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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】冷蔵庫表示システム、冷蔵庫および端末
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20230510BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
F25D23/00 301G
F25D11/00 101B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021207046
(22)【出願日】2021-12-21
(62)【分割の表示】P 2020072265の分割
【原出願日】2014-07-18
(65)【公開番号】P2022060203
(43)【公開日】2022-04-14
【審査請求日】2021-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】小谷 誠
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-153348(JP,A)
【文献】特開2007-292421(JP,A)
【文献】特表2001-508207(JP,A)
【文献】特開平11-101543(JP,A)
【文献】特開2006-271460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
F25D 11/00
H04Q 9/00
H04M 11/00
C06Q 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫と、当該冷蔵庫と通信する通信機能を有する端末と、で構築される冷蔵庫表示システムであって、
前記冷蔵庫は、当該冷蔵庫の所定機能を設定可能であり、当該冷蔵庫において設定内容に変更が生じた場合には、その変更後の設定内容を示す設定内容情報を前記端末に送信し、
前記端末は、前記冷蔵庫から受信した設定内容情報を反映させて表示するものであって、前記冷蔵庫の機能のうち前記所定機能を除く機能を設定可能であり、且つ、前記冷蔵庫において前記所定機能の設定が変更された場合には、その変更後の設定内容を反映させて前記所定機能に関する情報を表示する冷蔵庫表示システム。
【請求項2】
請求項に記載の冷蔵庫表示システムを構築する冷蔵庫。
【請求項3】
請求項に記載の冷蔵庫表示システムを構築する端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、冷蔵庫と端末とで構築される冷蔵庫表示システム、並びに、当該冷蔵庫表示システムを構築する冷蔵庫および端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば冷蔵庫といった家電機器は、多機能化が進んでいる。しかし、冷蔵庫の機能を増やすことに応じて、当該機能を設定するための設定ボタンや、当該機能が設定されていることを示す表示用のLEDなどを追加しなければならない。そのため、冷蔵庫の多機能化が進むほど、その設定部が複雑化し、製造コストが高くなる。また、冷蔵庫の機能を増やしたとしても、それらの機能を全く使わないユーザもいる。また、冷蔵庫の多機能化が進むほど、その設定が煩雑となる。このような背景から、多機能化が進む冷蔵庫を、より低い製造コストで実現し、且つ、より使いやすくする技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-040939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、多機能化が進む冷蔵庫を、より使いやすくすることができる冷蔵庫表示システム、並びに、当該冷蔵庫表示システムを構築する冷蔵庫および端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態に係る冷蔵庫表示システムは、冷蔵庫と、当該冷蔵庫と通信する通信機能を有する端末と、で構築される冷蔵庫表示システムである。前記冷蔵庫は、当該冷蔵庫の所定機能を設定可能であり、当該冷蔵庫において設定内容に変更が生じた場合には、その変更後の設定内容を示す設定内容情報を前記端末に送信し、前記端末は、前記冷蔵庫から受信した設定内容情報を反映させて表示するものであって、前記冷蔵庫の機能のうち前記所定機能を除く機能を設定可能であり、且つ、前記冷蔵庫において前記所定機能の設定が変更された場合には、その変更後の設定内容を反映させて前記所定機能に関する情報を表示する
【0006】
本実施形態に係る冷蔵庫は、本実施形態に係る冷蔵庫表示システムを構築する。
【0007】
本実施形態に係る端末は、本実施形態に係る冷蔵庫表示システムを構築する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る家電機器設定システムの構成例を示す図
図2】操作パネルの構成例を示す図
図3】端末の構成例を示す図
図4】設定画面の構成例を示す図(その1)
図5】設定画面の構成例を示す図(その2)
図6】設定画面の構成例を示す図(その3)
図7】端末から家電機器の各種機能を設定する場合における制御内容の一例を示すフローチャート
図8】設定内容情報の構成例を示す図
図9】第2実施形態に係る図1相当図
図10図6相当図
図11】操作パネルの一部の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、家電機器設定システムに係る複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態で実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
図1に例示する冷蔵庫設定システム10は、家電機器設定システムの一例であり、少なくとも、冷蔵庫11と、端末12と、を含んで構築されている。冷蔵庫11は、家電機器の一例であり、操作パネル13と、通信アダプタ14と、を備える。冷蔵庫11は、貯蔵室として、冷蔵室、冷凍室、野菜室、製氷室などを備える。端末12は、いわゆるスマートフォンといった高機能携帯電話などで構成され、少なくとも、外部の各種機器類と通信するための通信機能を備える。
【0010】
操作パネル13は、家電機器側設定手段の一例であり、冷蔵庫11が有する各種機能を設定するための操作ボタンなどを備える。なお、この操作パネル13を介して設定できる冷蔵庫11の機能は、詳しくは後述するように所定の機能に限定されている。通信アダプタ14は、冷蔵庫11が備える図示しない通信コネクタに着脱可能に取り付けられている。即ち、通信アダプタ14は、冷蔵庫11に、いわゆる後付けすることができる要素である。なお、通信アダプタ14は、例えば冷蔵庫11の製造時に当該冷蔵庫11に内蔵する構成としてもよい。
【0011】
冷蔵庫11と端末12は、通信アダプタ14を介して相互に無線通信可能に接続され、これにより、冷蔵庫設定システム10が構築される。なお、冷蔵庫設定システム10は、冷蔵庫11と端末12を、例えばUSBケーブルなどといった通信ケーブルを介して有線通信可能に接続することにより構築してもよい。また、冷蔵庫11および端末12は、例えばインターネットなどといった広域ネットワーク15を介して、外部のサーバ16にも通信可能に接続される。サーバ16は、周知のコンピュータシステムにより構成されており、冷蔵庫11や端末12にアクセスするための情報などの各種情報、詳しくは後述するアプリケーションソフトを含む各種のコンピュータプログラムなどを記憶しており、これら各種情報やプログラムを配信可能に構成されている。冷蔵庫11や端末12にアクセスするための情報としては、例えば、これら冷蔵庫11や端末12のIPアドレスなどが考えられる。
【0012】
次に、冷蔵庫11の操作パネル13の構成例について説明する。図2に例示するように、操作パネル13は、必須機能設定部21と、追加機能設定部22と、を有する。必須機能設定部21は、冷蔵庫11が備える各種の機能のうち「必須機能」として規定されている機能を設定するための要素である。この場合、必須機能として、冷蔵庫11の各貯蔵室の設定温度を調節する「温度調節機能」が規定されている。従って、必須機能設定部21は、この場合、冷蔵庫11の各貯蔵室の設定温度を調節する設定温度調節部として構成されている。
【0013】
具体的には、この必須機能設定部21は、冷蔵庫11の図示しない冷蔵室の設定温度を調節するための冷蔵室設定温度調節ボタン21aと、冷蔵庫11の図示しない冷凍室の設定温度を調節するための冷凍室設定温度調節ボタン21bと、を備える。また、必須機能設定部21は、冷蔵庫11の冷蔵室の設定温度のレベルを表示する冷蔵室設定温度レベル表示部21cと、冷蔵庫11の冷凍室の設定温度のレベルを表示する冷凍室設定温度レベル表示部21dと、を備える。
【0014】
冷蔵庫11の冷蔵室の設定温度は、冷蔵室設定温度調節ボタン21aの操作回数に応じて、複数段階、この場合、強、中、弱の3段階で調節可能となっている。そして、冷蔵室設定温度調節ボタン21aの操作により冷蔵室の設定温度が調節されると、冷蔵庫11は、その設定された温度レベルに対応する冷蔵室設定温度レベル表示部21cのLEDを点灯する。また、冷蔵庫11の冷凍室の設定温度は、冷凍室設定温度調節ボタン21bの操作回数に応じて、複数段階、この場合、強、中、弱の3段階で調節可能となっている。そして、冷凍室設定温度調節ボタン21bの操作により冷凍室の設定温度が調節されると、冷蔵庫11は、その設定された温度レベルに対応する冷凍室設定温度レベル表示部21dのLEDを点灯する。
【0015】
追加機能設定部22は、冷蔵庫11が備える各種の機能のうち上述した必須機能以外の機能を設定するための要素である。この場合、追加機能として、「一気冷凍機能」および「一気製氷機能」が規定されている。従って、追加機能設定部22は、この場合、一気冷凍機能を設定するための設定部および一気製氷機能を設定するための設定部として構成されている。
【0016】
具体的には、この追加機能設定部22は、「一気冷凍機能」を設定するための一気冷凍ボタン22aと、「一気製氷機能」を設定するための一気製氷ボタン22bと、冷蔵庫11に設定されている各種の機能を解除するデフォルトボタン22cと、一気冷凍機能が設定されていることを表示する一気冷凍設定表示部22dと、一気製氷機能が設定されていることを表示する一気製氷設定表示部22eと、冷蔵庫11の機能が外部から遠隔により設定されていることを表示する外部設定表示部22fと、を備える。一気冷凍機能は、冷蔵庫11の冷凍室内を通常よりも急速に冷却することにより冷凍室内の貯蔵物を通常よりも短時間で冷凍する機能である。一気製氷機能は、冷蔵庫11の図示しない製氷室内を通常よりも急速に冷却することにより通常よりも短時間で製氷を行う機能である。
【0017】
一気冷凍ボタン22aが操作されて一気冷凍機能の実行が設定された場合には、冷蔵庫11は、当該一気冷凍機能が実行されている間、一気冷凍機能が実行中であることを表示する一気冷凍設定表示部22dのLEDを点灯する。なお、一気冷凍ボタン22aが所定時間連続して押圧操作された場合、例えば3秒以上連続して押圧操作された場合には、いわゆる節電モードにて一気冷凍機能が実行される。これにより、より低い消費電力により一気冷凍機能が実行される。この場合、冷蔵庫11は、一気冷凍機能が節電モードにて実行されていることを表示する節電表示部22gのLEDを点灯する。
【0018】
一気製氷ボタン22bが操作されて一気製氷機能の実行が設定された場合には、冷蔵庫11は、当該一気製氷機能が実行されている間、一気製氷機能が実行中であることを表示する一気製氷設定表示部22eのLEDを点灯する。なお、一気製氷ボタン22bが所定時間連続して押圧操作された場合、例えば3秒以上連続して押圧操作された場合には、いわゆる節電モードにて一気製氷機能が実行される。これにより、より低い消費電力により一気製氷機能が実行される。この場合、冷蔵庫11は、一気製氷機能が節電モードにて実行されていることを表示する節電表示部22hのLEDを点灯する。
【0019】
デフォルトボタン22cは、解除手段の一例である。このデフォルトボタン22cが操作されると、冷蔵庫11は、詳しくは後述するようにして端末12により設定された機能のみを解除するように構成されている。これにより、冷蔵庫11は、端末12により設定された機能が初期状態に戻されるように構成されている。なお、冷蔵庫11は、デフォルトボタン22cが操作された場合に、端末12により設定された機能を含む当該冷蔵庫11の全ての機能の設定を解除するように構成してもよい。この構成によれば、ユーザは、デフォルトボタン22cを操作することにより、冷蔵庫11を、当該冷蔵庫11の全ての機能の設定が初期状態に戻された状態、即ち、当該冷蔵庫11の製造時における設定状態に戻すことができる。
【0020】
外部設定表示部22fは、表示手段の一例である。冷蔵庫11は、詳しくは後述するようにして端末12により各機能が設定されている場合には、この外部設定表示部22fのLEDを点灯させる。これにより、ユーザは、冷蔵庫11の各機能が端末12から遠隔により設定されていることを把握することができる。
【0021】
以上のように構成された冷蔵庫11によれば、冷蔵庫11が備える複数の機能のうち、所定の機能、この場合、必須機能として規定されている冷蔵室の設定温度の調節機能および冷凍室の設定温度の調節機能と、追加機能として規定されている一気冷凍機能および一気製氷機能とを、当該冷蔵庫11が備える操作パネル13を介して設定可能となっている。
【0022】
ところで、冷蔵庫11は、操作パネル13を介して設定可能な上記の所定機能の他に、例えば、野菜冷凍機能、ドライ冷凍機能、熱もの冷凍機能、節電モード機能、タイマー節電機能、おでかけ機能、ピークシフト機能などといった各種の機能を備えている。
野菜冷凍機能は、冷蔵庫11の図示しない野菜室を通常よりも低い温度まで冷却することにより野菜室内の野菜類を冷凍する機能である。ドライ冷凍機能は、冷蔵庫11の野菜室内に図示しない送風ファンにより風を供給しながら冷却することにより野菜室内の野菜類の水分を飛ばしながら冷凍を行う機能である。熱もの冷凍機能は、冷凍室内を通常よりも急速に冷却することにより冷凍室内の熱い貯蔵物を冷凍する機能である。
【0023】
節電モード機能は、冷蔵庫11を通常よりも低い消費電力で運転する機能である。タイマー節電機能は、設定された開始時間から終了時間までの間、冷蔵庫11を通常よりも低い消費電力で運転する機能である。なお、冷蔵庫11は、図示しないタイマーなどといった計時手段により時間を計測することが可能に構成されている。おでかけ機能は、冷蔵庫11の扉の開閉が所定時間以上検知されない場合に、冷蔵庫11を通常よりも低い消費電力で運転するように自動的に切り替える機能である。なお。冷蔵庫11は、図示しない扉開閉検知用のセンサにより扉の開閉を検知するように構成されている。ピークシフト機能は、電力需要のピーク時に、消費電力が高くなる運転、例えば、図示しない冷却器に付着した霜を取り除く除霜運転を行わないようにする機能である。
【0024】
冷蔵庫11は、これら所定機能以外の機能については、外部の端末12を介して遠隔により設定する構成となっている。従って、冷蔵庫11は、所定機能以外の機能を、操作パネル13を介して直接的に設定することができないように構成されている。
【0025】
次に、端末12の構成例について説明する。即ち、図3に例示するように、端末12は、当該端末12の動作全般を制御する制御部31を主体として構成されている。この制御部31には、表示部32、操作部33、通信機能部34などが接続されている。表示部32は、例えば液晶パネルなどといった表示器により構成されている。操作部33は、表示部32の表示画面上に形成されるタッチパネルスイッチ、表示部32の周囲に設けられた機械式のスイッチなどで構成されている。通信機能部34は、外部の機器と通信するための通信機能を実現する要素である。この場合、通信機能部34は、冷蔵庫11の通信アダプタ14との間に通信回線を確立して、端末12と冷蔵庫11とを通信可能に接続する。
【0026】
また、端末12には、外部の家電機器、この場合、冷蔵庫11の各種機能を遠隔から設定するためのアプリケーションソフトが組み込まれている。このアプリケーションソフトは、例えばサーバ16から端末12にダウンロードすることにより当該端末12に予め組み込まれたものである。そして、端末12は、このアプリケーションソフトを制御部31により実行することにより、端末側設定機能部36、設定画面選択機能部37をソフトウェアにより仮想的に実現する。なお、端末12は、これらの機能部36,37をハードウェアにより実現する構成としてもよい。
【0027】
端末側設定機能部36は、端末側設定手段の一例であり、冷蔵庫11の各種機能のうち、少なくとも、上述した所定機能を除く機能を、冷蔵庫11との間に確立された通信回線を介して遠隔により設定する機能を有する。なお、この場合、端末側設定機能部36は、冷蔵庫11の所定機能も、冷蔵庫11との間に確立された通信回線を介して遠隔により設定可能に構成されている。即ち、端末側設定機能部36は、冷蔵庫11の全ての機能を、当該冷蔵庫11との間に確立された通信回線を介して遠隔により設定することが可能に構成されている。
【0028】
設定画面選択機能部37は、設定画面選択手段の一例であり、端末側設定機能部36が表示部32に表示する設定画面を選択する機能を有する。ここで、端末側設定機能部36が表示部32に表示する設定画面の構成例について説明する。即ち、端末12は、複数の設定画面、この場合、図4に例示する設定画面G1、図5に例示する設定画面G2、図6に例示する設定画面G3を表示可能に構成されている。設定画面選択機能部37は、図示しない選択画面を介したユーザによる選択操作に応じて、複数の設定画面G1~G3のうち何れか1つを選択する。そして、端末12は、設定画面選択機能部37を介して選択された設定画面を表示部32に表示するように構成されている。
【0029】
次に、各設定画面G1~S3の構成例について、さらに詳細に説明する。即ち、図4に例示するように、設定画面G1は、冷蔵庫に実装することを前提としてデザインされた操作パネルを模した設定画面である。この設定画面G1には、操作領域41および表示領域42が設けられている。操作領域41には、「冷蔵」の文字が記された冷蔵操作部41a、「冷凍」の文字が記された冷凍操作部41b、「冷凍機能」の文字が記された冷凍機能操作部41c、「製氷」の文字が記された製氷操作部41d、「節電」の文字が記された節電操作部41e、ほぼ五角形のマークが記されたキーロック操作部41fが縦方向に一列に配列されている。操作領域41に設けられる各種の操作部41a~41fは、ユーザによりタッチ操作可能に設けられている。
【0030】
表示領域42には、複数の円弧状のセグメントからなるインジケータ43と、複数のマーク44とが縦方向に一列に配列されている。インジケータ43の下部には、「強」と記された文字マークおよび「弱」と記された文字マークが横方向に配列されている。マーク44としては、具体的には、「熱もの冷凍」と記された文字マーク44a、「野菜冷凍」と記された文字マーク44b、「ドライ」と記された文字マーク44c、「一気冷凍」と記された文字マーク44d、「一気製氷」と記された文字マーク44e、「製氷オフ」と記された文字マーク44f、「節電」と記された文字マーク44g、「おでかけ」と記された文字マーク44h、「ピークシフト」と記された文字マーク44i、「eco」と記された文字マーク44j、キーの形状が記されたキーマーク44kが設けられている。
【0031】
冷蔵操作部41aは、端末12からの遠隔操作により、冷蔵庫11の冷蔵室の設定温度を調節するための操作部である。端末12は、ユーザによる冷蔵操作部41aの操作回数に応じて、冷蔵庫11の冷蔵室の設定温度を、複数段階、この場合、強、中、弱の3段階で調節可能となっている。また、端末12は、冷蔵操作部41aの操作により設定された冷蔵室の設定温度の段階に応じて、インジケータ43の複数のセグメントのうち点灯するセグメントの数を変動させる。
【0032】
この場合、端末12は、冷蔵操作部41aの操作により冷蔵室の設定温度が「弱」レベルに調節された場合にはインジケータ43の5つのセグメントのうち1つのセグメントを点灯させ、「中」レベルに調節された場合には3つのセグメントを点灯させ、「強」レベルに調節された場合には5つのセグメントを点灯させる。ユーザは、点灯するセグメントの数により、冷蔵操作部41aの操作により調節された冷蔵室の設定温度のレベルを視覚的に把握することができる。また、端末12は、冷蔵操作部41aの操作により調節された冷蔵室の設定温度を示す情報を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、端末12から得られた情報に基づいて、冷蔵室の設定温度を調節する。
【0033】
冷凍操作部41bは、端末12からの遠隔操作により、冷蔵庫11の冷凍室の設定温度を調節するための操作部である。端末12は、ユーザによる冷凍操作部41bの操作回数に応じて、冷蔵庫11の冷凍室の設定温度を、複数段階、この場合、強、中、弱の3段階で調節可能となっている。また、端末12は、冷凍操作部41bの操作により設定された冷凍室の設定温度の段階に応じて、インジケータ43の複数のセグメントのうち点灯するセグメントの数を変動させる。ユーザは、点灯するセグメントの数により、冷凍操作部41bの操作により調節された冷凍室の設定温度のレベルを視覚的に把握することができる。また、端末12は、冷凍操作部41bの操作により調節された冷凍室の設定温度を示す情報を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、端末12から得られた情報に基づいて、冷凍室の設定温度を調節する。
【0034】
冷凍機能操作部41cは、端末12からの遠隔操作により、冷蔵庫11が備える各種の冷凍機能を実行させるための操作部である。端末12は、ユーザによる冷凍機能操作部41cの操作回数に応じて、熱もの冷凍機能、野菜冷凍機能、ドライ冷凍機能、一気冷凍機能を順次選択する。そして、端末12は、冷凍機能操作部41cの操作により選択された冷凍機能に対応する文字マーク44a~44dを点灯させる。また、端末12は、冷凍機能操作部41cの操作により選択された冷凍機能を示す情報を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、端末12から得られた情報に基づいて、選択された冷凍機能を実行する。
【0035】
製氷操作部41dは、端末12からの遠隔操作により、冷蔵庫11が備える一気製氷機能を実行させるための操作部である。端末12は、ユーザによる製氷操作部41dの操作回数に応じて、一気製氷機能のオン/オフの設定を順次切り換える。そして、端末12は、一気製氷機能がオンに設定された場合には、「一気製氷」と記された文字マーク44eを点灯させる。また、端末12は、一気製氷機能がオフに設定された場合には、「製氷オフ」と記された文字マーク44fを点灯させる。
【0036】
そして、端末12は、製氷操作部41dの操作により一気製氷機能がオンに切り換えられた場合には、一気製氷機能をオンに切り換えるための設定信号を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、この設定信号を端末12から受信すると、一気製氷機能をオンに切り換えて、当該一気製氷機能を実行する。一方、端末12は、製氷操作部41dの操作により一気製氷機能がオフに切り換えられた場合には、一気製氷機能をオフに切り換えるための設定信号を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、この設定信号を端末12から受信すると、一気製氷機能をオフに切り換えて、当該一気製氷機能のオン設定を解除する。これにより、一気製氷機能が停止する。
【0037】
節電操作部41eは、端末12からの遠隔操作により、冷蔵庫11が備える各種の節電機能を実行させるための操作部である。端末12は、ユーザによる節電操作部41eの操作回数応じて、節電モード機能、おでかけ機能、ピークシフト機能を順次選択する。そして、端末12は、節電操作部41eの操作により選択された節電機能に対応する文字マーク44g~44iを点灯させる。また、端末12は、節電操作部41eの操作により選択された節電機能を示す情報を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、端末12から与えられた情報に基づいて、選択された節電機能を実行する。
【0038】
キーロック操作部41fは、設定画面G1を介した冷蔵庫11の設定操作を不能にするための操作部である。端末12は、ユーザによるキーロック操作部41fの操作回数に応じて、設定操作不能状態と設定操作可能状態とに順次切り換わる。設定操作不能状態では、設定画面G1のキーロック操作部41fを除く各種操作部41a~41eに対する操作入力が無効となり、これにより、設定画面G1を介した冷蔵庫11の設定操作が不能となる。端末12は、設定操作不能状態に切り換えられた場合には、キーマーク44kを点灯させる。一方、設定操作可能状態では、設定画面G1の各種操作部41a~41fに対する操作入力が有効となり、これにより、設定画面G1を介した冷蔵庫11の設定操作が可能となる。端末12は、設定操作可能状態に切り換えられた場合には、キーマーク44kを消灯させる。
【0039】
また、端末12は、冷蔵庫11の運転状態がエコ運転状態である場合に「eco」の文字マーク44jを点灯させる。即ち、冷蔵庫11は、当該冷蔵庫11の運転状態が所定の条件を満たしている場合に、当該冷蔵庫11の運転状態がエコ運転状態であると判断する。なお、所定条件としては、所定時間内における扉の開閉回数が所定回数以下であること、所定時間内における各貯蔵室内の温度変化が所定範囲以内であること、所定時間内における図示しない冷凍サイクルのコンプレッサの運転時間が所定時間以内であること、などが考えられる。冷蔵庫11は、当該冷蔵庫11の運転状態がエコ運転状態であると判断すると、当該冷蔵庫11がエコ運転状態であることを示す情報を端末12に送信する。端末12は、この情報を受信すると、「eco」の文字マーク44jを点灯させる。また、冷蔵庫11は、当該冷蔵庫11の運転状態がエコ運転状態でないと判断すると、当該冷蔵庫11がエコ運転状態でないことを示す情報を端末12に送信する。端末12は、この情報を受信すると、「eco」の文字マーク44jを消灯させる。
【0040】
次に、設定画面G2について説明する。図5に例示するように、設定画面G2は、階層構造により実現された設定画面である。即ち、設定画面G2には、冷蔵庫11の全体を簡略的に示す冷蔵庫マーク51と、設定ボタン52と、が設けられている。また、冷蔵庫マーク51の周囲には、冷蔵庫11の各貯蔵室の現在の設定状態を示す設定状態表示部53a~53eと、冷蔵庫11の現在の消費電力を示す消費電力表示部54と、が設けられている。
【0041】
冷蔵庫11は、各貯蔵室の現在の設定状態を示す情報、例えば、各貯蔵室の設定温度を示す設定温度情報や各機能の設定状態などを示す情報を端末12に送信する。端末12は、冷蔵庫11から受信した情報に基づいて、冷蔵庫11の各貯蔵室の現在の設定状態を設定状態表示部53a~53eに表示する。また、冷蔵庫11は、当該冷蔵庫11の現在の消費電力を示す消費電力情報を端末12に送信する。端末12は、冷蔵庫11から受信した消費電力情報に基づいて、冷蔵庫11の現在の消費電力を消費電力表示部54に表示する。
【0042】
また、端末12は、設定ボタン52が操作されると、表示部32に表示する画面を、図示しない設定操作画面に遷移させる。この設定操作画面には、冷蔵庫11の各貯蔵室の設定温度を入力する入力操作部、冷蔵庫11の各種機能の設定のオン/オフを入力するための入力操作部などが設けられている。これら各種の入力操作部を介してユーザの設定操作が入力されると、端末12は、その入力された情報を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、端末12から受信した情報に基づいて、各貯蔵室の設定温度の調節や、各機能のオン/オフの設定などを行う。
【0043】
次に、設定画面G3について説明する。図6に例示するように、設定画面G3は、テキストベースの構造により実現された設定画面である。即ち、設定画面G3には、冷蔵庫11の各種の機能を設定するための複数のメニューボタン61が設けられている。これらメニューボタン61は、タッチ操作可能に設けられている。
【0044】
具体的には、「冷凍室温度設定」の文字が記されているメニューボタン61aは、冷蔵庫11の冷凍室の設定温度を調節するためのメニューボタンである。端末12は、ユーザによるメニューボタン61aの操作回数に応じて、冷蔵庫11の冷凍室の設定温度を、複数段階、この場合、強、中、弱の3段階で調節可能となっている。また、端末12は、メニューボタン61aの操作により設定された冷凍室の設定温度の段階に応じて、タッチボタン61aの表示文字を「強」、「中」、「弱」の何れかに変動させる。そして、端末12は、メニューボタン61aの操作により調節された冷凍室の設定温度を示す情報を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、端末12から得られた情報に基づいて、冷凍室の設定温度を調節する。
【0045】
「冷蔵室温度設定」の文字が記されているメニューボタン61bは、冷蔵庫11の冷蔵室の設定温度を調節するためのメニューボタンである。端末12は、ユーザによるメニューボタン61bの操作回数に応じて、冷蔵庫11の冷蔵室の設定温度を、複数段階、この場合、強、中、弱の3段階で調節可能となっている。また、端末12は、メニューボタン61bの操作により設定された冷蔵室の設定温度の段階に応じて、メニューボタン61bの表示文字を「強」、「中」、「弱」の何れかに変動させる。そして、端末12は、メニューボタン61bの操作により調節された冷蔵室の設定温度を示す情報を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、端末12から得られた情報に基づいて、冷蔵室の設定温度を調節する。
【0046】
「一気製氷」の文字が記されているメニューボタン61cは、冷蔵庫11の一気製氷機能のオン/オフの設定を切り換えるためのメニューボタンである。端末12は、ユーザによるメニューボタン61cの操作回数に応じて、一気製氷機能のオン/オフの設定を順次切り換える。そして、端末12は、メニューボタン61cの操作により一気製氷機能がオンに切り換えられた場合には、メニューボタン61cの表示文字を「OFF」から「ON」に切り換え、また、一気製氷機能をオンに切り換えるための設定信号を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、この設定信号を端末12から受信すると、一気製氷機能をオンに切り換えて、当該一気製氷機能を実行する。一方、端末12は、メニューボタン61cの操作により一気製氷機能がオフに切り換えられた場合には、メニューボタン61cの表示文字を「ON」から「OFF」に切り換え、また、一気製氷機能をオフに切り換えるための設定信号を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、この設定信号を端末12から受信すると、一気製氷機能をオフに切り換えて、当該一気製氷機能のオン設定を解除する。これにより、一気製氷機能が停止する。
【0047】
「製氷停止」の文字が記されているメニューボタン61dは、冷蔵庫11の製氷機能のオン/オフの設定を切り換えるためのメニューボタンである。端末12は、ユーザによるメニューボタン61dの操作回数に応じて、製氷機能のオン/オフの設定を順次切り換える。そして、端末12は、メニューボタン61dの操作により製氷機能がオンに切り換えられた場合には、メニューボタン61dの表示文字を「OFF」から「ON」に切り換え、また、製氷機能をオンに切り換えるための設定信号を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、この設定信号を端末12から受信すると、製氷機能をオンに切り換えて、当該製氷機能を実行する。一方、端末12は、メニューボタン61dの操作により製氷機能がオフに切り換えられた場合には、メニューボタン61dの表示文字を「ON」から「OFF」に切り換え、また、製氷機能をオフに切り換えるための設定信号を冷蔵庫11に送信する。冷蔵庫11は、この設定信号を端末12から受信すると、製氷機能をオフに切り換えて、当該製氷機能のオン設定を解除する。これにより、製氷機能が停止する。
【0048】
なお、その他のメニューボタン61e~61kは、それぞれ、冷蔵庫11の一気冷凍機能、野菜冷凍機能、ドライ冷凍機能、熱もの冷凍機能、節電モード機能、ピークシフト機能、おでかけ機能のオン/オフの設定を切り換えるためのメニューボタンである。端末12は、ユーザによる各メニューボタン61e~61kの操作回数に応じて、各機能のオン/オフの設定を順次切り換え、また、各メニューボタン61e~61kの表示文字を「ON」または「OFF」に切り換える。そして、端末12は、各機能をオンまたはオフに切り換えるための設定信号を冷蔵庫11に送信し、冷蔵庫11は、端末12から受信した設定信号に応じて各機能のオン/オフを設定する。
【0049】
また、メニューボタン61tは、冷蔵庫11のタイマー節電機能のオン/オフの設定を切り換えるためのメニューボタンである。端末12は、ユーザによるメニューボタン61tの操作回数に応じて、タイマー節電機能のオン/オフの設定を順次切り換え、また、メニューボタン61tの表示文字を「ON」または「OFF」に切り換える。そして、端末12は、タイマー節電機能をオンまたはオフに切り換えるための設定信号を冷蔵庫11に送信し、冷蔵庫11は、端末12から受信した設定信号に応じてタイマー節電機能のオン/オフを設定する。
【0050】
なお、「開始」の文字が記されているボタン61tsは、タイマー節電機能の開始時間を入力するためのボタンであり、「終了」の文字が記されているボタン61teは、タイマー節電機能の終了時間を入力するためのボタンである。端末12は、タイマー節電機能をオンに設定するための設定信号を冷蔵庫11に送信する際には、これらボタン61ts,61teを介して入力された開始時間および終了時間を示す情報も冷蔵庫11に送信する。
【0051】
次に、端末12から冷蔵庫11の各種機能を設定する場合における通信態様の一例について説明する。即ち、図7に例示するように、冷蔵庫11の動作全般を制御する図示しない制御装置は、端末12との間で通信回線が確立されると、冷蔵庫11の現在の設定内容を示す設定内容情報を端末12に送信する(A1)。なお、設定内容情報は、例えば冷蔵庫11の制御装置が備えるレジスタに格納されており、冷蔵庫11の現在の設定内容に応じて、各アドレスのデータが書き換えられるようになっている。
【0052】
ここで、この設定内容情報の構成例について説明する。即ち、図8に例示するように、設定内容情報のアドレス「00」の1~4桁までのデータは冷凍室の設定温度を示し、アドレス「00」の5~8桁までのデータは冷蔵室の設定温度を示す。また、アドレス「01」の1~8桁目のデータは、それぞれ、一気製氷機能のオン/オフの設定状態、製氷停止機能のオン/オフの設定状態、一気冷凍機能のオン/オフの設定状態、節電機能のオン/オフの設定状態、ピークシフト機能のオン/オフの設定状態、おでかけ機能のオン/オフの設定状態、タイマー節電機能のオン/オフの設定状態、野菜冷凍機能のオン/オフの設定状態を示している。
【0053】
また、アドレス「02」の1桁目のデータはドライ冷凍機能のオン/オフの設定状態を示し、アドレス「02」の2桁目のデータは熱もの冷凍機能のオン/オフの設定状態を示している。そして、各機能が「オフ」に設定されている場合には、対応のデータが「0」に書き換えられ、各機能が「オン」に設定されている場合には、対応のデータが「1」に書き換えられる。また、アドレス「03」に格納されている8ビットのデータは、タイマー節電機能の開始時間を示している。また、アドレス「04」に格納されている8ビットのデータは。タイマー節電機能の終了時間を示している。
【0054】
端末12は、アプリケーションプログラムを起動すると、設定画面G1~S3のうち予め選択された設定画面を表示する(B1)。このとき、端末12は、冷蔵庫11から受信した設定内容情報に基づいて、冷蔵庫11の現在の設定内容を、表示中の設定画面の各項目に反映させる。これにより、端末12に、冷蔵庫11の現在の設定内容が表示される。なお、冷蔵庫11において設定内容に変更が生じた場合には、冷蔵庫11は、その変更後の設定内容を示す設定内容情報を端末12に送信する。そして、端末12は、新たに受信した設定内容情報を、表示中の設定画面の各項目に反映させる。これにより、端末12には、冷蔵庫11の現在の設定内容がリアルタイムで表示されるようになる。
【0055】
そして、端末12は、表示中の設定画面を介して設定の入力が行われた場合には、冷蔵庫11に設定変更情報を送信する(B2)。この設定変更情報は、端末12側に冷蔵庫11の設定を変更するための入力が行われたことを示す情報である。冷蔵庫11は、端末12から設定変更情報を受信すると、設定変更許可信号を端末12に送信する(A2)。そして、端末12は、冷蔵庫11から設定変更許可信号を受信すると、設定画面を介して入力された設定内容を示す変更内容情報を、冷蔵庫11に送信する(B3)。冷蔵庫11は、端末12から変更内容情報を受信すると、その変更内容情報に基づいて各機能を設定する(A3)。そして、冷蔵庫11は、変更後の設定内容を示す設定内容情報を端末12に送信する(A4)。
【0056】
端末12は、冷蔵庫11から変更後の設定内容が反映された設定内容情報を受信すると、その設定内容情報と、冷蔵庫11に送信した変更内容情報とを照合する。これにより、端末12は、冷蔵庫11の各機能の設定が変更内容情報に基づいて変更されたか否かを検証する(B4)。そして、端末12は、冷蔵庫11の各機能の設定が変更内容情報に基づいて変更されている場合(B5:YES)には、冷蔵庫11に設定変更確認信号を送信する(B6)。なお、端末12は、冷蔵庫11の各機能の設定が変更内容情報に基づいて変更されていない場合(B5:NO)には、ステップB3に移行して、冷蔵庫11の各機能の設定を変更するための処理を繰り返す。
【0057】
本実施形態に係る冷蔵庫設定システム10によれば、冷蔵庫11は、当該冷蔵庫11の所定機能を設定する操作パネル13を備え、一方、端末12は、少なくとも、冷蔵庫11の各種の機能のうち所定機能を除く機能を設定する端末側設定機能部36を備えている。この構成によれば、冷蔵庫11側の操作パネル13は、所定機能を設定するために必要な最小限の要素のみに絞って構成することができ、その構成を簡素にすることができる。また、冷蔵庫11側の操作パネル13を簡素な構成にしたとしても、所定機能以外の機能については、その機能を使用したいユーザが外部の端末12を介して任意に設定することができる。これにより、冷蔵庫11の機能を増やしたとしても操作パネル13の複雑化や高コスト化を招くおそれがなく、従って、多機能化が進む冷蔵庫11を、より低い製造コストで実現することができ、且つ、冷蔵庫11の各種機能を、より簡易な態様により設定することができる。
【0058】
また、所定機能としては、冷蔵庫11において必須と考えられる機能あるいはよく使用される機能を設定するとよい。このような機能は、端末12から間接的に設定するよりも、冷蔵庫11から直接的に設定した方が使い勝手が良いからである。
【0059】
また、冷蔵庫11は、端末12側の端末側設定機能部36により所定機能を除く機能が設定されている場合に、そのことを表示する外部設定表示部22fを備える。この構成によれば、ユーザは、冷蔵庫11の各機能が端末12から遠隔により設定されていることを容易に把握することができる。また、例えば、冷蔵庫11のある機能が動作している場合に、その動作が、端末12からの設定により行われているのか、あるいは、冷蔵庫11に何らかの不具合が生じたために行われているのか、の判断を容易に行うことができる。
【0060】
また、冷蔵庫11は、端末12側の端末側設定機能部36により設定された機能を解除するデフォルトボタン22cを備える。この構成によれば、端末12から遠隔により設定された機能を、冷蔵庫11側にて容易に解除することができる。
【0061】
また、冷蔵庫11は、デフォルトボタン22cが操作された場合に、端末12により設定された機能を含む当該冷蔵庫11の全ての機能を解除するように構成してもよい。この構成によれば、デフォルトボタン22cを操作することにより、冷蔵庫11の設定状態を初期状態にリセットすることができ、その後の各機能の設定を初期状態から改めて行うことができる。
【0062】
本実施形態では、冷蔵庫11側の操作パネル13には所定機能に関する操作ボタンや表示部しか備えられておらず、従って、ユーザは、操作パネル13を確認したとしても、冷蔵庫11の各種機能の設定状態、特に、所定機能以外の機能の設定状態を把握することができない。しかし、本実施形態では、冷蔵庫11側に、各種機能の設定を解除するためのデフォルトボタン22cを設けた。これにより、ユーザは、冷蔵庫11の各種機能の設定状態がどのような状態であるのかを把握できない場合であっても、デフォルトボタン22cを操作することにより冷蔵庫11を一旦初期状態に戻すことができ、冷蔵庫11の各種機能の設定を改めて行うことができる。
【0063】
また、端末12は、端末側設定機能部36により表示される設定画面を、設定画面選択機能部37により選択することができる構成である。これにより、ユーザの好みに応じた設定画面を提供することができ、操作性や使い勝手の向上を図ることができる。
【0064】
また、端末12は、端末側設定機能部36により所定機能も設定することが可能である。この構成によれば、冷蔵庫11の全ての機能を遠隔から設定することができ、例えば、ユーザが外出している場合や冷蔵庫11が設置された部屋に存在していない場合などであっても、冷蔵庫11の全ての機能の設定操作が可能となる。この場合、冷蔵庫11側の操作パネル13は、所定機能を操作するために必要最小限の簡素な構成となっており、例えば、設定温度の調節は、「強」、「中」、「弱」の3段階でしか設定することができない。そのため、端末12からの設定では、例えば、設定温度の調節を3段階以上の複数段階で設定できるようにしてもよいし、あるいは、1度単位あるいは0.1度単位で細かく設定できるようにしてもよい。即ち、端末12からの設定操作は、簡素な構成である操作パネル13からの設定操作よりもきめ細かく行えるように構成するとよい。
【0065】
(第2実施形態)
図9に例示する冷蔵庫設定システム20によれば、冷蔵庫11は、さらに記憶装置71を備えている。この記憶装置71は、記憶手段の一例であり、冷蔵庫11に実際に設定された設定内容を随時記憶する。これにより、記憶装置71には、過去における冷蔵庫11の設定内容を示す情報が蓄積されていく。
【0066】
ところで、記憶装置71の記憶容量は限られていることから、過去における冷蔵庫11の設定内容を示す情報を全て記憶装置71に記憶することは好ましくない。そこで、冷蔵庫11は、過去における冷蔵庫11の設定内容のうち特定の設定内容を示す情報のみを記憶するように構成されている。
【0067】
即ち、端末12は、図10に例示する設定画面G4を表示する。この設定画面G4は、上述した設定画面G4に、チェックボックス56a,56bを追加したものである。チェックボックス56a,56bは、設定画面G4に入力された設定内容を保存するために使用する要素である。端末12は、チェックボックス56aにチェックが入力されている場合には、設定画面G4に入力された設定内容を示す設定内容情報を冷蔵庫11に送信する際に、当該設定内容情報を設定[1]として保存することを指令する保存指令情報[Set1]を添付する。また、端末12は、チェックボックス56bにチェックが入力されている場合には、設定画面G4に入力された設定内容を示す設定内容情報を冷蔵庫11に送信する際に、当該設定内容情報を設定[2]として保存することを指令する保存指令情報[Set2]を添付する。
【0068】
冷蔵庫11は、端末12から受信した設定内容情報に保存指令情報[Set1]が添付されている場合には、その設定内容情報に基づいて各機能を設定するとともに、その設定内容情報を設定[1]として記憶装置71に記憶する。また、端末12から受信した設定内容情報に保存指令情報[Set2]が添付されている場合には、その設定内容情報に基づいて各機能を設定するとともに、その設定内容情報を設定[2]として記憶装置71に記憶する。
【0069】
また、図11に例示するように、冷蔵庫11の操作パネル13には、設定手段の一例である設定ボタン81と、設定1を意味する「Set1」が記された設定表示部82aと、設定2を意味する「Set2」が記された設定表示部82bと、選択ボタン83と、選択表示部84a,84bと、が設けられている。冷蔵庫11は、端末12から受信した設定内容情報を設定[1]として記憶装置71に記憶した場合には、設定表示部82aのLEDを点灯させる。なお、図11には、設定表示部82aのLEDを点灯させた状態を示している。
【0070】
また、冷蔵庫11は、端末12から受信した設定内容情報を設定[2]として記憶装置71に記憶した場合には、設定表示部82bのLEDを点灯させる。ユーザは、設定表示部82a,82bの点灯状況に基づいて、過去における冷蔵庫11の設定内容が保存されているのか否かを把握することができる。
【0071】
冷蔵庫11は、選択ボタン83の操作回数に応じて、設定[1]に対応する選択表示部84aまたは設定[2]に対応する選択表示部84bを順次切り換えながら点灯させる。そして、冷蔵庫11は、設定ボタン81が操作されると、そのときに選択表示部84が点灯している設定に対応する設定内容情報を記憶装置71から読み出す。そして、冷蔵庫11は、読み出した設定内容情報に基づいて冷蔵庫11の各機能を設定する。
【0072】
本実施形態に係る冷蔵庫設定システム20によっても、冷蔵庫11の機能を増やしたとしても操作パネル13の複雑化や高コスト化を招くおそれがなく、従って、多機能化が進む冷蔵庫11を、より低い製造コストで実現し、且つ、より簡易な態様により設定することができる。
【0073】
また、冷蔵庫設定システム20は、冷蔵庫11の設定内容を記憶する記憶装置71と、その記憶装置71に記憶されている設定内容に基づいて冷蔵庫11の各機能を設定する設定ボタン81と、を備える。この構成によれば、過去における冷蔵庫11の設定内容を容易に再現することができ、ユーザの好みに応じた設定内容で冷蔵庫11を動作させることができる。なお、記憶装置71は、冷蔵庫11ではなく、例えば、端末12あるいはサーバ16に設ける構成としてもよい。
【0074】
また、記憶装置71に記憶できる設定内容情報は、2つに限られるものではなく、その数を適宜変更して実施することができる。この場合、記憶可能な設定内容情報の数に応じて、設定画面G4に設けるチェックボックス56の数、操作パネル13に設ける設定表示部82および選択表示部84の数も変更して実施するとよい。
【0075】
(その他の実施形態)
本実施形態は、上述した複数の実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形または拡張することができる。
冷蔵庫11は、操作パネル13を介して設定可能な機能について、当該操作パネル13からも端末12からも設定操作が入力された場合には、操作パネル13からの設定操作を有効とするように構成してもよいし、端末12からの設定操作を有効とするように構成してもよい。また、冷蔵庫11は、操作パネル13を介して設定可能な機能について、当該操作パネル13からも端末12からも設定操作が入力された場合には、操作パネル13からの設定操作および端末12からの設定操作のうち何れか遅い方を有効とするように構成してもよい。
【0076】
必須機能設定部21は、必須機能として、少なくとも各貯蔵室の設定温度を調節する設定温度調節機能を含んでいればよい。従って、冷蔵庫は、温度調節機能以外の機能をさらに必須機能として規定して必須機能設定部21により調節できるように構成してもよい。
家電機器設定システムを構築する家電機器は、冷蔵庫11に限られるものではなく、例えば、洗濯機、加熱調理器などといった他の家電機器類で構成してもよい。
【0077】
また、家電機器設定システムを構築する端末は、スマートフォンに限られるものではなく、例えば、テレビ、タブレット、パーソナルコンピュータなどで構成してもよく、また、家電機器設定システム用に設けた専用の端末で構成してもよい。即ち、本実施形態に係る家電機器設定システムを構築する端末は、家電機器と通信可能に接続されるものであり、且つ、ユーザの操作を入力する入力部を有するものであれば、種々の端末類を適用することができる。
【0078】
また、家電機器設定システムを構築する家電機器と端末との関係は1対1の関係でなくてもよく、例えば、1台の家電機器を複数の端末から遠隔により設定操作できる構成としてもよいし、複数の家電機器を1台の端末から遠隔により設定操作できる構成としてもよい。また、複数の家電機器を複数の端末から遠隔により設定操作できる構成としてもよい。
【0079】
本実施形態に係る家電機器設定システムは、家電機器と、当該家電機器と通信する通信機能を有する端末と、で構築される家電機器設定システムである。このシステムにおいて、前記家電機器は、当該家電機器の所定機能を設定する家電機器側設定手段を備える。また、前記端末は、前記家電機器の機能のうち前記所定機能を除く機能を設定する端末側設定手段を備える。この構成によれば、家電機器の機能を増やしたとしても家電機器側設定手段の複雑化や高コスト化を招くおそれがなく、従って、多機能化が進む家電機器を、より低い製造コストで実現することができ、且つ、家電機器の各種機能を、より簡易な態様により設定することができる。
【0080】
本実施形態に係る家電機器は、端末と通信する通信機能を有し、当該端末とともに家電機器設定システムを構築する家電機器である。この家電機器は、当該家電機器の所定機能を設定する家電機器側設定手段を備える。そして、この家電機器の機能のうち前記所定機能を除く機能は、前記端末が備える端末側設定手段により設定される。
【0081】
本実施形態に係る端末は、家電機器と通信する通信機能を有し、当該家電機器とともに家電機器設定システムを構築する端末である。そして、この端末は、前記家電機器の機能のうち所定機能を除く機能を設定する端末側設定手段を備える。
【0082】
本実施形態に係る家電機器と端末とで家電機器設定システムを構築することにより、多機能化が進む家電機器を、より低い製造コストで実現することができ、且つ、家電機器の各種機能を、より簡易な態様により設定することができる。
【0083】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0084】
図面中、10,20は冷蔵庫設定システム(家電機器設定システム)、11は冷蔵庫(家電機器)、12は端末、13は操作パネル(家電機器側設定手段)、22cはデフォルトボタン(解除手段)、22fは外部設定表示部(表示手段)、36は端末側設定機能部(端末側設定手段)、37は設定画面選択機能部(設定画面選択手段)、71は記憶装置(記憶手段)、81は設定ボタン(設定手段)、を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11