物の各連結機構と連結されており、3度の回転自由度を提供するために、前記ショートチェーンと連結するためのスイベルジョイントと共に配置された軸を有する2つの低温スイベルジョイントのセットが各々に挿入されることを特徴としてもよい。
態様(1)において、前記移送パイプは、低温製品を移送するときに、ショートチェーンとして全長の一部に亘って前記第1の構造物の前記連結機構と前記第2の構造物の前記連結機構との間で自由に延在することを特徴としてもよい。
態様(1)において、前記システムは、前記第1の構造物及び前記第2の構造物に各々配置されるように構成された連結機構を備えており、各連結機構は、関連する前記構造物の収集装置及び前記移送パイプの先端と連結するように構成された延長パイプを備えることを特徴としてもよい。
態様(1)において、前記移送パイプの前記パイプの端部の少なくとも1つは、巻上げ手段を吊り上げるための吊り上げ手段を備えることを特徴としてもよい。
態様(1)において、前記第1の構造物の前記連結機構は、上方側へ向けて開放する切り欠きを有する中央化部分を備えており、前記切り欠きは、前記移送パイプの先端の補完部分を、前記切り欠きの底部に位置決めされた前記先端の連結位置へ向けて導くように構成されていることを特徴としてもよい。
態様(1)において、前記システムは、各延長パイプの自由端のための支持台を備えることを特徴としてもよい。
態様(1)において、前記移送パイプの前記先端と前記延長パイプとを連結した後の前記延長パイプの所定の曲げを可能にするために、前記第1の構造物の延長パイプと支持台との間又は前記支持台と前記支持台を支持する前記構造物との間に隙間が設けられていることを特徴としてもよい。
態様(1)において、前記システムは、前記移送パイプを折り曲げた状態で収納するための機構を備えており、前記機構は、前記移送パイプの各自由端のために前記機構の基礎の上に直立する垂直支持部を備えており、前記移送パイプを、2つの平行な側部形状を有する四辺形状に折り畳まれた構成で収納するための前記機構に配置できることを特徴としてもよい。
態様(11)において、態様(7)に記載のシステムを流体的に連結する方法であって、前記移送パイプと前記第2の構造物の延長パイプとの間の連結を形成するステップと、クレーンのような巻上げ装置と連結するケーブルを使用して前記移送パイプを前記第1の構造物の前記延長パイプの上方側へ移動するステップと、前記第1の構造物の上に配置された前記延長パイプの連結継手へ向けて前記移送パイプの前記自由端を下げるステップと、前記中央化部分及び前記補完部分を用いて前記自由端を前記延長パイプへ吊り上げるステップと、前記自由端を前記連結継手へ固定するステップと、を備える方法であり得る。