(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】軌道のレールを研削するためのレール研削機
(51)【国際特許分類】
B24B 27/00 20060101AFI20230510BHJP
E01B 31/17 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
B24B27/00 E
E01B31/17
(21)【出願番号】P 2020566679
(86)(22)【出願日】2018-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2018066001
(87)【国際公開番号】W WO2019238247
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】507069564
【氏名又は名称】ローベル バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBEL Bahnbaumaschinen GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 31, D-83395 Freilassing, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クレメンス キューネル
(72)【発明者】
【氏名】オットー ヴィトルロイター
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106192630(CN,A)
【文献】独国実用新案第202017000696(DE,U1)
【文献】米国特許第01772636(US,A)
【文献】特表平02-500259(JP,A)
【文献】特表2017-522468(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108166341(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B3/00-3/60
B24B7/10-7/14;7/18-7/30
B24B21/00-39/06
E01B27/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械フレーム(3)と、
前記機械フレーム(3)に回転可能に支承されている、長手方向(x)でレール研削機(1)を手動で移動させるための複数のガイドローラ(4)と、
前記機械フレーム(3)に横方向(y)で移動可能に支承されており、かつ閉じた横方向キャリッジフレーム(13)を有している横方向キャリッジ(11)と、
前記横方向キャリッジ(11)により前記横方向(y)で移動可能である研削ユニット(32)と
を備えた軌道のレールを研削するためのレール研削機であって、
前記横方向キャリッジ(11)にガイドフレーム(23)が配置されており、前記ガイドフレーム(23)は、前記横方向キャリッジ(11)に、前記長手方向(x)に対して平行に延びる旋回軸線(24)を中心として旋回可能に支承されており、
前記ガイドフレーム(23)は、2つの旋回支承部(28,29)により、閉じた横方向キャリッジフレーム(13)に支承されており、
前記旋回軸線(24)を中心とした旋回のために、前記研削ユニット(32)は、前記ガイドフレーム(23)に配置されていることを特徴とする、軌道のレールを研削するためのレール研削機。
【請求項2】
前記横方向キャリッジフレーム(13)は、前記横方向(y)に延びる横方向支持体(16,17)を有しており、該横方向支持体(16,17)が、前記長手方向(x)に延びる長手方向支持体(14,15)に結合されている、請求項1記載のレール研削機。
【請求項3】
前記横方向キャリッジ(11)は、前記横方向(y)で移動するために、複数の横方向キャリッジガイドローラ(20,21)を有しており、該横方向キャリッジガイドローラ(20,21)は、鉛直方向(z)で見て互いに対して離間して配置されている、請求項1または2記載のレール研削機。
【請求項4】
前記ガイドフレーム(23)は、2つのガイド支柱(25,26)と、該ガイド支柱(25,26)を結合する結合支持体(27)とを有している、請求項1から3までのいずれか1項記載のレール研削機。
【請求項5】
前記ガイドフレーム(23)には、前記研削ユニット(32)が鉛直方向(z)で移動可能に支承されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のレール研削機。
【請求項6】
前記研削ユニット(32)は、研削ユニット支持体(33)に取り付けられており、該研削ユニット支持体(33)は、鉛直方向(z)で移動可能に前記ガイドフレーム(23)に支承されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のレール研削機。
【請求項7】
前記研削ユニット支持体(33)は、閉じた支持体フレーム(34)を有している、請求項6記載のレール研削機。
【請求項8】
前記研削ユニット支持体(33)は、前記ガイドフレーム(23)の前記ガイド支柱(25,26)に移動可能に支承されている、請求項4を引用する請求項6または7記載のレール研削機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の形式の、軌道のレールを研削するためのレール研削機に関する。
【背景技術】
【0002】
独国実用新案第202017000696号明細書からは、研削ユニットがフレキシブルに調節可能であるレール研削機が知られている。研削ユニットがフレキシブルに調節可能であるために、研削機は横方向キャリッジを有している。この横方向キャリッジは、機械フレームに移動可能に支承されている。横方向キャリッジには、中間フレームが取り付けられている。この中間フレームに、高さ調節可能かつ鉛直方向軸線を中心として旋回可能にモータフレームが支承されている。このモータフレームには、同様に研削ユニットが旋回可能に支承されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の根底にある課題は、研削ユニットのフレキシブルな調節可能性を可能にする、簡単かつ安定的に構成されたレール研削機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1に記載の特徴を備えるレール研削機によって解決される。横方向キャリッジが、閉じた横方向キャリッジフレームを有していることによって、横方向キャリッジは特に安定的であるので、横方向キャリッジにおいて簡単な形式で研削ユニットがフレキシブルに調節可能であり、かつ安定的に配置されることができる。横方向キャリッジフレームは、特に閉じた環状ボディを形成する。この環状ボディは、先行技術から公知のU字形ボディに比べて安定的である。横方向キャリッジフレームは、長手方向にかつ横方向に延びている。閉じた横方向キャリッジフレームにより、横方向キャリッジは、フレキシブルに調節可能な研削ユニットを配置するために簡単に使用可能である。
【0005】
横方向キャリッジフレームは、レール研削機の移動方向に一致し、以下でx方向とも呼ばれる長手方向に延びている。さらに、閉じた横方向キャリッジフレームは、横方向に延びている。この横方向は、長手方向に対して垂直方向に延び、以下ではy方向とも呼ばれる。長手方向および横方向に対して垂直に延びる鉛直方向は、以下ではz方向とも呼ばれる。x方向、y方向およびz方向は、デカルト座標系を形成する。
【0006】
請求項2に記載のレール研削機は、簡単かつ安定的な構造を保証する。横方向支持体および長手方向支持体により、簡単な形式で閉じた横方向キャリッジフレームが形成される。横方向支持体は横方向に延びており、長手方向で互いに対して離間している。横方向支持体は、特に互いに対して平行に延びている。長手方向支持体は、横方向支持体を互いに結合している。長手方向支持体は長手方向に延びており、横方向で互いに対して離間している。長手方向支持体は、特に互いに対して平行に延びている。好適には、横方向支持体と長手方向支持体とは、端部側で互いに結合されているので、閉じた横方向キャリッジフレームは、平面図において方形形状を有している。
【0007】
請求項3によるレール研削機は、簡単かつ安定的な構造ならびに研削ユニットのフレキシブルな調節可能性を保証する。横方向キャリッジは、第1の横方向キャリッジガイドローラを有している。この第1の横方向キャリッジガイドローラは、鉛直方向で見て、第2の横方向キャリッジガイドローラの上方に配置されている。第1の横方向キャリッジガイドローラが、機械フレームの上面に接触しているのに対して、第2の横方向キャリッジガイドローラは、機械フレームの下面に接触している。したがって、機械フレームは、鉛直方向で見て、第1の横方向キャリッジガイドローラと第2の横方向キャリッジガイドローラとの間に延びている。横方向キャリッジフレームの各横方向支持体には、たとえば少なくとも2つの第1の横方向キャリッジガイドローラと、少なくとも1つの第2の横方向キャリッジローラとが配置されているので、横方向キャリッジは正確かつ安定的または遊びなしに機械フレームにおいて案内されている。横方向キャリッジガイドローラは、特に自己センタリング式に形成されているので、横方向キャリッジガイドローラは、機械フレームにおいてその横断面形状に基づいて自動的にセンタリングまたは位置調整される。横方向での横方向キャリッジの移動のためには、レール研削機は、好適には、たとえば手動で操作可能である横方向キャリッジスピンドル駆動装置を有している。
【0008】
請求項4に記載のレール研削機は、簡単かつ安定的な構造ならびに研削ユニットのフレキシブルな調節可能性を保証する。ガイドフレームは、簡単な形式で、研削ユニットが鉛直方向で線形に調節可能かつ/または旋回軸線を中心として旋回可能である研削ユニットの配置を可能にする。好適には、ガイドフレームは旋回可能に横方向キャリッジに支承されている。ガイドフレームは、特に閉じた横方向キャリッジフレームに配置されているので、ガイドフレームは横方向キャリッジフレームを付加的に補強する。
【0009】
請求項5に記載のレール研削機は、研削ユニットのフレキシブルな調節可能性を保証する。長手方向に対して平行に延びる旋回軸線により、レールを側方で研削しながら加工することが可能である。好適には、ガイドフレームは、少なくとも60°だけ、特に少なくとも90°だけ、特に少なくとも120°だけ旋回軸線を中心として旋回可能である。好適には、ガイドフレームは、2つの旋回支承部により閉じた横方向キャリッジフレームに支承されている。このためには、ガイドフレームは、たとえば2つのガイド支柱を有している。これらのガイド支柱は旋回可能に閉じた横方向キャリッジフレームに支承されている。ガイドフレームは、特にガイドフレーム駆動装置により旋回軸線を中心として旋回可能である。ガイドフレーム駆動装置は、たとえば手動で操作可能である。ガイドフレーム駆動装置は、たとえばスピンドル駆動装置またはラックアンドピニオン駆動装置を含んでいる。
【0010】
請求項6に記載のレール研削機は、簡単かつ安定的な構造ならびに研削ユニットのフレキシブルな調節可能性を保証する。ガイド支柱と、これらのガイド支柱を結合する結合支持体とは、好適にはU字形を形成する。ガイド支柱は、特に端部側で、閉じた横方向キャリッジフレームに配置されている。好適には、ガイド支柱は旋回可能に横方向キャリッジに枢着されている。ガイド支柱は、互いに対して平行に延びており、研削ユニットの線形に調節可能な配置を可能にする。結合支持体は、ガイド支柱を結合しかつ安定化させる。結合支持体には、特に研削ユニットスピンドル駆動装置が鉛直方向での研削ユニットの線形の移動のために取り付けられている。研削ユニットスピンドル駆動装置は、たとえば手動で操作可能である。結合支持体は、ガイドフレームの、横方向キャリッジとは反対側の端部においてガイド支柱を結合するので、ガイドフレームに配置された研削ユニットはレールへの自由なアクセスを有している。
【0011】
請求項7に記載のレール研削機は、研削ユニットのフレキシブルな調節可能性を保証する。研削ユニットは、好適には2つの側においてガイドフレームに支承されており、特に研削ユニット支持体により支承されている。好適には、ガイドフレームは横方向キャリッジフレームに旋回可能に支承されているので、研削ユニットは鉛直方向で線形に移動可能であり、かつ旋回軸線を中心として旋回可能である。
【0012】
請求項8に記載のレール研削機は、簡単かつ安定的な構造を保証する。研削ユニット支持体は、移動可能にガイドフレームに配置されており、ガイドフレームを簡単な形式で安定化させる。好適には、研削ユニット支持体は、2つの支持体支柱を有している。これらの支持体支柱は両側でガイドフレームにおいて、特に所属するガイド支柱においてガイドされている。研削ユニット支持体は、好適には位置固定装置を有しているので、研削ユニットは所望の研削位置でガイドフレームに対して位置固定可能である。
【0013】
請求項9に記載のレール研削機は、簡単かつ安定的な構造を保証する。研削ユニット支持体が閉じた支持体フレームを有していることにより、研削ユニットの簡単かつ安定的な取付けと、付加的にガイドフレームの安定化が可能にされる。支持体フレームは、2つの支持体支柱を有している。これらの支持体支柱は、実質的に鉛直方向に延びており、ガイド支柱に移動可能に支承されている。好適には、支持体支柱は、管状に形成されているので、支持体支柱は簡単かつ確実な形式でガイド支柱において案内されている。ガイド支柱は、このためにそれぞれ支持体支柱のうちの1つの支持体支柱を通って延びている。支持体支柱は、長手方向支持体によって互いに結合されている。長手方向支持体は、実質的に長手方向に延びており、鉛直方向で互いに対して離間して配置されている。長手方向支持体は、支持体支柱を実質的に端部側で結合している。横方向キャリッジに面した第1の長手方向支持体には、研削ユニットが取り付けられている。研削ユニットは、研削ユニット支持体に対して固定的に配置されている、つまり移動不能である。横方向キャリッジとは反対側に向いた第2の長手方向支持体には、特に1つの研削ユニットスピンドル駆動装置が、研削ユニット支持体を鉛直方向で移動するために取り付けられている。閉じた支持体フレームは、研削ユニットの駆動モータが少なくとも部分的に配置されている内室を画定する。
【0014】
請求項10に記載のレール研削機は、簡単かつ安定的な構造ならびに研削ユニットのフレキシブルな調節可能性を保証する。研削ユニット支持体が移動可能にガイド支柱に支承されていることにより、ガイドフレームならびに研削ユニット支持体は安定化される。横方向キャリッジ、ガイドフレームおよび研削ユニット支持体により、研削ユニットは簡単かつフレキシブルな形式でそれぞれのレールを加工するために調節可能である。
【0015】
本発明の別の特徴、利点および詳細は、以下の実施例の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】
図1に示したレール研削機の第2の斜視図である。
【
図4】
図3に示したIV-IV線に沿ったレール研削機の断面図である。
【
図5】レール研削機の機械フレームおよびこの機械フレームにおいてガイドされた横方向キャリッジを上から見た平面図である。
【
図6】横方向キャリッジおよび研削ユニットの斜視図であり、研削ユニットは、ガイドフレームおよび研削ユニット支持体により線形に移動可能かつ旋回可能に横方向キャリッジに支承されている。
【
図7】研削ユニットなしに示す、
図6に対応する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
レール研削機1は、軌道のそれぞれ1つのレール2を研削または削正する働きをし、機械フレーム3を有している。機械フレーム3は、ガイドローラ4を介してレール2上で案内されている。機械フレーム3は、横方向ブラケット5を介して軌道の別のレール2上にガイドローラ4を介して支持されている。機械フレーム3には、ハンドグリップ6が配置されている。このハンドグリップ6により、研削機1は手動でレール2上を移動可能である。ガイドローラ4は、以下で長手方向またはx方向とも呼ばれる、研削機1の移動方向を規定する。
【0018】
機械フレーム3は、機械フレーム長手方向支持体7,8と、機械フレーム横方向支持体9,10とを有している。機械フレーム長手方向支持体7,8と機械フレーム横方向支持体9,10とは互いに結合されているので、機械フレーム3は閉じた形状を有している。機械フレーム長手方向支持体7,8はx方向に延びており、x方向に対して垂直方向に延びるy方向で互いに対して離間している。y方向は、以下では横方向とも呼ばれる。機械フレーム横方向支持体9,10はy方向に延びており、x方向で互いに対して離間している。機械フレーム横方向支持体9,10は、端部側で機械フレーム長手方向支持体7,8に取り付けられているので、機械フレーム3は方形形状を有している。横方向ブラケット5は、互いに内外に重なって伸縮可能に移動可能であるように機械フレーム横方向支持体9,10内に配置されているので、ガイドローラ4はy方向で互いに対して変更可能に離間している。
【0019】
機械フレーム3には、横方向キャリッジ11が支承されている。横方向キャリッジ11は、横方向キャリッジスピンドル駆動装置12を用いてy方向で機械フレーム3に対して移動可能である。横方向キャリッジ11は、閉じた横方向キャリッジフレーム13を有している。この横方向キャリッジフレーム13は、長手方向支持体14,15および横方向支持体16,17により形成されている。長手方向支持体14,15はx方向に延びており、y方向で互いから離間している。長手方向支持体14,15は、横方向支持体16,17によって端部側で互いに結合されているので、横方向キャリッジフレーム13は、上から見た平面図では方形形状を有している。横方向支持体16,17はy方向で延びており、x方向で互いに対して離間している。
【0020】
横方向支持体16,17はそれぞれ、長手方向支持体14,15を互いに結合する第1の区分18と、ほぼ中心でそれぞれの第1の区分18から鉛直方向で見て下方に向かって延びている第2の区分19とを有している。鉛直方向は、以下ではz方向とも呼ばれ、x方向およびy方向に対して垂直方向に延びている。したがって、x方向、y方向およびz方向は、デカルト座標系を形成する。
【0021】
それぞれの第1の区分18には、所属する第2の区分19の両側で、第1の横方向キャリッジガイドローラ20が回転可能にそれぞれの横方向支持体16,17に支承されている。さらに、それぞれの第2の区分19には、第2の横方向キャリッジガイドローラ21が回転可能にそれぞれの横方向支持体16,17に支承されている。第1の横方向キャリッジガイドローラ20は、z方向で第2の横方向キャリッジガイドローラ21に対して離間して支承されているので、第1の横方向キャリッジガイドローラ20が、機械フレーム3の上面に接触しているのに対して、第2の横方向キャリッジガイドローラ21は、機械フレーム3の下面に接触している。横方向キャリッジガイドローラ20,21は、自己センタリング式の横断面形状を有しているので、横方向キャリッジ11は自己センタリング式に機械フレーム3においてガイドされている。
【0022】
横方向キャリッジスピンドル駆動装置12は、横方向キャリッジ11および機械フレーム3に取り付けられており、手動でハンドホイール22を用いて操作可能であるので、横方向キャリッジ11は、y方向で移動可能である。
【0023】
横方向キャリッジ11には、ガイドフレーム23が旋回軸線24を中心として旋回可能に支承されている。ガイドフレーム23は、2つのガイド支柱25,26と、これらのガイド支柱25,26を結合する結合支持体27とを備えている。ガイド支柱25,26は、端部側で、横方向支持体16,17の第2の区分19のうちの1つの第2の区分19にそれぞれ配置されている。このために、ガイド支柱25,26は、それぞれ旋回支承部28,29によって横方向キャリッジフレーム13に結合されている。旋回支承部28,29は、第2の区分19を起点としてガイド支柱25,26内の所属する孔を通って延び、これにより旋回軸線24を形成する旋回ピンを含んでいる。旋回軸線24は、x方向に対して平行に延びている。閉じた横方向キャリッジフレーム13は、上から見た平面図で、ガイドフレーム23が支承されている内室を画定する。
【0024】
ガイド支柱25,26は、互いに対して平行に、かつ旋回軸線24とは反対側に位置する端部において結合支持体27によって結合されている。したがって、ガイドフレーム23は、U字形形状を有している。ガイドフレーム23の旋回のために、研削機1はガイドフレーム駆動装置30を有している。ガイドフレーム駆動装置30は、横方向キャリッジ11およびガイドフレーム23に取り付けられており、手動でハンドホイール31を用いて操作可能である。ガイドフレーム23は、横方向キャリッジ11に対して少なくとも60°、特に少なくとも90°、特に少なくとも120°だけ旋回軸線24を中心として旋回可能である。
【0025】
研削機1は、研削ユニット32を有している。研削ユニット32は、研削ユニット支持体33によりガイドフレーム23に支承されている。したがって、研削ユニット32は、横方向キャリッジ11によりy方向で移動可能であり、かつガイドフレーム23により旋回軸線24を中心として旋回可能である。研削ユニット支持体33は、z方向で移動可能にガイドフレーム23に配置されている。研削ユニット支持体33は、閉じた支持体フレーム34を備えている。支持体フレーム34は、支持体支柱35,36と、これらの支持体支柱を結合する長手方向支持体37,38とによって形成されている。支持体支柱35,36は、管状に形成されている。ガイド支柱25,26は、支持体支柱35,36のうちのそれぞれ1つの支持体支柱を通って延びているので、支持体支柱35,36は移動可能にガイド支柱25,26において案内されている。支持体支柱35,36は、端部側で長手方向支持体37,38により結合されているので、支持体フレーム34は閉じた形状を形成する。長手方向支持体37,38は、x方向に延びており、z方向で互いに対して離間している。横方向キャリッジ11に面した第1の長手方向支持体37には、研削ユニット32が固定的に、つまり移動不能に取り付けられている。支持体フレーム34の移動のために、研削機1は研削ユニットスピンドル駆動装置39を有している。研削ユニットスピンドル駆動装置39は、結合支持体27に、かつ横方向キャリッジ11とは反対に向けられている第2の長手方向支持体38に取り付けられている。研削ユニットスピンドル駆動装置39は、手動でハンドホイール40を用いて操作可能である。
【0026】
研削ユニット32は、駆動モータ41と、研削工具42とを有している。研削工具42は、駆動モータ41を用いて回転軸線43を中心として回転駆動可能である。研削工具42は、z方向で見て、長手方向支持体37の下方に配置されているのに対して、駆動モータ41は、長手方向支持体37の上方に配置されている。駆動モータ41は、少なくとも部分的に、支持体フレーム34により画定されている内室内に延びている。
【0027】
研削機1は、閉じた機械フレーム3、閉じた横方向キャリッジフレーム13および閉じた支持体フレーム34に基づいて、簡単かつ安定的な構造を有している。線形に移動可能な横方向キャリッジ11、旋回可能なガイドフレーム23および線形に移動可能な研削ユニット支持体33または支持体フレーム34により、研削ユニット32はフレキシブルな形式でレール2を研削するように調節可能である。