(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】スラリーポンプ用の入口構成要素
(51)【国際特許分類】
F04D 29/42 20060101AFI20230510BHJP
F04D 7/04 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
F04D29/42 E
F04D7/04 H
(21)【出願番号】P 2021519611
(86)(22)【出願日】2018-10-12
(86)【国際出願番号】 AU2018051107
(87)【国際公開番号】W WO2019071318
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】500077328
【氏名又は名称】ウィアー・ミネラルズ・オーストラリア・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WEIR MINERALS AUSTRALIA LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100220065
【氏名又は名称】高梨 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】モスコソ・ラバーニャ,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】チノッティ,ネスター
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン,デビッド・アラン
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0241888(US,A1)
【文献】米国特許第03907456(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0136825(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0030086(US,A1)
【文献】特表2014-502328(JP,A)
【文献】米国特許第05516261(US,A)
【文献】国際公開第2012/012622(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2007/0274820(US,A1)
【文献】米国特許第04143993(US,A)
【文献】特開平09-004585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/42
F04D 7/04
F04D 29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸(Y-Y)を有する本体(3
1)を備えるポンプ
前面部(3
0)であって、前記本体(3
1)は、前記主軸に対して横方向に延在し、対向する第一の側面と第二の側面(63、6
5)を有する側壁セクション(1
5)を含
み、前記本体(31)はさらに入口セクション(32)を含み、前記入口セクション(32)は前記第一の側面(63)から前記主軸の方向に延在し、かつ、前記主軸と同軸である、本体(3
1)と、前記第一の側面と第二の側面(63、6
5)との間に延在する外周側壁またはリム(6
9)であって、前記第二の側面(6
5)が前記外周側壁またはリム(6
9)に隣接する外縁(6
8)および内縁(6
2)を有する、外周側壁またはリム(6
9)と、内側形成物(9
1)と前記内側形成物(9
1)と間隔を置いた関係にある外側形成物(9
2)とを含む前記第二の側面(6
5)の表面(3
7)上の複数の形成物(9
0)であって、前記形成物が、前記主軸(Y-Y)の方向で見たとき、構成において概して円形または環状であり、前記主軸(Y-Y)と概して同心に配置され、前記形成物(9
0)は、前記第二の側面(6
5)の前記表面(3
7)内のチャネルまたは凹部(9
4)の形態であり、前記チャネル
または凹部(9
4)は、断面輪郭において全体的に連続的であり弓状であ
り、前記第二の側面(65)は内側領域(78)を含み、前記内側領域(78)は、前記内縁(62)に向かうにつれ、前記第二の側面(65)から離れる方向に傾斜する、形成物と、を備える、ポンプ
前面部
(30)。
【請求項2】
前記内側形成物(91)が前記第二の側面(65)の前記内側領域(78)に配置されている、請求項1に記載のポンプ前面部(30)。
【請求項3】
前記内側形成物(9
1)が前記内縁(6
2)に隣接し、前記外側形成物(9
2)が前記外縁(6
8)に隣接している、請求項
1に記載のポンプ
前面部
(30)。
【請求項4】
一つ以上の中間形成物(9
3)をさらに含み、前記中間形成物(9
3)は、構成において概して円形の環状であり、前記主軸(Y-Y)と同心に配置され、かつ互いおよび前記内側および外側形成物(
91、92)と間隔を置いた関係にある、請求項1~3のいずれか一項に記載のポンプ
前面部
(30)。
【請求項5】
前記第二の側面(65、18)の前記表面(3
7)は、断面輪郭において全体的に波状である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポンプ
前面部
(30)。
【請求項6】
隣接する形成物(9
0)が、前記チャネルまたは凹部(9
4)のおよそ幅の距離だけ離間している、請求項1~5のいずれか一項に記載のポンプ
前面部
(30)。
【請求項7】
前記形成物(9
0)が全体的に滑らかな側面を有し、前記第二の側面(6
5)の前記表面(3
7)に沿って形成物(9
0)間の滑らかな移行を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のポンプ
前面部
(30)。
【請求項8】
前記形成物(9
0)が、前記表面
(37)の全体的な方向に沿って45°未満で平面から傾斜する形成曲線を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のポンプ
前面部
(30)。
【請求項9】
前記第二の側面(6
5)は、前記主軸
(Y-Y)に対して概して直角のセクションを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のポンプ
前面部
(30)。
【請求項10】
前記内側形成物(91)のサイズは前記外側形成物(92)より小さい、請求項1~9のいずれか一項に記載のポンプ前面部(30)。
【請求項11】
前記内側領域(78)に配置された最大二つの内側形成物がある、請求項1~10のいずれか一項に記載のポンプ前面部(30)。
【請求項12】
前記第二の側面(65)の前記表面(37)は外側領域(76)および中間領域(77)を含み、前記外側領域(76)および前記中間領域(77)は概して前記主軸(Y-Y)に対して直角である、請求項1~11のいずれか一項に記載のポンプ前面部(30)。
【請求項13】
請求項
1~12のいずれか一項に記載
のポンプ
前面部(30)と、スラリーポンプインペラ(40)と、
を組み合わせ
たものにおいて、
- 前記インペラ(40)が、
フロントシュラウド(50)
およびバックシュラウド(51)および複数のポンプ羽根(42)を備え、前
記各シュラウド(50)、(51)が、外面(54)およびインペラ入口(52)を有し、前記インペラ入口(52)は、インペラ回転軸(X-X)と同軸であり、
前記
フロントシュラウド(50
)の前記外面
(54)、および前記ポンプ
前面部の前記第二の側面の前記表面が、その間に外側開口部(82)および内側開口部(83)を有す
るギャップ(80)と互いに面して使用されるように配置される、
請求項1~12のいずれか一項に記載のポンプ前面部(30)と、スラリーポンプインペラ(40)と、を組み合わせたもの。
【請求項14】
前記インペラの前記フロントシュラウド
(50)の前記外面(54)が、外側領域、内側領域およびその間の中間領域であって、
前記フロントシュラウド(50)の前記外面(54)の前記中間領域が、前記インペラ回転軸(X-X)に対してほぼ直角の平面内にあり、
前記フロントシュラウド(50)の前記外面(54)の前記内側領域が前記ポンプ羽根に向かって傾斜している、外側領域、内側領域およびその間に中間領域を含み、前記ポンプ
前面部の前記第二の側面(65)の前記表面(37)は、
外側領域(76)と、内側領域(78)と
、前記外側領域と内側領域との間の中間領域(77)
とを含み、
前記ポンプ前面部の前記内側領域が、前記中間領域から離れる方向で、前記側壁セクションの前記
第一の側面から離れる方向で、かつ前
記フロントシュラウドの前記外面の前記内側領域を概ね追従する方向に延在し、
前記側壁セクションの前記第二の側面の前記表面は、前記ギャップ
の断面寸法が、前記中間領域内の前記インペラ回転軸(X-X)に向かう方向に増加し、前記内側領域が前記内側開口部(83)で終結するように構成される、請求項
13に記載の組み合わせ
たもの。
【請求項15】
請求項14に記載の組み合わせたものにおいて、前記フロントシュラウド(50)の前記外面(54)の前記内側領域(72)と前記ポンプ前面部(30)の前記第二の側面(65)の前記表面(37)の前記内側領域(78)との間の前記ギャップ(80)の寸法は、前記内縁(62)に向かって前記中間領域(77)からの方向に減少する、組み合わせたもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して遠心ポンプに関し、より詳細にはスラリーポンプに関する。スラリーは、通常、液体と粒子状の固体の混合物であり、鉱物加工、砂、および砂利、ならびに/または、浚渫業界で一般的に見出される。本開示は、特に、ポンプライナの一部を形成し得る改善されたポンプ側面構成要素に関する。ポンプ側面構成要素は、一部の用途では、ライニングされていないポンプの一部を形成してもよく、これは、別個のライナを有しないポンプケーシングを有するポンプである。
【背景技術】
【0002】
遠心スラリーポンプの一形態は、概してライナを収納する外側ポンプケーシングを備える。ライナは、その中にボリュート、半ボリュート、または同心構成でありうるポンプチャンバを有し、ポンプチャンバ内で回転のために取り付けられるインペラを受けるように配置される。駆動シャフトは、その回転を引き起こすためにポンプインペラに動作可能に連結され、駆動シャフトは一方の側面からポンプケーシングに入る。ポンプは、駆動シャフトに対して典型的には同軸であり、駆動シャフトに対してポンプケーシングの反対側に位置する、ポンプ入口をさらに含む。また、典型的にはポンプケーシングの外周に位置する排出出口もある。ライナは、メインライナ(ボリュートとも呼ぶ)と、外側ポンプケーシング内に収納されている前面および後面ライナとを含む。前面ライナは、しばしば、フロントライナ吸引プレートまたはスロートブッシュと呼ばれる。後面ライナは、しばしばフレームプレートライナインサートと呼ばれる。
【0003】
インペラは、典型的には、駆動シャフトが動作可能に連結されたハブと、少なくとも一つのシュラウドとを含む。ポンプ羽根は、隣接するポンプ羽根間の排出通路を有するシュラウドの一方の側面上に提供されている。インペラは、二つのシュラウドがその間に配置されるポンプ羽根を備える密閉タイプであってもよい。シュラウドは、しばしば、ポンプ入口に隣接するフロントシュラウドおよびバックシュラウドと呼ばれる。これはまた、一つのシュラウドのみを備える開放面タイプのものであってもよい。
【0004】
スラリーポンプの主要な摩耗領域の一つは、前部および後部のサイドライナである。スラリーは、中央または目でインペラに入り、その後、インペラの外周まで、およびポンプケーシング内に吐出される。ケーシングと眼との間に圧力差があるため、スラリーはサイドライナとインペラとの間にあるギャップに移行しようとする傾向があり、結果としてサイドライナ上の摩耗が高くなる。
【0005】
ギャップの領域における摩耗を低減しようとするために、スラリーポンプがインペラのフロントシュラウド上に補助羽根または吐出羽根を有することが慣行となってきた。補助羽根または吐出羽根はまた、バックシュラウド上に提供されてもよい。吐出羽根は、ギャップ内でスラリーを回転させ、遠心場を生成し、それゆえ、戻り流に対する駆動圧力を減少させ、流れ速度を減少させ、従ってサイドライナ上の摩耗を減少させる。これらの補助羽根の目的は、ギャップを通る流れの再循環を減少させることである。これらの補助羽根はまた、このギャップ内の比較的大きな固体粒子の流入を減少させる。補助羽根は、特に、ギャップ内のスラリー混合物中のより大きな固体粒子を取り扱うのに効果的であるが、側面部の表面にすぐ隣接しているスラリー混合物中のより小さな粒子を取り扱うのにあまり効果的ではない場合がある。
【発明の概要】
【0006】
第一の態様では、粒子状物質を含む流体混合物をポンプ注入するための遠心スラリーポンプと併用するためのポンプ側面部であって、 主軸を有し、主軸に対して横方向に延在し、かつ対向する第一および第二の側面を有する側壁セクションを含む本体と、内側形成物と内側形成物と間隔を置いた関係にある外側形成物とを含む、第二の側面の表面上の複数の形成物であって、形成物は、使用中、形成物が、表面に隣接した粒子状物質を表面から分離させる表面にわたる流体混合物の流れを生成するように構成される、形成物と、を備えるポンプ側面部の実施形態が開示される。
【0007】
特定の実施形態では、本体は、第一の側面と第二の側面との間に延在する外周側壁またはリムを含み、第二の側面は、外周側壁またはリムに隣接する外縁および内縁を有し、形成物は、主軸の方向に見たとき、構成において概ね円形または環状であり、主軸と概して同心に配置される。
【0008】
第二の態様では、主軸を有する本体であって、主軸に対して横方向に延在し、かつ対向する第一および第二の側面を有する側壁セクションを含む、本体と、第一の側面と第二の側面との間に延在する外周側壁またはリムであって、第二の側面は、外周側壁またはリムに隣接する外縁および内縁を有する、外周側壁またはリムと、内側形成物と内側形成物と間隔を置いた関係にある外側形成物とを含む、第二の側面の表面上の複数の形成物であって、形成物は、主軸の方向に見たとき、構成において概して円形または環状であり、主軸と概して同心に配置される、形成物と、を備えるポンプ側面部の実施形態が開示される。
【0009】
特定の実施形態では、内側形成物は内縁に隣接し、外側形成物は外縁に隣接している。
【0010】
特定の実施形態では、側面部は、一つ以上の中間形成物をさらに含み、中間形成物は、概して、構成が円形の環状であり、主軸と同心に配置され、互いならびに内側および外側形成物と間隔を置いた関係で配置される。
【0011】
特定の実施形態では、形成物は、第二の側面の表面内でチャネルまたは凹部の形態である。
【0012】
特定の実施形態では、チャネルは、断面輪郭において全体的に連続的であり、弓状である。
【0013】
特定の実施形態では、第二の側面の表面は、断面輪郭において、全体的に波状である。
【0014】
特定の実施形態では、隣接する形成物は、チャネルまたは凹部の幅のおよその距離だけ離間している。
【0015】
特定の実施形態では、形成物は全体的に滑らかな側面を有し、第二の側面の表面に沿った形成物間の滑らかな移行を含む。
【0016】
特定の実施形態では、形成物は、表面37、16の全体的な方向に沿って45°未満で平面から傾斜する形成曲線を含む。
【0017】
特定の実施形態では、第二の側面は、主軸に対して概して直角であるセクションを含む。
【0018】
特定の実施形態では、本体は、主軸の方向に第一の側面から延在し、かつ概してそれと同軸の入口セクションをさらに含む。
【0019】
特定の実施形態では、第二の側面は、入口セクションに向かって傾斜するセクションを含む。
【0020】
特定の実施形態では、ポンプ側面部は背面部である。
【0021】
特定の実施形態では、ポンプ側面部は前面部である。
【0022】
第三の態様では、上述のスラリーポンプ側面部とスラリーポンプインペラとの組合せの実施形態が開示されており、インペラが、一つ以上のシュラウドおよび複数のポンプ羽根を備え、そのまたは各シュラウドが、外面およびインペラ回転軸と同軸であるインペラ入口を有し、インペラシュラウドの外面およびポンプ側面部の第二の側面の表面が、その間に外側開口部と内側開口部を有する外側ギャップを有するギャップと互いに面して使用されるように配置される。
【0023】
特定の実施形態では、インペラのフロントシュラウド外面が、外側領域、内側領域およびその間に中間領域を含み、中間領域が、インペラ回転軸に対して概して直角な平面にあり、内側領域がポンプ羽根に向かって傾斜し、ポンプ部の第二の側面の表面が、内側領域および入口セクションに向かう方向に前述の平面から傾斜する外側領域と内側領域との間の中間領域を有する外側領域を含み、内側領域が、中間領域から離れる方向で、側壁セクションの前側面から離れる方向で、かつインペラフロントシュラウドの外面の内側領域を概ね追従する方向に延在し、インペラフロントシュラウドの外面およびポンプ側面部の第二の側面の表面が、その間に外側開口部と内側開口部とを有するギャップと互いに面して使用されるように配置され、側壁セクションの第二の側面の表面は、ギャップの断面寸法が、中間領域内のインペラ回転軸に向かう方向に増加し、内側領域が内側開口部で終結するように構成される。
【0024】
他の態様、特徴、および利点は、本開示の一部であり、例として、開示された発明の原理を例証する添付図面と併せて参照すれば、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
概要に記載される方法および装置の範囲内であり得る任意の他の形態にもかかわらず、方法および装置の特定の実施形態を、例として、添付図面を参照してこれから説明する。
【
図1】
図1は、ポンプ装置の一つの形態の概略的な部分断面側面図である。
【
図2】
図2は、ポンプ装置の一部のより詳細な概略的な部分断面側面図である。
【
図3】
図3は、一実施形態によるポンプ側面部の部分切欠斜視図である。
【
図4】
図4は、別の実施形態によるポンプ側面部の断面図である。
【
図5】
図5は、別の実施形態によるポンプ側面部の断面図である。
【
図6】
図6は、別の実施形態によるポンプ側面部の一部のより詳細な図である。
【
図7】
図7は、別の実施形態によるポンプ側面部の上部のより詳細な断面図である。
【
図8】
図8は、その上に現れる形成物に対する関係を示す
図7の側面部のさらなる画像である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
特に図面の
図1を参照すると、ポンプ10と、ポンプ10が取り付けられる台座または基部112の形態のポンプハウジング支持体とを備える、全体的に図示されたポンプ装置200がある。台座は、ポンプ業界ではフレームとも呼ばれている。ポンプ10は、概して、二つの側面ケーシングセクション23、24の外周の周りに一緒に接合される、二つの側面ケーシング部またはセクション23、24(フレームプレートおよびカバープレートとしても知られる)から形成される外側ケーシング22を備える。ポンプ10は、側面開口部で形成され、その一方が入口穴28であり、さらに排出出口穴29が存在し、プロセスプラントで使用される場合、ポンプは、入口穴28および出口穴29への配管によって連結され、例えば、鉱物スラリーのポンピングを容易にする。
【0027】
ポンプ10は、外側ケーシング22内に配置されるポンプ内側ライナ11をさらに含み、ポンプ内側ライナ11にはメインライナ12および二つのサイドライナ14、30が含まれる。サイドライナ14は、ポンプ10の後端部(すなわち、台座または基部112に最も近い)により近く配置され、他方のサイドライナ(またはフロントライナ)30は、ポンプの前端部および入口穴28により近く配置される。サイドライナ14はまた、背面部またはフレームプレート内側インサートとも呼ばれ、サイドライナ30は、前面部またはスロートブラシとも呼ばれている。メインライナは、その中に二つの側面開口部を含む。
図2に示すように、背面ライナ14は、内縁17および外縁13を有する、円盤状の本体100を備える。本体100は、側面16を有する第一の側面15および第二の側面18を有する。
【0028】
図1に示すように、外側ケーシング22の二つの側面ケーシング部23、24は、ポンプが使用のために組み立てられる時に、ケーシング部23、24の外周の周りに配置されたボルト27によって一緒に接合される。いくつかの実施形態では、メインライナ12はまた、側面ケーシング部23、24のそれぞれ内で組み立てられ、単一のメインライナを形成するために一緒にまとめられた、二つの別個の部分からなってもよいが、
図1に示す例では、メインライナ12は、自動車のタイヤに類似した形状の一体成形で作製される。ライナ11は、ゴム、エラストマー、または金属などの材料で作製されてもよい。
【0029】
ポンプが組み立てられる時、メインライナ12の側面開口部は、二つのサイドライナ14、30によって充填されるか、またはそれらを受けて、ポンプ外側ケーシング22内に配置された連続ライナ付きポンプチャンバ42を形成する。シールチャンバハウジング114は、サイドライナ(または背面部)14を封入し、駆動シャフト116と台座または基部112との間の空間またはチャンバ118を封止して、外側ケーシング22の後部領域からの漏れを防止するよう配置される。シールチャンバハウジングは、円形ディスクセクションおよび中央穴を有する環状セクションの形態をとり、一つの配置で、スタッフィングボックス117として知られている。スタッフィングボックス117は、サイドライナ14に隣接して配置され、台座112とシャフトスリーブと駆動シャフト116を囲むパッキングとの間に延在する。
【0030】
図1および
図2に示すように、インペラ40は、メインライナ12内に配置され、回転軸X-Xの周りを回転するよう適合される駆動シャフト116に取り付けられるか、または動作可能に連結される。モータドライブ(図示せず)は、通常、プーリーによって、台座または基部112の後ろの領域にあるシャフト116の露出した端部に取り付けられる。インペラ40の回転は、流体(または固体-液体混合物)をポンプで送り出して、メインライナ12およびサイドライナ14、30内にあるポンプチャンバ42を通って入口穴に連結されたパイプから進め、排出出口穴を介してポンプから排出させる。
【0031】
インペラ40は、ハブ41を含み、そこから複数の円周方向に離間したポンプ羽根43が延在する。目部分47は、フロントライナ30の通路33に向かってハブ41から前方に延在する。インペラ40は、フロントシュラウド50およびバックシュラウド51、その間に配置され延在する羽根43、およびインペラ入口48を含む。ハブ41は、バックライナ14の穴17を通って延在する。
【0032】
インペラフロントシュラウド50は、内面55、外面54および外周縁部56を含む。バックシュラウド51は、内面53、外面52および外周縁部57を含む。フロントシュラウド50は、インペラ入口である入口48を含み、羽根42はシュラウド50、51の内面の間に延在する。シュラウドは、一般に、回転軸X-Xの方向に、立面で見た時に円状または円盤形状である。
【0033】
図2に示すように、各インペラシュラウドは、その外面52、54上に複数の補助羽根または吐出羽根を有し、フロントシュラウド50の外面54上に第一の補助羽根60のグループ、およびバックシュラウド51の外面52上に第二の補助羽根61のグループがある。
【0034】
特に
図3および
図6に示すように、図示された形態で、前面部30(フロントライナまたはスロートブラシとも呼ぶ)を含む側面部は、ポンプが使用されている時にスラリーがポンプチャンバ42に入る円筒形の送達セクションまたは入口セクション32を含む本体31を含む。送達セクション32は、その中に通路33を有し、第一の最外端34は、供給パイプ(図示せず)およびチャンバ42に隣接する第二の最内端35に動作可能に連結可能である(
図2)。フロントライナ30は、メインライナ12と使用中に嵌合して、ポンプチャンバ42を前方端で形成し封入する側壁セクション15をさらに含む。フロントライナ30の第二の端部35は、その上に隆起したリップ38を有し、このリップ38は、組み立てられた位置にあるとき、インペラ40との緊密な対向関係に配置される。
【0035】
前面部30は、組み立てられた位置で、インペラ回転軸X-Xと同軸である主軸Y-Yまたは中心軸Y-Y(
図4および
図5)を有する。側壁セクション15は、第一の対向する側面63と第二の対向する側面65を含み、第一の側面63は、組み立てられた位置にある時にインペラ40から外向きに面する。送達または入口セクション32は、側壁セクション15を通って、インペラ40から外向きに延在する。第一の側面63および第二の側面65は、対向する表面36および37を有する。側面は、一方の縁部67から他方68に延在する縁または外周側壁69を備える外縁67および68を有する。第二の側面65はまた、通路33に隣接する内縁61を有する。
【0036】
図4および
図5に示すように、インペラ40は、フロントシュラウド50、バックシュラウド51、およびその間に複数のポンプ羽根42を備え、フロントシュラウド50は、フロントシュラウド50を通って延在する外面54とインペラ入口52とを有し、インペラ入口52は、インペラ回転軸X-Xと同軸であり、フロントシュラウド外面54は、(外側領域70、インペラ回転軸X-Xに対して概して直角な平面にある中間領域71、およびポンプ羽根42に向かって傾斜する内側領域72を含む。
【0037】
図4および
図5は、二つの異なる実施形態を示す。
図4および
図5では、第二の側面65の表面37は、外側領域76、中間領域77、および内側領域78を含む。
図4の実施形態では、外側領域76および中間領域77は、主軸Y-Yに対して概して直角にある。内側領域78は、インペラに向かって内向きに傾斜し、インペラフロントシュラウド50の外面54の内側領域72に概ね追従する。
【0038】
図5の実施形態では、中間領域77は、入口セクションに向かう方向に外側領域を含む平面から傾斜している。内側領域は、
図4の内側領域と類似した構成である。
【0039】
インペラフロントシュラウド50の外面およびポンプ側面部30の第二の側面の表面は、その間に外側開口部82と内側開口部83とを有するギャップ80と互いに面して使用されるように配置され、側壁セクションの第二の側面が、
図5の場合、ギャップ80の断面寸法が、中間領域内のインペラ回転軸X-Xに向かう方向に増加し、内側領域が内側開口部83で終結するように構成される。
【0040】
インペラフロントシュラウド50の外面54の内側領域72とポンプ側面部30の表面の内側領域78との間のギャップ80の寸法は、内縁62に向かって中間領域77からの方向に減少する。
【0041】
図6に詳細に示すように、第二の側面の表面37は、その上に一連の離間した形成物90を有し、最内側形成物91と、その間に一つ以上の中間形成物93を有する最外側形成物92とを含む。示されるように、形成物は概して円形または環状であり、主軸Y-Yに対して同心に配置される。最外側形成物は、第二の側面65の外縁68に隣接し(外縁68にあるか、またはその領域にある)、最内側形成物は内縁61に隣接している(内縁61にあるか、またはその領域にある)。
図3で最もよく分かるように、形成物は、第二の側面の表面全体に実質的に分布している。
図6に最もよく図示されるように、第二の側面65の表面37の内側領域78は、その上に二つの形成物91を有するが、表面37の他方の部分は、その上に六つの形成物90を有する。
【0042】
図6に示す実施形態では、内側領域78は、表面37の他の部分の形成物よりも小さなサイズの形成物91を含む。
図6の実施形態に示される内側領域78の長さのサイズのため、内側領域は、最大二つの形成物91を含むことが好ましい。
【0043】
図6および
図7は、背面部またはフレームプレートライナ14の形態のポンプ側面部のさらなる実施形態を示す。背面部14は、内縁17および外縁13を有する、円盤状の本体100を備える。本体100は、側面16を有する第一の側面15および第二の側面18を有する。背面部14の本体は、主軸Y-Yおよび対向する第一の側面15と第二の側面18を有する主軸Y-Yに対して横方向に延在する側壁セクション130を含む。背面部14はまた、第一の側面15と第二の側面18との間に延在する外周側壁またはリム13を含む。第二の側面18は、外周側壁またはリム13に隣接する外縁133および内縁17を有する。複数の形成物95は、内側形成物131および内側形成物131と間隔を置いた関係にある外側形成物132を含む第二の側面18の表面16上に位置し、形成物95は、主軸(Y-Y)の方向に見た時に構成において概ね円形または環状であり、主軸(Y-Y)と概ね同心に配置される。内側形成物131は、内縁17に隣接しており、外側形成物132は、外縁133に隣接している。背面部14は、構成が概ね円形の環状であり、主軸(Y-Y)と同心に配置され、かつ互いにならびに内側形成物131および外側形成物132と間隔を置いた関係にある中間形成物134をさらに含む。
【0044】
形成物は、表面37、16のチャネルまたは凹部94、136の形態であってもよいが、代替的な実施形態では、表面37、16から延在する隆起した突出部の形態であってもよい。
図6、
図7、および
図8で最もよく分かるように、形成物90、95は、湾曲輪郭を有し、それによって、形状が概ね正弦曲線状であってもよい、概して波状の表面を提供する。示されるように、形成物90、95は、のような連続的なまたは途切れのない同心環状チャネル94、136または凹部の形態である。
【0045】
形成物90、95は、表面37、16に沿った形成物間の概して滑らかな側面および滑らかな移行を有してもよく、形成物は、表面37、16の全体的な方向に沿って45°未満で平面140、142、143から傾斜した形成曲線を含む。さもなければ、第二の側面37、16の表面に沿った形成物90、95の間の移行は、表面37、16の全体的方向に沿った平面から45°超傾斜する任意の部分または中間表面からは存在しない。
【0046】
別の実施形態では、
図8を参照すると、形成物は、チャネル94、136の形態で表面37、16の中へと入り、チャネルの奥行きは、表面37、16の全体的方向に沿った平面110に対して描写される。図示されるように、チャネル94、136の湾曲した形状は、平面110を有するセグメントを形成し、セグメントの弧を含む大きさの円は中心113を有する。セグメントのサジッタ(セグメントの弧の高さとしても知られる)は、中心113を有する円の半径よりも小さい。好ましい形態では、サジッタは、セグメントの弧を含む大きさの円の半径の長さの70%未満である。好ましい形態では、サジッタは、セグメントの弧を含む大きさの円の半径の長さの50%未満である。形成物の構造と同じ関係が、
図6に示される前面部37に適用されてもよい。
図4、
図5および
図6に示すような前面部の実施形態を考慮すると、表面の全体的な方向の平面は、これらのそれぞれの領域上に現れる形成物に関連するとき、内側領域78、中間領域77および外側領域76の表面の全体的な方向に追従する。
【0047】
別の実施形態では、形成物は、チャネル94、136の形態であり、断面形状は、形成物を構成する(円の)弧が接線方向の様式で互いに接続するような形状である。
【0048】
形成物90、95は、ポンプ側面部の第二の側面65、18の表面37、16に隣接したスラリー混合物に作用し、流れに起伏運動を生じさせ、それによって表面に隣接した粒子は、内面から剥離されるか、またはより分離される傾向がある。さもなければ、ポンプ側面部の表面37、16にわたる形成物90、95の分布は、粒子の乱流を生じさせ、特定の局所的位置での沈殿を減少させ、それによって、遠心スラリーポンプが使用中であるときの局所的摩耗を減少させる。
【0049】
特定の実施形態では、本明細書に記載のポンプ側面部14、30は、スラリーの形態での固体の輸送に関係する遠心スラリーポンプで使用される。遠心スラリーポンプの用途は、スラリーが輸送される鉱業でよく見られる。ポンプ側面部は、スラリーが、遠心ポンプアセンブリの封止ギャップを通過しなければならない遠心スラリーポンプの領域に位置する。結果として、ポンプ側面部14、30と接触するスラリー材料は、典型的には、平均直径300ミクロンの粒子サイズを有し得る。ポンプ側面部と接触するスラリー材料はまた、100ミクロン~1000ミクロンの範囲の粒子サイズの直径を有してもよい。ポンプ側面部と接触するスラリー材料はまた、1.5~3.8の比重を有してもよい。
【0050】
実験シミュレーション
市販のソフトウェアANSYS CFXを使用して、現在知られている側面部を、開示された形態の形成物を有する側面部と比較して、側面部の様々な設計における流れパターンをシミュレートするために、計算実験を実施した。このソフトウェアでは、数値流体力学(CFD)法を適用して、ポンピングする流体の速度場を解析する。ソフトウェアは、関心対象の多くの他の変数を解析することができるが、速度および渦度が、考慮された変数である。
【0051】
シミュレーションは、記載されるような形成物を有する側面部が、従来的な側面部と比較して、異なるBEP流量に対する側面部とインペラとの間のギャップの領域におけるスラリーの速度の減少を引き起こしたことを示した。これにより、構成要素の摩耗が低減した。
【0052】
既知のように、前面部またはライナは、封止機能を提供し、インペラによって通電された流体が吸引主流に戻るのを抑制する。一般に、インペラとこのサイドライナとの間のギャップは非常に小さい(例えば、0.5~5mm)。この近接性は、遠心スラリーポンプの場合、部品が耐える高い浸食率の原因であり、結局は最短の寿命サイクルを有する構成要素となる。この緊密な近接により、全体的な性能に影響を与えることなく摩耗寿命を改善することを目的とした形状変更の選択肢が低減される。
【0053】
回転するインペラと静止側面部またはライナとの間のギャップに入る液体-固体混合物は、その表面上に非常に侵食性作用を有し、その表面はインペラに隣接し、かつそれに面する内面である。この浸食の程度は、ポンプのパラメータおよび混合物の特性に依存するが、原理は、基本的には、構成要素上の流体の流れであるが、同時にポンプの性能を維持するよう努めることである。
【0054】
形成物は、ポンプ側面部の第二の側面の表面に隣接したスラリー混合物に作用し、流れに起伏運動させ、それにより表面に隣接した粒子は、内面から剥離されるか、またはより分離される傾向がある。剥離を引き起こすことによって、表面に隣接する流れの中の粒子によって引き起こされる、浸食作用および摩耗が低減される。特定の実施形態では、ギャップ幅は、表面の外周での最小幅から開始し、インペラ/ライナの目領域に近い最大距離まで変化し、その後、内縁で最小距離に近づいてもよい。
【0055】
進歩的な幅広インペラ側面ライナギャップは、ライナ表面に近い混合物流れ層の速度および侵食作用を低減する。溝は、粒子の沈降効果を減少させ、浸食に耐える代替的な表面として作用する効果を有する。
【0056】
好ましい実施形態の前述の説明において、特定の用語は、明確性のために再分類されてきた。しかしながら、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図しておらず、各特定の用語は、同様の技術的目的を達成するために同様の方法で動作するすべての技術的等価物を含むことが理解されるべきである。「上部(top)」および「低部(bottom)」、「前方(front)」および「後方(rear)」、「内側(inner)」および「外側(outer)」、「上(above)」、「下(below)」、「上方(upper)」および「下方(lower)」に類する用語は、参照点を提供するために好都合な用語として使用され、限定する用語として解釈されるべきではない。
【0057】
本明細書における任意の先行の刊行物(または先行の刊行物に由来する情報)、または既知の任意の物質への言及は、先行の刊行物(または先行の刊行物に由来する情報)または既知の物質が、本明細書が関連する努力の分野における共通の一般知識の一部を形成する、承認もしくは許可またはいかなる形態の提案としても受け取られることはなく、かつそうすべきではない。
【0058】
本明細書では、「備える(comprising)」という用語は、「制約のない」意味、すなわち、「含む(including)」という意味で理解されるべきであり、それゆえ、その「制約がある」意味、すなわち、「のみからなる」という意味に限定されない。対応する意味は、対応する用語が現れる場合、対応する用語の「備える(comprise)」、「備えた(comprised)」、および「備える(comprises)」に起因する。
【0059】
追加で、前述は、本発明の一部の実施形態のみを記載しており、変更、修正、追加および/または変化は、開示された実施形態の範囲および趣旨から逸脱することなく行うことができるが、実施形態は例示であり、限定するものではない。
【0060】
さらに、本発明(複数可)は、現在最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関連して記載されており、本発明は、開示された実施形態に限定されないが、逆に、本発明の趣旨および範囲内に含まれる様々な修正および同等の配置を網羅することが意図されることが理解されるべきである。また、上述の様々な実施形態は、他の実施形態と併せて実施されてもよく、例えば、一つの実施形態の態様は、別の実施形態の態様と組み合わせて、さらに他の実施形態を実現してもよい。さらに、任意の所与の組立品の各独立した特徴または構成要素は、追加の実施形態を構成しうる。
【0061】
以下の特許請求の範囲における参照番号は、それぞれの特許請求の範囲をいかなる方法でも制限するものではない。
部品表
ポンプ装置 200
ポンプ 10
台座または基部 112
外側ケーシング 22
側面ケーシング部またはセクション 23、24
入口穴 28
出口穴 29
ポンプ内側ライナ 11
メインライナ 12
サイドライナ 14、30
本体 100
第一の側面 15
第二の側面 18
側面 16
ポンプチャンバ 42
シールチャンバハウジング 114
チャンバ 118
駆動シャフト 116
スタッフィングボックス 117
インペラ 40
ハブ 41
ポンプ羽根 43
眼部分 47
通路 33
フロントシュラウド 50
バックシュラウド 51
インペラ入口 48
穴 17
内面 55
外面 54
外周縁部 56
内面 53
外面 52
外周縁部 57
ポンプ羽根 43
補助羽根 60
補助羽根 61
本体 31
入口セクション 32
最外端 34
最内端 35
リップ 38
第一の側面 63
第二の側面 65
外縁 67、68
外周側壁 69
内縁 61
インペラ入口 52
外側領域 70
中間領域 71
内側領域 72
表面 37
外側領域 76
中間領域 77
内側領域 78
ギャップ 80
外側開口部 82
内側開口部 83
二つの形成物 90
内側形成物 91
最外側形成物 92
中間形成物 93
外縁 13
側壁セクション 130
外縁 133
形成物 95
外側形成物 132
形成物 134
凹部 94、136
平面 140,142,143
平面 110
中心 113