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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】ハイブリッドモジュールの構成
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/36 20071001AFI20230510BHJP
   F16H 41/24 20060101ALI20230510BHJP
   F16H 45/02 20060101ALI20230510BHJP
   F16F 15/123 20060101ALI20230510BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20230510BHJP
   B60K 6/38 20071001ALI20230510BHJP
   B60K 6/26 20071001ALI20230510BHJP
   B60K 6/405 20071001ALI20230510BHJP
【FI】
B60K6/36
F16H41/24 A
F16H41/24 B
F16H45/02 Z
F16F15/123 Z
B60K6/48 ZHV
B60K6/38
B60K6/26
B60K6/405
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021503603
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 US2019044370
(87)【国際公開番号】W WO2020028506
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】62/713,584
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ペイン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック リンデマン
(72)【発明者】
【氏名】マークス シュタインベアガー
(72)【発明者】
【氏名】マイカ スタイナー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル セイア
【審査官】佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05789823(US,A)
【文献】特開2010-120542(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0041402(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/20- 6/547
F16H 41/24
F16H 45/02
F16F 15/123
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッドモジュール用のトルクコンバータであって、
インペラおよびタービンを備える液圧カップリング装置と、
第1の軸方向に延在する第1のリムを備えるフロントカバーであって、前記液圧カップリング装置を少なくとも部分的に収容するフロントカバーと、
前記フロントカバーに固定され且つ前記液圧カップリング装置を少なくとも部分的に収容するインペラシェルであって、
前記第1の軸方向とは反対の第2の軸方向に延在する第2のリムと、
前記第2のリムの遠位端にある周方向リングと、
少なくとも1つのインペラブレードとを備える、インペラシェルと、
前記インペラシェルに固定され且つ前記周方向リングによって軸方向に保持された電気ロータとを備え
前記電気ロータは、前記タービンよりも半径方向外側でかつ軸方向において少なくとも一部が前記タービンと重複する位置に配置される、トルクコンバータ。
【請求項2】
前記第2のリムが、前記電気ロータを周方向に保持するための軸方向に延在する半径方向突出部を備える、請求項1に記載のトルクコンバータ。
【請求項3】
前記第2のリムが、前記第1のリムの半径方向外側に配置され且つ前記第2の軸方向において前記第1のリムを超えて軸方向に延在している、請求項1に記載のトルクコンバータ。
【請求項4】
さらに、半径方向タブを備えたクラッチプレートを備え、前記フロントカバーが、前記第1のリムの遠位端から前記第1の方向において軸方向に延在し且つ前記半径方向タブと駆動係合するタブを備える、請求項1に記載のトルクコンバータ。
【請求項5】
さらに、前記インペラシェルに固定されたレゾルバロータを備える、請求項1に記載のトルクコンバータ。
【請求項6】
前記液圧カップリング装置が、液圧ステータおよび一方向クラッチをさらに備えるか、または、ステータのない流体カップリングである、請求項1に記載のトルクコンバータ。
【請求項7】
さらに、
前記フロントカバーに固定された駆動プレートと、
エンジンクランクシャフトに直接固定するために配置されたスプリングリテーナと、
前記駆動プレートおよび前記スプリングリテーナと駆動係合するコイルスプリングとを備える、請求項1に記載のトルクコンバータ。
【請求項8】
さらに、半径方向および軸方向合成軸受を備え、前記フロントカバーが、同じ材料片から形成された一体型カバーハブを備え、前記半径方向および軸方向合成軸受が、前記カバーハブに設置され、エンジンクランクシャフトとインターフェースするように配置されている、請求項1に記載のトルクコンバータ。
【請求項9】
さらに、前記フロントカバーと前記半径方向および軸方向合成軸受との間に軸方向に設置されたダイヤフラムスプリングを備える、請求項8に記載のトルクコンバータ。
【請求項10】
ハイブリッドモジュールであって、
請求項1に記載のトルクコンバータと、
第1の流体流路と、前記第1の流体流路に接続された環状溝とを備えるハウジングと、
前記ハウジングに固定され且つ前記環状溝と軸方向に位置合わせされた開口を含むステータリングと、
前記ステータリングに配置された複数のステータラミネーションであって、前記複数のステータラミネーションのそれぞれが、冷却流体を通過させるための第2の流体流路を形成する開口を備える、複数のステータラミネーションとを備え、
前記複数のステータラミネーションのうちの少なくとも1つが、前記ステータリングの開口を前記第2の流体流路に流体的に接続するための半径方向スロットを備える、ハイブリッドモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2018年8月2日に出願された米国仮特許出願第62/713,584号の優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、一般に、ハイブリッドモジュールに関し、より具体的には、ハイブリッドモジュールにおけるトルクコンバータおよび電気モータ構成に関する。
【背景技術】
【0003】
ハイブリッドモジュールが知られている。2018年7月9日に出願された電気モータのロータおよびステータを冷却するためにクラッチ冷却を使用するためのハイブリッドモジュールにおけるオイル分配というタイトルの共通譲渡の同時係属中の米国特許出願第16/029,992号に1つの例が示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によれば、ハイブリッドモジュール用のトルクコンバータは、液圧カップリング装置と、フロントカバーと、インペラシェルと、電気ロータとを含むことができる。液圧カップリング装置は、インペラおよびタービンを含むことができる。フロントカバーは、第1の軸方向に延在する第1のリムを有することができる。フロントカバーは、液圧カップリング装置を少なくとも部分的に収容することができる。インペラシェルは、フロントカバーに固定されることができ、液圧カップリング装置を少なくとも部分的に収容することができる。インペラシェルは、第1の軸方向とは反対の第2の軸方向に延在する第2のリムと、第2のリムの遠位端の周方向リングと、少なくとも1つのインペラブレードとを有することができる。電気ロータは、インペラシェルの第2のリムに固定され、周方向リングによって軸方向に保持されることができる。
【0005】
第2のリムは、電気ロータを周方向に保持するための軸方向に延在する半径方向突出部を含むことができる。第2のリムは、第1のリムの半径方向外側に配置され且つ第2の軸方向において第1のリムを超えて軸方向に延在することができる。トルクコンバータは、フロントカバーに固定され且つコイルスプリングとの駆動係合のために配置された駆動プレートを含むことができる。第2のリムは、駆動プレートの半径方向外側に少なくとも部分的に配置されることができる。トルクコンバータは、駆動プレート、ピストンプレート、リーフスプリング、およびリベットを含むことができる。駆動プレートは、フロントカバーに固定され且つコイルスプリングとの駆動係合のために配置されることができる。ピストンプレートは、軸方向に変位可能であり且つフロントカバーに回転可能に固定されることができる。リーフスプリングは、ピストンプレートをフロントカバーに接続することができる。リベットは、駆動プレート、フロントカバー、およびリーフスプリングのそれぞれの開口を通って延在し、駆動プレート、フロントカバー、およびリーフスプリングを一体に固定することができる。
【0006】
トルクコンバータは、ピストンプレート、リーフスプリング、およびシールを含むことができる。ピストンプレートは、軸方向に変位可能であり且つフロントカバーに回転可能に固定されることができる。リーフスプリングは、ピストンプレートをフロントカバーに接続することができる。シールは、ピストンプレートの半径方向外側のノッチに配置されることができる。リーフスプリングは、シールをノッチに軸方向に保持するための半径方向外側リングを備えた単一の構成要素として一体的に形成された複数のリーフスプリングを含むことができる。トルクコンバータは、溝を備えた摩擦材料リングを含む摩擦プレートを有することができる。ピストンプレートおよびリーフスプリングは、溝と半径方向に位置合わせされたそれぞれの位置合わせされた開口を有することができる。トルクコンバータは、半径方向タブを備えたクラッチプレートを含むことができる。フロントカバーは、第1のリムの遠位端から第1の方向に軸方向に延在し且つ半径方向タブと駆動係合するタブを有することができる。トルクコンバータは、スナップリングを有することができ、タブは、溝を有することができ、スナップリングは、溝内に配置されてクラッチプレートを軸方向に保持する。
【0007】
トルクコンバータは、インペラシェルに固定されたレゾルバロータを有することができる。レゾルバロータは、少なくとも部分的に軸方向にインペラブレードと位置合わせされることができる。液圧カップリング装置は、液圧ステータおよび一方向クラッチを有することができる。液圧カップリング装置は、ステータのない流体カップリングとすることができる。トルクコンバータは、カバーハブと、カバーハブとエンジンクランクシャフトとの間に設置するためにカバーハブ上に配置された軸受とを有することができる。トルクコンバータは、フロントカバーと軸受との間に軸方向に配置された弾性要素を有することができる。
【0008】
他の実施形態によれば、トルクコンバータ駆動装置は、トルクコンバータ用のフロントカバー、フロントカバーに固定された駆動プレート、スプリングリテーナ、およびコイルスプリングを含むことができる。スプリングリテーナは、エンジンクランクシャフトに直接固定するために配置されることができる。コイルスプリングは、駆動プレートおよびスプリングリテーナと駆動係合することができる。トルクコンバータ駆動装置は、半径方向および軸方向合成軸受を含むことができる。フロントカバーは、同じ材料片から形成された一体型カバーハブを有することができ、半径方向および軸方向合成軸受は、カバーハブに設置されることができ、エンジンクランクシャフトとインターフェースするように配置されることができる。トルクコンバータ駆動装置は、フロントカバーと半径方向および軸方向合成軸受との間に軸方向に設置されたダイヤフラムスプリングを有することができる。
【0009】
他の実施形態によれば、トルクコンバータ用のクラッチ付き駆動装置は、ハブ、フロントカバー、クラッチ、および半径方向パイプを含むことができる。ハブは、エンジンクランクシャフトに直接固定するために配置されることができる。クラッチは、ハブをフロントカバーに解放可能に接続するために配置されることができる。半径方向パイプは、エンジンおよびフロントカバーを回転可能に接続するためにクラッチに作動油を提供するように、ハブと密封係合されることができる。半径方向パイプは、エンジンブロックに固定するために配置されたリングに設置されることができ、ハブは、ハブをリングにシールするための一対の周方向シールを有することができる。クラッチは、適用チャンバを有することができる。ハブは、半径方向パイプおよび適用チャンバを流体的に接続する流路を有することができる。クラッチ付き駆動装置は、クラッチピストンプレートおよびリーフスプリングを有することができる。適用チャンバは、ハブおよびクラッチピストンプレートによって少なくとも部分的に形成されることができる。リーフスプリングは、クラッチピストンプレートをハブに回転可能に固定することができる。
【0010】
クラッチ付き駆動装置は、ハブに固定されたバッキングプレートとクラッチプレートとを有することができる。クラッチピストンプレートは、ハブとクラッチプレートとの間に設置されることができる。クラッチプレートは、クラッチピストンプレートとバッキングプレートとの間に設置されることができる。クラッチ付き駆動装置は、クラッチプレートに固定されたスプリングリテーナと、フロントカバーに固定された駆動プレートと、スプリングリテーナおよび駆動プレートと駆動可能に係合されたスプリングとを含むことができる。クラッチプレートは、スプリングリテーナの一部を受け入れるための開口を有することができ、スプリングリテーナの一部およびクラッチプレートは、開口において少なくとも部分的に半径方向に重なることができる。クラッチは、スプリングリテーナの半径方向外側に配置されることができる。
【0011】
他の例示的な実施形態によれば、ハイブリッドモジュール用のシーリング装置は、エンジンブロックに固定され且つエンジンクランクシャフトにシールされた第1のシールと、エンジンブロックに固定され且つ第1のシールおよびハイブリッドモジュール用のハウジングにシールされた第2のシールとを含むことができる。第1のシールは、第2のシールと接触するリング状軸方向突出部を含むことができる。第2のシールは、金属プレートとハウジングとの間に一体化されたリングシールを備えた金属プレートを含むことができる。シーリング装置は、ボルトを含むことができる。第1のシールおよび第2のシールは、それぞれ位置合わせされた開口を有することができ、ボルトは、開口を通ってエンジンブロック内に延在し、第1のシールおよび第2のシールをエンジンブロックに固定することができる。
【0012】
他の例示的な実施形態によれば、ハイブリッドモジュールは、ハウジング、ハウジングに固定されたステータリング、および複数のステータラミネーションを含むことができる。ハウジングは、第1の流体流路と、第1の流体流路に接続された環状溝とを有することができる。ステータリングは、環状溝と軸方向に位置合わせされた開口を含むことができる。複数のステータラミネーションは、ステータリング内に配置されることができる。複数のステータラミネーションのそれぞれは、冷却流体を通過させるための第2の流体流路を形成する開口を有することができる。複数のステータラミネーションのうちの少なくとも1つは、ステータリングの開口を第2の流体流路に流体的に接続するための半径方向スロットを有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の例示的な態様にかかるハイブリッドモジュールの上半分の断面図を示している。
図2図1のボックス領域2の詳細図を示している。
図3】本開示の例示的な態様にかかるハイブリッドモジュールの上半分の断面図を示している。
図4】本開示の例示的な態様にかかるハイブリッドモジュールの上半分の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施形態が本明細書に記載されている。異なる図面ビューに現れる同様の図面番号は、同一または機能的に類似した構造要素を特定することを理解されたい。また、開示された実施形態は単なる例であり、他の実施形態は様々な代替形態を取ることができることを理解されたい。図は必ずしも縮尺どおりではない。一部の機能は、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または最小化されている場合がある。したがって、本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に、当業者に実施形態を様々に使用するように教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。当業者が理解するように、図のいずれかを参照して図示および説明される様々な特徴は、1つ以上の他の図に示される特徴と組み合わせて、明示的に図示または説明されない実施形態を生み出すことができる。図示された特徴の組み合わせは、典型的な用途についての代表的な実施形態を提供する。しかしながら、本開示の教示と一致する特徴の様々な組み合わせおよび修正は、特定の用途または実装のために望まれる可能性がある。
【0015】
本明細書において使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的とし、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または同等の任意の方法、装置、または材料を本開示の実施または試験に使用することができるが、以下の例示的な方法、装置、および材料がここで説明される。
【0016】
以下の説明は、図1を参照して行われる。図1は、ハイブリッドモジュール100の上半分の断面図を示している。ハイブリッドモジュール100用のトルクコンバータ102は、液圧カップリング装置104、フロントカバー106、インペラシェル108、および電気ロータ110を含む。液圧カップリング装置104は、インペラ112およびタービン114を含む。フロントカバー106は、軸方向118に延在するリム116を含む。フロントカバー106は、液圧カップリング装置104を少なくとも部分的に収容する。インペラシェル108は、フロントカバーに固定され、液圧カップリング装置104を少なくとも部分的に収容する。インペラシェル108は、リム120、周方向リング122、およびインペラブレード124を含む。リム120は、軸方向118と反対の軸方向126に延在している。周方向リング122は、リム120の遠位端128にある。電気ロータ110は、インペラシェルリム120に固定され、周方向リング122によって軸方向に保持される。
【0017】
リム120は、電気ロータを周方向に保持するための軸方向に延在する半径方向突出部130を含む。すなわち、ロータは、2つの構成要素が回転可能に接続されるように突出部130を受け入れるスロットを含む。図1は、突出部を示しているが、他の実施形態も可能である。例えば、リム120は、スロットを含むことができ、ロータは、突出部(図示せず)を含んでもよい。または、他の例示的な実施形態は、2つの構成要素を回転可能に接続する別個の構成要素(すなわち、キーストック)を備えたリム120およびロータ110内のスロットを含むことができる。エンドプレート132は、ロータを軸方向に保持する。エンドプレート132は、例えば、焼き嵌め、ステーキング、または溶接によってリムに固定されることができる。リム120は、リム116の半径方向外側に配置され、軸方向126においてリム116を超えて軸方向に延在している。
【0018】
トルクコンバータ102は、フロントカバーに固定され且つコイルスプリングとの駆動係合のために配置された駆動プレート134を含む。リム120は、駆動プレートの半径方向外側に少なくとも部分的に配置される。トルクコンバータ102は、インペラシェルに固定されたレゾルバロータ136を含む。レゾルバロータは、インペラブレード124と少なくとも部分的に軸方向に位置合わせされている。軸方向に位置合わせされるとは、レゾルバロータおよびインペラブレードを介して同じ半径方向線を引くことができることを意味する。換言すれば、2つの構成要素は、軸方向に位置合わせされる。レゾルバロータは、インペラブレードの半径方向外側にある。トルクコンバータ102は、液圧ステータ138および一方向クラッチ140を含む。
【0019】
トルクコンバータ102は、カバーハブ142および軸受144を含む。軸受144は、カバーハブとエンジンクランクシャフト146との間に設置するためにカバーハブ上に配置される。トルクコンバータ102は、フロントカバーと軸受との間に軸方向に配置された弾性要素148(例えば、ダイヤフラムスプリング)を含む。要素148は、必ずしもトルクコンバータ102を変位させることなく、クランクシャフトの軸方向変位を可能にする。
【0020】
トルクコンバータ駆動装置150は、フロントカバー106、駆動プレート134、スプリングリテーナ152、およびコイルスプリング154を含む。スプリングリテーナは、例えば、ボルト156によってエンジンクランクシャフト146に直接固定するために配置される。コイルスプリングは、駆動プレートおよびスプリングリテーナと駆動係合しており、クランクシャフトからフロントカバーにトルクを伝達する。ハブ142は、フロントカバー106と一体であり、同じ材料片から形成される。ハブ142およびカバー106は、一体的に形成されて示されているが、他の実施形態も可能である。例えば、ハブ142は、以下に説明するように、フロントカバー106に固定された別個の構成要素であってもよい。図1に示す例示的な実施形態では、軸受144は、半径方向および軸方向合成軸受である。すなわち、軸受は、半径方向荷重および軸方向スラスト荷重の双方からクランクシャフトおよびハブを回転可能に分離するために、半径方向転動要素158および軸方向転動要素160を含む。軸受144は、半径方向および軸方向合成軸受として示されているが、他の実施形態も可能である。例えば、軸受144は、以下に説明するように、半径方向または軸方向軸受のみであってもよい。軸受144は、カバーハブ142に設置され、エンジンクランクシャフト146とインターフェースするように配置される。
【0021】
シーリング装置162は、シール164およびシール166を含む。シール164は、エンジンブロック168に固定され、エンジンクランクシャフト146にシールされる。シール166は、エンジンブロックに固定され、シール164およびハウジング170にシールされる。シール164は、シール166と接触するリング状軸方向突出部172を含む。シール166は、金属プレートとハウジングとの間にリングシール176が一体化された金属プレート174を含む。シーリング装置162は、ボルト178を含む。シール164およびシール166は、それぞれ位置合わせされた開口180および182を含む。ボルト178は、開口を通ってエンジンブロック内に延在し、シール164および166をエンジンブロックに固定する。
【0022】
ハイブリッドモジュール100は、ハウジング170、ステータリング184、および複数のステータラミネーション186を含む。ハウジング170は、流体流路188と、流路188に接続された環状溝190とを含む。ステータリング184は、(例えば、ボルト192によって)ハウジングに固定され、環状溝と軸方向に位置合わせされた開口194を含む。ラミネーション186は、ステータリング184に配置される。複数のステータラミネーションのそれぞれは、冷却流体を通過させるための流体流路198の一部を形成する開口196を含む。複数のステータラミネーションのうちの少なくとも1つは、ステータリング開口を流体流路198に流体的に接続するための半径方向スロット199を含む。
【0023】
以下の説明は、図2を参照して行われる。図2は、図1のボックス領域2の詳細図を示している。トルクコンバータ102は、ピストンプレート200、リーフスプリング202、およびリベット204を含む。ピストンプレート200は、軸方向に変位可能であり、フロントカバー106に回転可能に固定される。リーフスプリング202は、ピストンプレートをフロントカバーに接続する。リベット204は、駆動プレートの開口206、フロントカバーの開口208、およびリーフスプリングの開口210を通って延在し、駆動プレート、フロントカバー、およびリーフスプリングを一体に固定する。シール212は、ピストンプレートの半径方向外側ノッチ214に配置される。リーフスプリングは、シールをノッチに軸方向に保持するための半径方向外側リング216を備えた単一の構成要素として一体的に形成された複数のリーフスプリング(図示せず)を含む。
【0024】
トルクコンバータ102は、溝222を有する摩擦材料リング220を備えた摩擦プレート218を含む。ピストンプレート200およびリーフスプリング202は、溝と半径方向に位置合わせされた、それぞれ位置合わせされた開口224および226を含む。トルクコンバータ102は、半径方向タブ230を備えたクラッチプレート228を含む。フロントカバー106は、リム116の遠位端234から方向118に軸方向に延在し且つ半径方向タブ230と駆動係合するタブ232を含む。トルクコンバータ102は、スナップリング236を含む。タブ232は、溝238を含み、スナップリング236は、クラッチプレートを軸方向に保持するために溝に配置される。
【0025】
以下の説明は、図3を参照して行われる。図3は、ハイブリッドモジュール300の上半分の断面図を示している。モジュール300は、以下に説明することを除いて、一般的に上述したモジュール100と同じである。トルクコンバータ302は、液圧カップリング装置304を含む。液圧カップリング装置304は、ステータのない流体カップリングである。すなわち、トルクコンバータ102の液圧ステータ138は、トルクコンバータ302のスペーサブロック338によって置き換えられる。スペーサブロック338のいずれかの側の軸受337および339は、スペーサブロック338、インペラ112およびタービン114の相対的な回転を可能にする。
【0026】
以下の説明は、図4を参照して行われる。図4は、ハイブリッドモジュール400の上半分の断面図を示している。モジュール400は、以下に説明することを除いて、一般的に上述したモジュール100と同じである。モジュール400は、トルクコンバータ402と、トルクコンバータ402用のクラッチ付き駆動装置404とを含む。クラッチ付き駆動装置404は、ハブ406、フロントカバー408、クラッチ410および半径方向パイプ412を含む。ハブ406は、例えば、ボルト156によってエンジンクランクシャフト146に直接固定するために配置される。クラッチ410は、ハブをフロントカバーに解放可能に接続するために配置される。半径方向パイプ412は、エンジンおよびフロントカバーを回転可能に接続するためにクラッチに作動油を提供するように、ハブと密封係合される。
【0027】
半径方向パイプ412は、(例えば、溶接416および金属プレート174によって)エンジンブロックに固定するために配置されたリング414に設置される。ハブ406は、ハブをリングにシールするための周方向シール418および420を含む。クラッチ410は、適用チャンバ422を含む。ハブ406は、半径方向パイプ412および適用チャンバ422を流体的に接続する流路424を含む。クラッチ付き駆動装置404は、クラッチピストンプレート426およびリーフスプリング428を含む。適用チャンバ422は、ハブおよびクラッチピストンプレートによって少なくとも部分的に形成される。リーフスプリングは、クラッチピストンプレートをハブに回転可能に固定する。クラッチ付き駆動装置404は、バッキングプレート430およびクラッチプレート432を含む。バッキングプレートは、ハブに固定される。クラッチピストンプレート426は、ハブとクラッチプレートとの間に設置される。クラッチプレートは、クラッチピストンプレートとバッキングプレートの間に設置される。
【0028】
クラッチ付き駆動装置404は、スプリングリテーナ434、駆動プレート134、およびスプリング154を含む。スプリングリテーナは、リベット436によってクラッチプレート432に固定される。駆動プレートは、リベット204によってフロントカバー408に固定される。スプリングは、スプリングリテーナおよび駆動プレートと駆動係合している。クラッチプレート432は、スプリングリテーナの部分440を受け入れるための開口438を含む。部分440およびクラッチプレートは、開口において少なくとも部分的に軸方向に重なる。クラッチ410は、スプリングリテーナの半径方向外側に配置される。
【0029】
例示的な実施形態が上記に説明されているが、これらの実施形態が、特許請求の範囲に含まれる全ての可能な形態を説明することは意図されていない。本明細書で使用される用語は、限定ではなく説明の用語であり、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解される。前述のように、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、明示的に説明または図示されていない可能性がある本開示のさらなる実施形態を形成することができる。様々な実施形態は、1つまたは複数の所望の特性に関して、利点を提供するか、または他の実施形態または従来技術の実装よりも好ましいと説明できたが、当業者は、1つまたは複数の特徴または特性が損なわれて所望の特定の用途と実装に依存する全体的なシステム属性を達成できることを認識する。これらの属性は、限定されるものではないが、コスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、パッケージング、サイズ、有用性、重量、製造性、組み立てやすさなどを含むことができる。したがって、任意の実施形態が1つまたは複数の特性に関して他の実施形態または従来技術の実装よりも望ましくないと記載される範囲で、これらの実施形態は本開示の範囲外ではなく、特定の用途にとって望ましい可能性がある。
【符号の説明】
【0030】
100 ハイブリッドモジュール
102 トルクコンバータ
104 液圧カップリング装置
106 フロントカバー
108 インペラシェル
110 電気ロータ
112 インペラ
114 タービン
116 リム(フロントカバー)
118 軸方向
120 リム(インペラ)
122 周方向リング
124 インペラブレード
126 軸方向
128 遠位端
130 半径方向突出部
132 エンドプレート
134 駆動プレート
136 レゾルバロータ
138 液圧ステータ
140 一方向クラッチ
142 カバーハブ
144 軸受
146 エンジンクランクシャフト
148 弾性要素
150 トルクコンバータ駆動装置
152 スプリングリテーナ
154 コイルスプリング
156 ボルト(クランクシャフト)
158 半径方向転動要素
160 軸方向転動要素
162 シーリング装置
164 シール(クランクシャフト)
166 シール(ハウジング)
168 エンジンブロック
170 ハウジング
172 リング状軸方向突出部
174 金属プレート
176 一体型リングシール
178 ボルト(エンジンブロック)
180 開口(シール164)
182 開口(シール166)
184 ステータリング
186 ステータラミネーション
188 流体流路(ハウジング)
190 環状溝
192 ボルト(ハウジング)
194 開口(ステータリング)
196 開口(ラミネーション)
198 流体流路(ラミネーション)
199 半径方向スロット
200 ピストンプレート
202 リーフスプリング
204 リベット
206 開口(駆動プレート)
208 開口(フロントカバー)
210 開口(リーフスプリング)
212 シール
214 ノッチ
216 半径方向外側リング
218 摩擦プレート
220 摩擦材料リング
224 開口(ピストンプレート)
226 開口(リーフスプリング)
228 クラッチプレート
232 半径方向タブ(クラッチプレート)
230 タブ(フロントカバー)
234 遠位端
236 スナップリング
238 溝
300 ハイブリッドモジュール
302 トルクコンバータ
304 液圧カップリング装置
337 軸受(インペラ側)
338 スペーサブロック
339 軸受(タービン側)
400 ハイブリッドモジュール
402 トルクコンバータ
404 クラッチ付き駆動装置
406 ハブ
408 フロントカバー
410 クラッチ
412 半径方向パイプ
414 リング
416 溶接
418 周方向シール
420 周方向シール
422 適用チャンバ
424 流路
426 クラッチピストンプレート
428 リーフスプリング
430 バッキングプレート
432 クラッチプレート
434 スプリングリテーナ
436 リベット
438 開口(クラッチプレート)
440 スプリングリテーナ部分
図1
図2
図3
図4