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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-09
(45)【発行日】2023-05-17
(54)【発明の名称】トラス構造を有するウェアラブル椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 9/00 20060101AFI20230510BHJP
   A47C 9/02 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
A47C9/00 Z
A47C9/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021523810
(86)(22)【出願日】2019-02-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 KR2019002151
(87)【国際公開番号】W WO2020091152
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】10-2018-0133329
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】ベ、キヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、キョンモ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ギュジュン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ジュヨン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン、ドンジン
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104970607(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108670733(CN,A)
【文献】国際公開第2018/090047(WO,A1)
【文献】米国特許第04138156(US,A)
【文献】実開昭62-114410(JP,U)
【文献】特開昭51-022096(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03375414(EP,A1)
【文献】米国特許第04932719(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 9/00
A47C 9/02
A61F 5/052
A61F 5/058
A61H 3/02
A61H 3/00
A45B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に延びて着用者の大腿部に連結された上部ロッドと;
長さ方向に延びて着用者の下腿部に連結され、上端部が回転中心を介して上部ロッドの下端部と互いに相対回転可能に結合され、下端部は着用者の着座時に地面に接触する下部ロッドと;
上端部は上部ロッドにおけるスライド阻止位置が可変できるように上部ロッドにスライド可能に結合され、下端部は下部ロッドに回転可能に結合されることにより、着用者の着座時に上部ロッドと下部ロッドとの間で長さ方向に圧縮力を支持する支持ロッドと;を含み、
上部ロッドにおける支持ロッドの上端部のスライド阻止位置が可変されることにより、着用者の着座時に上部ロッドおよび下部ロッドの回転中心と支持ロッドとの間の直線距離が可変され
支持ロッドの上端部および下端部は、上部ロッドまたは下部ロッドの内部に一部が挿入された状態でスライド可能または回転可能に結合され、
下部ロッドが上部ロッドの内部で回転可能に結合され、下部ロッドが上部ロッドと互いに畳まれる方向に相対回転すると、支持ロッドの一部が下部ロッドの内部に挿入された状態で下部ロッドの一部が上部ロッドの内部に挿入されることを特徴とする、トラス構造を有するウェアラブル椅子。
【請求項2】
上部ロッドに上部ロッドの長さ方向にスライド可能に結合されるが、複数の位置でスライドが阻止されるように上部ロッドに固定可能に結合されたスイッチ;をさらに含み、
スイッチが上部ロッドに固定されることにより、支持ロッドの上端部がスイッチによって支持されて支持ロッドのスライドが阻止されることを特徴とする、請求項1に記載のトラス構造を有するウェアラブル椅子。
【請求項3】
スイッチの一側端部には上部ロッド側に突出した結合突起が形成され、上部ロッドの複数の位置には結合溝が形成されることにより、結合突起が結合溝に挿入されるときにスイッチと上部ロッドとの間のスライドが阻止されるように固定されることを特徴とする、請求項に記載のトラス構造を有するウェアラブル椅子。
【請求項4】
スイッチは、結合突起が形成された本体部と、本体部に回転可能に結合され、一端部に第1ベアリングが形成された回転部とから構成され、
回転部が本体部を基準に相対回転すると、第1ベアリングが結合突起の突出方向に露出され、結合突起が結合溝から離脱することを特徴とする、請求項に記載のトラス構造を有するウェアラブル椅子。
【請求項5】
本体部には結合突起の突出方向と反対の方向に突出した支持台が形成され、回転部の他端部が支持台に対して斜め方向に延びて回転部の他端部が支持台側に加圧されることにより、回転部が本体部を基準に回転することを特徴とする、請求項に記載のトラス構造を有するウェアラブル椅子。
【請求項6】
スイッチと上部ロッドとにそれぞれ磁石が設けられており、スイッチの結合突起が上部ロッドの結合溝内に挿入された際に、スイッチに設けられた磁石と上部ロッドに設けられた磁石とが互いに対向して、スイッチに設けられた磁石と上部ロッドに設けられた磁石との間に引力が作用することを特徴とする、請求項に記載のトラス構造を有するウェアラブル椅子。
【請求項7】
スイッチには、磁石が結合突起と離隔して複数設けられ、
上部ロッドには、磁石が、スイッチの結合突起が上部ロッドの結合溝内に挿入されるスイッチの位置で、スイッチに設けられた複数の磁石にそれぞれ対応して設けられることを特徴とする、請求項に記載のトラス構造を有するウェアラブル椅子。
【請求項8】
長さ方向に延びて着用者の大腿部に連結された上部ロッドと;
長さ方向に延びて着用者の下腿部に連結され、上端部が回転中心を介して上部ロッドの下端部と互いに相対回転可能に結合され、下端部は着用者の着座時に地面に接触する下部ロッドと;
上端部は上部ロッドにおけるスライド阻止位置が可変できるように上部ロッドにスライド可能に結合され、下端部は下部ロッドに回転可能に結合されることにより、着用者の着座時に上部ロッドと下部ロッドとの間で長さ方向に圧縮力を支持する支持ロッドと;を含み、
上部ロッドにおける支持ロッドの上端部のスライド阻止位置が可変されることにより、着用者の着座時に上部ロッドおよび下部ロッドの回転中心と支持ロッドとの間の直線距離が可変され、
下部ロッドの長さ方向にスライド可能に下部ロッドに結合されたスライド部と;
着用者の下腿部に直接結合された下腿固定部と;
一端が下腿固定部の上部に結合され、他端がスライド部に回転可能に結合された第1連結部と;
一端が下腿固定部の下部に回転可能に結合され、他端が下部ロッドの下部に回転可能に結合された第2連結部と;をさらに含むことを特徴とする、トラス構造を有するウェアラブル椅子。
【請求項9】
下部ロッドには長さ方向に形成されたレールが設けられ、スライド部はレールに沿って下部ロッドの長さ方向にスライド可能であり、
スライド部を下方に引っ張る方向に弾性力を加える第1弾性体が下部ロッドに形成されたことを特徴とする、請求項に記載のトラス構造を有するウェアラブル椅子。
【請求項10】
下部ロッドには、一端が下部ロッドに固定され且つ他端が支持ロッドの下端部に結合され、上部ロッドが下部ロッドを基準に広がる方向と同じ方向に支持ロッドを回転させるように回転力を加える第2弾性体が形成されたことを特徴とする、請求項に記載のトラス構造を有するウェアラブル椅子。
【請求項11】
支持ロッドの上端部には、支持ロッドが上部ロッドに沿ってスライドするように回転する第2ベアリングが形成されたことを特徴とする、請求項に記載のトラス構造を有するウェアラブル椅子。
【請求項12】
第2ベアリングは、上部ロッドの方向に支持ロッドの外部に露出されるか或いは支持ロッド内に挿入されるように支持ロッドの上端部の加圧溝内で移動可能に支持ロッドに結合され、
支持ロッドには、第2ベアリングが加圧溝に沿って上部ロッド側の外部に露出されるように第2ベアリングを加圧する第3弾性体が形成されたことを特徴とする、請求項11に記載のトラス構造を有するウェアラブル椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラス構造を有するウェアラブル椅子に係り、特に、着用者が着用した状態で着座時に着用者の荷重を支持する椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、産業現場だけでなく、身体障害者および高齢者の挙動時に筋力を補助して挙動を助けるか、或いは筋肉病患者のためのリハビリテーション用、または重い軍装を背負う軍人用、または重い荷物を背負う産業現場用などの様々な目的を有するウェアラブルロボット(Wearable Robot)の開発が盛んに行われている。
【0003】
一般に、ウェアラブルロボットは、人体と類似の関節作用を行うリンクが人体に着用できる形状であって、有機的に結合されて製作される。このようなウェアラブルロボットは、ユーザーに着用されて上肢または下肢の筋力を補助することにより、別途の外部機械の助けを借りずに、ユーザーが一般的な人間の筋力限界を超えた力が要求される高荷重作業を行うことができるようにする。
【0004】
しかし、動力が作用して筋力を補助するアクティブタイプ(Active Type)のウェアラブルロボットは、相対的に重量が重く、制御器によって複雑な制御が要求されるという問題があり、これにより、安定性が低く、着座角が制限的であるという問題点があった。
【0005】
したがって、軽い重量を有し且つ大きい荷重を支持することができるパッシブタイプ(Passive Type)のウェアラブル椅子が要求される。ただし、従来技術によるパッシブタイプのウェアラブル椅子は、着座角が変更され難いという問題点があった。
【0006】
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進するためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け止められてはならないだろう。
【0007】
これに関する従来技術としては、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国登録特許第10-1755806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、軽い重量を有し且つ大きい荷重を支持することができるウェアラブル椅子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子は、長さ方向に延びて着用者の大腿部に連結された上部ロッドと;長さ方向に延びて着用者の下腿部に連結され、上端部が回転中心を介して上部ロッドの下端部と互いに相対回転可能に結合され、下端部は着用者の着座時に地面に接触する下部ロッドと;上端部は上部ロッドにおけるスライド阻止位置が可変できるように上部ロッドにスライド可能に結合され、下端部は下部ロッドに回転可能に結合されることにより、着用者の着座時に上部ロッドと下部ロッドとの間で長さ方向に圧縮力を支持する支持ロッドと;を含み、上部ロッドにおける支持ロッドの上端部のスライド阻止位置が可変することにより、着用者の着座時に上部ロッドおよび下部ロッドの回転中心と支持ロッドとの間の直線距離が可変され、支持ロッドの上端部および下端部は、上部ロッドまたは下部ロッドの内部に一部が挿入された状態でスライド可能または回転可能に結合され、下部ロッドが上部ロッドの内部で回転可能に結合され、下部ロッドが上部ロッドと互いに畳まれる方向に相対回転すると、支持ロッドの一部が下部ロッドの内部に挿入された状態で下部ロッドの一部が上部ロッドの内部に挿入される
【0011】
上部ロッドに上部ロッドの長さ方向にスライド可能に結合されるが、複数の位置でスライドが阻止されるように上部ロッドに固定可能に結合されたスイッチ;をさらに含み、スイッチが上部ロッドに固定されることにより、支持ロッドの上端部がスイッチによって支持されて支持ロッドのスライドが阻止できる。
【0012】
スイッチの一側端部には上部ロッド側に突出した結合突起が形成され、上部ロッドの複数の位置には結合溝が形成されることにより、結合突起が結合溝に挿入されるときにスイッチと上部ロッドとの間のスライドが阻止されるように固定できる。
【0013】
スイッチは、結合突起が形成された本体部と、本体部に回転可能に結合され、一端部に第1ベアリングが形成された回転部とから構成され、回転部が本体部を基準に相対回転すると、第1ベアリングが結合突起の突出方向に露出され、結合突起が結合溝から離脱することができる。
【0014】
本体部には結合突起の突出方向と反対の方向に突出した支持台が形成され、回転部の他端部が支持台に対して斜め方向に延びて回転部の他端部が支持台側に加圧されることにより、回転部が本体部を基準に回転することができる。
【0015】
スイッチと上部ロッドとにそれぞれ磁石が設けられており、スイッチの結合突起が上部ロッドの結合溝内に挿入された際に、スイッチに設けられた磁石と上部ロッドに設けられた磁石とが互いに対向して、スイッチに設けられた磁石と上部ロッドに設けられた磁石との間に引力が作用する
【0016】
スイッチには、磁石が結合突起と離隔して複数設けられ、上部ロッドには、磁石が、スイッチの結合突起が上部ロッドの結合溝内に挿入されるスイッチの位置で、スイッチに設けられた複数の磁石にそれぞれ対応して設けられ得る。
【0017】
上記の目的を達成するための本発明に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子は、長さ方向に延びて着用者の大腿部に連結された上部ロッドと;長さ方向に延びて着用者の下腿部に連結され、上端部が回転中心を介して上部ロッドの下端部と互いに相対回転可能に結合され、下端部は着用者の着座時に地面に接触する下部ロッドと;上端部は上部ロッドにおけるスライド阻止位置が可変できるように上部ロッドにスライド可能に結合され、下端部は下部ロッドに回転可能に結合されることにより、着用者の着座時に上部ロッドと下部ロッドとの間で長さ方向に圧縮力を支持する支持ロッドと;を含み、上部ロッドにおける支持ロッドの上端部のスライド阻止位置が可変されることにより、着用者の着座時に上部ロッドおよび下部ロッドの回転中心と支持ロッドとの間の直線距離が可変され、下部ロッドの長さ方向にスライド可能に下部ロッドに結合されたスライド部と;着用者の下腿部に直接結合された下腿固定部と;一端が下腿固定部の上部に結合され、他端がスライド部に回転可能に結合された第1連結部と;一端が下腿固定部の下部に回転可能に結合され、他端が下部ロッドの下部に回転可能に結合された第2連結部と;をさらに含む。
【0018】
下部ロッドには、長さ方向に形成されたレールが設けられ、スライド部は、レールに沿って下部ロッドの長さ方向にスライド可能であり、スライド部を下方に引っ張る方向に弾性力を加える第1弾性体が下部ロッドに形成できる。
【0019】
下部ロッドには、一端が下部ロッドに固定され且つ他端が支持ロッドの下端部に結合され、上部ロッドが下部ロッドを基準に広がる方向と同じ方向に支持ロッドを回転させるように回転力を加える第2弾性体が形成できる。
【0020】
支持ロッドの上端部には、支持ロッドが上部ロッドに沿ってスライドするように回転する第2ベアリングが形成できる。
【0021】
第2ベアリングは、上部ロッドの方向に支持ロッドの外部に露出されるか或いは支持ロッド内に挿入されるように、支持ロッドの上端部に形成された加圧溝の内部で移動可能に支持ロッドに結合され、支持ロッドには、第2ベアリングが加圧溝に沿って上部ロッド側の外部に露出されるように第2ベアリングを加圧する第3弾性体が形成できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のトラス構造を有するウェアラブル椅子によれば、着座角が変更されても、軽い構造で大きい荷重に耐えることができるという効果を有する。
【0023】
また、着用者の着座時に下部ロッドが下腿固定部を基準に下降して下部ロッドの下端部が地面に接触する場合、4節リンク構造によって下部ロッドの下端部が着用者の足から離隔するように位置することにより、着座安定性が向上するという効果を有する。
【0024】
また、着用者が立ち上がった姿勢では下部ロッドの下端部が地面に接触しないように上昇した状態に維持されて着用者の歩行に対する干渉を最小限に抑えるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子を示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子の様々な着座角を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子の様々な着座角を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子の様々な着座角を示す図である。
図5a】本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子の上部ロッドとスイッチとの結合関係を示す図である。
図5b】本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子の上部ロッドとスイッチとの結合関係を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子を着用した姿を示す図である。
図7a】本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子の支持ロッドの上端部を示す図である。
図7b】本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子の支持ロッドの上端部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書または出願に開示されている本発明の実施形態に対して、特定の構造的または機能的説明は単に本発明に係る実施形態を説明するために例示されたものに過ぎず、本発明に係る実施形態は、様々な形態で実施でき、本明細書または出願に説明された実施形態に限定されるものではない。
【0027】
本発明に係る実施形態は、多様な変更を加えることができ、種々の形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に例示して本明細書または出願で詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明の概念による実施形態を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものと理解されるべきである。
【0028】
本明細書において、「第1」および/または「第2」等の用語は多様な構成要素の説明に使用できるが、これらの構成要素はこのような用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。例えば、本発明の概念による権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名でき、同様に第2構成要素も第1構成要素とも命名できる。
【0029】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる或いは「接続されて」いると言及された場合には、該他の構成要素に直接連結または接続されていることも意味するが、それらの間に別の構成要素が介在する場合も含むと理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる或いは「直接接続されて」いると言及された場合には、それらの間に別の構成要素が介在しないと理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち「~間に」と「すぐに~間に」または「~に隣り合う」と「~に直接隣り合う」等も同様に解釈されるべきである。
【0030】
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、説示された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0031】
また、別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含めて、本明細書において使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上において有する意味と一致する意味であると解釈されるべきであり、本明細書において明白に定義しない限りは、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0032】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明することにより、本発明を詳細に説明する。各図面に提示された同一の参照符号は、同じ部材を示す。
【0033】
図1は本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子を示す断面図であり、図2乃至図4は本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子の様々な着座角を示す図である。
【0034】
図1乃至図4を参照すると、本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子は、長さ方向に延びて着用者の大腿部に連結された上部ロッド100と;長さ方向に延びて着用者の下腿部に連結され、上端部が回転中心500を介して上部ロッド100の下端部と互いに相対回転可能に結合され、下端部は着用者の着座時に地面に接触する下部ロッド200と;上端部は上部ロッド100におけるスライド阻止位置が可変できるように上部ロッド100にスライド可能に結合され、下端部は下部ロッド200に回転可能に結合されることにより、着用者の着座時に上部ロッド100と下部ロッド200との間で長さ方向に圧縮力を支持する支持ロッド300と;を含み、上部ロッド100における支持ロッド300の上端部のスライド阻止位置が可変されることにより、着用者の着座時に上部ロッド100および下部ロッド200の回転中心と支持ロッド300との間の直線距離が可変されることを特徴とする。
【0035】
上部ロッド100は、着用者の大腿部に対応する構成であって、ハーネスで着用者の大腿部に直接結合されるか、或いは大腿部に密着する大腿骨支持台110とハーネスで結合されて着用者の大腿部に連結できる。上部ロッド100は、着用者の大腿部が延びた方向と並んで長さ方向に延びることができる。
【0036】
下部ロッド200は、着用者の下腿部に対応する構成であって、着用者の下腿部に直接ハーネスを介して結合されるか、或いは着用者の下腿部に直接結合された下腿固定部210を介して着用者の下腿部に連結できる。下部ロッド200は、着用者の下腿部が延びた方向と並んで長さ方向に延びることができる。
【0037】
下部ロッド200の上端部は、回転中心500を介して上部ロッド100の下端部に互いに相対回転可能にヒンジ結合できる。
【0038】
下部ロッド200の下端部280は、着用者の着座時に地面に接触することができる。特に、着用者の足の後ろで地面に接触して着用者の着座姿勢を支持することができる。下部ロッド200は、スライドおよび固定が可能な構造であって、着用者の身長に合わせて長さが調節できる構成を有し、地面に接触する下部ロッド200の下端部280は、摩擦力の大きい材質、例えばゴム材質などで形成できる。
【0039】
支持ロッド300は、下端部が下部ロッド200に回転可能に結合され、上端部が上部ロッド100にスライド可能に結合される。したがって、上部ロッド100と下部ロッド200とが互いに相対回転することにより、支持ロッド300の下端部は下部ロッド200を基準に回転し、支持ロッド300の上端部は上部ロッド100に沿ってスライドすることができる。
【0040】
支持ロッド300の上端部が上部ロッド100に沿ってスライドしながら、上部ロッド100におけるスライド阻止位置が可変できるように上部ロッド100にスライド可能に結合され、支持ロッド300の上端部のスライド阻止位置が可変されることにより、着用者の着座時に上部ロッド100と下部ロッド200との間の角度である着座角が可変される。
【0041】
上部ロッド100、下部ロッド200および支持ロッド300は、トラス(Truss)構造を形成して強固な構成を有する。上部ロッド100および下部ロッド200は、曲げ荷重を受けて高い剛性が必要であるが、支持ロッド300は、軸方向の圧縮荷重のみを受ける。
【0042】
したがって、支持ロッド300は、比較的小さい剛性が要求されるので、軽量の素材と構造を持つことができ、これにより、スライドまたは回転の際に小さい慣性によって着用者の自由な動きに対する干渉を最小限に抑えることができるという効果を有する。
【0043】
特に、図2および図4を参照すると、着用者の体重による荷重が均等に分配されるものと仮定するとき、着座角が可変されることにより、回転中心から荷重方向に対して垂直な方向への距離が可変されて(R1、R2、R3)上部ロッド100への荷重によるモーメントアームが可変される。
【0044】
但し、支持ロッド300は、上端部が上部ロッド100に沿ってスライドする構成なので、着座角が可変されることにより、着用者の着座時に上部ロッド100と下部ロッド200の回転中心から支持ロッド300までの直線距離が可変される(r1、r2、r3)。したがって、着座角が可変されてモーメントアームが可変されても、支持ロッド300で受ける支持力は同等のレベルを維持する。すなわち、本発明の構成によれば、着座角が変更されても、軽い構造で大きい荷重に耐えることができるという効果を有する。
【0045】
また、支持ロッド300の上端部および下端部は、上部ロッド100または下部ロッド200の内部に一部が挿入された状態でスライド可能または回転可能に結合できる。つまり、上部ロッド100および下部ロッド200は、支持ロッド300の上端部または下端部を内部に挿入された状態で包み込みながら結合できる。
【0046】
これにより、支持ロッド300は、圧縮荷重のみが加わる構造であって、相対的に小さい剛性が要求されるので、上部ロッド100および下部ロッド200に備えて小さい厚さで形成され、上部ロッド100および下部ロッド200が畳まれる構造を持つことができる。
【0047】
特に、下部ロッド200が上部ロッド100の内部で回転可能に結合されて下部ロッド200が上部ロッド100と互いに畳まれる方向に相対回転すると、支持ロッド300の一部が下部ロッド200の内部に挿入された状態で下部ロッド200の一部が上部ロッド100の内部に挿入され得る。
【0048】
つまり、上部ロッド100と下部ロッド200が互いに畳まれる方向に回転するとき、支持ロッド300の一部は下部ロッド200の内部に挿入され、下部ロッド200の一部は上部ロッド100の内部に挿入されることにより、上部ロッド100と下部ロッド200が畳まれた状態で最小限の体積を持つように形成されるという効果を有する。
【0049】
上部ロッド100に上部ロッド100の長さ方向にスライド可能に結合されるが、複数の位置でスライドが阻止されるように上部ロッド100に固定可能に結合されたスイッチ400;をさらに含み、スイッチ400が上部ロッド100に固定されることにより、支持ロッド300の上端部がスイッチ400によって支持されて支持ロッド300のスライドが阻止できる。スイッチ400は、支持ロッド300の上端部がスライドされる方向と並ぶか或いは同じ方向に上部ロッド100に沿ってスライド可能である。
【0050】
但し、スイッチ400は、複数の位置でスライドが遮断されるように、上部ロッド100に固定可能に結合できる。スイッチ400は、連続的な位置で上部ロッド100に固定されるように結合されるか、或いは離隔した複数の位置で上部ロッド100に固定されるように結合され得る。
【0051】
図5aおよび図5bは、本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子の上部ロッドとスイッチとの結合関係を示す図である。
【0052】
図5aおよび図5bをさらに参照すると、スイッチ400が上部ロッド100に固定された場合、支持ロッド300は、スイッチ400によって上部ロッド100とのスライドが阻止され、上部ロッド100と下部ロッド200の相対回転が固定できる。スイッチ400の固定された位置が可変されることにより、上部ロッド100と下部ロッド200の相対回転阻止角度が可変できる。
【0053】
着用者の着座時には着用者の荷重が上部ロッド100に加えられ、支持ロッド300によって下部ロッド200と上部ロッド100との相対回転角度が固定されると、上部ロッド100に加えられる着用者の荷重は、支持ロッド300を介して下部ロッド200に伝達される。
【0054】
したがって、着用者の着座時に、下部ロッド200と上部ロッド100との角度である着座角は、上部ロッド100に沿ってスイッチ400の固定位置が変更されることにより変更できる。これにより、着用者は、簡単に着座角を変更することができるという効果を有する。
【0055】
スイッチ400は、支持ロッド300の上端部の形状に対応するように形成できる。特に、支持ロッド300の上端部を包み込む形状に形成できる。つまり、図示の如く、ラウンドされた支持ロッド300の上端部を支持するスイッチ400は、支持ロッド300の上端部を包み込む形状に形成できる。これにより、スイッチ400は、支持ロッド300で支持する力を分散して加圧できる。
【0056】
スイッチ400の一側端部には上部ロッド100側に突出した結合突起411が形成され、上部ロッド100の複数の位置には結合溝120が形成されることにより、結合突起411が結合溝120に挿入されるときにスイッチ400と上部ロッド100との間のスライドが阻止されるように固定できる。
【0057】
スイッチ400は、上部ロッド100の長さ方向に延び、一側端部に結合突起411が形成できる。上部ロッド100の長さ方向に離隔した複数の位置に結合溝120が形成できる。結合突起411は、上部ロッド100側に突出して、上部ロッド100に形成された複数の結合溝120に挿入され、これにより、スイッチ400が上部ロッド100に沿ってスライドしないようにしっかりと固定できる。
【0058】
スイッチ400は、結合突起411が形成された本体部410と、本体部410に回転可能に結合され、一端部に第1ベアリング421が形成された回転部420とから構成され、回転部420が本体部410を基準に相対回転すると、第1ベアリング421が結合突起411の突出方向に露出され、結合突起411が結合溝120から離脱することができる。
【0059】
スイッチ400の本体部410は、上部ロッド100の長さ方向に延び、結合突起411は、本体部410の一側端部に形成され得る。回転部420は、一端部に第1ベアリング421が形成され、本体部410に回転可能に結合できる。
【0060】
回転部420の第1ベアリング421は、本体部410の結合突起411が結合溝120に挿入された状態で本体部410の内部に挿入されており、回転部420が本体部410を基準に相対回転すると、第1ベアリング421が結合突起411の突出方向に露出されて結合突起411が結合溝120から離脱することができる。すなわち、第1ベアリング421が結合突起411の突出方向に露出されるように回転することにより、結合突起411が結合溝120から離脱するのである。
【0061】
これにより、結合突起411と結合溝120との結合が解除された状態で、第1ベアリング421が露出されて上部ロッド100に接触し、これにより、スイッチ400がスムーズにスライドすることができるという効果を有する。
【0062】
本体部410には結合突起411の突出方向と反対の方向に突出した支持台412が形成され、回転部420の他端部が支持台412に対して斜め方向に延びて回転部420の他端部が支持台412側に加圧されることにより、回転部420が本体部410を基準に回転することができる。
【0063】
支持台412は、本体部410と一体に形成されるか、或いはしっかりと固定されるように形成され、回転部420の他端部は、結合突起411の突出方向と反対の方向に支持台412に対して斜め方向に延びることができる。つまり、回転部420は、一端部が結合突起411の突出方向に露出され、他端部は結合突起411の突出方向と反対の方向に延びるように本体部410を貫通して中間で本体部410と回転可能に結合できる。
【0064】
回転部420の他端部が支持台412に対して斜め方向に延びて回転部420の他端部が支持台412側に加圧されると、回転部420が本体部410を基準に回転することができる。具体的には、回転部420の一端部に形成された第1ベアリング421が本体部410の内部に挿入された状態では、回転部420の他端部が支持台412に対して斜め方向に延び、回転部420の他端部が支持台412側に加圧されて支持台412と並ぶと、第1ベアリング421が結合突起411の突出方向に露出されるように回転して結合突起411が結合溝120から離脱することができる。
【0065】
したがって、回転部420の他端部を加圧することにより、スイッチ400の固定を簡単に解除することができ、これにより、スイッチ400の位置変更が簡単に操作できるという効果を持つ。
【0066】
スイッチ400の結合突起411が上部ロッド100の結合溝120の内部に挿入されるスイッチ400の位置に、スイッチ400と上部ロッド100との間で互いに引力が作用する磁石130、430がそれぞれ対向するように設けられ得る。特に、スイッチ400と上部ロッド100には磁石130、430のN極とS極が互いに対向するように設けられることにより、引力が作用することができる。
【0067】
スイッチ400と上部ロッド100のそれぞれには、互いに引力が作用する磁石130、430が設けられ得る。ここで、スイッチ400と上部ロッド100の磁石130、430は、相対的に弱い力を持つもので、スイッチ400の結合突起411が上部ロッド100の結合溝120内に挿入されるように誘導するためのものである。互いに離隔した位置に設けられた結合溝120の内部に結合突起411を挿入させるように、スイッチ400を所定の位置に位置させるために磁石130、430の引力を利用するのである。
【0068】
磁石130、430の磁気力による引力でスイッチ400と上部ロッド100のスライドを阻止することができる。しかし、このような磁気力による引力は相対的に弱く、強い引力を有する磁石130、430を用いる場合には、スイッチ400の位置変更が難しいという問題がある。
【0069】
スイッチ400には、磁石430が結合突起411と離隔して複数設けられ、上部ロッド100には、磁石130が、スイッチ400の結合突起411が上部ロッド100の結合溝120内に挿入されるスイッチ400の位置で、スイッチ400に設けられた複数の磁石430にそれぞれ対応して設けられ得る。
【0070】
磁石130、430の引力が結合突起411の離脱を妨害しないように、磁石130、430は、結合突起411とは離隔して位置することができる。磁石130、430は、複数であって、互いに離隔して位置することにより、スイッチ400が磁気力による引力によって上部ロッド100に安定的に支持できる。
【0071】
図示の如く、スイッチ400には、2つの磁石430が離隔して設けられ、上部ロッド100には、一定の離隔距離で結合溝120が配列され、スイッチ400の結合突起411が上部ロッド100の結合溝120内に挿入されるスイッチ400の位置ごとに、上部ロッド100に磁石130が設けられ、上部ロッド100の磁石130も、同じ間隔で配置されて一部が重複するように設けられ得る。
【0072】
本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子は、下部ロッド200の長さ方向にスライド可能に下部ロッド200に結合されたスライド部230;着用者の下腿部に直接結合された下腿固定部210;一端が下腿固定部210の上部に結合され、他端がスライド部230に回転可能に結合された第1連結部240;および一端が下腿固定部210の下部に回転可能に結合され、他端が下部ロッド200の下部に回転可能に結合された第2連結部250;をさらに含むことができる。
【0073】
下腿固定部210は、着用者の下腿部にハーネスを介して直接結合できる。下腿固定部210は、着用者の下腿部に密着するように形成できる。
【0074】
スライド部230は、下部ロッド200の長さ方向にスライド可能に下部ロッド200に結合され、第1連結部240を介して下腿固定部210に連結される。第1連結部240の一端は、下腿固定部210の上部にしっかりと結合され、第1連結部240の他端は、スライド部230に回転可能に結合され得る。逆に、第1連結部240の一端は下腿固定部210の上部に回転可能に結合され、第1連結部240の他端はスライド部230にしっかりと結合され得る。
【0075】
第2連結部250は、下腿固定部210と下部ロッド200とを連結する。第2連結部250の一端は、下腿固定部210の下部に回転可能に結合され、第2連結部250の他端は、下部ロッド200の下部に回転可能に結合され得る。
【0076】
上記の構成によって、下腿固定部210は、下部ロッド200と4節リンク構造で結合される。これにより、下腿固定部210は、下部ロッド200の長さ方向に安定的にスライド可能に下部ロッド200に結合され、スライドすることにより下部ロッド200からの距離が可変できる。
【0077】
図6は本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子を着用した姿を示す図である。
【0078】
図6をさらに参照すると、このような構成によれば、着用者の着座時に下部ロッド200が下腿固定部210を基準に下降して下部ロッド200の下端部280が地面に接触する場合に、4節リンク構造によって下部ロッド200の下端部が着用者の足から離隔するように位置することにより、着座安定性が向上するという効果を有する。
【0079】
また、4節リンク構造によって下部ロッド200の下端部280が地面に接触する位置が常に一定になるという効果を有する。つまり、着用者の着座時に下部ロッド200が下降することにより、4節リンク構造によって下部ロッド200は着用者の下腿部の背面から離隔し、これにより、下部ロッド200の下端部280が地面に接触する位置が、着用者の足の後方から離隔した位置で地面に接触することができる。
【0080】
下部ロッド200には、長さ方向に形成されたレール205が設けられ、スライド部230は、レール205に沿って下部ロッド200の長さ方向にスライド可能であり、スライド部230を下方に引っ張る方向に弾性力を加える第1弾性体260が下部ロッド200に形成できる。
【0081】
つまり、スライド部230は、下部ロッド200の長さ方向に形成されたレール205にスライド可能に結合され、第1弾性体260は、スライド部230が下部ロッド200を基準に下方に引っ張られるように形成できる。第1弾性体260の弾性力によって、下部ロッド200は、スライド部230を基準に上方に引っ張られ得る。
【0082】
これにより、着用者が立ち上がった姿勢で着用者の荷重が加わっていない状態で、下部ロッド200は、着用者の下腿に結合された下腿支持部を基準に上方に引っ張られる。したがって、着用者が立ち上がった姿勢では、下部ロッド200の下端部280が地面に接触しないように上昇した状態に維持され、着用者の歩行に対する干渉を最小限に抑えるという効果を有する。
【0083】
下部ロッド200には、一端が下部ロッド200に固定され、他端が支持ロッド300の下端部に結合されることにより、上部ロッド100が下部ロッド200を基準に広がる方向と同じ方向に支持ロッド300を回転させるように回転力を加える第2弾性体290が形成できる。
【0084】
第2弾性体290は、上部ロッド100が下部ロッド200を基準に広がる方向と同じ方向に支持ロッド300を回転させるように回転力を加えることができる。つまり、図示の如く、支持ロッド300の下端部で支持ロッド300を反時計回りに回転させるように回転力を加えることで、支持ロッド300の上端部が上部ロッド100に常に当接するように支持ロッド300の上端部が上部ロッド100側の方向に回転するように回転力を加えることができる。
【0085】
このための構成として、第2弾性体290は、一端が下部ロッド200に固定され、他端が支持ロッド300の下端部に直接結合され得る。または、図示の如く、環状の別途の構成によって間接的に結合できる。
【0086】
別の実施形態としては、一端が下部ロッド200に固定され、支持ロッド300が下部ロッド200を基準に回転する回転中心を取り囲み、他端が支持ロッド300の下端部に結合されたコイル状のスプリングの構成を持つことができる。
【0087】
第2弾性体290の回転力は、上部ロッド100が下部ロッド200を基準に回転するほどに強い弾性力を持つのではなく、単純に支持ロッド300の上端部が上部ロッド100のスライド時に接触を維持する程度であれば十分である。これにより、支持ロッド300の上端部が上部ロッド100に常に当接して上部ロッド100にスライドするという効果を有し、後述する第2ベアリング310が上部ロッド100に常に接触して支持ロッド300がスムーズにスライドするという効果を有する。
【0088】
図7aおよび図7bは本発明の一実施形態に係るトラス構造を有するウェアラブル椅子の支持ロッドの上端部を示す図である。
【0089】
図7aおよび図7bをさらに参照すると、支持ロッド300の上端部には、支持ロッド300が上部ロッド100に沿ってスライドするように回転する第2ベアリング310が形成できる。第2ベアリング310は、支持ロッド300が上部ロッド100に沿ってスライドする上部ロッド100の長さ方向に垂直な回転軸を中心に回転するように支持ロッド300の上端部に結合されたベアリングであり得る。これにより、第2ベアリング310によって支持ロッド300が上部ロッド100に沿ってスライドするときにスムーズな移動が可能であるという効果を有する。
【0090】
特に、第2ベアリング310は、図7aに示すように上部ロッド100の方向に支持ロッド300の外部に露出されるか、或いは図7bに示すように支持ロッド300の内部に挿入されるように支持ロッド300の上端部の加圧溝320内で移動可能に支持ロッド300に結合できる。
【0091】
また、支持ロッド300には、第2ベアリング310が加圧溝320に沿って上部ロッド100側の外部に露出されるように第2ベアリング310を加圧する第3弾性体330が形成できる。
【0092】
第2ベアリング310は、支持ロッド300の上端部に結合されるが、支持ロッド300との一部相対移動ができるように加圧溝320の内部に結合され得る。加圧溝320は、第2ベアリング310の回転軸が移動することができるように支持ロッド300の上端部に形成され、第2ベアリング310は、加圧溝320の内部で上部ロッド100側の外部に露出されるか或いは支持ロッド300の内部に挿入されるように移動することができる。
【0093】
第3弾性体330は、支持ロッド300には第2ベアリング310が加圧溝320に沿って上部ロッド100側の外部に露出されるように第2ベアリング310を加圧するために弾性力を加えることができる。これにより、別途の外力がない場合、第3弾性体330によって第2ベアリング310は上部ロッド100側の外部に露出されることができる。
【0094】
上記の構成によって、第2ベアリング310が第3弾性体330によって支持ロッド300の上端部の外側に露出された状態で、支持ロッド300が上部ロッド100に沿ってスムーズにスライドすることができる。但し、着用者の着座時のように支持ロッド300が加圧されると、第2ベアリング310は、第3弾性体330の弾性力に打ち勝ち支持ロッド300の内部に挿入されて外力によって破損しないように保護されるという効果を有する。
【0095】
本発明の特定の実施形態に関連して図示および説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱することなく、本発明に多様な改良及び変化を加え得るのは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0096】
100 上部ロッド
200 下部ロッド
300 支持ロッド
400 スイッチ
410 本体部
420 回転部
421 第1ベアリング
130、430 磁石
310 第2ベアリング
500 回転中心
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図7a
図7b